第32回 地方消費者行政専門調査会 議事録

日時

2020年6月30日(火)10:00~12:54

場所

消費者委員会会議室
東京都千代田区霞が関3-1-1 (中央合同庁舎第4号館8階)・テレビ会議

出席者

【委員】
新川座長、山本座長代理、池本委員、伊集委員、大森委員、尾嶋委員、首藤委員、西田委員、八木委員、山田委員
【消費者委員会委員】
生駒委員、清水委員
【事務局】
二之宮事務局長、福島審議官、金子参事官、友行企画官

議事次第

  1. 開会
  2. 近年の地方消費者行政の動向について(伊集委員御発表)
  3. 地方消費者行政に関する報告書骨子案について
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○新川座長 それでは、定刻になりましたので、始めたいと思います。第32回「地方消費者行政専門調査会」を開催いたします。

本日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止という観点から、テレビ会議システムによりまして、当専門調査会を開催いたしますので、あらかじめ御案内をさせていただきます。

テレビ会議の方式によりますので、例によりまして事務局から留意事項をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○友行企画官 それでは、テレビ会議によります専門調査会開催に当たりまして、重ねてお願い申し上げます。

まず、ハウリング防止のために、発言者以外の方はマイクをミュートの状態にしていただきますようにお願いいたします。

また、御発言の際にはチャット機能でお知らせいただくか、御発言で「発言です」とか、「質問です」とか、そういった形でお声を発していただきますようにお願いいたします。

その他、何か音声が聞き取りづらいですとか、そういったことがございました場合にも、チャット機能でお知らせいただければと思います。

以上でございます。

○新川座長 ありがとうございました。

それでは、早速本日の審議を進めてまいりたいと思いますが、本日は、委員の皆様全員御出席と聞いております。首藤委員が12時30分頃退席予定ともお伺いをいたしております。よろしくお願いいたします。

次に、配付資料の確認をさせていただきます。お手元に繰り返し何度もメール等で行っていたかと思いますが、最初のページの議事次第の中ほどに配付資料の資料1から資料3まで、枝番がついておりますのは資料2-1、2-2でございますが、一覧記載がございます。もしお手元の資料、不備等がございましたら、先ほど御案内のようにチャット機能等でお知らせをいただければと思います。皆様、よろしいでしょうか。

資料等、特に不備がないようでありましたら、議事に入っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


≪2.近年の地方消費者行政の動向について(伊集委員御発表)≫

○新川座長 もうこれまで長らく議論をさせていただきましたけれども、当専門調査会では20年後という我が国の非常に大きな社会変化、人口減少あるいは社会経済情勢の変化、そういうものに備えて、地方消費者行政においてどのような対応をしていけばよいのかということを検討させていただいてまいりました。今後はこれまでの検討を踏まえ、それを報告書としてまとめていく、そういう作業に入っていただいてございます。本日は前回に引き続きまして報告書につき、いろいろいただいた御意見に基づいて調整をさせていただいたものを案として出させていただいてございます。この骨子案について議論を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

本日の議事でございますけれども、まず初めに、伊集委員から、これまでにも何度か御報告もいただいてまいりましたけれども、分析の取りまとめがいよいよ完成に近づいてきたということで、近年の地方消費者行政の動向につきまして、当該の予算、そして、消費生活相談、そうしたデータに着目をした分析結果について御報告をいただきたいと思っております。そして、私どもの今後の議論の参考にしてまいりたいと思っております。これが本日の議事の一番メインでございます。引き続きまして、もう一つの議事が、先ほど御案内をさせていただきました地方消費者行政の専門調査会としての報告書、この案につきまして、本日骨子案を御提示させていただいてございますけれども、これにつきまして意見交換ができればと思っております。少し長い時間にわたりますけれども、充実した御議論をいただければと、そんなふうに思っております。

それでは、まずは本日の議事を順次進めてまいりたいと思っております。お手元の次第の2番目になりますが、「近年の地方消費者行政の動向について」ということで、伊集委員から御発表をいただきたいと思っております。地方消費者行政予算と消費者生活相談に着目をした分析結果、これにつきまして御説明を20~30分程度いただければと思っております。

伊集委員、まずは御説明方、お願いできますでしょうか。

○伊集委員 よろしくお願いいたします。

資料は今、共有していただいていますね。私のほうで操作ができないので、ページ数を申し上げるような形で進めさせていただければと思います。

今、座長から御紹介いただきましたように、この場において地方消費者行政の近年の動向につきまして、特に自治体の地方消費者行政の予算、あるいは政策の効果の一つとして捉えられる消費生活相談の苦情相談件数に着目した分析を行っております。その内容につきまして、簡単に御報告させていただきたいと思います。

お手元の資料の1ページ目「はじめに」ということで、この間の地方消費者行政の推移などについて簡単に示しております。

2ページ目のグラフですね。これはこれまでこの専門調査会においても示されている図を引用させていただきましたが、特に2009年度の消費者庁の設置以降、地方消費者行政の政策に充てられる資源も増加してきているということがあります。特に基金や交付金を使った形での地方消費者行政を担う自治体の支援というものも増加して、一方で、地方交付税における、地方消費者行政に関する基準財政需要額の算定という形で、交付税措置の金額も、このグラフの中の赤い折れ線で示されるように、非常に高くなって拡大されてきているというような状況が近年見られております。

しかし、実際にはなかなか各団体において、その団体において執行する地方消費者行政、その施策のための予算が十分に配分されていないという財政的な問題を抱えているというところが、これまでの当調査会の中の議論でもあったかと思います。このことを踏まえまして、この分析の中では、1ページ目の最後の行辺りから書いておりますけれども、地方消費者行政の予算面において苦労があるところではあるのですが、各団体の消費者行政予算というものがどのような変数と関係を持っているのかという観点に着目しております。

もう一つは、先ほども申し上げましたが、消費者行政の政策の効果というのはいろいろな形で捉えられ得ると思いますし、現時点でこれを見れば消費者行政の成果が分かるというような定まったものはないわけですけれども、その中で、その一つとして考えられ得る苦情相談件数が各団体のどのような変数と関係を持っているのかというようなところ、これらの2点に着目した分析を行っております。

2ページ目の下のほうに書いていますが、今回の分析におきましては、消費者庁で集計しております「地方消費者行政の現況調査」のデータ、それの市町村レベルの消費者行政データを許可をいただいて利用させていただいております。具体的には平成26年度から31年度までの6年間の各団体の数値を用いています。全国1,750団体程度あるのですが、そのうち、この調査においては今実施されている広域連合や一部事務組合などを使った広域連携の形のような事務執行という形も含まれているのですが、これに関わる団体は、今回、分析の都合上除外しておりまして、全部で1,702団体のデータを利用して分析を行いました。

次の3ページ目のところの表には、この分析において使用しました各変数というものの簡単な説明を示しております。特に冒頭を見ていただきますと、まず、地方消費者行政予算といった場合に狭義、広義がある中で、今回の分析では狭義の予算を対象としております。そのほか、狭義の消費者行政予算の中の人件費、あるいは国から獲得する基金や交付金の財源、そのうちの人件費というようなデータを使用しております。

一方で、この消費者行政に関わる各団体の相談件数の推移でありますとか、各団体が外部有識者、専門家を活用しているのかしていないのか、あるいは消費生活行政に関連する条例や計画の設置状況はどうなっているのか、相談窓口の設定はどうなっているのかというようなデータを活用させていただいております。

また、4ページ目を見ていただきますと、今回の分析では、各団体の人口規模の違いによる変数間の関係の違いにも着目したいというところがありまして、分析の中では、人口規模で区分を設けて分析しているところもあります。2番目のところに書いていますが、区分の基準として、これまで調査会において示された、以下のこのページのグラフを参考にしているところがありますが、5つの人口区分を設けて分析しております。その区分した基準はマル1からマル5に示しておりますので御確認いただきたいと思いますが、区分としましては、人口が1万人未満の団体、1万人から2万人の団体、2万人から5万人の団体、5万人から8万人の団体、そして、8万人以上の団体という形で区分をしております。

これまでが前置きという形になりますけれども、5ページ目に移っていただきまして、分析の内容を御紹介していきたいと思います。分析の方法として、前半部分として記述統計的な分析という形で、各団体の6年間のデータから得られるおおよその傾向といいますか、例えば自主財源の予算、あるいは人件費の推移、あるいは政策のほうとしての条例や計画の設置状況などというものの年ごとの推移などを大まかに捉えるような記述統計的な分析というものを行っています。

後半のほうには、1,702団体の6年間という形での、いわゆるパネルデータになるわけなのですけれども、それを使いまして、先ほど申し上げました地方消費者行政、狭義の自主財源予算を被説明変数にした場合の変数間との関係、もう一つは、苦情相談件数を被説明変数としたときの変数間との関係というものを、パネルデータ分析というもので行っています。

前半の記述統計的な分析において、まず、全ての団体の6年間のデータという形で見ていきますと、最初の2-1-1の「全データによる分析」というものがこの表に示されているわけなのですが、この全体の平均を大ざっぱに見ますと、下のほうに示していますが、年間の自主財源としては、平均的に300万程度が支出され、相談件数が233件という形が平均として見られます。これは全体の平均になりますけれども、さらに、全体としては、基金・交付金を受け取っている場合、平均で自主財源と同額程度の金額になっているということになります。

また、全体として、PIO-NET設置状況は現在では50%を超えている状況がある一方で、消費者基本計画や教育推進計画などについては10%に満たないというような、こういう政策の推進状況の違いなどが分かるという形になっています。

今見ていただいたのは、全体的な数値になるのですけれども、これを各年度の平均値の推移という形で見ていただくのが5ページ目の下から6ページ目の冒頭の表になります。さらに、それを簡単にグラフ化したものがその次のものになっています。

その内容を簡単にまとめたのが、6ページの後半部分の箇条書きになっているわけでありますが、例えばここから読み取れる内容として、消費者行政予算については年々増大傾向にあるということが読み取れますが、一方で、予算のうち人件費についてはややばらつきがあるものの、ほぼ一定の値で推移しているというような傾向が読み取れます。

そのほか、政策に関連するところでいきますと、下から2番目辺りになりますでしょうか。消費生活相談専用窓口が微減傾向にある一方で、センターの設置は増加しているという動きが見られます。

その次ですが、PIO-NETの設置、あるいは見守り活動、安全確保地域協議会の設置数というのは増加傾向にあるということで、近年、この辺りの取組が積極的に行われているというような経緯もデータとしても確認できるということになっています。

7ページ目は、人口や予算、あるいは基金、補助金、交付金の金額、あるいはそのうちに占める人件費というような数値について、各団体での数値のばらつきというものを、変動係数を使って見ているところになります。係数についての説明は省略させていただきますけれども、例えば2つ目の変動係数のグラフを見ていただきますと、人口がおよそ2.5前後のばらつきがあるという中で、予算については3以上の数値を取っているということで考えると、もう一つ、相談件数のところもそうなのですが、そうすると、各団体の消費者行政や相談件数の受け方、あるいは予算措置のばらつきというのは、人口のばらつき以上に幅があるということがここから読み取れるということになります。

また、基金や交付金と人件費の変動係数で見ますと、人口と同程度の低い水準にあるということが読み取れます。また、基金関連については変動係数が低下傾向にあるというのが、この年ごとの推移で読み取れるわけなのですけれども、そこから年を追うごとにばらつきが小さくなっているというような動きが読み取れるということになっております。

8ページ目を御覧いただきますと、各団体の消費者行政予算を設定したものと、もう一つ、苦情相談件数を設定した場合に、それぞれの変数と縦に示している各項目との数値の相関関係、どのぐらいの結びつきがあるかというものを示しております。

簡単なまとめを下に書いておりますけれども、この表の左のほうが年ごとの全市町村の平均値から算出したもの、右側は全部の数値を一つにまとめて分析したものになりますが、これを確認しますと、年ごとの変化に着目した場合は、相談件数と予算には強い相関関係が見られるということです。また、見守り件数や協議会がそれぞれ予算と相談件数との間に強い相関が見られるというわけですが、これは4つの変数が時間ごとに増加傾向にあるということに起因していると考えることができます。

また、時間の要因を考えずに右側の全体で見ると、人口の大きさによる影響が大きいことが分かるわけなのです。ですから、それを1人当たりで割った場合で見ますと、予算と相談件数の相関は0.23と弱い相関になるということが出るわけなのですけれども、この辺りから市町村ごとの多様性というものがかなり存在するのかなということが考えられるわけです。

次に、9ページ目以降、先ほど申し上げました5つの人口区分に基づいて、人口規模別に見たときの団体の係数の平均値の傾向を確認しております。一つ一つ見ていくと時間がないかと思いますが、例えば9ページの後半を見ていただきますと、マル1の人口1万人未満の団体、各人口あるいは自主財源、人件費といった係数、その横に全体の平均値を示しておりまして、その隣に人口1万人未満の団体の平均値というものを示しております。

