第93回 公共料金等専門調査会 議事録

日時

2026年3月17日(火)10:00~11:48

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

【専門委員】
野村座長、後藤座長代理、太田委員、城所委員、郷野委員、長尾委員、原委員、若林委員
【消費者委員会担当委員】
小野委員
【電力・ガス取引監視等委員会事務局】
ネットワーク事業監視課 黒田課長、松下課長補佐、川口課長補佐
【消費者庁】
茶谷参事官(公益通報・協働担当)
【事務局】
小林事務局長、吉田審議官、友行参事官、事務局担当者

議事次第

  1. 開会・事務連絡
  2. 託送料金制度(レベニューキャップ制度)について
  3. 事務連絡・閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会・事務連絡≫

○友行参事官 本日は、お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。

ただいまより「消費者委員会第93回公共料金等専門調査会」を開催いたします。

本日は、野村座長をはじめ、その他の委員の皆様はテレビ会議システムにて御出席です。

なお、御都合により柿沼委員が御欠席されております。

また、議題の御説明のため、電力・ガス取引監視等委員会事務局から、ネットワーク事業監視課の黒田課長、松下課長補佐、川口課長補佐に会議室にて御参加いただいております。

加えて、オブザーバーとして、消費者庁から公益通報・協働担当の茶谷参事官に会議室にて御参加いただいております。

本日は、テレビ会議システムを活用して進行いたします。一般傍聴者にはオンラインにて傍聴いただき、報道関係者のみ会場に御参加いただいております。

議事録については後日公開いたします。

なお、配付資料につきましては、お手元の議事次第に記載してございます。もし不足の資料がありましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

それでは、野村座長、以降の議事進行をよろしくお願いいたします。

○野村座長 本日はよろしくお願いいたします。

本日の進行についてですが、途中で私の回線が切れてしまった場合には、復旧するまでの間、座長代理に、座長代理の回線も併せて切れてしまった場合には事務局に進行をお願いすることといたします。


≪2.託送料金制度(レベニューキャップ制度)について≫

○野村座長 それでは、議事に入らせていただきます。カメラ撮りがもしございましたら、ここまでとさせていただきます。

本日の議題は、「託送料金制度について」でございます。

託送料金制度につきましては、消費者委員会では過去数回にわたり議論してまいりました。2023年度からレベニューキャップ制度が導入されたところ、今般、令和8年1月14日付で電力・ガス取引監視等委員会から経済産業大臣に対して、レベニューキャップ制度における物価等の上昇及び事業報酬の取扱いに関する建議が行われております。

本日は、託送料金制度、すなわちレベニューキャップ制度の概要と、本建議を行うに至った経緯やその内容、レベニューキャップ制度の第1規制期間(2023年度から27年度)における制度措置の取りまとめ等について御説明いただきたいと思います。

それでは、電力・ガス取引監視等委員会事務局より御説明をお願いいたします。時間はおおよそ45分程度を目安にしていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

○黒田課長 皆さん、おはようございます。私は、電力・ガス取引監視等委員会事務局ネットワーク事業監視課長の黒田でございます。

本日はこのような御説明の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、資料の「託送料金制度(レベニューキャップ制度)における物価等の上昇及び事業報酬の取扱いについて」の御説明を差し上げたいと思います。

2ページの目次でございますけれども、4つのパートを想定しておりまして、まず1つ目が「託送料金制度(レベニューキャップ制度)の概要」、2つ目として「物価等の上昇及び事業報酬の取扱いに関する議論」、3つ目として「第1規制期間における制度措置の取りまとめ」、4つ目として「本件におけるスケジュール」の順番で御説明を差し上げたいと思います。

3ページを御覧ください。「日本の電力供給の仕組みと電力システム改革」でございます。

2016年3月までは、旧一般電気事業者(電力10社)が発電事業、送配電事業、小売事業を一貫して担っていたということでございます。2016年4月からの小売の全面自由化によって、消費者は自由に電気を購入する事業者を選択できるようになったということでございまして、それに合わせて電気事業の類型も見直され、発電は届出制、小売は登録制として幅広く事業への参入が可能となったということでございますが、一方で、送配電事業は公的インフラとして運営されるため、国の許可制とされまして、地域独占が認められる代わりに、引き続き国が一般送配電事業者に対して託送料金の規制を課すこととされております。

下の図を見ていただくと、真ん中の「送配電事業」というところが10社、許可制でありまして、2020年4月からは発電、小売事業との兼業禁止(法的分離)も実施しまして、事業を行っているということでございます。

4ページを御覧ください。「電気料金の全体像」でございます。

電気料金は発電事業における電気を作るための費用(発電設備の資材費や燃料費など)、送配電事業における電気を送るための費用(送配電網の資材費や運営費など)、小売事業における電気を売るための費用(人件費など)により構成されております。このうち、電気を送るための費用を「託送料金」と呼んでおりまして、一般家庭における電気料金の約3割を占めているということでございます。

また、送配電事業者は、右下に図もありますけれども、全国10エリアに1事業者ずつ存在をしておりまして、電力の託送業務を営んでいるということでございます。

5ページを御覧ください。「託送料金制度の概要」でございます。

託送料金については、送配電事業者の投資の予見性の確保や、効率化のインセンティブ付与の観点から、2023年度からレベニューキャップ制度を導入しております。

レベニューキャップ制度については、全国10社の一般送配電事業者が規制期間(5年間)ごとに、事業計画の実施に必要な費用総額(収入上限:レベニューキャップ)を定めまして、電気事業法に基づいて経産大臣の承認を受けまして、その範囲内で各事業者が託送料金単価を設定しているということでございます。

6ページ以降で、「物価等の上昇及び事業報酬の取扱いに関する議論」でございます。

7ページを御覧ください。「第1規制期間の制度設計・審査時の議論」でございます。

レベニューキャップ制度は、5年ごとに規制期間ということで、今、第1規制期間でございますが、これは2023から2027年度でございます。今、第1規制期間の3年目がちょうど終わるところでございます。第1規制期間の制度設計の検討が行われたのが2021年時点でございまして、当時、消費者物価及び雇用者所得等の変動見込み分の原価算入を認めるかどうかについて議論がなされました。

その際、検討当時の物価変動が実態として極めて小幅であるといった状況でありましたので、まず第1規制期間においては原価算入を認めないことと整理し、今後については引き続き実績推移等も確認しながら検討を行っていくとされておりまして、この議論を踏まえて、レベニューキャップ制度の中間取りまとめにおいても同様の整理とされたということでございます。

8ページは、この制度設計時の中間取りまとめそのものを抜粋しております。

9ページを御覧ください。「その後の状況の変化」でございます。

先ほど説明したとおり、第1規制期間においては物価の変動見込み分の原価算入を認めないことと整理されたのですけれども、特に2021年度以降、消費者物価指数等の物価関連指標は顕著に上昇しているということでございます。

左下のグラフを見ていただくと、紫の折れ線グラフが消費者物価指数の伸び率でございますが、2021年まではほぼ横ばいであったものが、その後、ぐぐっと年平均3パーセント程度ずつ上昇している、ほかの指標も上昇しているということでございます。

また、右下の金利についても、物価関連指標と同様に2021年度以降顕著に上昇しているということで、審査の基準年度の2021年度まではマイナス金利の時代もあって低位に推移していたものが、それ以降、右肩上がりで上昇してきているといった状況の変化があるということでございます。

10ページを御覧いただければと思います。「一般送配電事業者における物価等上昇の顕在化」でございます。

一般送配電事業者は、高度経済成長期に整備した送配電設備の更新や激甚化する自然災害への対応、さらには脱炭素社会に向けた再生可能エネルギーの導入拡大等を背景に、送配電ネットワークの強靱化を図る必要があるということでございます。そのような中で導入されたレベニューキャップ制度は、一般送配電事業者における必要な投資の確保とコスト効率化を両立させ、再エネ主力電源化やレジリエンス強化等を図るものでございます。

一般送配電事業者は、電力を安定的に供給するための多額な投資に加えて、電気料金の消費者負担を軽減すべく、コスト効率化の取組についても日夜進めているということでございますが、一方で、前ページのとおり、2021年以降、物価や金利が顕著に上昇しており、その傾向が定着をしているということでございまして、こうした状況を踏まえまして、電力・ガス取引監視等委員会の審議会である料金制度専門会合において、一般送配電事業者における物価等上昇の影響等について議論を実施したということでございます。

一般送配電事業者による試算によれば、物価等上昇の影響額については、2023年度に費用ベースで10社合計で957億円、2024年度に10社合計で1749億円が生じていることを確認しておりまして、このような状況が継続した場合に、各一般送配電事業者は効率化の自助努力だけでは物価等上昇の影響を吸収し切れず、今後、継続的かつ安定的な事業運営や、委託先である電気工事事業者等の賃上げが困難になり、老朽化した送配電網の更新やGX・DXの推進に支障を来すことが懸念される状況であるということでございます。

