第495回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2026年7月6日(月)10:00~12:16

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)鹿野委員長、黒木委員長代理
    (テレビ会議)今村委員、大澤委員、小野委員、柿沼委員、善如委員、中田委員、原田委員
  • 【説明者】
    味の素株式会社お客様価値共創推進部 松村部長
    消費者庁参事官(調査研究・国際担当) 森島参事官
    消費者庁消費者政策課 鮎澤課長
    消費者庁参事官(調査研究・国際担当)付 亀田参事官補佐
  • 【事務局】
    小林事務局長、吉田審議官、友行参事官

議事次第

  1. 消費者と事業者の望ましいコミュニケーションの在り方について
  2. 消費者白書について

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1. 開会》

○鹿野委員長 皆様、おはようございます。本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから、第495回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、黒木委員長代理と、私、鹿野が会議室にて出席しており、今村委員、大澤委員、小野委員、柿沼委員、善如委員、中田委員、原田委員がテレビ会議システムにて御出席です。

なお、山本委員は、本日、所用のため御欠席と伺っております。

それでは、本日の会議の進め方等について、事務局より御説明をお願いします。

○友行参事官 本日も、テレビ会議システムを活用して進行いたします。

配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。


《2. 消費者と事業者の望ましいコミュニケーションの在り方について》

○鹿野委員長 本日の最初の議題は「消費者と事業者の望ましいコミュニケーションの在り方について」です。

これまでに当委員会では、計4回の本会議において、業界団体、事業者、有識者などをお招きし、コミュニケーションに関して、消費者と事業者の抱える課題や望ましいコミュニケーションの在り方等について意見交換を行ってまいりました。

本日も引き続き、事業者からヒアリング及び意見交換を行いたいと思います。

本日は、味の素株式会社より、顧客との接点を通じた消費者教育への取組や、お客様相談センターにおける消費者とのコミュニケーションに関する取組について御発表いただき、意見交換を行いたいと思います。

改めて紹介させていただきます。

本日は、味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部の松村部長に会議室にて御出席いただいております。本日は、お忙しいところ、どうもありがとうございます。

それでは、まずは20分程度で御説明をお願いします。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 それでは、本日は貴重なお時間を頂戴いたしまして、ありがとうございます。味の素の松村でございます。

弊社のお客様満足に向けた取組について、20分ほどで御説明をさせていただきたいと思います。お願いいたします。

全体としては、会社概要から私どもの組織の御紹介、そして、お客様満足に向けた取組について御紹介をさせていただきます。

簡単に会社の概要について御説明をさせていただきます。

弊社は1909年の5月に、世界で初めてうまみ調味料「味の素®」を商品化したところからスタートをしております。

以来、味の素グループは、100年以上にわたって「おいしく食べて健康づくり」という創業のときの志を受け継ぎまして、アミノ酸の働きを活用して、おいしさと健康のさらなる両立を追求しております。

味の素グループが将来ありたい姿を実現させるために、ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)という考え方がございます。簡単にいうと、事業を通じて「社会価値」と「経済価値」を同時につくるという、味の素グループの経営の基本方針です。このASV経営を進化させていくことが、味の素グループのビジョンの実現につながると考えております。

私たちのパーパスは、「アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」です。この「アミノサイエンス®」という言葉は、アミノ酸のはたらきに徹底的にこだわった研究プロセスや実装化プロセスから得られる多様な素材・機能・技術・サービスの総称であり、それらを社会課題の解決やWell-beingへの貢献につなげる、味の素グループ独自の科学的アプローチをさします。

日本では、食品の製造会社であることはよく知られておりますが、アミノ酸研究で培った力を、食・栄養・健康などに役立てるため、アミノ酸の4つの大きな機能である「おいしさを組み立てる」「体の調子を整える」「栄養を届ける」「新たな機能を生み出す」を基盤として、事業を展開しております。

