第5回 消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会 議事録

日時

2018年8月9日(木)10:00~12:50

場所

中央合同庁舎4号館7-1会議室
消費者行政新未来創造オフィス消費者庁会議室<TV会議>

出席者

  • 【委員】
    樋口座長、新川座長代理、内田委員、木田委員、遠山委員、野々山委員、長谷川委員、唯根委員
  • 【オブザーバー】
    池本委員長代理、大森委員
  • 【説明者】
    京都大学大学院経済学研究科依田教授
    消費者庁高田政策立案統括審議官
    消費者庁消費者行政新未来創造オフィス日下部参事官
    消費者庁消費者政策課内藤課長
    消費者庁消費者教育・地方協力課尾原課長
    消費者庁調査課澤井課長
    消費者庁消費者教育・地方協力課米山消費者教育推進室長
    徳島県危機管理部小椋次長
    徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長
    徳島県教育委員会学校教育課藤本課長
  • 【事務局】
    黒木事務局長、福島審議官、坂田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 「若年者向け消費者教育の取組」に関するヒアリング
  3. 「行動経済学等を活用した消費行動等の分析・研究」に関するヒアリング
  4. 「倫理的消費」に関するヒアリング 等
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

  • 【参考資料1】 消費者庁作成教材「社会への扉」を活用した授業実践報告会議事次第・議事録(消費者庁提出資料)
    消費者庁ウェブサイト 「消費者庁作成教材「社会への扉」を活用した授業実践報告会について別ウィンドウで開きますへのリンクとなります。
    【リンク先のPDF 『【資料1】次第  [PDF:83KB] 【議事録】消費者庁作成教材「社会への扉」を活用した授業実践報告会  [PDF:473KB] 』 を御参照ください】
  • 【参考資料2】 健康と生活に関する社会実験プロジェクト-平成29 年度アンケート調査結果報告書-概要版(消費者庁提出資料)
    【参考資料3】 健康と生活に関する社会実験プロジェクト-平成29 年度アンケート調査結果報告書(消費者庁提出資料)
    消費者庁ウェブサイト 「健康と生活に関する社会実験」について 別ウィンドウで開きますへのリンクとなります。
    【リンク先のPDF 『2018年7月27日 「健康と生活に関する社会実験プロジェクト―平成29年度アンケート調査結果報告書―」の公表について 報告書概要 [PDF:187KB]と報告書 [PDF:879KB] 』 を御参照ください】
  • 【参考資料4】 エシカル消費取組事例(消費者庁提出資料)
    消費者庁ウェブサイト 「倫理的消費(エシカル消費)」普及・啓発活動別ウィンドウで開きますへのリンクとなります。
    【リンク先のPDF 倫理的消費(エシカル消費)に関する取組事例より『徳島県・徳島県教育委員会 [PDF:434KB]、徳島県立城西高等学校 [PDF:460KB]、徳島県立吉野川高等学校 [PDF:335KB]、NPO法人 あわ・みらい創生社 [PDF:289KB]、株式会社 キョーエイ [PDF:410KB]、NPO法人 ゼロ・ウェイストアカデミー [PDF:296KB] を御参照ください】

≪1.開会≫

○坂田参事官 本日は皆様お忙しいところ、また、台風でお足元が大変悪い中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会 消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会」第5回会合を開催いたします。

私は、消費者委員会事務局参事官の坂田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

また、本日は所用によりまして野口委員、萩原委員から御欠席の連絡をいただいております。

配付資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の議事次第を御覧いただきたいと思いますが、配付資料一覧を記載しております。資料1-1から資料5-2、参考資料1から4となっております。

不足がございましたら事務局までお声がけいただければと思います。よろしゅうございますでしょうか。

それでは、樋口座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.「若年者向け消費者教育の取組」に関するヒアリング≫

○樋口座長 本日もよろしくお願いいたします。

今回も会議時間が3時間と長時間にわたっておりますので、会議の中盤辺りで休憩を取るようにしたいと思います。

それでは、早速議事に入らせていただきます。本日は3つのテーマについてヒアリングを行いたいと思います。東京では消費者庁から高田政策立案総括審議官、内藤消費者政策課長。徳島では日下部参事官にお越しいただいております。

議題の1つ目として、「若年者向け消費者教育の取組」に関するヒアリングを行います。御説明をいただくために、東京から消費者庁より消費者教育・地方協力課の尾原課長、同課の米山消費者教育推進室長。徳島からは消費者庁より消費者行政未来創造オフィスの担当の方。徳島県より危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課の勝間課長。徳島県教育委員会より学校教育課の藤本課長に御出席いただいております。お忙しいところ御出席いただき、ありがとうございます。

消費者庁、徳島県教育委員会、徳島県の順に御説明をいただき、まとめて質疑応答を行いたいと思います。

恐縮ですが、それぞれ御説明を10分程度でお願いしたいと思います。

まず消費者庁からお願いいたします。

○消費者庁消費者教育・地方協力課米山消費者教育推進室長 それでは、消費者庁から私、米山から説明させていただきます。

このような機会を与えていただきまして、どうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

徳島県内の全ての高等学校で若年向けの消費者教育ということで、「社会への扉」を活用した授業を行うことができたというのが、昨年の消費者教育の取組の一番大きなところでございます。

本日の資料1-1でそのことが簡単にまとめてございます。これを御覧いただきますと分かりますように、詳細は徳島からも御報告があると思いますけれども、全ての高校56校で約6,900人の生徒に授業をしていただいた。こういった取組を通して、これは1人の人がいろいろ回ってやるということではなくて、全ての学校、全ての先生に御協力いただくというような壮大なことでございますので、授業のやり方でしたり、アンケートを取ったりということについて、県を通じて教育委員会や各学校に連絡を取っていただくというような形で、徳島県にも多大な御協力をいただきつつ、徳島のオフィスでそれを進めてまいったところでございます。

また、昨年この授業を開始する前に教員向けの研修会を7月26日に開催いたしましたし、10月3日には県立の城北高校で公開研究授業も実施してもらっています。こういった授業参観、その他にも授業参観等をしているのですけれども、県の担当者と消費者庁のオフィスの担当者はこまめに連絡を取り合っているところでございます。たまたまオフィスの開設が昨年7月でございましたので、4月の年度初めからという活動はできなかったのですが、今年度、平成30年度になりましては4月の校長会の会合に当たって、会長に御挨拶に行くなどの取組も行っております。

御案内のとおり民法の成年年齢引下げを見据えまして、平成30年2月20日には4省庁関係局長連絡会議というものを東京で開催いたしました。文部科学省、法務省、金融庁、消費者庁の4省庁の局長級が集まりまして、若年者への消費者教育を推進するためのアクションプログラムを決定しまして、本年度から3年間を集中強化期間としております。

徳島県の全高校で実施しました「社会への扉」を活用した授業を、この先、全ての都道府県の全ての高校で実施していただくことを目標と定めまして、消費者庁が中心となり文部科学省、他の省庁にも協力いただきながらなのですけれども、3月以降、本日までにほぼ全ての都道府県に出向いて実際にこの重要性を御説明して、実施を呼び掛けているところでございます。

全国、この徳島でやったこと、徳島ももちろん今年やるのですけれども、それ以外の都道府県でも広がってやっていただくために、役割分担としましては四国4県に関しては徳島オフィスが担当して、それ以外は東京のほうが担当しております。そして教材の印刷ですとか具体的に高校に全ての教材をお送りするわけですが、そういった事務作業と統括は東京のほうで行っております。

具体的にその働きかけ、都道府県に出向きましたと申しておりますが、これは徳島県の例を大きく見習いまして、消費者行政部局だけではなくて基本的には教育委員会とか教育庁といった教育行政の部署と必ず面談を行うことを徹底しております。「社会への扉」を単に学校に配布しますよということではなくて、授業を中心とした学校教育の中で活用していただくようにお願いをしているところです。

その際に徳島県での実践の成果をまとめまして、3月13日に実践報告会といったものを開催しました。今日の参考資料1に報告会の次第がついてございますけれども、こういった実践報告会、実際にやっていただいた先生たちのお話を聞く会を行っておりますが、これも実は徳島以外のところからもたくさん御参加いただいているのですけれども、我々がその普及をしていく中でもこの報告会でいろいろ先生方の御発言がありましたのを踏まえて、こんな形で授業をしてくださいというような勧誘に使っております。

時間がございませんので中身は読めないのですけれども、今、配られている参考資料の6ページ以下に、報告会で先生方が具体的にこんな授業をしましたというのをお話しくださっているものがございます。例えば授業の後に生徒がインターネットトラブルに遭ってしまって、それで泣き寝入りはしないと言ってみんなでいろいろ検討して消費生活センターに実際に相談したという事例ですとか、授業を行ってから半年ぐらいたって、先生がみんな困ったときどうするのと言えば、消費生活センターに相談するという答えがあったという事例も含まれております。こんな事例がありますよといったことも我々が各県に行ったときに「社会への扉」を活用していただくことで、こんな効果がありますよということを御紹介しています。

実際に徳島県内56校の学校での授業を、新未来創造オフィスの職員が20校ほど見学に行くことができました。その見学に行った結果を6月に活用事例集という形で取りまとめて公表しております。今日の資料でも活用事例集のチラシが1枚、資料1-2で付けておりますけれども、こういったものもそれぞれの都道府県で先生方が実際に授業をしていただくための資料として御案内をしているところです。

我々先ほど申しましたように各都道府県に案内に行っていますというだけでなく、今年からやるよ、来年からやるよと言ってくださった教育委員会や地方の行政部局の方からの依頼で、教員向けの研修にも出向いております。そういったところでもこの事例集の御紹介は必ずしております。

また、本年3月に高校の新学習指導要領というものが告示されております。文部科学省ではその指導要領の説明会を全国で開いており、特にこの夏場に開催しているのですけれども、そういった中でも消費者教育の重要性、「社会への扉」を活用して成年年齢引下げを踏まえた授業展開をするようにといったことも言ってくださっております。そういった背景、これはアクションプログラムにのっとり文部科学省がやってくださっていることなのですけれども、各教育委員会における関心は非常に高まっていると実感しております。

本年度から既に「社会への扉」を使った授業の実施を決めていただいた教育委員会、県というのが既に7月の時点で徳島も含めて6県ございます。これは先月、開催されました消費者委員会の本委員会でも御紹介させていただいたかと思いますけれども、さらにその後も2学期からの実施を検討すると連絡がきたところが3か所ぐらいあります。実際には教育委員会のトップの方が大事だからやろうと決めていただいても、それぞれの学校にお願いをして、校長の判断もあり、そして授業は社会科や家庭科あるいはホームルームでやっていただくという、現場の先生方の御協力が必要なので、一言言ったから全部できるという簡単なものではございません。ですから今年やるよ、取り組むよと言ってくださったところがどこまで徳島を見習って頑張ってくださるのかというのは、これからになります。少なくとも県立なり道立なり都立なり府立なり、公立の学校から手を付けて、あとは私立、特別支援学校というように徳島がやられたようなところまで持っていきたいのですけれども、その辺りはかなり各県の事情があろうかと思います。

アクションプログラムの3年間の強化期間として、我々1年目は8つの県を目標にと言ってまいりましたが、どうもそれは見えてきたなという実感を持っております。そういった中で徳島は今年やっていただきますけれども、先進的な取組というものをどんどんアピールして、各県の先生方が自分の授業の中に「社会への扉」のこの部分だけでも入れてやろう、この部分を伝えれば子供たちは契約の概念をしっかり理解してくれるなと思っていただいたものを使っていただけるというようなフォローをし続けていきたいと考えております。

東京のほうからの説明は以上でございます。

○樋口座長 ありがとうございます。

続きまして、徳島県教育委員会藤本課長からお願いしたいと思います。

○徳島県教育委員会藤本課長 徳島県教育委員会学校教育課の藤本でございます。

本日はこのような説明の機会を作っていただきまして、ありがとうございます。

私から資料3を使いまして、徳島県の消費者教育の現状について説明をさせていただきます。

主に学校のほうを中心に説明をさせていただきますが、最近までの流れということで説明させていただきますと、徳島県では平成24年12月の消費者教育の推進に関する法律の施行を受けまして、平成25年度から消費者教育を活性化するための指定校事業を実施しております。これまでこの事業で指定された学校、中には幼稚園もございますが、それらを中心としまして小学校、中学校、高等学校の各学校段階に応じまして、小中学校であれば社会科、高等学校であれば公民科、家庭科といった教科を中心に、お金の使い方や食の安全から消費者被害の防止、消費生活と環境の関係など、消費行動に関わる学習に取り組んできております。

特に消費者教育に関する授業実践校では、発達段階に応じまして地域の生産物と消費行動の関係を体験的に学んだり、地域の特産物を活用して作った安全安心な商品を校内で販売するカフェの開催など、教科横断的な消費者教育を地域と連携して展開しているところであります。このように消費者教育に取り組んできております中で、昨年7月に消費者行政新未来創造オフィスが徳島に開設されまして、高校生を対象に「社会への扉」が作成されたことで、これまでとの消費者教育とはまた違ったアプローチで消費者教育を展開することができるようになったのではないかと感じております。

事実、昨年度、県内全ての高等学校と特別支援学校等におきまして「社会への扉」を活用した消費者教育の授業を実施できるという成果を生んでおりまして、徳島県の高校での消費者教育の大きな転換点になったのではないかと考えているところです。

この「社会への扉」を活用した授業につきましては、先ほどの消費者庁からの説明にもございましたとおり、4省庁合同の若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムといたしまして、2年後には全国の高校で活用した授業の実施を目指す方針が示されておりますが、そのモデルとしまして、いち早く徳島の高校で実施ができたことは、徳島の高校生にそれだけ早く消費者教育を受けさせる機会が増えたわけでございますので、教育委員会としましても大変良かったと思っています。

また、「社会への扉」を活用した授業の実践者、教諭でございますが、こちらは国民生活センターが主催する研修の講師となるような形で依頼されるなど、全国の消費者教育の広がりへの一助となることもできております。これにつきましては教員自身のスキルアップ、モチベーションのアップにもつながりまして、これからの消費者教育の展開に大きく貢献するのではないかと考えております。

