「海外からの人材・資金を呼び込むためのアクションプラン」の決定について

2023年5月22日

 令和5年4月26日に対日直接投資推進会議において、「海外からの人材・資金を呼び込むためのアクションプラン」(以下、「アクションプラン」という。)を決定しました。
 海外からの人材・資金を積極的に呼び込むことにより、我が国全体の投資を拡大させ、イノベーション力を高め、日本の更なる経済成長、地域経済の活性化につなげていきます。

【基本的考え方】

  •  この30年間、我が国では、デフレ下における国内需要の停滞と新興国とのコスト競争を背景に、企業はコストカットに邁進し、海外生産比率を高めました。
     その結果として、国内投資は不足し、賃金も大きく抑制されてきました。
  •  他方で、昨今、従来の国際秩序が変容し、世界が歴史の転換期にある中、国内外の環境変化は成長のチャンスともいえます。
     グローバルサプライチェーンの再編の動きの中で、我が国の生産拠点及び研究(知の交流)拠点としての位置づけを確立し、国内投資の拡大と研究開発の促進を通じたイノベーション力・成長力の強化を進めることが重要です。
  •  足下で、30年ぶりの賃金上昇が起こりつつあり、また、企業の国内投資意欲も高まりを見せる中、海外からのヒト、モノ、カネ、アイデアを積極的に取り込み、国内投資拡大・研究開発促進による成長力の強化と価格転嫁を通じたマークアップ率の確保による賃上げを「車の両輪」として、持続的な成長と分配の好循環を生み出していく必要があります。
  •  こうした認識の下、対内直接投資残高を早期に100兆円とする新たな目標を定め、海外からの人材・資金を呼び込むための「アクションプラン」を策定し、早期に実行していきます。

【具体的取組】

 以下の5つの柱からなるアクションプランを実行することで、日本経済の持続的成長や地域経済の活性化につなげていきます。

  1. 国際環境の変化を踏まえた戦略分野への投資促進・グローバルサプライチェーンの再構築
    (取組例)
    • 半導体基金などを活用した産業立地プロジェクトの戦略的展開
    • 産学官連携による人材育成等コンソーシアムの全国展開 等
  2. アジア最大のスタートアップハブ形成に向けた戦略
    (取組例)
    • スタートアップ・エコシステム拠点都市(8か所)への集中支援
    • 外国人起業家向けビザ(スタートアップビザ)の利便性向上 等
  3. 高度外国人材等の呼び込み、国際的な頭脳循環の拠点化に向けた制度整備
    (取組例)
    • 世界に伍する水準の新たな在留資格制度(特別高度人材制度(J-Skip)、未来創造人材制度(J-Find))の創設
    • 技能実習制度・特定技能制度の在り方の検討
    • グローバル・スタートアップ・キャンパス構想
    • デジタルノマド受入制度の検討 等
  4. 海外から人材と投資を惹きつけるビジネス・生活環境の整備等
    (取組例)
    • 国際金融センターとしての機能強化・GX投融資促進
    • 多言語ワンストップ窓口機能強化
    • 教育環境改善(インターナショナルスクールから高校進学の円滑化等)
    • 医療環境(多言語対応病院情報等を提供する全国プラットフォーム構築等)
    • インバウンド拡大(MICE誘致等) 等
  5. オールジャパンでの誘致・フォローアップ体制の抜本強化、G7等を契機とした世界への発信強化
    (取組例)
    • 在外公館長・JETRO海外事務所長レベルでの連携による「FDIタスクフォース」の創設
    • 地域別誘致策や外国企業の地域への定着・二次投資を促進する「地域投資誘致フォローアップ連絡会議」の創設
    • 各省副大臣級の「海外からの人材・資金を呼び込むためのタスクフォース」を創設し、取組成果・課題等をフォローアップ・PDCAの実行
    • 海外企業トップ等の参加を得たビジネスサミットの開催 等

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