第71回 食品表示部会 議事録
日時
2024年6月6日(木)16:00~18:47
出席者
- 【委員】
- 今村部会長、中田部会長代理、阿部委員、小川委員、笠岡委員、川口委員、菅委員、鈴木委員、前田委員、森田委員、穐山委員、河野委員
- 【消費者庁】
- 依田審議官、清水食品表示課長、今川食品表示課保健表示室長
- 【厚生労働省】
- 健康・生活衛生局食品監視安全課三木食品監視分析官、医薬局佐藤監視指導・麻薬対策課長
- 【事務局】
- 小林事務局長、後藤審議官、友行参事官
≪1.開会≫
○友行参事官 それでは、時間となりましたので始めさせていただきたいと思います。
本日は、皆様お忙しいところを御参加いただきまして誠にありがとうございます。
ただいまから「消費者委員会第71回食品表示部会」を開催いたします。
本日は、今村部会長、阿部委員、小川委員、笠岡委員、川口委員、菅委員、鈴木委員、前田委員、森田委員が会議室にて御出席、中田部会長代理、穐山委員、河野委員はオンラインにて御出席いただいております。
なお、監物委員、田中委員は所用により御欠席でございます。
過半数に達しており、定足数を満たしていることを御報告いたします。
本日、消費者庁から、依田審議官、清水食品表示課長、今川食品表示課保健表示室長に御出席いただいております。
また、質疑対応として厚生労働省から健康・生活衛生局食品監視安全課と、医薬局監視指導・麻薬対策課にも御出席いただいております。誠にありがとうございます。
本日は報道関係者のみ会議室で傍聴いただき、一般傍聴者にはYouTubeによりオンラインにて視聴いただいております。
議事録につきましては、後日、委員会ホームページにて掲載いたします。議事録が掲載されるまでの間はYouTubeでの見逃し動画配信を行います。
本日お配りしております資料は議事次第に記載しておりますとおり、資料1、参考資料1から参考資料4となっております。
もし不足等がございましたら、事務局までお申出くださいますようお願いいたします。
それでは、今村部会長、以降の進行をお願いいたします。
○今村部会長 ありがとうございます。
今日は非常に重たい議論をすることになります。ぜひ委員の先生方の活発な御議論と、積極的な会議への参加をお願いしたいと思っております。
≪2.食品表示基準改正(機能性表示食品)の方向性について≫
○今村部会長 それでは、本日の議題であります「食品表示基準改正の方向性について」に入りたいと思います。
御存じのとおり、紅麹を含む機能性表示食品での健康被害発生を受けて、機能性食品制度の課題を整理し、改善するために、消費者庁において4月から機能性表示食品を巡る検討会が開催され、5月27日に報告書が取りまとめられました。
5月31日には紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合が開催され、政府の方針が取りまとめられました。その内容を受け、今後食品表示基準の改正をする際には消費者委員会にも諮問がなされます。
先日開催された第435回の消費者委員会で鹿野委員長より御発言もありましたとおり、今回、食品表示基準に係る部分だけでなく、関連法令との関連も確認しつつ調査、審議を行う必要があるということから、機能性食品制度創設時と同じく当部会で決議を行わず、本会議にて部会の意見を報告するという形になります。
御案内のとおり、消費者委員会は諮問するだけでなく建議をするということもあって、幅広くその御意見をいただき、政府全体の意向や対応を確認するという形が取られているものであります。
そのために、まずはこの表示部会のほうで政府の皆さんから対応の御意見を聞いて、委員の皆様からの質疑を踏まえて、そして諮問される内容が適切かどうかということに加えて、それに附帯決議として、意見として言わなければいけないことをまとめていく。そのようなステップを踏んでいくというふうに理解しております。
本日は、今後の食品表示部会での審議を円滑に行うという観点から、表示基準の改正の方向性について御説明を担当部局のほうからいただきまして御議論いただきたいと思います。御説明としては、30分程度をお願いしているところでございます。
既に委員の先生からは紙で多くの意見や質問を出していただいておりまして、関係者の方には事前に共有しているところであります。この時点で既に100を超える意見と質問をいただいていますので、できるだけ簡潔に議論が進められればと思います。これについても、最初の説明の中で含められる範囲は含めていただいてと思っています。
議事の進行ですけれども、御説明いただいた後、各委員の先生から既に御意見、御質問をいただいていますので、それについて一巡で御説明をいただきたいと思っております。それに対して総括的に事務局、担当部局のほうから御回答いただいた後、個別の質問に入っていくというふうな形を取れればと思います。
それでは消費者庁からの御説明をお願いいたします。
○消費者庁食品表示課今川保健表示室長 消費者庁食品表示課保健表示室長の今川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず参考資料の2-1をお願いいたします。
これまで消費者庁のほうでも機能性表示食品を巡る検討会を行ってきました。そういった内容を踏まえて、5月31日に紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合の中で今後の対応ということで取りまとめられております。
今、参考資料の2-1としてお示しさせていただいているのがその概要でございます。当面の対応と今後の対応とございますけれども、お時間の関係もございますので、右側の今後の対応を御説明申し上げたいと思います。
大きく分けて1から4とございますけれども、まず1のほうですね。「健康被害の情報提供の義務化」というところでございますけれども、これまで健康被害の報告、あるいはその次のGMPも含めまして、消費者庁の通知であります機能性表示食品の届出等に関するガイドラインにおいて規定されていたというものでございます。
そうした中で今後の対応というところでは事業者、ここで言う事業者は届出者ということでございますけれども、健康被害と疑われる情報をまず収集し、収集した上で健康被害と疑われる情報、これは医師が診断したものに限るとなってございますが、それを把握した場合には当該食品との因果関係が不明であっても速やかに消費者庁長官及び都道府県知事等に情報提供することを食品表示法に基づく内閣府令である食品表示基準における届出者の遵守事項とする。今まではガイドラインでしたけれども、そこで表示基準上に届出者の遵守事項と位置づけるということでございます。
提出期限につきましては、重篤度等に対応した明確なルールを設けるというふうになってございます。
ピンクの矢印のところでございますけれども、まず食品表示法に基づきましてこれらを遵守しない場合には機能性表示を行わないよう指示・命令する行政措置を行うことが可能になるというものでございます。法制的に盛り込むことによって法制的な指示・命令をすることができるということになります。
それから次ですけれども、同様に食品衛生法の規定でございますが、これまで食品衛生法の施行規則におきまして機能性表示食品だけでなく食品全般について健康被害が疑われる情報、医師が診断したものに限りますが、把握した営業者は都道府県知事等に情報提供するよう努めなければならないという規定が現時点でもございます。基本的にここを維持するということになりますけれども、今後の対応として機能性表示食品を製造・販売する営業者(届出者)に対しては都道府県知事等への情報提供を食品衛生法施行規則において義務づけるというものでございます。
これによりましてピンクのところですけれども、情報提供の義務化により違反した場合は食品衛生法に基づいて営業の禁止・停止の行政措置が可能になるというものでございます。
そして、集まりました情報につきましては次ですけれども、都道府県知事等に提供された健康被害の事例については引き続き厚生労働省に集約し、医学・疫学的に分析・評価を行った上で定期的に結果を公表というものでございます。現時点でも行っているものを、引き続き集約して行っていくというものでございます。
それから次の大きな2番ですけれども、「機能性表示食品制度の信頼性を高めるための措置」の「(1)GMPの要件化」でございます。先ほど申しましたように、GMPは現在は機能性表示食品の届出等に関するガイドラインの中で強く推奨しているという状況でございます。それを、機能性表示を行うサプリメントにつきましてはGMPに基づく製造管理を同様に食品表示基準上における届出者の遵守事項とするというところです。こういった遵守事項について、届出者は自主点検をするとともに、必要な体制を整備した上で消費者庁が食品表示法に基づく立入検査等を行うというものでございます。
それから次の「(2)その他信頼性の確保のための措置」でございますけれども、5つほどポツがございます。
一番上ですが、新規の機能性関与成分につきましては科学的知見を有する専門家の意見を聞く仕組みを導入というところ、それからそれを踏まえて届出時の確認をより慎重に行う手続(販売前提出期限の特例)を食品表示基準に明記というものでございます。
それから次のポツですけれども、届出後の定期的な自己評価・公表など、届出後の遵守事項の遵守を要件化というものでございます。
次のポツとその次のポツは直接的に食品表示基準に明記するということではないのですけれども、PRISMA2020の準拠については令和7年4月からの新規届出から順次導入していくというものでございます。
それから、事後チェックのための買上げ調査の事業を現在は100件くらい年間行っておりますけれども、その対象件数の拡充を図るというものでございます。
それから、ポツの一番下ですね。トクホとの違い、あるいは摂取上の注意事項、こういった記載方法などの表示方法や表示位置などの方式の見直し、この辺りは食品表示基準上も関わってくるというものでございます。後ほどここも御説明申し上げます。
大きい3番といたしましては、「情報提供のDX化、消費者教育の強化」ということで情報提供をできるだけ消費者目線で分かりやすくしていく必要があるというもの、それからこういった機能性表示食品の位置づけ、トクホなどとの違い、医薬品ではないということなどについての消費者教育も必要でないか、あるいはリスクコミュニケーションも必要ではないかというところでございます。
4の「国と地方の役割分担」でございますけれども、主に厚生労働省のほうにはなってくるのですが、現在大まかに分けますと輸入食品の輸入時は国が監視・指導を行っている。一方、国内のもの、あるいは国内に入ってきた輸入食品につきましては国内の衛生確保は国内の自治体が行っている。大まかにそういう役割分担を行っているところでございますけれども、それを基本的には維持しつつ、今回のような緊急事態、緊急性が高い事案であって全国的な対応が求められるもの、これのうち発生機序が不明であり高度な調査が必要と国が判断した事案については都道府県等と連携しつつ必要に応じて国が対応するというものでございます。
それから、その下の青いところは今後の予定ということになります。食品表示基準の改正について、まさにこの消費者委員会への諮問やパブリックコメントなど、所定の手続を経て可及的速やかに公布し、届出者の準備期間を確保するための周知期間を設けた上で円滑に施行、このときに食品衛生法施行規則、先ほど御説明申し上げました健康被害情報の提供の義務化のところですね。この施行規則の改正も、同時期に公布・施行を行う予定としているところでございます。
それから、大きいⅢ番の「今回の事案を踏まえた更なる検討課題」ということですけれども、健康被害の原因究明は現在も行っているところでございますが、進めつつ、科学的な必要性がある場合には、本件及び同一の事案の発生を防止するための食品衛生法上の規格基準の策定や衛生管理措置の徹底を検討する。
その次のポツで、トクホについても今申し上げました同様の措置の運用を講ずることを速やかに検討するということ。
それから、信頼回復に向けた取組として、届出者による表示の適正化等の自主的な取組を促進するというもの。
最後でございますけれども、食品業界の実態を踏まえつつ、サプリメントに関する規制の在り方、許可業種や営業許可施設の基準の在り方などについて必要に応じて検討を進めるというものでございます。
以上が、5月31日の紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合で取りまとめられました今後の対応の概要でございます。
続きまして、これらも踏まえて資料1をお願いします。
資料1は、これらを踏まえました「食品表示基準の一部改正の方向性」というものでございます。誠に申し訳ございません。今日、食品表示基準の細かい新旧などは間に合っておりませんので、可能な限り詳しく食品表示基準上での改正の方向性を御説明申し上げたいと思います。
まず1番は「法令上の取扱い」でございますけれども、先ほど申しましたように、これまでは機能性表示食品の届出等に関するガイドラインに基づいて行ってきたというものでございますが、これらについて必要なものは食品表示基準において明確化するということで制度の信頼性を高めるというものでございます。そうすることによりまして、違反した場合には食品表示法上の指示・命令などの行政措置を行うことにより、その遵守の担保を行うというものでございます。
続きまして、2の「対応の方向性」でございます。
まず「入口」としての届出時点での規定でございます。
現状は、届出事項の書類等の不備がないかの形式確認を行っています。どういった書類を提出いただくかは次の5つのポツですけれども、医薬品を惹起させる表現がないかですとか、安全性ですとか機能性、それから生産・製造及び品質の管理、あるいは健康被害の情報収集体制、こういったものの書類を提出いただいて、不備がないか確認して問題がなければ公表という形になってございます。
こうした中で、その四角の下ですけれども、【新規成分に係る届出者の評価を慎重に確認する手続】ということでございます。例えば、新規成分などのようにこれまで届出実績がないこと、あるいはその他の事由により特に時間を要すると消費者庁長官が認めるものは、安全性や機能性の課題について医学や薬学等の専門家の意見を聴く仕組みを導入するといったことなどの検討を行っております。その場合、届出資料の提出期限を、現時点で60日というところを120日営業日前とすることを食品表示基準上に明記するというものでございます。
次のページでございますけれども、一番上ですが、提出していただいた科学的知見について届出後にさらなる充実が行われることもあろうかと思います。そういった充実により、届出いただいていた機能性表示を行うことが適切でないと判明した場合については、機能性表示を行うという要件を満たさなくなり、当該表示ができなくなるということを食品表示基準上明確化するというものでございます。
次に【GMP要件化】というところでございますけれども、現在、「錠剤、カプセル剤等通知」、あるいは先ほど申しましたように機能性表示食品の届出等に関するガイドライン、これらによって推奨をしているところでございます。そうしたところから、品質の確保を徹底する観点から機能性表示を行うサプリメントについて、これは機能性表示食品全般ということではなくて、その中でもサプリメントについてGMPに基づく製造管理を行っていただく。それを届出者の遵守事項として、関連する情報を届出させる。そして、届出後、その遵守状況について届出者が自主点検をするとともに、必要な体制を整備した上で消費者庁が食品表示法に基づく立入検査等を行うというものでございます。