また、このように消費者教育を全国の学校でこれまで以上に推進していくために、モデルとして実施をしました本県の経験をいかしまして協力できることがございましたら、積極的に関わっていきたいと考えております。これにつきましては本県の教育長が全国の教育長会が7月にあった際にも、全国の教育長に向けまして、「本県がやっていますので協力ができることがあれば御遠慮なく。」ということを言っておりましたので、人的な限界はございますが、できる範囲での協力をしていこうと考えております。

次に、学校における消費者教育担当者のところでございますが、高校のほうでは各学校の状況に応じまして教科教育で家庭科、公民科、こちらを担当する教員が中心となっている場合がほとんどでございます。教科外で活動する場合もありますが、その場合は生徒会活動とかJRC、ボランティア活動部などの部活動を中心に、それぞれの顧問教諭が指導に当たっているという現状でございます。

中心になっております家庭科教員のうち、常勤で専任の割合ということでございますが、こちらにつきましては現在、公立高校全日制課程、今35校ございますが、そのうち33校に常勤かつ専任の家庭科教員が配置されております。割合としては94.3%となっております。また、定時制につきましては7課程ございますが、1課程の配置となっている状況です。こちら家庭科の常勤が未配置の場合でも、公民を教える常勤の教諭を配置していることで消費者教育が行えるようにということで配慮しております。また、常勤の公民科の教員でございますが、県内では138人の配置となってございます。家庭科、公民科の教員とも基本的に消費者教育を教えることはできます。そのような形で大丈夫なのですけれども、このうち他の教員の模範となって消費者教育を教えることができる者がどれほどの割合になるかということになりますと、その基準をどこに置くかということもございまして、正確なその割合の把握は少し困難かと思っておりますが、県の消費者情報センターへ平成15年から毎年1名の高校教員を研修生として派遣をしてきております。そういうこともありますので、一定のスキルを持った教員はある程度いるものと考えてよいかと思います。

次に、消費者教育担当者が足りているかどうかということについてでございますが、家庭科及び公民科等の常勤が不在という学校はございません。また、授業以外のホームルーム活動などで例えば3年生が卒業する前に消費者被害に遭わないようにということを指導する場合もございますが、そのような場合は基本的には学級担任がやるということで対応しているような状況でございます。

次に教職員への研修の状況でございます。こちらにつきましては平成16年度から毎年、実践的な消費者教育を知事部局の消費者担当の協力をいただきまして開催しております。その他には中学、高校の家庭科教員が参加する中高連携家庭科研修講座というものがございますが、こちらでも消費者教育に関しての内容を取り上げているという状況です。また、昨年度からは消費者教育指導者養成講座ということで、各学校で消費者教育を指導していただけるような教員の養成を目指しまして実施しているところでございます。その他にもこちらも昨年からの実施でございますが、「社会への扉」を活用した研究授業、これはデモンストレーション授業でございますが、こちらの公開研究協議会を利用しまして、多くの教諭の参加を得てスキルアップに努めていただいているという状況でございます。

以上の研修につきましては、希望者又は指名での受講である場合が多いのですが、本年度からはより一層、消費者教育の裾野を広げていくために、全ての教員が採用5年目に受講します教職5年次研修というものがございます。この教職5年次研修の中に消費者教育に関する講座を開設しまして、採用5年目の教員全員が消費者教育の研修を受けられる体制を整えております。

また、次の本県独自の消費者教育の取組といたしましては、冒頭にも触れさせていただきましたが、平成25年度から始めております実践的な消費者教育研究校の指定、また、平成26年度からは消費者情報センターや徳島県の弁護士会などの協力を得まして各学校での消費者教育を支援するための講演、出前授業を実施しております。それとエシカル消費も消費者教育の一環として、これを推進するための研究校としてエシカル消費リーディングスクールの指定を行っておりますと同時に、エシカルクラブというものを来年度までに全ての公立高校に設置することとしております。

この資料には記載していないのですけれども、県教育委員会と徳島県内の大学、こちらが連携協定を結んでおりますが、この協議の中で昨年度から消費者教育に関する分科会というものを設けまして、高校から大学につながる消費者教育についての情報交換を行っているところでございます。それと先ほども触れましたが、平成15年から毎年1名の教員を県知事部局の御協力を得まして、消費者情報センターに研修生として派遣をして、消費者支援の実務経験を積んでいく中で学校での消費者教育の推進役となれる教員の育成を行っているところでございます。

以上で資料に基づく説明については終わりですが、これまで徳島県教育委員会では平成16年から消費者教育に関する研修講座を設けましたり、消費者情報センターに教員を派遣したりと、長年にわたり消費者教育の充実に取り組んできております。このような状況の中、選挙権年齢の引下げがもう既に行われております。また、次には成年年齢の引下げも行われることとなっておりまして、より一層、消費者教育の重要性が増してきていることについて、学校の教員も認識しているところでございます。このような状況の中で消費者行政新未来創造オフィスが7月に徳島県に開設されまして、今回のプロジェクトが行われていることは、学校での消費者教育にとりましても正に時機を得たものである、非常に心強いものであると感じておりますので、そのことをお伝えして説明を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

○樋口座長 ありがとうございました。

続きまして、徳島県の勝間課長より御説明をお願いしたいと思います。

○徳島県勝間課長 徳島県の消費者くらし政策課長の勝間でございます。

私から資料2に基づきまして、プロジェクトの徳島県の取組につきまして簡単に御説明をさせていただきたいと思います。

まず資料2の左肩、全ての高校で実施する際の苦労した点、それをどう乗り越えていったのかという点でございますけれども、このプロジェクトにつきましては全ての高校で行うというのが非常に大きなハードルでございまして、例えば私自身も消費者行政を担っておりますが、学校教育の現場について十分に知っているわけではございません。教育委員会との連携をしっかりと取らなければ、全ての高校で授業を実施していただくことは難しいと思っているところでございます。そのために昨年度、全ての高校で実施したわけですけれども、その前年度から実は協議、打合せについては事務方で進めさせていただいておりますし、年度を超えて平成29年度当初には、知事部局と教育委員会合わせた庁内体制というものも確保してございます。

また、学校への依頼文書の作成、発出と書いておりますけれども、それぞれ教育委員会の中でしっかりとした意思形成をしていただくことになりますと、順番に手順を踏んでいくことも非常に重要であるという指摘もございましたので、例えばここに書いてありますけれども、消費者庁、徳島県、教育委員会連名による文書をそれぞれの学校等々に流させていただいているところもございます。

やはり全ての学校でやることになりますと、先生方から授業の仕方、実施方法などについて問合せ等々がございます。その場合は消費者庁、県、教育委員会との間でしっかりとした情報共有をしながらも、学校に対して適切にアドバイスをしていくことも必要になってまいります。その際には私どもで十分に授業のやり方についてアドバイスがなかなか難しいところもございますので、それは現職の教員等々からアドバイスをいただくような体制もしっかり整えているところでございます。

右肩でございます。県と教育委員会の連携なのですが、そういった教育委員会との連携の中で、これは徳島県の強みではございますけれども、先ほど教育委員会から御説明がありましたとおり、平成15年から県の消費生活センターでございます消費者情報センターに1名配置していただいておりますし、実は昨年度、平成29年度からも消費者くらし政策課、私どものほうに1名、現職の教員を派遣いただいて、例えば先ほどの学校からの問合せ等々についての窓口というものも作っていただいているところでございます。

教育委員会からも御説明がありましたけれども、平成25年度からは教育の実践校の指定あるいは平成27年度からはエシカル消費推進事業ということで、例えば高校で藍染めとか和三盆を活用した商品開発、そういったものも実は教育委員会と一緒になって消費者庁の交付金を活用させていただきまして、推進をしてきたところでございます。

プロジェクトの推進に向けましては、やはり連携をするのですけれども、手順というものも非常に重要になってまいります。そこで昨年度の冒頭4月には校長会に出向きまして趣旨の説明もしております。それから、アンケートをします。授業の視察もさせていただきたいという形になってまいりますと、これ一つ一つ実施についての合意というものも必要になってまいります。例えばこれらについても文書による依頼が必要になってくるということでございますので、そういったものもしっかりと連携を取りながら発出をしたいというところでございます。その後、年度後半から順次、授業を実施し、デモンストレーション授業や実践報告会も行わせていただいているところでございます。

2ページ目、教育委員会が各高校にどのようにアプローチして全校実施となったのかということですけれども、手順を踏んでいくという部分も重要でございまして、校長会による趣旨説明も行わせていただいておりますし、あるいは「社会への扉」を実際にどう活用するのかというお話がございました。我々で見ますと例えば「社会への扉」を1ページ目から順番に説明いただくというところも思っていたりするのですけれども、現場の声を聞いてみますと年間の授業計画あるいは学校行事、クラスの実情等々を勘案して、このうちの一部をしっかりと使わせていただきたいとか、ここは使うのだけれども、ここは使わない。いろいろと現場の先生方によって使い方、活用の仕方が異なるのだなということがだんだんと分かってまいりましたので、この分につきましては現場の先生方にお任せをすることにさせていただいたところでございます。

研修会、学校訪問につきましては、これは教育委員会で様々な機会で研修会あるいは学校訪問をしていますので、その機会に意見交換等をしていただいているところでございますし、また、指導者の養成講座ということで消費者庁、県内にあります鳴門教育大学、教員養成の大学でございますけれども、それと連携をいたしました養成講座も実施しているところでございます。

実際に先生だけではなくて外部講師を招いた授業も行っておりまして、先ほど申し上げました県センターに1名、現職の教員がございます。要請がございましたらその者が高校に出向いて授業を行うという体制も整えておりまして、昨年度は定時制の高校、高専に出向いて授業を行ったという実績がございます。

普通科以外の高校における教材の工夫ということなのですけれども、これは先ほど消費者庁から説明がございました事例集の中にもしっかりと書かれているわけですが、例えば定時制の高校でありますと既に社会に出ているという生徒も多いので、実際のトラブルの事案というものを数多く盛り込むということで、例えばここでマルチ商法が書かれておりますけれども、そういった事案をポイント等々で示していくというようなやり方。それから、商業高校はより分かりやすい理解のさせ方ということで、合い言葉を設けて、例えば右肩のスライド、見にくくございますけれども、実は「あわおどり」という頭文字で「曖昧な返事はトラブルのもと」云々というような形で、標語でそれぞれ理解をしていただくようなこともやっておりますし、県内に1校ですけれども、看護科を持っている高校がございます。そこでは医薬品、食品を扱いますので、そういったものの健康被害という側面から、消費者の権利と責任を理解させるような工夫もしていただいているところでございますし、また、特別支援学校におきましては、生徒が自ら宿題として作成されましたすごろくを活用したような授業ということで、それぞれの学校でそれぞれの学生、生徒の実情に応じた形で、様々な工夫をしていただいているところでございます。

説明は以上でございます。

○樋口座長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの消費者庁、徳島県教育委員会及び徳島県の御説明に関しまして、質疑応答を行わせていただきたいと思います。御質問のある方は御発言いただきたいと思いますが、これまでと同様にテレビ会議システムを使用し、今回は徳島と中継しておりますので、東京で御発言いただく方は挙手していただき、私が指名しましたらお名前を言っていただいた上で御発言いただきますよう、よろしくお願いします。

また、質問に対する御説明や御回答をしていただく際にも、御説明者の皆様も名前を言っていただいた上で御説明等を開始していただきますよう、御協力をよろしくお願いいたします。

また、御発言される皆様はなるべく集音マイクに向けて、大き目の声でお話しいただきますよう御協力お願いいたします。

それでは、御質問のある方は御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。

○大森委員 消費者委員会の大森です。

とても積極的に進めていただいて、徳島ではオフィスができてから僅かな間に全高校で全て実践していただいて、その報告もまとめていただく。素晴らしいパワーでやっていただけたと感謝しております。

また、消費者庁では全ての都道府県に出向いて説明されて、しかも教育関係者に対しても、オフィスの経験を基に進められているようで、とても期待しております。

一方、課題も見えてきたかと思うのです。徳島では全ての高校で行われているわけですけれども、消費者庁が全国を見据えて動かれている中には私学とか特別支援学校が含まれていないということです。私学は高校生の中でかなりの割合を占めます。しかも教育とかスポーツに特化した学校が多くて、家庭科も十分行われていなくて問題になったこともありまして、その辺りをどのように進めていくかというのをお聞きしたいなということと、徳島でもいろいろ指定校で積極的な取組をされているようですけれども、指定校を一般の学校に広げるというところで大きな溝があるかなと。越えなければいけない難しさがあるかと思うのですけれども、その辺はどのような計画をされているのかということと、あと一点「社会への扉」は、まずは成年年齢引下げに対応すべく高校生に伝えるべき最低限の内容を盛り込まれているとは思うのですけれども、SNSに関しては全く触れられていないので、今の若者の消費生活に、サービス利用とか、スマホを買うなど、かなり大きい部分がSNSに占められていると思うのです。なので、この辺りの教育をどのように考えておられるか、その辺ちょっと質問させていただきます。

○樋口座長 ありがとうございます。

これは消費者庁からお願いいたします。

○消費者庁消費者教育・地方協力課米山消費者教育推進室長 2つ目は徳島への御質問だと思いますので、1つ目と3つ目につきましてコメントさせていただきます。

委員御指摘のとおり、まずは公立という流れにはなってございます。ただ、もともと私たちのお願いの仕方としては、私学もいろいろ専門的なところも、高専といったところも含めてというふうにはもちろん考えておりまして、例えばこれも都道府県によって若干の体制の違いはあるのですけれども、御説明に上がるときには、教育委員会とか公立の学校を全部見ておられるところと、私学を見ておられる部署がありますので、そういったところにも必ずお声をかけて御説明はしております。県立等のように1つ何か通知を出せば伝わるという体制が私学にはないと聞いておりますので、例えばある県では私学の校長会に言って説明を消費部局と私学担当者が行うとか、そんな形で一つ一つやっておって、もともと私学は含みませんということではございません。ただ、難しさかがあるという課題を申し上げたところでございます。

特別支援に関しましては、正に課題があると思いますので、これは別途、検討して広げなければいけないと考えておりますし、先ほど私が申し上げました高等専門学校、高専というところは、そちらの高専の機構もありますので、そういったところも通じてお願いをするというように、都道府県以外に関しましても連絡をとるような努力はしております。ただ、結果的には難しいというふうになるかもしれないと先に言い訳めいたことを申し上げました。それは各県でもこれから努力していただきたいと思っております。

