河上消費者委員会委員長 記者会見

2013年1月29日
消費者委員会

日時

2013年1月29日(火)18:59~19:36

場所

消費者庁6階記者会見室

冒頭発言

(事務局) それでは、お待たせいたしました。今から委員長記者会見を始めたいと思います。
 先ほど傍聴に入っておられた方が大半かと思いますけれども、まず冒頭、委員長から今回の「『健康食品』の表示等の在り方に関する建議」について、御説明をさせていただきたいと思います。その後、質疑に移りたいと思います。
 では、よろしくお願いいたします。

(河上委員長) それでは、よろしくお願いいたします。
 当委員会では、平成22年8月に消費者庁から健康食品の表示の効果的な規制等について検討せよという依頼を受けておりまして、それ以降、利用者アンケートなどを実施して、その結果を分析し、さらに考え方を取りまとめるといったようなことなどの調査審議を行ってまいりましたけれども、昨年の秋以降は、これらの一連の取り組みを踏まえまして、さらに調査審議を深めて、今回の報告書ということになったわけでございます。
 その結果、幾つかポイントがございましたけれども、4つにまとめていきますと、
 第1番目が、健康食品の表示・広告の適正化に向けた取組の強化。
 第2番目が、健康食品の安全性に関する取組の推進。
 第3番目が、健康食品の機能性の表示に関する検討。
 第4番目が、健康食品の特性等に関する消費者理解の促進。
 こういった点につきまして、対応の必要性が明らかになったということで、本日、委員会で審議の結果、内閣府の消費者担当大臣及び厚生労働大臣に対する建議を取りまとめるに至ったということでございます。
 建議につきましては、簡単に概要を説明させていただきます。
 これも先ほどの委員会での説明よりはるかに短くなりますが、第1番目の「健康食品の表示・広告の適正化に向けた取組の強化」については、現行法における取り組みと法制度のあり方の検討の2つの観点から言及しております。
 第2番目の「健康食品の安全性に関する取組の推進」については、健康被害情報の収集、解析、健康食品の安全な利用のための注意喚起、そして健康食品の製造における安全性の確保の3つの観点から建議をいたしております。
 第3番目の「健康食品の機能性の表示に関する検討」については、消費者みずからが食品の特性を十分に理解して、みずからの判断に基づいて食品の選択を行えるようにということで、正しい情報の提供を行うとの視点から、消費者庁に対して建議を行ったというものでございます。
 最後に第4番目の「健康食品の特性に関する消費者理解の促進」については、消費者庁及び厚生労働省に対して、保健機能食品を含む健康食品特性、それらの適切な利用方法、さらに機能性表示の意味等について、消費者に対して積極的な啓発活動を行うことを建議いたしました。
 関係省庁には、本建議を着実に履行していただくことにより、消費者自身がさまざまな食品の特性を理解して、正しい情報に基づいて、適切に健康食品の利用の要否あるいは適否を判断できる環境整備に努めていただきたいと考えております。
 他方、消費者の方々には、国民が健康な生活を送るためには、適量のバランスのよい食事、適度な運動とか休養といったことが基本であるということを改めて認識していただいて、もっぱら健康食品を利用することによって疾病が予防されるといった過度な期待に惑わされることなく、適切な利用を心がけていただきたいと考えております。
 健康食品の表示のあり方については、第1次消費者委員会以降、調査審議に取り組んでまいりましたけれども、本日は以上のようなとおりで建議を取りまとめることができました。そこで消費者庁からの健康食品の機能性表示のあり方に関する審議依頼については、本建議をもってその回答といたしまして、今後は、消費者庁の研究の進捗状況等を踏まえて、新たに検討の必要が生じた場合には、改めて審議を開始するということにしたいと考えております。
 健康食品に関しては、以上でございます。

質疑応答

(事務局) それでは、御質問をお受けしたいと思います。いかがでしょうか。

(問) やはり最初の部分が大事なのではないかと思うのですけれども、ガイドライン、指針等について大幅な改善を図ることという建議の内容になっています。改めてこのような形になった問題意識と、この改善によって期待されることを教えていただけますでしょうか。

(答) 基本的には、それぞれの食品に応じた表現上の問題があるということですので、それぞれについて自主的ガイドラインをまずつくっていただいて、その内容を重視していくというところから進めていただくことだろうと思います。
 今、実際に団体の中でもそうしたガイドラインの策定を進めているところはございますし、関係省庁の中でも、そのような方向の動きがあると聞いておりますので、現時点では、それを応援するということでございます。