11ページは「費用換算後の物価等変動影響額」で、一般送配電事業者の試算でございます。

先ほど申し上げたとおり、影響額が10社合計で2023年度に957億円、2024年度に1749億円ということで、下のグラフの赤枠で示しているものでございます。2024年度のほうを見ていただくと、「費用換算後」の1,749のところに赤枠がつけてありますが、費用換算前、実際の投資ベースでは2761億円というより大きな影響額が出ておりまして、レベニューキャップ上は、これが各年度の収入上限には減価償却分で費用換算されたものが影響額として載ってくるのですけれども、その数字だけでも2024年度は1749億円に達しているということでございます。

12ページを御覧ください。「設備保全の課題」でございます。

送配電設備については、左下にありますように、1970年代に最も多くの設備が建設されているということでございまして、建設から40から50年程度経過しているという状況でございます。当該設備の老朽化の進展によって、今後、更新工事や大規模修繕工事の物量の増加が見込まれているということでございまして、一方で、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少によって電気工事事業者の施工力不足が懸念されているということでございます。

13ページを御覧ください。「送電設備の概要」になっております。

送電設備は発電所で作られた電気を需要家まで送るための設備ということで、鉄塔や電線、支持物と電線を絶縁する碍子、こういったもので構成をされている。送電線路は架空送電線や地中の送電線がありまして、それぞれ電圧によって基幹系統、ローカル系統に分類されているということでございます。

14ページを見ていただくと、「送電工事の概要」も載せております。

下の写真にあるように、架空送電線及び地中送電線のそれぞれ工事、作業が発生してくるということでありますけれども、その多くは屋外での作業になり、とりわけ、猛暑・厳寒・降雨・降雪・強風など、季節や天候に左右される厳しい環境下で行われるということでございますし、当然、特殊技能が必要な分野であるとともに、写真にもあるように、山間部とか高所、鉄塔ですと100メートル以上のものも多くありますので、そういったところに上ってこういった特殊な作業をしますので、現場では高い安全意識と高度な技能が求められるということでございます。

15ページを御覧いただいて、こういった送電工事の労働環境の改善についても各事業者は近年取り組んでいるということでございます。例えば、現場で作業いただく方の宿舎の個室化を図っていくこと、あと、山の上での作業もありますけれども、モノレール通勤をする、昇降アシスト装置の採用など、労働環境の整備にも尽力をしているということでございます。

16ページ以降、「効率化の具体事例」ということで幾つか載せております。

まず、16ページについては、無人ヘリコプターの導入ということでございますが、先ほども申し上げた山岳地に資材を運搬する際に、写真にもありますけれども、これまでは20キロ、30キロの資材を人が担いで人力で山の上に運んでいましたけれども、これを無人ヘリコプターによる運搬に替えることで、運搬コストも低減しますし、労働環境についても改善される。こういった取組も進めているということでございます。

17ページについては、元位置の建替工事というものでございます。配電の電柱の建替えの作業でございますが、従来であれば、左下にありますとおり、まず赤の仮電柱を設置し、そこに電線を移設、それから青の元の電柱を新しいものに建て替えて、そこに電柱をまた移設して、仮電柱を抜柱するというプロセスがあったのですけれども、これを右下にあるように、元位置建替車両というものを開発しまして、こちらは東京電力パワーグリッドですけれども、車両と仮電柱が一体化したものでやることによって仮電柱の設置や撤去の工事費や材料費の削減ができるということでございます。

18ページでございますが、デジタル化の取組についても進展をしているということでございます。例えば、鉄塔や変電所等の巡視点検におけるドローンの活用とか、AIの自動異常検出技術を使うことによって、例えば鉄塔の破損がないか、碍子が欠けていないか、さびがないか、こういった山間部等の巡視点検をAIの自動異常検出技術によって効率化を図っている。こういった取組も進んでいるということでございます。

19ページは、こうした一般送配電事業者の効率化施策の確認に関する取組でございます。こういった効率化の取組については、電力・ガス取引監視等委員会の審議会において、送配電効率化・計画進捗確認ワーキンググループを設置いたしまして、2023年5月以降計9回にわたって確認をしてきたということでございます。

具体的には、上記のワーキンググループにおいて、送電、変電、配電ごとに、個別件名の効率化施策の内容や、各事業者の横展開状況等を確認しておりまして、下の図にありますとおり、1つの事業者で取り組んだ効率化の施策について他の事業者へどれぐらい横展開できているかを継続的に確認しております。

20ページが、送配電効率化・計画進捗確認ワーキンググループの委員構成でございます。学者の先生、有識者の方に加えて、消費者団体の方とか消費者庁にもオブザーバーとして参加をいただいているということでございます。

21ページは、また少し違う話でございますが、「工事施工会社等の賃金上昇の必要性」というページでございます。

近年、中小・小規模事業者の賃金向上が政策アジェンダとなっておりまして、一般送配電事業者は契約先の工事施工会社等の賃金上昇の必要性に迫られているということでございます。

2025年、昨年6月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」においても、中小企業・小規模事業者の賃金向上推進を図る上で、電力の託送料金に関するレベニューキャップ制度についても、国の承認後の状況の変化に応じて必要な費用を適切に変更することが必要という記載が盛り込まれているところでございます。

次のページ以降で、「第1規制期間における制度措置のとりまとめ」の御説明に移らせていただきます。

23ページを御覧ください。「当委員会における制度措置の議論の状況」でございます。

電力・ガス取引監視等委員会の審議会である料金制度専門会合において、消費者団体を含めた社会科学、法学、会計学、工学、金融に関する専門知見を有する有識者により議論を行ってまいりました。

制度検討に際しては、下の線表にあるとおり、一昨年の10月に2023年の物価上昇の影響の顕在化について把握しまして、その後、1年以上をかけて、影響額の試算とかその妥当性、また制度設計に関する議論を慎重かつ丁寧に実施をしてきたところでございまして、昨年の12月の第72回料金制度専門会合において制度措置の議論を取りまとめ、本年1月に経済産業大臣への建議を実施しているということでございます。

次のページで、料金制度専門会合の委員構成について御紹介をしておりまして、先ほど申し上げたとおり、消費者団体を含めた、社会科学、法学、会計学、工学、金融等に関する専門知識を有する方々に参画をいただきまして、また、消費者庁にもオブザーバーとして参加をいただきまして、議論をしてまいったということでございます。

25ページを御覧ください。「第1規制期間における制度措置のまとめ」というページになっております。

先ほど申し上げたとおり、昨年12月16日の料金制度専門会合において以下の取りまとめを行い、本年1月14日に電力・ガス取引監視等委員会から経済産業大臣に対し以下の内容について建議を行ったということでございます。①から⑦ということで内容を記載させていただいております。

まず①、第1規制期間での制度要否、及び対象とする場合の年度につきましては、第1規制期間も制度措置の対象とし、対象は2026年、2027年度の2年とする。②、第1規制期間の制度措置の対象とする投資量については、各事業者において見直された合理的かつ現実的な投資量の実績値とする。③、制度措置の反映方法については、翌期調整での反映を基本とするが、事業者による期中調整の申請を可能とする制度とする。④、制度措置の対象とする費用項目については、事後検証費用・控除収益・制御不能費用を除く、OPEX・CAPEX・次世代投資費用・その他費用を対象とする。⑤、物価等上昇の影響額算定の基準年度については、制度措置の基準年度を2021年度とし、対象年度の前年度までの物価上昇分を反映。⑥、適用する客観的な公表指標については、費用項目に対して消費者物価指数(総合)、投資項目に対して建設工事費デフレーター(電力)を適用する。⑦、事業報酬の取扱いについては、第1規制期間のうち2026年度、2027年度の2年を対象に、事業報酬率のうち公社債利回り実績率を対象年度の直近5年平均の数値に置き換え、差分を措置することとし、反映方法は論点③と同様とするということでございます。

次のページで、「第1規制期間における制度措置のまとめ」の中身、先ほど申し上げた中で、特に消費者の負担を最大限抑えるため、以下の点に留意し議論を行っているということでございます。

まず、論点①の対象の年度ですけれども、レベニューキャップ制度は2023から2027年度を第1規制期間としているが、制度措置の対象については、既に経過した年度に遡及適用することなく、一般送配電事業者の経営環境に配慮した上で、2026年度、2027年度の2年限定とするという議論をしております。

