第89回 公共料金等専門調査会 議事録
日時
2025年6月9日(月)10:00~10:46
場所
消費者委員会会議室・テレビ会議
出席者
- 【専門委員】
- 野村座長、若林座長代理、城所委員、後藤委員、長尾委員、長田委員
- 【消費者委員会担当委員】
- 小野委員
- 【消費者庁】
- 浪越参事官(公益通報・協働担当)
- 【事務局】
- 小林事務局長、後藤審議官、友行参事官、事務局担当者
議事次第
- 開会・事務連絡
- 「東日本旅客鉄道の鉄道事業における旅客運賃の上限変更案」に関する公共料金等専門調査会意見(案)について
- 事務連絡・閉会
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
≪1.開会・事務連絡≫
○友行参事官 本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
ただいまより「消費者委員会第89回公共料金等専門調査会」を開催いたします。
本日は、野村座長をはじめ、御出席その他の委員の皆様はテレビ会議システムにて御出席されております。
なお、太田委員、郷野委員、柿沼委員が欠席されております。
オブザーバーとして、消費者庁から公益通報・協働担当の浪越参事官に会議室にて御参加いただいております。誠にありがとうございます。
本日もテレビ会議システムを活用して進行いたします。一般傍聴者にはオンラインにて傍聴いただき、報道関係者のみ会場に御参加いただいております。議事録については、後日公開することといたします。なお、配付資料につきましては、お手元の議事次第下部に記載してございます。
それでは、野村座長、以降の議事進行をよろしくお願いいたします。
≪2.「東日本旅客鉄道の鉄道事業における旅客運賃の上限変更案」に関する公共料金等専門調査会意見(案)について≫
○野村座長 おはようございます。
本日の進行についてですが、途中で私の回線が切れた場合は、復旧するまでの間、座長代理に、座長代理の回線も併せて切れてしまった場合には、事務局に進行をお願いすることといたします。
それでは、本日は、前回の専門調査会に引き続き、「東日本旅客鉄道の鉄道事業における旅客運賃の上限変更案」に関する公共料金等専門調査会意見(案)について御議論いただきたいと思います。
本日の議論のたたき台としていただくため、前回の専門調査会における委員の皆様からの御意見等を踏まえて、事務局とも相談の上、資料1として意見案を準備しております。
最初に、友行参事官より10分程度で御説明をお願いいたします。
○友行参事官 それでは、資料1を御覧いただけますでしょうか。
「東日本旅客鉄道の鉄道事業における旅客運賃の上限変更案」に関する公共料金等専門調査会意見(案)としております。
まず頭のところでございますけれども、消費者委員会公共料金等専門調査会は、令和7年4月10日付で、消費者庁様より東日本旅客鉄道の鉄道事業における旅客運賃の上限変更案について付議をいただき、それについて検討してまいりました。変更案につきましては、令和8年3月に、JR東日本において、首都圏に設定している「電車特定区間」、「山手線内」の運賃区分を「幹線」に統合した上で、「幹線」及び「地方交通線」の旅客運賃、通勤定期旅客運賃を改定するというものでございます。この結果、普通運賃については平均7.8パーセント、通勤定期については平均12.0パーセント、通学定期については平均4.9パーセント、全体として平均7.1パーセントの値上げとなっております。
なお、値上げ率の内訳につきましては、下の表のとおりでございます。幹線・地方交通線、電車特定区間・山手線内、それぞれの普通運賃、通勤定期、通学定期につきましては、記載のとおりとなっております。
1.の結論でございます。変更案については妥当であると認められるとしております。
2.の理由です。鉄道運賃制度におきましては、総括原価方式の考え方に立ち、個々の運賃の上限を認可する枠組みが採用されているところでございます。
2ページ目に参ります。その総括原価の算定方法につきましては、「JR旅客会社、大手民鉄及び地下鉄事業者の収入原価算定要領」において定められており、こちらについては令和6年4月1日に改定されております。改定の中身につきましては、減価償却費等の算定方法の改善、鉄道事業の安定的・持続的な運営を確保していく観点からの見直しとなっております。今回の変更案の審査に際しましては、改定後の収入原価算定要領に沿った対応が行われているということでございます。令和8年度から令和10年度までの3年間の運賃算定の基礎となる総括原価は6兆1131億円、総収入は6兆1039億円と推定されるということでございます。