「社会への扉」は御指摘のとおり、最低限、契約の基礎というものが十分に分かっていないという御指摘をあちらこちらの先生方からも受けておりますので、まずはそれを理解していただくというのが仕掛けでございます。SNSを全く扱っていないというわけではなくて、ネットショッピングというようなケースを取り上げるときにSNSの話をしていただくだとか、いわゆるマルチ取引のようなもののもうかる話といったときに、勧誘のきっかけはSNSが多いですといったことを教師用解説書には書いていたりしまして、そういったところを取り上げていただければと思っておりますが、この教材だけで十分ということではなく、それはそれで引き続き検討してまいりたいと考えております。

2点につきましては以上です。

○樋口座長 ありがとうございます。

2つ目については徳島からお願いします。

○徳島県教育委員会藤本課長 2点目の指定校の取組をどのように一般の学校に広めていくかという点につきまして、徳島県教育委員会の藤本からお答えさせていただきます。

指定校の授業につきましては、先ほどの説明の中にもございましたが、それぞれの学校でいろいろ取り組んでいる内容がございます。例えば農業高校でありましたら自分の学校のほうでの生産物を利用して商品を開発したものを販売する。または地域の農家と連携した農作物を利用して販売をするということなども行っております。

また、そのような中で幼稚園も場合によったら入ります。小中も入っております。そのためなかなか全ての校種に対して同じ形でというのは難しいところがございますので、これが交付金を活用しているということもございますので、その辺で最終的には実践報告書というものをまとめて、こちらを印刷して全ての学校に配付しているところです。

その実践報告書を見ていただくと、それぞれの学校の取組が分かるという形にしております。また、この実践報告書の中には昨年度、この実践校以外の取組であります指導者の養成講座の内容でありますとか、講演・出前授業の内容も簡単に触れて、これを見れば今、県内の学校の中でどのような取組が進んで行われているかということが分かるような状況を作っております。

もう一点、徳島県内では12月下旬にあわ(OUR)教育発表会ということで、徳島県内の各学校の特徴的な取組を発表するような場を設けております。その場におきまして実践校の取組というのも発表していただくことで、質問等がございましたらそこで直接やりとりができるという形もとってございます。

この先進的な事例をどのように一般化していくかというところにおきましては、これは消費者教育に限らず教育の中でこれから新学習指導要領もございますが、なかなか難しいところでは確かにございます。ただ、まず広報をして知っていただく。そして知っていただいて関心を持っていただく中で関わっていただく。そして、それをやってみていただくという形でお願いをしているところでございます。

以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。

よろしいでしょうか。他にいかがでしょうか。お願いいたします。

○木田委員 消費者委員の木田です。よろしくお願いします。

3つの観点、まず働き方改革、やはり先生たちは本当に大変で、今でもお仕事が大変という働き方改革という観点と、2つ目が地域で子供を育てるという観点。3つ目が現場の生の声を伝えるという観点で、例えば普通科以外の高校における教材を活用した授業の工夫なんかでありましたら、トラブル事例というのは警察の生活安全課の方が出前で来られて、実際にこういう事件を対応したという話をされたり、契約においてのトラブルでしたら弁護士の方が来られて、実際にこういう事案があって、こういうふうに解決したというような生の声を聞かせてあげることが、高校生の子供たちの心に響くのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○樋口座長 御質問については消費者庁から。

○消費者庁消費者教育・地方協力課米山消費者教育推進室長 今の働き方改革と地域で子供を育てるということの御指摘は、正にそのとおりですということでよろしいのですね。

生の声を伝えるという工夫につきましては、正にこれも御指摘のとおりで、出前講座の有効性というのは言われているところでございます。徳島県でも実際に教員の方が消費者情報センターにおられて、その方が出前に行かれるという事例は実際に事例集の中にも挙げておりまして、そういったことも有効ですというアピールはしておるところですけれども、もう少し一般化をいたしまして、消費者教育の全体像の中でも学校に専門家を派遣して授業していただくこと。それを誰でも、どの先生でもぱっと誰か知り合いがいて、専門家を知っているわけではありませんので、そういう専門家を学校現場につなぐための消費者教育コーディネーターを置くことの重要性というのは言っているところでございます。

本日の発表の中で触れませんでしたが、アクションプログラムの中でも各都道府県にそういった方を置いてくださいということはテーマで挙げております。すぐにはなかなか難しいですが、徳島県の例も見習いつつ、そうしたコーディネーター、その人自身が学校に行って説明できる人というだけではなくて、学校に必要だという人材を派遣する調整役としてのコーディネーターを育てていっていただきたいということと、その方が使えるような人材バンクといったものも整備していく必要があるという考え方は持っておりまして、これも併せて普及に努めたいと思っております。

○徳島県勝間課長 補足させていただいてもよろしいでしょうか。実は徳島県でも生の声をしっかりと届けることの重要性を認識しておりまして、先ほど申し上げましたセンターの職員が出前講座で行くときというのは、例えば相談員の方が一緒になって行くというようなこともございます。

それから、実は徳島県のほうでは消費者教育の人材バンクというものも設けておりまして、例えば弁護士の方でありますとか、あるいは大学の先生、さらには企業もございます。例えば学校から専門的に例えば法律のことを教えていただきたいということであれば弁護士の先生、あるいはSNSの実際の使い方みたいなものであれば、そういった関係の企業、そういった方々をマッチングいたしまして、学校の現場に出向いていただきまして、授業を行うといった取組も行っておりますので、御紹介させていただきます。

以上でございます。

○木田委員 ありがとうございます。特に警察関係は多分同じ国同士なので、出前ではなくて連携という形で、生活安全の方もいろいろ皆さんにお話して、今こういう事例があるから気を付けてくださいということを訴えたいはずなので、その辺はマッチングできたらいいなと思っていますので、よろしくお願いいたします。

○樋口座長 ありがとうございました。

他にいかがでしょうか。

○野々山委員 2点質問があります。主に消費者庁に対する質問になるかと思います。ただいまの報告の消費者教育の取組はとても重要だと思っています。

そのうえで1つ目の質問は先ほど御指摘がありましたが、私自身はもっと慎重にあるべきだと思っていましたけれども、残念ながら民法の成年年齢が引き下げられることになりました。となるとやはり子供たち、保護者、もちろん先生もですが、そういう皆さんに消費者教育といいますか、若年者の消費者被害をいかになくしていくかということを考えてもらうことが必要になってくると思うのです。そういう中で徳島県の様々な高校での「社会への扉」を教材とした取組をされたということは、非常に評価できるかと思います。

私も2校ほど直接実践を見聞きさせていただいています。1つは普通科高校の授業参観をさせていただきました。もう一つは吉野川高校、先ほど農業高校とおっしゃっていましたけれども、その高校の高校生による実践報告を聞かせていただきました。その2つを聞いて、実際の取組を聞くとすごくイメージが湧いてくる。こういうことをやっているのだということがよく分かるのです。そういう意味では徳島県で行われた消費者教育の実践について視覚的にイメージがつかめるようにすることが徳島県にとどまらず、全国に広がっていくことにとって不可欠になると思うのです。

それで質問なのですが、先ほど言われた事例集の紹介とかあるのですが、これはかなり視覚的、あるいは教員が見ればきちんと分かるようなものになっているのかどうかというのが1つです。それから、参考資料1で授業の実践報告会がある。これも報告書の記載だけではスライドとかが分からない欠点はありますが、やはり実践報告会そのものは非常に具体的にやり方が分かるような形になっているなと思っております。こういう実践報告会に他府県の方は来ておられるのかどうか。今後また徳島のほうで発表会があるとおっしゃっているのですが、そういうところに他府県の方も来られることになっているのかどうかというのが1点。他にもそういう実践報告をどこかやる予定があるかどうかというのが質問です。

もう一つの質問は、冒頭にも申し上げましたけれども、成年年齢引下げの対応には学校教育はとても大事ですが、子供たちに分かってもらうだけでは多分難しいと思うのです。保護者あるいは地域の中でこの成年年齢引下げがどう意味を持つのかということを理解してもらうことが必要で、先生とか学校でやっていることのフォローアップを保護者の方にも理解してもらっておく必要がある。そういう保護者の方への消費者教育というものを今後どう展望されているのか。この2点を伺いたいと思います。

○消費者庁消費者教育・地方協力課米山消費者教育推進室長 では消費者庁からでよろしいですか。後で徳島の実践というところで追加があればお願いをするということで、正に御指摘のとおり事例集を見たり、実践報告を聞くことでイメージが非常に湧くというのは、私自身もそうだと思います。先生がおっしゃっていただいたとおりです。

事例集に関しましては、紙幅に限りがありますので、いわゆる先生が使う指導案といったものがあるのと、それから、「社会への扉」を全部使うわけではないので、どのページをどのような形で使ったか。そのときに先生がどのようなことに苦労したか。生徒たちがどのような印象を持ったかといったことがぱっと分かるようなビジュアルのものになっています。

それと実際にその学校のその先生がお使いになったレジュメとか、書き込み型のワークシートとか、そういったものも付いておりまして、それはダウンロードしてそのまま使っていただけるようにもなっていますので、かなり実践的な工夫はしております。もちろん消費者庁の「社会への扉」自体にも、指導案だとか指導のペーパーはワードやエクセルでネット上に置いておりますので、先生方が自由に編集できるようになっております。

それから、徳島のほうで全部ではないのですけれども、実際に見学をされた授業をYouTubeで公開するといったこともされているので、私どもそれをアピールするときにはYouTubeのURLをお教えして、こんなのも先生、見てくださいということの普及はしております。

実践報告会や徳島での見学会といったものには、他府県の方もいらしていると聞いております。ただ、皆さんお忙しいのでそんなにたくさんということは難しいのですけれども、それはオープンにされていて、公表もしておりますので、例えば今年も徳島で予定があると聞いており、我々は今、勧誘をしている各府県の方々にもそういったものがありますよといったことをちゃんと情報として提供しているところでございます。

他の地域でも実践報告等ができるといいなというのは、そのとおりでございますが、まだ今のところ具体的には進んでおりません。我々の事務方が見学をするということは交渉で可能になるかと思いますが、なかなかオープンな報告会だとか見学会というのは、先ほどのお話にもありましたように教育委員会とか学校の先生方との密な連携、相談が必要なので、今年度は他の地域では時間的に難しいかなという実感を持っております。

先生御指摘のとおり、学校で子供たちに教えるだけでは駄目で、地域なんかにも広げていく必要というのはそのとおりだと思いますし、成年年齢引下げの対応ということで「社会への扉」、高校生というふうにしておりますが、高校でだけ教えればいいとはほとんど誰も思っていなくて、もっと中学、小学へという試みも必要ですし、逆に中学、小学になれば子供たちに教えることで親御さんにも伝えていただくというような方向性も必要だろうと思っております。

今日の「社会への扉」徳島でということとは外れますけれども、消費者教育推進会議等々でもそういったことは今後検討して進めなければならないと思っているところです。

東京からは以上でございます。

○樋口座長 徳島のほうでいかがでしょうか。

○徳島県勝間課長 補足をさせていただきます。

まず授業につきましては、我々自身、例えば県庁の事務方が一般的に思い浮かべる授業というのは、自分が高校時代、どういった授業を受けたのかというのに引きずられる部分がございます。今回こういった形で実際の授業を見させていただくと、イメージが違うなという部分も非常に多く感じたところでございます。そういった面ではいろいろな各県に対しても実際に授業を見ていただきたいという思いもございます。徳島県では今年度も2回、10月31日と11月16日、それぞれデモンストレーション授業を行うようにしておりますし、その御案内につきましては実は全国の方々にさせていただいているところでございます。また、報告会につきましても実施しようということで今、計画をしておりまして、これにつきましてもしっかりとオープンにしていこうと思っているところでございます。

このいわゆる報告会等々のやり方につきましては、例えば学校の先生方が一般の授業の報告をする形式に準拠といいますか、合わせるような形にしておりますので、恐らく先生方同士ではしっかりとこういう形でやればいいのかというのが伝わっていっているような感じを受けているところでございます。

以上でございます。

○樋口座長 よろしいでしょうか。

他にいかがでしょうか。遠山委員、どうぞ。

○遠山委員 「社会への扉」なのですけれども、非常によくできた教材だなと思っておりまして、私も今年度は愛媛県の7校の高校で、卒業を前にした生徒を対象に講座を行うわけなのですが、その中でも「社会への扉」の一部を活用させていただいております。ただ、大森委員がおっしゃいましたように今の実際の現場の被害といいますのは、例えば情報商材ですとか仮想通貨のマルチですとか、フリマの問題、こういったものは全てSNSを通して引っ掛かることが多くて、その点、「社会への扉」で紹介されております町を歩いていたら呼び止められて絵画を10万円で買ってしまったというようなキャッチ、こういった商法は今、実際には余り見られないと思うのですけれども、そのような点で様々な現場の相談員が持っている実際の事例をもっと活用していただけたらなと思っております。

高校生の場合、他にアパートの賃貸借契約ですとか、公共放送の受信料ですとか、社会に出てすぐに必要となる知識もあります。すぐにかかってしまうトラブルというのが本当に山積みですので、それら1つずつを紹介していくととても時間が足りないほどなのです。ですので先ほどおっしゃいましたように、中学校で契約についてというのはしっかりと身に付けてもらって、高校はもちろんクレジットカードの使い方ですとか、リボルビング払いの怖さですとか、いろいろな商法について勉強していくのは当たり前なのですけれども、一番up‐to‐dateな事例については現場の相談員とより連携を図ってもらうということをしていただければ、生徒にとっても印象に残るものになってくるのではないかと思います。徳島のほうでも様々な工夫をされておりますので、その辺り一層希望いたします。

以上です。

○樋口座長 御発言ございますか。

○徳島県勝間課長 徳島から一言だけ。正に実は今回、昨年度授業を行う中で先生方からいろいろお声もいただく中では、最新の情報をいただきたい、それを生徒に伝えたいという御希望もございます。私どもとしては消費生活センターの役割も担っておりますので、センターが持っている情報を先生方に活用していただく仕組み作りというものにもしっかりと取り組んでまいりたいと思っているところでございます。

