第6回 消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会 議事録

日時

2018年10月31日(水)10:00~12:10

場所

中央合同庁舎4号館7-1会議室
消費者行政新未来創造オフィス消費者庁会議室<TV会議>

出席者

  • 【委員】
    樋口座長、新川座長代理、内田委員、木田委員、遠山委員、野口委員、野々山委員、萩原委員、長谷川委員
  • 【オブザーバー】
    大森委員
  • 【説明者】
    立正大学心理学部 西田公昭教授
    消費者庁高田政策立案総括審議官
    消費者庁消費者行政新未来創造オフィス日下部参事官
    消費者庁消費者政策課内藤課長
    消費者庁消費者調査課太田課長
    消費者庁消費者政策課担当者
    消費者庁消費者行政新未来創造オフィス担当者
    徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課犬伏消費生活創造室長
  • 【事務局】
    二之宮事務局長、福島審議官、坂田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 「若者の消費者被害の心理的要因からの分析」に関するヒアリング
  3. 「シェアリングエコノミーに関する実証実験等」に関するヒアリング
  4. その他
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○坂田参事官 皆様お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会 消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会」第6回会合を開催いたします。

本日は、消費者庁のテレビ会議システムを使用し、徳島から大森委員に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。

また、本日は所用によりまして、唯根委員が御欠席との御連絡をいただいております。

配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第に配付資料一覧を記載しております。不足等がございましたら事務局までお申しつけいただければと思います。

それでは、樋口座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.「若者の消費者被害の心理的要因からの分析」に関するヒアリング≫

○樋口座長 本日もよろしくお願いいたします。

それでは、早速議事に入らせていただきます。

本日は、2つのテーマについてヒアリングを行いたいと思います。

東京では消費者庁から内藤消費者政策課長、徳島では高田政策立案総括審議官、日下部参事官にお越しいただいております。

それでは、議題の1つ目として、「若者の消費者被害の心理的要因からの分析」に関するヒアリングを行います。御説明をいただくために、徳島からは消費者庁より日下部参事官のほか、消費者行政新未来創造オフィスの担当の方、東京からは消費者庁より消費者調査課の太田課長。それから、消費者庁の「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の座長をされておりました、立正大学心理学部教授の西田公昭様に御出席いただいております。お忙しいところ御出席いただき、ありがとうございます。

消費者庁からの御説明の後に西田教授より御説明いただき、まとめて質疑応答を行いたいと思います。

それでは、まず消費者庁から御説明をお願いいたします。

○消費者庁日下部参事官 消費者庁参事官の日下部でございます。

この報告書の資料1-1、概要に沿って簡単に御説明させていただければと思います。

表紙をめくっていただきまして、ページ数で1ページと書いてあるところでございますけれども、先ほどお話がありましたとおり、西田先生に座長をやっていただいて、昨年から今年の夏にかけて議論をして、報告書を取りまとめたということでございます。

調査としては一番大きかったのは若者を対象としたアンケート、2ページ目を御覧になっていただきますと、1万人、正確に言うと1万1,238人ですけれども、対象にしたインターネット調査を行いました。年代としては16歳から29歳の若者に対して、どのような消費者被害に遭う心の動きがあるのかとか、そういうものを中心に様々な質問をして、その結果を分析したところであります。ただアンケートをしたというよりも、そもそも対象としては、勧誘を受けた経験がある人を対象にアンケートを1万1,000人にしたということで、その具体的な勧誘経験については2ページのグラフに出ているとおりですけれども、いろいろな勧誘を受けたことがあるとか、そういう人を対象にしたものであります。したがって、勧誘を受けたことがないという人は、今回の調査の対象にしていないということでございます。

その次ですけれども、アンケート調査結果マル2、勧誘のきっかけとか購入の有無、後悔の有無とかを聞いていますが、具体的には友人・知人を介しての紹介とか、声をかけられたとか、そのような勧誘が多かったとか、中身も無料だとか、美容に興味がないかとか、いい副業があるとか、いろいろなことが聞かれたわけですけれども、中には目的を隠して接近してきた例もあったということでございます。

後悔したかどうかというのは(4)ですけれども、今、思えば断ればよかったという人が6割ぐらいいるということでございます。

その次の勧誘手法についても1つ興味深い結果が出ましたけれども、右側の図が何を表しているかといいますと、勧誘を受けた際に用いられていた勧誘手法の数、要するにたくさんの手法で勧誘されると、より購入に結び付くことが多いということが、例えば購入の数というのが左側に出ていますけれども、購入の契約をするときに今が最高だ、チャンスだとか、相手が好意を示しているとか、販売目的を隠しているとか、そういったいろいろな左に書いてあるような手法があるわけですけれども、この手法の当てはまり度合いがあればあるほど購入に至ることが高いということも分かった次第でございます。

5ページ、悩みや不安等の有無と購入・契約の有無ということですけれども、基本的には容姿や能力に関するコンプレックスを抱えていたとか、そういうものに対して1から5で、当てはまり度合いが高ければ5で、低ければ1となるわけですけれども、購入した人と購入していなかった人を比べると、購入した人のほうが当てはまり度合いが高いといったことから、容姿や能力に対するコンプレックスがある人のほうが購入に至りやすい。だからといってそういうコンプレックスが少ないからといって購入しないわけではないのですけれども、至りやすいということが分かった。ほかにもお金に困っていたとか、刺激が欲しいとか、いろいろなことで大体こういう人って購入・契約しやすいのかなと思うようなことに対して、統計的にも非常に購入・契約に至りやすいということが出てきたということが言えます。

相手の印象、声をかけてきた人の印象と購入・契約の有無ですが、印象はとても好印象であったという人が、例えば話を聞いたかどうかということでは、9割ぐらいの人が好印象だったので話を聞いている。ところが、とても印象が悪くても3割ぐらいの人は話を聞いているというのが悩ましいところであります。声をかけてきた人の印象と購入・契約の有無を見ても、やはり好印象だと6割近くの人が購入・契約まで至っていますけれども、とても印象が悪かったという人でも十数%は購入・契約に至っていることが分かりました。

6ページは、最近の若者はSNSが小さいうちから普及していますから、ちょっと大人に対しては分かりにくい意識もあるかなということで、SNSについてもいろいろ聞いてみました。そうすると全体的に言えたのは、SNSに対しての抵抗とか気持ちというのはなかなか若者は若者らしく、結構SNSを大事にして信用していることが見えてくるわけですけれども、例えば左下のグラフですが、SNS上でしか知らない人への対応となると、信頼できそうな人から会いたいというメッセージが届いたら申出に応じるというような、SNSでしか知らない人から、実際にはよく知らない人でも、信頼できそうな人からSNSから来れば、絶対にそうしない、対応しないと答えた人は5割弱ぐらいですから、逆に残りの5割以上の人は絶対にそうするか、多分そうするか、多分そうしないか、ちょっと揺らぎがあるということが見えてきたということであります。

右側ですけれども、SNS上での友人を持つ若者が3割程度いるということですけれども、別に会ったことはないけれども、SNS上だけの友達がいると答えた人が3割ぐらいいるということなので、別に友達というのは必ずしも自分が見たことある人とは限らないというのが、最近の一部の若者には言えるということであります。

SNSに対しての警戒感についても、利用している人の中には自分の身の周りよりも悪い人がたくさんいるのではないかと思う人に対して、そうだという警戒感がある人とか、やや当てはまるという人はいいのですけれども、どちらともいえないとか、当てはまらないとか、ほとんど当てはまらないという人も3割以上いるということで、結構SNSというものに対して非常に警戒感を持っている若者も多いのですけれども、大して持っていない若者も35%ぐらいいる、3人に1人ぐらいいるというのが面白かったかなと。

SNS上でやりとりすれば相手が信用できるか分かるかというのも、2割ぐらいの方については信用できると答えている人もいるので、全員でないにしてもSNSに対して我々が思っているよりは恐怖感が低い人も結構多いということが分かったということでございます。

次のページですけれども、被害を回避するために必要となる知識と若者の消費者被害ということですが、若者も契約についての知識が少ないと思っている人は、そうは言ってもそれなりにいて、契約についての基礎知識があるかどうか聞いてみると、少ないに当てはまる人が50%以上いるということで、知識が少ないと思っている人も実際はいる。一方、悪質商法とかの報道について関心はないのかと聞くと、関心がないと答えている人が5割ぐらいいるので、関心がない人もそこそこいるということが分かってきました。

消費者被害があることをどのように思うかというと、自分も気を付けようという意識ももちろんあるのですけれども、これは知識不足だとか、自己責任だとか、契約する勉強の機会があればもっとトラブルが減ると思うという答えもそこそこいる。知識が大事だと思っている人はそこそこいることが分かりました。

その次の性格的特徴、今回の報告書の中で一番の成果は何だと言ったらこれを挙げていますが、若者はなぜ勧誘に対して反応してしまうのかということで、何十問かいろいろな質問をした中で幾つかの質問をグルーピングして、統計的に似たような回答が出たものをグルーピングしたわけですけれども、それで契約に至るに当たっての心理傾向について15問ぐらいの問いに絞ることができました。それを見ると、拝まれるようにお願いすると弱いとか、おだてに乗りやすいとか、自信たっぷりに言われると納得するとか、マスコミで取り上げられた商品はすぐ試したくなるとか、資格や能力アップにお金を惜しまないとか、こういうものに対して当てはまり度合いが高いとより契約に至りやすいということが分かってきまして、チェックリストができたということです。

この15項目に対して全て当てはまるという、次のページを御覧になっていただきますと、1から5まで点数を付けるわけですが、当てはまり度合いが高いと5と、低ければ1で御自身で点を付けてください、合計点を出してみると、その前のページの1万人のアンケートの結果から見ますと、結構当てはまり度合いが高い人については、点数で言うと60点以上を取ると7割近くの人が契約に至っているということで、自分の心がどういう傾向があるか知ることによって、事前にいろいろな勧誘を受けた際に自分は勧誘に弱い、契約に至りやすい性格なのか、あるいはそうでないのかということがある程度判定できる。しかもそれが1万人のアンケート結果によって出てきたということで、統計的な裏付けのあるチェックリストができたということは非常に意義があることかなと思っています。

