第79回 食品表示部会 議事録

日時

2025年8月25日(月)14:00~16:46

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

【委員】
今村部会長、中田部会長代理、阿部委員、小川委員、笠岡委員、川口委員、河野委員、菅委員、鈴木委員、田中委員、前田委員、森田委員
【消費者庁】
井上審議官、今西食品表示課保健表示室長、増田課長補佐
【事務局】
小林事務局長、吉田審議官、友行参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 食品表示基準の一部改正案について
  3. 機能性表示食品の見直し項目等に関する対応状況について
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○友行参事官 定刻となりましたので、始めさせていただきたいと思います。

本日は、皆様お忙しいところ御参加いただきまして、誠にありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第79回食品表示部会」を開催いたします。

本日、今村部会長、中田部会長代理、阿部委員、小川委員、川口委員、河野委員、菅委員、前田委員に会場にて、笠岡委員、鈴木委員、田中委員、森田委員にオンラインにて御出席いただいております。なお、穐山委員、監物委員が御都合により御欠席となっております。過半数に達しており、定足数を満たしていることを御報告いたします。

また、本日の議題の対応のため、消費者庁から井上審議官、今西食品表示課保健表示室長、増田補佐に御出席いただいております。

本日は、報道関係者のみ会議室にて傍聴いただき、一般傍聴者にはYouTubeによりオンラインにて視聴いただいております。

議事録につきましては、後日、消費者委員会ホームページに掲載いたします。議事録が掲載されるまで、YouTubeでの見逃し動画配信を行います。

次に、本日お配りしております資料でございます。議事次第に記載しておりますとおり、資料1から資料4、参考資料1から参考資料5となっております。

もし不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

それでは、今村部会長、以降の進行をお願いいたします。

《2.食品表示基準の一部改正案について》

○今村部会長 本日もよろしくお願い申し上げます。

本日は前回と議題としては同じで、食品表示基準一部改正と機能性表示食品の見直し事項に関する対応状況についてということで、前回の議論に引き続いてということであります。両方とも機能性表示食品についての議論でありまして、前回、機能性表示食品についての基準の見直しについては一度議論があり、幾つか宿題が出て、それを今日、御説明いただいて、この議論に一定の方向性を見いだしたいと思っております。

また、今回の議題2であります報告については前回説明をいただいていますので、今回その質疑ということでこの場を使わせていただきたいと思っています。ですので、この2つを今日の議題といたしますので、できるだけ効率的に行いたいと思っておりますが、多少時間が延びてもお許しいただければと思っております。

では、最初の議題であります7月22日に諮問のありました食品表示基準の一部改正についてであります。

まずは前回の審議での宿題事項でありますこの改正の必要性についての理由や背景、サプリメント形状についても対象とする理由、施行時期の考え方などについて、消費者庁からの御説明をいただいた上で質疑に入りたいと思います。

それでは、議事に入りますが、カメラ撮りはここまでということでお願いしたいと思います。

では、消費者庁から10分程度で御説明をいただければと思います。よろしくお願いします。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 それでは、保健表示室、今西より御説明させていただきます。

前回説明させていただきました、今回の改正の内容について、スライドを映させていただいております。資料2の6ページになります。こちらのスライドの上の部分が現行の府令の内容で、食品表示基準第9条の表示禁止事項となっております。こちらの禁止事項については、最初の食品表示基準、平成27年3月20日に公布し、4月1日から施行されておりますが、当初の食品表示基準から既に設けられている規定になっております。この規定が設けられた背景について確認いたしましたので、説明させていただきます。

機能性表示食品の制度も、このときに食品表示基準に設けられた制度になっております。機能性表示食品制度の創設の経緯ということですが、平成25年6月14日に閣議決定された規制改革実施計画等において、機能性表示を容認する新たな方策を検討し、結論を得るとされたことを踏まえまして、平成25年12月から8回にわたる有識者における検討会をさせていただいております。「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」ということで、平成26年7月30日に報告書をまとめてもらっているところです。

この報告書の中でも当該規定について記述がされておりまして、その内容を説明させていただければ、「容器包装への表示」というところで、「消費者が誤認しないようにする観点から、機能性関与成分以外の成分を強調、訴求するような表示は行わないことが適当である」とされているところでございます。

ここの議論について、その後、パブリックコメントを行いまして、食品表示基準として消費者委員会に諮問させていただいており、その御議論をいただいたのが第35回食品表示部会となっております。第35回食品表示部会で消費者庁のほうから説明させていただいたこの規定に関する内容について、議事録を読ませていただく形で紹介させていただきます。改正内容については、第9条第1項第8号のロのところになります。「今回の食品は、つまり機能性表示食品は、いわゆる栄養強調表示のルールにのっとって、その条件に従って、何とかたっぷりとか、何とか控えめと書いていただくのはよしとしましょうというものです」ということで、ここの部分が、ロの冒頭にあります第7条の規定に基づく栄養成分の補給ができる旨の表示、栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨の表示をする場合を除きということで、ここは表示を認めましょうと説明しているところになります。「ただ、それ以外について、何らか強調するのはいけませんというものであります」ということ。消費者庁長官に届け出た機能性関与成分以外の成分、これは栄養成分であろうとなかろうと、こういったものを強調するものもいけませんよという規定であることを説明させていただいているところです。

ですので、この説明にあるとおり、栄養強調表示のルールにのっとって、その条件に従うものは書いてもいいですよという反面、それ以外の強調表示は書けませんというような内容になっておりまして、こういった議論があって、現行のロの規定となっております。ですので、特にそれぞれの成分とか、そういった具体的なもので議論されているということではなくて、総論的なところで議論されたと考えているところでございます。

この規定ができて約10年経過している中で、実際の届出内容を見ていきますと、前回も説明させていただきましたが、トマトジュースであったり、ヨーグルトであったり、お茶飲料が届出されておりまして、それらの一般的な食品ということで、機能性表示以外を見れば、「食塩の無添加」であったりとか「糖類の無添加」、または「ノンカフェイン」といった表示がされている食品が多くあります。ですので、消費者の選択に資する情報として、機能性表示食品であっても、そういった表示を認めることを考えてもいいのではないか、そういった経過の中で、課題として出てきているということが今回の改正の背景になっております。

一方で、昨年3月の小林製薬の紅麹の事案が起こった中、機能性表示食品の制度の見直しをする、こちらは早急にやらなければいけないため、その中で機能性表示の在り方も見直され、中でも、パッケージの中で「機能性表示食品」を四角でくくって、一番目立つところ、一番上のところに書いていただく。それから、機能性関与成分については、例えば、科学的根拠が論文ベースであれば「報告されていること」というような、機能性関与成分とその機能性が分かるように一体的に書くように府令の改正をしております。そういった背景を考えたときに、緊急にやらなければいけないところは先にやらせていただきまして、現在、これらの見直しについて事業者のほうで表示の変更をやっておりまして、日々、我々のほうには表示を変更する届出が出てきております。事業者の方々が表示を変更するのは時間がかかりますので、来年8月31日まで経過措置としており、来年9月から、実際に運用させてもらうというような状況になっております。

そういった状況を踏まえれば、まとめて改正できるというのが一番いいわけですが、緊急性の高いものを先にさせていただいて、その経過措置の期間に必要な改正の諮問をさせていただいたというのが今回の経緯となっております。

今回の改正の施行ということを考えた場合、先ほども説明いたしましたとおり、制度見直しに係る表示の規定というのが来年8月31日まで経過措置を置いておりまして、まさに今、事業者の方々はパッケージの変更をやっております。今回改正させていただく内容の表示についても、その際のパッケージ変更に盛り込んでもらうというのが効率的と考えておりますので、その経過措置までの間に、できる限り早く施行したいと考えております。

一方、いわゆる旧表示というか、施行される前の従前の表示については、当然ながら前提条件の趣旨とは異なりますので、今回の強調表示の改正については、新しく見直した表示のパッケージの変更の中で見ていくということで、従前の表示ではできないということを運用として整理をしたいと思っているところです。

御説明いたしましたとおり、現行の規定については、平成25年から27年の大体2年間で議論されていたところになり、そのときは食品表示基準全体の議論もございましたので、総論的に議論はされておりますが、あまり具体的な成分等の細かなところというよりは、全体的な議論がされたというふうに思っております。

その際も、サプリメントに限定して表示のルールを作るということは議論されておりませんし、また、今回、小林製薬の紅麹の事案を踏まえて、消費者庁が開催した「機能性表示食品を巡る検討会」で議論したことをまとめた報告や関係閣僚会合の取りまとめの内容でも示されている、反復継続的な部分の機能性表示食品という観点については、前回、森田委員の御意見がございましたが、ミネラルとかビタミン、一部のものについては過剰摂取ということも考えられますので、そういった観点では、手引き等を改正するのに併せて何らかの形で事業者のほうに伝えていきたいということ、そういった配慮をしてくださいということを考えているところです。

一方、サプリメント形状ということを考えた場合、巡る検討会、また、取りまとめのほうでも、サプリメント形状については議題2のほうで御説明させてもらった内容になるのですが、GMPの義務化というところで品質管理、そういったものを原料から最終製品までしっかりやっていくという、ここの義務化というものは議論されて、制度としても制度化したわけなのです。一方で、サプリメント形状ということでの表示については、特に議論していないということも考えた場合、今回の改正において、サプリメント形状ということで表示としての規制の今後、考えられることについて、様々な食品を扱っていらっしゃる食品事業者の方に確認したところ、サプリメント形状という形で特に強調の表示は考えられないということもございましたので、運用としては、ほかの機能性表示食品と同様の運用で懸念がないと考えております。

私からの説明は以上になります。

○今村部会長 ありがとうございます。

あと、施行の期日についても宿題としてあったと思うのですが、そこはどうでしょう。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 すみません。今回の改正の前提となる、いわゆる小林紅麹の関係の機能性関与成分の表示の在り方の経過措置を待たずに、事業者の今やっているパッケージ変更に合わせて効率よくやろうと思うと、なるべく早く今回の部分については改正させていただきたいと考えているところです。

○今村部会長 そのなるべく早くの規模感の話だと思うのですけれども、そこはどんな感じでしょう。別に何月何日とかいうことではなくていいのですけれども。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 基本的には、答申をいただいた内容にもよると思いますが、パブリックコメント等も終わっておりますので、改正の手続を速やかにやるというところで、現実的な期間をもって改正させていただければと思っております。

○今村部会長 ということは、即日施行というような感じですかね。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 公布日が施行日で考えております。

○今村部会長 今まで、なるべく早くという中には3年先までなるべく早くということがあったので、即日施行ということですね。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 はい。即日施行で考えております。

○今村部会長 分かりました。ありがとうございます。

では、今、消費者庁からの御説明がありましたけれども、この内容につきまして、御意見をいただければと思います。オンラインで参加の方は挙手のボタンを押していただきたいと思います。前回一通り委員の先生から質問、御意見いただいているので、今日はまずは挙手いただいて、それぞれの御意見を逐次質疑しながら進めていきたいと思います。ちょっと白熱するようでしたら、一通りまた聞かせていただいてということになるかもしれませんが、今日はまず挙手いただいた先生から御意見いただければと思います。いかがでしょうか。

では、菅委員、お願いします。

○菅委員 管です。今日もよろしくお願いします。

全体的なことはまた後でかもしれないと思っているのですが、一点御質問をさせていただきたいのが、今回の改正の必要性に掲げられているトマトジュースの例などにつきましては、既に現状追認的だという御指摘があるところですけれども、ここで本来気になりますのは、機能性表示食品であるトマトジュースにも「食塩無添加」と書いて、消費者の合理的な選択に資する必要があるという点それのみの問題ではなくて、これが既に世の中に出回っていて、あまり問題視もされずに売られていたということについての経緯の事実確認と評価ではないかと思います。

必要なのに表示できないから困っているので改正してほしいという機運があって、急ぎ改正を検討するという流れだけであれば別にいいと思うのですが、既にいわば「違反」に当たるのではないかというものを堂々と販売されているものが問題にはなっていないということをどう捉えたらいいのかなと思います。

これはいつ頃からこういう表示がなされていて、事前に消費者庁に相談があって表示されているのか、消費者庁としてはどの段階でそのようなものが既に存在するということを把握して、どのような指導等をなされてきておられたのかについて、遡って取締りをすべきかどうかは一旦置くとしても、どういう手順でこういう状況が生まれてしまっているのか。トータルで見たときに、大手の会社に対する関係でも、ルールの徹底も監視も必ずしも十分でなかったことの表れなのだと見ざるを得ない事象なのか、こういうことは、実は気づいていないだけでほかにもたくさん起きているけれども、監視指導の目が届き切っていないのではないかと、そういう懸念を持つべき事象なのかどうか心配になります。

せっかくルールをつくっても、それが守られることなく先行して逸脱されてしまうということがないように、タイムリーな見直しをすべきという話とは別の問題として検証しておいていただきたいと思うのですが、以上質問です。

○今村部会長 では、消費者庁から。

質問の趣旨をもう一遍繰り返させてもらいますと、違反状態であるということであればいつ頃を把握していて、それは違反でも取り締まるべきだったものではないかということで、それは監視体制が弱かったのではないか。それとも、これはそもそも取り締まらなくてもいいような案件だと判断していたものなのかという、その辺のところの御指摘だと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。お願いします。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 まず、こちらでも、そういった表示がされているものについて、時期は分からないのですが、あることは把握をしております。当然ながらそこで分かった段階で規制内容を説明しているのですが、一方で、総合的な判断をしたときに、一般の食品との比較などを考えたときに、今回、我々としては改正するほうが適していると考えています。