右側、そのほかの同じ変数を併せて載せているわけですが、こういう平均値を見ることによって、まず、人口1万人未満の団体の特徴として、全体で見たときの平均と比較して、交付金の受取が高いという傾向がある。ただ、自主財源は全体として見て大きく変わらないという特徴があります。また、自主財源のうち人件費が低いという傾向が読み取れるわけです。また、相談件数についても、全国的な平均よりも1万人未満の団体では少ないという傾向が読み取れます。

さらに、この規模の団体につきましては、外部有識者の活用、あるいは条例の設定、センターの設置、PIO-NET、見守り活動、地域協議会の設置というような各点につきましても、全体の平均よりも少ないというような傾向がある。一方で、センターではない、消費生活相談専門の窓口の設置やメール・ファクスによる対応というものが、全体平均よりも高い傾向がある。このような全体の平均との違いというものが読み取れる形になっています。

こういった人口規模別ごとの特徴を、以下、マル2、マル3、マル4、マル5と人口規模別に示しているということになりますので、是非そちらも御覧いただければと考えておりますが、ここで詳細な確認は割愛させていただきます。

その上で、次に、先ほど申し上げましたもう一つの分析として、この1,702団体、さらに、それの6年間のデータという形で、いわゆるパネルデータというものを活用しているわけなのですけれども、これによって、一つは、地方消費者行政予算という被説明変数がどのような変数との関係が見られるかという点ですね。もう一つが、苦情相談件数を被説明変数としたときのほかの変数との関係を見るという形になっております。

今回、そのデータを使って、プーリングモデル、固定効果モデル、変量効果モデルという3つのモデルを使って、被説明変数と説明変数の間の関係を見ているということになりますが、2つの被説明変数におきまして、両方とも基本的には固定効果モデルが原則として採用されたということになっております。

その一つ一つについて全体のデータと人口規模別に分けた分析をこの後に示しておりますが、非常に長くなっておりますので、事務局でその結果をまとめていただいて見やすく示していただいております。先に飛びますけれども、27ページ目です。横書きの形で示されているのですけれども、こちらの左側が地方消費者行政予算を被説明変数とした場合の他の変数との関係、右側の(2)が苦情相談件数を被説明変数としたときの他の変数との関係という形で、それぞれ基本的に採用される固定効果モデルの結果を示しております。見やすく色分けしていただいておりますけれども、基本的に色の濃いオレンジ色になるところ、*が2つあるいは3つ付くようなところになってきますと、非常に有意に被説明変数と説明変数の間の関係が見られてくるということになります。

左側の消費者行政予算について「全データ」というところで見ますと、団体の予算というのが相談件数、あるいは人件費、あるいはその団体の基金・交付金の金額、あるいは基金のうちの人件費というものと強い相関を持っている。そういう変数が多いところは自主財源の予算額も多くなっているという傾向が読み取れるわけであります。

つながりについては、まだしっかりと読み取れていないというところがあるのですけれども、この予算につきましては、中ほどにありますような消費者基本計画の制定、あるいは地域協議会の活動、特に中規模の団体あるいは大規模の団体というようなところになってくると、そことの予算の関係が見られるというようなところが読み取れるところであります。それが左側になります。

次に、右側を御覧いただきますと、被説明変数を苦情相談件数とした場合、これがどのような変数と相関を持ってくるかというのがこの右側になりますが、こちらは財源的な部分、予算あるいはそのうちの人件費というものに加えまして、政策として、外部有識者を活用しているかどうか、条例を制定しているかどうか、相談窓口としてセンターあるいは消費者専門の窓口を設置しているかどうか、PIO-NET、見守り活動、協議会を設置しているかどうかというようなところとかなり有意な相関関係が見られるというところで、この辺りのつながりが見えてきます。

ただし、「全データ」で見るとそういう動きが見られるのですが、人口規模別に見た場合には、例えば「1万人未満」あるいは「1~2万人」という小規模の団体と、「5~8万人」あるいは「8万人以上」という団体によって差が出てくるというようなことも変数によってはあります。例えば外部有識者の活用ですとか、あるいはセンターという形で相談窓口を設置しているようなものは、団体の規模に関係なく苦情相談件数と有意な相関が見られてくるわけなのですけれども、細かく見ると幾つかあるのですが、上のほうから見て、自主財源予算でありますとか、あるいは自主財源のうちの人件費などで見ると、小さな団体よりも大きな団体のほうが相関が有意に出てくるというような傾向が読み取れる。これは人口規模別の違いという形で見られるというところが、今回の分析の結果から見えてきたところであります。

以上が簡単な分析結果になるのですけれども、ただ、加えて申し上げておきますと、今回の分析は、前半部分の記述統計的分析と、後半部分のパネルデータを使った分析がありますけれども、まだ分析としては十分に進んでいないところがありまして、つまり、どういうことかといいますと、今回、被説明変数として設定したものと説明変数として設定されたものの間の相関を見るという分析はある程度できたのですけれども、ただ、そこに因果関係がどのようにあるかというところまでは突き止められていないということです。

具体的に申し上げますと、例えば被説明変数、予算と人件費あるいは基金・交付金の金額というものは相関があるというようなところが見られるのですけれども、ただ、だからと言って交付金の金額を上げれば、あるいは人件費を上げれば、それに従って予算も増やすことができるといった因果的な関係までつかまえられているかというと、そういうわけでもない。同様に、苦情相談件数のところでも、例えばセンターをこれだけ設置したら、あるいは見守り活動をこれだけ増やしたら、それに応じて受けられる相談件数もこれだけ増えますよねというような因果的なつながりをつかまえるところまではまだできていないので、今後そういうところの分析に発展させていきたいと考えていますが、今回はあくまでも変数間のつながりを確認したというようなところにとどまっているということは申し上げておきたいと思います。

長くなってしまいましたが、報告内容は以上になります。

○新川座長 どうもありがとうございました。

大変貴重なデータの解析をしていただきました。一つ一つ大変興味深いところも多いのですが、ただいまの伊集委員の御説明につきまして、委員の皆様方から御質問などありましたらお願いをいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

では、私から、まず事務局でまとめていただきました最後の相関の表、大変興味深く眺めさせていただいたのですが、被説明変数として予算額を挙げていただいているところの表でいうと、人件費や基金部分につきましては係数がプラス方向で、基金の人件費ではマイナス方向で有意な相関が出ているのですが、これはどのように読んだらよろしいのでしょうか。

○伊集委員 ありがとうございます。

マイナスになっているというのは基金のほうの。

○新川座長 人件費の基金です。特に人口の多いところですね。

○伊集委員 全体として「全データ」で見た場合はプラスになった形で出てくるわけなのですが、規模別に分けると、特に「1万人未満」のところを除くとマイナスになって出ています。これはもちろん先ほども申し上げたように、因果関係を特定できるわけではないので、人件費を下げれば予算が増やせるという関係があるわけではないのですけれども、これまでの傾向で見たときに、特に全体として、今、予算としては増加傾向にあるというのは、全体の流れを見たときにも確認をしていただいたと思うのですが、一方で、基金のほうが近年減っているという状況があって、その中でそこから使われる人件費も減っている状況が最近の動きとしてあるかと思います。

ですから、基金の中で人件費に使われる部分が減っている状況と自主財源の予算額が増加している傾向というのが、そこの動きに連動性が見られて、関係が見られているということが、この負の係数に表れていると考えられます。ただ、繰り返しになりますが、だからと言って、そこが因果関係につながっているということにはならないということです。

○新川座長 ありがとうございました。

もう一点だけすみません。苦情相談件数の大きい表を出していただいていますが、右側の「被説明変数:苦情相談件数」のところですが、こちらの表ですと、かなりそれぞれの要素との相関が高いものが多いのですが、見ていると、どちらかというと相談窓口であるとか、あるいはメール・ファクスであるとか、見守り活動、協議会もそうですが、苦情相談と因果的には一体に考えてもよさそうな項目が結構あって、ある種、内生変数的な要素も大きいのかなと思いながら見ていたということがございました。この辺り、これを客観的に見る方法とか、あるいは少し相互の影響というのを除外してみたときに、どこまで独立して効果があるのかというのは、今後分析の可能性はあるのでしょうかという質問です。

○伊集委員 重要な御指摘をいただき、ありがとうございます。

特に、今、御指摘いただいたように、PIO-NETの設置だとか、あるいはセンターの窓口、要件として重なっているところがあるので、当然に両方がつながって影響が出てくるということがあるわけなのです。そして、今回は「地方消費者行政の現況調査」で扱われているデータというものを活用する形で、この変数間の相関関係というものを見るわけなのですけれども、先ほど申し上げましたように、もう少しここから何がこの苦情相談件数の増加に寄与しているかという因果関係を突き止めるような分析にしていくためには、もっと重要であると考えられる変数を絞っていく。そのときに、今、御指摘いただいたように、変数として内生的につながってしまうようなものは整理した上で、重要なものを整理していく作業が必要になります。

さらに、因果関係を特定していくという分析をするのであれば、現況調査の中で扱われている調査項目、変数以外に効いてくるであろうデータというのも見つけてこないといけないということがあるわけです。これからの発展のさせ方なのですけれども、そういう形で変数を絞り込んでいった上でやっていくと、もう少し因果的なつながりというところまで特定するような分析が行っていけるかと考えております。

○新川座長 ありがとうございました。

それでは、大森委員、八木委員から御質問がありますということでいただいてございます。

まず、大森委員からお願いできますでしょうか。

○大森委員 詳しい分析をありがとうございました。

私からは2点質問がありまして、一点は伊集先生、もう一点は事務局に聞いたほうがいいのかと思うのですけれども、まず1点目なのですが、この分析の中で、基金とかのお金がどれだけ消費者教育に使われたのかというのを見たいと思った場合、消費者基本計画の実施状況とか、消費者教育推進法の計画が立っているかどうか、この辺りで見ればいいのかどうかということ。それで、この辺があまり達成されていないようにうかがえるのですけれども、実際、この基金は使ったものの、消費者教育の推進にはあまりつながらなかったのかどうかというところが一つです。

もう一点は、これは総額で270億円を基金・交付金という形で消費者行政に使われるようにということで国からお金が下りてきたわけですが、実際45%、半分以下しか地方消費者行政には使われていなかったということですが、これは消費者庁のほうで問題視して、交付の仕方を考えようとか、やり方を工夫しようとか、そういう議論とか方向転換はなかったのかどうか。この2点についてお聞きしたいと思います。

○新川座長 それでは、伊集先生からまずお願いします。

○伊集委員 私は1点目にお答えできればと思いますが、今回利用させていただいた「地方消費者行政の現況調査」については、例えば消費者基本計画だとか教育計画というものは、データとしてはそれを設置しているか、計画であれば制定しているかどうかというゼロか1かという形になって、そういういわゆるダミー変数として使っているのです。ですから、実際にそれがあった上で、そこから基金に例えば消費者教育のためにどれだけお金が予算として配分されているかというようなところまでの細かいデータはないので、直接ある団体で基金で受け取った金額からどれだけ消費者教育に使われているかというところまでは、個別の団体でつかまえることは難しいです。

例えばデータとして、手元にはないのですけれども、消費者教育に関わる予算が手に入れられた場合に、それが消費者教育の計画の設置とどれぐらい関係があるのかというものは、そのデータをそろえれば見られるかもしれないのですけれども、現状で私がいただいて使っているものでは、そこまでは特定するのは難しいかなということになります。

2点目は事務局にお願いしたほうがいいですか。

○新川座長 地方交付税措置のお話だと思いますが、事務局からよろしくお願いします。

○友行企画官 大森委員から御質問がございました270億円のうちの48%ですとか、足元になりますと50%を超えているのですけれども、いずれにしても半分程度しか使われていないということにつきまして、もちろん消費者庁は問題意識を持っております。きちんと基準財政需要額として算定されているのだからなるべく使ってほしいということは、キャラバンなどで訴えているとは思います。ただ、基本的には、これは一般財源として自治体に交付されているものでございますので、それをどう使うかということについては、自治体の裁量に任されているというのが実態なのかと思います。

御質問に戻りますけれども、消費者庁としては問題といいますか、もう少し消費者行政に費やしてほしいなということを感じているというのは、それはそうだと思います。

以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

よろしゅうございますでしょうか。

○大森委員 ありがとうございました。

○新川座長 引き続きまして、八木委員、御質問をいただいてございます。よろしくお願いいたします。

○八木委員 ありがとうございます。

この事務局でまとめていただいた表を見ると、予算と基本計画、教育計画は相関関係がないように見える。また、相談件数とも相関関係がない。むしろ若干ネガティブな相関になっているように見えるのですけれども、これについてはかなり慎重に判断する必要があるのではないか。相談件数が少ないからこそ計画を作っているというふうに読んだほうがいいのではないかと思います。

一見、計画があるところは苦情件数だとか相談件数も少ないというふうに見え、場合によっては計画に意味がないのではないかというような短絡的な読み方ができてしまうかもしれません。例えば、相対的に相談件数が少ないところに計画があって予算がついているというように読むこともできます。計画と相談件数の関係などは慎重に分析したほうがいいのではないかと思いまですが、いかがでしょうか。

