第18回 支払手段の多様化と消費者問題に関する専門調査会 議事録

日時

2026年7月23日(木)10:00~12:07

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

(専門委員)
【会議室】
坂東座長、森下座長代理、池本委員、葛山委員、谷本委員、永沢委員
【テレビ会議】
柿野委員、加藤委員、柴田委員、細谷委員、宮園委員
(オブザーバー)
【テレビ会議】
鹿野委員長、黒木委員長代理、大澤委員
(参考人)
山田 茂樹 司法書士
(事務局)
小林事務局長、吉田審議官、友行参事官、事務局担当者

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    主な論点について(第4回)
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○坂東座長 本日は皆様、お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。ただいまから、消費者委員会第18回「支払手段の多様化と消費者問題に関する専門調査会」を開催いたします。

本日会議に御出席いただいております委員の皆様を御紹介いたします。森下座長代理、池本委員、葛山委員、谷本委員、永沢委員、それに私、坂東は会議室で、井上委員、柿野委員、加藤委員、柴田委員、細谷委員、宮園委員はテレビ会議システムにて御出席をいただいております。

また、消費者委員会からのオブザーバーとして、鹿野委員長、黒木委員長代理、大澤委員はテレビ会議システムにて御出席をいただいています。

なお、柿沼委員は御欠席との御連絡をいただいております。

それでは、本日の会議の進め方について、事務局より説明をお願いいたします。

○友行参事官 本日、テレビ会議システムを活用して進行いたします。一般傍聴者にはオンラインにて傍聴いただき、報道関係者のみ会議室で傍聴いただいております。

議事録については、後日公開いたします。議事録が掲載されるまでの間は、本日の会議の模様をホームページにて配信いたします。

配付資料は議事次第に記載のとおりでございます。もし不足等がございましたら、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございました。

≪2.主な論点について(第4回)≫

○坂東座長 それでは、早速ですが、本日の議事に入りたいと思います。前回の専門調査会では、支払手段の多様化・複雑化が進行する中、従来の業態別規制の枠組みにとどまることなくあらゆる支払手段に共通して求められる利用者保護の考え方を、中核的な消費者保護原則、プリンシプルとして体系的に示す必要があるという問題意識の下、プリンシプルに対応する論点に沿って議論を行いました。また、プリンシプルを単なる概念にとどめず、実効性を確保していくために求められる取組の在り方について議論を行いました。

本日は前回に続き、今まで十分に議論の至らなかった論点について検討を深めるほか、プリンシプルの実効性を確保するための制度的枠組み、プリンシプルを実効性あるものとしていくための取組について、消費者被害の発生実態や取引環境の変化を踏まえ、消費者の視点から見た具体的なアイデアについて御議論をいただきたいと考えております。

それでは、事務局より資料について御説明をお願いいたします。

○友行参事官 それでは、資料1の「主な論点について」を御覧いただけますでしょうか。本日は前回からの議論の続きということでございますので、この資料について全ては御説明いたしませんけれども、御議論いただきたいところを中心に御説明いたします。

最初から、資料に沿いまして御確認のほどお願いいたします。主な論点について、「第1 はじめに」とございます。

第2に、「相談事例まとめ」とございます。

それから、「第3 事業者団体及び事業者ヒアリングまとめ」とございます。こちらにつきましては御説明は割愛いたします。

「第4 支払手段が多様化することに伴う消費者が直面するリスク」でございます。内容詳細の御説明は割愛いたしますが、1つ目、詐欺的取引リスク、2つ目、規制の隙間リスク、3つ目、情報・交渉力非対称リスク、4つ目、責任所在不明確リスク、5つ目、過剰与信リスク、6つ目、生活基盤侵害リスクということでございます。

次に、「第5 支払手段について共通して確保されるべき消費者保護の中核的原則(プリンシプル)」と記載されております。こちらにつきましても詳細については御説明は割愛いたします。見出しだけでございます。1、情報提供、2、未然防止、3、紛争解決、4、過剰与信防止、5、生活基盤サービスの保護とされております。

「第6 プリンシプルの実現に向けて求められる具体的な方策」のところでございます。柱書のところでございます。念のためもう一度御説明いたします。これまで調査審議においては、支払手段の多様化に伴い消費者が直面するリスクを整理するとともに、中核的な原則に着目した検討を行ってきた。2つ目の段落でございます。以上のようなプリンシプルが実現されるべきことについて異論はないものと思われるが、問題はこうしたプリンシプルをどのような考え方に基づき実現していくか、具体的にどのような施策を取ることが考えられるかということでございます。

そこでということで、以降では具体化するために考えられる方策を示し、考えられる方策は、各事業者がプリンシプルを実現するに当たり参考とすべき行為規範を示すものであると記載されております。

次の段落ですが、重要なのは各支払関連事業者がプリンシプルの実現を図ることである。その具体的な方法については、本報告書が示す考えられる方策も参考に各事業者が自らのサービスの特性等を踏まえ、より適切な方法によってその実現を図るべきと記載されております。

次のページでございます。なお書きとして、なお、プリンシプルの実現のためには、事業者による取組に加え、必要に応じて法制度上の措置を講ずることが求められる場合もあるということの記載がございます。

1つ目として、情報提供でございます。プリンシプルの内容は変わっておりません。「プリンシプル1」と四角囲みで記載されております。(1)は、プリンシプルの実現に向けた基本的な考え方となっております。

続きまして、(2)のところは行為規範(対応の方向性)ということでございます。ここに「論点」という印がついております。本文中、このような形で「論点」と記載されておりますところは、本日さらに御議論を深めていただきたいところとなっております。適切な支払手段の選択を支える情報提供の段落でございます。

次のページに行きまして、さらに御議論を深めていただきたいところといたしまして、「望ましい取組内容として」ということで1行目から始まっております。

①消費者が複数の支払手段の中から自ら選択することが必要な場面と、利用可能な支払手段があらかじめ限定されており実質的に選択の余地がない場合とで、それぞれどのような情報提供がされるべきか。

②高齢者や障害者等、情報取得や理解に配慮を要する消費者に対して、どのような情報提供や情報伝達の工夫がされるべきか。

③オンライン環境下において大量の情報が提供される中、それらの情報をどの程度理解し、活用できているのか。消費者が求めている情報提供の内容や方法はどのようなものか。

これらの点について、本日、また議論を深めていただきたいと考えております。

「2 未然防止」のところでございます。プリンシプル2の段落でございます。ずっとページが進みまして10ページ目の(2)の「行為規範(対応の方向性)」のところでございます。こちらにも「論点」という記載がございます。

①とありまして、上から4行目、インターネット取引やその支払がキャッシュレスで行われているという環境下において、初期調査、定期調査、随時調査について以下が考えられますが、これに限らず望ましい調査手法としてさらにどのようなものが考えられるか。この点について御議論いただきたいということでございます。

「3 紛争解決」のところでございます。ページを進んでいただきまして、(1)の実現に向けた基本的な考え方の記載がございます。また、さらに(2)といたしまして、「行為規範(対応の方向性)」でございます。次に、「論点」というところがございます。②という記載のあるところの2つ目の段落、「プリンシプル3の下で」というところでございます。プリンシプル3の下で紛争解決体制整備や苦情適切処理について、具体的に何を行うべきか更に整理する必要があるのではないかということでございます。市場環境や取引構造、消費者被害への対応を踏まえ、平時から紛争解決の実効性確保に向けた体制整備や苦情処理義務の履行を行うべきであり、消費者の視点から具体的に望まれる取組としては、例えば以下のような事項を検討することが考えられるのではないか。また、これに限らずさらにどのようなものが考えられるかということでございます。今までいただきました御議論として、幾つか既にポツとして記載しておりますけれども、これに限らずどのようなものが考えられるかということでございます。

今まで見ていただきましたように、それぞれプリンシプルのところには(1)(2)という形で整理をしております。前回(3)としておりました制度的枠組みという論点につきましては、後ろのほうのページの第8のところにまとめております。そこにつきましては追って御説明いたします。

次に、「4 過剰与信防止」のところでございます。こちらにつきましても「論点」という記載がございます。過剰与信防止規制の適用範囲と括弧書きがございます。

次のページに参ります。消費者に与信を伴う支払手段を提供する事業者の範囲をどう考えるかというところが論点となっております。後払い決済事業者などというように業態で分けていくのか、あるいはそういった形式ではなくて機能で考えるべきではないか。例えば財・サービスの提供時点と支払時点との間に期間を置き、または支払債務を累積させることにより、利用者の現在の資力を超える利用を可能とする支払手段をその範囲とすることが考えられるのではないかというこれまでいただいた御意見を記載しております。この点についても本日、御議論いただきたいと考えております。

それから、次に進みます。18ページの「5 生活基盤サービスの保護」というところもございます。本日、この点については特に「論点」という記載はございません。

次に、第7に参ります。「プリンシプル実現に向けた事業者の機能に基づく類型」でございます。こちらにつきましては20ページに参りまして、1として、「消費者に支払手段を提供する機能」としております。それから、20ページの下から4行目、2といたしまして、「販売事業者に支払手段を提供する機能」でございます。それから、21ページ真ん中辺りのところであります。3といたしまして、「その他支払の実現に関与する機能」ということでございます。こちらは本文中、それぞれ機能1、機能2、機能3という言い方をしているところもございます。

21ページの下のところから括弧書きといたしまして、「プリンシプルの実効性確保に向けた役割分担の考え方」という段落が始まっております。

22ページに参ります。「なお」という段落のその次のところでございます。「消費生活相談の現場では」というところの記載について紹介いたします。消費生活相談の現場では、しばしば「事業者間でたらい回しにされ、解決に至らない」「誰に相談すればいいか把握できない」という指摘が数多く寄せられていると記載されております。消費者が商品未着等について販売事業者に問い合わせても返信が得られず、また、支払手段として利用したクレジットカード会社からは対応が困難であるという説明を受け、さらに支払仲介会社に問合せしても連絡がつかないことから、最終的に消費生活相談窓口に相談が寄せられる事例が見られる。また、取引のキャンセルを希望して決済代行会社に連絡したところ、キャンセルの権限を有していないなどと言って最終的には消費生活相談窓口への相談を勧められる事例が見られるということでございます。