○今村部会長 菅委員、いかがでしょうか。

○菅委員 そうであっても手順は大事で、相談もなしに、「ノンカフェイン」や「食塩無添加」の表示が機能性表示食品にも行われるようになったということなのだとすると、先ほど申し上げたように、改正の必要性があるかどうかは別に直接否定しているわけではないのですけれども、そういう形でルールを逸脱されてしまうことが普通にあるというのは問題ではないのかということについては、引き続き疑問が払拭はされていないです。

○今村部会長 これは消費者庁のほうからコメントできますか。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 いただいた御意見ということで御理解させていただければと思います。

○今村部会長 監視をしっかりしてくださいという趣旨の一環で、分かっていたけれども制度改正とのてんびんで放置した案件なのか、最後まで気がつかなかったのかというようなことだと思うので、いずれにしろ監視の強化ということが御意見としての趣旨だと思いますので、そこは御検討をしていただきたいと思います。

ほかにいかがでしょうか。

では、川口委員、お願いします。

○川口委員 川口でございます。

今の菅委員の御質問に近い話になるのですが、私個人的には、令和8年8月末の経過措置期間中であれば、同時にしなくても問題ないのではないかと最初考えていました。先ほどの説明で、今回の改正だけの対応にはならないように、両方セットでというのは、前回の改正によって誤認のおそれが低くなったという前提だからということは理解できました。先ほど菅委員からもお話があった、既にあるものと少し矛盾する感じがするのですが、そこはどのようにお考えでしょうかという質問です。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

同様の質問ではありますけれども、違法状態のものを看過していたことについてどうお考えかということです。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 今、機能性表示食品で販売されている食品で変更届出が出ている前のものは、従前の規定で表示されております。そういったものも、今後は新しい表示になっていきますので、今回改正をさせていただく内容も含めて、来年の9月以降は、表示の形としては、機能性表示食品の見直しをされた後の表示ということですので、機能性表示食品を四角の枠で囲むことや、成分と機能を一体として表示する上で、さらに今回御議論いただいているような表示がされるということで、そこは来年9月以降は統一した表示として運用したいと考えているところです。ですので、従前の表示でもやってくださいとは考えていなくて、新しい表示でやってくださいというところを運用で整理したいと思っております。

○川口委員 どうもありがとうございます。

○今村部会長 ありがとうございます。

ほかはいかがでしょうか。

では、阿部委員、お願いします。

○阿部委員 今の監視の話、菅委員のおっしゃるとおりだとは思っています。私も前にお話ししたと思うのですけれども、長い間、食品の表示関係の監視を数年間やっていました。そのときに、やはり食品表示の監視というのは、勝手にお店で見てこれがこうと言えないので、必ず収去して行います。収去をした上で、健康増進法だけではなく、その当時は健康増進法に栄養成分表示が規定されていましたので、表の表示と裏の成分値が本当に妥当か、整合されているのかということをきちんと確認した上で、表に表示されている、例えば今回の食塩無添加に関しても、きちんとした根拠があるのかどうかということを確認しないと、企業への指導はできません。また、企業に指導する場合にあっても、販売者と製造元があって、基本的には販売者に最初は指導するのですが、表示自体は許可を取ってやっているものではなく、法律、基準に基づいて企業の責任の下でやっていただいていますので、今言ったように、消費者庁の味方をするわけではないのですが、放置していたわけではないと思います。しかし、現実問題として、行政の監視になかなか引っかかってこないというか、限られた体制の中で改善指導し切れなかったという部分は、今回のトマトジュースだけの問題ではなく、たくさんあると思います。

ですので、私が思うには、今回のように基準が変わったというときには、監視体制を強化することができると思います。今、菅委員が言ったようなものが放置されたのではないかというようなことについても、議論されましたので、このようなことがないように、今回の改正においては、きちんと行政の監視の目を光らせてとまでは言いませんが、正しく表示がされるように、行政としての体制を整えることができるように、きちんと周知徹底をしっかりやっていくしかないのかなと思います。

表示に関しては、どちらかというといたちごっこみたいなところがあって、前もお話ししたと思うのですけれども、ある食品が、食物繊維たっぷりと書くよりも、超たっぷりと書いたほうが売れるから、超たっぷりと書きたいと言って、超たっぷりは駄目ですよと言ったのですけれども、それが全国に出回ってしまっていました。しかし、それを全部回収するのかという問題になったときに、国に超たっぷりという基準がないのであれば、たっぷりの基準を満たしてあるのであれば、次の製造過程からは超を外してください。今出回っているものに関しては、全て回収するというのは企業にとってものすごい打撃になりますので。このようなときに、それが消費者に健康被害を及ぼすような違反であれば、紅麹のときのように全て回収しなければいけないでしょうけれども、そうでない場合については、その企業の努力や今後の改善体制も含めて、自治体が監視を行っていますので、自治体と消費者庁が相談しながら、どういう形でその企業への改善命令を出すかということにも関わってくると思います。そういう意味では菅委員の御意見は非常に貴重だと思いますし、今後は今回の改正を契機にしっかりと行っていただきたいということがが、行政に関わっていた立場からの、お願いになります。

○今村部会長 ありがとうございます。

御意見として、監視の強化の御意見ですけれども、何かコメントありますか。特にいいですか。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 御意見ありがとうございます。分かりやすい基準をつくっていくという観点も大事だと思っておりますので、そういった意味で、周知などもしっかりとやっていきたいと思っております。

○今村部会長 ほかはいかがでしょうか。

では、今の件で菅委員、そして前田委員の順番でお願いします。

○菅委員 何度もすみません。今の阿部委員の御発言に関連してですけれども、本当は「超たっぷり」の表示が駄目だということになった場合に、例えば、必ず全品即自主回収しなければいけないという取扱い自体は、個人的にはよくないことだと、食品ロスの観点も含めて思っています。ただ、そういうときでも本当は、「超たっぷり」と書くのはルールとしては駄目なのだということを逆に堂々と知らせた上で、「超たっぷり」は表示としては間違えていたけれども、そういう前提で、皆さんこれは本当は表示として駄目なのですよという前提で一定の販売を認める方法を考えていくべきで、消費者側に「知らされる」ということ自体は、消費者側の表示に対する理解を上げる意味でも本当は必要なことで、では、この「食塩無添加」をどうするのかという話に戻ってきてしまいますけれども、少なくとも知らされないまま、ルールは本当はそうではなかったみたいなことは、やはり消費者側としては避けていただきたいものだなと思いました。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

続いて、前田委員、お願いします。

○前田委員 ありがとうございます。前田です。

今の監視体制のことに関連します。資料4の20ページに表示の例が載っています。ここに資料2の7ページ、8ページが反映されてくるのかなと理解しております。今、表示例が出ていますけれども、こちらにプラスして、糖質オフですとか、糖質ゼロですとか、無添加ですとかそういうものが加わってくるのかなと理解しております。そうしますと、やはり視認性が非常に悪くなっていくなと思っております。

今、見直しについては進めていく段階なのかなというふうにも理解しますけれども、やはり数年に一度、実態調査などをして、パッケージの表示が適切にされているかということを定期的に委員会等で議論することがあったほうがいいと思います。そのように監視体制をつくっていっていただければなと思っています。

あともう一点、別のことですけれども、資料4の8ページになります。こちらに医療機関からの報告ですとか営業者からの報告という図が載っていますけれども、最近、薬局の役割が非常に大きくなってきていると思います。かかりつけの薬局を持っている方は非常に多くいらっしゃると思うのですけれども、こういったところでサプリメント等で相談ができることも増えてくるのではないかなと思いますので、薬局の役割もどこかに入れていっていただくことを御検討いただければなと思いました。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

資料4の質問なので、次に説明するときに、今の前田委員の内容を踏まえて回答していただければと、議題1のほうで答えていただく必要はないのかなと思いました。ただ、重要な御意見だと思います。

でも、あえて言うなら、先ほどの調査をどうするのですかとかいう辺りは、もしコメントできるのだったら消費者庁から。監視の体制と定期的な調査ということでしたけれども、それは後半の機能性表示食品全体に関わる部分ですけれども。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 機能性表示食品制度では、表示見本も含めて販売する前に届出いただいております。そういった届出の確認もやっておりますので、そういったことも含めた上で、御意見については検討させてもらいたいと思っております。

○今村部会長 ありがとうございます。

ほかはいかがでしょうか。

では、森田委員、お願いします。

○森田委員 ありがとうございます。今の議題1に関してなのですけれども、前回、消費者庁の御説明ということで、無添加など含まないことを強調する用語を認めるということで議論が中心に来ておりますけれども、そこだけにするとやはり問題が矮小化されてしまうと思っています。今回の基準改正によって、機能性関与成分以外の成分で「(別表第9の第1欄に掲げる栄養成分を含む)」となっていたわけですね。この括弧の中が、改正によって、「栄養成分を除く」と改正される、それによって、ビタミンとミネラルなど添加するものの強調表示を広く認めることになることが問題だと思って前回も意見を申し上げました。

説明の資料2の3ページ「第9条第1項第8号のロの考え方①」の一番上にある「強調表示ではない」という項目の中に、例えばカルシウム○ミリグラムとか、ビタミンDとかそういうのも入ってくると思います。これらはやはり強調表示に当たるのではないかというものもあるので、現行では(別表第9の第1項に掲げる栄養成分を含む)に該当するということで規制されていて、だからあまり見られなかったのではないかと。前回の消費者庁の説明でも、機能性表示食品は、ある機能性関与成分を入れたら、それ以外のものは入れていないという説明があったわけですけれども、今はいろいろなものが入っている。機能性関与成分以外にビタミンとかミネラルとかが入っているものが出てきている。これは先ほどの菅委員の御指摘がありましたように、違法状態が看過されていたのではないかと。ノンカフェインとか、糖質オフとか、そういうものは本来は違法だったわけですけれども看過されてきた。

機能性表示食品は、機能性関与成分についてはよく見るけれども、ほかのところはあまり監視されていないので、ちょっとぐらいやってもいいのだろうなということで、事業者がどんどんと緩めてきたみたいなことがあったのではないかなと思います。そういうことから、「1日分のビタミンD」と強調表示するとか、機能性関与成分以外にもビタミンやミネラルをどんどん入れていくというふうになった。そういうときに、今回基準を改正することによって、それが堂々とされることになるのではないか。今までもいたちごっこみたいなところはあったわけですけれども、今回の改正によってビタミン、ミネラルを添加されたものが出てくる。「1日分のビタミンDなら強調表示ではないからいいんでしょう」みたいな感じで堂々とどんどん認められてくることが、基準の改正によって問題になってくるのではないかなと思います。

そして、前回もお話ししたように、これら脂溶性ビタミンとかミネラルによっては過剰摂取が問題になることがあるので、懸念があるということで、慎重にということで改正に関してはお願いしてきたところです。ですので、私は、本文の改正によってそういうものが堂々と添加されるものが増えるのではないかということで申しております。

先ほどのお話だと、今回手引きが出て、手引きで注意事項として盛り込んでということです。ここまでは意見ですけれども、ここからは質問なのですが、注意事項として手引きで盛り込むというのは、具体的にどんな形になりますでしょうか。意見と質問ということで述べました。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

特に脂溶性ビタミンについては、今回の改正で大々的に書き始めるのはないかという懸念は前も森田委員から御指摘いただいている内容ですので、Q&Aなどでの対応ということで、具体的な内容がどのような形になるかについて、消費者庁から御回答できる範囲でお願いします。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 まず、届出に関する手引きをこの4月から運用する形で通知をしておりまして、その中で、この食品表示基準第9条の禁止事項を説明している箇所がございます。今回、基準を改正いたしますので、その部分の文章、内容について改正することになっております。この手引きは、事業者の方が機能性表示食品を届出するときのマニュアルみたいなもので、内容を守ってくださいということになります。そういった手引きに盛り込むというのを考えているところです。

内容については、例えば、「いわゆる『健康食品』に関するメッセージ」というのが食品安全委員会のワーキンググループから出ておりますので、そういったものも参考にしながら、どういった内容がいいのかというところを今検討しております。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

森田委員、いかがでしょうか。

○森田委員 今出ているスライドでも、改正前の上の段は「含む」となっているけれども、改正後の下の文は、「除く」となり別表第9の第1欄、栄養成分を除いたものに関してはもう自由だというふうな解釈にこの条文だと読めてしまうのでそのことを懸念していました。それを手引きの中に入れていただくという御説明でした。

手引きの改正というのは、これは施行と同じ時期でしょうか。基準改正の施行をできるだけ早くということでしたけれども、それと同じようなタイミングで手引きの改正というのはしていただけるのでしょうか。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 手引きの改正については、こちらの基準改正と同日で改正するという形で進めております。

○森田委員 それでしたら、今回の改正によって、そういった懸念のものが出てこないように、その面で手引きの中に入れていただくことを希望しています。よろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

