後藤消費者委員会委員長 記者会見

2021年12月17日
消費者委員会

日時

2021年12月17日(金)15:30~16:15

場所

消費者委員会会議室

冒頭発言

○後藤委員長 後藤と申します。よろしくお願いいたします。

本日の本会議において、第7次委員会として最初となる2つの意見の取りまとめを行いましたので、御報告をいたします。

1件目は、「成年年齢引下げに伴う若年者の消費者被害防止に向けた対応策に関する意見」についてです。

御存知のとおり、来年4月1日に成年年齢を20歳から18歳へ引き下げる改正民法が施行されます。これにより、18歳及び19歳の年齢層が未成年者取消権を喪失することになるため、20歳代初めで見られる消費者被害が18歳及び19歳の年齢層にも拡大することが強く懸念されております。

これまでに消費者庁、文部科学省、法務省、金融庁をはじめとする関係省庁が連携して消費者への周知や消費者教育の充実等に取り組んでこられたと承知していますが、若年者の消費者被害を防止・救済し、自立した消費者の育成を図るため、成年年齢引下げを目前に控えたこの時期を捉えて、消費者委員会として改めて意見を発出し、関係省庁による更なる取組を促すことにいたしました。

当委員会としましては、「成年年齢引下げに伴う若年者の消費者被害防止に向けた対応策に関する意見」という資料の5ページの「4 今後の対応策に関する意見」というところに書いてありますけれども、(1)として「「社会への扉」等を活用した授業の更なる推進」、(2)として「周知・広報活動の更なる強化及び政府広報等を活用したキャンペーン活動の実施」、(3)としまして「制度整備及び執行の強化等」、(4)としまして「消費生活相談体制のデジタル化」、(5)としまして「各取組の成果の検証及び評価」、(6)としまして「施行後の取組の具体化」、この6項目につきまして、関係省庁が迅速かつ強力に取組を推進することを強く求めたいと思います。

消費者庁、文部科学省、法務省、金融庁をはじめとする関係省庁におかれましては、本意見の内容を十分に踏まえた上で、改正法施行に向けて万全を期すとともに、施行後も消費者教育や制度整備等の取組を継続的に行っていただきたいと考えております。

成年年齢引下げが目前に迫っている中、社会全体への注意喚起が重要ですので、報道関係の皆様におかれましても、各種報道を通じて注意喚起に御協力いただけましたら幸いです。

2件目は、例年12月に発出しています「消費者基本計画等の実施状況に関する検証・評価及び消費者基本計画工程表の改定に向けての意見」についてです。

この意見は、消費者基本計画の検証・評価・監視の一環として、当委員会から消費者庁ほか関係省庁に対し、消費者基本計画の工程表の見直しに向けて検討すべき課題等について意見を述べるものです。

今回の特徴としましては、コロナ禍やデジタル化等の社会状況の変化に伴う新たな消費者問題に関する記載の拡充を求めるとともに、これまでも課題とされてきました適切なKPIの設定を含むEBPMの推進に向けて工程表改定素案を策定する前の段階で、検討課題を指摘させていただきました。このほか各論については、お配りしているお手元の資料を参照していただきたいと思います。

消費者庁をはじめとする関係省庁におかれましては、本意見を十分に踏まえた上で見直し作業を行い、その内容を工程表の改定素案等にしっかりと反映していただきたいと思います。

当委員会としても、引き続きヒアリング等を行うとともに、工程表改定素案に対しても、改めて意見表明を行う予定としております。

以上でございます。

質疑応答

(問) 成年年齢の意見書のことで伺いたいのですけれども、委員からもこの時期に出すことは非常に意義があるとか賛成であるという意見がたくさん出ていたと思うのですけれども、後藤委員長としても、この12月、4月までもう残り少ない中でこういう意見書を出されたという意味合いをどのように感じていらっしゃるのかというところと、2018年から考えると数年あったわけですけれども、コロナなどもあってなかなか大変だった時期もある中で、残りの数か月、どのように取り組んでもらいたいと感じていらっしゃいますでしょうか。

(答) この時期にということなのですけれども、是非ともこの時期にということは委員の方々の一致した考え方でありまして、私たちは委員会本会議や委員間打合せの中で、成年年齢引下げのことについてはたくさん議論をしてきたわけです。それから、消費者庁、国民生活センター、それぞれのヒアリングを行ってきたわけですけれども、今までの成果ということに関して、十分実行していただいているということは理解しているのですけれども、やはりまだ足りないのではないかという委員の方々の危機感、そういうことからこの時期にとさせていただきました。