○新川座長 伊集先生、お願いいたします。

○伊集委員 ありがとうございます。

御指摘いただいた点も我々で分析して、特に基本計画が有意に負で効いてくるというところが出てきて、つまり、計画がないと予算が付くというようにも読めなくはないのですが、データから見るとそういう関係が出てきているというのはつながりとして相関としてあるのですが、ただ、これをどう解釈していいか。御指摘いただいたように慎重に解釈するというか、そこから分析をしていかないと、むしろ計画を積極的に進めたら政策が進まないなどというのは、普通に考えて矛盾してくるわけなので、この相関の値から単純な解釈を導くのは慎重であるべきだと思っています。それは御指摘のとおりだと思います。

○新川座長 ありがとうございました。

よろしゅうございますでしょうか。

○八木委員 はい。

○新川座長 特に計画があることで、予算がひょっとすると必要がなくなっているかもしれませんし、いろいろな可能性を追求しなければならないかなと思いながらお話を聞いておりました。

どうぞ。

○伊集委員 これは実際に細かい分析が必要になってくることなのですけれども、例えば少し消費者庁とも意見交換をして、確認できていないので正確ではないのですが、小規模団体なので計画を持って施策を行っているけれども、より積極的に進めるために広域連携を行うことになったと。そのときに、個別の団体としては計画を持つ必要がなくなったので一旦廃止するというようなことも、施策の動きとしてはあり得るかもしれない。そうすると、施策としては、これまでの議論に出ているように積極的に他団体との広域連携を進めているのだけれども、その結果として、この当該団体については計画がなくなるということもあり得る。そうすると、そこが負の相関になることはあり得るので、そういう動きもあり得るということは私も念頭に置いているところであります。

補足です。

○新川座長 ありがとうございました。

ほかにも少し質問をいただいてございますので、恐縮ですが、移らせていただきます。

池本委員、恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

○池本委員 池本でございます。

御説明ありがとうございました。今の27ページの一覧表に関連して、こういう意味合いなのかどうか、そこの読み取り方について御質問したいところです。(1)の自主財源との相関関係の中で見守り活動、あるいは協議会というところはあまり相関関係がないというところがありました。考えてみれば、これは既に配置されている職員が他の部署とどうつながりを作っていくかということで、事業として、しかも、他の部署も集まってくることで、何も外部の専門家を配置しなければいけないということではないので、財源には関わらず組み立てていくことはできる。ただ、職員が忙しくなっていくという関係はあるのでしょうが、自主財源を増やすことで協議会が出来る、見守り活動が活発になるという関係とは違う。ここは職員の研修なり資質向上によってコーディネート力を高めていくという本筋の提起をしていく必要があるのかなと思いました。

同じく(1)の上のほうの外部有識者のところ、これは自主財源ではなくて交付金が投じられたことによって、それを活用して新規に委託する、委嘱するという関係で少なくとも見てきていたので、これは自主財源から出てくるところではない。

逆に、今度は(2)で見ますと、相談件数との兼ね合いでいいますと、外部有識者を配置しているところが常に有意な相関関係があるということがありました。これは相談件数があるから相談処理をきちんとしていくために外部有識者も欲しい。しかも、外部有識者を配置するとなれば、相談員も意識的にきちんとやっていくという質も高まるし、アピールもしていけるという関係がここにあるのかなと思いました。

それから、見守り活動、協議会という下のところが人口規模によって少しばらつきがあるというところをどう見るかは難しいのですが、「全データ」で見ると強い相関関係があるというのは、まさに見守り活動とか協議会というのは相談を受けたその中身を発信していくことと、いろいろな部署の人からまた相談情報を寄せてもらうということで、ここは極めて重要な課題として相関関係があるし、むしろ見守り活動、協議会、こういうことに力を注いでいくことが、苦情相談件数をアップさせていくことにつながるのかなと。

ただ、それをどうやっていくのかというのが、先ほどの左側の自主財源の問題ではどうもなさそうで、職員の頑張りみたいなところだと非常に提起がしにくい悩ましいところです。

(2)の中ほどの基本計画、教育推進計画との相関関係がないというところをどう見るかということですが、これは推測ですが、恐らく基本計画を作る、あるいは教育推進計画を作るというのは、消費者教育の面あるいは基本計画は他の部署全体の中で消費者行政に関連する施策を進めてくださいということで、必ずしも他の部署の相談をこちらへ回してくださいという意味でやっていることではないと思います。私は地元で多少見聞きしている基本計画も、むしろ関連の安全の分野とか、表示の分野とか、いろいろな各行政部署のつながりで、むしろそれがあるところが下の協議会とか見守り活動を続ける、言わば人的なつながりになっているという間接的なことなのだろうと思います。その意味で、ここはもう少し何か出てくるかと思ったのですが、それほど出ていないというところで、だからと言って評価としてこれはマイナス評価ということで、あまり気にする必要はないのではないかと思います。

最後、質問というか、どう読み取るかということに関連して1点あるのですが、御説明いただいた資料の前に戻って8ページのところで、予算、相談件数の相関関係のところで、説明の一番下のところに、1人当たりで割った場合に、予算と相談件数の相関関係が非常に弱い相関になる、市町村ごとの多様性が大きい、ここをどう受け止めればいいのか。こういう見方をあまりしていなかったので、ここについて何か感想なり補足なりがいただけるとありがたいのですが、いかがでしょうか。

○新川座長 ありがとうございました。

それでは、よろしくお願いします。

○伊集委員 まず最初に27ページになりますが、一覧表というところで、御質問というよりコメントをいただけたかと思うのですけれども、特にそこについては、それこそ外部有識者に関しては池本委員に御指摘をいただいたように、交付金のほうで措置されることがあるので、これが自主財源に効いていない。私はそういうところのつながりをしっかり把握していないような部分や不足しているところがありますので、そういうところでの相関が出てこなかったときに、そこが実は別の変数とつながっているというようなところは、次の分析につなげるためにも必要なことになるので、そういうところは今後に生かして進めていければと思っています。

見守り活動や協議会などの活動の在り方というものが苦情相談件数の出方に有意なのだけれども、予算とのつながりが少ないといったときに、そこをどうやって進めていくかというのが政策の取組方としては課題になるので、このデータの解釈とはまた別に、政策の進め方というところで検討が必要になるところなのかと考えます。

この前、徳島県の方に御報告をいただいたときに、私も質問させていただいた記憶があるのですけれども、財源を増やして政策を進めるところ、予算を増やして進めるところもあれば、一方で、場合によってはなかなか予算は増やせないのだけれども、ただ、工夫次第ではかなり市町村のレベルで施策を進められるような、特に消費者教育のほうなどではあるので、そういうところはできるだけ進めていきたいというお答えをいただいたところもあるのです。

そういうところでいうと、予算そのものとのつながりがというよりも、池本委員に御指摘いただいたような人的なつながりだとか、そういうところでカバーしていくような特徴を持っているようなところで、更にそれが苦情相談件数とつながりがあるというようなところがある。それについては、それでもしっかり予算がつけられると進むというところもあれば、一方で、予算が仮につかなくてもうまく施策を進めていけるところもあるのかなと。それは施策の中身の設計の仕方になるかと思うのですけれども、そういうところのつながりも考えていく必要があるのかなと思います。ただ、今回の分析でそういうところまで、何かサジェスチョンを導き出すようなところまでなかなか行けていないというのがあるのですが、そういうところも重要だと感じました。

すみません。それで、7ページですか。

○新川座長 8ページです。

○伊集委員 この表自体は予算と相談件数というところで、これはもともとのものは全体の各団体の予算額と相談件数というようなもので相関を取っているので、大きい規模の団体では相談件数が大きくなるというようなつながりがまず見られるというところなのですけれども、それを人口1人当たりで割った場合に相関が弱くなるということなのです。私が御質問の趣旨を少し理解できていないかもしれないのですけれども、たしかそういうふうに考えていなかったというような御質問だったと思うのですが、もう一度補足していただいてもよろしいでしょうか。

○池本委員 池本です。

実はこれをそもそもどう受け止めたらいいか自体、私が分かっていないのです。人口規模と予算、これはある意味では効率性的な問題なのかもしれないのですが、人口1人当たりの予算額と職員数との相関関係が必ずしも認められないということの意味合いをどう受け止めたらいいのかというのは、こういう分析の仕方をしたことがなかったので、まず私自身がつかみかねるところがあるのです。そこについて、何かヒントをいただければというくらいの意味です。

○新川座長 ありがとうございました。

伊集委員、お願いします。

○伊集委員 表のほうで、左側の年ごとのものと右側の全体ものを見たときに、それぞれ全体の予算額や相談件数で見た場合の係数は強く出てくるのだけれども、それぞれを1人当たりで割った場合に、その関係が小さくなってくるというところになる。それは係数としてそう出てくるということになるのですけれども、すみません。御説明の仕方を少し検討させていただいてから、また答えさせていただければと思います。

○新川座長 ありがとうございます。

○池本委員 結構です。むしろそういうデータが出たのをどう読み取るか、私たちのほうの課題だろうと思いますので、是非こちらも検討していきたいと思います。

○伊集委員 不十分ですみません。

○新川座長 恐らく、団体ごとの係数を取るのと各団体の予算とか相談件数を人口で割って1人当たりで各団体の予算と相談件数を出すと、実は団体ごとと丸ごと団体の予算と相談件数は関連があるけれども、1人ずつにするとあまりそこには関係が見いだしにくかったぐらいの結論だと理解はしていますが、また後ほど何かあれば伊集先生からよろしくお願いいたします。

それでは、質問をいろいろいただいてございますので、次に進ませていただきます。

山田委員からも御質問、御意見をいただいてございます。山田委員、よろしくお願いいたします。

○山田委員 私も短くしますけれども、そこのところで、交付税措置に対しての財源が48%だという形であまり強調し過ぎてしまいますと、もともと交付税措置自身は、御存じのように様々なものの寄せ集めなのです。消費者行政として特化したものだけを取り出したら48%だというだけなので、そこを48%しか使っていないというふうに言うと誤解をされてしまう。これは根本的に違ってきてしまうのではないかと思います。

人件費などでも、事務的にいろいろな人の兼務とか、一般職員のそうした従事という話があるはずなのです。それは今回難しいので、予算上は細分化できないので消費者行政に入れていない部分があるし、固定経費とか、そうしたものも含めての話なので、特化したものはが48%だったということの推移を見なければいけないのですが、48%しか使われていないという言い方をしてしまうと、かなり誤解を生む可能性があると思います。特に人件費などは係数を取っているのは相談員だけの話ですから、相関係数としてはすごく意味があると思うのですけれども、人件費の内訳みたいな形で出てくると、気をつけないと誤解をされてしまう表になるかと思います。そこだけ申し上げておきます。

○新川座長 ありがとうございました。御意見ということでよろしいでしょうか。

地方交付税交付金の制度そのものに関わる御議論ですので、ここはそういうふうに御理解をいただければと思っております。

恐縮ですが、西田委員からも御質問をいただいてございますので、よろしくお願いいたします。

○西田委員 よろしくお願いします。

毎回ですけれども、また大変な解析を御苦労さまでした。この27ページは興味深いなと思ったのですけれども、質問というかコメントに近いのですが、なかなか因果関係は分からないですね。どちらが入力でどちらが出力かというのは、このマクロな分析からはなかなか出てこないかなと思うのですけれども、相関としては、苦情相談件数が、外部有識者とか、見守り活動、協議会とか、相談窓口のこういうものに相関していますよというのは出てきています。そこで、これをもう少しミクロ分析というか、例えば、こうした項目が充実しているところとあまりないところに現地調査に行って聞いてくるということができるとよいと思いました。そうすると、現地調査に行く場所が本当に代表選手かどうかは分からないと思いますが、今回の統計分析に基づいて見えてきた、重要そうな項目について聞き取りに行って、どういうつもりでそれをやっているのかを聞いてみると、理解が深まるのではないかと思ったのです。これをマクロな結果だけを出すだけではなくて、そういうミクロな話と併用すると、もう少し分厚い解釈ができるかなと思いました。ですから、ちょっと極端なところを選んで見てみるといいのかなと思いました。コメントです。

○新川座長 ありがとうございました。

伊集委員、お願いします。

○伊集委員 まさに御指摘いただいたとおりで、今回、これだけを見ても、そこから何を解釈して政策につなげるかというのは、まだそこには隔たりがあるのです。そのときに、因果的なつながりのところまで見ていくというのを、更にこういうデータを使って、先ほど御説明したように、変数を絞り込んでいってそのつながりを特定していくという分析もあるし、一方で、今回出てきたようなつながり、係数、相関をヒントに、そこを深掘りしていく、場合によってはケーススタディーのような事例研究のような形でやっていって、そこでどれだけ説得力のある分析ができるか。そこがある種、例外的であったり、あるいは代表的であったり、いろいろあると思うのですけれども、そういうところはこういうふうにつながっているのだというのはケーススタディーからつなげていくやり方もあるので、これからいろいろな研究者の方が参入してきてくれてやっていただけるといいかと私も思っています。

