松本消費者委員会委員長 記者会見

2011年6月10日
消費者委員会

日時

2011年6月10日(金)17:30~18:07

場所

消費者庁6階記者会見室

質疑応答

(事務局) 定刻になりましたので、始めさせていただきたいと思います。
 今日はお忙しいところをお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。先ほど消費者委員会で、国民生活センターの在り方、これを含めて、消費者行政の強化について意見をとりまとめましたので、それを中心に今日はお話をさせていただけたらと思っております。
 皆さん、傍聴には入っておられた人ばかりということでよろしいですか。それでしたら、すぐに質問から始めさせていただきたいと思います。

(問) お疲れ様です。まず初めに、勿論、意見と重複するところもあるかとは思いますが、今回の意見をとりまとめた上で、消費者委員会としては、国センの見直しの議論が今後どのように進むべきとお考えか、改めて委員長の口から聞かせてください。

(答) 2点ございます。1つは消費者委員会で指摘をしております一元化をした場合の懸念点がいろいろございます。これについて、一層検討をきちんとする必要があるのではないか。これは中身の話でございます。
 もう一つは、その議論をするフォーラムの問題でありまして、今までは監督する側の消費者庁と監督される側の国民生活センターという、親会社と子会社といいましょうか。そういう関係の一対一、一体化される側と一体化する側といいましょうか。そういう当事者間だけで議論をしていました。
 当事者間で議論していただくこと自体は別に結構なわけですけれども、当事者だけの議論だと視点が狭くなるのではないか。それが最初に言いました懸念すべき点。つまり中身として、こういう点をもっと検討をすべきではないかという部分が、タスクフォース内では余り検討をされていないのではないかという話とつながってまいります。
 フォーラムをもっと広げて、多様な関係者、すなわち国民生活センターは消費者庁の所管ではありますが、消費者庁の単純な子会社で、親会社が権限として自由にしてもいいというたぐいのものではないと思います。国民の長年の共有財産だと思いますので、そういう意味で国民生活センターのステークホルダー、利害関係者は消費者庁だけではなく、ましてや国民生活センター自身でもない。それ以外の消費者や事業者といった本当の利害関係者の声をもっと聞いて、議論を進めるべきであろうと。そういう意味で多様な関係者の入った場を設けて、今までの二当事者の議論の中で明らかになってきた各組織の問題点。それから、もし一元化した場合に懸念される問題点、消費者委員会が指摘したようなことも踏まえて議論をするということを我々としては求めたいと思っております。

(問) それに関連して、委員長のお考えとして、今回のセンターの見直し議論は早過ぎるというような御見解でしょうか。議論が始まってから結論を導き出すまでの検討の深さが足りないというようなことなのでしょうか。

(答) 検討の深さが足りないというのは、消費者委員会の検討報告で書いてあるとおりですから、もっと検討すべき点は残っていると思います。そういう深い議論を多様な当事者を入れて、短期間にもしまとめることができるのであれば、それはそれですばらしいことだと思いますが、今回は非常に限られた二当事者だけで、しかもかなり限られた点についてのみの議論がなされたのではないかという印象を受けている次第です。

(問) 今回の意見の扱いなんですけれども、例えば消費者庁なり、誰かに提出するのか、したのか。するのであれば、いつなのかというのを教えてください。

(答) これはタスクフォースから消費者委員会としての意見を求められているということですから、タスクフォースを設置している消費者庁長官あてに消費者委員会から意見を出すということになります。

(問) それは例えば、何日に直接会って手渡しをされるのかどうか、その辺はどうでしょうか。

(答) 本日お渡しいたします。ただ、消費者委員会は建議とか提言とかいうことも今まで行っておりまして、建議とか提言ですと大臣あてに直接手交してお願いをするということをしておりましたが、今まで意見というのもいろいろ出しております。消費者基本計画についての意見とか、さまざまな意見を出しておりますが、意見については特に大臣等にお渡しするというフォーマルなことは今までやっていなかったと思いますから、今回もどちらかと言えば、事務的に意見書をお渡しするということになるかと思います。