例えばこの成年年齢引下げについて、関係団体へのヒアリングということで意見交換をさせていただいた機会にも、ある関係団体の方から、もう緊急対応と考えてほしいというような御発言もあったわけであります。そういうことから、従来行われている若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムなど、成年年齢引下げに伴う消費者教育全力キャンペーンというものが省庁横断的に行われていて、一定の成果を上げているということは十分承知しておりますけれども、その成果についてまだ足りない部分がある。足りない部分があるというのは、例えば「社会への扉」の利用状況もかなり良くなってきてはいますけれども、私立学校や特別支援学校に関しては、まだ公立の高校と同程度には及んでいない状況なのです。そういうことで、緊急にここで意見を発出するということを通して、社会に理解をしていただきたいということであります。

(問) 関係団体の方から危機感の表明はあったかと思うのですけれども、後藤委員長としてもやはり危機感を覚えていらっしゃるようなものなのかというのと、あと、4月で終わりというわけではなくて、継続性も強くうたわれていますけれども、継続性など、いわゆる保護者というか周囲の大人の理解の重要性は、委員長としてはどのように考えているか教えてください。

(答) 私自身、緊急性ということをどう考えているかということですけれども、これは先ほど申し上げましたように、社会が成年年齢引下げについてそれなりの取組をしているということは十分理解しますけれども、具体的に申し上げますと、各業界の方々の自主的な取組が非常に大事でありますが、自主規制の度合いがどれだけ進んでいるかという問題もありますし、将来の話になりますけれども、自主規制が足りないというようなことになりますと、更にその上の取組も必要になってくるということでありまして、そのような法的制度の見直しも大事なことでありますし、それは来年の3月までで終わるということではないわけでして、ある程度時間も掛かるということです。

それから、そのような状況に対して社会がどれだけ認識し、若者を支える行動をするか、来年というのは、社会全体で若者を支える年という理解をしています。

そういう意味から言いますと、社会で支えるということは、法制度を変えるなど、あるいは若者に対して教育していくとか、そういうことだけではなくて、消費者市民という言い方をしますけれども、全員が認識して、若者を支えるという自覚を持った市民の行動が消費者においても重要なことになってくる。

例えば、各家庭で子供に対して、小さいお子さんですとお金の使い方、成長してくると契約とは何なのかなど、更に成長してくるとクレジットとはどのようなものなのかというようなことを発達の段階に応じて教育していく。これは学校教育で大事なことだということはもちろんですけれども、家庭でも大事なことだということになりまして、家庭でそういうことを子供と一緒に父親、母親が話す機会を持っていくということは、父親や母親も危機感を持って、成年年齢引下げということに対して、若年者を社会でどう支えるかということに関して自覚していく必要がある。そういう意味で、制度の見直し以前の問題も非常に重要な問題だと考えています。

(問) 1点お伺いさせてください。7ページに「各取組の成果の検証及び評価」とあります。先ほど先生がお話しされた「社会への扉」ですと使用率が何パーセントというように目に見える数字かと思いますが、広報とか啓発、SNSを使った発信というところはなかなか数字では現れにくいところかなと思っておりまして、そういったソフト面のようなところの検証はどのように行っていくべきか、お考えをお聞かせいただければと思います。

(答) 検証というのはなかなか難しくて、ただ、検証ということが非常に大事だというのは当然だと思いまして、消費者教育について重要性が主張されてきているのですけれども、例えば「社会への扉」においても、どこまで理解しているかという部分は、クイズを通して学ぶという形で、結果が目に見える工夫がなされていると思うのですが、今おっしゃっていただいたような領域に関しては、実際、若者がSNS等を利用して、一定の利益を享受し、場合によっては被害を受けているというようなこと、これは消費者相談の現場など、それぞれの現場から出てくる種々の資料、統計などそのようなもので見ていくことが今のところは行われていて、その部分をより厳密にというのでしょうか、より密着した形で現場の状況が分かるようにしていく、そのような方法があるのではないかと思います。

本当に良いアイデアがどういうものとしてあるのかということは、今すぐここで申し上げることはできないのですけれども、少なくとも検証が非常に大事なことであるということを意識し、考えていかなければいけないと思っています。

