河上消費者委員会委員長 記者会見

2014年2月25日
消費者委員会

日時

2014年2月25日(火)18:59~19:33

場所

消費者庁記者会見室

冒頭発言

(事務局) それでは、ただいまから消費者委員会河上委員長の記者会見を開始させていただきます。委員長、よろしくお願いします。

(河上委員長) どうも遅くに申しわけございませんが、始めさせていただきます。
本日開催いたしました第145回の消費者委員会本会議におきまして、「クラウドファンディングに係る制度整備に関する意見」をまとめましたので御報告申し上げます。
クラウドファンディングというのは、皆さん、御承知かと思いますけれども、よくコンピューターネットワークのクラウドというものと間違える方がいらっしゃるのですが、そうではなくて、群衆のほうですね。群衆から集められた資金という形でクラウドファンディングと呼ばれているものであります。
これは、新規・成長企業等に対するリスクマネーの供給促進策として、現在、金融庁において制度整備に関する検討を行っていると伝えられているものであります。
午後に、石戸谷委員長代理から記者レクをやっていますので、余りくどくは説明いたしませんけれども、恐らく金融商品取引法の一部改正という形で、この前のワーキング・グループでの提案を反映したような法改正が準備されているのではないかと予想しております。
ただ、新規の成長企業への投資リスクは極めて大きいものがございます。したがって、規制を緩和するとしたとしても、投資者をきちんと保護するということが必要でありまして、意見書は、そのために十分な措置を講じていただきたいというものであります。
私自身は、一般消費者の生活資金とか高齢者の命金を使う、そういうものを当てにしてお金を集めるということ自体、やめていただきたいという気持ちを持っております。
こうした観点から考えますと、仲介業者に対する参入規制あるいは情報提供義務、新規事業への投資の特質をその投資者自身がよく理解する。そして、理解しているかどうかということをきちんと確認していただく。さらには、勧誘規制等についても一定の措置をとっていただく必要があるだろうということで、お手元にあるような意見をまとめています。
1枚もののポンチ絵がございまして「クラウドファンディングに係る制度整備に関する意見について」でまとめてありますので、これを見ていただければと思います。
第1に、健全で適切に仲介者の業務が行うことができるように、参入の要件を厳格にしていただく必要があるということと、第2に、悪質な事業者に濫用されないように要件設定を工夫していただく必要があるということが書かれています。現在ワーキング・グループの中で出ている案もあるわけですけれども、それが果たして十分かについては大いに疑問が残るということであります。
それから、第3に、虚偽の情報提供あるいは事実に反する説明などがインターネット上に掲載されないように、発行者には正確な情報を提供する責任を負っていただく必要がありますし、仲介者が提供する情報も正確なものであることが大前提ということになります。
そうした責任をきちんと果たさなかった業者に対しては、もちろん刑事罰ということも考えられるわけですが、民事の損害賠償という形での責任も負っていただく必要があります。
さらに、投資者が非上場株式とかファンドへの投資の意義・特質、流動性リスクやデフォルトリスクを十分に理解した上で投資判断をしているかどうかの確認といった措置、また、勧誘に関しては、インターネットでやるということなのですけれども、しかし、それ以外の方法についての規制に関しては全く何も考えられていない状況ですので、念のため、電話や訪問による不招請勧誘は禁止するということ。
全体として、海外に拠点を持つようなグループがインターネットを利用してこういうことをやると、お金が移ってしまった後はなかなか被害回復が難しいので、これについても被害を招かないような措置を検討してほしいといった要請も出しています。
消費者委員会としては、金融庁に対して、本意見を十分踏まえて、消費者被害を防止するための適切な措置を講ずることを求めたいと考えています。
これが、きょうのクラウドファンディングに係る制度整備についての意見ということでありまして、このような形で、本日、発出させていただきます。
もう一つは「消費者基本計画の実施状況に関する検証・評価及び計画の見直しに向けての意見」についてであります。
これも配付資料にあるかと思います。政府内におきまして、消費者基本計画の検証・評価及び見直しに向けた作業が始まったところでありますが、本日開催した第145回消費者委員会本会議において、昨年末の関係省庁ヒアリングの結果や当委員会が行った意見表明の内容等を踏まえまして、計画の検証・評価において特に留意すべき事項や、計画の見直しに向けて具体的に検討すべき課題について意見交換をして、その意見を取りまとめました。
これは、今、皆様のお手元にあるのは訂正済みのものです。このような形で本会議で何カ所かの修文がありまして、その修文をしたものが今お手元に届いているかと思います。このような形で各関係省庁に対して消費者委員会から意見を発出して、消費者基本計画を練っていただきたいということであります。
現行の計画期間は平成26年度末までということになっておりまして、現行計画の最終年度にかけて行う、今回の検証・評価、見直しの作業は、現行計画による成果を総括して新計画の策定に向けた検討を行う上で極めて重要なものとなります。この辺は意見の前文のところに書いてあるところです。大体、前文というのは意味のない文章が多いのですが、この前文は非常に大事なところであります。
このため、関係省庁等におかれましては、これまでの取り組みの進捗や効果等について、十分かつ実質的な検証・評価を行うとともに、消費者政策の分野ごとの重点施策や課題、今後の実施スケジュール等を明確化することによって、新計画への橋渡しとなる、より実効性のある計画へと改定していただきたいと思います。
