第66回 新開発食品調査部会 議事録

日時

2024年1月26日(金)10:30~13:01

場所

消費者委員会会議室
(東京都千代田区霞が関3-1-1)・テレビ会議

出席者

【委員】
今村部会長、中田部会長代理、朝倉委員、石見委員、北嶋委員、多賀委員、竹内委員、田中委員、辻委員、武士俣委員、前田委員、松藤委員、吉池委員、吉田委員
【説明者】
消費者庁 今川食品表示企画課保健表示室長、食品表示企画課
【事務局】
小林事務局長、後藤審議官、友行参事官、新開発食品担当

議事次第

  1. 開会
  2. 特定保健用食品の表示許可に係る調査審議
    【新規審議品目】
    (1)「□□」(花王株式会社)
    (2)「□□」(サントリー食品インターナショナル株式会社)
  3. 閉会

その他

本調査会の議事については、新開発食品調査部会設置・運営規程第6条第2項に基づき、個別品目の審査内容が許可申請を行っている事業者の権利または利益を侵害するおそれがあるため、非公開とします。

≪1.開会≫

○友行参事官 皆様、おはようございます。時間となりましたので、始めさせていただきたいと思います。

本日は、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。ただいまから第66回「新開発食品調査部会」を開催いたします。

本日は、第8次消費者委員会発足後初めての会合となります。初回の会合開催に当たりまして、消費者委員会事務局長の小林より一言御挨拶申し上げます。

○小林事務局長 皆様、お忙しい中、このたびは本部会の委員をお引き受けいただき誠にありがとうございます。特定保健用食品の審議ですが、今日もそうですが、毎回膨大な審議資料に基づき審議をしていただくため、会議中のみならず会議前も膨大な資料の読み込み等お時間をいただいていることに感謝申し上げます。

引き続き、事務局としても、審議に支障のないようぬかりなく準備をしてまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

○友行参事官 参考資料1として本部会の委員名簿をお配りしておりますので、御確認ください。

本日は、今村委員、中田委員、石見委員、北嶋委員、武士俣委員、前田委員、吉池委員が会議室にて御出席でございます。朝倉委員、多賀委員、竹内委員、田中委員、辻委員、松藤委員、吉田委員は、テレビ会議システムにて御出席いただいております。監物委員もテレビ会議システムにて御出席の御予定でございますが、今のところまだ入られていないようでございます。なお、監物委員はこの後御参加されたとして、11時30分頃に退室予定というように伺っております。

本部会の部会長でございますが、第412回消費者委員会におきまして、今村知明委員が鹿野委員長より指名されております。今村部会長、どうぞよろしくお願い申し上げます。

また、本日の出席者として、消費者庁から今川食品表示企画課保健表示室長、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の方にも御出席いただいております。誠にありがとうございます。

それでは、議事に入る前に、会議の進め方と配付資料について確認させていただきます。

本日は、テレビ会議システムを併用して進行いたします。テレビ会議で御参加の委員におかれましては、ハウリング防止のため、発言者以外の方はマイクをミュートの状態にしていただきますようお願いいたします。御発言の際は、挙手ボタンまたはチャットを使用して発言する旨お知らせいただき、部会長から指名がありました後に、マイクのミュートを解除して、お名前をおっしゃっていただき、御発言をお願いいたします。また、御発言の際には、カメラつきの方は可能な限りビデオ通話をオンにしていただければと思います。会議室で御参加の方は挙手にてお知らせいただき、部会長から指名がありました後に発言をお願い申し上げます。

御発言の際、配付資料を参照する場合は、該当ページ番号も併せてお知らせいただきますようお願いいたします。

なお、音声が聞き取りづらいなど何かございましたら、チャット機能でお知らせいただければと思います。

次に、本日お配りしている資料は、議事次第に記載のとおりでございます。資料1-1から資料7、また、参考資料1から参考資料7となっております。もし不足の資料がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

それでは、今村部会長、以降の進行をお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。このたび第8次新開発食品調査部会の部会長を務めることになりました今村でございます。よろしくお願いします。前も委員をやっておりましたけれども、少し間が空いているということもあって、皆さんの御指導をいただきながら進めていければと思っております。

私は、この特保の制度ができたときに厚生省で担当をしておりまして、ちょうどこの制度を法制化するというところで担当したこともあって、思い入れの深い制度と表示でございます。ぜひいいものにしていきたいと思いますので、御協力のほどよろしくお願いしたいと思います。

では、部会長代理につきまして、消費者委員会令により、部会に属する消費者委員会委員の中からあらかじめ部会長が指名することとなっております。第8次部会長代理につきましては、中田華寿子委員にお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。一言お願いしてよろしいですか。

○中田部会長代理 今村部会長、ありがとうございます。部会長代理を拝命いたしました消費者委員会委員の中田華寿子です。

私は、現在、リスク管理広報を含め、組織のコミュニケーションに関するコンサルティングをしておりますが、過去にはスターバックスコーヒーのマーケティング広報及びライフネット生命という生命保険会社の経営に携わり、消費者に近い商品提供の現場にて、皆様に安心して商品やサービスを御利用いただけるよう透明性の高いコミュニケーションの実現に取り組んでまいりました。また、現在はオリーブオイルソムリエとして、本物のオリーブオイルを見分けるための学びも続けております。

委員の皆様の御議論を賜りながら、部会長代理としての任を務めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございました。

それでは、ここで、委員の皆様から一言ずつ御挨拶をいただければと思います。五十音順に参考資料1の順番で、朝倉委員から順にお願いできればと思います。

朝倉委員はウェブですか。お願いします。

○朝倉委員 東邦大学医学部の朝倉と申します。委員は今回2期目といいますか、2度目かなというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

続いて、石見委員。

○石見委員 東京農業大学総合研究所の石見と申します。どうぞよろしくお願いいたします。調査会のほうで座長を務めております。この部会との橋渡し役を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

では、続いて、北嶋委員、お願いします。

○北嶋委員 厚生労働省直轄の研究機関であります国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部の北嶋と申します。私も複数期に亘り、務めているのですが、元は調査会の委員も拝命しておりまして、その際は石見委員と一緒に任に当たっていたという経緯がございます。もともとの専門は薬理学ですが、ここでは私は安全性や毒性という観点から招へいされているのだと思うのですけれども、獣医というバックグラウンドもありますので、体全体に亘って観るかたちでもコメントをさせていただければと思っております。よろしくお願い申し上げます。

○今村部会長 ありがとうございます。

監物委員は接続がよろしくないとのことで、続いて、多賀委員、お願いします。

○多賀委員 和洋女子大学家政学部健康栄養学科の多賀と申します。前回に引き続きで私も委員をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

続いて、竹内委員、お願いします。

○竹内委員 竹内淑恵と申します。法政大学経営学部に勤めております。2015年から委員をさせていただいています。専門はマーケティング論と消費者行動論です。どうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

続いて、田中委員、お願いします。

○田中委員 東京家政学院大学の田中弘之と申します。人間栄養学部のほうでは、管理栄養士の養成施設でありまして、栄養または栄養成分や食品の機能、また表示といったところを栄養政策という観点から関わっております。どうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

続いて、辻委員、お願いします。

○辻委員 辻と申します。よろしくお願いいたします。2度目になります。十文字学園女子大学の食品開発におります。専門が食品免疫、粘膜免疫といったところですので、免疫機能を中心とした機能・性能評価、体全体を見ていくということでは、腸と体との関係というところになるかと思うのですけれども、メリット、デメリットや安全性のことなどをよく考えてディスカッションさせていただいてというふうに思っておりますので、どうぞ御指導よろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

次に、武士俣委員、お願いします。

○武士俣委員 消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会の武士俣淑恵と申します。今回2期目になります。私どもは立場上、一般の消費者の方の声を拾ったりですとか、御相談を受けたりとかいうことを仕事としておりまして、こうした会議に出させていただきますと、専門家の先生の皆様やメーカーの開発の方と一般の消費者とのギャップという知識の差だったり、印象、商品を見たときの気持ちの持ち方の違いをすごく感じておりまして、そうした一般の消費者の意見をこうした会議で少しでも反映できたらと思っております。よろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

続いて、前田委員、お願いします。

○前田委員 アレルギーの正しい理解をサポートするみんなの会、理事長の前田と申します。私も前回から引き続きの参加とさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

続いて、松藤委員、お願いします。

○松藤委員 日本大学生物資源科学部の松藤と申します。私も2期目になるかと思います。専門は食品分析ということで、化学物質から機能であったり安全というところについて、いろいろコメントできるといいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

続いて、吉池委員、お願いします。

○吉池委員 吉池と申します。前回に引き続き、部会に参加させていただきます。よろしくお願いいたします。大学のほうでは管理栄養士の養成課程もございまして、公衆衛生ですとか公衆栄養といった分野についても教えているところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

では、最後に吉田委員、お願いします。

○吉田委員 東京慈恵会医科大学の吉田博と申します。私も引き続き、この委員を務めさせていただきますが、専門は内科学、とりわけ循環器領域、動脈硬化、脂質代謝、糖尿病、高血圧などが専門で、臨床栄養学、臨床検査医学にも関わりながら仕事させていただいています。よろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございました。

それでは、議事を進めていきますが、本日は第8次の初回の部会ですので、当部会の規程、利益相反に関する申し合わせについて、事務局からの説明をお願いいたします。

○友行参事官 それでは、部会の規程について御説明いたします。

お手元の参考資料2「新開発食品調査部会設置・運営規程」を御覧ください。ポイントを3点ほど簡単に御説明いたします。

まず、第3条に本部会の所掌についての記載がございますので、御確認をお願いいたします。

続きまして、第6条に審議の公開について記載がございます。この第2項には、部会は、会議を公開することにより、当事者もしくは第三者の権利もしくは利益または公共の利益を害するおそれがある場合その他の部会長が非公開とすることを必要と認めた場合を除き、公開するとなっております。また、第3項には、前項の規定により部会長が会議を非公開とすることを認めた場合は、部会はその理由を公表するとなっております。

最後に、第7条の部会の議決についてでございます。部会の議決については、委員長の同意を得て、委員会の議決とすることができるとされております。

設置・運営規程については以上でございます。

次に、「利益相反に関する申し合わせ」について御説明いたします。参考資料3を御覧いただけますでしょうか。特定保健用食品に関する審査手続に当たっては、個別の製品についての調査審議を行うこととなるため、審査の公平性を確保する観点から、当該製品の申請者から寄附金等の受け取り実績のある委員が調査審議に参加することに一定の要件を課すことが適当とされております。この要件を定めたものが、利益相反に関する取扱いに係る申し合わせとなっております。申し合わせでは、過去3年間のいずれかの年において申請事業者から受領した金額が500万円を超える年がある場合は、当該審議品目の審議を行う場合に同席できないとされております。また、過去3年間いずれの年も500万円以下の場合は、当該品目の審議に参加し、意見を述べることはできますが、議決には加われないこととなっております。ただし、受領した金額が講演や原稿執筆料などの行為による報酬のみで、金額が3年間いずれも年間50万円以下の場合は、通常どおり、審議、議決とも加わることができるとなっております。

この申し合わせに基づきまして、毎回の会議開催前に、委員の皆様に申請品ごとの利益相反の有無を確認させていただいております。御協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

なお、この申し合わせに基づきまして、本日の審議品目の申請者からの寄附金等の受け取りについて事前に確認させていただきましたところ、審議に御参加いただけない委員はいらっしゃいませんでしたので、御報告申し上げます。