では、菅委員、お待たせしました。

○菅委員 菅です。

確認ですけれども、今日の御説明までのところを踏まえて、サプリメント形状のものに、今回の改正による「ノン」表示だとか、「少ない」というような形の表示は、具体的に必要性はないと考えているという理解でいいですかということと、なかなかおっしゃりにくいことなのかもしれませんけれども、今回改正されるようなところについては、もともと制定の時点であまり議論がなかったからとのご説明があり、森田委員からお聞きしている感じでは議論がある程度あったのかなと思っていたのですけれども、消費者庁としては改正部分については合理性がなかったと現在考えておられるという理解でいいのでしょうかということの確認です。

○今村部会長 では、消費者庁、お願いします。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 機能性表示食品、反復継続という観点のほかの食品と違うという部分については、関係閣僚会合の取りまとめのほうでも示されております。そういったものへの対応を考えた場合、例えばサプリメント形状というもので、特に天然よりも量を取りやすいようなものについては、いわゆるGMPの義務化により、製品の品質、製造の管理をしっかりやっていくというところで、制度としては見直しをやっていると考えているところです。

一方、反復継続という観点で表示の観点となった場合、先ほど森田委員からも御意見がありますとおり、ビタミンとかミネラルといったものも含めて、いわゆる過剰摂取に注意が必要なものについては、特にサプリメントということにこだわらず、全体的な形で手引きを改正いたしまして、そういったものに注意するという形で進めていきたいと考えているところです。

○今村部会長 菅委員、いかがでしょうか。

○菅委員 2つ目の質問については十分お答えをいただけてはいないのではと思いましたが、サプリメント食品に関する部分については、全体にも関わることですけれども、私自身は十分な改正の必要性の御説明はいただけていないと思っていて、もちろん政府として今まで云々ということはこれまでの「巡る検討会」などの御紹介もありましたけれども、何よりも消費者委員会自身がサプリメント食品に関する意見を出していて、表示広告規制はもっと強化されなければいけないのではないかということを明確にお願いしているところでもあるので、そもそも改正する幅自体は必要な限度に絞られていくべきものだと思っていますというのが意見です。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。御意見として承るということでよろしいですか。

では、中田委員、お願いします。

○中田部会長代理 本日も御説明ありがとうございます。

前回の部会で、今回の機能性表示食品の含まないことの強調表示を可能にする見直しの必要性について御質問させていただきましたが、この時点で改正の必要性があることの背景として、本日の御説明でまず一般の食品と同じように機能性表示食品においても消費者のより自主的な食品選択を促すという目的があることと、また、先般の改正により機能性関与成分に関する表示を誤認するおそれが低い状況が確認されているという認識の御説明であったと思います。

これまでの審議において私が注視している点は、機能性表示食品の中の特にサプリメント形状の機能性表示食品においても、含まないの強調表示を可能とすることによる、健康リスクの有無についてですが、消費者庁で複数の食品製造事業者の方々に実際にヒアリングをしていただいて、サプリメント形状の食品には含まないことを容器包装の主要面に表示するケースは想定されない旨の現場の回答を得られているので、懸念すべき事項ではないという御見解であったと思います。

この点について、今、菅委員の御発言にもあったのですが、杞憂なのかもしれないのですが、機能性表示食品を製造されている企業は様々で、もちろん全事業者の良識を信じたいと思いますが、製造事業者としては少しでも多くの商品を販売したいというインセンティブが働くのが通常であり、今回の改正により、サプリメント食品に含まない強調表示による販売促進が広がっていくことがないか等が気になる点ではあります。

その上で、今回の改正後、消費者庁には、ぜひ事業者に対して、ここまでは可能だけれども、これ以上は不可だよというような、他の委員からのご発言にもありますが、明確なマニュアルやQ&Aの整備及び市場のモニタリング、そして監視の必要性と難しさについても委員から御言及がありましたが、それでも監視監督の徹底をお願いしたく、もし懸念すべき健康リスク等の事案が報告された場合には、新たな対応も必要になってくるのではないかと感じております。

以上、コメントです。

○今村部会長 ありがとうございます。回答を求めますか。特にもうコメントで。

○中田部会長代理 御認識いただければ結構です。

○今村部会長 何度かガイドラインを頑張りますというのと、監視を頑張りますという回答をしていただいているので、もっと頑張ってくださいということですね。ありがとうございます。

ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。

では、田中委員、森田委員の順で御発言をお願いします。

○田中委員 田中です。よろしくお願いします。

今回、表示について、不使用というが表示できるようになるわけです。そもそも栄養成分表示というのは、消費者が把握することで個人の健康づくりを支援するということがあるかと思います。先ほど分かりやすいようにするということが重要であるというような回答をいただいておりますが、例えば砂糖不使用であっても、配慮すべきは、糖類ということだということをきちんとお知らせすべきではないかということです。具体的に言えば、糖類は代謝疾患との関連や虫歯との関係、また最近ではエンプティカロリーというようなことで、健康に対して配慮すべきではないかということがあります。一方企業は、いろいろな観点(都合のいい情報)で表示することを工夫してきます。消費者のほうでは、それに対するきちんとした理解を進めていくことも重要なので、両輪で、例えばQ&Aといった情報提供をして周知していくことも必要ではないか、ということです。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。御意見として承るということでよろしいですか。

○田中委員 はい。

○今村部会長 ありがとうございます。

では、森田委員、お待たせしました。お願いします。

○森田委員 私も、先ほど菅委員が、前回の検討会ではそんなに検討されていなかったのではないかというお話だったのですけれども、このロの規定の検討の経緯を覚えているのです。ロの規定においては、食品表示禁止事項の第8号全体なのですけれども、とにかく機能性表示食品は普通の食品と違うので、消費者が期待をすごく持ってしまうと。機能性関与成分のいろいろないいことが書かれているとさらに期待をしてしまうので、こうしたものは駄目ですよということが決められたということです。ロに関しては、栄養強調は除いて、栄養強調以外のものは全部駄目だというのが、当然だよねということで、それでそんなに検討が行われなかった。規定されている栄養強調表示は仕方ないにしても、それ以外は全部駄目というふうにしているのでいいだろうということで、それでそんなに議論にならなかったということです。

ところが、今回、ロの記述が拡大解釈されて、結局はいろいろな違反のものが出てきたと。機能性表示食品でこういうことが起こっているというようなことが問題だと思います。本制度は事業者のモラルに頼っていて、事業者の倫理観によるものだということが、機能性表示食品がスタートした後の機能性関与成分の検討会でも報告書の中に入っています。そこでは事業者の倫理観について触れ、そこをしっかりやってくださいというふうにわざわざ言っているのですね。

なので、菅委員がそんなに検討されていなかったのか?というふうにおっしゃっていましたけれども、2013年の検討会でも、2016年の検討会でもそのことは議論されているのだけれども、やはり今回の基準改正のようなことになってしまったということ自体が問題だと思っています。

なので、私は、改正の文章の文言が変わることによって拡大解釈がまた起こらないかということを懸念しているので、これは意見なのですけれども、さっき中田部会長代理がおっしゃられたように、事業者がそういうふうに拡大解釈をしないように、ここまではいいですよとかをきちんと指導していただきたいなと思っています。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。御意見としては、指針をしっかりつくってくださいと、監視をしっかりしてくださいという意味の御意見だと承りました。

○森田委員 そうです。

○今村部会長 では、御意見として。菅委員も全く議論していないという意味でおっしゃっているわけではないと思いますので、そこは思ったより議論していなかったというぐらいで。

○菅委員 菅です。

私は、先ほど消費者庁からの御説明の中で、それほど議論されていなかったというようなことを前提にお話しになったようだったので、森田委員が従前議論してきたよという話をしてくださっているのと少しニュアンスが違うと思ったのでそのように申し上げただけで、していないのではないかというのは私の意見や評価ではないということだけを念のため申し上げておきます。すみません。

○森田委員 はい。

○今村部会長 ありがとうございます。

ほかはいかがでしょうか。

○菅委員 総論的な方向性の議論にもう移っているのですか。

○今村部会長 もう全体の質疑ですので。

○菅委員 もう総論的なことでいいのですか。では、もう総論についての意見を。

○今村部会長 では、菅委員、お願いします。

○菅委員 菅です。何度もすみません。改めて。

今、もう全体的なことについてお話が始まっているのかなと思ったので、各論的なことではなくて、全体のことについて少し意見を述べたいと思うのですが、本日もし賛成の答申意見をまとめられるという方向に行くのだとしたら、1つだけお願いがあるといいますか、意見を述べたいです。

前回と今回と、私を含む複数の委員から、今回の食品表示基準の変更に伴う今後の影響について、懸念や疑問が提示されているということは事実であると思います。個人的にも再三申し上げているように、とりわけサプリメント形状の食品について、どのような表示が許され、増えることになるのかの具体例や、その問題点の有無などについて、必ずしも十分な御説明がいただけていないように感じるところでして、サプリメント形状の食品について、広く「ノン」とか「低減」とかいう表示が認められるべき具体的な必要性については、先ほど中田部会長代理もおっしゃったように、「含まない」表示だらけになって誤認の可能性が増える可能性こそあれ、一般の食品と同じとすべきという以上の積極的な理由はなかったように思います。従前のルールが明確に誤りだというのも、ちょっとそれも言い過ぎなのかなと思います。

機能性表示食品の表示における訴求の在り方は、議論の中で、制度の出発点から、一般の食品と同じであってはいけないという懸念から出発していることが今、森田委員の御発言でも改めて分かりましたし、単に「一般の食品と同じにすべき」というだけでは、緩和する理由としては不十分で、限定された具体例に挙げられたような実際上の必要性があるという場面でこそ検討可能なのではないかと思います。

やはりサプリメント形状の食品については、機能性表示食品に限らず、反復継続的な摂取や過量摂取の懸念や優良誤認の誘発が起こりやすいと思われますし、そもそも一般の食品並みの同じような訴求が簡単に認められるべきではないと思うところです。

また、「その他のいわゆる健康食品」も含めた別途横断的なルールが検討されるべきではないかという点については、前回、日弁連の意見書も配付していただきましたけれども、昨年7月16日のこの委員会の答申だけではなくて、同日付の「サプリメント食品に係る消費者問題に関する意見」の考え方に表れた、この部会の従前からの意見とも乖離していないと思います。

それを前置きとして、そうであるとすれば、仮にこの部会から今日、了承する答申意見を出していくのだとしましても、何の留保もない形で賛成する答申をすることについてはにわかに賛同しがたいところがあるので、少なくとも、まず1つ目に、サプリメント形状の食品についてまで一般の食品と同レベルまで禁止を解くことについては必要性が乏しく、懸念も表明されたということ。2つ目に、許される場合、許されない場合を詳しいQ&Aの整備などを通じて周知徹底していただくべきこと。3つ目として、改正後の表示の状況を優良誤認等の誤認が生じていないかの点から注視いただいて、御報告をいただくなどして今後の見直しの余地を残すこと。さらには4つ目として、サプリメント形状の食品を統一するルールを検討する際には、サプリメントの特性に応じた表示規制が改めて検討されるべきこと、などについて、どういう形でもいいので、何らかの附帯意見を出していただくことで、今後あるべきサプリメント法の議論をする際などに、今回の改正点がサプリメント食品にふさわしいものとしてもう十分議論済みなのですよと扱われないような御配慮を何らかの形でお願いしたいと考えております。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

今の菅委員の御意見は、この委員会への総論としての意見として承りました。

ちょっとまた後でこの答申についてお諮りさせていただこうと思いますけれども、その際には今の御意見を十分に酌み取らせていただきたいと思いますが、ほかに御意見としてはいかがでしょうか。

森田委員、手を挙げていただいていますけれども、これは新しい挙手、前の挙手が残っている。

○森田委員 挙手が残っております。前の挙手です。すみません。失礼しました。

○今村部会長 分かりました。

では、阿部委員、お願いします。

○阿部委員 菅委員の意見は本当にそのとおりだと思います。ただ一方で、そのような事業者や製造して販売する側の人たちを、どのように注意喚起するか、あるいは、今回の改正もそうですが改正によってもっと企業を誘発してしまうのではないかということは懸念されます。でも、それは、なぜそのように事業者がするかといったら、国民がそれを求めているからなのだと思うのですね。例えば国民の食生活自体が本当にどのように変わってきているのかということを見ますと、国民健康・栄養調査でも何年か前に調査したことがありますし、東京都などでも調査していますけれども、結構若年層からサプリメントを使っていたり、あるいはスポーツをやっている子供たちが、自分たちが体を強くするためにサプリメントを使ったほうが、より簡単にスポーツが強くなるのではないかというような、いわゆる世の中における栄養や食生活に関しての考え方などがかなり事業者の食品の販売に影響を及ぼしているのではないかと思います。

そういう意味では、サプリメントに関しては、前もお話ししたかもしれないですけれども、ドリンクで1本飲むのは大変だけれども、サプリメントを1個飲むのは簡単です。そうすると、ドリンクで食品を売るよりは、サプリメント状で売ったほうがたくさん機能がありますよというものが売れるということで、ある事業者のお話では、ドリンク状のものからサプリメント状のものに切り換えて販売を進めていきますというお話も聞いたことあります。食経験の問題であったりとか、食事を取る時間がないとか、簡単に短い時間で食事を取りたいとかという、いわゆる国民全体の食生活の在り方がかなり影響を及ぼしているのではないかなというふうに私どもは感じています。