ヒアリングなどをしていても、どういうところがどういうふうに変わったのかということの指標をはっきりさせるような、客観的な基準がわからなくて困るということがございますので、本日の意見でも高橋委員からも出てきましたように、具体的な指標をちゃんと出して示してほしいということも明らかにしています。
意見の詳細につきましては、お配りしている資料をごらんいただければと思いますけれども、当委員会といたしましては、今後、政府が取りまとめる計画の改定案について重点施策を中心に再度ヒアリングを行い、本意見の内容が適切に反映されているかというあたりを検証した上で、改定計画の取りまとめに向けた意見表明を行うことを予定しています。
これが、基本計画の話であります。
第3番目が、公共料金等についてであります。これも配付資料の中にあるかと思います。
去る2月18日に開催いたしました第143回消費者委員会本会議において、消費税率の引き上げに伴うJTのたばこ小売価格、鉄道運賃、バス運賃、タクシー運賃、それぞれの改定について、2月14日の第9回公共料金等専門調査会で取りまとめられた意見を井手座長代理から御報告いただきまして、当委員会としての意見を取りまとめました。
結論から申しますと、いずれの料金についても基本的には「消費税の円滑かつ適正な転嫁の観点から妥当であると認められる」ということです。今後、消費者へのわかりやすく丁寧な説明に努められたいといったことを付加して結論としてこれを認めるという形にしております。
今回の料金改定においては、首都圏を中心とする鉄道事業者、バス事業者において、ICカードを利用した1円単位の運賃の導入を予定する事業者が出てきたということがございまして、ICカードの利用運賃と現金運賃等との間で、端数処理方法の違いによって差が発生するということがございました。
その点についても随分議論がされたということなのですけれども、特に鉄道運賃においては、現金運賃利用者と定期運賃等、他の券種の利用者との間の公平性あるいは現金運賃回数券の引き上げ幅、ICカード運賃が現金運賃よりも高くなる場合の端数処理のあり方が専門委員会で指摘されたと伺っております。
これらの課題については、次回料金改定までに見直しを検討すべきであるという旨を留意事項として明記しております。
消費者庁及び事業所管省である財務省、国土交通省におかれては、本意見を踏まえた上でしっかりと対応していただきたいと思います。
ついでに申しますと、今回の消費税の上乗せに関しては、現行の運賃がおおむね適切であるという前提のもとでこのような判断をさせていただいておりますが、だからといって現行の運賃が厳密な意味で適切であるというお墨つきを与えたというものでは全くございませんので、御留意願います。
前にも公共料金に関して消費者委員会から建議を出しておりますが、デフレの間に全然値段が変わらなくて、下げる必要があったのではないかということも述べていたわけですけれども、そうした意味で、現在の運賃について、本当にそれが厳密な意味で適正かどうかということについては、国土交通省においてきっちりと検討していただく必要があります。専門委員会の中で、その点については、国交省自身が明言されたということについては、消費者委員会は大変重くこれを受けとめているところでございます。
以上が公共料金に関してですけれども、もう一つが、消費者団体ほか関係団体との意見交換会でありまして、1から2月にかけて計4回、11団体との意見交換を実施いたしました。各団体からは、最近の関心事項あるいは消費者委員会の活動の評価、要望等について意見出していただいて、委員との間で意見交換が行われました。
消費者団体等からは、特に適格消費者団体の財政について有効な支援策をぜひしてほしいということ、それから、景品表示法の改正による同法の課徴金制度導入について早期の実現を希望するということ、あるいは消費者契約法の実体法部分の改正に向けた作業を推進してほしいということ、さらに商品先物取引における不招請勧誘規制規定の維持といった御意見を頂戴しております。
いただいた意見につきましては、今後の消費者委員会での運営の改善の参考にさせていただこうと考えているところでございます。
それから、当面の関心事項について2件ほど申し上げます。
1つは、景品表示法における不当表示に係る課徴金制度等に関する専門調査会についてであります。これは、御承知のように、2月6日に第1回の専門調査会を開催いたしまして、13日木曜日と本日、それぞれ本会議との合同会議という形でこの会議を開催しております。できるだけ速やかに答申をすることが求められておりまして、かなり過密なスケジュールでありますけれども、精力的に審議を行っているところです。
本日は、経済団体からのヒアリングを実施し、それぞれ貴重な御意見をいただいたところであります。今後も、事業者からの意見もきちんと伺いながら検討を進めてまいりたいと考えているところであります。
来月は、さらにヒアリングを行う予定ですけれども、主要な論点について議論を深めて、できましたら中間取りまとめに向けた作業を加速させたいと考えています。
もう一つは、消費者問題シンポジウム in 広島というものでありまして、配付資料の中に案内が入っているかと思います。3月8日土曜日に、テーマは「食品表示について」ということで、このような形でのシンポジウムを広島県広島市で開催する予定でございます。私と阿久澤委員が報告をさせていただき、広島の方々の報告とかシンポジウムを予定しています。
これについては、記者各位の積極的な参加を期待しております。現地に支局等がございましたら、その支局の方にもお知らせいただければ幸いでございます。
私のほうで用意いたしましたものは、以上でございます。