(問) それは委員長が直接お会いになって、長官に手渡しするのか、それとも地方協力課とか。

(答) 消費者委員会の事務局から、消費者庁の総務課にお渡しするということです。

(問) ありがとうございました。

(問) 今回の消費者委員会が出した意見の効力といいますか、影響力というものがどれだけのものなのか。どれだけの重みを持っているのかということです。

(答) どれだけの重みがあるかということは、受け取る側、あるいはこれは公表いたしますから、社会がどう評価するかということであって、消費者委員会が重みを自由に決められるものではありませんし、消費者委員会の意見に何か法的な拘束力があるかといいますと、特にこの意見と違うことをやってはいけないとか、消費者委員会に拒否権があるとかいうようなことは全くありません。
 消費者委員会の意見は1つの意見であり、それを意見の受け取り手がどう評価して行動するかという、受け取り手の側の判断に任されているということであって、この点では建議の場合でも、消費者委員会が建議を出せば、受け取り手はそのとおりにしなければならないというような法律上の規定はありません。受け取り手側の判断に任されているということになっていますから、そういう点では余り変わりはないと言えば、変わりがない。ただ、意見というのは法律的な特別の制度として何かあるわけでもないけれども、建議は法律上の権限行使としてある。そのような違いはあります。

(問) その意見を受けて、消費者庁側が何か反応をしない、従わないとなったときに、再度何らかの対応を取るようなことはあるんでしょうか。

(答) 全く無視されるということは想定をしておりません。我々もかなりきちんとした議論をしているつもりですから、話にもならないというようなものではないので、それなりに検討をしていただいた上での反応はあるかと思います。完全に端から無視ということは、およそ考えておりません。

(問) 先ほどの関連なのですが、法律の附則3項と附帯決議に基づけば、当然、消費者委員会の中に有識者を入れて、審議会のようなもので検討していくというのが筋だと私は思っていたのですが、この報告についてはどのような位置づけなのか。タスクフォースの中間整理に行ったのも、早くから地方でのヒアリングもし、実態調査もし、消費者委員会の方で検討を進めてきたというのはわかるのですが、消費者委員会としては、これはどういう位置づけで出したという御認識なのでしょうか。

(答) 二当事者間における検討が進んで、中間整理がされたのを受けて、消費者委員会として従来調査をしてきたこと。それから、二当事者間のタスクフォース内の議論では不十分だったと思われるところの、先ほど言いました国民生活センターのステークホルダーである事業者、消費者からも我々は意見を聞きましたし、支援の対象である地方の消費者行政の関係者からも聞きました。更に行政組織についての大変な権威の2人の先生からも御意見を聞きまして、その上で消費者委員会として、二当事者間の議論では十分でない点を指摘させていただいたということです。

(問) 追加なんですが、はっきり言って報告書を読ませていただいた印象と意見書が余りにも違う。内容が余りに隔たっている。山口委員がおっしゃっていたことは非常に的を射ていると私は思っていまして、これだけの疑念とか後退する懸念があるということをあれだけ論理的に説明しておきながら、なぜ一元化をすること自体問題があるというふうにこの意見には書いていないのでしようか。

(答) 一元化をすることに問題があるということは、検討報告本体を読んでもらえれば、いろいろな問題点があるということは書いております。それを逐一引用するということではなくて、問題点を懸念と書いていましたかね。懸念があるから更に慎重に検討してほしいということを言っているわけで、これで結論とするには不十分であるということを言っております。