論点②、制度措置の対象とする投資量については、安定供給に支障を来さないことを大前提として、各事業者において見直された計画策定時点からの情勢変化や至近の動向、最大限の効率化を反映した合理的かつ現実的な投資量とする。

論点⑥、適用する指標でございますが、可能な限り実態に即した指標を適用する観点や、消費者への負担に配慮しつつ、電気工事事業者の賃上げ等にも資する観点から、費用項目と投資項目に分けて、費用項目に「消費者物価指数(総合)」、投資項目に「建設工事費デフレーター(電力)」を適用することで、影響額を精緻化した上で手当てを実施しております。

特に、広く国民(需要家)の方々に裨益する送配電設備の安定的な投資を可能とするためには、実際に工事を行う電気工事事業者の施工力確保が不可欠であることを踏まえ、投資項目については、電気工事事業の労務費の変動率を織り込んだ「建設工事費デフレーター(電力)」を用いることで、実態に即した手当てとなるように整理がされているところでございます。

少し具体的に御説明いたします。27ページですが、先ほどの対象とする場合の年度の議論でございます。

まず、2ポツまでで第1規制期間を含めて制度措置を行うということを書いてありますが、3ポツの部分で、対象とする年度の議論については、仮に制度措置の対象を2023年度まで遡るとすると、消費者が負担する託送料金に与える影響が大きくなることが懸念されるということでございまして、実際に委員からも、消費者が物価高の波に直面している中で理解と納得感を伴った対応策にするべきという意見や、既に終了した年度に制度措置を適用することは相対的にハードルが高い遡及適用になるといった意見があったことを踏まえまして、第1規制期間において対象とする年度については、範囲を限定した慎重な検討が必要であるということでございます。

この点、送配電網協議会からのプレゼンテーションも踏まえれば、物価等上昇の影響は第1規制期間の後年度にかけてさらに拡大していく見通しであり、とりわけ2026年度以降について極めて厳しい情勢ということもありましたので、第1規制期間における対象年度は、こうした点も踏まえて2026年度及び2027年度の2年間に限定するといった議論を実際にさせていただいているところでございます。

1ページ飛んで29ページ、制度措置の対象とする投資量の議論です。こちらも実際の資料でございます。投資量については、2025年10月1日の審議会において、送配電網協議会より、安定供給に支障を来さないことを大前提として、計画策定時点からの情勢変化や至近の動向を勘案した合理的かつ現実的な計画の見直しに取り組むという説明がありましたところ、第1規制期間の制度措置についても、上記計画の見直しと整合させることが合理的ということで整理いたしまして、第1規制期間における制度措置の対象とすると投資量については、各事業者において見直された上記の投資量の実績値とするという議論とさせていただいております。

次に、30ページ以降の公表指標に関する議論でございます。さきのページで御説明をしたとおり、物価等上昇の影響額費は費用換算後で2023年度は957億円、こちらは上昇率として4.9パーセント、2024年度は1749億円ということで、上昇率は2年分で9.6パーセントでございます。

2024年度の上昇率9.6パーセントですけれども、これをさらに分解すると、OPEX等の費用項目が7.4パーセント、また、送変配の投資に関する費用化分、投資項目については17.2パーセントということで、主として送配電網の設備拡充、更新工事等に関連する投資項目のほうで、費用項目に対して上昇率が高くなっているという実態を把握しているところでございます。

31ページは、主要な指標の推移ということで、基準年度2021年度を100とした場合の推移を下に載せております。消費者物価指数が紫のものでございまして、年3パーセント強ずつ伸びているのですけれども、これに比べて労務費や資材費の高騰がより反映されやすいと考えられる建設工事費デフレーター、国内企業物価指数、公共工事設計労務単価の上昇率は高い推移となっているということでございます。

32ページは、こうした状況を踏まえまして、適用する指標案について審議会で議論をしたものでございます。客観的な指標を用いた物価上昇を反映する場合に、以下のようなパターンが考えられるということで、事務局でお示ししたものでございます。

まず、案①が対象費用の全体の合計額に消費者物価指数(総合)を乗ずる方法、案②としまして、託送料金の内訳のうち費用項目と投資項目に分けて、費用項目に対して消費者物価指数(総合)、投資項目に対しては建設工事費デフレーター(電力)を乗ずる方法、案③といたしまして、対象費用の合計額に国内企業物価指数を乗ずる方法、こういった3点で比較をしたところでございます。

ちなみに、33ページ、建設工事費デフレーターという指標は、毎月国土交通省が作成・公表している指標でございまして、2つ目のポツにあるとおり、建設工事費を構成する労務費や個々の資材費の価格指数をそれぞれのウエートをもって総合する投入コスト型で算出する手法を取っているということで、労務費や資材費の割合が織り込まれた指標になっているということでございます。

34ページを御覧いただいて、先ほどの案①から案③について比較をしたページでございます。

下の箱で見ていただいて、まず案①、費用全体に消費者物価指数を適用するという方法で実施した場合、右の枠にあるとおり、全体の伸び率として、費用項目の上昇率についてはおおむね整合しているということですが、先ほど申し上げた投資項目については実態と乖離した面がありまして、投資項目の乖離値が大きくなる。このため、現行の指標の水準を前提とすれば、消費者への負担は抑えられる案になりますが、電気工事事業者の賃上げ等が困難になるという懸念があるということでございます。

次に、案③は費用全体に国内企業物価指数を適用するという案で、B to B取引であるということでこういった考え方もあり得るということではあるのですけれども、こちらを適用すると全体の伸び率が送配電網協議会の試算を超えてくるということでございまして、消費者への負担が極めて大きくなるという結果となっております。

このため、赤枠で囲っている案②ということでございますが、費用項目には一般的にインフレの指数として利用される消費者物価指数を適用し、投資項目については、送変配電設備の建設工事が主であることを踏まえて、電力設備の建設工事に係る企業物価や賃金指数等を含めた総合指数である建設工事費デフレーターを適用することで、費用項目の上昇率もおおむね整合し、また、投資項目の上昇率も可能な限り工事契約の実態を客観的な指標で反映することで乖離幅が縮小している。すなわち消費者への負担が一定程度抑えられ、かつ、電気工事事業者の賃上げ等も可能であるということで、案②を適用するというような審議会での議論になっているということでございます。

ちなみに、35ページに諸外国の動向を載せております。例えば、イギリスにおいては、消費者物価指数をベースとしつつ、特定の費目についてはほかの指数を用いて変動率を補正しているといった事例もあるということでございます。

36ページ以降は参考資料ですけれども、37ページについて説明を差し上げたいと思います。「制度措置の対象とする費用項目」というページでございます。

今回の議論においては、制度措置の対象とする費用項目については、基本的には物価等上昇の影響を受ける費用項目を対象とすべきという議論でございまして、一方で、制御不能費用、事後検証費用、控除収益といった個別に検証・調整が可能なものについては今回の対象から除外することとしております。また、3つ目のポツにあるとおり、廃炉等負担金や離島等供給に係る収益、離島等供給に係る燃料費、除却損といった物価等上昇の影響を受けない項目も対象外としているということで、対象の範囲を議論しているということでございます。

39ページを御覧ください。「発電側課金制度との関係について」というページでございます。

こちらは、本調査会でも御説明を差し上げたかと思いますが、発電側課金制度というものが2024年度以降導入されております。それまでは、小売側で負担していた系統利用の託送料金について、需要家とともに系統利用者である発電事業者にも一部の負担を求めて、より公平な費用負担とすることを目的として、2024年度以降、発電側課金制度が導入されているということでございます。

なお、今回の制度措置による費用の変動分についても、託送料金として需要側と発電側双方に案分されて、それぞれ負担をする仕組みとなっているということでございます。

ちなみに、下にコメで小さく書いてあるのですけれども、新規の電力需要に対応して、一般送配電事業者が系統接続の工事を行う場合は、基幹的な系統に接続するまでの負担については特定需要家に特定負担として請求をしているということでございまして、その特定負担分を除いた不特定多数の需要家に裨益する設備コストについては需要家全体で負担をするということで、この一般負担の分がレベニューキャップ制度の対象費用として扱われているという仕組みとなっているということでございます。

最後、41ページ、「本件におけるスケジュール」について御説明を申し上げます。

先ほど来説明しているとおり、2025年12月16日の料金制度専門会合において、第1規制期間における物価等の上昇及び事業報酬に関する取りまとめを実施しておりまして、本年1月14日に上記内容について電力・ガス取引監視等委員会から経済産業大臣に対し建議を実施しております。その後、本年2月4日に、資源エネルギー庁における電力システム改革の検証を踏まえた制度設計ワーキンググループにおいて建議内容について議論し、これを踏まえて、現在、資源エネルギー庁において関連省令の改正作業を実施中でございます。この省令の改正案については、今後パブリックコメントが実施される予定と聞いております。