ですので、食品事業者に対してもきちんとした理解をしていただきながら、消費者庁にも監視監督していただくのはもちろんなのですけれども、その一方で、やはり消費者に対して正しい情報をどう与えるかといったときに、まず一番先に目につくのは食品表示なわけですね。その表示を一般食品と同じにしてくださいということではなくて、同じ食品なのに、なぜそれが違うのかというところが、今回は改正したほうがいいのではないかと思っている私の大きな理由なのです。そして、きちんと消費者の方に理解をしていただいて、森田委員が懸念されているようなことももちろんあるのですけれども、ビタミン類に関しては、ある程度、栄養表示基準の中で上限値も下限値も決められていて、それで表示が適正にされているかどうかというのが監視の視点になるわけです。そしてその上限値、下限値が決められていて、その食品を用法・用量のとおり取れば、過剰摂取がないように企業は食品を作っているわけです。しかし、それがサプリメントであるからたくさん取ってしまったりとか、上限値を超えてたくさん摂取してしまうという食習慣自体の問題が、今回の紅麹も大きな原因になっているのではないかと捉えています。

先ほど両輪でというお話をされていましたけれども、やはり両方からやっていかないとこの問題は解決していかないと思います。消費者側の視点からすれば、こういう表示があってほしい。でも、企業からすれば、こういうほうが売れるんじゃないかという、その辺の齟齬というか、求めるものがマッチしていない部分があるのではないかなと思いますので、今回これだけの議論をするというのは非常にいい機会だと思いますし、この議論を踏まえた上で、今後、機能性表示食品の基準が変わったということの公表の仕方であったり、消費者に対しての教育の仕方であったり、そういうものをこの議論を踏まえた上で公表、なおその後の運用を徹底していただくということが一番望ましいのではないかなと思います。単なる事業者の問題だけではないと私は思っていますので、その辺をしっかり今後取り組んでほしいなと思います。

○今村部会長 ありがとうございます。まとめの意見のように言っていただいたので、大変ありがとうございます。今までの議論に加えて、今の消費者側への啓発も重要だということは、今日の議論の中では新しい御意見として承っていたと思います。

ほかはいかがでしょうか。

鈴木委員、お願いします。

○鈴木委員 鈴木です。本日もよろしくお願いいたします。

阿部委員の御発言にもありました消費者側の視点に関する部分ですが、消費者と一括りに言いましても個別のレベル感は相当に違います。表示に関する個人個人の受け取り方もかなり差があるという部分ですので、森田委員なども懸念されている脂溶性ビタミン等の過量摂取で健康被害が出るような成分については、今回の改正で対応することは難しいと思いますが、注意喚起表示により、過量摂取に関する注意を促すなど、消費者が見たら直ぐに分かるような形で示すことが本来であれば必要と考えます。特に一般の食品であれば、先ほどから出てきているように、ジュース1本飲むのは大変というところもありますので、一般的な食品形状を取っている機能性表示食品については、この様な注意喚起表示までは必要ないと思いますが、サプリメント形状で過量摂取による健康被害が出るようなものについては、今後、注意喚起表示を義務または推奨表示として、明記するようなことも考えていただけたらと思います。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

今のことは消費者庁から回答できますか。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 今の御意見は、機能性表示食品以外も含めてという形で受け取ったのですが、そういった形で今後のという。

○鈴木委員 いえ、機能性表示食品の範疇での一般食品と同じ形状のものと、サプリメント形状のものということで、機能性表示食品以外は想定しておりません。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 分かりました。その点については、サプリメント形状にかかわらず、ドリンク形状とかもありますので、そういったものも含めて、脂溶性ビタミン等の注意については記述したいと考えております。

○鈴木委員 ありがとうございます。その場合、義務表示とするのか、推奨表示とするのか。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 機能性表示食品制度は、事業者の方々が消費者庁に届出してもらうという仕組みになっておりまして、その届出のときに参考にしてもらうものが手引きという形になっております。当然ながら、その書いた趣旨というのも、事業者の方々への説明も含めてしっかりやっていきたいと考えております。

○鈴木委員 ありがとうございます。ただ、手引きなので、届出されたときに消費者庁の中でその内容をきちんと確認していただくということが前提にはなるかと思うのですが、脂溶性ビタミン等の注意に関する文言が食品表示基準のほうには出てこないということの理解でよろしいでしょうか。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 基本的には、手引きに沿って届出していただいたものは消費者庁で確認する、基準には設けないですが、しっかりと確認すると考えていただければと思います。

○鈴木委員 ありがとうございます。

○今村部会長 鈴木委員、よろしいですか。

○鈴木委員 できれば食品表示基準自体に明記していただきたいとは思うのですが、今回の改正に盛り込むことは難しい部分だと思いますので、現段階では、手引きでのご対応で結構です。

○今村部会長 ありがとうございます。今回の諮問答申に、さすがにいきなり法律に載せろというのは難しいと思うので、そういう注意喚起を義務化するべきではないかという御意見、御要望があったということで、意見として消費者庁にも聞いていただきたいと思います。ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

御意見、質問、一旦とどめさせていただいて、この諮問をお受けするというか、了解するかどうかについて御議論させていただきたいと思いますけれども、今までの議論を聞いている中で、基本的には諮問内容については答申として了解というふうに委員会の意見としては多かったと思います。ただ、懸念はやはりほぼ全ての委員からいただいていまして、懸念を払拭するだけの説明があったかというと、そうではないという御意見もありましたけれども、かといって、懸念があるから止めるというほどの御意見ではなかったと思います。その中で、やはり指針をしっかりつくっていただいて、監視もしっかりしていただいて、そして消費者への啓発もしっかりしていただくというようなことをちゃんと意見として述べたほうがいいというふうに言っていただいていると理解をしたのですけれども、そのような内容の意見を付すという方針と理解いたしました。

委員の皆様方からの合意がいただけるのだったら、今、諮問答申の案を作成しておりますので、それ見ていただいて御意見を賜れればと思いますけれども、よろしいですかね。

では、事務局から、諮問答申案の意見つきの案を配付していただいて、それについて事務局から御説明をいただいた上で、議論を続けたいと思います。

では、事務局からの御説明をお願いします。

○友行参事官 それでは、追加資料ということで、画面にも映っておりますけれども、委員の先生方のお手元にもあるかと思います。答申書でございます。

令和7年7月22日付をもって諮問のあった、食品表示基準の一部改正について、下記のとおり答申する、でございます。

食品表示基準の一部改正について、諮問された改正案のとおりとすることが適当である。

なお、消費者委員会食品表示部会の議論においては、一般食品と同様の表示ができることや消費者の選択に資することへの前向きな意見が多かった一方で、機能性表示食品は反復継続して摂取されることが見込まれる食品であることへの懸念等が示された。

これらを踏まえ、消費者庁においては、本改正が消費者の自主的かつ合理的な食品選択の機会の確保に寄与し得るよう、事業者に適正な表示を促すための手引きや不正表示を把握・是正するための指針の改定等をお願いしたい。

また、引き続き手引き・指針の内容に準じて適切な監視指導を行うとともに、消費者向けの分かりやすいQ&Aを活用した普及啓発を実施するなど、必要な取組を進めていただきたい。

以上でございます。

失礼いたしました。本日欠席の穐山委員からコメントをいただいておりますので、御紹介いたします。

答申案について賛成いたします。適切な監視が行われることで、虚偽表示は防止されるのではないかと思います。

また、監物委員からもコメントをいただいております。

答申案について、賛成いたします。

以上でございます。

○今村部会長 ありがとうございます。

今、諮問答申案、委員の先生方にも配付させていただきましたけれども、基本的には諮問いただいた内容をそのまま了解させていただくということで、懸念をお伝えするということと、指針をしっかりつくっていただき、それをしっかり監視していただく。そして、この改正内容がちゃんと消費者の皆さんに伝わるようにということを意見として付させていただくということで考えております。今日の議論が完全に含まれているかどうかというのはあるのですけれども、内容的には先生方の御意見を踏襲させていただけているかとは思うのですが、御意見としていかがでしょうか。

では、菅委員、お願いします。

○菅委員 何度もすみません。菅です。

先ほどもう先走って意見を申し上げて、4項目ほど、取り込んでいただけるものについては取り込んでいただきたいというふうに申し上げたところでして、もちろん取り込み方等については部会長に御一任するところも含めてですけれども、サプリメントについて懸念を示しているということについて、何がしかさらなる手当てがなされるとありがたいなと思っております。

もう1つ、形式的なことで申しますと、今いただいている案では、委員会からの答申書のほうになお書きで意見を付しているわけですが、他方で、部会からの意見としては、単に適当である旨を議決したとなっていることが、部会は問題ないと言っているのに、委員会が意見を付したのかというふうに取られてしまうのではないかと思うので、技術的なことで恐縮なのですけれども、部会からも懸念を示していることを部会の意見の中に取り込んではどうなのだろうかと感じますし、部会から何の留保もない形で諮問に賛成する答申を行うことについては、なお少し心情的には抵抗があります。

以上です。

○今村部会長 今の菅委員の御質問について、事務局から、今の質問内容は正しいですかということでちょっと確認をお願いします。

○友行参事官 部会からお返しするということについては、部会として議決権を持っていますので、そして、委員長の同意を得て答申書等を発出するということでありますから、ここに鹿野委員長のお名前しか出ておりませんけれども、これ自体が部会としての決定というふうに見ていただければと思います。

○今村部会長 今配られたものの裏のほうに意見が書いていないという御質問なのですけれども。

○友行参事官 裏のほうにも書くということでございますか。ちょっと検討させていただければと思います。

○今村部会長 だから、今のままだと、部会から意見が出ていないけれども、委員会からだけ意見が出るという形になってしまいませんかという御質問。

○友行参事官 ちょっと確認いたします。

○今村部会長 両方書くのが普通かと思いました。

○友行参事官 承知いたしました。

○今村部会長 お願いします。

ほかにいかがでしょうか。

では、川口委員、お願いします。

○川口委員 川口です。

説明どうもありがとうございます。今回、手引きと指針の改定と、あと監視指導と消費者の普及啓発を要望に追記してくださったのは大変ありがたいと思っております。答申書の内容につきましては賛同しております。

すみません。ちょっと不勉強で申し訳ないのですけれども、確認させていただきたいと思ったことが、この手引きは資料4の23ページにある届出等に関する手引きのことを指しているのだと思うのですけれども、指針というのは、参考資料でつけていただいた3の指針と4のQ&Aのことかなと最初感じたのですが、こちらはサプリメントに関する指針だと思うので、この指針というのはどういったものなのか教えていただけたらありがたいです。よろしくお願いします。

○今村部会長 事務局、よろしいですか。

○友行参事官 消費者庁さんが出している手引きや指針を全て把握しているわけではありませんけれども、手引きと言われているものや、いわゆるガイドラインと言われるものの中で、今回の改正に関係するものについては、すべからくきちんと改正するなり、それに基づく指導などを行いたいという趣旨であります。

○川口委員 分かりました。どうもありがとうございます。

○今村部会長 消費者庁に確認ですけれども、今、改正しようとしているのは指針という表現でよろしいですか。ガイドラインという表現が出てきたり、通知という表現が出てきたり、幾つか出ていたと思うのですが、それとQ&Aとしての部分と手引きとあったと思うのですけれども。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 機能性表示食品に関しての食品表示課から出しているものについては、議題2のほうでも説明させてもらっているとおり、手引きと質疑応答集と、あと、事業者向けに当然ながら届出する際に必要な情報というのは適宜送れるような形で、そういったシステムで情報共有するというようなところとか、そういったところでやらせていただいているところです。

○今村部会長 すると、この指針と書くところは手引きのほうがよろしいですかね。言われる側としてどちらがいいかということですけれども。

○川口委員 参考資料3に書かれているような、行政側が監視指導をするときのための指針みたいな、そういったものをここでは表しているのかなと思ったのですけれども、この資料の分はサプリメントに関するものだけなので、これ以外のものも指すのですかといった趣旨で質問させていただきました。

手引きについては、消費者庁さんがマニュアルを改定して出されている、事業者の届出等に関する手引きのことというのは理解しております。すみません。説明が悪くて申し訳ございません。

○今村部会長 分かりました。でも、重要な御指摘だと思うので、今おっしゃっていただいた部分を指針という言葉でくくって表現するのか、ちゃんと手引きと書いたほうがいいのかというのは用語上も重要なことであると思うので、これは事務局のほうでまた整理をしていただいてよろしいですかね。

○友行参事官 承知しました。

○今村部会長 手引きもあるし、指針もあるし、Q&Aもあるのですけれども、それが何種類もあって、それをどう表現しますかということで、指針が一番強そうなので、指針と書かせていただいてはいるのですけれども、手引きのほうがよければですけれども、通知本体もございますので、それをどう呼ぶかということだと思います。そこはまた事務局と相談していただければと。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 分かりました。

○今村部会長 お願いします。

ほかに内容についていかがでしょうか。

では、菅委員、お願いします。

○菅委員 菅です。何度もすみません。

先ほど4点申し上げたのをもう一度申し上げ直すことはしませんが、私が申し上げた中で1つ、適切な監視指導をしていただく中の、実際に今回改正された後に優良誤認などの誤認が生じていないかということについて、特にサプリメントを念頭に置いていますけれども、消費者庁より御報告をいただいて、何か当部会でも検証できるような形がとれないかなと思いますので、事後的にご報告をしていただきたいというようなメッセージを載せるということは問題があるでしょうか。

