第1回 人工知能(AI)技術の利用と消費者問題に関する専門調査会 議事録

日時

2026年2月13日(金)10:00~11:45

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

(委員)
【会議室】
小塚座長、丸山座長代理、加藤委員、坂下委員、田中委員、野村委員、馬籠委員
【テレビ会議】
大塚委員、岡崎委員
(オブザーバー)
【テレビ会議】
大澤委員、柿沼委員、善如委員
(事務局)
小林事務局長、吉田審議官、友行参事官、江口企画官
(説明者)
五十嵐大介 朝日新聞編集委員

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    ①専門調査会の運営について
    ②専門調査会の設置の趣旨及び今後の進め方について
    ③消費者を取り巻くAI技術の現状について
       有識者ヒアリング(五十嵐 大介 朝日新聞編集委員)他
    ④専門委員紹介
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○江口企画官 本日は、皆様、お忙しいところ御参加いただき、ありがとうございます。ただいまから、消費者委員会第1回「人工知能(AI)技術の利用と消費者問題に関する専門調査会」を開催いたします。

本専門調査会の座長につきましては、第481回消費者委員会におきまして、小塚荘一郎委員が鹿野委員長より指名されております。どうぞよろしくお願いいたします。

委員につきましては、参考資料1として専門調査会委員名簿をお配りしておりますので御確認ください。

本日は、小塚座長、加藤委員、坂下委員、田中委員、野村委員、馬籠委員、丸山委員には会議室にて、大塚委員、岡崎委員にはテレビ会議システムにて御出席いただいております。

なお、唐沢委員は、所用により御欠席との御連絡をいただいております。

また、消費者委員会から、鹿野委員長、大澤委員、柿沼委員、善如委員、山本委員にはオブザーバーとして御参加いただく予定です。本日は、大澤委員、柿沼委員、善如委員にはテレビ会議システムにて御出席いただいております。なお、鹿野委員長、山本委員は所用により御欠席との御連絡をいただいております。

また、本日は、朝日新聞編集委員の五十嵐様に御発表をお願いしております。五十嵐様には会議室にて御参加いただいております。

議事に入る前に、進め方と配付資料について確認させていただきます。

まず、本日は、報道関係者のみ会議室にて傍聴いただき、一般傍聴者にはオンラインにて視聴いただいております。

議事録につきましては、後日、消費者委員会のホームページに掲載いたします。議事録が掲載されるまで、ユーチューブでの見逃し動画配信を行います。

次に、配付資料につきましては、お手元の議事次第に記載してございます。もし不足の資料がありましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

それでは、ここから、小塚座長に議事進行をお願いいたします。

○小塚座長 学習院大学の小塚でございます。

本専門調査会の座長として、消費者委員会の鹿野委員長から御指名いただきました。力不足でございますけれども、尽力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

座りまして、一言申し上げたいと思います。

デジタル技術と消費者問題ということについては、従来は、デジタル技術についていけない、使いこなせないという消費者の問題がフォーカスされてきました。これはもちろん今後も非常に重要な問題ですが、本専門調査会ではまた新しい問題に光を当てたい。それは、むしろデジタルネーティブ、スマートフォンネーティブのような、デジタル技術を使いこなす消費者、使いこなすがゆえに消費者問題に直面し、例えば紛らわしい広告に惑わされたり、スマートフォン、アプリなどに多くの時間を割いてしまったりするような、そういう消費者の問題、こういう問題を消費者政策の中にどう位置づけていくかということを取り上げていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。


≪2.議事 ➀専門調査会の運営について≫

○小塚座長 それでは、最初に、専門調査会の運営に関する説明をお聞きしたいと思います。事務局から御説明いただけますでしょうか。お願いします。

○江口企画官 配付資料の参考資料2「人工知能(AI)技術の利用と消費者問題に関する専門調査会 設置・運営規程」を御覧ください。

こちらは、第480回消費者委員会の審議において決定された規程でございます。

また、参考資料3「下部組織の会議運営の在り方に関する申し合わせ」が消費者委員会においてなされております。

本専門調査会については、これらの規程及び申し合わせに沿って運営をしてまいります。

以上でございます。

○小塚座長 ありがとうございました。

私から申し上げたいのは、この運営規程の第2条第4項というところで、座長があらかじめその専門調査会に属する構成員の中から座長を代理する者を指名することができると、こういう規定がございます。

そこで、丸山絵美子委員に座長代理をお願いしたいのですけれども、丸山委員、お願いできますでしょうか。

○丸山座長代理 御指名ありがとうございます。承らせていただきます。

よろしくお願いいたします。

○小塚座長 ありがとうございました。

それから、本日は初回ということですので、各委員の皆さんからお一人ずつ御挨拶の時間を頂戴したいと思っております。後ほど御用意しております。

それでは、報道関係者の皆様、本日、カメラ撮りに入っていただきましてありがとうございました。ここまでとさせていただきたいと思います。

(報道関係者退室)


≪2.議事 ②専門調査会の設置の趣旨及び今後の進め方について≫

○小塚座長 それでは、事務局から本専門調査会の設置の趣旨、それから今後の進め方について御案内をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○江口企画官 お手元の資料1「人工知能(AI)技術の利用と消費者問題に関する専門調査会の設置の趣旨及び今後の進め方」を御覧ください。

表紙をめくって、1.専門調査会の趣旨でございます。

今後AI技術の利活用が拡大する見込みであることに鑑み、AI技術の健全な社会実装に向け、現在生じているまたは将来起こり得る消費者問題について検討を行い、課題の整理を行うとともに、必要な対応策を取りまとめることが必要といったことや、消費者の意思決定のプロセスに影響を与え得るAI技術について、消費者の自律的意思決定を阻害することが消費者被害と捉えて検討することが重要といった問題意識から、消費者委員会の下部組織として専門調査会を設置し、調査審議を実施してまいります。

内容といたしましては、1.消費者を取り巻くAI技術の現状について概要を整理。

2.AI技術と消費者の意思決定の関係について、消費者がAI技術を直接利用できるようになったことにより、認知プロセス面等にどのような変化が生じ、または生じ得るのかなどについて検討。

3.AI技術とそれに関わる消費者問題について基本的な考え方を検討し、消費者・事業者のAI技術の利用により生じ得る消費者問題について整理。

4.消費者の自律的意思決定を確保し、AI技術を適切に利活用するために、現行法などで可能な対応などを検証。また、新たな規律・取組の方向性(技術によるエンパワーメントなど)について考察といったこととなっております。

次に、検討内容の概要案でございます。

令和8年2月、本日でございますが、「消費者を取り巻くAI技術の現状について」ということで、消費者が利用可能なAI技術、消費者によるAI技術利用の実態、米国における消費者を取り巻くAI技術の現状といったことについて検討いたしてまいります。

また、3月、4月を目途に「AI技術と消費者の意思決定の関係の変化について」ということで、生成AI実装以前から見られたもの、LLMを用いた生成AI実装(消費者による生成AIの直接の利用)後に生じたものについて検討する予定です。

4月から7月を目途に、「AI技術と消費者問題について」ということで、消費者問題検討における基本的考え方、AI技術の消費者・事業者による利用と具体的な消費者問題について検討する予定です。

8月から10月を目途に、「消費者によるAI技術の適切な利活用に向けて」ということで、制度的課題などの留意すべき点などについて検討する予定です。

また、10月から12月にかけて、報告書(案)の検討、取りまとめを行い、12月には消費者委員会へ報告書を報告できるようにしたいという目標で進めてまいりたいと考えております。

次のページですが、委員の方々の名簿と消費者委員会からオブザーバーとして参加していただける方々を掲載しております。

事務局からは以上です。

○小塚座長 ありがとうございました。

それでは、今、御説明いただいた内容につきまして、御質問あるいは御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。会場で対面御出席の方は挙手をしていただけますでしょうか。オンラインの方からはチャットでお知らせいただくというお願いをしたいと思います。いかがでしょうか。

事務局、オンラインからどなたか来ていますか。よろしいですか。

ありがとうございます。

それでは、皆様、御理解いただいたと承知いたしました。


≪2.議事 ③消費者を取り巻くAI技術の現状について
有識者ヒアリング(五十嵐 大介 朝日新聞編集委員)他≫

○小塚座長 さて、ここから議事③ということになります。「消費者を取り巻くAI技術の現状について」ということです。このパートは事務局でプレゼンを御用意いただいておりまして、その後、引き続きまして、本日有識者としてお越しいただきました朝日新聞編集委員の五十嵐様にヒアリングをさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。その後でまとめて質疑応答、意見交換とさせていただきたいと思います。

それでは、事務局からお願いできますでしょうか。10分程度と伺っております。

○事務局担当者 事務局でございます。

資料2を御覧いただければと思います。画面でも投影させていただければと思います。

では、事務局のほうから、消費者が利用可能なAI技術と消費者によるAI技術利用の実態調査の実施予定について、簡単ではございますが御説明をさせていただければと思います。

まず、「消費者が利用可能なAI技術」というところでございます。

AI技術は既に2020年頃には、消費者庁が当時発表したハンドブックにイラストで示されておりますとおり、多様な商品・サービスに実装されて、消費者の日常生活を支えてきております。これら従来の技術の進展に加えて、2022年頃、消費者が生成AIサービスを使用できるようになりました。生成AIという定義でございますけれども、総務省の情報通信白書から引いております。人間のように文章や画像を生成し、多岐にわたるタスクを自律的にこなすことができる革新的な技術と、このように定義がされております。

そして、現在でございますけれども、AI技術はその後急速な進化を続け、現在ではAIエージェントや、いわゆるフィジカルAIなどとして、消費者の日常生活に組み込まれつつある状況かと存じます。

