第2回 オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会 議事録

日時

2018年6月15日(金)15:00~17:45

場所

消費者委員会会議室
東京都千代田区霞が関3-1-1 (中央合同庁舎第4号館8階)

出席者

【専門委員】
中田座長、早川座長代理、生貝委員、石原委員、大谷委員、大橋委員、片岡委員、城委員、西村委員、畠委員、原田委員、前田委員、森委員
【消費者委員会担当委員】
大森委員、樋口委員
【事務局】
黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官、友行企画官

議事次第

  1. 開会
  2. 前回の議論の概要
  3. ヒアリング(1)
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○中田座長 それでは、ただいまから、第2回「オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会」を開催します。

最初の資料の確認をお願いします。

○友行企画官 配布資料でございますけれども、最初の議事次第の下のところに資料1から資料5までございますので、もし不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますようお願いいたします。


≪2.前回の議論の概要≫

○中田座長 今日は前回の議論をまとめさせていただいています。事務局から資料1が出ていますので、それについての説明をお願いします。

○友行企画官 それでは、資料1を御覧いただけますでしょうか。前回、様々な御議論をいただきまして、事務局のほうで検討対象に関するものと、検討項目に関するものということで整理させていただいております。

1ページ目でございますが、様々な意見をいただいたものを整理しております。1ページ目からは検討対象に関する意見でございまして、最初の○のところでございますが、最初から検討対象をあまり絞らずに、何が困っているか、あるいは何が困り得るかというところを、少なくとも入り口はしっかり広くとって、現実を偏りなく把握していくべきではないかという意見がございました。

次のところでございますが、BtoCのプラットフォームは成熟してきており、安全性よりもいかに親切にするかで競争している部分もある。消費者に選んでもらうためにどこをきちんとアピールする必要があるか、最終的に安全な取引のためにはどのような問題などがあるかは幅広に確認したほうがいいというような御意見もいただきました。

それから、利用規約等で既にルールが明確になっているのか、明確であるが広まっていないのかなど、慎重な、又は幅広い検討が必要ではないかという御意見もいただきました。

1ページ目の一番下でございますが、プラットフォームは多種多様なため、全てに当てはまるルールは難しいのではないかといったような御意見もいただきました。

2ページ目でございますけれども、消費者は、何を支払っているか等わからない状態でプラットフォームのサービスを使っているという場合もある。データに関する条件を理解した上でサービスを選んでもらうためにはどうしたらよいかという視点は非常に重要ではないかというような意見もございました。

情報収集とか問題意識を共有することは賛成だけれども、検討対象に様々なものを入れると全体の検討がインフレ化する可能性もあるので、検討対象はまずかたいところからというところもあるのではないかといったような御意見もいただいております。

それと、消費者のプライバシーを保護する議論も可能となるよう、SNS等のプラットフォームも検討対象に入れたほうがいいのではないかという御意見もいただいております。

最後の○でございますが、ツイッター等のSNS上で発生しているトラブルは、今回専門調査会に参加していただいているようなプラットフォーム事業者様の上では取引できないものが売られていることも考えられるので、こういった問題についても議論すべきではないかといったような御議論もいただいたところでございます。

3ページ目からは、検討項目に関するものという形で便宜的にといいますか、一通り整理させていただいております。

マル1からマル7で一応柱立てをしておりまして、最初のところにつきましては、「『消費者』について」でございます。ルールや仕組み等を検討するに当たって、どういった消費者をターゲットにするかということを考えていくのがよいのではないかということでございまして、プラットフォーム運用者が手厚く対応することによって、かえってプラットフォームが使いづらくなることもあるのではないかという意見をいただいております。

それから、消費者が自らサイトを立ち上げて商品・役務を提供することには相応のリスクがあると。そのため、プラットフォームが重要な役割を担っていくべきと考えるといったような御意見もいただいております。

それから、例えば育休中の方が自宅で何かをつくって販売する場合に、特商法に関する規定により、氏名や住所を公開することが果たして妥当かというような御意見もございました。

それから、いわゆる消費者の中には、スモールBの人というような形に分類できるような場合もあるのではないかという御意見をいただいたところでございます。

4ページ目、マル2でございますが、例えば「オンラインプラットフォームの透明性・個人情報保護等」というくくりにした場合に、消費者のプライバシーや個人情報の保護が重要ではないかというような視点や、利用者とプラットフォーム運用者との保有情報の隔たりや格差といったことをどのように統制していって、透明性を確保していくかというようなことも論点として挙げていただいたところでございます。

それから、一回自分のデータが大量に蓄積されると、それを持ち出さない限りほかのサービスに移行できない場合があるといった視点も指摘がございました。

それから、自分の何が分析され、どういうバイアスがかかっている情報が提供されているかを消費者が知ることは重要ではないかといったような御議論もあったところでございます。

5ページ目に参りますけれども、一番上の○のところは、GDPRの推移を慎重に見守る必要があるのではないかというような御議論がございまして、これはEUの一般データ保護規則の頭文字でございますが、そこはもしかすると「グローバルな視点」のところに関係してくることかもしれませんが、そういった御議論もございました。

それから、日本でプロファイリングをどこまで認めるかといったことや、又はプライバシーとの関係で、産業政策と個人情報保護のバランスをどのようにとるかという問題もあるのではないかといった御指摘があったところでございます。

マル3は「グローバルな視点」というところでくくっておりまして、まさに日本国内だけでなく、グローバルな状況を前提にすべきだという御議論ですとか、あとは日本の消費者市場に入ってくる海外の事業者に対しても、日本の消費者保護のルールを同じように適用していくべきではないかという提起がございました。

3つ目の○につきましては、法務省、外務省、経産省など様々な官庁が関わっているというところで、国際的にどのような問題が存在して、日本の課題はどこにあるかといったことを情報共有することも必要ではないかという御意見がございました。

6ページ目は「ルール・仕組み」ということで一旦くくっておりますけれども、例えば最初のところでございますが、消費者が今どの程度の法的知識や情報等を持っていて、何を望んでいるかを認識すべきではないかといった御意見がございました。

利用者、プラットフォーム運用者のどちらかに過度な負担がかかるようなサービスやルールづくりは好ましくないといった御意見もございました。

自主規制と法律を組み合わせた共同規制というような御発言もございました。

次のところですが、プラットフォーム運用者がどう自律的に行動しているかを受けて、シェアリングエコノミー・モデルガイドラインを策定した上で自主ルールを策定し、シェアリングエコノミー認証制度を始めているといったような御紹介もございました。

それから、国際的な紛争に消費者が巻き込まれた場合の対応として、プラットフォーム運用者が責任を持って解決する、あるいは、国連等の認証を受けたODRが責任を持って解決するといったことも考えられるのではないかという御意見がございました。

また、利用者が安心して使えるよう、トラストマークのようなもの、例えばISOの認証と同様のものを、オンライン取引などについても与えられるべきではないか。その場合、ルール設定やコスト等の視点も重要ではないかという御提案、御発言もございました。

7ページ目でございますけれども、マル5といたしまして「オンラインプラットフォームに期待する対応」というくくりにしてございますが、プラットフォーム運用者は、取引上のトラブルにもう少し積極的に介入していただきたい。例えば、消費者は、プラットフォームのブランド力に引かれて利用している部分があるといった御指摘や、その期待にどの程度応えてもらえるかが分かるよう、指針を示していただけたらありがたいと思っているという御発言もございました。

多様化するプラットフォームの中から利用者が自分に合うプラットフォームを選ぶことができるよう、見分け方のポイントなどについても検討してはどうかといった御意見もございました。

マル6は「消費者のリテラシー、教育・啓発」というところでくくっておりますが、消費者のリテラシーを高めるためにできることはないかといった御発言がございましたり、また、今の消費者は国際取引等に対してあまりに無防備であって、トラブル時に救済できない場合もある。実効性のある消費者への教育・啓発活動を検討・実施することが重要だという御意見もございました。

マル7でございますが、「国・行政」が果たすべき役割も大きいといったような御指摘もあったところでございます。

以上でございます。

○中田座長 ありがとうございました。

事務局からは、前回、議事の中で出た御意見をある程度項目ごとに整理していただいたということだと思います。

少し補足的なのですけれども、私のほうから全体的な議論の方向を整理していきたいと思っています。その後、皆様から御議論していただくということを考えています。ただ、検討対象そのものについては、今からヒアリングを何回しますので、その後、焦点を絞っていくというような形も十分考えられます。今の時点でもそういうふうに考えていることを誤解のないようにお話ししておきたいと思います。

議論の中で、検討対象の説明とその確定というか、そのアプローチをどのようにしていくかということで、事務局案ではショッピングモールとかシェアリングサービス、オークション、フリーマーケットという、いわゆるマッチング型を中心にということで御提案させていただいたわけです。その理由は、検討時間とか人的、マンパワーの問題の制約、あるいは現実の取引被害というところを重視する、そのような理由があったのではないかと思います。

他方で、検討対象を非マッチング型も含めて広く見ていくという立場もあったと思います。そもそもプラットフォームを考えるときに検討対象がマッチング型だけでは狭いという意見というか見方だということで、プラットフォーム取引自体は多様であるということを前提にしています。そういう意味で、マッチング型と非マッチング型の区別自体もそれほど明確ではないところもあるのではないかと思います。

そのほか、特に現在の取引被害という実態からだけではプラットフォームの問題の根底にある個人情報の問題などが十分に捉えられないのではないかという議論もあったと思います。

重要なこととして、取引類型を分析していくときに、潜在的な問題点の洗い出しは大切ではないかと思います。それをしないとプラットフォーム取引の問題点を確認したことにならないという意見が出ましたが、そういう意味で対象を広げるという見方です。

ただ、それぞれの立場が対立しているということではなく、どのあたりを出発点として捉えていこうかというアプローチの違いではないか。方法論的なところもあるかもしれませんがも、全体として非マッチング型のプラットフォーム取引の問題点というのはある程度共有されているのではないかと思いますし、そこで消費者被害が生じているということであれば、マッチング型と共通する問題点があるかもしれません。それが根本的な問題を生じさせているという想定ができるのであれば、この意味で、両方の問題点を扱うことがあっていいのではないかと思います。そういう方向性から考えますと、プラットフォームにおける取引の問題点の全体像を描くということも、我々の調査会のタスクの一つに入れることは十分検討に値するのではないかと思います。

消費者像については、一般的に消費者像を考えるときには、素人の消費者という言葉が出てきたのですけれども、当該の取引における平均的な消費者というのが前提になるだろうと思います。ただ、定型的に特に保護を要する消費者というのが存在していまして、判断能力が十分でない若年者層、あるいは判断能力をだんだんと失っていく高齢者層、この2つは定型的に保護を要する消費者ではないかと思いますので、これについての配慮は十分必要だろう。

ただ、さらに絞って、特殊な事情において保護を要する消費者というのが出てくることがあります。消費者が意図的に特定の弱点を持つ消費者をターゲットにするというような広告その他の宣伝も含めてですが、そういった消費者に対してどのような手当てができるかというのは考えていかなければいけないだろうと思います。

また、レベルの高い消費者もやはりいて、保護をすることによって、その人たちの負担を増やすことにならないかということはありますが、ただ、プロでも失敗をする。株の操作でもそういう事例がありましたが、そういうヒューマンエラーというものは誰にでも起こり得るので、そういったレベルでの保護も十分考えておく必要があるだろうと思われます。

CtoC、BtoCという分け方はよく出てきますが、プラットフォーム利用者としての消費者保護という観点が必要かと思います。消費者というのは物を買うので買主だという発想が強いのですが、プラットフォームとの関係でいえば、売主として、つまりプラットフォーム運営者とその利用者としての消費者という側面があると思われます。つまり、買主としての消費者という側面もありますし、売主としての消費者という側面もある。そこで、個人がそのプラットフォームを利用するときに個人情報を提供し、あるいは商品の情報を得る、また、その評価をするという、そういった問題が出てきているのではないか。それっはプラットフォームからの情報提供という問題として現れます。また、情報の真実性の確保というような観点からの問題もあるのではないかと思います。

また、プラットフォームが利用者から情報を収集するという側面も出てきます。そういう利用者に対してプラットフォームはどのように関与し、そこでどのように個人情報の安全を確保するのかといった問題もあるのではないかという感じを持っております。

消費者被害あるいは救済のためのフレームワークをどのようにしていくのかということが議論されていたのではないかと思います。実体的ルールを整備していくという形もありますし、救済方法の実効化という問題もあります。ADRもそうですが、そういう両方のアプローチが重要ではないかと思っています。まずは権利を確認するとともに、その実現方法をしっかり考えていくという考え方ではないかと思います。

こういうプラットフォームを法的に規律するだけでは十分な成果を上げられないのではないかという指摘もありましたので、第三者的な立場の審査機構みたいなものについてどのように考えていくのかも大事ではないか。とりわけ広告については、そのあり方について大きな問題が出てきているようにも思われますので、そういった広告手法等についての審査をどのようにしていくのかは大切な点かなと感じました。

皆様からの議論をどういう視点で整理していくか、また論点は、今、私が話したことで全てということでは全然ないわけで、今からヒアリングをしていきますので、何回かそういう問題点の洗い出しをやって、どういうことを重点的に議論していくのが適切かということを考えていきたいと思っています。