以上です。

○今村部会長 報告について載せるかどうか、事務局とも大分やったのですけれども、結構皆さんに賛成していただいているというのが、ちょっと我々としても、強い懸念ならば報告を求めるのですけれども、多くの賛成ということであれば、注意喚起の範囲かと思ってこのように案をつくっています。

ただ、この後、御報告内容の質疑がありますけれども、そもそも機能性表示食品の今後の状況については報告していただくかどうかということも議論として対象になると思うので、次の議題の先には、そこはちょっと菅委員からも御指摘いただければと思います。

今回の範囲としては、技術的な文言の使い方は座長に一任させていただくということで、諮問答申案について、この内容で進めさせていただくということでよろしいでしょうか。

ウェブの先生方も、問題があるようでしたら挙手をお願いしたいと思いますが、特に問題がなければこれで進めたいと思います。

ありがとうございます。これで同意が得られたと思いますので、今回、消費者委員会の食品表示部会としても、この内容として出したいと思いますし、これが表示部会長から消費者委員会の委員長に報告すれば、消費者委員会からそのままの答申案として出ていくということですので、この形で出させていただくということで進めたいと思います。

事務局から何か補足ありますか。

○友行参事官 特にございません。

○今村部会長 ありがとうございます。

《3.機能性表示食品の見直し項目等に関する対応状況について》

○今村部会長 では、次の議題に移りたいと思います。

こちらも委員の皆様方からたくさん御意見があると思いますが、機能性表示食品の見直し項目等についての対応状況についてということであります。

前回の会議の際に消費者庁から報告をいただきました。今回、新たに制度改正後に健康被害情報の収集状況などについても公表されている状況がありますので、消費者庁から御説明いただいた上で質疑に入っていきたいと思います。

では、消費者庁から御説明をお願いします。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 それでは、前回御説明をさせていただきました資料4「機能性表示食品制度の令和6年度の見直しについて」の健康被害の情報収集と、収集した情報への対応について説明させていただければと思っております。

資料のほうは資料4の8ページになります。今画面にも写しておりますが、機能性表示食品制度の見直しで、営業者から都道府県知事等への健康被害、「おそれ」を含むと食品衛生法第51条に基づく省令の規定で、厚生労働省で機能性表示食品の健康被害を義務にする、それ以外の健康被害については努力義務としております。

食品表示法も同様の改正をしておりまして、機能性表示食品の届出者が、「おそれ」を含む健康被害の情報を得た場合は、消費者庁に報告をする形になっておりまして、基本的には事業者から都道府県等に伝える情報と、事業者から消費者庁に伝える情報は同じものが来ております。厚生労働省には、都道府県知事等からの情報が、その後情報提供されるという形になっております。厚生労働省で収集した情報の対応について、厚生労働省のホームページを紹介する形にはなるのですが、紹介させていただきます。

○今村部会長 画面を見ながらということですね。お願いします。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 今、画面に映しているのが、厚生労働省のホームページになるのですが、「機能性表示食品等の健康被害情報への対応に関する小委員会」が設置されておりまして、画面には、小委員会の資料を示させてもらっておりますが、まず小委員会の目的になります。目的については、食品衛生法上の必要な措置の要否を検討するということで、検討事項といたしましては、都道府県等から厚生労働省に報告された健康被害について、都道府県等が消費者、医師等から聞き取った情報を基に、個々の事例における食品との関連性を総合的に評価する。2つ目が、短期的な対応として、流通防止等の措置の要否を検討する。3つ目といたしましては、中長期的対応として、基準策定等の措置の要否を検討する。こういった検討事項の目的をもって、この小委員会が定期的に開催されているというような状況になっております。

実際の措置の要否の検討のイメージというのが下にございますが、都道府県等から厚生労働省の健康被害情報が報告をされた際は、まずは都道府県等が聞き取った情報を基に、食品との関連性を総合的に評価する。食品との関連が否定できないでは、左のほうに行きまして、その中で、食品衛生法の措置の要否を検討する。短期的な例、中長期的な例が示されております。真ん中のほうに行きますと、食品との関連が否定できる場合は、食品衛生法上の措置は必要なし。右に行きまして、その他、情報不足は引き続き情報収集。このフローで進められております。

最も直近にこの小委員会を開催されたのが8月18日になっております。その8月18日の議論について検討の流れとして示させてもらえればと思います。8月18日の小委員会においては、先ほど説明いたしました都道府県等から厚生労働省への健康被害の報告が37製品ありました。そのうち20製品が機能性表示食品、特定保健用食品はゼロ、それら以外のいわゆる健康食品が17製品ということが報告されています。その情報を、事務局が各委員に事前に評価を依頼いたしまして、各委員による事前の評価をしております。

その事前の評価を踏まえて、左側に行きます。1人でも「関連性が疑われる」と評価した事例が10製品、機能性表示食品が7製品、いわゆる健康食品が3製品ということで、この10製品について、小委員会の場で議論をされております。

一方、それ以外の27製品については、①以外の事例ということで、情報不足のため関連性が判断できない等となっておりまして、27製品の内訳としては、機能性表示食品が13製品、いわゆる健康食品が14製品になりますが、各委員で最終的な評価を確認、評価結果に従った対応を実施、情報収集等となっております。

この小委員会の議事要旨がホームページに載っておりますが、そちらについては、ここで示しているような食品衛生法上の措置の要否の検討が必要なものはなかったとまとめられており、小委員会を開いて、都道府県等から来ている情報について、それぞれ評価をしていく取組がされております。

消費者庁においても、オブザーバーという形でこの小委員会に出席をしておりまして、例えば機能性表示食品であれば届出者がおりますので、届出者へのヒアリング等、必要があれば対応しています。このように、厚生労働省と連携しながら対応しております。

以上になります。

○今村部会長 ありがとうございます。健康被害の報告について説明いただきました。

これと併せて、穐山委員から、今回欠席されたわけですけれども、御意見と資料をいただいていますので、その内容につきまして、事務局から御説明をお願いします。

○友行参事官 それでは、こちらの議題に関しまして、本日御欠席の穐山委員より参考資料3、4、5を御提供いただいております。コメントと併せて御紹介させていただきます。

コメントでございます。微生物等関連原材料を用いた食品を、製造者等に対する安全性確保の取組を進めるため、消費者庁食品衛生基準審査課では、令和6年12月27日付で、「錠剤、カプセル剤等食品の製造管理及び品質管理に関する指針について」を一部改正した上で、製品標準書を作成する際に参照すべき指針として、微生物等関連原材料を用いる錠剤、カプセル剤等食品の製品標準書の作成に関する指針を新たに通知しております。私、すなわち穐山委員も解説を執筆させていただきましたということでございます。

微生物等関連原材料を用いた機能性表示食品の届出者には、この指針をGMPにおける製品標準書を作成する際の参考にしていただきたいと思います。

以上がコメントでございます。

○今村部会長 ありがとうございます。

ちょっと自分の理解をもう一遍おさらいさせてもらいますと、穐山委員からの御指摘は、今回の機能性表示食品の見直しに際して、もともとあった錠剤、カプセル等に関する指針、ガイドラインの改正をしていただいて、消費者庁にやってきた食品衛生基準審査課のほうで12月に改正をされていて、それがGMPの改正と併せて、原材料まで含めて、そのGMPをどこまで及ぼすかという改正と、特に生物由来、生物を使ったものについては新しい基準が定められて、その運用を開始していただいているということを穐山委員のお立場から情報提供していただいたというふうに今考えております。

これは何か消費者庁からコメントございますか。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 食品表示課の通知ではありませんので、もし御質問等があれば、通知の内容を紹介させてもらう形でお答えできればとは思っております。

○今村部会長 分かりました。機能性表示食品のGMPもこれを採用してやっていただいているということですので、内容的にはこの内容がGMPとしては採用されていて、穐山先生から分かりやすく説明を書いていただいたものもありますので、こちらを読んでいただくと、その関係のほうは割と分かりやすく理解ができるかなと思います。

ということで、今、追加の説明をいただきましたけれども、前回宿題というか持ち越しになっておりましたこの施策についての御意見や御質問等をしていきたいと思います。これもまた挙手の方法でやっていきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

では、森田委員、お願いします。

○森田委員 これは健康被害情報のお話だけということになりますでしょうか。

○今村部会長 違います。今回追加で説明してもらっただけで、施策全体に対しての質疑であります。

○森田委員 それでは、前回御説明いただいた内容の中で疑問が幾つかありますので、そのことについて質問したいと思います。

まず、「容器包装上の表示の見直しについて」の⑥のスライドを見せていただけますでしょうか。今まで私たちの消費者委員会食品表示部会でお話を聞いてきたのは、機能性表示の在り方の見直しについての②、③とか④のスライドだったかなと思います。その中で②とか③でも、例えば「ルテインには○○し、▲▲する機能があることを報告されています」というスライドを見せていただいて、「○○し、▲▲する」のポイント数の規定とか、「報告されています」というのが小さい文字になったらいかがなものかということを今まで議論してきたと思います。その上で答申をしたということなのですけれども、この⑥のスライドは施行されたのち、今年の1月か3月かに事業者団体向けの説明会資料で出てきたものです。、このうち、「適切な例」の③を見ますと、「機能性関与成分の研究報告による」ということで「GABA ○○し、△△の改善に役立つ」、この3つのトリプルの成分に関して切り出し表示を強調しているように見えてしまいます。

今までの議論だったら、1つのものだけで「○○し、▲▲する機能があることを報告されています」、システマチックレビューにおいてはそのようなものだったのが、これを見ますと、「機能性関与成分の研究報告による」という文字は随分小さくてもよさそうな感じで、3つの成分が大きく切り出しをされている。この切り出しの仕方というのは、紅麹問題の小林製薬の製品は、「悪玉コレステロールを下げる」と大きく切り出し表示で消費者に目立つように書かれていて、その表示方法も問題になったので、システマチックレビューに関しては報告によるというのをきちんと書きましょうということだったと思うのです。ところが、この例全部そうなのですけれども、「報告されています」が随分小さいなと。そして、強調して切り出しをされているように見えてしまうということがありますので、部会ではかなり慎重に議論をしてきたのに、事業者向けにこういうふうになっているというのはどうでしょうか。切り出しをあれだけ注意してくださいと言っていたのですけれども、これではどうかなと思いました。これを「適切な例」とされているわけで、これがお勧めの例となってしまうことに懸念をしています。これは懸念しているという意見です。

それから、もう1つは、消費者委員会は、消費者委員会として2024年7月16日に意見書を公表してくださっていまして、鹿野委員長の記者会見も7月16日に行って、その意見書のポイントという中で、健康被害情報の収集ですとかその実効性確保、表示広告の規制、消費者への情報提供及び注意喚起、そして消費者保護の取組を規律する法制度と組織の明確化ということで、委員会ではサプリメント食品に係る消費者問題は重要事項であるというふうに認識して、今後も調査審議を行ってまいりますと申しております。ここに関しては、調査審議というのは、今回こうやって1年たって振り返っているということかと思います。けれども、その後、例えば、菅委員がサプリメントの食品全体に関して様々な意見書を出してくださっていますけれども、こうしたことについて、その後の審議が行われているかどうかというのが2つ目の質問です。例えば、厚生労働省のほうで錠剤、サプリメントの規制の強化のお話が先ほどありましたけれども、そういったことが今後、調査審議されていくのかどうかということが質問でございます。

以上、意見と質問ということで申し上げました。

○今村部会長 ありがとうございます。

1つ目の御意見、⑥は先ほど前田委員からも、これは分かりにくくなったのではないかという御意見がありましたけれども、そういう意見があったと。可能なら回答いただければと思います。

それと、2つ目は質問ですけれども、サプリメントについて消費者委員会から意見が出ていますけれども、それについての政府としての進捗状況はいかがかという御質問です。

では、回答可能な範囲でお願いします。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 まず、資料4のスライド20ページの「容器包装の表示の在り方の見直しについて⑥」になりますが、こちらについては実際には機能性関与成分が3つあるとき、複数あるときの表示の書き方というところで、例えば「機能があることが報告されています」というのは、3つ成分があれば全部にこの表現を書く形になりますので、「機能があることが報告されています」というのは1つとして、複数の成分、GABAであったり、難消化性デキストリンであったり、イヌリンであったりというところがそれぞれの成分について「機能があることが報告されています」ということが分かるような一体として表示する例として示したものとなっております。

もう一点の政府全体のというお話になりますが、当然ながらそういった関係閣僚会合の取りまとめという中で示されていることについては、消費者庁だけではなく、厚生労働省とも連携してやっていくことが必要になっていると思っておりますが、現時点で報告できるものは、今のところはないと思っております。

○今村部会長 森田委員、いかがでしょうか。

○森田委員 まず一点目ですけれども、食品表示部会の議事録などを読んでいただきますと、切り出し表示、抜き書きをして切り出しを強調することは消費者を誤認させるので慎重にという意見が結構出ていたかなと思います。そういった意図があまり配慮されていないような書き方が「適切な例」として示されているのではないかなと。前田委員もおっしゃっていたように、かえって分かりにくくなったというか、消費者に対して、機能が強調され過ぎているような感じを受けました。

2つ目に関しては、まだ進んでないということで、これも進めていただければと思います。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