それから、大きい3番で「届出後(販売中)のフォローアップ」ということですけれども、現状は届出された場合、何らか疑義が生じた場合などは照会をかけつつ、必要に応じて届出の撤回・変更を求めるということを行っているところでございますけれども、その四角の下の【届出後の遵守事項】ということで、届出後の遵守事項を遵守しない場合、機能性表示食品としての要件を満たさなくなるということを食品表示基準上に明確化するということで考えてございます。
次の3ページでございますけれども、届出後の遵守事項としては以下の大きく4つを想定しております。
1つ目としては「サプリメント最終製品の製造についてGMPの遵守」、この最終製品というのは錠剤・カプセル剤などをまさに作る工場ということになります。そこから先に小分けする事業者もいらっしゃると思いますけれども、その場合にはそこもということにはなりますが、これらの方々についてGMPに基づく製造管理をしていただくことを食品表示基準における届出者の遵守事項とします。
これを遵守しなかった場合には、まず食品表示基準第9条に保健機能食品以外の食品に特定の保健の目的が期待できる旨を示す用語は禁止する旨の規定がございますけれども、その機能性表示が許されるものとして機能性表示食品というカテゴリーがございます。その機能性表示食品としての表示を行うに当たっての要件になりますので、GMPを遵守いただくということになろうかと思っております。
仮にこれが遵守できなかった場合、まずは届出者に自主点検を行っていただくことになりますけれども、必要に応じて消費者庁が立入調検査などを行って遵守状況を確認しながら指導しつつ、改善を促していくということになろうかと思っております。法制的な要件になりますが、要件化されれば、必要があれば食品表示法に基づく指示・命令などが行っていけるということになります。
続きまして②番ですけれども、「健康被害の情報の収集と提供の遵守」というものでございます。
これは、サプリメントに限らず機能性表示食品全般ということになろうかと思っておりますけれども、届出者は健康被害と疑われる情報をまずは収集していただきます。それに伴い、健康被害と疑われる情報(医師が診断したものに限る。)を把握した場合は、当該食品との因果関係が不明であっても速やかに消費者庁長官及び都道府県知事等に情報提供することを届出者の遵守事項とします。
そして、これもGMPと同じく遵守する事項として位置づけまして、遵守しない場合には機能性表示食品としての要件を満たさなくなるということで、機能性表示食品としての表示ができなくなるということを食品表示基準上明確化するというものでございます。ですから、必ずしも販売ができなくなるということではないと思っておりますけれども、上乗せとしての機能性表示ができなくなることになろうかと思っております。
続きまして③番ですけれども、「届出後の新たな科学的知見により機能性表示の根拠が最新のものになっているかどうかの情報収集」というところで、科学的知見は常に更新されるものと考えておりますので、届出後は科学的知見に関する情報を収集し、仮に適切でないと判明した場合には機能性表示食品としての要件を満たさなくなり、当該表示ができなくなることも明確化するというものでございます。
それから、「届出後の遵守の自己チェック」ということで、届出された後も自己チェックを行っていただきまして、その遵守状況を定期的に、例えば1年に1回、その自己評価を行って消費者庁に報告をする。報告しない場合には、同じようにやはり機能性表示食品としての要件を満たさなくなり、当該表示ができなくなることとするということを明確化するというものでございます。
続きまして、参考資料3をお願いします。
今回、大きな事項としては先ほど申しました2つですね。GMPの遵守、それから健康被害情報の報告の遵守を要件化するのですけれども、そのほかに1つ大きなこととしては、そもそも特定保健用食品や医薬品等と機能性表示食品との違いが分かりづらいというような御意見が非常に多くありました。これは、機能性表示食品を巡る検討会でも御意見が非常に多かったところでございます。そうした中で、やはり分かりやすい表示というものが求められるということで、大きな3つ目の視点としては表示事項を改めて見直していくというものでございます。
今、映っている参考資料3でございますけれども、大きく分けて2つあって、1つ目が「安全性に関する事項」、それから「それ以外の事項」となっています。
まず「安全性に関する事項」ですけれども、大きく分けて4つございます。「摂取をする上での注意事項」「疾病の診断、治療、予防を目的としたものではない旨」「疾病に罹患している者は医師、医薬品を服用している者は医師、薬剤師に相談した上で摂取すべき旨」、それから「体調に異変を感じた際は速やかに摂取を中止し医師に相談すべき旨」というものでございます。
まず一番上の「摂取をする上での注意事項」でございますけれども、現在は「消費者庁長官に届け出た内容を表示する。」となってございます。ただ、ここで論点としましてピンクの部分ですけれども、「医薬品や他の成分との飲み合わせ、過剰摂取を防止するための注意喚起等について、当該機能性関与成分に関する安全性に関する根拠を踏まえ、具体的に記載することとするか。」というところで、これは例えば「摂取をする上での注意事項」として降圧薬を服用している方は医師、薬剤師に相談してくださいというようなことが書いてあったりします。
この場合、例えば医師が見たときに、降圧薬を服用している方は医師、薬剤師に相談してくださいと表示されていても、相談に来られたときに、なぜなんだろうというところがあるかもしれないということを指摘されておりまして、つまりもう少し詳しくこの食品の機能性関与成分としてそういった血圧を下げるような効果があるので降圧剤を使用している方は医師、薬剤師に相談してくださいというふうに具体的に書かないとなかなか分かりづらいというようなイメージでございます。そういった医薬品との相互作用ですとか、機能性関与成分同士の相互作用とか、そういった相互作用についてリスクがあるようなものについてできるだけ正確に分かりやすく記載する必要があるのではないかという観点でございます。
それを「表示の位置については、主要面に表示することとするか。」どうかですが、これは正確に書けば書くほど文字数なども増えてまいりますので、必ずしも主要面に書けるかどうかというところもありますので、この辺りが論点になろうかと考えてございます。
それから、そのすぐ下の「疾病の診断、治療、予防を目的としたものではない旨」は、今はそのように表示するということになっていますけれども、これを端的に「医薬品ではない」とか、結果的に分かりやすく表示するためには端的に言う必要もあるという観点でございます。あるいは、そのまま文言を生かすのであれば、本品は医薬品ではなく疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません、とか、医薬品ではないということを明確にする必要もあろうかと考えてございます。
それから、「それ以外の事項」を御覧いただいて5行目辺りに「機能性表示食品である旨」とあります。これは、今は「機能性表示食品」と主要面に書いていただいています。やはりトクホや医薬品と異なるということを明確にするためには、これが機能性表示食品であるということもある程度明確化する必要があるということで、その位置も例えば主要面の上部に枠で囲んでとか、位置もどこに書いてあるというのを明確に分かりやすく、全ての商品で上に書いてあるとか、そういった工夫も必要ではないかという観点でございます。そのときに、例えば先ほどの医薬品ではないというようなことと同じように、トクホではないとか、そういった表示をすることとするかどうかという観点でございます。
それから、次の行の「届出番号」ですけれども、今は届出番号を表示することになっております。ただ、表示する箇所までは規定しておりませんので、いろいろな箇所に表示されているのですけれども、ここも届出番号はウェブサイト上で検索するときにこの番号を入れればピンポイントでその機能性表示食品の掲載情報にアクセスできるという意味では非常に必要な事項であるということからすると、「機能性表示食品」という表示に近接した箇所に表示することも必要ではないかという観点でございます。
その次の行ですけれども、「科学的根拠を有する機能性関与成分及び当該成分又は当該成分を含有する食品が有する機能性」とありますが、これはいわゆる届出表示というものでして、ここは届出者が自由に書きたいところ、まさに届け出た機能性表示の部分です。ここについての論点として、「当該食品を摂取することによって特定の保健の目的が期待できるもの」という表示は基本的に食品が機能性を有する表示なのでトクホとして許可を要する表示なのですけれども、それと誤認させるような用語を明示的に禁止事項とするかどうかということです。
これについては、食品表示基準第9条に表示禁止事項という項目があるのですけれども、こういったところに上乗せで明確にそういった誤認させるような用語は禁止するということを記載するかどうかというところの観点でございます。
それから、少し下にいっていただきまして、下から3行目の「機能性及び安全性について国による評価を受けたものではない旨」というものでございますけれども、今は「本品は、事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨を表示するものとして、消費者庁長官に届出されたものです。ただし、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。」と表示することとなってございます。
そして、ピンクのところですけれども、このときに「事業者の責任」というものをあえて表示させる必要があるかどうか。むしろ「特定保健用食品と異なり機能性表示について国による評価を受けたものではない旨」を表示するべきではないかといった論点です。それから、その他の「いわゆる健康食品」よりも消費者が信頼できないものという誤認を消費者に与えないように、そもそもこの機能性表示食品は科学的知見の下に行っていて、科学的知見は基本的に全て基本情報としては消費者庁のウェブサイトに掲載されて誰でも見ることができるという特徴がございますので、そういったウェブサイトで確認できますということを明示的に表示することとすべきかどうか。あるいは、そういった情報などによってQRコードなどでも表示を推奨するということもあり得るのではないかというような論点でございます。
ひとまず、私からは以上でございます。駆け足で申し訳ございませんでした。どうぞよろしくお願いいたします。
○今村部会長 御説明ありがとうございました。
今の御説明について、各委員から一通り御意見、御質問を最初に一巡で聞かせていただこうと思います。順番としては、私の手元にある順番で、部会長代理の中田委員から始まって、そこから先は穐山委員、阿部委員の順番で、アイウエオ順で回していきたいと思います。
それで、御質問をいただくに当たって、この会議で議論する論点についてもう一度整理をさせていただきたいと思います。今、今川室長から御説明いただいた内容には、消費者庁からこの表示委員会に諮問として挙がってくる内容がまずステップとしてあります。そして、最初に資料2-1で説明していただいた内容は諮問範囲をかなり超えていて、これは食品衛生法の改定も含めて幅広く閣議で議論された内容というふうに思っています。
それで、この消費者委員会に与えられた消費者問題を解決するためのということで言うと、機能性表示食品が創設された当時の健康食品はどうするんですか、効能をうたう食品はどうするんですかという問題があります。それで、今、議論の部分としては3種類、コアの部分の諮問内容、そして今、閣議で方向を示された内容、そしてもともとある健康食品の問題ということで、そこら辺の論点については意識していただいてコメントをしていただくほうが、より建設的な議論につながるというふうに思います。
そういうことで、ウェブからですけれども、まず中田委員から御発言いただいてよろしいでしょうか。
○中田部会長代理 本日はウェブにて失礼いたします。
今川室長、御丁寧な御説明ありがとうございました。私からは、コメントと質問を1点伺いたいと思います。
まず、今回の該当機能性表示食品インシデントの健康被害発生の発表と報道があったことにより、紅麹をはじめ様々な麹を素材に活用している飲料や食品を取り扱っている企業、あるいは機能性表示食品販売事業者全般が大きな販売上の打撃を受けていると聞いております。商品事故における原因究明、因果関係解明には一般的にかなり長い時間かかるということのようですが、今回議論されている食品表示基準の一部改正で機能性食品としての要件がより明確に定義され、その要件を満たしている食品や事業者と、それ以外の食品の見極めが早期に可能になることをまずは期待したいと思います。
適正な食品表示により消費者が安心して意思を持って選択、購入でき、安全性が確保されることは何よりも重要ではありますが、同時に健全な経済活動が継続することは事業者や食品業界にとっては深刻で、機能性表示食品全般の不信感、不買につながらないよう、過度な風評被害で消費者が必要以上に食品購入に消極的になり、業界が委縮するようなことは望ましくなく、早期の食品表示基準の改正と幅広い層への啓蒙が求められるものであると思います。
その上で1点、消費者庁の御担当者に伺いたい点としては、今回事業者には届出時だけでなく、その後、表示を継続するための、より明確かつ従来より厳格な要件基準が設けられることになると思います。それはすなわち、従来届出がされていた食品が機能性表示食品としての要件を満たさなくなって、その表示ができなくなる。でも、販売は継続する商品が出てきたり、それ以外にも事業者によっては品質保持、自主点検、説明責任を可能にする体制整備や社内のプロセス整備に対する追加投資が必要になると想定されますが、その結果として機能性表示食品の表示を断念する事業者が増えると想定されていますでしょうか。
あるいは、これまで機能性表示食品であった食品やサプリメントが今後法律上の定義のない、保健機能食品ではない、いわゆる健康食品にシフトして表面上の位置づけを変えて販売を継続していく事業者が増えるということが想定されますでしょうか。
その場合、健康リスクが水面下に隠れ、消費者から見えづらくなってしまうリスクの可能性に対して、食品表示上の対策は何か検討されているか、御見解をお聞かせいただければと思います。
以上でございます。
○今村部会長 ありがとうございます。
多分、類似の質問、意見はたくさん出ると思いますので、まず一巡で御意見と御質問をいただきたいと思います。
では、続いて名簿の順で、アイウエオ順で穐山委員お願いします。
○穐山委員 穐山です。ウェブでの御参加をお許しいただければと思います。
私からは今、今川室長から御説明がありましたけれども、3点質問させていただきたいと思います。
まずは閣僚会議の資料1において、食品衛生法で健康被害の情報提供は今の食品衛生法の指定成分の健康情報被害の義務化と同じく、それを機能性表示食品に広げたということでしょうか。これを1つ御質問させていただきたいと思います。
あと2つですが、それは今後の方向性のほうの御説明で、消費者庁のほうのお考えですね。今後の方向性において、これを機能性表示食品のうちサプリメントについてGMPに基づく製造管理を求めるということなのですけれども、まずサプリメントという定義がどこにもないんです。それで、恐らくこれは生鮮食品以外のものも指しているのか、その辺がよく分からないというところが一つあります。だから、もしそうであれば、機能性表示食品のうち生鮮食品以外というふうに書いたほうが分かりやすいのではないかと思います。
あとは、3ページの届出後の遵守事項のところですけれども、「サプリメント最終製品製造についてのGMPの遵守」ですが、今回紅麹は最終製品ではなくて原材料での事故だったと思います。それで、原材料のGMP厳守については規制しなくてよいのでしょうか。つまり、最終製品だけでいいのか、原材料は最終製品の最終製品の企業のGMPで受入検査で同等性、均一性を確認するということなのか、そこを御質問させていただきたいと思います。
