河上消費者委員会委員長 記者会見

2015年3月10日
消費者委員会

日時

2015年3月10日(火)18:34~19:16

場所

消費者庁記者会見室

冒頭発言

(事務局) 定刻より少し遅れましたけれども、河上消費者委員会委員長の記者会見、定例のものでございますが、始めさせていただきます。

では、委員長、よろしくお願いいたします。

(河上委員長) よろしくお願いいたします。

報告事項が3件ございます。

第1番目が、消費者委員会委員、新開発食品調査部会、評価調査会委員の合同会議の開催についてであります。

内閣総理大臣から諮問を受けて、消費者委員会で審議を行っております特定保健用食品の表示許可について、本日、所管省庁であります消費者庁から諮問している範囲、すなわち消費者委員会で審議すべき範囲についての説明をしていただきました。

併せて、消費者委員会委員、特保の審査を実際に行っている新開発食品の調査部会、評価調査会委員と消費者庁との意見交換を行ったところであります。

これは前回の記者会見で申し上げましたとおり、2月17日の規制改革会議、第30回の健康・医療ワーキング・グループで、消費者庁から特定保健用食品の許可の要件の中で「食生活の改善が図られ、健康の維持・増進に寄与する事が期待できるものであること」という8つほどある許可要件の中の一番最初のものですけれども、この事柄については消費者委員会に対する諮問の対象ではないという説明がございまして、この説明に対して私をはじめ当委員会の委員の認識とは大きく異なっていましたために、消費者庁に要請して正式な見解を確認しようとしたものであります。

本日の会議では、主として消費者庁の川口次長から説明が行われまして、規制改革会議で消費者庁が示した認可の要件というものは、これは消費者庁が自ら守るべき要件として定めたものであって、消費者委員会の審議すべき範囲を制限するものではないという説明がありました。

特保の審議にかかわっておられる委員からは、「特保の審査というのは限られた条件下での試験データなどに基づいて有効性の有無を判断するということを求められている。だからこそ、その製品が販売されて、国民の手に渡ったときに、その限定的な試験結果で示された有効性が果たして国民の食生活の改善を図り、あるいは健康の維持増進に寄与することになるか。そういうことが期待できるかどうかを常に念頭に置いて検討しているのだ。」という御意見なども出されたわけでございます。

結果として、消費者委員会での審議の範囲である安全性及び効果というのは、消費者委員会が今まで認識していたとおり、特保が健康増進法のもとにある制度である以上、「食生活の改善が図られ、健康の維持・増進に寄与する事が期待できるものであること」という、まさに健康増進法の第1条の理念を踏まえて審議すべきであって、そうすることが消費者庁の諮問の趣旨にも合致するものであるということが確認できたと理解しております。

一方、今回の意見交換において、特保の許可要件の1番目にある「食生活の改善が図られ、健康の維持・増進に寄与する事が期待できるものであること」という要件の解釈が、当委員会と消費者庁との間でかなり異なっているのではないかということも明らかになってまいりました。このことが要因となって、当委員会の答申と消費者庁での最終判断が異なるということもあり得るということであります。

当委員会としては、今までどおり特定保健用食品の有効性及び安全性について諮問に基づいて審議を行ってまいりますが、この「食生活の改善や健康の維持・増進に寄与する」という部分をどのように解釈するかということは、特保制度全体を考える上で非常に重要な部分ですので、個別の審議とは別に、その他の特保制度一般にかかわる委員の御意見も含めて、消費者委員会としてさらに整理・検討を行ってまいりたいと考えております。これが今日の午前中に行われた合同会議についての御報告であります。

第2番目は、次期の消費者基本計画の原案についてであります。本件については本日16時開催の委員会本会議で、消費者庁から報告を受けて答申の取りまとめについての議論を行ったところでありますが、聞いておられた方はおわかりのとおり、公共料金等、原案について若干加筆修正を求める意見が出ましたために、私のほうで引き取りまして、消費者庁の対応状況も見つつ、答申を提出することといたしました。