以上でございます。

○樋口座長 ありがとうございました。

他にいかがでしょうか。唯根委員、どうぞ。

○唯根委員 2点伺います。御苦労をされた点の資料2の学校からの問合せについて、消費者庁、徳島県、徳島県教育委員会で連携を取られていたということなのですが、どこが学校に対してのアドバイスのリーダーシップを取られたのか。それから、徳島県の教育委員会は、それこそ15年も続く現役の高校の教員の方の情報センターへの派遣を県費でやっていらっしゃると伺っていたのですが、全国的にはこのような積極的な教育委員会ばかりではないと思うのですが、この辺の予算的な部分ではどこの誰がイニシアチブをお取りになっていらっしゃったのか、その辺をもし伺えれば教えてください。

以上です。

○徳島県勝間課長 まず学校からの問合せのリーダーシップをどこが取ったのかということでございます。恐らく形式的な部分、例えば文書をこう出すとかという部分については事務方でするのですけれども、問合せの大部分は授業のやり方等々の部分でございます。そういった部分につきましては教育委員会におられる指導主事という方々が中心になっているところでございます。

ただ、本県でいきますと実は先ほど申し上げましたとおり昨年度から1名、現職の教員が私どものところにおりますので、そういった者が各学校からの問合せに答えて、こういう授業のやり方はどうなのだろうかということで御回答をさせていただく。その際にはもちろん教育委員会と十分な調整をした上でお返しするというような流れになっているところでございます。

それから、平成15年からの研修員の配置についてでございますけれども、かつての古いメンバーに聞きますと、その頃から消費者行政についての重要度が高まってきて、実は教育委員会との連携というものがかなり手探りだったと聞いております。その中で当時の県の幹部の御判断の中で教育委員会から1名、県のセンターに配置いただいたという流れになっていると聞いているところでございます。

予算につきましても、これにつきましても知事部局と教育委員会の中で調整をしながら人件費は付けていくという形になっているところでございます。

以上でございます。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。内田委員、お願いします。

○内田委員 全ての高校で実施するときの経緯で、県のほうから28年度末に初めて教育委員会との協議、打合せがあって、29年4月に両者のタスクフォースが生まれて、それで29年度中に全て実施される中、すごいスピードのような気がするのです。このように非常にスピード感を持って実施できたことと、新未来創造オフィスが徳島にできたこととに関わりがあるのかないのか。ここは多分、専門調査会のテーマ、視点の1つかなと思って、そういう意味で教育委員会にお伺いしたいのですが、1つは家庭科教員のうち常勤専任の割合が94.3%という数字の紹介がありましたが、もしお持ちなら全国の高校ではこの数字はどうなっているのかなというのが1つ。

それから、確かに今回の取組自身は短期間だったと思います。その背景には平成15年、こうした平成16年からの実践的な消費者教育講座等、15年以上の取組があるのだと思いますけれども、こうした取組の推進者だったのは知事なのか、部長なのか、課長なのかというのが分かれば教えて下さい。

3点目は参考までなのですが、消費者教育指導者養成講座というのを始められたようですけれども、この消費者教育指導者という方の期待されている役割は何なのでしょうか。

以上、3点です。

○徳島県教育委員会藤本課長 最初の質問ですが、家庭科教員の割合ということでお伺いしたかと思うのですが、少し音声が聞き取りづらかったので確認させていただきたいのですが、全国においての家庭科教員の割合ということでしょうか。

○内田委員 そういうことです。

○徳島県教育委員会藤本課長 実は本県のデータは先ほど申し上げたとおりなのですけれども、今、手元に全国の割合というのがございませんので、申し訳ございませんが、お答えすることができないところで御理解いただけたらと思います。

3点目の指導者養成講座のところで、どのような役割が指導者に期待されているかという御質問かと思いますが、こちらにつきまして、昨年度は高校を対象に行っております。今年度は中学校を対象に行っておりまして、来年度は小学校の教員を対象に行う予定にしてございます。このように校種を変えまして、それぞれの校種の中で消費者教育を進めていく上でリーダーとなっていっていただく。全ての教員が一様に消費者教育に関して精通しているというのは、なかなかハードルが高い部分がございますので、まず一番成年年齢に近い高校生から始まって、順に高、中、小という中で、それぞれの学校に帰ってまた消費者教育を広げていっていただく。また、学校の中で消費者教育をやってみたいのだけれども、よく分からない。いろいろ教えてもらいたいというときに、その方がアドバイスできる。また、消費者情報センターにつなぐことができるという形で役割を果たしていただけたらということで期待をしているところでございます。

以上でございます。

○徳島県勝間課長 先ほどセンターの教員の配置について、そのときの幹部ということでございましたけれども、実際のところそのときの人事の流れがどういう流れで決定したのか、今のところつまびらかではないわけなのですが、当時の消費者行政の担当部長というのが今の県知事であったというところでございます。

○内田委員 ありがとうございます。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。長谷川委員、お願いいたします。

○長谷川委員 時間もありませんので手短に。

御説明ありがとうございました。非常に重要な取組だと思っており、敬意を表する次第でございます。

そのうえで2点、御質問させていただきます。これから私学等にも広げていくということで、大変重要だと考えています。その際、具体的に、こうした取組を行ってくださいと私立学校等に要請した場合に、返ってくる答えとして一番考えられる答えは何なのか。仮に「できません」という答えが返ってくるとして、その理由として最も考えられるのは何かということと、その答えに対する効果的な説得の仕方としては、どのようなものがあるのか、というのが1つでございます。

2点目は、これはなかなか難しいと思いますが、若年層に向けた消費者教育の取組の効果、1点目の質問とも絡むのですが、効果をいかに計ればいいのかについてどのようにお考えか、教えていただければと思います。

○消費者庁消費者教育・地方協力課米山消費者教育推進室長 まず1点目でございますけれども、何分にも我々が直接一つ一つの私学の先生にお願いをするというところにまでは行っておりません。先ほども申しましたように私学部局なり教育委員会なり県の担当者にお願いをして、一個一個お願いをしていくという中身になっておりますので、やってくださいと言ったときに返ってきた答えというのも今のところ情報がありません。ある県の方がおっしゃっていたことですが、一斉にこうしてくださいではなくて、私学といってもいろいろな学校がありますので、それぞれの個別の対応といいましょうか、御相談に乗りながらやるしかないのかなということはおっしゃっております。

それから、効果に関しましては単純には言えない。今も徳島の事業の展開を通じまして、授業前と授業後で知識に関してとか意識に関してのアンケートはしております。そういったもので見られる範囲というのはありますけれども、そういったことが効果として何をもって効果と言うかというところがそもそも議論になるところでございますので、一概にはこうやって計りますというところを今、申し上げることが難しいなと正直思っています。これは教育の効果という観点で、実は文部科学省とも担当者レベルでお話合いなどをしましても難しい。何を計るのかというのはまだまだ課題で、検討し続けながら、できることがあればやって、少しでも役に立つような形にはしたいと思っております。

○樋口座長 よろしいでしょうか。

池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 徳島での今回の取組を全国にどう展開するかという問題意識で、徳島県への質問と最後に消費者庁にも質問があります。

資料2で若年者向け消費者教育推進タスクフォースを結成された。非常に強力な推進体制をとられたのかなと思うのですが、これはどういう構成員で何回くらい開いてやられたのかというのが1点。

それから、これは今回のためというよりは、もともとの体制のことだと思いますが、先ほど来、話題になっている消費者情報センターに高校の現職の教員を平成15年から配置しておられた。今回の取組の中での役割というのは御紹介いただいたのですが、こういうことを各地で今後、広げるために従来というか普段はどういうことをセンターの中でやっておられたのか。それは常勤的にフルタイムで何か取り組んでこられたのか。どういう仕事をしておられたのかという点についてお伺いしたい。これが2点目です。

細々したことですみませんが、今の資料2の裏面で指導者養成講座を実施したとあります。伝える人に力を持ってもらわなければいけないのですが、これは時期と参加者数というのはどのくらいだったのかという点。これが3点目。

4点目は資料2の表面で連携状況が、日付を追って記載してあるのですが、その中で県内の全校で実施をしたというのは、時期としてはいつ頃からいつ頃の間だったのか。この全体の中においてです。そういう点について確認をさせていただきたいという点が4点目です。

そして消費者庁にお伺いしたいのは、資料1-1で今回のことを全国の都道府県、全高校で展開できるように働きかけを行うということですが、その働きかけを行うというときに資料2にあるようなどういう体制で、どういう手順で、どういう取組をしたのかという辺りは資料化するなりして、それも情報提供されるのかどうか、あるいは具体的な働きかけとしてどういうことを予定されているのかという点について、お伺いしたいと思います。

以上です。

○樋口座長 それでは、徳島からお願いできますでしょうか。

○徳島県勝間課長 4点いただきました。

まず第1点目ですけれども、徳島県が作っておりますタスクフォースなのですが、どういうメンバーなのかということですけれども、これにつきましては教育委員会の担当課、学校教育課と私ども消費者くらし政策課、それから、私学は私どものほうでは総務課が担当しておりますので、そういった関係課が集まった会議だというところでございます。

回数については手元に資料がないのですけれども、実はこれも頻繁に顔合わせを行って調整をしているところでございます。とりわけ昨年度の当初につきましては、実施手順等々についての確認を頻繁に行っておりますので、結構、週1回とかそういったペースで最初の頃は実施した。事務方の調整も含めまして顔合わせをしていたと思っているところでございます。

センターに1人おります研修員のことでございますけれども、平成15年から配置をしておりますが、実際にその方につきましては、この時期から各学校等で消費者教育を行う際の外部講師、出前講座の講師として行っていただいているところでございます。これがかなりの件数になりますので、それでずっとこれまでも行ってきていただいてございます。もちろん学校以外に例えば地域で起こるイベント等々、研修会等々にも求めに応じて出向いていって、講座を行うというような業務をずっとこれまでしてきたところでございます。

4番目の御質問が聞き取りにくかったのですが、もう一度お願いできませんでしょうか。

○池本委員長代理 資料2の日付が平成29年4月から30年3月までありますが、この日程、スケジュールの中で全校で実際に実施したのが何月頃から何月頃の間だったのかというところ、それをお伺いしたいです。

○徳島県教育委員会藤本課長 先に3つ目の質問についてお答えをさせていただければと思います。

指導者養成講座の参加人数、回数という御質問でよかったでしょうか。こちらにつきましては、平成29年度は40人を少し超える人数で行っております。これにつきましては徳島県内の高等学校等の校数、要するに課程が2つありましても1つとかした場合の校数で、各校1人は出られるという人数を基にやっております。それとグループワーク等を実施して行いますので、余り大人数では効果が上がらないというところで40人程度で実施しております。

それとやはり昨今、働き方改革等ございます。また、学校で授業を受け持っておられる先生方に参加をしていただくこととなっておりますので、短期集中で行うということで、丸一日かけて1回という形でこの講座を実施していくということでございます。

○徳島県勝間課長 「社会への扉」を活用した授業でございますけれども、おおむね9月以降で順次、開催されているところでございます。実はこれにつきましては恐らく年間の事業スケジュールで消費者教育に割り振られている部分が通常でも大体年度の後半ということでございますので、9月から3月まで、これはそれぞれの学校に応じてやっていただいているところでございます。ただ、一部ホームルーム等々で年の前半で実施したところもございますので、大きな傾向としては9月からほぼほぼ2月頃までには終わっているような状況でございます。

以上でございます。

○消費者庁消費者教育・地方協力課米山消費者教育推進室長 最後の全国展開に関しまして、どのような体制で、どのような手順でフォローということだと理解いたしました。先ほども申しましたように、各県で体制等々もいろいろですし、徳島県の先行的な事例というのはもちろん紹介しますが、逆にそこまでできませんよ、ということになってしまう恐れもありますので、それぞれの県の方たちで基本的には教育委員会、その中では主に家庭科や社会科の指導主事といった立場の方と、行政部局に連携を取っていただきながら、それぞれが例えば文書で通知するといったことも含めて対応していただいているように聞いております。

実際に今年度も何県かでやっておられますので、それを私どもとしましても逐一フォローといいましょうか、実際問題としていつからスタートして、どこの学校に何人の生徒がいて教材を送らなければいけないという事務手続もありますので、一個一個かっちり把握いたします。そして、それぞれの学校の先生の御裁量で、どの授業のいつ頃やったかということも報告いただくようになっていますので、今年やっていただいた方々の例を更に集約して、また次にやろうとしてくださっている県に情報提供をしていくようなイメージでおります。

フォローアップといたしまして、もともとこれはアクションプログラムの中で毎年フォローアップすることも決まっておりますので、現在途中で、正に今、勝間課長がおっしゃられたように授業はこれから年度の後半でございますので、そういった結果なども踏まえてやっていた体制を集約してフォローアップ、確認をしていくというふうに考えております。

以上でございます。

○池本委員長代理 ありがとうございます。消費者庁からの御説明の中で、全国展開をする上で大事なポイントだなと思った点ですが、徳島で非常に素晴らしい取組をされた。それをそのまま全部コピーして全国で同じようにやれというと、逆に無理ですよということになりかねないところで、働きかけをしながら他のところではどのような広げ方をしたかという情報を是非集めていただいて、いろいろなパターンがある程度見えたところでこういうやり方もありますよというふうにどんどん進めるところと、少しやわらかくやったり、いろいろな手順というものを複数提示していただくと、各地で第2弾、3弾、4弾というふうに広げるときにやりやすいのかなと思います。是非工夫していただきたいと思います。

○消費者庁消費者教育・地方協力課米山消費者教育推進室長 ありがとうございます。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。お願いいたします。

○新川座長代理 時間がないところ申し訳ありません。

1つ消費者庁にお伺いしたかったのですが、文部科学省と協力をされて「社会への扉」活用事業等々を進めておられるのですが、特に教える側に向けての解説書を作成されたかと思います。その中で学習指導要領的にある程度教育方法等について詰めてこられたという経過があれば、その辺り教えていただきたいということ。

それから、体系的に消費者教育をやっていかないといけないのかなと思っているのですが、結局、徳島の場合にも言い方は悪いのですが、「社会への扉」の一部分を活用されたということにとどまってしまっています。今後の在り方としてこのままではまずいかなと思っているところがございまして、ある意味ではこういう消費者教育というものを正課科目に近い形で、従来の家庭科、公民科の中でどういうふうに位置付け、直すのかということも含めてですが、今後検討されなければならないのではないかと考えております。この辺りについてのお考えがあればお教えいただきたい。

