第91回 公共料金等専門調査会 議事録
日時
2026年1月28日(水)13:00~14:06
場所
消費者委員会会議室・テレビ会議
出席者
- 【専門委員】
- 野村座長、太田委員、城所委員、郷野委員、長尾委員、原委員、若林委員
- 【消費者委員会担当委員】
- 小野委員
- 【国土交通省】
- 物流・自動車局旅客課 重田課長
- 大臣官房参事官(自動車旅客) 二瓶参事官
- 関東運輸局自動車交通部 佐藤部長
- 【一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会】
- 川鍋会長
- 【消費者庁】
- 茶谷参事官(公益通報・協働担当)
- 【事務局】
- 小林事務局長、吉田審議官、友行参事官、事務局担当者
議事次第
- 開会・事務連絡
- 東京都特別区・武三地区のタクシー運賃改定について
- 事務連絡・閉会
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- 議事次第(PDF形式:42KB)
- 【資料1】 東京のタクシー運賃改定について(国土交通省提出資料)(PDF形式:2956KB)
- 【資料2】 タクシーは「進化」し続けます((一社)東京ハイヤー・タクシー協会提出資料)(PDF形式:3407KB)
≪1.開会・事務連絡≫
○友行参事官 本日は、お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
ただいまより「消費者委員会第91回公共料金等専門調査会」を開催いたします。
本日、野村座長をはじめ、その他の委員の皆様はテレビ会議システムにて御出席されております。なお、御都合により、後藤座長代理、柿沼委員が御欠席となっております。
本日、議題の御説明のため、国土交通省から物流・自動車局旅客課の重田課長、大臣官房参事官(自動車旅客)の二瓶参事官、関東運輸局自動車交通部の佐藤部長に会議室にて御参加いただいております。
加えて、一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会から川鍋会長にも会議室にて御参加いただいております。
オブザーバーとして、消費者庁から公益通報・協働担当の茶谷参事官に会議室にて御参加いただいております。
本日、テレビ会議システムを活用して進行いたします。一般傍聴者にはオンラインにて傍聴いただき、報道関係者のみ会場に御参加いただいております。
議事録については後日公開いたします。
なお、配付資料につきましては、お手元の議事次第に記載しております。もし、不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。
それでは、野村座長、以降の議事進行をよろしくお願いいたします。
○野村座長 本日はよろしくお願いいたします。
本日の進行についてですが、途中で私の回線が切れてしまった場合には、復旧するまでの間、事務局に進行をお願いすることといたします。
≪2.東京都特別区・武三地区のタクシー運賃改定について≫
○野村座長 それでは、議事に入らせていただきます。
カメラ撮影に関しましては、ここで終了とさせていただきたいと思います。御協力のほどよろしくお願いいたします。
本日は、前回の専門調査会に引き続きまして、東京都特別区・武三地区のタクシー運賃改定について御議論いただきます。
国土交通省及び東京ハイヤー・タクシー協会様より提出されました資料につきまして、15分程度で説明をお願いしたいと思います。
それでは、順次お願いいたします。
○重田課長 国土交通省の重田でございます。本日も前回に続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
私のほうから、前回、委員の方々から御指摘があった点について補足的に御説明したいと思います。
1つ目、前回提出資料の21ページ、所要増収額の算定根拠という資料をお出しさせていただきました。ここでポイントだけ申し上げると、6年度実績をベースに査定した平年度、令和8年度を想定した平年度査定で言うと、収入については約492億円、それから、適正利潤を含む運送原価で申し上げると約540億円、したがいまして、49億円程度のマイナスの赤字となり、これを解消するための必要な所要増収率(改定率)については10.14パーセントと申し上げました。
これについて、前回はこれを算定する算定基準をお示しできなかったものですから、今回資料として提出させていただいているところでございます。それが1点目です。
2点目、本日御欠席の後藤座長代理から指摘があったのですが、この21ページの人件費の増加、それから、車両修繕費の増加、車両償却費の増加、こういった点について、この対象30事業者に当てはめると、どのようなことが説明できるかという御指摘をいただいているところであります。
まず、人件費の増加について補足資料の①、人件費の増加で、まず、運転士の数について私どもは把握できておりまして、令和5年度末と令和6年度末を比べると5,525人から5,933人、約7パーセント増加しております。個々の賃金水準については把握できていないところですが、参考として、例えば東京都の最低賃金についてどの程度上がっているかというと、令和5年度で1,113円、令和7年度で言うと1,226円で約10パーセント増加している。これ自身が人件費の増加の数字ではありませんが、こういった周辺の状況を踏まえて人件費は資料21ページのように増加しているところでございます。
それから、車両修繕費、償却費の増加についてです。これは車両が実際にどれぐらい走行したかということや実働率、どれぐらい車両が使われたかというようなことに伴って増加していくというものでございます。これについて、対象30社について令和5年度の総走行距離を足し上げると約1.65億キロメートル、これが令和6年度実績であれば1.82億キロメートルで約10パーセント増加している。実働率について申し上げると、令和5年度実績で言うと70.6パーセント、これが令和6年度実績というと74.1パーセント、5パーセント増加しているというものでございます。このように走行距離は約10パーセント増加、実働率も約5パーセント増加しているというようなことが背景にございます。
なお、1台当たりどれぐらいなのかということですが、参考までですけれども、令和6年度実績で約5.4億円、1社当たり平均1800万、1事業者当たり、80台保有の事業所で言うと1台当たり約年間で22.5万円ぐらいの規模であると試算することができます。