当専門調査会におきましては、収入面について新しい生活様式の定着に伴う鉄道利用の減少、今後のさらなる沿線人口の減少、それから費用面では、昨今の物価高騰による経費増、人材確保・定着に向けた待遇改善等について確認していただきました。
また、審議の過程では、国土交通省様より、減価償却費の算定内容に関する詳細な御説明、また、JR東日本様からは、運賃改定の必要性等々についての詳細な御説明をいただき、多様な視点から変更案についての議論を深めていただいたところでございます。
その結果、先ほど申しました1.の結論とされております。
3.の留意事項でございます。国土交通省及びJR東日本は、以下の点について留意すべきであるとされております。
(1)として運賃改定に関する消費者への丁寧な周知・説明でございます。
最初の○でございますが、JR東日本の最近の業績が好調である中で申請された今般の運賃改定は、消費者に少なくない負担を生じさせております。一方で、改定の内容や理由、消費者の生活に及ぼす具体的な影響に関して、適時・適切な周知・説明が行われているとは言い難いという御意見でございます。特に、「電車特定区間」及び「山手線内」の運賃区分が「幹線」への統合に際して、他のエリアに比べて値上げ幅が大きくなっております。こうした運賃改定に際しては、その透明性を高める努力が必要とされます。例えば、運賃区分別の収支状況を可能な範囲で公表するなどが考えられるということでございます。
3ページ目に参ります。今般の運賃改定が、鉄道設備の強靱化、セキュリティ対策、老朽化した車両・設備の更新など、広範な鉄道ネットワークの持続的な維持、輸送サービスの改善に必要なものであることについて、消費者の納得を得るような説明を尽くすべきであるということでございます。
また、運賃改定の事後検証も重要であると指摘されました。安全性・利便性・快適性の向上に関する具体的な進捗状況、その成果を積極的に開示するなど、消費者に対する丁寧な説明を継続的に行うことが望ましいとされております。
(2)でございます。安全・安心の確保及び今日的な課題への対応についてでございます。鉄道事業者には、自然災害・カーボンニュートラル・ユニバーサルデザインへの対応など、今日的な課題を解決するための様々な設備投資を計画的に実施していくことが求められているといえます。今般の運賃改定に際しましては、大規模地震対策、エネルギー・環境対策、事故防止対策、ホームドア整備、防犯対策、駅改良などの安全性の向上や利便性・快適性の向上など、全ての消費者が改善を実感できる取組を着実に進めるべきであるということでございます。
また、消費者の行動変容やニーズの変化を的確に捉えたサービスを機動的に提供していただくことが求められているとされております。混雑率の現状を踏まえた運行本数の拡充などや、みどりの窓口等におけるサービスレベルの改善、運賃・料金に関する様々な提案、そうした事柄に柔軟に対応するための投資を戦略的に進めるなど、消費者の利便性・快適性をさらに向上させるべきであるということでございます。
また、最後に、運賃改定についての消費者の理解を得るために、こうした取組・投資に関する具体的な整備内容や改善効果などを分かりやすく継続的に周知することが必要であるとされております。
以上です。
○野村座長 ありがとうございました。
それでは、これから意見交換の時間にさせていただきます。挙手もしくはチャットでお申し出ください。いかがでしょうか。
これまでに発言していただいた内容がほぼ反映されているかと思います。もちろん細かいところで少し表記できていない内容もございますが、ほぼ議論した重要な点に関しては盛り込んでいただいております。
長尾委員、どうぞお願いします。
○長尾委員 長尾でございます。
お取りまとめいただきましてありがとうございます。皆様の意見を分かりやすく簡潔にまとめていただいているのだと思います。