その他、参考資料4「新開発食品調査部会における調査会の設置について」、参考資料5は「消費者委員会新開発食品調査部会における特定保健用食品の審議手続に関する確認事項」として配付しております。時間の都合上、御紹介だけにとどめさせていただきます。

以上でございます。

○今村部会長 ありがとうございました。

今の御説明にあった規程に沿って審議を進めていきたいと思いますので、委員の皆様の御協力をよろしくお願い申し上げます。

本日の会議は、新開発食品調査部会設置・運営規程第6条2項に基づき非公開とします。第3項で開示することを定められている非公開の理由は、個別品目の審査内容を公開することが許可申請を行っている事業者の権利及び利益を侵害するおそれがあるということであるためです。また、議事録は参考資料6の新開発食品調査部会議事録の公開基準についてに定めるところにより、非公開項目を議事録から削除して公開したいと考えております。

配付資料や審議内容について公開を前提としていない情報も含まれておりますので、取扱いにつきましては十分に御注意いただくように情報管理の徹底をお願いしたいと思います。

≪2.特定保健用食品の表示許可に係る調査審議≫

【新規審議品目】

(1)「□□」(花王株式会社)

○□□委員 それでは、個別審議に入っていきたいと思います。今日は4件準備されていますので、できる限り進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

本日、まずは新規審議品目の花王株式会社、「□□」から審議に入ります。

本品目は、特定保健用食品(疾病リスク低減表示)として申請されているものです。前回の部会で審議したマルハニチロ株式会社、「DHA入りリサーラソーセージω」に次ぐ疾病リスク低減表示の個別申請の2例目となります。

消費者庁から製品等の概要の説明をお願いいたします。

○消費者庁食品表示企画課 消費者庁食品表示企画課でございます。よろしくお願いいたします。

資料1-1を御覧ください。「□□」と既許可品の比較表となっております。本申請品につきましては既許可品がございまして、参考資料7、53ページから55ページに一覧がございますので御覧ください。

それでは、申請品の説明に入りたいと思います。

まず、商品名ですが、「□□」、食品形態は緑茶、清涼飲料水でございます。内容量は□□。許可を受けようとする表示の内容につきましては、「□□」というものでございます。関与成分につきましては茶カテキン。関与成分量は□□。1日当たりの摂取目安量は□□となっております。

商品の説明については以上でございます。御審議をよろしくお願いします。

○□□委員 ありがとうございます。

次に、事務局から調査会での審議状況などについて説明をお願いします。

○消費者委員会事務局 それでは、お手元の資料1-2を御覧ください。ここに「□□」の審議経過をまとめております。

この品目は、昨年6月19日の第56回の調査会で最初に御審議いただきました。そのときの調査会の審議結果といたしましては、疾病リスク低減表示の特定保健用食品とすることは認められないと結論されました。

その後、7月31日にこの審議結果に対しまして申請者より、資料1-3にまとめておりますけれども、見解書が提出されました。これについてはまた後ほど説明させていただきます。調査会の審議結果に対して申請者から見解書が提出されるというのは初めてのケースなのですけれども、この疾病リスク低減表示の特保につきまして、より丁寧に審議を進める必要があろうという観点から、特例的にこの見解書を受け付けたものでございます。

この見解書が提出されましたので、その後、8月4日に開かれました第57回の調査会で、この見解書が提出されたことを調査会に報告いたしました。こういう見解書が提出されたわけですけれども、調査会の結論としては、前回と同様、特定保健用食品とすることは認められないという結論になりました。

その後、8月17日に第65回の調査部会が開催されました。その場で、それまでの調査会での審議結果は特保としては認められないと結論されたということ、それに対して申請者から見解書が提出されたという、そういった経緯を事務局のほうから報告いたしました。ただ、このときの部会では、それ以上、内容に関しての御審議というのはされておりません。本日の部会で、それを受けてまた御審議いただくということになります。

調査会の審議結果について、もう少し細かく説明させていただきます。

資料1の下のほうに2として審議結果をまとめております。この審議結果は、概略をお話ししますと、まず、メタボリックシンドロームが疾病リスク低減特保の対象となることは認められるということ。それから、関与成分でありますカテキンが内臓脂肪を低減させるということも認められると。ただ、今回の申請書に添付された資料では、内臓脂肪を減らすことは認められるが、メタボリックシンドロームの発症リスクを低減する効果を示しているとまでは言えないということで、今回の申請資料では、特保としては認められないという結論になっております。

この申請資料につきまして、調査会のほうで御議論いただきましたのは、この審議結果の(2)にございますように、疾病リスク低減表示の特保では、当該表示に係る関与成分の疾病リスク低減効果が医学的・栄養学的に確立されたものであることを証することが必要とされているが、本申請に添付された資料では、以下の点で不十分であると結論されております。

以下の点というのは2点ございまして、まず1点目、メタアナリシスの論文について採用した研究のほとんどが申請者自ら行った試験報告であるということ。2点目といたしまして、メタアナリシスの論文が2報提出されているが、より主要な解析として取り扱われている1報は社内報告書である。疾病リスク低減表示の申請に使用されるメタアナリシスの論文は、査読のある学術に掲載されたものであるべきと考えるということでございました。

このような調査会での結論に対しまして申請者から見解書が提出されたわけですけれども、資料1-3を御覧いただけますでしょうか。表紙をめくっていただきまして、下にページ数が入っておりますけれども、1ページ目を御覧ください。調査会が疾病リスク低減表示の特保としては認められないと結論した第1の理由は、関与成分である茶カテキンによる内臓脂肪低減効果は認められるものの、メタボリックシンドロームの診断基準に照らせば、メタボリックシンドロームの発症リスクを低減する効果を示しているとまでは言えず、根拠として不十分であるということでございました。

この部分につきましての申請者の見解ですけれども、1ページの中ほどに(1)に対する弊社見解という形で述べられております。そこで述べておりますポイントですけれども、二つございまして、まず1点目、厚生労働省から「標準的な健診・保健指導プログラム」というものが出されておりまして、その中にメタボリックシンドロームについての記載があるということです。その部分につきましては、下のほうに太字で書かれている部分ですけれども、こういったことがこの保健指導プログラムの中に記載されているということでございます。その最後の部分、下線を引いておりますけれども、ここには、内臓脂肪を減少させることで、それらの発症リスクを低減することができると書かれていると申請者は言っております。

それから、2ページ目を御覧いただけますでしょうか。上から二つ目の段落になりますが、2005年に内科学会を中心に8学会が策定いたしました「メタボリックシンドロームの診断基準」では、内臓脂肪をメタボリックシンドロームの上流因子とする疾病概念から、内臓脂肪蓄積を必須項目として、内臓脂肪蓄積に加えて脂質代謝異常、血圧高値、高血糖の3項目のうち2項目以上を満たすものをメタボリックシンドロームとされていますと申請者は言っています。

今、私のほうで申し上げました、まず1ページ目にありました厚生労働省の保健指導プログラムの中に、内臓脂肪を減少させることで、それらの発症リスクを低減することができると書かれていると。あるいは、8学会の診断基準でも内臓脂肪蓄積を必須項目としてメタボリックシンドロームが定義されていると、こういったことが書かれているということです。これらのことから、今回の申請書には、内臓脂肪低減効果があるということを示した資料が添付されておりますので、内臓脂肪を下げるということがはっきりしていれば、メタボリックシンドローム発症リスクの低減ということは十分言えるというのが申請者の見解でございます。

したがって、結論といたしましては、調査会の審議結果にありました、今回の申請資料では根拠として不十分という理由には当たらないということでございました。

それから、この部分に関しまして、もう一点、申請者の主張といたしまして、疾病リスク低減表示を含む食品というものは、疾病の予防や治療のために摂取するものではない。治療や予防のために摂取するもの、それは食品ではなくて医薬品であると。そういった食品と医薬品との違いというものがありますので、今回審議されております特保の審議に当たっては、疾病の治療や疾病発症の予防、そういったことについての審議とならないことが重要と考えますということでございました。

3ページ目の末尾に、以上の申請者の主張がまとめられております。本申請品の関与成分の茶カテキンは、内臓脂肪低減効果を持つことから、審議結果の、診断基準に照らせば、メタボリックシンドロームの発症リスクを低減する効果を示しているとまでは言えず、上述のとおり根拠として不十分という理由には当たらないと考えますということでございました。

続きまして、4ページに移らせていただきます。疾病リスク低減表示の特保として認められないといたしました理由の2点目になりますが、疾病リスク低減表示特保では、その表示に係る関与成分の疾病リスク低減効果が医学的・栄養学的に確立されたものであることを証することが必要とされていますが、本申請に添付された資料は以下の点で不十分であるということで、ア、イ、二つ調査会のほうでは挙げております。まず1点目のアですけれども、メタアナリシスの論文で採用した研究のほとんどが申請者自ら行った試験報告であるということ。2番目のイといたしましては、メタアナリシスの論文が2報提出されているけれども、1報は社内報告であるということ。疾病リスク低減表示の申請に使用されるメタアナリシスの論文は、査読のある学術誌に掲載されたものであるべきと考えるというのが調査会での審議結果であったわけでございます。

これに対する申請者の見解ですけれども、まず、アの申請者が自ら行った論文が主であるという点につきましては、確かに調査会で言われているように、採用文献のうち2報以外が申請者自らが行った試験でありますが、PRISMA声明に従っているため、採用文献の検索と選択には透明性があり、申請資料に添付したメタアナリシスの論文2報の結果は信頼性が担保をされていると判断できますということでございました。

そういった論文ですので、申請者自ら行った試験が中心であったとしても、医学的・栄養学的には確立された十分な根拠であるといえると思いますと申請者は主張しております。

それから、イに対する見解ですが、2報のうちの1報は、まだ雑誌に掲載されていないではないかということにつきましても、その1報も査読のある学術誌に投稿する予定ですと申請者は答えております。

以上が、今回提出されました申請者からの見解書の内容になります。

この見解書を、8月4日に開催されました調査会で、こういうものが出ておりますということを報告いたしましたが、そのときの調査会の審議結果としても、前回と同様、特保としては認められないということで変更はございませんでした。

大変長くなりましたが、以上が「□□」についてのこれまでの審議経緯でございます。

○□□委員 ありがとうございました。

続いて、□□委員より、調査会での議論の状況などについてお話しいただければと思います。特に補足していただくとありがたいです。

○□□委員 □□でございます。それでは、御報告させていただきます。

今回のカテキンを含むお茶のリスク低減表示に関する申請なのですけれども、前回のDHAの申請品と同じように理論的に進めてまいりました。三つのポイントがありまして、今回参考資料として出ていないのですけれども、一つは関与成分と疾病との関係が示されているか。それから、関与成分の摂取とバイオマーカーを用いているのでバイオマーカーとの関係が明らかであるか。そして三つ目が、バイオマーカーと疾病リスクの関係がしっかりしているかという、この三つの論点に分けて審議をいたしました。

まず、関与成分の摂取と疾病との関係ということで、これは主に観察研究を中心に審議をいたしました。今回この観察研究と言われているのは、皆さん、お手元の「□□申請概要版」というグレーの冊子を見ていただければと思います。この観察研究と言われているのが42ページ、1-41という参考文献になります。この観察研究と申請者が申請しているのが、栄養指導下で高濃度茶カテキンを含むお茶を1年間アドリブ摂取してもらったということで、対象者の人たちにカテキンを含むお茶とコントロールのお茶を配付して、1年間アドリブで、コントロール群は普通のお茶、茶カテキン群は587mgカテキンが入っているお茶を摂取するということで、いわゆる私たちが通常調査等をする観察研究ではなくて、申請品を配って、そして摂取していただくというものでございます。