ただ、点数が低ければ安心かというと、そうではなくて、例えば全部に当てはまらないと付けたとしても、点数が低い30点未満の人でも4人に1人ぐらい、25%ぐらいの人は契約していますので、大丈夫というわけではないのですが、当てはまり度合いが高いとより気を付けなければいけないということが今回分かった。こういうチェックリストができたというのは非常に興味深いかなと思っております。

次に、ヒアリングをたくさんしようと思ったのですが、なかなかヒアリングさせていただける人が少なかったので7名ぐらいしかできませんでしたけれども、いずれも結構ちゃんと最後解決したとか、心の整理がついた人しかヒアリングには応じてくれませんでしたが、ちゃんと勉強していればとか、相談したことによって何とか救われたとか、危ないところで大丈夫だったとか、そういう答えがあったということが特徴的でありました。

その次ですけれども、先ほどのは勧誘を受けたときにはこういう行動をしやすいか事前に把握するものでしたけれども、今度は若者がどういう観点で勧誘を受けた際に、どういう気持ちになって物を買ったり断ったりするのに至るかという、勧誘を受けた際の心境とか状況といったものもいろいろ調べてみました。そうすると商品やサービスの評価というものが非常に高いと思えば、そういう評価になると購入・契約をするし、一方、納得感が得られていないと必ずしも購入・契約しなかったというのが同じぐらいになるとか、否定的側面というのは勧誘に対して否定的な考え方を持ったとか、これは怪しいと思った人は、購入・契約したとした人と比べると、しなかった人のほうがそういう割合が高い。そういうことが見えてきているということであります。こういった結果を基に、勧誘を受けた際のチェックリストも作っていますので、それはまた後で御紹介させていただきます。

次は13ページです。若者が購入・契約に至るまでの心理プロセス、どういう動きでもって若者が契約に至るのか、あるいは至らないのかというのを少しモデル化したのが13ページであります。例えば至るまでの流れとしては、事業者から欺瞞的なメッセージが来たとします。それに対しての反応としては内的要因、自分の心とか自分自身としては自分の性格があります。拝まれたら弱いとか、別にそうではないとか、悩みを抱えているかいないか、知識があるかないか、そういった要因。それから、場の雰囲気、状況の設定、高圧的で逃れられないような雰囲気であったかとか、非常に状況的に盛り上がるような状況だったかとか、そのような状況要因。それから、簡便な思考と内容吟味の思考と書いていますけれども、簡便な思考というのはみんな大丈夫だから大丈夫だろうとか、昨日も大丈夫だったから今日も大丈夫だろうとか、さほど深く考えずに簡単に思考してしまうパターンと、内容吟味の思考というのは、これは本当に大丈夫なのかなというのをじっくり考える。そういう思考。

それから、心理状態としては誤信、混乱、浅慮と言いますけれども、購買品とか契約内容の価値を見誤るような誤信。混乱というのは本来の自分の意思とは異なる決定をしてしまう。それから、大して考えないという浅慮。こういったような心理状態によって最後契約に至る。一方、契約に至らないというパターンとしては客観的に見て十分に検討するということで、批判的な精神を持って検討するとか、あるいはこれは不審なのではないかとか、自分の本当の気持ちはどうなのだろうかとか、そういうものを考えて最後契約しない。このような心理プロセスがあるのではないかということが見えてきたということでございます。

15ページ、先ほど6つの視点、2つ目のチェックシートなのですけれども、若者が勧誘を受けた際に、どういう点でよく慎重に考えるといいのかというのを今回いろいろな人にアンケートをして導き出したのは、例えば商品・サービスの価値については、今だけ付くポイントとかに魅力を感じていないかとか、その場の盛り上がった雰囲気に飲まれていないかとか、こういうものを一つ一つ丁寧に考えていけば、恐らく勧誘に対して少し慎重に、自分の望まないような契約には至らないのではないかと思って、こういうチェックリストも作ってきた。勧誘者の評価という点では、相手を信頼し過ぎていないかとか、場の拘束感では少し疲れていないかとか、否定的な側面への評価というのは、それは簡単に支払えない金額なのではないかとか、誰にも相談していなくて決めてしまっているのではないかとか、強引に対しては少し怖いと思っていないかとか、そのようなことでこういうチェックリストを作ってみましたということでございます。

このようなことが、今回の報告書で一番面白い成果として御紹介できるかなと思っております。

最後に付けているのは、いろいろなアンケートをしたので、ここで載せられなかったものでも興味深いものについては適宜、アンケート結果を載せていますけれども、例えば見かけのいい人だとつい信じてしまうということに関しては、丁寧に見ていると「とても当てはまる」と答えた人と「やや当てはまる」というのが購入した人としていない人を比べると、している人のほうが非常に高いというのが18ページの図です。

その次の最後の20ページですけれども、ホットライン、消費生活センターに相談してほしいと我々は思っているわけですが、消費者ホットラインまたは消費生活センターを知っているが、相談したことはない理由というのを聞いています。したがって、知らない人とか、知っていて相談したことがある人は除いて、知っているけれども、相談したことがないという人の大部分は、相談する内容はないからと答えたのですけれども、相談する内容がないということを除いた部分について右側の図ですけれども、なぜ188に相談する必要があるにもかかわらず、相談していないのかなというのを聞いてみると、公的機関には相談しづらいとか、あるいは相談しても解決できるとは思えないとか、相談するのが面倒とか、そのような答えが出てきましたというのが若者の心理としては参考になるかなと思っております。

あとは資料1-2もお配りしておりますけれども、この成果をせっかくなので広報するような資料を作ってみようということで作った資料が、資料1-2ということでありまして、中身はチェックリストと、それを中心にしたこんな怖い話がありますという話を入れているというのも作りましたということで、御参考までに付けています。

私からは以上でございます。

○樋口座長 ありがとうございます。

それでは、西田先生からお願いいたします。

○立正大学心理学部西田教授 どうも今日はお招きありがとうございます。

私どもは社会心理学を専門にしていまして、その中で消費者行動を分析するのがいつもの仕事なのですけれども、今回は消費者の保護という観点に立つ心理学を、つまり科学的な分析を用いてこの問題を検討するというところが新しいかなと。今までに余りなかったコラボレーションではないかというところが最初に評価できるところではないかと思うのです。

実は行動経済学という分野があって、そこは経済学だと思われがちですけれども、実は中身は心理学だったりします。その行動経済学の視点よりも更に幅広く、集団の心理であるとかコミュニケーションといったようなテーマを我々は持っていきますので、より社会的な現実場面での消費者行動を分析することができるという点が特徴かなと思っています。今回はそれを用いてサンプルを1万という被害者や被害者になりかけた人を集めたというのが大変画期的なことになりました。つまり、非常にしっかりしたエビデンスを基に今までこの問題について経験者がああではないか、こうではないかと言っていたことが裏付けられたという点が一番大きくて、新たな発見というよりは、私はそちらの基盤を構成したことのほうが重視できるのではないかと思います。

今、参事官からもありましたけれども、まず6つの視点という言葉ですが、要するに我々は勧誘等を受けたときや何らかの消費行動をとるときに、どうやら6次元の分析をしていることが分かったわけです。そして、その6次元のところでの何らかの警戒心が解けたときに、相手の勧誘に乗ってしまうという現象だろうと考えますと、この点を応用していきますと、今後の消費者教育に限りましては各生徒とかがどこが弱いのか、データを分析しながらそこを強化していくことに役立つだろうと思います。

また、こういう問題というのはよく我々が啓発するときに、全ての人に関係があるのだ、だまされない人なんかいないのだとよく言うのですけれども、なかなかそれが伝わらないというところがありまして、人はなかなかどうしても自分は大丈夫と思いたいという心理も働くわけですけれども、そういった点から性格的な、個人的な特性によって自分は危ないのかどうかといったリスキーな心理傾向を、今回それをしっかりした基盤で作ったというところも大きくて、要するに点数が低い方でも数十%のレベルでは危ないのだという点がこれで分かったということもあります。

要するに、私の調査結果を見て思うことは、個人的な悩みを抱えていたとか、何らかの特別な事情があったというよりは、外部からの勧誘の影響力のほうが響いて被害に遭っているというようなことが伺えますので、そういう意味で警戒心を高めていくことで被害を減らしていく。そして、しっかりとした消費者になってもらうといった教育へとつないでいけるのではないかという点があります。

ほかにも被害者にもお会いしてヒアリングをさせていただいたりしましたが、先ほどの参事官の言葉にありましたように、なかなか被害者というのは出てきてくれないものなのです。その点も考えると今後の社会的通念の中にあるだまされたほうが悪いとか、恥ずかしいとかいう心理も含めて、これは被害者の周囲の人々との連携といったことの重要性も示唆しているのかなと思っておりまして、そういった点を考えると私にとっては新たな発見も多く、1年楽しく過ごさせていただいたという次第です。

以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの消費者庁並びに西田教授からの御説明に関しまして、質疑応答を行わせていただきたいと思います。

御質問のある方は御発言いただきたいと思いますが、これまでと同様にテレビ会議システムを使用し、今回は徳島と中継しておりますので、東京で御発言いただく方は挙手をしていただき、また、徳島で御発言いただく方は、御遠慮なく私に発言したい旨をお声をかけていただきたいと思います。私が指名いたしましたらお名前を言っていただいた上で御発言いただきますよう、よろしくお願いいたします。

また、質問に対する御説明や御回答をしていただく際に、御説明者の皆様も大変お手数ですが、お名前を言っていただいた上で御説明等を開始していただきますよう、御協力よろしくお願いいたします。御発言される皆様は、なるべく集音マイクに向けて大き目の声でお話しいただきますよう、御協力をお願いいたします。

それでは、御質問のある方は御発言をお願いいたします。

○野々山委員 まず質問をさせていただきまして、その後、意見を述べさせていただきます。

最初の質問は、17ページに記載のある今後の課題です。私はこの調査は弁護士の五條さんも参加しておられまして、非常に興味深くその推移と報告を注目していたところであります。この調査と報告の成果をどう今後にいかしていくかにつきまして、今、西田先生からは1つには、これまで言われてきた消費者被害の原因や背景のいろいろな裏付けになっていくということ、2つには警戒を要する人の特性が分かってきたので消費者教育に役立つ、3つには被害者の連携にもつながってくるだろうという御示唆をいただきました。それで、これらの結果を消費者庁や消費者委員会でこれをどういかしていくかということについては、何か展望とかお持ちなのでしょうか。