私のほうから簡単に整理をしましたけれども、何か御意見をいただければと思いますが、よろしいですか。

では、今日は議題というか、やるべきことがたくさんありまして、1時間半ぐらいたったら一回休憩をとりますが、連続して議事を進行していくことになります。

≪3.ヒアリング(1)≫

○中田座長 それでは、次の議題はヒアリングということです。前回の専門調査会における意見交換の中で、消費者からどのような相談があるのか、どのような問題が起きているのかを明らかにしてほしいということが指摘されていました。先ほど紹介したように、割と幅広く問題を捉えていくことも大事ではないかという御意見もあり、オンラインプラットフォームをめぐってどのような消費者相談があるのかという現状について、また、それがどのような形で解決されているのかにつきまして、大谷委員、西村委員、原田委員の順番で、順次説明をお願いします。時間の関係で、すべての説明をお受けしてから質疑応答を始めさせていただきます。

それでは、大谷委員から、資料2について説明をお願いしたいと思います。

○大谷委員 一般財団法人日本消費者協会の大谷といいます。私は、日頃、消費生活センターで相談業務を受けております。その観点から、オンラインプラットフォームをめぐる取引でどんな御相談が寄せられているのかということを中心に御報告させていただこうと思っております。

資料2を御覧ください。資料2に、私の勤めている消費者センターの協力を得まして、具体的にどんな相談が寄せられているかというのを幾つかにまとめております。消費者被害の実態ということで、相談は、ショッピングモール型、オークション・フリマ型、マッチング型という3つに大きく分けて、今回は事案を出させていただいています。

まず、1番目のショッピングモール型なのですが、これはもうショッピングモールが登場してすごく歴史もあるということで、相談自体はここに集中して多いということはあまりないかと思います。ただ、いまだにショッピングモールで物を買ったというような形で出てくるトラブル、商品が届かないとか、遅延していてなかなか手元に届かないといったことから、頼んだものと違っているのではないかという品質の問題まで、様々なものが入ってきておりますが、どちらかというと、出品している販売業者との間のトラブルという形での御相談が多いかと思います。

マル1のように、例えばショッピングモールで注文した商品が届かないなと思っていたら、モールのほうから連絡が来て、もうそのお店は閉店してしまったのだという連絡が入って、何とか被害を回復したいという案件です。この場合には、ショッピングモールから店舗が閉店したというメールが届いたけれども、その注文履歴も既に配送済みになっているけれども、届いていないということで、モールのほうに御連絡をして、何とか対応してほしいと訴えかけていらっしゃる方だったのですが、なかなかその回答が遅いとか、対応してくださらないというような内容になっています。

もう一つお出ししたものは、これは消費者側の問題もあるかと思いますけれども、頼んだものがプレゼント用に頼んだものだったので箱つきのものを頼んだつもりだったのが、箱がついていないものが届いたという事案です。ただ、この場合には、出店していたモール内での表示がどうだったかとか、画像がどうだったかとか、そういったところを確認する必要性もありますので、消費者側にも注意が足りなかったという側面も出てきているような相談内容になっています。

ただ、ショッピングモール型の場合には、モール自体の体制も整っているということもあって、相談の処理に関しては、ショッピングモールのほうに御連絡して協力を仰ぐということもできつつありますので、何とか解決をしているというのが現状ではないかと思っております。

続いて、オークション・フリマ型という形で、インターネットオークションとフリーマーケットについての御相談の事案を挙げております。最近はフリーマーケットに関する相談が急増しておりまして、やはり個人間の売買の場であるということから、解決がなかなか難しいという側面も出てきております。

幾つか事案を御紹介させていただきますと、インターネットオークションに関しては、ブランド物を購入したのだけれども、結局偽物が届いたというような御相談であるとか、出品をしている方からも偽物だと疑われて困っているというような両面からの御相談が入っております。

同じく、フリーマーケット、最近、フリマサイトがたくさんいろいろと出ておりまして、消費者も気軽に参加するようになってきたということもあって、非常に相談が急増している事案の一つであります。フリーマーケットに関しましても、オークションサイトと同じように、買った商品が偽物であったとか、届かないというような相談が大半を占めております。フリーマーケットの場合も、出品者側から、届けたのに商品が違っているといって困っていらっしゃるというような、こちらも利用者、出品者両方から、売主、買主両方からの御相談が入ってきているというのが現状です。

フリーマーケットもインターネットオークション型も、偽物が届いたとか、届いたものの品質が悪かったというような相談が大半を占めておりまして、相談としては、商品の品質に関するような相談が一番多く見受けられると思います。

あとはマッチング型ということで、幾つかの様々なマッチング型の取引を相談事案として挙げさせていただいているのですけれども、このマッチング型の取引形態自体が新しいものということもありまして、消費者が参加するに当たって慣れていないという面も多い相談になっています。取引そのものの問題もありますが、トラブルが起こったときのプラットフォームの対応に対する相談というのも、マッチング型では非常に相談として挙げられているところもあります。今回、具体的な事案の御紹介は省かせていただこうと思っております。ただ、事案としてどんなマッチング型の御相談が入っているかというと多岐にわたったものがありまして、ここに挙げているだけでも、ベビーシッターの仲介サービスであったり、配車のサービス、食事の宅配サービス、習い事などの紹介をするサービス、電子ギフト券の売買を仲介するサービス、旅館やホテルなどの予約サービス、チケットの売買を仲介するサービスなど、特にたくさんの仲介をするサービスが出てきておりますので、種類は本当に多岐にわたっております。

事案のほうも後から目を通していただければと思いますが、例えばベビーシッターの1つですと、2番目のところにあるように、参加するに当たって個人情報を過剰に要求されているというような相談も入ってきておりまして、どこまで消費者の情報を出したらいいのかというあたりも、やはり消費者の側も困っているという声が聞かれております。あとは商品が届かなかったり、届いたものが悪かったりというようなことも含めて、各仲介サービス独特の相談なども入ってきておりますので、できれば目を通していただければと思います。

私のほうで、今回、その他ということで1つ新しいというか、マッチング型だとかショッピングモール型、オークション・フリマ型に全部共通して言えることなのですけれども、4番のその他のところを御紹介させていただこうと思っております。

最近のインターネット上の取引では、プラットフォームのIDを利用して簡単に登録ができて、取引ができるというような場面がたくさん設定されております。それに伴ってプラットフォームの決済サービスを利用するという側面も出てきておりますので、そういう形で登録して、決済までを行ったケースでのトラブルというのが出てきつつあるというのが、今、消費者相談を受けている私の実感であります。

この事案の場合ですと、動画配信サービスにプラットフォームのIDを利用して登録したのだけれども、自分は解約したつもりが、実は解約になっていなくて、毎月ずっと引き落とされているというような形の相談です。これに関しては入り口が、これは相談者の方が、ここには書き切れなかったのですが、プラットフォームのIDを1つだけではなく複数持っていらっしゃるという方が消費者の中にも非常にふえておりまして、どのIDで登録したのか、まずわからなくなっているというような現状だとか、それに伴いまして、登録したときのIDがわからないと動画配信サービスそのものが、販売業者のほうから契約を切るということができないシステムになっているようで、消費者側がきちんと解約の措置をとっていただかないと解約ができないというところがありまして、最終的には動画配信サービスの会社に協力いただいて、無理やり強制的に解約をしていただいたという案件になります。

ただ、消費者側の問題もあるかと思いますが、プラットフォームに複数たくさんIDを持たれている方が非常に多くなっておりまして、通常ですと、IDの管理だとかは全て消費者側がしなければいけないことなのですけれども、登録したことさえも忘れてしまっているという消費者が非常に多くなっております。入り口の段階でプラットフォームの登録状況を利用し、出口、決済の段階でも利用するという取引が行われることが多くなってきておりますので、今後、こういったところも問題になってくるのではないかと、現場としては危惧しております。

私ども消費者生活センターの相談員は、こういったような御相談が入った場合にどういう処理をしているのかということを簡単に御説明だけさせていただきます。

まず、相談が入りましたら、消費者の方に、契約に至った経緯を詳しく聞き取らせていただきます。特に契約書があるのかないのか、HP上の表記がどうであったのか、確認メールがどのような形で届いているのか等詳しく聞き取りをしますし、必要であればそういった資料も詳しく目を通すことになります。消費者の方には、契約に至った経緯書みたいなものを作成していただいて、必要があれば、この経緯書をもとに販売店だとかプラットフォームに協力をお願いしていく、解約をお願いしていくという形になります。ただ、決済がクレジットカード決済の場合には、クレジットカード会社に協力を求めて支払を一旦とめてもらった上で調査していただく。調査の結果、場合によってはチャージバックなどの対応をしていただくというような流れが今できつつありますので、クレジットカード決済の場合には、カード会社の協力というのが非常に大きく、問題解決のためには利用されているところかと思います。

ただ、相談処理の中で一番困るのは、販売店と全く連絡がとれないことが多々あります。プラットフォームのほうに登録の状況も含めて販売店と連絡をとりたいと協力をお願いしても、協力をしていただける事業者もあれば、そうでない事業者もあって、事業者間の格差がこの点では大きくなっているかと思います。

また、消費者も、不慣れな消費者からIT環境に慣れている消費者もたくさんいらっしゃいますので、相談の場合には、自分で解決が望める消費者の場合には、センターでは助言を差し上げた上で、御本人に頑張っていただくという姿勢をとらせていただいておりますので、助言をしながら解決まで導くということでお願いするケースもあります。特に個人間売買の場合には、センターがどこまで介入できるのかという側面もありますので、消費者の頑張りに委ねるところが多い相談にもなるかと思います。消費者センターでは、大抵このような流れで相談は受けさせていただいて、解決まで導いているということになります。

あと、私が相談現場にいて思ったことを中心に、問題点と課題ということで9ページから書かせていただいております。ただ、思いつくまま書き出してしまったので、順不同みたいなところがありますが、それは御容赦いただければと思います。3つの側面から提案させていただきたいと思っております。

まず、消費者側からということで、消費者は、表示だとか規約等をほとんど確認しないで契約に至っているというケースがほとんどであります。

特に大手ショッピングモールなどの場合には、名前が大手だということもあって、それだけで安心だと判断して、販売業者そのものの信用性を把握しないで契約を進めてしまうことがとても多いです。

フリーマーケットやオークションの場合などの評価やレビューという確認のできる指標がございますが、それもほとんど見ていない、確認していない消費者が多いと思います。

特商法上の表記だとか中途解約規定なども、ほとんど見なくて契約しておりますので、見ていないケースが多いですが、御本人が確認したいなと思っても、ちょっとどこにあるのかわからないということで、結局確認しないまま、最終的に売買の終了まで行ってしまうということもあります。

あと、最近はとても買いやすくなったということもあって、高齢の方も利用しやすくなったということもあって、たくさんの方が利用することが多いのですけれども、パソコンやスマホの操作に慣れていない方もそういったものの取引を行うようになってきておりますので、重複してタップしてしまったり、間違えた操作をしてしまったり、画面の切りかわるのが待てなくて、とにかく何回も押してしまうというようなケースも多いです。特にスマホの場合には、ボタンが小さかったり、画面操作が複雑だったりということで、高齢の方を中心についていけないというような方も多く見られております。

これは消費者側の問題でもあるのですが、トラブルになった場合にきちんとした対応をすることができない消費者が非常に多くなっております。物を買ったけれども、違う物が届いたのだけれども、もうそれは勝手に返品すればいいのだろうというような自分勝手な判断のもとにお支払を拒否したり、返品だけをして終わらそうと考えている消費者も非常に多くなっております。

これは相談員の目から見て思うことなのですが、消費者側にも、こういうトラブルがあるのですよというような広報がなされていないために、トラブルがあったときにどう対応していいのかということがわからないまま、いいのかなということで諦めてしまう場合も結構ございます。今は簡単に決済できる方法が広がっておりますので、1つのボタンを押しただけですぐ決済が済んでしまうというようなこともありますので、その決済の安全性だとか危険性なども考えずに、とにかく決済してしまうということもよくあります。

あと、先ほどもお話ししましたけれども、簡単にオンラインプラットフォームのIDなどを使って本当に気軽に登録、参加ができるような状況になってきておりますので、若い方だけでなく、操作に不慣れな方々も今は参加をして楽しんでいるという状況が出てきているのではないかと思います。特にフリーマーケットアプリなどは、テレビ宣伝もされておりますけれども、やはり自分の不要な物を売れるということで、簡単にできますよということで、たくさんの方がそれなら利用したいなということで、どちらかというとリユースの側面も含めていますので、個人間の取引に慣れていない消費者もアクセスして使い始めているというのが現状ではないかと思います。

それと、これはどの取引の場合にも言えるのですけれども、特にフリマアプリ等の個人間売買の場合、本当に悪意のある消費者がそこに参加をしてだましているという実態も、これは一側面でございますので、その点では消費者側も問題ではないのかなと私も思っております。

あと、やはり取引するに当たっては、消費者も表示や契約内容を確認した上で、よく見て、契約したからには責任があるのだということをちゃんと理解して参加するのだということを、これがしていただきたいことかなと常日頃から思っております。

もう一つの側面として、仲介サイト事業者や販売事業者側の問題や課題ということで、ホームページ上の表記や広告が非常に分かりにくくて問題のあるケースがあると思います。特に規約だとか返品規定、中途解約規定がわからないし、分かりにくいというケースが多々ございます。

