高消費者委員会委員長 記者会見

2019年8月15日
消費者委員会

日時

2019年8月15日(木)16:29~17:11

場所

消費者委員会会議室

冒頭発言

(高委員長) お暑い中、御出席いただきましてありがとうございます。

私から、報告事項は3件でございます。

まず1件目ですが、昨年、平成30年5月の第275回消費者委員会において、食品表示を取り巻く現状などについて整理しつつ、消費者のニーズにも十分留意した上で、食品表示の全体像について検討することを専門的知見のある食品表示部会にお願いしたところでございます。

その後、食品表示部会において計9回にわたり議論を行っていただき、今般、報告書が取りまとめられました。本日の消費者委員会でその報告を受け、それを踏まえ、消費者委員会として「食品表示の全体像に関する提言」を取りまとめました。

この提言においては、主に消費者庁において、同報告書の内容を踏まえ、関係省庁とも緊密に連携しつつ、必要に応じて民間事業者等の協力も得ながら、現在、明確な基準のない「見やすさ」に関する実態把握のための調査を速やかに行うことが望ましいとしております。

以上の提言及びその調査結果を踏まえ、関係行政機関においては、消費者にとって分かりやすく活用される食品表示となるよう、必要な取組を進めていただくことを求めたいと思います。

今後、引き続き検討が必要な課題もございますが、今回の提言に至るまでに、食品表示部会において熱心に審議に取り組んでいただきました委員の方々、受田部会長、ヒアリングに御出席いただきました有識者・各団体の方々など、皆様にも厚く御礼を申し上げたく思います。

2件目は「消費税率の引上げに伴う公共交通運賃の改定案及び北海道旅客鉄道株式会社の運賃の改定案に関する消費者委員会意見」についてでございます。

本日の本会議におきまして、お手元の資料のとおり、消費者委員会の各意見を取りまとめました。

本件につきましては、8月2日に消費者庁長官から消費者委員会に対して、消費税率の引上げに伴う公共交通運賃の改定案及び北海道旅客鉄道株式会社の運賃の改定案について、物価問題に関する関係閣僚会議に付議するに当たり、消費者委員会の意見を求める旨の付議が行われました。これを受け、公共料金等専門調査会を開催し、関係省庁からヒアリングを行い、調査審議を重ねた上で取りまとめが行われました。そこで本日、その結果を井手座長代理に御報告いただき、その御報告を踏まえて消費者委員会としての意見を取りまとめたところでございます。

本日は井手座長代理にもお越しいただいておりますので、具体的な意見の内容につきましては、座長代理より説明をお願いいたします。

(公共料金等専門調査会 井手座長代理) それでは、公共料金等専門調査会の座長代理として、私から今回の改定案について御説明申し上げたいと思います。

先週の8月6日、8月9日に公共料金等専門調査会において、国土交通省に対してヒアリングを行いました。今回の改定案について専門調査会で審議し、意見を取りまとめましたので、御説明申し上げたいと思います。

お手元に4種類の資料がございます。最初はバス、タクシー、それから、JR北海道を除く鉄道運賃。この3つについて、まず共通するところから御説明申し上げたいと思います。

この3つについては、例えばバスのところを見ていただきますと、1ページ目を開いていただきますと「1.結論」と書いております。これはバスもタクシーもJR北海道を除く鉄道運賃について共通していることでございます。結論は、今回の改定案の内容は、消費税の円滑かつ適正な転嫁の観点から妥当であるというふうに判断いたします。ただし、消費者への分かりやすい丁寧な説明を行うことが必要であるということに結論として至りました。これはその後のタクシー、それから、JR北海道を除く鉄道運賃についても共通でございます。