○消費者庁日下部参事官 どういかしていくかですけれども、まず積極的にこの成果を広報することが大事だということで、このパンフレット、Attentionという資料を作ったり、今、各地の消費生活センターにこういった成果を印刷して配布する作業をしているところであります。

消費者教育にどう生かすかですけれども、そこはうちの消費者教育を担当している部局を初め、消費者庁内の各部局でもこの成果は共有しておりまして、また、消費者教育を担当している部局とも相談をしているわけですが、実際に学校現場にどうするかというのは現時点では特段、はっきりしていることはないのですけれども、我々としてはとりあえずいろいろな形を使って例えば官邸のホームページのLINEやメルマガに載せたし、消費者庁のいろいろな広報ツールにもこれを使って宣伝しているということは今、働きかけているということで、その広報は既に相当やっていますし、各消センに配るというのは今正に準備中ということでございます。

○野々山委員 17ページには今後の課題として消費者教育と法的な側面、被害があったときの被害回復に対する対応の2つが挙げられています。前半ではこれを読ませていただきますと、消費者は自己把握が重要だということが非常に特徴的に出てきているのではないかと思っていますので、是非そこをうまく使っていただきたいなと思います。

それから、若者に対してはSNSというものがかなり浸透しているし、我々の世代が利用したり見ているよりも、もっと信頼性を高くもってきておりますので、その対応の今後の検討がアンケート調査、分析からは出ていくのではないかと思っています。

もう一つの、法的な救済の側面につきましては、浅慮という要素を抽出しているところに私は注目をさせていただいております。ただ、浅慮が何かというところにつきましては、12ページにいろいろ書いてありまして、これをこれまでの誤信とか、あるいは困惑という概念とどう切り分けていくかというところ、あるいは今、問題になっているつけ込みというものに対してどう切り分けていくかは、今後なお深掘りをして議論する必要があるかと思いますが、こういう浅慮というものを抽出していることは、これが若者の被害に係る心理要素ということでは非常に重要だと思います。特に成年年齢の引下げが今、行われようとしておりますので、それへの対応も急務であり、浅慮の検討は重要であると思っています。

このことはどういう人がつけ込まれるのか、あるいはどういう勧誘がつけ込みになっていくのかということを分析する上でも、ここの調査結果の分析と浅慮という概念は重要ではないかと感想を持っておりますので、是非その辺りも活用していただきまして、今後の法制度にもいかしていただきたいと思っております。

以上です。

○樋口座長 ありがとうございます。

それでは、遠山委員、お願いいたします。

○遠山委員 まずスクリーニング調査を含めると、かなり多くの人数の方が答えてくださっていると思うのですけれども、アンケートに答えてくださる数万人という対象の方は、どのようにして探されたのかということが1つです。

もう一つ、西田先生に質問なのですけれども、いつも高齢者を対象に西田先生が作られた、だまされやすさ心理チェックというものを利用させていただいています。とても分かりやすくて好評なのですけれども、今回のチェックシートの1番はそのような内容の質問の仕方になっているのですけれども、チェックシートの2と3については全て否定疑問といいますか、雰囲気に飲まれていませんかとか、信頼し過ぎていませんかというふうに否定疑問の形をとっていまして、現場で質問するのも少し答えてもらいにくいかなという印象を持ちました。

例えばこれを本当に現場で使うのであれば、勧誘者はとても信頼のできる人だとかいうふうに書いておいて、最後に1つでも当てはまれば、その契約は要注意という形で警戒感を持たせるという形にしたほうが、より受け入れられやすいかなという印象を持ちました。

以上です。

○立正大学心理学部西田教授 なるほどというふうに思います。チェックシート1は、正に本当に実際に調査に用いた内容そのものなので、1字も変えていない状態で出している。心理的には本当にちょっとしたニュアンスで反応が変わりますので、変えないでいただきたいというのがポイントですので、このままです。

2、3に関しましては、我々のほうでまとめて聞いてみよう的な作り方をしていますので、問いかけ風にしてみたりというところなのですけれども、確かにその辺の懸念がございますので、正に言葉をいじったところがどういう影響力を与えるのかという点に関しては、要検討ということで持ち帰らせていただければと思います。ありがとうございます。

○消費者庁日下部参事官 アンケートの回答者は2ページに書いていますが、委託調査したのは株式会社イードという会社ですけれども、アンケート会社ですので抱えている会員というか回答してもらえる、登録している方がたくさんいらっしゃるわけですが、その会員に対して聞いているということであります。したがって、この勧誘経験があるかないかを聞いて、何もないと回答した人はこの1万1,000人の外にいるわけですけれども、回答した人が1万1,000人集まったということになります。したがって、対象はインターネット調査会社のイードという会社が持っている会員というか、回答要員が対象になっている。登録している人が対象になってございます。

○樋口座長 ありがとうございます。

徳島のほうから御発言、大森委員お願いします。

○大森委員 このたびの調査は私はNPOでいろいろ消費者教育をやっているものですから、大体そうではないかなと思っていたことが、実際はこうだよという数字で表していただいたことがとてもありがたいなと思っています。高校生の大勢の講座の場合とかは、まずつかみでだまされやすさチェックとかやっているわけですが、大体こうではないかなというところでやっていたものが、きっちりした数字とか言葉を作っていただけたことで、私たちの講座内容を見直すことができます。

インターネットの講座なんかのときも、「知らない人についていかない」というようなことを今までよく言っていたのですけれども、ネットで知り合った人も友達と思っているのではないかということで、「友達と言ってもネットで知り合う友達は、学校の友達とは違うよ」というようなことを言っていたのですけれども、今回のアンケート結果でも、やはりネットでの友達を信じている人が3割いらっしゃるということで、とても私たちの活動に役に立つ内容で、これから消費者教育を進めていく上でとても大切なデータをいただけたと思っています。

質問なのですけれども、2ページの回答者数なのですが、この回答者数は先ほどおっしゃったようにデータバンクが抱えている対象者の中から勧誘を受けた人だけを抽出しているということで、この数字を見ると女性が男性の倍以上になっているのですが、これがそもそもアンケート会社に登録している人が女性が多いのか、女性が勧誘を受けやすいのか、その辺を知りたいなと思いました。

あと、被害金額とかとリンクすれば、例えば男性は勧誘を受ける機会は少ないけれども、被害額が大きいとか、何かそういう数字が見られればいいなと思いましたので、何か数字があれば教えていただきたいと思います。

○消費者庁新未来創造オフィス担当者 オフィスの担当からお答えさせていただきます。

まず回答者数の男女比については、もともとインターネットの調査会社で登録していたモニター数が女性の方が多いというところがありまして、今回、18歳から29歳の若者を対象に調査しているのですけれども、その年代の若者での登録数が他の世代に比べてやや少ない中、人数をある程度確保しようとすると登録数が多い女性がどうしても多くなってしまったというところがあります。ただ、例えば実際に勧誘を受けた内容として美容関係のものについては女性のほうが多いという差はあったのですけれども、心理分析の面で言えば男女ともにそこまで差が出なかったというところです。先ほど言っていた男女の比率の違いが分かるデータがあればということなのですが、今回の調査会の資料だと参考資料2、報告書の参考資料という形にして付けさせていただいておりますけれども、そちらの中に男女別の集計結果を載せております。具体的には参考資料の中の7番目になります。こちらで全ての問いについて男女の比較をしたデータを載せておりますので、こちらも御覧いただければと思います。

以上です。

○樋口座長 よろしいでしょうか。

木田委員、お願いします。

○木田委員 まず2点あるのですけれども、1つが9ページで、被害に遭う心理的要因は私はどうだろうと自分で分析したらほとんどなかったのですが、ただ、一番下、試着や試飲をしたため、つい買ってしまったことがある。これは絶対に、スーパーで買い物をしていて、ぱっと勧められて食べると悪いなと思って買ってしまう。それから、昔、お友達が洗剤を売っていて、お家に来て、それを買ってしまったという、そういう意識がなくても買ってしまう状態というのは誰でもあり得ることなので、そのときの自分のことを考えて、今、消費生活センターの電話番号があれば、クーリングオフなどができれば、飲み物とか食べ物ぐらいはいいのですけれども、高い洗剤とかお皿だったらそういうクーリングオフができるシステムを知っていたら、そこでできればよかったなというのが1点。

2点目、それに続くことなのですけれども、ここに怖い事例集があるのですが、友人に勧められて何々をしましたというところで、それと関わってこの事例はこうやって買わされて、親に肩代わりしてもらいましたで終わっているのですが、もしここにこの時点で契約するように言われました。もしここに消費者センターに電話していたらどうなっていたかとか、もしこうやったらこうやって解決ができるよというような方法も載せると、これは悪い事例で終わってしまっているので、ここの続きのところをもっと啓発してほしいなというので、啓発方法として今、テレビをつけてもラジオをつけても借金返済、借金返済ってすごくインプットされているので、ああいう手法ができないのかというのと、あと学校教育で社会教育としてこういう怖い事例があるのだけれども、こういうふうに回避できるよとか、契約してしまったのだけれども、クーリングオフってこういうことができるよということを学生たちに伝えられたらいいなと思いました。

以上です。

○樋口座長 何か御発言よろしいですか。

○消費者庁日下部参事官 先ほどの大森先生からの質問の中で、よりピンポイントにお答えしますと、参考資料2-1の112ページ、ちょっと字が小さいかもしれませんが、112ページに男女別の被害金額の一件一件というよりは、金銭被害のありなしで見ると男性が40%、女性が35.3%、金銭被害があった人の被害金額の分析というところは1,000円未満、1万円未満、10万円未満と区切っていますけれども、10万円以上という点では女性のほうがちょっと多いとか、こういうことは一応載せております。

○大森委員 ありがとうございます。

○樋口座長 木田委員の御発言に関してはいかがですか。消費者庁の今後の取組の方向性について、よろしいですか。具体的に何か御質問というか、答えを。いいですか。

○木田委員 今後そういうものがあればいいと思って。

○樋口座長 分かりました。では今、アドバイスをいただいた点についても、是非消費者庁のほうでも御検討いただければと思います。

他にいかがでしょうか。野口委員、お願いいたします。

○野口委員 今日西田先生がいらっしゃっているので、西田先生の専門的な観点から2点ほど、先ほどの御報告の中では恐らく省略をしてくださったと思われる点について、2つお伺いさせていただければと思います。