それと、センターで相談処理をしていても、消費者御自身が解決したいと思っても、販売業者への連絡が、電話番号の記載がなかったり、メールでしか連絡できないけれども、メールをしても回答が返ってこない。電話があって、電話連絡してもほとんどつながらないというようなことで、トラブルがあっても販売業者と直接アクセスすることができないという事案が非常に多くて困っております。

また、仲介サイトの事業者は、トラブルが起こった場合に何とか協力してほしいと消費者センターなどでもお話をするのですが、私どもは場の提供をしているだけなので、トラブル解決のためには何もできないといって協力をしていただけないケースがあります。

あと、オークションサイトもフリマアプリもそうなのですが、利用者保護という視点での補償規定などが整備されていないところも多くて、あったとしても不十分ではないかと思われるケースもあります。

また、プラットフォームや仲介サイトに苦情を申し出ても、非常に回答とか返事が遅い、非常に時間がかかるということも相談では上がってきております。

あと、全体的に利用規約だとかはとても難解で、非常に細かい字でたくさんの項目があって、消費者側にはちょっと理解できないのではないかと思います。

あとは、オンラインプラットフォームを仲介サイト事業者も、販売事業者だとか出品する消費者の信用性や確認をどこまでしていただいているのか疑問に思うことが多々ございます。というのは、やはり連絡がとれないということは、仲介サイトでも十分に確認がとれていないということになるのではないかと思いますので、できれば本人確認を含めて販売店の確認は徹底が必要なのではないかと思っております。

また、できればこういったサイト事業者もメリット、デメリットを消費者に対して周知徹底していただくことも大切ですし、悪意のある利用者が参加している場合などは、パトロールだとかそういったものも十分に行った上で、仲介サイト自体の健全化を図る必要もあるのではないかと思います。

特に安全な決済手段というのも十分に提供していただくことが必要ではないかと思います。今はたくさんの決済手段が用意されていて、消費者側は利便性が高いものを中心に選ぶという傾向にありますので、その決済手段が本当に安全なのかというところになると、例えばトラブルが起こったときに何か協力をしていただけるところなのかどうかという視点から見ても、そうではない決済手段もたくさんありますので、安心して使える決済手段を提供していただく、こういう必要性もあるのではないかと思っております。

あと、これは行政や消費者センター側から見たものということで幾つかかいつまんで御説明させていただきますと、先ほどもお話をしましたが、個人間売買ということで、消費者センターは基本的にはBtoCの相談を受けさせていただく立場にありますので、個人間ということになると、相談としてどこまで介入できるのかということがありますので、センターが介入できないケースもたくさん出てきております。介入できたとしても、先ほどもお話をしましたが、サイト業者のほうに連絡をしても、協力を要請するにとどまってしまうケースも多くあります。

やはり行政としても、消費者に対して取引の多様化に合わせた広報だとか啓発をした上で、消費者の理解を深めていくということは必須だと思います。できれば、例えば同業者間でのトラブル事案の情報などを共有していただいた上で、その情報をもとに消費者保護を図っていただくことも必要になってきているのではないかと思います。また、こういった情報の共有は同業者間だけではなくて、利用者、サービス業者、仲介業者、行政などの様々な立場のところが情報共有していくことで適切な施策なども生まれてくるのではないかと思いますので、そういったことも必要になってくるのではないかと思います。

今、私どもが現場で常に思っているのは、消費者の責任がある場合なのか、仲介したプラットフォームに責任がある場合なのか、それとも販売している業者の問題なのかということで、どこに責任の所在があるのかというのが明確になっていないところがありまして、こういったところを明確にした上で、法整備が必要であれば、そういったところまで踏み込んでいただくことも必要なのではないかと思っております。

あと、これは私が個人的にも思っていることなのですけれども、消費者に十分に取引の理解をしていただくためには、消費者教育も必要なのですが、現状の通信販売の表示の規定だけでは不十分になってきているのではないかと思います。例えば、契約の成立前に重要な事項について分かりやすく一括して消費者に対して表示した上で同意をとっていただくというような工夫ができれば一番いいのかなと思います。

以上で報告させていただきました。

○中田座長 ありがとうございました。

ちょっと時間が迫ってきていますので、続いて、西村委員に御説明をお願いしたいと思います。

○西村委員 全国消費生活相談員協会の西村と申します。よろしくお願いいたします。

消費生活相談というのは、ネット通販で注文したら困ったことになったというところから始まるのですが、注文していないけれどもトラブルになった事例というところから紹介させていただきます。注文していないけれども商品が届いたり、請求を受けたというような御相談が入ることがあります。

これで考えられることとしては、1番、注文したことを忘れている、2番、贈答品だった、ここまでだったら、よかったねという話で終わるのですが、問題は3番目で、なりすましによる注文がトラブルになっています。これも、子供さんが使ったという家族などの近親者の話もありますが、悪意のある第三者の例が困ったことになります。フィッシングなど情報漏えいによる不正アクセスだったり、アフィリエイターが個人情報を悪用しているのかなというものだったり、ダイレクトに嫌がらせかなというものもあります。こういうことがあるのがインターネット通販かなと思います。

ケース1として紹介させていただいているのは、IDを持っていないサイトでクレジットカードを不正使用されたというものです。いろいろ問い合わせたときに通販サイトに言ったら、IDがないなら調べられないわねと、そこで終わってしまうということで、1ポツのところを見ていただくと、通販サイトは、クレジットカード情報からの利用者検索には応じません。これは割販法の規定により、クレジットカード情報は非保持になっているので、これはやむを得ないかと思いますが、何かちょっと調べてほしい、どうにかして取っかかりを教えていただけないものかというのは消費者側の実感です。

警察に行くと、警察は、被害者はクレジットカード会社だから、あなたからの被害届は受理できないと、大体こういうふうに言われます。理屈として合っているのか分かりませんけれども、警察ではこういう対応になって、被害届は受けていただけないことが多いです。なので、通販サイトとクレジットカードの間でたらい回しになるケースがあって、最終的にはチャージバックだったり、不正利用と認めていただけるという決着もあります。こういうことで右往左往することを経験すると、契約するときに契約者とクレジットカード名義人の一致を徹底していただければ助かるのではないかと思ったのですが、先ほどのお話にもありましたように、今はいろいろな決済方法がふえていまして、クレジットカードはまだ割販法の規定でいろいろ加盟店管理とかがありますが、法規制のないもの、例えば収納代行ですとか、キャリア課金ですとか、企業ポイントを使った支払とか、いろいろな法規制のないものが決済方法として出ているのはどうしたものかなというところです。

ケース2といたしまして、御紹介したいのは、特定の通販サイトに「注文覚えなし」が集中しているというケースです。これはまだ解決していないのですが、ある特定のサイトを利用した方から、私は注文した覚えがないのだけれども商品が届いたと。問い合わせをしたら、1ポツ目にあるように、住所、氏名、生年月日、メールアドレス、アクセス日時、アクセスした端末、IPアドレス、こういうものを開示してもらって、あなたが注文しているから代金を払いなさい、払わないならキャンセル料を払いなさいというのがかなり集中しているので、どういうことかしらというので、今、悩んでいます。大体こういうのは2か月ぐらいたってから商品が届いたということが多いので、注文日のインターネット履歴の有無を確認してくださいといっても確認できないことが多いですし、履歴自体は自分で消去もできますから、履歴があるといったら、あなたは注文しているわねということで、あまり効果がないということです。

特定のアフィリエイターが別件で収集した個人情報をもとになりすましの注文をしているという可能性は、ちょっと疑われるのですが、通販サイトにどうでしょうと聞いても、なかなかその先が見えないというような悩ましさがあります。

なので、徹底的にやるのであれば、プロバイダーに情報開示を求めるというところまでやらないとはっきりしないのかなということなのですが、相談者側の注文した覚えがないというのをどこまで尊重してやっていくかというのは悩ましいところです。

3番目はケース3として、フィッシング詐欺の話を御紹介しています。手口が本当に巧妙になっているので、だまされても仕方ないねみたいなつくり込みのあるものもあります。犯人の検挙は困難ということで、■を見ていただくと、誰が損害をかぶるべきなのだという悩ましさがあります。消費者なのか、通販サイト事業者なのか、プリペイドカード事業者なのか。現状の対応は実にまちまちで、資金力のあるなしで変わっているのかしらと思うようなことがあります。

参考までに、プリカ詐欺の場合は、プリカのバリューが残っている場合にはお金を返していただけることもありますが、バリューが残っていないものについての救済は難しい状況です。

ようやく、注文したら困ったことになったという話に入るのですが、大体見ていただくようなことは想定される範囲かなと思います。

では、9ページ目をあけていただいて、相談を受けた相談員が確認していることです。大谷さんのほうからもありましたが、4つのステップで、たどり着いたルートを確認した上で、通販サイトの中身を確認して、通販サイトのやりとりを確認して、関係業者がどうやってクレーム対応しているかというのを確認した上で、あっせんするかしないかというのを考えています。

10ページ目で、第1ステップの通販サイトにたどり着いたルートですが、検索か広告というのが多い例です。広告の関連で1つ御紹介したいのが、ケース4として、偽のポップアップ警告が表示されたので、慌てて契約したパソコンサポートサービス。これはIPAなども事例として御紹介されている話です。大体海外の事業者なのですけれども、警告表示を見て電話をかけると、サポートサービスだとか対策ソフトを買いなさいということで、クレジットカードで決済しています。これは1ポツ目を見ていただくと、広告に問題がある可能性が考えられるのですが、ポップアップ警告はなかなか入手できないということがあるので、センターでやっていることは対症療法的なことです。契約の取消しというのを、販売サイトであったり、決済代行会社であったり、クレジットカード会社と交渉しています。広告主に広告出稿の停止を要請するというところまで視野に入れてやっていきたいと思うのですが、これが根本原因かと思いますが、センターでやっているのは対症療法的なことです。

11ページには、ステップ2とステップ3ということで、表示内容を調べる。表示内容を調べるときに、相談員は結構、注文完了の直前まで入力をしてみて、内容に誤りはないか、修正とかができるような画面になっているかということを確認しています。各サイトそれぞれ本当にばらばらなので、一回一回確認をして、いいか悪いか見ているような状況です。

あと、相談者が注文したときの表示というのが、スクリーンショットを撮っておられる方は少ないので、注文当時はどうだったかというのが悩ましいところです。

あとは、相談員はパソコンで確認することが多いのですが、お買い物される方はスマートフォンでお買い物されている方が多いということと、印象が異なるという以外に、同じ業者でもスマートフォンの画面は別のものにされている事業者さんもいらっしゃいます。

3番目は、メールが届いていますかみたいな話です。いろいろあるのであまり深掘りをするよりは、見られていないようなのでメールをもう一度送っていただけますかというお話になっています。

ケース5として、個人間売買をざっくり御紹介していますが、取引後に販売者が個人だとわかったと。補償制度を求めたら、販売者の住所が不完全なため補償制度が使えないというお話でした。

1ポツ目を見ていただくと、プラットフォームの提供情報をもとに消費者が自己責任で取引を行う仕組みなのですが、提供情報の精度に問題があった場合にもやはり自己責任なのだろうかということと、補償制度で全部救済されないということは分かるのですが、ちょっとしょっぱい制度になっているということです。

3ポツ目は、事業者なのか個人なのかというのが大変悩ましい取引が多いです。「インターネット・オークションにおける『販売業者』に係るガイドライン」、これはあるのですが、これの当てはめをお願いして交渉しても、通販サイトからいいお返事をいただいたことがないので、このガイドラインがなかなか使えないような状況にあります。

ケース6としては、ありのままを書けない「評価」として、これは利用者からいろいろ書きたいけれども、取引相手からの報復が怖いということで評価を書かないのだというようなお話が入ったので御紹介しています。割に、こんなにひどい人なのに何で悪い評価が少ないのだろうというのは時々感じるところです。

13ページのケース7の未成年者の取引ということで、これもかなり問題ではあります。未成年者契約の取消しは強行規定なのですが、実際は丁寧に説得して御協力いただいているということなので、その辺が、強行規定なのだけれどもなと思いながら、現場ではお話をさせていただいています。

ケース8は、使えないプリカだったということで、電子データがネット上でやりとりされていることが多いですが、この辺は使ってみないと有効なカードかどうかわからないということと、使えないようなカードを出品している出品者とお話し合いをしても、当事者同士のお話し合いが成立するとは思えないので、救済は困難かなというところです。

次の14ページの関係事業者のクレーム対応の確認ということで、いろいろな関係業者、配送業者や決済業者も含めて確認をするのですが、ケース9として御紹介しているのは、サイト外でのやりとりです。こっそりキャンセルしてくれみたいな話がホストからあって応じたら、旅行サイトからはフルのキャンセル料を請求されるし、ホストとは連絡がとれないという話です。

これはルール違反なのですけれども、このルール違反を放置すると、このホストはまた同じようなことをやると思うので、救済する、しないは一応置いておいて、やはりこういうものは、こういうことがありましたと知っていただいて、対策をとっていただく必要があるのかなということと、サイト外取引に何で応じてしまうのかという心理的な部分も含めて考えていかなければいけないかなと思います。

15ページ目ですが、決済として2つ事例を挙げていまして、トラブルがあったので銀行口座を凍結しようと思ったけれども、オークション事業者に教えてもらえなかったという事例です。オークション事業者やプラットフォーム事業者は、どんな情報をどこまで開示すべきかという話は悩ましくて、いっぱい開示してほしいと思うところもあれば、自分の情報はがっちり出さないでほしいと、両方からのユーザーの気持ちはあるので、ちょっと悩ましいなと思っています。