2025年度の売上高・事業利益でございます。先日発表したとおりでございますので、こちらは後ほど御覧ください。

それでは、私どもの組織紹介をさせていただきます。

私ども、お客様価値共創推進部は、国内の家庭用商品のお客様相談窓口です。

1991年の7月に、お客様相談センターとして設立いたしまして、その後、2019年に味の素グループの味の素社・味の素冷凍食品社・味の素AGF社のお客様相談部門を統合し、グループお客様相談センターといたしました。その後、今年の4月に、業務拡大に伴い、お客様価値共創推進部と組織名称を変えております。

ただし、お客様向けには、今までの名称である「お客様相談センター」や、「お客様相談室」をそのまま継続して使わせていただいております。

なぜならば、最初の接点として、お客様の相談したい想いを受け止める部門ですので、迷いなく探せるということがとても大切ですし、お問い合わせしやすい雰囲気をつくり出す、これがとても大事なポイントだと思っております。

私どもお客様価値共創推進部は、現在、52名の体制でやっておりまして、大きくは2つのグループで運営しています。応対統括グループは、いわゆるお客様と直接接点を持って、ご質問やご不安に関する応対をする部門です。また、いただいたお声をしっかり読み込んで、事業に反映する部門が、企画・情報統括グループです。

それ以外に、この後、少しお話ししますけれども、いわゆる私たちの企業活動に対して、様々なお声をいただいておりますので、いわゆる商品以外のお問合せの対応をするメンバーと、DX推進をするメンバーで進めております。

これらは、窓口でお受けしている商品ですので、後ほどゆっくり御覧いただけたらと思いますが、私どもで、実際にはお受けできていない商品の代表例を申し上げますと、いわゆる業務用商品のお問い合わせは、直接営業担当がお受けしておりますので、お客様相談部門とは別の部門で対応させていただいております。

味の素冷凍食品社や味の素AGF社の商品も、先ほどご説明したとおり、家庭用の商品を中心に、お受けをしております。

実際に、どれくらいのお声を私どもがお預かりしているかということでございますが、公表している数字が、少し古いのですけれども、2024年度の数字でお話させていただきます。全体としては3万件強ぐらいのお声をいただいておりまして、味の素社単体で申し上げますと、1万9000件程度です。ちなみに、2025年度の数字は今年9月頃公開予定です。

どんなお声かの内訳ですが、一番多いものは「どこで売っていますか」というお問合せとなります。とてもうれしいお声だと思っております。

それ以外には、賞味期限についての問い合わせや、使用方法についての問い合わせが、順に多くなっているという状況でございます。

それでは、具体的にお客様満足に向けた取組について、お話を進めたいと思います。

私どもは、ホームページにも掲載しておりますが、コミュニケーション指針というものを持っております。「味の素グループでは、常にお客様第一を心がけ、豊かな創造性と優れた技術により、安全で高品質な商品・サービスを提供する、このことを事業姿勢としています」というものになります。

また、「お客様満足推進方針」や、「お客様満足行動指針」など、ホームページ上に公開させていただいており、私たちは常にお客様に向かって真摯にありたいという姿を見せております。

お客様相談部門でのモットーとして、「正確」「迅速」「親切」、この3つをすごく大切にしております。ここに記載させていただいていますように、常にお客様のお問い合わせに対して、正確であることは、もちろん当たり前なのですけれども、なぜ、お客様がお問い合わせに至ったのかという背景や、その真の課題、本当にお客様は何に困っていらっしゃるのかということを、正確に最適な回答、最適な情報をお届けするためには、やはりしっかり真の課題に寄り添って解決しよう、お客様と一緒になって解決しよう、この姿勢がすごく大切だと思っています。この行動が、“お客様にとってのコンシェルジュ”だと思っておりますし、日々この世界観を目指して、私たちは、お客様と真摯に向かい合っております。

お客様満足の取組をする私どもは、お客様と会社の架け橋となるアンバサダーだと認識しています。その中でも、役割は大きく3つあるかなと思っております。

1つ目は、応対の業務、すなわち直接コミュニケーションをすること、2つ目は、お客様の声の反映をすることです。お客様に対しては、商品やホームページに、反映した結果がわかるようにお伝えするのですけれども、実は、社内にしっかり返すということも大事な仕事だと思っています。