私が意見を述べさせていただいた留意事項(2)の○のところについて、利便性とか国土強靱化、災害対策等の取組を着実に進めるべきだということ以上に、その予定された減価償却費などにおいて盛り込まれた計画どおりの支出がされたかとか、そういったことが料金に一番関わってくると思いますので、予定された事業計画が実施され、設備投資が予定された実績どおりに実績があり、それが実際に予定していたよりも加速すべき設備投資の実績がどんなものかというのを確認して、そして、前倒し計上されたものも含む減価償却費の合計額が予定されたものより下回った分は、差額分が翌年に還元されると。そして、トータルで減価償却費の合計額と収入の合計額を比較して、収入のほうが原価を上回った場合は運賃をさらに見直すんだということを御丁寧に御説明いただいたのだと思いますので、それがまさに今回の料金に関わるところの事後検証の肝なのかなと思うので、取組を頑張って進めるべきだというよりは、もう少し踏み込んだ意見を申し上げたつもりだったような気がするというコメントでございます。
○野村座長 ありがとうございます。
もし必要であれば加筆すべきとおっしゃっていると思うのですけれども。
○長尾委員 そうですね。(2)の上から1つ目の○、上から2個目の○と、この辺りに溶け込ませていただいているのだとは思いますけれども、収入増を踏まえ、取組を着実に進めるべきだということで1個目の○が終わっているのですが、取組が予定されたとおりに行われたかということが事後検証されると、特に費用の面で事後検証されるという趣旨が分かるといいなと思ったのですけれどもというところです。
○野村座長 分かりました。
そうしましたら、後ほど具体的にここの文脈にこの用語を盛り込んでいただきたいということが可能でしたら御発言ください。取りあえず御趣旨は理解しました。
事務局、そういうことを入れられる余地があるでしょうかということにお答えください。
○友行参事官 ありがとうございます。
(2)の最初の○か。
○長尾委員 2つ目の○もちょっと似たようなことが書いてはあるのですけれども、ある意味、1個目と2個目が似てきちゃっているのだと思うのです。取組を頑張れみたいなことで、取組を頑張って進めるべきだというJR様を名宛て人とした結論が書いてあるような気がするのですが、どちらかというとそれは監督官庁が予定された減価償却費に計上された、あるいは前倒しで計上されたものについて事業実施とか、その結果として本当に支出された費用とかそういったことを審査していくべきだというところなのではないかと思うのです。
○友行参事官 ありがとうございます。
消費者委員会としてできるところはどこまでかということでございますけれども、さらに、予定された設備投資が計画どおりにされているかどうかということを、そして、その結果、消費者に利便性がどこまで高まったかということを消費者に対して、今回は整備内容や改善効果等を分かりやすく継続的に周知してほしいということを(2)の3つ目の○のところに書いております。その先、もし計画された設備投資が予定どおりになされていないとか、収入のほうが大幅に上回るというようなことがあれば、一義的には国交省様のほうで対策を考えるといいますか、そちらのほうで運輸審もあったりなどもしますので、まずは一義的には国交省様のほうでそこをチェックするというのが最初の取組かなと思うところもございます。
消費者委員会としては、まず、今回の運賃の値上げが消費者にどのようなメリットをもたらしたのかということをしっかり分かるようにしてほしいということであって、その先をどうするかというのは、また所管省庁さんのほうでしっかり取り組んでいただくということかなというふうにまず最初に思うところでございます。
○野村座長 ありがとうございました。
長尾委員、いかがでしょう。
○長尾委員 そうですね。きっとそういう成り行きになるんだろうということは私も理解しているのですが、そういう状況なんだということも含めて、消費者に分かりやすく説明がされているべきなのではないかなとは思いますけれどもということです。
○野村座長 分かりました。ここで文言として入れるとしたらということでお考えいただきたいのですが、友行参事官がおっしゃっていることもなるほどと思います。消費者全体でそれがお分かりいただけているかが不安なので、ここに書き込むのもよいかなというふうに思います。
○長尾委員 そうですね。
○野村座長 なかなか難しいですね。一般論として書き込むというのが。
ちょっとお考えいただいて、ほかの方の意見を聞いて、また判断させてください。すみません。
○長尾委員 ありがとうございます。
○野村座長 そうしましたら、今の長尾委員の御意見に対する御意見でも結構ですし、異なる観点からでも結構でございます。いかがでしょうか。