AIエージェントにつきましても、総務省の情報通信白書から引用させていただいております。自動的にタスクを決定(必要に応じてタスクを細分化)して処理を実行する機能を持つものと定義してございます。

いわゆるフィジカルAIにつきましても言及させていただいておりますけれども、今後の発展が大幅に見込まれているものではございますが、今回の専門調査会では、議論上の制約から検討対象外とさせていただければと考えております。

次のスライドを御覧いただければと思います。

様々なAI技術の中でも、生成AIにつきまして、また改めて定義を引用させていただければと思います。人間のように文章や画像を生成し、多岐にわたるタスクを自律的にこなすことができる革新的な技術であるとされているところでございます。この生成AIなどのAI技術は、消費者は直接利用ができ、例えば調査分析ですとか、対話による相談や生活サポートですとか、文章・画像・動画・音楽作成など幅広く利用がされているところでございます。

これらのAI技術が既に広く用いられているところは、皆様御高承のとおりのことかと思いますけれども、これに加えて、主に事業者サイドとして商品・サービスのレコメンド機能や商品の最適化などで利用するAI技術と掛け合わされることも増えておりまして、消費者の日常生活に組み込まれつつあるといえます。

このような状況から、主に次のような問題意識が生じるかと思います。下の四角囲いを御覧いただければと思います。つまり、現在、AI技術というものは、消費者の意思決定の材料を単に提供していた段階から、意思決定を代替するような段階に入ってきたといえるのではないかというところ。また、そもそもこの技術は、いかなる仕組みによってその生成物を人間が作成したものであるかのように消費者に認識をさせているのか。そして、これらの技術は消費者の意思決定のプロセスに一定の影響を与えると考えられるのではないか。さらに、仮に消費者の意思決定のプロセスに問題が生じているのであれば、対策が必要なのではないかといった点になるかと思います。

以上申し上げた点に限られるものではもちろんございませんが、本専門調査会では主にこのような問題意識の下、専門委員の皆様に活発な議論を行っていただければと考えております。

ただ、まず議論の前提が必要であろうということでございまして、消費者のAI技術の利用が実際どのようなものであるか実態調査を行う予定でおります。

次のスライドをお願いできればと思います。

現在、事務局では、AI利用の実態調査について準備を進めているところでございます。

趣旨といたしましては、消費者が生成AIをどの程度、またどのように利用しているかを調査するものであるというところ。また、生成AI、とりわけ対話型AIの利用が消費者の日常生活に影響を与えているか、また、与えているとすればどのような影響を与えているかをアンケート形式で調査していきたいと考えております。

対象の予定者といたしましては、国内の10代から70代以上の生成AIを利用する方々を予定しております。

こちらの結果につきましては、第2回の専門調査会で報告させていただく予定でございます。

以上、事務局からの御説明とさせていただきます。

○小塚座長 ありがとうございました。

それでは、続きまして、有識者ヒアリングを行いたいと思います。先ほども少し申し上げましたが、本日、朝日新聞編集委員の五十嵐大介様に会議室にお越しいただいております。五十嵐様は昨年まで米国カリフォルニア州に駐在しておられたということで、米国といえばAI関連企業が多数輩出されている。その米国でAI技術が社会に与える影響を取材してこられ、現在もこの分野で精力的に記事を御執筆ということです。

本日は、「米国における消費者を取り巻くAI技術の現状」ということでプレゼンをいただけるということです。御多忙の中、お越しいただきましてありがとうございます。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

○五十嵐編集委員 ありがとうございます。朝日新聞の五十嵐と申します。

本日は、貴重な場所にお招きいただき、ありがとうございます。

20分ぐらいと伺っていたので、私のほうからざっと、主にアメリカの現状についてお話ししたいと思います。よろしくお願いします。

今、御紹介いただいたのですけれども、簡単に自己紹介しますと、2003年に朝日新聞に入りまして、主に経済系の取材が多くて、一時期社会部にもいたことがあります。経済部時代にもITとかの取材をしていたのですけれども、経済・社会の両面でデジタルの状況を見てきました。

直近10年は、2013年から4年半ぐらいワシントンにおりまして、去年まで3年半ぐらいサンフランシスコにいました。なので、国際報道とかアメリカの動向という取材が長かった状況です。

AI関連のサービスの現状というところなのですけれども、アメリカでも、かなり日本で今起きていることと近いのかなということで、皆さんもかなり御存じなところもあるかと思うのですけれども、さらっと示してみました。

私がサンフランシスコに行ったのが2021年だったので、その翌年にChatGPTが出まして、その後のAIブームというのはものすごい状況で、それから3年なのですけれども、本当に自分で取材していても物すごい勢いで技術が進化しているなという状況です。

今、一番上にあるのがChatGPT、直近で世界で8億人ぐらい利用者がいると言われていますけれども、去年も大分話題になりましたとおり、ソラ2という動画生成AIが出たりとか、最近OpenAI収益化ということで、広告のビジネスも始めるという方針を出したり、いろいろなサービスが広がっている状況です。

消費者向けを主にまとめているのですけれども、Googleも同様のサービスをいろいろ展開しまして、Geminiについてはこの間の決算ではアプリの利用者が今7億5000万人ぐらいいるという状況です。消費者向けのサービス的にも、動画生成アプリとか画像生成アプリなども出しているという状況です。

一番下はメタ、元フェイスブックですけれども、メタも同様のAIのサービスをいろいろソーシャルメディア向けに出しています。

1つ加えたのは、彼らはスマートグラス、メタレイバンというもの、日本ではまだ出ていないのですけれども、欧米で展開しています。

右下にある写真がおととしの発表、私が行ってきたときの写真を入れたのですけれども、ARと言うのですかね、サングラスの画面にこういったデータというかいろいろな映像を表示できるというサービスになっています。拡張現実と言われていますけれども、これを今度やるのだということで、デモで示している状況です。

今、こういったスマートグラスにもかなりAI機能を入れていまして、画像もそうですし、音声で直接AIと対話できたり、私も実際これ、かけてみたのですけれども、ものすごいスマホとやり取りする以上の没入感というのですかね、かなりAIにさらに寄っていくなという世界が出てきている状況だと思います。

スマートグラスに関しては、Googleも試作機を去年出していたりするので、この辺の動きも広がってくるのかなと思います。

あと、対話型AIという意味では、チャットボットで海外ではレプリカとかキャラクターAIと言われているようなものが広がっていたりとか、あと、ここには示していないのですけれども、AI関連という意味では今、自動運転もかなり広がっていまして、サンフランシスコなんかは今、運転手がいないWaymoとか、これはかなりもう何年も運営しています。日頃の日常的な生活でも私も使っていましたし、これが本当にもう当たり前の生活というのが少しずつアメリカの都市で広がっているという状況です。

あとは、フィジカルAIという物理空間のロボットとかを動かすAIも最近話題になっています。アメリカでいえば、消費者向けという意味では人型ロボット、この辺の進化も非常に進んでいまして、今年はたしかNEOという人型ロボットを家庭向けにもうアメリカでは売るというような状況になっているので、どんどんソフトウエアだけではなくていろいろなハードも含めてAI関連のものが広がってきていると思います。

規制の部分を話してほしいという話だったので、少しこちらでまとめてみました。

AIといっても、先ほど事務局の方もお話しされていましたけれども、非常に幅広い定義で、そういった意味では生成AI以前からいろいろなAIというのは既に広がっていたわけなのですけれども、特に2022年のChatGPTが出て以来、アメリカでも相当な議論を呼んだり、規制をどうすべきかという議論が広がってきました。ただ、アメリカの場合、連邦議会でこういったデジタル政策を規制するというのがもう何年も非常に難しい状況になっていまして、どちらかというと州主導でいろいろな規制が広がっているという状況です。

一つお示ししたのは、幾つかここにデータを入れているのですけれども、一つは全米州議会議員連盟(NCSL)という団体がまとめた状況ですと、去年、アメリカ50州の全てが何らかのAIに関する法案を提案しているという状況です。既に38州がおよそ100件の様々なAIの規制を入れています。

右側の地図なのですけれども、これはIAPP、国際プライバシー専門家協会という団体がまとめたもので、こちらを見ると、これはかなり包括的なAI規制を入れている州をまとめているのですけれども、それによると今、カリフォルニア、ニューヨークなど5州でそういった動きがあるという状況です。

背景についてはこの後少し触れたいと思うのですけれども、主にこういった特にChatGPT以降の急速な進化というものがある。あとは生成AI以前のSNSの副作用、子供の自殺の問題とか依存の問題というのは本当に過去何年もずっと問題になってきたというところも背景にあるのかなと思います。

幾つか州ごとの規制を簡単に御説明したいのですけれども、先ほどの包括的という意味では、非常に注目されたのが去年、可決・成立したカリフォルニアの最先端AI透明化法という法律です。これは主に売上高5億ドル以上の大規模なAIモデルの開発企業が対象ということなので、いわゆる日本の方も知っているOpenAIとか、Googleとか、大手を主に対象にしているものだと思います。

ここでは、リスク違反を報告する内部告発者の保護とか、違反企業に対しての罰金、あと殺人とか人の命に関わるような事例につながり得る壊滅的なリスクを査定しなさいとか、いろいろな問題が起きたときの報告を州のほうにしろという内容です。

カリフォルニアについては、おととしもAI法案というのは実際に議会で可決されて、これよりもっと厳しい法案が議論されていまして、そのとき議会では通っていたのですけれども、AI企業のいろいろな反発とか、あと実際にニューサム知事も、今、いろいろなテック企業の起業家とかが一部規制が厳し過ぎるということで、カリフォルニアからテキサスとかほかの州に流れる動きもあったりして、このときは、知事は拒否権を使ってこの法律はなくなったと。ただ、少し緩めた法律として今回できたという状況です。

