後藤消費者委員会委員長 記者会見

2023年8月24日
消費者委員会

日時

2023年8月24日(木)16:00~16:46

場所

消費者委員会会議室

冒頭発言

○後藤委員長 お集まりいただきまして、ありがとうございます。

御案内のとおり、第7次消費者委員会の委員の任期は今月末までとなっております。先ほど、第7次の委員会として最後となる本会議を開催いたしました。

第7次委員会につきましては、テレビ会議システムを活用し、オンライン出席と対面出席を併用しながら活発に調査審議を行い、一定の成果を得ることができたものと考えております。調査審議に御参加いただいた委員各位、審議に御協力いただいた関係者の皆様、また報道機関の皆様に厚く御礼を申し上げます。

委員長記者会見につきましては、第7次委員会としては今回が最後となりますが、冒頭、私のほうから1件御報告させていただきます。

来月1日に発足する第8次消費者委員会に向けて、消費者委員会として考える当面の主要課題や留意して審議していただきたい事項等について、本日、「次期消費者委員会への移行に当たっての留意事項」として取りまとめました。詳細については資料を御確認ください。

私からは以上でございます。

質疑応答

(問) 留意事項をまだ拝見していないのですけれども、基本的には今、オンラインとリアルでやっていらっしゃって、傍聴人自体はメディアが基本なのですけれども、これは変えていく予定はありますか。つまり、傍聴の方に一般の消費者団体であるとか消費者とかを入れていくスタイルといいますか、そういうものは何かお考えですか。

(答) 基本的な方向性については第8次の方が協議して決めていくということになると思いますけれども、今の段階で私としては、会場で顔を突き合わせて議論をするということが非常に大事だなと思っています。種々の問題を審議するについて、そこで会場での発言前後に委員の方々がこんな問題についてどう考えているか話し合ったりとか、会場で顔を突き合わせて審議するということが大きな成果につながっていくということになる、そういうふうに私は考えておりますので、そういう意味で、傍聴の方も含めて会場に来ていただくということが一つあり得る選択肢だと思いますが、コロナの関係で今までかなり制約を受けてきた。第7次も、コロナの状況を見ながらいろいろなことを考えてきたということでありまして、コロナの感染者数等を考慮しながらということにまだなると思います。

リモートのメリットということから見ると、種々の会議についての出席ということを考えると、委員の方々、例えば宿泊して朝からの会議に出るとかいうような時間の調整ということから考えると、リモートのほうが会議に出席しやすいということがありますので、リモートを使うことによって出席率が高くなるということもあることですので、そういう意味で、会場一本で考えるということではなくて、会場とリモートを併用するような形、これがうまい具合に動いていかないかなと思っています。

傍聴の方も、実際審議しているところの状況を見ていただく、それでまた種々の問題について考えていただく機会になればいいと思いますので、私としては傍聴についても会場でという方向が望ましいとは思いますが、これはやはり第8次の委員の方々が第8次の運営の仕方として考えていっていただければいいのではないかと考えています。

(問) 分かりました。

もう一つなのですが、第1次の頃から懸念材料として、課題としてあったのですけれども、消費者委員会は、消費者行政の推進ということと、消費者行政の監視ということと、それと消費者の意見の反映をやっていくという幾つかの役割、機能を持っている。監視機能も持っているということ。

懸念事項としては、消費者委員会と消費者庁の意見の違いが出たときにどうするのかということで、例えば第1次のときは、最初の頃は、国民生活センターの、消費者庁とのリンクというか、こっちへ来いよというあれがあったときに、消費者委員会としては、消費者庁の意見について一定程度の反対を表明しながら、時期尚早という意見を出していて、要するに大臣が一緒なものだから結構難しいのではないかとずっと思われていたのですが、この点については何か教訓とか、第7次として何かあればお聞きしたいなと思います。意見を出すか、提言を出すか、建議を出すかによって違ってくるのではないかと思いますし、そこのところを感想があればお聞きしたいと思います。