なお、基本計画原案については、先月17日付の当委員会からの「次期消費者基本計画の素案に対する意見」やパブリックコメントに寄せられた意見をかなり反映していただいておりまして、委員会としても一定の評価をしているところであります。当委員会としては次期計画で示された施策の実施状況についてKPIと言うのでしょうか。重要業績評価指標の意味も含めて明らかにした上で検証、評価、監視を随時行い、計画の推進を後押しするとともに、施策の追加、拡充あるいは整理等が必要と考えられる場合には、現在、示されている工程表に限らず、計画本体の見直しも含めて随時、意見表明を行っていきたいと考えております。以上が基本計画の話です。

第3番目が、特定商取引法の専門調査会についてであります。本年1月20日付で内閣総理大臣から当委員会に対して、特定商取引法の規律の在り方を検討することを内容とする諮問がございました。同日開催した第181回の消費者委員会本会議で、「特定商取引法専門調査会」の設置を決定しているところであります。その後、早稲田大学の後藤巻則教授に座長をお願いいたしまして、今月5日、第1回の特定商取引法専門調査会が開催されました。この第1回会議では、特定商取引法を取り巻く環境の変化について、消費者庁、経済産業省等から説明が行われた後、出席委員からは今後の検討課題等について意見交換が行われたと承知しております。

今後とも消費者庁はじめ、関係省庁からの協力を得つつ、検討を進めていきたいと思います。

私からの報告は以上であります。

質疑応答

(事務局) それでは、質疑応答に移りたいと思います。マイクに向かって質問を言っていただければと思います。

(問) 特保の件で2点ばかり質問なのですが、先ほど委員長が御説明なさった1つ目の項目、健康の維持・増進等のところなのですけれども、その許可要件をめぐって委員会と消費者庁の間で解釈の差があるということなのですが、そこは具体的にどのように違っていたのかということと、もう1点は今後、消費者委員会で特保全体の在り方を検討されるということですけれども、何かスケジュール的なものがあれば教えてください。

(答) スケジュールの問題はまだはっきりしておりませんが、食生活の改善が図られ、健康の維持・増進に寄与することが期待できるということに関して、これは消費者庁の理解では8つの要件があるのですけれども、2以下の部分について科学的な根拠、エビデンスがあるということによって判断をしていくんだという言い方をされておりました。他方で消費者委員会のメンバーの方々は、むしろそれを念頭に置いて2以下のものを判断していくという判断の仕方をするんだというふうに、その判断の順序が若干違っているように思われました。

それから、消費者庁では当該食品をある人が同種の他の食品をとったときと比べて、それがその人の食生活の改善になったり、あるいは健康の維持増進になるということを念頭に置いて考えているという言い方をされました。しかし、消費者委員会が考えたのは「その人が」ではなくて「国民が」あるいは広く「消費者が」そのようなものが特保になった場合にどういう影響を受けるかという観点で、もう少し広いところで1の要件を考えているという印象を個人的には持ちました。

ほかにも程度問題にしても、実際にその中身が不明確である。ほかの2から8について要件が満たされているときには、1の要件については客観的材料や根拠がなければなかなかNOとは言えないというのが消費者庁の考え方でしたけれども、これは私のほうからも最後に申し上げたのですが、そうではなくて、これは許可要件なのだから、むしろ許可しないことについては、不明確さが残れば許可しないと考えるのが本来の筋ではないかと思われました。

つまり、立証責任の所在についても、消費者庁と委員会との間では若干のずれがあるという気がいたします。

結果として出てきたものについて、最初の1の要件を満たしている満たしていないということの結果はずれてくる可能性がある。現に今回ノンアルコール飲料についての判断がずれたわけです。

(問) 今の点ですけれども、ずれてくることがある。今回実際にずれたということですが、消費者庁側はずれてもいいんだということをおっしゃっていて、それに対して委員からは、それでは困るという発言も確かあったかと思うのですが、委員長はどのようにお考えでしょうか。

(答) 本来であれば、同じ目的を目指して作業をしているわけで、専門家としての消費者委員会の委員の方々の専門的判断と、消費者庁の最終的判断がずれることは好ましいこととは思いません。健増法の精神にのっとって消費者庁が判断したときも、専門家としての意見とできれば一致したほうがいいし、許可の要件もできれば一致したほうがよいと個人的には考えております。