その結果、結果と書いてありますけれども、内臓脂肪面積、VFAは群間差が認められなかったという結果になっております。ただ、内臓脂肪面積の初期値とその減少量が有意に相関したということで書いてはありますけれども、群間の有意差はなかったということが一つでございます。

それから、資料が出ていなかったので、お茶の摂取とメタボリックシンドロームの関係を示した疫学研究はないかということで文献調査をお願いいたしました。その結果、たくさん資料を出していただいたのですけれども、お茶の摂取と心疾患ですとか、お茶の摂取と死亡率、そのようなデータは出るのですが、メタボリックシンドロームとの関連を示す疫学研究は提出されませんでした。ということで、まず一つ目の観察研究という点では、リスク低減というところまでは言えないのではないかというのが一つでございます。

それから、二つ目が、関与成分摂取とバイオマーカーでございます。これは主に介入研究になります。介入研究は、この資料でいきますと文献1-35で、34ページを御覧ください。主に介入研究のシステマティックレビューとメタアナリシスをしております。

おめくりいただいて36ページを見ていただきますと、12報の介入研究が提出されました。ただ、ここには書いていないのですが、このうち10報が申請者が実施した研究ということで、この介入研究については、広く栄養学的・医学的に確立されたものというところまではいかないのではないかというふうに先ほど事務局から説明があったとおりでございます。

それから、あと二つ、システマティックレビュー、メタアナリシスがあります。43ページと44ページを御覧ください。44ページの文献1-53、これは先ほどの12の文献からデータを抽出してプールデータを解析したものですので、データはほとんど同じでございます。

それから、文献1-54は、パブリッシュされていますけれども、やはりこれも文献1-35の論文から何報かを抜き出して、それをもう一回解析しているということで、ほとんど内容は1-35と一緒で、自社製品の介入研究、申請者が行った介入研究のまとめでございます。調査会といたしましては、栄養学的・医学的に確立されていることということですので、本来ならばいろいろな研究者が実施したメタアナリシスやレビュー研究があって、やはりそれはしっかりデータとして認めることとしておりますので、この点においても、先ほど事務局から御説明があったように、(2)のところで、今回の疾病リスク低減表示のところには当たらないのではないかという結論でございます。

それから、三つ目はバイオマーカーの変化と疾病リスクでございます。これは文献の1-44、45、46ということで、この資料の後ろのほうにラベルがついております44、45、46を見ていただきますと、44がメタボリックシンドロームの概念、45がシンドロームの診断基準、46がガイドラインということで、確かに内臓脂肪面積とメタボリックシンドロームとの関係は明らかであって、内臓脂肪面積はバイオマーカーの一つになり得るということで、疾病とのリスクはしっかりしているということでございました。

以上のことから、取りまとめまして、栄養学的・医学的に広く認められているものというところの概念に対して、少し根拠が弱いのではないかということ。それから、疫学研究のところでも、やはりもう少しお茶とメタボリックシンドロームの関係ですとか、例えばお茶の摂取と血圧ですとか、お茶の摂取と血糖値の関係ですとか、そのようなものもあれば状況証拠としてお認めできるのですけれども、そういうものがほとんどないということで、調査会としましては、根拠が不十分であるという結論にさせていただいたところです。

以上です。

○□□委員 ありがとうございました。

ただいま御説明いただいたとおり、本品目について、調査会としては、疾病リスク低減表示の特保とすることは認められないという結論でしたが、疾病リスク低減表示の初の個別申請のケースであり、より丁寧に議論を進める観点から、特例的に申請者からの見解書も提出いただいたところです。これを踏まえて調査会でももう一度検討していただいて、ここに書いていただいている審議結果は基本的には変わらないという結論に至って、その内容を今回この部会に出していただいているという状況でございます。

若干複雑な経緯があるものでございますけれども、初めてのケースということもあって、委員の皆様からの忌たんない御意見をいただきたいと思っております。

部会としても、結論に当たっては、その結論に至った背景なども含めて申請者に伝えることができればと考えております。そのベースになるのは、先ほど調査会からいただきました審議結果の内容に準じたものになるかと思うのですが、この内容につきましても御意見をいただければと考えております。

御発言のある方は、会場の方は挙手で、オンラインの方は挙手ボタンもしくはチャットでお知らせいただければと思います。いかがでしょうか。

□□委員からお願いします。

○□□委員 □□でございます。ありがとうございます。

端的に申しまして、私も調査会の結論は正しいと思っているのですけれども、少し確認していただきたいのが2点あるのです。一つは、バイオマーカーについてですが、前回でしたかこの点、サロゲートマーカーという話があって、つまりバイオマーカーにはいろいろな定義があって、バイオマーカーを示してくださいと申請者に問うても、回答としては、いろいろなことを想定された結果、いろいろ議論されると思うのですが、この点、サロゲートマーカーというのはかなり重いものなので、注意が必要と考えるのです。今回の場合、私の理解では、メタボリックシンドロームの上流因子と考えられている内臓脂肪の蓄積の低減をマーカーと考えても、その変化だけでは駄目で、血圧とか他のものも低くなるようなものがないと、つまり、それらがサロゲートマーカーという理解でいるのですが、これらが低くなっていないと認められない、と考えるわけです。捉え方によっては内臓脂肪をマーカーと考える向きもあることが予想され、申請者はそう考えたと思うのですけれども、その辺りのところは調査会のほうで、もう少し詳細な議論があったと思うので、その辺りの議論を御紹介いただければいいなということでございます。

2点目は、忘れないうちに申し上げますと、今、調査会で三つの観点、私はこのこと自体はすばらしい考え方だと思うのですが、ガイダンスとまではいかなくても、この旨をもう少しオフィシャルな形で前面に出して、こういう審議をしていますよ、といった基本的な考え方を表明するようなことは、今後考えていかなくていいのかどうかということ、以上2点でございます。

○□□委員 ありがとうございます。

では、□□委員、お願いします。

○□□委員 ありがとうございました。

調査会では、内臓脂肪面積がカテキン入り緑茶を摂取することで低下するということは事実として科学的根拠が十分であるという考え方を示しております。ただし、表示がメタボリックシンドロームというふうに表示をされていますので、やはりそこは内臓脂肪だけではなくて、メタボリックシンドロームの概念に当たるような血圧ですとか血糖値、それに関する治療ではなくて、観察研究で何か関係があるという因果関係というか、観察研究で何らかの証拠があれば、それはよろしいのではないかというところで、そこのところをかなり議論いたしました。

審議の前ですけれども、とにかくエビデンステーブルをつくってくださいということで、DHAと同じようにエビデンステーブルをつくっていただいて、そこに観察研究もお茶の摂取とメタボリックシンドロームの何らかの関係を示す疫学研究がないかということで意見を出しまして、そして幾つかの論文を出していただいたのですけれども、メタボリックシンドロームに関係するところは出てこなかったということで、やはり調査会としましては、内臓脂肪だけではメタボリックシンドロームのリスク低減までは言えないのではないかということを各委員の先生、強くおっしゃっていました。

確かにこの意見書にありますように、保健指導プログラムの中で言われていることということで、診断基準もしっかり見なければいけないのですけれども、このようなことが言われているということですが、メタボリックシンドロームとカテキンの関係は状況証拠が出てこなかったということが、非常に大きな決め手になったというところでございます。

それから、二つ目の三つの基準ということですが、個別評価型の特定保健用食品の審議が今回三つ出されまして、その前に部会のほうで概念のおおよそのまとめをしたのですけれども、その中から、やはりこの三つの概念については押さえておかなければいけないのではないかということで調査会で審議したところでございます。

まだまだこれが二つ目ですので、いろいろな申請があると思うのですね。その中でこういう概念が当てはまるのかどうかということで、今後もしこの概念が固まっていくようでしたらオープンにするということもあると思いますが、まだ始まったばかりですので、いきなりこれを出すということは慎重にしなければいけないと考えております。

以上です。

○□□委員 ありがとうございます。

□□委員、よろしいでしょうか。

では、他の委員の先生方。

では、□□委員、お願いします。

○□□委員 ありがとうございます。□□委員から丁寧に御説明いただきまして、非常に専門的なことであると思ったのですけれども、分かりやすく、腑に落ちました。この調査会の審議結果について納得するものでございます。

以上です。

○□□委員 ありがとうございます。

では、□□委員、お願いします。

○□□委員 丁寧な御説明をありがとうございました。これは一般の消費者から見れば三段論法のようで、内臓脂肪を低減させれば高血糖、脂質異常、血圧高値の発症リスクを低減させる。だから疾病リスク表示ができるのではないかというのが申請者の言い分でして、一般の消費者から見れば、申請者も食品である特保にどこまで厳しい基準を求めるかということも問題にされていると思うので、一般消費者は特保に期待する部分が非常に大きいので、私どもNACSで今、健康食品の調査というのをしております。消費者が健康食品に求めるものとか心配なこととかのアンケート調査を行っていて、まだ途中なのですけれども、健康食品は信用できないけれども、特保は信用できるという声と、新しいものに期待を、特保には期待をしているという声が多く出ていますので、こういった例は新しいものに期待するという声に応える考え方になるのではないかと消費者としての印象では思いました。

以上です。

○□□委員 ありがとうございます。

他にいかがでしょうか。

では、□□委員、よろしくお願いします。

○□□委員 今の御議論はすごく真っ当だと思います。このままのヘルスクレームを認めてしまうのはかなり飛び越えた表現だなと、エビデンスを伴っていないと思います。

ただ、一方で、三段論法ではないのですけれども、今回、メタボリックシンドロームの発症リスクを低減する疾患リスク低減ということで出してきたからこのような表現になったのかなと思うのですが、国民の健康啓発ということを考えると、既許可品にある表示内容の一部をアレンジするほうが、健康推進的な意味合いに関連すれば、内科医としては非常にありがたいことが実はあります。何を申し上げているかというと、取りあえず赤字のほうの表示は駄目だと思うのですけれども、もともとある黒字のほうの表示で3行目から4行目ですね。エネルギーとして脂肪を消費しの後、内臓脂肪を減らすのを助けるのでと書いてあるのですが、内臓脂肪って何ということが恐らく、今は大体いろいろ情報が行き交っているので意味合いは分かっていると思うのですけれども、内臓脂肪というのは、すなわち先ほど来「□□」を申請してきた企業さんはそこに基盤があると思うのですけれども、メタボリックシンドロームの基本にあるということだから、これは必須条件なのです。他のは附帯条件で、すなわち必要条件と十分条件の違いから考え、必要条件がなければ十分条件があってもメタボリックシンドロームとは言わないのです。だから、必要条件である内臓脂肪の蓄積、これがメタボリックシンドロームの基本であるのですから、「□□」の「□□」の前に、メタボリックシンドロームとの関わりも深いとか何かそのような表現があるとよかったのかもしれませんが、もはやこれはもう既許可で出しているものですから、その辺りぐらいの表現であれば、今ある提出してきた様々なエビデンスは十分に説明し得るだろうと思わなくはないです。

ただ、直球で左側の赤色の文字で示されたような表示にしてしまうのは時期尚早であり、エビデンスのさらなる蓄積を確認する必要があると感じました。

○□□委員 ありがとうございます。必要条件と十分条件の関係、鋭い御指摘をいただいたと思います。ありがとうございます。

他にいかがでしょうか。

□□委員、今挙手いただいているのでしょうか。お願いします。

○□□委員 □□です。よろしくお願いします。

私も全く皆様の御意見に賛成で、メタボリックシンドロームと内臓脂肪の蓄積というのはイコールではない。定義上はやはりメタボリックシンドロームと診断するには、脂質とか血圧とか血糖とか条件が入ってくるので、こちらにも効くということが分かっていないとメタボリックシンドロームとは書かないほうがいいだろうという御意見には賛成するところです。なので、疫学研究が十分にないとかというのは、やはり許可しないということの理由にはなるのではないかなと思います。