(問) 結論とするには、まだ十分に検討ができていないということですか。

(答) そうです。先ほど言いましたように、もっとフォーラムを広げて、多様な関係者を入れ、かつ多様な論点について、つまりまだ議論をしていない論点について、もっと議論をすべきではないかということであって、二当事者間の議論が全く無意味だとは、私どもも思っておりません。それぞれ自分たちの組織についての不十分点について、かなりはっきりと告白をしている部分もあります。消費者庁も不十分だということは幾つか書いているわけです。それはそれで正しい認識をしているところも私はあると思います。それを克服するのに一元化というのが答えになっているのかどうかについては、幾つか疑問点があるのではないか。
 非常に簡単に言えば、一つはもともとの今回の見直しの議論は、独立行政法人の事業の見直しという事業仕分けです。どちらかというと効率化という観点から議論が始まったんだけれども、議論のプロセスの中で国民生活センターの持っている機能は一体的でないとだめなんだという方向にかなり固まっていった。その結果、当初は国民生活センターのむだをどんどんそぎ落としていって、場合によってはゼロにすることによって、効率化を図ろうということだったのが、むしろ逆に消費者庁の中に丸々統合するという方向に現段階ではなっているわけで、そうすると効率化という点で本来の方向と逆ではないかという懸念があります。
 もともとの独立行政法人制度というものが行政機関本体が、国自身がやることもできるけれども、やる必要がないというか、外でやらせた方がいいと思うものを外にどんどん出せという仕組みだったはずなのに、それを元に戻す、国の直接の業務として取り込むというのは方向が逆ではないか。スタートしたときと逆方向になったのではないかという印象です。
 他方で有効性という点で、一体化すれば、従来の2つの組織がそれぞれ担っていたことがプラスして、もっとよいことができる、もっと機能がアップするということかというと、どうもそうではないのではないかという点が検討報告で、いろいろ書いてあります。むしろマイナス面の方が多くなる危険性があると考えると、効率性という点、それから有効性という点、双方でこれで大丈夫なのかという疑問が出てきている。それをもっと検討すべきではないか。
 ただ、これは消費者委員会としての考え方ですから、ほかの組織とかほかの方から見れば、そうではないという考え方は十分あると思いますので、そういった多様な考え方を併せて議論をする場を設けて、もう少し慎重な議論を行うべきであろうというのが我々の考え方です。消費者委員会の考えがすべて正しいとは、我々は全然思っていません。

(問) 独立した法人格として位置づける方策についても検討しと、この辺がトーンがダウンとしていると。本来はこの方法を検討するべきではないかと言っているわけですか。

(答) 一体化した場合の懸念がいろいろあります。その懸念を克服するために十分な対応が可能なのかどうか。タスクフォースとしては施設等機関にすれば、それで大丈夫だという立場のようですが、それで十分なのかどうかということのまだ十分な答えが出ていないと思います。
 更に外に出していたものを中に入れて一体化するのが、そもそも独立行政法人制度の改革の趣旨に合致しているのかという点ですね。独法制度をむしろ否定して、逆方向に向いてしまったという気がしますが、これも消費者委員会の誤解かもしれないので、そういったことも含めて議論をする必要があると思います。

(問) 消費者委員会の監視機能の関係でコメントをお願いしたいんですが、ある種、消費者庁と消費者委員会の意見の相違といいますか、もしかしたら、それが明確に示された初めての例ではないかと私は思ったのですが、消費者委員会としての監視機能が意見とか建議とか、いろいろな形で出されてきますけれども、それに対して、ある種、委員会の機能が非常に問われる、あるいは多くの消費者問題に対して研究されている方、取り組んでいる方のコンセンサスが報告書の中にもまとめられていると思うんですが、そういう意味では、今回この報告書と意見を出させるに当たって、委員長としてはどういうお考えだったのでしょうか。

(答) 消費者庁と消費者委員会の意見が分かれた初めての例ではありません。今までいっぱいありました。例えば無登録の金融商品を販売している業者の取り締まりのために特定商取引法をもっと使えるようにすべきではないかというような意見は、消費者委員会側ではかなり強くありました。それが提言などにも盛り込まれていたと思うんですけれども、消費者庁サイドとしては、余り対応していただけませんでしたとか、そういった事例が個別にたくさんあります。今回が初めてではありません。
 もともと消費者委員会を、当初の政府案の消費者政策委員会から消費者庁の外に出したことの趣旨は、両組織で対立することがある、考え方が分かれることがあるのが当然であるという前提でつくられているわけですから、我々が違った視点から違った意見を言うのは織り込み済みです。国会として、そうしてくれということで全会一致で法案修正をしたわけです。
 しかし、消費者委員会がすべて正しい答えを出しているということは、必ずしも言えないかもしれません。これはいろいろな考え方があるわけですから、消費者委員会として一つの見方を出している。それも含めて、もっと広いところで議論をしていただきたいということです。

(問) 一番最後に記載されていますが、組織の在り方の検討とは別に、国民生活センターの運営方法の抜本的見直しとか、消費者庁と国センとの連携体制の強化について、速やかな検討を進める必要があると。これは消費者委員会の方では、そういう検討などはやるんでしょうか。