もう一つ、アプリの手数料について、この21ページの資料のどの項目に含まれるのかということと、今回の運賃改定でどの程度その割合を占めているかということについてでございます。アプリの手数料については、この算定根拠の表の中では、その他運送費、あるいは一般管理費の中に含まれております。実際に、その中でアプリ手数料がどの程度かということまでは詳細には確認できておりませんが、サンプルとして30社のうちの3社に確認をお願いしたところ、おおよそアプリの手数料はその他運送費と一般管理費の中の10パーセントぐらいというようなお答えをいただきました。
ここで少し試算をしてみますと、平年度におけるその他運送費と一般管理費の合計ですが、その他運送費が約48億円、一般管理費が約42億円、合わせて約90億円ございます。先ほど申し上げたとおり、アプリ手数料はそのうち10パーセント程度ということですので、その90億に10パーセントを掛けた9億円、これがアプリ手数料が占める金額ということになります。
それは平年度の運送原価に占める割合はどの程度かということでございますが、先ほどの9億円を平年度運送原価の約540億円で割ると1.7パーセントになる。平年度運送原価に占めるアプリ手数料の割合は1.7パーセントと試算されています。今回の改定率が10.14パーセントですので、10.14に1.7を掛けると、今回のアプリ手数料が改定率10.14パーセントに占める割合は約0.17パーセントになる。このように考えているところでございます。
それから、この運賃改定が消費者物価を上回って上がっているのではないかという御指摘をいただきました。それで、前回改定の令和4年と今回の令和8年見込みについて調べてみました。これは総務省の統計で見る日本消費者物価指数の東京都区部、それと内閣府の令和8年度の経済見通しを引用したものでございます。その結果、令和4年度から令和8年度の消費者物価指数は約10パーセント増加するというようなことになってございますので、今回のタクシーの改定率10.14パーセントと大きくかけ離れたものではないと考えているところでございます。
私からは以上です。ありがとうございます。
○野村座長 ありがとうございました。
それでは、川鍋様、よろしくお願いいたします。
○川鍋会長 川鍋でございます。基本的に今回の資料は前回出させていただいた資料と同じでございます。文言で投資を続けていますということをかなり強調した形で編纂しておりました。これはここ5年ほど日本のタクシーはあまり進歩していないのではないかと言われることも多く、基本的には我々として、アプリ配車もそうですし、社内のタブレット、それから、多言語化等をしっかり進めてきたということを我々として主張したかったものでありまして、それがもし、過剰投資になるのだと捉えられたとしたら、私がそこを強調しすぎたかなと思っております。そこだけ補足させていただければと思います。
以上です。
○野村座長 ありがとうございました。
そうしましたら、ここから再度、質疑応答と意見交換に時間を使いたいと思います。
まず、城所委員からお願いいたします。
○城所委員 前回の私の発言を誤解されているのではないかと思ったので、その1点、注意です。議事録を読んでいただければ分かるのですが、令和4年から令和7年の物価上昇率と今回の値上げ幅がほぼ同じなので、それは理解できるのですけれども、令和4年にも1回値上げされて、令和全体で見ると物価上昇率は12パーセントぐらいなのに、細かいところは別として、タクシーの運賃だけ合計では25パーセント上がるわけです。これは物価上昇率を大幅に上回る値上げなのではないですかという趣旨だったのです。
今回の補足資料のように、令和4年から令和7年の物価上昇率と今回の値上げ幅が同じというのは、前回も私が理解しているとして発言します。その誤解だけ訂正させていただきたいと思います。
○野村座長 ありがとうございます。
今のは質問という形で御発言されているのでしょうか。
○城所委員 令和全体で物価上昇率が2倍になっていることに対して御説明があればお願いします。
○野村座長 それでは、国土交通省のほうからお願いいたします。
○重田課長 ありがとうございます。
もしかしたら、私の理解が間違っているかもしれませんが、令和4年の改定率は約14パーセントでした。今回は10パーセントです。そうすると、合計するのではなくて14パーセントに10パーセントを掛けて15パーセントプラスアルファぐらいの率ではないかなと思っているのですけれども、もしかしたら、間違っているかもしれません。
○城所委員 確かにそのとおりです。でも、15パーセントでも結局物価上昇率を超えていますよね。
○重田課長 だから、25パーセントではないということだと思いますけれども、結果的には、その数字で見ると超えているのかもしれません。
○佐藤部長 関東運輸局でございます。今の本省からの説明に関して1点ほど、実務的な部分で補足をさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
○野村座長 お願いいたします。
○佐藤部長 運賃改定を令和4年に行ったときに14パーセントで、今回10パーセント程度の改定にさせていただいているわけですけれども、令和4年のときも今回も運賃改定において人件費の上昇分をしっかり見ていくということを主眼としてやっているところがございます。
このような関係で申し上げると、前回の説明のときに川鍋会長からも少しお話があったかもしれませんが、最低賃金の上昇というのがこの間かなり大きくございました。最低賃金に乗らないような従業員の方、歩合制をメーンで営業しておられるわけですけれども、どうしても営業成績がなかなか伴わなくて最低賃金以下の収入になってしまうようなドライバーの方も中にはおられるという中で、そういう方に対しても最低賃金分というのは保障しなければいけないという部分が、まず、タクシー事業者さんの雇用契約の中では厳然として存在しているところがございます。
令和に入りましてから、最低賃金は東京都の部分は相当大きく上昇してございまして、令和元年の時点で1,013円だったものが令和7年で1,226円と大きく上昇してございます。営業成績自体が大きく伸びているというところはあるとはいえ、どうしても最低賃金分をしっかり払った上でというような前提の中でドライバーの方の雇用を守り、かつしっかり待遇改善を進めていくということをする上では、根拠となる数字という部分ではなかなか具体的な数字をお示しできない部分もあるのですけれども、ある程度妥当な運賃改定の水準ではないかと考えているところでございます。