理由については、それぞれ書かれております。

バスについては、例えば2ページ目を御覧いただきたいと思います。これについては「3.留意事項」のところに書かれておりますけれども、1円単位の運賃導入事業者。御承知のとおり、バスについては10円単位の事業者とICカードを使って1円単位の運賃で導入する事業者、2種類ございます。このICカードと現金運賃との金額引上げの幅が異なることについて、きちんと利用者に分かりやすいように説明、周知徹底するということが留意事項として書かれております。

それから、2番目のところに書いておりますが、今回、1円単位の事業者において、現金運賃の四捨五入ではなくて切上げを認めております。ただし、全体として108分の110以内の増収に収まるように調整しておりますけれども、一部の委員から、例えば子供の運賃について端数を切り上げるよりも、むしろ切り下げて処理をするような形で、少しでも利用者の負担にならないように配慮することも必要ではないかということが指摘されております。

続いて、タクシーでございます。タクシーについても、同じく2ページ目、ちょっとページ数が欠けておりますが、一番最後のページの「3.留意事項」を見ていただきますと、タクシーについては2017年に初乗り運賃の組み替えを実施いたしました。これについて、今回は専門調査会でその後の検証をやっておりません。ただし、これは3年以内に運送収入の状況、あるいは運賃の妥当性について事後検証することが書かれておりますので、これを留意事項として指摘しております。

3番目に、JR北海道を除く鉄道運賃でございます。これについては、やはり同じように端数処理という、全体として今回、端数処理の問題について検証したわけですけれども、端数処理の方法についても一番最後の2ページを見ていただきますと、前回の5%から8%の値上げのときに、平成26年2月にこの専門調査会において検討すべき課題を3つ挙げております。(1)から(3)という形で指摘しておりました。今回、国土交通省はこの指摘されたことについて取組というものが確認されましたので、全体として今回の消費税の転嫁についての改定案は妥当であるという結論に至りました。

最後に、JR北海道。これは、今回の運賃改定案は、消費税の引上げに伴う税負担の転嫁と併せて、抜本的な経営状況の改善の一環として本格的な値上げを申請しております。国土交通省の運輸審議会において、パブリックコメントあるいは公聴会を通じて、7月に答申が出されております。JR北海道については、非常に厳しい経営環境であるということは変わりなく、また引き続き人口減少あるいは札幌以外のところでいわゆる密度が非常に低いことが指摘されております。

これは引き続き、こういう状況は変わらない中で、お手元の資料の2ページ目を開いていただきますと、3つ目の○のところに、平成30年7月27日付で「事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令」を受けて、以下に示すような長期経営ビジョン等をJR北海道は示しております。その中で経営基盤の強化がうたわれているわけですけれども、その一つの手段として、今回、値上げ申請が出されてまいりました。

この経緯が細かく書いてありますが、時間の都合上、これについては割愛させていただきます。

本改定案について、妥当であるという内容で3ページ目のところに書かれております。

ただ、最後の4ページ目に「3.留意事項」ということが今回指摘しております。これは具体的に何かといいますと、JR北海道は引き続きグループ全体として最大限の経営努力をやっていただきたいということ。それから、長期経営ビジョン等というものが示されておりますけれども、これが着実に実施されているかどうか。これを指導し、助言をすることを国土交通省に強く求めたいということであります。

もう一点は、今回の改定案は、特に近距離において値上げ幅が非常に大きいという点もございます。したがって、区間によって値上げ率が異なる。先ほど言いましたように、場合によっては3割の値上げという区間もございます。そういった運賃改定に当たって、JR北海道は利用者の理解を得るために積極的な取組、それから、丁寧な情報提供・説明・対話を行うべきであるという指摘を最後にしております。

私からの説明は以上でございます。

(高委員長) ありがとうございました。

最後ですけれども、3点目は「産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会中間整理についての意見」でございます。

経済産業省の産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会中間整理では、我が国の割賦販売法制の在り方について、近年のICT技術の進展に伴う決済テクノロジーの進化の中、技術革新を適切に取り込んでいくための、より柔軟な規制の枠組みが求められるとした上で、規制におけるリスクベース・アプローチや性能規定の導入などが指摘されておりました。