あと、身近な話としてはチャットボット関連の法案を幾つか拾ったのですけれども、チャット関連だと、カリフォルニアでも去年の10月、コンパニオン・チャットボット法が成立しました。アメリカメディアによると、アメリカで初めてのチャットボット規制に特化した法律だということです。

チャットボットのやり取りをするところで、サービスの画面上でちゃんとAIと自分がしゃべっているんだというのが分かるような明示をしろとか、チャットのやり取りをしているところで自殺念慮、自殺願望があるような人だなというのを検知した場合にどうするかという対策をつくるように言ったりとか、未成年については3時間ごとの注意喚起を何らかしなさいとか、そういったものが盛り込まれた法律です。こちらについては違反1件につき1,000ドルの罰金ということで、内容を見ると民事訴訟を想定しているようなので、集団訴訟とかになったらこの金額が上がっていくのかなと思います。NCSLによると、少なくとも5州が同様の法律を導入しているという状況です。

AIの規制の前で、特にこういった消費者向けの部分とか依存というところで、アメリカで議論が何でここまで来ているかというところの背景に一つあると思っているのは、子供のSNS利用をめぐる法規制とか議論だと思っています。現状では、アメリカの10州で未成年のSNS利用を制限する法律ができています。最近、オーストラリアとか、海外でも子供のSNS規制というのは非常に動きがあるので、皆さんも関心があるところかと思うのですけれども、アメリカでも一部進んでいます。

特に訴訟関連という意味では、2023年にカリフォルニアやコロラドなど41州がフェイスブック、今のメタ社に対して、若者への心理的な影響があると知りながら利用者を欺いていたということで、州の消費者保護法違反などで提訴しています。この内容では、メタ社がアルゴリズムの設計に変動報酬スケジュールと呼ばれる心理学の手法を使ったと言っていて、これはいわゆるギャンブルとかによく使われていると言われている手法なのですけれども、いつ当たりがあるか分からないというか、いつ「いいね」がもらえるか分からないという状況をうまく使っているという主張になっています。

これはアメリカでずっと議論になっていた通信品位法230条というのがありまして、要するに表現の自由に基づいて、そのコンテンツ自体の判断というか、そこの責任というのを事業者から免除するという法律があるのですけれども、それをかわす狙いがあるという状況です。

もう一つ、子供の部分で議論が広がっていた背景としては、本当に先ほど話したとおり、子供で実際に自殺をしている人がいろいろ報じられたり、いろいろな動きが過去何年かあったというのが背景にあります。

あと、転機みたいになったところがあるのかなと思った意味で幾つか紹介したいのですけれども、1つは元フェイスブックの従業員のフランシス・ホーゲンさんという方が、2021年に大量の内部文書を公開して内部告発をしたという事例がありました。私も内部文書を実際に入手して、連載とかで報道したのですけれども、本当にここまでプラットフォーマーの内情みたいなものが内部告発されて報道されるという事例は、私もアメリカに長くいてもなかなかない事例だったのかなということで、非常にこれは関心を集めました。

もともとホーゲン氏は、どちらかというと新興国のSNSの規制が緩いというところが本人は問題意識としてあったようなのですけれども、出した文書も分量的にはインドとか新興国の文書が非常に多かったのです。なので、実際未成年の子供の対策という文書は意外と少なかったのですが、実は国民とかメディアの関心を一番得たのが子供への対策だったという状況です。

あと、右下の本、ジョナサン・ハイトさんという人が書いた『The Anxious Generation』という、2024年に英語では出ているのですけれども、おととし、これが非常にベストセラーになりました。要するにSNSの子供に対する影響というのはどういうものがあるのかというのを彼なりにいろいろな分析をして、警鐘を鳴らした本です。日本でもたしか今年だか最近、日本語になって出たようなのですけれども、これが非常に影響があったかなと思います。

あとは、医務総監であるSurgeon General、アメリカの医療政策をつかさどるトップの方も、SNSに関しては、特にバイデン政権時なのですけれども警鐘を鳴らしていまして、アメリカの議論を見ていて思うのは、SNS自体をたばこと同様と考えるべきだという議論が結構ありました。SNSにも広告文、昔あったたばこの横にこれを吸うと健康に悪いですみたいな、そういう警告文をつけろという、そんな意見もしていました。

AIの前段の部分ではあるのですけれども、SNSのこういういろいろな副作用の議論というのが、私は今のAIの議論の以前からあった背景として非常に大きいのかなと思います。

AIの今の規制の議論を聞いていましても、ソーシャルメディアの二の舞になるなという議論を非常によく聞きます。実際にユーザーが増えて、特に若者というのは私たちも知らないような、本当に生まれ育ってSNSとかAIと向き合う世代というのは我々もない世代なので、実際にどういう影響があるかは本当にまだ分からない状況なのですけれども、徐々にその辺の研究も今、進んできて、その反省に立ってAIにどう対応しようかという議論をしているのかなと思います。

この辺りは時間がなくなってきてきたのでざっとなのですけれども、トランプ政権のほうは、今、AIに関しては大統領令という形で幾つか出しています。簡単に言うと、バイデン政権は、AIに関してはChatGPTが出た直後というのもありまして規制がかなり前面に出ていたのですけれども、今、トランプ政権になって、シリコンバレーの企業とも政権がかなり近づいていたり、シリコンバレーの著名投資家が実際にAI政策に携わったりという状況になっているので、非常に今、促進のほうに軸足が向いている状況です。

特にAI関連でいうと、去年の12月に州レベルの法律を一本化しなさいという大統領令を出したりというような動きがありまして、これに関してはアメリカの中でもいわゆるMAGA派というかトランプ支持者の中からも反発が出ていたりするので、アメリカは今年選挙がありますけれども、もしかしたらこの辺りの話も話題になるのかなというふうに見ています。

あとは企業の自主規制というところなのですけれども、各社、この問題は一応いろいろなところで報じられたり問題になってきているので、いろいろな対策は打ち出しています。

OpenAIでいうと、長時間の利用をした場合に、少し休んだらどうですかという通知を入れるという機能、あとはAIを使って年齢予測をする機能、あと先ほどカリフォルニアの法律でもありましたけれども、未成年の利用者が自殺願望を抱いているときに、保護者に通知するような機能みたいなのをやっています。彼らの説明によると、AI開発者だけではなくて心理学者とか、教育関係者とか、いろいろなステークホルダーと相談しながら対策をつくっているという状況です。

メタに関しても、13歳以下の利用者の1対1のやり取りを保護者が制限できる機能とか、AIによる年齢予測機能とか、こういったものをつけています。

ただ、こう見ていると、私自身も保護者、親なのですけれども、子供のSNSのコントロールというのは、親も忙しいですし、なかなかここは限界があるのかなということで、これは引き続き検討していくような内容なのかなと思います。

この辺もざっと行きたいのですけれども、これはピューリサーチという世論調査会社の資料なのです。アメリカは今、最先端のAIを作っている国で、世界をリードしている国なわけなのですけれども、そういった国でありながらAIに対する警戒心というのは非常に強いというのがこのデータで出ています。若干見づらいのですけれども一番上、青い部分がAIについて、AIが日常に広がっているこの状況についてどういうふうに感じますかと聞いたところ、アメリカの場合、50パーセントがわくわくするというよりは懸念していると。よりわくわくしているというのは10パーセントしかいません。アメリカ人は今、これは依存だけではなくて、雇用とかいろいろな幅広い影響を人々は気にしているので、そこが出ているのかなと思います。

一方、日本は、ずっと見ていくと割と下のほうでして、懸念しているという人が28パーセント、わくわくが16パーセントということで、若干懸念のほうが多いのですけれども、アメリカよりは懸念している人は少ないのかなと思います。

これが最後になるのですけれども、じゃあどうしていくかというところなのですけれども、規制という部分ももちろん重要なので、引き続き検討していく課題だと思いますけれども、もう一つ、個人レベルでいうとリテラシーの向上というのは非常に大きいのかなと思っています。

今、子供のデジタルリテラシー教育というのはアメリカでも広がっているというのと、例えばカリフォルニア州で2024年に公立の学校、高校生まで、アメリカの場合、18歳まで、大学に入るまでパブリックスクールということで公立の学校に大体行くのですけれども、そこでのスマホの制限なり禁止をするルールをつくりなさいという法律ができました。今年の7月までにそれをやるということになっています。

カリフォルニアの学校でよく見るのは、Yondr(ヨンダー)と言われる右のグレーのパッチなのですけれども、これはどうなっているかというと、朝、学校に行って、学校に入る前にゲートがあって、そこでこのバッチにスマホを入れると。そこでロックがかかるのですけれども、このロックが自分では開けられないと。特殊な機械がないと開けられなくて、下の円盤の部分が特殊な機械なのですけれども、そこにピッと下校のときに当てるとそのパッチが開いて、スマホが使えるというような仕掛けになっていまして、うちの子供たちもこれをずっと使っていました。もちろん悪い子もいるので、これをどう壊すかですとか、そういうこともいろいろあるのですけれども、一応こういう取組をしているとかというのがあります。

あとは、これもピューリサーチの調べなのですけれども、所得が高い家の子供ほどSNSを使わないというようなデータも今、出てきたりしています。13歳から17歳でほぼ常にネットを使っているという人の割合が、世帯収入7万5000ドル以上の家庭は43パーセントという数字で、一方で3万ドル以下というところが51パーセント以上になっているということで、こんなデータも今、出てきていて、AIに関してもその恩恵とその副作用がこういう格差を生むのではないかというところも今、問題になっています。