次の段落ですが、消費者が最初に問合せをした事業者は、①どの事業者が責任を持って解決してくれるのかという情報提供を行う、②消費者から問合せを受けた事業者が、たとえ解決を自己完結できなくても消費者を適切な窓口につなぐことが必要である。そして、消費者保護の実効性を確保する観点から、消費者との最初の接点となった事業者が関係する支払関連事業者との連携を主導することが必要であるという記載がございます。

次に、第8の「プリンシプルの実効性確保のための制度的枠組み」のところでございます。こちらにつきましては1から4まで見出しを付けておりますが、全てについて、本日御議論いただきたい論点ということでございます。

1つ目は、「登録・届出制を通じた監督の実効性確保」のところでございます。23ページの頭のところでございます。プリンシプルの実効性を確保する観点から、現在必ずしも法令上の登録または届出の対象となっていない支払関連事業者についても、その機能や役割の重要性に応じて登録・届出等の対象とすることを検討すべきではないか。少なくとも支払の実現や利用者保護の確保において重要な機能を担う事業者については、行政による適切な監督の枠組みの下に位置付けることが求められるのではないか。ただし、事業規模、取引金額が一定水準以下の事業者に対し適用除外とすることなどについて、有効な方法を取ることが考えられるのではないかという点について御議論いただきたいということでございます。

2つ目、「消費者被害の発生時における民事上の効果及び救済の在り方」でございます。この点につきましては、前回のところでは各プリンシプルのところにそれぞれ論点立てされておりましたが、こちらに一つにまとめて御議論いただいたほうが適切ということで、今回はこのような形にしております。この2の見出しのところにつきましては、(1)から(4)まで4つのことについて整理しております。

まず、23ページの下から2行目、「(1)支払関連事業者から加盟店への支払の留保」という論点でございます。24ページに参ります。加盟店の債務不履行や詐欺などの違法行為が明白な場合だけでなく、クーリング・オフや未成年者取消権の行使など、消費者側の正当な権利行使の場面について、支払回避等の対象とすべきではないかということでございます。

(2)が、「抗弁の接続」でございます。この段落の下から3行目の最後のほうから、消費者トラブルの発生から加盟店への実際の支払のタイミングまで一定の期間がある支払手段について、こういった考え方を拡張することが考えられるかということでございます。

(3)は、「個別信用購入あっせんと特定商取引法における消費者保護の考え方」でございます。25ページの上の行でございます。個別信用購入あっせんにおける消費者保護の考え方を、一定の取引において、例えば消費者に誤認を与える表示がなされている場合や解約妨害等が見られる場合等に準用することについて、どのように考えるかという点でございます。

それから、「(4)加盟店調査義務違反や苦情適切処理義務違反が認められる場合の私法上の効果」でございます。

それから、「3 後払い決済について」でございます。後払い決済については実質的に与信機能を有する場合があるにもかかわらず、現行の法規制の対象外となるケースが存在するということが課題であるということが指摘されております。この観点などから、制度改正の必要性についてどのように考えるかということでございます。後払いについては与信的な機能を有する場合があるということと、悪質加盟店に使わせているという点、いろいろな面で論点があろうかと思います。それも含めまして、制度改正の必要性についてどのように考えるかということで御議論いただきたいということでございます。

それから次のページに参りまして、「4 生活基盤サービス停止に関する運営ルールの整備」ということでございます。

第9は「制度を支える観点」といたしまして、1つ目が、消費者教育の在り方でございます。それから2つ目が、金融技術を活用した消費者保護の在り方でございます。以上の2つの点につきましても論点として印を付けております。この点につきましても御議論いただきたいと考えております。

事務局からの説明は以上です。

○坂東座長 どうもありがとうございました。

資料1の中には、本文中に「論点」と書かれている記載が多数ございます。そこについて本日御議論をいただきたいと思っております。ただ、今まで十分に議論を尽くせていない項目が少し残っております。本日はそこから始めていきたいと思っております。

最初に、第9の「制度を支える観点」「1 支払手段の多様化を踏まえた消費者教育の在り方」について御議論をいただきたいと思います。

本日は柿野委員から資料を御提出いただいております。まず、柿野委員に少しその資料に基づいて御発言をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○柿野委員 柿野です。よろしくお願いいたします。

御発言の機会をいただきましてありがとうございます。資料2に基づきまして、少しだけお話しさせていただきたいと思います。

まず、消費者が直面するリスクについてですが、最初に、報告書の論点整理に書かれた項目を消費者の立場で置き換えてみるとどうなるかという検討をしてみました。同じ部分もあるのですけれども、例えば2番目の規制の隙間リスクという点については、十分な消費者保護が確保されていないサービスを消費者が利用するリスクという形で置き換えることもできると考えました。

また、3番目の情報・交渉力非対称リスクという点については、必要な情報や契約条件を十分に理解・比較できないまま消費者が利用するリスクに置き換えることもできると思いました。

他はほぼ同じように考えてよいと思うのですが、このように置き換えた上で、消費者が負担すべきリスクはどういうものかを整理したものが(2)の表になります。まず、詐欺的な取引に巻き込まれるリスクについては、消費者にとっては非常に限定的なもので、事前に気付いて相談することは期待されるのですけれども、詐欺を完全に回避する責任を消費者に負わせるべきではないという考え方で三角といたしました。そのとき、消費者が本来身に付けておきたいのは、詐欺を疑う力や相談する力といった消費者力であると考えました。

また、2番目の十分な利用者保護が確保されていないサービスを利用するリスクという点については、消費者が負担するものではなく、制度や事業者側に責任があると考えました。消費者が全くこういったことを理解しなくてもいいということではなく、補償内容や消費者保護の違いを理解し選択できる力というのが、本来であれば身に付けておきたい消費者力として想定されるのではないかと思われます。

また、3番目の必要な情報や契約条件を十分に理解・比較できないまま利用するリスクについては三角です。現状、十分に事業者側から情報提供が行われていない状況がございますので、情報提供が行われた上で消費者が契約内容を把握して検討し、比較するということが求められるということで三角といたしました。ここで消費者は、契約内容を確認・比較検討する力が求められていると思います。

4番目のトラブル時に責任の所在や申出先が分からず、適切な対応を受けられないリスクについては、制度側の問題というところで、消費者が負うべきリスクではないのですけれども、消費者には相談先や救済制度を知って利用する力が求められていると思います。

5番目の支払能力を超えた与信や利用によって債務が過大になるリスクについては、消費者が負うべきリスクとして想定できるのではないか。その一方で、事業者側も過剰与信を防ぐということが責任としてあるということで、このことに関しての消費者力としては、家計を管理し、支払能力に応じて計画的に利用する力が必要であると考えました。

最後のキャリア決済の未払いにより通信サービスが停止され、生活基盤が損なわれるリスクについては、原則×ということで、これは制度の設計が必要だと思います。消費者力としては、キャリア決済の仕組みや影響を理解し、問題があれば早期に相談・対応する力が本来的には求められる消費者力であろうと考えました。

こういったことを踏まえて、どのような消費者教育の内容が必要なのかということが(3)に書かれています。基本的には自立した消費者を育成するという消費者教育の考え方を基盤にしつつ、デジタル社会に対応したメディアリテラシーやキャッシュレス時代の家計管理を軸とした金融リテラシーの内容強化が必要だと考えました。

項目だけ読ませていただきますが、まず一つに、多様な決済手段を適切に選択する力。この後ろ書きにある丸印は、さきに示したリスクの番号と対応しています。

2番目に、デジタル社会における契約・情報を読み解く力。

3番目に、家計を管理し、支払能力に応じて利用する力。

4番目に、デジタル社会のリスクを予防する力。

5番目に、問題発生時に適切に行動する力。

6番目、これは消費者市民社会を少し意識して設定してみましたけれども、適切な情報提供や安全な利用環境の整備を企業や行政に働きかける力が、消費者教育の内容として求められていくのではないかということです。

最後に、消費者教育の機会という観点から考えてみますと、学校教育においては家庭科や社会科・公民科を中心として学習指導要領に学習内容が位置付けられております。さらに、支払手段の多様化・複雑化という観点からこの内容を一層強化していくということが必要ですし、今、ちょうど学習指導要領の改定の時期にも当たりますので、こういった内容をより強化するように要望することも一つだと思います。

また、これは学校教育だけではなくて全世代を通じて必要な教育ですので、地域での出前講座や、活用できる学習教材の開発という従来の方法に加えて、ウェブ上での情報提供や教育機会の提供など、デジタル時代における消費者力を高める施策の工夫が一層求められていると思います。

以上となります。ありがとうございました。

○坂東座長 ありがとうございました。整理した御報告をいただけたと思います。

今までも各委員から御提出をいただいた意見書の中に消費者教育についての御意見等がありました。改めてこの機会に、私どもが支払方法の多様化に対応してどのような消費者教育を具体化していくことが必要と考えられるのかについて、率直に御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。

それでは、永沢委員、お願いします。

○永沢委員 前回提出した意見書で書かせていただいた意見も併せて、柿野委員の御意見も踏まえながら意見を述べさせていただきたいと思います。

今回、専門調査会の中では5つのリスクを挙げております。私も柿野先生と同意見で、5つのリスクのうち、消費者が負うべきという表現に抵抗はありますが、消費者が負うことができるリスクとしては、過剰与信のところであり、あとは合理的な選択が妨げられるというリスクを教育で補うことができるのかなと思いますが、これは教育だけではなくて表示と併せて可能となるものと思います。いずれにしても柿野先生が丸、バツ、三角で示されたお考えは私も全く同意見でございます。

ところで、消費者教育の目標は3つ掲げられていて、一つ目が合理的な判断ができるようになること、二つ目がだまされない、三つ目が消費者市民社会の一員としての自覚を持って行動するということです。今の決済の実状を考えますと、1の詐欺的取引のリスクに対しては、だまされない教育はしっかりやってきたと評価しますが、詐欺的な悪質事業者のほうがはるかに先を行っていて、消費者が学んで対応することには限界があります。したがって、1のリスクを消費者が負うべきリスクとすることは難しいと私も思います。

もう一つ、消費者市民社会という観点から言いますと、決済の分野は、技術が進化し、高速道路を運転するように大量の決済が高速で処理される状況になっており、一定割合で事故が起こるのは避けられないというのが現状だと思います。ただし、道路を運転するには免許が要りますが、決済を利用するのに免許が要るわけではなく、誰もが日常生活に普通に使う手段でもありますので、そういう意味では事業者に、決済手段を私たち消費者が安全・安心に使えるよう体制整備をしていただく必要があるわけで、消費者教育で私たちにリスクへの対応を求めるのは違うと思います。