質疑応答

(事務局) それでは、質疑応答に移らせていただきます。

(問) この意見なのですが、これは意見を受けた後、金融庁は一体どういった対応をすべきなのでしょうか。教えていただけますでしょうか。

(答) これは建議ではございませんけれども、これまで消費者委員会が出した意見については、関係省庁は一定の尊重義務を負っていると考えております。
 恐らく金融庁は、今、本国会での改正法案の提出を準備している段階ではないかと想像いたしますが、その中で、十分この意見について配慮していただくことを期待しているところであります。

(問) 確認したいのですが、何か強制力があるとか、いついつまでにどういう対応をとったか報告するとか、そういった何か義務が発生するわけではないということですね。

(答) 直ちにそういう義務が発生するものではございません。

(問) わかりました。ありがとうございます。

(事務局) ほかにございますでしょうか。

(問) きょうの課徴金検討の専門調査会なのですが、各経済団体とも導入には反対はしていないけれどもと言いながらも結構いろいろなことを言っていましたけれども、委員長のほうで貴重な御意見をいただいたとおっしゃいましたけれども、もう少し本日のやりとりを見ていて、この辺が難しそうだなとか、そういう受けとめを少し教えていただければと思うのです。

(答) 私は、まだ予断を与えるような発言はすべきではないかと考えておりますけれども、ただ、経済界の方々が課徴金制度の導入そのものについては、必ずしも反対するものではないというお考えだったということについては、意を強くいたしました。
 問題は、恐らく要件としてどういう形での課徴金制度がいいのか。きょうは、故意、重過失とか、少し重目の悪質なものに関してだけという言い方をされていたようですけれども、では、具体的にどういうものがそういうものに該当するかという要件については、かなりいろいろな意見が出まして、しかも故意とか重過失とか言っても、故意はほとんど立証は難しいことですから、重大な過失があったかどうかというところが肝になる。
 重大かどうかというのは、実はどのくらいの注意義務を負っていたかということと相関的に判断すべき事柄になりますから、一方で一律にとは言うものの、一定の裁量は必要になってくることは恐らく避けられないのではないかと個人的には思いました。
 仮に重過失という言葉で固まったとしても、過失の場合とそんなに変わらない内容で、しかも加算、減算についての裁量が入ってくれば、狙っているところはそんなに変わらない結果になるのかなという印象を持ったところです。
 ただ、そこからあと具体的にどういう範囲で賠償額を決めるか、あるいはその目的によって、きょうはどちらかというと制裁的な意味合いで、抑止のための加算金だという意見が強かったようですけれども、一方では、払った分については減額してくれと言っていたところを見ると、それは損害との関係での利得という観念もお持ちのようなのですね。
 ですから、きょうの意見でどちらかの方向について特に一枚岩の御意見があるという感じは、私は受けておりません。その辺は私の個人的な感想ですから、今後、専門調査会で意見をまとめていく段階できっちりと検討してもらえるのではないかと思っております。

