議事要旨

平成18年12月21日(木)
15:00~16:00
於:総理官邸小ホール

冒頭、安倍内閣総理大臣より挨拶を行い、「野口英世アフリカ賞」を権威ある国際的な賞とするべく有識者の方々にご議論いただきたい旨述べた。

「野口英世アフリカ賞」の制度設計の主な論点に関する、各委員からの主なコメントは以下のとおりであった。

(1)賞の理念及び授賞対象

  • 本賞の理念の特徴はアフリカに着目した点であり、医学研究分野の授賞対象について、アフリカ地域が中心であることが分かるような書き方にするべきである。

(2)賞の運営

  • グループ研究に対し、受賞者を何名まで認めるのか検討する必要がある。ノーベル賞でも受賞者を3名まで認めている。
  • 医学研究と医療活動の2分野のうち、医学研究は、学問的な観点から、客観的に評価できるだろう。一方、医療活動は、埋もれている活動を掘り起こすという意味で目利きが必要である。公正な基準をしっかり立てるべきである。
  • 医学研究分野については、学問的レベルの高さも重要であるが、アフリカとの関連性をいかに評価するかという点について検討する必要がある。野口博士のように、苦労の末、アフリカの人に喜ばれる功績を挙げた人を選び、受賞者がアフリカの人に受け入れられることが必要である。
  • 医療活動分野は、どうやってNGOなど草の根レベルの活動を掘り起こすかが重要である。
  • 医学研究と医療活動という2つの分野は性格がかなり異なるので、毎回、両分野から受賞者を出すべきである。また、受賞者がどちらの分野で受賞したのかが一般向けにも分かるようにすべきである。
  • 選考過程で政治的な介入を招かないよう注意する必要がある。
  • 予め授賞分野を絞るか否かについては、重要な問題であり、検討して選考の基本方針として示していただきたい。
  • 広報戦略の一環として、今のアフリカの状況を伝え、何年か後に、この賞により、どれだけアフリカの状況がよくなったのかを分かるようにしておくべきである。

(3)基金

  • 日本国内での募金活動については、幅広い業種から集めることが必要である。
  • 民間からの寄付を得るには、募金の戦略をきちんと立て、専門家をおくことも検討すべきである。

政府側より、以下のとおり締めくくり。

  • 本日示された様々な意見を踏まえ、政府において制度設計を固め、今後、各種委員会の立ち上げ、募金等を順次開始していきたい。

(以上)