それでは、小野委員、若林委員の順番でお願いいたします。
○小野委員 御準備、御検討いただきましてありがとうございます。議論には所用が重なり参加ができずに大変恐縮しておりました。拝見をいたしまして、特に(1)の運賃改定に関する消費者への丁寧な周知・説明について、私自身も気になるところでしたが、この内容で、特に「電車特定区間」等の運賃区分が「幹線」への適用にされるということで、今回の運賃の上限の変更案の前提ともなるわけですので、必要な内容、つまり運賃区分別の収支状況を可能な範囲で公表する等、透明性を高める努力というようなことで盛り込まれているように思いました。
消費者への情報提供の在り方について、消費者教育を専門にする私からさらに追加をして、今回はちょっと具体的な記載というのは提案がございませんで、私はこの記載いただいた内容でよろしいかと思いました。御準備、御検討ありがとうございます。
以上です。
○野村座長 ありがとうございました。
そうしましたら、若林委員、よろしくお願いいたします。
○若林座長代理 御説明ありがとうございました。
先ほどの長尾委員の御意見についてなのですけれども、私も同じところを今回改めてもう一度読み返して、どうかなと思っていたところで、3ページの上から2番目の○です。(2)の1つ上のところですけれども、運賃改定の事後検証も重要であることを踏まえということで、情報開示をしてほしいという内容だったと思うのですけれども、お聞きしたところ、長尾委員の御懸念は、事後検証をきちんとしなくていいのかというか、そこまで踏み込むべきではないかというような御意見なのかなと思ってお伺いしたところです。
これはかつて、タクシーだったでしょうか、事後検証を求めるという形の意見を出したこともあったように思うので、そこまで踏み込むかどうかということかなと思っています。
今回の値上げ幅が結構大きいということを考えると、事後検証、もしそれが可能であれば求めるということを考えてもいいのかなというふうに、今御意見をお聞きしながら思ったところです。
以上です。
○野村座長 ありがとうございます。
事後検証を求めるというような文言を入れてもよいのではないかという御意見と理解しました。長尾委員もその点また後ほどお伺いいたします。
先にほかの委員の先生、よろしくお願いいたします。
長田委員、どうぞ。
○長田委員 長田です。ありがとうございます。
今の若林先生の御整理、そして長尾委員の御提案に賛成いたします。やはり今回、長い間値上げはしていなかったけれども、いろいろなところで変更して、我々ユーザー側からすると非常に大きな価格変更になるというものの提案の割には、最初に示していただいた様々な資料も不足していた、考え方も不足していたということを感じておりますので、消費者委員会のほうからいろいろお願いした視点を大切に、検証をきちんとしてほしいということは書き加えていただいたほうがいいように思いました。
以上です。
○野村座長 ありがとうございます。
後藤委員、よろしくお願いします。
○後藤委員 ありがとうございました。
前回コメントいたしました3.の(2)の辺り、安全・安心の確保及び今日的な課題への対応については、今日的な課題、喫緊の課題と少し先の中長期的な課題とに非常に分かりやすく整理していただけたと思います。
その下の○の最後のところで、また、運賃改定についての消費者の理解を得るためには、これらの取組・投資に関する具体的な整備内容や改善効果等を分かりやすく継続的に周知することが必要であるという部分は非常に重要なポイントが書かれていると思います。特に継続的に、というところですが、投資というのはすぐに周知してすぐに終わって効果が現れる、というようなものではないこともありますので、少し時間がかかるもの、なかなか効果がすぐには実感できないようなもの、というのもあるかと思います。継続的に周知をしていただくということが、運賃を原資としてどのようなものに投資がなされ、どのようなメリットがあるのかということが分かりやすくなると思いましたので、非常に重要なポイントと思っております。
その上で、周知する媒体について、様々な媒体があるかと思いますけれども、一般的には統合報告書のようなものであるとか、IR情報などにそういったものが記載されているかと思いますけれども、それに限らずいろいろな媒体で、折に触れて継続的に進捗状況などを分かりやすく周知していただけるとよいと思います。
私からは以上です。
