自律型無人探査機(AUV)をご存じですか!?

2025年2月27日

 今、自律型無人探査機(AUV:Autonomous Underwater Vehicle)などのロボット技術を海で活用する取組が始まっています。AUVは、人による遠隔操縦を必要とせず、自ら状況を判断して全自動で水中を航行できるロボットです。AUVにさまざまなセンサーや通信装置などを取り付けて水中を航行させることで、水中の状況を把握することができます。

AUVは、

  • 天候の影響をあまり受けず、長時間の活動が可能であること
  • 自律制御により水中での活動を省人化・無人化できること
  • ケーブルがないため大水深・広範囲での活動が可能であること

といった特徴を持つため、海洋におけるさまざまな活動への活用が期待されています。

 

 洋上風力発電をはじめとする海洋産業の拡大や海洋安全保障の取組の強化が進展する中、少子高齢化による人口減少や産業構造の転換等を見据え、広大な海洋の開発・利用における省人化や生産性向上を進めるとともに、人的リスクの回避に取り組む必要があります。このため、AUV等を、洋上風力発電をはじめとする海洋インフラの設置・保守管理、海洋資源開発、海洋観測・調査、海洋安全保障、海洋環境保全、防災・減災等、海洋に係る各種活動に導入することが重要です。そこで、政府の総合海洋政策本部は、AUVの国産化・産業化を実現すべく、令和5年12月に「AUVの社会実装に向けた戦略(以下「AUV戦略」)」を決定しました。

 AUV戦略は、2030年までに我が国のAUV産業が育成され、海外展開まで可能となるよう、国主導の下で官民が連携して取組を進めることとしています。そのため、AUVの製造、要素技術開発、運用、利用に関連する企業、大学・公的機関、関係府省等官民が参加し議論する場である「AUV官民プラットフォーム」のもとで、将来の海洋ロボティクス利用イメージに基づき、AUVの開発の方向性や将来ビジョン、ロードマップが昨年度に示されました。

 また、AUVの社会実装を進めるためには、新たにAUVの利用が期待される現場において、AUV等を使用して海域での実証試験を行うことで、AUVの利用による効果を示すことが重要です。そのため、総合海洋政策推進事務局では今年度よりAUVの利用実証事業を行い、令和7年1月21日に令和6年度事業の成果報告会を開催しました。成果報告会では、今後の拡大が期待される洋上風力発電施設へのAUVの利用などを含めた4件の利用実証試験の成果が報告され、2030年までの事業化に向けた各者の取組などが示されました。また、AUVの社会実装に向け、「AUV官民プラットフォーム」の取組について報告しました。利用実証事業の詳細については、下記の施策ページをご覧ください。

将来の海洋ロボティクス利用イメージ

該当施策のページ

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