(問) すみません、この質問を先にすればよかったのですけれども、そうすると今後も少しずれる可能性がある中で、審査というのはこれまでどおりきちんと手続は進めていくお考えでしょうか。

(答) 消費者委員会としての基本的な姿勢は変わりませんので、これまでどおりの審査の手順は踏むことになります。ただ、消費者庁がどういう趣旨で諮問をしてくるかということについて、場合によっては規制改革会議の意向を踏まえて、限定された観点からの判断を求めるという言い方をするかもれしません。そこは消費者庁は「現時点では」という表現を何度も用いていました。仮に、全部を含めて諮問をしてきているのではないという点を明らかにされたときには、分けて答えていく必要があるかもしれません。ただ、消費者委員会は基本的に先ほどの1の部分を軸に据えて判断をしていくという姿勢をつらぬくことになりますから、審査のプロセスも考え方も基本的に変わらないだろうと思います。

(問) 関連と言えば関連なのですけれども、4月1日からの機能性表示食品制度が始まって、現在、効能表示、栄養機能食品と実際よく見るのは特保ですが、特保が実際に使われるのだろうかという疑問も少しあるのですが、これは消費者委員会としてではないのですけれども、特保というものは今1,100、1,200ぐらいありますけれども、それは今後利用されていくとお考えでしょうか。それとも機能性表示にかなり流れるのでしょうか。

(答) そこはわかりません。実際に特保にこだわらず、機能を表示したいと考えた人が自己責任で機能性表示食品としてのものを扱うかもしれませんし、特保は一応国が一定の審査をした上で、安全性とか効能・効果を保証しているということになりますので、そのお墨つきを一定の価値として評価している方は、特保を使っていくだろうと思います。

これまで千数百あるものに関して一定の資本を投下して一生懸命許可をもらった方々は、特保としての価値を強調するかもしれませんから、当面は両者が共存していくことになるのではないかと想像しております。

(問) 今日の川口次長の話だと、要するに科学的根拠がない。答申をそのまま消費者庁の判断にするには科学的根拠がない。それから、消費者団体とかいろいろな方たちが出した個人のデータを科学的根拠とするのか。そういうデータの判断も消費者委員会にしていただきたい。そして、ある意味で別に科学的根拠以外に、科学的根拠ではないのだったら別に意見を出す、別途意見をいただくこともあるのではないかということをおっしゃっていて、またさらにもう少しわかるように答申内容を書いてほしいということもおっしゃっていて、その辺が一体、今後何も変わらないとはおっしゃっているのですけれども、何をどう変えていこうとしていているのか。

(答) それは消費者庁がですか。

(問) そうです。答申内容について変えていくのかとか、データの扱い方とか、科学的根拠も委員長は委員長のお考えをおっしゃいましたけれども、向こうとしては科学的根拠がないと決定できないと言っているわけなので、そこについて何らかの行動を起こされるのでしょうか。

(答) そこはまだわかりません。けれども、1から8の要件は消費者庁がいろいろな認可庁としての公平さとか透明度というものを確保するために出して、それに従って判断している。恣意的な判断にならないようにということでやっているわけです。ですから2から8の部分についてはパスなのだけれども、1については気に食わないからだめだというような判断をするのはなかなか難しくて、やはりだめだと言うからにはそれなりの科学的な根拠がほしいということなのだろうと思うのです。

そこで消費者委員会も、できれば諮問に対する回答としては、だめならだめでいいけれども、効能とか効果について一定の安全性はあるということに関して安全性と効果についてはパスなのだけれども、社会全体に対する影響としては考えたら1を考えて×だと言うときには、その×だと言った部分についての具体的で明確な説明がほしいということだろうと思うのです。それが可能であるかはともかくできれば答申の中で2、3、4に関しては一応認められるけれどもというふうに分けて答申を書いてほしいともおっしゃったのだろうと思います。