ケース11は、フリマの専用出品というタイプです。これは一応、黙認されているのですが、例えば情報商材の支払方法に専用出品とかが使われているので、フリマの趣旨からすると、専用出品をこのまま放置していていいのかなという気がします。

最後のページで、あっせんが必要と判断したらということは、先ほどのお話もありました。あっせんができないことがあるということで、下のほうの「電話番号が書いてあるが」のところですが、一番最後、契約者から電話をするように言われ、相談員との話し合いを断られる。これは何で断られるかというと、個人情報保護の観点から、相談員さんとお話しすることはできませんといってお断りされることがあるので、このあたりを丁寧に御説明したり、相談者から同意を得て連絡しているのですよというような働きかけがこちらにも必要なのですが、訪問販売の事業者さんをセンターにお呼びしてお話しするというのとは異なり、インターネット通販であれば事業者さんがそばにいないので、センターに来てくださいとか言うのも難しいし、これをどうやってあっせんしていこうかというのは、各地のセンターがみんな抱えている問題かと思います。

以上です。

○中田座長 ありがとうございました。

個別の質問等もあるとは思いますが、一応、原田委員の説明を受けてからという形にしたいと思います。

それでは、原田委員、お願いします。

○原田委員 私のほうから発表させていただきます。ECネットワークの原田でございます。我々は、インターネットに特化したトラブルの相談をオンラインで消費者の方から無料でお受けさせていただいております。

1ページ目ですけれども、2017年の1年間に我々がいただいた御相談内容の分類となっておりまして、特にプラットフォームの有無では判断していないのですけれども、昨年の消費者相談のうち、詐欺サイトは別にしておりますので、詐欺サイトを除いた通販が大体20%、個人間取引が同じぐらい入っている状況になっております。サービス、その他が44%という内訳になっております。

2ページ以降ですけれども、実際の我々にいただいている事例の内容を抜粋して書かせていただいております。こちらでは、取引形態ではなくて内容で分類をさせていただいておりまして、特にプラットフォームとしてはBtoCのショッピングモール、CtoCのオークション・フリマ、そしてシェアリングエコノミーと、これがまざった状態で内容で分類していると、このような形で見ていただければと思います。お時間の関係上、細かい内容は御説明いたしませんので、後ほど見ていただければと思いますが、2ページの最初は、プラットフォーム側による審査やチェック体制や出品等に関わる御相談内容となっております。前半のほうは、要はこういうものを売ってはいけないでしょうというものが売られているというような内容になっております。

それをプラットフォームさんにお伝えしている方もいらっしゃるのですけれども、ただ、それに対して特に削除とか、そういった対応がなされていない。一生懸命通報しているのですけれども、そういう対応がなされていないというもの。自動車等を売ったときに、送った後に買主が逃げてしまう。そうすると、商品と違って車は名義変更が必要になるので、それをやらないで逃げられてしまいますと、その車に何かあったときに本人に責任がかぶってくるということで、そういうのが車取引ではよくあるねみたいな話がネット上では出ていて、そういうものを注意喚起しないのはどうなのだろうか。そのような話になっております。

3ページのほうも引き続きそのような内容になっております。上にあるものは、レビューのところに、ここで何か買うといいよみたいなことが書かれて、実際にそこでクリックして、その先に行ったらトラブルになってしまったというようなレビュー欄に対するチェック体制の問題です。

その下はクラウドソーシングということで、実際は仕事を請け負ったら詐欺の片棒担ぎをやらされたと。そのときに出品者の方自体が本人確認されていない方が出していて、そういった悪質な依頼主がこういうところに紛れ込んで問題を起こすというようなことを書かせていただいております。

3ページの下、プラットフォームの関連サービスや利用者対応。先ほどもいろいろ御事例として挙げていただいておりましたけれども、プラットフォームさんの対応に対してのクレームというか相談内容となっております。

3ページの下のほうはフリマアプリということで、別サイトに連れていかれるということで、比較的多数の個人間取引のプラットフォームがございますので、どちらかというと悪さをする人は緩いほうに連れていこうとするというような感じで、そのときに利用者対応にプラットフォームによって、当然かもしれませんが、差が出るというようなところです。

4ページに行っていただきまして、上のほうは、最近、匿名で取引することも多いですので、配送業者さんにお任せしたときに配送業者さんが間違えてしまうことでトラブルになる。そうすると、なかなか当事者間で交渉するのに限界がある事例も出てくるという感じです。

真ん中のほうの3つ目の事例もフリマなのですけれども、こちらも払い出し手続をしてくれないという御相談になっております。相手の方も運営会社さんもメールの返事が遅いということで、特に売主の方は、日本語も不自然で返事も遅くて交渉に限界を生じているということです。これもほかではやってくれるのにみたいなことを最近つぶやかれる方が多いというところです。

その下もやはりフリマで、化粧品ということですけれども、こちらも物が届かないということで、売主さんに言うのだけれども、いろいろ言いわけをしてきて最後には怒ってくるというようなものです。なので、怒ると逆切れをしてくるというような、個人間取引にはよくある話ということです。

なかなか当事者間で話し合えないという状況になったときに、当然フリマのほうにお問い合わせをされるのですが、当事者間で話し合ってくれと、そのような対応をされる。これは前の方々の御発表どおりだと思います。ただ、当事者間で物理的に話し合いに限界を生じているようなときでも、それを言われてしまって、次の対応策が何もないということになりますと、結局、本人が諦めてしまうのを周りのみんなが待っているような状況に陥るというのが現状かと思います。

5ページに行っていただきまして、上のほうはソートの不備ということで、安い順とかいろいろな順番がショッピングモールとかでできるのですけれども、その順番に不備があったというようなシステム上の御相談になっております。

あと、フリマアプリがいきなり消えたみたいな話もありまして、そうするとエスクローといってお金を預かって取引をしておりますので、その間にいきなりなくなってしまいますと、そのお金が宙ぶらりんになってしまうというお話です。

その次、5ページの真ん中ですが、プラットフォームを悪用されるというケース、そして決済の悪用。先ほども御指摘がありましたように、たくさんの決済手段が御用意されておりますが、非常にいい点もあれば、それを悪用してくる利用者さんもいらっしゃるということです。悪用のケースの1つ目は、偽ブランド品だったということで、実際の発送は海外から送られてきたということで、取引をほかのSNSでやろうというふうに連れ出しておりますので、明らかに悪意のある出品者だということが言えるかと思います。

次のゲーム機というのも、ゲーム機を取引して届いたら天然水だったということで、これも明らかに、ほかのフリーメールでやりとりをしようと外に連れ出すということで、悪意のある利用者は外に連れ出す傾向がございますので、そういったケースで払い出し手続をせかしたり、おどすということで、気の弱い利用者さんですと、結局言いなりになってしまう。どんなにルールでだめだとなっていても、結局、おどされてしまったりすれば応じてしまう利用者さんもいらっしゃるということです。

6ページに続いていきまして、そういったプラットフォームを悪用されたというような内容。そして、最後の6ページの真ん中の上の事例ですけれども、実際にほかのサイト、詐欺サイトでお買い物をしたときの支払手段に大手のショッピングモールの決済を悪用するという形で、決済の悪用を外からしてくるような詐欺の会社もあるということです。

6ページの下のほうはプラットフォームのなりすましや不正ログインに関する内容で、こういった内容はID、パスワードの一致をもって本人確認をするようなプラットフォームでは避けて通れないトラブルとなっております。なので、最初の事例も、先ほどもちょっと事例があったかと思いますけれども、いわゆるフィッシング。非常に今、メールがはやっておりまして、それにひっかかってしまった人が不正ログインをされてしまうという内容になっております。

ただ、被害は回復できたとしても、モール自体にログインができなくなってしまうというような二次的なトラブルに巻き込まれるということです。

6ページの下のものは、過去にフリマアプリで取引したときに相手に個人情報を知られてしまいますと、トラブルになったときにその人になりすまして嫌がらせをされるというような内容になっているところです。

7ページに進んでいただきまして、こちらも不正アクセスをされたというもの、そして知人に乗っ取られたというものの内容になっております。特にアカウントの所有者に罪がなすりつけられるケースとか、プラットフォームに早く対応を望んでいるというような、一刻を争うみたいな内容が出てきているところです。

7ページの下はプラットフォームの規約に関する内容で、1つは、販売方法が適切でなくてアカウント停止を受けたというお話ですけれども、そのときにエスクローシステムですので払い出し前のお金がプールされている。それが全て一緒に没収されてしまうという規約になっておりまして、それが正しいのかどうかというものです。

その下も、先ほどから続いているアカウントの不正利用ということなのですが、他人のクレジットカードが登録されて、自分のアカウントで買い物がされている。カードの所有者に請求が行くのですが、カード会社さんがチャージバック等を行った場合にアカウント所有者に請求が行われるということが実際に発生する。そのような内容が規約にも書かれているというものです。

8ページに進んでいただきまして、こういった悪用ケースです。プラットフォームの規約等の内容のトラブルが続いております。

8ページの最後ですけれども、利用者間のトラブルやモラルに関する内容ということで、最近、化粧品を取引する利用者さんが多いのですけれども、要は、フリマに値段をつけて出したときにすぐ売れるということは本来は喜ばしいことなのですが、利用者によっては、もっと高く売れるのではないかという下心が出てきて、それに対してマナーのない対応を買主さんにされるというような内容になっております。

下のほうはクラウドソーシングということで、お仕事のクライアント側が誠意ある対応をしてくれないというような内容になっております。

最後に9ページで、これらのトラブルの内容から見るプラットフォームの課題ということで、私のほうからまとめさせていただいたものを書かせていただいております。

まず1ポツ目ですけれども、プラットフォーム側のいろいろな出品等を含めチェック体制、システムが必ずしも万全であるとまでは言えない一方で、問題が発生したときに利用者側に全て責任を押しつけるというのは公平性に欠けるのではないかと考えます。プラットフォームは場の提供者ですので取引当事者にならないという、これは原則だと思います。利用者側の重大な落ち度やモラルに反するような、そして悪意のあるような取引に関しまして、これは別なのですけれども、詐欺等を含めて何らかの被害という形があったときは、やはり救済措置や迅速な対応ですね。メールとか問い合わせをしたときに迅速な対応が来ないと不安になりますので、そういった不安を和らげるような対応や問題解決に乗り出す姿勢が求められている点。そして、事例にもありましたように、複数のプラットフォームを今、利用者の方は利用しておりますので、そういうことを考えると、そういった安全性を確保したようなプラットフォームが必然的に利用者からも選択されていくのではないかと思います。

2つ目のポツですけれども、消費者ではなく個人をどう捉えるか。個人間取引というような言い方をしますけれども、議論の最初にもありましたように、なかなか消費者という言い方でも、買う側だけではなくて売る側というような立場の方も出てくるということです。やはり売る側に立ったときに、特定商取引法や消契法に対する適用範囲、その場合のプラットフォームの役割や整理が必要なのではないかという点です。特に個人の売主の方、この不安定な立場の方に対して不安を解消するような啓発の内容とかに関しましては、事実上まだどこにもないような状態になっております。

手づくり品を販売したり、占いを提供したり、スキルを提供する個人に、事故対応とか消費者保護のこういった法律をそのまま適用するのはなかなかなじまないケースも多いと思いますので、その場合は、個人が問題を起こしたときにはプラットフォーム側がその役割を代行しないと、そういったトラブルが落ちてしまうというところがあるかと思います。保険や補償、そしてトラブルの際に当事者間でスムーズに話し合いで解決できるようなシステムを提供したり、第三者による紛争解決機関、ADRとかオンラインのADRみたいなものを導入することで、当事者間で話し合ってくださいで終わってしまうのではなくて、次の解決手段をプラットフォームさんのほうで用意していただくようなことも検討できるのではないかと思っております。

そして、うちでも20%個人間取引が入るという状態ですので、消費者センターさん、先ほどの2名の方々がお話しいただきましたように、個人の方に対する個人間取引のあっせんというのを実践的にはやっていらっしゃらないかと思います。ただ、個人といっても、今はこういう形でいろいろな個人が参加しておりますので、そういった消費生活センターなどによる取り扱い範囲の整理というのもそろそろ必要ではないか。我々でも2割入っておりますので、消費者センターさんにも多数入っていると思います。それはただ個人間取引というところでざっくり切って、助言はされると思いますけれども、あっせんは何もしませんというようなところは、そろそろ限界が来るのではないかと考えております。

例えば、相手が月収10万円の個人事業主だったら対応するけれども、月収30万円の個人の主婦だったら対応しないというのもなかなか理解できない部分があります。逆に、そういうばんばん売る個人であっても、個人であれば相談を受けるのかどうか。そのようなところがはっきりしていないと、消費者の方もしくは個人の利用者の方が受付センターに相談したときに、センターや相談員さんによって対応格差が生じる可能性がある。「188」をかけたときに、かかった先によって差が発生するようなことは避けていただいたほうがいいのではないかと思っております。

3ポツ目ですけれども、プラットフォームを悪用する利用者、モラルに反する利用者やセキュリティー上の問題を今後どうするかということで、十分やっていらっしゃるところもありますけれども、やはり悪用防止策のさらなる検討が必要なのではないかと思っております。利用者登録時や、定期的に本人確認の義務化や厳格化ということで、悪用目的で登録をさせないというところは必要かと思います。悪用防止策を講じていただいた場合は、その利用者への周知、そして情報公開が求められるかと思います。