(問) 今の関連なのですけれども、経団連の阿部さんが何回もおっしゃっていましたけれども、廃案になったのですかね、平成20年の改正法には賛成だということを繰り返しおっしゃっていましたが、今回、検討するに当たって、前の法案というのは、ある程度たたき台あるいはベースとして考えるのか、それとも一から考えるのか、どちらのお考えでしょうか。

(答) それはまだ実際にどうなるかはわかりませんが、ただ、公正取引委員会のもとにあったときの法律としての性格づけも、消費者保護的な発想は当然入っていたと私は思います。公正な市場を形成することは、もちろん競争事業者に対する関係でも重要なことではあるわけですけれども、それがひいては消費者の利益を守るということにもなる。
 経済法の世界では、独禁法や経済法は、実は消費者法なのだと言っている人も少なくないぐらいで、その意味では、前に廃案になったものではありますけれども、あれはだめだということで廃案になったのではなくて、むしろ所管替えのために一旦引っ込めたという状態ですから、消費者庁に変わっても、ある程度までそこでの議論というのは生かせると思います。
 ただ、第1回のときに、実は私のほうから消費者庁の担当者に対して、一旦廃案になったものが、今度出てきているのだけれども、どういう意味を持つのだろうかということを問いかけました。消費者庁の担当者が、確かにそうなのだけれども、消費者庁はむしろ消費者目線で、消費者の権益を保護するためにその法案を考えるということになるだろう、同じことをやるのだったらそのまま出しますが、しかし、消費者庁に来た以上は、消費者の利益をさらに中心として考えてこの法案を練り直していただければありがたいという言い方をされたことを覚えております。
 ですから、あれを出発点とするとしても、もう一段進んで消費者利益のために考えられた課徴金制度というものが求められているのだろうなと思います。

(問) 今の消費者利益というところで、議論の俎上に上がってございます課徴金を消費者団体の支援に充てるということについて、本日、2団体が明確に反対であるという意見を述べられていましたけれども、それについて委員長の御所見、御感想はいかがですか。

(答) 私は、定見は持っておりません。おりませんが、消費者のいわば出し過ぎというか、払い過ぎたお金が利得として事業者のところに残っていて、その利得をいわば課徴金という形で吐き出させるという話になっている。適正な表示へのインセンティブを与えるためには、利得が残らないようにするのだという話が出ているわけです。
 ですから、抑止という言葉を使ったときに、消費者の懐から出たお金を、本来であれば消費者のところに戻すというのが筋なのです。ところが、実際問題として、わずかな金額であったり、レシートをいちいち持っていって差額を要求するという人はいないわけです。その意味では、消費者への分配とか、そういう話は困難ということになれば、せめて間接的に消費者の利益になるような形でそれが使われるというのは、1つの課徴金の使い方にはなり得るのではないかとは思います。
 それが、適格消費者団体の経済的支援のために使われるのが適当かどうか。これはまた別問題で、今後どういう形でそれを間接的に消費者の利益のために使われるのが適切かということについては、また議論したらいいかと思いますけれども、単にお金には顔がないのだから国庫に入ればいいですという話にはならないのではないかなと、個人的には思っております。
 今後、専門調査会での意見を聞きながら、消費者委員会としても意見をまとめたいと思っております。

(問) 別件なのですけれども、公共料金のところで鉄道料金で先ほどICカードとの差額について見直しを検討するようにというお話がありましたけれども、この後、具体的には、例えば、国交省とかどういう対応をすることになるのでしょうか。

(答) 基本的には、先般、付議を受けてそれに対する意見を出しました。国交省の中で、最終的には値上げ申請に対して、これでいいです、あるいはもうちょっと圧縮しなさい、この幅の中に入れなさいということが言われるのだろうと思います。最終的には、国交省での判断ということになると思います。
 あれは消費者庁が協議を受けるそうですから、国交省と消費者庁の間で協議をした上で決まるというプロセスですね。

(問) 今回の意見を受けて、絶対見直さなければいけないというわけではないわけですか。今、考えているものをそのまま通すということも、国交省としては選択肢としてはあり得る。