○野村座長 ありがとうございました。
継続的にという文言が(1)の下と(2)の下に入っておりますが、それは大事ですよねということで、その先が多分、事後検証ということになるのかと思いますが、そういう御意見でした。
それから、媒体に関しては、小まめに消費者に知らせていくということで、統合報告書などを消費者が見るかどうかはちょっと不安もあるので、やはり一番身近なホームページは最低限、コンスタントにお知らせいただくようなコーナーをつくるという方法もあるのかもしれませんが、それを今ここで議論しているような内容も含めて求めていくことは大事かなと思っております。
ほかの御意見をお伺いします。
城所委員、どうぞ。
○城所委員 城所です。
今、皆様の議論を伺って思ったのですが、事後検証のところが(1)の3ポツに入っているところがちょっと分かりにくいかなというのがありまして、例えば(1)の3ポツを(3)事後検証についてと独立して一番後ろに持ってくると、今までの消費者委員会の論点をきちんと事後検証していくべきだとなるので、そのようにまとめたほうがいいのかなというのは思いました。
以上です。
○野村座長 ありがとうございます。
かなり斬新な意見で、そのほうがインパクトはあるので、可能性を探るということで、事務局、いかがでしょうか。
○友行参事官 ありがとうございます。
今、事後検証のところをいただきました。若林委員からも少しコメントがありましたけれども、委員会からお出ししておまとめいただいた意見の中には、本改定案による運賃改定実施後、ヒアリングなどを行うというような記載ぶりにして意見書をまとめていただいたこともございます。もしそういう御趣旨であれば、必要に応じ、データがそろったところで国土交通省様から必要に応じてヒアリングを含めた検証を行うというようなことを入れていただいてもいいのかなというふうに思っております。その位置は、3.の留意事項の一番最後のところでもいいと思いますし、どこかに1か所記載することで足りるのではないかというふうに思っております。事後検証の様々な御意見はそういう形があり得るということが1つでございます。
それから、後藤委員からいただきました継続的に周知というところが、(2)の一番最後のところにあるのですけれども、周知するときにホームページなど媒体を工夫してというようなことを一言入れて、消費者に届くような形で周知してほしいというようなことを加えてはどうかというふうに、今御意見を伺っていて感じました。
以上です。
○野村座長 ありがとうございます。
城所委員、相談でございます。(3)として独立させるのか、(1)と(2)の間に(2)として入れて、今の(2)を(3)に振り返るのは、どちらがよろしいでしょうか。
○城所委員 (1)の後ろに事後検証について書くと(2)の安全・安心の問題については事後検証しなくていいのかというように思われてしまうので、論点を全部検証しなさいという意味では、一番後ろがいいのかなと思った次第です。
○野村座長 なるほど。了解いたしました。
ほかの皆様、いかがでしょうか。今、城所委員から御指摘のあった項目を最後に独立させるということに、参事官も問題ないということで。
長尾委員、どうぞ。
○長尾委員 長尾です。
すみません。ちょっと今の御質問がある前に手を挙げてしまっていたのですけれども、書く位置が一番最後にあるということによって、全てについて事後検証と係ってくるというのであれば、私も今、城所委員がおっしゃったことに賛成です。
(2)の上の○が、要は事後検証も重要であることを踏まえ、説明を継続的に行うことが望ましいと、事後検証を行う主体と継続する主体が違うものがこの一つの文に入っていると。言いたいことはもちろん理解できるのですが、事後検証のための材料をJR様が提供し続けよということで、そう書いてあるのでしょうけれども、事後検証を行う主体は違うところなわけですね。だから、事後検証を行う主体を名宛て人としたメッセージがきちんとあるべきだろうと思います。この文章が分かりにくいのはそういう理由があると思うのです。説明を行う主体と事後検証を行う主体が違うものが1つに混じっているというのですかね。
