事業者による消費者関連情報の積極的な活用を促すための対応策・環境整備に関する意見~消費者関連情報の提供の在り方検討ワーキング・グループ報告書を受けて~

2021年8月19日
消費者委員会

  1. 消費者委員会は、令和3年8月、消費者関連情報の提供の在り方検討ワーキング・グループから報告書の提出を受けた。
  2. 行政が周知・広報を行っているにもかかわらず、その内容が消費者に十分に届いていないことが多い中、本報告書では、消費者に役立つ情報をいかに消費者に届けるかを考えるに当たり、その届け手として「事業者」に着目した。このような検討を行った背景としては、①地域・社会貢献活動の一環として顧客や地域住民に向けて自主的に情報提供を行う事業者が増えていること、②地方公共団体においてもこのような事業者の力を活かす新たな公民連携の取組が増加していること、③このような事業者の取組において、福祉や防犯等の情報と比べ、消費者関連情報はそれほど活用されていないといった実情が存在する。
  3. 本報告書では、自主的に情報提供を行う事業者の取組を紹介し、事業者の取組において消費者関連情報を活用してもらうために消費者行政が目指すべき姿を示している。そして、その実現に向けた対応策として、①地方公共団体と事業者による共創型情報提供モデルと、②国と事業者の対話に基づく共創体制(対話を行うプラットフォーム等)の構築・整備を提案している。
    さらに、目指すべき姿の実現に向けた環境整備のための方策として、事業者における従業員への消費者教育の推進、消費者志向経営優良事例表彰制度等の事業者の取組を応援する仕組みの充実、AI等を活用した消費者や事業者への情報提供方法等について、期待される取組の方向性を述べている。
  4. 消費者庁及び関係行政機関においては、事業者との間でこのような連携体制が構築されるよう、本報告書を参考に、できるだけ速やかに検討や取組を推進されたい。また、地方公共団体においても、事業者の取組において消費者関連情報をより積極的に活用してもらえるよう、本報告書を参考に、検討や取組が推進されることを期待する。
  5. 当委員会としては、事業者による上記のような取組に対し、消費者行政に関わる関係行政機関が支援し、消費者団体等が連携・協力を行うことにより、消費者に対して有益な情報が的確に提供されることを期待する。

以上