(答) あり得ることだと思います。

(問) 別件なのですけれども、この検証・評価の計画の意見なのですが、これは消費者委員会のほうで重点的にやってもらいたいということを盛り込んだものですね。

(答) そうです。

(問) 180ぐらいある項目の中でという、比較したりとか、新規のものはこうしてほしいと。わかりました。
 それで、基本計画の中に、東日本大震災の3年目に当たるわけですけれども、そのことについて被災者の支援策とかというのは、これまであったような気がしたのですけれども、それはあれなのでしょうか。
 というのは、きょうは国民生活センターの全国消費者フォーラムの中で、福島の消費者団体がベラルーシと比較して、ベラルーシは28年たっているわけですけれども、まだ子供たちの1年に1回の甲状腺の検査をやったりとか、食品検査所が非常に近くにあるとか、そういうものが非常に具体的に報告されたのですが、支援策とか何かは消費者委員会としてはないのでしょうか。

(答) いや、既に消費者基本計画の中に、東北の復興支援にかかわる幾つかの項目が上がっていたことは私も承知しておりまして、それに消費者委員会として特に上乗せしてこうしてほしいという意見は、今のところは出ていないというだけでして、それ自身が重要な課題であることについては否定いたしません。

(問) あと消費者問題シンポジウム in 広島の「食品表示について」と書いてありますけれども、これは現在の食品表示基準の検討のことがテーマなのか、それとも機能性表示のことなのか、どちらでしょうか。

(答) 一般的に食品の表示のあり方について議論をしてもらおうかと考えています。消費者委員会でも、健康食品に関していろいろ建議を出したりしましたけれども、そのことも含めて食品の安全と表示の問題全体について、自由に議論していただきたいと考えているところです。

(問) 確認なのですが、検証・評価の計画の見直しのことの中に、5ページなのですけれども、(13)に特商法のことが書いてあって、そのマル1の中の下に「指定権利制の廃止」と書いてありますね。これは、言葉では言ったかもしれないけれども、建議の中に入っていましたか。

(答) 前に、指定権利制の廃止は出しました。消費者庁の間でかなりやりとりをして、両論併記の形で出ておりますが、しかし、消費者委員会としては、指定権利制は廃止すべきであるという意見を出しております。

(問) 確認したかったのは、建議の中に入っていましたか。

(答) 建議の中に入っていませんでしたか。

(答・事務局) 言葉としての廃止というのは、たしか使っていなかった。指定権利制のあり方についての何とかかんとか。ただ、消費者委員会で詐欺的投資勧誘の建議の議論をされているときに、消費者庁との間で意見交換をした。そのときには、消費者委員会からは指定権利制の廃止についても検討してはどうかという話はしていますから、あり方についてというものの中で、消費者委員会の気持ちは廃止というのもある。

(答) 両論併記で書いたときには、参考資料の中には廃止という言葉は入っていなかったですかね。

(答・事務局) 参考資料ではなくて、建議そのものに消費者庁と消費者委員会がそれぞれ出したポジションペーパーというものがついていて、何を言っているかというのはありますが、建議として書いた部分は、たしか廃止ではなくて、指定権利制のあり方についてという文言だったと思います。

(答) どうも失礼しました。

(問) ここで廃止と出るのですね。

(答) そうです。

(事務局) どうぞ。

(問) 課徴金についてなのですが、やはりきょう経団連は08年の案なら異論はないということをかなり強調されていました。経済団体としては、どうもそういう意向があるように見えます。なぜ消費者委員会の委員の中に、経済団体を入れなかったのか。08年案を変えるのであれば、経済団体を入れたほうが国会を通すときにも非常に有利ではないかと思うのですが、それについてはいかがでしょうか。

(答) この辺は微妙なところであるのですけれども、基本的に経済界からこの課徴金制度の導入の是非とか、その当否についての意見は、消費者庁での検討会の中で十分尽くされたという判断かと思います。
 その意味では、今回の専門調査会では、むしろ課徴金制度を導入するとした場合の制度的なあり方というのを主として検討をするということを諮問されたと、私は認識しております。
 その意味では、ヒアリングでどういうところが問題となりそうかということについての意見は十分聞くけれども、あえて調査会の中で委員として入れることはせず、消費者委員会と合同でやることによって十数名の目でこの問題を見る。そのほうが速やかに作業ができるのではないかという判断であります。
 人事の話については、実は消費者委員会委員長も余りこれという力を持っているわけでもございませんので、明確にお答えできず、済みません。大体よろしいでしょうか。

(事務局) 特にないようでしたら。

(河上委員長) どうも御苦労さまでした。

(以上)