消費者委員会では、本中間整理につきまして経済産業省へのヒアリングや委員間での議論を踏まえて、本年8月8日の第305回委員会本会議において、お手元の資料のとおり「産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会中間整理についての意見」を取りまとめました。

主な内容としては、次のような点が挙げられます。

まず、技術・データを活用した与信審査について、現行の支払い可能見込額調査と同程度以上の多重債務防止機能が担保されるようにする必要があり、審査の基礎となる情報の質及び量並びに与信審査方法の精度を十分に確保するために、いかなる方策が効果的か、慎重に検討すること。

指定信用情報機関の信用情報を使用する義務を課さないとした場合に、個々の事業者が把握する情報のみで、利用者の支払い可能な能力を判断するために必要かつ十分な情報の質及び量を確保することができるかについて慎重に検討すること。

利用者に対する技術・データを活用した与信審査に使用される情報の範囲・内容や審査などに関する情報提供などの利用者の予測可能性などを考慮した方策も検討すること。

少額・低リスクのサービスにおける指定信用情報機関への信用情報の登録義務に関する考え方については、低リスクと言えるのはどのような場合かについて慎重に検討することや、少額・低リスクのサービスで指定信用情報機関への信用情報の登録義務を課さないこととした場合に、業界全体の水準として現行制度と同程度以上に多重債務防止が担保できるかについて慎重に検討すること。

あわせて、指定信用情報機関の運用・システムの在り方を見直すことで対処することが可能かについても並行して検討すること。

そのほか、新成人への対応や、技術・データの活用に伴って生ずる新たな課題、多面的な議論の必要性についても指摘しております。

今後、経済産業省において本中間整理を踏まえて割賦販売法制の在り方について議論を深めていくに当たっては、本意見の趣旨も踏まえて検討していただきたいと思っております。

以上でございます。

質疑応答

(問) 食品表示の提言なのですが、まず、この提言というのは、期限を決めたフォローアップというのは前提としてあるものなのでしょうか。

(答・食品表示部会 受田部会長) 御質問ありがとうございます。

まず、今回の食品の全体像に関して、こういう提言を取りまとめましたのは、一般的に消費者委員会の食品表示部会としては異例といいますか、一般的ではないというふうに、まずお考えいただければと思います。

御承知のように、例えば今回の第5次においては、遺伝子組換え食品の関係について諮問を受けて答申をするということを行っております。また第4次においては、加工食品の原料原産地表示について諮問を受けて答申をいたしました。

今回、この食品の表示に関する全体像については、諮問という形ではなく、消費者委員会本会議からの検討の依頼というものを受けて議論をした内容でございます。したがって、答申ということではなく、議論をした内容と、それに伴って具体的に検討する内容について、提言の形で取りまとめを行ったものでございます。

もちろん、当初、議論をスタートした段階で食品表示部会の委員の方々から、この議論自体をどういう形で反映させていくのかという点については明確にしてほしいという依頼が多く聞こえてまいりました。

私としては、今回、報告書の中で17ページに表1として想定されるスケジュールというものの中に、今、御質問いただいたフォローアップに通じるような具体的な調査内容と、その調査を受けて、必要に応じて検討できる内容を消費者基本計画、来年度以降の第4期と、更には第6期、第7期の消費者委員会及び食品表示部会において、具体的かつスケジュール感を持って取り組んでいただけるようにスケジュールの案として落とし込んでいったものでございます。

したがいまして、御質問にありましたフォローアップについては、この想定されるスケジュールを念頭に、更にスピード感を持って消費者庁を中心に取り組んでいただきたい。これを消費者委員会において注視をするとともに、消費者基本計画に関しては工程表の改定等に反映できればという思いでしっかりとその取組を拝見していきたいと思っているところでございます。