(問) 聞き方が下手で済みません。
 つまり、例えばヒアリングの中でも保健所などの現場から、ガイドラインがあいまいなことで困難が生じているといった指摘があったと思うのですけれども、多分そういった問題意識から始まっていると思うのですが、そういう意味でどういう問題意識があったのか。これが改善されることで、どう改善されていくのかというところをお願いします。

(答) ガイドラインを大幅に改善して下さいと言ったのはそこの部分で、現状では、何が虚偽・誇大な表示にあたるかが、よくわからないですね。現行のガイドラインに基づく判断において今まで迷っている部分があったので、違反のおそれのある具体的情報を蓄積して、より具体的な形でガイドラインを示して、判断をしやすくするということが課題であったわけであります。ですから、その辺については、事例集などを作成するなどして具体化を図ってほしいということでございます。
 失礼。自主的ガイドラインということを申していましたけれども、消費者庁のガイドラインです。失礼しました。

(問) それで改善することでどうなってほしいという期待も含めて、一言お願いします。

(答) もちろん、そういうガイドラインでもって判断ができるようになれば、それに従って行政として厳正に対処するとともに、事業者としても、それぞれの食品に適した表示等をやっていただいて、消費者にとってよりわかりやすい表示というものが行われることを期待しているということでございます。
 どうぞ。

(答・田島委員) 消費者委員会で建議取りまとめの担当をしておりました田島でございます。
 ただいまの御質問でございますけれども、ガイドラインというのは厚生労働省時代にできた健康を標榜する食品等の表示・広告についてのガイドラインだと思います。
 今、御紹介したように、平成15年と非常に古いのです。あの当時は、まだ今のようなイメージ広告というのが氾濫していなかった時代なのです。ところが、今はもういわゆるイメージ広告というのが非常に氾濫していて、それをやはり何とかしていただきたいというのが消費者委員会の切なる希望です。そのためには、やはりガイドラインを適切なものにつくり変えていただきたい。
 消費者庁になってからは、全然ガイドラインをいじっていないのです。取りまとめは大変ですけれども、消費者庁のほうで改めてガイドラインをつくり直していただきたいと要望したわけでございます。

(問) ありがとうございました。

(事務局) ほかにはいかがでしょうか。
 どうぞ。

(問) 建議を出すに当たっての調査報告というのが同じく配付されておるのですが、ここでは設置法6条の規定に基づく調査ということで、みずから調査だと思うのですけれども、8条の各省庁に対して資料要求というのはされたのでしょうか。

(答) 6条の資料要求ですか。こちらではやっていないですね。それはこちらから任意の提出を求めてということです。

(問) 昨年6月に、健康食品の考え方を消費者委員会が出されましたね。その中で錠剤カプセルについては、目安量について消費者が求めているからということで、義務づけとかということを提案されていなかったでしょうか。これは今回入っていない。

(答) 当初のものに関しては、考え方で「義務づけ」という言葉は使っていなかったのではないかと認識しております。

(問) 今回は入っていないということですね。

(答) 入っておりません。

(問) あと、安全性に関するもので、医療機関とか自治体、保健所等と書いてあるのですが、事故情報を把握するための事故情報の報告義務とか、これは2年前の中間整理(案)で消費者委員会が提案されていましたけれども、そういうものは検討されなかったのでしょうか。

(答・田島委員) よく読んでいただければ、入れてはあるかと思います。
 それから、先ほどの錠剤カプセルにつきましては、確かに考え方の段階では、少し踏み込んだ表現を申していましたけれども、その後、調査審議をしていく段階で、錠剤カプセルと限定して建議するのはなかなか難しい。というのは、さまざまな形態の食品というものが錠剤カプセルに限定されないで販売されている。例えば粉末状だとか、ドロップ状だとか、あるいはエキス状だとか、そういった形状でもって指導するというのはなかなか難しいということで、健康食品全般について建議するようになったと理解していただければと思います。

(問) 先ほどの事故情報なのですけれども、これは事故情報の報告義務というのは、どこかに入っているということですか。

(答・事務局) 本文の10ページのところに、既存の制度で義務がありますということは申し上げております。そうして集まった事故情報をよく分析していく。
 ただ、集まってくる情報の中には、医療機関から保健所に連絡があって、上ってくるという情報はあります。それは医療機関が診察をされていますから、結構詳しい情報なのです。ところが、別途集まってくる情報、例えば消費生活センターに相談された情報だと、どうしてもそこまで詳しい、どういう状況で摂取されて、どんな症状が出たといったところまではわからないので、そうしたより一般的な、統一的な基準で因果関係等が把握できるような精度の高い情報を収集する仕組み、そういったものについて研究してくれるといった内容です。