本件の託送料金への反映については、原則として第2規制期間(2028から2032年度)での調整とされておりますが、第1規制期間中の調整を希望する事業者については、期中調整の申請も可能と整理されておりまして、今後、一般送配電事業者から上記の申請がある場合には、電力・ガス取引監視等委員会において厳正に審査を行うこととなるということでございます。

以上、私からの説明でございます。

○野村座長 詳しい御説明ありがとうございました。

ここからは質疑応答と意見交換の時間とさせてもらいます。おおよそ60から70分を想定しております。御協力ください。

最初にどなたかに御発言をいただき、その後、挙手もしくはチャットでお名前を挙げていただくと助かります。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

太田委員、よろしくお願いいたします。

○太田委員 御説明ありがとうございました。

制度関係、特に発送電分離以降のものについて、よく分かっていないので教えていただきたいと思います。事業報酬の計算の仕方は、従来の電気料金の決定の仕方と同じと考えていいのでしょうか。今回、レベニューキャップですけれども、従来のはレートベース等にする必要な資本に対して一定の事業報酬率を、加重平均資本コストだと思いますが、これを掛けて適正な利潤を計算していたと理解しています。

たしか負債サイドは約定金利で、株主資本コストはCAPM類似、資本資産価格モデル類似の方式で、ベータを掛けて株主資本コスト計算していたと思いますが、負債と持ち分の比率が7対3で決め打ちだったように記憶しておりますけれども、それは変わっていないという理解でよろしいですか。もちろん電気全体ではなくて、託送料金の部分に限ってです。

○野村座長 よろしくお願いいたします。

○黒田課長 ありがとうございます。

基本的に、おっしゃるとおり、事業報酬についてはレートベース掛ける事業報酬率ということで決まっておりまして、事業報酬率については自己資本報酬率掛ける30パーセント、それから、他人資本報酬率掛ける70パーセントという計算式で実施をしているということでございます。

○太田委員 事業報酬率等を決定するところに金利が入っていると思うのですが、金利については上がった場合でも反映させないということですか。あるいは、これを反映させるというか。一定期間固定なのでしょうか。

○黒田課長 ありがとうございます。

こちらは、公社債利回り率というのが事業報酬率の計算上、織り込まれているのですけれども、ここがおっしゃるとおり、この制度措置前の規定においては、2017年度から2021年度の参照期間の公社債利回り実績率に固定をされて措置をされていた。その結果として、事業報酬率全体の仕上がりの事業報酬率が第1規制期間で1.5パーセントであったのですけれども、こちらが足元の公社債利回り率を踏まえるとかなり低いものになっているということでありますので、今回、説明を割愛しましたが、資料の38ページにあるとおり、公社債利回り率の実績についても直近5年間のものに洗い替えるという形で、2026年度、2027年度については措置をするということで整理がされているところでございます。

○太田委員 ありがとうございます。よく分かりました。

この場合は、レートベースは個別価格指数、工事におけるデフレーターのようなものを使って割り増すということはしないのですか。あるいは、減価償却だけの対象ということでしょうか。レートベース自身は上がってもおかしくないと思うのです。物価が上がっていれば。

○川口課長補佐 御質問いただきありがとうございます。

レートベースにつきましては、特定固定資産と建設仮勘定が主な構成要素として挙がっておりまして、そちらについては今回のエスカレの反映を受けた形で、事業報酬率を掛けて、事業報酬額の手当てという形の制度措置を想定してございます。

○太田委員 ということは、レートベースも時価で洗い替えるといいますか、直近の価格を反映したものに変わっているという理解でよろしいですか。

○川口課長補佐 御理解のとおりでございます。

○太田委員 ありがとうございます。

今度、新しい制度、新しいといってももう数年たっていますけれども、レベニューキャップ制のレベニューキャップはどう決まってきているのかを教えてください。

○川口課長補佐 失礼しました。従来の制度措置においては、レートベース及び公社債利回りは制度が決まった段階で動かないのですけれども、今回の制度措置を実施した場合に当たっては、公社債利回りを洗い替えて、レートベースについてもエスカレの手当てと同様に、2026年度と2027年度の特定固定資産及び建設仮勘定について物価等の影響を反映させるという形に変更になります。

○太田委員 それは事業報酬のほうですか。

○川口課長補佐 そうです。

○太田委員 レートベースには建設仮勘定も入っているのですね。

○川口課長補佐 レートベースには建設仮勘定の50パーセント相当額が入ってございます。

○太田委員 なるほど。除却は入らないのですか。除却はないのですかね。

○川口課長補佐 そうですね。除却が反映された後の簿価が特定固定資産になりますので、除却額が入るということはございません。

○太田委員 ありがとうございます。

レベニューキャップはどのように決まっているのでしょうか。

○川口課長補佐 レベニューキャップと申しますと、それは事業報酬ではなくて、収入上限の話でございますか。

○太田委員 収入上限です。

○川口課長補佐 収入上限に関しましては、37ページ目にございますけれども、レベニューキャップ収入上限そのものにつきましては、下の図に「原価区分」と書いてございますが、OPEX、CAPEX、その他費用、次世代投資費用、制御不能費用、事後検証費用、事業報酬、控除収益というものが規制期間である5年間を積み上げる形でレベニューキャップが決まってまいります。

○太田委員 これは営業収益の上限ということなので費用項目が入るという理解ですけれども、それでよろしいですか。

○川口課長補佐 御指摘のとおりかと思います。

○太田委員 OPEX、CAPEX、その他のものについては実績なのですか。あるいは、見込みなのですか。これはどういうふうに決まっていくのでしょうか。

○川口課長補佐 第1規制期間においては2023年度から2027年度になっておりまして、その申請に当たっては2022年度に審査を実施してございますので、見込み値にはなりますけれども、OPEXについては過去の実績等を踏まえた中で査定をしているという形になってございます。

○太田委員 レベニューキャップ制度の制度趣旨について教えてください。売上げというか営業収益に上限を設けるということは、事業報酬はレートベースで決まって保障されているので、その他の費用について削減するインセンティブを与えるという趣旨と理解してよろしいですか。

○黒田課長 ありがとうございます。

おっしゃるとおり、こちらは収入上限というのを一定のもので決めるということではあるのですが、こちらより効率化できた事業者については効率化分の一定分を留保できるという仕組みにしていることで、コスト効率化のインセンティブを与えるということが一つの目的になります。

また、先ほど川口補佐からあったとおりですけれども、一方で、OPEX等の費用については、これは基本的に総括原価でかかった費用をそのまま認めるということではなくて、10社それぞれの実績を踏まえながら、その中である程度トップランナー的に基準を設定していくといったこともしておりますし、また、申告された費用そのままではなくて、統計査定を使いながらより効率的に運営をしたらどうなるかといったことも勘案しながら、厳格に査定をした形で収入上限は決めている。そこから効率化できた分については一定分を留保できるということで、インセンティブも与えているといったことになります。

○太田委員 ありがとうございます。

原価削減インセンティブを与えて、一定率を系統を運営している会社が手元に残せると理解しましたが、割合はどれぐらいでしょうか。原価低減分の半分とか。

○黒田課長 効率化分の半分が留保できるという仕組みになっています。

○太田委員 ありがとうございます。制度の理解が大分進みました。

これは、インフレでないときにそれを見込んでいなかったというのは理解できるところで、かつ、インフレが進んだ場合にこれを上げるということは理解できるのですけれども、今度デフレが進んだ場合に下げるということは検討されているのですか。これは上下対称的に動くのが自然だと思いますが。

○黒田課長 おっしゃるとおり、こちらは何もインフレ分だけを措置するというものではなくて、物価変動分を自動的に収入上限に反映させていくことが趣旨であると考えております。

ですので、現下の消費者物価が3パーセントずつ上がっていくというような局面であれば、これは費用が上昇するほうの範囲になることであるのですが、将来的に適用する指標が下がっていく場合には、当然、値下げして還元するという形の調整になるということだと思っておりまして、これは双方向の仕組みとして考えているということでございます。

○太田委員 ありがとうございます。

最後に1点だけですが、一般購買力資本維持と実体資本維持というふうに会計のほうでは言うのですけれども、一般の物価が上がったのに連動して上がる部分を、この業界特有、人工代が上がっているとか、電力の供給能力を維持するために必要な資材の値上がりという個別的な物価の上昇分を使い分けなければいけないと思うのですけれども、個別価格と一般購買力の変動というのはどういうふうに使い分けていますか。先ほど、こちらは一般購買力の変化、こちらは電気業界固有の価格変化というふうに整理があったと思うのですけれども、基本的な考え方を教えてください。

