第4期海洋基本計画の策定について

2023年5月26日

 「海洋基本計画」は、海洋に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために策定され、概ね5年ごとに見直しを行っています。
 平成30年5月に第3期計画を策定してから、令和5年で5年が経過するため、有識者で構成された総合海洋政策本部参与会議からの意見書を踏まえ、政府内で検討・調整を行い、令和5年4月28日に「第4期海洋基本計画」が閣議決定されました。

 我が国周辺海域を取り巻く情勢はより一層厳しさを増しており、我が国の海洋に関する国益はこれまでになく深刻な脅威・リスクにさらされています。また、カーボンニュートラルの実現やロシアのウクライナ侵略を発端としたエネルギー確保など、世界全体の経済構造や競争環境に大きな影響を与える変化も生じています。
 こうした状況に対応するため、我が国は今まさに、海洋政策の大きな変革・オーシャントランスフォーメーション・OX(Ocean Transformation)を推進すべき時です。
 こうした認識の下、第4期計画においては、基本的な方針を以下のとおり定めています。

  1. 2つの主柱(海洋政策の方向性)
    ①総合的な海洋の安全保障
     「海洋の安全保障に関する施策」と「海洋の安全保障に資する側面を有しその強化に貢献する施策」との両者を包含して、政府全体として一体となった取組を引き続き進めます。
     具体的には、まず、「海洋の安全保障に関する施策」として、国家安全保障戦略等を踏まえ、「我が国の領海等における国益の確保」、「国際的な海洋秩序の維持・発展」などに取り組みます。また、「海洋の安全保障の強化に貢献する施策」としては、経済安全保障の重要性も踏まえ、海洋資源開発や海洋科学技術の研究開発等を推進します。

    ②持続可能な海洋の構築
     脱炭素社会の実現に向けた取組を進め、その取組を通じて海洋産業の成長につなげるとともに、国際的な取組を通じて我が国の海洋環境の保全・再生・維持と海洋の持続的な利用・開発を図ります。
     具体的には、カーボンニュートラルへの海洋分野の貢献の観点から、洋上風力発電のEEZ(排他的経済水域)への拡大に向けた法整備をはじめとする環境整備等を進めます。
     
  2. 着実に実施すべき主要施策
     大きな2つの柱の他に、着実に実施すべき主要施策として、以下の取組を位置付け、それぞれ基本的な方針を定めました。
    • 海洋の産業利用の促進
    • 科学的知見の充実
    • 海洋におけるDXの推進
    • 北極政策の推進
    • 国際連携・国際協力
    • 海洋人材の育成・確保と国民の理解の増進
    • 新型コロナウイルス等の感染症対策

 このほか、主要な海洋政策の進捗状況を代表的な指標(KPI)を用いて多角的に評価すること等により、更なるガバナンスの強化に取り組むなどしながら、海洋基本計画の確実な実行を進めます。

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