あともう一つ、ちょっと気になったのが、申請者からの見解書の中で、保健機能食品は疾病の治療や予防のために摂取するものではありませんと書いてあるのですが、明確に疾病の名前が表示の中に入ってきてしまうと、その予防になるんだなと、やはり摂取する方が思う危険性はあると思いますので、そこのところはより慎重になるべきところはあるので、申請者からのコメントの中にある部分というのは、むしろより慎重にやるべき部分なのではないかなと感じました。

以上です。

○□□委員 ありがとうございます。

他はいかがでしょうか。

では、□□委員、お願いします。

○□□委員 御説明ありがとうございます。認められない理由の2点目の疾病リスク低減効果が医学的・栄養学的に確立されたエビデンスであるかどうかという点について、申請者とそれを審査する調査部会で解釈が異なっていることについて、現状は調査会では医学的・栄養学的に確立されたエビデンスということに関しては概念的な説明をされていますが、今後に向けてなのですが、申請する側もエビデンスを集めること、分析についてはかなり時間を使っていらっしゃることと思うので、その辺りの概念の透明度を上げていくようなプロセスが必要ではないかなと私は感じたのですけれども、皆さん、いかがでしょうかといったところを御質問申し上げます。

○□□委員 ありがとうございます。

ただ、疾病リスク低減表示は今回初めて出てきたものということで、審査される委員の先生方の側もかなり苦慮されているので、今これがゴールデンスタンダードだということを言うには時期尚早というように□□委員からの御説明があったと理解していますので、透明性を高めていく努力はするべきだと考えますけれども、まだ出せる段階ではない。どんな疾病リスク低減表示が出てくるか分からないということだと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○□□委員 そうですね。ただ、一つ言えることは、医学的・栄養学的に広く認められているというところは、一つの研究グループが出しているデータだけではなくて複数の研究グループ、誰がやってもその結果になりますよというところが認められるデータがないと、なかなかそこはお認めできないということで、この申請者の方々は丁寧にメタアナリシスをやられて、最後に出てきたのが自分たちのだけだった。だから、そこがちょっと問題で、そこは、私たちは申請者だけではなくて複数の研究者からの発表が出てきてほしかったというところでございますので、何もいいかげんにメタアナリシスされていると言っているわけではないのですね。だから、誰がやっても同じような結果になるようなRCTのメタアナリシスがあれば、そこはお認めできるのではないかということです。

これはかなり一般的なことではあると思いますので、そこのところだけ抜き出して言うこともできるかもしれないのですけれども、先ほどの三つのことを大々的にこれがというのは、まだちょっと早いかなと考えております。

○□□委員 ありがとうございます。

よろしいですか。

○□□委員 ありがとうございます。

○□□委員 □□委員、お願いします。

○□□委員 □□です。

本当にこの疾病リスク低減表示というのは、先ほどおっしゃられたようにゴールデンスタンダードがなく、なかなか難しいなというところはございます。

若干1点気になるのは、もし自分が企業側の立場だったとしたときを考えたときに、製品の差別化というのが可能になるのかどうか。今回のものでは、カテキンというものが疾病リスク低減表示に当たるかどうかという議論になっているような気がしていて、「□□」というものが本当に特保の疾病リスク低減表示になるのかどうかという議論を考えたときに、メタアナリシスに使うサンプルはどうしても「□□」でないといけないような気もしていまして、もし別の会社が違うお茶のカテキンを疾病リスク低減表示の特保として出してきたときには、どういう議論が今後生じていくのであろうかというところもちょっと気になっております。

なので、先方にコメントしたときに、採用した研究のほとんどが申請者自ら行った試験報告であるというふうにコメントするのはちょっとどうなのであろうかという気もしています。この辺の齟齬というところも今後一つ課題になっていくのかなと思っていますので、御検討いただければ幸いです。

○□□委員 ありがとうございます。

それを伝えることの是非についても調査会のほうでは議論されたと理解しているのですけれども、何かそのときのコメントのようなものはありますでしょうか。

○□□委員 メタアナリシスに使われた論文がほとんど自社製品ということだったのですけれども、他社の報告も出してくださいということで一部コメントを最終結論の前に出したのですが、他のお茶の会社が実施されたもの、それから同社の製品を使い外国で行われたものと三つ出てきたのです。それは当初、メタアナリシスから除いていた論文だったのですけれども、もう一回それを入れてメタアナリシスしたという経緯があります。ですので、実際に他社のお茶でやった論文というのもあります。

今回は、あくまでも関与成分との関連ということで、疾病リスク低減表示はカルシウムと骨粗しょう症、それから葉酸と神経管閉鎖障害、そしてこの前のDHAと心疾患ということで、一応関与成分に係るエビデンスは集めておりますので、今回もカテキンを中心に集めておりまして、実際に他社のお茶のデータも少しだけはあったのですけれども、結局メタアナリシスが論文化されていないというところで、全体を取りまとめてみると、今回はまだ認められないのではないかということの結論に達したわけでございます。

○□□委員 ありがとうございます。

□□委員、いかがでしょうか。

○□□委員 ありがとうございます。本当に今後という形になってしまうのですけれども、今度、別の会社が茶カテキンの疾病リスク低減表示を申請してきたときには、またどういうふうな議論が生じるのかというところもちょっと気になっております。

以上です。

○□□委員 なるほど。分かりました。確かに他の会社がこのメタアナリシスを使って出してきたら、複数証拠が並ぶということはあり得るとは思いますけれども、それは複数証拠がそろってくるという意味にはなってくると思うので、そういう事態に対しては、またそのときに対応を考える必要が出てくるのではないかと思います。全くそのとおりだと思いますが、現時点では、現状の情報で判断していくということになるかと思います。ありがとうございます。

他はいかがでしょうか。

では、消費者庁からお願いします。

○消費者庁食品表示企画課 消費者庁でございます。

今の点でございますが、消費者庁で出している特保に関係する通知におきましても、疾病リスク低減については関与成分でということでありますが、あとは申請者がどういう形で申請してきたかによって、その範囲が関与成分、さらに広いところが必要かというのは、御審議によるのかと思っております。

以上でございます。

○□□委員 ありがとうございます。関与成分ということで、少なくとも製品単位でのRCTとかを求めるものではないということだと理解しています。

他はいかがでしょうか。

今までの御意見をまとめていくと、総じて現時点で認めるのは適切ではないということと、その否決理由としての調査会から出していただいている審査結果、賛否両論はあるものの、この内容については妥当だという意見が多く出たと思います。そのままで本当にいいかどうかを今まさにここで議論しているわけですけれども、今その意見が大勢を占めたように私は理解いたしました。この流れに対して、何か積極的に御意見をいただける方がおられたらお願いしたいと思うのですけれども、どうでしょう。調査会での結論を支持するということで同意が得られたと考えてよろしいでしょうか。

特に反対もないようですので、調査会の結果を是として、審議を進めていきたいと思います。

それでは、特保としては認めないということと、先ほどの議論では、調査会の結果に付け加える意見もこれでよいということでありましたので、この意見で出していくということで進めていきたいと思います。

では、事務局から、審議結果の確認をお願いします。

○消費者委員会事務局 では、「□□」につきましての部会での審議結果でございますけれども、「□□」につきましては、調査会の審議結果と同様、内臓脂肪低減効果だけではメタボリックシンドロームの発症リスクを低減するとまでは言えず、根拠として不十分である。それから、添付されているメタアナリシスの資料につきまして、採用した研究のほとんどが申請者自ら行った試験報告であるということ。それから、メタアナリシスの論文が2報あるけれども、そのうち1報は学術誌に投稿されておらず、社内資料である。そういったことで、これが医学的・栄養学的に確立されたものであることを証する資料としては不十分である。そういった理由で、当部会といたしましては、特定保健用食品の表示を行うことは不適切であるとの結論となりましたということでよろしいでしょうか。

○□□委員 そのような結果だと理解しました。

【報告書及び答申書】

○消費者委員会事務局 それでは、その旨、部会長から委員長に御報告いただき、同意が得られれば、消費者庁へ不適当との答申を行うこととさせていただきます。

○□□委員 答申書に対しての報告書案を今、事務局のほうでもつくってもらっていると思うのですけれども、それを読み上げていただくことになるかと理解していたのですが。

○消費者委員会事務局 それでは、調査会の審議結果に基づき、事務局が作成した委員長への報告書案について読み上げたいと思います。資料5-1を御覧ください。

1ページ目は、「□□」について議決したので、委員長に報告する旨を記載しております。

次ページの1、審議経過では、同品目について記載の日に行った調査会で審議を行い、その結果を踏まえて部会において審議した旨を記載しております。また、2の審議結果では、今回の申請に添付された資料では、疾病リスクを低減する効果を表示するには不十分であるため、特定保健用食品(疾病リスク低減表示)として認めることは適当でないとされたとしております。また、具体的な審議結果としては、先ほどと同じとなりますけれども、まず1ポツ、本申請品は、メタボリックシンドロームの発症リスクを低減する旨を表示しようとするものである。メタボリックシンドロームは「健康日本21」等にも位置づけられており、疾病リスク低減表示の対象となり得ると考える。メタボリックシンドロームは内臓脂肪蓄積に加え、脂質、血圧、血糖のうち2項目以上が基準値から外れることが関連学会より診断基準として示されているが、本申請に添付された資料では、関与成分である茶カテキンによる内臓脂肪低減効果は認められるものの、診断基準に照らせば、メタボリックシンドロームの発症リスクを低減する効果を示しているとまでは言えず、根拠として不十分である。

2ポツ、特定保健用食品(疾病リスク低減表示)では、当該表示に係る関与成分の疾病リスク低減効果が医学的・栄養学的に確立されたものであることを証することが必要とされているが、本申請に添付された資料は、以下の点で不十分である。(1)メタアナリシスの論文について、採用した研究のほとんどが申請者自ら行った試験報告である。(2)メタアナリシスの論文が2報提出されているが、より主要な解析として取り扱われている1報は社内報告書である。(疾病リスク低減表示の申請に使用されるメタアナリシスの論文は査読のある学術誌に掲載されたものであるべきと考える。)

以上でございます。

○□□委員 ありがとうございます。

この内容、調査会からいただいた意見を理由としてそのままつけていただいて、この部会で適当でないということを決めたことを記載した内容で、読み上げていただいた内容について特に御質問、御意見等ございませんでしょうか。よろしいですかね。

それでは、今の内容で私のほうから委員長に報告したいと思います。答申案については、委員長宛ての報告書の内容と同じであるということで、必要な手続を経て答申することとしたいと思います。

では、答申書と報告書の確認は以上となります。

【報告事項】

○□□委員 次の議題に移らせていただく前に、事務局から一つ報告があるということで、それの報告をお願いいたします。

○消費者委員会事務局 疾病リスク低減表示として個別申請がございました3品目のうち、サントリー食品インターナショナル株式会社から申請されておりました「□□」という製品につきましては、前回の調査会で特定保健用食品(疾病リスク低減表示)として認められないと結論づけられましたことを前回の部会で御報告いたしました。その後、申請者のほうから、調査会での審議結果を踏まえまして、申請内容を再構築したいため、申請を取り下げるという旨の申出がございましたので、そのことを御報告させていただきます。