3つ目は、リスク管理や未然防止です。この3つ目の役割というものもとても大事でして、私たちは、お客様と接している最前線ですので、お客様の声から様々な危機を察知して社内に素早く返す、これが実はとても大切な仕事だと思っております。

また、過去のお客様のお問い合わせ内容を反映する取組として、商品発売前のアセスメントに参加しております。皆さまから寄せられた貴重な情報を最初から商品に反映することで、お客様のお問合せの手間を減らしていく活動をしております。

こちらは、お客様の声を受信して、社内へ反映していく一連の流れをお見せしているような図です。CRMシステムは、お客様からいただいたお声を管理するシステムでして、この中に全て情報を蓄積させていただいております。それ以外に、FAQシステム、いわゆるお客様との応対のために使う情報を入れておくものであったり、先ほど一番お問い合わせがあると言った、どこで売っているのということに対して、すぐに対応ができるように、販売店の検索システムなどを持っていたりしております。

社内の情報管理については、この後、少しご説明させていただきたいと思います。

お客様の声の反映の仕組みですが、毎日届けられるお客様の声を、各担当が、すべて読んでおります。毎日一つ一つ読んで、月に1回の部内の読み込み会議という会議の中で、どれが事業にとって必要なのか、そのタイミングで伝えることが良いのかなどを整理し、必要な情報を、適宜、事業や必要な部門に返すということをしております。

それ以外に、各担当ベースでの会議もございますし、半年に1回、もしくは1年に1回、様々な部門にお問い合わせいただいたものについて、しっかり関係部署に戻していくという仕組みをつくっております。これを回していくということがとても大切だと考えています。もちろん、お客様に対して、すべて改善という形で戻せるわけではないのですが、それでも、たくさんのお客様が気になることや、私たちにとって大切なことは、しっかりお客様に「応対」という形でお伝えしていくという業務を担っていますので、様々な形でこの反映の仕組みを活かしていきたい、とても大切な仕組みだと思っております。

それでは、具体的な事例を幾つか、お話をさせていただこうと思います。

まずは、この「Cook Do®」極(プレミアム)麻辣麻婆豆腐用です。発売当初より、「とても辛くておいしい」「本格的で、こういう商品を待っていた」など嬉しいお声をたくさんいただいていたのです。

一方で、やはり、つくり方によって、「塩辛い」というお声も届いており、「なぜ?」と、研究所・事業部・私たち皆で、お声を寄せていただいている方に「作り方を教えてください」と、ヒアリングを改めてかけさせていただきました。その結果、やはりお客様によって、調理ぶれが発生してしまっているということが分かりました。

この商品は、材料が豆腐なので、豆腐はどのくらい湯切りをするかによって味のぶれがどうしても出てしまうので、裏面の作り方表記を修正しました。修正したバージョンが、今、回ってくるかと思いますけれども、要は、どのくらい湯切りをしたら、どれくらいでその後の調理をしてくださいということがきちんと書いてあるという状況に修正しています。

それで、改訂しましたら、御覧いただいているように、不満のお声は非常に減ったという状況でございます。

次は、CMに関するお声です。様々なCMに関するお声は、実はたくさん、嬉しいお声も含め、いただきます。

その中で、私どもの広告の最後に、Eat Well, Live Wellというお声がかかっているのを皆さん御存じでしょうか。これを、実は昔は、英語の堪能な方が、Eat Well, Live Wellと流暢な英語で格好よく読んでいたのですけれども、お客様からは、早口でよく分からないというお声をいただくことになってしまいました。それなら、せっかくのコーポレートメッセージなのだから、分かるように・伝わるように修正しましょうということで、直したものが、タレントさん2名に分けて、Eat Well, Live Wellと発声してくれています。

後ほど見ていただければと思います。タレントのお二人が、Eat Well, Live Wellと分けて発声をしていただいたことで、コーポレートメッセージがしっかり伝わったという事例でございます。

