河上消費者委員会委員長 記者会見

2015年8月11日
消費者委員会

日時

2015年8月11日(火)12:30~13:05

場所

消費者庁記者会見室

冒頭発言

(事務局) それでは、時間になりましたので、消費者委員会河上委員長の記者会見を始めたいと思います。

委員長、初めによろしくお願いいたします。

(河上委員長) よろしくお願いいたします。

今日は報告事項が2件ほどございます。

第1番目は「消費者行政における新たな官民連携の在り方に関する調査報告」についてで、お手元に資料が配付されているかと思います。

本年3月24日の消費者委員会本会議におきまして、消費者政策における官民連携の中長期的な方向性について検討するためのワーキング・グループを設置し、この7月までに検討を行ってきたところでございます。これまで計5回のワーキング・グループを開催して、有識者からヒアリングを行うなど、詳細な検討を行ってまいりました。本日の本会議において、ワーキング・グループの座長である山本隆司委員から取りまとめ調査報告書についての報告がありまして、委員会においてその内容が了承され、公表の運びとなったものでございます。

調査報告の詳細な内容につきましては、配付資料を御覧いただきたいと思いますけれども、私のほうから概要を簡単に御紹介いたします。更に細かい問題点については、山本座長もおいでになっておりますので、また補足的に御説明いただくことを考えております。

そもそもワーキング・グループ設置の経緯でございますけれども、御承知のように、消費者被害が極めて多様化、複雑化している中で、消費者行政においてもその予防の段階、あるいは制度設計の段階、執行の段階、いろいろな段階で、行政だけで全てを完結して遂行していくことがなかなか難しい時代になっているということで、消費者団体等いろいろな民間団体の力を活用しながら、消費者行政の目的である消費者権益保護の実現ということを遂行していかざるを得ない時代になっているという認識に立っており、行政が民間といろいろな形で連携することが必要になってくる場合がある。そういう場合にどういう連携の在り方があるのか、あるべきなのか、その方向性を打ち出すということが目的でありました。

これは、行政のスリム化とかいろいろ言われている効率化などとは一つ違った観点で、それを超えて、むしろ民間の力を行政に対して補完的に活用することによって、本来目指していた公益目的というものがよりよく実現できるように連携していくことが求められている。そういう発想に立ったものでございます。

調査報告は4部構成としており、最初にワーキング・グループ設置の目的が述べられておりますが、それは今、お話ししたようなことです。次の第2のところになりますと、ちょっと聞き慣れない言葉かもしれませんが、「保障行政」という考え方がございまして、これを参考にしながら考え方を整理した部分がございます。「保障行政」は、2000年ごろからドイツの行政法で使われるようになった考え方で、その意味するところは、民間が公益のために活動する一定の役割を担って、行政はそのための枠組みとなる制度を設定した上で、状況を見ながら必要に応じた関与・支援を行うといった考え方であります。これはあくまで議論の参考になるということで、そこを出発点としながら、いろいろと問題を整理していこうということで紹介しています。

第3のところでは、有識者からのヒアリングの結果を踏まえまして、消費者行政に関係する民間団体の現状ですとか、あるいは各団体に期待されている役割及び行政の支援策等について整理しているものでございます。通常の会議以外にも、個別に来ていただいて委員がヒアリングをする、あるいは、それから、事務局員が出掛けていってヒアリングをした成果が、この第3のところに含まれております。

最後にまとめとして、今後、官民連携を推進していく中で四つあるいは五つぐらいの視点が重要であるということで、最後の部分で指摘をさせていただいております。これは一つの哲学のようなものかもしれませんけれども、第1に、国と地方公共団体と民間が連携していくという場合に、それぞれの持っている特性を殺さないようにして、むしろそれぞれの特性を生かしていく形で連携することが必要なのだということで、お互いに相手を必要以上にコントロールするようなやり方では駄目なのではないかということになります。