以上でございます。

○□□委員 ありがとうございます。

この□□のほうは、また再申請してくる可能性もあるということですかね。少なくともこの部会では審議の対象ではなくなったということで進めていきたいと思います。

【新規審議品目】

(2)「□□」(サントリー食品インターナショナル株式会社)

○□□委員 続きまして、2件目であります。新規審議の項目で、サントリー食品インターナショナル株式会社からの「□□」でございます。

消費者庁から製品等の概要についての御説明をお願いします。

○消費者庁食品表示企画課 では、説明いたします。

資料2-1を御覧ください。こちらにつきましては、参考資料7に既許可品のシリーズ品がございまして、60ページから62ページの間に製品がございます。申請品でございますが、申請者はサントリー食品インターナショナル株式会社、商品名は「□□」となっております。本申請品につきましては、既に許可されております「□□」と許可表示の一部が異なっておりますが、一日摂取目安量、一日摂取量当たりの関与成分量等については特に変更はございません。

今回の変更点といたしましては、表示見本にグラフを記載しておりまして、申請者からの申請書の理由の記載といたしましては、表示見本にグラフを記載することで、消費者に対しエビデンスをより明確に分かりやすく伝えることができるようになり、特定保健用食品としての有用性を正しく理解してもらうことが可能になると考えられるということで今回記載しているものでございます。

簡単ではございますが、説明は以上でございます。御審議をよろしくお願いします。

○□□委員 ありがとうございました。

続きまして、事務局から調査会での審議状況などについての説明をお願いします。

○消費者委員会事務局 それでは、「□□」につきまして説明をさせていただきますが、今回のこの品目の申請のポイントが製品ラベルにグラフを表示することというところにございますので、品目の内容に入ります前に、特保製品のラベルにグラフを表示することについての決まりについて、まず説明させていただきたいと思います。

まず、特保の製品にグラフを表示してよいのか、悪いのか、あるいは表示する場合はどのように扱うのかということに対しまして、法的な規定はございません。

それから、消費者庁から出されております特保に関する通知、この中にも特にグラフの表示についての規定はございません。

もう一つ、公的な決まり事として、特定保健用食品の表示に関する公正競争規約及びその施行規則というものが令和2年につくられております。この中にはグラフ表示についての規定がございます。この公正競争規約は、規約全体の構成が容器包装の表示についてという部分と、それから容器包装以外の表示、一言で言ってしまいますと広告についての表示という部分、その二つからつくられております。この施行規則の中に書かれていることなのですけれども、容器包装、それから容器包装以外の共通の項目として、不当表示の禁止というものがあります。ここには、グラフ等のデータを使用する場合には、消費者に内容を拡大解釈され、または許可等を受けた内容に関して医薬品的な効能・効果を消費者に過大に期待させるおそれがある表示は不当表示となりますと。ですから、そういった表示は駄目ですよということが書かれております。ここにはグラフを使ってもよいとも、あるいは悪いとも書かれていないのですけれども、グラフを使用する場合においてとなっておりますので、グラフを使用すること自体は認められているのかと思われます。

次に、容器包装以外の表示という中に書かれていることなのですけれども、このグラフ等の扱いにつきまして、次のようなことが書かれております。使用するデータの出典が学術誌に掲載されたものであり、かつ許可等を受けた食品に関する審査申請書の添付資料である場合に限りと二つの条件が課されております。そういった条件を満たす場合に限り、許可等表示における効果について試験概要及び出典を明記した上で、ヒト試験におけるグラフ等のデータを用いた説明を表示することができる。このように決められております。

ただ、この場合でも、内容を拡大解釈させ、または誤認させることがないように表示することとされております。

この公正競争規約、令和2年につくられておりますけれども、これは日本健康・栄養食品協会というところが作成いたしました「特定保健用食品」適正広告自主基準というものを基につくられております。公正競争規約には、試験概要及び出典を明記した上で、ヒト試験におけるデータ、グラフを用いた説明を表示することができると書かれておりますが、試験概要を明記とされているだけで、これ以上詳細なことは書かれておりません。一方、公正競争規約の前身であります日本健康・栄養食品協会の自主基準には、広告にデータを使用する場合は、以下の試験条件、摂取期間、対象者の属性等、試験の概要を表示することとされており、その下に例示がされておりまして、例えば試験条件としてはn数ですとか摂取方法、摂取期間を書くこと。それから、対象者の属性といたしまして、年齢、性別、体脂肪関連の特保であればBMI、血圧関連の特保であれば血圧、そういったことを試験概要として明記することというふうに規定されております。

以上が特保製品のラベルにグラフを表示することについての決まり事でございます。

それでは、この品目についての説明に移らせていただきます。

資料2-2の審議経過を御覧いただけますでしょうか。この品目は、昨年12月6日に開催されました第58回の調査会で御審議いただきました。その審議結果といたしましては、グラフの表示につきまして、4項目の意見を部会に申し送ることといたしまして、調査会了承とされております。

その申し送り事項ですけれども、製品ラベルに、先ほどから申し上げておりますように有効性試験結果のグラフを表示することについてですので、申請書概要版のイにございます表示見本と、それから、このグラフの基になっておりますヒト試験であります文献1-8を御覧いただけますでしょうか。ページ下の中央部分にページを振ってございますけれども、それの139ページになります。よろしいでしょうか。ここに表1、表2という試験結果が載っております。この結果を基にラベルにグラフを表示しているわけです。

どのようなグラフかといいますと、それは概要版の表示見本のほうを見ていただけますでしょうか。これは四角いボトルに巻いていくラベルになりますので、四つの絵が並んでおりますけれども、右のところにグラフ、ヒト試験でこのような結果が得られておりますというグラフを製品ラベルに描こうとしているということでございます。

このようなグラフを載せることにつきまして、調査会から部会のほうへ申し送りがされているわけですけれども、議論のポイントといたしましては、まず、文献1-8で行われましたヒト試験の試料が、今回の申請品そのものではなく、関与成分量が同一である類似品を用いて行われたものであるということ。それから、この論文で出されました結果というのは、今見ていただきましたように表2という表の形で示されていたものなのですけれども、それを製品ラベルではグラフとして表示しているということ。それから、論文の試験結果には全脂肪面積、内臓脂肪面積、皮下脂肪面積の変化量の推移が示されているが、グラフでは結果の一部、全脂肪面積だけを抜き出して、変化量のみを表示しているということ。それから、全脂肪面積というのは約300㎠であったわけですけれども、そのことは製品のラベルでは表示されておらず、変化量約5㎠という値だけが表示されているということでございます。

こういったことから、調査会から部会への申し送り事項といたしましては、まず1点目として、製品ラベルに有効性試験の結果のグラフを表示することは、論文では表で示されていたデータをグラフで示すことを含めて差し支えないとされました。また、そのグラフが本申請品の類似品、関与成分量が同一である等、同等性があるものに限るということですけれども、使用したデータがあることも問題はないというふうに結論されました。

ただ、今後、グラフの表示を一律に認めるものではないので、製品ごとに調査会あるいは調査部会の審議で、有効性、試験結果に照らしてグラフの表示が適切であるかどうか個別に判断していく必要があると考えるとされました。

それから、2点目でございますが、グラフの基となっております文献1-8の試験結果には、先ほども申し上げましたが、全脂肪面積、内臓脂肪面積、皮下脂肪面積の変化量の推移が示されているが、グラフでは全脂肪面積の変化量のみを表示している。また、全脂肪面積が約300㎠であることは表示されておらず、変化量5㎠だけが表示されているということ。これらの表示方法では、試験結果の全体を把握できず、消費者に誤認を与えるおそれがあるということでございました。

それから、3点目といたしまして、グラフには平均値だけでなく、ばらつき、被験者数、被験者の属性、例えば今回の申請品目であれば脂肪面積等の情報を表示すべきである。一方、♯はp<0.05を示しますといったような有意差表記などは消費者に分かりにくい情報であるので、これは整理することが望ましいのではないかということでございました。

以上3点が製品のラベルにグラフを表示することについての調査会から部会への申し送り事項でございます。

それから、申し送り事項の4点目ですけれども、これはグラフとは関係のない表示についてなのですが、もう一度申請書概要版にあります表示見本を御覧いただけますでしょうか。この品目の関与成分はケルセチン配糖体というものなのですけれども、そこで見ていただければ分かりますように、正面の真ん中に「ケルセチンゴールド」と書かれております。この「ケルセチンゴールド」という表示につきまして、申し送り事項では、表示見本中の「ケルセチンゴールド」は、正式な化合物名であるケルセチンを変更しているものであり、当社呼称という断り書きがあるにしても、科学的に不正確、不適切な表現である。正しい情報を消費者に伝えることを旨とする特定保健用食品の表示としては適切ではないと言わざるを得ない。今後の申請に当たっては、この表示を見直すことが強く望まれるということでございました。

この「ケルセチンゴールド」という表示につきましては、ちょっと複雑な経緯がございますので、そこも併せて説明させていただきたいと思います。

今日この会議室に御出席の委員のところには、お机の上に机上配付資料として表記見本中の「ケルセチンゴールド」の表現についてという資料があるかと思います。オンラインで御参加の委員の方々には、昨日、会議のリンクと一緒にこの資料をお送りしておりますので、そちらを御覧いただけますでしょうか。よろしいでしょうか。

この「ケルセチンゴールド」という表現といいますか表示なのですけれども、これが初めて使われたのは、調査会あるいは調査部会での審議を経て了承された品目ではなく、変更届提出品目、これで最初に使用されております。ですから、このときには調査会、調査部会の委員の方々は見ていなかったということでございます。

その後、机上配付資料のところにいろいろ絵が並んでおると思いますけれども、真ん中に二つ横並びでラベルの絵があるかと思いますけれども、初めてこの「ケルセチンゴールド」という表示が使われましたのは、ここにございます平成3年9月14日に許可されました「□□」という品目でございました。これが調査会、調査部会で審議されたときには、その左側に変更点とありますように緑を基調としたラベル、これが申請書の表示見本として添付されておりまして、これで許可されております。そのものにつきまして、3か月後の12月15日に変更届が出されまして、細かい表示は違ってきておりますけれども、基本的に今と同じですね。「ケルセチンゴールド」というものを真ん中に置いたデザイン、このラベルに変更されているということでございます。これが「ケルセチンゴールド」が初めて使われた製品でございます。

その後、この下にございます「□□」という同じようなラベルを載せておりますけれども、この「□□」につきまして、ここにありますラベル、「□□」の変更後のラベルと同じようなデザインの表示見本で申請されまして、調査会、調査部会の審議にかけられ、結果として了承されております。

ただ、昨年の令和5年8月に開催されました65回の部会では、委員からこの表現について懸念する御意見がございました。そのときには、既許可品があり、強く改善を図ることは申し上げにくい部分もありますがというコメントと一緒に、この「ケルセチンゴールド」という表示が消費者の誤認を招かないか不安視する御意見が出されたということでございました。この65回の部会では、既許可品もあることだしということでございまして、この表示を不安視する委員からの意見が出されたということを議事録に残しまして、申請者にもこういった御意見がありましたよということを伝えるということで終わっております。

この表示を不安視する意見がありましたよということを申請者に伝えたわけですけれども、その後の今回申請されましたこの「□□」という品目でも同様の表示がなされております。これにつきまして、昨年12月6日の58回の調査会で、事務局のほうから、今お話ししているような「ケルセチンゴールド」が表示されるようになった経緯と65回での審議内容を説明させていただいたということでございます。