一方で、交通事故同様、不注意によるトラブルが多発してしまうと、決済システムに負担をかけてしまうことになります。消費者の側もトラブルに遭わないようにするという意識を持つということも大事であろうと思います。

続いて、前回提出したペーパーで書かせていただいたことについて発言させていただきます。現在、金融経済教育の中でどんな教育が行われているのかを確認しました。2024年夏からJ-FLECが本格始動し、共通教材として小学校から大人向けの教材を提供していますので、それらを確認しましたが、資産運用の分野などは充実しているのですが、決済の分野はスライドが2枚程度で、1枚目は決済手段に前払、即時払い、後払いという種類があること、2枚目はそれぞれの手段のメリット・デメリットについて解説しているという程度でした。現状は十分とは言えないことは明らかです。

それから、決済分野の教育の担い手について、これまでは民間の中では日本クレジット協会様がすごく頑張ってこられたと思いますが、クレジットカード以外にも決済手段が多様化している現状を考えますと、決済に関係する業界団体が業の枠を超えて連携していくことが必要になっているといえます。

それから、柿野先生も御指摘されたように、学校教育の取組が必要になってきております。なぜならば、今日も後払い決済が取り上げられましたが、収入のない未成年者がこの後払い決済の利用を広げているという現実があり、信用管理するという考え方を早期に教育に取り込んでいかなくてはいけないと考えます。これまでにない視点になりますので、この部分は金融経済教育や消費者教育の中にも取り入れていかなくてはいけないと思います。

最後になりますが、決済サービスを先ほど高速道路に例えさせていただきましたけれども、急速に進化しイノベーションも進んでいることから、私たち消費者も常に変化に晒されていて、利用しながら慣れていくしかない部分もあると思います。利用者が困った際に、まず適切な相談先を用意いただくことが大前提になります。前回提出した意見書で指摘させていただいたように、適切な相談先にアクセスできること、これが非常に重要になると思います。

金融庁が2012年に国民に示した「国民が身に付けるべき最低限の金融リテラシー4分野15項目の4分野目は、適切なところに相談をするリテラシーでした。これは消費者教育でも同様で、知識だけではなく相談する力を育むことが必要となっています。ただし、繰り返し申し上げますが、相談できる適切な場がなければ駄目なわけで、そこが大前提になるということを申し上げたいと思います。

私からは以上です。

○坂東座長 ありがとうございました。

それでは、宮園委員、御発言ください。

○宮園委員 NACSの宮園です。発言の機会をいただきありがとうございます。

私は前回の資料と今回のほうで意見を出させてはいただいているのですが、どうしても消費者が負担するリスクというのが私には何を言っているのかというのがぴんとこなかったのですね。それで、いただいた論点についてというところの話に基づいて今回のリスクというのを捉えさせていただいて意見を書かせていただいたのですが、柿野先生のお話を聞いて、そういうリスクの捉え方もあるのだというので、私はむしろ柿野先生のリスクの捉え方でこの消費者教育のことを考えていったほうが適切だろうと感じました。

ただ、いろいろな分野があると思いますので、経済の話だったり、公正な取引の話など、いろいろな分野の方でこのリスクとはそもそも何なのだろうというのは、いろいろな方の御意見を聴いた上で考えていきたいなと思ったところです。

中身といたしましては、前回の資料では出させていただいているところで、他方、柿野先生がおっしゃったものとかぶるところなのですが、資料を読み上げるのもなかなかなので前回の資料を見ていただいて、何にしろ最後に申し上げたいのは、今回の資料の最後に書きましたが、消費者が負担するリスクを判断するときには単に金額や形式的な過失があるとかないとかだけではなくて、いろいろな背景がございます。その方の特性だったり、事業者の勧誘状況だったり、いろいろな背景を考えた上で、一般的な消費者ではなくて個の消費者が負担するリスクがどうなのかというのは判断して対応してもらうということが考えられるような消費者教育がいいかなと思います。

ありがとうございます。

○坂東座長 ありがとうございます。

あと1から2件の御意見をせっかくの機会ですので伺えればと思いますが、御意見のある方はおられますでしょうか。

そうしたら、池本委員、お願いします。

○池本委員 ありがとうございます。池本です。

消費者教育を一つ一つの項目について、どういうところに消費者が気を付けなくてはいけないかということと、それからこれは消費者の落ち度として考えるべきではないという非常にきめ細かな分析をされていると思いますし、学校教育でももっと強化しなくてはいけないというのは全くそのとおりだと思います。

私はむしろ実務家として、消費者教育というのは家族や知人・友人や学校において、言わば同輩の中でこういうことが起きないように気を付けようという声かけをもっともっと強調していく、便利な社会だからこそ見えにくいリスクがあるので気を付けようということ、それに対してトラブルが起きたときのその誘引をする事業者、加害者と、被害者との間での解決、あるいは法制度としてどういうルールをつくるか、これはまた違うのだろうと思うのですね。便利な近道があるからそちらを通ると、そこにはいろいろ枯れ葉の下に水たまりがあるから気を付けようということはいいのですけれども、こちらが近いから急いでおいでよと言って水たまりに足を取られると、そら見ろ気を付けろよということはあんたが言う立場ではないだろうという切り口の違いは峻別して議論する必要があるということが一つ。

そして、法制度をつくっていく中で消費者も気を付けないと、便利なものなのだから、という言葉だけではなくて、これが持続可能に、一度使った人もまた使っていく、さらに拡大していく、安全・安心な制度設計をつくるということで事業者もそこへ目を向けてもらう。およそ誰にもトラブルが起きない制度というのは現実には難しいと思うのですが、目指す方向がどこかということを常に意識しながら制度論を議論するという制度論の問題と、被害者・加害者と、それから同輩の中での教育というか注意喚起という3つに分けて議論するといいのではないかと思います。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございました。

そうしたら、細谷委員、お願いします。

○細谷委員 ありがとうございます。

柿野委員のペーパーによって非常に頭の整理ができたという形は非常に感謝しております。その中で、例えば過剰与信の問題とか、消費者も取るべきリスクがあるというのには同意はするのですけれども、そこも消費者教育の限界というのがあるかと思います。先ほど柿野委員もおっしゃったように、非常に悪質な事業者側というか悪質な相手方が、AIなどいろいろなあらゆるデジタル技術を使って、トラブルではないように思わせておいて実はトラブルだったという相談にも行き着かない、本人にも気が付かないようなトラブルが起きている現実とか、非常に見破ることが困難なトラブル、例えば、消費者が幾ら気を付けても絶対に気がつかないような公式サイトそっくりのサイトを作ってしまうような今の世の中です。そこに対しては消費者には取るべきリスクはないと私は考えます。

ちゃんとした事業者でもうっかりトラブルを起こしてしまうということに関しては消費者のほうも気を付けていかなくてはいけないという現実があります。先ほど池本委員がおっしゃったように、消費者が家族などに限らず支援者とか、あと友達とか、SNSの相手でもいいと思うのですけれども様々な人に対し、助けてください、相談させてくださいという力が非常に落ちていると思います。ネットやAIに聞いて諦めてしまうということが非常に多発していますので、そういう助け合う力のところを強調していただきたいと思います。それが相談する力の背後にある非常に大事な力であり、最近の言葉で言うと「受援力」を、身に付けることという点を盛り込んでいただきたいと思います。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございました。

消費者教育についても恐らく制度設計全体との関係も見据えながら整理をしていかなければいけないとは思いますが、事業者から発信される情報、コミュニケーションについても踏まえながら、もう少し整理ができるといいかなと思っております。ただ、どういう消費者教育が必要なのかということの方向性については柿野委員がまとめてくださったこともあって、議論の基盤ができたのではないかと思っております。

時間の関係がありますので、次に行きたいと思います。2つ目は、金融技術を活用した消費者保護の在り方についてであります。瀧委員から意見書の提出をしていただいております。ただ、あいにく本日は瀧委員が御欠席でありますので、事務局から簡単にその意見の概要をお話しいただけますでしょうか。

○友行参事官 それでは、資料3を御覧いただけますでしょうか。瀧委員提出資料でございます。

御覧いただきますと、「支払手段の多様化と消費者問題に関する専門調査会」ということでございます。柱書のところを見ていただきますと、金融技術を活用した消費者保護では、現時点で行えることとして、「Ⅰ 決済データを活用した消費者の自衛」があり、今後行うべきこととして、「Ⅱ 被害防止・回復手段の現代化」「Ⅲ AI活用を前提とした制度的反映」があると考えられるとまとめていただいております。

概要のみ御説明いたします。

「Ⅰ 決済データを活用した消費者の自衛」でございます。様々な支払手段が普及し、消費者が認識していないタイミングでも決済が行われるケースが増加する中、消費者トラブルや過剰与信の防止に向けては、各支払手段における決済データを活用した見える化によるトラブル未然防止や危険兆候の検知が重要であるとされております。

①として、決済前のデータ活用、例えば意図せぬ不適切な消費活動を行っていないかを過去の決済履歴を通じて判断などとされております。

②決済時の情報活用・利用制限。例えばクレジットカード等のオンライン決済では、取引リスクが検知された際に複数要素認証が行われる。同タイミングでは利用者の取引意思を明確に確認できる機会もあるということが記載されております。

③決済後の消費者保護でございます。例えばということで、決済の明細データを経費管理や家計簿サービス等の第三者ツール等に自動連携することで不正利用に気付きやすくなるということでございます。参考資料として図表1も添付されております。

次のページで、「上記における課題」として幾つかコメントをいただいております。個別の決済事業者においても過剰与信等を防止するための努力が行われているが、消費者が複数・多様な支払手段を用いる中では、決済事業者にまたがって情報を取得する方法が不可欠となるといったこと、そして、このようなデータ連携は従来より消費者から認証情報を預かって代理で情報を取得するスクレイピング方式と、より安全なAPI方式が存在しており、後者に移行することがセキュリティー上も望ましいという記載をいただいております。

それから、Ⅱの「被害防止・回復手段の現代化」でございます。

①被害防止の現代化でございます。例えばということで、被害の防止に当たっては、前述の決済データを活用した監視やカードコントロール機能を付した決済手段を普及させることが技術活用上は重要ということでございます。