第2番目は、民間の各主体または官民連携のプロセス全体を規律するとともに、民間が公益を実現する活動ができるように、これを助成するということであります。先ほど委員会の中で、この公益という言葉が一体どういう意味を持っているのだというようなことが若干話題になりましたけれども、それはいろいろな意味合いがあって、どういう目的で政策が実現されていくかの目的の序列の問題でもあるわけです。消費者政策に関して言えば、恐らく消費者の権利あるいは利益をよりよく実現していくということが第一の目的なのだろうと思います。ただ、それと同時に、社会的な利益である環境や市場の公正、いろいろなものがそこに需要として存在していることは確かだろうと思いますが、そうした公益を実現していくように、民間の各主体、官民連携のプロセス全体で考えていって、助成をしていく。

さらに、第3に、政策決定から執行までの全局面を視野に入れて、適宜「議論」の段階を設けること。そこで消費者の意見がきちんと反映できるように、特に民間の専門知あるいは経験知が十分に生かせる体制を作る必要がある。ある意味では民主主義の一つの在り方ということになります。

さらに、「市場」ということが一つキーワードになりますが、消費者政策の場合は必ず、事業者とそこで提供される商品の受け手である消費者が市場で相まみえるということになります。この市場の機能をきちんと考えていくことによって、この官民連携を考えていく一つのきっかけにもなるだろうということでございまして、その市場を考えてみようということであります。これは、何か特定の官庁に向けて一定のことを求めるという形の従来の建議や意見とは異なりまして、むしろ今後の消費者政策を中長期的に考えていく際の一つの考え方といいますか、基本的な視点をここで一緒に考えてみようということで作り上げられたものでございますから、必要に応じて、今後この報告書を踏まえて、よりよい官民連携の在り方について検討する。場合によっては、いろいろな省庁に対して、例えば財政支援を求めるということであれば、その求めるときの一つの考え方のバックボーンとして、こういう理論といいますか、枠組みも活用していただければ有り難いということであります。

特に適格消費者団体に対する経済的な支援というのは非常に大きな課題になっております。もともとそういう財産的な基盤がしっかりしたものを適格消費者団体と認定しているのだから、そういうものに対して支援をするべきであるということを言うのはおかしいのではないかという考え方もなくはないかもしれませんが、現実はそれほど甘くはないわけでして、ヒアリングをした多くの消費者団体は本当にぎりぎりでやっており、その構成員のボランティア精神でもって何とか今もっているという状態であります。持続可能な形で、こういう民間団体が公益の実現のために活動していけるようにするためには、やはり公として一定の支援策を考えなくてはいけないだろうということを理論的に基礎付けようという点もございます。

これは一応消費者政策に限って書かれたものではありますけれども、今後いろいろなところで、行政の中で官民連携が問題にならざるを得なくなったときの一つの見方としては十分参考になるものではないかと自負しておるところでございます。まだまだ完全なものではございませんけれども、いろいろな場面で参考にして役立てていただければ有り難いと考えているものであります。

もう一つが、消費者契約法専門調査会における中間取りまとめについてであります。これも皆様のお手元に冊子としてお配りされているかと思います。これまた大変大部なもので、しかも、内容も浩瀚(こうかん)なものであります。既に事前レクがあったと伺っておりますので、余り深く立ち入ることはいたしませんけれども、ごく簡単に御紹介いたします。

この消費者契約法の見直しにつきましては、当委員会において、平成25年8月に理論的な分析として「『消費者契約法に関する調査作業チーム』論点整理の報告」というものを取りまとめて、これは本にもいたしました。そのほか、消費者庁でも、平成26年10月に「消費者契約法の運用状況に関する検討会報告書」が取りまとめられ、法施行後の裁判例あるいは消費生活相談事例等について整理を行ってきたところでございます。

そこで現れた問題状況を踏まえ、昨年8月ですが、内閣総理大臣から諮問を受けまして、当委員会では同年10月に消費者契約法専門調査会を設置し、法施行後の社会経済状況の変化への対応等の観点から、消費者契約法における契約締結過程及び契約条項の内容に係る規律等の在り方について調査審議を行ってきたところでございます。

今月7日に開催された第17回の専門調査会で「消費者委員会 消費者契約法専門調査会 中間取りまとめ」というものが取りまとめられたことを受けまして、本日の消費者委員会本会議で、その報告を山本敬三座長からいただいたということでございます。本中間取りまとめでは、専門調査会におけるこれまでの審議の内容を踏まえて、現時点における到達点を整理するとともに、今後の検討の一定の方向性が示されたと考えていただいてよいものかと思います。