(問) どうもありがとうございます。

今おっしゃるとおり報告書等を消費者委員会でまとめたときに、それを消費者庁等の行政機関との関係で、建議とするのか、意見とするのか、提言とするのか、そのような問題は確かにあることでありますけれども、そういう場面で、報告書に書いてあること、報告書というのはある意味そういう他省庁との関係については、建議にするか、意見にするかというようなことはさておき、この問題については現時点でこのように考えることが必要であるということをまとめておりますので、その報告書をどういうふうに生かしていくかというのが一番大事な問題でありまして、その報告書を世の中の人に説明したりすることが消費者委員会としては大事な作業になってくると思いますけれども、消費者庁との関係、例えば消費者庁宛てにこのようなことをする必要があるのではないかとか、こういうことを考えてくださいというようなこと、報告書がそういう内容を盛り込んでいるとすると、正に消費者委員会と消費者庁の間で、消費者委員会としてはこう考えるのだけれども、消費者庁としてはそういうことについて、なおまだ消費者委員会で議論することがあるのではないかとか、そのようなことになる側面は確かに出てくると思います。

ただ、消費者委員会の存在意義ということで考えますと、消費者委員会は独立の機関でありまして、担当大臣が消費者委員会と消費者庁で同じだということでありましても、消費者委員会は内閣府に置かれているということであって、組織として別系列の組織であるということから、その存在意義を発揮するためには、消費者委員会としても言うべきことは言うということが必要になってくるということになります。

そういう場面で、どこまでのことを言うべきかということですが、消費者委員会の調査審議は、非常に力を尽くして行っていますけれども、調査審議について消費者委員会としてはぎりぎり議論を詰めても、それ以上のことはなかなかできないというようなことも実際の事務局の体制、事務局も人数が限られていますし、そのようなところでどこまでできるかということもあります。

そういうことになりますと、実際の調査などについては、国民生活センター等とも連携をして調査を深めていくということになろうかと思います。実際のデータ等を国民生活センターに依拠することが多いわけでありますけれども、依拠するということから見ると、国民生活センターに限らず、各行政機関で持っているデータ、執行状況等ももちろん非常に重要な材料になってきますので、そういう意味で国民生活センターも含めた意味での行政機関と連携をするということは重要な問題であって、連携をしつつ、先ほどの独立の機関としての存在意義を発揮する、これが非常に大事な問題となってくると思います。

個々の事案に応じて、例えば報告書でまとめた内容が、例えば消費者庁との関係で一定のことを具体的に提案するということ、そういうことができるという段階であれば、それは建議にするということでありまして、その段階に至っていなければ、これはむしろ調査審議を先ほどの連携ということも含めて進めていく。例えば今回のルール形成のワーキングに関しても、消費者庁で行った預託法の改正があって、それが5年後見直しということになっていて、ルール形成ワーキングで扱っている問題というのは、販売預託の事件とかなり重なり合っているということになりますので、そういう意味で消費者庁の預託法改正の執行状況等を委員会としてフォローしていって、必要に応じてヒアリングをする等して議論を深めていくというような形で、具体的に考えていくと、それぞれの事案に応じて適切なやり方があると思いますので、一般論として他の行政機関、消費者庁との関係がどうなるのかという議論をしても、あまり意味のある議論ではないのではないかなと私は考えております。

以上です。

(問) どうしても消費者委員会の役割、期待というか機能というのができた頃から比較してしまうところがあって、それと今回、先ほどおっしゃった消費者委員会の独自性、自主的な審議もしているということ。たしか消費者庁及び消費者委員会設置法の中には、消費者権利の尊重と消費者の自主性の推進、あと消費者委員会の一人一人の委員に対しては、独立して執行を担う。それとともに権限としては、各省庁に対しての資料請求権を持っている。資料を請求できる。これを基にして、建議とかということで監視していく武器なのだと思いますけれども、どうしても比較してしまうのは、例えば昔々始まったときは、資料請求権ということがなかなか定義できなくて、最初にやったときには自動車のリコールの件でしたけれども、中で班がつくられていて、それのロッカーが決まっていて、鍵をかけて、各省庁、当時、国交省でしたけれども、資料請求権で持ってきた資料はそこに置いておく。鍵をかけておく。つまり、交渉とか協力関係というよりも、むしろばちんと監視するという対応だったような気がします。

