第37回 消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ 議事録

日時

2022年6月21日(火)13:00~15:16

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

(構成員)
【会議室】
後藤座長
【テレビ会議】
黒木座長代理
木村委員
(オブザーバー)
【会議室】
大石委員
川出敏裕 東京大学大学院法学政治学研究科教授
【テレビ会議】
丸山絵美子 慶應義塾大学法学部教授
中川丈久 神戸大学大学院法学研究科教授
山本和彦 一橋大学法学部教授
(参考人)
【会議室】
佐々木幸孝 特定非営利活動法人消費者機構日本副理事長
鈴木敦士 特定非営利活動法人消費者機構日本理事
奥山剛 消費者庁取引対策課長
末吉敏和 消費者庁消費者政策課財産被害対策室長
(事務局)
加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 財産被害の防止・回復に関する現行制度の活用状況についてのヒアリング
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○太田参事官 本日は皆様、お忙しい中をお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから消費者委員会第37回「消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ」を開催いたします。

本日は、後藤座長、大石委員、川出委員が会議室にて御出席、その他の皆様はテレビ会議システムで御出席となります。

議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第に配付資料を記載してございます。不足等ございましたら、事務局までお知らせください。

なお、本日の会議は、ウェブ会議による開催となっております。感染症拡大防止の観点から、報道関係者を除く一般傍聴の皆様にはオンラインにて御参加をいただいております。議事録につきましては、後日公開することといたします。

次に、ウェブ会議による開催に当たりましてお願い申し上げます。

1つ目に、ハウリング防止のため、御発言いただく際以外は、マイクをミュートの状態にしていただきますようお願いいたします。

2つ目に、御発言の際は、あらかじめチャットでお知らせください。座長に御確認いただき、発言者を指名していただきます。指名された方は、マイクのミュートを解除して、冒頭でお名前をおっしゃっていただき、御発言をお願いいたします。御発言の際、配付資料を参照する場合は、該当のページ番号も併せてお知らせください。

なお、御発言の際は、可能であれば映像、カメラのマークでございますが、そちらをオンにしていただきましたら、どなたがお話しになっているのか分かりやすくなりますので、御協力をお願いいたします。

3つ目に、音声が聞き取りづらい場合には、チャットで「聞こえない」「聞こえにくい」などと御記入いただきましてお知らせいただきますようお願いいたします。

それでは、後藤座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.財産被害の防止・回復に関する現行制度の活用状況についてのヒアリング≫

○後藤座長 座長を務めております後藤です。本日もよろしくお願いいたします。

川出委員におかれましては、本日の会合が初めての御出席ですので、一言御挨拶をいただけたらと思います。よろしくお願いします。

○川出委員 東京大学の川出でございます。

これまでの2回、所用で欠席をいたしまして申し訳ございませんでした。

私は大学では刑事訴訟法と刑事政策の授業を担当していまして、不法収益の剥奪のための制度についても、刑事政策のテーマの一つとして研究してまいりました。以前に消費者庁のほうで行われた関連する会議に参加させていただいたことがありましたが、今回、改めて議論に参加させていただくことを大変楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。

○後藤座長 川出委員、ありがとうございました。

それでは、本日の議題に入らせていただきます。

本日の会合では、消費者の財産被害の未然防止、拡大防止や被害の回復のための現行制度を取り上げ、各制度の活用状況についてヒアリングを行いたいと思います。

本日の進行ですが、前半では、消費者裁判手続特例法に基づく被害回復裁判手続の活用状況をテーマとして、特定適格消費者団体である消費者機構日本へのヒアリングを行うとともに、さいたま消費者被害をなくす会から書面で御提出いただいた資料を御報告させていただきます。

後半では、消費者安全法及び特定商取引法等の活用状況をテーマとして、消費者庁の消費者政策課財産被害対策室と取引対策課に、それぞれヒアリングを行いたいと思います。

それでは、早速、前半の議題に入りたいと思います。

本日は、参考人として、特定非営利活動法人消費者機構日本の副理事長で、弁護士の佐々木幸孝様と同団体の理事で、弁護士の鈴木敦士様に会場にお越しいただいております。

お二人とも大変お忙しい中、ありがとうございます。

それでは、15分程度で御説明いただきますようお願いいたします。

○佐々木副理事長 消費者機構日本で副理事長を務めております佐々木と申します。よろしくお願いいたします。

私どもに与えられたテーマは、消費者裁判手続特例法の活用の状況と、それがなじむ事案となじまない事案についてということです。どちらかというと、今回のこのワーキングのテーマの関係では後半の部分のほうが重点はあると思いますので、そちらに重点を置いて説明をしたいと思います。

まず、私たちが取り組んできた事案について御報告をしたいと思います。

取り組んできた事案の中では、訴訟を提起した案件が3件、それから、訴訟外で成果を上げたという事案がございます。その詳しい内容について触れていきたいと思います。

4ページですけれども、提訴した3案件の状況についてということで、東京医科大学に対する訴訟に関しましては、第1段階目の共通義務確認訴訟を経て簡易確定手続が終了して、対象消費者への分配まで終了しているという状況であります。これについては最後まで行っていますので、どういう結果になったかということを御報告できると思います。

それから、ワンメッセージほか1名に対する訴訟ですけれども、これは私どもとしてはこの制度が有効に活用できる事案として提訴したわけですが、残念ながら1審、2審の判決とも訴訟要件である「支配性」を欠くというような判断をされております。現在、上告受理申立て中でありますけれども、その点で今後、こういう案件についてこの制度が活用できるかどうかということについて非常に大きな分かれ目に来ているというように感じております。

それから、順天堂大学に対する訴訟ですけれども、これは訴訟の中身としては東京医大に対する訴訟と同様に、女性等の属性に基づく得点調整を入試において行っていたということに対して、それを事前に説明しなかったということを原因とする不法行為の請求ということになります。こちらのほうも第1段階目の手続は終了し、勝訴が確定して、現在、簡易確定手続を行っているところということになります。

東京医大に対する被害回復裁判手続ですけれども、こちらのほうですが、私たちは、本来、こういう差別的な事件に関しては精神的損害を受けたということに対する慰謝料を請求するのが通常なわけですが、制度上、慰謝料請求はできなかったために、受験料相当額に限定して請求をいたしました。その関係で、債権者である届出消費者が届け出た債権額というのは大体4万円から24万円、複数回受験した人は金額が多くなるわけですけれども、多くの場合、大体6万円であったということになります。被害を受けた消費者は延べ人数でいいますと約5,200名と推測されました。

そういう意味で、非常に少額の被害を多数の消費者が受けるという消費者被害の典型例だろうと思います。そして、4万円から6万円という受験料を考えますと、通常、個々の消費者が訴訟提起までして損害回復を図ろうとは思わない事案だったろうと思います。

そして、最終的に東京医大の訴訟における解決ですけれども、被害回復ができた消費者数ですが、私たちは被害消費者に対して直接連絡することはできないので、大学が持っている情報を基にして連絡をしないと消費者のほうは届出ができないわけですが、残念ながら大学は大部分の連絡先の情報を廃棄していたために、残されていた連絡先の通知と公告などに応じて届出をしていただくということになりました関係で、届出があった消費者は563名、債権にして891個の債権に対して分配がなされたということになります。

届出債権者への分配に要した期間ですけれども、これは訴訟提起から分配が完了するまで2年8か月、私たちの団体が、消費者から授権を受けまして、そこから分配が完了するまで計算しますと1年2か月ということになります。

どの程度の被害が回復できたかということで、分配表の一部を貼り付けてあるのでちょっと見にくいかもしれませんけれども、一番上は平成30年度のセンター試験利用の場合ですが、消費者から届出があった金額というのはそこにある入学検定料と受験票の送料と送金手数料と出願書類郵送料、これを加えたものですので、大体4万2,000円ぐらいになると思います。これに対して、私たちの団体で費用とか報酬を控除した後に届出消費者に対して分配した金額が3万9,930円ということになります。このタイプが一番分配の少なかったタイプで、一番下にある平成29年度の一般入試の方ですね。平成29年度の一般入試で言いますと大体6万2,000円ぐらいの届出をして6万4,601円分配がされたということになります。

その他に訴訟以外で解決を見た事案というのを8ページに載せています。

最初は、シャンプーに不実の記載、要するに事実と違う記載があったということで返金を要求したケースで、消費者に対して返金が実施されました。

それから、2番目は、消費者から契約をする前に申込金30万円を受領するのですけれども、契約ができなかった場合にはそれはお返ししませんというような注文書を書かせていたというケースです。ほとんど何もしない段階で30万円を取られてしまうというのはおかしいではないかということで申入れをして、478名に30万円を返金させるという結果となっています。

それから、S大学ですけれども、これも東京医大と同じように女性等の属性による差別、属性による得点調整を行っていたという事案です。これは訴訟を起こさないで申入れをして大学のほうから自主返金がなされたというケースです。このケースでは5,235名と書いてありますが、5,232名に対して返金がなされています。

それから、同様にM医科大学についても請求をして、自主的な返金がなされている。

最後に、オンライン講座の業者ですけれども、これは退会した場合に違約金というか返金しない金額を定めているわけですが、契約をしてすぐ退会した場合でも半額が返ってこないという規約だったものですから申入れをして111名の退会受講者に対して追加の返金をさせたというケースです。

こういう解決事例から見た特例法の評価でございますけれども、訴訟の場合であっても通常だとなかなか個々の消費者が権利行使をしないような少額の事件、その多数被害者に対して今回の東京医大のような被害回復裁判手続がなじむ事案に対しては、非常に高い被害回復がなされている。また、かなり多数の被害者に対して短い期間で配当がなされていますので、そういう面から見て非常に有効だろうというように考えています。