(答) やらない、やってはいけないということはないと思うんですけれども、まずは当事者として、きちんと認識を持って、どういうふうに自分たちの組織のガバナンスを変えていけばいいかということを考えていただくのが第一だろうと思いますし、それが不十分であれば、消費者委員会として、もっと積極的に提言したり、建議をすることがあるかもしれないです。
 検討報告の中にも理事の任命の仕方等について、もう少しきちんと理事の資格要件等を明確にすべきではないかとか、組織のいろいろな会議があるけれども、そういった会議の性格もはっきりさせるべきではないかといった幾つかの点は書いておりますから、こういうことを参考にして、国民生活センターとして改善の方向に行っていただきたいと思います。
 両組織の連携体制としては、私は人事交流が大変重要だと思っています。組織を一つにすれば、人事交流も要らないということになるかもしれないですが、一つにすることによる幾つかの弊害があるのではないかということが、この検討報告でも指摘されているわけです。組織は別であっても、人事の面では双方の役割がきちんとわかっている人がいるということは、大変重要だろうと思いますし、それぞれの知見を交流する。一方は、行政についてのいろいろな分野で活躍してきた人。他方では消費者問題について大変詳しい人が、それぞれの知見をお互いの組織に入り合って、交流をすれば全体として大変プラスになるのではないかと考えております。

(問) この意見を出して、消費者庁から何か返事が返ってくるんですか。

(答) 返事をくださいという意見ではなくて、タスクフォースの中間整理について、消費者委員会としてはこう考えておりますという意見ですから、それを踏まえてタスクフォースの方が次にどういうふうに議論を進めるかということで、その進め方、あるいは次にタスクフォースの方でまとめられる文書が、ある意味でこの消費者委員会の意見に対する回答ということになるのかもしれないです。

(問) 消費者庁が今後出す最終報告書というものができ上がったら、それがまた消費者委員会に意見を求められることになるんですか。

(答) それは何も決まっていないと思います。附則とか附帯決議の書き方からいって、何回も意見を求めるということもあり得ると思いますし、一度意見を求めて十分それを聞いたんだということで、我々としても現段階で言えることは、ここにほとんど書き込んでおりますから、次に違った案が出てくれば、また違った意見が出るかもしれないですけれども、同じ案のままであれば、同じ意見しか出しようがないということになるかと思います。

(問) 最終報告書で今回の消費者委員会の意向が取り入れられなかった場合は、更に強い形でこうしろという建議をするなり、そういうことはあり得るんですか。

(答) それはあり得ます。あり得ないわけではないと言いましょうか。我々はまだそういうことは議論をしておりませんが、全くこの意見が省みられないような状態になった場合について、更にもう一度意見を出すかどうか。そういうことはあり得ないと思うんですけれども、万が一そういう事態が生じた場合にどうするかは、その時点で議論をすることになると思います。

(問) 具体的なことですけれども、消費者庁の注意喚起と国民生活センターの情報提供は分けるべきだと書いてあるんですが、消費者庁がまとめた中間まとめには一元化すべきだとあるんですが、これは丸っきり逆のことをおっしゃっているかと思いますが、これは消費者委員会の意見が取り入れられなかった場合、最終報告書で無視されたという形になってしまうわけですね。それはそのときに考えるということですか。

(答) もしそういうような、国民生活センターによる従来型の情報提供はもうやらないんだという方向が決まったとすれば、我々としてもまた意見を出すかもしれないです。

(問) 委員長としては、やはり一元化すべきでないとくみ取れるんですが、言いづらいですか。

(答) 一元化することによって、今のような国民生活センターの迅速な情報提供が妨げられるようなことになるとすれば、それは明らかに一元化の弊害ということになります。それは検討報告の中でも指摘していることです。

(問) わかりました。ありがとうございます。

(問) 15条の1項と2項のところは、私は後で取材をさせていただこうと思ったんですが、私はもともとこの解釈の方が正しいと思っていて、記者の方たちはこの報告書の表現でどこまでわかるのかなと思っています。15条の1項と2項を注意喚起を目的とした、条文がないので覚えていないんですが、そこのところの解釈をどう解釈したのか。そこをきちんと記者の方に伝えないと、皆さん理解されていないのではないでしょうか。説明を私もしていただきたいです。