最後に言えるかなと思うのは、消費者側としてはテクノロジー、特に今の生成AIは本当に複雑だし、専門家でも難しい分野になってきている状況で、消費者と開発企業との情報格差というか、知識の格差というのはさらに広がっているというところで、企業側の情報開示なり透明性というのは非常に重要かなと思います。

最後に、テック企業の倫理の部分の問題を扱う市民団体の厚さというのも非常にアメリカでは感じました。右下にあるEFFという団体も象徴的なのですけれども、テック企業が非常に進んでいる分、いろいろな問題をその従業員たちも見て、これを変えたいという人たちが会社の外に出てこういう団体をつくったりとか、いろいろな改善をしようという動きをしているというのは非常に層として厚いなというのがありまして、その辺もアメリカの進んでいる部分かなと思いました。

最後に、テクノロジー分野の報道に関しても、日本よりテックメディアとかテック報道というのは非常に分厚い部分もあるので、その辺もこういった問題に対する人々の認識を広げているのかなと思います。

すみません、ちょっと長くなってしまいましたけれども、私からは以上です。

○小塚座長 五十嵐様、ありがとうございました。非常に興味深いお話をいただきましたので、ぜひ今から議論をしていきたいと思います。

11時半頃まで最大限時間を取りたいと思います。まず、委員の皆様から御質問、御意見をいただきまして、恐縮ですがオブザーバーの消費者委員会の委員の皆様はその後、一巡した後で御発言をいただければと思いますが、私がお聞きしているところでは、オンラインの岡崎委員はお時間があるということなので、もし最初に一言何か御感想でも御発言でもありましたらいただけますでしょうか。

○岡崎委員 ありがとうございます。東京科学大学の岡崎と申します。

このたびは大変興味深いお話をありがとうございました。

いろいろな問題が起こっていて、それについてどういう対処をしているのかというところをコンパクトにまとめていただき、ありがとうございました。

今回のお話は、AI全般の技術の現状ということでしたので、リコメンデーションの話なども含まれていたと思うのですけれども、SNSの場合は一応、相手が、人間がいて、それをつないでくれるというそういう仕組みだと思うのですけれども、生成AIになったときに、そのつないでくれる相手が今度はAIになってくるというところで、また一段違うところがあると思うのですけれども、生成AI特有の問題とかというところに関して、自殺の話とかもありましたけれども、ほかにどういった話があるというのはあるでしょうか。

○小塚座長 五十嵐様、いかがでございますか。

○五十嵐編集委員 ありがとうございます。

恐らくおっしゃっているのは今、広がってきているようなAIエージェントとか、多分そういう動きになってきているのかなと思うのですけれども、規制とかこの辺りの部分での実際の詳細な具体例みたいなところは、私も今の状況は分かりません。

○岡崎委員 その辺の話はこれからという感じですか。これから規制もどんどん考えていかなければいけないということで、まだまだこれから新しいサービスが出てきたりとか、AIが出てきたりということに、対応がなかなか追いついていないという感じなのですか。

○五十嵐編集委員 そうですね。恐らくAIエージェントも去年とか今年ぐらいから普及がどんどん広がってくると思うので、ここからいろいろな議論が出てくるのかなと思います。

○岡崎委員 ありがとうございます。

あと、SNSの話とか、あと携帯をブロックしてしまうという話もすごく面白かったのですけれども、これは学校にいる間が禁止ですよという話なのでしょうか。

○五十嵐編集委員 そうですね。学校にいる間です。

○岡崎委員 学校から帰った場合は普通にSNSを使っているので、根本的な例えば未成年の子供の保護につながるかというとそういうわけではなくて、学校内でのトラブルとかを防ぐという感じですか。

○五十嵐編集委員 そうですね。少なくとも学校の中だけでもということで、学校でのSNS利用というのはアメリカでも結構前から問題になっていまして、そこをまず止めて、少なくとも子供の場合は学校にいる時間が結構長いということで、恐らくまずそこからやるというところだと思います。なので、これも完全な防止には多分ならないのですけれども、子供が長くいる時間ということで、学校もやるということだと思います。

○岡崎委員 分かりました。ありがとうございます。

私からは以上です。

○小塚座長 ありがとうございました。

それでは、委員の皆さん方、どなたからでも御発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。

田中委員、お願いします。

○田中委員 御発表ありがとうございました。スライド7をもう一度拝見してもよろしいでしょうか。こちらで御紹介いただいた、アルゴリズムの設計に変動報酬スケジュールという手法を使ったという主張がなされたという件なのですけれども、もし御存じでしたら、どのようにこれが発見することができたのかということと、もし内部告発でしたら、内部告発以外の手法で例えば自動検出技術を設けなければならないというような、そういった議論があるかどうか、この2点を教えていただけますでしょうか。

というのも、インターフェースレベルの操作はダークパターンとして大分有名になってきていますけれども、深いところのアルゴリズムレベルに組み込まれた操作というのはダーケストパターンと呼び分けられているように、非常に一般のユーザーからは見抜くことが難しい。これがどのようにして見抜くことができたのか御教示いただけますと幸いです。

○五十嵐編集委員 ありがとうございます。

1点目なのですけれども、訴状を私も見たのと、実際訴えている人たちを面倒見ているというか世話をしている弁護士さんがシアトルにいるのですけれども、彼がかなり多くのケースを手がけています。

中では、自分たちでこれを調べ上げたというよりは、アメリカの例えば心理学会とかそういう学者さんとか研究者が出しているレポートが幾つかありまして、幾つかのレポートで、子供に対してこれだけの影響があったというのをまとめた調査みたいなのを幾つかそこに引用して、それを根拠に訴えていたと、たしかこの訴状ではそうでした。

○田中委員 2点目は、なかなか大変だと思うのですけれども、自動で検出する技術みたいな方向に行くのか、透明性を確保するために、内部だとか一部の人が主張するという手続を取らないで、もう自動で検出できるような、透明性を保とうみたいな、そういった議論があるかどうか。

○五十嵐編集委員 アルゴリズムの透明性とかそういうことですか。

○田中委員 そうです。

○五十嵐編集委員 そうですね。その辺の議論は確かにありますね。ただ、アルゴリズム自体を公開したところで、問題点をどう見つけるかという議論も結構あったりして、最近でいうと、イーロン・マスクさんが買収した後のXはたしかアルゴリズム自体は公開したりもしていたりするのですが、それによって、実際それがどういうふうな仕組みで、こういうアルゴリズムになっているというところはなかなか外から分析するのは難しいみたいで、透明性というところもおっしゃるとおり、どういうふうにしてそこを計測したり対策するというのは、まだアメリカでもいろいろな議論があって、決着していないようなところがあるのかなと思いました。

○田中委員 ありがとうございました。

○小塚座長 それでは、オンラインから、大塚委員からお手が挙がっているそうです。

大塚委員、よろしくお願いします。

○大塚委員 ありがとうございます。大阪大学の大塚と申します。

貴重な御報告ありがとうございました。アメリカでは州レベルで非常に速いスピードで規制が進んでおりますので、なかなか追いかけていくのが大変ということもあり、本日大変整理された御報告を聞けて助かりました。

その上で2つ質問させていただきます。

1つ目は、アメリカで非常に速いスピードでの規制が進んでいる。あるいは、日本に比べても非常に厳しいレベルで規制がされている。こういった速い、そして厳しい規制が進んでいる、その推進力はどこにあるのだろうかというのが気になっております。

例えば最後のほうに御紹介いただいた、アメリカではAIに対する警戒感が強いというところから、消費者であるとか、個人であるとか、そういった人たちが規制をしてくれと望んでいるのか、あるいは別のところで規制を望む大きな力があるのか、そういった点を伺えればと思います。

2つ目は、1つ目とも関連いたしますが、どういう内容の規制が望まれているのかという点です。御報告では、例えばスライドの5ページでは、壊滅的リスクといったものを含むAIへの懸念というものが挙げられておりますし、後半では子供のSNS利用というか、子供の保護ということが取り沙汰されております。

いずれも非常に重要な問題だと思うのですけれども、例えば子供でなければAIあるいはSNSを適切に使えるのかというと、私は子供ではないと自認はしているのですが、なかなかAIをちゃんと使う自信はまだないかなというところです。

そういった消費者全体あるいは個人全体との関係で何か望まれている規制みたいなものがあるのかという点についても伺えればと思います。お願いいたします。

○五十嵐編集委員 どうもありがとうございます。

1点目なのですけれども、なぜこれだけ速いスピードでいろいろな規制が広がっているかというところだと思うのですけれども、幾つか理由はあるのかなと思います。

1つは、もともとアメリカ連邦政府もそうですけれども、デジタル規制というのは企業、アメリカ企業がこれだけ最先端を進んでいる裏返しかと思うのですけれども、そこをどう規制していくかというのはアメリカの連邦政府も司法省とか、FTC、公取とかも専門チームをつくってずっと対処していたというのがありまして、そういった動きが州のレベルでもかなり広がっているのかなという、当局というか州政府側の体制というかリソースの問題もあるのかなと思います。

もう一つは推進力というところなのですけれども、これはやはり政治的な部分が非常に大きいかなと思っています。そういった意味で、政治家がまずこれはまずいよねということで本当に団結できたというのは一つ、先ほどお示しした子供のSNSの問題が大きいのかなと思います。

アメリカは今、報じられているとおり、政治の分断が非常に激しくて、トランプさんは2期目になって本当に国が真っ二つみたいな状況でいろいろな問題で対立はしているのですけれども、そんなアメリカの状況で本当に唯一といえるぐらい珍しく共和党も民主党も同意できている部分が子供のSNS、子供をAIとかSNSからどう守るかという問題になっています。なので、これが政治問題化して、政治家も無視できない問題になっているというのが非常に大きいのかなと思います。そういった意味では、今の日本の現状を見ていても、そこはアメリカとの違いが結構あるのかなと思います。