かつての議論だと、報告によるというのと役立つというのが同じぐらいのフォントでないといけないというような、もしくは報告のほうが大きな字でないといけないという議論があった中で、これは逆転しているのではないかというのが森田委員の御意見だと思います。もうこれは出てしまっていると思うので、今後、資料をつくる際にまた御配慮いただきたいと思います。

ほかはいかがでしょうか。ないということはないと思うのですけれども。

川口委員、お願いします。

○川口委員 川口でございます。

前回から併せて説明どうもありがとうございました。届出者からの健康被害情報報告につきましては、本日も詳しく説明をしていただいて、幅広く適切なものが上がるようになっていて、これまでに措置が必要なものは生じていないと聞いて安心しております。

資料4の5ページの②のGMPチームがもう既に立ち上がっていて、350施設全て検査する体制が整っているということで、昨年の検討の段階では専門家による検査体制の構築というのは大変だろうなと思っていましたけれども、こんなに早く体制を整えてくださったことに感謝申し上げます。消費者の立場としましては、GMP管理により機能性表示食品の信頼性が高まって、その他のいわゆる「健康食品」についても事業者の自主的な取組が進んで、機能性表示食品に移行する動きが起きればよいなと願っております。

あと、13ページの右側にある「可能な限りGMP管理を実施することが望ましい」と努力義務のような表現となっているのは、製品の形状とか製造工程を考慮してと思われます。現在、GMPを暫定的に運用されているということですが、今後の確認状況や運用状況を踏まえて、令和8年9月の実施までに明確にしていただけたらと願っております。

同時に、13ページのGMPのフローチャートは、一番上と一番下以外は外れるというフローになっておりますが、一番下の食品の合理的理由の判断基準がぶれないように、状況確認をしながら明確にしてもらえたらと考えます。

最後に、27ページの届出データベースがリニューアルされて、表示見本も上のほうに載っていて、消費者にとってもとても分かりやすくなったと思います。ぜひ引き続き消費者への周知も行って、より多くの方に活用してもらいたいと願っております。

また、事業者にとっても年1回の自己点検の報告漏れ防止の機能など様々な機能も追加されて、より分かりやすくなったという感想を持っております。

今後、閲覧数とか問合せなどの状況を見ながら、必要に応じてさらなる改善をしてもらえたらと願っております。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

御意見として承るということでよろしいでしょうか。

ウェブで笠岡委員が挙手いただいていますので、笠岡委員、発言をお願いします。

○笠岡委員 笠岡です。よろしくお願いします。

資料の8ページの健康被害情報の流れについてのスライドになります。こちらの健康被害情報のフローは昨年も拝見させていただいて、そのときにも意見させていただいた内容とまた同じになるのですけれども、新しく義務化された太い矢印、因果関係が特定されていなくても、医師の診断があれば、その食品が原因で健康被害を受けたおそれがあるもの、疑いがあるもの、断定されていなくても疑いがあれば全て行政へ報告するということで今回改正されたと思います。ただ、医師の診断があるかというところだけに限定してしまうと、実際には医師の診断がなくても、例えば同じ製造ロットの食品を製造販売して、その食品を食べた複数のお客様が健康被害を起こされて、問合せが複数来ている状態。ただ、健康被害を起こされているお客様は、体調不良ですぐに病院を受診できないというケースもあるかと思います。

なので、医師の診断があるかどうかに限定しないで、複数の消費者から問合せが来ているかどうかであったりとか、その食品が原因で健康被害が起きている疑いがあるかどうかというのを総合的に判断した上での報告義務としたほうがよいのではないかなと思っています。

ただ、食品事業者側としては、医師の診断があるかどうかという判断基準があるというのはすごく分かりやすい、明確ではあると思うのですけれども、実際には疑いがあるもの、おそれがあるものを全て拾い上げることが情報収集の流れを改正した目的であるとするなら、いろいろな場面を想定して、例えば買った食品に目視で確認できるかびが生えていたケースでは、、実際には食べていないから健康危害は起きていませんし病院も受診していないけれども、同じ製造ロットの同製品はカビ毒に汚染されているリスクがあり、健康危害の疑いはあると想定されます。総合的な判断の上で報告義務を課したほうがいいのではないかなと思っています。

あともう1つ、森田委員からの意見と同じになるのですが、20ページの容器包装上の表示の在り方の見直しについてのパッケージ表示の適切な例で、こちらは私もかなり機能性表示に対しての断定的な表現になっているなということを懸念しています。容器包装上の表示の見直しを行った本来の目的は、今までの断定的な表現だとその食品そのものに機能性があると誤解を招くおそれがあるので、その誤解を招くおそれがないように表示の在り方を見直したと思うのですけれども、やはり「研究報告による」という文章と機能性の表示が分離されているように見える。断定的な表現に見えてしまうのではないかなと感じています。

こちらのパッケージの表示については、事前質問で、文字サイズの差をつけてもよいのかどうかというのを質問させていただいたのですが、その中では、8ポイント以上であれば「研究報告による」という文字サイズを小さくして、機能性に関する表現の文字サイズを大きくしてもいいですよという回答をされていたと思うのですが、8ポイントはパッケージの表面に表示する文字サイズとしてはかなり小さいと思うので、8ポイント以上であれば幾らでも文字サイズに差をつけてもいいですよというのは、今までの改正前とあまり変わらない結構断定的な表現になってしまうのではないかなというのを懸念しています。

私からは以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

今の二点、消費者庁から回答をお願いします。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 まず、お客様相談窓口に購入者などが電話をされるというのは、様々な場合が考えられますが、その中で健康被害の情報があった場合、医者に診てもらっていない場合、そういった情報を聞いた事業者の方は、当然ながら、その状況に応じて、お医者さん診てもらってくださいと、受診を促すことがまず大事だと思っております。そういったことについては示しているところでございます。様々な情報が来る中で、医師の診断があったものについて、義務の形で保健所に伝えてください、消費者庁に伝えてくださいというのを今回、義務にしたところになっております。

一方、先ほど御意見ございましたかびが生えたとか、そういった情報についても当然ながら、食品衛生法上の措置を考えていくものだと思っておりますので、必要があれば、自治体で判断されると思っております。状況に応じて適切に対応していくのが大事だと考えております。

続きまして、表示については、様々な表示の見本がある中で、ここの「機能があることが報告されています」だけではなくて、全体的に視認性の確認ということで、例えば一体的になっているかどうかを確認した形で示しているところです。

8ポイントという部分については、もともとの機能性表示というところで必ず書いていただかなければいけない義務になっているところについては8ポイント以上で書いていただくということで、実際に機能性表示食品の場合、そういった表示がされているのが、どちらかというと裏とかに書かれているものが多いかなと思っております。この機能性表示の内容をキャッチコピーのような形で主要面に持ってくるときに、消費者に誤認がないように、視認性の確保をしなければいけないと考えております。そういった意味で表示の一部分だけではなくて、全体を見て、誤認がないようにと届出の手引きをつくりながらやっているというのが現状になっております。

○今村部会長 ありがとうございます。

笠岡委員、いかがでしょうか。

○笠岡委員 ありがとうございます。健康被害の情報収集については、確かに医師の診断があるかどうか、食品事業者側としても、お客様へ病院を受診されることはもちろん勧めます。ただ、お客様が病院へ行かれるのを待っていると情報提供が遅れてしまうのかなという懸念があり、ちょっと意見を述べさせていただきました。

あと、容器包装の表示の見本については、そうしますと、8ポイント以上であれば幾らでも文字の差をつけてよいということではなくて、実際にパッケージの見本の提出も行うので、その全体のバランスを見て判断するということでしょうか。

○今村部会長 消費者庁、お願いします。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 そちらについては、先ほどスライドの20ページでも示させてもらっておりますが、やはり表示として、全体としての視認性の確保というのは重要だと思っておりますので、そういった観点については事業者にも説明をいたしますし、表示見本で一体的にされているかどうかというところで、手引きに沿っているのかどうかといったものも含めて確認をしております。

○笠岡委員 かしこまりました。ありがとうございます。

○今村部会長 ありがとうございます。

20ページの「報告による」の字が本体よりも小さいというのは、やはりみんなこの委員会としては気になるところなので、今後、事例を出す際には、ぜひその辺は留意をしていただきたいと思います。

今、田中委員がウェブで手を挙げていただいていますので、田中委員、お願いします。

○田中委員 よろしくお願いします。

容器包装上の表示のところで、一番下に「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」というのが、一番小さくなっているのですが、これはこのようにだんだんないがしろになってしまったということなのでしょうか。

というのは、最初にこの表示が義務化されたのは、平成16年の「『健康食品』に係る今後の制度のあり方」の中の提言でされたものです。、その意図は、こういった機能の表示によって、食生活が不適切であったとしても、機能よって何とか解消するというようなことで、機能への期待が、適切な食生活を阻害されることは、本末転倒であるというようなことから、適切な食生活ができる旨の表示をしましょうということで表示するようになりました。ですので、保健機能食品には、全てに表示するということです。併せて、その機能成分については、機能性表示食品には届出番号が書いてあり、。栄養機能食品については、何が栄養機能成分なのかということを、分かるように栄養機能食品の近くに書くようになっています。基本的に適切な食生活をしていないと、どんな機能性のある食品を食べていても意味がないということなので、非常に大事な表示だと思っておりますので、適切な大きさの表示ができればいいと考えております。

あともう一点、健康被害情報の収集についてです。これは前に情報収集について、どんな種類のものを、どんな数で、どういうふうに整理されているのかというのを伺ったところです。先ほど報告で記されておりますが、数多くはないというのが印象です。

さはさりながら、こういった情報収集の方法や実情、実績は、公表をされることで、専門家の新たな意見や消費者への教育ということにもつながり、重要な情報になるかと思います。厚労省では、食品衛生法に基づく中で該当しないとそれで終わってしまうということもあるかと思いますが、積極的にこういった実施の継続と公表をお願いしたいと考えております。

以上です。一点目は質問なので、御意見いただければと思います。

○今村部会長 ありがとうございます。

では、字が小さいのではないかという御指摘ですけれども、一点目について御回答を。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 こちらの表現については、先生御指摘のとおり表示の義務事項として必ず入れてくださいという規定にしております。規定上は、先ほどの8ポイントにも対応することになります。

○今村部会長 今この20ページ自身が8ポイントを上回っていますか。もうちょっと強調してほしいという御意見。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 いずれにしてもスライドの資料は工夫させていただきます。

○今村部会長 ぜひお願いしたいと思います。

田中委員、よろしいでしょうか。

○田中委員 そうですね。私としては、そこがまず基本であって、その上での機能性表示だと思っておりますので、最も基本的な部分はきちんと表示すべきと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

では、今後の資料作成の際には、ぜひその点に留意をお願いしたいと思います。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 分かりました。

○今村部会長 ほかはいかがでしょうか。

では、阿部委員、小川委員の順でお願いします。

○阿部委員 お願いになるかと思います。機能性表示食品の健康被害情報の収集の流れの改正図ですが、もちろん消費者が、これは健康被害を受けたのではないかということがまずは一番の発端になるかと思いますが、消費者が本当にこれは健康被害なのかどうか気がつかない、あるいはこれを摂取したらもしかしたら健康被害を起こしてしまうというふうな健康な人ばかりではないので、そういう人たちが未然に健康被害をどう防ぐのかということも非常に重要になるかと思います。

そういう意味では、この点々の矢印がありますけれども、例えば消費者から医療機関への矢印がありますが、逆のパターンのほうが結構多いのではないかと。というのは、医師会の動きの中では、医師の先生たちが今まではどんな薬を飲んでますかと聞いたけれども、いわゆるサプリメントはどんなものを飲んでますかというのはなかなか聞けなかったと。そのときにサプリメントの、いわゆる機能性表示食品でもそうですけれども、どういう機能性を持ってその人たちがそれを食べてるのか知らなかったということで、先日、医師会の中でも勉強会がございました。健康情報をこういうところから把握して診察に活用しましょうとかという勉強会でした。医師の先生方が、コレステロールが高くて、薬以外に何を飲んでいますか、こういうものを飲んでいます、サプリメントを飲んでますと言ったときに、どのくらい飲んでいるのですか、飲み過ぎではないですかというふうに、逆に医師のほうから消費者の方に情報を伝達するとともに、もしそこで健康被害が起きているのであれば、そこからきちんと報告をするという、いわゆる専門家を介した健康情報の収集と被害防止が非常に大事になるのではないかなと思っています。

そういう意味では、消費者から営業者への矢印のところに、先ほど前田委員が薬局の役割が非常に大事になりますとおっしゃいましたけれども、薬剤師であったり、管理栄養士であったり、様々な健康食品を扱う人たちが健康被害を防ぐためと、健康被害が発生したときにどのように医師の診断につなげるのか、どこにどのように情報提供したらいいのかという、いわゆる専門職種間の連携がこの全体の図を円滑に、効果的に運用していくためには非常に大事になるのかなと思います。そういう意味では、本当にお願い事になるのですけれども、消費者にはもちろん消費者教育も必要なのでしょうけれども、連携する専門職種に対しても、このような制度運営について御理解いただくような研修やセミナーなどを計画していただきながら情報を共有していただけるとありがたいなと思いましたので、よろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。これは御意見として。

