「第2回 地方消費者委員会(松山)」を開催しました

地方消費者委員会とは

消費者委員会の委員が地方に出向き、消費者のみなさま、関係各団体のみなさまの声に直接真摯に耳を傾け、問題の解決に効果的に取り組むために、地方の関係団体や自治体などと連携し、意見交換等を行うものです。

松山での会合の様子を紹介します

写真集はこちらからご覧いただけます。

マイクを手に講演する壇上の河上委員長の写真
河上委員長による講演

「第2回地方消費者委員会(松山)」は、消費者委員会と愛媛大学地域創成研究センター、NPO法人えひめ消費者ネットが主催し、平成24年3月24日(土)に愛媛大学で開催されました。中四国地方の近隣県から、消費生活相談員、消費者行政関係者、生活支援員、福祉関係者の方々を中心に、弁護士や一般市民の方々も含めて、90名近くが参加しました。

シンポジウムの冒頭で、愛媛大学の宮崎幹朗地域創成研究センター長、愛媛県県民環境部管理局の大西宏昭県民生活課長から挨拶のあと、愛媛県消費生活センターの山本均所長から「愛媛県における消費者行政の現状と取り組み」について報告があり、基調講演では、「消費者の取引と法」と題して、河上正二消費者委員会委員長が講演しました。
続いて、愛媛県東温市・松前町・砥部町消費生活相談窓口を担当している武田咲枝相談員から、訪問販売による次々販売で高齢者が高額被害を受けた事案で、民生委員が二次被害に気付いたことをきっかけとして、見守りネットワークを形成したケースについての報告がありました。次いで、大洲市消費生活センター・西予市消費生活センター・内子町消費生活相談窓口を担当している直原亜紀相談員から、年金担保貸付をふくんだ多重債務で生活困窮に陥ったケースを取り上げ、自立支援とあわせた対応が必要であるとの報告がありました。また、NPO法人消費者ネット広島の三村明理事からは、貸衣裳レンタル契約のキャンセル料条項が事業者の平均的損害を超えるとして、適格消費者団体が差止請求を行ったケースについて報告されました。

パネリスト全員を撮影した写真。コーディネータ伊藤教授がマイクを手に話をしている
活発な意見が交わされたパネルディスカッション

休憩のあと、シンポジウム後半は、事例報告者の方々、広島大学の鳥谷部茂教授、河上正二委員長、消費者委員会の山口委員がパネラーとなり、愛媛大学の伊藤浩教授にコーディネーターを務めていただき、パネルディスカッションを行いました。
パート I では、報告された三つの事例については、相談員による訪問相談のメリットや消費者契約法(特に実体法部分)の課題、年金担保貸付制度の運用上の課題などについて、フロアを交えた意見交換が行われました。
パート II では、消費者ネット広島の理事である鳥谷部教授から「消費者ネット広島の沿革・活動・課題」と題して報告があり、山口委員から、これまで消費者委員会が行った「取引」や「地方消費者行政」についての建議や、意見表明等について紹介がありました。
パート III では、フロアからの質問を交えながら、幅広い観点から全体的なディスカッションが行われ、四国には適格消費者団体がないこと、適格消費者団体の存在意義や、財政的・人的支援の課題、行政との連携の必要、地方消費者行政への財政的支援の必要、既存の行政型ADR制度(国民生活センター)の活用などについて活発な意見交換が行われました。
最後に、えひめ消費者ネットの塩見修身理事長から閉会挨拶があり、終了しました。

参加者のアンケート結果から

会場では、参加者を対象にアンケート調査を行い、参加者の声を集めました。アンケートでは、「現場の生の声を聞いてもらえる場で、勉強になった」、「消費者委員会の活動への理解が深まった」、「消費者の権利を守るため、もっと消費者委員会の存在をアピールすべき」などのコメントがありました。

愛媛県知事、松山副市長への訪問

地方消費者委員会の開催前日には、河上委員長はじめ消費者委員会事務局が、愛媛県庁を訪ね、中村時広知事へのご挨拶の後、消費者行政関連部署の担当の方々と、最近の消費者問題や課題などについて忌憚なく意見を交わしました。
続いて、松山市役所を訪問し、山口最丈副市長へご挨拶の後、消費生活センター所長や相談員の方々にもご同席いただき、相談現場の生の声を率直にお聞きし、意見交換を行いました。