それが良いか悪いかは別にしても、資料請求権自体はある種、言い方としては、各省庁が隠しているものを、権利として持って来させる。それを基に適切な施策を提案していく。それは大体建議になるわけですけれども、そういうことがあって、それが今回、年代が流れるにつれて、消費者委員会の会議、本会議の中で、コロナがあったから傍聴が一般はできなくなりましたけれども、オンラインであるのでしょうけれども、メディアもそうですけれども、傍聴している前で委員会委員の議論があったのです。

つまり、例えば今回の場合でも、建議か意見にするかということ、いろいろなあれが出たとしても、建議にすべきだという意見があったりとか、そこまでやらなくても意見でいいのではないかとかいうことが、いろいろ議論があったのです。つまり、傍聴にはよく分かった。それはこんにゃく入りゼリーの問題であるとか、あれも建議にするか、意見にするか、2つに分かれましたけれども、結局意見になったわけですが、傍聴人の前で委員の方々がいろいろ議論して、反論して賛同したりとかというのがあった。

それが、そうではない形になってきたのがその後の委員会のほうで、つまり、本会議の前に各省庁の意見を聴く場を設けて、その場でいろいろ意見が出たりしながら、調整された中で本会議があるのではないかと思うようになってしまったのです。つまり、それぞれの委員会委員の独立性を持った委員の方々の議論というのがその前にもう終わっているような感じがしたのです。

よくよく調整した上で方向性としてきちんと動くのであれば、それはそれで僕は良いと思うのですけれども、よく見えるような委員会であるようにするには、委員会の委員の方々の意見とかがもう少しあってもいいかなという感じがしました。ということが、次期第8次にはどうなるのかなと思って注目はしているのですけれども、そういう教訓とかは何かないでしょうか。委員会の運営の在り方、要するに各省庁との関係の中で。

(問) 今おっしゃっていただいたのは、本会議前に委員間打合せを行っているのですけれども、その打合せの中で委員の方々が結構激しいやり取りをして、ある程度そこで調整がされたものが本会議に出てくるというような形で、むしろ委員間打合せのところでいろいろ議論しているところを傍聴できるような形のほうが、問題状況がよく分かるのではないかと、そのような御趣旨のように受け取りましたけれども、今、委員間打合せを本会議の前に行っているというのは確かなことであって、これは第7次だけではなくて前からそうなのですけれども、委員間打合せでは基本的にある問題について事務局からの説明を受けて、そして委員の方々も本会議までに勉強をして、委員間打合せを踏まえて、本会議に臨む。もし打合せが仮にないとすると、本会議はかなりやりにくい、司会進行もやりにくいという状態になるのだろうと思います。

委員間打合せで、どのような内容が打ち合わせされたかということについては、第7次の委員会ではそれまでの委員会よりもより詳しく、こういうことが行われたというのは公表しています。それでも各やり取りが詳しく分かるということではないですけれども、このようなことについて議論をしたということ、そういうことについては、基本的にはそれを見ていただいて、あと、これは委員間打合せで、例えば私が司会進行して、これは重要だなと思うようなところについては、本会議を見ている方々に知ってほしいというところが多々ありますので、委員間打合せで委員の方々が発言してしまえば、それでもう本会議では発言しないということではなくて、ここは大事なことなので、本会議でも重なってでも発言してくださいとか、あるいは、ここについては発言させていただきますとか、そのようなやり取りが委員間の中であるわけでして、委員間打合せで何か問題がある程度方向付けられてしまっているとか、そのようなことは一切ありませんで、むしろ問題点が分かるような形で示すために打合せをしているということでありますので、そういうことを前提にすると、今の状態で本会議を見ていただければ、それなりの意見の対立とかというのも見ていただけるのではないかと思います。