以上が、「ケルセチンゴールド」という表示につきましての調査会からの申し送り事項と、「ケルセチンゴールド」という表示につきましての過去の経緯でございます。

それから、もう一点、調査会で出た御意見として、これは部会への申し送りということにはなっておりませんけれども、関与成分の分析法を示す資料におきまして、従来は検量線も添付されていたのですけれども、今回の品目については検量線が添付されていないということがございまして、調査会の御意見としては、方法の妥当性を確認できるよう検量線を添付すべきであるということでございました。ただ、これは、繰り返しになりますけれども、特に部会へ申し送るということではございませんで、申請者のほうにこういった御意見があったということを伝えることにしております。

以上が、「□□」につきましての審議の経緯と調査会での審議結果でございます。

○□□委員 ありがとうございます。

続いて、□□委員から議論の状況について、これもまた複雑な案件ですけれども、よろしくお願いします。

○□□委員 ただいま事務局から説明があったとおりなのですけれども、今回の申請は、ラベルのところに試験結果のグラフを載せたいという申請でございます。許可を受けようとする表示の内容としましては、資料2-1にありますように、申請するわけですから、少しこの許可文言、表示文言を変えております。「□□」という新しい文言になっていますが、これについては既許可品のものと大きな差はないということで、この文言については認めているところですが、グラフにつきまして議論を中心にいたしました。

先ほど事務局からありましたように、概要版の139ページの表1と表2でございますが、グラフにしたいというところは表2の全脂肪面積です。対照飲料が8週間で+4.5㎠、12週間で4.97㎠、被験飲料のほうが-5.13㎠、-5.32㎠ということで、これは比較しますと10㎠の差があるという、一番差が大きいところを出したいということでございます。

ただ、委員の意見としましては、この表1を見たところ、全脂肪面積が最初は300㎠前後あるということで、300分の5増えた、300分の5減ったということで、このグラフからはちょっと想像ができないところでございます。先ほどの自主基準のところでも、取り巻くデータを載せることということですので、調査会としましては、初期値をどこかに示してほしいということ。それから、このグラフはかなり有意差のところが込み入っておりますので、0.05と有意差を認めたところだけに印をつけて、0.01のところはなくてもいいのではないかということで、少しこの辺りを整理してくださいということ。そして、表2では、これは標準誤差になっておりますが、この標準誤差も各ポイントにつけていただくようにして分かりやすくしてくださいということで、消費者に誤認がないようにというところを中心に議論をいたしました。被験者数も書いてくださいということで、グラフにすることは問題ないけれども、データを正確にこのグラフに表してくださいというところが主な趣旨でございます。

それから、「ケルセチンゴールド」につきましては、今、事務局から御説明があったように、最初には調査会、調査部会も審議するのではなく、表示見本の変更ということで、変更届出が出されたもので、その後もう電車のつり広告ですとかテレビコマーシャルとかで「ケルセチンゴールド」といってケルセチン配糖体の化学式が金色に光っているのが出てきまして、私もこれを見てちょっと、あれ、こんなことだったかなと思ったのですけれども、既にもう既許可品が出ていることが分かりましたので、事務局から説明があったように、調査会、調査部会でも今後は十分留意してくださいということを申請者に伝えたということでございます。

委員の中には、「ケルセチンゴールド」は面白いというような意見もあったのですけれども、多くの意見が、やはり化合物名にプラス「ゴールド」という言葉をつけるのは科学的ではないということで、特に特定保健用食品の関与成分はケルセチン配糖体ということになっていますので、それに注釈はついているのですけれども、「ゴールド」というのを前面に出して消費者に誤認を与えるのは問題ではないかということで、もう一度部会のほうに上げるということになりました。

審査の経緯は以上でございます。

○□□委員 ありがとうございます。

もう一度調査会からの御進言を自分なりに理解を確認させていただきたいと思うのですけれども、まず、5㎠だけ増えているのは誤認があるから初期値を出すべきだということが一つ。その次に、有意差が0.01と0.05があるのは見づらいから、0.05だけに絞っていいのではないかという意見があったということが一つ。もう一つ、「ゴールド」という表現は避けたほうがいいという意見なのか、もうそれはいいけれども今後気をつけてくださいという意見なのか、そこら辺のところをもう少し踏み込んでいただけると。

○□□委員 議論としては、ケルセチンに、化合物名に「ゴールド」をつけるのは特保の関与成分としてはよろしくないという、それは多くの意見だったのですけれども、ただ、運営におきまして既に既許可品が出ているということなので、そこは形式的には許可されているわけですから、それを覆すような根拠はないので、注意していただきたいということを前回申し上げたところですが、もう一回出てきたということで、今後これがもういろいろな化合物に「ゴールド」をつけて出てきたらどうなるのでしょうかということも想定がされますので、一応ここで、好ましくないということをもう一回言っておいたほうがいいのではないかという趣旨でございます。

○□□委員 ありがとうございます。

今、□□委員からの御発言に対して、これは一度認めてはいるものの、調査会からは今のような意見が出ていて、認めているけれどもやめたほうがいいというような意見が事務局から見て言えるかどうかというのは、どうお考えですか。

○友行参事官 大変難しい問題だと思われますけれども、既に認められていて、世の中に広く出回っているということを一つ考えますと、□□委員もおっしゃっておられましたが、それを覆すほどの状況ですとか根拠などがあることをもって申請者などに言うことはできるかとは思いますけれども、なかなかそういうものがない状態で、それはいかんというふうに言うのは難しいかなという感触を持っています。

○□□委員 調査会も部会も「ゴールド」という表現は通っていないのですよね。でも、変更申請で許可を出してしまったという経緯ですね。その中で、今後は望ましくないですよねという意見は申請者には伝わっている。今回の再申請ではもう一遍「ゴールド」で出てきたという状況ですよね。それでもやはりそれを言うのは難しいということですか。

○友行参事官 参考資料として机上配付資料を見ていただきますと、委員の先生方、御認識かもしれませんが、最初に「ゴールド」が出てきたときには変更届ということで出されまして、それは部会、調査会のあずかり知らないところでこの表示が認められたということが一つございます。その後、部会、調査会に上がってきたときに1回同じような表示で「ケルセチンゴールド」というふうに書かれておりまして、そのときは致し方ないという形で。

では、そのときの経緯を詳しくお願いします。

○消費者委員会事務局 この「□□」という品目につきましては申請のポイントが別のところにございまして、許可表示文言を従来品から変えたいということがございました。そちらのほうに目が行ってしまって、ラベルがこういうふうになっているのを、よろしくないというのは間違いないのですけれども、見落としてしまったということかなと。このラベルにつきまして、初めて調査会あるいは部会に上がったときに、これでいいのか、悪いのかという御議論はされておりませんでした。

調査会で2回、部会で2回審議されたのですけれども、途中で気がつかれた部会委員のほうから、先ほど御紹介したような、こういった表示は適切なのだろうかという御意見が出されたと。そのときは、先ほどからありますけれども、既に広告で流されているとかいうこともございまして、調査会、部会の委員の方々も、調査会審議、部会審議で許可してしまったのかと勘違いされたようなところもあったのかなというふうに感じられまして、控えぎみで、こんな表現はいいんだろうかという発言をされていた委員がいらっしゃったというふうに記憶しております。

○□□委員 そうすると、少なくとも「ゴールド」の名前で一度調査会、部会は通った形になっているのですか。

○消費者委員会事務局 そういう形になっております。

○□□委員 なので、部会としても一度認めてしまっているものに対して、改めて意見を言うとしたら、そういう懸念の声があったというのが精いっぱいではないかという状況だということですか。

○消費者委員会事務局 そうですね。既許可品があるということで、懸念する御意見があったのですけれども、駄目とまでは言えないだろうということもそのときに議論があって、今後検討していくように強く申し入れようといいますか、申請者に伝えるということで、そのときは終わっておりました。そういうことを申請者に伝えた後も、また同じものが出てきたというのが今回でございます。

○□□委員 分かりました。

ちょっと□□委員に調査会の様子を教えていただきたいのですけれども、今回そういう状況でもう一度言うことが目いっぱいかなという話になったと思うのですけれども、これは違う申請者から、例えば「カテキンゴールド」とかが出てきたら、調査会的には認めそうな感じなのか、それはもう駄目という感じなのでしょうか。

○□□委員 そこはまだ調査会にかけていないので、あくまでも想像の範囲なのですけれども、調査会の意見としては、やはり化合物名をモディファイするのはよくないということなので、新しいものが出てきたときは、それはまた意見として出す方向にいくのではないかなというふうに想定はいたしております。

○□□委員 分かりました。ありがとうございます。

では、事務局、お願いします。

○友行参事官 先ほどは途中で失礼いたしました。審議の経過をもう一度確認したいのですけれども、最初にこの文字が出てきたときは届出で出てきました。それから、同じパッケージで調査会や部会に上がったときには、パッケージとしては同じものが出ていたのだけれども、そこのところには議論が直接及ばず、そのまま別のところが審議の焦点となっており、このままの形で許可されたと。したがって、そのときには指摘はしていなかったということでございますね。今回がまたその同じ、グラフというような申請者の申請の意図の中心はそこかもしれませんが、「ケルセチンゴールド」というところがまた同じような形で出てきているということで、今回は特にその「ケルセチンゴールド」という表示のところも非常に論点となっているということでございますね。

先ほど、何回かもう認めてしまっているので難しいのではないかと役所としては思いますというような感触を持ちますということをお伝えいたしました。

あと、それに併せて情報提供でございますけれども、表示ラベル見本を見ていただきますと、これでいいかどうかということはございますが、「ケルセチンゴールド」というようなマークをつけているところに米印をつけられておりまして、これは当社呼称でありますというようなことも書かれており、事業者としては一定このような注釈をつけているというところもございます。そういうところも併せて御審議いただければと思います。

○□□委員 分かりました。ありがとうございます。

では、論点をまとめさせてもらいますと、この審議では、まずグラフはこれで適切ですか。調査会からの意見としては、ちょっと差の開き方が大き過ぎるから、少なくとも総数の初期値を入れるべきではないかということと、有意差などはもう少し整理をする形でつくってはどうかという御意見。それともう一つの論点は、「ケルセチンゴールド」を使わないでくださいとはちょっと言いにくそうだという中で、委員の先生方から見て、使うのは望ましくないですよねというようなことを意見として入れるべきかどうかということの2点について。

確認ですが、今回一応表示項目の変更は出てきているのですけれども、この表示項目の変更そのもの、文言そのものは問題がなかったということですので、グラフと「ゴールド」の2点について、これは委員の先生、適時併せて意見を言っていただければと思いますが、いかがでしょうか。

では、□□委員お願いします。

○□□委員 ありがとうございます。□□です。

まず、グラフについては、事務局のほうから大変丁寧に背景的なことと一般論として整理すべきことについて御説明していただいて、大変よく理解できたところです。

実際にどういうふうに今回許可するかということについては、やはり300というベースの値に対する5ということが一番大事だと感じております。どちらかというと一般的には内臓脂肪面積のほうが数字としてのイメージが強いので、それに対しての5であるとそれなりのインパクトはあるわけですが、300に対しての5だけであるということ。

一方、今回のこのグラフを申請者側がどう見せたいかといったときに、テレビコマーシャルを多く行っているので、どちらかというとテレビでグラフを見せて注目を集めて、それがアイコン的にこっちにもあるので、商品をつなげようという意図もあるのかなと推察をしております。そういう意味では、テレビコマーシャルなどでこういうグラフを見せて宣伝しているという、このことについては特段何も言えないという状況を考えると、表示については、調査会のほうで指摘いただいたようなことについて、まずしっかりと伝える。これが特保では1例目になるので、前例としてきちんと残るような形がよろしいかと思います。