(問) 中間整理で出てきた事故情報というのは、保健所とか医療保険とかということではなくて、まさに事業者。消費者が事業者に対して相談するわけですね。その事業者がちょうど消費生活相談員のほかの製品の報告義務があるように、健康食品についても報告義務を課すべきではないかという意味でやっていることで、例えば今おっしゃったことというのは、多分、前に厚生労働省が自治体を通じて報告されたものに対しては、数年前は商品名と事業者名を公表していましたね。カプセルであっても、健康食品自体を。それが今どうなっているかというのはわからないのですが、それは資料請求されたのかどうかというのは、先ほど聞きたかったのですが、要するに、報告義務というのが出てきたことで、提案されたことが情報の収集に寄与するのではないかと思ったものでして、でも、それはそういう事業者からの報告義務ではなくて、今、おっしゃったそういう新たな仕組みとまではいかないけれども、そういうものを検討してほしいということなのですね。

(答・田島委員) 健康法規でも食品衛生法違反になれば、当然被害情報というのは上がってくる。ところが、食品衛生法違反でなくても、消費者からのクレームというのは事故情報とか、さまざまな形でもって消費者センター等に上がってくる。そういうものを効率的に集めて、効果的な対策を示しなさいということをお願いしたと理解していただければと思います。

(問) 済みません、あと2つ。
 今の事故情報は、要するに医療機関、例えばマルチビタミンでアナフィラキシーショックを受けたというものが皮膚学会に入って、皮膚学会で発表しない限り、お医者さんは報告していない。報告義務がないわけですからね。
 つまり、事故の情報が健康食品については非常に埋もれているということなので、要するに事故情報の収集に対しては、報告義務とか何かいろいろなところに考えるべきではないかというのは、今まであった。ということだけれども、今のお話では、そういうことではないわけですね。それが1つ。
 もう一つは、特保についても書かれているのでお聞きしたいのですけれども、要するに、更新制はどうなったのかということ。消費者委員会で決めた更新制に触れられていないので、そこのところをお聞きしたいです。

(答・田島委員) 更新制については、消費者委員会が消費者庁に申し入れて、現在、消費者庁が検討中だとお伺いしております。

(答・事務局) 結果については、お配りしております。

(問) 更新制のあれは2年前の話ですので、例えばやっていないことに対して、やれということが言える立場にあるのが消費者委員会だと思いますので、それについてせっかくの建議なので。

(答・事務局) 2年前に建議を出して、今の年度で予算要求をされて、今、検討されているので、この年度末まで検討されているということで、結果については御報告をいただきたいと思っております。

(答・事務局) 事務局から若干補足いたしますと、事業者の届出の話ですけれども、10ページの下から3行目でございます。
 現状は、条例におきまして、全ての情報提供はございませんけれども、多くの自治体で事業者が消費者から健康被害の情報があった場合には、保健所に報告をするという義務づけがなされております。
 また、更新制でございますけれども、15ページの一番下で若干触れておりますということを補足させていただきます。

(事務局) どうぞ。

(問) 非常に勉強不足な質問で申しわけないのですけれども、この建議をしたそもそもの理由といたしましては、健康食品において虚偽とか誇大な表示・広告が横行しているというか、相次いでいるということで、こういう建議が必要だと御判断されたということでよろしいでしょうか。

(答) 基本的には、やはり委員の間でも、現在の過大なというか、行き過ぎた広告に対しては、この場では、特保の制度も含めてですけれども、健康食品の扱い方について問題が大きいという認識に基づいております。

(問) わかりました。
 中身のほうでお伺いしたいのですけれども、まず3ページのところで、適正化に向けた取組の強化というのがございますが、マル1のところで「違反となるおそれのある具体的表現を可能な限り多数示すこと」となっていますが、具体的にどういった表現が違反となるおそれがあるということでしょうか。

(答) 今、この場で具体的にどれということを申し上げるのは適切ではないかもしれませんけれども、さまざまなイメージ広告とか、その広告の内容構成から見て、消費者が誤認をするような具体的な広告例をできるだけ集めて、そして抽象的な形ではなくて、具体的にこういう広告は問題があるということが判断しやすいように、そういう事例集をつくってくださいということでございます。

(問) わかりました。
 あと、そうした問題の報告については、健康増進法や景品表示法、薬事法には違反があると厳格に認定して、行政処分などをもってちゃんとしなさいよというのが、この3番に書かれていることという理解でよろしいのでしょうか。