2点目なのですけれども、どういう規制がいいかというところは非常に難しい問題だと思っているのですけれども、今出てきているような法律を見ていると、一つは透明性の部分をどう高めるかというのを、いろいろな法律を通じて目指しているのかなと思います。当初は本当に強力なAIモデルをどう抑えるかという議論があったりして、あと一定のサイズのモデル以上を規制しようとか、そんな議論もあったのですけれども、カリフォルニアなんかもそうでしたけれども、結局そこは難しいということで、透明性のほうに少しフォーカスを当てているのかなと思います。

大人の問題、子供の問題、おっしゃるとおり大人ももちろん依存する問題も非常にありますし、子供だけではないというところはあると思うのですけれども、そこの部分に関しては少しだけ難しい問題で、一方で、なぜ子供にフォーカスするかというと、脳の発育がまだ成長していないとか、そういった部分でフォーカスしているのかなと思います。

なので、透明性の部分と、ほかの部分は、本当に大人の依存というところは非常に難しいところですけれども、そこはAIを使ってしつこく通知するとか、アラートを出すとか、そういったところをやっているのかなと思います。

○大塚委員 ありがとうございます。非常に勉強になりました。

特に子供のSNS利用に対する規制が進んだ理由が、最後におっしゃっていたように、規制すべき理由がはっきりしているという点と、政治で合意が形成しやすいという点の2つにあったのかなと思いました。

最初におっしゃっていただいた、州レベルで当局のリソースが十分確保されている、だから進んでいるのだということで、もう一点補足的に質問したいのですけれども、そうすると州ごとに規制のスピードであるとか、あるいはその厳しさであるとか、そういったことは変わってくるのでしょうか。例えばカリフォルニアなんかは非常に速かったり、厳しかったりする印象があるのですけれども、ほかの州と比べても、まさにそういうリソースが大きいというところが特徴になってくるのでしょうか。

○五十嵐編集委員 ありがとうございます。

そうですね。やはり州ごとでスピードは違うのかなと思います。例えば先ほどお示しした地図で見ても、規制で一番進んでいるのは、よく言われるのはカリフォルニア。カリフォルニアは人口が3000万とアメリカの中でも非常に大きいのと、主要AI企業が多く所在しているという意味で非常に影響力があるということで、この州はかなり進んでいます。

一方で、民主党以外の州で見ても、テキサスなんかも結構テック政策というかデジタルの規制に関しては厳しい対応を取っていたりとか、それぞれの州でペースは違うのですが、デジタルに関する規制で先導的な州が幾つかありまして、この中で見ても例えばユタなんかは生成AI以前も非常に先進的な規制をつくっていたりします。ユタだと例えばデータのポータビリティーという、ソーシャルメディアのプラットフォームの利用者を変えるときに、自分が持っているデータがダウンロードできるのですけれども、フォロワーとかそういったものも全て移行できるということをユタがやっていたりします。なので、各州のリソースもそうですし、割とこの辺、自分たちの州としてはしっかりやるという意識がある州も幾つかあったりして、競争というわけではないのですけれども、幾つかの州はリードしているというところがあるのかなと思います。

○大塚委員 ありがとうございました。大変勉強になりました。

○小塚座長 丸山委員、お願いします。

○丸山座長代理 まずは第1点としては、冒頭にありました事務局で実施していく調査に関連して一言申しておきたいと思います。

生成AI関係というのは非常に動きが速いので、現在ですと生成AIとターゲティング広告といったものが結びついていくというような方向性にもあるのではないかと思います。実態調査のアップデートというのは、期間の限定があるので限界があるのかなと思いますので、生成AI以前に行われてきた個人情報のターゲティング利用とか個別化との関係で生じていた問題と、生成AIならさらにどうなるかといった観点から検討を進めていくことも重要ではないかと思いました。

次に、いただいた御報告についての質問をさせていただければと思います。

さきの質問にもございましたように、米国では州によって違うということで、特にカリフォルニア州などは消費者保護が強いので、消費者のリテラシーという観点のみならず、巨大テックやプラットフォーマーに配慮を求めたり、一定の責任を負わせるという発想が強い印象でございますが、米国全体では必ずしもそうではないという認識でいいのでしょうかというのが質問の第1点です。

第2点は、日本でもネット依存や中毒の調査というのは、総務省や厚労省など一定の省庁も行っているのではないかと思うのですが、その様々な調査を行うときに、米国ではユーザーの神経生理学的な反応を見るような調査もしているということで、日本と海外ではこういった調査のやり方、方法というのに違いがあるのか、それとも調査結果に対する反応とか受け止めが割と違うのかという、この辺り何か印象がありましたらお願いいたします。

○五十嵐編集委員 ありがとうございます。

1点目は、カリフォルニアとかリテラシー高い州が進んでいるかという話。

○丸山座長代理 そうですね。リテラシーのみならず、テック自体に責任を負わせようという発想が強いと思うのですけれども、それはやはりカリフォルニア州だからなのかという、その辺りです。

○五十嵐編集委員 ありがとうございます。

カリフォルニアはおっしゃるとおりお膝元ということもありますし、ある一方で、おっしゃるとおりリテラシーが高いとかという部分もあって、割とテック企業と対峙する部分はあるのですけれども、全般的に言えるのは、政治的に言うと、例えば民主党と共和党も、両党とも特に大手のテック企業に対しては割と厳しいスタンスを持っている人が多いのかなというような印象を持っています。

というのは、民主党は人権とかその辺を意識する人も多いのですけれども、共和党は特に言論の自由をプラットフォーマーに封じられているという問題意識が非常に多くて、カリフォルニア発の例えばフェイスブックとかツイッターとかのサービスが、特に例えば2020年の大統領選なんかでトランプさんのアカウントを凍結したりとか、そういうことをやってきたわけです。そういうことに対する私たちの言論の自由を封じられているんだ、そういうプラットフォーマーはけしからんという意識は非常に強くて、ちょっと観点は違うのですけれども、超党派でテック企業に対して厳しく見ていくのだというのは一つあるのかなと思います。

もう一つは、州レベルで見ても、もちろんアメリカは大きいのでカルチャーが違うところがあって、先ほどの地図で見ても、カリフォルニア、ニューヨークとか、東海岸、西海岸というのは割とリベラルと言われているエリアで、そういった問題意識が高い方も多いのですけれども、一方で、いわゆる中部の辺りとか、あと南部で見ても、割と保守的と言われているようなエリアでも、むしろ保守的な人が多いがゆえに、例えば子供に対するSNSの責任というか、子供を守るんだという意識が非常に高いとか、あと、アダルトサイトなんかはアメリカでいうとルイジアナとかこの辺もそうなのですけれども、一部の州では未成年が見られないようにちゃんとブロックされていて、これを見るためには単に18歳以上ですか未満ですかというボタンだけではなくて、その州発行のIDを何らかの形で提示しないと見られないとかという非常に厳しい規制もしていたりするので、いろいろな観点の違いとかがあると思うのですけれども、割と規制に関しては何らか必要だなと思っている人が多いのかなという、そんな印象があります。

2つ目は調査のところですか。この辺は私も専門家ではないので、細かいところまでは分からないのですけれども、見ている印象としては、心理学の専門家の方とか、そういった方たちがいろいろな大学とか研究機関とか学会で様々な調査をしているという印象は結構受けます。先ほど示したジョナサン・ハイトさんの本なんかでも、そういった調査の結果が出てきたりとか、先ほどの医務総監のレポートというのは毎年出しているのですけれども、そこにもいろいろなデータが入っていたりします。

アメリカの中でもそうなのですけれども、決定的にSNSが本当にここまで影響を与えているというのはなかなか決着していない部分もあって、まだ議論が平行線の部分もあるのですが、やはり影響が出ているよねというレポートがちょこちょこ出ているので、そこをベースに規制をしているという状況なのかなと思います。

○丸山座長代理 ありがとうございます。

○小塚座長 ありがとうございました。

野村委員、お願いします。

○野村委員 依存の現状についてお尋ねしたいのですが、結局インターネットに関しても、ネット依存という概念自体はもう90年代中頃から出ていて、それの本格的な症例がちょこちょこ報告され始めたのが2000年に入ってからです。今、それからさらに20年たって、いまだにアメリカ精神医学会のマニュアルにはトピックとしては載っているけれども、正式な疾患としては登録されていないという、もう30年たってもこういう現状になっています。

ところが、あちこちでネットゲーム依存はあるということは確実に世間には浸透しているとなると、AIに関する依存というのも同じ運命をたどるのではないかと。今ようやくその症例がちょこちょこ報告されて、外来のほうで一般の医師なんかが対応されている。ところが、疾患として正式な認定を受けるのは30年ぐらいかかってしまうのではないかと。

そう考えますと、今のアメリカのアカデミズムあるいはマスコミの動きの中で、どのように盛り上がっているのか、あるいは意外と取り扱いわれていないのか、その辺をお教えいただきたいのです。

○五十嵐編集委員 ありがとうございます。

私も、2000年ぐらいの動きというのは現場で見ていない、体感していないので比較が難しい面はあるのですけれども、やはり見ていますと、今話したような特にAIが出てきてチャットボット等の依存とか、これに関してはかなり関心がアメリカでも高いなと思います。これは子供だけではなくて、大人の自殺の事例なんかも出ていますし、アメリカだと孤独というものが非常に社会問題になっています。なので、孤独をどう癒やせるかという部分で、大人が使っているという事例なんかもかなり報道されていますし、それはいい面も悪い面も含めて結構関心はあるのかなとは思います。