○今村部会長 ありがとうございます。
では、続いて阿部委員お願いします。
○阿部委員 今、お二人の先生方がおっしゃったことと私も同じように感じています。その1つは、機能性表示食品の遵守事項が実施されたときに、機能性表示食品からいわゆる健康食品に移行しても販売できますので、消費者は現時点でも機能性表示食品ではなくサプリメントという認識があるのかも知れませんが、サプリメント状のものを機能性表示食品か、いわゆる健康食品か正しく認識しているかどうかという問題にもつながると思います。いろいろ規制されて機能性表示食品が先ほど届出が少なくなるかどうかの見解のお話も出ましたけれども、もしそうなったときに、たとえ届出があったとしても、いわゆる健康食品が機能性表示食品と同じものであると国民が認識しないことが重要です。国民からしてみれば国に届出があるもの、マークがついている形のものが機能性表示食品であるとわかれば手に取りやすくなるという心理はあると思います。
そのときに2つの方向性があると思いますが、まず第一は機能性表示食品であるということを表示していますが、いわゆる健康食品よりはという言い方はおかしいかもしれませんが、機能性表示食品は情報が取れますよということが分かるような表示をしっかりすることによって機能性表示食品が経済的にも認められてくるとかんじています。次に、質問というよりは先ほど中田委員がおっしゃった、機能性表示食品の届出が少なくなるかについての見解をお聞かせいただきたいです。
もう一点が、「現状でも疑義が生じた場合には裏づける何か合理性を照会し」とありますが、現状、本当に疑義が生じてそういう照会があったのかどうかということも含めて、今後は健康被害の情報の収集の遵守等があり、③番のところに根拠が最新のものになっているかどうか確認をしてとありますが、これの確認というのは事業者がこれまでも疑義を感じたことがあったのか、今後も最新情報をどうやってきちんと確認するのか。それに対しての事業者教育や指導というものは今後どう考えるのかという見解を聞きたいと思います。
最後にもう一つですが、事業者に自己チェックを行ってもらい自己評価の届出として悪い自己評価が報告された場合に、悪い結果に対してこれはこのように改善してくださいというような、事者業者側の自己チェックの報告に対してのバックアップ等についてはどう考えているのか。
この3点について聞かせていただきたいと思います。
○今村部会長 ありがとうございます。
では、続いて小川委員お願いします。
○小川委員 ありがとうございます。小川です。
GMPの要件化に関しての質問というか、コメントがあります。参考資料の2-1に書かれているように、必要な体制を整備した上で消費者庁が立入検査を行うということに関してなのですけれども、ここの立入検査についてはやはり検査をする人員の能力が重要になると考えております。厚生労働省と場合によっては連携してということもあるのかもしれませんが、食品衛生監視員、あるいはHACCP関連の資格やスキルもありますので、どのように考えておられるのか。もし現時点で想定されていることがあればお聞かせいただきたいというのが1点です。
もう一つは、立入検査によって何か不備があった場合に改善や是正をしていただく場合の実効性についてです。あくまでも今回は食品表示法に基づく措置が行われるということでした。ですから、もし製造管理に不備があった場合、結果として表示法違反として罰則規定がかかるのでしょうか。食品衛生法に基づく「HACCPに沿った衛生管理」に関しても、たしか罰則規定はなかったと思いますので、その辺りの実効性について、どう想定されているのか。表示法に基づく罰則で抑えるのかといったところをお伺いしたいです。
以上です。
○今村部会長 ありがとうございます。
では、笠岡委員お願いします。
○笠岡委員 笠岡です。よろしくお願いします。
私はずっとスーパーマーケットで仕事をしてきた者になるので、法律に関わる詳しいこととかはあまりよく分かっていなくて、これから勉強していかなければいけないなと思っているのですけれども、スーパーマーケット、食品事業者としての立場から意見を述べさせていただきます。
まず参考資料2-1の2番目の「GMPの要件化」ですが、今までは努力義務であったところが義務化されるということで、中小企業のそういったサプリメントを作っているメーカーさんにとっては厳しくなるのかなということを感じているのですけれども、そういった中小企業にとっても利用が可能な制度であってほしいということを思っています。
食品に機能性表示ができる制度というのはやはりほかの商品との差別化につながりますし、商品の付加価値が高まるので、食品事業者にとってはすごく魅力がある制度で、弊社もこの機能性表示食品制度がスタートしたときにはすごく注目した制度になります。
ただ、同じ機能性表示ができる制度として特定保健用食品がありますが、そちらはやはり中小企業にとっては技術面とか設備面で大きな投資がかかってしまうので、事実上利用が難しい制度であると感じています。
ただ、制度の信頼性ですとか安全性を高めるために、届出者である企業自身がその自己チェックを行ったり、自己評価を定期的に行って報告していくという事業者自身が行う手間や努力を増やしていくことは必要であると感じています。
ただ、やはりその裏づけとなる科学的知見を得たり、それを得るための研究費であるとか、設備投資などに膨大な費用がかかってしまうのは中小企業にとってはハードルが高くなってしまうのではないかという懸念をしています。
もう一つが、情報提供について、資料2-1番の情報提供の義務化について感じていることですが、弊社でもお客様が体調を崩されて病院を受診された際に、お客様がお医者さんから直近で食べたものをヒアリングされて、この食品が原因ではないか、弊社で購入された食品がその体調不良の原因であると疑われるケースがあるのですが、ただ、実際にはその該当する食品を100個販売していたとして、体調を崩されたお客様からの問合せが1件だけである場合は、やはりその食品が原因であるというふうには考えにくいというケースがあったりします。特に今回のように未知の成分が原因であるという場合は、医師による診断でその因果関係を判断するのは難しいのではないかということを感じています。
一方で、弊社においては同ロット商品で別々のお客様から2件以上の健康被害のお申出があった場合は、医師の診断がなかったとしてもそれは因果関係が強く疑われるのではないかと思っていて、そういった情報提供の件数も含んだほうがいいのかなということを感じています。
あとは、行政機関へ情報提供を行っても健康被害との因果関係が低い段階では公表を行わない。風評被害につながらないことが保障されることで事業者自身もその保身に走らず、早期に情報提供できる仕組みが必要ではないかと考えています。
長くなっていますが、あとは参考資料3のところになりますが、「安全性に関する事項」のところで、「摂取をする上での注意事項」を「主要面に表示すること」と論点のところにも書かれていますが、これは商品の表面に表示するということになると思いますが、商品の大きさが小さいものであるとか、そういったものだと表面の文字数が多くなってしまって、商品を販売する食品事業者側としてはちょっと抵抗があるということを感じています。
あとは、同じ「安全性に関する事項」のところで「疾病の診断、治療、予防を目的としたものではない旨」の表示の方法として、医薬品ではないと分かるように表示したほうがいいのではないかという論点がありますが、こちらはサプリメントだけではなくて一般の加工食品も含めて医薬品ではないという表示をするということだと思うのですけれども、一般の加工食品に医薬品ではないという表現を入れるのはちょっと違和感があるのかなということを感じています。
私のほうからは以上になります。
○今村部会長 ありがとうございます。
では、続いて川口委員お願いいたします。
○川口委員 川口でございます。何点か質問と意見を述べさせていただきます。
まず資料1の届出時点での内容ですけれども、【新規成分に係る届出者の評価を慎重に確認する手続】につき、新規成分の安全性・機能性の確認はぜひ慎重に行っていただきたいです。そのために十分時間を取るということは必要ですので、特例として120営業日前に提出するということは適当と感じているところです。この新規か、実績があるかの判断基準を成分の新規性で見るのか、それとも例えば実績のある機能性関与成分だが新たな機能や科学的根拠が見つかった場合も新規という形になるのか。その辺り、事業者の誤解がないようにしておいていただけたらと感じております。
あとは、有効性の科学的根拠の信頼性確保について、閣僚会合取りまとめ資料(参考資料2-2)の中の有効性のところにPRISMA2020準拠の導入の記載があり、チェックリストなどをガイドラインの一部を改正して運用されるということなのかと認識しております。科学的根拠の信頼性確保はこの制度の要ですのでこの導入には賛同します。既に届出済みの機能性表示食品での見直しにつきましては、届出後の遵守事項の確認と合わせてフォローアップを行われるという認識でよろしいでしょうかというのが質問でございます。
続いて資料1の3ページ目に入りますが、「届出後のフォローアップ」の【届出後の遵守事項】の2つ目の「健康被害の情報の収集と提供の遵守」につきましてですが、現在もガイドラインには示されておりますけれども、この収集、評価、報告の流れを義務化するといった認識になるのか、それとも医師の診断による情報が入れば評価ということもせずに、収集したら全て報告といった認識になるのかということが質問でございます。
ガイドラインでも、入手した情報が不十分であったとしても速やかに報告することが適当となっておりますが、参考資料2-3の11ページのところにも情報不足で不明であったというのがたしか77件中55件と、約7割がそういった整理になっていたかと思います。因果関係が不明なまま報告するというケースも多分にあるかと思うので、それに対して事業者が躊躇することが懸念されます。
これについては重篤性とか件数等によるとは思いますけれども、先ほど笠岡委員からもありましたが、保健所に通知した場合は食品衛生法に基づいて適切な対処をされることになると思いますけれども、報告があったからといって即回収というものではないということも何らかの形で理解してもらって、とにかく迅速に情報が上がって事故の早期発見、拡大防止に対して有効に機能するようにしていただけることを期待しております。
そのためにも、事業者、消費者、医師、薬剤師、あとは保健所などのアクションフローをしっかりと検討していただきたいと思います。事業者とか薬局とか販売店には、消費者からそういった健康被害の情報が入った場合に医師への診断を勧めて、その結果を基に再度事業者に申し出る必要があるかと思いますけれども、その際の医師の気づきであったり、薬剤師などの医師の診断の勧めとかも左右するので、幅広く協力依頼をかけていただけることを期待します。
最後に大きく3点目ですが、参考資料3の届出情報の表示方法の見直しのところです。「摂取をする上での注意事項」に、医薬品やほかの成分との相互作用など当該製品におけるリスクを具体的に記載することは賛成いたします。
あとは機能性表示食品と届出番号で、できればQRコードと合わせて届出情報は消費者庁ホームページで御確認くださいといった表記をセットで記載するようにしてはどうか。そのような形にして、機能性表示食品の位置づけやトクホとの違いなど、理解情報に関する共通の内容と、当該商品の科学的根拠を含む届出情報がQRコードで見られるようになればよいかと感じました。
あとは、事業者の責任は機能性表示のみではないことなので、私もあえて言及する必要はないかと感じます。機能性及び安全性について国の評価を受けたものではない、とシンプルにしてはどうかと考えます。
私からは以上でございます。
○今村部会長 ありがとうございます。
では、菅委員お願いします。
○菅委員 河野さんでなくていいんですか。
○今村部会長 すみません。ウェブ上で河野委員からお願いいたします。
○河野委員 河野です。ウェブで失礼いたします。
私からは、今回の健康被害の発生と拡大の原因に基づいた対策が講じられなければならないというふうには考えております。つまり、再発防止のための対策と、未然防止のための対策ということをしっかり区別して議論できたらと思っております。
一方で、対策の有効性を見極めて実行可能性を確保するという点においては、過度な対策とならないようなところに注意が必要かと考えております。
資料のほうで、参考資料3の「摂取をする上での注意事項」で「主要面」という言葉なんですけれども、やはりこれがどこを指しているのかということは後ほどその箇所があれば議論の中で確認したいと思います。
というのは、恐らくはブランド名や商品名があるような、いわゆる商品の顔の部分になるかと思うのですけれども、このような表示の方法や表示位置などの方針を見直すということは単なる表示の変更だけではなくてデザインの変更ということになって、デザインの変更というのはかなり事業者にとっては大変で、特に中小事業者にとっては大変な作業になるかと思っています。
その作業を嫌って、検討会の議論にもあったように、いわゆる健康食品のほうに戻ってしまうようなことがないようには注意しなければならないと考えております。
以上です。
○今村部会長 ありがとうございます。
それでは、菅委員お願いいたします。
○菅委員 菅です。よろしくお願いします。
御説明ありがとうございました。質問を交えて意見を申し上げます。大きく4つくらい、できるだけ一回的にと思っておりますので、少しお時間をいただきますことをお許しください。
まず全般的なことですけれども、今の届出制をベースにした機能性表示食品制度の建付、とりわけ法令条文上の建付には、もともとかなり無理があるのではないかと感じております。根本的な疑問の一端と、それを前提とした制度の見直しについては、本日みなさまのお手元資料として提出しております日弁連の2024年1月18日付「機能性表示食品の表示規制や制度の在り方についての意見書」と2024年4月11日付「機能性表示食品による食品事故に関する会長声明」とに、私個人の意見と共通する問題意識が述べられております。根本的に今のかかる制度が真に必要なのかについても根源的な疑問が残っているところですし、制度の法的位置づけ等についても疑問を持っています。
本日、これを全面展開する時間的余裕は全くないと思いますので、今回の一部改正以後にも続く議論、あるいは附帯意見に期待して、時間をいただく代わりにベースの意見として資料提出いたしました。ぜひ全般的な在り方について今回の改正にとどまらず、今後もより根本に遡った議論を進めていくべきであると思っています。
今回、GMPの遵守義務や健康被害情報の報告義務の創設など、事前ないし事後の安全確保、被害拡大防止のための獲得目標があることについては理解いたしておりますし、早期に積極的に進めていくべきだと思います。
ただ、表示のルールにすぎない食品表示法、食品表示基準のみに、とりわけ定義規定の存在を根拠に、事前・事後の安全確保のルールを託し過ぎることには規定上、大変難しい問題もあるかなと感じます。とりわけ、取消し可能な登録制や、届出の更新制などではなくて、事業者任せの届出制を前提とする仕組みの中に今回の獲得目標を落とし込むのはいささか技巧的で、そもそも可能かというのみならず、理解もしづらい建付になってしまうのではないかと危惧します。
その意味でも、食品表示法ができることの範囲のような点も含め、今回は可能な限り早期に一定の改正を目指すのだとしましても、今回獲得目標にされることを、より実効性のある、より理解しやすい形で法的に整理し直すといったことも今後の検討課題にしていただきたいと思います。