徳島のプロジェクトなので地域というところに着目した質問になるかと思うのですけれども、参考資料の20ページを拝見いたしますと回答者の居住地が都道府県別にパーセントで分類をされていて、首都圏とか人口が多い、若者が多そうなところは多くなるのだろうなと思いつつも、北海道が5になっていたり、徳島が0.6になっていたりという偏在もあるようです。この辺りについて先生が御覧になられて、何かお感じになられることとか、お考えになることがあれば、それをお伺いしたいというのが1点目です。

2点目は、同じ参考資料1の145ページからコラム2というものがあって、第3回検討会で岩井先生が発表されたものをまとめたという部分ですが、産官学共同で連携する関西の取組について、こういうものが期待されるというふうに報告書でまとめられているところなのですけれども、この辺について検討会の中でどのような評価とか御意見があったのかということをお伺いできればと思います。

以上、2点です。よろしくお願いいたします。

○立正大学心理学部西田教授 まずサンプリングの問題なのですけれども、正にウェブ調査という、ここ10年ぐらいよく使われるようになりました。その中で起きるという意味では、単純に人口比率とは関係しなくなってくるのです。要するにどこでもインターネット利用ができるというところから、このように全国的に散らばって、東京にしても13%ぐらいにとどまったと考えられます。ただ、ここは複雑なのですけれども、いわゆる不審な勧誘を仕掛けているのは都会に多いのか、地方に多いのかみたいなことに関しては、分からないです。そういった意味で、ある意味こういう調査のそこは限界として理解する必要がある。とにかくウェブ調査をやってみようというのは私の提案だったのですけれども、基本的に被害者を集めるのが非常に苦労することは目に見えていたのです。

もう一つ重要なことは、被害に遭わなかったという人との違いを出すには、被害を受けながらも途中でおかしいと思ったとか、契約しなかった、最後はとどまったのだという人たちとの比較が必要となってくると、こういう人を普通にランダムサンプリングのような過去の方法ではまず無理なので、そういう点でウェブ調査の利点というのがあるわけだけれども、逆にそういう意味では見えないところもありますということで、その点は今後の難しい課題だなと思います。

それから、検討会のときの話なのですけれども、細かいところは記憶が飛んでしまったところもあるのですが、関西は官でもないし、学でもないところが非常にフットワークが軽くて動いている地域なんだなということを私は思ったのですけれども、こういった点がそういう意味では全国的な展開がないし、そういったモデルがもう少し外部に紹介されて、いろいろなところで用いられるべきなのではないか。特に私も大学教育という立場にいますが、なかなかそういった連携ができない、その一つの理由は恐らくそういうフットワークの軽いリエゾンというか、つないでいく人々がいないのかなと思うのです。関心を同じように持ちながら、なかなか進まないよねというので、関西の地域をそのときいいなというふうに見ていたというぐらいの感想でございます。

○野口委員 ありがとうございます。後者のお話は、そういう意味では発展可能性というか、期待が寄せられるということなのかなと拝聴いたしました。ありがとうございます。

それとあわせて、単純に結び付けることはできないかもしれないのですけれども、データ上の居住地のパーセントの読み方は慎重にならなければならないし、地域で根ざした活動が実を結んでいくとしても、それがアンケート上の数字に表れるというところが難しいというデータの読み方についても教えていただいたと思っております。ありがとうございました。

○立正大学心理学部西田教授 もう一点言うと、日本のインターネット環境があってこういうふうに答えられている人々という意味では、多分それほど地域差がないのではないかと思われるのです。非常に高いコストがかかるようなものでもないし、何らかのインフラが要るわけでもないので、そういった点を考えると今後もこういう調査方法はあるかなと私は思います。

○野口委員 どうもありがとうございます。

○樋口座長 それでは、長谷川委員、お願いいたします。

○長谷川委員 経団連の長谷川でございます。

まずこの調査結果は非常に参考になります。とてもいい研究だと思います。大体私が想像していた感じとも、それが良いか悪いかは分かりませんが、合っているような気もいたしております。

その上で、最初に西田先生にお伺いしたいのですけれども、こういう心理状態で被害に遭うということに対する対処法が例えば教育だとすると、消費者被害の分野ではなく他の分野で存在するのかもしれませんが、一定の心理状態があるときにだまされやすいという場合に、それに対する教育の効果がどのぐらいあるのかということについて、もし一般的な形で他の分野ででも研究等があれば、教えていただきたいと思います。

2点目は、先生に対してというよりも調査そのものに関してなのですけれども、この調査はそもそものテーマとして、若者を対象にという話なのですが、浮かび上がっただまされやすい心理状態はというものは、若者に限らず、先ほど何人かの委員の方もおっしゃっていましたけれども、一般的に考えられるのかなという感じで受け止めました。実際に調査してみないと分からないということかもしれませんが、そのような理解でいいのでしょうか。

その関連で、成年年齢の引下げが1つの大きな対応すべき課題になっているわけですが、二十歳を超えているかどうかで今回の調査で有意な違いがあるのかどうか、もし調査されているのであれば、教えていただきたい。さらにその関連で、参考資料2の137ページ以降で、そもそも調査は18歳から29歳が対象になっているわけですけれども、19歳から22歳について特出しして集計されておられるように見受けられるのですが、この19歳から22歳に特出ししたものと全体を比較して何か有意な違いが発見されたのかどうかについても教えていただければと思います。

最後に、今後の課題ということで消費者教育と消費者契約法の2点が資料で挙げられているわけでございますけれども、資料1-1の最後のページで御紹介されているもので、消費者センターや消費者ホットラインに相談しにくい理由が挙げられています。これに対する対応について、是非今後の活動として行っていただければと考えています。最後の点は意見でございます。

○立正大学心理学部西田教授 私からまず答えるべきは、教育の研究ですよね。というのは心理学の分野においては余りないと思います。そもそも消費者問題を扱う研究者の中で、特に保護の観点に立つというのは少ないのです。ほとんどどちらかと言ったら企業サイドというか、売る側を産業的に発達させるのかというのがいわゆるメインテーマでずっとやってきたということの保護という話になってきたのは、まだ10年、20年というところではないかと思います。

その中でこういう調査にまず目を付けてやるという研究は幾つか見られるのですが、今度それを次にさらにいわゆる実際の場面で、どういう心理的な変化で意思決定に至るのかとか、あるいはどこで抵抗するのかといったような実践的な問題になると、調査法ではない方法が一番いいだろうと思うのです。具体的には実験法を使う、あるいはシミュレーション、ゲーミングといったような方法が我々としては想像がつくのですが、そういったものを応用するためには、それなりのこういった例えばそれこそ産官学の共同を推進していかないと、なかなかデータが得られない。我々としては仮説を立てて、学生等で実験的なことは行えるのですが、それが本当に妥当なものかどうか社会にフィードバックしていくシステムが必要なので、なかなか連携がないと進まないだろうと思うのです。そういう意味で今までできてこなかった。今後の課題だし、是非とも今後とも心理学的な観点といったもので、この問題にアプローチすることを協力していっていただければと思うというのが一つ、そのことについてです。

一般化できるかどうかという話なのですけれども、私も結果を見ながら、これはかなり若者だけの問題ではないなということは理解しておりますので、多分できるだろうというのは想像です。でも実際のところやってみる必要というか価値はあるだろうなという点です。もう一つ、こういったものは10年後、20年後あるいは50年後という日本社会を考えていくに当たって、今の若者は間違いなく高齢者になっていくわけでありますので、それを見つめていくと定期的にこういうデータを取っておくだけで、世代的な分析にもつながるだろうと思うし、現在の高齢者が遭っている被害や問題は、そういう意味では若者の時代にうまくちゃんと消費者教育等が受けられていなかったということが、今の結果を引き起こしているのだろうかという点に関しても実験的なデータの取り方をしていかなければならないと思うので、長いスパンでやるべきことだろうと思います。

低年齢等に関しては、多分徳島オフィスのほうがうまく答えられると思うし、そちらのほうでいかがでしょうか。

○消費者庁新未来創造オフィス担当者 先ほど御質問がありました19歳、20歳の前後でデータの違いがあるかというところについて、そもそもアンケート自体が1つ今まで印象的に残った勧誘であるとか、一番不快に思った勧誘であるとか、そういったものに焦点を当てて心理などを聞いていたのですけれども、「その勧誘の経験を受けた年齢について18歳から22歳頃の経験でお答えください」という形で、勧誘を受けた時点の年齢は区切って、例えば29歳の人でも勧誘を受けた年齢としては18歳から22歳頃の経験でお答えいただいているという形になっていますので、違いが出るとすれば意識のところぐらいになるのかなと思います。一応、参考資料にも先ほどの男女別と同じように、19歳から22歳の回答者の回答を抜粋しており、突出してその世代が全体の回答と比べて回答が異なるような傾向があるというものは特段ないのですけれども、ただ、例えば163ページのSNS上でしか知らない人への対応に関する問4‐1などは、本当に数%の差ですが、抜粋した19歳から22歳の回答の方が、SNS上でしか知らない人へ積極的に対応してしまうような傾向が微妙に数字としては高くなっていますが、そこまで突出してどう違うというわけではないかなと思っております。

○萩原委員 大変統計的な裏付けがされていて、興味深い調査です。今後の消費者教育を進めていく上で大変ありがたい結果だなと思いました。

2点ありまして、1つには例えば勧誘をされたときに、個人ではなくて友達同士で誘われたときにはどうなるのか、すごく関心を持ちました。今後の調査の対象として是非やっていただければなと思いました。

もう一点は、先ほど西田先生もおっしゃられておりましたけれども、だまされたほうが悪いと周りから言われる、だまされたことを恥ずかしいから言えないとか、そういう状況の中でもしかしたらそういったことを積極的に言える相手がいたりとか、あるいは地域の中で被害を未然に防ぐためのそういう仕組みがあれば、被害に遭ってしまったことを情報共有することができるのではないでしょうか。コミュニティーの在り方というか、お互い様コミュニティーが形成されることによって消費者被害を未然に防ぐことができるのではないでしょうか。今後そういうコミュニティーや人間関係との関わりについても、是非研究を進めていただきたいと思います。