あとは何でしたか。

○野村委員 実際に医療アカデミズムの方々は、それを真剣に今、研究を進めておられるのか、それとも、まだそこまで行っていないのかという部分なのです。

○五十嵐編集委員 そこは私も医療界をどっぷり取材したわけではないのですけれども、この問題を見ている限りでは、一部の専門家の方は非常に熱心にやっていらっしゃるのかなと思います。たしか訴状にも使われていたと思うのですけれども、すみません、場所は忘れたのですけれども、ノースカロライナとか、バージニアとか、そういうところで実際若者を対象にした調査があって、それは結構報道でも出ていたりとか、いろいろな訴状でも出ていたりとかというのはあるので、問題意識は結構高まっているのかなとは思います。

○小塚座長 ありがとうございます。

馬籠委員、お願いします。

○馬籠委員 ありがとうございました。貴重な機会、お話を聞けてとても楽しかったです。

割と最近だと、我々自体もAIを使ってお仕事をするみたいなことがとても多くなってきていますし、多くの企業が日本にも参入してきています。調査結果から米国の方の50パーセントがわくわくするより懸念をしているという話があったと思うのですけれども、これはなぜなのかなと思いながら聞いておりまして、格差が広がるみたいな話があったかなと思うのですけれども、割と仕事が取られてしまうとかというのが大きい懸念だったりしますかというのをまずお聞きしたいという感じです。

もう一つ、SNSとかを使うことで人との広がりが大きくなるようでいて、そうでもなかったりとかするなと思っているのですけれども、AIを使うことで人と会いたくなったりとか、会わなくなったりとかというのがもしもあれば教えていただきたいなと思ってお聞きしました。お願いします。

○五十嵐編集委員 ありがとうございます。

先ほどお示ししたピューリサーチのところで、私もこのデータは拾ってきたのですけれども、詳細な分析までは正直分からないので、私の推測というか見ている範囲の感想ぐらいしか言えないと思うのですけれども、アメリカだと、AIが広がってきて、おっしゃるとおり雇用の部分とか、あとAIが出てくる前に経済的にもそうですしいろいろな面でインフレも高いとか、日々の暮らしで皆さん苦労しているところがあって、そこに新しいテクノロジーが入ってきて、いろいろな恩恵もあると言われている部分もありながら、そこら辺の自分の雇用とかというところの影響というのは大きいのかなと思います。

アメリカだと今、報道とかもそうですけれども、特に若年層の大卒、出たばかりのいわゆるエントリーレベルと言われている人たちの失業率が少し上がっているとか、仕事に徐々に影響があるのではないかみたいなリサーチなんかも今、スタンフォード大学から出てきたりとかして、そういった部分への懸念とか、あとは従来からあるような、今お話ししたようなもともとのSNSなりAIへの懸念があるのかなと思います。

この辺の懸念というのは、ランキングを見ても、アメリカの次に来ているのは大体イタリアとかオーストラリアとかブラジル、ギリシャ、カナダ、イギリス、なので結構欧米の国が割と貢献している人が多いのです。一方で下のほうを見ると、日本の下にはトルコとかナイジェリアとかイスラエル、インドとか、割とアジアの国は結構下のほうに来ているのかなというのがありまして、文化的な違いもあるのかもしれないですけれども、この辺は私も推測ぐらいしか言えない状況です。

2点目が、ソーシャルメディア、AIが人を広げるとか、どうなるか。

○馬籠委員 そうです。

○五十嵐編集委員 これも本当に私も報道とかを見ている範囲ぐらいしか言えないかと思うのですけれども、割とさっきの孤立・孤独という意味では、そこの対話として使っている事例とか、ポジティブな事例も報道とかでは出てはいます。なので、みんな手探りしながら使っているのかなという状況ではあるのかなと思うのです。なので、ここも使い方次第というところがあると思うのですけれども、ただ、殊SNSに関しては私自身も長く使っていて、人とつながるメリットは非常に感じてはいるものの、結構アメリカだと今、そういう副作用のほうが結構フォーカスされているのかなという状況で、昔からあったSNSの問題がまだ解決できていないところに今、新しい生成AIが出てきて、今、ダブルの波というか、そこをどうしていけばいいのかというのは非常に悩んでいるところなのかなとは思いました。

○馬籠委員 ありがとうございます。

○小塚座長 ありがとうございました。

坂下委員、加藤委員の順でお願いします。

まず、坂下委員。

○坂下委員 御説明ありがとうございました。JIPDECの坂下です。大変参考になりました。

1つ教えてもらいたいのですけれども、アメリカだと消費者団体とかNPO、NGOの活動は活発だと思うのです。例えば1952年に設立された全米家族計画連盟(PPFA)では、フライズ(FRIES)という同意について子供たちに啓蒙しています。生成AIが世の中に出てきて、こういった社会活動を行う団体というのは今、アメリカでどんなものがあるのか。どのような活動、社会運動をしているのか、もし分かれば教えていただきたいと思います。

○五十嵐編集委員 ありがとうございます。

おっしゃるとおり本当に私も肌感覚としても、非常にそういった市民団体の層は厚いなと思うのですけれども、AIに関しては、個別に新しく何とかが出てきたかという事例までは思い浮かばないのですけれども、ただ、これまでできてきたような組織、そういうところも今回SNSというか生成AIという波が来たという深刻さというのはどこも感じているのかなと思っていまして、例えば先ほど示したようなEFFは結構古い団体ですけれども、こういうところも今、いろいろな発信をしたり、レポートしたりというのを私も見ていますし、先ほど示したような元テック企業にいたような人たちがつくったような団体、私が朝日新聞でも何年か前にインタビューしたメレディス・ウィテカーさんとか、彼女はたしかGoogleに前いて、今はSignalの代表をとかをやっていらっしゃると思うのですけれども、彼女たちも今、AIとプラットフォーマーの問題を訴える団体をみんなで協力して進めていたりとか、そこら辺の団体の皆さんの関心とか活動というのは引き続き続いているかなと、私の感覚としては思っています。

○坂下委員 とてもよく分かりました。ありがとうございます。

○小塚座長 では、加藤委員、お願いします。

○加藤委員 ありがとうございます。

私も同じ視点で消費者団体のことをお尋ねしたいのですけれども、アメリカでは古くからある消費者団体による消費者運動がすごく活発だと思うのですけれども、AIに関して、消費者団体が何かまとまって州レベルとかでキャンペーンなどをしたりとか、先ほどおっしゃっていたように、事業者と消費者の間にある情報格差が非常に大きい分野かなと思うので、消費者を支援するような活動とか、そういったものというのはあるのでしょうか。

○五十嵐編集委員 どうもありがとうございます。

ここも私、個別事例はぱっと思い浮かばないところではあるのですけれども、1つ関連で言えるかなと思うのは、今話したようなさっきのEFFとかいろいろな団体なのですけれども、おっしゃるとおりそもそもこの問題自体を分析して、何が起きているかをまず調べて分析して、これが問題だから消費者、私たちにとって問題ですよというのを訴える必要があると思うのですけれども、そもそもそこの分析というのは非常に難しいのかなと思っています。

私の個別の体験で言うと、例えばデジタル広告の仕組みの部分をアメリカでも取材したことがあるのですけれども、これに関してもなかなか企業側に取材ができない部分もあったりして、そうすると外部の専門家に頼らざるを得ないのですけれども、そういうところに詳しい専門家自体もアメリカですらなかなかいない状況です。EFFにたまたま調査している専門家の方がいたので、私なんかはそういう方に頼ったりもしていたのですけれども、そもそもそういう人材というか、本当にテクノロジーのことを中で理解して、そういう人たちが市民団体とかNGOとかに来ないとなかなかそういう機会がない。そういった意味では、なかなか日本ではそこまでの広がりというのはまだできていない部分もあるのかなと思っていまして、それはアメリカでも引き続き課題だと思うのですけれども、我々もメディアを含めてそこは頑張っていかなければいけないのかなと思っています。

○加藤委員 ありがとうございます。

○小塚座長 ありがとうございました。

委員の皆さんから一わたり御質問いただいたと思いますので、オブザーバーの消費者委員会の委員の皆さんからも、ぜひ御発言、御意見等いただければと思います。

最初に、柿沼委員が退室されて、御質問が事務局に届いているということなので、事務局で読み上げていただけますでしょうか。

○江口企画官 事務局です。代読いたします。

お時間がありましたら、アメリカにおいて生成AIを活用した消費者支援ツールや広告の真偽を見極めるツールについて、御存じでしたら御教示いただけますでしょうか。

また、リテラシー向上に関するスライドにおいて、収入が低い世帯の子供の利用頻度が高い理由について気になりました。収入が高い世帯は、ほかに行うべきことなどの時間的に制約があるためではないかとも推測されますが、いかがでしょうか。

以上でございます。

○五十嵐編集委員 ありがとうございます。

最初の消費者支援ツールのところなのですけれども、ぱっとすぐ具体例で思い浮かぶものは事例としてはないです。

2つ目が教育というか所得の格差のところでしたか。私もこの辺は取材をしながら非常に意識はしていたところではあります。そもそも所得が高い人たち、親において、デジタルリテラシーがそもそも親のリテラシーも高いというケースもあるのかなと思います。特にシリコンバレーとかを取材していますと、スタンフォード大学の若者とかと話をする機会も結構多かったのですけれども、彼らと話すと、ソーシャルメディアを使っている人も多いのですけれども、かなり限定して、時間も限って使っていたりとか、そもそもメールしか持っていなくて、ソーシャルメディアアカウントを持っていない人もいたりとか、自分でちゃんとコントロールしている人がいるのかなという、意識の高いというか、そういうのは感じました。