それから、訴訟にならないケースですけれども、特例法によって私たち団体が事業者に請求する法律上の権利を得たことで、訴訟外の交渉で被害回復が図られているということも重要だろうというように思っております。この場合には、事業者が自主的に返金をする場合などを考えますと、消費者の負担も軽いですし、返ってくるお金の効率も高い。それから、解決までの期間が短いということで、合理的な判断をする事業者であれば、むしろこういう形で訴訟外の交渉で解決する場合も多いだろうというように思われるところでございます。

以上が取り組んできた事案について、どちらかといいますと、この制度になじむ事案についての報告ということになります。

○鈴木理事 そうしましたら、鈴木のほうから10ページ以下について簡単に説明させていただきます。

10ページにあります、被害回復委員会というのは適格消費者団体の中で事案を検討する部門として、設置するとされているものですけれども、被害回復委員会で検討した端緒情報の中で、手続の実施に至らなかったものというのが委員の先生のお手元には机上配付資料としてありまして、制度ができてから今年の3月末まで検討した88件のものを一応10ページにあるようにAからNまで分類してお示ししているわけですが、事案の性質に関するものとしてはAからDまでの種類に分けておりまして、3ページのところに円グラフがございますが、見ていただくと半分ぐらいは回収可能性がないだろうということで断念したというものがございます。

その回収可能性がないだろうとして断念したものの中でどんなものがあるのかというのを11ページに書いているところです。まず1つはポンジ・スキーム型といいまして、出資なり金銭に限りませんけれども、財産を拠出させて、それを運用して増やします、配当ができますとかと言って財産を拠出させるもので、当初は配当があったりするのですが、途中で破綻するといったものです。(3)の投資勧誘型と何が違うのかということなのですが、(3)の投資勧誘型は、この仮想通貨がもうかりますよと言って買わせるということで、何か収益を配分するとかそういうような形になってないような、これを買ったらいいですよと言って勧めるというようなものをちょっと分けてみました。

それ以外に情報商材型というのは、特に出資をさせるとかというわけではなくて、例えばアフィリエイト広告を出稿してこうやったらもうかるという、その方法を教えるとか、あるいは自動売買ソフトを売って、このソフトに従って取引をすればもうかるとか、そういうようなもので自らは投資勧誘とかするわけではないので、そういう商材、情報を売るというようなものを一つの類型として考えてみました。こういったものがこの机上配付の資料を見ていただきますと結構な割合でありますということで、それ以外はそんなには多くないのですけれども、最近あるものは定期購入で、商品自体にあまり価値がないものもあるかもしれませんが、一応商品には価値があるのだとしたとしても、1回しか買いたくなかったものをずっと押し付けられるというようなことがある。あとはモニター商法的なものもあります。

ちょっとこれらと毛色の異なるものとして(6)でその他と書いたのですけれども、旅行業者とかイベント会社とか当初は真面目に事業をやっていたのかもしれないが、破綻してしまって結局サービスが提供されないとかお金が返されないとかというようなことで問題になるというような類型もございます。

12ページのところに書きましたように、ポンジ・スキーム型というのは販売預託以外の形態というのもこの机上配付資料を見ていただくといろいろありまして、不動産特定共同事業みたいなものとか、何かよく分からないですけれども、事業の利益を配分する契約だとか、事業の代理店だとか、いろいろな形態があるということで、販売預託を禁止したからそれで解決するという問題でもなかろうというように考えているところです。あとは被害回復になじまない分配金の回収に不安があるという事案はポンジ・スキーム型以外にも情報商材とか投資勧誘みたいな対価的均衡を著しく欠く商品役務を提供するというパターンであるとか、それなりに価値のあるものなのかもしれませんが、消費者にとっては不要な商品役務を押し付けているというような場合にも見られるのではないかというように思っているところです。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

引き続きまして、さいたま消費者被害をなくす会につきましては、御都合により本日は御出席いただけないため、書面での御報告となります。

資料2について事務局から報告をお願いいたします。

○太田参事官 事務局でございます。

資料2を御覧ください。

タイトルは「給料ファクタリング事業者に対する集団的消費者被害回復請求事例報告」でございます。

今回、このさいたま消費者被害をなくす会、御都合により欠席ということでございまして、資料のほか、説明用の読み上げ原稿というものを頂いておりまして、そちらを事務局のほうから読み上げさせていただきます。委員の皆様には机上配付資料2ということで、この読み上げ原稿をお配りしております。それでは、読み上げさせていただきます。

本日は、ヒアリングの機会を設けていただき、ありがとうございました。残念ながら、当会の総会の開催と期日が重なってしまいましたので、資料を通じての御説明になりますことを御容赦ください。

私からは、当会が2020年3月から4月にかけて行った出資法違反、貸金業法違反行為を反復して行っていた給料ファクタリング業者、株式会社ZERUTAに対する特定適格消費者団体としての仮差押手続について、経過及び結果を御説明させていただきます。

初めに、給料ファクタリング業者に対して訴訟を行うことになった経緯について御説明します。

2020年1月頃、給料ファクタリングという名目で、実質的には出資法の上限金利である年20パーセントを大幅に超える年300パーセント以上の利息でお金を貸し付けている事業者の相談が増えている現状を把握しました。相談が比較的多い事業者として、今回対象としたZERUTAの名前も挙がりました。

給料ファクタリング事業者の事業概要をもう少し具体的に説明すると次のとおりです。

まず事業者は、消費者との間で、消費者の給与のうち一定額、例えば5万円を事業者に譲渡するという契約書を締結します。その際、20パーセント程度を手数料として事業者が控除します。結果として消費者には5万円からこの手数料と銀行に対する振込手数料を控除した3万9,400円が消費者の口座に振り込まれることになります。事業者は、譲渡を受けた5万円の給料債権の雇用主からの回収を消費者に対して委託し、消費者は給料日の当日又は翌日までに5万円を事業者に振り込むというのが契約書の内容となります。

名目は給料債権の買取りということですが、実際のお金の流れを考えると3万9,400円を借りて1か月以内に5万円にして返済するというものですから、年利300パーセントを超える出資法違反の貸金契約を無登録で営業しているということになります。

当会がこの事案を扱おうと準備を始めた2020年1月頃には、問題点がようやく報道され始めた時期であり、事業者は違法な行為を堂々と行っている状況にありました。私たちには適格消費者団体として差止請求訴訟の経験は多数ありましたが、特定適格消費者団体として訴訟をするのは初めてでした。事業者の事業実態については、被害者である消費者からの情報とホームページの情報などからしか分からず、回収可能性については必ずしも見通しは立たないものの、このような事業の違法性が裁判で確認されることにも意義があると考えて、共通義務確認訴訟を提起する方針を固め、その際、財産保全を図るために仮差押えの申立てをすることを検討し、実施しました。

次に、当該仮差押えの経過及び結果について説明します。

まず、仮差押手続について保全できた金額は200万円弱にとどまりました。最終的には、本訴は欠席判決でしたが勝訴し、債権確定手続に参加した23名に対しては約10パーセントの配当を行いました。一方で、当該事業者及び代表者は当会が本訴の手続を行っている途中で出資法及び貸金業法違反事件として逮捕、起訴されました。公判を傍聴した結果、代表者の供述などから、当該事業者が事業期間中に消費者から受領した金額は50億円に上り、2020年4月末頃、事業を停止した段階でも5億円程度を事業者及び代表者が保有していたことも明らかになりました。

判決の趣旨に照らすと、50億円はその全てが消費者の損害であり、最終段階でも5億円程度は何らかの手段があれば保全できた可能性があるということになるという評価も可能です。仮差押決定に至るまでの周囲の経過と私たちの検討内容を併せて説明すると、資料2の第2記載のとおりとなります。

これに先立って、2020年3月に金融庁からは、給料ファクタリング事業者の事業が貸金業に該当するとの見解が公表されています。また、当時、私たちは把握していませんでしたが、公判を傍聴した結果、分かったこととして、2020年4月5日頃に警視庁は、出資法貸金業違反の警告書を当該事業者に交付しています。しかし、事業者はその後もしばらく営業を継続していたようです。

仮差押えによって保全できた金額が200万円弱にとどまっている直接の原因は、当会の手続とは別の弁護士のグループが行った個別の被害者9名による仮差押申立てのほうが先に決定が出て、被害額約220万円全額が保全された結果、残りの預金を事業者が下ろしてしまったことにあります。もし当会の申し立てた仮差押決定が先行していれば、当会が被害額として算定していた1,400万円は保全できていた可能性もあると分析しています。ただし、先ほども御説明したとおり、この時点で5億円程度の財産を当該事業者又はその代表者が保有していたことが公判で明らかになっています。当会は資料2の第2に記載させていただいたとおり、PIO-NET情報を基にして被保全債権額を1,400万円と算定しました。計算根拠の詳細は資料2を御参照ください。

公判によれば、本来50億円を被保全債権額とすべきであり、そうすれば1,400万円以上の金額を保全できた可能性もあります。しかし、実際には適格消費者団体が集められる最大の被害情報は国民生活センターのPIO-NET情報ですし、被保全債権額については一定の根拠を持った疎明資料添付の必要性があることから、これ以上の金額を保全金額とするには当時としては困難であったと言わざるを得ません。

また、国民生活センターの立担保の援助制度を利用するにしても、返済リスクや被害者の参加が得られなかったリスクなどを考えると被保全債権額の約30パーセントの保証金が仮差押決定の条件となることから、あまり高い金額を被保全債権とすること自体に当会にとってはリスクがあります。これらの点に関しては、申立てに先立ち、より正確に被害実態を把握できる手法の検討、確立及び申立てからより迅速に決定を得ることが当会の課題として挙げられる一方で、共通義務確認訴訟としての保全手続には、現状一定の限界があるというのが率直に感じているところです。