(問) それで、本会議のときに委員長が発言された中に、要するに分かりやすさの中には見やすさと理解という、2つあるけれども、この中では見づらいということで見やすさということを、科学的アプローチを使ってということで御説明されていらっしゃいましたが、この工程表といいますか、第4期消費者基本計画という中に出てくる視認性というものがどっちに入るのでしょうか。

(答・食品表示部会 受田部会長) 今の御質問に関して、視認性は見やすさの一つの表現方法でございます。それで御質問の背景としては、分かりやすさというものを分解すると、見やすさ、すなわち視認性と、その内容の理解のしやすさ。このトータルであるというところで、本会議の中で理解のしやすさに関しては議論が十分にできなかった点を踏まえてかと思います。

我々、今回、食品表示部会において9回にわたり議論をしていきましたけれども、この全体像については、もっと時間を掛け、更に多くの方々からも意見をいただき、整理をしていく必要があると認識をしましたので、まずは視認性、見やすさの点について具体的提言をさせていただき、理解のしやすさについては今後に委ねていきたいと考えている次第です。

(問) ちょっとくどいようですけれども、1つ気になって、確認したいのですが、要するにウェブ上での表示ということで最初から言われているのは、補完といいますか、アンケート調査では容器包装に書いてほしいというアンケート結果が多い。それで、例えば私も毎日買物をしますが、加工食品とか何かはいちいちウェブで見るようなことはしません。つまり、包装上に書いてある表示を見ながらやるわけで、あのアンケートは当たり前のような気が私はしたのです。

だけれども、検討会の方向性としては、どうもウェブでいくように誘導というよりも、そういう方策として重視されているような気がしたのですけれども、これから科学的な評価であるとか、要するにこれも見やすさについて定義がなくて、科学的なエビデンスがないとかということは私自身、ちょっと大げさなような感じがしまして、そんな科学的なものが必要なのかというのはあったのですが、それはそれとして、これから調査するに当たって、理解するということが加味できるような調査方法はお考えなのでしょうか。

例えば、ここに出てくるフェニルアラニン化合物の含有ということですが、これが例えば安全性の問題として書いてありますね。ただ、これが果たして添加物の表示が安全性の表示なのかどうかが一般に分かるかどうかということで、ケトン尿症の方にはそうでしょうけれども、つまり、やはり会議で言われたように、理解ということがどうしても付随していないと適切な調査が進まないような気もしたのですが、これはどうでしょうか。

(答・食品表示部会 受田部会長) まず、ウェブ表示が前提に映ったという点については、冒頭、委員長からもございましたように、消費者委員会からの検討依頼がまずあったということで、その検討依頼の具体が、インターネットを活用した表示の可能性を含む、ウェブ上における情報提供と容器包装上の表示との組合せを中心に検討するようにという具体的指示がございましたので、その点を踏まえたという前提でございます。

ただ、このウェブ表示に移行するとすると、食品表示法上の義務表示項目をどういうふうに整理すべきか。あるいはいろいろ課題はございますけれども、食品関連事業者の皆様の実行可能性と、そこに書かれている表示内容との同一性とか、それを担保することの技術的課題も相当大きく横たわっているという意見が聞かれてまいりました。

さらには、今、御質問の中でありましたように、消費者意向調査においても、仮に容器縛りでない形であるとすると、表示項目を一体どういう手段で提供してほしいかに関して、やはり容器縛りの要望が最も数字上は高かった状況でございますので、それを踏まえて今回の提言に至ったということでございます。

科学的根拠とかエビデンスがどのように映るかという点については、部会の委員の中でも多分、多様だったと思いますけれども、ともすれば、この食品表示の捉え方は一般的消費者の皆様においても非常に多様で、また、主観的な意見に基づいていろんな要望が出てきているのは実態だったかと思います。

したがって、事業者の皆様に納得をしていただき、表示の制度を変更していくようにするとすると、ここはやはり客観的なエビデンスに基づいた背景が求められるということにもなります。