特に質問というわけではなく、感想です。ありがとうございました。

○樋口座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

内田委員、お願いいたします。

○内田委員 調査の感想については委員の皆さんと同じ、とてもいい調査ができたのだろうなと思っています。ただ、ふと思ったのは、「気をつけよう、ここだけ、今だけ、あなただけ」というスローガンが確かあったと思うのです。これは勧誘を受けている現場で役に立つアラームで非常に優れたものだなと思ったのですけれども、そういうアラームがここから生まれてくるといいかなと。これはただの感想です。

質問なのですが、1つは調査委託会社の株式会社イードというのは、どこに拠点のある会社なのかということと、これまで御紹介いただいたいろいろなプロジェクトは、消費現場に近い徳島のオフィスだからというところが幾つもあったように思うのですが、今回の調査をやってみて徳島オフィスだからよかったというところは、何かオフィス側の皆さんは感じておられるのか。あるいは徳島のオフィスでやったから少しハードルが高かったところがあったのか。そういうところの評価についてもし何かお持ちでしたらお聞かせいただければと思います。

○消費者庁日下部参事官 今回の会社は東京の会社であります。

それから、徳島オフィスで今回は徳島でなければいけなかったのかと言われると、はっきり言ってこのプロジェクトだけは他のプロジェクトと違って、徳島でなければいけないというものがあるわけではないのですけれども、我々内部の事情としては、ここにそれなりに人がそろっていますので、東京では忙しくてできないというものも、こちらでは人がいますので人を活用してやったというメリットはありました。

場所は1回大阪で実は開催しているのです。この資料の中にも17ページに開催地を書いていますが、基本は徳島なのですけれども、1回大阪で開催してみたというのも先生方、なかなか正直、どういう有識者の方に委員になっていただこうかといろいろな方に相談したわけですが、せっかく徳島でやるのであれば西日本の先生を中心にお願いできないかなと思っていろいろ検討した結果、今こういうメンバーになって、西田先生も徳島出身でいらっしゃるということもあって、西田先生に来ていただいたということがありますけれども、正直、集まりやすいかというと皆さん結構、忙しい中、一生懸命集まっていただいて大変我々も有意義な議論ができて、先生方に非常に感謝しているのですけれども、大阪のほうが便利だねという声はありましたが、それはそれだとして、ただ、我々事務局がこちらにいるので大阪でやるのもなかなか大変なところもあるので、ここに皆さんに来ていただいて開催しましたということです。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。お願いいたします。

○新川座長代理 1つは西田先生の非常に包括的で詳しい御分析をいただいたのですが、その中で先ほどの萩原委員からの御質問とも関連するのですけれども、こういう若い人が被害に遭うというときに、その人のある種の社会関係というか、社会環境のようなものがあり、それとの関係で被害の度合いや被害の内容というのが変わってくる。誤信にせよ浅慮にせよ、そこでの影響の受け方が違ってくる可能性があるというような、少しそういうニュアンスのお話もあったかと思います。もしもそういう社会関係性みたいなものと若者の心理、消費者被害というところに何か今後発見があり得るとすれば、どういうところなのだろうか少し気にかかっておりまして、もし御示唆があればお伺いしたいというのが1点。

もう一つは、せっかくの成果です。6つのポイント、3つの大きな要因を出していただいたわけでありますけれども、これを例えば若い人向けの消費者プログラムに落とし込むとすると、もちろんこのチェックシートの活用のようなところは何となくわかるのですが、これだけではなかなか若者層向けの教育プログラムとしては啓発の入口ぐらいかなという感じなのですが、何か段階的に調査の中から手順を踏んで教育をしていくと、どういう要素を重ねていくと効果が上がりそうなのかというのは、何か御示唆があれば、これは消費者庁からでも結構ですが、お考えがあればお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

○立正大学心理学部西田教授 私のほうから一応、答えてみますけれども、大変難しい質問だったと思っていますが、正に萩原委員が言ったところの話でコミュニティーの問題というのは、今回の調査では項目数にかなり限度がありまして、これでも結構厳しかったと思っているので、そういった意味で途中で友人等の勧誘等がどう働いたのかとか、そういった点を含めた調査や分析ということは、今後の課題かなと思っています。

ただ、それと別に正に地域の復権ということは、こういう分野でも私は正にそうだと思うのですけれども、これからの若者を特に中心に考えていきますと、SNSやインターネット環境における対人関係というかコミュニティーの問題というのがすごく大きいと思うのです。それは今までのいわゆる正に社会やコミュニティーという発想とは何か違う部分があるわけですので、そういった点は消費者問題とはもう少し離れた研究をしている方々とのタイアップが必要だろうと思っています。心理学の中でもインターネットの社会についての研究というのは結構進んでいますので、そういった方々の知見を利用しながら次のステップが考えられるのではないかと思います。

もう一点の質問にあったところは、どうその結果をいかしていくのかというところでの教育の問題ですけれども、私なんかの個人的な思いで一番興味深いのは、例えば6つの視点や自分の弱さの心理的な意識傾向みたいな視点を利用しながら、利用者がそこを押さえながらのゲーム学習というのがこれから一番有効なのではないかと思うのです。実際に私は高齢者向けにはカルタ型で作ってみたりしました。百人一首みたいに上の句と下の句で合わせながら、頭の中で記憶の連合を作っていくみたいな、それをやりますと講演を聞くとか何かをするというのとは違っていて、遊びながらというのが1つ大きな要素になります。

さらに、今作れていないですけれども、こういったことでゲームを用いていくことにすると、こういうときにどう解決するのかといったことを、ゲームをしながら発見していくというプロセスが考えられるのです。

○新川座長代理 シミュレーションゲームみたいな感じですね。

○立正大学心理学部西田教授 そうです。それをボードゲームのようにするのか、あるいは本当に今風にアプリでやるのもあるかもしれませんが、何かそういったものを用いるようなツールを開発していく研究というのが大事かなと思っています。

○樋口座長 ありがとうございます。

他にいかがでしょうか。どうぞ。

○野々山委員 資料1-2なのですが、これはどういう形で活用されているのかということと、どの程度普及しているのかについてお伺いしたいと思います。

○消費者庁日下部参事官 資料1-2については、ホームページに載せて自由に取ってもらえるようにするとともに、今後、消センを初めとしたところに送付しようと思っているところでございます。あとはできれば長いので、1枚、2枚紙ぐらいのもう少し簡単なリーフレットみたいなものが作れないか今、検討しているといったところでございます。

○樋口座長 他によろしいでしょうか。

それでは、「若者の消費者被害の心理的要因からの分析」に関するヒアリングは、この辺りにさせていただきたいと思います。御説明者の皆様におかれましては、お忙しいところヒアリングに応じていただきまして、誠にありがとうございました。

≪3.「シェアリングエコノミーに関する実証実験等」に関するヒアリング≫

○樋口座長 続きまして「シェアリングエコノミーに関する実証実験等」に関するヒアリングを行います。御説明をいただくために、徳島には消費者庁より消費者行政新未来創造オフィスの担当の方。徳島県から危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課の犬伏消費生活創造室長。東京から消費者庁消費者政策課より内藤課長のほか、消費者政策課の担当の方に御出席いただいております。お忙しいところ御出席いただき、ありがとうございます。

消費者庁から御説明をいただき、質疑応答を行いたいと思います。

それでは、消費者庁から御説明を10分程度でお願いいたします。

○消費者庁消費者政策課内藤課長 消費者政策課長の内藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

資料2-1から資料2-3に基づいて御説明を申し上げます。

シェアリングエコノミーに関する実証実験等ということで、他のプロジェクトとは違いまして今年度からスタートいたしまして、来年度まで2年かけて実施するプログラムということでございまして、まだ始まったばかりということではございます。

皆様御存じかと思いますが、シェアリングエコノミーでございます。※で打ってございますけれども、個人の持ち物をネット上のスマホの中のアプリ、プラットフォームを介しまして、他の人に使っていただく。そういった経済活動のことをシェアリングエコノミーというふうに位置付けてございます。具体的にはライドシェア、車の相乗りですとか、民泊ですとか、他にはスキルシェアというようなことで、例えばベビーシッターをお願いするみたいなものもシェアリングエコノミーの中に最近は含まれてきているようでございます。

こういったシェアリングエコノミーについて、枠の1行目に戻りますけれども、今後、普及してくると見込まれておりますので、それに伴って発生するであろう消費者問題というものを早目に発見、分析をして、対策を講じたいというのがこのプロジェクトの目的になってございます。

具体的に今、考えております施策の中身は、このページの下の半分にございます。大きく2つございます。順に簡単に御説明いたします。

まず1つ目、徳島県を中心に実証実験できないかということで、今年度につきましてはまだ事前の調整をしているところでございます。取組の状況を簡単に御説明いたしますと、せっかく徳島でやるということでございますので、阿波おどり期間中の民泊についてのアンケート調査というものを実施してございます。民泊に着目しましたのは、四国のほうはいわゆるお遍路さんの文化がございます。お遍路さんをお家に泊めるとか、食事を提供するというのが、提供した人の功徳につながる。いわゆるお接待という文化がございますので、その辺りが何がしか民泊とうまくリンクできないかということで、今年度、民泊についての現地ニーズ調査をやったところでございます。

その結果が資料2-2でございますけれども、左半分でございます。結果概要が左真ん中やや上にございますが、実際に提供した方の中でそういうお接待というようなことを念頭にやっておられたという方もいらっしゃったわけでございます。こういう方はいわゆるAirbnbのようなプラットフォームを介さないでどうも提供しておられるようなのですけれども、ここから反省点でございますが、民泊という捉え方にしました場合にサンプル数が実は十分取れませんでした。全部で提供が13、泊まった人は14名ということで、もっと問題だったのは苦情のところがこのアンケートでは取れなかったということで、特に苦情がなかったというような結果に終わりました。

それを踏まえて、その資料の右側でございます。補足の調査といたしまして、既存のネット、これはあるプラットフォームの民泊仲介者でございますが、そこに徳島という形で登録されているところのコメントをあさりまして、実際にそのレビューの中からトラブル案件を探したということでございます。それが右側の真ん中辺りに書いてございますけれども、結果としては評価は4.7ということで非常によかったわけですが、いろいろと苦情っぽいものは取れたということでございます。