そして②として、回復手段の現代化でございます。支払履歴に関する情報を一括管理する状況が実現すると、消費者が不正に遭った場合に被害回復を一元化されたサービスから実施することも考えられるといったことでございます。米国では異議申立てやサブスクリプションの解約を代行するサービスが存在として、図表2を参考としていただいております。日本においては同様のサービスを営んだ場合には弁護士法へ抵触する可能性も指摘されるといった御指摘もございます。

それから、次のページに参ります。「Ⅲ (今後に向けた課題)AI活用を前提とした制度的反映」ということについてコメントをいただいております。今後の社会では、消費者がインターネットブラウザではなく対話型AIから直接購買を行うことが現実的となってくる。その過程でAIが自動的に決済実行を行うためのセキュリティーや契約行為の整理が海外では進められているという御紹介がございます。同技術にはリスクと便益の両方の側面があるとされ、リスクとしては本人の最善利益を尊重しない取引が行われてしまうことがあり得るとされております。特に与信を伴った購買が行われる場合などへの対応は不可欠となる中で、カードコントロール機能の普及や決済事業者自らがAIにおけるガードレールをどう設計するかが重要となるという御指摘でございます。

そして一方で、便益としては本人の予算や生活様式、資金管理等の情報を踏まえた上で、消費面における安心できる受託者としてAI・決済事業者間のサービス競争が起きることも期待される。そのような消費者に利用者本位の競争が展開されるよう、リスクと便益のバランスに鑑みた制度設計が求められていくと考えられるという形で整理されております。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございます。

AIに消費者としてどう向き合うかといった点一つ取っても、この問題も決済という仕組みを考えていく上ではとても重要な議論なのだと思います。ただ、本日は瀧委員が御欠席であるということもありますので、この議論は次回以降に持ち越したいと思います。

特に何かこの機会に御発言をしたいという方がおられましたら、1件だけ受け付けたいと思いますが、どうでしょうか。

御配慮いただいたと考えて次に進めたいと思います。

それでは、次に移ります。主な論点に関する文書の第8の部分です。「プリンシプルの実効性確保のための制度的枠組み」についてという形で第8という部分が設けられて、共通に課題が設定されております。まず、その中の「1 登録・届出を通じた監督の実効性確保」という部分について、この点についても御意見をいただきたいという記載もございますが、それも含めて御発言をいただければと思います。いかがでしょうか。

では、葛山委員、お願いします。

○葛山委員 葛山です。発言の機会をありがとうございます。

書いていただいたところで、登録・届出の対象の拡大というところには非常に賛成でございます。その上で、適用除外の設計というところが議論があるところだと思うのですけれども、私の意見としては慎重を期すべきだと考えております。

まず、登録制について、なぜ重要かというところを書かせていただいたメモを出させていただいているのですけれども、登録には4つの機能という形で整理をさせていただいておりまして、これは当たり前の話ですが、参入時の適格性審査、あと2つ目としては監督権限の基盤、そして実務的に大きい我々被害救済の弁護士としては、被害救済における相手方の特定という要素もありまして、訴訟提起・送達の出発点で相手方が特定できないということは被害回復の最初の壁となってまいります。4つ目としては無登録営業の違法性が明確になりまして、無登録業者へ決済機能を提供した者への責任追及の足がかりということにもなるのかなと思っております。

登録制につきましては過去に実績が事実上ございまして、クレジットカード番号等取扱契約締結事業者の登録制度、加盟店調査義務の導入後に、これが昔多かった、情報商材やサクラサイト等の相談というのが時系列で大幅に減少しておりまして、要因を1つに絞ることはできないのですけれども、行政処分等があったことからしてもやはり参入規制というのが悪質事業者の排除に非常に大きな寄与をしているということは明確なのかなとは思っております。また、相談の現場でも無登録・無届けであるということを言えるというのはあっせんの交渉上極めて有用なのかなと思っております。

その上で、事業規模、取扱金額による適用除外については、私の意見としては反対と書かせていただきました。悪質な販売事業者というのは規制の緩い決済経路を選んで進入する、これはもう明確なのかなとは思っております。閾値を設けるとその直下に悪質な業者が集中しまして、取扱いを分散して閾値未満を装うという要因も生まれますから、制度が自ら新たな隙間をつくってしまうことになりかねないのかなと懸念をしております。

仮に何らか除外を設ける必要があるとしても、それは規模基準ではなくて消費者に債権を取得しない、資金を保有しない、加盟店を支配しない、与信をしないといった非常に経営リスクである状況を全て満たす場合に限定すべきなのではないかなと、これも一案ですけれども書かせていただきました。

小規模事業者への配慮というのは、対象から外すということではなくて登録制・届出制の区分の問題とか、審査の簡素化とか、共通の調査インフラ等による履行方法の簡素化、経過措置等で図るということが考えられるのかなとは思っております。端的に言いますと、適用除外は原則として設けず、区分と履行方法において簡素化を許容するという整理が望ましいのかなと考えております。

最後に、越境事業者に関してなのですけれども、これについては問題が非常に多いので、国内代表者、拠点の確保、あとは登録簿の公開、そして関係事業者がその登録を確認して無登録の事業者に新規の接続・精算を提供しない、ある種ゲートキーパー的な確認義務というのを行為規範に位置付けるというのが望ましいかなと考えております。

あくまで消費者保護の観点から見たときにどういう意見かということで申し上げさせていただきました。私からは以上です。

○坂東座長 ありがとうございます。

池本委員。

○池本委員 ありがとうございます。池本でございます。

発言メモを提出させていただいておりますので、詳細はそちらをお読み取りいただければと思うのですが、私の資料では3ページから4ページのところへ、るる記載をしております。そこの中で2点申し上げたいと思います。

登録制と届出制ということで言うと、特に今回のような支払手段を提供する事業者は、消費者向けであれ、販売業者向けであれ、加盟店調査義務や苦情適切処理義務、あるいは海外事業者が国内に営業所を設け、代表権限のある者が必要であるとか、その体制をきちんと整備していないと履行できないような項目があるということになりますと、形式的に必要書類をそろえて届出をするということではなくて登録制が必要ではないか。

そういう2つの役割とは別に、その間で情報を交換したり、一定の部分だけを分担しているという者については、その支払手段の提供事業者が監督するという形で位置付けるのか、少なくともどう情報が流れていったのかということを後で検証できるためには、届出制によってその責任の所在を明らかにする必要があるのかもしれないなと感じているところ、それが一点です。

それから、4ページ目に書いたのですが、いわゆる決済代行業者のような販売業者と接する事業者について、実は現在の割賦販売法は直接加盟店と提携しているかどうかというよりは、そのルートの中で誰かしっかりと加盟店調査をやる者がいて、そこが委託した先は登録をしなくてよいという一つのルートで誰もそういう役割を担っていないのでは困るからという制度設計であるために、いわゆるアクワイアラーがきちんと登録した事業者であればその下は特に問わないとなっているために、無登録事業者というものが横行するというか、現在違法ではない扱いになっている。

ところが、先般7月初めに報道されました、大手のしかも20年以上やっている無登録の決済代行業者の破産という事件がありました。いろいろその後フォローした情報を見ますと、2年ほど前の2024年にぼったくりバーなどという本来加盟店に入るはずのないようなところを、名義を虚偽の表示を付けて通していた。それが複数あって、それについて当時の幹部が刑事処分まで受けたという出来事があった。小さく記事は見たことがあるのですが、当然もうそんなところは切られて終わっていると思ったのが、2年後にこんな大事件になっているということで私も驚きました。

その意味では、その加盟店調査管理をしていないカード会社は大問題なのですけれども、自分のところへお客さんを運んできてくれる決済代行業者をなかなか切れなかった経済活動の中で監督をちゃんとやれと言うだけでは済まない仕組み的な問題もあるのかなと。その意味で、直接加盟店と接して情報交換をしている事業者が登録対象になるという、ここで議論をこの間重ねてきた考え方のほうが適切ではないか。場合によっては2段構えの登録が必要になるところがあるかもしれませんが、そういう意を強くしたというところです。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございます。

それでは、永沢委員、お願いします。

○永沢委員 意見書を出していないのに発言させていただいて申し訳ありません。

先ほど池本委員のお話もありましたけれども、この分野に限らず何か事故が起きたときに、無登録業者だったので国は指導・監督が及ばなかったという話を耳にすることがあります。金融分野でよくあるのですが、キャッシュレスは国策として進められてきたと思います。経済界もその方向に賛同されたから非常に速いスピードでキャッシュレスが進んできたのではないか、そして、そのひずみが今、いろいろ現れているのではないかと思います。

国民が、安全にとまでは言いませんが、安心してキャッシュレス決済という手段を利用できるようにするためには、国が必要なときに問題のある事業者に適切な指導・監督を行うことができる、そうした権限を国に付与しておかなければ、何かのときに問題のある事業者との取引で被害を受けた国民は結局放置されていくということが起きるのではないかということが心配されます。私はその点からも、登録・届出制を通じた国の指導監督の実効性の確保は国策と表裏一体の政策であるべきと思います。経済界の皆様もここは御賛同いただきたいと思います。

また、登録制か届出制かというところですけれども、やはり登録制が基本であろうとは思っております。リスクに応じて緩和して届出制もということでよいのではないかと思います。中小企業への配慮という点につきましては、事業規模が小さければリスクも相応に小さくなると考えられますし、被害の規模も相対的に小さいと考え得ると思ったりしますが、そうしたことは法規制をつくる段階で考えていただきたいと思います。届出制を一部例外的に認めるということは、金融規制では行われていますので、参考にしていただきたいと思いますが、実効性の確保という観点からは基本は登録制ではないかと思います。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございます。

加藤委員、御発言をお願いします。

○加藤委員 加藤でございます。私も意見書を出してはいないのですけれども、登録・届出を通じた監督の実効性確保について意見を述べます。

プリンシプルの実効性を確保するために登録制・届出制の必要性を基礎付けることができるか否かは、プリンシプル及び行為規範の内容によって異なる可能性があると思います。例えばプリンシプルや行為規制の内容が一定の体制整備を求めるものであるならば、登録制・届出制の下で業規制として上記の内容を求めることが規制手法の選択肢として合理性を有する場合があることは否めないと思います。

