「第7回地方消費者委員会(米沢)」を開催しました

  • 日時 平成25年3月2日(土)13:30から16:30
  • 場所 山形県立米沢女子短期大学 C号館 C-202教室
  • 主催 内閣府消費者委員会、山形県立米沢女子短期大学附属生活文化研究所、米沢市消費生活研究会
  • 後援 山形県、山形市、米沢市、山形県消費生活団体連絡協議会
  • 当日のプログラム(PDF形式:57KB)

  • 資料集は消費者問題シンポジウムトップページに掲載しています。

地方消費者委員会とは

消費者委員会の委員が地方に出向き、消費者のみなさま、関係各団体のみなさまの声に直接真摯に耳を傾け、問題の解決に効果的に取り組むために、地方の関係団体や自治体などと連携し、地方での意見交換等を開催するものです。

米沢での会合の様子を紹介します

写真集はこちらから御覧いただけます。

「第7回地方消費者委員会(米沢)」の横断幕を背に講演する河上委員長の写真
河上委員長による基調講演


「第7回地方消費者委員会(米沢)」は、消費者委員会と山形県立米沢女子短期大学附属生活文化研究所、米沢市消費生活研究会が主催し、平成25年3月2日(土)に、米沢女子短期大学のC号館C-202教室で開催されました。
当日は吹雪という悪天候の中、山形県、米沢市の消費者行政担当者、消費者関連団体、食品メーカー、一般消費者など53名の参加がありました。

冒頭、山形県立米沢女子短期大学の遠藤恵子学長より開会挨拶があり、河上正二委員長の基調講演「消費者委員会の活動と食の安全」で始まりました。講演の中で、河上委員長は消費者委員会の役割と活動について紹介し、「安全・安心な食品を確保するためには、信頼できる中立・公正な情報の提供、根拠のない風評に左右されない消費者の確かな選択眼の育成などが必要」と述べました。
続いて、山形県くらし安心課長兼消費生活センターの小島雄一所長から、「山形県における消費者行政の現状と取組」として、平成24年の消費者トラブル、消費生活相談・消費者啓発のネットワーク構築などについて具体的な事例を交えた報告がありました。
次に、消費者委員会の田島眞委員による「健康食品等について」の講演では、健康食品の概要と、消費者委員会が行った「健康食品の利用者アンケートの結果」や「健康食品の表示等の在り方に関する建議」について説明がありました。
その後、消費者庁食品表示課の伊藤麻子総括係長から「食品表示の一元化」について、現在作成中の食品表示法案(仮称・検討中)の概要などについて、最新情報の報告がありました。

休憩後、パネルディスカッションが行われました。パネリストは宮城県にある尚絅学院大学の鈴木道子副学長、米沢市消費生活研究会の高橋幸子会長、消費者委員会の田島眞委員、米沢市にある株式会社花角味噌醸造の花角圭一代表取締役社長の4名が、コーディネーターは消費者委員会の原早苗事務局長が務めました。
パネリストからの主なコメントには「食品表示については判りやすく正確な表示が必要。表示を見る消費者の『食育』も強化すべきであり、栄養士や管理栄養士の役割を期待」「食品表示について消費者はそのようなものは見ないという向きもあるが、それは文字が小さく、内容も良くわからないからであろう。食品表示一元化法成立の際にはその内容をよく消費者に伝えてほしい。同時に、消費者もしっかり表示をみて自らの責任で安全性などを確認するべき」「食品表示一元化法を作成する意義としては、消費者の知る権利として、一般消費者の自主的・合理的な食品選択の機会の確保となることである」「事業者の立場からは、既存の食品表示関係法が一元化されることは歓迎するが、表示を掲載する包材の準備の必要もあり、法律が制定されてから施行までに十分な時間が必要」「判りやすい表示という観点から、欧米では絵表示を実施している例もある。今回の法案の検討では扱ってもらえなかったが、将来的には検討を」などがありました。
また、アレルギー表示について「事業者としてはできる限り記載する取組がされているが、弁当等品目が多いものは最低限の記載とならざるを得ない面もある」「表示を行って、あとは自己責任というのではなく、二重三重のセーフティーネットを考えるべき」などの意見が出ました。
フロアからの意見には、「高齢者が増えているので、小さい文字やカタカナは見づらい」「真に必要な情報はその食品がどこで作られたもので、それが安全かということ。あれもこれも書き込むと判りにくくなって、食品表示を見ないということにならないか」「食品表示について、消費者庁が設置されたことから、関係省庁間で消費者庁が先導的役割を果たすことを期待」「現実的にみれば、製品が小さいので書ききれず、どうしても対応できないということもあるが、何か新しいやり方を考えていく必要はないか。例えば、消費者が本当に知りたい情報(例:アレルギー関連の情報)は大きな文字で書き、それ以外と分けて考えるといった対応をする」などがありました。


4名のパネリストとコーディネーターが一列に着席している写真。尚絅学院大学の鈴木副学長が発言している。
パネルディスカッション


最後に、河上委員長から「食品表示の一元化は詰めの段階にあるが、詳細は引き続き議論が続くことになる。消費者、事業者からいろいろ知恵をいただくことを期待する。食品表示だけでなく、それを受け取る消費者の理解力を高める『食育』も重要である」と締めくくりのコメントがありました。

参加者のアンケート結果から

会場では、参加者を対象にアンケート調査を行い、参加者の声を集めました。アンケートでは、「地方でこういったシンポジウムを行うのはよいことだと思います」「表示の一元化に努力されている様子を嬉しく思いました。消費者は現在判りにくく困っています。ぜひ、高齢者にも判りやすい表示方法になるようお願いします」「消費者委員会の立場や活動についてよく判った」などのコメントが寄せられました。

山形県知事、米沢市長への表敬訪問

地方消費者委員会の開催前日の3月1日(金)、河上正二委員長と原早苗事務局長が、山形県庁を訪ね、吉村美栄子知事へ後援のお礼を述べ、地方消費者行政の充実について、高齢化と雪国ならではの問題点や県の特産品に至るまで幅広く意見を交わしました。
続いて、米沢市役所を訪問し、安部三十郎市長へ後援のお礼と、消費者トラブルの解決事例からみる消費生活相談員の果たす役割の重要性と待遇改善などについて意見交換を行いました。

  • 前列に河上委員長と吉村知事が着席し、その後ろに原事務局長が立っている写真。
    吉村美栄子知事(右)
  • 安部三十郎市長を真ん中に河上委員長、原事務局長の3人で撮影した写真
    安部三十郎市長(中央)


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