(答) 消費者安全法15条は、消費者庁としての一種の決定に基づいて、「情報を都道府県及び市町村に提供するとともに、これを公表する」という書きぶりになっておりまして、まずメインは都道府県及び市町村に対する注意喚起情報の提供であり、併せて国民にも公表するというもので、位置づけとしてはかなり重いものです。過去2年間で消費者庁がこの15条1項に基づいて、正式に注意喚起をしたのは1件だけだったと聞いておりまして、それくらい重い意味のあるものという位置づけがされているようです。
 他方で、国民生活センターが行っている国民生活センター法に基づく情報提供は、これほど重くはないといいましょうか、もっと迅速に、直接、「国民に対して国民生活の改善に関する情報を提供する」というものなので、かなり性格が違っています。
 他方で、消費者庁が情報を何も出していないかというと、そうではなくて、消費者庁も相当たくさん情報を出しているわけですが、それは15条1項に基づく注意喚起情報ではないということなので、そうなると国民生活センターがやっているのと余り変わらないような形で、しかし、国民生活センターほど迅速には出せない。恐らく関係省庁との事前の調整等を経ないと、なかなか出しにくいものだろうと思います。
 今の順から行きますと、国民生活センターが出している情報は、恐らく一番早く出てくる。消費者庁が15条1項に基づかないで出している情報が、恐らく時間的には国民成生活センターの情報よりは出すのに時間がかかる形で出てきて、15条1項に基づく情報は一番時間がかかるという形。しかし、それだけ重みのあるものとして出てくるという位置づけだろうと思います。
 そうしますと、その15条1項に基づかない消費者庁による情報提供というものの位置づけがあいまいになってくるのではないか。国民生活センターが出している情報と同じものを時間をかけて出しているのであれば、もったいないというところがあります。

(問) 申し訳ないんですけれども、報告書の9ページの下から3行目には、本来、国民生活センターが行わせてしかるべき事務を自ら行っていると解されると書いていて、要するにやらないでいいことまでやって、あなたたちは重複していますねと言っていると報告書には書いている。意見書になると、自ら消費者庁が注意喚起をやっていることも一定の評価はできるとか言葉が変わってきているので、記者の人は理解しないんですよ。

(答) 情報を多様に出すということ自体は、別に悪いことはではないと思うんです。繰り返し、繰り返しいろいろなところが出すというのはいいんだけれども、後は効率性の問題としてどう考えるかです。

(問) やるべきことをやらずに、こういうばかりやってきて、やるべきことができていないのではないかと。

(答) 消費者庁しかできないことと、消費者庁もできるけれども、国民センターもできることがありますね。そうすると、消費者庁には消費者庁しかできないことを、もっとマンパワーを集めてやっていただいた方が効率的ではないかと。国民生活センターでもできることを消費者庁もやって、その分、消費者庁しかできない、例えば法執行とか新しい法律を企画立案することとかいったことが、手抜きになっているとすれば、それは消費者行政全体から見れば、大きなマイナスだろうと思います。情報が多様な形で提供されること自体は、国民にとってはプラスです。

(問) 間違いなのかもしれないんですが、情報提供をするときに、国民生活センターにかなりの圧力がかかっていて、そういう意味からは消費者庁の中に入れたらどうかという提言が報告書の中にありますね。あれについてはどう考えているのか。この意見書の変わり方からすると、消費者委員会にも大臣の方から圧力がかかったのではないかとしか、私は思わざるを得ないくらい、報告書と意見書が違うように見える。

(答) 消費者委員会は独立した組織ですから、大臣から意見を伺うことはありますが、大臣がこういうふうに書き直せといったから書き直すとか、そういう組織ではありません。

(問) 消費者委員会に入れたらどうかというところについて、もうちょっと説明いただけないでしょうか。

(答) 国民生活センターを消費者委員会に入れれば、一番いいということではありません。いろいろな組織形態、組み合わせのある中で、一つのアイデアとして考えられるのではないかということです。さかのぼれば、2年前の通常国会において、当時、野党であった民主党が提案していた消費者権利院法案というのは、見方を変えれば国民生活センターと今の消費者委員会よりもっと権限のある消費者委員会が一つの組織になって、監視機能と消費者相談の機能を担うという組織だったわけです。法案として出ているくらいの考え方なので、一つの案として、検討対象に十分なると思います。それがベストかどうかどうかは、いろいろな点を議論をしないと結論を出せないと思います。

(事務局) 報告書でも、消費者庁自らが注意喚起を行うということは一定の評価ができるものであると、ちゃんと10ページに書いてありますので、意見と報告書が違うということはないです。同じに合わせてありますので、そこは是非、御確認願います。

(事務局) ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 今日も膨大な報告書をお渡ししておりますので、読んでいただいた上で御質問などがありましたら、事務局までお寄せいただけたらと思っています。
 それでは、今日はこれまでということで、どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。

(以上)