しかし、監督する側にもリソースの限界があるため、登録制・届出制の対象とすべき事業者の範囲の取捨選択がどうしても必要とならざるを得ない可能性があるように思われます。そのような取捨選択の可能性も念頭に置きながら、登録制・届出制の対象の新設を提言する際には、近年の金融規制の整備において任意の登録制を設けた上で既に業規制の対象となっている事業者が任意の登録制における登録済みの事業者と取引をする場合には、役割や機能の分化を業規制に反映させるという例があることを提起するということも考えられるかと思いました。

登録制や届出制は登録義務や届出義務を前提とするものではあるのですけれども、直近の例ですと、金融商品取引法の66条の71の投資運用関係業務受託業のように、そのような登録義務を前提としない登録制、または届出制というものも選択肢となり得るのではないかなと思いました。

例えばクレジットカード以外の分野においても、アクワイアラーの機能を有する事業を営む場合については登録義務を前提とする登録制を設けた上で、そのようなアクワイアラーが加盟店管理業務をほかの事業者に委託する場合には、委託を受けた事業者が登録または届出済みであるか否かによってアクワイアラーの業規制に差異を設けるということが考えられるように思われます。

支払サービスに様々な事業者が関与することは合理的な役割等の分担となり得ることは否めないのですけれども、その結果として責任の所在が曖昧・不明確に実際なっているということが懸念されます。もし登録制・届出制の対象とすべき事業者を無限定に広げることができないのであれば、そのような事業者を絞った上で、そのような事業者が他の事業者に業務委託をすることにより責任の所在が不明確になることを避けるために、未登録または未届けの事業者への業務委託に基づく責任分担というか、責任の放棄を認めないといった発想で制度整備を提言していくということもあり得るのではないかと思いました。

私の意見は以上です。

○坂東座長 ありがとうございます。

森下先生。

○森下座長代理 ありがとうございます。

私も今、加藤委員がおっしゃられたことは非常に重要だと思っていまして、消費者の立場に立つと、全ての事業者を登録させて国の監視下に置きたいという気持ちというのは非常によく分かるわけですが、今、加藤委員がおっしゃられたように、行政のリソースというのもありますし、あともう一つ、我々が今回提示しようとしているのは、機能に応じて従来全く監督の対象となっていなかったようなプレーヤーであっても自主的にしっかりルールを守ってくださいということも含めて提言をしている。そういう意味では、我々が提案しようとしているプリンシプルの対象はものすごく広がっているということがありますので、そこで今、加藤先生がおっしゃられたようなめり張りの利いた観点からの登録観、監督観というものをミックスしないと、非常にぼやけてしまい、逆に言えばフィージビリティーがなくなってしまうというリスクもあると思います。監督・登録でしっかりと見てもらわなければいけないプレーヤーもいる一方で、そうではない規律付けの方法ですとか、今、例えば監督事業者によって監督してもらうというアプローチもお話があったと思いますけれども、プラスして例えば任意の登録をして、任意に登録するとメリットが上がるような感じのものも加えて、いろいろなアイデアがあるので、そういったものも組み合わせて適切に高めていってほしいという考え方のほうが、どちらかというと私たちが対象を広げているがゆえに現実的なのかなとは感じております。

ありがとうございます。

○坂東座長 谷本委員。

○谷本委員 谷本です。ありがとうございます。

私も加藤先生、森下先生と同様の意見を持っております。というのは、今回、機能に応じて対象事業者を3分類しましたけれども、機能1、2の事業者には様々な事業者が存在するということを前提としています。その際に契約の有無も問わないということを前提にしていると、機能に応じてどのようなことがそれらの事業者に求められるのかというその内容も、加盟店調査義務や苦情適切処理義務で法的効果を伴うようなものまで求められるような事業者とそうではないような事業者というのも、自主的な規制を設けてくださいねということを要求するにとどまるような事業者も、その中には含まれていると思いますので、その規制の内容がどのようなものかによって結局登録・届出を求めるのかということとの相関関係があると思っています。

そういう点では、機能1の事業者としては与信機能を持つような事業者については登録が求められるべきだと思いますし、機能2の事業者については加盟店と契約を締結する、あるいは契約の委託をするという事業者に登録が求められると思います。その他の事業者についてはどうするかというのは届出も含めて考えられるのではないかなと思います。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございました。

論点の整理はこれできれいにできてきたのではないかと思います。基本的に登録や、あるいは行政がきちんと制度として事業者を監督していくということの根拠としてそれが基盤となることは間違いのない話です。それが十分に機能していなかったところで様々なトラブルが起こっているという事実はありますから、それを私たちはちゃんと捉えて、行政による監督などが基本なのだというところは提示をしなければいけないのであろうと思います。

ただ、先生方から御議論があったように、それを全て同じようにやることが本当に適切なのか、逆に言えば、それで本当に全てつかまえることができるのかというところも含めて、少し登録や届出の色合いの部分をどうやって私たちが整理するかというところがここでは少し問われてきているのかなと思います。

ただ、いずれにしても加藤先生の御発言にもあったように、監督ができているという仕組みを全体的にどう提供するか、あるいは任意の登録や届出もしていない事業者の情報をどうやって消費者に提供するかといったところもイメージしながら、少し最終的な報告書の中に落とし込んでいく努力をしてみたいと思います。ありがとうございました。

次もすごく重い議論なので、次に進めさせてください。2番のいわゆる「消費者被害の発生時における民事上の効果及び救済の在り方」の部分です。この部分については少し整理をし直しておりますから、御意見がいろいろあろうかと思います。この部分について御発言いただければと思います。

では、葛山委員、お願いします。

○葛山委員 葛山です。ありがとうございます。

今、民事効のところということでよろしいでしょうか。私法上の効果については論点をこの項に集約していただいて、検討のために非常に分かりやすくなったなと思っております。論点として、支払の留保の話と抗弁の接続の話、個別信用購入あっせんの考え方の重要な話、あと義務違反が認められる場合の私法上の効果の話という形で多岐にわたっているのですけれども、これはまとめて全部お話しさせていただいたほうがよいでしょうか。よろしいですか。

そうしましたら、基本的には私法上の効果については認めていただきたいというのが、私の立場ではございます。今、申し上げた4つございますので、なるべく短めにはお話しさせていただこうと思います。まず、1つ目の加盟店への支払の留保についてですが、消費者の苦情の申出がなされた場合に5つの類型に該当する可能性が高い場合には、一定の期間請求を留保して、加盟店調査を行って、並行して当事者間の交渉を促すという構成は、私は非常に賛成です。

理由としましては、被害救済において、特に詐欺的な取引の場合ですけれども、時間との勝負ということがございまして、資金が加盟店に清算されてしまいますと悪質加盟店というのは無資力、所在不明で回収が困難になるというところで、渡る前に止めるというのが被害回復の成否を分けるのかなと思っております。これを入れていただく場合には、制度設計として入口の要件を重たくしないようにしていただくことがよいのかなとは思っております。端的に言うと、取引の特定と事由の概要の申述というので足りるものとして、基本的には拒否しない扱いというのが望ましいのかなと思っております。

また、支払の留保と併せて請求の留保ということもセットで考えるべきかなと思っております。この点についてなのですけれども、枠組みとして完全に新しいものではなくて、従来から日本クレジット協会の自主規制規則というのが、直ちに状況調査を行って、明らかに該当しない場合を除いて調査結果を伝えるまで請求を行わない、停止期間を遅延扱いしないというのが包括の規則で定められているところでございます。

また、若干毛色が違うかもしれないのですけれども、国際ブランドのチャージバックというのは法定の制度ではございませんが、同種の機能というのが事実上大規模に運用されているのかなと思っております。決済代行が関与する取引については情報商材みたいなトラブルの多い類型について支払サイトをそもそも長く取っていて、返金対応を事実上しやすくするという実務もございますので、既にある実務対応というのを支払手段の横断で精度を高めるという位置付けの提案かなと思っておりまして、これは非常に賛成の意見を申し上げたいと思います。

あと3論点ございますので、まとめてお話しさせていただきます。抗弁の接続についても、消費者保護という観点からすると賛成でございます。資料に書かれているところで、消費者トラブルの発生から加盟店への実際の支払のタイミングまで一定の期間がある支払手段への拡張というところが論点として設定されておりますが、抗弁というのは消費者に対する請求を拒む権利ですので、適用範囲としてこれを一般論化するのであれば、消費者に対する請求・徴収が完了するまでと考える、画するというのもあり得るのかなと思っております。

実際上の問題として、精算時期というのが消費者側から見えない。事業者側の契約設計で変更可能ですので、ここを基準にすると伸び縮みしてしまうのかなと思いますので、加盟店の支払までの期間というのは先ほどの1つ目の論点の精算留保の実効性の問題として位置付ける考え方もあるのかなと思っております。

抗弁の接続について、これを制度化するかどうかで言うと、現状、最高裁の平成2年2月20日の判決がございまして、こちらは抗弁の接続というのが御承知のとおり創設的な規定であるという形にしておりますので、基本的には立法でしか解決できないところなので、この制度化というところはできる・できないというのはもちろんあるのですけれども、これはよく検討しなければならない。私の立場としては、基本的には後払い型の支払手段全般に拡張するというのが消費者保護には資すると思っております。

あと2つ論点がございまして、長くて申し訳ないのですが、3つ目として、個別信用購入あっせんの考え方の通信販売の準用というところの問題提起をしていただいております。問題提起には非常に賛成しております。問題提起を前提に、消費者保護のためにという観点のみから申し上げますと、もともとこの特商法5類を対象としたのは当時の被害類型の多くが対面型・不意打ち型の買いにあったからだという認識ではございますが、現在の被害の多くというのはSNS広告、偽サイト、詐欺的定期購入という形に移っておりますから、都度審査型の後払い決済を含め個別方式の与信というのが決済手段として多用されている以上、この5類型に限定するというのは実質的な理由はなくなっているのかなと思っております。

設計の方向性としては、準用対象として資料の例示にある形とすることが考えられるのかなと思っておりますが、一方で、勧誘概念がないという技術的な難点がございますので、ここをどうするかというところについては、これも一案ですけれども、広告や最終確認画面の表示を勧誘行為に相当するものと位置付ける考え方もあるのかなとは思っております。ただ、その際に本来であれば媒介者の法理に基づいて、この解釈でもともとの立論はされていたと思うのですけれども、それを拡張するというのが本来的には消費者保護に資するのかなと思いますが、これはあくまで消費者保護の観点のみから申し上げている視点ですので、別の検討もあり得るのかなとは思っております。