(問) 今回の今後の対応策なのですけれども、この中で、来年4月に向けて、このタイミングで出したことに意義があるということですが、一方で、このタイミングでこの改善策が間に合うのかというところに疑問があるので、そこにお答えしていただきたいなと思いまして、例えば新しいCMやプッシュ型のCMを行うとなると、お金も必要だったりしますし予算も必要なのかなと思いますけれども、一方で、国会ももう始まってしまったり、その中で費用面が間に合うのかなど、残り3か月の間に例えば100パーセント実施に近づくということで、今は86パーセントなのをこの4か月で100パーセントにしていくというのは、かなり現実的には大変なのではないかと思うのですけれども、そのためにどのようなことが求められるのか。また、この今回のこの対応策、特に4月までに行いたいことの部分については、どのように実現性を考えていらっしゃるのか、その点をお聞きしたいです。

(答) 来年は4月に成年年齢が引き下げられるということで、社会全体で若者を支える年だというお話を申し上げましたけれども、若者を支える年の1年目という意識です。本日取りまとめがされました意見について、具体的に現時点で先ほどおっしゃったような予算の関係などを考えると、意見の発出先の各省庁でどのような対応がなされるのか、場合によっては現時点で間に合わないということもあるかもしれませんけれども、これは1年、2年ということよりも、とにかく将来に向けて考えていかなければならない課題ということ。特に今度の4月1日が大きな境目になるので、そこに向けて発出しているということでありまして、そういう意味では、意見はかなり盛りだくさんに出させていただいていますけれども、可能な限り御尽力いただきたいという趣旨であります。

今後どうするかということに関しては、成年年齢引下げということが現実化したときに、従来から18歳、19歳のところが狙い撃ちされるのではないかというようなことがよく言われているわけでありますけれども、そこの部分についてどのような状況なのかということをきちんと検証することが必要だということ。

それから、事業者側でも若者に対する自主的な取組が徐々に進んでいく、今でも取り組んでいただいているところは多いですけれども、それが徐々に進んでいくことになりますので、そういう段階を見て対応することになるのではないかと思います。

18歳、19歳に成年年齢が引き下げられるということで、18歳、19歳が特に話題になるということなのですけれども、むしろこれは若年者ということで捉えて、何歳ぐらいまでということは必ずしも正確には言えない部分もありますけれども、22歳ぐらいまで、一応そのように考えておきますけれども、一つの層と考えると若年成人という言葉を使われる場合もありますが、そのようなことで考えると、若年成人に該当する人はある程度の年齢の幅があって、そして当然のことですが、毎年構成員が入れ替わっているということ。そういう意味から言うと、今、緊急という状況で成年年齢引下げについての対応をするための意見を発出しますけれども、これはその層の人たちに向けて何年か掛けて対応していく。

さらに、そういう層に入る人たちというのは、もっと若い人たちが何年後かにその層に入ってくるわけですから、小学生や中学生など、そのようなことを教育と言うのか、しつけというようなことにもなるかもしれませんけれども、そのようなところも捉えて考えていくということであれば、来年の成人式は20歳で成人になる最後の年でありますので、そういう時期を捉えて意見を発出するということに意味があると考えております。

(事務局) 1点、事務局から補足させていただきます。

政府広報の活用は間に合わないのではないかという御指摘がございました。これについては消費者庁にヒアリングを行った際に、政府広報の活用を検討していますという御説明があったところでございまして、御案内のとおり政府広報というのは、内閣府には政府広報室という部局があり、そこに政府広報の予算を計上してございまして、そのときのテーマに応じて広報を実施するという形になっておりまして、消費者庁や関係省庁が申請を行い、それが採択されれば今からでも間に合うという状況にはあろうかと考えられます。

以上、補足でした。

(問) もう一点、お願いします。委員長は今の会見でも、あと、委員の方々の今日の委員会の発言でも、いわゆる保護者など家庭での教育が非常に大事だということをおっしゃっていたと思うのですけれども、今後の対応策を見ると、具体的にどのようなところを保護者向けの対策として今回意見を出しているのか、ちょっとよく分からなかったので、この点を教えてください。

つまり、学校に対しては100パーセントに近づけるや、若者向けに届くように消費生活相談体制のデジタル化など、いろいろあると思うのですけれども、親世代を狙った対策は、この6項目の中だとどれになるのでしょうか。