機能性表示食品のとりわけ届出後の「安全性確保」のために、食品表示基準の改正としてできることには、行政措置や罰則の在り方との関係も含めて、おのずと限界があるのかなと思います。ですので、今日少し御披露のあった食品衛生法の改正などとの役割分担も意識した上で、食品表示基準改正の位置づけが整理される必要があるかなと思っています。
「機能性表示食品としての表示ができなくなる」という説明がいろいろ出てくるわけですけれども、その法的意味を整理していただけたらと思うわけです。届出後の遵守事項が遵守されなかった場合に、その自己チェック報告懈怠の場合も含めて、それが判明した場合に、いつからの食品が表示義務違反になって、いつからどのような禁止がなされるのかといった辺りとか、それはどういう条件を満たせば再び販売可能になるのかとか、個別ケースによるとは思うのですけれども、「届出制」の下でできることをこの機会に少し整理できたらと思います。
少しくどくなりますが、表示基準違反で想定されることは、あくまでも「機能性表示食品としての表示」ができなくなるという意味での、販売ができなくなるという意味にとどまる建前だと思います。食品表示法5条では「食品表示基準に従った表示がされていない食品の販売をしてはならない」とはあるのですけれども、直接的に罰則規定があるわけではないので、やはり違いがあることには変わりがないと思います。
それから、食品表示法6条1項の「指示」には、遵守事項を遵守しない場合には「表示事項を表示し、又は遵守事項を遵守すべき旨の指示をすることができる」とあるのですけれども、これがGMPの不遵守とか報告義務違反のときにどういう「指示」に具体的につながるのか。また、同法6条5項には、指示に係る措置を取らなかったときは、その者に対して「その指示に係る措置をとるべきことを命じることができる」という規定があるのみで、同じくGMP不遵守や報告義務違反のときに、あるいは急ぎ回収や販売停止が求められるようなときに、迅速な安全性確保との関係では、食品表示法では具体的にどのような内容の何措置「命令」をすることができるのか、あるいはできないのかということについて可能な限りでクリアに理解しておきたいと思います。
「遵守事項」がどういうものかについて、同法6条1項は、法4条1項2号に掲げる事項と規定されていますが、ここには「表示の方法その他前号に掲げる事項を表示する際に食品関連事業者が遵守すべき事項」とありまして、「表示する際に遵守」となっているわけですけれども、この規定の文言のままで届出後の遵守事項を自由に加えていけるのかについても、少し懸念があります。クリアできる問題だということであれば私の勉強不足かもしれないのですけれども、これらは「届出制」からくる難しさのようにも思います。どのような場合に、どのようなことができるのかというのを整理していただきたいというのがまず1点です。
それから、他の委員のご意見と重複するところはなるべく避けていくとしまして、2点目ですが、届出者へのGMPの要件化というのは、食品表示基準上の遵守事項とするとのことですけれども、OEMの場合もあるでしょうし、皆さん今日は原材料のこともおっしゃっているように、サプリメントのGMPガイドラインは、主体として原材料と最終製品の製造業者、加工業者、販売業者、輸入業者のいずれもが対象となっているのではないかと思うのですけれども、届出者のレベルで届出者以外のGMPについても遵守確認の責任をどの程度持つという建付になるのでしょうか。食品衛生法3条に紐付くガイドラインとの関係はどのような理解になるのでしょうか。ちょっと不勉強で的外れな質問かもしれないですけれども、御教示いただけたらと思います。
3点目に資料1の3頁の届出後の遵守事項についてですが、まず「遵守事項」というのは機能性表示をする者の「義務」であるということと同義だと理解していいかどうか、念のため確認したいと思います。また、このうち②の「健康被害の情報の収集と提供の遵守」について、「健康被害が疑われる情報(医師が診断したものに限る。)」とありますので、確定診断に至らず「疑い」で良いという趣旨だと理解しますし、その点はそれで良いと思うのですけれども、本来は医師の診断なしでも報告してもらったらどうかと思いますが、仮にそこまでいけないとしても、把握の仕方は、医師から直接得た情報でなくても医師の診断を受けた上での情報であれば、摂取者や保健所等いかなるルートで把握しても含まれるという趣旨でよいか、念のため確認したいと思います。
私は、今年1月よりも以前に、消費者からの健康被害に関する情報は当該事業者に寄せられていた可能性もあるのではないかと疑問に思っていますので、その意味でも念のため確認させてください。
今回の件は、2000年に起きた低脂肪乳食中毒事件で社会問題となった公表遅れの反省や教訓が機能性表示食品において全く活かされなかったという意味で大変残念に思っているのですけれども、提供期限のルールは、食品による被害が短期間に広がる可能性を念頭に置いてできるだけ短い期間に設定されるべきだと思います。
また、これに関連して、この提供された情報が、いわゆるグレーのまま、つまり因果関係不明のままでもできるだけ早期に事業者からも、行政からも公表される仕組みをぜひ整備していただきたいと思います。先ほど食中毒で2件の情報があればという話もあったのですけれども、そうした段階でできるだけ早くグレーのままでも公表される仕組みということです。
先の低脂肪乳の事件では、危害情報を受けた行政の対応の遅れも指摘されて、大阪市がその後公表指針をつくったと思います。機能性表示食品について、消費者側の注意も、などと言われるのであればなおさら、健康被害情報が国民全体の財産として消費者に迅速に共有される仕組みを求めたいですし、グレー段階で迅速に公表する事業者を少なくともその点についてはむしろ評価するような意識を持つべきではないかと日々思っております。
4点目は、資料1の4頁の「伝達方法の改善」に関して、摂取する上での注意事項を、よりリスクの伝わる内容にすべきではないかと感じます。薬でないことの強調や、「治療を目的としたものではありません」という表示はもちろん必要だとは思うのですけれども、他方で、薬ほどではないからという考えや、コレステロール値は気になるけれども疾病とまでは言われていないかなというような考えで、比較的安易に購入、摂取しがちなのではないかと思うのです。
疾病のある人が対象とならないこと、医師等に相談すべきことの強調も含めて、摂取時はもちろんですけれども、購入に当たっての注意事項、あるいは場合によっては警告事項のようなものを検討すべきではないかと思います。医薬品成分が入るものもあるわけなので、もう少し義務的に強調される表示があっていいのではないかと感じます。
そして、そうしたリスクや注意事項の告知だけではなくて、機能性をうたう機能性表示食品の全体の表示の適正について、行政の監視をぜひ強化していただきたいと思います。この点は先ほどご紹介した日弁連意見等でも述べられています。機能性についても安全性についても薬機法、景表法などとの関係も含めて、行き過ぎた、あるいは端的に違反の表示が多数あるのではないか、届出時のチェックの問題もあるでしょうし、届出後の監視の問題もあると思うのですけれども、今回の報告義務の創設等だけでなくて、買上げ調査等の強化もお願いしたいですし、機能性表示食品として不適切なものについては積極的に措置命令等の強い行政処分を出すようにすることや、それも含めた消費者庁の事後的監視監督結果が十分に情報開示されること、消費者等から食品表示上の申出があった場合に結果の通知を必ず行って、消費者に対して十分な情報開示を行うことなど、今回の改正にとどまらず、あるいは付随して消費者とのコミュニケーションをもっともっと充実させていただきたいと思います。
科学的根拠等の情報だけではなくて、健康被害情報を含む提供状況を国民の共有財産として、事業者、行政のみならず消費者にとっても広く有効に活用できるようにすべきであると思います。
あと1点、最後に施行期日と経過措置については摂取者の安全性確保に資する改正を目指される以上、できるだけ短く設定していただきたいと思います。
すみません。長くなりましたけれども、以上です。
○今村部会長 ありがとうございます。
では、鈴木委員、続けてお願いします。
○鈴木委員 鈴木です。よろしくお願いいたします。
先ほどは御説明ありがとうございました。私のほうからは、資料1と参考資料3から3点ほどお伺いをしたいところがございます。
1つ目は、資料1の1ページ目の下の部分の【新規成分に係る届出者の評価を慎重に確認する手続】というところなのですが、こちらにつきまして「新規成分」という言葉が「届出の実績がないことその他の事由により」ということで、単純にその届出の実績のないものを新規成分と言っているのか、逆に医薬品医療機器等法のほうで食薬区分の判断を受けていないという部分の新規の成分本質に係る部分までを含めて新規成分と言っていらっしゃるのか、ちょっと不明なところがありました。
それで、当然食品として安全に流通させるということを考えると、こちらの食薬区分の中で食品の部分に該当するというか、専ら医薬品成分のようなものを主成分として機能性表示食品をつくることはないかとは思うのですけれども、全くの新規で今まで世の中に出回っていなかったような成分であった場合、医薬品医療機器等法のほうの「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」という通知の中で、新規の成分本質についての判断及び判断する際の手続というところで照会ができて、ここのところで専門家の方がきちんと評価をした上で判断をされるという手続があるかと思いますので、まずこちらの手続きを経た上でいわゆる機能性表示食品の成分として妥当な成分だけがここの新規の成分に入ってくるというような前提条件なのかどうかというところが気にかかりましたので、御質問させていただきます。
2つ目ですが、資料1の2ページ目の【GMP要件化】というところで「サプリメント」という言葉が出てきていて、そのサプリメントについてGMPに基づく製造管理をというところなのですけれども、そのサプリメントの注釈の部分で、「サプリメント形状の加工食品は、本制度の運用上、天然由来の抽出物であって分画、精製、化学的反応等により本来天然に存在するものと成分割合が異なっているもの又は化学的合成品を原材料とする錠剤、カプセル剤、粉末剤、液剤等の形状である食品を指す。」ということにされているのですが、最近サプリメントはチュアブルタイプのタブレット状のものであったり、グミ状のものであったり、形状がかなり菓子などの食品に寄っているものがあるところからいくと、過剰摂取につながりやすい形状の食品には、錠剤等以外のものも含まれます。本来過剰摂取を懸念される形状を想定しての記載だと思いますので、いわゆる医薬品に似た形状のものだけに縛りがかけられている表現を避けたほうが良いのかなということを感じました。
次が参考資料3のほうに移りまして、一番上から4行目まで「安全性に関する事項」ということでお書きいただいている部分なのですけれども、こちらについては食品の場合、注意表示ということで、なかなか警告表示という形まで踏み込んだ表示が用いられないかと思うのですが、そもそもの機能性表示食品の対象が、疾病に罹患していない者の健康の維持及び増進に役立つ、または適する旨というところがあるかと思いまして、ここの下段2つ、「疾病に罹患している者は医師、医薬品を服用している者は医師、薬剤師に相談した上で摂取すべき旨」と、「体調に異変を感じた際は速やかに摂取を中止し医師に相談すべき旨」の表示については、前に言った疾病に罹患している人などの対象でない方についても、摂取したいという心理が働くかと思うので、ここは安全に摂取して頂くためにも警告レベルにするということもできるのではないか。
それから、一番上の「摂取をする上での注意事項」で、先ほど降圧剤を使用している場合の注意というようなものが御説明の中にありましたが、これもやはり病気に罹患していて医師に降圧剤を処方していただいているということで、これと同じようなことですので、こういった本来対象から外れるような方が摂取した場合に危険が及ぶような可能性があるものは注意表示から一歩踏み出して警告表示ということで警告マークをつけるとか、そういったことで視認性を上げるなどしても良いのではないかと考えます。
機能性表示食品の表示項目は非常にたくさんありますので、そこの中から本当に危険が及ぶようなものについてはすぐに目につくような状況にしていく。それで、表面に書くということでもいいのですけれども、表面に書いても表面はパッケージのデザイン上の情報等いろいろなものが入っていてなかなか目につきにくいという部分がありますので、逆に裏面であっても警告という言葉を付け加えることによってかなりインパクトを与えることができるのかなというところでした。
健康な方でも体調に異変を感じたときは速やかに医師に相談すべき旨というところは、これは同じように体調に異変が生じるという緊急事態ではありますので、こちらの部分も警告表示に切り替えたらいいのではという意見を述べさせていただきます。
それと、先ほど2番目の部分の「疾病の診断、治療、予防を目的としたものではない旨」というところで、「医薬品とは異なること」「医薬品ではない」という表示を一般的なサプリメント以外の加工食品にも書くのかという笠岡委員からの御発言もありましたが、機能性表示食品というのは生鮮食品もありますので、柿だったりとか、ミカンだったり、そういったものにも書くのかという話も出てくるかと思います。ここについては、表示しなければいけない範囲というものを明確にしていただけるといいのかなと感じております。
以上です。ありがとうございました。
○今村部会長 ありがとうございました。
では、前田委員、続けてお願いします。
○前田委員 前田です。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
先ほど菅委員からもありましたけれども、根本的なところというところで大いに賛同するものです。私からは、健康食品全般から機能性表示食品制度について十分議論すべきところかなと思いますけれども、現在、今回起きた問題を中心に、まだ原因究明に至っていない中で短期間での審議になるのではないかと思っています。必要な議論が十分に尽くせるだろうか、取り残される問題があるのではないかと思っております。
参考資料4の答申書を拝見しますと、この制度がつくられたときの課題が見えますが、制度をつくった国がどう取り組んできたのか、確認する必要があるのではないかと思っています。この制度は事業者と消費者の責任が言われますが、今、議論している間にも別の被害が起きないとは限らないと思います。また別の被害が起きないためにも、制度をつくった国が責任を持って今、何を優先とするか、残された問題についてはさらに検討や見直しが行われていくのか、どのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
具体的な質問なのですけれども、経過措置期間が置かれるかと思いますが、経過措置期間最終日に製造された製品は、消費期限まで数年間なり市場に出回りますけれども、消費者は経過措置期間中に製造されたものか、その後に製造されたものか、どのように識別することができるのか。
例えば、表示に明らかな違いがあるなどで、消費者が見てすぐ分かるようにできるのか、確認したいということと、また、大事なのはそういう違いがあることを消費者に啓発していくことだと考えます。国がそういう部分についてやっていくのかということも確認したいです。
続けて質問ですけれども、機能性表示食品は疾病に罹患している人や妊婦等は対象にならないということでいいでしょうかという確認です。
