障害者差別解消法に基づく基本方針の改定

2023年3月31日

 我が国では、障害のある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら共に生きる社会(共生社会)を実現するため、「障害者差別解消法」を定めています。
 「障害者差別解消法」では、行政機関等及び事業者に対し、障害のある人への障害を理由とする「不当な差別的取扱い」を禁止するとともに、障害のある人から申出があった場合に「合理的配慮の提供」を求めることなどを通じて、「共生社会」を実現することを目指しています。

 「合理的配慮の提供」とは、障害のある人から「社会の中にあるバリア(障壁)を取り除くために何らかの対応が必要」との意思が伝えられたときに、行政機関等や事業者が、負担が重すぎない範囲で必要かつ合理的な対応を行うことです。
 「合理的配慮の提供」は、これまで行政機関等は義務、事業者は努力義務とされていましたが、改正法により、令和6年4月1日から事業者も義務化されることとなります。

  行政機関等 事業者
合理的配慮の提供 義務 努力義務
→ 令和6年4月1日から義務
 

 「合理的配慮」の内容は、障害特性やそれぞれの場面・状況に応じて異なります。事業者は、主な障害特性や合理的配慮の具体例などを予め確認した上で、個々の場面で柔軟に対応を検討することが求められます。

【「合理的配慮」の具体例】

  • 意思を伝え合うために絵や写真のカードやタブレット端末などを使う

  • 段差がある場合に、スロープなどを使って補助する

  • 障害者から「自筆が難しいので代筆してほしい」と伝えられたとき、代筆に問題がない書類の場合は、障害者の意思を十分に確認しながら代筆する

 令和5年3月には、改正法の円滑な施行に向け、政府全体の方針となる基本方針が改定されました。改定後の基本方針のポイントは以下のとおりとなります。

  • 「不当な差別的取扱い」や「合理的配慮の提供」に関する例を新たに記載
  • 行政機関等・事業者と障害のある人の双方の「建設的対話」と「相互理解」が重要であることを明記
  • 国及び地方公共団体が連携協力して対応できるよう、内閣府が以下について検討することを新たに記載
    • 事業分野ごとの相談窓口の明確化の働きかけ(対各省庁)
    • 適切な相談窓口に「つなぐ役割」等を担う国の相談窓口の設置

 今後は、改定後の基本方針に基づいて、各省庁で事業者の取組に資するためのガイドライン(対応指針)を見直すこととなるほか、内閣府でも国民全体への周知啓発を実施するなど、改正法の円滑な施行に向けた取組を着実に進めていきます。

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