これは国籍関係なく並べてございますが、ざっくりとした印象でございますが、日本人は物音、交通の便、設備といったようなところに対してのコメントが目立ったような気がいたします。一方、外国人のほうですが、設備よりもう少し小さい備品の類い、清潔感、ネット環境といったようなところの苦情っぽいものが多かったというのがざっくりとした印象でございまして、その結果を踏まえまして資料2-2の下のほうの枠囲いに書いてございますけれども、若干、問いを変えて2回目の調査を現在、実施して取りまとめ中でございます。やはり備品とか予約した人が来ないといったようなトラブル、それから、畳の上に土足で入ってしまうというような日本の習慣との違いといったようなところでも少し挙がってきているところでございまして、実際にはいろいろと説明をきちんとすると問題が解決するといったようなことも何となく分かってきたということでございます。

そういったようなこととともに、恐縮ですが、資料2-1の真ん中の右側でございますが、民泊以外のシェアエコのサービスについても、どのような苦情が上がっているのかというのを調査してございます。それが資料2-3になります。こちらについて中身の詳細な御紹介は省略させていただきますけれども、いろいろとトラブルの事例が挙がってまいりました。これと他の役所、例えば内閣官房にシェアリングエコノミー促進室というところがございます。そういった他の役所との議論などを踏まえて少し見えてきましたのは、シェアエコの場合については利用者同士、ざっくり言うと消費者同士のトラブルが発生しているということで、従前の事業者対消費者のいわゆる消費生活トラブルに当たらないような案件が出てきているのではないかということと、先ほど申し上げた仲介するプラットフォームの人たち、事業者の責任が曖昧ということです。これはきちんと対応していただいているところがある一方で、消費生活センターに相談を振り直すといったような方というか、会社も一部あったというようなことが見えてきたということでございます。

そういったことを踏まえまして恐縮でございます。もう一度、資料2-1にお戻りいただきまして下半分でございます。できれば年内に立ち上げを目標としておりますが、有識者検討会を開催しまして、こうしたシェアリングエコノミーを将来の消費生活の向上につなげるための検討をしてまいりたいと考えてございます。取組内容を一番下に書いてございますけれども、少し言い換えますと、シェアリングエコノミーというのはどういうふうに消費生活の役に今後立っていくのであろうかということ。それから、先ほど申し上げたようなどういったトラブルが想定されるのか。最後3つ目は、その場合にどういう対策をすればいいのかといったようなことを、できるだけ地元の有識者を中心としたメンバーで御議論いただければと考えてございます。

その議論につきましては、先ほど申し上げたシェアリングエコノミー促進室で現在、シェアリングエコノミーに関するガイドラインみたいなことを作ってございますので、そういったようなところに反映したいというのが私どもの目標でございます。そのためにもう一度、真ん中の1つ目のところに戻りますけれども、実際に適当なシェアリングエコノミーのサービスを徳島あるいは徳島近辺で少し見つけまして、そのサービスと連携して何がしかの実証実験ができないかということで、現在、模索中という状況でございます。

簡単ではございますが、私からは以上でございます。

○樋口座長 ありがとうございました。

それでは、消費者庁の御説明に御質問のある方は御発言をお願いいたします。

木田委員、お願いします。

○木田委員 今、シェアリングエコノミーの中にベビーシッターというのが出たのですけれども、私たちは保育なので、ベビーシッターって本当に素晴らしい、お母様たちにとってとても助かることなのですが、反面、事故とかトラブルとか命なのですごく大きな問題になる。車をぶつけたぐらいではできないので、命なのでその辺の質をどう担保していくか。事故があったときにどうするのかというのはすごく大問題になってくると思うのですが、Uberがとてもよい例で、私はサンフランシスコでもベトナムでもUberを利用したのです。サンフランシスコはタクシー、ベトナムは単車でガソリンがなくなったので、単車がガソリンスタンドまで行ってペットボトルにガソリンを入れて持ってきてくださるという仕組みを利用して、すごいなと思って、あそこはやはり見える化ができていて、例えば頼むときもこの人はとてもいい人か悪い人かという評価が出ていて、すぐ来るのかとか、対応がいいのかとか、だから対応が悪い人には仕事が行かないような状態ができていて、反対に例えば私たちがUberを使ったときに、運転手にすごく横柄な態度をとれば、運転手も私たちを評価して、この人はクレーマーだよと、お互いに見える化ができているので、多分シェアリングエコノミーというのはお互いの評価見える化というのと、先ほどあった事故があったときに本当に担保できるのかという、特にベビーシッターについてはその2点が大事だと思います。

以上です。

○消費者庁消費者政策課内藤課長 御指摘どうもありがとうございました。

今、木田委員御指摘いただいたのが正に、これは他の役所も含めて議論になっているところでございまして、ベビーシッターのサービス自体、本当に命に関わるということでございますけれども、例えばフリーマーケットみたいなところでも何がしかのトラブルが起きるのですが、そのときに私どもが気にしていますのは、間に入っているプラットフォーマーの人が基本的には責任を取らないというのが制度も建前に今なっています。個別にやってくださいという形に、いわゆる契約関係もそのような形になっているということで、サービスの質の担保みたいなところが十分にできていないというのが現状でございます。

それに対して消費者庁側から話をするというのは、相談事例を見ていますとどうしても個人個人同士なのでというようなことで、余り突っ込んでいけない。相談員の方によっては結構プラットフォーマーのところへ直接やっておられるような方もいらっしゃるのですけれども、その辺の対応がまだうまく標準化されていないというようなところですとか、2点目にいただいた評価の部分もなりすましみたいなことをものすごく厳格にシステムではじいておられるようなプラットフォーマーがいる一方で、ちょっとどうなのだろうかというようなところなんかもございまして、その辺を消費者庁も含め役所側がどこまでルールの網をかぶせるのかというのが非常に悩ましいところであります。それを消費者保護という消費者庁のプロパーの仕事としてどういうルール整備をしていくのかというのは、今後こういう有識者検討会の場などで議論して、方向性が出せればなというのが現状の思いでございます。

○大森委員 徳島から、消費者委員の大森です。

このアンケートから余り苦情が集まらなかった。届出しているところも21名であったということなのですけれども、やはり苦情がたくさん集まるのはスキルのほうのことでは都会がいろいろやっているでしょうし、民泊とかそういうものでしたらインバウンドの多い京都とか大阪の辺りが、いろいろ事例が出てくるのではないかと思います。どうして徳島でアンケートを取られたのか、その辺の事情をお聞きしたいと思います。

実証実験とかする場合は、徳島というのは非常にいいフィールドだと思うのですが、最先端の情報を集めるというか、アンケート集計を取ったりする場合は、あえて徳島である必要があったのかなという気がするのですが、いかがでしょうか。

○消費者庁消費者政策課内藤課長 御指摘は全くもっておっしゃるとおりでございまして、正直、事前の詰めが甘かったということでございます。徳島だけでそこそこサンプルが取れるのではないかと思っていたのですが、結果としてそこが甘かったと思っておりまして、今後の対応につきましては、実は隣の関西の広域圏とも少し連携を取らせていただきながら対策を考えたいと思っております。

以上でございます。

○樋口座長 ありがとうございます。

他にいかがでしょうか。野口委員、お願いします。

○野口委員 先ほど内田委員がおっしゃられたように、私も、徳島のプロジェクトであるという点に、この検討会の場では注目をしておかなければならないと思っております。本日、お遍路文化というものがあって、そこに着目されるという点を教えていただきましたが、これは徳島のプロジェクトの今後の展開を考える上では有用な視点なのではないかと思いました。

考えてみると、住む場所をシェアリングするというのは、分かち合うという意味では究極のシェアリングエコノミーとも言えるような観点もあるので、阿波おどりは残念ながら1年に1回ですよね。ですのでもう少し広げてお遍路さんというと、通年でデータとかが取れるのでしょうし、徳島で行う意味もある。地域文化を継承しながらの新しい消費の形を考えていくという意味では、お遍路文化に着目をされて、民泊だけではないのかもしれないのですけれども、住むところなり文化を分かち合っていくやり方の中でシェアリングエコノミーを考えていくという調査とか、そこを広げていく試みとしてどういうものがあるのかということを研究されていくというのは、徳島のプロジェクトとして大きな意味があるものになるのかなと感じました。

感想です。ありがとうございました。

○樋口座長 長谷川委員、お願いします。

○長谷川委員 私も同じことを考えていました。つまり、別に徳島でなくてもいいのではないかという感じがしていて、取組を行っていただくことについてやや疑問に感じています。また、それに関連してなのですけれども、先ほど来の御説明で、内閣府に促進室ができていてというお話があり、あと、私の理解するところでは、この消費者委員会の下でもプラットフォーム事業者に係る専門調査会ができているかと思っています。最近、動きをフォローしていないのですけれども、それらとの関係はどういうふうに整理されるのかというのが質問です。

○消費者庁消費者政策課内藤課長 大きく2点いただいております。徳島でなくてもいいではないかと、委員会との関係でございます。

まず、もちろん徳島でなくてもできるわけではございますけれども、徳島で先進的なとんがった取組をやりたいというのが、東京でどうしても他のことまで手が回らない私どもの思いでございますので、そこはシェアリングエコノミーというある意味、非常に今とんがった最先端の分野のことを、何とか徳島のスタッフでこなせないかというようなことで取り組んでいるということで、余り徳島でなければいけない理由にはなっていないのですが、できる限り徳島でという思いでやっているところでございます。

委員会のほうでプラットフォームの専門調査会で検討されているのは認識しております。私どももフォローしております。基本的には行政の機関上は独立した組織ということでございますので、私どもとしましては消費者委員会の御検討以外に、経済産業省とか総務省とかでも同じような議論が進んでおりますので、そういったようなところも全てウォッチをしながら、消費者庁として何ができるのかというところはしっかり検討してまいりたいと考えてございます。

○長谷川委員 国民として申し上げたいのですが、先ほどの若者の消費者被害に係る議題の関係で徳島の方からの御説明でもあったのですけれども、徳島に人がいるからとんがった取組ができるとか、人材がおり余裕があるできるという御説明や、徳島にスタッフがいるのでという御説明が先ほど課長からあったと理解しているのですけれども、そういうことであれば、むしろそのスタッフに東京に赴任してきていただいてネイションワイドな調査研究なり政策立案なりしていただくのも1つの方法なのかなと思っております。抜本的にそういった取組が必要なのではないかと国民として思います。それが第一点目です。

もう一点、さらに国民としてなのですけれども、各省庁で取組がなされているのであれば、そこは無駄のないような形で連携できるところは連携して是非やっていただければと思っております。