こういった悪質なプラットフォームの排除、越境プラットフォームの問題もありますけれども、利用者側による安全なプラットフォームの選択基準を作成し、公開するということで、ここはやってくれるのにここはやってくれないのだよねというようなつぶやきがないように、自身で積極的に選べる基準というのも必要なのかと思います。

最後のポツですけれども、先ほどからも指摘がありますように多数の決済サービスを導入されております。利便性は非常に高くなっているのですけれども、決済に関するトラブルや悪用リスクというのもこうやって発生しております。そして、今回はSNSみたいな非マッチングサービスは取り上げませんでしたけれども、事例にもちょっとありましたように、レビューや掲示板、こういったところに多数のステマがございますし、悪質なアフィリエイトやアカウントを乗っ取って広告を出すとか、やりたい放題の状態になっている広告もあるところです。こういった被害に遭うかどうかは利用者側のリテラシーにかかっておりますので、何でも飛びついてしまう利用者ですとひっかかってしまう。なので、こういったリスクを利用者側にもどのように周知し、利用者側のリテラシーを向上していくかということも同じ課題かと思っております。

以上、私のほうからの発表として終了いたします。

○中田座長 ありがとうございました。

お三方の御説明を受けて、35分まで質疑応答という形で進めてまいりたいと思います。御質問、感想その他、ございますでしょうか。

○早川座長代理 コメントを簡単に1つ、あと質問的なことなのですけれども、1つは、事例をずっと見てくると、なるほど見えてくるものがあるなと思いまして、非常に参考になりましたし、勉強になりました。そうではないケースもあるのですけれども、多くのケースでは、消費者がプラスアルファの何かをしてしまっていて、それがきっかけでだまされたり、ひどい目に遭ったり、トラブルに遭ったりするようなところがあるのです。例えばデータの何かを教えてしまったり、ひどいのはクレジットカードを教えてしまったりということがあるので、情報リテラシーとか、あるいは情報に対してどのように取り扱わなければいけないかということを消費者に十分に啓発していく必要性があるのではないかとお聞きして感じた次第であります。

逆に言いますと、そこをやることによってかなり防止できるようなケースはあるのではないかと。それをどうやっていくのかというのが、特にこれは行政の仕事の一つでもあるかもしれませんし、もしかしたら、プラットフォーマーのほうもそういったことをやることによって、あるいはしかるべきところでそういった情報が利用者に対して提供できるようなシステムにすることによって、トラブルにまでいかないところで未然に防止できるのではないかと思いました。

2点目は、消費者がまさに売主になってしまうCtoCというのが最近拡大しているのは非常によく分かりましたけれども、そのときもやはり同じ話で、売主になった瞬間に、自分自身はそれによって利益を上げることを目的としているわけですので、責任ないしそこにおいてリスクが発生するということも消費者はある程度認識しなくてはいけないのですが、そこが欠けているがゆえにトラブルのもとになっているケースも幾つか散見されるように思えた次第です。ですので、その観点からも情報に対しての提供ですね。リテラシーの問題があるのではないかと思った次第です。

それから、大谷委員からの御報告の中、あるいはほかのにもありましたけれども、まさに一体誰が悪いのかというのが、消費者相談のほうでもよくわからないようなケースも結構な量で出ているということでして、前回、私は、オンライン・ディスピュート・レゾリューションのシステムがヨーロッパのほうで発達したり、あるいは日本も今、APECを中心に新しい動きの中に参加していこうとしているという状況がありましたけれども、これはまさにそのせいでありまして、前回も御紹介したヨーロッパの中でもECC‐NETという形で消費者と事業者の間を国を挙げて言語の障害なく結ぶというシステムをつくっても、結局、当事者の話し合いに任せると、いかにアシストしたとしても、最後にはグレーの事件というのがあって、そのグレーの事件だとどちらの言い分もそれなりにあるので、果たしてそれはどう解決されるべきかについて、第三者の介入あるいは判断が必要だという認識にヨーロッパも立って、現在は、ODRレギュレーションですとかADRダイレクティブによって新しいフェーズに入っているというのが実情です。

国連でもその整備活動をしたのですが、残念ながら欧州と米国の間の対立が深くて、計画自体が頓挫したというのが実情ですので、今、これがAPECのほうで新しく動いていくことの中で、そうしますと少なくとも日本の消費者ですとか事業者が関係してくることの多い、いわゆるアジア諸国というものがその中に含まれまして、アメリカも含まれてきますので、その動きについて一緒にルール整備ですとかシステム整備をしていくことについて意義があるのではないかと、これはちょっと手前みそになりますが、思った次第です。

最後に質問ですが、国際的な案件というのは、今日の御報告の中にはどこまで含まれているのか。あるいは、CCJネットというのが国際的なオンラインのものについては専門に働いていらっしゃいますけれども、そことの関係で切り分けてお話しなのか、まじっているのかについてはいかがなのか確認したくて、最後に御質問させていただきます。

○中田座長 原田委員に対してでしょうか。

○早川座長代理 皆さんです。

○西村委員 私が取り上げた中で、ポップアップ広告で契約してしまう10ページ、ケース4が取引相手としては大体、海外の事業者さんであることが多いです。決済代行も、ドイツとか海外の事業者さんだったりということが多いです。

以上です。

○早川座長代理 その場合、海外の事業者に対して連絡をとるということはなされるのでしょうか。

○西村委員 こういう販売サイトは、大体30日間返金保証みたいなサービスを設けているので、そこのサイトで契約したけれども取り消すというようなアクションを起こしていただいて、契約が取り消されるケースはあります。そういうスキルのない方は、クレジットカード会社さんにカード番号を変更してもらって様子を見るというような対応になっています。

○中田座長 ちょっと用語の説明をお願いします。フリマの専用出品払いというのがよくわからなかったので教えていただけませんか。

○城委員 城のほうから御説明させていただきます。私はメルカリで働いております。

フリマで専用出品払いというもの、こちらは会社のほうで認めたルールではないのですけれども、お客様間で広まったルールになります。個人の間で、いい商品を誰か買いたいという人が見つけたときに、ちょっと今、手元にお金がないと。数日取り置きしておいてくれたらアルバイト代とかが入るので、そうしたら払いますというような方がいらっしゃいまして、それで売主の方と買主の方がメッセージでやりとりをして、何々様専用というふうに書いておいて、取り置きをしておくというのが本来、最初に出てきたときの専用出品という、何々様専用という感じの出品になります。

ただ、先ほどの西村委員の説明でもありましたけれども、これが悪用されるケースがあるのも事実です。例えば、別のSNSサイト等で違法な商品等の売買のメッセージのやりとりをして、決済だけフリマサイトで行う。そのときに最初からお互いの分かる写真、それから何々様専用といったような書き方をしておいて、実態のない写真で、決済だけでそこを使うという使われ方がされているのも事実です。ですので、多くのフリマサイトではそうだと思うのですけれども、最初から専用と出てくるようなものについてはもちろん禁止をしておいて、モニタリングでどのように専用になったかというのも分かりますので、最初から専用取引というので出てきたものについてはすぐ削除するような対応を最近ではさせていただいているところです。

○中田座長 ありがとうございました。

早川座長代理から、ほかの委員のところでも国際取引との関係で何か事例、問題があるかということで補足的に意見を聞きたいとの申出をいただきました。原田委員のほうはよろしいですか。

○原田委員 私のほうで紹介させていただいている事例は、プラットフォーム関連で最初の3つの業態のみですので、ほぼ全部国内のプラットフォームの事例になっております。

○中田座長 大谷委員のほうはいかがですか。

○大谷委員 西村委員からも御紹介のありました、結局は海外からの業者の取引だったということが後から分かるケースのほうがほとんどであります。例えば、御紹介のあったポップアップ広告が出てセキュリティーソフトをダウンロードしてしまったとか、化粧品などの取引でも、偽物が届くのは結局海外からで、よくよく調べてみると海外の事業者だったというようなケースもたくさん出てきております。

ただ、御紹介の中では、それは特に詐欺サイトだとか、悪意を持ったサイトのほうに多く見られるようなものでありますので、通常のフリーマーケットの取引だとかそういったところでは出てきにくいかなと思っています。

○中田座長 ありがとうございます。

次の報告も受けなければいけないのですが、大体、契約の問題点を整理しますと、契約の締結過程で、広告の問題が出てきたと思いますし、契約の履行、ちゃんとした商品かどうか、どう確かめるのかというような問題があります。さらに決済での問題があります。大きく分けてこの3つぐらいの局面でトラブルが出てきている。伝統的という言い方が適切かどうかは別として、通信販売に固有の問題も、そこの中にもあるように思います。プラットフォームというものが出てきたことによって、今日お聞きしていて決済はこういうふうにするのかというのが分かりましたが、そういった新たな決済手段が出てきたことで新たな問題が出てくることもあるようです。利便性と安全性をどのように考えていくかというような問題が見てとれました。生の被害事例を聞くことによって発想が広がっていくという感じがしております。

それでは、10分程度休憩をとらせていただきますので、45分から再開したいと思います。

(休憩)

○中田座長 それでは、再開させていただきます。

オンラインプラットフォームにおける取引に関連する法律、裁判例等につきまして、前回、冒頭でも述べましたように、検討対象範囲をどのように考えていくかという御意見をいただきましたので、実際にどういう問題点があるのかということを少し丁寧に見ていく必要があります。特にマッチング型、非マッチング型という区別等がありますが、そういったことも含めまして、オンラインプラットフォームと消費者保護の法律問題について、森委員から資料5について御説明をいただくことにしたいと思います。時間が限られていますが、30分ほど説明をいただいて、その後、議論をしていきたいと思います。よろしくお願いします。

○森委員 ありがとうございます。時間も長くいただいて申しわけありませんが、前回いろいろ検討範囲についてお話ししましたので、プラットフォームとは何か、どこで消費者に問題をもたらすことがあるのかということについて、私の考えをお話ししたいと思います。

おめくりいただきまして、目次ですけれども、プラットフォームとは何かということについての考え方と、プラットフォームの法的責任ということで、私法上の責任についてお話をいたします。公法上の責任というのもありますけれども、今日は対象にしないということにしたいと思います。

初めに、プラットフォームとは何か。おめくりいただきまして、これも若干勝手なことを書いているわけですが、4ページ目です。情報や商品・サービスの流通の基盤・環境を提供するウエブサイトということで、ウエブサイトを運営する事業者がプラットフォーマーです。英語ではないということで、プラットフォーマーと言わないほうがいいという御意見もあります。

典型としてイメージされるのは、先ほどからお話のありますようなECのモールであるとか、あとはこれから私が力を入れてお話ししたい非マッチング型のプラットフォームです。SNS、動画投稿サイト、両方ある。

プラットフォーマー自身は、情報、商品・サービスを提供しません。提供者、店舗のようなものと受領者、消費者の間の橋渡しをします。

「platform」の一般的な和訳は「台」とか「舞台」ということだと思いますけれども、ここでプラットフォームと言われているのは、まさにそういうことではないかと思います。

次のスライドですが、マッチング型プラットフォームということで、マッチング型の典型であるモールについてお話をしようと思いますけれども、その前に下のところに、プラットフォームの赤い字で参加提供者、参加利用者と書きましたが、これは全然一般的な言い方ではありません。このスライドの中でのことですけれども、プラットフォーム上で商品やサービスを提供する人をプラットフォームに参加する提供者、参加提供者で、商品やサービスを消費する人を参加利用者と言おうと思います。

マル1に戻りまして、参加提供者はモール上に出店する店舗で、商品やサービスの購入契約は、参加提供者である店舗と参加利用者の間で締結される。

マル2です。店舗の構築や広告、商品の受注・配送、決済等の多くの面でプラットフォーマーであるモール運営事業者が店舗を支援しているということです。青いところだけ読みますが、店舗としては、ウエブショップを一から作成する手間を省いて、簡単に電子商取引に参入することができます。

マル3モール利用者は、検索や「おすすめ」により、関心のある商品を容易に見つけ出すことができます。

マル4モール運営者と店舗の間、モール利用者と店舗の間には利用契約が締結されます。

おめくりいただいて、続きですけれども、典型的なモールについて御説明しましたマル1からマル4は、ほとんどのマッチング型プラットフォームについて当てはまるであろうと思います。モールの場合、参加提供者である店舗と参加利用者、ユーザーの間には一定の非対称性があります。店舗は事業者で、参加利用者は消費者ということですけれども、御案内のようにCtoCオークション、ライドシェアのように対称的なものもあるということです。

その次のスライドですが、対称的なものがシェアリングエコノミーと言えるのではないかと思っておりますので、シェアリングエコノミーとは、CtoCのマッチングプラットフォームではないかと考えています。四角を書いていまして、左と右に、水色のところが非マッチング型で、右がマッチング型なのですけれども、上のピンクのところがBtoCマッチングプラットフォーム、下の黄色いところがCtoCマッチングプラットフォームというふうに分けて、こんな感じで考えられるのではないかと思います。シェアリングエコノミーは参加提供者に特別の資格を必要としないマッチングプラットフォームということなので、CtoCマッチングプラットフォームではないかと思います。