3点目は、特に徳島県で今回、実践報告会の中で少し注目をしていたのですが、アクティブ・ラーニング要素を意識しておられたかと思いますが、もしそこでの能動的な学習の成果のようなものが具体的に何かあれば教えていただきたいと思いました。

以上です。

○消費者庁消費者教育・地方協力課米山消費者教育推進室長 消費者庁から御説明します。

学習指導要領との関係、解説書といったものを作るときに、この解説書自体にも学習指導要領との関連というページもあるぐらいで、これを作成するときに有識者の方に入っていただいている中に、文部科学省の教科調査官といって家庭科や社会科の大元締めの先生にも入っていただいて、その上で指導案なども提示しておりますので、その辺りの詳細な点は、今は御説明できませんけれども、きちんと詰めて作っているというものでございます。

将来的にといいましょうか、体系的な消費者教育というのは、別に「社会への扉」、成年年齢引下げだけの問題ではなくて、消費者教育推進法のほうでそのようにうたっておりまして、消費者庁としましては「消費者教育の体系イメージマップ」といったものも提示をして、あらゆる年代であらゆる領域でやってくださいということはもともと言っております。

特に契約ですとか、今回「社会への扉」で取り上げている部分に関しましても、幼児から高齢までずっと契約に関して知識を身につけよう、実践できるようにしようということは言っていて、その学校の部分が学習指導要領の小中高で今、社会科と家庭科で、かなり我々といいますか、私の頃に比べたら比べ物にならないほどにちゃんと入っています。男女も共修しています。ということなので、全体の体系化の大事さと、学校教育の中での体系の大事さということで言えば、学習指導要領がかなりそれを果たしてきている。それを学校だけに任せるのではなくて、寄ってたかって社会全体で消費者教育というのは、我々担当部署としては一番気にしている部分でございます。ただ、目下はこれが喫緊だからそちらに、説明もイメージも注力しておりますけれども、トラブル防止だけが消費者教育ではないというのは言うまでもございません。

アクティブ・ラーニングに関しての成果は、徳島のほうかなと思ったのですが。

○徳島県教育委員会藤本課長 先ほどアクティブ・ラーニングの要素の観点から成果というところでの御質問かと思うのですが、学校の授業も含みまして現在、新学習指導要領の趣旨をいかしていくことで、アクティブ・ラーニングの要素を取り入れて授業というのは消費者教育に限らず、展開を進めているところでございます。特に今回、消費者教育のデモンストレーション授業等も含めまして、アクティブ・ラーニングの要素を含めて授業に取り組んでおるところなのですけれども、消費者教育に関しましては基礎的、基本的な知識を身に付けることはもちろんのことでございますが、その身に付けた知識をどのように消費者、生活者の視点で使っていけるのか、実践していけるのかというところがございますので、アクティブ・ラーニング、つまり能動的な学習が入ってくることによりまして、生徒同士の話合いの中で考えを深めていくところは見受けられております。

また、今後それをどのように社会に出ていかしていくかということで、意見発表もございますので、自分の意見を全体に対して発表していくという過程の中でまた自覚をしていく、そして自分の言葉で発したところをまた意識して、記憶に残っていく中で将来、社会に出たときにこういうことを学んだな、こういうことを話し合ったなということでいかしていくことができるのではないかと考えております。

効果という面ですぐにこれが出てくることはなかなか申し上げづらいのですけれども、そのようなことが見受けられたということは御報告できると思います。

以上でございます。

○新川座長代理 ありがとうございました。

○樋口座長 他に何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、若年者向け消費者教育の取組に関するヒアリングは、この辺りにさせていただきたいと思います。御説明者の皆様におかれましては、お忙しいところヒアリングに応じていただきまして、誠にありがとうございました。

≪3.行動経済学等を活用した消費行動等の分析・研究」に関するヒアリング≫

○樋口座長 続きまして、「行動経済学等を活用した消費者行動等の分析・研究」に関するヒアリングを行います。

御説明をいただくために徳島から日下部参事官のほか、消費者行政新未来創造オフィスの担当の方。東京から消費者庁より消費者調査課の澤井課長、本プロジェクトに多大な御尽力をいただいております、京都大学経済学研究科教授で消費者庁消費者行政新未来創造オフィス客員研究主幹の依田高典様に御出席いただいております。お忙しいところ御出席いただき、ありがとうございます。

消費者庁の御説明の後に依田教授に御説明をいただき、まとめて質疑応答を行いたいと思います。

早速ですが、消費者庁から御説明を10分程度でお願いしたいと思います。

○消費者庁日下部参事官 参事官の日下部でございます。

それでは、御説明させていただきます。資料4でございます。

1ページめくっていただきまして、「健康と生活に関する社会実験」プロジェクトというところから始めたいと思います。

このプロジェクトでございますけれども、依田教授を筆頭に行動経済学を活用したプロジェクトでございます。概要を書いていますが、情報提供の消費者行動への影響と効果的・効率的な情報提供の在り方を把握して、その成果を消費者庁の政策にいかしていくという目的があります。

具体的なテーマの内容ですけれども、スタート時点が今年度から平成31年度にかけて、とくしま生協の協力を得て行うということで、「スケジュール」と右側に図が出ていますけれども、平成30年1月にモニターを募集してアンケート調査を行い、今、ほぼモニターが固まったところでございますので、今月ぐらいから実際にモニターを幾つかのグループに分けて、そのモニターに対していろいろな情報をお流しすることによって、彼らの行動がどう変わるかというフィールド実験を行っていく。平成31年12月にフィールド実験を終えて、それから実験結果の分析、報告という流れになっております。したがって、現時点においては実験がちょうど始まるところで、まだ実験のプロセスの中ではモニターを固めたという段階に来ているところでございます。

このプロジェクトは、右下の「協力体制」で書いてありますとおり、とくしま生協と組んで行うことにしております。といいますのもとくしま生協については、それぞれの会員に基本的に従来、注文を受けて商品を配るという業務をしておりますので、個々の会員に対して親切に当たれるとか、あるいは個々の会員に対して違う情報を流すことが比較的容易であるという特徴がとくしま生協にありますので、とくしま生協に御相談したところ、是非協力したいというお話があったので生協と組むことをさせていただいたということでございます。

このプロジェクトですけれども、今回のテーマは「健康と生活」ということでございますが、どういうテーマにしようかいろいろ我々も悩んだのですが、結果的に生協とかいろいろな協力していただく方々のことも考えると、「健康と生活」というのが一番しやすいだろうということで選んだということでございます。

急速な高齢化も進んでいますので、非常に健康への関心も高いだろうということで「健康と生活」はいいかなと。また、日々の生活の積み重ねで健康は左右される側面がありますので、生活習慣病はその最たるものということでございます。また、徳島県では糖尿病の死亡率が全国で最も高い、1位になったり1位でなかったりする年もあるのですけれども、最近また1位になったということですので、健康改善というのは県として大きな課題を抱えているという背景もございます。また、食品を初めとした商品の適切な選択と利用について、消費者政策の側面から健康の改善、より豊かな生活の追求を図ることは消費者行政の更なる進化にもつながる。そういうメリットも考えて「健康と生活に関する社会実験」というテーマを選ばせていただいたということになります。

このプロジェクトを2年近い生協の会員に対しては、今年1月にモニター募集をしてから、平成31年12月までという結構長いスパンでございますので、長い時間かけてやっていこうというものでございます。また、右下に産官民学と4つありますが、「四方よし」というのが今回のプロジェクトの特徴でございまして、「産」というのはとくしま生協にとっても、彼らは日頃から情報をチラシなども含めて流して、それが会員にどう影響を与えているのか関心を持っているということもあるので、この調査にそういう面でも非常に期待している。我々は我々で政策効果みたいなものも図れるのではないかということに期待している。「学」という点では依田教授中心に、学界としても大変このプロジェクトに関心を持っていらっしゃる。「民」という点ではとくしま生協の組合員にとっても、彼らにとっても有用な情報を流せるのではないかということで、彼らにとってもプラスになるのではないかということで、「四方よし」というものを今回、掲げている点でございます。だから生協も協力してくれたのかなと思っているところでございます。

会員がモニターになっていただいているわけですけれども、どのようなモニターなのかということを事前に調べておいたほうがいいだろうということで、アンケート調査をしたのが次のページでございます。「平成29年度アンケート調査結果報告書」、この目的は全国の平均的な回答者をベンチマークとして見たときの生協の会員というのが、どのような特徴があるのか調べるために行ったということでございます。結果としては、結論から言えば全国の平均的な回答者から見るとそんなにずれていないということで、逆に言うとこの実験で得られた結果というのは徳島の生協の会員という特殊な世界に限るのではなくて、もっと広く全国的にも通じることになるのではないかというのが今回、確認できたということでございます。

具体的には次のページです。「平成29年度アンケート調査結果報告書」と書いていますけれども、生協の会員ということもあってアンケートの回答者の年齢とか性別を見ると圧倒的に女性が多いのですが、その女性の中高年の方が非常に多い。そういうことを加味して全国と比べると特段そんなに違和感がなかったということでございますけれども、例えば代表的なものとして下に図を書いていますが、「健康に関する意識」という点ですが、「気を遣っている」「どちらかというと気を遣っている」、「どちらかというと気を遣っていない」、「気を遣っていない」のうちからいずれかを選ぶ、こういう問いをしてみたときに、同じ問いを全国調査でやったものがございますので、それと比較をすると60代女性という点で限って見れば、右側の図を見ていただくとそう差はない。左側の図を見ると差が出ますけれども、それはこの生協の会員が女性で高齢の方に偏っているから生じるのであって、そこをそろえてみるとそんなに違いはないということから、今回のモニターの方々というのも恐らく全国の方々とそんなにずれているわけではないだろうと認識しているところでございます。

今後はこういったモニターに対して、個々に情報を促して健康と生活に関する例えば体重とかそういうものも、いろいろ目標体重とか聞いたりしていますが、そういうものをお聞きして、それに対して異なる幾つかの情報をチームに分けてお投げして、それに対して行動がどう変わるか統計的に分析していこうということを考えております。

私からは以上です。

依田教授からは、その後、少し実験のそもそも行動経済学とは何かとか、フィルター実験といったことについて御説明をいただく予定になっております。

○樋口座長 ありがとうございました。

それでは、恐縮ですが、依田教授からよろしくお願いいたします。

○京都大学大学院経済学研究科依田教授 京都大学の依田高典でございます。

先ほど御説明がありましたように、消費者庁の客員研究主幹も務めておりまして、おおよそ月1回程度、消費者庁の徳島オフィスに行って今、若干説明があった実験の設計や今後はその分析を行っています。私は普段どちらかというと有識者の立場で、気楽に攻め上げるほうばかりの立場で、お受けする立場は実は余り慣れていなくて、今日緊張していますので、どうかお手柔らかによろしくお願いします。

皆様のところの机上配付資料に機関紙「阿波展望」、これはとくしま生協の機関紙なのですが、昨年この対談をとくしま生協の梶原理事長としまして、今年のお正月号にこうやって裏表というものがあって、皆様のお手元にございますでしょうか。先ほど日下部参事官も御説明してくださったように、この事業はもちろん徳島県と消費者庁のジョイントプログラムなのですが、何と言ってもこの社会実験が相当な規模で順調に進んでいるのは、このとくしま生協、人懐っこい顔で笑っている梶原理事長のおかげでありまして、梶原理事長がとくしま生協の配達員の人たちに対して号令をかけてくださって、宅配で商品を受け取っている大体5万6千世帯の組合員がおられる中で、こういうアンケートをやりませんかとか、そういう勧誘をして、実際に興味を持ってくださった方が1万弱、有効な回答者が4,000程度今、集まっていて、第1回のそうしたアンケートとチラシの等の配布がこの8月、9月から始まっていくところまでようやくこぎつけられました。

今回、10分弱という形ですが、もう少しスピーディーにお時間を取らない形で丁寧にお話をしていきたいと思うのですが、まず消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会におかれましては、「健康と生活に関する社会実験」に対してこうした説明の機会をいただけたことに対して、厚く感謝、御礼申し上げます。

当プロジェクトでは、行動経済学を活用し、ナッジという手法を用いて消費者の健康的な生活を促すフィールド実験を行います。皆様は行動経済学をちまたでお耳に挟んだことはあるでしょうか。今、話題でして、本屋に行くと結構その専門のコーナーがあったりするのですが、心理学を経済学に使って優しく働きかける。それがナッジという言葉で、「突っつく」という意味なのですが、そういうやり方を行うもの。それが1つ。

もう一つ、キーワードとしたフィールド実験というものがございまして、今、EBPM、エビデンスベースドなポリシーメーキングというものが産官学のキーワードになっているのですが、高質なエビデンスに基づいて政策立案の一助とするというのが世界的なブームになっていて、後で若干触れますが、現在も官公庁横断的な枠組みが出来上がっていますので、ここでは行動経済学、フィールド実験というものを消費者行政新未来創造オフィスで行うことになっております。

ではそれぞれ順次、簡単に御説明させていただきますが、まず行動経済学、昨年のノーベル経済学賞、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授が非常に有名で、セイラーは10年ぐらい前に日本に来て、東京駅の相田みつを美術館に行って「だって、人間だもの」という言葉に感動して帰っていった。「相田みつをが生きていたら是非会いたかった」と言っているのですが、簡単に言うと人間だから経済学者、大体皆さん経済学って嫌いだと思うのですけれども、何で嫌いかというと経済学ってがちがちの合理的あり得ない仮定に基づいて、こうすればこうなるという学問なのですが、「だって人間だもの。分かっていてもたばこをやめられない」とか、そういう人間の心の弱さというものを現実的な人間の経済モデルに入れていって、そうした社会や経済の現象を実証的に、あるいは一部理論的に分析する学問でございます。

行動経済学では、セイラーの前にもう一人、サイモンという有名な人がいて、限定合理性という言葉を使ったり、人工知能の第1世代の研究者でもあって、この方もノーベル経済学賞を取っておられます。第2世代はトヴァスキーとカーネマンというイスラエル出身の心理学者。こういう人たち、これはバイアスという言葉を作っていって、特にもう少しモデル化していったのですが、人間というのは合理的でないものの、全くでたらめに行動しているわけではないという人間の行動のシステマティックなバイアスあるいは限定合理性に着目しました。

