切手デザイナーからのメッセージ ― 特殊切手「第2回野口英世アフリカ賞」のデザインを担当して
野口英世博士は福島県出身者であれば、その殆どの人が小学校で最初に教えられる偉人ではないでしょうか。私は福島県会津若松市出身なのですが、もちろん社会科見学でも野口英世記念館に何度か伺い、市内にある博士の銅像も毎日のように見ており、生活の中に溶け込んでいる身近な偉人という存在でした。身近すぎて、逆に博士の成し遂げられた業績を大人になるまで詳しくは知らなかったということも事実です。
そんな折、博士の数々の業績を改めて知ることとなるチャンスが巡ってまいりました。
特殊切手「第2回野口英世アフリカ賞」の発行です。野口英世博士のデザインを同郷の私が手がけることで、少しでも今の福島県の皆様のお力になれればと思い、この切手の担当デザイナーを決めるときに自ら手をあげました。
デザインは2012年11月から取り掛かり、内閣府様や財団法人 野口英世記念会の方々に資料提供をいただだいたり、お話を伺わせていただいたり、皆様のお力をお借りしてなんとかデザインの完成までに至りました。また、改めて博士の成し得た業績に感動いたしました。
デザインでこだわったことの一つに、せっかく同郷のデザイナーの私が担当したのですから、博士の肖像のお写真を配置するだけでなく、なんらかの形でもっと直接的にデザインにかかわりたいと思ってひらめいたのが、福島県の花「ネモトシャクナゲ」の絵を描くことでした。切手としては以前にもこの花は描いたことがありましたが、また改めて思いをこめて丁寧に描きあげました。
福島県で生まれ育ったひとりとして、このような機会に恵まれたことを感謝いたします。
日本郵便株式会社
郵便事業総本部 営業本部
郵便事業部 切手・葉書室
中丸 ひとみ
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解説・切手拡大図1
解説・切手拡大図2
解説・外枠・野口博士が描いたカンゾウの花
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