委員の方々、皆さんしっかりした見識をお持ちの方々ばかりですので、本会議で発言するのを遠慮しているとか、そういうことはありませんので、そういうことで御理解いただけたらと思います。

(問) とても大事なことをおっしゃっていたと思います。私もよく分かりました。

打合せ会議での侃々諤々の議論を、もう一度本会議でやってもいいのではないかなというのが気持ちだったのです。けれども、そういう中で、大事なことは委員長のほうで、これも本会議でどうですかと意見を向けられていたりとかということをされているということですね。

(問) 委員長が次期消費者委員会に期待すること、伝えておくこと、伝えたいことについてお教えください。

(答) 分かりました。

消費者委員会としては、留意事項ということで今日お示ししています資料で、こういう点に留意してくださいというのを書いておりますので、そういうことであります。これを参照していただくのが正確に理解していただくことになると思います。

私が次期消費者委員会委員の方々に希望するということですと、今まで消費者委員会の委員でなくて、これから委員になる方々に対して、消費者委員会はこんなところですからこのようなことができますよとか、あるいはこのように期待して入ってきていただけますよということを個人的に感じたところで紹介するとしますと、私の2年間の経験では、非常に大きく勉強になったと思っています。私は大学の教員を経ているのですけれども、大学で消費者法の授業を担当して、研究、教育というのもそこに軸足を置いてやってきたわけでありますけれども、消費者委員会に実際に身を置くということになった段階で感じたことは、非常に幅広い最先端の問題、消費者行政と消費者法の両方にわたる問題を扱うということなので、そういうことから事務局の方々に参考の資料をたくさん提供していただいたり、説明を受けたりして、勉強になる機会として、非常に良い機会になると思います。

それから、委員の方々の発言を伺っていると、正に新しい最前線の問題を消費者委員会で一丸となって、チームとなって考える場になっていますので、そのチームを大事にしていただきたいなということを思います。チームで、あの委員がこういう発言をして、私もこう考えている。ただ、ちょっと考え方が違うので、また意見交換をすると、そのようなことで、非常にやりがいがあって、ある意味、資料の提供等も含めて非常に贅沢な場であると思いますので、2年なりの任期を、できましたら消費者委員会中心に、そこに軸足を置いて活動していただけたらよろしいと思います。

具体的にこんな政策について気を付けてくださいとか、こんな問題について気を付けてくださいということよりも、一言で言うと、この委員の任期の間は、委員会の委員であるということに軸足を置いて、自分の生活をそれを中心に過ごしていくというようなことをしていただけたらと思います。皆さんそれぞれお仕事とかいろいろあると思いますけれども、こんな良い機会は正に二度とないとお考えになっていただいて、務めていただけたらと思います。

以上です。

(問) 消費者委員会が先日出した意見の中のチャット勧誘規制の検討を求めた部分なのですが、本日、長官会見で質問しますと、チャットというものに対しての意見が出ているのだけれども、新しいものはデジタルの中でどんどん出てくる。消費者にできるだけ買ってもらいたいような仕組みはどんどん出てきていて、消費者全体の脆弱性も考えなければならない。消費者の全体の対応として今後考えていきたいというようなお話で、ちょっとその先が見えない。言っていることについては確かにそのとおりなのですけれども、長官がそういうふうにおっしゃっているのですが、そのことについて委員長としてはどう受け止めていますでしょうか。

(答) デジタルの問題というのは非常に難しい問題であって、今おっしゃったとおり本当に日々進展している問題なのですけれども、進展していることの内容というのが、ある意味、消費者政策とか消費者法の全体を覆っているようなところがありまして、私の見たところでありますけれども、戦後、第二次世界大戦後からずっと消費者問題はいろいろな問題が起こってきていますけれども、そういう問題をいろいろ片付ける、方向性を付けるということで、消費者基本法ができて、そして消費者庁や消費者委員会も設立されたということであって、従来の消費者問題がそこにおいて一定の解決の方向が出てきたことは確かであります。