今後は、秋以降の専門調査会において、経済団体、消費者団体等からのヒアリングも行い、この中間取りまとめに対する意見を幅広く聴取した上で、引き続き調査審議を行って、検討を深めていくということでございます。

この中間取りまとめには、今日本会議で報告されたものばかりではなくて、かなりの数の論点について、まだ詰め切れていないものがございますが、その点についても記述があります。最終的には、この中間取りまとめの内容に沿って一定の結論を得て、法律の改正に向けた活動が行われることを期待しているところでございます。

私からの御報告は以上でございます。あとは御質問の中でお答えさせていただきます。

質疑応答

(事務局) それでは、質疑応答に移りたいと思います。御質問のある方は挙手をいただけますでしょうか。

(問) 最初の官民連携の中で最後のほうの部分になるのですけれども、適格消費者団体への補助ということで、先ほど委員長もおっしゃいました一定の支援策ということで、ここでは団体財源も考慮することが必要だということで、財政補助が一つあって、それにちょっと限界があるならば、団体の収益的な活動をできるだけ広く認めるという、これは消費者委員会の意見ということでしょうか。

(答) これは、このワーキング・グループの中でこういう方法もあり得るということで意見として出ているもので、消費者委員会としてかくあるべしと積極的に述べるというところまで踏み込んでいるものではありません。ただ、どうも事業活動については、余り営利活動と紛らわしいようなことはさせないということから、非常に厳格に事業活動の内容等が決められていることは事実でありまして、消費者団体が活動するときに必要以上に遠慮しているところがあるような気がするのです。ですから、収支相償であれば、そこはやって構わないという前提だろうと思われますので、そういう方法だってあるでしょうということです。

(問) わかりました。

もう一つ、この報告書の取りまとめの最初に色のついている4番目のところがありますね。今のところ、中長期的な指針の中で右側の上に「適度な規律とともにする助成」ということで書いてあります。そこの2番目に「中立性・非党派性」という、この「非党派性」というのがちょっとわかりにくかったのですが、どんなイメージなのでしょうか。

(答) 特にこれは余り具体的に何々党とかいう話ではなくて、中立性とほぼ同じような意味であります。一定の政治的なイデオロギーとか、そういうものと結びつく必要はないだろうというようなことも含めておりますし、それ以外の党派ということもあり得るかと思いますけれども、基本的に中立性というふうに考えていただいていいかと思います。

何か引っ掛かることがありますか。

(問) 「党派性」自体がどういうイメージを持たれているのか、それに対する「非党派性」ということを条件としていらっしゃるので、要するに「党派性」自体がよくわからなかったのです。昔言っているような「党派性」なのか。

(答) そういう具体的なものではございません。

(問) 具体的なものではなくて、中立性とか公平性ということをイメージされていらっしゃるということなのですね。

(答) はい。

(事務局) ほかにございますでしょうか。

(問) 私も官民連携に関してのものなのですけれども、まず認識として、消費者団体の厳しい現状があるというお話で、また、さらに、消費者被害が極めて多様化しているというところで言いますと、現状認識としては、やはり消費者の権益を守るのがかなり厳しい状況になっているというような認識でよろしいのでしょうか。

(答) この報告書については、誤解されたくないのですけれども、消費者団体を経済的に大変だから助けてやれという趣旨の報告書と狭くとっていただきたくないのです。ただ、現状認識の問題として言うと、今の消費者団体の方々、特に適格消費者団体の経済的な状況は極めて大変です。来年に集団訴訟などの手続が施行されることになりますけれども、その時に実際に手続をやっていくだけの経済的な基盤が本当にあるかどうかという辺りになると、結構難しいのではないかと思われる点が少なくありません。これが十分でないとなると、せっかくの制度が現実には使われないで終わるというようなこともあるわけです。ですから、その制度がうまく動くためには、やはり基金とか何らかの形で、その訴訟手続の中でかかる費用等についての支援策というものを組み込んでおかないと、持続的にこれをやっていくことは難しいのではないかという認識は持っております。