また、表示内容を絞り込んでいくという方向のみならず、原料原産地表示や遺伝子組換え食品に関しての議論でもありましたように、成分の重量順位において、1位のみならず2位、3位も表示をしてほしい旨の消費者からの御意向もございますので、これは一方方向だけを考えるわけにもいかなかったということで今回の提言に至ったものでございます。

最後に、フェニルアラニン云々というフェニルケトン尿症とか、当該の方々に対する安全性の確保の点から、こういった点が理解されているのかどうか等については、やはり私も啓発で普及をしていくことのみならず、その表示項目自体の消費者の皆様に対する理解度をしっかり検証していく必要があると思っています。

御承知のとおり、消費者意向調査に関しましても、啓発という部分でのアウトプットをKPIにするのみならず、例えば保健機能食品制度の具体的な特保や栄養機能食品や機能性表示食品に関する理解度の調査を行い、これをKPIに落とし込んでいくような工夫がなされております。こういう点も参考にしながら、食品表示全体及びそれぞれの項目の理解度をしっかり検証していきながら、正に表示内容の理解のしやすさというものが本当に実現しているかどうかも客観的かつ網羅的に調査をしていかなければいけないのではないか。

そうなってくると、かなり時間がかかり、ウェブ等の議論をする前提がまず求められていくのかなということで、提言内容はそういう内容を盛り込んでいると御理解いただければ幸いでございます。

(問) 別のあれで、消費税率のことなのですが、ここで書かれている留意事項については、バス、タクシー、JR北海道だったと思います。この留意事項についてのフォローアップというのは何かお考えがあるのでしょうか。

(答・公共料金等専門調査会 井手座長代理) ただいま御質問のございました留意事項については、国土交通省がきちんとそれを実施されているか、確認をするという中で、消費者委員会としても、こういったことについてフォローアップをする。事後検証に関わっていく。あるいは利用者に対してきちんと情報提供がされているかどうか、周知徹底されているかどうか、説明がされているか、あるいは対話がきちんとやられているかどうかについては、事後検証をやることにしております。

(問) 消費者委員会のほうですか。

(答・公共料金等専門調査会 井手座長代理) はい。

(問) 分かりました。

そもそも、消費税率のアップについては、軽減税率の問題が議論があったときに、たしか公共料金をどうするのかというのがありましたから、例えば公共料金も対象に入れろと言えるのは多分、消費者委員会ではないかと思っていたのですけれども、要するに、これは税率がこうなることについて、どうやったら良いかということで諮問を受けて意見を求められたということですね。

(答・公共料金等専門調査会 井手座長代理) はい。そうです。

(問) ですから、その範囲でということですね。

(答・公共料金等専門調査会 井手座長代理) そうです。消費者庁から諮問を受けて、それに対して答申をしたという形でございます。

(問) 軽減税率対象に入れろとか、何かそういう意見はなかったのですか。

(答・公共料金等専門調査会 井手座長代理) そうです。

(問) もう一つは、一番最後に出た意見でしょうか。割販法のあれで、これは中身が御意見ということですが、要するに多重債務防止などへ向けて、慎重に検討すべきという言葉が結構ふんだんに使われて、慎重に検討すべきという意見だと思いますけれども、この意見はどういう位置付けになるのでしょうか。小委員会整理についての意見ですから、経済産業省に出されたということですね。

(答) はい。

(問) これについては、何か回答を求めるとか、そんなことは。

(答) そういうものではございません。今のところ、中間整理の段階ですので、まだ今後、どういう方向に議論が進んでいくのかというのを見定めた上で、この意見が反映されているかどうかという、その確認はやる予定です。慎重に検討せよという文章だけが目に付くかもしれませんけれども、具体的に読んでいただくと、かなり面白い指摘があると思います。