それから、疾病に罹患していたり妊娠中であったりする人は多数いらっしゃって、その中には体にいいものと思って機能性表示食品を摂取している人も多いのではないかと思います。実際、どういう人に購入されているのか、傾向でもいいので分かれば教えていただきたいと思います。
それから、機能性表示食品の届出並びに届出撤回の件数など、今回の事案が公表される前と後で状況に変化があったでしょうか。もし変化があったとしたら、どのような理由からでしょうか。
それから、販売控えや届出撤回後の食品が栄養機能食品やその他のいわゆる健康食品に変わったなどの状況についてはどうでしょうか。
質問の最後ですけれども、参考資料3についてはサプリメント以外にも全て適用することになるのか、確認をさせていただきたいと思います。
以下は意見ですけれども、医師が健康被害と思われる情報を集めて、因果関係が不明でもすぐに国に報告するというのがありますが、体にいいものだと認識しているか、または無意識で摂取して、その中には様々な疾病を持つ人が相当数いるのではないかと思います。そして、機能性表示食品と体調不良が結びつかずに、受診した医師にも同様の現状があれば健康被害を疑うに至らない可能性があるのではないか。適切に報告される仕組みを国がつくる必要があるのではないかと考えます。
それから、機能性表示食品のリスクが国民に認知されていないのではないか。健康被害のおそれがあることを明確に表示し、消費者が即時に判断できるようにする必要があるのではないかと考えます。狭い店舗、時間がない、そもそも細かい表示まで読み込む習慣がないなど、店頭で立ち止まって表示を読むという行為自体が難しい場合があるのではないかと思います。機能性表示食品は、疾病に罹患している人等への販売については、手に取る前に必要な情報として特に目立つように表示すべきと考えます。
それから、機能性表示食品の容器では、必要な注意喚起などは小さい文字、長い文章や回りくどい表現が多いのではないかと思います。現状、容器だけで機能性表示食品について正しく認知するのは難しいのではないかと思います。消費者の適切な食品選択のために、表示ルールについても時間をかけて検討が必要と考えます。
以上です。
○今村部会長 ありがとうございました。
森田委員、お願いします。
○森田委員 私のほうからは、まずは諮問される内容についてお話をしたいと思います。
参考資料3の「現行の義務表示事項と見直し論点」ということで、おそらく表示事項に関して、次回、食品表示基準改正の新旧対照表が示していただけると思うので、それが出てくる前に幾つか御意見を申し上げたいと思います。
まず「安全性に関する事項」なのですけれども、2番目の「疾病の診断、治療、予防を目的としたものではない旨」ということで、「医薬品とは異なること」がはっきり分かるようにというような意見で報告書をまとめられています。
この書きぶりですけれども、本品は医薬品ではありません、というふうに言い切るのがいいのではないかと思います。先ほどの今川室長のお話の中で、本品は医薬品ではなく疾病の診断、治療、予防を目的としたものではないということを表示すると、今まである現行のものと併せて表示する方法が示されましたけれども、そもそも医薬品の定義というところが「人の疾病の診断、治療、または予防に使用されるということを目的とされる」とあり、その目的規定をそのまま書いているわけです。機能性表示食品が疾病の診断に用いられることはないでしょうから、その医薬品の定義をそのまま持ってきているのであれば、本品は医薬品ではありません、というふうに書けば二重に書くことはないと思いますので、できるだけ文章量は短くしていただきたい。簡潔に伝われるようにしていただきたいと思いますので、そこはそのようにしていただければと思います。
また、3番目の疾病に罹患している者の相談のところですけれども、こちらは恐らく第5回の巡る検討会の中で、長くなくてもいいけれども、何を相談するのかをきちんと書いたほうがいいのではないかという意見がありました。
そこで、ここの「相談してください」の前に、「摂取の判断を相談してください」というふうに示してはいかがでしょうか。いろいろな書き方はあるかと思うのですけれども、摂取の判断を相談してください、という書き方が簡潔でいいのかなと思います。
また、安全性に関して、1番の「摂取をする上での注意事項」なのですが、こちらは医薬品の相互作用ですとか過剰摂取の注意事項はとても大事なので、これはぜひ取り入れてもらいたいと思います。
一方で、「主要面に表示する」ということに関しては、主要面に表示することで、例えば先ほどの降圧剤との相互作用ですとか、それからいろいろな医薬品との相互作用をはしょってしまって主要面に書かなければいけないので、短くなって大事なことが伝わらないということも起きてくるかもしれません。実際に届出を見ると、医薬品の相互作用はたくさんの医薬品が並んでいるものもあります。
それから、過剰摂取に関しても、例えばトクホだったら、トクホの表示例の中に、一度に多量にとり過ぎるとお腹が緩くなることがあります、1日の摂取量を守ってください、といったような書き方があります。このように多量にとり過ぎるとこうなるので摂取量は守ってくださいというふうな注意喚起はとても大事なのですけれども、長いので、長いと主要面に書き切れるかなということもありますので、主要面に書くのはこの注意事項がいいのか、それとも2番の、医薬品ではありません、ですとか、それから医師に相談してください、ですとか、そういうことのほうがもしかすると大事な情報なのかなとも思います。
また、表示では「それ以外の事項」として機能性表示食品そのものを表現する言葉の中に、「事業者の責任において」という項目がございます。この項目は、事業者の責任においてやっているというのは無責任のように感じるという意見もありますけれども、トクホは国の責任であるが、これは事業者の責任で消費者庁の責任ではないんですよと言っているのではないかとずっと思っておりまして、そういう意味では意味が通ると思っていたのです。けれども、ただ、事業者の責任というよりもトクホとの違いということを強調するのであれば、事業者の責任は強調する必要もないのかなと。
そもそもこの文章が長くなった理由なのですけれども、機能性表示食品の最初の検討会のときに、アメリカのダイエタリーサプリメント制度では、これはFDAが認めたものではありません、という物すごく短い表現なんですね。それにしたらいいじゃないかと、これは消費者庁が認めたものではありませんとしたらどうですかというお話があったのですけれども、そうするといわゆるほかの健康食品よりもこの機能性表示食品が劣っているのではないかというふうになってしまうので、こういった長々となってしまったという経緯がございます。
それを考えると、本品はトクホとは違って、今ここにありますけれども、機能性及び安全性に関して、国によって評価を受けたものではないというふうなことを書くとありますが、ここの「評価」というのは審査のほうがいいかなと。今、実態として審査になっていますので、「評価」と言うと何か曖昧な感じなので審査がいいと思うのですが、ここは機能性表示食品、トクホと異なり、機能性、安全性について国によって審査を受けたものではありません、というふうにして、それだけでもいいのかなと思います。もしこれがアメリカのダイエタリーサプリメント制度のように、これはFDAが認めたものではありません、と言い切ってしまうとほかのものとの関係が分からなくなるので、ただし、というふうに書くのであれば、ただし、詳細情報は消費者庁に届出をされています、といったように端的に書いたらいいのではないかと思います。
ここで、科学的根拠の届出情報を消費者庁のウェブサイトで確認することというのを明示的に表示するとありますけれども、ここで科学的な根拠というふうに言ってしまっていいのか。
1つは、科学的根拠に本当に基づいているのかというのもありますけれども、ほかの例えば品質ですとか安全に関するような広い情報もありますので、詳細情報は、でいいのではないかと思います。
あとは、消費者庁の届出情報がウェブサイトで確認できるというのは、2つのメッセージが入ってしまうとやはりどうしても読みづらくなるので、ウェブサイトで確認できるのは恐らくこれからQRコードとかを推奨するのであれば、そこを見てそこにくっつければいいのではないかと思います。
ここの文章はこれまでも、「本品は事業者の責任において」云々とすごく長いというふうに言われていて、ヨーグルトの容器などにそれがぎゅっと小さくシュリンクフィルムなどに書いてあると本当に読みづらいというような話もあります。消費者の方には、ここに書いてあるのが機能性表示食品の特徴だからここは全部読んでくださいねと言っていましたけれども、やはり長いと思いますので、これを機にトクホとは違うということと、詳細情報はちゃんと消費者庁に届出されているという、この2点に関して言っていただければいいのかなと思います。
ここが諮問された表示の内容の大事なところだと思いますので、先に申し上げました。
それから、新規成分の特例手続について今回入ったというのはすごく評価できることだなと思います。今、自主回収されている紅麴のコレステヘルプのパッケージの左のところに大きく史上初と書いてあるんです。史上初というのは、実際に機能性表示食品の届出で紅麴ポリケチドは初めての届出であったということ、これまで届出の実績がないということがあったかと思います。
新規成分という観点ではそうなのですけれども、この成分は食薬区分のリストでは非医薬品リストの中に紅麹があったということがあって、それで機能性の主成分なるモナリコンKは医薬品成分だったのですが、専ら医薬品のほうに入っていなくてということです。すごく盲点を突いた成分だったなと、特に確認を慎重に要する製品だったと思うのですが、例えば非医薬品成分リストに入っているとか、あとは専ら医薬品リストも物によってはこれから生鮮食品などで届け出られているものもあります。
そういう曖昧なものに当たりそうなものというのは、恐らく新規成分とともに、特に確認を要する成分ではないかなと思いますので、そういうところも含めてリスクの高い商品は安易に流通することがないように、この特例手続が、とりでになってもらいたいというふうにすごく期待しております。
一方で、その他の健康食品はこういったとりでがなく販売され続けてしまうので、健康食品の全体に関しては別途考えなくてはいけないような課題であるかなと思っております。
あとは、「GMPの要件化」に関しては、原料に関して様々な意見がございました。私も、第5回の巡る検討会のときでも申し上げているのですけれども、今回の一件は最終製品工場の問題ではなくて原材料の品管が問題だった。サプリメント形状の加工食品の原料工場の品質管理というのはもっと見える化をしてもらいたい。今の届出では最終製品だけで見えないので、その中で最終製造工場で求めている。最終製造工場では、それがGMPなのか、HACCPなのか、ISO FSSC 22000とか、そういう外部評価を受けているのかとか、いろいろなチェック項目があるのですけれども、そういったチェック項目を届出の中に設けてもらえると、きちんとやっているところはそれが励みになりますし、また、消費者から見ても、ここはちゃんとやっているのかなと。簡単な届出情報だけではなくて、ここの工場はどこまでやっているのかなというときに透明性が図れると思いますので、こちらもぜひ検討していただきたいと思っております。
取りあえず、その諮問内容について長くなりましたのでここで終わります。
○今村部会長 ありがとうございます。
たくさんの御質問と意見が出て、これを一気に答えていくのはなかなか難しいかもしれませんが、まずは消費者庁から今いただいた御意見、御質問に対して御回答いただける部分をお願いして、厚生省のほうからもコメントしていただけることについてはぜひお願いしたいと思います。
では、まずは消費者庁からの回答をお願いしますけれども、どんな形で進めましょうか。
では、今川室長からお願いします。
○消費者庁食品表示課今川保健表示室長 消費者庁の今川でございます。
ありがとうございます。たくさんいただきました。検討させていただきたいと思います。
お答えできる範囲でということでございますけれども、まず法制的なお話がございました。食品表示法の中でできるかどうかということでございます。
今回は、機能性表示食品というのは食品表示法の中で規定されているということで、食品表示法の中で何ができるかということをまず考えてございます。
その食品表示法の中で、内閣府令である食品表示基準というところで現在、機能性表示食品ということが位置づけられてございますので、その機能性表示食品、機能性をうたいたい方々が上乗せでこのルールにのっとって表示を行っていくというものでございますので、そういった表示をするに当たってのルールの中に今回の様々な要件を課していくというふうに法体系上検討しているところでございます。
その中で特に健康被害情報の報告の義務化について、これまでは事業者の報告の判断がガイドライン上の規定によりあったということがございますけれども、要件化に当たっては事業者の判断が入ることなく、因果関係が不明な場合であっても医師の診断を得たものであれば速やかに報告をいただくというところを考えてございます。
その期間は、例えば食品衛生法の指定成分等含有食品に関する通知の中では、例えば15日とか30日とか、あるいはそういったことにかかわらず速やかに報告するということが規定されているところでございますけれども、そういったものを参考にして期間なども設定させていただきたいと考えてございます。
あとは、GMPの話もございました。まず、GMPをいわゆるサプリメントなど製造、加工するようなところにGMPの要件をかけます。その要件のかけ方は今後検討させていただきたいと思っていますけれども、現在、平成17年の通知を改正した令和6年3月11日付けで発出したGMPの通知がございますので、今もこの通知により推奨されているところでございますが、この通知を基本的には要件化をしていくということを考えてございます。
その際に、実際には食品表示法上の規定上、表示責任者たる届出者に対して、当該機能性表示食品が、GMPが遵守された製造工場でしっかり作ったものであるということの責任が生じてくるということになろうかと考えてございます。
原材料のお話もございました。原材料につきましては、原材料に限らず、基本的にはこの上乗せ表示をするかしないかにかかわらず、まず基本的な衛生管理というのは食品衛生法がかかってくるものと考えてございます。
そうした中でより信頼性の確保が必要ということで、この食品表示法の体系の中で上乗せで機能性表示を行っていただく方に対してGMPの遵守をかけていく。その遵守するところとしては、届出者の責任の下でということになりますけれども、今のGMPの通知においても原材料の受入れのところで確認をするということになってございますので、原材料の受入れのところで製造者の方が安全性を確認していくというふうに考えてございます。
それから、表示事項についても様々な御意見いただきました。基本的なスタンスとしては、今回、今ある義務表示事項を何か追加するということよりは、今ある義務表示事項は維持した上で、それを分かりやすくするという観点と考えております。その観点で今、様々な御意見をいただきましたので、実際の表示の基準をつくるに当たっての参考にさせていただきまして食品表示基準をつくってまいりたいと考えてございます。
それから、制度を強化、要件化をしていくと、その他のいわゆる健康食品に戻ってしまうおそれがあるのかどうかとか、そういった御意見もいただきました。できるだけ今回は機能性表示食品の信頼性の確保だと思っておりますので、こういった制度をそのまま維持するようにしたいと考えてございます。
ただ、一方で、こういった健康被害情報の報告義務ですとか、GMPの要件化ということはやはり実施していただく必要がございますので、そうした実施していただく中で、GMPについては消費者庁が立入検査なども行って、指導などを行っていきながら徐々に改善していっていただいたり、導入していっていただいたりということを考えてございます。