○野村座長 ありがとうございました。
城所委員、再度お願いいたします。
○城所委員 そうすると、今回の値上げの根拠として、最低賃金が上がったから、それに応じて上げるというのを前面に出されたほうが分かりやすいのではないですか。
○野村座長 いかがでしょうか。
○重田課長 一つの大きな要因ではあると思います。城所委員のおっしゃるとおりかと思います。
○城所委員 分かりました。ありがとうございます。
○野村座長 それでは、ほかの御質問に移りたいと思いますがいかがでしょうか。
郷野委員、お願いいたします。
○郷野委員 私からは2点ほど質問と意見がございます。
1点目は質問です。前回の国土交通省様の御説明資料の5ページのところに、令和7年度における運賃改定の状況というのがありまして、地域と書かれているのですけれども、これは全国の状況なのか、それとも今審議している東京都特別区及び武三地区の状況なのか教えていただければと思います。
それから、事業者によって運賃の値上げ幅は違うと認識しているところですが、各事業者の値上げ状況について、国土交通省のほうで把握されているのかということをお聞きしたいと思いました。実際にどのくらいの事業者がどのくらいの値上げを実施しているのか、また、値上げによって得た収入が正しく使われているのかなどをモニタリングしていくためにも、各事業者の運賃届け出の結果によるタクシー運賃の値上げ状況を正確に把握するべきではないかと思っています。
2点目ですが、本改定案による運賃値上げについて消費者の納得感が得られるように周知していくことが重要であると同時に、また、消費者に与える影響、例えばサービスの質の向上ですとか、安全性の確保につながっているのかなどについて、引き続き国土交通省はフォローアップをしていく必要があるのではないかと思っています。
以上です。
○野村座長 ありがとうございました。
国土交通省のほうから御回答をお願いいたします。
○重田課長 郷野委員、ありがとうございます。
まず、5ページを御覧いただくと、全国の運賃改定の状況ということで全国を69の運賃のブロックに分けています。特に地方ですと、県庁所在地を含むようなエリアとその周辺の郡部と言ったように分けたりしておりまして、いろいろなコスト状況が異なる同じようなエリアを1つのエリアとしてやっています。それが69地域ございます。
その69地域、今回ここで御審議いただいているのは東京都特別区・武三地区ですけれども、それ以外の地域についても順次運賃改定を行っているところでありまして、令和7年度が始まってからこれまでで言うと、既に運賃改定を実施したのが69のうち21地域、待機組というか、運賃改定の実施前の地域で申請が出ているものについては残り3地域と35地域という形になっていて、全国的に運賃改定が進められているということの御説明の資料でした。
それから、事業者によって値上げ幅が違うのではないかという御質問です。これについて申し上げると、資料の2ページ、これは現行の改定前の運賃ですけれども、左側のA運賃からD運賃まで、上限運賃から下限運賃まで500円から470円の幅で定めています。したがって、東京都特別区・武三のタクシーは、この幅の中で選ばなくてはいけないことになっています。現状、どういう状況になっているかというと、ほとんど全ての事業者がこの上限の500円を採用しております。一部数社は下限の運賃を採用している会社もあります。こういう状況でございます。
それから、運賃改定後のモニタリングについてですが、運賃改定後、タクシー協会と今回のケースで言うと関東運輸局が、運賃改定の結果、例えば人件費にきちんと反映されているかどうかというようなことを調査してございます。もし、そうでないような事業者の方がいましたら、その事情についてきちんと調査して、必要な場合には指導を行っていくという形で、人件費の増加を目的とした運賃改定のようなことであれば、そういった趣旨に沿った対応をしていただくように指導しているということでございます。
最後、消費者への周知の部分です。これは前回も御指摘いただいたように記憶しておりますが、ここはしっかりとやっていかなくてはいけないと思っています。基本的にタクシーの場合は乗車前に運賃が分かるように車体にも表示をしておりますし、車内に入っても表示がありますし、あるいは各社のホームページのほうでもやっております。そもそも今回の申請を認可する前後においては、国土交通省関東運輸局のほうできちんと周知をしていくということでございます。
それから、今日も来られていますけれども、ハイヤー・タクシー協会のほうにおいても様々なツールを使っていただいて、この運賃改定についてあらかじめ事前に周知をし、消費者の皆さんの御理解をいただくような努力をしていただく、このようなことかなと思ってございます。
私からは以上です。ありがとうございます。
○野村座長 ありがとうございました。
郷野委員、よろしいでしょうか。
○郷野委員 ありがとうございました。
一事業者一事業者、どのような運賃値上げをされたのかということについてまでは把握していないという感じでしょうか。消費者としては、細かいようですが、どの事業者がどれだけ運賃値上げをしたかというところまで知ることができれば知りたいというところと、それがひいてはモニタリングにもつながっていくということで要望いたしました。
それから、消費者への周知については、もちろん引き続きお願いしたいのですが、その後の影響についてというところもしっかりフォローアップをしていただければというところで発言させていただきました。よろしくお願いいたします。
○野村座長 ありがとうございました。
重田様、個社に関しての情報を消費者が知り得るということは可能なのでしょうか。
○重田課長 ありがとうございます。
東京で法人のタクシー会社が306社、個人タクシーが8,700社ぐらいあります。それぞれ先ほど申し上げた今回の新しい幅になると思いますが、その中で、どの運賃を選択するかというのは、一社一社、関東運輸局に届け出をしてもらうという仕組みになっていますので、国としてどの会社がどの運賃を届け出ているかというのは完全に把握できております。