最後、4つ目の論点として、義務違反が認められる場合の私法上の効果というところでお話しさせていただきますと、私法上の効果、支払請求の制限、取消権、既払金返還、損害賠償が理屈として考えられると思うのですけれども、これはいずれも認めていただきたいというのが非常に強い私の意見ではございます。どの範囲で認めるかは別として、民事効は必要だと思っております。頂いた資料には判例法理に基づく過失責任や信義則違反に基づく責任の在り方について検討するとありますが、判例法理は存在しますが、被害者がそこに到達するハードルが非常に高いという問題があると思っております。

まず、最高裁(平成23年10月25日)がございまして、これは販売契約が無効でも立替払い契約は当然に無効とならない。特段の事情がない限り、信義則上相当とする特段の事情があるときに限り無効となるとしておりまして、この枠組みの下で非常に問題となるのが、決済事業者と加盟店の内部関係、主観的認識という立証が難しい事情を消費者側で立証しなければならない。

さらに下級審としては、加盟店管理に関して業規制・ガイドラインを媒介として私法上の義務を認めるという流れがこれは現にあります。苦情の申出を受けたカード会社の調査依頼義務を信義則上認めて損害賠償を認めた東京地裁とか、あとは電子マネー発行業者についてガイドライン所定の確認・対応を怠れば義務違反となり得ると。これは棄却になっていますけれども、規範を示した高裁判例がございます。

ただ、肯定の裁判例はあるのですけれども、3つ問題があると思っておりまして、一つとしては事業者側の認識可能性に依存すること、2つ目としては過失相殺による減額、3つ目としては私法上の義務を行政規制が直接発生させないとして、否定する裁判例というのも一定数存在するということで結論の予測可能性がありませんということなので、これを法定することは状況を安定させて、事業者側にも消費者側にも予見可能性を高めるものなのかなと思っております。

具体的な制度としては2つあると思っておりまして、1つ目としては、原因取引に無効・取消し・解除事由があって、かつ、調査義務違反等の重大な懈怠があった場合には、請求制限・取消し・既払金返還というのが1つ目の考え方としてあるのかなと思っております。これは個別信用購入あっせんの既存モデルに近いものですけれども、これをどの範囲で適用するのかというのは検討が必要かなと思います。

一方で、2つ目として、損害賠償を民事効として法定する。これは分かりやすくて、加盟店管理義務違反などを理由として不法行為責任が認められてきた裁判例からすると分かりやすくはありますが、これを法定する場合には問題となるのが因果関係と損害額の推定規定をどうするか、立証負担をどうするか、過失相殺をどうするかというところが制度設計として問題になるのかなとは思っております。

最後に、長くなりましたが実務上の課題として、義務違反の立証については相当程度の部分が事業者の内部資料に頼らざるを得ないというところがございますので、調査記録、苦情対応記録の作成・保存義務、仮にこれを外部委託したとしても義務者自身に開示義務が残ること、そして記録を保存せず提出しない場合の不利益推定というのがこの制度を機能させるためには必要な前提なのかなと思っております。

ちょっと長くなりましたが、重要な点だったのでしゃべらせていただきました。ありがとうございました。

○坂東座長 ありがとうございます。

ほかに御意見、池本委員。

○池本委員 池本です。

私の発言レジュメにも書いてありますが、今、葛山委員がよりよく全体像を民事ルールとして紹介されたので、私はその中で5ページの(1)として、加盟店への支払留保・消費者への請求留保という部分に絞ってお話ししたいと思います。

事務局資料の23ページで見ますと、加盟店の債務不履行や詐欺など違法行為が明白な場合だけでなく、クーリング・オフや未成年者取消しなど消費者側の正当な権利行使の場面について支払回避の対象とすべきであるという言葉があって、その後に苦情申出の内容が、以下に記載する可能性が高い場合には請求を留保するという記載があります。

これの読み方なのですが、この(1)は確定的な民事ルールというよりは、申出があって、その申出の中身がクーリング・オフや未成年者取消しというある意味では画一的に判断できそうな、それにも例外要件がありますから最終確定はできないのですが、そういう中身、あるいは申出の中身が非常に明らかな債務不履行ではないかという場合には、加盟店調査をして最終確定をするのを待つまでもなく、まず一旦請求留保、あるいは加盟店に対する支払の留保ということを暫定的にやって、そして一定期間のうちに調査をし、報告をする。場合によっては、消費者からのそういう申出だけれども調査した結果、あるいは販売業者側の言い分も聞いてみるとこれはちょっと成り立たないのではないかという回答も、事案によってはあり得るわけです。そういう暫定的なルールを置くことによって、この場合には特に加盟店に対する支払を一時留保するというのは同時決済のような場合にもあり得ること、同時決済といっても直接加盟店に直ちに送金するとは限らない、一旦受け取って預かって1週間後に振り込むということも、消費者から見れば同時だけれどもそういう場合もあり得るわけで、そういうときも含めて、加盟店調査をする過程で一定期間は請求留保、あるいは支払留保をするという位置付けで考えていただくとよいのではないか。

その参考として、先ほど葛山委員からも一言ありましたが、私のレジュメの6ページの囲みで、これは支払停止の抗弁の手続という形でクレジット会社にこういう手順でやりなさいということが書いてあるのですが、これは抗弁の接続が最終的に成り立つかどうかではなくて、そこに至るまでの確認調査の手順の中で一旦請求を留保しなさい、調査結果でやはり請求再開しますという場合には、その間は遅延損害金扱いにしないでくださいということが書いてあるので、まさに適切な加盟店調査、苦情適切処理義務の中の暫定的な民事ルールと捉えると理解していただきやすいのではないかと思います。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございます。

民事ルールをどこまで書き込むかというのはいろいろな議論があると思いますが、谷本委員。

○谷本委員 ありがとうございます。

具体的な規律の基本的な考え方は葛山先生、池本先生がおっしゃられたところと同じような考え方を持っているのですけれども、今回の論点の中で、先ほど葛山先生からも御発言があったところなのですけれども、与信の考え方というか、24ページに記載されている抗弁の接続のところの3行目の後ろのほうから、「消費者トラブルの発生から加盟店への実際の支払のタイミングまで一定の期間がある支払手段」と書かれているところは、全体を見させていただくと16ページの上のところ、与信の4行目、「あるいは、法形式ではなく、機能で考える」というところで、「財・サービスの提供時点と支払時点(販売事業者に支払われる時点)との間に期間を置き、又は」と書かれているのですけれども、与信というところを考えると、この支払というのはあくまで消費者が支払をするという側面ですので、決済事業者に消費者が支払うという時点のこととなり、そこでは決済事業者が販売事業者に立替払等をするということが前提になっています。そのためこの時点の後ろのほうは消費者から決済事業者に支払われる時点ということになるのかと思います。

それを前提としまして、与信というのは今回のところでも非常に重要な論点になるのではないかなと思いますが、そもそもこの販売与信については割賦販売法の2条3項1号のところで包括信用購入あっせんの定義があって、それは池本先生も今まで御発言をされてきたように、法的な形式にかかわらず与信機能を持つようなものを全て取り込むための定義だったかと思います。ただ、ここに2月を超えない範囲内のものを除くというところがあって、かつ、割賦販売法の2条4項のところで個別信用購入あっせんの定義も同じように様々なものを包括するのですけれども、やはり2月を超えない範囲内のものを除くというところがあって、定義としては、2月を超えない範囲を除くというところを外したら販売与信の多くのものを取り込むことができるような定義になっているのではないかなとは思います。

それを使うかどうかは別なのですけれども、そうしたときには過去の状況と違って現在はオンラインでの取引が通常になっている中で、過去には一定の金額の物について一定の金額を支払うような原因取引について与信を行うようなものについては、確かに2月を超えない範囲内ではなくて長期間にわたって支払わないと支払ができないような状況が前提となっていたと思いますけれども、現在は問題状況を見てもオンラインで小額・多数回で支払ができるような、それについても多数の与信を受けることができるような取引状況に変わっているというところを考えると、この2月を超えないとか、金額制限というところについては一定の見直しが必要なのだろうという考え方の下に、今回も後払い決済などが問題対象として挙がってきているのだとは思います。

というところで、この与信というものをどのように捉えるのかというところを、割賦販売法のような規定の方式ではなくてもう少し違う方式が必要なのだということであれば、その必要となるような理由と、どのような法形式、機能で捉えて一定の姿というのを見せるのかということが必要になるかなとは思います。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございます。

この問題も今回挙げた議論の中で、恐らく今の先生方の御発言を聞いていても、いわゆる通信販売について一定の考え方を広げていかなければ、決済に関して議論をするときにいろいろな課題を残すだけになるというのは間違いないのだろうと思うのですが、そのほかのところをどこまで踏み込めるのかということについては、踏み込み方、実効性の確保に関わる部分も含めて少しまだ議論が残っているかなと感じております。

どうしましょうか。

○池本委員 度々すみません、池本ですが、今、谷本委員から提起のあった2月を超えるものと超えないものという線引きの見直しという話がありましたが、それに関連して1点だけ、私のレジュメの12ページで触れておいたのですが、2月内払い、これは後払い決済が2月内払いですが、これについて記述が必要だという問題提起の中の論点なのですが、2月内払いを入れるとなると、1日後に払うのでもこれに当たるのか。むしろデビット決済は即時払いと言われていますけれども、銀行の振込が休日はできない、土日にできないとなると、2から3日後に払われてもデビット決済だと社会の中では整理されている。

実はこういう議論は2013年に日弁連でクレジットカード取引の適正化実現のための意見書というのを出して、当時、審議の中で問題提起したのですが、当時はクレジットカード決済そのものでの苦情はそれほど発生率が高くないからということでその辺の論点にあまり入らないで終わってしまったのですが、私たちは今の線引きの言わば裾切りの線引きをきちんと決めておかなければ制度として動いていかないというので、今のような数日遅れというものは後払い与信と見るのかどうかということなども含めて1週間未満の期間を除くと。その1週間が確定的にこれ以外一日も前後動けないという意味ではないのですが、そういう機能で線引きをする必要はあるだろうと思っています。