当会としては、貴重な経験ではあったものの、今後の糧とすべき成功とは言えない経験を御説明させていただきました。委員の皆様の検討の一助になれば幸いです。

2022年6月21日、さいたま消費者被害をなくす会副理事長、長田淳。

以上でございます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、これより30分程度、質疑応答の時間とさせていただきたいと思います。

ただいまの御説明及び御報告を踏まえまして、御質問、御意見等のある方は御発言をお願いいたします。

御発言をされる際には、チャット欄に御投稿ください。

川出委員、よろしくお願いいたします。

○川出委員 ありがとうございます。

鈴木理事の御説明の部分について質問がございます。被害回復裁判手続の実施に至らなかった事案の理由のうちの、資産回収が困難というDについてですが、これは、端緒情報を被害回復委員会が得た段階で、対象となっている事業者が事実上破綻している状態にあることが把握できた事案と理解してよろしいのでしょうか。

○鈴木理事 破産していたというわけではないのですけれども、その事業者について検討するに当たって、一定財産がありそうかどうかというようなことは調べるわけですが、特に見当たらないというか分からない。あとは事業の形態からいって、そもそも全体の被害を回復することが難しいだろうというような推測があるものです。そうはいってもある程度の資産があるということが分かればやるのですけれども、それも分からなかったという、そういうことですね。

○川出委員 その中には、詐欺的な商法で、それだけ見ても、もうお金はなさそうだという判断がつくものもあるということですね。

○鈴木理事 はい。

○川出委員 それとの関係で、最後のページの(4)のところで、(1)及び(2)の一部には違法収益吐き出し型による対応が必要とされています。分配金回収に不安のある事例については違法収益を吐き出させること自体が困難なように思うのですが,この記述はどのような意味なのでしょうか。

○鈴木理事 ここで言っている違法収益吐き出し型というのは、違法に得た利益を行政が徴収して被害者に何らかの方法で配るというようなものを想定しているわけですが、それをやる場合には、正式な賦課命令というか徴収手続前に一定保全をしたりしないと、到底こういう業者では実効性を確保することは難しいでしょうから、何かの段階で財産を保全するというようなことになります。かなり強力な手続になって、事業者にとっては、保全をされた時点でもう、そもそも事業をできなくなりますから、それはかなりドラスチックな効果が生じるということです。もともとビジネスモデルとして違法であるなどかなり違法性が高いものでなければさすがに制度の対象とするのは難しいだろうというようなことを考えると、一つの典型例はポンジ・スキーム的なものなのかなというように思っているのですが、それ以外に対価的均衡を著しく逸する商品役務の提供とか、そういうようなものもあり得るのかなと思うものの、定期購入みたいなものでそれ自体が価値のないものを売っているのだったらまた別ですけれども、それなりに意味があるものなのだが消費者にとっては必要ないものを売っているみたいなものはちょっと評価が分かれるのではないかなというように思いまして、一部というように書いた次第です。

○川出委員 そうしますと、ここで違法収益吐き出し型による対応が必要と書かれているのは、先ほどのご説明の中にあった、どのような財産を持っているかよく分からないために資産回収が困難というような事例において、こうした制度を作れば、行政が介入していくことにより収益の把握ができる場合があるからというよりも、より一般的に、(1)や(2)のような業態の中のご指摘のような一部の類型については、こうした対応をしたほうがよいというご趣旨なわけですね。

○鈴木理事 この分配金の回収が困難だと思ってやらなかった事案というのは、明らかには財産があるとは見えなかったという、そういう理由なのですけれども、その中でも例えばある程度お金を持っていそうな人が今の特例法の制度で被告にし得るような場合には、ワンメッセージの事件のようにやることもあるわけですが、ちょっとそういうような人もいないということで断念した事案ということ。ここで分けた類型としてはそういう考え方で分けているということですね。(1)、(2)の業態で分配金回収に不安のない事案というのは余りないと思われますが、分配金回収に不安があるかどうかというのは、判断者がどのような情報を持っているかによります。違法収益吐き出し型の対象とするか否かは、業態で考えるのがよいと思います。

○川出委員 ありがとうございます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木座長代理 東京医科大の件ですけれども、特例法27条の相手方による公表という手続をこの手続の中ではとられたのかという点を教えていただければと思います。特例法27条では簡易確定手続申出団体の求めがあるとインターネットその他の方法によって公表しなければならないという規定があるのですけれども、特例法27条を東京医科大に求めたのかという質問です。まず第1の質問です。

○鈴木理事 簡易確定手続をやった事件では、一応団体のほうから求めをして事業者のほうにも公表してもらっています。

○黒木座長代理 ありがとうございます。

3ページ目のところの回収可能性がないということで50パーセントぐらい取り上げていないというように先ほど出てきたと思います。この件なのですけれども、特例法56条以下の仮差押えという手段を検討されたことがあるのか。仮に56条以下の仮差押えを検討されたとしても、給与ファクタリング以外は今のところ特定適格で仮差押えをしたケースはないのですけれども、その仮差押えを行えなかった、支障となったような事情があったら教えてください。

○鈴木理事 特例法上の仮差押えなのですが、請求債権のほうは包括的に総額を示せばいいのですけれども、仮差押えすべき財産については通常の仮差押えと同様に特定をしなければいけないので、結局のところ、押さえるべき財産が見当たらなかったということなので、仮差押えの申立てをするに至らなかったという、そういうことです。

○黒木座長代理 だから、どこに財産があるかということが結局のところ特定適格では把握できないので、56条以下の仮差押えの手続というのはなかなか実際には使いにくいという、こういうことでよろしいでしょうか。

○鈴木理事 はい。そういうことですね。

○黒木座長代理 仮に、いろいろな行政処分とかが先行している場合に行政庁がそういう財産関係について開示をされた場合は、特例法56条以下の仮差押えというのは実効性があるとお考えでしょうか。

○鈴木理事 それは何らかの方法で情報が得られるようなものがあれば、積極的に検討してやっていくということはあると思います。

○黒木座長代理 私からの質問は以上です。ありがとうございました。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

他に御発言はございますでしょうか。

丸山委員、よろしくお願いいたします。

○丸山委員 本日はお忙しい中、報告ありがとうございました。

私からは、現場の率直な感覚で教えていただければと思います。現在の特例法というのを前提とした場合に、仮に被告とできる範囲、例えば代表者とか役員とかも広く不法行為になると思うのですけれども、損害賠償とかの対象に含まれるというようになったら使い勝手というのは変わるというような感触があるのかどうか。特に損害賠償の範囲とか財産の保全の範囲というのを考えた場合に、被告とし得る対象というのが現在のところ、使いにくい原因となっていないかどうかというところをまずは確認させていただければと思いました。

あと最後のところで分配金の回収に不安のある事例というのを御紹介していただいていて、違法収益の吐き出しということに言及をしていただいております。その違法収益の吐き出しができたほうがいいだろうというのは、財産がそもそもないというようになると吐き出す財産もないということにはなりそうなのですけれども、違法収益の吐き出しがあったほうがもう断然いいというのは、それはどういう側面から御指摘をいただいているのか、少し掘り下げて説明をしていただければ有り難いと思いました。

○後藤座長 いかがでしょうか。

○鈴木理事 まず特例法の被告の範囲の問題なのですけれども、現行法上は事業者だけが被告になっていますから、通常は、事業者は法人になっていて、それに関与した人で独立の事業者として関与をしている場合、例えば勧誘を幇助したとか、あるいは履行をしているとか、そういうようなことが言える人は独立の事業者として被告にできます。ワンメッセージの件は正にそうなのですが、そういうようには言えないことのほうが多いと思われます。御指摘の法人の役員などについては現行法上、対象にならないのですが、令和4年の改正で、条文上ちょっと複雑なのですが、おおむね、普通、不法行為請求の被告となるような役員などは、一定の重過失に限るというような要件がありますけれども、対象になし得るということなので、その辺は今後活用していく余地があるだろうというように思っています。

2点目の御質問で、違法収益吐き出しのところで財産が分からないわけだから、結局財産がなければ意味がないのではないかということなのだと思うのですけれども、例えば前回、このワーキング・グループでも五十嵐弁護士がMRIインターナショナル事件の弁護団としての活動を報告されたと思いますが、それは確かに全被害額に比べればごく僅かではあるのですが、それでも何十億という資産をアメリカの違法収益吐き出し制度を使って確保したということはあるわけでして、それはそれなりに意味のあることだろうと思います。確保された財産が被害者に回復されるということも意味があるし、加害者のやり得にしないという面においても、全部は回復できなくても一部でも回復するということは意味があるだろうと思います。先ほどさいたま消費者被害をなくす会のほうから報告があったものについても、5億円ぐらいの資産はどうもあったようですから、それが半分でも確保できればそれなりに被害回復ができたのではないかというようには思います。

○丸山委員 ありがとうございました。

○後藤座長 山本委員、よろしくお願いいたします。

○山本委員 ありがとうございます。

私からは、御報告の資料1の最後のところにある8の(5)となっているところで「破産型は、違法収益吐出型よりも多様な類型を対象にする可能性があるのではないか」という、この文章の意味について御確認したいのですが、ここで言われる破産型というのが何を想定しているのかということ。特定適格消費者団体が破産手続開始申立てをするようなことも考えておられるのか、想定されておられるのかどうかということ。それから、違法収益吐き出し型よりも多様な類型を対象にする可能性があるということの意味ですね。どういうような類型で、ここで言うところの破産型というのが活用できるとお考えなのか、その辺り、もう少し御説明をいただければと思いました。