(問) そう思います。多重債務のことをずっとやってきた行政機関であれば、あるいはそういう方々であれば、今の中間整理の審査の在り方であるとか、とても抜けている、甘い感じがしてくるのではないかと思いますし、そういうことについての指摘があるからと思いますから、結構、重視されるべきことかなと思います。

(答) そのように期待しております。ですから、今後、中間整理以降、どういうふうに議論が進んでいくかというのは見ていくつもりでおります。

(問) 最後に1つなのですけれども、なかなか建議は難しいですか。提言、意見は結構、今回もあれでしたが、建議というのはどうでしょうか。

例えば自ら調査の食品表示であっても、重要な点の指摘かと思いますし、考えぬ手は、公共料金もそうですし、あるいは今の割販法のあれもそうですし、建議はどうですか。

(答) 最終的に消費者の利益になるように、あるいは増進につながるように持っていけば良いわけであって、形式はそんなにこだわる必要はないのではないかと思います。

先ほどの食品表示の提言についても、提言という形ですけれども、具体的なスケジュールまで示して、実行に移していく予定です。ですから、建議という形にしなくても十分と思います。

(問) そうであれば1つお聞きしたいのですけれども、先ほどの食品表示のもので、3段階のあれで、ウェブのあれがありました。食品表示の基準について、要するに義務付け表示ということがウェブ上はなっていないわけですね。つまり、容器の中でも義務があっても、ウェブ上ではなっていない。そのウェブ上でなっていない表示の義務を今すぐできるというふうに提案もできるのではないかと思ったのですが、3段階で結構時間を掛けてやるのは、事業者の実行性とか何かもおっしゃっていましたが、それは表示でやっているのであるし、ウェブでも報告しているわけで、そのウェブでやるものについての一括表示、義務表示については、要するにすぐできるのではないかと思うのですけれども、そういうのはあれですか。

(答・食品表示部会 受田部会長) そういう御意見があることについては、私も理解ができます。実際、第3段階にある義務表示を容器縛りから、要は取り払ってといいますか、容器縛りでない形にしてウェブ上に載せていくことを、ある意味、究極の姿としてイメージをしていたところが部会の最初の段階においては一つ、この消費者委員会本会議からの検討依頼の出口だったのではないかと思っています。

もし、それをゴールイメージとして、この部会で検討していくことになれば、まずは表示事項として容器縛りのものとそうでないものに識別というか、優先順位という言葉を使っておりますけれども、仕分けをしていかなければならない。そういうところから議論をしていくことも、特にこの議論の最初の段階では少し御意見を賜りました。

そういうところで、まず第1段階、第2段階ありきではなく、第3段階というものをイメージしながら御議論いただいたので、今回、そこに至るまでのかなり解決をしなければいけない内容が横たわっているという結論で、実際の資料の中でもマル1からマル6という形でそれを具体化させていただきました。

結果的には、今、御質問のとおり、第3段階からいきなりやらなくても、第1段階における併用であったり、第2段階である補完であったり、これだったら実行していけるのではないか。特に法改正をしなくてもやれるのではないかという話ももちろん、そのプロセスでは出てまいりました。

ただ、先ほどの繰り返しにもなりますけれども、食品表示自体を活用している消費者の側が見ていない表示もあったり、表示の活用状況が多様であることと同時に、食品事業者の皆さんにおいても、大規模なところもあれば、中小零細規模のところもあり、多様であることから、これをいきなり具体的な制度へ持っていくことに関しては慎重であるという意見があるべきであるという意見が多く聞かれていきましたので、今回、第1段階、第2段階を設定しながら、それらを踏まえると、すぐにステークホルダーといいますか、消費者の方にとって、インターネット販売等も含めて、メリットのある方々もいらっしゃるであろう。

それを一つステップにしていくことは、現実的な捉え方として検討の価値もありますし、次期にはなりますけれども、非常に第3段階に向けての具体的方策であろうと結論付けたところでございます。

(以上)