安心・つながりPT報告書を取りまとめました!

2025年11月5日

安心・つながりプロジェクトチームの概要について

 今後、我が国では単身世帯の更なる増加が見込まれ、国立社会保障・人口問題研究所から公表された「日本の世帯数の将来推計(令和6年推計)」においては、2050年には単身世帯が全世帯の44.3%を占めるとの推計が示されています。

 こうした単身世帯の増加に伴って、孤独・孤立のリスクを抱える方も増加する懸念があることから、孤独・孤立対策担当大臣の下に、有識者による「安心・つながりプロジェクトチーム」を立ち上げ、以下について重点的に議論してきました。

  • 現在、単身で身寄りのない高齢者の孤独・孤立の予防
  • 将来を見据え、現役世代を含め、今後増加していく単身者が高齢期に至っても社会とのつながりを持ち、孤独・孤立状態に至らず、安心して高齢期を過ごすことができるような、中長期視点に立った対策

 プロジェクトチームは、全7回に及び、有識者、居場所・つながりづくりに取り組む民間団体や関係省庁からのヒアリングや意見交換、現場視察を行い、報告書を取りまとめました。

安心・つながりプロジェクトチーム取りまとめ概要
安心・つながりプロジェクトチーム取りまとめ~お互い様のつながりづくり~(概要)

 本ページでは、プロジェクトチームにおける論点ごとの議論の概要と、報告書のポイントを簡単に御説明します。

 

論点

  1. 居場所・つながりづくりの在り方
  2. 支援につなげる際の課題
  3. 行政が果たすべき役割及びNPO等や民間企業に期待される役割

論点ごとの議論について

「居場所・つながりづくりの在り方」について、
 「多様な居場所づくりの促進」の観点からは、以下のような議論がありました。

  • 人との「つながり」は重要である一方、ストレスや「しがらみ」になることもあるため、「SNS以上しがらみ未満」の緩やかなつながりが求められること
  • 「居場所」づくりに当たっては、当事者の「課題」ではなく、「好きなこと」、「やりたいこと」を入口とすることも重要であること

 

 「担い手の確保に向けた取組の在り方」の観点からは、以下のような議論がありました。

  • 「担い手」には、組織を束ねる「リーダーとしての担い手」と、現場で居場所に参加する「活動の担い手」があり、双方の育成・確保が重要であること
  • 孤独・孤立の問題について知識を身につけ、身の回りの人に関心をもち、できる範囲で困っている人をサポートする「つながりサポーター」の普及を促進すること
  • 民間企業もつながりづくりの重要な担い手であり、取組を促進する必要があること

 

続いて、「支援につなげる際の課題」については、以下のような議論がありました。

  • 孤独・孤立の問題は誰にでも起こり得るもので、助けを求めることは恥ずかしくない」という理解の浸透が重要であること
  • 現役世代へのアプローチのためには、特に民間企業への働き掛けが重要であること

取りまとめ報告書のポイントについて

 こうした議論を踏まえ、取りまとめ報告書においては、以下がポイントとして示されています。

  • 居場所づくりに当たっては、地域住民の日常生活動線上に居場所を作るなど、自然と人々が集うような工夫が重要であること
  • 当事者の課題だけに目を向けるのではなく、当事者の「好きなこと」「やりたいこと」に着目した多様な居場所づくりが重要であること
  • 居場所において当事者に「役割」や「出番」をつくり、「頼る」など、当事者自身が居場所につながることに意義を感じ、自己肯定感や自己有用感を高められるような取組が重要であること
  • 民間企業もつながりづくりの重要な担い手であり、事業活動を通じたつながりづくりや、社員間・社員と地域とのつながりづくりが期待されること
  • 最後に、退職後の孤独・孤立は皆が直面し得る課題となっており、社会や地域とのつながりづくりなど、現役世代からの「備え」が重要であること

最後に

 以上、取りまとめ報告書の内容等について要点を絞って御紹介しました。

 孤独・孤立の状態は、人生のあらゆる段階で誰にでも生じうるものです。他方、社会や地域とのつながりや、助けを求めることが恥ずかしいことではないという認識は、一朝一夕に構築・醸成できるものではありません。そのため、現役世代のうちから一人一人が、「今のうちから社会や地域とつながりをつくること」や、「受援力(助けを求める能力)に対する意識を高めること」など、誰もが単身となり得ることを想定し、日頃から「備え」をしておくことが重要です。
 また、本とりまとめ報告書の副題にもあるとおり、居場所において当事者に「役割」や「出番」をつくり、「頼る」など、支援する側・される側という固定化された関係ではなく、頼り頼られる「お互い様」の意識に基づく「お互い様のつながりづくり」を目指していくことも重要です。

 内閣府としても、本とりまとめ報告書を踏まえ、居場所・つながりづくりに関する地方公共団体、NPO等や民間企業の取組を促進し、誰もが「どこか」につながり、役割をもつ、「安心していきいきと暮らしていける社会」の実現を目指し、関係省庁と連携し、力を合わせて取組を進めます。

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