それでは、3つ目、次に参りたいと思います。

これは工場販売限定のキーホルダーで。回覧させて頂きます。こちらは、実は工場限定のお土産として売っているものなのですけれども、工場に来てくださる方は、もともと当社のファンである方が多いのですが、工場見学後に、ある方より、「孫にかわいいからと買って帰りました。そうしたら、よくよく見たら、ちょっと小さくて、間違えて飲んでしまうかもしれない」というお声をわざわざ私どもに寄せていただいたのですね。これは、貴重なお声だなということで、この商品が入っている裏面に、商品カードが入っておりますので、すぐに、“小さいお子様がいらっしゃる場合は、口に入れないように注意してください”という表記を追記しております。加えて、工場見学の説明する担当の方からも、「小さなお子様の誤飲には気をつけてくださいね」というお話をするようにしておりまして、そういう意味では、お客様からいただいた声を、様々な部門に返すということをさせていただき、先ほどお話ししましたけれども、そういった事例の1つであるかなと思います。

私どもは、健常者だけではなくて、たくさんの方が弊社の商品を使っていただくということで、ホームページに音声読み上げソフトというものを入れておりまして、特にお客様相談センターのところは、去年の10月からしっかり読んでいただけるように直しております。

一番は、やはり健康に危害があっては困るので、アレルギー表記など、目の不自由な方にとっても、しっかり私どもの商品を正しく・美味しく使っていただくために、ホームページのアクセシビリティの向上にも取り組んでおります。

また、音で見るレシピということで、音声でレシピを紹介しているホームページもございまして、こちらは、非常に様々なところでご評価をいただいて、ありがたいことに様々な賞をいただいております。

私どもは、今、お話ししてきましたように、お客様と会社の架け橋でありたいと思っております。私たちは、社会価値と経済価値、両方を生み出せる部門だと思っておりまして、企業の代表として、そしてお客様の代表として、常に中立の立場で、お客様との架け橋となることで、お客様の声を商品・サービスに反映し、お客様満足の向上、Well-beingに貢献すること、そして、お客様からの信頼を得て、当社のファンになっていただける、ファンであり続けていただける。それこそが、私たちの目指しているコンシェルジュ化であり、お客様満足向上による、企業価値向上の取組みだと考えます。

ありがとう、また買うわ、この声をぜひいつも聞きたい、こう思っておりますので、私たちは、デジタルAIの時代だからこそ、人でやること、人でなければできないことは何なのかということをきちんと考えて真摯に向かい合って、今後とも様々なことにチャレンジしてまいりたいと思います。

本日は、御清聴ありがとうございました。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

これより、質疑応答と意見交換を行いたいと思います。時間は約40分、11時頃までを予定しています。いかがでしょうか。

今村委員、お願いします。

○今村委員 今村です。御説明ありがとうございます。

味の素の取組、すごく頑張っていただいていると、よく分かりました。私も味の素さんとのお付き合いは、30年ぐらいさせていただいている中で、味の素のリスクコミュニケーションについて教えていただきたいことがあるのですけれども、やはり食品添加物についてのリスクコミュニケーションというのは、味の素さんが今まで率先してやってきていただいていると思うのですけれども、そういった分野というのは、今、御説明いただいた、松村さんの部署が併せてやっていることなのですか、それとも会社のまた違う部門がやっていることなのでしょうか、もしやっているのだったら、どういう取組をしているのか教えていただきたいと思います。

以上です。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 ありがとうございます。

食品添加物のリスクコミュニケーションということで、よろしかったかなと思います。

いわゆる、うま味調味料味の素®のことだと思いますけれども、責任を持ってやっている部門は、品質保証部門と、それから、グローバルコミュニケーション部という広報部門、この2つが責任を持って外に向けて発信をしております。

私どもは、お客様に対して、やはり、例えばアスパルテームもそうですけれども、お問い合わせがあったときには、どのように答えるかということは、事前にちゃんとFAQをつくっておりまして、様々な世の中で論文が出たとか、事象が起きたと言ったときには、事前に関連部門としっかりコミュニケーションを取って、お客様に分かりやすく、品管部門が作成する学術的な文章は、なかなかに難しくて、お客様にお伝えしても分かっていただけないと、何のためのかけ橋か分かりませんので、私たちのほうで、お客様に分かりやすく、開いた言葉でお伝えできる準備をします。