○阿部委員 お願いです。

○今村部会長 では、お願いとして聞いていただくということでお願いします。

では、小川委員、お願いします。

○小川委員 御説明どうもありがとうございました。

GMPの要件化についてもお伺いしてもよろしいのですよね。では、資料4の4ページ、5ページに関わることをお伺いしたいと思っております。前回の委員会の中でも、対象の工場の数であるとか立入検査をする体制のことをいろいろ教えていただきまして、先行して進めてくださっているということで大変心強く思ったところです。そこで、気になってまいりますのが、このGMPの要件化という新しい制度が有効そうかどうかという点です。GMPの要件化に当たってモニタリングを先行して実施されている中で、前回から追加して訪問された箇所も含めて、有効性や実効性、課題など、何かお感じになったところがあるか、あったらどういった内容ですかというのが一点目。

二点目は、立入検査を受けられている事業者さんから、どういった反応が返ってきているかということ、三点目は、立入検査した結果は公表されるかどうかということです。三点目は、今までお伺いしてなかったと思います。国民の信頼性という観点では、立入検査が行われているという事実と併せて、立入検査の結果がもし公表していただけるのであれば、それも一つ信頼性を高めることになると考えられますので、その辺りのお考えを教えていただきたいと思います。

○今村部会長 では、消費者庁から、今のGMPの監視なり調査の実態ということで回答をお願いします。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 前回御説明いたしましたとおり、4月に体制を整備いたしまして、現在、施設に伺っているわけですが、見直し制度のGMPの経過措置が来年の8月末まででございます。8月末までの間に準備をしてもらうため、各施設へ行かせていただいておりますので、監視指導の立入検査ではなくて、実施状況の確認として行っております。できていないから指導するという目的ではなく、できていないことは、施設の皆さんでやっていきましょうと促すことが目的として実施させていただいている状況となっております。

昔からGMPをやっている施設があれば、まだ準備段階というところもございますので、各施設に行くときは、事前に状況の確認ができるところは確認をして、実際には行ったときに、現場の状況を見させていただきながら、こちらからアドバイスをさせてもらい、双方向のコミュニケーションが大事ですので、その中で、こちらからのアドバイスに対してどのような対応ができるかということを施設ごと、そのときそのときで相談をさせていただいております。

そういった確認を今まさに行っているところですが、今後も施設を伺うことで、ある程度状況が確認できれば、事業者で自己確認が大事だと思っておりますので、自己確認をしていただくために、指針を出そうと考えております。資料4の5ページに示させてもらっておりますが、自主点検指針を作成することを書かせていただいております。事業者が届出をした後、事後的な確認が大事になりますので、その事後的な確認のための自主点検の指針を作成して、運用していきたい、今は、そういった状況になっております。

○小川委員 ありがとうございます。現在準備段階として回られているというところは、前回御説明いただいたので理解しているつもりなのですけれども、実際に運用が始まったときに立入検査をした場合の結果みたいなものは何か公表されるとか、その辺りはいかがですか。

○今村部会長 消費者庁、いかがですか。監視結果の公表予定はあるかという御質問ですが。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 今はまだ、来年8月末までのことで考えておりますので、その後についてはまだ検討しておりません。

○今村部会長 施行後の訪問は監視になると思うので、その監視結果は公表していく予定ですかね。普通、食品衛生監視で回数とかは公表していると思うのですが、その辺は特にまだ決まっていないということですか。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 どのように行うかということもあると思います。今は、状況の確認という段階になっております。

○今村部会長 よろしいですか。

○小川委員 これからそういった辺りも検討していただければと思います。

以上です。ありがとうございます。

○今村部会長 ありがとうございます。

では、菅委員、お願いします。

○菅委員 ありがとうございます。

笠岡委員がおっしゃった、医師が診断したものに限るのが十分か否かについては私も同様の疑問というか懸念を持っております。また、表示の方法について、複数の委員の皆さん方からこれでいいのかということについて疑問が呈されているところについても全く同感で、単なる視認性だけの問題ではなくて、誤認を生じさせないように表示できているかどうかという点から積極的な指導というか、監視をしていただけたらなと感じました。

先ほどの健康被害情報の収集に関しては、食衛法63条に基づく食中毒の情報と、新しい制度の中で出てくる被害の情報が数量的にもどういう感じになっていくのかというのには、今後のこととしては関心があるので、また実態を教えていただけたらと思います。今日お答えいただく質問ではないとは思っています。

少し詳しく御説明をいただきたいのは、資料4の11ページ以下の「合理的な理由の考え方」ということなのですが、「合理的な理由」については、11ページにもありますように、事業者の側から少なくとも理由を付して届け出ることになるだと思うのですけれども、13ページの参考フローチャートの前提となるところで、11ページに紹介されている食品表示基準の別表第26の六のロやハの御説明を以前にお受けした折には、機能性表示食品のうち、いわゆるサプリメント形状のものについては、基本的に別表第26の六のロの(1)になるのであって、(2)の例外に当たるとして「合理的な理由」を説明可能なものはあまり想定できないことを前提になさっていたように理解していたつもりであったのですけれども、それは、判断フローとしても別表第26の四の書きぶりや六の書きぶりから、その要件に該当するかを文言から導ける形で考えることが前提といいますか、「天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品」に該当するかをまず考えて、その後で例外的に許容すべき場合があり得るかを検討するフローが想定されていたのではないかと思うのです。

ところが、今回お示しいただいている資料4の12ページや13ページでは、基準の文言からは直ちに導かれないものを独自に、「天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品」該当性の判断の要件に加える形になって、しかも、その判断順序が13ページのフローチャートで見て分かるように、文言からすっと理解できるような形でないフローで判断されるものがつくられているような印象を持っておりまして、文言の解釈としてはいささか限界を超えてしまっているのではないか、端的に言うと、ここまでの複雑なフローがもし必要なのだとするならば、その文言を調整する必要すらあるのではないかとも感じるところなので、個人的に大いに違和感があります。

質問になる点としては、先ほど川口委員もおっしゃったかもしれませんけれども、13ページで「暫定的措置」と書かれている意味です。これは文言上は該当するかもしれないけれども、しばらくの間はしなくてよいという運用をしますよということなのでしょうか。「暫定」とはどういう時期が来るまでを想定しているのか教えていただけたらと思います。例えば、13ページのフローだと最初に「錠剤、カプセル剤形状である」というのがあって、「等」を外してこの2つで絞る形で判断するわけなのですけれども、もう別表第26の四の文言から離れてしまっていると思います。もしそうでないなら、誤解のないようにすべきだと思います。もし離れてしまっているとしたら、間口から大変分かりにくいのではないかと思います。既に使用されている説明資料であるとは思うのですが、見直しを検討されなくてもいいのだろうかと疑問に思うところです。

また、12ページ末尾の「最終製品において、本来天然に存在するものと成分割合が異なっていないもの」を除外するとか、「最終製品(1包装等)の全てを摂取しても、成分の摂取量が本来天然に存在するものと同等程度と思われるもの」とか、さらには13ページで「過剰摂取の可能性が低いもの」とか、「すでに食経験が十分である」とか、どこからその基準が出てきたのか、にわかに理解しがたい解釈上の要件が登場しているというのは、食品表示基準の文言をつくることと同等ぐらいの重みがあるのではないかと感じます。問題のある成分を含む原材料が濃縮等されて危険が顕在化してしまうようなケースに対応できているのかについても疑問を感じます。

定義が難しい話なのだということは重々分かった上で、このフローチャートが運用されていくのだとすると、文言との関係でどういう位置づけなのか。そして、今回の御説明が単なる御報告的なものではなくて、当部会での一定の意見やオーソライズを求める趣旨がもし含まれているのならば、なおさらこういう理解で本当に問題がないのかを、もう少し本当は時間をかけて十分吟味する必要があるのではないかと感じるフローチャートです。混乱を招くことはないのかと強く懸念するところなので、特に例外の要件を明確に絞っておきませんと、せっかくのサプリメント製造に課した安全性確保の仕組みが台無しになりかねないのではないかと思うので、ちょっと厳しい申し上げ方になったかもしれないのですけれども、懸念を申し上げておきたいと思います。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

今回、これは諮問事項ではありませんので、意見として了解を求めるとかということではないのですが、経過を報告していただく上で表示部会からの意見を消費者庁に聞いていただくということが目的ですので、無視されるものではないですが、必ずこの委員会として了解を得るというようなことでもないということです。

今、13ページのフロー図について御質問がありましたので、これにつきまして消費者庁から回答をお願いします。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 まず、資料4のスライド13頁の暫定的な措置になりますが、こちらについては、見直しの改正で初めてGMPを導入しておりますので、範囲について、今、暫定的に運用している状況と考えております。今、消費者庁においてGMPの確認を行い、運用状況を確認しているところですので、確認状況も含め、区分のところについては、範囲も含めて今後検討していくものと考えております。

例えば、先ほど御説明をさせていただいた資料4の11ページで、別表第26で規定をしているところですが、天然物、天然由来の抽出物を用いて分画、精製、濃縮、乾燥、化学的反応等、本来天然に存在するものと成分割合が異なっているもの又は化学的合成品を原材料とするということで、錠剤、カプセル剤は分かりやすいのですが、それ以降の粉末剤、液剤等となった場合は、様々な食品が存在しますので、その中でGMPの対象とするものを考えた場合、どこまでの範囲を対象とするかということを暫定的に決めさせてもらっているのが今の状況と考えております。

その中で、運用といたしましては、別表第26の六のその他の必要な事項で、天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等の食品に該当する届出、もちろん錠剤、カプセル剤を作っている方はこの(1)で届出してもらうわけなのですが、(2)で届出いただく方については、該当しない合理的な理由を記載して届出してもらうことになっております。

この合理的な理由について、どのような例があるかということが、その後のスライド13のフローチャートであり、スライド14の表になっています。合理的な理由の考え方がスライド12になっており、GMPによる管理が必要な理由というのは、過剰摂取による健康被害が発生する可能性が高いという観点で要件化をしております。ですので、原材料だけではなくて、最終製品の状態、つまり、1日の最終的な製品の摂取量、そういったものも考えながら、本来天然に存在するものと成分割合が変わらない食品であるかどうか、過剰摂取の可能性が高いか低いかという観点で、次のスライド13のフローチャートを作っております。

ですので、粉末や液体であった場合、例えば清涼飲料水なのか、それとも液剤になるのか、ほかにも、例えばグミであれば菓子なのかどうか、チョコレートであれば菓子なのかという観点がありますので、その観点でフローチャートの図で説明をしているところです。それぞれ整理したものについて、合理的な理由の例をスライド14に示しておりますが、例えば液体のもの、①のみかんジュースであれば、合理的な理由を説明していただいて、(1)の天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品ではなく、(2)の(1)以外の加工食品になりますよということで、説明を届出の際に記載いただいております。

今後、合理的な理由の確認が増えることによって、実態も把握できてきますので、暫定的措置については、今後も検討していく考えになっております。

○今村部会長 ありがとうございます。

では、菅委員、お願いします。

○菅委員 難しいのは重々分かっているのですけれども、12ページ記載の「過剰摂取による健康被害が発生する可能性が高い」かどうかは要件にはなっていない形で規定はつくられたものであって、文言にない要件で実質的に範囲を緩めてしまっているということになると思いますし、14ページの表の⑤の「名称」欄の中にある「※当然、『主に、過剰摂取につながるおそれのあるもの』は除く」とか、「食品概要」欄の中の「(例えば、1粒当たりに錠剤と同等程度の機能性関与成分を含むようなものではないもの)とか、こういう要件をどんどん増やしていくと、文言上はかなり幅広くGMPを導入して安全性確保をすることまで求める制度設計をしたのだというメッセージを発しているのに反して、なし崩し的にという言い方はあれなのですけれども、明確ではない基準で例外が膨らんでしまう。そのことが事業者の混乱を生むだけではなくて、消費者にとってもマイナスになるようなことにならないか。ここを詰めていったときに、どういう要件を課すと例外を適切に絞ることができるのかはもちろん議論を深めていただく必要があると思うのですけれども、あまり曖昧になってしまうと、せっかくGMPを取り組もうとするところが、逆に本当は取り組まなくてもよかったみたいなことになってもおかしなことになりますし、適切に条件を絞るということについて、今回ご説明のような取組がもしなされるのであれば、なおさら、より深い、その内容でいいかどうかの検討がなされていく必要があるのではないかなという懸念を感じました。そのことだけお伝えしておきたいと思います。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

今、鈴木委員が挙手いただいていて、16時半に退室されるということで、鈴木委員、先んじて発言をお願いします。

○鈴木委員 ありがとうございます。鈴木です。

今の菅委員と同じ箇所になります。まず1つ目は天然抽出等を原料とする錠剤、カプセル剤等の食品でないとする合理的な理由の考え方のスライドの部分についてですが、これは多分、当初から私のほうで錠剤、カプセル剤等食品ということで、この等の部分の範囲が分かりにくいという指摘をさせていただいた内容について、工夫をしていただき、今回フローチャートのような形でお示しをいただきました。これにより、私の懸念をしておりましたグミやラムネのように過量に食べることができる形状の食品の扱いに関して、実際どこに該当するのかを改めて考えるときに役立つものと考えます。一定程度の規模の企業であればそれほど問題とはならないことも多いと考えますが、昨今、小規模事業者であっても機能性素材を使用して、菓子状の機能性表示食品を作るケースも考えられますので、その様な事業者にとっては、こういったフローチャートや、14ページの合理的な理由の例を示していただいたことについては、一定程度の効果が期待出来るのではないかと思っています。菅委員がおっしゃられていたような懸念はございますので、今後、中身を精査して、より分かりやすいものにしていただけるとありがたいと思います。