消費者は限定合理的なのですが、一定の決まった方向に物事を誤って認識したり行動するため、そうした人間の心あるいは行動の癖を研究して、特に今回の枠組みで言えば、消費者がどうして引っ掛かってしまうのか。どういうところでだまされる消費者あるいはうまく振る舞える消費者のきっかけがあるのか。それが第1点。第2点としては、お金ですぐに解決するのではなくて、どうやれば情報を提供したり、あるいはガイドラインを作ることによって、行動をよい方向に変容させられるのかを調べることを目指しております。

2番目にナッジについて御説明しますが、ナッジはそうした心理的な働きかけを用いて、お金の金銭的な働きかけ、動機付けは非常に弱く、全く使わないわけではないのですが、なるべく最低限に抑えて、むしろ強制も伴わず情報を与えて、認知のバイアスを下げるとか、あるいは分かっていてもやめられない行動のバイアスを下げるとか、そうしたプロセスを通じて人間によりよい方向に行動を変えてもらうことを行う。そうした政策観がナッジで、この提唱が先ほど述べたリチャード・セイラー教授の学問的な貢献になっていて、今では、イギリス、アメリカ、世界中で、そうしたナッジ専用のプロジェクトチームを作っています。国は貧乏なので余りお金をかけたくないのです。お金をかけるのが経済学者は一番いいのですけれども、情報だけで何とかなるのだというとみんな逆に飛びついて、ちょっとそれは間違っているだろうと私は思いますが、ただ、そういう情報と教育で消費者に理解してもらった上で、いい方向に行動してもらうということを行っています。

行動経済学を活用した取組には、環境省と消費者庁が今、一番力を入れていまして、環境省では、日本版ナッジ・ユニット連絡会議というものを立ち上げて、そうした政策も横つなぎでやろうとしていています。消費者庁も環境省と並んで、むしろ時間的にはより早い段階で、当時の次長等は非常に注目をしていて、こういうものを、徳島オフィスのプロジェクトに含めたというのは、非常に慧眼であったと思います。

ナッジは先ほど言ったように万能ではなくて、立派なものなのですが、効果は概して言うとお金を使うよりは小さくて、私の印象で言うと、お金を使って正しいインセンティブを与えた場合に対し、その効果は大体2割か3割にとどまるのですが、元手はただ同然です。ただし、その効果が長続きもしないところが問題で、人間というのはいい加減で飽きやすいものですので、けれどもそれで第1段階のところでうまく働きかけて認知バイアスをとって、行動バイアスも小さいけれども解消すれば、その後の展開は非常に容易であるということも知られております。

今回は、そうしたナッジの最新研究をいろいろと組み合わせ、大阪大学の室岡健志准教授にかなり貢献いただいて、新しい学術的なリサーチクエスチョンというものも部分的にですが、徳島の社会実験に盛り込みました。ナッジについて、最先端の研究が正に今、スタートしようとしております。

3番目になりますが、フィールド実験ですが、フィールド実験というのは現実の社会生活の中で無作為比較対照、あなたはコントロールグループ、あなたはトリートメントグループで、あなたにはこういうナッジを与える。こちらはそういうナッジは与えないという実験を行っております。ちょっと細かく言うと1920年代にケンブリッジ大学の近代統計学の父、フィッシャーがこういう無作為比較実験というものを提唱していて、唯一、科学的に原因と結果を識別できる。これを内的妥当性と言うのですが、内的妥当性を唯一科学的に決定できる方法であって、昔は医薬の臨床治験で導入していました。最近はこういったものが、心理学等はもう少し先にやっていましたが、経済学のような社会科学でも流行しておりまして、政治学のような広い社会科学で今、非常に普及しておりまして、今回の徳島の社会実験でも非常に厳密なRCT(Randomized Controlled Trial)無作為比較対照実験をこの実験参加者、大体3,000とか4,000ぐらいの有効な実験参加者になりそうなところですが、そうしたところに非常に精細なグループ分けを行います、今回やった実験は必ず科学的に因果性が識別されます。

大事な点がありまして、効果は出なくてもいいのです。役所的にやって効果ができませんでした、困ります、先生、何とかなりませんかとよく泣きつかれるのですけれども、やってうまくいく実験なんてiPS細胞でも何でもギャンブルのようなものでして、実験する前には、効果が出る確率が10分の1かも100分の1かも分からないわけです。実験してみて効果があると確かめられなかったら、分からないことに意義があるのだから堂々と統計的に有意な効果は出なかったと書くべきなのですが、そこはなかなか役所の世界では難しいようなところもあります。ただ、今回は、しっかりとしたRCT、社会実験をやりますので、結果はシビアに出ます。出なかったら出なかったで、これは効果があるのか分からないのだと、この結果を皆が共有することが、非常に重要な学習材料になりまして、それが正に良質のエビデンスです。

最後に実験の意義と学術的価値なのですが、今回テーマをやるには先ほど参事官からありましたが、とくしま生協との非常に重要なジョイントがあって、金融にしようか、私が一番強いエネルギー・環境にしようか、とか、いろいろ議論があったのですが、とくしま生協では、概して年配の男性・女性が多いものですから、健康への関心が高いだろうということ、また、徳島の健康への関心はすなわち日本国民の健康の関心にもなっていきますので、そういったところに消費者行政的な情報を提供する。あと、とくしま生協が組合員に買って欲しいと思っている健康に優しい商品の情報を提供する。それとあわせて、こうすると健康にいいよ、特に今回は、測定指標を体重に絞って、モニターは体重を減らしたいという人は大体7から8割、現状維持派が2割、体重を増やしたいという人が1割程度という構成になりそうですので、これも今回初めてこういうとくしま生協のものすごく頑張って集めたデータから分かってきたところなのですが、そうした人に沿う形で、ニーズに沿う形でナッジを打っていくことになっています。

また、ナッジの打ち方もいろいろあり、目標を1年間でこれだけ頑張りましょうというやり方と、もう少し目標を狭く切って、まず目の前でここまで頑張りましょうとか、そういう情報の提供の仕方を変えることによって、効果がどう違ってくるかというのも今回のリサーチクエスチョンの1つになっております。

大事な点を最後に言いますと、行動経済学、フィールド実験がありますが、両方を総合して最後、何ができるようになるかというと、エビデンスベースドなポリシーメーキング、よく言われる、科学的証拠に基づく政策立案というような取組です。正に消費者庁のこのプロジェクトは誇るべきEBPMの先駆けの一環になっていくので、こうしたものに対して皆様方の御理解、御支援を賜れば誠に幸いです。

以上、どうもありがとうございました。

○樋口座長 ありがとうございました。

せっかく依田教授にお越しいただいておりますので、最初に皮切りで私からも質問をと思います。ただ、フィールド実験ということで中身のことは公表してしまうと影響が出てきてしまうと事前に事務方に言われました。そこでせっかくですので消費者行政における行動経済学の今後の可能性について、特に健康は非常に重要ですが、健康と並んで消費者行政の最大の課題は例えば振り込め詐欺とか架空請求とか、ちょうど今お聞きいただいたのですが、高校生に「社会の扉」をどうやって普及させるとか、何か行動経済学と関係がありそうなことがあるように自分では感じるのですが、この辺について展望を。

○京都大学大学院経済学研究科依田教授 私はもともと、消費者庁を作るという話を聞いたときに、例えば公正取引委員会の一部とか、内閣府の一部から切り出すことに懸念がありました。なぜかというと、消費者庁というのは、国土交通省とか経済産業省とかどでかい官公庁に比べて小さな組織ではありますが、現代的に重要な行政の役割を担っていて、今日本は計画経済ではないので、消費者庁は消費者に対して直接働きかけて情報を提供するなり、あるいは行動の選択肢の与え方を変えるなりして消費者の国民的な厚生、経済厚生、効用を高める方向に行かないといけない。消費者行政部門をもし外に切り出してしまったら、公正取引の競争政策の根本は消費者の合理性に依存しているので、まともな競争政策ができなくなるぞ、あるいは経済政策の計画立案が旧経済企画庁でできなくなるぞと言ったのですが、今は結果論としてしようがないかなと思っていて、なぜかというとそれほど消費者の限定合理的な消費者、イメージから言うと消費者は半分は結構合理的。経済学から仮定するとほぼエコノミクス。半分は行動経済学が仮定するような非合理でどうしようもないけれども、かわいらしい憎めない存在というのが大体私の研究による分布状態になっていて、競争政策も従来の経済学そのものを考えても合理的な消費者ばかり考えている。だから当たらないし役に立たなかったのですが、やはりこちらの弱くて頼りないけれども、かわいらしい存在のほうにスポットを当てて経済政策の運営立案もしていかない。

そうすると確かに消費者行政が旧経済企画庁とか公正取引委員会の内部だけにとどまっていてはある意味、広がりがなくて、全ての官公庁を横断する形で消費者教育をする、消費者行政を行うことによって日本の施策全般のボトムアップが図れないので、良かったのではないかと思います。

○樋口座長 非常に重要な御指摘をいただいたと思います。今後の消費者行政の在り方にも関わってくることだと思います。

早速ですが、委員の皆様からも御質問、御意見等ございましたら、いかがでしょうか。

○長谷川委員 御説明ありがとうございました。依田教授の御説明の中で結果が官公庁の利害によって左右されないようにというお話がございましたが、これは、非常に重要なことだと一国民として思っているところでございます。

その関連で消費者行政と直接関係ないかもしれませんが、環境省の話もされていましたので、構造的なお話としてこのような取組は行政とアカデミズムが協力しないとできないものなのかどうか。行政からの影響を排除するという観点からは、むしろアカデミズムが独立してされたほうがいいのではないかとも言えます。リソースの問題等いろいろあるかと思いますので、日本ではどうなのか。また、海外でもいろいろな社会実験的なことが行われていたと思うのですが、それは行政が関与したものとして行われているのかどうか、もし情報があれば教えていただければと思います。

○京都大学大学院経済学研究科依田教授 行動経済学的な知見を用いてフィールド実験を多数実施し、それを政策的に展開していくということ自体は、先ほど言ったように世界的に流行しており、特に金がない国が最初に飛びついていて、イギリスが最初にナッジチームというものを作っていて展開して、それが広くアメリカなり日本なりにも戻ってきている状況なのですが、産官学という言い方があって、これは昔、京都大学総長の松本先生が「依田さん、産学官ではなくて産学公民でいってくれ」と言われて、その言葉に非常に感銘を受けて産学公民でいくようにしています。やはりこの「産」と「学」と「公」と「民」の、特に最後の「民」との連動・連携が必要でして、なぜ連動・連携して「産」だけでできない、「官」だけでできない、「学」だけでできないかというと、市民がここに加わることによって初めて行動経済学的、フィールド実験的なEBPMが成り立って、そうするとまず1つは「民」との接点をどう持つかということにおいては、アカデミズムだけでは非常に難しく、もっと言うと費用が大変かかる上、手間もかかるので、ここのところは必ず「学」としては「官」あるいは「公」の役割が必要になってくるし、もっと言うとそこから産業界と実験協力者であるところ、市民をどう巻き込むかというところのアプローチが必要になってきます。

アイデアは、学者がたくさん持っているし、論文を書きたいので分析はたくさんやれるのですが、とてもではないけれども、大学の先生だけで閉じ込められるものではないので、大学の先生がやろうとする場合、むしろ「こういうことをやりませんか」と積極的に官公庁に呼びかけることになります。

あと、「官」はやはりどうしても日常が忙しいし、学術的な研究の最先端の仮説に通じているわけでもないので、そこの部分としては世界的な潮流としては学者を巻き込んでいくことによって頭の部分を買うことが主流になっていますので、そういう意味では正にみんながみんなアドバンテージは持っているけれども、不足している部分もあるので、それをくっつける形で産学公民の仕組みをどうやって築いていくかというような、そうした新しいパブリックセクターモデルの先駆けにもなっています。

○樋口座長 よろしいですか。

他にいかがでしょうか。

○新川座長代理 依田教授に具体的にもう少し教えていただきたいのですが、不案内な領域ですので海外の事例で結構なのですが、こういうナッジのようなものが実験的にうまく働いているとすると、その情報提供とかそこでの行動変容をもし先行的な事例で、こんなものは割と効果が出ました、こういうものは出ませんでしたというものが、もし御紹介を簡単にいただけるものがあればお教えください。

○京都大学大学院経済学研究科依田教授 まず3つほどここで事例を挙げさせていただきますが、一番分かりやすいナッジはオランダのKLMという航空会社が有名ですが、オランダの空港に行きますと男性トイレの中に真ん中にハエの絵があります。そうするとみんなそのハエの絵を狙って用を足そうとするので飛び散りが減る。そうするとお掃除の費用が減るという形で、税金の無駄あるいは民間から見ると費用の節約になるから、1つの人間のちょっとした行動と心の癖を使ったナッジの成功した事例になっております。

もう二つございまして、もう一つは、これは例えばリチャード・セイラー教授等がよく使う例でもあるのですが、臓器移植の同意の問題がありまして、人間はオプトインとオプトアウトがあって、自発的にこれは社会的にいいものだ、脳死の臓器提供に同意するのは困っている人がいるときに大変役に立つという同意はみんなあるのですが、好きな人がどうか協力してください、献血と一緒ですからというと、おもしろいもので、どんなものでも大体10から20%しか参加しません。協力しません。みんな総論賛成だけれども、各論で自ら腰を上げてくれるのは1から2割、ほぼ全部そうです。これを嫌ならやめて、原則デフォルトのオプションは臓器提供してくれるものだけれども、嫌なら個人の考えに従って、嫌でしたら抜けていいですよと言うと、逆に手間暇かけて抜けるのは1から2割なので、オプトアウトにすると残るのは8から9割、この信じられない1から2割と8から9割の結果の違いがスイッチングポスト、デフォルトバイアスと言われるものなので、政策を設計する場合、概してオプトイン型にしてしまいがちなのですが、オプトアウトにできるといいですねというのが2つ目の事例です。