(問) そうした中での官民連携ということもあると思うのですけれども、全国的な事例として、こうした中で官民連携をしてうまくいっているようなケースとか、モデルになるような事例というのはあったりするものなのでしょうか。もしあれば教えていただければと思います。

(答) これはヒアリングをしていく中でいろいろな試みがありまして、うまくやろうとして、成功しているかどうかわかりませんけれども、例えば民間の方々が、この本の中の10ページ、市川市の例ですね。市川市で平成17年度から、市民団体の支援制度というので、税金のうちの1%を自ら選択した市民団体の支援に充てられるという仕掛けを作って、団体に対して市からの補助金としてそれを支出するようにした。いわば市民の応援を得た一定の市民団体が経済的な資金を得て、それを活動につなげていく、そういった活動が市民にPRされて、みんながそれに関心を持っていくというようなことをやったそうです。残念ながらこれは今年度で終わるということなのですが、こういう仕掛けもあるわけです。

本来は国が税金を投入してやらないといけないものが結構あるはずなのですが、それでもやはり財源難でどうしようもないという場合や、税金を直接投入するのはどうもといった場合等には、こういう方法もあり得る。いろいろな方法があるので、もっと知恵を出して、やはり団体の活動を持続的にできるように支援するということを積極的に考えてもらってはどうか。また、意欲のある消費者団体とか中間団体はたくさんあるのです。ところが、それがうまく連携できていないということがございますので、その連携のための場とか、あるいは情報の調整といったような、これは官でないとできないこともございますから、それをしっかりやることによって消費者行政を充実させるという方向を考える。

必ずコスト的にこちらのほうが安くつくなどということはあり得ないかもしれません。逆に、いろいろなことをやっていくとコスト的には高いかもしれないのですが、しかし、国がなす消費者政策というものの結果に関しては、そのレベルが絶対に上がると思います。ですから、その意味でも、官民連携という言葉を使って、単にスリム化とか効率化だけを実施するようなやり方ではなくて、更にそれを超えて結果を充実させる方向でやっていただきたいということを主張として込めているものであります。

(事務局) そのほかございますか。

どうぞ。

(問) 官民連携のほうでお伺いしたいのですが、中長期的な指針としては示されているのですが、一応来年度の予算措置等を念頭に置いて、今日の時期、この夏の時期に出されたというのもあるのでしょうか。

(答) それはないです。結果的に及んだらうれしいということですけれども、これを読んでいただいて、こういう考え方を前提にしたときに、消費者団体に対する何らかの形での仕掛けを作って経済的な支援をする、そのための予算が要るのだということを本気で考えてくださる官庁があれば、それはそれで大変うれしいことです。

なかなか具体的な知恵出しができなかったのですけれども、しかし、官民連携は必要だということは皆さんおっしゃっているので、それならそれにふさわしいだけの責任と、その経済支援に対する行動をとっていただければ有り難いということであり、予算措置に結びつけば、それは望外の喜びではあります。

(問) あと、消費者契約法のほうで、昨日の事前レクで聞けなかったのですが、この中間取りまとめに関してパブコメをする予定というのは特にないのでしょうか。

(答) パブコメは、最終的にはどこかでやったほうがいい気はするのですけれども、さまざまな考え方があります。まず、まだ中間取りまとめの段階ですので、秋以降の専門調査会でヒアリングが行われるということで業界等々の意見聴取をすることを予定しておりますし、それから、消費者委員会にはもう既に、この中間取りまとめ案等々に関してかなりの数のもっと頑張れという意見書なども来ております。ですから、少なくとも現時点では、パブコメの形で意見を聴取するということは考えておりません。恐らく全体が終わって、あるいは法改正に向けた一定のことが行われるようになった段階では、場合によってはパブコメというのがあるのかもしれませんけれども、今の段階では考えておりません。