2つ目は、皆様のほうから出ております、20ページに載っている容器包装上の表示の在り方の見直しについての例示の部分になります。先ほど来、表示方法については、法的なところは現段階となっては変えがたいという部分もあり、6ページにも載っている機能性表示食品の届出に関する手引きで具体的な縛りをかけていくということでした。ただ、実際に今回この手引きの改正案が示されたかというと、示していただいていない部分です。施行日と同日に発表されるということでしたので、未だ未公開の部分で改定の余地があるということであれば、先ほどから他の委員からも指摘されている「報告による」という文字や、食生活は主食というようなこの記載が小さく見えてしまうことに対する対策を手引きに明確に示していただきたいと考えます。

先ほど消費者庁様から御回答に、バランスを見て指導する予定というご発言もございました。そこで、バランスというところでいくと、最低の文字のポイント数は8ポイントということでいいかとは思うのですが、景品表示法的に誤認を防ぐ目的で表示を規定されている公正競争規約では、同一視野に入る場所に何ポイント以上の太字の活字で表示することや、色の指定などをすることで、誰が表示を行っても、消費者から見たときに同じ印象となるような工夫をされています。この様な規定に従って、業界団体の中で適切に運用されていることがございますので、ぜひそういった観点で、手引きの中でも、消費者の誤認を招かない見本となるようなバランスを数値化し、誰が行っても一定の印象を保つことのできる表示形式を示していただけるようにお願いをしたいと思います。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。これは御意見として承るということでよろしいですか。

○鈴木委員 結構です。

○今村部会長 先ほどからの指摘事項のおさらいという形ですね。

○鈴木委員 はい。

○今村部会長 ほかにいかがでしょうか。

中田委員、お願いします。

○中田部会長代理 制度見直し後の様々な対応と進捗の御説明をありがとうございます。一点コメントとお願いです。

今日の前半の議論の中で、阿部委員より、最近は若年層にも機能性表示食品の中でもサプリメントを積極的に摂取している人が多く、国民のサプリメントに対するニーズが高まっているという御発言があって個人的にはっとしたのですが、それを伺い、改めて、サプリメントに特化した品質管理と規制の最適化が待ったなしの急務であると感じた次第です。

その上で、今日、穐山委員より、専門家のお力を借りて消費者庁食品衛生基準審査課による錠剤、カプセル剤等食品の製品標準書の作成に関する指針、通知の進捗について御報告があり、御提出いただいた参考資料も拝見して、進捗があることを大変心強く思いました。

並行して、サプリメント全体に対する規制の在り方については、冒頭で森田委員からの進捗の御質問に対して、現時点では報告できる内容はほぼないというお答えがありましたが、多分現実的には消費者庁と厚生労働省、またその他の省庁をまたぐ案件になっていると思いますが、できれば今後、本件についてどちらの省庁がリードされ、どのような体制とスケジュール感で進められていくことになるとお考えであるかということを、多分、表示改正だけでも大変お忙しいと思いますが、消費者庁の中でのお考えや業務の優先順位に対するお考えがあれば御教示いただきたいと思います。

二点目はお願いなのですが、今回は制度見直し後の1回目の報告をいただいて、おかげさまでとても有意義な審議が可能になったと思います。この件はこの部会としてだけではなくて、国民にとっても非常に関心の高い案件であると思いますので、今後も引き続き定期的な状況報告をお願いしたいと思います。

以上二点でございます。

○今村部会長 ありがとうございます。

一点質問があって、今答えられる範囲で、サプリメントの検討についての今後の見通しについて。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 先ほども説明いたしましたが、様々な省庁が関連しますので、本日御意見いただいたことは関係省庁とも共有しながら進めたいと思っております。

○中田部会長代理 かしこまりました。進捗があった時点で、ぜひこの部会でも御共有いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

○今村部会長 今御要望として出ましたけれども、今後もこの機能性表示食品の進捗については報告してほしいということですけれども、それは今後また報告してもらえると考えてよろしいですかね。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 御要望いただければ説明させていただきたいと思います。

○今村部会長 分かりました。また定期的に進捗を教えていただければと思います。

では、菅委員、お願いします。

○菅委員 菅です。

かぶせるような意見で申し訳ないのですけれども、当部会のこれまでの意見として確認しておきたいこととしては、機能性表示食品に関する前回の改正は、取り急ぎ緊急で対応すべきと政府が考えていらっしゃることについて承認をするものではあっても、機能性表示食品制度全体の問題についても、あるいはサプリメント形状の食品特有の問題についても、その安全性確保の面でも、あるべき表示の在り方の面やその他の面についても、決して手当てが十分完了したという話ではなくて、むしろたくさんの問題があることが噴出して、より根本的な問題も含めてさらに検討、改善をすべきことが多々あるのだということを表明してきたのだと思いますし、それが奇しくも「見直しについて」の議論の場面に出てきているように、まだまだたくさん検討していただかなければいけないことがあるのだなと改めて感じました。

ですので、ひととおり手当てが済んだから一安心ということにはしないでいただいて、かなり強めのメッセージを消費者委員会から去年の7月16日に附帯意見とサプリメントに関する意見として出しているわけですから、消費者庁におかれても、ぜひ継続的に一層の取組を進めてほしいですし、正直、先ほどのご説明で、あまりまだ進んでいなくて報告ができることがありませんと言われたのは、私は個人的にがっかりしました。それは多分、私以外の委員の中にも同じような感想をお持ちになった方もいると思うので、これからの検討は次期以降の皆さん方の御検討に委ねることになると思うのですけれども、ぜひ消費者庁の皆さんとしては、消費者委員会から出した意見について本腰で取り組んでいただきたいと、かぶせてで恐縮ですけれども、お願いしておきたいと思います。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。菅委員の今の御指摘は、委員会としても切に願っていることですので、ぜひお願いしたいと思います。

ただ、今のお立場で全てを説明するのはしんどいということも理解はいたしますので、そこはこの委員会の意向も酌んでいただいて、今後対応を考えてもらえればと思います。

ほかはいかがでしょうか。

では、お願いします。

○河野委員 食品産業センターの河野です。

もう議論が大分出尽くした中で恐縮なのですけれども、今後、届出情報の表示方法の見直しについて、既に施行日以前に届け出たものの新しい表示方法での届出というのがこれから増加していくのだと思うのです。そこで事業者もしっかり届出の手引きにのっとって、誤解のないような形で当然届出をしていくのですけれども、今後駆け込み的にそういう届出が増加する中で、さきの議論にもありましたけれども、かなりそちらでの監視ということも重要になってきますので、そういった中で届出が集中して、確認等が大変になって、混乱が起きないようにということだけはお願いしておきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○今村部会長 御要望ということで、分かりました。

ほかにいかがでしょうか。ウェブの方もよろしいでしょうか。

今回は報告いただいている内容についての了解を得るということではないのですけれども、我々から意見を聞いていただくということで、全体の今までの議論を取りまとめさせていただきますと、大きく分けて3つですね。1つは、20ページの例に代表されるように字の問題ですか。特に、今まで「報告されている」ということと強調表示は同じぐらいの字にしましょうと言っていたのに小さくなっているということや、バランスの取れた食事を取りましょうということが本来なのに、どんどん小さくなっているというような御指摘で、字の問題については今後の周知の際にも留意をされたいということが多くの意見としてありました。

次に多くの意見があったのは、フローチャートのサプリメントの等の扱いですね。このようにするのはやむを得ないと言いつつ、分かりにくいということや、消費者庁のほうからは、まだ暫定というのは、もうこれで経験を積んで区分けをしていくのだということであったのですけれども、ここをより一層精緻化していく、ちゃんとフローチャートが分かりやすくなっていくということの御要望と考えました。

それと、先ほどもこの報告、今後も我々のほうからも要請があれば答えていただけるということですので、進捗について、ある程度時間がたったらまたぜひ報告をいただきたいと思います。

あと、多くの意見があったのが、医師以外の届出についてなのですが、医師会が説明会を開いた背景には、医師が報告する上でも非常に複雑怪奇なやり方になって。

○阿部委員 説明会というよりも、機能性表示食品自体とか機能性成分について、なかなか医師でも難しいと。やはり診察していて、こういうものを飲んでいます、食べていますと言われても、そういうものがどんなものなのかというのが、今、衛研のほうでも情報公開していますし、もちろん消費者庁でもやっているので、そういうものを医師全体が理解をして、診療の中で活用できればいいのではないかというふうな委員会の中でそういう勉強会がありました。そういう形がどんどん末端にまで広がっていかないと、健康被害を防ぐといったときに、消費者自身が個人で判断するのはなかなか難しい状況もあるので、また、薬剤師さんであったりとか、栄養士もそうですけれども、栄養相談を受けたときにこういうものを食べています、飲んでいますといったときに、そこできちんと説明ができれば、表示のこともそうですけれども、そういうことができれば、もう少しフローチャートの矢印の合間、隙間が埋められるのではないかなと考えているという意見でございます。

○今村部会長 私もそう思うのですけれども、現実に医師の届出の51条の通知をちょっと読んでいただくと、あれ、普通は理解ができないというなかなか強烈な通知になっていて、医師に限定してさえあんなにややこしくなるというと実例だと思うのです。だから、もともと63条で提供できないものを51条でやるとしたら、こういうルール分けをしていれば報告できますよねというのを何とかつくったけれども、多分、あれは職種を広げると書けないと思うのです。

○阿部委員 職種を広げてくださいと言っているわけではなくて、いわゆる医師に情報を伝える間にコメディカルがいるのではないかと。医師に直接行くのはなかなか難しいけれども、その間に介せる専門職種はたくさんいるので、そういう人たちが、医師がよりそういう報告をきちんと出せるような形で専門職が情報共有をしていったほうがいいのではないかという要望です。

○今村部会長 分かりました。では、そこは対応が医師だけでなく増やすということよりも、どちらかというと医師への情報提供をコメディカルとしても支援するというような御意見という考えで分かりました。そのように整理させていただきます。

去年の議論でも、医師以外に広げるかどうかというのはさんざんやったので、医師に限定した上で、その医師への情報提供ということで。

○阿部委員 医師に限定するのはよろしいのですけれども、ただ、医師がより多くの情報をきちんと報告するためには、医師だけではなく、その周辺の専門職、コメディカルも含めてきちんと情報を共有するのと、それと、やはり医師に行く前の健康被害の予防というか防止というものがすごく大事になってくるので、医師に行く前の消費者が健康被害になりそうなところを防ぐことも非常に重要になってくるので、健康被害の情報を報告するだけではなくて、それ以外の対策も視野に入れてやっていただきたいという意見です。

○今村部会長 分かりました。

では、今3つ、字が小さい、フローチャート、報告の話をしましたが、4つ目として、健康被害の報告の際にコメディカルの支援ということをぜひ今後検討していただきたいということで、4つほど我々の委員会から御意見として伝えさせていただくということで進めたいと思います。これは議事録には残りますので、そのような意見をこの表示部会から消費者庁にお伝えしたということで、まずは報告をお受けさせていただくということでよろしいですかね。

では、そのように進めたいと思いますので、何か今のことについて消費者庁からコメントございますか。

○消費者庁食品表示課今西保健表示室長 貴重な御意見いただきありがとうございました。いただいた御意見を踏まえて、引き続きこの制度の適切な運用に努めてまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

今の御意見も含めて、今は8次の消費者委員会でございますけれども、9次の消費者委員会に引き継ぎ事項をつくっているところですので、この機能性表示食品の見直しに関するフォローアップも次の消費者委員会に引き継いでいきたいと思いますので、第9次の消費者委員会での議論に期待したいと思います。

では、これでこちらのほうで準備した議題は全て終了しましたが、事務局のほうからお願いします。

《4.閉会》

○友行参事官 本日も長時間にわたりまして御熱心な御議論いただきまして、誠にありがとうございます。

事務局といたしましては、今、今村部会長からもお話がございましたとおり、機能性表示食品の見直し等に関するフォローアップにつきましては、この後、恐らく第9次消費者委員会になると思いますが、継続して実施するということを考えております。

本日、所管外であるといったことから回答が得られなかった点、または積み残しの検討課題につきましても、消費者庁をはじめとする関係省庁とも丁寧に相談しながら、第9次消費者委員会において対応してまいりたいと存じております。

以上です。

○小林事務局長 事務局長をしております小林です。

本日も大変御熱心な御議論をありがとうございました。先ほどもありましたとおり、第8次消費者委員会での食品表示部会としましては本日で最終回となります。毎回予定時間を大幅に上回る大変御熱心な議論をいただきまして、本当にありがとうございました。今後とも消費者委員会としてお世話になることがあると思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○今村部会長 ありがとうございました。

第8次の消費者委員会としてはもうこれが最後ですので、本当に先生方の御協力の下に活発な議論と、そして前向きな提言を発することができたと思います。先生方に心から感謝を申し上げたいと思いますし、たくさんの資料もいただきまして、全てがこの委員会に出せているわけではないと思いますけれども、できる限り公開資料とさせていただいて、それが消費者庁やほかの省庁との参考資料となっていけるように努力してきたつもりでございます。

おかげをもちまして、この食品表示部会、無事任期を終えることができました。先生方の御協力に心から感謝を申し上げまして、この会議を閉会とさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。

(以上)