○鈴木理事 御質問いただきましてありがとうございました。

この破産型と書いたのは、行政ですとか、あるいは特定適格消費者団体とかが破産を申立てして、あとは破産の手続の中で処理をしていくということなのでございますが、先ほども申し上げましたように違法収益吐き出し型で考えたときにはかなり違法性が強度なものでなければやはり制度として正当化しにくいだろうという感じはするのですが、破産の場合は、結局破産状態になれば債権者から破産申立てされるということは今の制度でもあるわけですので、一定許容し得る可能性があるのかなと思いました。

特に、特定適格消費者団体が、共通義務確認訴訟をやっているうちに事業者が破産状態になったというような場合を想定しますと、その後、簡易確定手続をやっても意味があまりないわけですけれども、多少なりとも残った財産をこのままにするのも困りますので、破産を事業者が申立てればいいのですが、しないのだったら誰かが申し立てる必要があるというような局面があります。こういうようなものは先ほどの被害回復は資産の回収が困難、分配金の回収に不安のある事例の中の11ページの6番目の当初はまともだったのかもしれないのですけれども、結局破綻してしまって被害が生じている、そういうような類型、さすがに違法収益吐き出し型の対象にはし難いと思いますが、そういうような類型でも破産の中で処理をしていくということはあり得るかもしれないなというように思いまして、破産型の場合はある程度多様な類型を対象にする可能性があるのではないかということを書いた次第です。

適格消費者団体が、被害回復訴訟の係属を前提とせずに、破産を申し立てるということも、制度としてあり得ると思っておりますが、ただ、適格団体のキャパシティーとかそういう問題もあるので、それとの兼ね合いでどういう事案にするのかとか、あるいは予納金の支援とか、そういったことも含めて総合的に制度を検討しないとなかなか実効的には運用されないだろうというように思います。

○山本委員 ありがとうございました。大変よく分かりました。

その特定適格団体が破産の手続開始を申し立てるに際して、今、予納金の問題等の御指摘がありましたけれども、従来、この会議とかでもその破産手続開始の要件ですね。債務超過等について立証できるのかどうかということが問題になってきたように思いますけれども、その辺りはある程度、適格団体のほうでやれる可能性はあるというような見通しなのでしょうか。

○鈴木理事 どのような回答をしたらいいのかというのがいろいろあるのですけれども、事案によるかもしれません。共通義務確認訴訟をやっているうちに事業者が破綻状態になってきたみたいなので出口戦略として破産申立てをするというような事案だと、ある程度情報がある可能性はあるのかなと思います。そうでなくて、最初からこういう怪しげな事業者がいて破産申立てしてくださいと言われたときに情報が集められるかどうかというのは、一般の事件で集団事件として被害弁護団が破産申立てするのと同じことですから、頑張ってやれと言われれば頑張るというような話で、だけれども、頑張った結果、難しいときもあるということかなというようには思います。

○山本委員 ありがとうございました。よく分かりました。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

中川委員、よろしくお願いいたします。

○中川委員 御発表ありがとうございます。私もほぼ今の山本委員と同じところというか、その1つ手前の資料1の12ページの(4)で、破産申立て解散命令、破産型のほうが広くて、違法収益吐き出し型は狭い。後者はよほど違法性が強い場合に限るとおっしゃったか、はっきり覚えてないのですけれども、そのような場面に限定されるという御発言があったような気がするのですが、そこについての質問です。

操業中のビジネスに対して行政が介入するというのは、いずれにせよ、よほど自信がないとできることではないと思いますので、特段違法収益吐き出し型だから限定されるということではなくて、営業停止命令でも同じことだと思うのです。ですから、ここでおっしゃっているのは、違法収益吐き出し型の適用場面が限定されるということではなく、むしろ保全的に介入するとか、何かそういうような制度を作るのであればかなりこれは違法性が明らかでなければいけないとか、そういう御趣旨なのかなと思いまして質問しました。

違法な行為であることがはっきりするときに違法収益を吐き出しなさいというのは、それはある意味当たり前のことだと思うのです。もちろん現時点でそうした制度がどれだけあるかは今、あまりないというのは確かなのですが、違法であることがはっきりしている場合に、では、抑止のためにどういう措置を採るかというので,会社を解散させるか、違法収益を吐き出させるのか、あるいはさらに課徴金をかけるのか、それはいろいろな手法があると思うのですが、いずれも違法であることは分かっているという前提での話だと思います。それを考えると、ここの(4)で言う違法収益吐き出し型の対象が限定されるということはちょっと納得がし難いという感じがしていたのですが、いかがでしょうか。

○後藤座長 いかがでしょうか。

○鈴木理事 中川委員のおっしゃったようなことで考えていって制度を設計するということもあるとは思っていまして、ここで言ったのは、結局違法行為と言ってもいろいろなものがありますので、どういうものを対象にするのかというようなことの検討の中で、もしかしたら、制度によって対象の考え方が変わるのかなと思って問題提起をしたわけですけれども、行政がやる以上は、範囲は同じということも考えられるのかなというようには思います。

○中川委員 ありがとうございます。

○後藤座長 よろしいでしょうか。

それでは、他にございますでしょうか。

大石委員、よろしくお願いします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

私からは、消費者側の意識として、基本的なことをお伺いできればと思います。今回の東京医科大に対する被害回復で被害者の方たちにアンケートを取ったものが5ページ、6ページのところに出ておりました。ここで被害者の方たちは訴訟を起こすことについて、通常考えれば自分で訴訟を起こそうとは思わなかったということで、89.8パーセントが「いいえ」と回答したと書いてあります。被害回復についての意識として、あまりこれまでこのような事例を知らないため、消費者自身が最初から諦めているからなのか、それとも、もう少し国の制度としてこのようなものがあることを広報も含め行っていけば、もう少し消費者自身で被害回復のことを前向きに考えられるのか、もし直接ヒアリングされた中で何かお感じになられたことがあればお聞きできればと思います。

○佐々木副理事長 やはり金額的に4万円とか6万円の金額でなかなか訴訟を起こしてまでというのは難しいのだろうと思うのですね。だけれども、それでも、今回の事案では通知が十分でなかったにもかかわらず五百何十人という方が債権届出をしていただいているわけですね。順天堂大学の場合は一応通知がこちらのほうである程度大学が名簿を持っていたものですから提供してもらって通知を送りましたら、大体半数の方が届出をしているのですよね。そういう意味では、やはり消費者のほうとしては金額が小さくても自分の権利を回復しようという意欲をお持ちなのだろうと思うのですね。

それから、この中で書きましたけれども、S大学の場合には大学のほうから返しますよというように言って、それで返金をしたときは大体9割の方が返金を受けているのですね。やはりそういう意味では消費者にとって取りやすい手段であれば手を挙げて返してくださいということが言えて、それで被害回復ができるというようなことになっていますので、きちんとした手続というか法的な措置ができていれば、それなりに消費者のほうはそれに応じて被害回復の行動を起こすということは言えるのだろうと思いますけれども、そんなことでよろしいですか。

○大石委員 ありがとうございます。

やはり、この場というのは、どうやれば消費者が前向きに捉えることができるのか、実際に被害回復ができるのか方策を探っていると思いますので、大変参考になりました、ありがとうございました。

○後藤座長 よろしいでしょうか。

木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 すみません、私からも同じところで初歩的なことかもしれないのですけれども、このように少額であっても消費者が被害回復を求めるということは今の説明でよく分かったのですが、やはり今回のような場合、手続とかはかなり大変なものなのでしょうか。消費者はそんなに手続に関しては大変な思いをしなくていいのでしょうか。そこの辺を少し具体的に教えていただけますか。と申しますのは、やはり訴訟となると二の足を踏んでしまうという方が多くて、理由を聴くと手続が面倒だから、大変そうだからというイメージが消費者にはすごくあって、確かにそうだと思うのですけれども、こういった集団訴訟の場合はある程度そういうことは緩和されるのかというところをお伺いしたいのですが、よろしくお願いいたします。

○佐々木副理事長 この手続自体が通常の訴訟と比べると一応第1段階目の手続の中で事業者の責任がはっきりしているわけですよね。その段階で届出をしてもらうということで、ある程度敗訴するリスクというのはない中で加わってもらうという意味で精神的な負担というのはかなり軽くなっていると思うのですけれども、事実上、どういうような手続で加わってもらうかということなのですが、それは実際に弁護団をやっていた鈴木弁護士がその辺のどんな書類を送ってといったことの作業は詳しいので、説明していただけますか。

○鈴木理事 消費者としては、通知を見て申込みをするだけと言えばそれだけなので、それは通常訴訟をするよりは格段に労力が低いはずなのですが、ただ、現状では、結構通知の分量が多い。法律上、通知しなければいけないことのほか、法律上説明すべきとされていることについても基本的に対面で授権を受けることがないので書面に書いておかなければならないということがあって、説明すべき事項と通知すべき事項でかなりの量があって、20ページとかそれぐらいになっています。そのため、通知に接しても、なかなかやる気が起きないところがあるのかなと思います。

結局、順天堂大のケースは基本的にこれが全部の受験者ですと言われる人の名簿は頂いているから、それに従って通知を送っているのですけれども、債権届出のため団体に授権をした人は大体半分ぐらいということになっています。例えば、ここの資料の中で8ページのところにS大学の例というのがあるのですが、これは大学が受験しただろうと思われる人に通知をして返還しますよと言って返金手続をした。5,000人ぐらいに返金していますが、これは人数から考えて多分、対象者の九十何パーセントだと思うのですよね。ということなので、やはりそこにはちょっと差があるのかなというように思っています。