ただ、加盟店調査義務のように同時払いも前払も後払いもこういう点はきちんとやってくださいというのをまさに共通のプリンシプルとして提起していくところについては、実はあまりこれは影響はない。民事ルール、例えば支払停止の抗弁となると、それは後払いに向けた制度だとなるとやはり線引きがはっきりしていなくてはいけないという問題になるのではないかと思います。そういう辺りは確定値を提示するというよりは、その義務付けやルールとの関係で一定の線引きが必要であるという問題指摘はできるのではないかと思います。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございます。

恐らく民事効のところも、どこまで必要なものと問題提起ができるのかということと、それをどう整理するかというのは少し考えさせていただければと思います。

この議論も時間がかかるのですが、ほかの部分についても御意見をいただきたいものですから、この部分が第8のところの3の後払い決済と4の生活基盤サービス停止に関する運営ルールの整備という部分に記載がなされています。この点についても御意見をいただければと思います。

それでは、森下先生。

○森下座長代理 ありがとうございます。

生活基盤サービス停止のところは、この調査会としては比較的序盤に主として仮にキャリア決済を念頭に置いて、一定のしっかりとしたレベルでのルール付けがなされるべきではないかということについてはコンセンサスがあって、プリンシプル5でもそのように示されていますので、それに向けたもうちょっと具体的な御提案というのができるものではないかなと考えております。

関連して、先ほど池本先生からも後払いの範囲についてお話がありました。1週間か2週間かというのはプリンシプルの4とも関係してくる非常に重要な、しかも難しい課題だと思っていますので、どこら辺が合理的なのかというのはある程度考え方の示唆などをほかの御経験ある先生方からお示しいただくといいのかなと思っています。

あとは、さっきの民事的な話ですけれども、一つ重要だと思いましたのは、留保は救済というよりもトラブルの処理の一環で当然考慮されるべきツールとして位置付けるべきなのだというお話が池本委員からあったと思うのですけれども、そこはそういう形で整理をしたらいいのかなと思いましたのと、あとは抗弁の接続については、同じような考え方が無理なく当てはめられるところはどこかというのはもうちょっと検討してもいいのかなと思っていまして、私個人としてはこの調査会で割と議論になったのが定期購入だったと思うのですけれども、定期購入などはトラブルが発生してからやはり止めたいという、止めるタイミングまで割と時間があるような気もしていまして、そこも含めて適用の範囲を考えることは考えられるように思います。

あとは個別信用購入も、ここら辺は割賦販売法にあるような考え方をどこまで本当に拡張するのがいいと思うのかをもうちょっと具体的にして、しかもその拡張するときに微修正が必要な部分があるのだったら多少触れるという形で整理をすると考えやすいのかなと思っています。

あと民事効は、最後の義務違反のところは不法行為の改正などになると本当に大変なので、どういう考え方、どういう提案の仕方をするかというのは考えどころかなと思います。消費者契約法に関しては池本先生のペーパーでコメントがなされていましたけれども、消費者契約法という枠組みの中で何か今の明らかな、例えば立証責任の転換的な部分とか、そのような具体的な提案ができるのであれば、まだもうちょっと現実的かなと思いますけれども、あるいは学説、判例の展開を期待するというのも一つかもしれませんし、そこら辺はもうちょっと絞っていってもいいのかなという気はいたしますけれども、大分具体的になってきたのかなと思っております。

長々と失礼しました。

○坂東座長 民事効のところは、恐らく民事効がないという議論ではないわけで、明らかに一定の場合にあるのだけれども、それが決済の場面でどこまで共通の課題として言えるのかというのは少し慎重に整理しなくてはいけないところもあるのかなと思っています。その辺りはもうちょっと考えてみる必要があるかなと思います。いつまでも先延ばしで申し訳ありません。

私どもは後払いと、それから先ほど言ったキャリア決済については中間整理の段階でも問題点があると言い、それから、表現が難しいですが、そこにいわゆる先ほどの登録などの行政規制がちゃんとかかっていないということがあり、さらに事業者の方に来ていただいてヒアリングもしました。そういう中でどういう御認識を持ってどういう対応をしているかということについての課題みたいなことも整理をできたと思います。

その範囲で、変な言い方ですが、プリンシプルの基本原則を踏まえつつも、言わば8のところで抜き出して、わざわざ2つについては少し記述をしようという趣旨であろうかと思うのですが、その点についてはそういう方向性のまとめ方でよろしいですか。8のところで抜き出しをするという考え方です。恐らく読み込んでいただければそれまでのプリンシプルで抜き出しをしなくてもそういうことなのだねというのは分かるといえば分かるのですが、ただ、ややこの間対応してきた経緯等を考えると、少し踏み込む必要があるのではないか。

後払い決済については、前回までの議論やそういったものを踏まえて一定の整理をしていただいているのですが、方向性としてはこういう考え方で整理をしていくということでよろしいでしょうか。

分かりました。では、この点についてはそうやってまとめていきたいと思います。

気付くとあっという間にもう時間が来ておるのですが、もう一つ、今日は大切な議論をしなさいと御指示を受けておるのですが、もう20分しかなくてちょっと焦っています。3番のところのプリンシプルを実効性あるものとしていくための取組について、消費者被害の発生実態や取引環境の変化を踏まえて消費者の視点から見た具体的なアイデアを出していってくださいということが書いてあって、要するにプリンシプル1からプリンシプル4までの間にそれぞれもう少し踏み込んだ提案ができないだろうかということがここに記載されております。この部分についても率直な御意見を皆様方からいただきたいと思っています。限られた時間で大変恐縮ですが、まず(2)の「行為規範(対応の方向性)」について、例えばこういうことが考えられるのではないかといった点があれば、御発言をいただきたいと思います。プリンシプル1の(2)です。8ページです。

お願いします。

○森下座長代理 ありがとうございます。森下です。

今回、いろいろな御意見でこういうことが考えられるのではないかという御提案をいただいていますので、それを一度整理して、少なくともこういった情報は開示される必要があるのではないかということを整理してみたらいいのではないかと思っています。

オンライン環境ということがあるので、非常に大量の情報がどっと出てきてもなかなか消化し切れないという問題は切実な問題だと思うのですけれども、これは先ほどの消費者契約とも関係してくる部分があると思いますけれども、何か提言できることがあれば、そこはもう一歩踏み込めると非常にいいのかなとは思います。

あと、今日の最初の消費者教育の話とも関係するのですけれども、トラブルがあったときにここに相談をしなさいということが非常に分かりやすく表示されている消費者決済向けサイトがどれぐらいあるかというのは私自身は調査できていないのですけれども、少なくともそれがあれば何らかのステップを踏み出せるという、何となく今日お話をお伺いしていてそのような印象を抱きましたので、仮にスペースがなかったとしても何かトラブったというときの相談先が非常にクリアに示されていると、そうすれば後で説明を見直すとか、何にしても一歩進めることができますので、泣き寝入りは少なくともしなくてよくなりますので、その部分だけはプライオリティーを持って伝えていただくという形で少しメッセージを出すというやり方はあるのかなと感じました。

すみません、長くなりました。以上です。

○坂東座長 永沢委員。

○永沢委員 今、森下先生からお話があった関連の発言となりますが、私はNACSでも活動しておりまして、毎年10月に通販広告の調査を2週間にわたってやっております。先ほどお話があった標準化に関して、通販広告にはこういうことを載せなさいということが決められていますが、調査しましてもそういうことはみんな掲載されているのですよ。しかし、スクロールをしてずっと下に行かなければ見つからないものが多いのが実状です。したがいまして、標準化ももちろん必要ですが、私たち消費者が一般に忙しく日常生活を送っている状況の中で認知できるようなのはどういうものなのかを専門的に研究していただく必要があり、この専門調査会で私たちだけで議論していて大丈夫かという問題意識もあります。デジタル化が進む環境下での人間の認知がどうなっているのかを、専門家の方を集めていただいて、この専門調査会とは別の場で検討されるべきだと思います。標準化はすごく大事だと思うのですけれども、標準化を行うに当たって、認知行動学などの専門家から知見をいただく必要があると思います。

いずれにしてもお伝えしたいことは、こういうことを載せてくださいというだけでは駄目で、どうしたら普通に生活している消費者の視界に入るのか、そうした観点からの標準化が必要だろうと思いますし、目に入ればそれで分かるのかというところもまた疑問なところがありますので、さらにもう一歩検討していただく必要があるかなとは思いますが、森下先生のお話に触発されて申し上げたかったことは、法律上には何も違法はないという状況が今の状況ですということになります。

そうかといって、このように表示しなさいと法律で事細かく決めるものなのかという思いもあります。世の中で標準化の取組がいろいろ行われていますので、民と官との連携した活動として進めていってはどうかと思います。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございます。

8ページにこういった情報が適切な支払手段の選択を支える情報提供として例示されているのですが、この中にも恐らく契約書の前提となるような約款条項みたいなところで規定されるような話と、個別の契約の内容の話があるようにも思います。それをざっと情報提供されても私も困るよなと思うところもあるので、情報提供の在り方自体も含めて少し考えなくてはいけない。

それから、もう既に意見書を出していただいている中で、例えばこれからは高齢者の方や障害者の方も決済方法としてこういったことを利用することを考えると、そういう方々に分かりやすい表示みたいなことも考えなければいけないのではないかという御意見もあります。また、これはいわゆる技術的な対応といいましょうか、そういったものの進化の中で、調べれば確実に調べられるということ、それから消費者教育との関係でいくと、先ほど森下先生がおっしゃっていただいたとおりですが、トラブルがあったときに連絡する場所が比較的分かりやすくたどり着けるという辺りも含めて少し整理ができるといいのかなと思います。意見書で書いていただいたことも改めて確認をして、少し整理をさせていただこうと思います。

すみません、時間がないものですから焦っていますが、10ページにあるプリンシプル2に関する部分ですが、ここでも「行為規範(対応の方向性)」というところが記載されています。要するに、これは加盟店調査に関わるような部分ですけれども、初期調査、定期調査、随時調査ということが書いてあって、それの実効性をちゃんと確保するためにどういう観点があるかということについて、もしアイデアがあれば出していただきたいということがされているのですが、この部分について御意見はいかがでしょうか。