(答) 事務局から発言していただけたら有り難いです。よろしくお願いします。

(事務局) 事務局から補足でございますが、4ページの「マル2社会での認知度」というところで、社会全体への浸透が十分でないという指摘をいただいておりますけれども、全社会的に、親世代なども含めて引下げの内容やどういった影響があるかというところにつきましてもう少し認知度を高めていくことによって、親世代からも子供に対してそういう教育を行う効果は一定程度期待されるのではなかろうかと考えられます。

(問) そこはもちろん分かるのですけれども、それが具体的な今後の対応策の中に入っていないのではないかという気もして、強いて言うとマル2番のプッシュ型の周知というものは、子供ピンポイントではなくて保護者も一緒にお茶の間で見られるなど、そういう効果はあるのかもしれないのですけれども、社会全体で上げていくため、特に親世代を使って成年になる18歳、19歳の子に効果的なメッセージを伝えていくことが、今回の対応策の中で具体的には書かれていないけれども、それも目指していますというのが今回の検証ということなのでしょうか。

(事務局) 事務局から補足をさせていただきます。

御指摘のとおり、周知広報をしっかりやっていくことが重要だと。その中で、一時的には若年者の方々ということになろうかと思いますけれども、それを支える周りの人たちも含めて、こういったいろいろな媒体を活用するなど、今、政府広報のお話も申し上げましたけれども、当然そういうものについては保護者の方も目に触れることがあると思いますから、そういう機会などを活用して保護者の方にも認識を深めていただくということになろうかと思います。

(問) 意見として出されましたけれども、中身の中には法制度、要するに消費者契約法の法制度改正とか特商法の法執行とかが入っています。法律に基づく建議と位置付けなかった理由は何かあるのでしょうか。

(答) 意見であって建議ではないということでしょうか。

(問) 建議というのは法律の中に書いてあることなので、各省庁に対してプッシュが強いのではないかと思いますけれども、提言もありますが、建議にするのはなぜかな、難しいのかなと。

(答) 建議にするという選択肢もあったとは思うのですけれども、今回は意見ということで発出したということでして、なぜ建議にしなかったのかということなのですが、今まで建議と意見をどのような場合に発出していたかということです。

第7次の消費者委員会が開始する段階で、建議と意見をどのような使い分けをするかということについて委員間で意見交換をしたわけですけれども、そのようなことから今回は意見にしたということでありまして、建議なのか意見なのかということについては、先ほど申し上げました第7次の消費者委員会でこういうものを建議、こういうもの意見にするということについての合意がありまして、その合意に照らして、意見という形で発出したということであります。

整理としましては、原則として調査報告を伴わないが、事案の重要度に応じ調査報告を付することは妨げられない。原則として、相手方省庁との間で事実誤認がないか等の認識を含めて一定の協議を行うものとし、内容や表現上の工夫、調整を行うが、最終的には委員会の責任と判断によって取りまとめられる。意見というのはそういう分類だということであります。

それから、建議というのは、設置法第6条第2項第1号に定める重要事項について、制度運用の改正、改善等に向けた具体的提案と理由を含み、関係行政機関に対し何らかの行為を促す意図がより明確なものということでありまして、そういう態様区分について勘案した上で、今回は意見としたということでございます。

(問) もう一点だけ、これは先ほど委員長から緊急対応ということ、あと本文に書いてあります施行後の取組ということで、4月以降のことももう書いてありますけれども、施行後の取組についてなのですが、日弁連と他の団体等は、例えば成年年齢引下げについては若年者、つまり今おっしゃった22歳という方々に対するマルチの規制、禁止とかということを、来年は特商法の28年改正から5周年ということも入れているのですけれども、こういうことについても、ここに関係省庁における施行後の取組を早急に具体化することと盛り込まれていますので、例えばこういう具体的な中身についても射程に入っていると考えてよろしいでしょうか。つまり、具体的なマルチの規制など、18歳ではなくて逆に22歳までは禁止です。

(答) 施行後の状況に応じ、必要であれば自主的な取組を超えた法律など政省令の見直しとかも可能性として考えるということです。

消費者委員会としましても、今後の取組ということで言いますと、成年年齢引下げということに関して、特にデジタル分野での若年者の被害が大きいということを問題意識として持っていまして、そういう方向の検討を消費者委員会としてもする必要があるのではないかという段階には来ております。

(事務局) 事務局から補足ですけれども、具体的に施行後の取組として何をするかというところは、具体的にこういうことをすべきというようなことまで今回の意見の中では盛り込まれているわけではないと思います。