○新川座長 ありがとうございました。

それでは、尾嶋委員からも御意見がおありということで伺っております。尾嶋委員、よろしくお願いします。

○尾嶋委員 よろしくお願いします。

先ほど出てきたお話でもあるのですけれども、p27の(1)の「人件費(基金)」のところで「1万人未満」の相関ですが、このような小規模な自治体では、先行きの相談員の人件費の確保の不安はあるけれども基金と自主財源を使いながらようやく相談窓口を立ち上げたというところではないかと思うので、それがここに表われていると思いました。

もう一つ、事務局にお願いですが、1人当たりの自主財源予算額の具体的な金額をお聞きできますか。

以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

伊集先生、何かございますか。

○伊集委員 今、尾嶋委員の御質問、音声が途切れて半分以上聞き取れなかったのですが、御説明いただけますか。すみません。

○新川座長 今、僕が聞き取った範囲ですと、特に小規模な1万人未満のような団体のところでは、27ページの大きな相関表でいうと、小規模な団体ではこうした財源措置との相関が高いのは、そういうところの行財政能力の不足といったところをこうした基金等で補っているところがあるのではないかという御趣旨だったかと思います。併せて、自主財源予算額、1人当たりの金額は団体ごとに出しておられると思いますが、金額が幾らぐらいというお話もございました。

この辺り、伊集先生、いかがでしょうか。

○伊集委員 今回の人口規模で分類するときの参考にも使った、4ページ目に地方公共団体における消費者行政予算の人口規模別というものが示されていて、これを見ていただくと、人口規模が小さいところになってくると、消費者行政の予算のうち、基金・交付金に頼る割合が大きくなってくるので、当然そのこととつながった上で、27ページで、その団体の消費者行政の予算額というのが基金や、その中の人件費というものとつながりが出てくるというのはそういうところで、人口規模が小さい団体ほどそういう基金への依存度は大きいというのが確認できるのかなと思います。

ただ、まだ確認し切れていないところですけれども、以前に委員会打合せか全体の場だったか記憶が定かではないのですが、議論の中にあった基金、特に交付金の場合は、政策を実施することに対して補助金としてつけてもらうので、非常に人口規模が小さい団体であると、むしろ相談体制だとか、施策の基盤自体がしっかり整備できていないので、そもそも交付金を受け取るような施策が十分にできていない、そういう動きもあるのだというような御意見、情報を前にいただいたことがあったかと思います。仮説的にそうであるとすると、人口規模が非常に小さくなってくると、十分に交付金がもらえないということもあり得るのかなというのは考えていたことなのです。少なくとも今回見た限りでは、人口規模が小さいところの場合は交付金の予算の中に占める割合が高くなっているというのは、データとしても確認できたかなと考えております。

○新川座長 ありがとうございました。

また1人当たり金額情報等は恐らく出てくると思いますので、後ほど情報提供いただければと思いますので、よろしくお願いします。団体種別の1人当たり自主財源、実金額等々はデータを細かく見ていけば分かるのですが、また少し事務局のほうでまとめて出していただければと思いますので、よろしくお願いします。

尾嶋委員、取りあえずそう聞こえたのですが、よろしいでしょうか。

○尾嶋委員 結構です。ありがとうございました。

○新川座長 どうもありがとうございました。

清水委員からも御発言、御希望をいただいてございます。清水委員、よろしくお願いします。

○清水委員 ありがとうございます。オブザーバーの清水です。

先生の説明を聞いて、特に27ページの一覧表を見て感じたことを申し上げたいと思います。やはり数字で出てくるとショックを受けたりしますが、だからこそ、現場の声が必要なのだと実感いたしました。特にこの数字を見て、相談員とPIO-NETの管理、入力は、国が措置するべきという思いを確信したところでございます。

また、現場の声ということに対しては、今まで消費者庁ができて10年間、今はまさに地方の体制作りで頑張っているところでございますが、この10年間をしっかり検証して、また、自主財源で昔から頑張っているところがどのように生き残っていくかということも、しっかりと現場の声を聞かなければいけないという確信を持ちました。どうもありがとうございます。

○新川座長 どうもありがとうございました。貴重な御意見をいただいたということだと思っております。

そのほか、各委員から何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。

今日、伊集先生からいただきました分析、まず、今回のデータの範囲内でどこまで読み取れるかということで御整理をいただきました。これ自体からも私たちは本当に自主財源の在り方や、そして、それらが実際の地方消費者行政のパフォーマンスにどうつながっているのか、ある程度の大きな傾向を読み取ることができましたし、各団体の特性に応じてこうした活動、それぞれが実際には消費者行政の展開の中で苦情相談やあるいは体制作り、計画作りといったところと密接に関わってきているというところも一定読み取ることができたかと思っております。

ただ、明確な客観的な因果を想定するところまではまいりませんでしたので、今後様々な政策、施策事業に結びつけていく、その際の重要なヒントということで捉えるぐらいのほうがいいのかもしれないとも伊集先生から御示唆をいただいたかと思っております。

貴重なデータですので、これを最終的には、私どもの報告書の中でもしっかりと生かしていきたいと思っておりますので、そういう方向でお考えいただければと思っております。よろしくお願いいたします。

それでは、少し時間が押しておりますが、伊集先生からの御説明につきましては、以上にさせていただきます。

伊集先生、どうもありがとうございました。

○伊集委員 ありがとうございます。

○新川座長 それでは、ここで一旦休憩とさせていただきまして、ただいま私の時計で11時16分ぐらいになっておりますが、10分間休憩を置かせていただきまして、11時26分ぐらいから再開をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。10分休憩とさせていただきます。

(休憩)

≪3.地方消費者行政に関する報告書骨子案について≫

 

○新川座長 お約束の時間になりましたが、皆様、お席にお戻りになりましたでしょうか。ありがとうございます。

それでは、時間になりましたので、再開をさせていただきます。後半は、最初の議事次第で御案内させていただいたとおり、私どもの報告書の骨子案について御審議をいただいてまいりたいと思っております。あらかじめお手元にお届けをさせていただいてございますが、この報告書骨子案について、事務局からまずは御説明をいただき、御意見を賜ってまいりたいと思っております。

それでは、事務局、恐縮ですが、御説明をお始めいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○友行企画官 それでは、資料2-1に基づきまして、最初に御説明申し上げます。

前回、6月23日にも骨子案として一旦お出ししましたけれども、本日は6月23日のバージョンから変わりましたところを中心に御説明したいと思います。

最初の1ページ目でございますが、「報告書骨子(案)」とございまして、「はじめに」から第1、第4のところの途中までは変わっておりません。

2ページ目、6番の「目指すべき姿を実現するための社会的資源の」というところがございます。前回まで(1)(2)などの見出しはつけておりませんでしたが、今回は「(1)財源の確保」「(2)人的資源の活用」「(3)施策の効果を把握し、社会的資源を有効活用するための利活用できるデータの整備とその分析」という形で見出しをつけております。

それでは、中身に入ります。最初に3ページ目「はじめに」のところでございます。前回はございませんでしたが、頭書きということで「はじめに」をつけております。ここは最終的に全体を見て少しまた整えたりというところもございますので、今後も若干変わり得るところではございますが、導入部分として重要な事柄を段落ごとに記載しているようなところにしております。

4ページ目、第1の「現状」のところでございます。このところは1番で「消費者問題の現状」、2番といたしまして「地方消費者行政の現状」となっておりますが、細かなところで若干文言を分かりやすくするために付け足したところもございますけれども、大きな修正はしておりません。

第2の「20年後の我が国の主な課題と消費者行政」のところでございます。こちらは1番が「20年後の消費者を取り巻く環境において予想される課題と展望」でございます。

6ページ目に参りまして、2番のところが「20年後の地方消費者行政において予想される課題と展望」でございます。こちらにつきましても、細かな字句は若干加えているところもございますが、大きな修正はしておりません。最初に課題を述べまして、課題というわけではなく、将来を見据えた展望というような内容につきましては、展望というところにまとめてあるという形で、大きくは変わっておりません。言葉遣いについて御指摘のあったところについてはなるべく直すという形で直しております。

7ページ目の「消費者行政の重要性のさらなる増大」というところでございますが、こちらにつきましても、前回の23日に御提示したものから大きく変えたところはございません。内容につきましては、趣旨の変わるような形で修正したところはございません。

8ページ目、第3のところで「20年後の消費者行政が目指すべき姿」でございます。1番の「市町村、都道府県及び国が重層的に消費者の安全安心を守る消費者行政への転換」というところでございます。第3のところは20年後といいますか、将来のことを述べるというところになっておりますので、各項目につきまして「20年後には」という文言を入れているところが何か所かございます。それは趣旨が変わるという意味で入れているわけではございませんので、御了承いただければと思います。

1番のところで、今回文言として文章として加えておりますのは、最初のポツのところの最後の一文でございます。「この点について」というところがございますが、「この点について、総務省の第32次地方制度調査会においても」という部分をつけております。この第3の1のところは、市町村、都道府県、国が重層的に安全安心を守る消費者行政への転換ということでございますが、ここではそもそも市町村が担うことがふさわしいということで、一番身近なところに落とされていた消費者行政を、市町村だけではなくて、都道府県も国も役割を明確化してということを書いているのですが、この点について、総務省の32次地方制度調査会においても、2040年を見越しまして、都道府県による市町村に対する補完・支援の役割について、これまで以上にきめ細やかな補完・支援の必要性について触れられている、消費者行政分野においても同様の考え方・方向性で取り組む必要がある、この一文を入れております。

前回、山本座長代理から地制調の答申のほぼ固まった内容というものについて御説明いただきました。地制調の議論とこの地方消費者行政専門調査会でやっていただいております議論と、非常に近い部分もございますので、そういった部分につきましては、地制調でのコメントぶりなどをこの報告書にも少し引用したり、紹介したり、そういった形を今回取っております。1つ目がここのところでございまして、地制調の中では「広域連携」という見出しの中に出てきておるような文章でございましたが、そこを第3の1のところに入れております。

2番目の「新たな支え合い見守り合う地域社会への転換」というところでございます。こちらにつきましては、2つ目のポツでございますけれども、最初は行政のほか、相談員、消費者サポーター、民生委員などがつながりを持ち、地域の資源をつなげ、コーディネートを行う、ここは前回のところでも文章がございました。その後追加いたしましたのが「この点について、総務省の第32次」というところでございまして、「様々な主体が組織の枠を超えてサービスの提供や課題解決の担い手として一層関わっていくことが必要とされている。消費者行政分野においても同様の考え方で取組むべきである」ということを加えております。「公共私の連携」という考え方のところでございますが、こちらの部分を一文入れております。

9ページ目に参ります。3番の「複雑多様化した消費者問題から自らを守ることのできる消費者市民社会の形成」のところでございます。(1)につきましては、大きく変えたところはございません。(2)につきましても、文言を整えたところはございますが、内容的に変わっているところはございません。(3)の「高齢者も担い手として支える消費者市民社会」につきましても、文言を加えたところはございますが、趣旨が変わるような修正はいたしておりません。

10ページ目、(4)といたしまして「安全安心な市場と自立した消費者を支えるICT・AI技術」、ここも加えたところは頭から数えて5つ目のポツのところで、市場が常時モニタリングされている状態というところで終わっていたのですけれども、監視という意味ではございませんので、「市場が常時モニタリングされ、安全安心に市場が機能する状態が保たれている」という、後半の「安全安心に」以下のところを加えたところでございます。

同じく10ページ目の4番目と5番目と6番目につきましては、それぞれ「20年後には」という文言は加えたところはございますが、内容として大きく変えたところはございません。

第4に参ります。「目指すべき姿の実現に向けた対応策」のところでございます。第3が理想とする姿で、目指すべき姿でございまして、第4は具体的にどういうことを行っていくべきかという具体的な対応策でございます。

1つ目としまして「消費者行政主体の役割の変化と連携強化」というところでございます。こちらにつきましては、文章としては直しているところは、細かなところはございますが、大きなところとしてはございません。

2つ目の「地域社会の対応力強化」のところでございます。(1)の「総合型行政化の推進」でございます。ここのところは修正したり追加したところはございません。

(2)の「新たな見守り体制の構築・整備」のところでございます。11ページの下から始まってまいりますが、12ページの頭のところにかけまして、内容的に変えるような追加ですとか修正は行っておりません。

(3)の「消費者自身が見守りの担い手として活躍する社会の構築」のところでございますが、若干言葉を加えたところはございます。最初のポツのところにつきまして、3行目のところで「また、高齢者だけでなく若年者も含めた」と最初はなっておりましたが、「現役世代や若年者も含めた」ということで、「現役世代」という言葉も加えております。

12ページ目の下2つのポツでございますけれども、内容を変えるような修正はしておりませんが、少し文言を加えたところはございます。内容的に趣旨が変わるとか、そういった修正はいたしておりません。

13ページ目、3番の「新しい消費者市民社会の形成に向けた対応策」でございます。(1)のところは「安全安心な市場を醸成するための仕組み作り」でございます。文言を分かりやすくするために少し加えたというところがございますけれども、内容といたしまして加えたところにつきましては、ポツの3番目のところで、安全安心市場の構築について、消費者側とプラットフォーム、それから、提供者側の双方が、商品・サービス等の安全性についてチェック機能を働かせる体制を整備するということで、前は「プロバイダー側」と片仮名で書いてあったと思うのですけれども、少しそこは分かりやすい文言に換えております。

