高消費者委員会委員長 記者会見

2018年11月21日
消費者委員会

日時

2018年11月21日(水)11:29~11:36

場所

消費者委員会会議室

冒頭発言

 (事務局) それでは、消費者委員会高委員長の記者会見を始めたいと思います。

本日は委員長の冒頭御発言はありません。

質疑応答

(問) 先日、ジャパンライフの第1回の債権者集会が行われたのですけれども、それに絡みまして、8月末に本委員会で預託法の法改正をするべきだという会議があったかと思うのですが、改めて委員長としての受け止めであったり、現状の課題があると思う点があるのかどうかなどについて、お伺いできますでしょうか。

(答) 当然、課題はあると思っております。

ただ、預託法の改正をやるとまでは、今のところ、発言はしていませんね。それも含めて、可能性も含めて、それから、金商法の中での位置付けということも含めて、今、議論しているところです。

前も言ったと思いますけれども、例えば金商法の集団投資スキームの中に位置付けできるのではないかというのが、これはヒアリングでいろいろ意見をいただいて、そのとおりだなと思っておりますが、そこにうまくはまるからといって、この問題は今後起こらないのかというと、そうではないと感じております。金商法の集団投資スキームの中に入れば、事業者は登録しなければいけないのですけれども、多分、悪質な事業者は最初から登録などしないと思います。そう思いませんか。だから、ちょっと知恵を使って、全体として考えていかなければいけないなと考えているところです。

あとは、すぐ打てる手と、若干時間を掛けて議論しなければいけない法制度の設計も考えなければいけないなと感じておりまして、これに関しても、今、議論しているところです。結論を出すまでには、もう少し待っていただけますでしょうか。

(問) 分かりました。

(問) どこが言うべきなのか、分からなかったのですけれども、消費者委員会もタッチしようかなと思っているのですが、今年は大手メーカー、大手企業の不正が非常にあった。それで、ちょうど来週月曜日が消費者志向経営という優秀事例集が発表されて、ちょうど高委員長も基調講演をされる。

それで、今また、個別案件ですけれども、日産の問題が出てきたということで、要するに株主及び従業員だけではなくて、顧客、エンドユーザー、消費者にとっての信頼性といいますか、信頼感ということを考えますと、消費者志向経営をどうするのか。その推進をどうするのかというところが非常に鍵になってくるわけです。

ちょうど、今、見直しを消費者委員会で、消費者委員会ができる前の国生審であるとかということも射程に入れながら、見直しといいますか、検討されているわけですけれども、そのときにちょうど高委員長が昔おっしゃっていた、企業にとって「失われた十年」であるとか、つまり不正ですね。不正がこうあった。それで、いろんな形でコンプライアンスとかが出てきた。そのときに、まだできていない、前の内閣府の国民生活審議会が不正に対してメッセージを出されたことがあります。

それで、消費者委員会として、いろんな不正が出てきているわけですけれども、しかも高委員長はその専門もされていたわけで、何かこのような今の状況に対して、委員会としての対応とか声明とか、そこまでいかなくても、何かコメントをいただければと思います。

(答) もちろん、個人としては言いたいことはたくさんあるのですけれども、消費者委員会として発信して良いものか、慎重に考えなければいけないと思います。

先ほど、消費者志向経営という取組が始まったのだけれども、大企業でいろんな問題が起こっているではないかと言われましたが、おっしゃるとおりなのですが、よく考えてみると、この消費者志向経営の検討会で議論していたときもそうなのですけれども、一体どのような会社で問題が多く起こっているのかを考えなければいけないと思います。当時を思い起こしますと、多くの会社が大きくなり、企業で働いている人たちと消費者との距離が開いているという問題意識があり、その距離を縮めることが重要ではないかと思っておりました。

具体例で言うと、B to Bの会社。例えば検査データの改ざんとか、要するに取引先に商品さえ納めれば済むような会社が、消費者や利用者と距離のある会社が、当時、多くの問題を引き起こしていました。だから、消費者志向経営を、最終の利用者を考えた経営が必要であると考え、2015年にあの議論をやったわけです。

ですから、今後も、消費者志向経営ということを、これは強調していきたいなと思っています。それで26日、来週の月曜日も、その場でもそのような発言はしなければいけないなと思っています。

ただし、26日の発言は私個人の立場でやりますので、消費者委員会としての意見ではないということでよろしくお願いいたします。

(以上)