例えば消費者の権利を尊重する、確保するという観点から、消費者基本法の考え方に則って、それに基づいた法制度の推進ということがあって、消費者契約法で言うと、消費者契約法は2000年にできていて、消費者基本法は2004年でありますけれども、消費者契約法の段階では、既に2004年の消費者基本法につながる重要な法律的な考え方が示されておりまして、そのような政策とか法律の積み重ね、例えば消費者契約法で言うと2000年にできた後、2006年に消費者団体訴訟の制度もできたというようなことがあって、だんだん制度が整ってきたのですけれども、ここである意味、その制度が本当にいいのか、今後その制度をそのまま維持するのがいいのかというような大きな問い掛けも出てきていて、それがデジタルの問題と消費者の脆弱性の問題ということになってくると思います。

デジタルの問題というのは、消費者の脆弱性とも結び付く。消費者の脆弱性という観点から見ると、デジタルに対しては誰でも脆弱だということになりまして、そういうことから言うと、現在、消費者法は、混迷の度合いをむしろ深めている状況にあると思います。

そういう混迷の度合いを深めている状況で何をすべきか、ということもありまして、消費者庁でも有識者会議を開催して、そして今年の7月に報告書が出ましたけれども、そこでも大きく問題とされているのはデジタルの問題と脆弱性の問題になります。

デジタルの問題をどう考えていくかということの消費者委員会としての一つの取り上げ方は、今回、チャットの勧誘ということについてどう考えていくかということであるわけでありますけれども、それは今後検討すべきデジタルの問題の中の一つの方向、ある部分を切り取ったということでありまして、それがどこにつながるかということは、実際今後の進展を見ながらということになろうかと思います。

だからといって、大きな目標のために、その前提となる具体的なテーマを先延ばしにするということはもちろんできませんで、むしろ具体的なテーマを個別に考えることによって、より大きな展開に結び付くということは十分考えられることであります。

そう考えると、今回のチャットの問題に対してのデジタルワーキングでの報告書なり意見なりというのも、現在考える段階で消費者委員会としては詰められるだけチャットの定義もして、そして勧誘規制として電話勧誘規制と類似な点が多いというようなことも勘案しつつ、方向性を示しているということになりますので、そういう方向性を示したものが、大きくデジタルの問題、消費者委員会や消費者庁だけでなくて、各省庁が関心を持って対応しなければならないところになりますので、消費者委員会での今回のデジタルのワーキングの報告書がそのための一助になれば非常に有り難いと思っています。

以上です。

(問) ありがとうございました。

先延ばしにしてもらっては困るという点はそのとおりだと思っていて、もう一点だけ、消費者委員会が独自の判断で意見か建議かを決めている。そう言わざるを得ない。対外的にもそういうことになってしまう。そういう状況がずっと続いていていいのだろうかというのが、もう一つの問題提起です。

国会の附帯決議にも、総理や関係機関の長は、建議と勧告に対しては迅速かつ誠実に対応することとちゃんと言われていまして、最初から建議を出せる検討をしてほしいと今の流れでは思ってしまいます。その点についてはどのようにお考えでしょうか。

(答) この点は、今回、ワーキングで2つの報告書を出して、それに基づく意見を発出したのですが、両方とも、ルール形成ワーキングも、デジタルワーキングも意見として出しているということでありまして、これは先ほど私が申し上げたことと重なりますけれども、扱っている題材の進展が激しくて、難しい問題、軽率に扱うことはできない問題だと私は認識しております。

例えばチャットについても、チャットの定義はぎりぎりのところまで詰めて消費者委員会としては考えましたけれども、その想定から漏れるものについても、現在漏れているかどうかということはともかく、今後漏れるものが出てきたらどうなるのかというようなことを念頭には置く必要があります。

それから、ルール形成ワーキングのほうでも、破綻必至商法ということを、これも消費者委員会とでしてできる限り突き詰めて定義をしたわけでありますけれども、例えば日々進展している事業としてどういう事業が成り立つかということ、ベンチャー事業というのは日本経済を今後支える非常に大きな源になってくるものでありますので、ベンチャー企業が行っていることに関しても、よく見て、それが基本的には破綻必至商法に当たらないと考えていいと思いますけれども、状況に応じてこの事業はどうなのだというのは、なかなか判断するのは難しいということであります。