○黒田課長 基本的な考え方としては、OPEXなどの一般的な物価上昇に連動すると考えられるものについては、消費者物価指数の全般というものを使っておりますけれども、投資項目と申し上げた、より電気工事事業の投資工事に関する部分については、実態を反映する観点から建設工事費デフレーターの電力を使わせていただいているということで、より実態に即した仕組みにするということで考えております。

こちらは当然、これから制度措置を入れていくわけですけれども、今後、実績のフォローアップをいたしまして、実態として今回の措置が十分なのか、何らか追加で検討すべきことがあるのかというのは実態も踏まえながら検討していきたいということでありますが、現時点で最大限実態に即した制度にするという観点からこのような整理をさせていただいているということでございます。

○太田委員 ありがとうございます。

直観的にはOPEXも個別価格でないと結構苦しいのではないかと思いますが、そこは頑張っていただくという理解ですか。

○黒田課長 これまで2023年度、2024年度の実績については、一般送配電事業者各社から数字も出していただき、試算もしていただいて、それを基に検討しているということでございます。

そういう意味では、費用項目については、この2年間については消費者物価指数の水準を少し上回る程度という形でございますので、現時点では一般的な消費者物価指数を使うことでやらせていただくことになっておりますけれども、こちらも今後の実態も踏まえながら、どう運用していくかというところは引き続き検討していきたいと考えております。

○太田委員 ありがとうございました。理解が進みました。

私からは以上です。

○野村座長 そうしましたら、別の委員の先生方、御質問のほうへ入ってください。

後藤委員、よろしくお願いいたします。

○後藤座長代理 御説明どうもありがとうございました。

非常に丁寧に、詳しい数値なども挙げていただきまして、また、必要とされる物価の上昇のデータとか、昨今進んでいる送電設備の投資であるとか、人件費高騰に対応するための各種施策であるとか、DX投資なども含めまして多くの情報をいただいたと思います。

一方で、分かりにくいなと思ってお聞きしていましたのが、まず確認の意味でも全体のフォーミュラをお示しいただいて御説明いただくほうが、例えば今ここで示していただいている30ページの数値もそうなのですけれども、全体のレベニューに対してどの部分の数値のインパクトのことを説明していただいているのかというのが分かりにくいなと思ったところです。ですので、全体のフォーミュラがこういう形になっていて、この部分の数値の影響を示しているのがここの数値ですといった御説明があると、もう少し理解がしやすかったのかなというところがありました。

例えば、レートベースの話も、投資が進めばレートベースの値も大きくなってくると思うのですけれども、それに対して、今回物価上昇率もあり、さらに掛け算で入ってくる部分があるということかと思いますし、また、品質維持のためのインセンティブの部分であるとか、生産性向上のための部分であるとか、そういった全体のフォーミュラの中で、複雑なものではないと思いますので、足し算、引き算、掛け算ぐらいかと思いますけれども、そういったものを示していただいた上で、この数値の内容がどこにひもづいて、どこのことを議論しているのかというのが分かるような形で御説明いただくと、実態として、先ほどの投資部分もその数式の中でどこに入ってくる部分なのかというのが理解しやすかったかなと思います。その部分を工夫をしてお示しいただけないかというコメントとなります。

以上です。

○野村座長 電取委事務局、いかがでしょうか。

○黒田課長 ありがとうございます。

大変申し訳ございません。当方の説明の仕方が分かりにくかったということかなと思って反省をしております。

30ページで申し上げますと、先ほど費用項目、投資項目と申し上げておりましたが、2024年度の数字で申し上げますと、左から3番目の列、「算定可能項目実績(費用換算後)」ということで、費用でいうと合計で15,543、ここが費用項目の全体の数字で、投資項目の4,390が投資項目の全体の数字であります。

これに対して、1個左の物価変動額のところで、1,077と643というのがそれぞれの送配電網協議会の試算における物価等変動の数字でありまして、特に投資項目の配電のところは621ということでかなり大きくなっているのですけれども、これが配電の工事において主に物価上昇が顕在化しているということになりますので、こちらが費用項目と投資項目を分けてそれぞれの適用指標を検討させていただいていたということでございまして、説明としては分かりづらくて恐縮でございましたが、このような検討をさせていただいていたということでございました。

○野村座長 ありがとうございます。

後藤委員、いかがでしょう。

○後藤座長代理 ありがとうございます。

数値のところはしっかりと表で示していただいて、非常にクリアに何パーセントというところまでお示しいただいていると思いますので、この仕上がりの数字ももちろん参考になるわけですけれども、その基になっている構成といいますか、体系といいますか、フォーミュラのところを追加で示していただけると、さらに分かりやすいかなと思った次第です。ありがとうございます。

○野村座長 そうしましたら、今後またホームページ等で御案内される場合には、今の後藤委員の御意見を参考にしていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

○黒田課長 承知しました。

○後藤座長代理 よろしくお願いいたします。

○野村座長 ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。

それでは、原委員、郷野委員の順番でお願いいたします。

○原委員 御説明をありがとうございました。

なぜ物価上昇について認めざるを得ないのか、また、事業報酬も事業の持続のために必要だということは何となく理解できたのですけれども、初歩的な質問で大変申し訳ないのですが、34ページの案①、②、③がございます。そして、いろいろ審議会でも御検討された結果として、②案が消費者への負担が一定程度抑えられるという理由が書いてございます。

ただ、消費者負担を抑える方向で検討して、なぜこれが一番抑えられるのかという理由を改めてもう一度お聞きしたいところです。3つの案を考慮した中で相対的なものなのか、これが絶対的に抑えられるものなのか、理由がありましたらお示しいただければと思います。

よろしくお願いいたします。

○野村座長 お願いします。

○黒田課長 ありがとうございます。

そういう意味では、まさに比較論ということにはなってしまうのですけれども、これまで議論させていただいた中で、現行の制度では物価の変動が全く認められていない。ただ、実態としては物価が変動していて、このままでいくと事業者の安定的な投資とか施工事業者の賃上げが難しくなっていくということで、何らかの形で物価の反映をするという視点に立った場合にどのような対応があり得るかという議論で比較を書かせていただいたということであります。

かつ、この指標も現在はこうなのだ、消費者物価指数よりも建設工事費デフレーターや国内企業物価指数、公共工事設計労務単価の上昇率のほうが高いという現在のトレンドを前提とすればという議論ではあるのですけれども、このような形で考えた場合に、例えば、案③のような全て企業物価指数を掛けるといった方法よりは、相対的には消費者の負担は一定程度抑えられるという形で、案①から③を比較検討した場合の整理とさせていただいたということでございます。

○野村座長 原委員、よろしいでしょうか。

○原委員 消費者の理解、納得感を得るためには、そういったところに考慮したという説明も必要かと思いましてお伺いしました。ありがとうございました。

○野村座長 それでは、郷野委員からお願いいたします。

○郷野委員 御説明ありがとうございました。

日々の暮らしには欠かすことのできない電気の供給において、送配電事業が果たしている役割の重要性について理解が深まりました。また、近年の物価等上昇の影響、金利の上昇、工事施工会社等の賃金上昇の必要性等により、今回の措置に至ったということを理解いたしました。

御報告の内容については異論がないところですが、その上で3点意見がございます。

1点目が、レベニューキャップ制度については、送配電事業者が5年間の規制期間ごとに事業計画と収入上限を作成して、国の審査・承認を受け、託送料金を設定するものと御説明がありましたけれども、5年という規制期間がありながら、期中調整を申請される事業者におかれましては、しっかりと消費者に対しても説明責任を果たしていただきたいと思っています。審査される電力・ガス取引監視等委員会におかれましても、審査内容、結果などについて、消費者に分かりやすく周知し、透明性のある制度としてほしいと思います。

2点目が、公共料金については消費者の納得感が重要だと思います。工事施工会社等の賃金上昇の必要性については、政策アジェンダの観点も重要かと思いますけれども、あわせて送配電事業者が果たしている役割、あるいは現場で働く方の厳しい労働環境、高度な技能が求められることなどを消費者に分かりやすく可視化して伝えていただけると、共感、応援したい気持ち、納得感につながるのではないかと思いました。消費者、国民への周知のところでは、その辺りを考慮していただけるとよいのではないかと思います。

最後に、今回の措置に至った目的の中に、工事施工会社等の賃金上昇の必要性とありますので、契約先の工事施工会社等の賃金が実際に上昇しているか、電力・ガス取引等監視委員会は確認をする必要があると考えます。目的に合った費用の運用となっているか、フォローアップをよろしくお願いいたします。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