その次のポツにつきましては、加えております。「スマートフォンなどのICT機器の恒常的利用に伴い、消費者問題の解決策や被害実態などの情報提供、信頼できる関連サイトや対人相談窓口への紹介機能等を併せ持つ行政主体の消費者問題についてのサイトを設立・運営する」といったところでございます。ここは加えました。

14ページに参ります。(2)としまして「自立した消費者を育成するための消費者教育・啓発活動の推進」でございます。ここも少し文言を分かりやすくするために言葉を足したところはありますけれども、趣旨が変わるような修正、追加などはいたしておりません。

(3)といたしまして「高齢者が活躍する社会の構築」のところでございます。1つ目のポツは変えておらず、2つ目のポツにつきましては少し文言を足しまして、「安全安心な市場が脅かされていないか、高齢者で構成された組織が、これまで培った知見を活かし安全性についてモニタリングする」という文章に整え、次のところにつきましては、加えました。「高齢者が活躍するための基盤整備として、若者を中心とした現役世代によるサポート体制を構築する」ということでございます。もともとここに「日本モデル」を発信していくというような文章があったのでございますが、それはむしろ理想とする姿というようなことに当たるといったことでございますので、ここからは削除しておりますが、その趣旨を変えたということではございません。

(4)の「Society5.0を前提とした」というところにつきましては、14ページのところについては特段内容は変えておりません。若干順番を変えたところはございますが、14ページにつきましては中身が変わっているわけではありません。

15ページ目に参りまして、ポツの2つ目でございますけれども、ここは加えております。今回「ICT・AI技術等の活用」の具体的対応策のところにつきましては、ほかの項目に比べまして、若干加えている分量が多くなっております。この「ICT・AI技術等の活用」につきましては、将来に向けて非常に中心的なところになってくるというところもございますし、ここは現時点で分量を少し多くしておりまして、追加の分量も多くなっております。

説明に戻りますが、15ページ目の2つ目のポツについては追加しております。「若年人口の減少等に伴う地方とりわけ大都市以外の地方における情報技術者の慢性的不足に対応するため、官民を行き来する柔軟なキャリアパス、複数の地方自治体による情報技術者等の専門人材の共同活用などの人材供給システムを確立する」といったことでございます。これは今まで先生方の御意見にもあったと思いますが、ちなみに、地制調の報告書の中でも類似の文章が出てきておりまして、こういった専門人材を将来に向けてきちんと確保していくということは、地方制度調査会でも議論され、ここでもとても重要なテーマになっていると考えております。

その次のポツにつきましても、追加しております。ICT・AI技術等の有効活用による消費者問題への対応や解決を図りつつも、対面相談・解決の手段は確保し、とりわけ認知症患者などの、そういった弱者に対する対策に十分配慮するということでございます。

次の次の「現状」というポツにつきましても加えております。「地方自治体においては、スマート行政が進展している地域においても消費者行政に活用されているケースは少ない。他方で、消費者行政への活用が考えられるものは十分存在している。大きな投資・負担が必要となることが多いICTにおいて、地方自治体の消費者行政部門が単独で開発・維持していくことは現実的ではない。地方自治体内の他の行政部門が持っているICTリソースを点検・発掘し、それを消費者行政においても積極的に利用していくことを考えるべきである」といったこと。

それから、その次のポツについても加えております。「ICTに関わる投資・負担を、誰が何にどのように投資していくのか、将来に向けて今実施しておくべきことは何かという観点で、自治体だけでなく国も一体となり、効率的・効果的な投資の検討を進める必要がある」。この点については、地制調の報告、答申におきましても、ICT基盤の全国利用・共同利用について、行政のデジタル化という観点から国が一定の役割を果たす意義について触れられております。消費者行政分野においても同様の考え方で取組を推進していく必要があると指摘しております。

また、具体的な対応策として、地方におけるモデル事業の推進でありますとか、最後のポツになりますが「IT専門人材の確保や職員育成の在り方についても検討を進める必要がある」といったことまで書いております。ICTにつきましては、少し長めに追加しております。

次に16ページ目、4番の「感染症、自然災害等危機下における消費者の安全安心を確保する対応体制の構築」のところでございます。追加いたしましたところは2つ目のポツでございまして、「2020年の新型コロナウイルス感染症拡大に伴い発生した」というところを追加しております。こういった問題については、早急に原因等を分析して再発防止策を講じるべきだといったことでございます。

5番の「持続可能な消費生活相談体制の構築」のところでございます。ここの柱書きのところは、特段変更しておりません。(1)の「広域センター化のさらなる推進」というところも特段変更しておりません。

17ページに参りまして、(2)の「専門性の高い消費者問題への対応体制の構築」のところも変えておりません。

(3)の「消費生活相談員の活躍の場の拡大」のところでございます。ここは少し丁寧に、それから、慎重に言葉を加えております。「消費生活相談員の活躍の場の拡大」という見出しにしまして、最初のポツでございますが、市町村の相談窓口は、相談業務の最も基本となる機能でございます。その相談窓口を地域に密着したものとして全国で維持するため、官民連携による相談窓口の運営も選択肢の一つとして検討する。市町村の相談窓口を特定適格団体・適格消費者団体等の消費者団体やNPOなどに業務委託すること、消費生活センターへの指定管理者制度の導入について検討を行う。消費生活相談員の活躍の場が広がるとともに、複数年にわたる指定管理により、職員の異動が多い市町村に代わって専門団体にノウハウを蓄積していくことが可能となるということで考えております。

2つ目のポツでございます。「市町村は相談対応の質の維持向上や公平性・中立性の確保のため、委託先や指定管理者に対して必要な連絡・指導を行う。都道府県は、業務委託に関する市町村の支援を行う。また、市町村、都道府県及び国は、相談対応の質を担保するため、委託先や指定管理者となりうる消費者団体やNPOなどを育成・支援する」といった考え方でございます。前回もここのところは御指摘がございましたが、外出しするということで、全部外に出してしまって行政は何もしないということではなく、やるべきことをやってから、そして、ここに書かれておりますような狙いの下で行っていくということでございます。

次のポツのところにつきましては、特段変えておりません。

18ページ目のところまで参りますが、(3)の「消費生活相談員の活躍の場の拡大」、その他につきましては、大きくは変えておりません。

6番の「目指すべき姿を実現するための社会的資源の確保、活用」のところでございます。こちらについては少し文章を長めに加えております。最初の柱書きのところでございますけれども、地方交付税の基準財政需要額の算定において、地方消費者行政に係る金額は270億円に増額されております。他方で、現在の地方自治体の予算編成では、医療、福祉などに優先的に予算が配分されておりまして、結果的に消費者行政に十分な予算措置が講じられていないという、データとしてはそういう形になっております。前述した各取組の効果を最大限引き出し、持続可能なものとするためには、財源及び人的資源による裏づけが不可欠となっております。

今後、人口構造や社会情勢の変化に伴いまして、財源、人的資源が限られる中で、こうした裏づけを考えるに当たっては、行政資源の分配という狭い視野ではなく、行政・民間の双方の財源、人的資源、いわゆる社会的資源の確保及び活用というより広い視野で考えるべきであるということをまず柱のところに書いております。そして、行政から民間への委託についても、行政の歳出削減という簡単な考え方からだけではなく、民間資源の有効的な活用の観点から取組を実行していくべきということをこの専門調査会として打ち出してはどうかということでございます。

(1)の「財源の確保」のところでございます。<行政による財源措置>というところでございまして、消費者行政は国民の暮らしの安全安心を守る重要な行政分野の一つでございます。地方自治体による有機的連携、総合型行政の実現や、新しい消費者問題に機敏に対応できる組織作りなど、国には消費者行政の充実に向けた全体的な基盤整備が求められております。従来の地方消費者行政強化交付金の措置に限らず、地方交付税措置のさらなる充実、また、国庫負担金化など、そういったことについての最適な財源の在り方を検討すべきということでございます。

「また、地方自治体は」というところの2つ目のポツでございますが、「官民連携や持続可能な相談体制の構築・運営を実施する責任を有しており、地方自治体も独自に財源確保に向けた検討を行う」ということを加えております。

19ページ目に参ります。「ふるさと納税」の話につきましては、前回記述が間違っておりましたので、そこを正確に書いたというところでございます。

2つ目のポツでございまして、こうした財源の確保・充実に当たっては、消費者でもある国民や事業者の理解と協力が必要でございます。そのため、国及び自治体においては、消費者行政の必要性及び重要性を、国民や事業者に向けて十分に説明していくことと併せて行うということでございます。

次に<行政による財源措置>に対しまして<民間も含めた財源確保の具体例>でございます。こちらに記載しておりますクラウドファンディングの関係でございますとか、基金の話でございますとか、認証制度につきまして、これは前回も記載しておいたところでございます。少し文言を足して分かりやすくしたところもございますが、内容としては変わっておりません。

最後のポツのところでは「20年後に向けた、固定観念に捉われない柔軟な思考で、社会的資源の確保及び活用を考えていく」といったことを打ち出しております。

(2)といたしましては「人的資源の活用」という観点でございます。最初の2つのポツにつきましては、考え方としては前回も打ち出しております。ただ、2つ目のポツの最後のところの真ん中辺りから、「この点については」というところでございますが、地制調においての議論をここで少し引用しております。2040年を見越し、民間人材と地方公務員の交流環境の整備について、将来に向けた議論が進められておりまして、そのことが答申の中にも盛り込まれております。地域社会における多様な人材が組織の枠を超えて地域社会で活躍できる環境整備の意義について触れられております。そういったこととこの報告書、地方消費者行政においても同様の考え方・方向性で取組を推進していくべきということを書いております。

20ページ目に参りまして、少し文言を追加しているポツもございますが、大きく趣旨が変わるようなことは書いておりません。

(3)のすぐ上のポツのところでございますが、「公・共・私のネットワークの活用という観点から」というところでございまして、ここは追加しております。民間事業者が共同で消費者団体を設立し、消費者行政を実施することが考えられるといったことを対応策として追加しているようなところでございます。

(3)といたしまして「施策の効果を把握し、社会的資源を有効活用するための利活用できるデータの整備とその分析」でございます。最初の2つのポツにつきましては、前回から変えておりません。最後のポツのところにつきまして、こうしたデータを更に分析して、その結果を踏まえて、限られた社会的資源を最大限効果的に利活用する方策を検討していくべきということを書いております。

「おわりに」というところも少し今回は入れて、全体としてバランスなどを見ていただくという趣旨もありまして、記載しております。ここは最終的に中身と併せて整えていくところだと思いますので、今回につきましては、細かな御説明はしないということにさせていただきたいと思います。

骨子につきましては、前回初めて議論していただいたものを整えてお出しいたしまして、さらに、前回の議論を踏まえまして、文言を少し分かりやすくしたり、少し加えたりということを行っているところでございます。

よろしければ、資料2-2もこれに関連いたします補足資料でございますので、続けて御説明させていただきます。

2-2を御覧いただきますと、横長の1枚の表になっております。前回、骨子の中に「消費者行政コーディネートセンター(仮称)」ということで文言としては初めて打ち出したようなところでございまして、それまでもこういった機能が消費者行政に必要ではないかというような御議論があったと思いますが、名称的なものをつけるとこういう形ではないかということでこういう名称を置いて、今回も名称は変えずに使わせていただいております。

そして、前回この機能なりこの専門集団が考えていることがやることがどういうものなのかということが非常に分かりにくいというような御指摘もいただきました。そこで、今回、1枚紙でここでお示ししたわけでございます。少し中身を御説明させていただきます。

まず、コーディネートセンター(仮称)の基本的な役割と機能を左側に並べております。1つ目が「縦連携」と書いてありますけれども、報告書の中にも重層的な消費者行政体制を作っていく、強化していくという記載を、例えば第4の1のところで述べております。そこをイメージしていただくということでございますが、具体的には、基本的な役割・機能としまして、国や都道府県(コーディネートセンター)、それから、市町村・広域の消費生活センターとのつなぎ役といった機能でございます。消費者庁や国民生活センターの支援策・情報などを確実に市町村の相談現場に届ける。逆に、市町村・広域センターの相談現場や地域のニーズを消費者庁・国民センターに伝える役割、潤滑油としての役割と書いております。

ここはまず一つ縦連携ということでございまして、「目的」が右側に書いております。連携の核となる、つなぎ役となる、潤滑油として機能するといったことでございます。

下に参りますけれども「横連携」というところでございますが、「つながる行政&つなげる地域」と記載しております。都道府県内の消費者団体、協力的な事業者、地域の団体、民生委員、福祉部門、警察など、市町村・広域消費生活センターへつなぐ体制の構築・強化。見守りネットワークなどの連携活動の推進役としての役割ということでございます。報告書の中でも、第4の2の(1)の辺りに総合型行政化の推進ということも記載しておりますが、そういった機能をここで果たす、ここにそういった機能を持たせるということでございます。