おめくりいただきまして、その次が非マッチング型プラットフォームということですけれども、非マッチング型の典型は、掲示板やSNSなどのソーシャルメディア。互いに情報を提供し、消費するということでCGM、コンシューマー・ジェネレーテッド・メディアと呼ばれることもあります。

マル1ソーシャルメディアにおける参加提供者は、日記を書いたり動画を投稿したりする情報の発信者です。

マル2発信者は、自分のウエブサイトを一から作成する手間をかけずに、自分でウエブサイトをつくってもいいわけですけれども、そういうことをせずにプラットフォーマーのフォーマット上で情報を発信することができます。

マル3閲覧者は関心のある情報を検索や「おすすめ」により簡単に見つけ出すことができます。

マル4ソーシャルメディアの利用者、発信者と閲覧者と両方が利用者ですね。発信者のときは参加提供者、閲覧者のときは参加利用者ですけれども、そのような利用者とソーシャルメディア運営事業者の間には利用契約が締結されるというふうにしてあります。

その次のスライドも続きですけれども、マル1からマル4まで典型的なということでお話ししましたが、マル1からマル3までが非マッチング型プラットフォームの多くについて当てはまるということです。マル4のプラットフォーマーと参加提供者、参加利用者の利用契約というのは見られない、特に掲示板のようなものについては見られない場合があると思います。

非マッチング型プラットフォームについては、参加提供者と参加利用者は、ほとんどの場合対称性があって、その立場を入れかえつつ互いに情報を提供し消費するという関係にあるかと思います。

最後に四角の中ですけれども、マッチング型プラットフォームと非マッチング型プラットフォームの区別ですが、これは参加提供者、参加利用者間の取引、契約の有無ということで区別ができるのではないかと思います。非マッチング型プラットフォームであっても、QAサイトのようなものは需給の一致のようなものが見受けられます。そういうものは見受けられますけれども、取引とか契約のようなものまではいかないのかなということで、そこが区別されるラインではないかと思います。

プラットフォームとは何かの最後ですけれども、10枚目のスライドは第1回の事務局資料です。どこを御覧いただきたいかということですけれども、順番にオンラインプラットフォームの例を挙げていただいたわけなのですが、上の2つ、グーグルとフェイスブックのところですが、それぞれ提供サービスが右に書いてあるわけですけれども、ECのところはグーグルもフェイスブックも空欄になっているわけです。なので、プラットフォームというのはECと同じではないということです。ECを含みますけれども、ECと同じではない。グーグルやフェイスブックも含むものとして考えていただく必要があるのではないかということです。

後半のプラットフォーマーの法的責任ということです。こちらのお話が長いのですが、おめくりいただきまして12枚目ですけれども、プラットフォーマーが法的責任を負うのはいかなる場合かとありまして、左と右に私法上の責任、公法上の責任となっています。今日、割と広告の話とかそういうことも出てきていたのですけれども、お話しするのは左側、私法上の責任ということにさせていただこうと思います。

分類はいろいろな分類の仕方があると思いますけれども、マッチング型と非マッチング型でもちろんまず分けまして、その後でマッチング型のほうは参加利用者に対する責任、それから第三者に対する責任ということで裁判例などをお示ししたいと思います。

非マッチング型のほうですけれども、これはちょっと分け方が難しいのですが、サービスに関する責任ということで、例えばSNSなどですと、誹謗中傷だったりプライバシー侵害というものが投稿されることがあります。そういうことについての責任。それから、サービスというよりはどちらかというと事業運営ですけれども、非マッチング型のプラットフォームのビジネスは広告ですので、広告に関する責任、個人情報、プライバシーということを書いております。これを順番にこれから御説明したいと思います。

まずは私法上の責任、マッチング型ということで、対参加利用者、ユーザーです。これは非常に有名な裁判例ですので、先生方よく御存じのところですけれども、CtoCオークションの裁判例で、オークションサイトで詐欺に遭った被害者が、サービスに問題があったということでオークション事業者を提訴した事案です。利用規約には「店舗の行為について責任を負いません」と書かれていましたけれども、裁判所では、オークションサイトがユーザーに対して「欠陥のないシステム」を構築してサービスを提供すべき義務を負っている。安全なサービス提供の義務を肯定しています。

これは利用規約に書いていない義務なので、書かれざる義務ということで、次のスライドに説明を書いていますけれども、これはちょっと省略をしまして、その次のスライド。すみません、ページ番号が消えてしまっていますが、16枚目のスライドで続きを御説明します。裁判所は、利用規約に店舗の行為について責任を負わないと書いても責任を負うことがあるよと言いましたけれども、問題は、具体的にどんな義務を負うかということです。原告、詐欺の被害者のほうは以下のような義務があると主張しました。マル1は、詐欺横行時におけるユーザーに対する注意喚起の義務。マル2は、出品者の信頼性評価システムの導入義務。マル3は、出品者情報の提供・開示義務。誰なのか。当時は、CtoCオークションというのは出品者の情報を明らかにせずに取引ができましたけれども、それを匿名でさせてはいけないのだという主張。マル4は、エスクロー義務化義務ということで、先ほど来出ておりますエスクローです。義務化義務というのはちょっとややこしいのですが、エスクローはオプションとしてプラットフォームが提供していたので、それをオプションではなくて全件エスクローにすべきだったのだという主張をいたしました。そうだったら詐欺が防げたということです。マル5は、補償制度充実の義務、そのようなことを主張しました。

こういう具体的な義務について裁判所がどう判断したかというのがその次のスライドで、裁判所は17枚目のスライドのように判断をしています。義務があるかないかということについては、注意喚起の義務だけありますと、ほかはないと言いました。下にポイントとして書いてありますけれども、プラットフォームの安全なサービスを提供する義務、その内容は、具体的な状況に応じて決まるということが判決から見てとれるかと思います。これは詐欺の横行している、詐欺被害がふえている状況では注意喚起をする義務があると認めている。それから、判決の中には、事業者の事業運営上の事情です。費用がかかる。全件エスクロー化みたいなことについては事業運営上の事情にも配慮した判断をしておりまして、費用のことについても裁判所は考慮してくれるのだなということです。

注意喚起の義務があることにはなりましたけれども、では、その義務をやっていたのかどうかということについては、これはやっている、注意喚起を果たしているという判断になりました。義務違反はないということになりましたので、プラットフォームが勝ちまして、地裁、高裁まで維持されて、最高裁の決定も棄却で出ているということです。

おめくりいただきまして、裏ですけれども、今度は参加利用者ではなくて第三者です。プラットフォームの外側にいる人に対して責任を負うことがあるという場合の判決です。これもかなり知られた事件ですけれども、モールの店舗が商標権侵害の商品を販売したというケースです。商標権侵害を受けたという被害者、これは実はチュッパチャップスですけれども、モール事業者が指摘を受けてその商品を削除しましたが、被害者はそれだけでは満足せずに提訴して、削除が遅かったということかと思いますけれども、これに対して裁判所は、モール事業者は権利侵害の申告を受けたときは、その有無を調査する義務があるということで、モール事業者の一般的な義務を肯定しております。ただ、当てはめとしては、本件では、モール事業者が調査の上短期間で権利侵害情報を削除したことから、モール事業者に損害賠償責任はないという判断をしております。

以上がマッチング型の私法上の責任でして、ここから非マッチング型の私法上の責任についてお話をしようと思います。

違法情報媒介責任と書いてありますけれども、21枚目のスライドですが、非マッチング型においては、掲示板やSNSのようにいろいろな情報を発信して消費する。その中に権利侵害情報が含まれるということです。ソーシャルメディア等の非マッチング型プラットフォームにアップロードされた権利侵害情報に関するプラットフォーマーの法的責任。昔はこれをプロバイダーの法的責任と言っておりましたけれども、最近はそんなことは言いませんが、プラットフォーマーに対して人格権等に基づく削除請求又は不法行為に基づく損害賠償請求が認められるかということが問題になります。

マッチング型の場合と違いまして、マッチング型の場合は対参加利用者、対第三者とかそういうのがそれぞれあったのですけれども、こちらの非マッチング型については、第三者と参加提供者、参加利用者という利用者の区別をあまりしなくてもいいのではないかということが書いてあります。それは、最初の定義のところで申し上げました、プラットフォームと利用者の間の契約が必ずしもあるとは限らないということですので、プラットフォームに参加するかしないかということをあまり大きく区別する必要はないのではないかということです。何を考えているかといいますと、掲示板を書き込んだり読んだりしない人であっても、掲示板で名誉棄損を受けたりプライバシー侵害を受けたりすることはある。その場合と、掲示板を普段から見たり書いたりしている人でも扱いは変わらないということでございます。

その次のスライド、22枚目と23枚目は情報の流通経路ということで、ウエブサイトやブログの流通と掲示板の流通を書いています。基本的には全く同じですが、赤い丸を打っているところが違うということです。何が違うかというと、ウエブサイト・ブログのタイプの場合は、発信者がわかっていることがありますので、その場合は発信者に対して削除請求をできます。ウエブサイト・ブログ型の場合は、発信者とブログのプロバイダーの両方について削除請求ができます。掲示板の場合は、発信者がどこかに行ってしまう、削除の権限がもともとないということがありますので、基本的には掲示板管理者が削除請求の対象ということになります。

そこからは、掲示板等の権利侵害の実例を2枚書いておりまして、匿名掲示板だと24枚目のスライドみたいになっていて、企業のページというか、企業のスレッドで、昨年度は粉飾決算だったのだとか、循環取引があったのだとか、割と具体的なことを書いたりすることがある。

その次の25枚目のスライドですけれども、QAサイトということで、△△クリニックに行こうと思うのですが、どうでしょうか。テレビで広告をしていますがというふうに聞いてみたところ、はっきり言って、お勧めできません、ひどいことになってしまいました、訴訟も何件か抱えていると聞きましたみたいな、こういうことが書かれたりします。実際には、このQを書いている人とAを書いている人が同じで、△△クリニックの競合事業者だったりすることもあるということです。

その次のスライドですけれども、そのような場合に掲示板管理者の責任として、プラットフォームの責任として、不法行為に基づく損害賠償責任を負うことがある。ただ、3ポツですけれども、これはプロバイダ責任制限法による免責を受けます。

その次、差止請求ですけれども、削除請求、削除請求と言っていることの実態は差止請求です。これについても差止請求ができる、削除請求があるということだけ御紹介しようと思いますが、これは実は掲示板管理者、SNS等に対する差止めですとか発信者情報の開示というのもありますけれども、非常に案件が多いということは申し上げておこうと思います。東京地裁の仮地位仮処分の6割とか7割というような数であると聞いております。非常に数の多い紛争類型になっています。

おめくりいただきまして、今の話と若干方向性は変わりますけれども、DeNAのキュレーションメディア問題というものがありましたので、これについて御紹介しておこうと思います。プラットフォームの性質を考える上でおもしろいところがあるかなと思いまして、キュレーションメディアということで、本来、特定の問題についての専門情報の提供を目指していたということですけれども、いろいろ問題があると言われまして、2ポツ、3ポツのところですけれども、コピペが多いとか写真を無断で使っている、それから不正確な医療・健康情報を書いているということで批判されました。それぞれ法律違反の問題があるというものです。

次のスライドですが、これはキュレーションメディア問題について、第三者委員会の報告書をそのまま切り取ってきたものです。書体がゴシックではなくなっていますけれども、この部分は全部コピペです。このiemoとかMeryとか、住宅だとか家具だとかファッションだとか、そういうテーマがあるわけですが、どれがどれか忘れてしまったのですが、テーマごとに議論されていますけれども、「Iemo社およびペロリ社を買収した際に、iemoやMeryを『プラットフォーム』とすることを議論しているが、そこでいう『プラットフォーム』の意味は、『一般ユーザーが記事を投稿する場』であり、それゆえにプロ責法により、基本的に、DeNAが、プラットフォームに投稿された記事について責任を負うことはないことを意識している」。「これに対して『メディア』とは、『自らが情報発信者となること』、又は『情報発信者となる事業』を意味し、そこに投稿された記事について、DeNAがプロ責法により責任を免れることはないという意味で用いることとする」。

おめくりいただきまして、ここからは私の要約が入っておりますけれども、買収によって運営するようになったサイトとその後の内製7サイト、DeNAが自社で作成したサイトですが、これは一般ユーザー投稿機能を備えており、プラットフォームの部分があったことは間違いない。しかし、一般ユーザーの投稿の割合は、全記事の5%から10数%であった。その他の記事は、サイト運営者であるDeNAが様々な形で作成プロセスに関わっていた。その部分については、メディアと評価すべき。プロ責法の適用があるかのような対外対応は不適切であったと第三者委員会の報告書は書いております。

以上が、動画投稿だとかSNSだとかサービス面に着目した私法上の責任ということですけれども、これは別にお金を取ってやっているわけではないので、事業運営上はこれは広告を販売して表示するということなので、それについての問題を少しお話ししようと思います。

おめくりいただきますと、個人情報保護委員会のウエブサイトがありまして、このトップページといいますか、右側に「お知らせ」ということで、「お知らせ」の一番下に「注意情報」というのがあるのですけれども、その「注意情報」のところをクリックするとこのように表示されていまして、上から3番目「SNSの『ボタン』等の設置に係る留意事項」ということで、ことし3月の初めにこの情報が公開されております。