○消費者庁消費者政策課内藤課長 説明が不十分で恐縮でございました。徳島に人が余っているからという意味ではなくて、そもそも徳島でオフィスを置いてやっている意義というのが日常業務にかまけて、いわゆる先端的な取組ができない部分を東京以外の場所でやるということと、もう一つはいわゆる最先端の取組を地域創生につなげるという大きな目的がもう一個ございます。そういう意味で、徳島でやる以上は徳島でなければ、徳島の地元の地域のそういう資産というようなところも活用した取組をする必要がございますので、本件につきましてはいわゆる徳島でシェアリングエコノミーをやっておられるような事業者の方との連携みたいなことも視野に入れまして、できればそれが地方創生につながればというようなところまで見越した取組を今後は検討しているところでございます。

関係省庁との関係は、正に長谷川委員おっしゃるようなところでございます。一方で実はどうしても他の役所の取組、事業規制のほうに重点が行くところがございまして、いわゆる利用者保護みたいなところは課題としては指摘されるのですが、どうしても深掘りができないという部分がございます。そういったような辺りは消費者庁のほうで、消費者委員会とそこはうまく連携しながらやっていく必要があるのかなと考えております。

○樋口座長 ありがとうございます。

内田委員、お願いいたします。

○内田委員 徳島との関係が少し議論になっていますので、先ほどの調査研究については、むしろ日本全体を対象に、日本にとって意味のある調査がインターネットというツールを使えば徳島にいてもできるのだなと、逆に評価をしながら聞いておりました。それから、人材も前に徳島オフィスにお邪魔したときには、いろいろなところから出向していただいているということを聞きましたけれども、逆に東京だとあんなに多彩なところからの人材の出向が消費者庁という役所で得られるのかなという意味で、徳島だから人材において、その人材を活用していろいろなことをやっているということなのかなと私自身は受け止めております。

○樋口座長 ありがとうございます。

野々山委員、お願いします。

○野々山委員 シェアリングサービスに関する様々な問題、それから、そこにおけるプラットフォームの責任というか、サービスの管理をどうしていくかというようなことから、プラットフォームの管理責任をどうしていくかということについては、これから非常に重要になってくるし、世界的に見てもどこの国も今、課題になっております。先般、EUに行ってきたらEUでもそれが1つの課題で今、検討している。EUの学者の方も盛んに検討しておりますけれども、そういう意味ではとても重要な課題だと私は思っています。それを消費者の視点から実証的に、先ほどの若者の消費者被害の心理と同じような形で、シェアリングサービスにこういう被害がある、こういう傾向がある、プラットフォームの対応はこういうものがあるということを幅広く収集しないと、やっている意味が余りないのではないかと思います。それを踏まえてシェアリングサービスの紛争対策とプラットフォームの責任のいろいろな問題について検討していくことが必要だと思いますので、徳島は徳島でそれはいいと思いますけれども、徳島を含めて更にもっと広く実証実験、実証調査をしていかないと、役に立つものになかなかならないのではないかと思います。

資料2-3の様々なトラブル事例を見ても、プラットフォーム責任だけでないものも結構あるわけで、様々なものが混在していると思いますので、そういうものは分類、分析していく上においてももっとたくさんの資料対象が必要になってくると思います。重要な調査だと思いますし、是非その辺のことを考えて対応していただきたいなというのが意見であります。

○樋口座長 ありがとうございます。

お願いいたします。

○遠山委員 今、野々山委員もおっしゃったのですけれども、今後、カーシェアリングにしても民泊にしても、推し進めていくにはプラットフォーマーの存在が非常に重要だなと痛感しています。徳島県の奥祖谷には有名な古民家を改修して作った民泊などもありまして、海外からのプラットフォーマーもかなり入ってきているのではないかと思うのですが、今回この徳島というプラットフォーマーA社を使われた意図というのはどういうことかということ。それから、日本の現状におけるプラットフォーマーの数ですとか、どのような実態になっているのかというのが不明ですが、今後、詳細に見ていかないと、この分野での発展は見込めないのではないかと思いますので、その辺りの展望をお伺いしたいと思います。

○消費者庁消費者政策課内藤課長 まず大きく2ついただいているかと思います。A社の関係でございます。具体名を申し上げるとあれなのですが、徳島のプラットフォーマーということではなくて、これはかなり世界的な民泊の会社でございます。そういう意味で徳島だけでは取れなかったので、全国的なそういうサービスの評価を参照させていただいたということでございます。説明不足で恐縮でございました。

それから、プラットフォーマーの状況を詳細に見ていく必要が今後あるのではないかということで、手元にプラットフォーマーの数は持っていないのですが、大体2015年ぐらいでプラットフォーマーのサービス収入、手数料収入としては600億を超えてございます。売上げとしては一説には提供側と利用側で足すと1兆円を超えているというようなデータもシンクタンクから出されておりますので、そういう意味でそれが遠からず倍になるという話もあるようでございますので、私もシェアリングエコノミーは世代的に全くついていけない世代なのですが、もう無視できるような存在ではもはやないのかなということで、いわゆる若者対策、両者基本的に若者が多いということでございますので、そういった世代への対策も含めて消費者問題として真面目に検討していく必要があるのかなと考えてございます。

○樋口座長 ありがとうございます。

他にいかがでしょうか。よろしいですか。

○新川座長代理 今後のことになろうかと思いますけれども、内藤課長に少しお伺いしたかったのは、資料2-1で新未来創造研究会をこれから開催されてという話がございました。今までの話の中でも1つはシェアリングエコノミーと言いましても本当にいろいろな分野にわたっていて、もちろん代表的には宿泊あるいはカーシェア、ライドシェアというのが多いですが、もちろんスキルもありますし、その他のいろいろなもの、サービス、いろいろなシェアがあり得て、この辺りを今後特に徳島で検討されていくときに、どういう視点で考えていかれるのか。そこの見方とか、そこのアプローチの仕方で成果、問題も違ってくるのかなというのが1つ気になった点でありました。

大きな2つ目として、その検討をされるときに私どもは消費者行政、消費者保護という観点で考えたいと思っておりますので、そういたしますとこういうシェアエコノミーのようなものがどういうマーケットルールを持ったらよいのか、あるいはそこでの需給双方でのある意味でのマーケットを維持していくエチケットのようなものをどう考えていったらいいのか。そして、それを市場規制として法的にどうコントロールしていけばよいのか。そういうところに議論が行くと、もう少しこのシェアリングエコノミーそのものを今後どういうふうに見据えていくのかというのがよく見えるような気がしていたのですが、この辺りはどういう検討をされるのかというのが大きな2つ目です。

3つ目は、各委員からもございましたけれども、徳島というところでやはり地域に即して、その中でいろいろなサービスを具体的に需給関係の中で検討されていくことがあるとすれば、それはそれで1つ大きな成果になるのではないかと思っておりまして、とりあえず民泊とかお遍路の文化というお話もありましたが、それに限らずこうした地域に即したシェアリングエコノミーのようなものを、その場でマーケットが成り立っているようなところ、これはもちろん需給双方はそれぞれ遠隔地である場合もありますが、正に属地という意味でのサービスのマーケットが成り立っている。そういうところの特性をどんなふうにこの徳島というところでいかしていきたいのかというのをちょっとお伺いしたかったのですが、最後のどういうサービスを選ぶかということにもかかってくるかもしれませんけれども、この辺りもし今の段階でお考えがあればお伺いをしておきたかったのですが、いかがでしょうか。

○消費者庁消費者政策課内藤課長 御質問ありがとうございます。

3ついただいておりますが、最初に2つ目のマーケットルール、市場規制の部分について少し先にコメントをさせていただきたいと思います。

今の役所間の議論では、そもそも公的な規制をかけるのかというところ、必要性も含めて議論はされておりまして、その辺は割と似たような感覚でいるのですけれども、一方で先ほど野々山委員からお話がございましたEUのほうは、もう少しきつめの考えというか、規制の方向性が今、提案として打ち出されているところでございます。長谷川委員もよく御存じですけれども、いわゆるオンラインマーケット、ネット上のマーケットに対して情報開示を義務付けるというような提案がされています。いわゆるユーザーに対して物を買おうとしている相手はお店なのか個人なのかというようなことですとか、あるいは万が一、トラブルが起きたときに誰が責任を取ることになっているのかというのをあらかじめはっきりさせなさい、そこを情報開示しなさいということを、オンラインマーケットに義務化するというような提案が今なされております。実際にそうなるかどうか分からないのですが、そういったような話を少しウォッチしながら考えていく必要があるのだろうと思います。

それから、1点目と3点目は、ほぼほぼ妄想レベルのお答えになって恐縮なのですが、先ほど各委員から御指摘いただいたように、徳島でやって、かつ、成果をどうやって出すのかというのは非常に悩ましいところでございまして、今、妄想しておりますのは、先ほどの話題でも出ておりましたが、SNSのようなものへの対応とか、若者への対応というところでは、今の電話相談では限度があるのではないかということが1つ。それから、3番目の属地性の話で言いますと、実は四国のほうでは消費生活センターで募集をかけても応募がいないというような話も指摘をされているところでございます。これを無理やりまとめると、完全に妄想なのですが、できればSNSによる生活相談をスキルシェアとしてできないかというようなことを現状、絶賛妄想中でございまして、もしうまくいけば今後そういったようなことに取り組んでいきたいと考えてございます。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、シェアリングエコノミーに関する実証実験等に関するヒアリングにつきましては、この辺りにさせていただきます。御説明者の皆様におかれましては、お忙しいところヒアリングに応じていただき、誠にありがとうございました。

≪4.その他≫

○樋口座長 本日のプロジェクトのヒアリングをもちまして、新未来創造オフィスでの取組のうち、消費者庁による全国展開を見据えたモデルプロジェクト、基礎研究プロジェクト及び国民生活センターによる研修事業と商品テストについてのヒアリングが一巡したところでございます。

そこで、委員の皆様方からそれぞれ、これまでのプロジェクトを聞いた御感想などをいただければと思います。委員の方々、時間の制約もございますので、一言ずつということで1、2分程度でお願いできればと思います。

大変恐縮ですが、内田委員から順番に御発言をいただければと思います。

○内田委員 いろいろなプロジェクトを聞かせていただいて感じましたのは、消費者問題というのは正に消費者の近くで起きているわけですから、現場の近くにある組織がないかを考えて、何かを動くということはとても意味があることだなと感じています。それを現場にどういう形で、何を置くのか。これはいろいろな考え方があると思います。今はまだそんなところを考えております。