親も忙しいと、子供のソーシャルメディアの使い方とかをじっくり話をしたり、そういう時間もなかなかない中で、ある種、よく言われていたのは安いベビーシッターというわけではないですけれども、子供にそれをどうしても与えてしまうというか、そういう人たちの話も話題になったりというのはあります。

あと、今後のAIという意味では、この間、記事にしたのですけれども、スタンフォード大のオンラインハイスクールがありまして、そこの校長、学長さんを今、日本人の方がやっているのですけれども、彼と教育やAIについての話はたまにしたりしています。その中で彼が懸念していたのは、今、教育ツールとしてのAIも、いわゆるエデュケーションテック、エドテックみたいなものが非常にアメリカでも、何年も関心があったり、いろいろな企業が進めていたりして、非常にいいツールも出てきたりとか、AIを使ったからこそできるようないろいろなツールは出てきている状況です。

一方で、彼が懸念していたのは、そういうツールにアクセスできる人とか、一方でAIのリテラシーを理解できるという部分で、そこにも教育の格差が出てきてしまうと自分は思っているという話をしていました。

AI時代になってどうすればいいのかと、よく我々も取材しながら考えているところではあるのですが、1つは哲学的な部分とか、そういう学問を深めていくみたいなところで、アメリカはもともと所得格差が非常に激しくて、お金持ちの人しか行けないような学校の学費にもなっている部分もあるので、そこら辺はもともとあった問題ではあるのですが、質のいい教育を受けるというところにおいて格差が出てきてしまうというところは、AIの今の到来と並行して結構懸念というか議論されている部分なのかなとは思います。

○小塚座長 ありがとうございます。非常に示唆に富んだ点だと思います。

どうぞオブザーバーの皆様から御質問、御発言などありましたらお知らせください。いかがでしょうか。

まだ時間が10分ぐらいありますので、ちょっとお考えいただいている間に私のほうから1つ、やや確認的な質問をさせていただきたいのですが、AIもあらゆるところに入り込んでいるわけですが、規制をするというようなことを言っている人たちが考えているサービスの内容、対象としては例えば先ほど子供に対する問題がありましたが、サービスの内容というのはある程度イメージされているのでしょうか。当専門調査会の対象ではないのですが、自動運転のことを途中でおっしゃいました。あれもAIのアプリケーションなのですが、そういうものは例えば自動車事故に関する法律ということで、もうAIの話とは別に規制していくという考え方なのか、それも含めてAIという包括的な問題意識が持たれているのか、その辺はどちらなのでしょうか。

○五十嵐編集委員 ありがとうございます。

消費者問題というか、一般の市民感覚という意味では、いわゆるBtoCというか、利用者、ユーザーに向いている我々が触れるサービスというのはやはり関心が高くて、割と議論になっているところの一つ大きな部分なのかなとは思います。

車に関しては、おっしゃるとおりまさにAIのシステムがどんどん使われてきているのですけれども、どちらかというとメインになっているのはチャットボットとか、今まさに一般の人がかなり使い始めているChatGPTとか、ユーザーに向いたサービスの部分の規制が結構メインテーマの一つなのかなという印象はあります。

○小塚座長 ありがとうございます。

そういう意味でいうと、当専門調査会の問題意識にもある消費者の意思決定というところに直接AIが作用してくる、そういうところがアメリカでも問題意識を持たれているという感じですかね。ありがとうございます。

オブザーバーの大澤委員からお手が挙がっているそうです。

大澤委員、お願いします。

○大澤委員 大澤と申します。オブザーバーなのでちょっと控えておこうと思って黙っておりました。

大変貴重な報告をいただき、ありがとうございました。

私、アメリカは全くの門外漢なので、的外れだとしたら申し訳ないのですが、2点伺いたいです。

1点なのですが、いわゆる執行機関というのですか、アメリカのこういうシステム、例えば具体的に政府という言葉が出てきたり、特別区、州という言葉が出てくるのですが、AIとかデジタルに関する法律をつくって、それを執行する、あるいはそもそも違反があるかどうか調査するというときに、日本でいうところのいわゆる総務省のような、従来の政府、役所だけでは、例えば技術的に変化も大きいですし、専門的知識もかなり必要となるのでなかなか難しいところがあると思うのですが、アメリカでは例えばSNSですとかデジタルに関する役所だけではなくて例えば第三者機関のようなものは存在するのでしょうか。一政府機関だけではなかなか対処が難しいのではないかと思っています。

なぜそういうことを伺うかというと、私は日頃、フランス法を比較対象としていますが、御案内のとおりヨーロッパはデジタルサービス法というのが、各国でそれに合わせた法改正も今やっているのですが、フランスはいわゆる競争とか消費者保護の当局だけではなくて、もともと存在している例えば法曹関係の機関とか、第三者機関のような、あるいはその委員会のようなものがタッグを組んでやっております。そういったものはもともとアメリカには存在する、カリフォルニアには存在するのでしょうかというのが1点です。

2点目は、今日、途中で大塚委員が御質問されていたこととも関わることなのですが、あるいは今の小塚座長の御発言とも関わるところです。今回御紹介いただいたところが、SNSのとりわけ子供の保護ということで、これは私も日頃、いわゆるフランス、EUを見ていても、非常に共通するところがあるなという感想を持ちました。

他方で、AIなどが活用される場面は本当にいろいろな場面があって、例えば広告を生成AIが勝手に作ってしまってとかいうときに、子供に限らず、大塚委員も先ほど質問されていたと思うのですが、いわゆる大人であっても、大人がこれを例えば本当に事業者が打ったものなのか見抜けないだとか、あるいはそもそも非常に先導的な、非常に誘因的なものを作ってしまっている、あるいは芸能人のイメージを勝手に作り上げてとか、いわゆる大人対策というのですか、特に取引対策とか、いろいろな場面でAIは問題になってくるのではないかと思っていますが、そういったところについても恐らく話は出ているのだろうと思うのですが、何か御存じの点があったら教えていただきたいです。

全く門外漢ですので的外れでしたら申し訳ありません。よろしくお願いします。

○五十嵐編集委員 どうもありがとうございます。

1点目は執行機関のお話だったと思うのですけれども、カリフォルニアとか州レベルで私も細かくはフォローできていないのですけれども、連邦レベルで言えば、アメリカの場合、こういった法執行というのは、よく言われるのがアメリカの司法省というところと、あとFTCというところ、日本でいうと公正取引委員会みたいなところだと思うのですけれども、主にこの2つかなと思います。先ほど話したソーシャルメディアの提訴の動きとか、こういった執行とか提訴という動きは、州にも司法長官という人たちがそれぞれいまして、その人が代表して訴えるというふうになっています。

おっしゃるとおり本当にこの分野は動きも激しいですし、規制とか当局側の動きというのは非常にテック企業と比べると大体遅れて、執行とか提訴もアメリカの裁判なんかを見ていても非常に遅くなります。ただ、そこでも最新の動きにキャッチアップしなければいけないということで、専門家を今、司法省とかFTCのチームも外部から雇ったりしています。数は忘れたのですけれども、結構な数の民間とかデータサイエンティストとかAIの専門家とか、そういう人たちも含めて今、チームをつくっている状況です。なので、本当に裁判なんかを見ていても、訴状とかの内容を見ていてもものすごいテクニカルです。それは生成AI以前のデジタル広告とか、SNSとか、そういった裁判を見ていてもものすごくテクニカルなので、これが生成AIを実際規制していって、執行していって、例えばそういうのを提訴するとなったときにどうなのかなというのは非常に個人的には思うところがあるのですけれども、当局もそこら辺の専門部隊をつくるというところは進めているところかなと思います。

2点目は大人対策ですね。おっしゃるとおり子供だけではないという話が先ほどもありましたけれども、そういった意味ではディープフェイクの問題とか、アメリカでも2年前の大統領選のときにもかなりフェイク動画とかフェイク画像、バイデンさんに成り済ました音声の電話の勧誘コールみたいなものが大規模に行われたりとかがありまして、そこら辺のいわゆるアメリカで言うとロボコール、電話による選挙活動とか、そういうところに対する規制なんかもそれ以降広がっていたり、ディープフェイクとかその辺の対策もそこは広がっているのかなと思うので、おっしゃるとおりこれは大人に対する規制もやらなければいけないところもありますし、チャットボットの先ほど紹介した法律も、必ずしも未成年だけではなくて、大人も対象にしているところだと思うので、そういった動きは広がっているとは思います。

○大澤委員 どうもありがとうございました。

1点目に関連して、私の問題意識というのは、伺った趣旨というのは、本当に将来、例えば日本でこの問題に対応するというときに、まず法律をつくりましょうというのはあり得る話だとして、問題は、それに従って調査をして、例えば今のディープフェイクの話にしても、本当にそれに該当するのかどうかとかの調査をして、そしてそれを確認して、これは確かに法違反ですと。それを執行していくとなると、恐らく役所だけでは難しいのではないかと思っていまして、アメリカで役所の中でそういう専門家をどんどん入れてということで、非常に参考になると思いました。

どうもありがとうございました。

○小塚座長 どうもありがとうございました。

ちょうど11時半で、そろそろお時間でございますので、質疑応答、意見交換はこの辺りで締めさせていただきたいと思います。

五十嵐様には、本当にいろいろな御知見、それから今後我々がこの問題を考えていく上での手がかり、ヒントなどを多数いただきました。本当にどうもありがとうございました。

次の御用事があるということですので、五十嵐様、どうぞこれで御退席いただいて結構です。


≪2.議事 ④専門委員紹介≫

○小塚座長 それでは、次に議事の④に参りたいと思います。「専門委員紹介」ということですが、委員の皆様から一言ずつ御挨拶あるいは問題意識などをお聞きできればと思います。本日御欠席の委員の方、それから途中退席された委員の方については、次回以降に機会があるということです。