ここをクリックすると、その次のスライドになりまして、「SNSの『ボタン』等の設置に係る留意事項」ということで最初の○、ちょっと字が小さくて申しわけないのですが、一部のソーシャルネットワーキングサービスは、ログインした状態で、当該SNSの「ボタン」等が設置されたウエブサイトを閲覧した場合、当該「ボタン」等を押さなくとも、当該ウエブサイトからSNSに対し、ユーザーID・アクセスしているサイト等の情報が自動で送信されていることがあります。

その次の○です。このため、サイト運営者においては、SNSの「ボタン」等の設置を検討する際には、各SNSのプライバシーポリシー等を十分確認し、実態を正確に把握した上で判断する必要があります。

3番目の○。また、サイト運営者は、SNSに情報送信されるような「ボタン」等をウエブサイトに設置する場合には、ボタン等を押さなくとも閲覧しただけで当該SNSに情報が送信されることがあることを一般の利用者が十分に認識するよう、当該SNSに情報が送信されていること及び送信されている情報の範囲等をプライバシーポリシー等において分かりやすく明示する等、丁寧に御対応くださいということになっています。

御案内の方もいらっしゃるかと思いますけれども、どういうことかというのを図で御説明するのが次からのスライドでして、まず「クッキーとは」ということです。これも御案内かとは思いますけれども、ユーザーのブラウザーがサーバーにアクセスをすると、サーバーがクッキーと呼ばれる識別子を送ってきます。これはブラウザーごとに皆さん全然違うものを送ってくるということです。ここでは左の人が、これは人が言っているのではなくてブラウザーが言っているのですけれども、クッキー「0123」を振られた。0から100から1,000からいろいろあるわけです。皆さん一人一人違うということです。再度サーバーにアクセスするときに、同じサーバーにアクセスすると、このクッキーをブラウザーがサーバーに送り返します。それによってそのサーバーは、さっき閲覧しに来たブラウザーがまた閲覧しに来たなということが分かる。そういう仕組みになっております。

これを使ってURLが紫色になったりとか、そういうことがいろいろできるようなのですけれども、広告との関係でどういう使われ方をしているかというのが次のスライドです。このユーザーというのが私だとしまして、私が○×スポーツのウエブサイト、スポーツ新聞のウエブサイトをよく見ておりますけれども、それにアクセスしたところを考えます。スポーツ新聞のウエブサイトは右肩のピンクの四角のような形になっておりまして、白いところに画像というのがあります。これは何でもいいのですけれども、バナー広告がイメージとしては一番分かりやすいかもしれません。

左側に行きまして、順番にマル1マル2と行きますけれども、左側の矢印のマル1は、私が○×スポーツを見ようと思ってアクセスしたと。そうすると、その○×スポーツのウエブサイトから、マル2ですけれども、コンテンツ、ピンクの部分と白い画像、これは広告だから別のところ、広告サーバーからとってこいという指示の書かれたタグ、それから先ほどお話ししましたクッキーが送られてきます。その指示のところですが、マル3で画像タグと書いておりますけれども、このスポーツ新聞のウエブサイトにプログラムがあって、そのプログラムがブラウザーに対して広告事業者のサーバーから画像を読み込めと指示する。つまり、右肩のピンクの○×スポーツは、ピンクのところは自分のサーバーから渡しますけれども、白い画像のところは広告サーバーからとってくるような仕組みになっているということです。私はそれを知らないわけですけれども、ブラウザーが○×スポーツのウエブサイトから指示を受けましたので、画像を広告事業者のサーバーからとってくる。それがマル4以降でして、指示を受けたのでマル4で画像をとりに行きまして、マル5で画像をとってきまして、そのときにサーバーからやはり先ほどのクッキーをもらってきます。

マル2のクッキーは1Pクッキーとありますが、これはファーストパーティークッキーの略です。その次のマル5のクッキーは3Pクッキーとありますが、これはサードパーティークッキーの略です。ファーストパーティーというのは、ユーザーが見ていることを知っているウエブサイト、○×スポーツのウエブサイトから来るもの。そして、私が見ているウエブサイトではないもの、広告事業者のサーバーから来るものがサードパーティークッキーで、それぞれサーバーが違うクッキーを割り振ってくるということです。

おめくりいただきまして、その次は、今の右側の部分を少し丁寧に書いたものです。同じことが書いてあります。マル4マル5は先ほどと同じで、○×スポーツから画像タグをもらいましたので、その指示に従って広告事業者のサーバーに画像をとりに行きます。広告事業者サーバーから画像そのものとサードパーティークッキーを私のブラウザーがもらいました。それがマル5です。

マル6ですけれども、ここにちょっとトリッキーなことがありまして、マル4の画像タグで広告事業者サーバーから画像をもらいに行くときに、どこから来たかということを広告事業者サーバーに伝えるということです。どこの指図で来たかということです。○×スポーツからもらったファーストパーティークッキー「○×001」をブラウザーは広告事業者のサーバーに渡すということです。広告事業者サーバーは、その上でサードパーティークッキーを私のブラウザーに割り振っていますので、ファーストパーティークッキー「○×001」と、この広告事業者が仮にDMPというドメインだったとしますと、広告事業者自身が発行した「DMP123」の組み合わせが広告事業者サーバーで完成するということです。

次のスライドは、○×スポーツだけではなくて、私もいろいろなウエブサイトを見ますので、あちこちのウエブサイトを見ますけれども、広告事業者はいろいろなウエブサイトと提携していて、いろいろなウエブサイトに画像のタグを張っているということがあるわけです。そうしますと、私がいろいろなサイトにアクセスしているファーストパーティーは変わるのですけれども、広告事業者のほうは同じ。サードパーティークッキーも同じということで、私のブラウザーは広告事業者サーバーからもらったクッキーを広告事業者サーバーとやりとりすることになります。やりとりというかDMPクッキーを広告事業者のサーバーに送ります。その際に、それぞれのサイトのファーストパーティークッキーを送ります。「○×001」を送ったように、別のサイトのファーストパーティークッキーも広告事業者に送りますので、広告事業者としては、それを全て「DMP123」とひもづけて管理することができます。

そのひもづけた状態が次のスライドで、「DMP123」のクッキーにひもづけられたアクセス履歴はこんな感じなのだなということが広告事業者のサーバーの中で分かるということです。

その次のスライドは、その評価ですけれども、非常に一般的に行われているということです。法的評価ということではあまり書いたものはないですし、これはだめなのではないかと言われたこともありましたけれども、個人情報ではない、誰の情報かわからないということもあって、事実上許容されているということです。アプリの位置情報などを利用して、リアルの行動とあわせて分析することもあります。

すみません。前のスライドにお戻りいただきますと、こんなふうにアクセス履歴が分かりますので、私がといいますか、私なのはわからないのですけれども、「DMP123」のブラウザーの持ち主はこういうことに興味があるのだな、こういうものが好きなのだなということが分かります。それによって適切な画像広告を出すことができるということです。

39枚目にもう一度戻りますけれども、こういったクッキーで集めたことに加えて、位置情報を使って分析する。それから、デバイスをまたいでスマートフォンとPCで同じ人であると把握して、あわせて分析するというサービスも存在します。

おめくりいただきまして、それでは、画像のほうは別にだめではなかったわけですけれども、何でSNSの「ボタン」がだめなのかということです。左がよくて右がだめなのはなぜかということです。

その次のスライドですけれども、SNSの「ボタン」については左側の情報と同じことができるわけですが、加えてユーザー登録情報を持っているということです。ユーザー登録情報を持っているので、このユーザーが、私がどこのウエブサイトを見たかということがわかってしまう。個人情報になってしまうということです。

次のスライドですけれども、これは別にただ単に画像のところを「ボタン」に置きかえているだけですが、「ボタン」を設置したウエブサイトの閲覧履歴をSNSは取得することができる。SNS側に登録情報があれば、それと結合して個人情報となるため、個人情報保護委員会は懸念を示しているということです。具体的には、各ウエブサイトのプライバシーポリシー等にその旨を記載すべきであるというふうにしています。

次のスライドですが、まとめですけれども、SNSの「ボタン」の場合には単なる広告事業者と異なって、SNS側に登録情報があることがあるため、ウエブの閲覧履歴は個人情報になるということです。SNSの場合はそれが1人でできてしまうわけですけれども、広告事業者自身が「DMP123」の事業者、これは自分では誰だかわからない閲覧履歴なわけです。クッキーしかわからないのですけれども、これをファーストパーティーのウエブサイト、例えば私が頻繁に見ている○×スポーツに提供する、売るというサービスも存在するということです。そうしますと、先ほど申し上げましたように、広告事業者というのは各ウエブサイトのファーストパーティークッキーを持っていますから、それと一緒に販売しますので、○×スポーツ側では、自分のドメインの外側で登録ユーザーがどんなインターネット上の行動をしているのかが分かるということになります。ユーザーデータを拡張するということですけれども、これが果たしていいのかというところはあります。

その次のスライドですが、非マッチング型プラットフォームと広告ということで、非マッチング型プラットフォームは売り上げに占める広告の割合が極めて多いということです。フェイスブックだと96%とか97%ぐらいだと思いますが、マス広告よりも行動ターゲティング広告が大きい。控え目に言っても圧倒的に大きいと思います。広告枠を販売するわけですけれども、その価格は広告枠を見ている人の趣味嗜好や性別、年齢、所在地などのパーソナルデータの種類と精度によって決まります。SNSの「ボタン」により十分な説明のないまま個人情報を取得することは、個人情報保護法17条1項の適正取得義務の違反に当たる、利用者のプライバシー侵害に当たるという意見もありますということで、事業運営の私法上の責任のお話をいたしましたので、私の話は以上です。御清聴ありがとうございました。

○中田座長 ありがとうございました。

今から少し質問をということなのですけれども、ちょっとお聞きしたいのですが、広告事業者というのと非マッチング型プラットフォーマーというのは同じという形で捉えられているのか、ちょっと違うのでしょうか。そこの区別は。

○森委員 非マッチング型のプラットフォームは、スライドの、あまり細かくは書いていませんけれども。

○中田座長 イコールと考えてもいいのですか。

○森委員 いえ、違うのです。イコールでは全くないです。今、何を申し上げたかったかといいますと、SNSは非マッチング型プラットフォームですが、SNSが広告事業者である場合があるということです。そして、その広告事業者は本体的な機能として、ああいうクッキーによる閲覧履歴の収集のようなことをして、それが本業というか、それがビジネスなわけですが、広告事業者イコールSNSかと言われると、SNSでない広告事業者というのはいます。しかし、ほとんど全てのSNSが広告事業者だろうと思います。

○中田座長 ありがとうございます。

それでは、まず、森委員の御報告について御意見あるいは御質問で、その後に全体についてもまた質問をしていただくという形で時間を配分したいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

はい。

○早川座長代理 スライドの44について御質問したいのですけれども、今現在は、最後の最後のところですが、という意見もあるというところで、個人情報保護法の17条に違反するかどうかについての御意見が確定的ではないということだと思うのです。今、ヨーロッパのほうでGDPRが先月25日から発動して、それの我が国への影響という話もあるのですけれども、ヨーロッパの中で同じようなことが当然なされているわけですが、そこに対してGDPRはこの問題についてどう考えているのか、もしも可能であれば御説明いただければと思うのですが。

○森委員 今、実際に、発行した途端に提訴みたいなことが報道されています。報道ベースですが、フェイスブックとグーグルも提訴されていたように報道されていたと思いますが、その提訴の中身は、GDPRの場合は、いろいろな個人情報の取り扱いの行為をするのにそれを一定の場合しかやってはだめということになっていまして、そのうちの同意ベースでやっていることについて、同意をサービスと引きかえに強制したと。したがって、そんな同意は無効であるにも関わらず、取り扱い、情報の取得が中心だと思いますけれども、それをやったのが違法なのだということで提訴されたというような報道を見ました。多分、生貝先生が詳しく御存じなのではないかと思います。

○中田座長 生貝先生、いいですか。

○生貝委員 特につけ加えることはありません。

○中田座長 消費者に対して、その好み、趣味あるいは性別、年齢という情報を得て広告をすると。その広告の仕方自体は許容されると一応考えられるのでしょうか。それとも、それについてもかなり問題があるとお考えなのか、御意見をお聞きしたいのです。

○森委員 今日までで、非常に皆さん、ECのウエブサイトに行ったらいつまでたっても同じ広告が出るわとか、それは基本的にはこの仕組みを使っているわけでして、それが違法だという話にはなっていなかったという意味では問題ではないのかもしれません。ただ、はっきり申し上げて、どうなっているのかわからなかったからという面はちょっとあるのかなという気がするのです。ただ、それがSNSのサーバー側で個人情報とくっつくということになりますと、日本においては個人情報保護法が適用されるトリガーも、誰か分かるという形で個人情報になるということですし、また、プライバシー侵害の境界線も、誰か分かるかそうでないかというところに結構大きな境界が裁判例上ありますので、これまでのことはよかったかもしれないけれども、個人と結びつくのはだめということなのかなと思います。

○中田座長 前田委員、お願いします。

○前田委員 ページとしては、非マッチング型のところで、例えば21ページ目とかに情報を提供し、消費するというような言葉があったかと思います。物があってそれに対して対価が支払われる意味での消費というのと、ここでの消費というのはどういう関係性があるのかということと、個人が情報を提供し消費するということと、ふだん私たちがイメージしている物を買って、それに対してお金を払うという意味での消費。いわゆる消費財とかで言われるような消費との違いを御教示いただければと思います。