「目的」のところでございますが、例えばとして、市町村・広域消費生活センターとともに、地域の様々な行政分野や地域団体とつながることにより、消費生活相談網を拡大・充実化し、支援が必要な消費者を取りこぼさずに発見するといったことが可能となる。マル2といたしまして、市町村・広域消費生活センターとともに、教育・啓発活動を中心に高齢者・現役層・若年者の全ての層に消費者教育が行き届く体制を構築し、消費者市民社会の構築を目指すといったことが可能になるということでございます。

一番下のところは「相談現場支援&専門性の高い案件への対応力強化」といった見出しになっております。市町村・広域消費生活相談センターの相談員の支援や相談員による相談員のための支援体制を構築するということでございます。同時に、市町村・広域の消費生活センターでは対応の難しい案件や全国的な対応が必要となる案件への対応を行っていくと。弁護士等専門家との連携などを含むといったことでございます。こういった機能、それから、専門集団というものを、コーディネートセンターの中で想定しているといったことでございます。

「目的」としましては、市町村・広域センターでは対応の難しいグローバルな案件や難しい個別案件などについても、漏れなく適切に被害回復できる消費者保護体制を構築・強化していくといったことでございます。ここにはエキスパートを置いたりですとか、人材育成の機能、それから、バックアップ、指導、研修などの機能、人材のマッチングなどの機能を置くことも考えられることとしてはございます。

こういった報告書に、今の骨子案に記載しております、消費者行政コーディネートセンターという文言が書いてあるところを表にするとこういう形になるということでございます。基本的な機能がこうなり、目的としては、真ん中のところにございます。そして、その組織の構成でございますけれども、消費者行政職員と相談員を配置する。少なくともそれは必要ではないかということで骨子案の中でもそういうことを記載しております。

そして、これはどこが置くかということなのでございますが、都道府県や政令市、中核市又は地域ブロックレベルに設置ということが考えられます。都道府県の既存の広域の消費生活相談センターの役割を付与することによって、コーディネートセンター化することも可能と考えられます。これをどのレベルに置くかということも、それぞれ今は固まっていないと思いますので、いろいろな形があり得ると考えているところでございます。

一番右側のところ「参考となる取組例」を記載しております。それぞれ横にずっと見ていただくような形でございますが、この専門調査会において表の場で御発表いただきましたところ、徳島県、三重県の鈴鹿亀山、北海道など、それから、イトーヨーカドー様、ヤマトホールディングス様というところに来ていただいたりもしました。埼玉県につきましては、事務局がヒアリングなどを行っていたりといったところでございます。

それぞれの活動が参考となる取組、例えば縦連携でいいますと、徳島県のところでございますが、新未来オフィスにおける消費者庁・国民生活センターと市町村支援をつなぐ取組というのは、縦連携についての考え方、機能を想定したときに参考になる取組ではないかということでございます。徳島県では、御発表がありましたときに、まさに県の来ていただきました担当者の方が消費者行政担当の方だったのですけれども、危機管理部というところで、そこが県の総合調整の役となり、そこが国などとのつなぎ役になったり、市町村に対しても全体的な一旦県がそこで窓口となっていくというところでのつなぐ役割を徳島県では行っておりました。そういった重層的な行政体制を担っていくときのつなぎ役、連携の核となるといったもの、消費者行政コーディネートセンターにそういった機能を持たせてはどうかということで、徳島県においては、それが県においてあったということでございます。

それと同様の考え方で「参考となる取組例」を記載しております。横連携のところにつきましては、鈴鹿亀山が広域連合を置いておりまして、そこの広域連合が福祉や教育等との連携の核となっておりました。また、北海道では地域ネットワークの連携体制を平成18年ぐらいから進めております。また、埼玉県におけます消費者被害防止サポーターの活動や高齢者見守りネットワークの推進事業ということは、そのネットワークを設置する、その設置を推進する、促進するための活動が非常に特徴的でございまして、そういった機能をコーディネートセンターに持たせてはどうかということでございます。

一番下のところにつきましては、ここがいろいろなものが入っているのですけれども、相談現場への支援ですとか、専門性の高い案件への対応力強化ということで、一つには京都府における「消費者あんしんチーム」のようなのが参考となるといったことで、ここに記載しております。また、北海道では、域内を4つのブロックに分けまして、指定管理相談員が指導・助言するような仕組みを置いていると。道が支援しているというような機能を持っておりました。そういった機能を消費者行政コーディネートセンターに持たせてはどうかといったことでございます。

消費者行政コーディネートセンターが、いろいろなことを全てやるというわけではございませんで、基本となるものにつきましては、そういった自治体におきますところなどの公共私の連携であることは間違いないわけでございます。今回、この消費者行政コーディネーターの表だけをお見せいたしましたけれども、これで全て将来の消費者行政の解決になるということではございませんけれども、一旦、コーディネートセンターの機能はどういうものかということをイメージしていただきたい、議論していただくために、ここに提示しております。これと併せて、もちろん公共私の連携ということもとても大事でございますし、また、ここにどのような機能を持たせていくかということは、いろいろ議論を深めていける部分だと考えております。

御説明といたしましては以上でございます。

○新川座長 どうもありがとうございました。

ただいま事務局から御説明をいただきました。前回の御議論を受けまして、報告書骨子案について、おおよそ各委員からいただいた御意見を踏まえた形での修正をいただきました。

それから、もう一つ、消費者行政コーディネートセンターにつきましては、前回初めて出ましたので、これについて少し整理をしていただき、図表化するとイメージが固まり過ぎて、かえって議論が止まってしまうかもしれないのですけれども、いろいろな視点がありそうだということで、まずたたき台のようなつもりで御提出をいただいたのではないかと思っております。この辺りも含めまして、御意見や御質問をいただいてまいれればと思います。

伊集先生から発言がありますということでいただいております。伊集先生、よろしくお願いいたします。

○伊集委員 先ほどの私の報告の内容と、そのときにいただいた御指摘に関連するので、先に発言させていただければと思うのですけれども、今回の骨子案で、後半のほうになりますが、6の「目指すべき姿を実現するための社会的資源の確保、活用」というところで、前回よりも記載を丁寧にしていただく形で修正いただいていると思うのですが、そこの冒頭で、交付税の基準財政需要額の算定で、地方消費者行政に係る金額は270億に増額されているのだけれども、実際はほかの分野に優先的に配分されるので、消費者行政予算には十分な予算措置が講じられていないというような、こういう問題認識があるかと思うのです。

先ほど、私も報告のときに、これまでも委員会の資料で見せていただいたところで、270億のうち48%、直近だと50%ちょっとぐらいの措置にとどまっているというところがあるのですが、私の報告のときに、山田委員から、ただ、交付税の基準財政需要額の措置というものが、相談員の費用だとか、大まかに捉えているところもあるので、270億のうち半分しかついていないというような表現をするのは正しくないというか、誤解を招くという御指摘をいただいたので、この点は報告書を書く上でも重要な点ではあると思うので、ある程度の認識の共有だとか、できている必要があるのではないかと思います。

特に、この理解を前提として、18ページのその後ですね。交付税措置のさらなる充実を求めるのかとか、あるいは予算措置ができていないという前提があるからこそ、それは国庫負担金としてもう少し求めるべきだとかというような話になってくるので、この交付税措置の270億と、今、自治体が予算措置できているというのがどういう関係にあって、私が先ほどの報告で示したようなグラフを参照しての半分程度にとどまっているというような理解が共有できるのか。それは理解の仕方としては必ずしも正しくないというようなほうが理解としてはいいのか。この辺り、まず事務局に伺いたいのと、私の理解が間違っていたかもしれないので、必要であれば、山田委員からもう一度御説明いただければと思っていますが、いかがでしょうか。

○新川座長 ありがとうございました。

今、伊集委員から御説明をいただきました趣旨は、恐らく各委員ほぼ共通の認識として、地方交付税交付金の基準財政需要額算定そのものは、あくまでも地方交付税交付金制度を運営するための需要額算定の算定基礎でありますので、それ自体が地方公共団体の政策や財政やそのものをどうこうといった種類のものではないということは共通認識としてはあろうかと思っております。交付税法もあるいは地方財政法もそうですけれども、こうした地方交付税交付金の性質として、あくまでも一般財源であり、地方公共団体の自主財源で、それについてとやかくなどということはあり得ないということが大前提だということは御理解いただけるかと思います。

ただ、見た目の上でどうしても気になるというので、こういう表現になっているのかなとは理解しておりますが、このような理解で事務局もよろしいでしょうか。

○友行企画官 事務局としても同じでございます。見た目がそうなっているというのもございますので、実態はもしかすると、もっと深く見ていくと別のことが言えるかもしれないのですが、見た目上はそうなっていると見ております。

○新川座長 山田委員、もし補足いただけるのであればお願いします。

○山田委員 3点ほどありまして、一つは、最初に新川先生がおっしゃったように、交付税自身の性格として、これが何らか具体的な事業に結び付くものではない、全体として調整をしていくものであるというのが一点です。

とはいえ、一定の水準を確保するためには、予算としてある程度確保していかなければいけないというのも、これも目安としてはある程度あるのは事実なのですけれども、この中で問題点があるとしますと、例えば消費センターを使っているときに、それが庁舎の中にあると。すると、庁舎の管理費用や庁舎の電気代や通信費は、これは全部ほかのところに、一般行政管理費の中に入ってしまっているわけですね。ですから、消費者行政に全部やらなければいけないというと、予算を細分化しないとできなくなってしまう。

特に事務的な人件費のものでも、では、消費者センターがある部の部長さんの役割は幾らだとか、これは全然入っていないわけです。ある程度丼勘定の中に入れている分も交付税の中に入っているということを理解しないと、50%だからあと50%足りないのだと言ってしまうと、それは大きな間違いになるというのが2点目です。

3点目なのですけれども、ここは今回の報告書の骨子にも出てくるのですけれども、多分、市町村においては総合化しなければいけない。総合化して、予算を細分化していては、もはやそれぞれの予算が関連して実行していかなければいけないので、細分化すればするほど効率が悪くなってしまわないかという問題です。これからは、消費者行政予算という形で出していくよりは、かなり大きな目安としての安全安心予算へと組み替えていかなければならない。総合化するというのはそういうことだと思うのです。そうした点についても、そこの部分は使わなければいけないと言ってしまうと、総合化を妨げるのではないか。

この3点から、あまり強調し過ぎると違う方向に行ってしまうのではないかということを懸念しているということです。

○新川座長 ありがとうございました。

今後報告書を取りまとめる上では留意をしなければならない点ということで御注意をいただきました。

それでは、池本委員からも御発言の御希望がございます。池本委員、よろしくお願いいたします。

○池本委員 池本でございます。

報告書の検討時間が十分に自分自身で取れなかったので、断片的な発言になるかと思います。場合によっては後でペーパーにして事務局へ提出するなりしたいと思うのですが、いろいろな場所にあるのですが、大きな観点で2つのことを申し上げたいと思います。

一つは、3ページの下から4ページのところで大変気になるところです。地方消費者行政の事務は多岐にわたるが、本報告書は、その全てを対象とするものではなく、主として消費生活相談、消費者教育・啓発、事故情報収集・提供、PIO-NETの入力に係る事務の維持・発展を図ることを念頭に置き、結果を取りまとめるとなっています。これは地方消費者行政の取組課題に関する検討あるいは提言として、明らかに記述として狭過ぎるのではないか。むしろ、これに関連して、7ページ目辺りでは、今後の課題として、安心安全な消費者市民社会の実現に向けての課題もある、あるいは危機対応の課題もあるというような指摘もあります。そういう議論もしてきたはずですし、あるいは、地域での見守りネットワークをどう構築していくかということのほうが、個々の相談体制だけではない、より広い観点で今後展開していかなければいけないという議論をしてきたはずです。その意味では、これは記述の問題として狭過ぎるということだけではなくて、個別論点のところの記述の中に影響しているのではないかという気がしますので、見直しをお願いしたい点です。

そのことに直結するのかどうかは分かりませんが、8ページ目の2の下の段のほうですね。「新たな支え合い見守り合う地域社会への転換」というところの第2段落で、ここは見守り体制の構築などのお話ですが、行政のほか、相談員、サポーター、民生委員・児童委員うんぬんが、地域の資源をつなげ、コーディネートを行う機能が都道府県を中心に確立されている、この点について、総務省はこう言っているというふうに記述されています。

しかし、消費者行政の分野で見ていくと、地域のいろいろな民生委員とか地域の関係団体のつながりでコーディネートをやっていく機能は、基本的には、本当に地域のきめ細かな連携という意味では、市町村が主体となって連携を広げていきながら、都道府県がそれをしっかりとこれまで以上に支援していかなければいけない。単独でできないところについては、更に強力に支援していかなければいけない。そういう議論ではないか。そういう議論してきたつもりなのですが、都道府県を中心に確立というのは、認識としてもそうではないと私は思っています。ここは見直しをしていただきたい。