令和4年の改正でかなり通知事項が減りました。これをうまく生かして通知の簡略化をして団体への授権をしやすくするということは今後も工夫していかなければいけないだろうというように思っています。

○後藤座長 よろしいでしょうか。

○木村委員 ありがとうございます。

○後藤座長 他にございますでしょうか。

さいたま消費者被害をなくす会の御報告については何か御質問をされたいということはありますでしょうか。委員の方々からもしありましたら、可能な範囲で対応しますが、いかがでしょうか。よろしいですか。

それでは、どうもありがとうございました。本日は、特定適格消費者団体2団体から、消費者裁判手続特例法に基づく被害回復裁判手続の活用状況について御紹介をいただきました。これまで当該制度を活用してこられました御経験を御教示いただき、ありがとうございました。

委員の方々から様々な御質問や御意見が出ておりまして、先ほどの資料で言いますとA、B、C、D、Eというように分けてありましたけれども、資料1の10ページでありますが、資産回収が困難ということについてですが、困難というのはどういう事実をもって困難ということの判断がされたのかということについての質疑応答がありました。

それから、特定適格消費者団体での御経験で特例法の27条や56条以下についての御質問、東京医大の事件で27条の手続を取ったのかの質疑応答、それから56条以下の特定適格消費者団体のする仮差押えについて、これは実際使いにくいということはないのか、やはり使いにくいと、そういう質疑応答がありました。

また、被告とできる範囲、これについては今般の特例法の改正で範囲が広がったということでありますけれども、被告とできる範囲が広がったということについて、今後はその部分については使いやすくなるので、活用していきたいという内容の質疑応答がありました。

それから、破産型と違法収益吐き出し型、この2つをどういう場合に使うのかということ。特に資料1の12ページの最後の(4)のところと(5)のところ、(4)というのは「(1)及び(2)の一部には、破産申立て解散命令だけでなく、違法収益吐出型による対応が必要」という点、それから、(5)というのは、「破産型は、違法収益吐き出し型よりも多様な類型を対象とする可能性があるのではないか」という点ですが、この2点については委員の方々の関心が高かったように思います。そもそも破産型、違法収益吐き出し型というのはどういう場合を念頭に置いているかということも問題となりますし、「破産型は、違法収益吐出型よりも多様な類型を対象とする可能性がある」というのは具体的な事例としてどういう場合にそう言えるのか、そうした点についての質疑応答がありました。

破産型との関係では、破産の申立権を行政に与えるということ、あるいは特定適格消費者団体に与えるということ、こういうことについても、消費者団体の側として破産申立権を付与されるということについて、前向きな捉え方もあるけれども、負担ということについても考える必要がある、こうした今後の制度設計について現場の貴重な御意見をいただいたと受け止めました。

それから、法的な問題というよりは、むしろ利用者の意識という問題でありますが、4万円とか6万円とかそういう被害で、個人で訴訟を起こすというのはなかなか大変で、考えにくいことなのだけれども、集団訴訟についての制度ができて、また、改正ということもされたということで、実際に制度を使っている立場からの御経験で、この制度が整備されていくことによって消費者の被害の権利回復意欲、こういうことに影響が出てきているのかということに関して、やはり従来よりこの制度が知られてくることによって権利回復意識が強くなっているのではないかという御回答もいただきました。

そういうことでありまして、制度整備に伴う消費者の側の意識の変化という点も非常に重要だと思いまして、そういう点も本日の質疑応答の中で浮かび上がってきたというように思います。

私の取りまとめは以上ということでありますけれども、特に委員の方々あるいは消費者機構日本の側から何か付け加えるようなことがありましたらお出しいただいて、もしよろしければ議論は以上にしたいと思いますが、いかがでしょうか。

本日は大変お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。

それでは、説明者が交代いたしますので、委員の皆様は準備が整うまでしばらくお待ちください。どうもありがとうございました。

(佐々木副理事長、鈴木理事退室)

(末吉室長、奥山課長入室)

○後藤座長 それでは、後半の議題であります消費者安全法及び特定商取引法等の活用状況に移ってまいります。

本日は、参考人として、消費者庁消費者政策課財産被害対策室、末吉室長及び同庁の取引対策課、奥山課長に会場にお越しいただいております。

本日は大変お忙しい中、ありがとうございます。

それでは、まず、消費者安全法の活用状況について、財産被害対策室の末吉室長から10分程度でお話をいただきますようお願いいたします。

○末吉室長 消費者安全法の財産分野を担当する財産被害対策室長の末吉と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

お手元の資料に従いまして御説明させていただきます。

財産事案に関する消費者被害の発生・拡大防止のための消費者安全法の仕組み等についてお話しさせていただきます。

まず、消費者安全法の財産分野の主な概要項目につきましては、シート2枚目のマル1からマル5になります。その内容につきまして、これから順次説明してまいります。

シートの3枚目、こちらが財対室での措置についての端緒情報の把握からの大まかな流れでございます。端緒情報の把握の下に記載しておりますが、PIO-NETの情報等、こちらから把握した端緒情報を着眼点として、新規性、すなわち以前、注意喚起等をしたことがない案件であること、あるいは悪質性、すなわち手口が悪質巧妙であること、拡大可能性、すなわち被害が引き続き生じる可能性がある、又は同業他社が多数存在することなどに注目して調査に当たります。この他にも社会的反響なども考慮しております。

そして、調査の結果、右側の措置を採ります。すなわち、注意喚起、他省庁への措置要求、勧告等でございます。注意喚起の公表は、あくまでも消費者被害の発生・拡大防止を図るため、消費者に向けて行われるものであり、事業者に対する行政指導や行政処分として行われるものではございません。近年は、この迅速な消費者に対する注意喚起を中心とした法運用を行っております。

また、他省庁への措置要求については、消費者被害の発生・拡大の防止を図るため、実施し得る他の法律の規定に基づく措置がある場合について求めることができるものです。

隙間事案での勧告は、法40条4項に、多数消費者財産被害事態による被害の発生又は拡大の防止を図るため実施し得る他の法律の規定に基づく措置がある場合を除くとされております。他の法律上の措置を発動できる場合には当該法律を所掌する大臣にその措置が委ねられております。

この細かい内容を見ていくと、次のシートとなります。シートの4枚目でございます。

これがただいま申し上げた措置の具体的な中身となります。まず、財産事案の消費者事故等とは、左上に記載のとおり、虚偽の又は誇大な広告その他の消費者の利益を不当に害し、又は消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがある行為であって政令で定めるものが事業者により行われた事態、これを消費者事故等と申します。この消費者事故等への対応が左下に書いてある1から3まで、すなわち1、消費者への注意喚起、2、関係機関等への情報提供、3、他の大臣に対する措置要求でございます。右側にいきまして、隙間事案については、事業者に対する勧告及び命令でございます。

まず左下の1、消費者への注意喚起でございます。注意喚起は消費者事故等の発生に関する情報を得た場合において、消費者被害の発生・拡大の防止を図るため消費者の注意を喚起する必要があると認めるときは、消費者事故等の態様、当該消費者事故等による被害の状況その他の消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表するものであります。この具体例につきましては後ほどシート7枚目で注意喚起の事例を改めて御説明申し上げます。

2番、関係機関等への情報提供。これは被害の発生・拡大の防止に資する情報を、内閣総理大臣が関係機関等に提供するものでございまして、例として悪質事業者の預金口座凍結に資するよう、把握した情報を金融機関に提供したりしております。これは注意喚起と併せて実施するものでございまして、金融機関以外ですと例えば検索サイト、あるいはSNS事業者、あとセミナーの会場となりますホテル等に提供した例がございます。

続いて、3番、他の大臣に対する措置要求。こちらは消費者事故等の発生に関する情報を得た場合において、消費者被害の発生・拡大の防止を図るために実施し得る他の法律の規定に基づく措置がある場合、当該法律に基づく措置を実施するよう関係大臣に要求するものでございます。

そして、事業者に対する勧告及び命令でございますが、これが隙間事案でございます。

隙間事案に関しては、要件を2つ書いてございますが、一つが隙間であること、もう一つが多数消費者財産被害事態に当たること、この2つが要件でございまして、この隙間のイメージは右側の下側のイメージ図を御覧いただきたいと思います。このイメージ図の中央部分が消費者庁の所管法、両端が他省庁の所管法でございます。このいずれにも該当しないものがいわゆる隙間事案でございます。

では、これらの措置の注意喚起及び勧告の実施状況がシートの5枚目でございます。

過去5年の件数の推移でございます。積上げ棒グラフ、これは過去5年の注意喚起の件数の推移ですが、灰色部分が当財対室で注意喚起したものです。年10件以上、注意喚起しております。ちなみに、これらに伴う関係機関等への情報提供は毎年100件以上あります。棒グラフ上段の白い部分は取引対策課が特定商取引法に基づく行政処分と併せて注意喚起した件数でございます。

シートの下段に記載した2件、これが勧告を行った事案で、過去2件ございます。

中身については次のシート、シート6枚目を御覧ください。

いずれも平成25年に実施した勧告の概要でございます。上段が友愛ホーム株式会社に関する件でございまして、有料老人ホーム事業を営んでいるかのように装って社債の募集を行っていた事業者が拠点も老人ホーム設置の届出もなく、事業実態がないことが判明した事案でございます。

下段、こちらがELICC JAPANに関する件でございまして、インターネットを用いたオンラインゲーム事業の紹介者を募集するこの事業者が、必ずもうかるかのように消費者に告げていた事案でございます。現在、消費者保護に関する様々な法改正、預託法ですとか特商法等が改正されておりまして、他の法律の規定に基づく措置の対象となる取引の範囲が拡大したことにより、隙間が大分狭くなった感がございますが、今後、どの法律の規定に基づく措置もない多数消費者財産被害事態が起こらないとは言い切れないので、引き続きPIO-NET、消費者安全法に基づく通知等を注視していく方針でございます。