さらに答申からこれは諮問の対象から外れていると考える場合は、答申の中で書くのではなくて、委員会からの建議の形で書いていただいたほうがいい。書いていただいても構わないという御意見だったと思います。ですから、答申の中で特保制度一般について特定の商品に関してどうこうと言うのではなくて、こういう食品表示、特に特保とか栄養機能表示に関して消費者委員会として消費者庁の許可の在り方が問題だというのであれば、その許可の在り方に関して一定の建議を出すことをしていただいても結構だ。そういう趣旨だろうと思います。

(問) 今日委員の方々から、特保はその後、何らフォローがされていない。再審査もされていない。そして、最初に消費者庁がそこの部分を判断して、例えば甘いチョコレートにカルシウムを入れて特保と認めるのかというときに、ではどう判断するのか。消費者庁が先に判断することもあり得るのではないかとか、制度自体に対するさまざまな意見が出たのですけれども、そういう問題について今後、消費者庁が何らかの検討などをしていかれるのですか。

(答) それは消費者庁に聞いてください。

(問) すみません、消費者委員会として建議に向けて何らかの検討とかをしていくお考えはあるのでしょうか。

(答) 特保制度そのものが一体どういう制度であるべきかということについて、根本的な問題が幾つか今日の議論の中でも明らかになったと思います。ですから、そういうものについて消費者委員会としての意見をまとめることができるのであれば、さらに検討するつもりでおります。

(問) 関連なのですけれども、私は今日合同会議を傍聴できなくて、資料を拝見したのですが、2つありまして、消費者委員会の答申というのは昨年8月、不適切だと。それで先ほど問題になっています1から8の要件というのは、次長通知としてその後の答申後の10月に出ているものだと思うのですけれども、そして今、1がどうだという問題になっているわけですが、ここがあれなのですか。それは次長通知が出たときに何かアクションとかあったのでしょうか。

(答) 次長通知については厚労省の時代からのものを引き継いだものだと承知しています。

(問) それが1から8という要件で、ここの中の要件で1の判断が違うということがわかったのは、今回消費者庁の判断のときということですか。

(答) そうですね。

(問) もう一つ、次の一手は何かお考えなのでしょうか。先ほどのお話だと特保全般に対しての審議の在り方とかについて、建議なりが選択の中に1つあるようなおっしゃい方をされましたけれども、今回の特保としての決定に対して意見が違う、判断が違うわけですが、それに対する次の一手といいますか、消費者委員会として何かあるのでしょうか。

(答) 次の一手というのは要するに対抗策ですね。大変遺憾であるという意見は申し上げたとおりです。けれども、最終的にそれを特保とするかどうかの決定権は長官が持っているということでして、長官がその決定に際して考慮すべき要素というものが1から8となっている。それは、あくまで内輪の考慮要素に過ぎませんと今日言われたわけです。ですから我々消費者委員会が考慮するときでも、最終的に消費者庁が判断している判断枠組みをにらみながら審査をするわけですけれども、両者の意見がくい違うことはあり得ます。そのときに消費者委員会があくまで自分たちの意見を貫くために攻撃に出るというようなことは考えておりません。むしろ議論をして、ちゃんとそこの間で意思疎通ができるようにすることが重要であると思うのです。

今日川口次長にお願いしたのは、もしNOという委員会の答申を覆すような判断が消費者庁から出るのであれば、せめて専門調査会の委員の方々ともう一度専門的観点から議論をするチャンスを手続の中に組み込んでくださいということでした。恐らく今後そういう方向で手続が改善されていくのではないかと期待しております。

(問) 今回の消費者庁の判断の前に、消費者委員会へのあらかじめの説明はなかったと聞いておりましたので。

もう一つ、消費者庁と消費者委員会の意見が違うという場合は、当然ながらあり得るということだと思います。今回に限らずです。そうなったときにどうするのかというのがずっと課題としてあって、つまりそのときの手続というよりも、これは5年前からある課題だと思っておりまして、それで消費者委員会は監視機能を発揮するということが言われていましたから、今回の場合について全く違う判断で、しかも検討要件の範囲が違うとか、審議の在り方自体がずれているという議論なわけで、そういうものは消費者委員会として根本的なこととして意見というものがあってもいいのではないかと思うのですが。