実は、この辺りとまた関係するのか、あるいは違う観点かもしれませんが、11ページで「総合型行政化の推進」という2の(1)のところ、あるいはその下以降もあるのですが、市町村及び都道府県はこれこれで総合型行政化を進めていく、4番目のポツでも、市町村及び都道府県はうんぬんと、市町村と都道府県を列記してあります。先ほど山田委員からも御指摘があったように、市町村が地域の中であまり細分化した部署ではなくて総合的にやっていかなければいけないという、総合化することによって、地域の中で福祉とかいろいろな部署と連携して総合的にやっていく中できめ細かに展開していくという問題と、それを支援していく都道府県の役割という整理がここでも必要なのではないか。

どうもこの課題と、例えば相談業務のように高度専門性があって、個々の市町村では担い切れないものを、少し広域的なセンターを作って進めていく。それは個別の市町村だけでは担えないので、都道府県がもっと前に出てやる。あるいは、後で紹介されたコーディネートセンターというところも、個々の市町村だけでコーディネート力をつけろと言っても現実になかなかできないので、県がもう少し前面に出て、その辺りのコーディネート役のまさに模範演技というか、支援をしていく。しかし、地域で本当にきめ細やかに進めていくのは市町村が動いていかなければいけない。そこの書き分けがどうもできていないように感じました。

ほかにも何か所か同じような記述、気になるところがありました。次のページのところもそうですが、個々の記述についてはまだ十分関連性を含めて読み取れていないので、場合によっては後でメモにしたいと思います。

それから、全然違った観点の問題をもう一つも申し上げます。17ページ、「消費生活相談員の活躍の場の拡大」というものですね。これまで前回まで議論してきたところでは、消費生活センターあるいは相談員というものが個別の相談処理にとどまらずに、むしろ地域の職員と相談員は一緒になってコーディネート役として地域に出ていって、他の関連部署や民間団体とも一緒に行動するような、そういう役割。あるいは、消費者教育も与えられたところだけ行って話をしておしまいではなくて、コーディネート役としての動きが必要だという議論をしてきたと思います。

ただ、今回、17ページで出てきて非常に気になるのが、官民連携による相談窓口の運営とか、民間委託、更には指定管理者制度の導入について検討するという記述があります。実はこの問題は、平成26年消費者安全法改正のときに、消費者庁の中の検討委員会で大きな議論を呼んだところなのです。当時、まさに財政削減の趣旨で、あるいは人員削減という趣旨で、消費生活センターの民間委託、しかも、そこでいう民間は株式会社へ委託するということも含めて、安易な民間委託という流れがあって、それは違うではないかと消費者団体や相談員団体や弁護士会などからも強い反発を招きました。事業者対消費者の紛争を解決するのに、安易に民間団体へという言葉ではいけない、本当の消費者問題の専門家団体である必要があるという議論でした。その意味で、平成26年の安全法改正のガイドラインの中では、民間委託を進めるのではなくて、民間委託を仮にしているところは、こういう点に気をつけなさいという留意事項を詳しく書くような形になりました。

実は、その後の消費者行政の展開は、消費生活センターは相談処理だけではない、むしろ地域のきめ細かな連携をしていかなければいけないということと、この調査会では十分議論ができていないのですが、悪質業者についての取締りという意味では、地域のセンターがきちんと相談処理をしたその情報が、PIO-NETを通じて国や都道府県の事業者取締り、法執行のところにもきちんとつながっていかなければいけない。そこは前回申し上げたところですが、そういう役割です。さらには、地域のネットワークを展開するとなると、消費生活センターが市町村の他の部署とも直接つながっていかなければいけないということで、民間委託するということとは真反対の位置付けにならなければいけないということではないかと考えます。その意味で、ここの民間委託とか指定管理者という議論については、私は削除すべきではないかと考えております。むしろ消費生活相談員が従来のここの相談処理だけではない、消費者行政全体の中で役割を果たすという、その議論のところを深掘りしていただければと思います。

ほかにもあるのですけれども、取りあえず、以上、大きな枠では2点を意見として申し上げます。

○新川座長 ありがとうございました。

重要な御意見をいただきました。市町村、府県の役割、それぞれの関わり方、消費生活相談員やあるいはセンターの在り方について、御意見をいただきました。ありがとうございました。

恐縮ですが、ほかにも幾つかいただいてございますので、次に進めさせていただきます。生駒委員から、御発言の御希望がございますので、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 報告書の御説明ありがとうございました。

私は最初はつながらなくて前半は聞けなかったのですけれども、後半は拝聴いたしまして、非常に我々の意見をよく取り込んでくださって、私はとりわけSDGsですとか、エシカル消費ですとか、高齢者の活用であるとか、Society5.0というものが非常に重要なポイントだと思っておりましたので、丁寧に盛り込んでいただいて、ありがとうございます。

これからは意見というか、感想なのですけれども、この報告書自体が向かう先に関して、私は一つの言葉を思い浮かべているのですけれども、「エコシステムの構築」なのではないかと解釈いたしました。今、エコシステムという言葉はIT用語であったりビジネス用語として共存共栄する、循環していく、そういう共生関係を生む言葉として出てきているのですが、例えば財務省でも令和元年から「地域経済エコシステム」というビジョンを掲げまして、地方の自治体と政府と金融機関と行政が連携していく、ネットワーク化して連携して共創していくというビジョンを掲げていますし、内閣府も文科省、経産省と組んで「スタートアップ・エコシステム」というビジョンを掲げて活動を始めているわけです。地域の中で、地方の消費者行政と企業と消費者がネットワーク化して、連携して共創していく。これは同じ理論だと思うのです。ですので、ある意味で、この地方の消費者行政が向かう先には、そういったエコシステムの構築があるのではないかと感想として思いました。

その意味では、そういった形で消費者が守られていくというのは重要なことだと感じておりますし、そういったエコシステムの中心に立つのが、この消費者行政コーディネートセンターではないかと。また、人口の差がいろいろありますので、広域連携と消費者行政コーディネートセンターが、システムの中核に来る基本的な要素ではないかと、そのように考えました。エコシステムという言葉をここで使うかどうかは別としまして、そうした概念、今の時代の概念がしっかりと盛り込まれた報告書であるということは確認させていただきました。

以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

エコシステムの観点から御示唆をいただきました。ありがとうございました。どう生かせるか、また事務局と相談してみたいと思います。

尾嶋委員も発言がおありと出ております。尾嶋委員、よろしくお願いします。

○尾嶋委員 4ページの2「地方消費者行政の現状」の5ページになるのですけれども、ここの2番目から5番目のポツですが、先ほどの伊集委員の御説明にもありましたけれども、現状把握が、少し違うと思います。例えば、4ポツ目の「ミスマッチが生じているとの声も聞かれる」とありますが、「声が聞かれる」というのは、削除したほうがよいのではないかと思います。1つ前のポツにある「土台作りから充実・強化の段階へとフェーズが移行している」とありますが、強化交付金に変わったことによって、また補助率が2分の1になったことなどによって、充実・強化の方向が足踏みしている、あるいは後戻りしているのではないか、このままでは、この先どうなるだろうと大きな不安があるわけで、そこのところをしっかりと表現していただきたいと思います。

それから、その次の文章の相談員の確保に関して、苦慮しているその要因としては、地方部は資格試験向け講習の受講機会が不足している、都市部は処遇の低さと書いてあるのですけれども、このような書き方ですと誤解を招く可能性もあると思います。

全体として国家資格になり、そのことはたいへんよかったのですが、処遇の低さというのはそのまま変わらないでいることと、それに加えて、地方は資格試験向けの講座の受講機会が少ないということが問題になっているということだと思いますので、そのような書き方にしていただきたいと思います。

それから、8ページの書きぶりなのですけれども、第3の「20年後の消費者行政が目指すべき姿」というところで、20年後の姿を示している文章と、そうではなくて、現実を書いている文章が混在していてわかりにくいように思います。

それから、先ほど事務局の御説明に「この点について、総務省の地方調査会においても」の文章を加えましたということでしたけれども、これは加えていただくのはとてもいいと思いますが、ここの部分は書きぶりを少し変えていただくとわかりやすいかと思いました。

それから、先ほどの池本先生がおっしゃった17ページの「消費生活相談員の活躍の場の拡大」というところの、相談業務の民間委託というところは、私も同じ考えでおります。今回のヒアリングで、例えば北海道では、外部に委託していたのだけれども、自治体が相談業務を直接行うようになったということをお聞きしました。基本はやはり自治体が直接やるべきです。今後、いろいろな状況が変化する中でも消費者行政をしっかりと進めていくためには、池本先生がおっしゃったように、相談業務を直接自治体が行うということが基本になるのではないかと私も思います。今ある指定管理者制度などの問題、民間委託の問題もあり、そうした問題をそのままにして、相談業務の業務委託を推進することは絶対にやめていただきたいと思います。

ほかにも幾つか指摘したいことはありますが、この部分だけは、まずはお願いします。以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

首藤委員、お願いできますでしょうか。あまり時間がないところ申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

○首藤委員 途中退席で申しわけありません。

私は幾つか御指摘が入っていますけれども、8ページのところです。今後地域の資源をつなげるコーディネート機能ということで、総務省のところにもうたわれているということで書かれていますけれども、具体的には消費者行政の中でいうと、地域コミュニティーの形成の中で消費者行政の課題を推進していくということも話されてきたかと思いますけれども、ここの地域資源をつなげるコーディネーター役をどう担っていくのかというようなところの視点が、恐らく消費者分野だけではないので、省庁をそれぞれ超えてやっていく部分、共通課題になるかとは思うのです。そういった人材育成のところを消費者行政分野だけでやっていくのかどうかということもありますので、そこのところを踏み込んだ発言ができないかと思っています。

11ページの総合型行政化というところがあるのですが、先ほど御意見がありましたけれども、予算の考え方がどうしても分野ごとに取っていくというようなことに現状ですとなりがちなのですけれども、ここを新たな予算の枠組みの在り方も議論するというようなことで、後半の財政のところに書かれてはいるのですけれども、そこへの踏み込みの表現ができないかなと思っております。

ITのところは、人材の共同活用と基盤作りを共通でと書いていただいていますので、分野はこの中ではなかったと思いますが、ITリテラシーを高めていくというようなところも、地域の資源の力を使ってというようなところに連携していけばいいかと思います。

以上です。

○新川座長 どうもありがとうございました。貴重な御示唆をいただきました。

それでは、山田委員、御発言よろしくお願いいたします。

○山田委員 前回欠席をいたしまして、申し訳ございませんでした。

事務局、本当に御苦労さまでございます。大分内容がきちんと明確化してきたのではないかと思います。

そうした中で、何点か御意見を申し上げたいと思います。池本委員もおっしゃっていたのですけれども、今回、一番ある面でいくとしっかりと作っていかなければいけないのは、市町村は総合化していきますよ、それに対して、都道府県は市町村の補完と調整と、更に専門的な分野を担っていかなければいけないでしょうね。国はIT化や国際化の時代、さらに、教育研修、そして、非常にセンセーショナルな特別な事案、こうしたものに対応していく。こうした国、都道府県、市町村がうまく重層的に連携、分担しながら全体の力を高めていく方向に持っていきたいというのが、僕は一番骨子だと思います。それなので、市町村が総合化していくときに都道府県も総合化してしまうと、訳が分からなくなってしまうのです。

だから、その点においては、市町村はあくまで総合化して、各行政を有機的に連携すべきであって、都道府県はその補完と調整と専門的な分野を担う形でやっていく。その専門的分野を担うときに、コーディネートセンターという形で調整の一番中心と専門家分野の中心というのを、都道府県が事務局を担って、そして、市町村や弁護士会や様々なステークホルダーが集まって、全体としての漏れている部分を補っていくような形、そのためのコーディネートセンターではないかと思います。都道府県が全部主体的な役割を担って、市町村に対して指示するとか、そういう話になってしまうと、これは消費者行政の根本的な在り方が変わってきてしまうのではないかと思いますので、そこはしっかりと書き分けをしていただきたいと思います。

それから、業務委託の問題が出たのですけれども、一番大きな問題は何かというと、市町村がもたなくなるということです。市町村が、20年後の市町村の状況においてもできるのであれば、それは行政でやるのがいいのは間違いないです。問題なのは、市町村がもはやそういう機能を果たせなくなる可能性があるという前提がありまして、地方制度調査会でも、ですから、公共私の連携で何とか切り抜けようとしているわけです。水道の民営化などもそうです。水道を市町村ができれば問題ないのですよ。でも、市町村がもはや人手不足になり、技術者不足になり、このままでいくと成り立たなくなる所が出てくる中で、どうやって地域を守るかという話をしているので、一番大切なのは、どれだけそこに民や、又はボランティアの人が入れる状況を作るかということだと思います。

そのために、一つは情報を共有化していかなければならない。情報を行政が独占したり操作していく時代から、PIO-NETをはじめとして、私はオープン化がはやはり必要だと。そうでなければ、業務委託などはできません。行政が情報を握っていて、そちらのほうで何かやっていたのでは、こういう業務委託や指定管理などはできません。オープン化していかないとできないということをまず考えるべきです。