(答) そういうことです。
 少なくとも、これまでの執行の状況から見ると、必ずしもそれは厳正というところまで行っていなくて、やはり1つでも、2つでもそういうものに対してきちんと対応しているという例が積み重ねられないとだめだということでございます。

(問) あともう一点お伺いしたいのですが、8ページのところで景品表示法第10条の適格消費者団体による差止請求権に類する規定を健康増進法に導入することを検討しなさいというものがございますね。これは景品表示法に基づいて別にやればいいことであって、なぜここで健康増進法にもそれを適用する必要があるのかというのは、私、勉強不足なので理解できないのです。

(答) これは幾つか手法は考えられるところで、別にこれと決め打ちをして依頼するということではなくて、もっとも効果的な方法を探ってくださいという形にしてあります。これは両方かぶってくる場面というのは、結構あるということも前提になっています。

(問) ちょっとよくわからないのですが、差止請求権というのは、たしか民事で裁判所に請求するというものでよろしかったでしたか。

(答) そういうことです。適格消費者団体がいろいろな形で今、差止請求をするような根拠法が消費者契約法とか、特商法とか、いろいろございます。それと同じように、そのような表示はやめなさいという形で差止請求を行えるようにという制度の検討をしていただくということでございます。

(問) わかりました。ありがとうございます。

(事務局) ほかにはいかがでしょうか。
 どうぞ。

(問) 14ページの建議3の健康食品の機能性の関係で、特保制度に関しても言及があるのですが、ただ、この内容を見ると「検討を進めること」という感じで、委員からも指摘があったのですが、やや踏み込みが足りないかと思います。そこについて、委員長としてどういうふうに受け止めていらっしゃるかということをお願いします。
 あと、今回、別に委員会からの声明という形で特保制度に関しては声明を出していますけれども、そこを別出しにしたところの意図を確認したいです。

(答) 後のほうからお話ししますと、前の脱法ハーブのときに一般の方々に対してメッセージを出しましたけれども、我々の仕事は、どちらかというと行政庁に対して物申して、監視機能を果たすということになるわけですが、しかし、この健康食品に関しての適正な利用の1つの大きな要素は、実際に利用する方がその情報や表示の意味をきちんと理解し、適切に使うということがないと、表示とかそういうところをいろいろいじってもだめなわけです。やはり効果的に問題に対応するためには、国民の方々に向けて、消費者委員会としても一定のメッセージを発する必要があると考えました。それは間接的にいろいろな広告を出している事業者に対して、こういう国民の理解を促進するような形での適正な広告をしてくださいというメッセージにもつながるということで、その部分を横出ししたということでございます。
 機能性表示を認める仕組みについては、いろいろな問題があるということで、これは検討課題になっております。けれども、具体的に非常にさまざまな食品がございますので、それぞれについてどういう形での表示のあり方というものをやるのかというあたりが、まだきちんと議論が詰められていないという部分がございます。機能性表示の効用は、本来の栄養機能食品や特保食品についても不確かな面があります。
 今回の建議は、対象も非常に限定されておりますし、その意味では、まだまだ道半ばの建議ということになろうかと思います。ですから、必要に応じて、健康食品の問題に対してさらに委員会としても検討するということでして、現時点では、なかなか踏み込んだところまでは言えなかった。
 委員会の席上で委員長代理が非常に不満だとおっしゃっていましたけれども、なかなか燃焼し切ったという形ではなかったことは確かですが、現時点で言えることを最大限言ったものと御理解ください。
 それから、これからの課題としてあり得べきものについては、なるべくその文章の中に書き込んでおります。
 何か補足することがあればお願いします。

(答・田島委員) 御質問の趣旨は、多分機能性表示について、考え方のときには、かなり踏み込んだことを書いてあったのに、今回の建議では、それについて触れられていないのはなぜかということだと思います。
 機能性表示については、本当にそれが消費者のためになるのかどうかとか、そういうことをまず考えないといけないと思います。いきなり機能性表示を米国とか韓国のように進めるというのは、まだそこまでの考えにはなかなか至らないのではないかと思います。
 ですので、1つの方法として、栄養機能食品あるいは特定保健用食品、例えば栄養機能食品の新たな製品を追加するとか、あるいは特定保健用食品には4つの類型がありますが、5番目の類型というものも考えられないことかということをまず少し研究、検討をしてからの話ではないかということで、今回は機能性表示については、建議には盛り込まなかったという経過がございます。