最後、7枚目のシートを御覧ください。

こちらが4月13日に公表した副業マニュアル事業者に関する注意喚起でございます。注意喚起は消費者に向けて行うものでございますので、まず具体的な事例の内容が明らかになるように公表文に具体的に記載するようにしております。例えば消費者がどのようにしてその事業者に接触することになったかという始まりから、悪質事業者がどのようなツールや説明文句で勧誘してくるかといった手口、代金を支払った消費者が被害に気付くまでという一連の流れを明らかにすることで消費者の皆さんが自分に置き換えて理解していただけるようにしております。

2つ目として、LINEメッセージの例を右側に載せてございます。これは公表文の別紙として公表しているものでございまして、ウェブサイト上の広告のほかにLINEのメッセージやメール等も本文に併せて公表することで、消費者の皆さんが視覚的にイメージを持ちやすいようにしております。

3つ目、消費者庁から皆様へのアドバイスを載せてございますが、消費者の皆さんに気をつけていただきたい点についてのアドバイスを具体的に記載するようにしております。例えば、まずは被害に遭わないようにするためにはどのような点に気をつければよいのか、被害に遭った場合にはどうすればよいのかといったようなことでございます。

なお、このシート7枚目に記載してはございませんが、実際の公表資料の中には、この公表事例に関連する最近の注意喚起情報について、そのURLを含めて公表資料の末尾に掲載してございます。これは、こういった事業者というのは手口を微妙に変えて消費者の目を欺くこともございますので、そういったようなことをしております。

財産被害対策室からの説明は以上でございます。

○後藤座長 どうもありがとうございます。

引き続きまして、特定商取引法等の活用状況について、取引対策課の奥山課長から10分程度でお話しをいただきますようお願いいたします。

○奥山課長 取引対策課でございます。

私から特定商取引法と預託法の行政処分につきまして、お手元の資料4に基づいて、その仕組みと主な適用例につきまして御説明を申し上げたいと思います。

まず、特定商取引法に基づく行政処分でございますが、資料の2ページに示してございますように、指示と業務停止命令と業務禁止命令の大きく3つがございます。

事業者が法律違反行為等をした場合におきまして取引の公正、購入者等の利益が害されるおそれがあると認める場合に是正のための措置、それから、購入者等の利益の保護を図るための措置等を取るべきことを指示するというのが指示処分でございます。具体的な指示内容は事案によって異なるわけですけれども、再発防止策を講ずること、それから、事業者の中でのコンプライアンス体制の構築、さらには不実告知等の違反行為の内容を消費者に通知するというようなことが主な内容となっております。

この中で、消費者への通知というのがございますけれども、これは通知を受けた消費者が取消権を行使するための情報提供という趣旨でございます。すなわち、事業者から不実告知等を受けて誤認して契約の申込みをした消費者は特定商取引法に基づいてその取消しができることになっておりますけれども、消費者に対して行政処分の事実を通知させることによって消費者の権利行使に資するという仕組みになっております。

次に、法律違反行為等をした場合において同じですけれども、取引の公正及び購入者等の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は指示に従わないときには業務の停止を命ずることができる業務停止命令がございます。これは事業者に対するものでございまして、その期間は最大で2年ということでございます。

さらに加えまして、業務停止命令の期間と同一の期間、業務遂行に主導的な役割を果たしている役員等組織の中での主要構成員、これに対して当該停止を命ずる範囲の業務を新たに開始することの禁止を命ずることができる業務禁止命令がございます。業務禁止命令は個人に対して出すべき命令で、停止命令のほうは違反行為を行った事業者に対して業務の停止を命じるということで、個人に対する禁止命令によって新たな法人を立ち上げて同じ事業をしたり、それから、既存の別法人の役員になったりすることも禁止ということで、より行政処分に実効性を持たせているという立てつけでございます。

下のほうに預託法を挙げてございますけれども、同様に取引の停止命令、それから、措置命令、さらに業務禁止命令がございます。預託法は御案内のとおり、今月1日から改正法が施行されておりまして、行政処分の実効性をより高める観点から、違反事業者の役員等が当該違反事業者と一定の関係を有する法人、特定関係法人と呼んでおりますけれども、ここで現に同一の業務を行っているという場合には、その特定関係法人に関しても業務停止命令を発出できるという制度も新設してございます。

3ページ目に行っていただきまして、最近の行政処分の実績を表にまとめてございます。行政処分件数ですけれども、当然のことながら事件調査が定常的、一定的に進むわけではございませんので、年度によって件数の増減はございます。また、預託法につきましては、一番直近の行政処分は次に御紹介しますジャパンライフの件でございまして、それ以降は行政処分がないという状況でございます。

4ページ目に行っていただきまして、具体的な処分例でございます。

まずジャパンライフ株式会社の件で、前回のこのワーキング・グループで石戸谷弁護士からも御紹介がございました件でございます。もうよく御案内かとは思いますけれども、家庭用の磁気治療機器の販売預託に関する取引につきまして、書面交付の義務違反、それから、商品の保有状況や財務状況に関する重要事実の不告知といったことの違反が認められたことから、1年間に4回にわたる行政処分を順次行って厳正に対処したものでございます。

停止期間を重ねていただくと、最初の平成28年に打った3か月の命令の効果が切れる前に9か月を打ち直して、9か月が切れる前に今度は1年間を出している。平成29年11月17日のものに関しては、もともとの処分は預託と連鎖販売取引と訪問販売の停止だったのですけれども、特定商取引法の別の取引形態である業務提供誘引販売取引を新たに始めたものを停止するための処分を11月には打っているということで、行政処分がしっかりと網羅的に事業者の活動を停止させるように一連のものが発動されているというところが見てとれると考えております。

それから、次のページ、5ページ目でございますけれども、これは預託法の適用ではないのですが、預託販売に関する事例ということで、WILL株式会社の件を御紹介いたします。これは消費者にUSBメモリー、PRPシステムですとかCCPシステムですとかいろいろな名前を称しているのですけれども、このUSBメモリーを販売した上で事業者側がこれを借り受けて、USBメモリーを使った事業で得た収入を消費者に還元すると称して勧誘していたケースでございます。しかしながら、実際には消費者から借り受けていた本件商品の個数に比較して貸し出していた個数が著しく不足していたり、賃借料のほとんど全てが本件商品の売上げ、収入から支払って、運用事業で得られた収益から賃借料を支払っているわけではなかったりといったような、先ほどのジャパンライフと共通するような問題がございました。これに対しても事業実態に応じて累次の行政処分を打って対処をいたしております。

WILL株式会社の後に、1の(3)業務停止命令、VISION株式会社というところに打っているのですけれども、ここは、VISIONという会社はWILLの事業の承継会社という存在でございます。これらの処分のうち、1の(2)と(3)で業務停止と業務禁止の命令、それぞれ24か月というのを打っておりますけれども、これは先ほど申し上げたとおり、制度上、認められた最長期間というものでございます。

また、1の(2)でWILL株式会社ですけれども、同社の関連法人7社と連携共同して訪問販売を行っておりましたことから、これら関係法人も含めた形で行政処分の対象といたしました。

本件では、行政処分のほかに2に書いてございますけれども、消費者安全法に基づく消費者に対する注意喚起も行ってございます。すなわち、違反認定したもの以外の事業者名義や役務の名称によって違反があった行為と同じような行為が行われる疑いがあるという場合に、行政処分とは別に、行政処分と同時のものもありますし、その後に出てきたものに対応するためというのもありますし、累次注意喚起を行っています。

これを見ていただくと、名義が違う株式会社ワールドイノベーションラブオールという名義でしたり、(3)ですとピクセル&プレス株式会社といった名義、別の名義を使っていたりとか、それから、売っているものの名前もPRPシステムからCCPシステムになったり、SHKビジネスというものになったりというのに対応をしていることがお分かりいただけると思います。

6ページ目に行きますと、VISION株式会社が受けた行政処分に関する取引の概要がこちらにまとめてございます。これは御参考に御覧いただければと思いますが、典型的な販売預託の形態が見てとれるかと思います。

7ページ目に行っていただきまして、ただいま御紹介しましたWILLなどの件とは重複もあるのですけれども、特定商取引法に基づく行政処分と消費者安全法に基づく消費者に対する注意喚起を併用した事案というものを整理した資料でございます。先ほど件数の推移はお示しくださいましたけれども、その中の代表例を挙げてございます。

特商法の事件調査によって認定した違反行為と同様の手口による行為が繰り返し行われる可能性が高いというように認められる場合には、消費者安全法第38条第1項の規定に基づきまして消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者に注意を呼びかけているというものでございます。

一番上の公表事例ですと、偽ブランド品を販売する通信販売事業者、13事業者に対して処分を打ったのですけれども、その13事業者に限らず同じような手口を使っていると思われるような事例はございますので、そういった偽ブランド品を網羅的に注意しましょうということで類似手口を含めた注意喚起を打っています。

それから、2番目、3番目、4番目は、処分を受けたビジネスモデルと同じようなビジネスモデルで別名義の法人が事業をやっているということで、これを注意喚起したものです。

それから、一番下の事案ですけれども、これは割と最近の事案というか、検索サイト対策でSEO対策と言ったりしますが、検索で上位に表示されるために立ち上げておったような法人、そういった名称で結局は処分されたこのRセキュリティという会社に最終的には行き着くようになっておるのですが、勧誘目的で立ち上がっておった法人の名前について注意喚起の対象としたというものでございます。財産被害対策室と連携してこのような対応を行ってございます。