もう少し踏み込まれると、個々の消費者が、どの事業者がどの運賃を使っているか分かりやすいようにという御趣旨かもしれませんが、それは乗車前、どのタクシー会社を選ぼうかというときであれば、会社のホームページを御覧になる方もいらっしゃるかもしれませんし、流しとか駅で乗ろうとするときは、その車体に表示されていることで確認はできますし、今ですと、アプリで配車するときは、アプリの配車時にそこにきちんと運賃が表示されるというようなことになってございますというのが1点目です。
それから、周知に加えて、その後の影響についても把握というのはおっしゃるとおりでございまして、今、システマティックにそこを確認する手段ができているかあれですけれども、御趣旨はごもっともでございますので、そのように対応していきたいと思います。
○野村座長 ありがとうございました。
私からでございますが、個別の事業者さんがホームページを持っておられると思いますが、そういう場合にはどこを選んでいるかというのが分かるようにしていただきたいなという気はいたします。我々利用者が乗るときに、おたくの会社はどこの幅で決めましたかというのは、ドライバーさんも答えられないと思います。ただ、事業者さんの中でドライバーさんにもこういう説明はしておいてほしいなという気がいたしました。これは感想でございます。
○川鍋会長 一言補足でございます。確かにどの運賃がどの運賃になったかというのはかなり分かりづらいのですけれども、少なくとも現在、そのタクシーが来たときに幾らなのかというのは、最近はアプリで全部会社ごとの運賃が明示されております。呼んだタクシーでもそのタクシーが幾らなのかということがすぐ分かるようになっています。もしくは、どうしても例えば安いタクシーが欲しいと言えば、その会社を指定して呼ぶこともできます。その場合、台数が少ない会社ですと時間がかかるというデメリットもございます。
ということで、一昔前よりはアプリの発達によって、かなり消費者の皆さんには分かりやすい形になったかなと考えております。以前ですと、車体には書いてありますので車が来れば分かるのですけれども、今は車が来る前からある程度分かるし、選べるようになってきているということは補足させていただきます。ありがとうございました。
○野村座長 ありがとうございました。
そうしましたら、次の太田委員の御質問に移りたいと思います。よろしくお願いします。
○太田委員 前回、適正利潤の考え方についてお伺いいたしましたけれども、基本的に自己資本の10パーセントを適正利潤とするということで、タクシーに限った自己資本の10パーセントにするということで間違いないでしょうか。
○野村座長 国土交通省のほうからお願いいたします。
○佐藤部長 関東運輸局でございます。事前に委員の皆様にも共有していただいているかと思いますけれども、一般乗用旅客運送事業の運送事業の運賃及び料金の認可申請の審査基準というものを、もし、御覧いただけるようであれば、こちらを御覧いただいたほうが確実かと思います。そちらのほうに自己資本の算定方式・算定根拠については明示させていただいてございます。適正利潤については乗用換算自己資本掛ける資本比率0.1割る1マイナス法人税等税率という形で計算をさせていただくということになってございます。
この中で、乗用換算自己資本についてでありますけれども、先日も御説明させていただきましたし、また、委員も御理解いただいているところかと思いますけれども、改めて申しますと、自己資本に全事業の固定資産に占める乗用事業用固定資産の比率を乗じて算出する。ただし、自己資本が欠損となっている場合には、常用換算自己資本金を基礎に算定するという形で計算することとしております。
○太田委員 債務超過のときは、資本金でやるということですか。
○佐藤部長 おっしゃるとおりです。自己資本が欠損の場合は乗用換算自己資本金を基礎に算定するということでございます。
○太田委員 基礎にというところがよく分からないのですが。
○佐藤部長 自己資本金で算出するということです。
○太田委員 資本金でということですね。要するに繰越欠損を無視してということですね。
○佐藤部長 おっしゃるとおりです。
○太田委員 それを1マイナス法人税率で割るのはどういう理由でしょう。例えば10パーセントというのは税引き後で10パーセントだと思うのですが、1マイナス法人税率、仮に0.7だとすると、それだけ利益率が増えませんか。
○佐藤部長 おっしゃるとおり、法人税で調整させていただいていますので、その分乗っかってくる利潤というのは増えるかなと思いますけれども、一方で、資料1の21ページを御覧いただきますと、こちらのほうで所要増収率の算定根拠の表をお示ししているかと思います。適正利潤に関しては、項目としては、収入が運送収入、雑収、営業外収益、費用については人件費等々、一般管理費、また、営業外費用というところでの小計というところでございます。この部分というのは企業会計上で言えば、いわゆる経常利益の段階であろうと考えてございまして、ここに利潤を乗せる。その後に税金を引くというところになりますので、ここの部分で乗っかる利潤というところは後で支払われる税金の部分を考慮した上で算定するものかと私どもとしては理解をしているところでございます。
○太田委員 了解しました。適正利潤は税引き前で決まっているということですね。
○佐藤部長 その理解で結構です。
○太田委員 税引き前で計上しているので、税金を引いた後に10パーセントになるように調整している。
○佐藤部長 おっしゃるとおりです。
○太田委員 それでもROEが10パーセントというのはかなり高い水準だと思いますが、例えば上場企業の平均よりは随分高いですよね。
○佐藤部長 私も詳細な数字を手元に用意をしておりませんので申し訳ございません。最近の上場企業というところで申し上げれば、いわゆるROEというのは10パーセント前後で推移していると承知しておりまして、もちろん運送事業、今回、中小零細の事業者さんも含みますので、それが必ずしも妥当かというところは論点があるかと思いますけれども、10パーセントというのが明らかに高いというところまでは、必ずしも言い切れないのではないか。現在の企業全体の環境を見たときに、必ずしも高いとは言い切れないのではないかと認識しているところでございます。
○太田委員 コロナ禍の前、10パーセントを達成し出した年があったというのは、おっしゃるとおりだと思いますが、日本のROEはずっと低くて8パーセントを目指していこうという時代がずっとあったわけで、直近10パーセント超えた年があったということをもって、それでいいのだというのはなかなか厳しいのではないでしょうか。