今回、私も皆様も事後検証の話をしたのは、やはり業績が好調な中で、設備投資を柔軟に行っていくために算定要領自体も事前に見直しを行い、かつ、それにのっとって現時点では多分大丈夫、原価を収入が上回っていないということを検証したということ、値上げを認めるという結論を出すわけですけれども、その先取りされた原価もそこにはたくさん含まれているわけですから、継続的な検証を行うのだとすると、やはり少し将来にわたった検証というのか、今日この時点で大丈夫だから今後もずっと大丈夫ということではなくて、継続させると。それが費用の面と、それから実際の取組の面、両方について事後検証が必要であると、皆さん少しずつニュアンスは違うけれども、そういう認識を共有していたのではないかなと思います。
以上です。
○野村座長 ありがとうございます。
ただ、料金改定後のチェックを何年間かごとにしていくべきという議論をしていないので、なかなかそこは具体的には示しにくいのですが、おっしゃる主体を明確にというところは分かりました。
○長尾委員 そうですね。国土交通省様からの補足資料でも、こういったことが今後はチェックされるのだということが言われていて、それは自明のことだと言われればそうなのですが、それにのっとった何らかの事後検証がされるということは、何年かごとということまでは別に言わなくても構わないのですけれども、そういうことは書くこともできるのではないかと思いました。
○野村座長 ありがとうございます。
事務局、今の議論で最後の部分にそのように主体をある程度明確にできるということで我々は議論しておりますが、大丈夫でしょうか。
○友行参事官 今御指摘いただいている3.の(1)の3つ目の○ですが、運賃改定の事後検証も重要であることというのは、この文章に必要があるかということも感じます。今、全体的な御議論を伺っておりますと、消費者委員会のほうで運賃改定の後のフォローアップのようなものをしたほうがいいのではないかというような御意見だと思いますので、3.の(1)の3つ目の○のところについては、もともとは丁寧な周知、説明についてのところでありますので、安全性、利便性、快適性の向上に関する具体的な進捗状況や成果を積極的に開示するなど、丁寧な説明を継続的に行うことが望ましいというのが一番言いたかったことであるということで、事後検証も重要であるということがここに入ってしまうと、やはり主体の話とかでいろいろ話が割れてしまうと感じております。
そして、(1)のところについても、それから(2)のことについても全部引っくるめてフォローアップを行うんだということであれば、(3)と設けるまででなくても、(1)、(2)の最後に4つ目の○として、以上については適時・適切なタイミングで必要に応じて消費者委員会のほうでフォローアップを行うこととしたいというような趣旨のことが入っていれば、委員の先生方の御懸念の事項が全部クリアに含まれた形で文字としても残るのではないかというふうに思っております。どうでしょうか。
○野村座長 ありがとうございました。
まず、長尾委員、今の参事官からの御説明で御意見がまたありましたらお願いいたします。
○長尾委員 ありがとうございます。
発言の趣旨、分かりにくいところも私の発言であったかもしれませんが、お酌み取りいただきましてありがとうございます。今の参事官の御説明に賛成でございます。
○野村座長 ありがとうございます。
ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。
城所委員、どうぞ。
○城所委員 今の御説明を伺って思ったのですが、やはり「運賃改定の事後検証も重要であることを踏まえ」というのがここにあると少しおかしいので、これを削除して、運賃改定後の事後検証の話は他で書くことには賛成です。ただ、それを例えば(2)の4ポツでやるとすると、事後検証の対象が(2)のものについてというようにならないのでしょうか。何となくそういう気がするので、やはり事後検証は独立した項目で設けるべきなのではないかなというように思いました。
ただ、私は消費者委員会の出す文書の慣例がよく分かっておりません。一番最後に書かれたポツというのは、その前の全部に対する検証になるということであれば、それで構いません。
○野村座長 いかがでしょうか、参事官。私は両方含めて最後に配置するということで想定していたのですが。
○友行参事官 フォローアップするのであれば、やることとしては両方含めてということで、もちろんであります。例えば3.についてフォローアップを行うというふうにはっきり書いてしまえば、(2)の最後に、例えば1行空けてでもいいですし、そういう形でも明確になるかと思います。
○野村座長 ありがとうございます。