(事務局) ほかにはいかがでしょうか。
 どうぞ。

(問) 健康食品の機能性の表示に関する検討の項目のところでお伺いしたいのですけれども、こちらのほうではチェックがついている機能性効果・効能というところで、消費者からの興味、関心が非常に高いということが挙げられたと思うのですが、意外と消費者の方々のほうからは、薬事法を初め、関連法規についてもまだまだ認知が少なくて、効果・効能を表示してくれるところがわかりやすい説明をしてくれるいい企業だみたいな印象があるところもあるようで、イメージ広告のほうが多様化されているような印象を持っているのですが、今後そちらについては、消費者教育ということで、消費者教育法みたいなところでは関連法規について、ここまで表示できて、これ以降は違反で、違反な表現をしているところが粗悪な企業さんだという教育をされていくようなお考えなのでしょうか。
 あともう一点で、北海道さんのほうで、今、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区、略称フード特区のような表現が検討されているようですが、今後そういった表現についても、わかりやすいボーダーライン、全国的なこのような表現についての基盤をお考えなのでしょうか。お願いします。

(答) 栄養機能食品制度ということについて、今現在、可能なのは、限られた制度のもとで認められているものだけということになっていて、しかも、それ自身も必ずしも完結しているものではないということがあります。
 他方、その部分を外れた「いわゆる健康食品」になってくると、栄養機能というのが一体どの程度のものかとか、あるいは幾つかいろいろなものを食べていますから、全体としてどういう効果があるのかということも含めて、必ずしも実証研究等が十分行われていないという現状がございます。だからこそ、そういう栄養機能というものの表示を行うことというのについては慎重であるべきだということになっているわけで、そこから先は、今度は食品としての魅力の提示としての広告が、果たしてどういう形でやるのが適切か。単なるイメージ広告で、事実上は栄養機能というものを標榜しているというものがあったときに、行き過ぎに対しては景表法等で対応するということになりますが、そうでないときは、やはり消費者に賢くなっていただく必要があるということだろうと思います。
 その意味では、消費者教育の中で、食育の一環として、どういう形でそういう食品に対して対応すべきかということについても、やはり勉強してもらう必要はあるのだろうと思います。むしろ、そういうところを業界にはうんと努力してもらうことが求められるかと思います。

(答・事務局) 北海道フード特区については、情報としてはもちろん知っておりますけれども、内容について、まだそんなに詳細に知っているわけではありませんので、また参考に検討させていただきたいと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(答) 補足なのですけれども、私、1月16日の記者会見の速記を後から自分でも読み返してみたのですが、食品表示の一元化について委員会が何か意見を準備しているというか、今回の建議の作業のことを話している過程で、そういう言い方をした部分がありました。
 これについては、本日発出した「『健康食品』の表示等の在り方に関する建議」に関することとして申し上げたものでございまして、食品表示一元化の問題については、今後更に考えていきたいと思っております。
 念のために申し上げます。
 ほかはよろしいでしょうか。
 ちなみに、委員長と新開発食品調査部会部会長の連名という形で出しました「特定保健用食品について」という声明は、国民の方々にぜひ、こういうスタンスで特保とかそういうものがあるのだと。その制度の趣旨というものをうんと理解してもらいたいということですので、報道の中でも、国民向けのところで、委員会からの思いをぜひ文章の形にして、アピールしていただけるとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

(事務局) どうぞ。

(問) 今のお気持ちはよくわかりました。
 先ほどの1月16日の食品表示一元化のことについて、改めて質問いたします。私が質問したと思うのです。
 消費者委員会として、食品表示一元化を今、消費者庁で立案作業が進んでいるということで、これに対して、消費者団体も日弁連もいろいろな意見を出していて、今週中には、表示一元化に対しては国会の院内集会も開かれると。つまり、消費者庁の今の案に対しては、不十分な点があるとか、そういうことがいろいろ言われています。それに対して、消費者委員会に対しても、いろいろ昨年から出ていると思いますが、改めてお聞きしますが、食品表示一元化について、消費者委員会として何らかの見解をまとめる御予定はないのでしょうか。

(答) 今の段階で、まだ先は見えておりません。もちろん委員の間ではうんと関心がありまして、どういうふうに考えていったらいいか。この健康食品に関する建議の問題がございましたので、これまでは健康食品との関係で表示のあり方ということが中心になっておりましたが、一元化についても検討をぜひしたいと考えているところでございます。

(問) 検討したいということですか。

(答) 検討をしているということです。
 よろしいでしょうか。

(事務局) では、長時間にわたりまして、ありがとうございました。
 お疲れさまでした。

(河上委員長) どうもありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

(以上)