この後は参考1、参考2でそれぞれ特商法と預託法の概要を添付しております。御参照いただければと思います。特に預託法のほうですけれども、今月1日から全面改正となりまして、物品が指定制であったものが全ての物品が対象に改められたりとか、そもそも販売預託は原則禁止という厳しい仕組みになっておりまして、それでも販売預託をする場合には勧誘を行う前、それから、契約の前、この2段階で内閣総理大臣の確認を受けなければならないということになってございまして、今後は取引自体が禁止されて被害の発生・拡大が防止されるということが期待されております。

私からは以上でございます。ありがとうございます。

○後藤座長 ありがとうございました。

それでは、これより35分程度、質疑応答の時間とさせていただきます。

ただいまの御説明を踏まえ、御質問、御意見等のある方は発言をお願いいたします。

御発言をされる際にはチャット欄に御投稿ください。よろしくお願いいたします。

川出委員、よろしくお願いします。

○川出委員 ご説明ありがとうございました。

取引対策課の御説明に関して2点質問があります。まず,2ページで、特定商取引法に関して、業務停止命令は2年以内になっていますが、実際に停止を命じる期間はどのような基準で決めていらっしゃるのでしょうか。もう一つは、それとの関係で、その上の指示の内容と、業務停止命令の期間が連動した形になっているのかです。つまり、指示と業務停止命令が一緒に出され、指示の内容を踏まえた形で期間というのを定めているのかどうかです。その点も含めて期間の定め方を教えていただけますでしょうか。

○奥山課長 すみません、停止命令の期間でございますけれども、いろいろどういうように期間が決まって、これをしたらどれだけというのが決まると調査処分に影響がございますので、そこはお答えを控えさせていただきたいと思いますが、一般的には業務停止になる要件というのがございまして、その上で、事業者によるコンプライアンス体制の状況ですとか、それから、違反の悪質性、被害の広がり、さらには拡大可能性の観点を総合的に考慮いたしまして行っておりまして、その旨は処分基準として公表をしてございます。そういった観点を総合的に考慮して定めてございます。

○川出委員 総合的な考慮ということですが、基本的には違反の悪質性が基準になるのですか。

○奥山課長 どれが一番支配的かというのはちょっとお答えを差し控えさせていただければと。

○川出委員 指示と業務停止命令の共通の要件である「取引の公正及び購入者の利益が害されるおそれがある」というのは、おそらく違反を繰り返す可能性があるということだと思うのですが、そうだとすると、業務を是正,改善させるような指示をしたうえで,一定期間その指示に従っていたのであれば大丈夫だろうというような期間、業務停止命令を打つのかなと思ったのですが、必ずしもそういうわけではなくて、もっといろいろなことを考慮するということなのですね。

○奥山課長 はい。指示で改善が見込まれるかどうかというのは処分を打つ当初にはなかなか見通せないことですので、むしろそれよりは被害の広がりですとか、今までにやってきた違反行為の悪質性ですとか、そういったことが主たる検討要因にはなってくるということでございます。

○川出委員 分かりました。それとの関係で、もう一点質問があります。4ページのジャパンライフの事件について、先ほど業務停止命令の期間が切れる前に次の命令を出しているというお話がありました。この表でいうと、例えば平成28年12月16日に3か月の業務停止命令がなされ、次に平成29年3月16日に更に9か月の業務禁止命令が出されているのですが、これは、最初の3か月の間にまた違反をしたからということで9か月の業務停止命令を出したということなのですか。

○奥山課長 これは表の一番右の違反事実を御覧いただけますとお分かりのように、新たに認定された違反事実に対する処分を改めて打ったと。

○川出委員 その場合の新たに認定された事実というのは、3か月の業務停止命令期間の間に行った事実なのですか。

○奥山課長 それは個別の話になりますけれども、必ずしもそうとは、新しい違反事実ですとそこは前にやった違反の事実とは重複しないわけですので、新たな認定のために、過去の処分で使った事実は使ってないのですが、別の違反行為なり新たな違反行為に関する事実を積み重ねて認定をしたというようにお考えいただければと思います。

○川出委員 分かりました。停止命令の期間内に行った事実とは限らないということですね。それ以前に行われていた事実が判明して、それを根拠に新たな停止命令を出す場合もあるということなのですね。

○奥山課長 そのようにお考えいただければと思います。過去の国会の答弁でも、国会の質疑でも問われておるのですけれども、通常のやり方であれば全ての違反行為で1回の処分をするというのが通常ですが、12月のときには、まず固まっておった証拠でもって先に処分を打って、3月のときには12月の時点ではまだ固まっていなかったことも含めて処分をした、再度したということです。

○川出委員 分かりました。ということは、業務停止命令が意味をなさなったからこういうことになっているというわけではなくて、新たに判明した事実を捉えて停止命令を繰り返しているという感じなのですね。

○奥山課長 はい。あとは処分を打つタイミングが当然御案内のとおり、消費者被害を防止する観点から時宜を逸しないようにという観点から、こういった少し複雑、重層的な扱いをしたというように御理解いただければと思います。

○川出委員 分かりました。ありがとうございます。

○後藤座長 中川委員、よろしくお願いいたします。

○中川委員 私からは、まず取引対策課に一つ、二つ、それから、その後、財産被害対策室にお尋ねしたいことがございます。

まず取引対策課にですけれども、ルール形成という観点から2点ほど感触を伺いたいと思います。特商法と預託法はいずれも指示と措置命令の実効性を強めるために業務停止あるいは個人に対して業務の禁止という命令を導入されているわけですが、これは他の法律、例えば景表法とか独禁法とか、あまりそういうのはないのですが、特商法や預託法でこれを入れることができたというのは、言わば業そのものに対する規制法だからと言ってよいのか。特商法等は、専ら消費者の観点からの規制なので、いわゆる業法とはちょっと違うかもしれませんが、特商法で定義されている業、それから、預託法で定義されている業そのものに対する消費者の観点からの監督法制であるということから説明できるのか、それとも何かもう少し別の説明があるのか。業務停止や業務の禁止というのはもっと一般的にあってもいいのではないのかということなのか、教えていただければ有り難いと思います。

もう一点は、特商法の指示です。資料4の2ページに、指示で消費者に通知をする、不実告知等の違反行為を通知するとあります。これは私、非常にいい、すばらしい措置だと思うのですが、これに対して,仮に批判的な指摘がされるとするならばということなのですが、消費者が取消権を行使できるように通知するというのは消費者個人のための措置ではないか、公益のための行政措置ではないというような批判がされた場合にどのようにお答えいただけるかというのがルール形成という観点からの質問です。

次に、財産被害対策室に対する御質問は、これは運営、運用の実態について、一つの具体例を想定してお尋ねしたいのですが、4ページで、消費者事故等、左上の定義で、政令でマル1虚偽・誇大な広告・表示というのがありまして、ぱっと見るとこれはほとんど景表法と一緒ではないかという気もするのですが、先ほど別の法律と同時にやるということもあるというように伺いまして、例えば虚偽・誇大な広告・表示で景表法でもできるのだけれども、その場合、先に財産被害対策室で注意喚起をし、同時に表示対策課でも何かやるという、そういうことが想定されているのかという質問です。これは重複する事案の場合ですね。

もう一つは、景表法では捕まえられない何かが虚偽・誇大な広告・表示、言わば隙間という形で想定できるかという質問です。例えば、営業実態はあるが無免許である。無免許だが堂々と宣伝している、こういう広告は中身が虚偽でないかもしれないが、しかし、違法営業なので、そういう意味では虚偽といえば虚偽なのですが、そういうものは例えば虚偽・誇大な広告・表示として景表法違反ではないし、場合によっては金融関係の業法違反でもないのだが、消安法で対策する、対応する、注意喚起をし、何らかのもしかしたら勧告、命令というようにいくということがあるのかという形で運用をお尋ねしたいと思います。

○後藤座長 お願いいたします。

○奥山課長 御質問ありがとうございます。

まず特商法に関しまして2つ頂戴いたしております。まず業務停止、業務禁止の命令を打てるということに対する考え方でございますけれども、すみません、私としての理解を申し上げますと、まず特商法の業態というのはビジネスモデルと申しましょうか、その業態、取引形態そのものに消費者が弱い立場に置かれやすいというリスクが内在しておって、例えば情報の非対称性があったりとか、不意打ち性があったりとか、それから、利益誘引性があったりとか、そういうビジネスモデルそのものにリスクが内在しておるという観点から、消費者被害が発生するおそれが高いという場合には業務停止、業務禁止の命令が有効に働くからこうした措置が入っているというように理解をしております。

申し訳ございませんが、他の景表法ですとか独禁法に類似のものがないというのは私では分かりかねますので、すみません。

それから、指示の中で消費者個人に対する通知というのは公益ではないのではないかという御指摘がございました。これは通知でとどめておって、あくまでも消費者の取消権等が存在するということを前提に、消費者が必要な法令で定められた保護を受けられるようにすることを行政として消費者個人といいますよりは集合体としての消費者に対して後押しするというような位置付けではないかというように捉えております。したがいまして、消費者の意向や対応には関係なく、個別の方への返金を直接事業者に命じたりとか、返金を求める消費者全てに返金することまでは求めていないというのはそういう考え方からかなというように捉えてございます。

私からは以上でございます。

○末吉室長 続いて、財対室から回答させていただきます。

まず虚偽・誇大な広告が例えば景表法と重複している場合に先行して注意喚起して後から行政処分をすることがあり得るのかという御質問ですが、これは可能性としてはあり得るかとは思います。個別具体的に判断するものとは思われますが、当室の注意喚起が他の行政処分等を拘束するようなことはないと考えておりますので、あり得るというお答えをさせていただきます。