(答) ただ、専門調査会の事務局は消費者庁ではないのです。ですから調査会や消費者委員会でのいろいろな議論を最終的にまとめていくのは消費者委員会事務局でして、消費者委員会として責任を持って意見を出すということにならざるを得ません。

両者が衝突したときに、消費者委員会の意見が尊重されるにしても、これが最終的に貫徹できる保証はないことは確かであります。その意味ではお互い緊張関係を持って行動をするということなのですけれども、一番怖いのは消費者委員会がいろいろ意見を言っても全く無視されてしまうという事態でして、我々としては極力合理的な根拠を示しながら相手を説得するということで頑張るほかありません。消費者庁と消費者委員会との関係は、その中で意思疎通をきちんとして連携をすべきところはしていくというやり方で進んでいくのが、本設置法が、消費者庁、消費者委員会を分離して、それぞれ独立して活動させようとした結果でもある。そこにはいい面もあるけれども、そういう問題点をいつも抱えている。そういう制度なのだと理解しております。

(問) これは手続として答申が出て逆転の判断が出そうだということであれば、ワンクッション置いてもう一度話をして、説明していただきたいということが今回入ったということですか。

(答) 今日そのように要求いたしました。そういうふうにしてほしいものです。専門家の判断というのは素人の判断と差がないように見えて、やはり重いと思うのです。いろいろ副作用の関係とか、ほかの社会的な意味といったものにも目配りしながら判断をしてくれています。消費者庁がその判断を崩すのであれば、それなりの理由というものを示して、もう一度これはパスにしたいのだけれどもということで相談していただいて、そこで決裂してあえて消費者庁がパスにするということであれば、仕用がないということだろうと思います。知恵を集めてやっていかないと、どちらの知恵のほうがいつも優れているというわけではないのですから、手続の中で承知を集めるほかないのではないでしょうか。

(問) 今日の最後の委員長発言の中で、健康増進法というのは禁止されているものは一般に禁止されているものを許可するという法律の特徴があるので、もう少し企業の曖昧な場合はもう少し立証責任の転換というか、もう少し説明を求めるということも考えられるのではないかという発言がありました。その辺について今後審議の中でもう少しデータを求めたりというようなことをしていかれるようになるのでしょうか。

(答) それぞれの調査会の中での審議のやり方の問題ですけれども、私は今回特に専門調査会の先生方、部会の先生方の特保制度に対する非常に高い使命感というものを痛感させられました。ああいう下部組織を消費者委員会が持っていたことに関して私は大変誇りに思っておりまして、これから委員の先生方が必要に応じてそういう資料の要求とか、そういうことも積極的になさっていくのではないかと思います。

(答・事務局) 事務方から補足しますと、指摘事項というものがあって、企業にこういうことがわからないのでデータを補足してほしいとか、ノンアルの答申の中にも書いてあったと思うのですけれども、こういうことについてどうお考えなのかということを企業から出していただいて、その回答に基づいて判断をするということをこれまでもしてきております。

(問) もう一つ、規制改革会議のほうで、要するに表示なんかについて意見を出すというのは余計なことを言われているというような御意見が業界からは出ている。ただ、委員さんたちは非常に限定された、母集団とかも限られた中の本当にデータがどこまで有効か非常に苦しみながら判断しているということがありまして、その表示とか伝え方について今後、消費者委員会は検討会の中で扱っていくという考え方なのでしょうか。

(答) 当然です。

(問) 先ほど次の一手はということをお聞きしたのですけれども、先ほども質問が出ましたが、4月から特保と栄養機能食品制度と新たに機能性表示制度と3つの制度が併存してスタートします。もう一つはいわゆる健康食品というものが販売され続けていく。消費者委員会としては、総合的な特保があって、栄養機能食品制度があってということで新しい機能性表示が出るときに、総合的な検討も必要だということで確か意見の中にも入っていたかと思います。今回特保の審査の在り方などを検討されましたけれども、4月から新たな表示がスタートするということもあって、全体的な整合ある統一的な検討も必要ではないかという意見があるのですけれども、消費者委員会としてはどうでしょうか。