3つ目は、せっかくなので2010年から2014年まで経産省事業で我々がやった節電実験で言うと、モラルスエージョン、道徳的な勧告、すなわち道義的な勧告で節電を働きかけるということです。「明日すごく電気が足りなくなるのでどうか節電をお願いします」と。今国は国策でスマートメーターを7,000万のお宅に張っている最中ですが、国で最初に先行的に東京電力、関西電力、中部電力、九州電力の管内でスマートメーターを張って、道義的勧告で明日どうか節電をお願いしますというようなお願いをして、平均ですが、大体3%程度、勧告をして意義を分かってくれ、最大瞬時のピークを節電してくれたというのが分かりました。

ただ、限界も分かりまして、年間夏15回、冬は21回その道義的な節電のお願いをスマートメーター情報を使って世帯に直接投げかけたのですが、最初の数回は約10%程度節電してくれました。ところが、2回目以降は、つまり4から15回、4から21回は効果がほぼ統計的になくなりました。これは、我々は心理学の用語を使ってハビチュエーション、慣れてしまうというのを「馴化」と言っていまして、人間は社会的な動機というものを持っていますので、社会的な公共的な利他性を持っていますので、数回はすごく協力してくれるけれども、それを超えると嫌になってしまう、あるいは飽きてしまうという限界もありました。

以上が行動経済学的な観点を用いた施策、応用可能な学術研究の3つの事例になっております。

○新川座長代理 ありがとうございました。

○樋口座長 池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 行動経済学の可能性というのはこれまでも幾つかお話を聞いたことがあるのですが、最も分かりやすく御説明をいただいたので感謝を申し上げます。

今回は健康がテーマですが、高齢者の悪質商法被害などでよくだまされるという言い方をしますけれども、だまされるというよりは、疑問だけれども、まあいいかという抵抗力といいますか、そちらのほうが問題ではないかと思うのですが、何によって不本意な契約に至るのかというところを分析していただくことによって、今どういう規律が必要なのかということで還元できるのかなというような感じを抱いています。そういったいわゆる悪質商法問題の中でも活用の可能性があるのではないかという点が1点。

逆に今、事業者に対して法律に基づく規制ではなくて自主規制、主体的に業界の中でよくしていこうというのをどう作っていけるだろうか。それも御自由にどうぞ頑張ってくださいだけでは駄目なので、最小限、何か有利な動機付け、あるいは不利になる動機付けを与えながらどうやっていくかという、その辺でももしかしたら使えるのかなと思うのですが、その辺りの活用の可能性、広がりについて教えていただければと思います。

○京都大学大学院経済学研究科依田教授 まず今の2点の御意見、御質問があって非常に鋭い、優れた御質問であって、結論から言うと我々経済学者、特に行動経済学者は今、私が説明したところまではここまでだと偉そうに皆さんにも喜んでもらえるから説明できるのですが、今の2点は正に今後の研究課題、次に行動経済学者、フィールド実験経済学者がやらないといけない最先端の課題であって、それに対して私は実はそういう意味で十分なエビデンス、回答を持っていません。正に今、言ったようにフィールド実験で分かってくるのは、そのグループ全体の平均的な結果、効果だけであって、まず観察可能な個人属性や世帯属性に基づいて、その効果が平均3%だけれども、どういう世帯がどういう形でよりヘテロジーニアスな異質性を持った効果を持っているのかということ自体の理論的な、あるいは実験的な研究が正に今、私自身もやろうとしているところで、そこのエビデンスは実は持っていません。

さらにそれが分かったとしたら、もっと難しいことを言われています。本当にだまされやすい人かどうかは人それぞれなので、どういうプロセスで、どういうメカニズムで、場合によっては脳機能的にどういった理由によって出てきているのかも、分かっていません。正確に言うと最先端過ぎる研究課題で本当にどうなるか、できるかどうか分からないところなので、正に今そこに注目が集まっております。

第2点で、規制すべきなのか、あるいは企業が自発的にガイドラインだけでやってくれるのかも正に今、こちらはどちらかとうと行動経済学的な産業組織論、理論的な研究で、正に先ほど若干、名前を挙げた大阪大学の室岡准教授等が最先端で進めているところで、経済学者としては規制をしたくない。また、規制をすると予想不可能な方向で企業行動がゆがんで経済効率性を落とす可能性があるので、ナッジによって改善する部分と規制によって失う部分との比較衡量を見るとよく分からないところがあります。そのため、最適な解としては企業の利潤最大化、もうけたい、そのもうけに資するような形で情報を提供して、よりよい意思決定をしてもらうことです。このようにすることで利益が上がるような競争の仕組みが成り立ち得るのかどうかが一番の関心であって、結論から言うと大変申し訳ない、情けない回答なのですが、ケース・バイ・ケース。

そうすると、そのケース・バイ・ケースをどう運用すればいいかが次の課題になります。公正取引委員会がそこに非常に注目を持ってやっていて、皆さん耳目にされたことがあると思いますが、大手携帯3社を呼んで2年縛り、4年縛りの問題に今非常に力を入れて、企業に半分強制させながらですと、自発的に2年縛りの垣根を9,500円払わなければいけないのですが、そこを落とそうとする。もっと言うと4年縛りに対して、やめたほうがいいのではないですかというようなことを言っているところで、どうアプローチするとそこのところがうまくいくかというのは、本当の今後の競争政策の課題であって、そこのところに現場の一人一人の消費者の、特にだまされてしまう消費者の知見を一番持っているのは消費者庁なので、消費者庁はそういう人たちと連動・連携するような省庁横断的な形で貢献できるといいかなと思っています。

○樋口座長 ありがとうございます。

内田委員、お願いいたします。

○内田委員 感想になるのですけれども、私自身は消費者庁が作られたことの意味というのは、国の行政組織とか機関全てが消費者オリエンテッドに立ち位置と視点を変えていく。その起爆剤になっていく、それをリードするものだと考えておりました。今、依田教授から経済に働きかけることで経済を元気にして、国民の生活を豊かにするという計画経済の視点ではもはやなくて、消費者に直接働きかけることで経済を豊かにして、国民生活を豊かにする。そういうアプローチが必要ではないか。それをやっていくのが消費者庁だという全く違う視点を教えていただいて、非常に納得しています。

私たちの今の仕事は多分、徳島に新未来創造オフィスを作ったことをどう評価するのかというのがミッションだと私は思っているのですけれども、国の有り様を変えていくというのは消費者庁、東京においてそこで働くことになるのでしょう。それから、消費者に直接働きかけることで、どういう視点に立てばなるべく消費者に近いところに消費者行政になるのではないか。もともと私が持っていた視点と今日教えていただいた視点を対比しながら見ていくことで、新未来創造オフィスあるいは徳島でやっておられることをどう評価していくのかというのが見えてくるのではないかなと思いました。

○樋口座長 お願いします。

○木田委員 本当に主婦目線で2点お聞きしたいのですが、行動経済学かどうか分からないのですが、昨今、メディアで例えばサバ缶と言ったらサバ缶がスーパーから消えてしまったり、ブロッコリースプラウトがなくなったりとか、メディアにすごく左右されている部分があるので、これは悪い事例でもないのですけれども、これを何かいい事例にできないのかというのが1点と、この間、雑誌で読んだのが、高校生が起業して、レシートを1枚10円で買い取りして、それを分析して年齢とか男性・女性、地域とか生活とか聞いて、それを分析してマーケティングにつなげていくという、これは途中で頓挫しているのですが、レシートの活用というのも今後どういうふうにつながるのかお聞きしたいのですが。

○京都大学大学院経済学研究科依田教授 正に消費者は、うわさや他人に大きく左右される。それが人間であり、人間の進化論上、遺伝子にミラー遺伝子とかニューロンとかありまして、当然なのです。経済学は間違っていました。利己主義的で個人の効用だけ最大化すればいいというエコノミクスを仮定していて、それが出発点から間違っていた。ただし、アダム・スミス自身は完全には間違っていなくて、アダム・スミス自体はそういう共感というような心理的なプロセスで公平な観察者の心を自分で持って、他者とつながるという人間像を道徳感情論のほうではちゃんと展開していました。間違ったアダム・スミスの国富論のほうの合理的な人間像にだけ注目が集まるので、それを受け継いで経済学を作ってしまったのがまず間違い。

おっしゃったように、まとめサイト「WELQ」が休止となったのが正に同じ問題です。最近の学生もそうなのですが、新聞すら読まずにスマホだけで情報を取るようにすると、もともとの彼らのニュースソースが間違っている可能性があって、それがどんどん拡散していってしまいます。このように間違いを増幅するというのが正にスマホ社会の恐ろしいところなので、人間はもともと限定合理的だけれども、文明の利器のせいでその悪影響が増幅する危険性があるということです。そこはやはり文明の利器が持つ恐怖として、消費者行政の中にどう取り込んでいくかという点で、非常に貴重な事例だなと思っています。

あと、企業に対しての観点で、よく心配されることは、行動経済学の知見を悪用し、人をだます悪徳事業者が増えて危険ではないですかと言われることがありますが、そういう心配はないですと答えます。なぜかというと、詐欺師的な悪い悪徳業者、そういうものを英語でアボカド。これは腐った商品という意味で「アボカドを売る業者」と言うのですが、そういう人たちは、我々経済学者よりもっともっと聡くて、とっくの昔にそれを実行しています。経済学者、リチャード・セイラーやトヴァスキー、カーネマン程度が何を言ったところで多分、悪徳業者のほうが賢いので、先に絶対にフット・イン・ザ・ドアという形でどうやるとだませるか彼らのノウハウでは知っているので、行動経済学から彼らは学ぶものはない。むしろ何で自分がだまされるのかということに関してうぬぼれ深い消費者のほうがだまされるので、そういった点では行動経済学からは消費者のために貢献するので、そうした行動経済学あるいは認知心理学的なそうした観点で、消費者行政をもっともっと高めるのが必要かなと思っています。主婦に優しい行動経済学を目指しています。

○木田委員 ありがとうございます。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。

○野々山委員 先ほどの池本委員長代理の質問とも関連するのですが、私は弁護士でいろいろな法改正等にも取り組んでいるのですが、行動経済学というものが1つの立法事実、1つの法律を変えていく重要な要素になっていくという展望はあるのか、現状どうなのか。それから、欧米などではそういうものが1つの立法事実の要素となって法改正につながっているのか。特に消費者の行動、消費者をどう見るかというものについては、1つの法規制をするのに非常に重要な観点になってくるかと思いますけれども、その点の展望等はどうでしょうか。あるいは実際に欧米でもあるのかどうか。

○京都大学大学院経済学研究科依田教授 そこは、むしろ私が教えてほしい、あるいは今後すごく重要となる論点で、もっと深める必要があるのではないかと思います。セイラーの共同研究者はシカゴからハーバードに移りましたが、法学者のキャス・サンスティーンで、彼はそういう行動経済学的な法学者の観点から人間の、あるいは消費者のそういう行動経済学的な誤りやすい、だまされやすいという観点から、そうした形で人間行動を法的に立法の中でも展開しておられます。そうした観点で、それが民法的にも刑法的にも人間行動を理解する上で、人間の限定合理性の程度、それも個人個人違うと思うのですが、そうしたことを今後、立法においても必要になるところはたくさんあると思っています。これらは、非常に重要な視点であって、正に今後は行政だけでなく、立法府の中の法律の制定とその施行においても、経済学と法学の融合が必要になると思っております。

もう一点だけ付け加えますと、経済学者としてすごい反省を感じているのは、シカゴ学派というのは人間が合理的でないとたまらない、人間は何が何でも合理的でないといけない、という非常に偏った考えを持った集団です。シカゴ学派自体は、経済学者の集団なのですが、その中にベッカーという非常に有名な経済学者がいて、結婚するのも損得勘定、犯罪をするのも損得勘定、何らかの形で損と得を比較衡量して、犯罪の見つかるリスクに対して犯罪から得る私的便益が高いから人間は犯罪をするのでしょうという論理展開を1960、1970年代にやってノーベル賞をもらっています。私自身はやはりそこに対して納得できずに、何で人間はやむにやまれぬ衝動として自分でも説明がつかない形で酒、たばこに溺れるのか、不法行為に手を染めるのかといった観点でエビデンスベースドな行動経済学的な、また、法学的な展開が今後、非常に必要になると思うので、委員のような法律の先生がそうしたことに興味を持ってくださるのは大変ありがたいし、非常に重要な御指摘だと思います。

○樋口座長 よろしいでしょうか。他に何か御質問はございますでしょうか。

それでは、行動経済学等を活用した消費行動等の分析・研究に関するヒアリングにつきましては、この辺りにさせていただきたいと思います。御説明者の皆様におかれましては、お忙しいところヒアリングに応じていただき、誠にありがとうございました。

ここで休憩をとりたいと思います。10分程度ということなのですが、少し押しておりますので20分に再開ということで、5分程度休憩をさせていただきたいと思います。

(休憩)

≪4.倫理的消費(エシカル消費)の普及」に関するヒアリング≫

○樋口座長 それでは、早速ですが、再開したいと思います。

「倫理的消費(エシカル消費)の普及」について御説明をいただくために、東京では消費者庁より消費者教育地方協力課の尾原課長、同課の米山消費者教育推進室長。徳島では消費者庁より消費者行政新未来創造オフィスの担当の方。徳島県より危機管理部の小椋次長に御出席いただいております。

消費者庁より御説明いただき、その後、質疑応答を行いたいと思います。

まず消費者庁より御説明を10分程度でお願いしたいと思います。

○消費者庁消費者教育・地方協力課尾原課長 消費者庁の消費者教育・地方協力課長の尾原でございます。本日はこのような機会をいただきまして、ありがとうございます。

それでは、お手元の資料5-1を使いまして御説明させていただきます。

初めの上の囲みのところ、倫理的消費の普及について、倫理的消費の概念の普及は多様な主体によるムーブメント作りのため、全国的な普及・展開を図ることが必要であります。そのため、本プロジェクトにおきましては、徳島県内での情報収集など、エシカル消費の普及における課題等の把握を初めといたしまして、倫理的消費の普及・啓発に関する取組を行っているところでございます。