そういう点では、IT化のところで一般の人向けにも使えるようにするという、この一般という意味がよく分からないのですけれども、オープン化だと私はどこかで書いてもらいたいなと思うのが一点です。

それから、市町村が、さっき言いましたように、もはや既存の行政のままではいられないときに、誰がいるのだというと、実は高齢者がいるわけです。退職された高齢者や地域で頑張ってきた高齢者の皆さんがいる。この人たちをどう地域の安心安全の分野で消費者行政も含めて担える存在としていくのか。単に民間の会社に委託するのでなくて、より幅広い地域住民の方々に消費者行政に参加していただくという視点からの委託や連携というものを考えないと、もはや人材的に無理です。その点について、そういう位置付けのところが私はまだ十分にできていないのではないかと思います。

何かどこかから民間の会社がやってきて、そこに業務委託できるなどということは、田舎ではそう簡単にあり得ません。あり得ない形ではなくて、いかに幅広い層の人たちをこの問題に取り込めるかという観点から書かないといけないのではないかと思います。

そうした点で、財源の問題なのですけれども、財源の問題はちょっと偏っているなと思いますのは、まず、自主財源を確保しろと言って、超過課税や法定外普通税をやれと言うのですけれども、これは事務局、何か具体的な税が頭の中にあるのでしょうか。私はこれは非常に難しい話だと思います。もしも法定外普通税や自主課税をやるのであれば、この消費者行政分野で法定外普通税をやっていくとすると、唯一狙い目は、例えば通販課税とか、IT情報課税になります。この分野をやっていくと、必ず消費税にぶつかります。国は消費税を取っているのだから、それ以上地方は取るなという話になります。

もともと消費者問題の一番適切な財源は消費税だと思います。それはそうなのです。消費適正化をやっていけば、当然消費税にも跳ね返ってくるわけなので、それを財源としないという理屈はないわけです。だから、地方がやる場合にも、消費的なことにかけていかない限りは、自主課税や法定外普通税はないのです。そこのところで、国のほうの努力、例えば消費税の中で消費適正化部分に使えとか言うのなら分かりますが、地方の話だけするというのは、これはバランスが崩れているなと思います。

それから、「ふるさと納税」の件はいいのですけれども、もしもこれに付け加えるとすると「企業版ふるさと納税」というものがあります。これは企業のほうでやっていく話で、今年から大幅に拡充されました。エシカル消費だとか、そうしたものを前提にすると、また、SDGsを前提にすると「企業版ふるさと納税」というのは本当に使えると思います。これは是非とも入れていっていいと思います。

交付税に関しては、市町村分は総合化をしていく。分野を分散化していくと市町村は小さくなり、人口は小さくなっていくので、消費者行政分も小さくなるだけです。増えることはないです。となってくると、総合化して、その中で交付税の在り方を考えていかないと、財源確保ができなくなるのではないかと思います。

最後に、新型コロナの問題なのですけれども、これは双方向ありまして、一つは、人の交流がなかなかうまくいかなくて、それによって孤立化をしていくという問題点がある。もう一個は、こういうリモート会議のように、ネット化することによって逆につながる面がある。これは完全に未来の先取りだと思うのです。ですから、新型コロナについては、単に否定的に捉えるのではなくて、これからの社会の新しい在り方が出てきたのでそれを踏まえた形で、新しい消費者行政を構築するのだというふうに持っていくと、かえってプラス面でいけるのではないかと思います。

私からは以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

貴重な御示唆、重要な論点をたくさんいただきました。少し次回に向けてまた整理をさせていただきたいと思います。

それでは、八木委員、清水委員、池本委員からもいただいてございますので、八木委員からお願いいたします。

○八木委員 ありがとうございます。

先ほど池本委員から民間のことについてのお話があったのですけれども、私も民間を取り込んでいくことに関しては慎重である必要があるということに関しては、十分理解をしているつもりです。そして、行政が主導権を持っていることに全く異論はありません。

ただ、民間出身の委員として一言だけ申し上げておきたいのが、民間の団体あるいは企業というのが、常に危険な団体、組織というわけではないということを、御理解をいただきたいと思います。そして、不正を行う会社に対して腹立たしい思いをしている会社もたくさんあります。そして、行政でもオーバーシュート、過剰に反応して、活力をそいでしまうようなことが起こります。今回も「安全安心」という言葉が随分たくさん出てきています。そのこと自体、反対するものではないのですけれども、一方で消費者問題、あるいはこれからの経済の活性化ということを考えると、リスクを取っていかなければいけないことがあることも事実です。

ですから、どういう形で行政をやっていくのか、オーバーシュートして民間の活力を削ってしまうようなことのない状態の中で、消費者行政をいかにうまく進めていくのか。こういう議論をするためにも、民間が入っていることの意味合いはあるのではないかと。民間と行政が協力する関係をいかに構築していくかという観点を持って、書いていただく部分があってもいいのではないかと思っています。是非、民間をうまく活用していく視点、行政が主導権を握りながらも、民間をうまく活用して活力のある社会を作っていく観点を忘れないようにしたいと感じました。

2015年からSDGsが掲げられ、それに対して本気で取り組んでいこうという会社も多々あり、そういう会社を取り込んでいく努力も必要なのではないか。きちんとやっている民間に対して応援をする、あるいはそれを行政の中で生かしていくという視点も是非持ちたいと感じましたので、意見として申し上げておきます。

もう一つ、コーディネートセンターについて、資料2-2で、権限に関してはあえて書かれていないのだろうとは思いますが、11ページの2の(2)に、「解決する機能を持つ」と書いてあります。物事を解決する機能を持たせようと思うと、権限の議論が必ず出てくると思います。これを課題にすると大きな議論になってしまうというのは分かりますけれども、コーディネートセンターという機能を持ったときに、単なる連携する、情報交換ということではなくて、どのような権限を持たせるのかということを考えておかなければいけないのではないかと思いました。

○新川座長 どうもありがとうございました。

続きまして、清水委員、御発言をよろしくお願いいたします。

○清水委員 ありがとうございます。清水です。

1週間前にこの骨子が公表されて、私は数多くの北海道から九州までの相談員と行政職員と話を重ねてまいりました。当初、私がこの委員会のオブザーバーになったのは、事務局が20年後も消費者行政を担うのは地域である、その地域は市町村である、でも、市町村が破綻してしまうかもしれないので、その前に手当てが必要、そのための強化だという説明を受けておりました。それを基に進んでいると思っています。

しかしながら、今回の報告書、まだ骨子ではありますが、独り歩きすることを非常に危惧しております。現場では、また10年後、20年後に戻ってしまうのか。よく歴史は繰り返すと言いますが、またもや消費者行政の歴史は戻ってしまうのではないかという懸念が非常にあります。

今、特に消費者庁が地方消費者行政強化作戦2020の最中で、先日、相談員の担い手事業で試験対策講座の募集をしたところ、全国で600名近くの応募があったと聞いております。今まさに消費者庁が本気になって、相談員を育てようとしています。その先に20年後がある。今回、総務省の地方制度調査会に基づいて、足並みをそろえて報告書を出すというのは理解できます。しかしながら、消費者行政、特に消費者庁、消費者委員会は、設立してやっと10年です。小学校に上がって、まだ中学校にも行っていないという時期です。その段階で、現場がショックを受けるような報告書は書くべきではないと思います。

しかし、事務局はそんなふうには思っていないことは分かっています。現実、厳しいからしっかりやらなければということだと思いますが、非常にショックな内容だということが、現場の相談員、行政職員、特に自主財源で頑張っているところは思いました。20年先を見越してやっています。そういうところの議論が全く入っていないという声をいただいています。

そんな中で、県の役割はどうなるのか、まさしく総合型の行政にしていくためには、今、何をすべきか、消費者安全確保地域協議会、又は消費者教育推進地域協議会が少しずつ広がってきています。しかし、まだまだです。現存あるものの整合性と、その20年後の姿がどう結び付くのか。特に新しい組織を作るという案は、そもそも資源がない中で、新しい組織、誰が責任を持って作るのかというところをもう少し議論していく必要があると思います。

現場がやる気をなくすような報告書ではないと思っておりますが、意見としては、そのようなものが表に出ているので、今日の議論、相談員とか行政の人たちには是非見てもらいたいと思っています。よろしくお願いします。

○新川座長 ありがとうございました。

池本委員からも御発言の希望がございますので、恐縮ですが、池本委員、よろしくお願いいたします。

○池本委員 池本です。

時間がない中ですみません。手短に2点申し上げます。一つは、担い手の育成と連携の関係です。これについては、例えば8ページ辺りでも消費者サポーターという言葉が出ていますし、12ページ辺りでも下のほうに担い手となる民生委員とか児童委員、サポーターうんぬんと「連携し」ということは書いてあるのですが、まず、育成しないと連携する主体が実はいないというところの指摘がどうもないように思います。

同じく19ページでも「人的資源の活用」となっているのですか、ここも民間事業者、消費者団体、NPO等何々とあって、今ある人の中で活用しましょうとしかまだ読み取れない。むしろ、人を育てること。これから10年、20年先で市町村行政だけでは担うことができない、先ほど山田委員から御指摘がありましたように、市町村だけでは果たせなくなるところを民間が参画できる条件をどう作っていくかということでいえば、まずは担い手としての民をしっかりと育てていくこと。サポーターであったり、あるいは消費者教育の講師役もいれば、地域の高齢者の人たちも含めてどう参画していくかということだと思います。その意味で、地域で消費者行政の連携先であり、一部の担い手となる消費者市民サポーターを育成しつつ連携する。こういう観点を示していただきたいと思います。

先ほど、民間委託の関係で山田委員、八木委員から御指摘をいただきました。特に事業者の参画という意味でいえば、あるいは地域の中でネットワークを広げて、きめ細かに地域住民に伝えていくというところでいえば、民間の事業者の方にも大いに参画していただきたいし、既にそういう取組を幾つもの先駆的な事業者の中でもやっておられるということは複数聞いております。例えば、分野は違いますが、認知症サポーターというものを厚労省がやっていますが、あれは企業の中で積極的に研修の機会を作ったりしながら進めているというようなことをヒアリングなどで聞いてきました。

そのように広げていく部分と、むしろそのコーディネートをしていく、例えば消費者行政だけではないほかの分野と連携したり、さらには、悪質業者の取締りのためには、警察やあるいは都道府県、消費者庁の法執行の担当者とも密に連携をしていくという一番中核の部分、その意味での消費者行政、消費生活センターのところを、民間委託という選択肢ではなくてきちんと中核を残していく。ただ、本当に中小規模の市町村では単独で担えないのをどうしていくか。そうすると、一方では、広域センターを作り、他方では県がしっかりと補完をしていく。その辺りをどう作り込んでいくかは地域によって違うので、コーディネートセンターを作って地域に合わせて作り込んでいく、こういう話になるのではないかと思います。

その意味で、山田委員、八木委員から御指摘があった点と決して矛盾する問題として捉えていることではないという点を御理解いただければと思います。

以上です。

○新川座長 どうもありがとうございました。

いろいろと御意見をいただきました。そろそろ閉じなければならない時間ですが、各委員、今日のところはおおよそよろしゅうございますでしょうか。

本日は、各委員から骨子案につきまして、いろいろと御意見をいただきました。そもそも私どもの報告書骨子案の構え方として、その範囲について、「はじめに」のところが狭い記述になっているのではないか、また、私どもが重層的と言っている市町村、都道府県、そして、国の役割について、市町村の総合型、そして、府県のサポート型、そして、国の先端あるいは国際型、そういう位置付けをもっと明確にしていく必要があるのではないか。

また、民間との関係でも、むしろよりよい関わり方をどう確保するか。そして、公共的な責任をしっかりと踏まえつつ、しかし、多様な担い手が効果的に組み合わさるようなエコシステムという御指摘もいただきましたが、そういう観点での広がり方、広げ方が重要ではないか。同時に、その中で大きな役割を担っていかれる相談員の方々の在り方について、地方消費者行政の現場の職員の方、そして、相談員の方々が、将来にどういう希望を持って進んでいかれるのかということも示すことができるような提案にしなければならないということで御意見をいただきました。こうした相談活動等々が将来にわたって、むしろその重要性や社会的な認知を大きく増していくような、そして、その役割が安心安全な消費者市民社会を作っていくというところが重要かもしれません。

あわせて、そうした担い手をどう作っていくのか、その中心をどう置くのかということ、これもまだまだ私どもの議論の中心としては不十分なところもありますので、もう少し事務局と御相談をしてみたいと思っております。

いろいろと御意見をいただきましたけれども、以上のような点を踏まえまして、改めて次回までにこの骨子案、更にブラッシュアップをして御議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

各委員、今日のところは以上でよろしゅうございますでしょうか。

ありがとうございました。


≪4.閉会≫

○新川座長 それでは、本日のところは、以上をもちまして閉会とさせていただきます。予定の時間を25分ほどオーバーしてしまいましたが、お忙しいところ御参加をいただきまして、本当にありがとうございました。

以上をもちまして、終了とさせていただきます。御苦労さまでございました。

(以上)