いかがでしょうか。

○黒田課長 ありがとうございます。いずれも重要な御指摘だと思います。

おっしゃるように、今回、仮に期中調整をするということであれば、その必要性をしっかりと国民の皆様に届くようにしなければいけないと思いますし、納得感が必要であるということなので、一般送配電事業者が果たしている役割もきちんと伝わるようにということは、おっしゃるとおりだと思いますので、一般送配電事業者にも御指摘を伝えさせていただいて、そのようなことが伝わるように周知ができるように我々としても取り組んでいいきたいと思います。

また、監視等委員会事務局としても、実際に審査をする場合には厳格に審査をし、それを分かりやすくオープンにしていくことを心がけていきたいと思っておりますし、最後におっしゃっていただいた、実際に施工会社の方々の賃金が上がっているのか、これも一つの目的でもありますので、こちらについては今後の審議会等で適切にフォローアップを実施させていただいて、目的に沿った制度になっているかといったところを継続的にモニタリングしていきたいと考えております。ありがとうございます。

○野村座長 ありがとうございました。

郷野委員、よろしいでしょうか。

○郷野委員 よろしくお願いいたします。

○野村座長 資料にもございましたように、託送料金ではございますが、3割ほどの比率を占めているという点からも最終利用者が納得できるような御説明を今後も続けていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

そうしましたら、若林委員からの質問に移らせていただきます。お願いいたします。

○若林委員 御説明どうもありがとうございました。大変よく分かりました。

内容については特に異論があるということではございませんが、1点、お答えしづらい質問をさせていただきたいと思います。

26ページを拝見しているのですけれども、レベニューキャップの話ですので、例えば論点⑥、消費者物価指数とか建設工事費デフレーターの適用によって、ダイレクトに料金にそのまま反映されるというわけではないというのも理解しておりますし、また、地域ごとに事情が異なってくるというのも理解した上でお伺いをしたいのですけれども、ここに「消費者への負担に配慮しつつ」とありますので、最終的にこれが適用された場合に消費者の支払う料金にはどの程度影響が出るのかというのは、一概に言うのは難しいというのは理解しつつも、何らかの検証あるいは試算をされているのであれば教えていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○野村座長 お願いいたします。

○黒田課長 この点は、結論から言うと、現時点では具体的にお答えができないというところでございます。今回の仕組みが基本的には翌期、2028年度から2032年度の第2規制期間で反映をすることになっておりまして、一方で、希望する事業者については期中調整の申請ができるという仕組みとさせていただいております。

ただ、実際、この期中調整が行われるのか、行われないのか、いつ、どのような形で行われるのかといった点については、各事業者がエリアごとの状況を踏まえて判断をしていくことになってまいりますので、現時点で具体的にどれぐらいの料金の影響があるのかというのはここでは申し上げられないので、その点は御容赦をいただければと思います。

○野村座長 若林委員、いかがでしょうか。

○若林委員 分かりました。きっとそういうことだろうなと思っておりましたが、モデル的に何らかの試算をもしされているのであればという趣旨でお伺いしました。どうもありがとうございました。

○野村座長 第1規制期間だけに難しいとは思うのですが、先ほどの郷野委員からの御質問も含めて、今後のことをまた御配慮いただきますようよろしくお願いいたします。

そうしましたら、次の質問に移らせていただきます。長尾委員、よろしくお願いいたします。

○長尾委員 長尾でございます。

本日は大変御丁寧に御説明をいただきまして、ありがとうございました。今回の係る見直しの必要性について非常に御丁寧に御説明いただいたと思っております。

仕組みのところで御質問したいのですが、「制度措置」という言葉が私は耳慣れないというか、分かりにくいところがございまして、恐らく立法行為として費用に係る各法令、省令などを改正することを具体的には実施されるのかなと思うのですが、どの法令、省令、どの規定を改正されるかということは具体的に決まっていらっしゃると思いますので、教えていただければと思います。これが1つでございます。

次の質問としては、先ほど郷野委員からも御質問がありましたが、レベニューキャップの趣旨として、予測し得ないような一定の範囲の費用増については、機動的に5か年計画の中で収入上限に吸収されていくというところがメリットとして設計されていると思うのですが、それが頻回に算定の要領の見直しであるとか、あるいは期中調整があまりにも頻回に、あるいは非常に柔軟に行われてしまうと、レベニューキャップの趣旨を脱却しないかという素朴な疑問があります。

それから、若林委員からの御質問に関連するかもしれませんが、第1期には遡及適用しないこととしつつも、期中調整は認めていく可能性があるということで、そうすると、遡及適用しないということと期中調整は認める可能性があるということの違いがだんだん薄れてしまわないか。柔軟に期中調整がされてしまった場合です。期中調整が許される要件は、現行法ですと極めて予見し難い諸情勢の変化などとなっていますが、その歯止めはどこら辺にあるのだろうか。これも素朴な疑問かもしれませんが、御質問をさせていただきました。

以上です。

○野村座長 お願いいたします。

○黒田課長 ありがとうございます。

省令の改正作業は資源エネルギー庁のほうで行っているのですけれども、我々、監視等委員会事務局として認識しているのは、主に改正が必要な省令は、一般送配電事業者による託送供給等に係る収入の見通しに関する省令、いわゆるレベニューキャップ省令と言われているものを中心的に改正する必要があると認識しております。

○長尾委員 それはどの辺りですか。どの条文をいじるということでしょうか。

○川口課長補佐 事務局から回答させていただきます。

レベニューキャップ省令の第6条に、制御不能費用の中に今回の物価等上昇という項目を含めることが1点と、御案内のとおり、今回の制度措置につきましては、期中調整及び翌期調整、いずれも対象になるというところから、12条、13条、14条というところも今回の制御不能費用及び事業報酬についても改正を予定しているところでございます。

以上です。

○野村座長 長尾委員、よろしいでしょうか。

○長尾委員 最後の条文のところが音声が小さくて聞き取りにくかったのですが。

○川口課長補佐 レベニューキャップ省令の影響があるのは、主に第6条と、あとは第12条、13条、14条で、こちらの改正を予定してございます。

○長尾委員 ありがとうございます。

「制度措置」という言葉は、本当に素朴で申し訳ないのですが、法改正のことを意味するのか、それとも適用だけをいじるという意味で使われているのですか。

○黒田課長 「制度措置」という単語を定義せずに使ってしまっていて、大変申し訳ございません。

申し上げたかった内容としては、25ページに書いている①から⑦の内容を適用するということの意味で申し上げておりまして、その中には先ほど申し上げたような省令を改正して実施するものも含まれるものですから、関係法令の改正も含めて①から⑦の内容を適用していくという意味で「制度措置」という言葉を使わせていただいておりました。

○長尾委員 ありがとうございます。

要は、法令の解釈の変更だけではなくて、改正を伴うものであるということですかね。

○黒田課長 おっしゃるとおりです。

解釈では難しいと思っていますので、法令の改正をすることで新しい措置を入れていくということを考えております。

○長尾委員 そうすると、やはりそのような御説明が資料としてはあるべきではないか。もちろん文言が固まっていないというところは承知した上ですが、現行、ここに書いてあるところにこういうものが入るのだと。先ほど別の部分の話で御指摘もありましたけれども、そういうところで私も分かりにくかったところでございました。「制度措置」という言葉で全て収められているのですけれど、この費用にこういうものが挿入されるのだというほうが分かりやすいのではないかなと思います。あるいは、新設されるとか、ここにこういう費用項目が差し込まれるとか、恐らくそういった御説明になるわけですよね。

○野村座長 私から発言させてください。

先ほどの後藤委員の御質問と同じで、全体的なフォーミュラがあってインパクトがどこにあるのかというのが、今度は法律側からのアプローチの際にも同じように、全体像をまず見せていただいて、どこに変更を加えるのかというのをお示しいただくほうがよいのではないかという長尾委員の御意見だと理解しました。

電取委事務局、いかがでしょうか。

○黒田課長 ありがとうございます。

御指摘承りました。

まず、25ページで書いている内容を反映した制度にしていくことが必要であるということで審議会のほうで取りまとめさせていただいて、電力・ガス取引監視等委員会から経済産業大臣に対して建議を行っているということでございます。

先ほどのレベニューキャップ省令等は、資源エネルギー庁で所管している法令でございますので、そちらで現在、改正作業を実施していただいているということでありまして、先ほどこのような条文が修正されるのではないかという話もあったのですけれども、それは検討の途中でございますので、今、どの法令をどう変えるかという検討を資源エネルギー庁のほうで実施していただいているということであります。

省令の改正内容については、最後のページに書いてあるとおり、パブリックコメントを実施させていただいて、こういう形で改正をしますということはオープンにさせていただく予定としておりますので、そのような御理解をいただければと思います。