(問) 最終報告のめどというのは何かあるのでしょうか。

(答) 消費者基本計画の中で年度が一つのめどになっていますので、今年度内に答申が出るということが目標にはなろうかと思います。

個人的には一日も早くと思っておりまして、来年の通常国会辺りに法案が出せたら、それはいいなと思っております。第3次の委員長としての遺言みたいなものですけれども、しかし、そういうことになるよう期待しております。

(問) 来年の通常国会だと、年内にまとめておかないとなかなか難しいような気がするのですけれども、その辺がということですか。

(答) その辺は考えていただかないといけないかもしれません。でも、集中的にやっていくにしても相当論点がありますので、余り無理をして強引な審議をするというようなことをすると、拙速になる可能性もありますから、そこはないように、やはりいろいろな方の意見を聞いてやっていくということだろうと思います。これは次の委員会の問題ですね。

(事務局) そのほかございますでしょうか。

どうぞ。

(問) すごく基本的なことで大変恐縮なのですけれども、官民連携のほうの中長期的な指針の「中長期」とは、どのぐらいのスパンのことを考えていらっしゃるのですか。

(答) 少なくとも、我々消費者委員会は2年ごとに改選されていて、自分の目の前にさまざまな課題が次から次へと出てまいります。実は消費者委員会というのはもっと基本的なところで、国の消費者政策全体を考えていくというような役割もあるのだろうということを前々から感じておりまして、前陣速攻で撃ち返していくというだけではなくて、中長期的にこれからの方向性というものもある程度考えていく必要があるだろうと考えておりました。100年、200年とは言いませんけれども、5年、10年先の消費者政策の在り方ということは考えていく必要があるだろうということです。「中長期」というのは人によっていろいろかもしれませんが、私は5年、10年ぐらいを考えておりました。

(事務局) ほか、どうでしょうか。

(問) 消費者契約法なのですが、私も昨日事前レクに出られなかったのですけれども、今度、ヒアリングをされるとおっしゃっていましたが、業界団体というのはもう決まっているのですか。

(答) いえ。

(問) これからですね。

(答) これは次の第4次の仕事ですね。

(問) そうですか。ちょっと基本的なところで、消費者契約法ができる前に、消費者概念をもっと広げるべきだとか、消費者契約の中にもっと含めるべきだということの中で、フランチャイズチェーンの契約であるとか、マンションの管理組合の契約であるとか、いろいろ議論になったと思うのですが、今回の報告書中間取りまとめの中では、そういう具体的な例としては載っていなくて、「実質的には消費者契約とみるべき場合に関しては、法を適用することを可能とする観点から、法を改正して『消費者』概念を拡張することも考えられる」ということが書いてあるわけですね。そうすると、今後のヒアリングの中でどういう団体を置くかとか、あるいはどういうヒアリングの対象者を置くかによって、もっと具体的になっていくということとして考えていいのでしょうか。

(答) この報告書の4ページを見ていただきますと、消費者概念の在り方について整理しているところがございまして、第7回の専門調査会で五つの類型に区分した形で問題が提示されています。事業者性を基礎付ける事情が当該契約以外にないとか、事業の実体がないとか、幾つかのパターンのものが挙がっておりまして、事業者的な消費者であるとか、消費者的な事業者とか、いろいろな人たちの例を想定した議論を資料で検討した経緯がございます。その中で比較的問題になりそうなのは団体でありまして、団体が実質的には消費者の集まりである場合について、権利能力なき社団というようなものについて果たしてどう考えていくか。ほかのパターンのものについては比較的解釈でもいけそうなのだけれども、文言として、ここの部分については事業者のほうに持っていってしまいかねないような部分があるので、この部分について少し法的な書き込みをする必要があるのではないかというところまでは議論が進んでいます。

ただ、更にそこの切り分けをどのようにするかという細かい詰めになると、いろいろな意見があるので、まだ詰め切れていない。ですから、ちょっと曖昧になっている部分はあるのですけれども、確実に前に議論が進んでおりまして、最後のところの詰めをもう少しやらないといけませんねということになっていると理解いただければ有り難いと思います。

(事務局) ほかはよろしいでしょうか。

それでは、これをもちまして、河上委員長の記者会見を終わらせていただきたいと思います。

どうもありがとうございます。

(河上委員長) どうもありがとうございました。

(以上)