○佐藤部長 資本の利潤率について様々な御意見があることは承知をしておるわけでありますけれども、こちらについて、今回、私どもとしては、あらかじめ公示をさせていただいている審査基準に基づいて利潤の額等も計算をさせていただいた上で、この数字を提示させていただいているところでございます。
○太田委員 今回の値上げについては現行ルールが適用されるのは当然でありますし、そのとおりだと思いますが、中長期的、将来に向けてこの割合を削減することも考えられるのではないかという趣旨のコメントでございました。
○野村座長 ありがとうございました。
太田委員からのコメントに関しまして、また国土交通省のほうで御議論いただければと思います。特に比較すべき業種とかも考慮しなければならないかと思いますが、消費者への説明をしていく上でも、これから考えていただきたい部分でございます。
○太田委員 引き続きよろしいでしょうか。
これは基本的には競争制限的な規制を入れている。通常のように独占企業体だから公共料金を抑えるために上限を決めて抑えていくというのではなくて、そもそも競争制限的に業者を絞って、適正利潤と言っていますが、簡単に言うと、独占利潤を意図的に与えることで安全性を確保するとかという形の規制です。通常の独占企業体の規制と反対向きの規制が入っているということなので、これは当然、消費者にとってはマイナスなわけなのです。総余剰がこれぐらい失われて、その代わりにこれぐらい安全性が高まっているというのは分析とかされていますか。
○野村座長 簡単にお答えいただけると助かります。
○重田課長 安全性ということであれば、例えば交通事故のデータでありますとか、あるいは前回申し上げましたが、車両自体を更新することで安全性が高まるというようなことがございますので、それはきちんと確認していきたいと思います。
○太田委員 それを申し上げたのは、よその国でライドシェアがこれだけ普及しているところで、日本でライドシェアを解禁しない、日本版ライドシェアという特殊なものはありますがライドシェア自体は解禁されていない。これに対して消費者はかなりの不満を持っていると承知しております。他国でできることが日本でなぜできないのか。それは例えば非常に高度な安全性が要求されるとか、タクシー代が高くて消費者にとっては不利だけれども、これだけいいことがあるというのは、どれぐらい積極的に示されているか。この点が気になっております。いかがでしょうか。
○野村座長 私からその点、ライドシェアの問題は別レベルになってしまいますので、今後御検討いただくということで。規制産業ですので安全性確保のための料金規制をしている。それから、料金以外のところでの規制もしているので、普通の製造業の競争とは全く違う世界でのことですので、消費者の不満を解消するためにという太田委員の御趣旨も分かりますが、今回のこの会議の場での討議内容とは離れてしまいます。ここで話題転換というか、ほかの方の質問に移らせてください。
○太田委員 よろしいですか。競争が激しくなれば基本的に料金は下がるのですけれども、その状況下で全体がインフレだということはもちろんあるのですが、料金を上げるという話です。その料金を上げることの妥当性を判断する上で重要な論点だと思いますが、いかがですか。
○野村座長 私から答えられないですが、今、人件費の話はこの審議の場にフィットした内容ですが、ライドシェアは別だと私は思っておりますので、話題転換に入らせてください。
○太田委員 了解しました。
○野村座長 そうしましたら、長尾委員、お待たせしました。
○長尾委員 長尾でございます。遅くなりまして失礼いたしました。
人件費の算定について、令和4年12月12日の算定要領があるということで承知いたしましたが、それの恐らく10枚目に人件費の算定についての基準が書いてあります。それをどのように当てはめると平年度のものが出るかというのは、私は不案内で分からなかったことがありまして、令和4年12月12日の要領によると、人件費は平均給与月額掛ける支給これこれというのがあって、平均給与月額の出し方というのがありまして、それで、平年度に関しては、翌年度の平均給与月額にデフレーターを乗じて算定した額とするという御案内がありまして、それをどのように操作して平年度の数値が、これは上昇が見込まれるということでの説明を伺ったと思いますが、その辺り、もう少し詳しく教えていただきたいということでございます。
○野村座長 国土交通省、簡潔にお答えいただけるのであればお願いいたします。
○佐藤部長 関東運輸局でございます。人件費の増加の部分の具体的な当てはめのところでございます。根拠となる通達というもの、関東運輸局のほうで公示という形で一般にお示しをさせていただいているものでありますけれども、最新で適用されておるものが平成19年4月9日付けで公示されております一般タクシー事業における今般の運賃改定申請の審査等の取扱いについてというものでございます。こちらについては事務局のほうから委員の皆様にも共有をしていただいていると承知をしてございます。
こちらの公示の趣旨というのはと、タクシードライバーの方のいわゆる賃金体系が歩合制が主体になってきたというところを念頭に、運賃改定における人件費の取扱いをちゃんと歩合制であることを前提に対応していこうという趣旨で、この公示が出されているというものでございます。基本的な考え方は、運賃改定前の段階での運送収入に占める人件費の割合というものを運賃改定後も変えないという前提としたときに、どのように運賃を変えていくのが適当かというところで計算をするというようなやり方をこちらでお示しをしているところでございます。
具体的なところで、細かい数字になってしまうところがあるのですけれども、運賃改定に先立って提出いただいた前年度、令和6年度の運送収入と運転士実績、人件費との割合が63パーセントであるというところを前提といたしまして、この比率を変えないという形で、どれだけの費用、どれだけの増収が必要であるかというところを今般の運賃改定の際に算定させていただいているところでございます。細かいところを割愛してしまって分かりにくい部分があるかもしれませんが、以上でございます。
○野村座長 長尾委員、いかがでしょうか。