また、「ゴールド」については、できる範囲での強い意見として伝えることが大事なのではないかと思いました。

以上です。

○□□委員 ありがとうございます。

他はいかがでしょうか。

では、□□委員、お願いします。

○□□委員 ありがとうございます。□□でございます。

時間が限られているようなので簡潔に申し上げますと、まず、変更届出が出てきた部分は、手続論的な話になってしまいますけれども、おそらく、見逃した云々ということではなくて、消費者庁のほうで、変更届の範ちゅうであるということで、その範囲の中での変更ということで受け付けたのだと思うのです。したがって、今後、似たような事案が起きても、その範ちゅうについては、ある程度その範囲の幅を持たせていくしかないのではないかなと考えます。

ただ、そのことを野放しにすることを、調査会や部会がどう考えるかというのはまた別問題だと思いますので、事務局のほうで、これは私の私案になってしまいますけれども、似たような事案で変更届が来た場合、手続論的には可能なのだけれども、調査会、部会では肯定的ではない意見が出ています、ということを強く窓口で言うしかないように思います。

二つ目のグラフの件につきましては、先ほど来、委員の先生方、あるいは事務局の説明どおりで、割合が非常に少ないものをグラフで表しているというところをちゃんと示すというのは大事だと思うのですけれども、あえて一風変わったコメントをさせていただきますと、特に日本ではこういうデジタル化というか、グラフで見せるという習慣があまりなくて、上がったとか下がったとか、いいですよ、悪いですよ、のような「定性的」な表現が非常に多い中で、こういう風にグラフを用いて客観性を持たせて、「定量的」に示していく傾向というのは、使い方を間違えると大変なのですけれども、一方で、いい動きなのではないかなと思っております。

以上でございます。

○□□委員 ありがとうございます。

他はいかがでしょうか。

では、□□委員、お願いします。

○□□委員 このグラフなのですけれども、一般消費者がこのグラフを見ると、大きな開きがあるように見えるので、わあ、こんなに下がるんだと。今、御説明をお伺いしまして、300に対してたった5㎠だけですかと聞くと、何だ、それだけだと。このグラフだけ見ると、私も絶対に買いたくなってしまうグラフなので、このグラフはちょっと一般消費者に誤認を与えるかなと思います。

それから、パッケージの問題なのですけれども、消費者目線で言いますと、「ゴールド」とか、この下の「PREMIUM」もそうですけれども、何だかよさそうというそのイメージだけで捉えてしまう消費者が多いと思うので、どうなのでしょうか。それでこのグラフもあったら、もうばっちり消費者の気持ちにフィットしてしまうのですけれども、成分名だけではなくてパッケージ全体を今後、特保の表示を考えるときには、注意事項だけではなく、「PREMIUM」だったり、「ゴールド」だったり、多分PRするいろいろな文言が出てくると思うので、その一つ一つを注意して見ていくことが大切だなと思いました。

以上です。

○□□委員 ありがとうございます。

他に御意見はいかがでしょうか。ウェブの委員の先生方も。

では、□□委員、お願いします。

○□□委員 複雑な状況の御説明をありがとうございました。

まず、グラフの使用については、パッケージの使用が認められているということではございましたが、正直これだけ狭いスペースに文字の級数を非常に小さく表示せざるを得ない状況の中で、試験概要等、必要事項を記載していくことは非常に難しいチャレンジを申請者さんはしていらっしゃるというふうに感じました。もちろんグラフの内容については、私も拡大解釈、不当表示に該当するような、優良誤認に当たるような印象を感じております。

もう一方の「ゴールド」についてなのですが、メーカー側からすると、一度変更申請の時点でも認可を受けたというようなところは、やはり継続して使用していきたいというお気持ちがあるのもすごく共感はできます。ただ、□□委員がおっしゃったように、化合物に「ゴールド」、あるいは何らかの形容詞を今後つけていくことが業界の中で拡大していくことは好ましくないというのは私も本当にそのような気づきをいただいたのですけれども、問題としては、この商品については認可してしまったけれども、このことが広がらないように、化合物には「ゴールド」等の形容詞をつけないという部会としてのスタンスを一つ明確にされた上で、その後のアクションとして、一度認可いたしましたけれども、いかがなものかという姿勢を明確に示していくという選択肢があるのかなというふうにはお話を伺っていて感じました。

○□□委員 ありがとうございます。今の御意見は、この委員会としては、今後、好ましくないということを言うということをこれに付加的に付け加えるということだと思います。

では、□□委員、お願いします。

○□□委員 ありがとうございます。これは前回から気になっていた点なのですが、今回改めてグラフまでパッケージに入れるということで、懸念しています。グラフに関しては、結果の一部を取り出して強調しているという印象を持ちました。過大な表示になっているのではないかと思います。やはり情報としての正確さを基本に考えていただかないと、消費者にとって誤認に結びつきます。

特にp値の表現など、一般的ではないと思いますので、そうした分かりにくさや、あるいは、出所ということでは1日1本云々という内容で試験結果であることを書いてありますが、出所がわかりにくいことも、これでよいのかと思います。

今回、特に先ほどテレビ広告の話が出ましたが、ホームページなどを拝見すると、こちらのグラフを用いたコマーシャルを含め、データありきということで意識してコミュニケーションを取っていらっしゃる。その辺はいいと思うのですが、パッケージにまで入るとなると、これはちょっと違う次元かと考えております。テレビ広告のように、例えば3か月で終わるとかそういうレベルだったらいいと思うのですが、パッケージの場合、ずっとラベルとして存在するのでどうかなと思います。

そして、「ゴールド」の件なのですが、これも前回議論になった点で、そのときにも申し上げたのですが、「ケルセチンゴールド」という形で登録商標のマークを取っているので、ちょっとうまいところをつかれたなと。「ゴールド」という言葉からのイメージ、やはり品質がよいと一般の消費者は認識すると思います。これについては®を取って、それを盾にされてしまっているので、それ以上ちょっと言及しにくいという印象を持っています。ただ、このままでいいのかという問題意識は一方であります。

以上です。

○□□委員 ありがとうございます。

今、□□委員からの御指摘の出処ということ、それはどこの部分の御指摘か、もう一度説明していただけるとありがたいです。

○□□委員 パッケージのグラフの表示のところなのですが、試験結果だということを、p値の上のところです。

○□□委員 出典と書かれている部分のことですかね。

○□□委員 そうですね。グラフのところに出典、そこにありますね。これで消費者は分かるのでしょうか。

○□□委員 これで分かるのでしょうかという御意見として承ってよろしいですか。

○□□委員 はい。

○□□委員 分かりました。ありがとうございます。

では、続いて、□□委員、□□委員の順番でお願いします。

○□□委員 □□です。

今、多くの方が意見を述べられていることとそう大きくは変わらないのですけれども、基本的にこういったグラフを示す場合というのは、私たちは医科系にいますと大体、医薬品などのコマーシャルフォームだとか、添付文書だとか、そういったいろいろなリーフレットの中で展開するのはよくあるものだと思います。こういったグラフで説明するというのは、ある種、プロダクターである企業のほうの説明責任、アカウンタビリティーを強く示していると前向きに捉えればそういうことなのですけれども、一方で、この飲料を飲むことによっての有用性が高い部分をうまく見せる場でもあるわけですね。過剰に評価されてしまうとか、過剰に受け取りやすいという、俗に言うミスリードを起こしてしまう可能性もあるので、私はこういった表示の分野においてグラフまで掲載することについては、しかもパッケージでは賛成しかねる立場です。もし表示するのであれば、もともとの脂肪面積もありますから、何%ぐらい下がったぐらいでさらっと描いてくれるほうがまだ受け入れやすいかなと思っています。あえて言えばですが、描かなくてもいいのではないかなという気がします。

それから、もう一つの「ゴールド」なのですが、先ほどおっしゃられたとおりで、®がついてしまっている以上、企業のほうが権利を持っていますから、我々があまり言えないのではないかなという気がします。言い方を変えれば、パッケージのほうにも®をちゃんとつけてもらいたいなということで、列記とした化合物名にこのような非学問的な名称を修飾語でつけること自体が本当のことでナンセンスだと私も思っていますけれども、これをもう登録商標で認められてしまっている以上、企業側のほうにその権利・権限があると私も思いますので、今後こういった表記をしないように企業努力してくださいなどのことをお伝えするぐらいしかできないのかなと、皆様方の御意見を伺いながら、そのように認識した次第です。

あえて大きな追加するような発言ではなかったのですが、以上申し上げます。

○□□委員 ありがとうございました。懸念の意見と承りました。ただ、グラフを出すことは駄目だとはなかなか言いにくそうな状況ですので。

○□□委員 そうですね。強いて言うと、あまりグラフは使わないほうがいいのではないかなと思いますが、駄目だとは言い切れないので、やむを得ないかなとも思います。

○□□委員 分かりました。ありがとうございます。

続いて、□□委員、お願いします。

○□□委員 今、2名の委員の先生方がおっしゃったのと同じ意見なのですが、過去の経緯をお話しさせてもらうと、こういった表示に、特保当初のときは、グラフの表示は駄目というようなことがありました。それは先ほど□□委員がおっしゃったとおり、医薬品的な能書きとかそういったところにグラフが表示され、医薬品的なものと勘違いされるのではないかというようなことから、特保については、こういったパッケージにはグラフはちょっと遠慮してもらっていたという経緯があったということを申し上げたいと思います。

さはさりながら、先ほども言ったとおり、もうテレビでもやっていて、一定の正確な情報が得られるということならば、それも否定できないだろうということです。

それともう一点は、先ほどから言っている「ゴールド」についても、皆様方のおっしゃるとおりで、ただ、やはりこういった「ゴールド」というものについて、優良であるかのように勘違いする可能性があるということは、部会としての意見として申請者に伝えるということは、よいのではないかと思います。

以上です。

○□□委員 ありがとうございます。

続いて、□□委員、お願いします。

○□□委員 □□です。

皆様がおっしゃられることとほぼほぼ同じではありますが、まず、グラフについては、裏打ちされた事実をきちんと述べているというところで、正しいことであるならば、全く問題ないのではないかという考え方です。なので、初期値の300というのは必ず記載していただきたいというところであり、また今度、p値についても、大学の教員としては、5%と1%の両方を記載してくれているというのはすごくありがたいなと思っています。これも事実ですので、5%、1%の有意差検定の結果が記載されていることはよろしいかと思います。極端に言えば、どの有意差検定を使ったのだといってもおかしくないぐらいではあるのですが、一般消費者が、知識がある、ないは別として、正しいことではありますので、p値については記載があってよいかなと思います。

また、全体として議論になっている「ケルセチンゴールド」の「ゴールド」ですけれども、様々な成分表示のところにこれを記載していると、かなり問題にはなると思いますが、一応、ケルセチン配糖体を示す当社呼称というアスタリスクがついています。また、今後そういった化合物に「ゴールド」がつくのではないかという懸念、他の会社から出てくる化合物名に何かつく懸念というところについては、今後我々が目を光らせておく必要があると思いますが、もし登録商標、®を取られてしまうならば、それはそれでもうやむを得ないところもあるということで、「ケルセチンゴールド」を使うなというのは、ちょっと今後言えないのではないかなという考え方です。

それよりも、他の会社が化合物名に何か修飾語をつけてきたときに懸念をする必要があるかと思います。ただし、それが登録商標であった場合には、ちょっと何とも言えないのではないかなというところで落としどころをつけておく必要があるのかなというふうにも思っております。