それで、最初に御質問いただいた中の回答として、こういった期中調整があまり柔軟に何でもかんでもできてしまうと、レベニューキャップ制度の趣旨を脱却してしまうのではないかといった御質問もあったかと理解しましたが、そこはおっしゃるとおりだと思っていますので、今回は物価上昇とか金利の上昇といったものが期間中の制度に反映されないという仕組みになっていたものですから、これについては今回取りまとめを受けて、省令を改正して、制度として盛り込んでいくことにさせていただきたいと思いますけれども、これ以外にいろいろな内容で期中調整がどんどんできるようになるということは想定しておりませんし、レベニューキャップ制度の趣旨にも反することになると思っていますので、ここは限定的にそういった形で省令の改正等、必要な対応を行って規定をしていくということを考えているところでございます。

○野村座長 長尾委員、いかがでしょうか。

○長尾委員 御説明を伺って安心したところでございますが、最後が分かりにくく御質問したのかもしれませんが、第1期に関して遡及適用しないということと、今回の第2期に係る変更点と同種のことについて期中調整の申出があった場合には柔軟にそれを認めるということですね。そうすると、遡及適用とほぼ同じにならないか、そこは違いがあるのでしょうかという質問でございます

○黒田課長 大変申し訳ございません。遡及適用の議論については、27ページ等に書かせていただいているところですけれども、ここで言っている議論は、まず審議会で今レベニューキャップ第1規制期間が5年中3年目が終わろうとしている段階で、残り2年ということであります。2026年度、2027年度という残りの2年間については、これを対応しないと送配電事業者の経営等に影響してくるということなので、ここは措置をするということに整理されたというのは御説明しているとおりですが、既に終わった、もしくは終わろうとしている年度、2023年度から2025年度の分については適用しないという意味で遡及適用はしないと申し上げました。なので、第1規制期間の終わった3年は遡及適用をしないけれども、今後の2年間については適用しますという意味で申し上げたところでございます。

○長尾委員 26ページの記載の意味を私も正確に理解できていなかったところがありましたけれども、そういう意味でございますね。分かりました。

今のところは、視聴されている方にも分かりやすくなってよかったかなと思います。ありがとうございます。

○野村座長 私から追加で質問させてください。

最後のページのスケジュールのところで、期中調整が入ってきた場合に審査しますというのが41ページにあったかと思うのですが、その期間はどれほどが想定されているのでしょうか。年度が終わる間際に出てくるとまずいような気がするのです。後ろのデッドラインを決めますというのも何だか変な感じもしますし、もちろん次の規制期間に移行してから変更するというのがノーマルだと思うのですが、長尾委員から期中調整の歯止めが効かなくなるようなこともあるのと、最後の申請をいつ頃までにしたほうがよいというのは御指導されることになるのか、その辺りを教えてください。

○黒田課長 審査をいつするのかというのは、期中調整がいつなされるのかということに依存をしているところでございますので、何らか期限を設けてやらなければいけないといった対応をする予定はないということでございます。

当然、期中調整された後、審査については一定の期間、2から3か月ぐらいは少なくともかかってくるということはありますので、そういったことは前提になると思いますけれども、いつまでに期中調整をしなければいけないといった形での対応をすることは考えていないということでございます。

○野村座長 分かりました。動き始めたばかりという事情もあるかと思いますが、前例になりますので、その辺りもお考えいただきながらよろしくお願いいたします。

○長尾委員 座長からの御質問と少し前の御説明を併せて伺った上で、38ページと41ページの5つ目のポチの辺りを読み比べたのですが、どうしても私は正確に理解ができていないところがあるのですが、どの部分が遡及して、どの部分について期中調整ができるかというのがこの辺を読み合わせてもよく分からなかったのです。

○野村座長 電取委事務局、お願いします。

○黒田課長 申し訳ございません。

大きくは、物価変動に関する部分と、38ページに書いてある事業報酬、金利の影響の部分、この2つでございます。

いずれも遡及適用の考え方としては一緒で、既に終わろうとしている2023から2025年度の変動分については今回の制度として適用しないのだけれども、2026年度、2027年度2年分の物価の上昇分や金利の変動分の部分、2026年度、2027年度の費用に反映される分についてのみ適用するという意味でございます。

○長尾委員 そうすると、結局、2026年から2027年のところを遡及適用したのとほぼ同じ効果になるという意味なのですか。

第1期には遡及しないとか、第2期からの適用とすると書いてあることと、2026から2027年は適用を認めるという話は、結局のところ、「期中調整」という名前でその分は2年間遡及させるという意味と理解してよろしいですか。

○黒田課長 説明が分かりづらくて申し訳ないのですが、2023年度から2025年度までの費用分が物価の影響で、例えば2024年度であれば約1700億円の費用が上昇しているという試算があったのですけれども、この部分については手当てはしないということですけれども、2026年度及び2027年度に同じような考え方で計算をすると物価変動の影響分が出てくるということだと思っていまして、その部分については今回省令等を改正して、変動分を収入上限に反映するという対応を行うという意味でございます。

○野村座長 長尾委員、よろしいでしょうか。

○長尾委員 理解が先ほどよりは進んだのですが、38ページから41ページにかけての辺りの記述から正確に読み取ることが難しいような気がいたしまして、分かりやすさが求められるのではないかなと思います。あと、先ほど座長も言われたように、どの部分がどうかかってくるのか、若干疑問があるところです。

○野村座長 こちらでもまた意見交換をさせていただきますが、電取委事務局のほうでも、5年の区切りのところで「遡及」と「期中調整」という言葉が出てきますので、混乱しないように御説明いただきたいと思います。

そうしましたら、小野委員、城所委員の順番で御質問ください。

小野委員、どうぞ。

○小野委員 恐れ入ります。消費者委員会の担当委員として出席をさせていただいております。

私からは、既に原委員と郷野委員からの御発言を受けた議論と重なり、恐縮なのですけれども、コメントと質問をさせていただきます。

御説明の中に、料金制度専門会合での議論のお話もありまして、例えば、消費者が物価高の波に直面している中で理解と納得感を伴った対応策にするべきであるという意見も出ていたことが分かりました。また、消費者への負担に配慮しつつ、電気工事事業者の賃上げ等にも資する観点から案②が適当とされた経緯についても、私なりに理解できているかと思っております。

それから、若林委員が指摘された、個別ケースに合わせた料金の例示が欠かせないと私も思っておりまして、ぜひお願いをしたいです。最終的にコストを電気料金として負担をするのは国民・消費者です。また、一般の消費者にとって託送料金は直接契約するものでもなく、分かりづらい、見えづらい情報には間違いないと思いますので、どのように情報を届けていくか、消費者教育を専門にしていることからも大変気になっております。

そこでお尋ねいたしますけれども、専門会合で周知に関して内容とか方法という議論があったのかというのが1つ。また、今後、一般の消費者に通知をする、情報を届ける方法とか御予定を確認させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○野村座長 2点、よろしくお願いいたします。

○黒田課長 ありがとうございます。

おっしゃるように、料金制度専門会合のほうでも、消費者の負担に影響してくるものでございますので、理解と納得感が得られるようにということで、周知が重要であるという御指摘は消費者委員の方とか消費者庁からもいただいていたところでございまして、一般送配電事業者もそうですし、我々監視等委員会事務局としてもその重要性・必要性については認識をしているところです。

ですので、今後どのようなタイミングで期中調整の申請が行われるのか、行われないのかといった話もありますけれども、期中調整、翌期調整が実施される、個別のエリアでこういった影響額の反映を行うということについては、当然それによって託送料金がどの程度上がるのかという具体的な数字とともに出てくることになりますし、我々監視等委員会としてもその内容の妥当性について厳格に審査をすることになります。

そうした審査については、料金制度専門会合は公開の委員会でございますので、そういった中で資料も議論の内容もオープンにされる形で実施をしていきたいと思いますので、そういった形で情報公開はしていくということだと思います。

また、実際、国民の方々が皆さん審議会のYouTubeを見ているわけではございませんので、そういった方々にどのような形で周知をしていくかといったところも、それとは別に、一般送配電事業者ともそういった認識を持った上で適切に周知していくということをこれからやらせていただきたいと思っております。

○野村座長 ありがとうございました。

小野委員、よろしいでしょうか。

○小野委員 ありがとうございます。

情報提供ということでいいますと、事業者、消費者、行政とのコミュニケーションが重要かと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。ありがとうございます。

○野村座長 そうしましたら、城所委員から御質問をお願いいたします。

○城所委員 ありがとうございます。

私からは4点あります。

32ページですが、GDPデフレーターも普通は検討対象になると思います。案を検討されるときに、GDPデフレーターによる調整は御検討されたのでしょうかというのが1点目。