○長尾委員 今、口頭でおっしゃった考え方は、令和4年12月12日が最新版であるところ、これには書いていないことも多く含まれているのかなと思ったのです。この一般乗用旅客自動車運送事業の運賃料金の認可の処理方針についてのことを今おっしゃったのですか。
○佐藤部長 いろいろな文書が錯綜しておりまして申し訳ないところではあるのですけれども、我々が今般の運賃改定において依拠しておりますのは、そちらの今お話しいただいている令和4年のものではございませんで、平成14年の公示と平成19年の公示に基づいたものでございます。令和4年のほうが新しいではないかとお考えのところがあるかと思うのですけれども、この部分と、私ども役所のほうでの文書の出し方の技術的な部分が若干ございまして、基本的には、私どもとしては今、平成14年の公示、そして、19年の公示に基づいて、これが最新のものとして、こちらに基づいて運賃改定の計算をさせていただいているものでございます。
○長尾委員 そうすると、14年及び19年及び令和4年、全てを連関して読めば、今のお話が理解できるというところなのでしょうか。それとも平成14年だけを見るということなのでしょうか。
○重田課長 補足します。ベースは平成14年に出されて、最新の改定が令和6年、これが基本的な通達になるわけですけれども、これで少し補足的に追加的に説明するような必要があった場合には、改めてその部分について通達を出して基準を示しているというものです。なので、委員のおっしゃったとおり、これは大変御不便をおかけしているのですけれども、全てを併せ読むと、先ほど佐藤のほうから申し上げたような算式になるということになってございます。
○長尾委員 私もそういう想定で資料を検討しきれなかったので、これ以上コメントが難しいのですが、そうだとすると非常に分かりにくいかもしれません。平年度算出に関するデフレーターの具体的な求め方についても、平成14年ないし19年を読めば分かるということなのでしょうか。
○佐藤部長 人件費の部分についてはデフレーターの適用というのは現状ないところであります。それは平成19年のほうに新たに出された通達のほうで上書きをしておるというところでございますので、人件費に関してはデフレーターの適用というのがございません。
一方で、ほかの運賃項目についてはデフレーターなり、あるいは消費者物価の伸びについてそれを適用するという形で規定に書いてございますので、そちらを御参照いただければと思います。
○長尾委員 分かりました。
先ほど63パーセントでしたか、その割合を維持するというところに関しては、平成14年の部分を読めばよく分かるということなのでしょうか。
○佐藤部長 そちらに関しては平成19年のほうを御覧いただければと思います。
○長尾委員 かしこまりました。参照しておきたいと思います。ありがとうございます。
ただ、その辺り、これも分かりやすさというところにつながるとは思うのですが、非常に技術的に分かりにくいところも多いところかなと、そこには何らか、分かりやすいというところでは課題があるのかなと承知いたしました。
○野村座長 ありがとうございました。
それでは、若林委員からお願いいたします。
○若林委員 私のほうからは、値上げが生じるに当たっては、消費者の理解であるとか、納得感を得ることが重要かなと思っておりまして、分かりやすい説明をしていただくというのはもちろん、現状のサービスに対する消費者の満足感も重要ではないかと思っております。現状、満足していて、これを維持するためには値上げもやむを得ないというような理解があることが必要かなと思っておりまして、その観点から1点、御質問させていただきます。
前回、様々なサービスをしてくださっているということを御説明いただきまして、例えば妊婦向けタクシーとか、非常に評判がいいというようなお話を伺いました。私が気になっているのは、アプリのサービスに関してでございまして、アプリのサービス自体は大変便利で私も常々使わせていただいています。他方で、アプリを使えない層というのが残ってしまっているのが現実としてあると思います。そのアプリを使えない層というのが、場合によっては、時間帯や場所によっては非常につかまりにくくなってしまったりとか、そういう実情があるかと思います。そういう話を運転士さんからもお伺いすることがございます。そういう層に対する働きかけというのでしょうか、さらに使えるように加えていくとか、もし、何らかの働きかけというのがあれば、単に宣伝するという以上の働きかけというのがあれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○野村座長 国土交通省からお願いいたします。
○重田課長 ありがとうございます。
個々のサービスということですので後ほど協会からも補足いただくといいと思いますが、まず、アプリを使われる方以外、なかなか使われない方について様々な場面でアプリの使い方については御説明をしたりしているのですが、つまるところ、どこまでいっても使えない方はいらっしゃるわけでありまして、そういった方々がきちんとタクシーにアクセスできるような手段は残しておくということかと思います。
現行でも、東京でいうとアプリの使える車両はほぼ90パーセント以上、車両としてはあります。実際にアプリで配車される割合というのは、そのうち2割から3割ぐらいだと思います。東京の場合は流しでありますとか、駅待ちのタクシーもございますのでそういったもの、それ以外の部分については電話で注文をいただいて配車をするというような形になっております。
したがって、この最後の部分、今回、東京の運賃の話ですので東京の話題でいいと思うのですけれども、地方だと、まだまだそういった電話での御注文が大半でありますし、地方に行けば行くほど流しなんてものは存在しないので、そういった部分を取りこぼすことなく、きちんとタクシーにアクセスできるようにしていくということが必要です。
その点で言うと、一方、DXみたいなものをきちんと進めていって経営効率化していかなくてはいけないので、注文は電話なのですけれども、実際の配車に当たっては配車室で、バックオフィスでそういったDXを活用してそれを組み合わせてやっていくというのが全国的に広まっている手法だと思いますし、そういったものをきちんと今後も残していくことが必要だと思っております。
協会から補足あればお願いします。