池本委員、お願いします。

○池本委員 池本です。

実はこの問いかけに対してどう答えるかというのをつらつら考えたのですが、名案が浮かばないというのが正直なところなのです。先ほどの情報提供を何がというのは受け止める側としてこれはやはり最優先で欲しいよねというのは言えるのですが、調査方法はむしろ事業者に聞いてみないと分からないのです。そこで、一つ手法の問題として参考になるかなと思うことは、私のレジュメではそこまで書いていないのですが、クレジットカードの不正利用、セキュリティーの問題を先般から議論しているときに、不正利用はその手口が毎年毎年しょっちゅう変わっていく。法律や省令そのものにこれとこれとこれをしなさいと書けば、そのさらに抜け道を考えるに決まっているわけで、そこはある意味では、安全管理はこういうことを満たすことをやりなさいという抽象的な規範だけ書いて、その下にというか、運用面でクレジットの業界団体や販売業者などの業界団体から入った任意団体をつくって、今、こういうトラブル、こういう不正利用が出ているという情報交換をしてセキュリティーのガイドラインを毎年更新しているのです。そういう形で一定の水準のものをつくるというのを省令の中には規範として抽象的に書いてあるというやり方を取っています。

その辺りはもう一回正確な表現なり視点をまた紹介したいと思うのですが、そういう手法で、特にここの調査の手法というところについては私たちからこれとこれとこうしなさいというのは決め打ちできない代わりに、ルール化の手法ということで提案できるのではないかと思います。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございます。

11ページに、さらにこの点に加えて「加盟店情報交換制度の拡充及び適切な運営の確保」という形で②と書かれていて、これも加盟店情報交換制度への参加自体を可能な限り支払関連事業者全体に拡大することが必要ではないかと書かれておるのですが、この点についての御意見というのはどうでしょう。もしあれば、伺わせていただければと思います。

そうしたら、葛山委員、お願いします。

○葛山委員 一言だけ。基本的には消費者保護の観点からという意見でずっと申し上げているのですけれども、賛成ですという意見ですが、参加させるのであれば登録制というところが必要になるのかなと思っておりますので、登録・照会の義務化などについてはやはり登録制が前提となりますので、これも最初の論点の登録制の範囲をどこまでにするべきかというところと絡んでくる論点で、併せて考える必要があるのかなというところだけ申し上げたいと思います。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございました。

加盟店調査等の関係で言えば割販法にきちんとした整理がなされていて、ただ一方で、にもかかわらず、それなりに、クレジット協会のお話を伺っても誠実に御対応いただいているのだけれども、でも様々なトラブルが無くならないという事実もある。そうすると、3つの調査の中ではいわゆる随時調査と呼ばれている消費者の苦情をきっかけとするような加盟店調査の再確認の辺りが今のやり方で十分にできているのか、あるいは必ずしもそれが実施される基準が、先ほど池本委員の御発言にもありましたが、必ずしも明確ではないところがありますから、この辺りについてもひょっとするとこうあってほしいなというアイデアがあれば、少し出していくことも必要かなと思っています。ですので、そこはもう時間がないので次回以降にもし何かお気付きの点があれば、意見書等で追記いただけると有り難いなと思っております。

そうしたら、細谷委員、御意見いただきます。

○細谷委員 お時間がないところすみません。随時調査についてなのですけれども、消費者センターとの苦情等を契機としてというところもあったので、意見させていただきます。

加盟店調査等も含めて、消費者センターで問題だと思うような事業者の温度感と事業者団体が問題だというところの温度感にずれが生じていると感じております。事業者団体においては消費者団体や消費生活相談員の団体などと意見交換等をして、そこら辺のギャップを埋めようとする努力等もしていらっしゃると思います。その調査をする上では、調査する人の資質向上、スキルアップとか、どういうところが表示されてあればいいとか、言ったとおりにやっているというところではなくて、なかなか文面ではできないようなところに問題点があるとは思うので、随時消費者センター等と連携をするというところがポイントではないかなと思っております。

○坂東座長 ありがとうございます。御指摘のとおりかなと思います。

もう一つだけやらせてください。プリンシプルの3のところの行為規範の部分についても御意見をいただければと思います。3はいわゆる苦情の適切処理義務に関してで、13ページから対応の方向性ということが記載されています。その中で、1番、それから論点のところでは2番にかなり詳しくいろいろ書かれておるのですが、意見書の中でも幾つかの御意見は承っているので、それを踏まえてまた整理をするにしても、改めてこの機会に御発言いただけることがあれば、2から3にとどまると思いますが、承りたいと思います。

宮園委員、お願いします。

○宮園委員 ありがとうございます。NACSの宮園です。

高齢者や外国人についての話が今回出てきていたので、実際に発達障害がある方の支援や外国人の支援をすることがありますので、実際の経験から付け加えさせていただきました。なかなか電話で本人が事業者に問い合わせても、本当にうまくコミュニケーションできないということは少なくありません。そのため、意見書に書かせていただいたのですが、本人でないと駄目だというのではなく、同意があれば、包括支援センターかもしれないし、発達障害者支援センターの方かもしれないし、また別の行政機関かもしれませんが、そういったところが紛争解決に関われるといったことも体制として整備していただければと思います。

それからまた、外国人に対しては、単に訳されても根っこのところが理解できなくてトラブルになるということもありますので、そこは文化的なものもありますので、より支援者の関与が必要だと思いますので、その辺りも本人ではないからとシャットダウンするのではなく考えていただけるような整備をしていただきたいなと思います。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございました。

私の時間管理が下手でもう時間がないのですが、あと5分だけ時間をください。4番のところの過剰与信の問題についても、過剰与信防止規制の適用範囲について少し御意見もいただいているところですが、この機会にもう一度確認ができれば有り難いなと思っております。基本的には過剰与信の問題を今回の決済の問題との評価のところで考える場合には、法形式ではなくて改めて機能で整理をする。機能で整理をする範囲で過剰与信の問題が実際に生じていることについての一定の提言をするという方向性で整理をしたいと考えておるのですが、この点についての御意見があれば承りたいと思います。

○池本委員 池本です。

今、御指摘のあったところの過剰与信の問題だけではなくて、後払い決済を規律対象にするときの課題というのを考えているときに、私のレジュメでは12から13ページ、特に13ページの最後の辺りで触れているのですが、過剰与信の調査義務、もっと言うと個別の苦情の適切処理義務、さらには民事効をどうするか、それぞれについて一律の基準ではないのですが、同じ問題があるのは、ネット上の取引は少額の決済を繰り返す。例えばゲームサイトでそれこそ毎日子供が使って数百円だか2,000から3,000円だか、しかしそれを毎日使っていると何万円にもなるという問題があるわけです。割賦販売法は、抗弁接続の制度についてはそれを受けたクレジット会社側の対応との関係で4万円以上のものを適用対象にして、それ以下は除外するとしているのですね。それをそのままネット取引に当てはめたら、ほとんどの後払い決済はそれこそ数千円から2から3万が大半ですから、全部外れてしまう。

実はこの問題も先ほど話題にした日弁連で2013年、当時ネットの被害が増えてきたときに議論したのですが、それが私のレジュメの最後の辺りに書いてあることなのです。ゲームサイトにしろ、あるいは定期購入的なものにしろ、同一月内における同一加盟店の反復・継続する取引が合計4万円以上になる場合には適用対象にすべきであるとか、4万円というのがほかの行政規制、過剰与信などに全部当てはまるというわけではないのでしょうが、過剰与信規制について3,000円、5,000円でもその都度信用情報を見なさいというのは現実的ではないと思いますが、同じ人が繰り返していってトータルが一定額以上になるのであれば、その時点では調査しなさいという反復・継続するネット取引の特性に合わせた線引きというのは考えてみる必要があるのではないかと思います。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございました。

現在の法律では割販法と貸金業法という2つの法律が過剰与信に関わる規定を持っていて、少し中身が違いますね。割販法の規定というのをいわゆる後払い的な決済の問題のときに、この文章でいけば適切に拡張するということは一つ考えられるのかもしれません。

ただ、もちろんその場合も信用情報へのアクセスの問題をどう考えるかという問題が残っているかなと思います。もう一つは、要するに貸金業法になるといわゆる総量規制の問題などがあって、今度は年収の提出義務といったものが一方で出てくるわけです。それが例えば後払い決済みたいなときにそこまでやるかという問題はやはりあるだろうと思います。

そういったところも含めて、ここでどこまで具体的に議論をすべきなのか、それとも今回のこの文章でいけば現行の割賦販売法、または貸金業法の考え方を適切に拡張するなどして過剰与信の防止に関する措置を講ずることが必要であるという書き方までしていいのかどうか、その辺りも全体のバランスも考えて最終的に御意見いただければと思います。

谷本委員。

○谷本委員 ありがとうございます。

多重債務の問題は重要な問題と私も認識しております。ただ、現在の法規制の下、消費者が債務を積み上げていくというところで一体どういう状況にあるのかと考えたときに、割販法の規制の下にあるクレジットによる債務が発生した後に、銀行ローンでお金を借りましたというときにそのクレジット債務が考慮されるのかというと、そうではないと思います。銀行ローンを借りた後に貸金業者からお金を借りましたというときにも、その貸金業者の下でそれまで積み上げてきた残債務が考慮されるのかといったらそうではないと思います。その後に後払い決済で債務を積み上げたというときに、最後の後払い決済のところだけで多重債務の防止をするのか、最後の砦だからという考え方ももしかしたらあるかもしれないのですけれども、この問題というのは後払い決済が最後の多重債務への後押しをするという結果が出ているのであれば、それも考慮する必要がもしかしてあるのかもしれないのですけれども、消費者の債務が割販法や貸金業法で規制されている与信に基づく債務の積み上がり方の現在の構造からすると、そこはどう考えるのかというのは難しいかなと私自身は思っております。

以上です。

○坂東座長 ありがとうございました。

本来であればもっと議論の時間を確保しなくてはいけないのですが、私が十分な対応ができなかったので御迷惑をかけてすみません。予定の時間を過ぎておりますので、今回の議論はここで終わりにしたいと思います。委員の皆様におかれましては、活発に御議論いただきましてありがとうございました。

≪3.閉会≫

○坂東座長 それでは、事務局から何か事務連絡があれば、お願いいたします。

○友行参事官 長時間にわたりまして誠にありがとうございました。

次回の会合につきましては、確定次第、御連絡させていただきます。

以上です。

○坂東座長 それでは、本日の議論はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。

(以上)