そうした中で、また法制的なお話になりますけれども、その要件に合致しない場合というのは、食品表示法第6条に基づいた指示・命令などを行うということになりますけれども、それはあくまでも機能性表示を行うことが法制上できなくなると考えていまして、その食品自体の販売などの規制というのはできないだろうとは思っております。
その表示をしていただくに当たっての遵守の状況を定期的に報告いただいた中で、基本的には事業者の責任のもとでの届出の制度でございますので、事業者の自主的な管理の中で報告いただき、我々が疑義があると判断したものがあれば積極的に事業者に確認を求めたり、場合によっては立入検査を行ったりという中で、まずは行政指導を行っていくということを考えております。
その行政指導の中で、必要があれば食品表示法第6条において要件に合致していない部分についてはこの機能性表示食品としての表示が維持できなくなりますよということでの指示を行っていくということを考えてございます。
それから、新規成分ということでございますけれども、まず大前提としては、食薬区分の確認というのはこの機能性表示食品で届出される以前の問題として、基本的に日本で食品等を販売するに当たっては事業者それぞれが確認の必要な事項と考えてございます。
つまり、この機能性表示食品の機能をうたうか否かにかかわらず、しっかりそれぞれの事業者が食薬区分の判断、必要な確認を行っていただいた上で食品として販売していただきます。その上で、機能性表示食品の機能を表示いただくための届出をしていただくというふうに考えてございます。ですから、まず食薬区分の食品であるということの大前提は事業者に確認いただく必要があると考えております。
その上で、新規の成分は、これまで機能性表示食品として届け出られなかった成分についての新規の成分というふうに考えてございます。この中で、例えば新規の成分の組合せとかということも、場合によっては検討の余地があるというふうに考えてございます。そういったものが新規という位置づけかと思っております。
それから、健康被害情報を受けたときの公表のお話もありました。基本的には、関係閣僚会合の先ほどの参考資料2-1のところで御説明しましたように、これまでも都道府県知事等に提供された健康被害の事例につきましては厚生労働省のほうで集約して必要な公表などを行っていただいているところですけれども、引き続き厚生労働省に集約して、医学、疫学的に分析評価を行った上、定期的に結果を公表ということを考えてございます。
したがいまして、すぐに公表されると事業者への風評被害が懸念されるというようなお話もございましたけれども、基本的にはその分析評価を行った上で公表されるものと思っております。一方で、今回の小林製薬のような事例があれば当然、必要に応じて自治体と協力して回収命令などをかけながら必要な公表を行っていくという場合も当然あり得るというところだと承知してございます。
あとはいわゆるサプリメントの定義ですけれども、基本的に今まさに御指摘いただいたような平成17年通知、新しく3月11日の通知での定義ですとか、そういったものを参考にしながら検討させていただくことになろうかと思っておりますが、御指摘のように例えばカプセル剤、錠剤という形状だけでなかなか難しいということは重々承知してございます。
そうした中で、どういったものがここでいういわゆるサプリメントということになるのかというのは、もちろん通常の食品と異なるというところ、濃縮されたりして通常の成分割合と異なるというところが主眼にはなってくると思いますけれども、今いただいた御意見などを踏まえて検討してまいりたいと考えてございます。
あとは、御意見として、行政の監視の強化とか事後チェックの監視の強化、あるいはできる限りの消費者への開示という御指摘もいただきましたので、そういったことも今後もできる限り行ってまいりたいと考えてございます。不断の努力を続けてまいりたいと思っております。
あとは、GMPに関する立入検査のときの職員のスキルとか、そういった御指摘がございました。これは、消費者庁としても必要な定員要求、予算要求は今後行っていきたいと思いますけれども、そういった中でそういったスキルを得ている方などについて、可能な限りそういった方々の下で立入検査できるように努力してまいりたいと思っております。
それから、立入検査時の改善してほしいときの強制力というお話もございましたけれども、まずは行政指導をしながら監視・指導していくと考えてございます。そうした中で、先ほども申しましたけれども、必要な法的措置というのも場合によってはあり得ると考えてございます。
あとは、PRISMA2020の導入につきまして既存の届出はいかがかといったお話もございました。まず、新規の届出につきましては順次導入していただいているところもありますけれども、令和7年4月から本格的に導入するということを考えてございます。そうした中で既存の届出も、例えば変更届出のときですとか、そういったときに事業者の任意になりますけれども、順次切り替えていただくように引き続き促してまいりたいと考えてございます。
もしかしたら漏れているところもあるかもしれませんけれども、ひとまず私からは以上でございます。ありがとうございます。
○今村部会長 ありがとうございます。
続けて、厚労省食品部門、医薬品部門ということで、それでは食品からお願いします。
○厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課三木食品監視分析官 厚生労働省食品監視安全課の三木と申します。よろしくお願いいたします。
今の消費者庁さんの御説明に補足させていただければと思います。
厚生労働省は、飲食に関する健康被害の防止という観点で、今回の事案を踏まえてどういう形で被害拡大防止を図れるかという観点で検討をさせていただいたというものでございます。その中で、消費者庁さんが行おうとしている食品表示法の表示基準改正に伴って、食品衛生法の施行規則を一部改正しまして、医師が診断した場合の健康被害情報について営業者に届出義務を負わせるというようなことを検討しているというものでございます。
一般的な衛生管理の中で、営業者さんについてはいろいろ施設の衛生管理であるとか、そ族・昆虫の防止であるとか行うべき項目がありますが、そういう中に「情報提供」ということで、健康被害を把握した場合に、これは医師が診断したということで医療機関で適切に判断をされたようなものについて、そういった健康被害情報があったときには行政機関に報告をすることに努めるというような規定が既にございますので、この部分について機能性表示食品に関しては義務を課すという形にさせていただこうということでございます。
これによりまして、当然義務というふうにするわけでありますので、この資料にございますように違反をした場合には食品衛生法に基づいて営業の禁停止という行政措置まで取ることが可能になるということで、こういったことを通じてそういった健康情報があって、それが都道府県に報告をされて、当然、保健所のほうで調査をした上で厚生労働省に情報が上がってきて、厚生労働省のほうでも検討して問題があるという場合については、食品衛生法の6条2号という有毒、有害な物質が含有したり、付着をしていたり、そのおそれがある物については販売を停止することができるということもございますし、営業の禁停止をかけることでその販売、流通がすぐに止められて健康被害の拡大防止が図れるというふうな意図でございます。
こういうことを食品表示法の改正とともに、ここの資料にございますように、と同時にさせていただこうと考えてございます。
それで、穐山委員からのお話にありましたような、そういう意味では現在、指定成分ということで幾つか、4成分ほど指定をされてございますけれども、こういったものについてはもう既に届出義務がかかっているというものでございまして、これに加えて機能性表示食品等についても義務をかけるということでございますので、穐山委員のおっしゃるとおり、こういった指定成分の義務化と同じような形で機能性表示食品にも広げるというふうなことで予定をしてございます。
さらに、そういったことも含めて、引き続き厚生労働省のほうに健康被害情報は集約をさせていただいて、医学的、疫学的な分析とか評価を行った上で、定期的に結果を公表していこうというものでございます。
以上でございます。
○今村部会長 ありがとうございます。
続いて、医薬局のほうからお願いします。
○厚生労働省医薬局佐藤監視指導・麻薬対策課長 厚生労働省医薬局の監視指導・麻薬対策課でございます。
御質問いただいた点で大きく2つあると思っていまして、1つが食薬区分、もう一つは監視指導という観点だと思います。
食薬区分についてですけれども、まず基本的な考え方という部分がございまして、その食品全体として非医薬品と判断されているものですね。今回の紅麹もそうですけれども、そういうものであっても中にはやはり医薬品で使われている成分が入っているものというのは紅麹以外にもございます。
例えばタコとか、イワシとか、マッシュルームとか、ピスタチオとか、皆さんそういうものであって、それは食品として食べられているというものであって、一般の方が食品というふうにきちんと認識されるような形の表示のものであって形態のものであれば、それは医薬品というふうには判断しないという形になっています。
ただし、例えば紅麹で言えばモナコリンKといいますか、ロバスタチンといいますか、そういうものを単離、抽出をして、又はその合成したものを添加するとか、そういうことをしますとそれはもう医薬品という形で我々は判断をいたしますので、そういうものについては厳密に医薬品としての取り締まりを行わせていただいているという状況です。
実際、ロバスタチンを医薬品として承認しているアメリカも実は同じ考え方でやっていまして、医薬品たるロバスタチンと、いわゆる紅麹米としての健康食品がアメリカでは両立している状況でございまして、そういう意味ではこういった普通に食べられているそもそも食品の中に医薬品成分が含まれていても、そこを医薬品のように表示しないとか、普通に食べられている状態というものをできるだけ維持するような食品の範囲内での加工がされているようなものについては医薬品と判断しないということについては、一定の合理性があるのかなというふうには考えております。
こういう今のような考え方というものについては昭和62年の88号通知ですとか、平成31年の3月に出ましたQ&Aとか、そういうもので我々の考え方を明らかにさせていただいていて、いわゆる事業者の方がそれを御覧いただいて判断できる形にしています。それを御覧いただいても、やはりなお疑義が残る成分本質については食薬区分の判定のほうに出していただいて、そこで我々の専門家のほうでも議論させていただいて、これは医薬品だろうというような判断をするとか、これは非医薬品という判断になるというようなことを含めて評価をさせていただいています。
世の中、機能性表示食品になるものというのはあまた多数のものは食経験があって、食品になっているものを表示するというものでありますので、大まかに言いますと、機能性表示食品で届出をされているようなものが全て食薬区分の判断を必要とするようなものではなくて、大多数は事業者の判断でこういったガイドライン等に従ってできるものというふうに考えていますので、全てその届出をされるものを事前に食薬区分の判定をするということはあまり効率的な行政ではないだろうというふうに我々も感じているところではございます。
そういうところでありますけれども、やはりその市場には食品の形態を取りつつも医薬品成分を添加するとか、そういった悪質な事例も結構ございます。また、表示という観点でも、本当に普通の食品であるにもかかわらず、疾病の治療とか、予防とか、そういうものを謳っているような悪質なものもあって、これはかなり正直申し上げて機能性表示を飛び越えたようなものも相当数ございます。
実際、そういったものについては厚生労働省、都道府県における薬事監視というものを、そういうネットワークを張ってございまして、年間350件くらいの摘発を行っているというような状況でもございまして、特にその健康被害として起きそうな危ないようなものについては、我々もそういった内容についても広報し、周知をさせていただいているような状況でございます。
あとは、こういう行政部局のほうで対応しているものに加えまして、特に事件性のあるようなものも結構ございまして、例えば水を販売しているのにがんが治るという表示をして、健康被害が起きるとか、詐欺のような形になるとか、そういう事件性のあるものもございまして、実際に警察部局のほうで摘発しているものも相当数ございますような状況でもあって、そういう意味ではかなり疾病の治療、診断、予防という観点で悪質な表示をしているものについては様々なメカニズムで排除するような形で、我々も常に頑張っているという状況でございます。
私どものほうからは以上です。
○今村部会長 ありがとうございました。
では、依田審議官お願いします。
○消費者庁依田審議官 先ほど今川室長からの説明に、菅委員の御質問を含めて、法体系の関係の確認ということで補足させていただければと思います。
参考資料2-3をお開きいただければと思います。
18ページは食品表示法の法律の体系が抜粋してございまして、19ページ以降、食品表示基準の関係条文を記載してございます。その後は、いわゆる食品表示基準のガイドラインということで、届出ガイドラインの関連する部分を全て抜粋してございます。
まずおさらいですが、菅委員がおっしゃるとおり、食品表示法におきましては旧食品衛生法の表示部分、そして品質事項であれば旧JAS、農水省のJASというものを引き継いだ法体系になっておりますけれども、食品表示法の第4条第1項におきまして菅委員がおっしゃったとおり表示されるべき事項が第1号、そしてそれに関して遵守すべき事項が第2号にそれぞれ規定されている。この基準を法第5条において、食品関連事業者は基準に従った表示がされていない食品を販売してはならないとされています。
法第6条の主務大臣の指示等に関しましては、表示事項と遵守事項について遵守すべしという指示をしますし、指示の発動に至るまでに必要な場合には法第8条により立入検査、この場合は食品関連事業者のみならずその事業に関して関連のある事業者に対しても立入検査ができます。衛生事項であれば収去までできると、こういう法体系になってございます。
その上で、次のページの19ページ以降が食品表示基準なのですが、機能性表示食品の定義が第2条第1項第10号にございます。
ただ、前提としまして、注目いただきたいのは21ページの第9条でございます。これは、先ほどの食品表示基準の遵守事項としてその委任を受けた規定と理解しておりますけれども、食品関連事業者は第1項第1号におきまして優良誤認・有利誤認の禁止規定がございます。加えて、同項第10号です。ここでは保健機能食品、機能性表示食品ができるまでは特定保健用食品と栄養機能食品だけでございましたが、この保健機能食品以外の食品にあって保健機能食品と紛らわしい名称、あるいは特定の保健の目的が期待できる旨を示す用語、要は「ヘルスクレーム」をしてはらならない、保健機能食品は3つのカテゴリーに入っていないと、そもそもヘルスクレームを禁止する規定がございます。
ですので、いわゆる健康食品というものが存在するのは認識しておりますけれども、それをヘルスクレームと我々が認識すれば、この条項に照らして取り締まっていかなければならない、こういうことでございます。
その上で、機能性表示食品というのは何なのかということでございまして、一方で特定保健用食品は根拠法が異なり、健康増進法の43条1項に基づいて、食品自体に関して保健目的を期待できるような表示、食品全体のヘルスクレームをする場合には許可を受けなければならないということになっております。