そういう意味から、今回ワーキングで扱ったテーマというのは、正に、デジタルとか技術の進展とか、そのようなことと結び付いているところでありますので、当該の2つの問題を扱ったその結果として、それが意見になったということについては、私は問題ないと思っています。

建議にするか意見にするかということについて、少なくとも今回扱ったものについては慎重に考える必要がある問題であって、そういうことから建議にするまでには至らないと判断したということであります。

以上です。

(問) 委員長としまして、幾つか当面の主要課題という形で挙げていただいていると思うのですが、特にここについては次期委員会に期待したいとか、そういったものがありましたら教えていただきたいです。

(答) どうもありがとうございます。

資料として示してあります、次期委員会への移行に当たっての留意事項ということで、特に重要なものから番号を付けて、これが重要だというような形にはしていませんけれども、3の「当面の主要課題」は重要であって、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)というような形で書いてありますけれども、特にこれが重要だということではなく、全部重要なものが挙がっていると考えています。

そういう意味で、委員の方々の御意見だと、それぞれの委員の方が持っている関心の度合いが異なりますので、どこが重点だということを消費者委員会全体としてはちょっと言いにくくて、書いてある当面の主要課題のところは特に重要だと考えていただいていいと思いますが、私が個人的に重要だと思っているのはデジタルの問題と脆弱な消費者の問題、この問題についてはしっかり詰めていただきたいと思っています。第8次で詰め切れるかというのは大きな課題でありますけれども、少なくとも方向ということは考えていただけたらと思います。

それから、先ほどの記者の方からの御質問にもありましたように、2つのワーキングの成果を報告書でまとめましたけれども、先ほど申し上げましたように、例えばチャットの定義だとか破綻必至商法の定義だとか、第7次の消費者委員会で詰められるところは詰めたつもりでありますけれども、課題もあるということは確かでありまして、報告書を土台にしていただいて、その課題を引き継いでいただくというのは私個人としては非常に有り難いなと思っています。2つのワーキングとも座長として関与させていただきましたので、そういう意味で個人的には思い入れもあるということであります。

以上です。

(問) 1つだけ。今の回答とも関係するのですけれども、留意事項を見たらとても大事なことばかりだと思います。けれども、第7次の委員会はあと1週間ぐらい、つまり、第8次に引き継がれるものということで提案されていますけれども、引継ぎというのはあるのでしょうか。その前に、1週間ですけれども、委員会委員の替わりはもう決まっているのでしょうか。その発表はいつ頃なのか。そもそも後藤委員長はどうなのでしょうかということを、もし可能であれば。

(答) 第8次の消費者委員会がどういうメンバーになるかということについては、全く承知しておりません。

引継ぎということになると、第7次の消費者委員会の委員と第8次の消費者委員会の委員が意見交換する、第7次から第8次にこういうことに気を付けてくださいというようなことを直接自分の言葉で伝える機会は予定されていると思います。そういう機会にまた委員の方々の思いを伝えるということはあると思います。

(問) 新しい委員と旧委員が集まって引継ぎをするということが今まではないということをずっと思ってきましたもので、消費者政策に中断があってはいけないと思っていますので、9月1日に発表になって、大体委員長が決まったりとか、あと委員が決まったりとか、部会が決まったりとか、そういうのが1か月ぐらい掛かるとか、何かあって、その中で引継ぎを本当にやっていらっしゃるのかどうかというのはちょっと疑問だったものでして。

(答) 引継ぎは、大分昔の第1次とか第2次の頃は私は存じ上げませんけれども、やっていなかったということではなくて、コロナでちょっと中断したということはあるかもしれませんけれども、例えば第5次から第6次とか、そのようなところについては引継ぎがされていたと思います。詳しくは事務局にお尋ねいただきたいと思うのですが、引継ぎがずっとなされなかったということではないと思います。

どうもお世話になりました。記者の方々、どうもありがとうございました。

(以上)