城所委員、いかがでしょうか。両方含めてのフォローアップをしていくべきであるという文言、インパクトがある形で独立させるという理解をしていますが、いかがでしょうか。
○城所委員 座長と参事官の説明はそのとおりで、ただ、よく分かっていないのは、そういうときに、(2)の4つ目の○にするのでしょうか。1行空けて独立した項目なら分かるのですけれども、(2)の4つ目の○にすると、(2)を検証することにならないですかというのが私の質問です。(3)にするか、1行空けて○なしで文章を書くというのなら分かるのですけれども、(2)の4つ目の○で事後検証の話をすると、(2)のものについての事後検証というふうに取られてしまわれないかなというのが懸念点です。
○野村座長 分かりました。
(1)の最後の○を(3)にして、(2)で指摘していることも含めてのフォローアップという表記にしたいと思っております。恐らく城所委員もそのように想定されているのかと思いますが、事務局、いかがでしょうか。
○友行参事官 承知しました。別立てで(3)という形にするということでございますね。
○野村座長 はい。
○友行参事官 3.の(1)の3つ目の○は、運賃改定の事後検証も重要であることを踏まえという文言は削除して、3つ目の○は残しておくということでよろしいですか。
○野村座長 そのほうがバランスはよいかなと思いました。
○友行参事官 そうですね。承知しました。委員の先生方がどうしても(1)、(2)、(3)という形で、(3)はフォローアップのことを1行、2行書くということが収まりとしてよいし、そういうふうな御意見ということであれば、そのような形で後ほど座長と御相談して文案をつくってみたいと思います。
○野村座長 ありがとうございます。
委員の皆様、それで御了解いただけるでしょうか。
特に反対意見はないかと思いますので、合意形成できたと判断させていただきます。ありがとうございました。
そうしましたら、ほかの論点でもし気になるというところがございましたら、御発言ください。
よろしいでしょうか。
長尾委員からの御発案と城所委員のアイデアをミックスして修正に入らせていただきたいと思います。
そうしましたら、御一任いただくということで大丈夫でしょうか。友行参事官の先ほどの御発言で長尾委員が納得しましたという御回答でしたので、そこを(3)という形で、事後検証というキーワードで表記するということにさせていただきたいと思います。
事務局、最終的な修正、方向性はそれでよろしいでしょうか。
○友行参事官 ありがとうございます。
(3)ということで項目を1つ立てるということで、後ほど、この後といいますか、座長一任にしていただければ、座長と御相談して文言を修正したいと思います。
それから、戻りますが、後藤委員の周知の媒体についてのところも一言、媒体のことについても表現を加えるということで、以上2点承りました。
○野村座長 皆様、それでよろしいでしょうか。
そうしましたら、今の2点を盛り込むという形での修正を進めてまいります。
修正の内容に関しましては、恐縮ですが、私に一任していただければ幸いでございます。よろしいでしょうか。
○長尾委員 よろしくお願いします。
○野村座長 ありがとうございます。
そうしましたら、また追って、私の責任で修正しました意見案を皆様にお示しするということで意見を取りまとめさせていただきたいと思います。後日、消費者委員会の本会議のほうで報告する手続に入らせていただきます。御了解いただけるでしょうか。よろしいでしょうか。
○長田委員 よろしくお願いいたします。
○若林座長代理 お願いします。
○後藤委員 承知いたしました。
○野村座長 ありがとうございます。
そうしましたら、今日御欠席の先生方から特に意見書というのは出ていなかったと思いますので、そのように進めさせていただきます。ありがとうございました。
そうしましたら、最後に事務局から事務連絡に入らせていただきます。
≪3.事務連絡・閉会≫
○友行参事官 改めまして、いろいろと御議論いただき、誠にありがとうございました。
次回の委員会等の詳細につきましては、改めまして、事務局より御連絡させていただきます。
以上です。
○野村座長 ありがとうございました。
長きにわたり、この問題に関して種々御発言、御提案いただきましたことをお礼申し上げます。
そうしましたら、本日はこれにて第89回専門調査会を閉会とさせていただきます。御協力いただきましてどうもありがとうございました。失礼いたします。
(以上)