具体的な取組内容については真ん中のところで昨年度実施したところでございますけれども、これまでの主な成果でございます。プロジェクトの具体的な取組といたしまして、エシカル消費の認知度等につきまして徳島県での意識調査を昨年度実施しまして、3年間、実施する予定でございます。そのうち平成29年度の意識調査の結果のところを御覧いただきますと、徳島県民のエシカル消費の認知度が約26%というところでございます。

ただ、言葉及び意味を知っているというところまでいくと、まだ依然として1割弱というところもありまして、今後、言葉の意味まで知っている人の割合を高めていくことも実践につなげていくということが必要かなと思っています。

もう一つ、2つ目のポツでありますけれども、エシカルな商品、サービスの提供により企業イメージが向上すると考えている人の割合は、半数を超えております。これも肯定的な回答が半数を超えているというのを、肯定的なイメージを持つ人が更に増えていくことが、企業の行動に与える影響は大きいかと思います。大多数の人がエシカル消費に取り組むことが企業イメージにプラスにつながれば、それは企業行動も変えていく。そういう意味ではさらにイメージ作りと言いますか、エシカル消費の概念を普及することによって、企業イメージもプラスのイメージなのだというメッセージを出すことによって企業行動を変えていく。それが良き社会を作っていくことにつながっていくのではないかと思っています。

また、新未来創造オフィスと徳島県が立ち上げた地域版のプラットフォームとの連携を通じまして、多様な主体によるムーブメント作りの事例として、引き続き情報収集と課題の抽出を進めていく必要がございます。既にこれまでの成果といたしまして消費者庁ウェブサイトで、これは徳島オフィスで、徳島県だけではなくて集めた事例につきまして既に公表しておるわけでございますけれども、徐々に引き続き継続的にこの取組を通じながら情報発信を進めていきたいと思っております。

本日お配りしました参考資料4でございます「エシカル消費の未来を地方から創造する(徳島県・徳島県教育委員会の取組事例)」というところで、その他にも幾つかの例を既に発表しているものについて本日、お配りさせていただいておりますけれども、こういう事例を発信することによってよりエシカル消費というのは具体的にどういう取組で、どういう結果をもたらしているかについても、情報収集及び情報発信に努めていきたいと思っております。

この他にも徳島県において、倫理的消費に関する取組等の視察やヒアリングによる事例の収集も行っております。このような徳島オフィスにおける成果、事例集の公表だけではとどまらず、地方で開催するエシカル・ラボの開催などを通じて全国に情報発信をしていきたいと思っております。

全国展開につきましては、昨年度は鳥取県、徳島県でエシカル・ラボを実施したわけですが、今年度も秋田県での実施を予定しておるところでございます。こういう形で徳島で得られた情報を発信しつつ、いろいろな取組を発信、また、情報収集しながら進められるのは、ひとえに徳島県との連携において効果が出ているものだと思っております。

簡単ではございますけれども、消費者庁側からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○樋口座長 ありがとうございました。

ただいまの消費者庁の御説明に関しまして、質疑応答を行わせていただきたいと思います。御質問のある方、御発言をお願いいたします。

○野々山委員 資料5-2で意識調査の結果があるのですが、実施したのが30年2月ということです。この調査で一定の数字は出ているのですが、エシカル消費はまだなかなか普及していないというのが数字を見た正直な実感です。エシカル消費の意味を知ったって余り行動しないよという回答もかなりのパーセンテージであるのです。徳島県にお聞きしたほうがいいのかもしれませんが、意識調査の時期はある程度エシカル消費との取組を県内あるいは日本全国でもいいのですが、した後という理解なのでしょうか。取組を行った後でこういう結果だということになるのでしょうか。それとも全くまだ普及されていない。特に徳島だったら徳島で他の府県よりも特に力を入れてやってこられたので、その後だったかどうかはどうなのですか。

○消費者庁消費者教育・地方協力課尾原課長 このプロジェクトは3年間予定されており、意識調査自体は、初年度というところであります。昨年度だけではなくて今年度、来年度も実施予定なものですので、統計的に3年間とってどのように動くか見る意味での初年度だということで御理解いただければと思っております。もし補足があれば徳島からお願いいたします。

○消費者庁日下部参事官 基本的にもうプロジェクトが始まるころ、エシカル消費は別に今年に入ってから徳島県は力を入れているのではなくて、もう少し前から力を入れているということで、この調査をしている段階で既に県庁としてはエシカル消費について様々な取組をしているという段階です。何年ぐらい前からしているかは後で小椋次長に話していただきますけれども、全国と比較したものがございまして、今お配りしている資料の資料5-2のほぼ最後、21ページを御覧いただくと、問いが違うので単純に日本全国に聞いたときと比較できないのですが、21ページの真ん中ら辺に倫理的消費の認知度という調査があって、問いは、あなたはエシカル消費に関する以下の言葉を知っていますかといって、エコ、ロハス、フェアトレード、サステナビリティ、倫理的消費、エシカルと書いてあるところです。倫理的消費とかエシカルということに関しては数%というような認知度です。

今回は少し問いが違いますけれども、あなたは倫理的消費という言葉を知っていますかという問いですが、言葉及び意味を知っているとか、言葉のみ知っているとか、それを足すと26%ぐらいということなので、単純に比較はできないのですけれども、恐らく徳島県がこれまで力を入れていたから若干高い数字が出ているのかなという認識は持っています。

○徳島県危機管理部小椋次長 徳島県危機管理部次長の小椋でございます。

徳島県では平成27年度から消費者庁で倫理的消費調査研究会を立ち上げたころ、そのころ知事も委員になったこともありまして、そのときにエシカル消費を進めてみようということで取組を始めたわけでございまして、そこの中でまずは県民の皆さんにエシカル消費とは何か、意味、それから、言葉をまずは覚えていただこうということで27年度からフォーラムですとか、研修会ですとか、そういうものをやってきましたし、高校では若年者の消費者教育以外にエシカルクラブを作るであるとか、エシカルを学ぶためのリーディングスクールという制度などを設けて、学校でも教育という形。あと、大学でも遅ればせながら今年からは大学の教育の中に消費者市民社会という中でエシカルとかそういうのも進めていくという形で、みんなで盛り上げてエシカルの普及、浸透を図っていこうという、その過程の中でこの数字が出たものと思いますし、もっと認知度を上げていきたいと考えているところでございます。

以上でございます。

○野々山委員 もう一つ言えば、資料の22ページのところでエシカルな行動の実践を見ますと、地産地消を見ると徳島のほうが実践しているパーセンテージは上ですけれども、マイバッグ、マイ箸、マイカップ等は全国のほうがパーセンテージが高いとか、取組によって特徴的なところもあるなと思いますので、またこれを参考にして取組をしていただきたいと思います。

○樋口座長 よろしくお願いします。

他にいかがでしょうか。唯根委員、お願いします。

○唯根委員 野々山委員の先ほどの質問にも絡んでしまうのですけれども、徳島の方々、調査の情報源として75%の方がテレビからということで20ページにあって、なおかつエシカルの認知経路についてもテレビからというのが51%以上という結果なのですが、この調査時期の前後でテレビコマーシャルですとか広報や何かでエシカルについて取り上げたりはなさったりしていたことがあるのかどうか、その辺ちょっと確認させてください。

○徳島県危機管理部小椋次長 テレビが多かったという、この調査の前には一度、親子でエシカルを学ぶエシカルクッキングというのでニュースで取り上げられたのが1月下旬だったということも、もしかすれば影響しているかもしれませんし、県とか消費者庁の皆さんと一緒にやっている取組を実は私ども消費生活審議会とか、このエシカル消費を進めるためのプラットフォームということでとくしまエシカル消費推進会議、ここの部分にメンバーとして地元紙の徳島新聞、それから、NHKにも会員とかそういう形で入っていただいて、一緒になって啓発というか普及、浸透も進めているので、もしかしたらそこでたまたまテレビとかで引っ掛かったものではないかと考えております。

○樋口座長 よろしいでしょうか。

他にいかがでしょうか。

○内田委員 このアンケートの結果を見て思うのですけれども、他の調査に比べて「わからない」という答えがうんと高いのではないか。例えば10ページでイメージに当てはまるものがあるかと聞いたときに、「わからない」が30%です。それからその次のページも「わからない」が30%あります。エシカルという言葉のもつニュアンスがうまく把握できていないからではないでしょうか。倫理と訳してしまった途端に実は日本人から見たら少し違うイメージを持ってしまうのではないか。「倫理」という言葉は「反しない」という受けになることが多いのではないでしょうか。人の道に反する悪いことをしないというニュアンスを強く受けてしまうので、エシカルの消費という言葉が包含するもっと多様なニュアンスが伝わらないと思うのです。消費者行政で使っていくのだとすると、もっと丁寧にその意味を説明していく努力が要るのかなと思いました。

○消費者庁消費者教育・地方協力課尾原課長 今、内田委員からおっしゃったのは、多分、倫理的消費というとなかなか分かりづらいところもあるのではないか。もう少し丁寧な説明も含めて概念普及が必要なのかという御質問だと思います。

そういうこともあって我々も括弧の中にはエシカル消費という片仮名をそのままにしておくのはどうかというのはあるかもしれませんけれども、むしろ若い人に関して言うとエシカル消費というほうがもう少し軟らかに入ってくるかなというところがあって、倫理的消費を前面に出す場面と、あるいはエシカル消費という言葉で新しい概念でもう少し今、内田委員がおっしゃったような持続可能性みたいなもの、あるいはそれが地域の雇用につながってくるという辺りも含めて、概念がある意味で倫理という言葉にステレオタイプに陥らないような形で丁寧に説明していく必要があるかなと思っています。その辺りも含めて今後、啓発・普及するというときには気を付けてまいりたいと思っています。

○内田委員 むしろ尾原課長がおっしゃったようにエシカル消費を前面に出して、倫理的消費とあえて言わないほうがいいのかなというぐらい、私はこの結果を見ていて思いました。

○消費者庁消費者教育・地方協力課尾原課長 以前にどういう言葉を使うのが望ましいかというので、なかなか公募をしたりして、これに代わる適切な用語を検討した時期もあったようでございますが、なかなかすとんと皆さんこうだねというところにならずに、今のところエシカル消費、倫理的消費という言葉を使っています。ただ、内田委員がおっしゃっているのは確かにそのとおりで、できるだけ若い人、また、おじいちゃん、おばあちゃんも含めて、こういうことがより丁寧に伝わるような形でPRも含めて頑張っていきたいと思っています。

○樋口座長 ありがとうございます。

他にいかがでしょうか。お願いいたします。

○長谷川委員 非常にエシカル消費の普及自体はいい取組で、是非精力的にやっていただきたいと思っています。

細かいことで恐縮なのですけれども、アンケートの14ページでエシカルな行動の実践状況についてとあって、下から4つ目の棒グラフで再生可能エネルギーの購入・利用というものがあって、「全く実践していない」が57.2%なのですが、これは今、固定価格買取制度が導入されており、再生可能エネルギーは強制的に必ず購入させられているということになっているのではないかと思います。固定価格買取制度とこのアンケートの選択肢との関係の整理はどうなっているのでしょうか。

○消費者庁消費者教育・地方協力課尾原課長 今、長谷川委員がおっしゃった制度的な説明も含めてこれがなっているかというと、そこまで今、こういう制度になっていますけれどもということよりは、むしろこういうものを取り組んでいますという意識して実践しているかを書いているので、長谷川委員がおっしゃるように実際は入っているのではないかというところは、私も不勉強なところもあって申し訳ないのですが、意識して購入していますという意識を聞いているということになるので、実態の制度ともし違っているようであれば、その辺りも勉強させていただければと思います。

○長谷川委員 追加的に申し上げれば、再生可能エネルギーの電源を買いたいという消費者の方は結構おられると思うのですが、実際には、電力供給において、電源は選べず、買おうと思っても買えない仕組みになっている。その意味では、設問の選択肢がどうかなという気がしなくもありません。

○消費者庁消費者教育・地方協力課尾原課長 また勉強させていただければと思います。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。

○野々山委員 エシカル消費の普及というのはとても大事なことだと思っているのですが、見てもなかなか普及できていない。それから、私もいろいろなところでお話をしたりするのですけれども、そのときでも実感として皆さんに、言葉一つ一つ、節電とかいろいろなことを言うと分かるのですが、エシカル消費というトータルな意味ではなかなか普及ができていないところがあるのですけれども、参考資料4で幾つかの取組が紹介されていますが、統計とかは多分ないのだろうと思いますが、この中でこういう取組が効果的だったというようなことが言えるようなものはあるのでしょうか。こういう取組は効果的で、そういう普及に役立ったと言えるようなものは。

○消費者庁消費者教育・地方協力課尾原課長 事例集のほうは、むしろそういう効果があったという定量的なものはないにしても、取組内容あるいはこういうふうに結び付いているという辺りが定性的に御紹介させていただいておるところでございます。もちろん今後、情報収集する中でそういう定量的な効果まで含めて情報が提供できるものについては、またその辺りも考えていきたいと思っております。

○樋口座長 何か徳島から御発言はありますか。

○徳島県危機管理部小椋次長 効果的な取組というお話があったかと思いますが、1つは参考資料4の徳島県、県教育委員会ということで、その後に城西高校とか続いているわけなのですが、県内の高校生の取組で昨年は12校、今年は28校となったわけなのですが、ただ、徳島だけに終わらせるのはもったいないということで、先月、7月に県外の高校生も何校か招きまして、次世代エシカルフェスということで、県内外の高校生の交流、それから、あわせて自治体のほうもエシカル消費自治体サミットという形で、同じようにエシカルですとかフェアトレードとか、そのような取組を自治体とも一緒に交流会をすることによって、今後、徳島県もこれをまた規模を広げていく、またそれを皆さんに知っていただくことで広げていければなと考えているところでございます。

以上です。

○樋口座長 よろしいでしょうか。

他に何かございますか。よろしいでしょうか。

それでは、倫理的消費、エシカル消費の普及に関するヒアリングにつきましては、この辺りにさせていただきたいと思います。御説明者の皆様におかれましては、お忙しいところヒアリングに応じていただき、ありがとうございました。


≪5.閉会≫

○樋口座長 最後に事務局から事務連絡をお願いいたします。

○坂田参事官 本日も長時間にわたる御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。

次回の日程につきましては、追って御連絡という形にさせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

以上でございます。

○樋口座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところお集まりいただきまして、また、長時間、誠にありがとうございました。

(以上)