2点目です。景表法と消費者安全法とで虚偽・誇大広告が重なっているような状況についてなのですけれども、消費者安全法は注意喚起の要件に「著しく」ということまでは求めておりません。景表法の著しく優良だとか著しく有利、そこまでは消費者安全法は求めておりません。シート4枚目の消費者安全法に基づく財産被害に係る対応の左上を御覧ください。虚偽又は誇大な広告うんぬんと書いてありますけれども、これは「著しく」が付いていないものと、このように御理解いただければと思います。

○中川委員 ありがとうございます。

では、先ほどの無免許とかも入り得るというお答えですか。無免許で広告を打っている事業者については、それで取引をすると、消費者が別に契約無効になるかどうかまでは分からないけれども、しかし、本来は営業できないはずだというのは、これも虚偽や誇大になるのでしょうか。ちょっと具体的過ぎてお答えにくいかもしれません。

○末吉室長 具体的な事例については個別に判断させていただきます。よろしくお願いいたします。

○中川委員 失礼しました。ありがとうございます。

○後藤座長 それでは、丸山委員、よろしくお願いいたします。

○丸山委員 本日は、お忙しい中、説明をありがとうございました。

私からは、財産被害対策室のプレゼンについて御質問させていただければと思います。ページ数で言いますと4ページのところの関係機関等への情報提供について御説明いただいたところなのですけれども、法律間の関係について少々御教示いただきたいと思いましたのは、金融機関の預金口座凍結に資するように情報というのを提供することがありますという、こういう説明をしていただいたのですが、私の認識では、恐らく金融機関というのは振り込め詐欺救済法に基づいて犯罪利用預金口座の疑いがある場合ということで口座を凍結するのではなかろうかと思ったのですが、消費者庁のほうでこういった情報提供というのはされる際に、こういった振り込め詐欺救済法の要件というのは満たすだろうなという判断の下で情報提供されているのか、あるいはそちらのほうの要件充足というのはあまり検討の対象とはならずに情報提供されているのかという点を教えていただければというのが質問の第1点であります。

もう一つお伺いしたかったのが、6ページの消費者安全法に基づく勧告に関してです。これについては、情報があればということになりますけれども、結局、この消費者安全法に基づく勧告というのがされた後、この勧告の対象となった事業者というのは募集活動とかその他の事業活動というのを停止するような状況に至ったのか。また、恐らく既に被害に遭われている消費者がいるような案件ではないかと思うのですけれども、こういった行政の活動に並行して民事的な訴訟であるとか民事的な解決というものが並行して行われていたかどうかというのは、もし情報があればなのですが、教えていただければと思いました。

○末吉室長 ありがとうございます。

財対室については、まず1点目の情報提供に関してでございます。振り込め詐欺救済法の要件については考慮しているわけではなくて、消費者安全法の38条2項に基づいて金融機関、具体的には調査の過程で当該事業者が利用していたことが判明した銀行だとか決済代行会社に情報提供しているものでございます。

2つ目です。勧告についてでございますけれども、勧告後、命令にまでは至っていませんので、勧告に従ったものであります。ただ、その後の民事手続等については承知しておりません。

○後藤座長 よろしいでしょうか。

○丸山委員 ありがとうございました。

○後藤座長 それでは、黒木座長代理、よろしくお願いいたします。

○黒木座長代理 どうもありがとうございました。いろいろと考えさせられる御報告をいただきまして感謝いたしております。

資料4の5に関連する行政処分等の経緯についてお尋ねします。これはVISIONのことが書いてあると思うのですが,個別の案件だということでしたらお答えが難しければお答えいただかなくて結構です。この事案ですが、業務停止や禁止命令が15か月とか24か月とか、ほとんどこうなってくると普通の事業体であれば破綻してしまうのではないかなと思います。業務停止命令を会社や関係者を含めて全部業務停止をこれだけ受けてしまうと通常の事業体であれば事業存続が難しいというような判断になると思うわけです。こういうような事業停止、業務停止の判断をして、しかも、消費者安全法に基づく消費者に対する注意喚起も併せてなさるというような事業体がある場合に、特定商取引法の業務停止命令という行政処分を越えて、この後どうなるのだと、この会社を利用している顧客はどういうようになるのかということについて、こういう発令をする際に何かその辺りのところについて消費者庁、どちらもこれは関係されていると思うのですが、注意喚起もし、業務停止もするというような場合に、これらの顧客に対するケアというのを何か考えてらっしゃるのかどうなのかということについてまずお答えいただければと思います。

○奥山課長 ありがとうございます。

処分を打つときの考えですけれども、法律の規定にまずは忠実に従うということで、法律違反行為があって取引の公正及び購入者等の利益が著しく害されるおそれがある、これがもう処分を行うときには要件である。他のことによって何らか処分を行うということはありませんので、処分に当たってはこの法律の要件である取引の公正及び購入者等の利益が著しく害されるおそれによっているというのが私どもとしてのお答えだというように考えます。

○黒木座長代理 ありがとうございます。

そうすると、例えばですけれども、先ほど丸山委員からもちょっと御質問いただいていたと思うのですが、こういうような長期にわたる処分をしている場合の他省庁に対する措置要求とかそういうようなことが何かどんな関係であり得るのかについて庁内で議論する、検討するとかということはあったのでしょうか。

○奥山課長 すみません、他省庁との関係はいろいろな業態があっていろいろな省庁との関係が事案によって出てくるのですけれども、そういった事案に応じて関係省庁との連絡、連携というのは行っております。

○黒木座長代理 ありがとうございます。

結局、今、まだ資料4で見ますと、直近のVISIONに対しては令和3年3月23日公表の訪問販売についてということで、24か月間の業務停止ということなのでまだ業務停止中だということなのですけれども、この業務停止中にVISIONなり関係の大倉とかレセプションとかその辺りが何をやっているかということについては取引対策課としてはフォローはされているというように理解してよろしいのでしょうか。一般的なことで、もしもこのことでなくても一般論として業務停止中はどうなのか、フォローはされているのですか。

○奥山課長 すみません、将来の処分に向けて今、何をしておるかというところは控えさせていただければと思います。法に基づいて厳正に対処してまいりますというところでございます。

○黒木座長代理 分かりました。どうもありがとうございます。なかなかお答えにくいところまでお話しをいただきまして感謝いたします。ただ、やはり結局のところ、特商法違反なのだから取消しができてみんな財産被害の回復ができなくてはいけないというところは一致していると思うので、その辺りのところも含めて次なる方策を考えるための非常に貴重な機会をいただきましてありがとうございます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

他にございませんでしょうか。

様々な御意見をありがとうございました。業務停止命令の期間の定め方とか、それから、具体的にジャパンライフの事案に即して、行政処分の出し方、そういうことについての質疑応答がありました。それから、業務停止命令とか業務禁止命令について、特商法や預託法でこれを規定していることをどう説明するか、これは他の法律との対比ということもありますけれども、その点についての質疑応答がありました。

また、特商法の指示に関して、資料4の2ページでありますけれども、例として、「不実告知等の違反行為の内容を消費者に通知すること」という点についてですが、これは消費者の側で取消権を行使するための情報提供という位置付けだとすると、消費者個人に対する措置であって、公益のための行政措置ではないのではないかということで、ルール形成という観点からこういう問題をどう考えるのかという御質問もありまして、消費者を集合体として捉えているという御回答がありました。

また、虚偽・誇大広告についての景品表示法と消費者安全法の適用関係についての質疑応答がありました。

これも消費者安全法の関係なのですけれども、資料3の4ページで、「消費者被害の発生又は拡大の防止のための措置」の中の「関係機関等への情報提供」ですが、これに関しては金融機関への情報提供ということで、具体的に振り込め詐欺救済法を例に挙げて、適用される法律の要件が備わっているということを考慮して情報提供しているのかという御質問がありましたが、これについては特にそうではないという御回答だったと思います。それから、勧告についての御質問もありました。

さらに、注意喚起、業務停止命令など、それらを重ねて行うということもあるわけでありますけれども、その際に、そういう会社を利用している顧客への影響ということも考慮するのか、そうした点についての質疑応答もありました。

本日、多様な御質問の中で特定商取引法と消費者安全法の適用について、実際こういう適用をしているということがはっきり分かってきたという印象を持ちました。

本日の御報告、意見交換を通じて、消費者庁からは、消費者被害の未然防止、拡大防止等を目的とする消費者安全法と特定商取引法等について御紹介をいただくとともに、実際の適用事案にも触れて近年の活用実態ということについて説明していただきました。消費者被害の防止・救済のために現行制度を可能な限り活用していくという視点は極めて重要なものでありまして、消費者庁内はもとより、関係省庁が連携した上で制度を最大限活用する方法について引き続き検討するとともに、既存の制度に足りない点があるとすれば、それはどのようなものなのかについても検討することが必要ではないかと感じました。

本日いただいた御意見を踏まえた上で、次回以降、引き続き検討を進めてまいりたいと思います。

本日は、大変お忙しい中、御出席をいただきまして誠にありがとうございました。どうぞ御退席ください。

(末吉室長、奥山課長退室)


≪3.閉会≫

○後藤座長 本日は御議論いただき、ありがとうございました。

最後に、事務局から事務連絡をお願いいたします。

○太田参事官 本日は、長時間にわたりまして熱心に御議論いただきましてありがとうございました。次回の会合につきましては、確定次第、御連絡させていただきます。

以上でございます。

○後藤座長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。会議画面の赤色のアイコンを押して御退席ください。どうもありがとうございました。

(以上)