これも御都合がいろいろあるということですので、丸山座長代理に最初に御発言いただいて、以下、名簿順にお願いします。

丸山座長代理、お願いします。

○丸山座長代理 民法、消費者法を専門としております、慶應義塾の丸山絵美子です。

法学の観点から、パーソナライズドプライシングやダークパターン、消費者の脆弱性について研究してきておりまして、今回、いつも最先端の問題について御研究されている小塚座長の采配の下で、ほかの御専門の先生や実務をよく知っている委員の皆様と検討していけるということを非常に楽しみにしております。様々な方面から注目されるような調査、検討結果につなげられればよいと思っております。

どうぞよろしくお願いいたします。

○小塚座長 座長に言及されるというのは、この不規則発言は予想していなかったのですが、ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、名簿順ということで、大塚委員、お願いできますでしょうか。

○大塚委員 大阪大学の大塚智見と申します。

民法と信託法、それから情報法などを専門としております。デジタル技術につきましては、これまで主にデジタル財産について研究をしてきましたが、AIに関しても従来より関心を持っておりました。

本調査会におきましては、AIを使った意思決定というものについて、法がどういうふうに捉えていくべきなのか、あるいは、AIを使った意思決定において、保護されるべき消費者の利益というのはどこにあるのか、そういったところを考えていきたいと思っております。

どうぞよろしくお願いいたします。

○小塚座長 ありがとうございました。

それでは、加藤委員、お願いできますでしょうか。

○加藤委員 一般社団法人Consumer Rights Japanの加藤と申します。

これまで消費生活相談現場で相談員の仕事をしてきたり、あるいは消費者政策の企画立案などの場面でお仕事をさせていただいております。今はデジタルの消費者保護の分野で、消費者側の視点に立って活動を行っております。

どうぞよろしくお願いします。

○小塚座長 ありがとうございます。

それでは、坂下委員、御発言いただけますでしょうか。

○坂下委員 日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)の坂下と申します。当協会ではプライバシーやデジタルの業務に携わっております。

技術というのが社会実装されるときには、自由と安全と安心がバランスを取らないと定着しません。今回、生成AIについては、大量のデータからパターンを見つけ出して、確率論的に推計するというのがこの道具の特徴です。これに対して使う人間の側では、確率論的なリスク分析に注意する癖をつけないと、道具に振り回されてしまいます。そのような事をどのように消費者に知らしめていくのかという議論をここでしていければと思っております。

どうぞよろしくお願いします。

○小塚座長 ありがとうございます。よろしくお願いします。

それでは、田中委員、お願いします。

○田中委員 名古屋工業大学の田中と申します。

専門は、認知科学や実験心理学です。基本的には、偽・誤情報と人間の交互作用についての研究をしております。

どうするべきかという問題に対しては門外漢なのですけれども、社会問題を解決するにはこうするべきだというようなビジョンがあっても、人はなかなかそのようには動かないと。そこにはどのようなメカニズムがあって、そういったメカニズムを考慮して、よりよい対策にはどうしていったらいいのかということに関心を持って参加したいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

○小塚座長 ありがとうございます。

それでは、野村委員、お願いいたします。

○野村委員 龍谷大学の野村と申します。

研究領域は、情報技術全般が人間とか個人とか社会にどういう影響を与えるかというところを、心理学的な方法を使いながら分析しているところです。

今回のAIに関しても、特に依存の問題について重点的に研究を進めていく所存でおりますので、どうかよろしくお願いいたします。

○小塚座長 ありがとうございます。

それでは、馬籠委員、お願いします。

○馬籠委員 電通デジタルの馬籠と申します。よろしくお願いいたします。

デジタルマーケティングを扱っている会社でございまして、そこでデジタル広告の実務をやっております。デジタル広告歴というのは15年ほどになります。デジタルの入札型の広告の仕事を長らくしてきたような形でございます。

私の職務のほうでは、AIを使って業務をどのように効率化させるかみたいなところを最近はずっとやっておりますので、内情を皆様とお話ししつつ、どこに配慮すべきかみたいなことを一緒に考えられたらなと考えております。

よろしくお願いいたします。

○小塚座長 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

それから、最後になりましたけれども、私からも一言申し上げたいと思います。

学習院大学の小塚でございます。

私は、一応大学では商法、会社法の専門家と申し上げておりますが、大分前から先端技術と法あるいは政策の関係についていろいろと研究をしておりまして、その一環でAIとか没入型技術などについてもいろいろと勉強をしてきたところでございます。専門知識があるかどうかは別としまして、消費者問題に対してそういう技術がどういう影響を持つかということについても、ここで皆さんと一緒に議論させていただきたいと思います。

皆様が非常に簡潔に挨拶をされて、時間もややゆとりがありますので、少し私のほうから問題意識を敷衍させていただきたいと思いますが、2点申し上げたいと思います。

1つは、AIの原理そのものは、先ほど坂下委員のおっしゃったとおり確率論的なパターン認識、基本を一言で言ってしまうとそういうことなのです。それ自体はある種単純なものですし、その原理自体は随分前から段階的に発展しているものであって、私は技術の専門家でありませんが、急に何かがいろいろ変わっているということではないというのが私の認識です。

ところが、それを社会実装するということになりますと、そこにほかの要素との相乗効果というものが出てくる。例えば社会の側あるいは人間の意識との関わりでもってそういう技術が実装されていくと、そこに思わぬ問題が出てきたりする。その社会の変化とたまたまそれが影響し合うと、非常に大きな変化が生ずるということです。

それから、他の技術です。例えば没入型技術と呼ばれるものがあります。日本ではむしろ没入型技術を使ったメタバースというような言葉のほうが有名になっていますけれども、そういうものがあって、今日も五十嵐様のお話でもスマートグラスの話が出てきました。それも一例なのですが、それとAI、人工知能が結びつくことによって、人間の意思決定に対する影響の直接性が格段に上がるというようなこともあります。

それから、APIなどと言われるいろいろなオンラインのサービスも、初期には断片的に存在していたのですが、最近ではいろいろなものについてそういうサービスが出現している。そうすると、そこに人工知能技術を組み合わせることで、例えば丸ごと我々の日常の活動をAIに任せるというようなことがあり得るのではないか。これが今日、事務局の御説明資料にもありましたAIエージェントの考え方だと思いますが、そのようなことが出てくる。そうすると、社会実装という面では大きな変革が起こり、そこに新たな消費者問題がたくさん出てくる。こういうことを一つ認識しておくということが重要かなと考えております。

もう一つは、先ほど五十嵐様とのやり取りの中でも出ていた話なのですが、AI、とりわけ生成AIの技術が普及したことにより、人間の社会に対する認識、認知、それからそれに基づく意思決定、そして行動、判断ということがあるわけですが、そこに非常に強くAI技術が働きかける。そうすると、リテラシーを上げていきましょうとか、理解して使いこなしましょうという、もちろんそれはそれで大事なことなのですが、それだけでは対応し切れない問題が出てくるのではないか。要するに人間からすると本当にもう見分けのつけようがない、どんなにリテラシーを上げても見分けがつかないというような場面が出てきてしまうのではないかということです。

AIが普及し始めた頃に、日本は、日本政府、それから日本の産業界、様々なステークホルダーが一緒になりまして、人間中心のAIという考え方を打ち出しました。これは幸いなことにヨーロッパはじめ多くの国からの賛同も得て、グローバルな考え方になったと思いますけれども、果たして今申し上げたような新しい技術の段階、そして社会実装の段階が来たときに、人間中心ということが頑張れば実現できるという楽観的な見通しを持てるのだろうか、そういうことが問われているのだと思うのです。そういう中で、ではその政策としては何ができるのかということをもう一度考えていく必要がある。AI技術と消費者問題というこの専門調査会のテーマもその中に位置していると私は思っております。

少し問題意識を申し上げさせていただきましたけれども、もうちょっと時間がありますが、何か議論で言い残したこととかお聞きしますか。それとももう締めますか。

○江口企画官 特段あればお話しいただいて、なければ締めていただいても結構です。

○小塚座長 御発表に対する質疑も含めてもし追加の御発言が委員あるいはオブザーバーの皆様からありましたらここで承りたいと思いますが、いかがでございましょうか。この点に問題意識を持っていますとか、こういう点、今後、あるいは事務局などにさらに調べてほしいとかいうようなことがありますでしょうか。オブザーバーの先生方もいかがですか。

馬籠委員、お願いします。

○馬籠委員 問題意識みたいなところで言うと、割と広告はネガティブに捉えられがちな側面があるなと思っているのです。基本的には、広告というものは決して忌避されるべきものではなくて、皆様に必要な情報をしっかり届けられるのであれば、消費者にとっても有益なものであると考えております。何かうまい使い方を皆さまと共に検討できればなと思っています。こうした広告自体がもつ既存の印象に問題意識を持っています。

以上でございます。

○小塚座長 ありがとうございます。

消費者にとって有益な情報、有害な情報、そういうものがなかなかクリアにどこかで線が引けるかというような問題、非常に重い御指摘だと思います。ありがとうございます。

よろしいですか。オンラインからも特にありませんね。

ありがとうございます。

それでは、第1回ですので、この辺りにさせていただきたいと思います。

議事は以上でございまして、事務連絡がありましたら事務局からいただけますでしょうか。お願いします。


≪3.閉会≫

○江口企画官 本日は、長時間にわたり、誠にありがとうございました。

次回の本専門調査会につきましては、確定次第、事務局より御連絡させていただきます。

以上でございます。

○小塚座長 ありがとうございました。

それでは、本日、若干予定の時間より早いですけれども、これにて閉会とさせていただきます。

皆さん、お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)