以上です。

○□□委員 ありがとうございます。

登録商標の件についてですけれども、企業として登録商標を取るという話と、その登録商標を掲示していいかどうかをここで審議するということとはちょっと別の話だと思いますので、その企業しかその登録商標を使えないという話と、その企業に使わないでくださいとこの委員会から言えるか言えないかということでは、言えるというふうには思っています。ただ、今回の場合は一度認めてしまっているというところが、さらに登録商標を取っているのだったらより一層言いにくいよねという話だと思いますので、そこは登録商標の話とは切り離して考えるべきだと思います。かといって、今後出てきてもらっても困るという意見が大勢を占めているという状況には変わりがないかなと考えています。

○□□委員 成分表示のところの記載で登録商標の文言を使うのは間違いですよね。栄養成分表示のところで、もし登録商標を取って、関与成分に「ケルセチンゴールド」、□□と書かれると、これはもう表示違反です。

○□□委員 それはもう既に化学物質名ではないので、それは使ってはいけない。

○□□委員 そうですよね。これは化合物名をきちんと記載する。今回は、□□の下に六角形のベンゼン環みたいなので「ケルセチンゴールド」と大きく書かれていることが消費者への懸念ということですよね。

○□□委員 そうです。要は商品名としてどういう名前をつけるかということが、特保の内容とどれだけ連動するかという部分についても、こちらからは意見が言える部分だというふうに理解しています。

○□□委員 ただ、ケルセチン配糖体を示す当社呼称と書かれていても、そこは表現としては大きな問題であるということでしょうか。

○□□委員 そうですね。今後、あらゆるものに「ゴールド」がついて出てきて商標を取ってというようなことは避けたいということだと思いますし、次に「ケルセチンダイアモンド」が出てきても困るということだと思いますので、そういう科学的でない部分で特保が左右されるのは好ましくないというふうに考えています。

○□□委員 全ての表現のところでの科学的な根拠であったり、科学的な表現であったりというのもきちんとやっていこうということでよろしいでしょうか。そういう理解を我々はしておく必要があるのではないかということでよろしいでしょうか。

○□□委員 調査会からもそのような意見をいただいているというふうに理解をしております。

○□□委員 ありがとうございます。

○□□委員 やはり化合物名にそういった形容詞的なものをつけるのはまずいということで、商品名に別に何とか「ゴールド」とつけても、それは科学的なところでは何も言えないというような意見もありましたが、化合物につけるのは、特保には適さないという意見でした。

○□□委員 それであれば全然、全く問題ないと思いますので、今後も押し通していくというところでよろしいかと思います。ありがとうございます。

○□□委員 ありがとうございます。

この部会、1時ぐらいをめどに一旦閉じてということは言われているので、お尻があるということを前提に議論を進めていきたいと思いますが、□□委員から手が挙がっていますので、□□委員、お願いします。

○□□委員 手短に。前回の調査会のときと同じ意見なのですけれども、先ほど□□委員との議論で商標の登録のことは話し合われたのでよろしいかと思います。前回は、こういう書き方をするのだったら、少なくとも商標として登録をして®をつけてはどうかというふうに申し上げたのですけれども、既に取られているということが調査不足で失礼しました。商品名と同じ形で別途に考えて、基本的には特保に出すときには、そういう®がついていても、あまり多用しないことという方針は出していくということで、消費者の方からも、新しいものを求めるということでの期待が大きいということが先ほど議論にもありましたので、その姿勢は出しながら、つけるのであれば、®をつけた形できっちり分けて使ってくださいということははっきりさせておくことがいいと思います。

グラフのほうは、前回、前例があるのですかということでお尋ねしたときに、ありますということだったのですが、今日、実は止めていたこともありますということをまた新たに伺って、難しいところではあると思うのですけれども、今回の場合は300ということをきっちりとつけた上で、よい前例になっていけばよいのかと思います。

以上です。

○□□委員 ありがとうございます。

他に御意見いかがでしょうか。

今までの議論をまとめさせていただきますと、グラフそのものは、最初の御説明にありましたように、出すのは止めるものではないということで、そこから先は、調査会からの御意見にあったように、ちょっと幅が大き過ぎるので、少なくとも初期値が明確になって、そんなに差が広がっているわけではないというのが見えるようにしてくださいということと、ばらつきなどの説明がちょっと煩雑だということで、この煩雑さをもう少し簡単に、分かりにくい情報になる部分は取捨選択してくださいということ。

そして、「ケルセチンゴールド」、これもいいんじゃないかという意見もあったという状況もありますので、少なくともやめてくださいということではなく、今後、こういう表現については好ましくないということと、見直せるのだったら見直してくださいというような意見。まさにこの調査会からいただいた意見の内容に集約しつつあるというふうに理解をいたしました。今のような内容で。

では、事務局からお願いします。

○友行参事官 今のおまとめに異論は恐らくないと思うのですけれども、□□委員の御議論に関連して、以前、グラフを出したことがあるのかないのか、その辺りの御説明について消費者庁からもう一度御説明いただくことはできますか。

○消費者庁食品表示企画課 では、消費者庁のほうから説明いたします。

過去に1件だけ許可した品物がございまして、許可日が平成17年3月29日。参考資料7でいきますと、26ページの下のほうから29番に書かれている「賢者の食卓」というものになります。

○□□委員 すみません。場所をもう一度言ってもらっていいですか。

○消費者庁食品表示企画課 26ページ、血糖値関係のものでございます。下から2番目の29番と番号が書かれております「賢者の食卓」。

○□□委員 これにはグラフがあったということですね。

○消費者庁食品表示企画課 グラフがついた状態で許可をされました。現在この商品はダブルクレームの商品のほうで販売の実績がございまして、そちらのほうの商品についてはグラフをつけていないもので許可して販売されている状況でございます。

○□□委員 分かりました。前例はあったということですね。

他はいかがでしょうか。

今ちょっと簡単なまとめを発言させていただきましたけれども、今のような内容でまとめていくということで、委員の先生方の御意見をいただきたいと思うのですけれども、その方向で進めてよろしいでしょうか。

では、事務局から議論の経過についての確認をお願いします。

○消費者委員会事務局 本日の審議結果として確認させていただきます。

まず、大分議論の中心は表示のほうに行ったのですけれども、許可表示文言も若干変わっておるわけですけれども、これについては問題ないということでよろしいでしょうか。

○□□委員 はい。

○消費者委員会事務局 そうしますと、次に表示の問題ですけれども、グラフの表示について、それから「ケルセチンゴールド」という表示についてということになるかと思います。

まず、ラベルのほうにつきましては、調査会から部会への申し送り事項をそのまま部会の指摘事項として申請者に伝え、回答あるいは申請書の見解を求めるということでよろしいでしょうか。

では、そのようにさせていただきます。

ただ、1点、このグラフにつきまして、被験者数、被験者の属性を表示すべきである。一方、♯の意味など消費者に分かりにくい情報は整理することが望ましいということで調査会からの申し送りは終わっておるのですけれども、これをそのまま申請者に伝えましても、申請者も、ではどんなグラフにしたらいいのか。どんな項目を残して、どれを削ったらいいのかというのも好きにはできないから、あるいは言葉だけでやり取りをしていますと、申請者からの回答をまた部会の皆様に御覧いただいて、そこから議論をするというのは非常に時間と手間がかかってくることになってしまうと思うのです。ですので。

○□□委員 その点については、部会長一任で受けさせていただければいいかと思ってはいるのですけれども。多分、煩雑さをきれいにするというのは、たくさんで議論をしてもまとまらないだけだと思うので。

○消費者委員会事務局 すみません。ちょっと私が先走ってしまいましたけれども。

○□□委員 いずれにせよ、意見を伝えて、意見つき承諾という形になっていくと思うのです。ただ、その意見が反映されているかどうかの確認は□□委員にもぜひ御協力をいただいて、調査会での意見も踏まえたような内容になっているかどうかの確認をしていただいて、了解を得るというような形を取ってはどうかというふうに思います。

○消費者委員会事務局 失礼いたしました。では、今後どうするかということでまた再度確認させていただきますけれども、グラフについてはこういった整理をするようにということも指摘事項とさせていただきます。

それから、「ケルセチンゴールド」につきましても、調査会からの申し送りをそのまま引用するということでよろしいでしょうか。部会でもいろいろな不安視というか、適切なのかどうかという御意見が出たと。ただ、今すぐ駄目とは言えないところもあるので、今後の申請に当たってはこの表示を見直すことが強く望まれると、調査会ではそのように申し送っておりますので、それをこの表現のまま申請者に指摘として伝える。これは指摘にはならないですね。今回直せということではないので、こういった御意見が部会で出たことを伝えるということでよろしいでしょうか。

○□□委員 そうですね。部会から様々な意見はあったがという枕言葉はつけていただきたいと思いますけれども、伝える内容としてはその内容で考えていただければと思いました。

○消費者委員会事務局 そのようにさせていただきます。

では、申請者には、部会の審議結果として、グラフ表示について3点指摘事項として伝えて、どう対応するのか申請者の回答をもらうことにいたします。その申請者からの回答が出てきた後は、部会長一任ということで、部会長預かりという形で処理させていただき、部会長の御了承が得られれば、部会として了承するという形で今後の作業は進めていきたいと思います。それでよろしいでしょうか。

○□□委員 分かりました。

では、部会長に一任いただいた内容で□□委員と相談して、これでいけるということであれば、了解の答申を出していくということでよろしいですかね。

○消費者委員会事務局 はい。

○□□委員 分かりました。では、そのような方針で進めたいと思います。

ちょっと難しい案件が続いて、4件あったうちの2件しか終わらせることができなかったのですが、次回に持ち越しという形で進めさせていただいてよろしいですかね。

分かりました。

お願いします。

【報告書及び答申書】

○消費者委員会事務局 ただいま審議いただいた「□□」について、条件つきで了承ということでありますので、答申書と報告書の確認をさせていただければと思うのですけれども。

○□□委員 では、もうここでやっていただいて。お願いします。

○消費者委員会事務局 一応、部会長一任という前提でございますが。

○□□委員 そのほうがありがたいです。

○消費者委員会事務局 それでは、資料5-2を御覧ください。条件つきでございますけれども、了承することとなった審議品目に関する委員長への報告書案について確認させていただきます。

1ページ目につきまして、本日議決した品目名となります。ただ、「□□」については、先ほど認めることは適当ではないとされたため、ここから削除いたします。また、「□□」、「□□」については、本日御審議いただけませんでしたので、こちらも削除をいたします。

続いて、次ページ、審議経過になりますが、これはそれぞれの品目について、記載の日に行った調査会で審議を行って、その結果を踏まえて部会において審議した旨、2の審議結果では、特定保健用食品として認めることとして差し支えない旨を記載しておりますが、こちらについても「□□」、「□□」、「□□」については削除いたします。

次ページの別添につきましても、同様に3品目を削除させていただきます。

以上となります。

○□□委員 分かりました。ありがとうございます。

今の審議結果の内容を正確に伝えてもらっていると思いますので、また次回の会議で、うまくいけば2個とも審議結果に至ればというふうに考えています。


≪3.閉会≫

○今村部会長 今日はこれで議事を終わりたいと思いますけれども、事務局から何かありますか。

○友行参事官 長時間にわたりまして御審議いただきまして、ありがとうございました。

本日審議いただけなかった2品目につきましては、次回の審議に回すということになります。

その次回の会議でございますが、日付といたしましては、2月14日水曜日16時30分から開催を予定しております。次回もどうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

これで本日の調査会は終わりたいと思います。皆さん、長時間の審議に御協力いただきありがとうございました。

(以上)