○川鍋会長 補足させていただきます。確かになかなか届かない層がいらして、その方々に電話で引き続き提供させていただいています。結構難しいのが本当に限界点、タクシーが存続できるかできないかというぎりぎりのところにおいて、電話はコスト構造的に高くて、この電話を維持していると、従来は電話のコールセンターがあって、それがだんだんアプリに移り変わって、今、二重コストになっていますので、最終的に電話を止めてしまったほうが本当はコスト的には大分下がるという、なかなか不都合な現実もございます。当然、地域ごとにコールセンターをまとめたり、コールセンター自体をまとめるDX事業者が出たり、もちろん電話は電話で自動音声での一部回答等を積み重ねております。
それはそれでDXをしているのですけれども、消費者のほうにもなるべくDXをしていただきたいということを地方の行政とともに投げかけ続けるという姿勢は非常に大事だと考えています。これはアプリ会社さんも各地で、例えば自治体と組んでアプリの使い方等の講習会をやっておりますし、各地域、全員に満遍なく教えるのは結構難しくて、誰に教えるべきかというと、皆さんがDXしていただいたほうが外出してもらえる。例えば飲み屋さんとか飲食店、こういった方は外出していただかないとビジネスとして成り立たないというのがございますので、こういった方を中心に、例えば食品衛生管理者の更新の講習会のときにアプリの説明をついでにやらせていただくとか、そういった活動もしております。
そうすると、そこの例えば女将さんとか、中心で仕切っている方が一生懸命お客様にも教えてくれたりということもあります。そういった地域ごとの御高齢だが積極的な方というのに何とかうまく結びついて、それ以外の方にも広げていただくという活動も投げかけておりますし、行政の方にもそういったバックアップをお願いしております。そして、当然政治家の皆さんにも地方のDXを諦めないで、ぜひ進めてほしいということは常日頃お願いしております。
一事が万事でして、タクシーアプリが使えるかどうかと、それ以外の行政のアプリを使えるかどうかで大分行政側のコストも変わってきます。したがって、あらゆる方面から働きかけをして、デジタルでなるべく取り残さないようにという活動の一翼を担えればと感じております。
以上です。
○野村座長 ありがとうございました。
若林委員、どうぞ。
○若林委員 ありがとうございました。
いろいろと御努力されているということはよく分かりました。なかなかコスト的にも難しいというお話も理解いたしました。恐らく地方と都市部では状況が異なると思いますし、取り残されている状況も異なると思います。先ほど国土交通省様からお教えいただいた数字だと、アプリで配車というのが結構少ないように感じましたけれども、多分、時間帯とか場所によっては、この数字は全然変わってくると思いますので、そうすると、物すごく困っている人というのも恐らくいるのではないかと思います。大変だと思いますけれども、その辺、場所や時間帯に基づいたというのでしょうか、きめ細かい手当をお願いしたいなと思っております。
以上です。
○野村座長 国土交通省様、タクシー協会様、よろしくお願いいたします。
そうしましたら、城所委員、手短にお願いいたします。
○城所委員 査定について少しお伺いしたいのですけれども、査定はどこまで踏み込んでされているのかなというのが質問です。例えば、具体的には、私はパナソニックのエボルトという乾電池が好きなのですが結構高いです。でも、大抵の仕事はエボルトではなくてもダイソーの100円の乾電池でもできる。この例で、高価なものを買わなくても、もっと安いものを使ってできたのではないのかというようなことまで踏み込んで査定されているのでしょうかというのが質問です。
○野村座長 国土交通省のほうからお願いいたします。
○重田課長 ありがとうございます。
ここで査定と書いてございますが、大きく2つぐらいの意味があります。
一つは、現時点で、令和8年度以降どういった収支構造になるかというのをまず確認しています。それは6年度実績に加えて需要の動向がどうなるかとか、人件費の上昇がどの程度見込まれるかとか、その他のコストがどの程度上昇していくかというようなことを想定して数字を精査しているという意味での査定という意味がございます。
もう一つ、委員がおっしゃっているのは多分こういうことなのだと思いますけれども、Aという車両を使うよりBという車両を使ったほうが安いのではないか。そうしたら、Bという車両で査定を想定すべきではないかというようなことだと思います。その部分については、前回も申し上げましたが、今回30社を選び出すプロセスの中で、東京都内にあるいろいろな規模の事業者をバランスよく抽出してございますので、何か特定の車種だけをそろえているような事業者といったものが、30社の中では平均化されるというようなプロセスで見ているところでございます。
○野村座長 ありがとうございます。
城所委員、よろしいでしょうか。
○城所委員 確認ですけれども、個別の費用の構造まで踏み込んで算定とかはされていないということなのですね。
○野村座長 いかがでしょう。
○佐藤部長 補足というか、既に重田のほうから話があったところでありますけれども、個々の事業者さんのこの費目についこれは高すぎるから減額の査定をするというような形では対応してございません。
そうなると、無駄遣いをする、インセンティブが出てしまうではないかというところで皆さんの御懸念があるのかもしれませんけれども、これもまた重田も申し上げたとおり、30社平均をするという形になりますので、例えばある会社が非常に積極的な投資をされて、また、かなり高級な仕様のいいものでよりすぐりであると、その結果として、会社としては2割ぐらい値上げをしてほしいというような事業構造であったとしても、それは30社を集めていく段階で平均化されます。
例えば堅実に事業されておられて、5パーセントの値上げでも問題ないというような会社さんと一緒になった場合、そうすると、平均化されて今回出るような10パーセントみたいな数字になりますので、そうすると、積極的かつ高級な投資をされていた事業者の方からすると、経営が成り立たないというような形になってしまいますので、その部分については今回の運賃改定のプロセスの中で、ある程度の歯止めというのはかかっているのではないかなと考えているところでございます。
○野村座長 ありがとうございました。
規制の一番難しいところかと思います。電池の具体例を挙げてもらったように、委員も気にしているところですので、今後もそういう点が分かりやすく説明できるような規制の手法をお願いいたします。
○城所委員 ありがとうございました。