そういった意味では、一般のお客様の窓口として責任を持って対応はしますけれども、基本的な考え方の整理は、それぞれの部門でやっていただくということで、私の回答となりますが、いかがでしょうか。

○今村委員 状況は理解しました。私のところにも食品添加物に対しての不安というのは、物すごくたくさん質問がやってくるという状況があって、実際にその対応では、結構大変な思いもありました。

例えば、味の素さんで言えば、Lグルタミン酸とDグルタミン酸の問題とかがあって、なかなか答えが難しい部分があると思うのですけれども、そういったことも技術部門からの話を、そちらの部門で読み解いて話をしているのでしょうか、そういったことは、もう技術部門のほうに投げているのですかね、どのようにデマケをされているか、教えていただければと思います。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 お電話をいただいた場合は、私どものほうで基本的には全てお答えをいたします。メールの場合は、ある程度、時間も即座に返す必要がないので、こちらでしっかり技術部門がつくってきた文章を分かりやすくするというコミュニケーションを何度かした上で、この内容で間違いないですねという確認をして、私どもからお返しをするという状況でございます。

○今村委員 社会的には、やはり添加物への不安というのは非常に強くて、必要なものに必要な添加物を入れていると、うまく説明できないと、すごく誤解を生む世界だと思いますので、ぜひ、これからもそういったリスクコミュニケーションに力を入れてほしいと思います。

今村からは、以上です。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 ありがとうございました。頑張ります。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

続きまして、中田委員、お願いします。

○中田委員 松村様、御説明ありがとうございます。オンラインにて失礼いたします。

お客様の声を実際に商品改良やCM改善に生かされている事例など、大変興味深く御説明を伺いました。

その上で、2点質問を伺わせてください。

1点目は、もしかしたら、今の今村委員の御質問と関係することかもしれませんが、11ページのお客様相談センター(室)で、サポート対象外の商品に栄養ケア商品やオンラインショップで販売されているサプリメントの化粧品などがあるようですが、栄養ケア商品やサプリメント、あと化粧品は、消費者からの問い合わせが一般的に多い領域の商材ではないかと思うのですが、こちらの対応体制について、専門領域の体制があるのか、また分けられている理由などがあれば、まず可能な範囲で教えていただければと思います。

2点目は、サイトも拝見させていただきましたが、問い合わせページの上位部分に商品ごとに問い合わせできる電話番号が書かれていて、そこに該当する商品画像も貼られていて、とてもお客さまフレンドリーであると感じましたが、多分、極力御社では電話対応をされていると理解いたしますが、電話の受付時間や混雑時の対応など、もし課題感をお持ちであれば、そのことも伺えればと思います。

少し具体的に気になっているのは、電話窓口は基本的に平日日中のみとなっていらっしゃいますので、この時間帯に電話が集中してつながりにくいということなどがないのか、その点についても御教示いただければと思います。

以上、2点です。

○鹿野委員長 それでは、お願いします。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 それでは、まず、最初にお問い合わせいただきましたサプリメントや、栄養ケアの商品についての問い合わせ窓口についてですけれども、こちらは御推察をいただいているとおりで、専門の部門がおりまして、専門のメンバーが対応しているということでございます。

私どもの家庭用商品は、商品数がかなり多いので、そういった中で、範囲をこれ以上広げないほうがいいということで専門の人たちにやっていただいているということでございます。

それから、2つ目の問い合わせの混雑時間の対応だったり、集中してつながりにくいことはないですかということでございますけれども、現状は、混雑してお電話がかかりにくいということはありません。

日中の限られた時間ではありますが、その時間に、ほぼ98パーセントぐらいですかね、取れていると思います。放棄呼はほとんどありません。ですので、かけてくださる方も皆さん、お昼休みも含めて、理解してお電話をしてくださっているようですので、大丈夫かなと思います。それから、現在は、チャットボットも用意させていただいておりまして、お若い方だったり、それから、もちろんメールもありますので、そちらへのお問い合わせも増えてきているという中で申し上げますと、お客様自体がお電話だけではなくて、ほかのツールでお問い合わせをしてくださっているのかなということも感じております。