おっしゃったように、例えばマルチ取引の規制強化など、そのほかいろいろな対応については、可能性としては考えられるところですけれども、今回の意見の中ではそこまで具体的に言っているわけではない。

先ほど建議か意見かという御質問もありましたけれども、委員長から御説明があったとおりなのですが、整理としては、例えば制度的な話でありますと、このようなことを制度的に対応すべきなど、ある程度具体的な内容に踏み込んでいる場合は建議に、そこまで行かない場合は意見というように、大枠で言うと大体そういう整理を今期の委員会の冒頭でして、それに基づいてやっておりますので、今回は例えばマルチについて規制を強化すべきであるなど、具体的な話まで盛り込んでいるわけではありませんので意見という御理解でいただければ良いのではないかと思います。

(問) 地方消費者行政との関連の中でずっと気になっている点が、7ページに書かれていましたので、6ページから高齢者、障害者の消費者問題の対応として来ていて、7ページの上から2つ目の段落で、地域共生社会の実現のための社会福祉法の一部を改正する法律により改正された社会福祉法に基づく重層的支援体制整備事業と消費者安全法に基づく消費者安全確保地域協議会ということが出ています。連携強化ということだと思います。

これは厚生労働省が今年4月から施行している重層的支援体制整備事業について理解しているのは、要するに真ん中に福祉の行政機関があって、その周りを消費生活センターや包括支援センターなどにぐるっと取り囲まれていて、行政機関の中心は福祉あるいは医療だと。

ところが、消費者庁が提示している消費者安全法に基づいた消費者安全確保地域協議会は消費者行政が中心になって、福祉部門との連携を強化するということで、ポンチ絵でも消費者行政の話題が中心になっていたような気がするのです。

これが今回、2つのやり方として、地域の中で動いていくに当たって連携をするということであれば良いのですけれども、そうでないところが出る可能性もある。つまり、縦割りの組織として出る可能性もあるということを懸念していたのですが、ここで連携強化について検討を進めて、具体的な取組について工程表に記載するということになっていまして、しかも消費者庁と厚生労働省ということですが、こういう組織についての消費者委員会としての働き掛け、つまりやり方や目的ももちろん違うのですが、地域にそういうものが2つできるような感じを受けたので、そういうことについて何か検討とかはないでしょうか。

(答) 具体的に申し上げるのはちょっと難しいのですけれども、消費者行政が地方消費者行政を重視するというのは一つの重要な流れだと思っています。

消費者教育の推進や消費者安全確保地域協議会というのは、それぞれの地方の現場が中核となるような形での消費者行政を考えていますので、そこで消費者行政では例えば相談業務というようなことが中心にはなっているのですけれども、状況によって福祉領域との連携が重要になるというのは、消費者行政の歩みとしては必要な方向なのではないかと思います。

ただ、それが消費者行政の中でどれだけのウエートを占めるのか、あるいは連携するということについてどのようなやり方が望ましいかということに関しては、今この会見の場で申し上げるというのはちょっと難しいということでして、申し訳ないのですが、この程度のコメントということでお願いいたします。

もし事務局から補いがありましたら、よろしくお願いします。

(事務局) 補足させていただきますと、御指摘の消費者安全法に基づく消費者安全確保地域協議会につきまして、いろいろな形がありまして、消費者庁としても地域の実情に応じて柔軟に進めていただきたいというお願いをしていると承知しております。

その中には、消費者行政が中心になってそういった協議会を組成しているという例もございますし、他方、一般的に多いのは、地域の福祉の協議会とかが中心になって、そこに消費者行政の関係者や消費生活相談員などが参画していくという形態が事例としては多いと承知しているところでございまして、そういった実情に応じて、いろいろな形でやっていくというのが消費者庁の立場だと認識しております。

今、これをやるに当たって問題になっておりますのは、福祉部局と消費者部局の縦割りがあるために、この連携がなかなか進まないという実情にございますので、その縦割りを除去すべく、こういった形で連携策を検討してほしいという意見を委員会として出していくという趣旨でございます。

これにつきましては、年明けのヒアリングなどで少し検討すべきだみたいなことをおっしゃっている委員もいらっしゃいますので、委員間打合せの結果、議題として追加していくこともあるのではなかろうかと考えております。

以上でございます。

(答) どうもありがとうございました。

(以上)