(答) 最終的には消費者にとって実質的な選択権が確保されるようにするためには、表示が適切であることが望ましいわけで、ばらばらに進んでいくことは望ましいとは思いません。ただ、機能性表示食品の場合には、事業者の責任においてまずきちんとした合理的根拠を持って一定の機能を表示することを許すわけですから、それがわかりやすい表示であるようにとか、明確な形でエビデンスが示されるといったことについてはきちんとモニターをして、特保に匹敵するような信頼度を勝ち取るようにしていただきたいと思っております。お答えになっていないですか。

(問) 機能性表示のことについて答申されましたけれども、いろいろ条件があって法的義務ということがありましたが、それに対しての次長の回答があったと思うのですけれども、納得されているのかどうかというのが気になっていまして。

(答) 心配は残っております。けれども、こういう方向で消費者庁が事後的な適正化の手段を出したということですから、それをしっかりやってくださいと応援することになります。一方では機能性に関して、適切な表示によって消費者が選択権の幅が広がるというようなメリットもないわけではないわけです。ですからうまくこの制度が機能することになればいいなと期待しておりまして、そこら辺は消費者委員会としてもきちんとモニターしたいと思います。

(問) 本日の発表で特商法の専門調査会の開催についてお話をいただきましたが、こちらは消費者契約法の専門調査会の後、並行してある程度議題を進めていくということで以前お話いただいたと思います。

そうなりますと、消契法が既に各委員さんのプレゼンといいますか、そういったものを発表されているような段階になっていまして、それを踏まえて特商法ですとスケジュール調整といいますか、進め方というのはどのような形でお考えでしょうか。

(答) まだ1回目でして、これからどういうふうにやっていくかということについての議論をしようという段階ですから、明確なスケジュールは申し上げることはできません。しかし、消費者契約法とある程度すり合わせをしないといけない部分については、一緒にやっていくことになりますし、具体的な課題がまとまれば、できれば消費者契約法に一定のめどがつく8月末あたりに方向性を示したいと思うのです。さしあたって、年内ぐらいが1つのゴールの目安かもしれません。確か大臣の記者会見でも、後ろは区切らないでしっかり議論してほしいということをおっしゃっていますから、ここで私は短く期限を切ろうということは申し上げるつもりはございません。

(問) わかりました。

1点、今、消契法の共通の話題のところについては、すり合わせを行うということをお伺いしましたが、方法としては例えば消契法さんの専門調査会、例えば合同会議みたいなものは考えられているのでしょうか。

(答) 方法としてはあり得るのではないでしょうか。

実は消契法の会議を構成している委員の方とかかなりの方がダブっておりまして、事務局も1つでやっていますから、その意味では情報は相当共有できるような仕掛けにしております。今後、必要に応じて合同会議をやるということはあるかもしれません。

(問) 承知しました。ありがとうございます。

(問) 特商法は年内がゴールということですが、消費者委員会の委員が8月末で任期が来てしまうということがありまして、中間報告というものをお考えになるのでしょうか。それから、年内にゴールということは、来年の通常国会には法改正を目指されるということですか。

(答) そうですね。3次の委員会が8月末で終わるので、その意味では下部の組織も一旦そこでリセットという形にならざるを得ない。次に同じような形で再び立ち上げたとしても、そこで一旦、消費者委員会のメンバーも変わりますから、中間的な取りまとめはしておかないと引き継ぎが難しいのではないかという気がするものですから、それを1つのめどにしています。

もし、今期の国会で民法の改正が仮になったということになれば、民法の跳ね返りの改正はどちらにしてもしないといけないわけです。ですからそういうものを含めて考えていくと、余りぐずぐずと延ばすよりも、来年の通常国会に改正案を出すぐらいのほうがきれいではある。しかし、きれいだなというだけの話でありまして、どうしてもそれまでにやらないといけないという話ではありません。

(問) 2本の法律を1回の国会で通すのが消費者庁の力では非常に難しい。というのは常設の委員会を持っていないからというところがあるのですけれども、やはり別々に出されるのでしょうか。

(答) 法律は別ですから別々かもしれませんね。

(答・事務局) すみません。法案は消費者委員会が出すわけではありませんので、こちらに聞かれても。

(河上委員長) ほかよろしいですか。

(事務局) ほかにございますか。特になければこれで終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

(以上)