○野村座長 そうしましたら、小野委員、原委員の順番で御発言ください。5分だけオーバーさせてください。2時5分までということです。
○小野委員 御説明ありがとうございました。
私は前回の専門調査会で情報周知について確認させていただきまして、取っておられる対応について承知をしたところです。また、若林委員のおっしゃったアプリの利用者、この点について、私もDXの浸透についてもぜひお願いしたいと思います。
加えて、私からは利用者からの意見の集約、あるいはその公表について、どのような形になっているのか、以前もお話しいただいたかもしれませんが確認をさせていただきたく質問いたしました。よろしくお願いいたします。
○野村座長 国交省様、お願いいたします。
○重田課長 ありがとうございます。
前回の運賃改定の後もそうだったと思うのですけれども、協会のほうで利用者の方々にアンケートをしていただいて、その結果も公表させていただいているということかと思います。今回も手法はこれからよく相談ですけれども、実際に運賃改定について利用者の方がどう思っているかということは広く確認していくことが必要かと思っています。
○野村座長 よろしくお願いいたします。
そうしましたら、原委員の質問に移らせてください。
○原委員 私のほうからは1点だけ質問させていただきます。折しも春闘の時期となっておりまして、かなりのベースアップの要求がなされていると思います。時期的に検討は早くから今回は始められているということですけれども、実際に今回の試算の中で、どの程度人件費について春闘の影響を考えてらっしゃるか。もし、交渉いかんによっては、またすぐに値上げを考えなければいけないような事情になってはいけないなと思って質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
○野村座長 それでは、お答えをよろしくお願いいたします。
○重田課長 ありがとうございます。
結論から申し上げると、春闘の影響という観点は含まれていません。毎年春闘で賃上げの率がそれぞれ合意されると思いますけれども、そういうことではなくて、全体的なトレンドの中でどのように人件費が上がっていくかというようなことで算出してございます。もしかしたら、個別の企業の料金の査定だと、そういうのも加味するというやり方があるのかもしれませんが、これは一定のエリアの多数の事業者を当てはめる運賃のことですので、そういったことは考慮していません。
○野村座長 ありがとうございます。
原委員、よろしいでしょうか。
○原委員 考慮せずにこの案でいって大丈夫かというと、私は不安には思うのですけれども、内容は了解いたしました。ありがとうございました。
○野村座長 ちょうど時間を超えたところでございます。
最後に一言だけということがございましたら、手短にお願いいたします。
○太田委員 30社を選ぶ基準というのは客観的に決まっているのでしょうか。
○佐藤部長 お答え申し上げますと、30社の選定に当たって、まず、前提として、私どものほうで公示をさせていただいている審査基準のほうに、標準能率事業者の選定基準というものがございます。こちらはお送りしております平成14年の審査基準の別紙1でございますけれども、この中で標準能率事業者の選定基準というものをお示ししてございます。例えば極端に小さい事業者は外すであるとか、一定程度営業を継続しておられる事業者さんであるとか、あるいは直近で決算期を変更したとか、そもそも信頼に足るデータが取れる事業者さんであるかということを前提としておるところでございます。
それに加えて、例えばサービス基準として車があまりに古いような事業者さんとか、そういうものは除くとか、加えて、効率性といった点でも、例えば生産性のあまりに低いような事業者さんは含まないというような形で、一定の基準をお示ししているところでございます。
○太田委員 詳細な御説明ありがとうございました。
気になったのは、そこに裁量の余地があるかどうかです。これはどの業者をピックアップするかで相当コストはコントロールできるので、多分、値上げをしたいときは効率の悪いところばかり引っ張ってくるとか、それができるのがどれぐらい制約されているか、選び方によって多分売上げ幅は変わってきます。300幾つある法人の中で30社ということなので、1割の選定の仕方で結構下限ができるのではないか、裁量行政的な介入ができるのではないかという趣旨です。
○重田課長 ありがとうございます。
30社選ぶに当たっては、私どもがお示しした資料1の22ページに少し数字を並べさせていただいておりますが、結局いろいろなコスト構造があるというのは委員の御指摘のとおりだと思います。その上で、タクシー事業にそれを当てはめると、つまるところ車両台数がどの程度かというところで、大きくコスト構造というのは変わってくるのかなと理解しております。したがって、車両数がバランスよく東京の中の車両数の割合と同じであるかどうかということは、私どもは注意して選択しているところでございます。
その場合、委員の御指摘のとおり、同じような車両数の中でAを選ぶかBを選ぶかということにつきましては、毎年同じような事業者が選ばれない、毎年というか毎回選ばれないようにとか、そういったことは気をつけてございますが、そういった車両数の規模に応じてバランスよく選ぶということで対応しているところであります。
○太田委員 全数でやらないのは何か理由あるのですか。
○重田課長 実務的には相当な数のデータを出していただいてやる必要がありますので、そこまでできていないところでございます。
○太田委員 承知しました。
○野村座長 ありがとうございました。
そうしましたら、本日の皆様からの御意見も踏まえまして、今後、消費者庁からの付議に対しまして専門調査会の意見を検討してまいりたいと思います。
本日は、国土交通省の皆様、東京ハイヤー・タクシー協会の川鍋会長様、お忙しいところを御参加いただきまして、誠にありがとうございました。
最後に、事務局から事務連絡をお願いいたします。
≪3.事務連絡・閉会≫
○友行参事官 本日も御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
次回詳細につきましては、改めて御連絡させていただきます。
以上です。
○野村座長 長時間にわたりありがとうございました。
「第91回公共料金等専門調査会」は、本日ここで締めさせていただきます。ありがとうございました。
(以上)