その一方で、この機能性表示食品は、トクホの許可制度がある中で、特定の機能性関与成分によって保健機能が期待できるという構成になっており、その具体的な要件を定義規定の第2条第1項第10号に規定しているという法的構成と理解しております。
ただ、この第10号の規定振りは制度創設の時点から消費者委員会からも御指摘いただいた事項ではございますけれども、届出の規定しかないものですから、その届出された事項は当然そのまま正しく届出後もなされているという性善説に立っており、届出後に遵守すべき事項が22ページ以降の膨大な機能性表示食品の届出等に関するガイドラインで規定しているわけですが、届出後の遵守事項は法令の運用通知に落としてしまっている。
今回、健康被害報告の話についてはこのガイドラインの内容を見直すべきところは見直さなければいけないのですけれども、こういった届出後に当然この表示の裏づけとなる事項を届出者は遵守していないと機能性表示、ヘルスクレームができないはずなのに、ある意味この届出ガイドラインに違反したからといって機能性表示食品ではないのでヘルスクレームをするなという指示命令ができるかという法的な適用関係に疑義ありという形で、先般の検討会では御指摘を受けたということでございます。そこで、法律上の指示命令の違反の構成要件であります食品表示基準の中に届出後の話を明記し、それに遵守しない場合には指示命令、場合によれば罰則の適用もあり得るというような形の法的構成にさせていただけないかということです。具体的には、機能性表示食品としての要件が掲げられております第2条第1項第10号の定義規定の中に、必要な要件となる事項をもう少し体系的に盛り込んでいく。
今、届出さえすれば機能性表示食品ということになるのですが、届出後にあっては遵守事項を守らないと機能性表示食品でないことを要件として列記していったらどうかということです。こうして届出後の遵守事項を食品表示基準に明記することにより食品表示法に基づき遵守させることができると考えています。
もう一つは、大前提として、細かい話は課長の方から申し上げますが、あくまでも食品表示法は食品の安全性を担保する法律ではございません。それは先ほど三木食品監視分析官からもございましたように食品衛生法で措置する話でございます。その一部が消費者庁のほうに移管されたということもありますけれども、あくまでも食品表示法は安全事項、あるいは消費者の選択に資する事項を消費者の皆様に適切に伝達させる表示の部分を所管しているということでございます。
ですので、この中における機能性表示食品による安全事項とか、あるいはその有効性というものについては、ある意味、当然、食品衛生法上のHACCPのような衛生上の措置が遵守されていることを前提に、ヘルスクレームについて許可、あるいは届出という形で一定の関与を国が行っている。こうした中で、消費者の皆さんは国がヘルクスレームに関与していることを前提に購入していることになるので、その制度に対する信頼性を損ねる結果になった点について重く受け止め、信頼性確保の観点から今回の健康被害の早期情報提供なり、GMPの要件化を行っていくということでございます。
その上でGMPの要件化の整理ですけれども、サプリメント全体で横断的にかけるべきだという議論もあり得ますが、今、申し上げたとおりヘルスクレームを国が認めているのはある意味、機能性表示食品とトクホだけでございます。
もちろん、栄養機能食品というカテゴリーがあり、ここにもGMP要件をかけるべきではないかという論点は確かにあるのですが、御案内のとおり栄養機能食品というのは、20の栄養成分の表現内容をこの府令で規制してございます。事業者は勝手な表示ができないことになっています。また、その含有量も事業者任せではなくて全てこの布令に書いております。そういう意味では、その栄養機能食品の表示内容や製造内容は事業者が自由に行ってはならないことになっているわけでございます。
一方、トクホとこの機能性表示食品につきましては、事業者がヘルスクレームをあの手この手で表現したいと、こういう中で消費者の購買意欲を誘引させるということでありますので、そういう意味ではGMPのような特にサプリメントのように継続摂取をする形態のものについては製造管理、あるいは品質管理ですね。ちゃんとその成分が安定的に入っているかどうか、こういうところはきちんと要件化すべきではないか。
これは確かに付加的な要件ではございますけれども、厚生労働省からいわゆる17年通知で既に推奨してきていますし、機能性表示制度の運用でも、ガイドラインで強く推奨してきたわけですので、当然やっていただくものというふうに私ども認識しておりますので、今回要件化することによって、もちろんフィージビリティーチェックはしなければいけないと思うのですが、今まで当たり前のことを確認するという意味ではないかなということでございます。
あとは、届出後の遵守事項として自己チェック制度を導入したいと思っております。この意味するところは、あくまでも事業者が自主的な責任で科学的根拠を届出し、届出後においてもその科学的根拠の適正性を事業者が担保すべきだという考え方でございますので、自己チェックはそれがなされていることの意思表示を当方に示すという意味での報告であって、その都度、我々が審査するわけではございません。
ですので、既存のものも含めて7,000件ございまして、これからもどんどん出てくるわけでございますが、事業者が、届出後も定期的に自己チェックし、販売の意思を示さない限り機能性表示食品ではないことになる、場合によっては我が方消費者庁がウェブサイト上から職権で削除することができるように法的に手当していきたいということでございます。
行政講学上の届出の取消しとか、そういうことを議論するわけではなく、機能性表示食品としてヘルスクレームを認められる食品の要件として届出後の形態というものも最低限規定させていただいて、それを遵守しない場合には機能性表示食品の要件を満たさない食品であるにもかかわらずヘルスクレームを継続しているということで、この9条10号違反ということで取り締まりをさせていただきたいと、こういう構成でございます。
私からは以上でございますけれども、課長から何かあれば。
○消費者庁清水食品表示課長 食品表示課長です。
今たくさんの御質問と御意見をいただいて、かつ、こちらからも今お返しさせていただいたところなのですけれども、私ども実は事前に御質問いただいていた部分については御回答のほうは用意しておりまして一つずつ答えることも可能なのですけれども、ただ、今かなりもうお答えしているかと思いますので、ここは答えが漏れているというところを部会長か、事務局か、あるいは委員の方から御指摘いただければ、そこにお答えするというような形にさせていただきたいと思うのですけれども。
○今村部会長 ありがとうございます。
たくさんの質問に一気に答えていただいて、本当にありがとうございます。
ここで一巡させていただいたわけで、既に2時間15分がたっていまして、できる限りここから先は効率的に議論を進めていきたいと思いますが、今、清水課長からも御指摘がありましたように、お聞きいただいた内容で、これはちょっと漏れているよということや、そのお答えではちょっと納得できないということであれば追加で質問していただくというような形を取りたいと思いますけれども、ここから先は自由に挙手していただいてということで考えております。
会場の方は挙手で、ウェブの方は挙手ボタンでということでお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
では、前田委員お願いします。
○前田委員 ありがとうございます。前田です。
今の質問に入れさせていただいておりました、今回の件が公表されてから届出件数や届出をやめるという件数はどういうふうに推移しているか、また、その理由が分かれば教えていただきたいのですけれども。
○今村部会長 では、消費者庁からお願いします。
○消費者庁食品表示課今川保健表示室長 消費者庁の今川でございます。ありがとうございます。
常に届出がありまして、常に撤回などもあるという状況ですので、今回の件を踏まえてということでなかなか集計は難しいところではございますけれども、室長であります私の感覚からすると、必ずしも届出が増えたり減ったりとか、撤回が増えたり減ったりということは必ずしもないのかなというふうに感じております。
以上でございます。
○今村部会長 ありがとうございます。
○消費者庁清水食品表示課長 ちょっと補足させていただくと、私も今川室長と同じで、届出等について大きな変化があったというふうには認識していないですけれども、今回の機能性表示食品を巡る検討会第2回のヒアリングの際に、公益社団法人日本通信販売協会さんが御報告された内容によりますと、サプリメント業界においては4月8日の週で前年同期比マイナス18パーセントの販売の減少があったというふうには聞いております。
○今村部会長 ありがとうございます。
では、前田委員お願いします。
○前田委員 ありがとうございます。
事業者さんが今どういうお考えの中にあるのかなと思いましてお伺いしました。ありがとうございます。
○今村部会長 よろしいでしょうか。
では、ウェブで穐山委員から手が挙がっておりますので、穐山委員お願いいたします。
○穐山委員 いろいろ御説明ありがとうございました。
2つありまして、1つは質問のほうには書かせていただいているのですけれども、まずいわゆる健康食品という言葉の定義が国と都道府県とが異なっているんですね。今日の議論でもそこが混在して議論されているのですけれども、いわゆる「健康食品」というのは国では保健機能食品も含みます。
ただ、都道府県ではいわゆる健康食品、これは括弧なしなのですけれども、これは保健機能食品を含めない定義になっています。ですので、このことは議論をする上で非常に混乱するんですね。ここをどちらかに統一していただかないと、多分、何を議論しているのか分からなくなるかと思います。
これは、国だと保健機能を含まないものは、今川室長は正しく言っていたのですけれども、その他のいわゆる健康食品と呼ばれています。つまり、保健機能食品を含まないものは、その他のいわゆる健康食品だけれども、国は保健機能を含めていわゆる「健康食品」なんですね。これは厚生労働省も消費者庁も食品安全委員会も全部同じで、これは統一されているんですけれども、都道府県は違った定義をされております。ここは今回の議論とちょっと違ったので、一応質問として投げかけさせていただきました。
あとは、令和6年3月11日のガイドラインでは、対象食品は原材料と最終製品、2つ指定しています。それで、対象業者も原材料の製造、加工、販売、輸入等の営業者、最終製品の製造、加工、販売、輸入商社、2つ指定しています。それで、今回のほうのGMPの要件化に関しては最終製品業者、つまりこれは届出の業者だけにするというふうなお話でしたが、それでよろしいですかということで、それは届出の食品表示法で縛るので、最終製品業者だけという形になるということですよね。
以上、2つちょっと質問させていただきます。
○今村部会長 2点よろしいですか。では、お願いします。
○消費者庁依田審議官 お答えいたします。
今、穐山先生がおっしゃったいわゆる311通知でございます。これは、一度こちらに移管してまいりました基準審査課にも確認しましたけれども、いわゆるサプリメント形状の最終事業者が遵守すべき通知という整理にしておりまして、今回の検討会におきましてもこのGMP通知は食品衛生法上のHACCPの管理義務があることを前提とした実効的な通知でありますので、今回その表示制度において要件化する際にもこのGMP通知を基本とすることが現実的ではないかということでございます。
御案内のとおり、GMP通知におきましては原材料の受入れから最終製品の出荷に至るまでの全工程において製造管理と品質管理を組織的に実施する必要がある。それで、今回問題になっております原材料の部分でございますけれども、製品の製造等に用いる原材料は製品標準書の規格に適合したものを使用する、あるいは同等性及び均一性が確認された原材料を用いて製品標準書の規格に基づいて管理を行うことなどを求めているわけでございます。
それで、基本的にはこのGMP通知を内閣府告示で定めて、先ほど御説明しております、まず機能性表示食品としての要件としての届出後の遵守、届出の際もそうですけれども、遵守事項としてGMPの基準を遵守すること。具体的には、このGMPの基準というものは311通知の内容をそのまま告示化していくこと、こういうことを想定してございます。
○穐山委員 分かりました。そういうことになってくると、原材料の企業と最終製品の企業の両方にGMPがかかってくるわけですから、それが告示化されるという理解でよろしいですか。
○消費者庁依田審議官 繰り返しになりますけれども、今、基準審査課のほうとも相当議論をしてこの内容を決めておりまして、311通知につきましては原材料メーカーに要件をかけているものではないという整理でございます。
○穐山委員 それは違います。別添1に書かれています。
○消費者庁依田審議官 もちろん原材料製造メーカーという概念は規定はされておりますけれども、あくまでもこのサプリメント形状の加工食品の最終製品に対して、これは推奨ということでありますけれども、それをターゲットとした通知ということで説明を受けておりますので、それをこのままサプリメント形状の加工食品の要件にしていくという発想でございます。
○穐山委員 ということは、最終製品の受入れのときに、その原材料の安全性を確認しろということですね。
○消費者庁依田審議官 というよりは、先ほど申し上げましたように製品標準書等におきましてその同等性、均一性を確認するということが311通知に記載されておりますので、それを基本的に告示化していくということを想定しております。
○今村部会長 穐山委員、いかがでしょうか。
○穐山委員 そうすると、原材企業にはGMPをかけないということですね。
○消費者庁依田審議官 原材料メーカーに対してGMPをかけるつもりは、現時点では考えておりません。
○穐山委員 通知のレベルで考えているということでしょうか。
○消費者庁食品衛生基準課一色専門官 穐山先生、食品衛生基準審査課の一色です。お世話になっております。
今のところですけれども、別添1に関しては原材料の安全性に関する自主点検のものになっておりまして、こちらはGMPではなくて、もともと原材料としてそもそもこの成分を使っていいのかどうかということを確認するためのものになっておりますので、こちらはGMPと対象が変わってきています。
それで、今お話にあったGMPのところの対象食品に関しましては別添2のほうになっておりまして、こちらに関しては原材料のところは入っていないというところになります。原材料を用いてつくるような錠剤カプセルと食品というところを対象とさせていただいているところでございます。
以上、補足でございました。
○穐山委員 了解しました。
そうすると、別添2の受入れのところをやはりきちんと最終製品の会社がきちんとやっていただくということになってくるわけですね。
○消費者庁依田審議官 まさに機能性表示食品を巡る検討会でも合田先生から、その点は運用上、GMPの基準自体は311通知を基本に規定したとしても、その確認の手法や同等性と均一性の確認というものは工夫をする必要があるという御指摘をいただいておりますので、今回御審議いただく食品表示基準改正案と、あるいは告示は諮問事項ではないとは思いますけれども、この運用の中で原材料の同等性、均一性の確認というものは意を用いていく必要があるというふうに認識してございます。
○穐山委員 分かりました。ありがとうございます。
○今村部会長 よろしいですか。
今の議論で暗号が飛び交っているのですけれども、311通知というのは令和6年の3月11日に出たGMPの通知で、その前に17年に出たGMPの通知と区別するために言っているもので、今そのGMP通知の中にGMPの部分と原材料の作成に関する部分とは別で、別表1と2は別ですよというような議論だったのですが、大分暗号化していたので解説させていただきます。