○森委員 ありがとうございます。ごもっともな御質問だと思いますが、私がこのスライドで非マッチング型の説明として互いに情報提供し消費する、例えば8ページとかに書いてありますけれども、ここで言う消費というのは、単に見て楽しむというだけのことであって、ECにおける消費者被害における消費とは違います。取引があるわけではないですね。なので、これはサービスの面では完全に無料サービスであるということですから、そういう消費者被害は起こっていないと思います。

もう一つ申し上げれば、これまでは無料のものというのは何でも無償だったのだろうと思います。何も対価を渡していなかったということだと思いますが、本件はそうではない。非マッチング型プラットフォームの場合は、そのように楽しむことによって動画を見る、あるいは特定のページを見る、むしろSNS以外のウエブサイトを見ることによって情報を提供しているのです。したがって、それは全く対価のないものではなくて、そういうものを渡してかわりに楽しんでいるということだと思いますので、無料ではありますけれども、価値のある情報の提供があるということかと思います。

○早川座長代理 ちょっと戻って恐縮なのですけれども、もう一度、今の日本の現状とヨーロッパの状況を確認したくて、森先生、あるいは、もし生貝先生に教えていただければなのですが、現在は、スライドですと例えば33にあるように、個人情報保護委員会は、ボタンを押さなくても自動で送信されているみたいなところを問題視していると。ところが、先ほどの森先生のお話だと、今、GDPRのもとでヨーロッパで問題にされているのは、ボタンを結局選択のないままに、あるいはインフォームドコンセントと言えないような形で押しているところが問題だということなのでしょうか。つまり、今現在、日本での実情とヨーロッパの実情と、それからルールがどう違っているのかについて、先ほどの答えではわからなかったので教えていただけますでしょうか。

○森委員 ボタンを押さないかどうかということは、今のGDPRでの提訴の話とはちょっと違いまして、ボタンを押さないでもというのは、ボタンを押したらば、皆さん、そのウエブサイトを見たことがSNSに伝わるだろうということは分かるわけです。そういうある種の透明性があるわけですけれども、押さないのにSNSに閲覧情報が行っているとは思わなかったという、その不透明であるという趣旨で、ボタンを押さなくてもと言っているのです。

ですので、先ほどのGDPRの提訴の問題は、GDPRのルールのたてつけ上そうなっているということなので、あまりここでは本質的な問題ではない。両方に恐らく透明性を確保するというのはGDPRでも明文で要求されていまして、それが我々の法律で言うところの17条1項、不適正な手段みたいなことと同じといえば同じなのかもしれません。向こうは結構厳しい、いろいろなひっかけどころがあるわけですけれども、もしかしたらGDPR上も透明性原則に違反したということで提訴できるのかもしれませんが、それとは違う形で提訴されているということです。

○早川座長代理 もう一回確認ですが、例えば、押さないのに情報提供しているという実態があったときに、それをヨーロッパの中でなされていたら、今現在はGDPRでは違反になる、ならない。そして、日本では、最後のところの結論だと思うのですけれども、そこはどうなのでしょうか。

○森委員 GDPRというのは、御案内のように施行されたばかりでして、その前も似たような各国法のルールがあったわけですが、そのもとでSNSの情報収集が不適切であるということで問題になっている、実際に法的手続を行っているケースというのはあります。

○早川座長代理 それは、ボタンを押さなくても出しているものも問題になっている。クリアな答えではない。

○森委員 押さないということは、不透明性の一つの材料ですね。押さないのに情報が行っている。例えば、仮に、押さなくても行ったとしても、ポップアップを出して、あなたがこのウエブサイトを見たということはあなたの登録しているSNSに情報が行くことがありますみたいなことをいろいろなウエブサイトが出せば、それは透明性が図られるのかもしれません。ユーザーにわからずに取得されるということのポイントとして、委員会はボタンを押さなくてもと言っているということです。

○中田座長 今の御指摘の点は個人情報になるということですね。ある品物を見たとか、あるサイトを見たとか、そういった情報が、ボタンを押すか押さないかはともかくとして、例えば押したときには確実にそれが個人情報としてSNSのところに蓄積されるという理解でいいのですね。

○生貝委員 まさしくフェイスブック側では個人情報をしっかりと持っているので、それと組み合わせることによって個人情報にまさになるということかと思います。

○中田座長 次に、私がちょっと問題にしたのは、そういった個人をターゲットにした情報を持っていることによって、個人に向けた形でのターゲット型の広告を容易にすることができるところです。逆に言うと、そういうもので売り上げが上がるということになれば、個人情報を集めようとするわけですね。そこの兼ね合いはどうなのかというのが1つです。先生にお聞きしたのは、そもそもそういったターゲット型の広告が適切ではないという判断をするのであれば、それは違法な広告形態ということにもなりますので、そこはどういう状況なのかをお聞きしたいと思ったのです。

○森委員 御趣旨に応えられるかどうかわからないのですが、ターゲット型の広告というのは、ブラウザーの識別子が把握できていれば個人情報の形で管理しなくてもできますので、ターゲティング広告が全部だめということではもちろんないです。なので、ここでは一般のユーザーにわからない形で個人情報を取得することの取得行為が問題だということです。広告の出し方の話では基本的にはないと思います。

○中田座長 私がお聞きしたいことは、そういう広告自体は許されてよいものかどうか、です。

○森委員 行動ターゲティング広告自体が是か非かと言われれば、私は、社会的には許容されていると思います。行動ターゲティング広告を出すために異常な情報収集、それはマーケティングというのは何がしか消費者の情報を前提にやることなのだと思うのですけれども、そのための情報収集の仕方が悪い場合に違法になるということで、行動ターゲティング広告自体が全部だめということではもちろんないと思います。

○中田座長 ほかにいかがでしょうか。全体の報告に関わって質問をお願いします。

○大橋委員 全体もあわせて、まず1点、森先生のお話、クッキーがいかにマネタイズされるかということ、そして、閲覧をするときにそうしたものが実は知らないうちに裏でマネタイズされているということを非常にうまく説明していただいたと思って、こういうことはやはり広く知られる必要があるなと強く感じました。

今日はお時間がないので詳しくは発言しませんが、本当は広告事業者が活動する場、市場がどうなっているのかというのは若干気になっていて、クッキーの売買があるのかとか、あるいは実は広告事業者は独占・寡占なのかとか、そこのあたりは、このクッキーの価値がどれだけなのかというのに影響を与えているなという感じがしました。また後日、教えていただければと思います。

全体で1点だけ、今日、原田委員からの御発表で、利用者は複数のプラットフォームを使えるので、いいプラットフォームが最後に生き残るのではないかというお話を9ページにされていた。これはすごく重要なポイントだと思っていて、ある種、セレクションのメカニズムが市場の中で働くのではないかということの御指摘だと思います。ただし、これがどのぐらいの時間がかかるのかというのはすごく問題だと思っていて、これがかなりの時間がかかったらどうなのか。最後、優秀なものが1者しか残らないところまでどれだけ時間がかかるのかと。瞬時にそうなるのであれば、多分あまりこの場で議論する意味はないと思うのですけれども、それにえらく時間がかかると、その間にいろいろな被害・損害を受ける人が出てくる。そこはやはり契約さえ、もとを正していただければ、多分多くの人がそういう被害を受けなくて済むという意味で言うと、すごく外部性がある世界なので、そこは何らかの形で行政が一定程度やるというのは意味があることなのかなということを、今日を通じて感じました。

以上です。ありがとうございました。

○中田座長 ありがとうございます。

ほかに御意見は。

片岡委員、どうぞ。

○片岡委員 全体を通しての話になりますけれども、プラットフォームというものを考えたときに幾つか種類があると思うのですが、プラットフォームの特殊性はそれぞれの種類ごとにどういうものがあるのかまだよくわからない部分がありました。特に消費者トラブルという切り口からいったときに、これはプラットフォームだったから悪かったのか、よかったのか、あるいは、あるプラットフォームだからよかったのか、あるプラットフォームだから悪かったのか。それぞれの事業者が取り組んでいることが功を奏しているのか、奏していないのかというところはまだ分かりにくいところがあるなと思っています。

というのも、お買い物をしたがトラブルに遭ったというシンプルな問題があったときに、そこに対してプラットフォームがどういう役割を果たすべきなのかと考えると、プラスアルファでどういうことをやっていて、それが功を奏したのか、奏していないのか、あるいは消費者はこうやってほしいと思っているのにやってくれなかったという点があるのか、ないのかというのが重要になってくると思うので、今後、いろいろ話を深めていくに当たっては、そこの差分、プラットフォームありの場合となしの場合でトラブル解決にどういう違いがあるのか、あることをやっているプラットフォームとやっていないプラットフォームとの間にはどういう違いがあるのか。それが消費者からどう見えているのか。あるいはそれが役に立っているのかというような観点を見ていくと、どのように関わっていくべきなのかが見えやすいのかなと思いました。

あとは最後にお話しいただいた法的な観点の部分なのですが、特にBtoCのプラットフォーム、お買い物をする一般的なショッピングモールなどのプラットフォームにおいては、法律的な関係は結構はっきりしていて、売主と買主は明確です。それ以外に一般的な不法行為責任をプラットフォームが負う可能性があって、あるいは売買契約にひもづいて、例えば決済サービスなどのいろいろなサービスをプラットフォームが提供している場合に、そのようなサービスをちゃんと受けられなかった場合にはどういう法律関係があるのかというのが生まれたりはするのですが、意外と法律関係自体ははっきりしている。誰が各サービスを提供しているのか見えにくいという問題はあるかもしれないのですが、法律関係は多分、クリアになっているのだろうなと。であれば、今後、プラットフォームでの取引に対して検討していく部分は、売買契約やサービス提供契約、不法行為責任といった法律関係をもとにして、より分かりやすくするにはどうしたらいいかとか、あるいは法律関係の枠を飛び越えてプラスアルファでどういうことをしたら消費者によりよいサービスが提供できるのか、そういう点を考えるべきなのかなと思いました。

○中田座長 ありがとうございます。早川座長代理、お願いいたします。

○早川座長代理 2点、手短に申し上げますが、1点目は、今日は特に森先生の御報告を聞いて、非マッチング型がどういう問題を抱えているかというのは、問題の所在の認識としては非常によく理解できた気がします。ただ、マッチング型が抱えている問題というもの、特に今日の前半部分で3人の委員の方々から御報告いただいたものと性質が異なるものだということも同時に理解しました。

前回、この委員会の射程をどのように考えていくかという話がありましたけれども、そのときに、問題の所在の認識としては広く間口を区切らないでいいと思いましたが、マッチング型のトラブルのものと非マッチング型のものを同時に全て限られた時間の中で扱うのはちょっと限界があるかなと思いまして、この非マッチング型のほうは非常に重要だということは認識していますし、今、まさにヨーロッパで新しい動きがあって、それが注目されるべきだというふうに、日本もどうあるべきかを問われている状況にあると思うのですけれども、それを同時にやるのは、性質が異なるがゆえに非常に大変かなと思った次第です。ただ、必ずどこかでやらなくてはいけないと思っております。

もう一つ、プラットフォーマーの責任を、このトラブルを解決するためにどのように位置づけるかというときに、先ほど大橋委員からもありましたが、ある種これはプラットフォーマーの魅力を、消費者側が選べる魅力の競争の問題に落とし込んでいくにはどうするかというところの視点が非常に重要かと思っております。その意味で、前半にもありましたけれども、外部のほう、あるいは行政、あるいは国際的にトラストマークのようなもので、一定のトラブル解決などに対してのサービスを提供できるプラスアルファを持っているところには、外部的にそれが消費者側から認識できるような形のものをつくることによって、先ほどの競争にどれだけ時間がかかるのかという問題を短縮する試みが実際に話し合われております。

また、もう一つの視点としては、大手の業者しかそういった紛争解決のためのプラットフォームのようなものをプラスアルファで追加できないとすると、小さな事業者あるいはプラットフォーマーは、そこにおいて競争的に劣後してしまうので、それを外部的に補充するようなODRのプラットフォーム自身が外部の事業者として存在して、そこを利用したりコネクトできるような仕組みというのも、これも今、試みられているわけですが、そういったものが発達するのはどうしてなのかということもよく認識できた気がします。

以上です。

○中田座長 ありがとうございます。

最初の検討対象の範囲に関わりますが、個人的な関心もあるのですが、やはり広告というのは契約締結に入っていく場合の大きな誘引になり、特にオンラインプラットフォームのところでも大きな役割を果たしていることは否定できないだろうと思います。ですから、ECというところにグーグル、フェイスブックは何も関係していないわけではなくて、広告を通じて、広告事業体として関与していることは明白であると言えるでしょう。もっとも、どのようにそれを取り込んで扱っていくかという問題はありますが、最初から全く視野に入れないのはやや適切ではないように思われます。もちろんリソースの問題がありますので、それも踏まえてどうするか、なお考えて行きたいと思います。


≪4.閉会≫

○中田座長 もう最後になりますが、今日は具体的な消費者被害がどのような形であらわれているかを御報告いただいたということで、それをどういう形で整理していくかというのはこれからの課題になりますが、事務局と相談しつつ、全体像をある程度は見渡せるような形で検討を進めていきたいと思います。

長い時間、今日はどうもありがとうございました。以上をもちまして閉会とさせていただきます。ありがとうございました。

(以上)