○樋口座長 ありがとうございます。

木田委員、お願いいたします。

○木田委員 いろいろありがとうございました。一番私が印象に残ったのはお遍路文化、功徳があるという本当に素晴らしくて、やはりお互い思いやるとこういう消費者問題はもっともっと少なくなって、いい世の中になっていくのかなと思って、是非徳島でお遍路文化の民泊が成功しますように。ありがとうございました。

○樋口座長 ありがとうございます。

遠山委員、お願いいたします。

○遠山委員 今日のことからなのですけれども、Attentionの中の本当にあった怖い消費者被害なのですが、これらはほとんど私が行っているような本当に小さな相談窓口、田舎でもどこでも起こっているということを分かってもらえたらいいなと思います。ですのでインターネットでアンケートを取って、その対象がどこに住んでいるとしても、似たような内容の答えが返ってくるのではないかなと思っています。

もう一つ、怖いなと思うのは、若者だけではなく、私が実際に受けている情報商材の相談ですとか、副業の相談に至りましては、10代、20代ではなく30代、40代の人がだまされて被害に遭っている。しかもひどいことに被害の回復どころか、そのまま債務整理の場所に直結しなければならないようなことも多々起こっています。ですので今後そういったちょっと上の世代にも対象を広げて考えていかないといけないなと思っております。

以上です。

○樋口座長 ありがとうございます。

野口委員、お願いします。

○野口委員 この専門調査会に参加をさせていただいた当初は、大変難しい課題をいただいたと思っておりました。消費者行政の今後に非常に貢献するような施策であるかどうか、それから、徳島でのプロジェクトをどう評価するかという、その2層の問題を検証して評価するというのがこの場だと思っておりますが、その意味では私は徳島での努力というか、創造オフィスでの皆さんの御活躍というのは大変大きく、努力をされて、いろいろと積み重ねられてきたなという印象を持っております。

私自身は、最初に徳島に寄らせていただいてからずっと東京で会議に参加させていただいていて、そこは申し訳ないという気持ちでおりますけれども、今後の検証とか評価のプロセスにおいては、徳島で本当にいろいろと創意工夫を凝らされて頑張られておられるということを伸ばしていけるように、その伸ばした先に日本の消費者行政がよくなるという目的が達成できるような、そのような観点からの検証と評価をしていかなければならないのかなと思っております。ありがとうございました。

○樋口座長 ありがとうございます。

野々山委員、お願いします。

○野々山委員 この間、消費者庁が実施する全国展開を見据えたモデルプロジェクトと基礎研究プロジェクト、もう一つ、国民生活センターが実施する研修事業と商品テスト、これらについて私ども検証させていただきました。

私の感想としましては、1つは地域で根付いてじっくりした取組をしたことについては非常に評価をしたい。とりわけ『社会への扉』を中心とした消費者教育と、消費者安全確保地域協議会への取組、見守りネットワークの構築、この点については非常に評価をしているところであります。

ただ、課題もかなりあるなと思っております。1つは全国展開を見据えたモデルプロジェクトは、全国展開にどうつなげるかというところがまだ見えてきていないということがあります。徳島県が本当に県も協力して重要な実証調査をずっとやってきたわけですが、これを全国に展開しなければいけない。これは消費者庁の役割だと思いますけれども、その方向性が『社会への扉』はまだ見えているかもしれませんが、他はまだ見えていないというところを私は感じています。

基礎研究プロジェクトにつきましても、それ自体は非常に今日の研究報告でも非常に重要なものをやっているし、それがこれからの展開に基礎的な資料となることは間違いないわけですが、これをどう活用していくかについてもまだ十分見えてきていないところもあると思っています。それが今後の課題だと思っています。感想としましては、徳島でこういう地域に根付いた実証的な取組をやるということは、これからも継続すべきだろうと私は思います。もう一つの思いは、地域で実証フィールドをやる意義ということは1つの我々が検討しなければならない課題だったと思いますが、それは十分にあると私は思いますので、環境が整えば、徳島と異なる東日本等でもこういうフィールドがもう1つあるといいのかなと思っています。

もう一つ付け加えますと、だからといって消費者庁全体を徳島に持ってくるということには全くつながらないということだと私は思っている。司令塔機能や、省庁間の調整機能などというものは徳島でやることについては問題が大きいと思っています。また、国民生活センターの研修は私も研修の講師をやらせてもらっていますが、報告でも充足率、出席率が全体の募集人員を全部割り込んでおり、課題が大きくあります。そこのところは考えなければいけないのではないのかなという感想を持っております。

以上であります。

○樋口座長 ありがとうございます。

長谷川委員、お願いします。

○長谷川委員 途中から参加させていただいたのですけれども、まず大変印象に残ったことは、本日もそうでしたけれども、特に基礎研究のところで県庁の皆さん、特に西日本の学者の方々、あと何よりも県民の方々の協力で本日もそうでしたし、以前伺った行動経済学の実証のところでもそうですが、非常に有益な結果と研究がなされていると感じています。私も知見がないのですけれども、日本にはあまり実証研究がないのかなと思っていた中で、このような実証研究ができる環境があることは非常にいいのではないかと思った次第です。

他方で、実証研究が、政府なり地方公共団体なりにある程度、頼らないとできないということだとすると、それで本当にいいのかなとも思いました。これは徳島のプロジェクトとは関係ない話ですけれども、そのように思わなくもないということです。

モデルプロジェクトについては、先ほど野々山先生もおっしゃられたように全国展開をどういうふうにやっていくかというところについて、必ずしも道筋が見えていないところがあるのかなと思っています。その点は今後の課題なのかなと考えている次第です。

以上です。

○樋口座長 ありがとうございます。

それでは、新川先生お願いします。

○新川座長代理 この間いろいろなプロジェクトを教えていただいて、消費者問題は本当に多様な課題、問題に直面しているなということは改めて教えていただきました。当然それに対する対応の仕方も本当に難しくて、それぞれに即してまたいろいろな対応がされているということも学ばせていただきました。そうは言いましてもなかなか解決できないなというのも実感としてお話を聞きながら聞いておりましたし、そのためのいろいろな、あの手この手、教育や研修をやっておられても早々簡単には解決できないぞということもよく理解したつもりであります。

そのときに、今回の消費者行政新未来創造プロジェクトそのものが持っている意味というのが改めてあるかなと思っております。

1つはやはり今回は徳島ですが、こういう地域に即して考えていくということによって、そのときに単なる地域というよりは、地域で暮らしている、そこでの生活とか、あるいはそこにお住まいの方々とか人の顔が見える。そういうところが大事だったなと改めて思いました。本来、消費者行政というのはそういうものだと言われれば、それまでですけれども、そういうところからこれからの消費者問題、その解決の方向を考えていくという視点も随分と教えてもらったなというのが、1つ大きな今回の成果だったかと思っておりますし、ひょっとするとこういう視点でもってむしろこれからの消費者市民社会のようなものを本当は考えていかないといけないのかなと改めて思った次第でした。

2つには、そうすると、そういうところから今度はこうしたいろいろな消費者問題を解決していくような仕組みも考えていくことができる。そういうシステムも考えていくことができるのではないか。要するに生活の場というのがある意味では生産と消費というのが比較的近くならざるを得ない、そういう場面がたくさんありますし、また、それを近くしていくことで問題解決に近づけていくこともできるのではないか。そんなことも感じながら今回のプロジェクトを拝見させていただきました。

言ってみれば消費者行政を考えていくというときに、実は供給側やあるいは仲介側のこともきちんと視野に入れて消費者問題を考えていきましょうよというのは、多分今回の新行政プロジェクトのもう一つ大きな意味としてあったのではないかと思っています。そうした地域性と従来にない新しい問題解決システムになっているかというところ、この辺りを今後の検証評価の中で少しじっくりと見ていければと思っております。

以上です。

○樋口座長 ありがとうございます。

それでは、大森委員からももし御発言がございましたらよろしくお願いします。

○大森委員 徳島はすごく消費者行政に熱心なトップと、それを支える地域性があって、実証実験としては日本でも最適の地だと思います。それでどんどん実証実験をしていただきたいなというのがまず1つです。

あと、新未来オフィスなので先端的なことにどんどん取り組んでいただきたいと思います。そのときはテーマによっては必ずしも徳島を実証実験の場にする必要はないと思います。新しい内容、それにふさわしい場所でリーダーシップをとって指令するのが徳島のオフィスであればいいのではないかと思っています。

最後に、私が一番期待するところなのですが、行政というのはどうしても中央に置かれていて、国民からは見えにくいところです。消費者庁というのは最も国民にとって身近なものであって、その内容を知ってもらうということがとても大切なので、徳島で消費者庁があるというその地の利を生かして、徳島からどんどん全国に消費者庁のことをよく理解する消費者を増やしていただけたらなと思っています。

以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。

委員の皆様から御感想ということでごく短い時間で恐縮ですが、いろいろな問題について御指摘いただきました。

私のほうは感想ということではありませんが、委員の皆様から御指摘があったことで今後の検討に関連するところを2、3申し上げたいと思いますが、1つはプロジェクトの全国展開の問題につきましては、野々山委員、長谷川委員等から御指摘をいただきました。プロジェクトの全国展開の現在の状況についても確認をできればと思います。

2つ目は、消費者庁のオフィスが徳島にあって、実はこれは働き方改革の拠点にもなっていると伺いました。見せていただいたところでは非常に新しいやり方で、行政としては斬新なやり方で仕事をしておられるということですので、そういった話についてもせっかくの折ですので、是非皆様1年以上おられるわけですので、御紹介いただければと思います。

これにも関連するのですが、鳴門のオフィスで研修が行われていると聞いておりますので、そういった徳島の中で、他のいろいろなオフィスなどについても実際に見る機会があればいいのではないかと若干の感想を持ちました。

委員の皆様から非常に幅広い視点でさまざまな御感想をいただきましたので、こういったことも事務局のほうで十分踏まえて、今後の検討について考えていただければと思います。

最後に、事務局から事務連絡をお願いいたします。


≪5.閉会≫

○坂田参事官 本日も長時間にわたりまして熱心な御議論をいただきまして、まことにありがとうございました。

次回の日程につきましては、追って御連絡という形にさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

以上でございます。

○樋口座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)