2点目は、事業者からの資料に基づいてという話がありましたが、投資項目と費用項目は完全に論争のない形で明確に区別できるのでしょうか。私はその点を疑問に思っています。そうすると、消費者物価指数にせよ他の指標にせよ、1つの指標に連動させるシンプルなほうがいいのではないか、ドイツとかノルウェーのような形のほうがいいのではないかなと思っています。

案②が今のところ成案として出てきているわけですが、これが実態を反映した指標というお話でしたが、この調整項目自体も将来変更される可能性はあるのでしょうか。例えば、将来、消費者物価指数の上昇が建設工事費デフレーターの上昇よりも大きい場合でも、今の調整方式を維持するという方針なのでしょうか。それよりも、実態を反映するということで調整項目自体も変更されるのでしょうかというのが3点目です。

4点目ですが、期中調整の話が今までいろいろ出ています。物価上昇に対してどうするかというのは、本筋から言うと規制の前に決めておくべき話です。そのときに物価上昇があまりなかったから入れなかったという話なのですが、本来は規制期間の前に入れるべき話なのですね。それで、規制期間の間に物価上昇が起こったらどうするかという話ですが、今のアプローチは今後物価上昇分を反映して調整しますということになっています。今となっては、それが本筋の対応だと思うのですが、例えば、規制期間内では費用項目の調整はしないのだけれども、先ほどの話ですが、費用削減分の50パーセントが事業者に行くところを特例として75パーセントにするとか、そういうアプローチもあるのではないか。次の規制期間の最初からインフレとかデフレへの対応を制度化するというのもある。今回は期中調整を行わないが、特例として、費用削減分のより多くの割合を事業者に与えるというのもあるのではないかと思うのですけれども、そういうことも御検討されたのでしょうかというのが4点目です。

以上です。よろしくお願いします。

○野村座長 4つの質問に対して御回答をお願いいたします。

○黒田課長 ありがとうございます。

まず1つ目の指標の件ですけれども、31ページにあるように、消費者物価指数、建設工事費デフレーター以外にも、国内企業物価指数、公共工事設計労務単価というのをここでは載せていますし、おっしゃったようなGDPデフレーターや、いろいろな指標があるのですけれども、料金制度専門会合では、送配電事業の物価上昇の状況をどのような指標で反映するのが適切か、より実態に即したものは何かといった形で議論をさせていただいたということでございまして、その結果として今回お示ししているような案で適用することに審議会としては取りまとめを実施したということでございます。

また、費用項目と投資項目がきちんと区分できるのかという御指摘があったのですけれども、これにつきましてはレベニューキャップの項目の中で明確に定められておりますので、これが例えば、より指標の高い数値が投資なのでこっちに付け替えることはできないのかといったことについては、これはできないという形で明確に分けられるということで我々としては認識をした上で、このような方法を提案させていただいて議論をしたということになっております。

3つ目は、現時点の実態を反映したものがこれだとして、今後、変わり得るのかというような話だったかと思うのですが、我々としては、これも繰り返しになりますけれども、現時点ではできる限り理論上も電気工事事業者に係る必要な投資や賃金の上昇を反映できる指標として、投資項目に建設工事費デフレーターを使い、費用項目に消費者物価指数を使うという形で検討し、こういった仕組みを提案させていただいているということでありまして、こちらが実態に即したものとなっていると考えておりますが、これの適用状況については毎年度モニタリングをしていくつもりでございます。その結果として、その後の状況によって実態に十分適していないという場合には見直す可能性は当然あるわけですけれども、現状、我々としては今回御説明している内容が実態に即した内容であると考えているところでございます。

最後、期中調整ではなくて、例えば事後調整の中で反映するというアプローチもなかったのかということでございますが、理論上はそのような内容もあり得るということではあるのですけれども、料金制度専門会合で行われた議論という意味では、2023年度、2024年度という規制期間1年目、2年目の状況で少なくない影響額が出てきていること。また、この影響は当然累積してまいりますので、後年度に行くにつれてさらに影響が大きくなっていく。このままですと、必要な投資や賃金上昇というところに支障が生じるおそれがあるというような議論でございましたので、最後、5年待った後に対応するということではなくて、期中ではありますが、きちんとこういった形で議論をして、制度を手当てしていくことが必要であるという議論に基づいて、このような検討をさせていただいたということでございます。

○野村座長 城所委員、いかがでしょうか。

○城所委員 ありがとうございます。

ここは皆さんの意見と同じなのですが、実態に合わせて規制をいじると、何のために最初からレベニューキャップ規制を入れたのかという話になってきます。実態を反映して規制をいじるようにすると、ほとんど規制が効かなくなってしまうので、そこは気をつけていただきたいと思います。これは全体を通してのコメントです。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

以上で、委員の皆様に御発言いただいたかと思うのですが、間違いないでしょうか。

最後にもう一点だけ聞きたいということがございましたら御発言ください。

太田委員、どうぞ。

○太田委員 ありがとうございました。

確認なのですけれども、最後にOPEX等に間接費配賦というのは、送配電部門とは別の部門との共通費の配賦というのはあるのでしょうか。

○野村座長 お願いいたします。

○川口課長補佐 ありがとうございます。

レベニューキャップの収入上限の構成項目が、先ほど御案内のとおり、37ページ目にございます。OPEX、CAPEXというような原価区分ごとの積み上げになってございまして、事業者からはこの様式に沿って提出をいただいておりますので、ここから間接費等の配賦というところは収入上限上は発生していないと理解をしてございます。

以上です。

○太田委員 ありがとうございました。

レベニューキャップ制度の趣旨からいって少し気になるのは、恐らく繰り返しだからあまり問題にならないと思うのですが、コスト削減した分のシェアリングで一定もうかるとなると、当然事業者としては最初の見積もりを高めに言ってくるインセンティブがあるわけですよね。最初にたくさん言っておいて、減ったと言ってその半分をもらうということなので。ただ、それが前のときの平均を使うのであれば、連続であればそんなに大きな問題にはならないかなと。

最後に、コストパディングといいますか、一番ありがちなものは託送料金と関係がない間接費なんかを配賦でこっちに持ってきて費用を増やして、それを見てもらう。この場合はシェアリングだからいいのか。でも、レートベースを増やすインセンティブはあるのですね。事業報酬を増やすインセンティブはある。そういうようなことがいろいろ気になっていまして、その辺をきちんと切り分けられているかなと思った次第でした。

分かりました。ここに恣意性が入る余地はないということでしたので、承知しました。

○野村座長 ありがとうございました。

規制の一番難しい部分でありますが、こういう御意見があるということも御配慮いただきたいと思います。

ほかによろしいでしょうか。

電気料金制度は非常に複雑になってまいりましたので、その点、学識者、消費者、組織の関係者以外にも、電力利用者である消費者にとって理解できるように、今後も規制の業務を続けていっていただきたいと思っております。

本日のここでの議論を踏まえまして、十分に消費者が理解できるように分かりやすく丁寧な情報発信を行っていただきたいと思います。最終的には、消費者負担がどの程度変わっていくのかということもできるだけ分かりやすく示していただきたいと思っております。

とりわけ、データセンターがこれから増えていくということも、送配電部門に影響を与えるという点ももう分かっておりますし、何よりも発電側のLNGの燃料費高騰がまだ続きそうでございます。そうすると、最終の仕上がりの料金も下がるようには考えにくいということもございますので、よろしくお願いいたします。

それから、事業者の問題がインセンティブを付与して効率化に走れるようになったという制度改革でございますが、どれだけ事業者間で競争に対する意識が上向いているのかという点も若干気になっております。成果を比較しながらということですが、対消費者に加えまして、事業者間の意識が高まるような制度にしていただきたいと思っております。

当専門調査会としまして、今後、電力・ガス取引監視等委員会における審査や制度運用に関しましても、消費者の視点、負担の妥当性、情報提供の在り方、この辺りをきちんと適切に反映していただきたいと考えております。今後も、電力・ガス取引監視等委員会における審議状況を注視させていただきます。場合によりましたら、必要に応じてヒアリングをさせていただき、本日のように議論させていただければ幸いでございます。よろしくお願いいたします。

本日は、年度末でお忙しい中、御参加いただきまして、誠にありがとうございました。

最後に、事務局から連絡事項がありましたらお知らせいただきたいと思います。


≪3.事務連絡・閉会≫

○友行参事官 本日も長時間にわたりまして誠にありがとうございました。

次回の日程等の詳細につきましては、改めて事務局より御連絡させていただきます。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

それでは、本日の第93回「公共料金等専門調査会」をここで閉会とさせていただきます。御協力いただきましてありがとうございました。

(以上)