○消費者庁依田審議官 平成17年通知と令和311通知ということで、すみません。暗号化していて、議事録では正式名称にできるのでしょうか。
○今村部会長 よほど詳しくないと分からないと思いますので。
○消費者庁依田審議官 申し訳ございません。関係資料は事務局を通じて提供させていただきます。
○消費者庁清水食品表示課長 穐山委員のおっしゃっていた前半のほうのいわゆる健康食品の定義のところなのですけれども、おっしゃっているとおり、国のほうでは、いわゆる健康食品の中に保健機能食品の3つと、あとはそれ以外ということでその他のいわゆる健康食品というふうにしておりますが、都道府県のほうは若干違う部分もあるということですので、来月、7月に都道府県等の担当者を集めた会議というか、研修をやる予定にしていますので、そこの場でこちらからも改めて説明をしていきたいと考えております。
○穐山委員 ありがとうございます。
○今村部会長 ありがとうございます。
では、菅委員お願いします。
○菅委員 菅です。
いろいろと法体系に関する御説明も付加していただいてありがとうございます。まだ分かっていないところもあるのですけれども、要は被害者救済・拡大防止を念頭においた部分でのできるだけ早い販売禁止等というようなことは、やはり食品表示法や食品表示基準で対応を考えることというよりは食品衛生法の世界で考えていくのだと、それで今回食品衛生法も同時に改正される部分があるということであって、他方、基本的に食品表示法や食品表示基準は定義規定との関係で「安全性」についても一定の役割はあるけれども、その部分に関連した監視を食品表示法の監視としてがりがりやるというような形のイメージではないものと改めて理解しました。
そうであっても「届出後」のことが問題となるわけなので、しかも自主性に任されているわけですから、新しい科学的知見ができたとか、報告義務違反があったとか、GMPが守られていないとか、何でもいいんですけれども、機能性表示ができなくなったという状態になったときに、いつのものまで売ってよかったことになるのかとか、要は販売禁止がなかなか、先ほど言ったように直接かからないわけですけれども、遡って食品表示法違反になったことになるのか、これから機能性表示ができなくなるだけなのか、その辺りの理解が必ずしも私はしっくりきていませんでして、いつのものまで販売してよいかという1点だけでも、どういう理解をしておけばいいのでしょうか。
後から分かるというか、後から分かっても随分昔から実は違反があったということになって、最初からそれが機能性表示食品でなかったという扱いになるのだとしたら、最初からなのかみたいなことですね。そういう扱いで問題がないのかもしれないのですけれども、ただ、実際には販売されているものがあって、では全部回収せよと言うのか。その場合の回収命令が食品表示法でそもそも可能かの問題も別にありますので、そうした意味で、なにがしかのルール違反があったときにどこまでのものがどのように扱われることになるのかについて、何かしらもう少しきちんと理解できないものかと思っての質問でもあったということを御理解いただけたらと思います。
以上です。
○今村部会長 今の範囲でお答えできることがあればお願いします。
では、清水課長からお願いします。
○消費者庁清水食品表示課長 食品表示法違反、あるいは食品表示基準違反につきましてどこの段階からというところは、ここから違反している、ここからつくったものから違反状態が生じているというところが確認できたものから、そこの時点からが違反していましたねということになるのですけれども、その回収するかどうかとか、その辺りは食品衛生法の体系ですと回収命令みたいなお話がありますが、こちらのほうではそこまではないということですので、指示、公表をして是正していくという形になります。
それで、これは機能性表示食品に限らず、例えば産地偽装で外国産のものを国内のマルマル県産だというふうに販売していましたというときに、ではどこからがそれをやっていたのかというところは立入検査などを行って、確認できるところから認定するというような形になります。
ですので、大昔からずっとやっていましたと言われても、帳簿も何も残っていないとか、そういう状況ですと、恐らくやっていたんだろうけれどもそこまでは確認できない。
ただ、少なくとも令和2年何月からは一定の書類とかが確認できて、違法なことをやっていましたということであれば、そこから先がそうだというふうになりますけれども、食品としては既に消費されていて、原状回復とか、そういうこともちょっとできないということであれば、指示、公表して社名も公表されることで一定の社会的制裁を受けるですとか、二度とそういったことが起こらないようにするですとか、そういった形での対応になるというのが今の食品表示法の執行の現状かなと考えております。
○今村部会長 ありがとうございます。
菅委員、いかがでしょうか。
○菅委員 すっきりはしていないですけれども、御説明としては一応理解はしました。
○今村部会長 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
では、森田委員、続いて鈴木委員の順番でお願いします。
○森田委員 御説明ありがとうございました。この短い期間で、健康被害情報の義務化やGMPの要件化ということに合わせて、新規成分の特例制度ですとか、毎年の自己チェックですとか、入れるところをたくさん入れていただいているんだなというふうに思っております。
一方で、残された課題ということで、これまで巡る検討会でほかの先生もおっしゃっていましたけれども、サプリメント形状の食経験について、今回紅麹のサプリがすごく短い販売実績で出されていたということが問題だというふうに思っておりまして、欧米では25年以上の食経験があるとか、機能性表示食品の最初の検討会でも、欧米ですとか、そういった事例を挙げて食経験に関しては言っていたにもかかわらず、すごい短いものが出されているということに関しては、今後の課題としてやはりガイドラインの中で具体的に示すということを検討していただきたいと思います。
また、原料に関しても、今回、原料はGMPではないということでしたけれども、運用ということでありましたら、例えば先ほど申し上げましたように情報開示ですとか、できるところを進めていただければと思います。
それから、厚生労働省に今回来ていただいているのですけれども、今回、機能性表示食品がきちんと食品衛生法の中でも規定されたということで画期的だと思うのですが、その一方で機能性表示食品の規制が厳しくなって、いわゆる健康食品に流れるおそれというのがやはり懸念されていて、消費者にとってはリスクの高い健康食品、その他のいわゆる健康食品が市場に流通するおそれは依然として解決されていないと思っています。
閣僚会合のときの最後の今回の事案を踏まえた検討課題の中の下から2行目に、食品業界の実態を踏まえつつサプリメントに関する規制の在り方、許可業種や営業許可施設の基準の在り方など必要に応じて検討を進めるというふうにございます。
巡る検討会でも、様々な消費者団体も、この機能性表示食品だけではなくて、いわゆる健康食品全体を見据えた施策を検討していただきたいということで、ここでお願いできればと思います。
それから、消費者委員会の本会議のほうにちょっとお願いがございます。今回、様々な課題が残っているということがありますし、機能性表示食品だけの問題ではなくて、最初に座長がおっしゃられたように健康食品の広告ですとか、それから機能性表示食品の今回は所掌範囲ではないですけれども、機能性の科学的根拠の在り方ですとか、様々な問題が実はある。今回は緊急性の安全性の部分だけで検討していただいたということですけれども、今後の課題としてやはり機能性表示食品制度そのものも残っている。
そういうことを考えると建議を検討していただきたい。建議を出すことを検討していただきたい。建議は、今、消費者委員会が始まって建議が23件出ていますけれども、健康食品に関してはこれまで2回、2013年の1月と2016年の4月に行われています。
それで、2013年は健康食品の表示等の在り方に関する建議であり、2016年は健康食品の広告の適正化、表示広告適正化と特定保健用食品の制度の運用の見直しということで、実はトクホに関してはかなりここで建議をしていて、そして政策に見直されたという経緯がございます。
しかし、機能性表示食品に関しては2014年の12月に答申を行って、附帯はつけていますけれども、そこの確認とかもきちんと求めているにもかかわらず十分に遵守されてきたとは言えない状況がございます。ですので、ぜひ建議を検討していただきたいと思います。
こちらは本会議のほうでお願いいたします。
○今村部会長 分かりました。
まずは今回諮問がきますので、それに対してどのような形で附帯意見としてつけていくかということで、その後のこととして強い意見を出していくかということを検討していくということですね。ありがとうございます。
今の御質問に対して、消費者庁や厚労省から何かコメントがあればお願いしたいと思いますけれども。
○消費者庁食品表示課今川保健表示室長 消費者庁の今川でございます。ありがとうございます。
食経験のことも、機能性表示食品を巡る検討会の中でも御意見は様々いただいたところでございます。今回の食品表示基準改正に直接的に影響するものではないかもしれませんけれども、引き続き検討させていただきたいと思っております。
GMPも、義務がかからない部分についても可能な限り推奨していきたいということは引き続き続けていきたいと思います。
以上でございます。ありがとうございます。
○今村部会長 ありがとうございます。
では、厚労省からお願いします。
○厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課三木食品監視分析官 厚生労働省でございます。
今、森田委員の御指摘というか、コメントいただいた部分については、まずはいわゆる健康食品も含めて私どもは医療機関等から健康被害情報を努力義務というような形でありますけれども、収集をしておりまして、そういった集められた健康被害情報を医学的、疫学的に解析、分析をして、必要があれば適切な食品衛生法での措置を行う。また、さらにそういった特定のものが多く出てくるのであれば、そういった特定成分については指定成分というような形で、これは厚労省から消費者庁さんに食品基準行政が移管をされましたが、そういったところで指定成分にするかどうかの議論をしていただくという形でありますので、全体的ないわゆる健康食品、保健機能食品にかかわらず、そういった健康被害情報については引き続き収集をさせていただいて分析評価を行っていくというような仕組みになってございます。
さらに、最後にお話のあった規制の在り方等については、平成30年に食品衛生法改正をさせていただいて、一応施行後、5年後をめどに検討をするというふうな規定もございますので、今般、令和6年4月に食品基準行政が消費者庁に移管されたということもございますので、両省庁で引き続き必要に応じた検討を、こういった実態を踏まえてそういうものが必要なのかどうかということを含めて、検討させていただくということになろうかと思います。
以上でございます。
○今村部会長 ありがとうございます。
森田委員、よろしいですか。
○森田委員 はい。
○今村部会長 では、続いて鈴木委員お願いします。
○鈴木委員 森田委員のほうの御発言に対する回答のほうで理解ができましたので、結構です。
○今村部会長 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
では、小川委員お願いします。
○小川委員 いろいろ御説明いただきましてありがとうございました。私自身、いろいろ理解が深まったと思っております。
1点、コメントですけれども、今回はどちらかというと事業者の方に関する規制というところにフォーカスが当たっていると思いましたので、一巡目のときに控えた消費者教育の観点についてコメントさせていただきたいと思っております。
今回の紅麹関連の問題では、機能性表示食品の制度の問題や事業者側の問題がありましたけれども、やはり消費者側のリテラシーといいますか、いわゆる健康食品に対しての期待が非常に大きいがゆえに、理解がいま一つ深まっていないところも問題になったように思っております。
前回も消費者教育や情報提供など様々な話がありましたが、これから機能性表示食品に関しては、健康被害が疑われる情報がよりたくさん出てきたり、届出情報に対しての関心も高まっていくと思うんですね。
そうしたときに、やはりその情報を読み解くための力が、私自身も含めてですけれども、消費者側もきちんとつけていく必要があり、消費者教育についてきちんと考えていくことが必要だと思います。私自身、大学という学術機関の者として、できることとかやるべきこともあると思いますし、行政や事業者、消費者団体の方々と連携して、消費者教育に関して何か貢献していければと思っておりますので、コメントとして述べさせていただきます。
以上です。
○今村部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
大分時間も過ぎて、非常に活発な御議論をいただきました。今日は、今回まだ諮問はされていないのですけれども、機能性表示食品について今の疑問点や意見を言ってもらうということが主な目的でありました。
実際、諮問にくる以外の、森田委員からもございましたけれども、建議しなければいけないようなことがたくさんあるのではないかというのはかねてから指摘を受けているところでございますけれども、まずはこれから来るであろう諮問事項に対してこの委員会として意見を言っていく。そして、諮問以外のことについては附帯意見として出していくという作業を割と短時間の間にやらなければならないと思っております。
ですから、今、御意見、御質問等を出していただきましたことについて、納得していただければ全然問題はないですけれども、追加の御質問や御意見等があればぜひいただいて、それを消費者庁が可能ならばメールベースでもいいので返していただいて、次は20日にここでまた表示部会をさせていただく予定ですけれども、そのときには諮問がきていて、諮問事項に対しては是か非かという話がまずあって、そこに上乗せする附帯意見をつけていくということはこの短期間の間での作業になりますので、その間、諮問に対しての御質問や、そのほかの意見もぜひ集めていきたいと考えています。
本来、非常に幅広い範囲のことを議論しなければならない状況ではあるのですけれども、そういう事情もあって先に決めなければいけないことがあると思います。
今日は厚労省からも食品と医薬の担当の方に来ていただいて、どういうふうな整理でこの制度が動いているかということについてもお話しいただいたので、今後の議論には非常に役に立つものになったと思います。本当に来ていただいてありがとうございました。
また、消費者からの諮問もこれからということですけれども、来次第、またこの部会のメンバーにも諮問内容を共有させていただいて、それを次回の会議である程度まとめていければと思っております。
今日は、長時間の議論にお付き合いいただいて心から感謝申し上げたいと思います。
では、事務局のほうに議事を戻しますのでお願いします。
≪3.閉会≫
○友行参事官 長時間にわたりまして御議論いただきまして、誠にありがとうございます。
次回の日程の詳細につきましては、また確定次第お知らせいたします。
以上です。
○今村部会長 ありがとうございます。
それでは、本日はこれで終了とさせていただきたいと思います。本当にお忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございました。
(以上)