以上です。

○鹿野委員長 中田委員、よろしいですか。

○中田委員 明解な御回答をありがとうございます。放棄呼がほとんどないというのは、大変驚きでありまして、御社では、回線と人員を潤沢に用意しているという理解でよろしいでしょうか。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 そうですね、回線が潤沢ということもあるでしょうし、私どもの応対のメンバーが、的確に、要は長い時間をかけて質問応対をしなくても、的確にお客様の質問にしっかり答えられるので、そういった意味で、応対の時間が短いと思っていただければよろしいかと思います。

○中田委員 御説明ありがとうございます。

応対のスキルアップも向上されているということで、そこにより、業務の効率改善も図られているということで理解いたしました。御回答ありがとうございます。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 ありがとうございます。

○鹿野委員長 それでは、小野委員、お願いします。

○小野委員 御説明をいただきまして、ありがとうございました。

まず、いわゆるお客様相談窓口の組織的な位置づけとか、消費者庁が推進をしている消費者志向経営、これを具現化され、受賞もされていますけれども、改めて、その概要を本日伺うことができました。

そういった意味では、消費者志向経営の先進的なモデルでいらっしゃると思いながら、お話を聞いておりました。

質問としましては、私の専門が消費者教育ということもありまして、いかに、消費者教育というか、情報を届けるかに興味があるわけなのですけれども、今の中田委員からのお話との関係でもありましたが、チャットボットとか、音声自動変換システムの導入とか、デジタルなところでのお取組ということが、とても心強いと思いますが、そういったデジタルツールについて相対的には高齢の方などは日常的な使い手ではないように思い、いわゆるデジタルな脆弱層へのアクセシビリティについて、取り組んでおられるところをお尋ねしたいというのが1つございます。

それから、先ほど、相談のスキルのお話にも及んでおられましたけれども、例えば、消費生活アドバイザーなど、消費生活に関わる専門家の資格を持っておられる方の採用を優先しているかなど、そういった人材についてのお話を聞きたいです。

ですので、1つ目がデジタルのお話、そして、2つ目が人材の獲得とか、養成とか、その辺りをお聞かせいただきたく、質問をさせていただきました。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、2点、お願いします。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 まず、最初のデジタル及び高齢者対応だと思っておりますけれども、私どもは、今、お話がありましたように、御高齢の方に対して、問い合わせの窓口を閉めるつもりは全くないので、そういう意味では、電話窓口は数多く開けてあると自負しております。

それから、例えば、工場見学の受付などは、今、メールだけになってしまっているのですが、それでお困りの方が、お客様相談センターのほうにお電話をいただいたりするのですね。そうすると、私どものほうで、一緒にこうやって動かすのですよというのをアドバイスさせていただいたり、そういうことも寄り添いというか、させていただいたりしていますので、そういった意味では、必要に応じて必要なところで私どもはお手伝いをさせていただくというスタンスでおります。

それで、先ほどお話がありましたように、チャットボットについても、今、進化が進んでおりますし、応対者に対して、より速く、より正確に、お客様が何を、どう知りたいのかみたいなことを、AIなどを使って、検索をしていくことができるみたいなシステムを、要は裏側でデジタルを進化させていって、お客様のところは、若い方はデジタルが得意なので、そちらを使っていただいて、ベテランの方や使えない方は、お電話でどうぞという窓口を用意していると御理解いただければよろしいかと思います。

2つ目の相談のスキルなのですけれども、消費生活アドバイザーの資格を持っている者も、私どもの社員の中にはいるのですけれども、そういう方を優先するということよりは、やはり寄り添いの姿勢をしっかり持てるかどうかということのほうが、私どもとしては大切だなと、要は資格ではなくて、やはり資質ではないかなと思っておりますので、そこは幾らでも教育をすることで補っていけると思っておりますので、資格を優先しているかと言われると、それはありませんという回答ではないかなと思います。

また、応対者にとっては、そのスキルを磨くための様々な教育を私どもは入れておりますので、ここではお話はできませんけれども、そういう意味では、皆さんのスキルが上がっていることで、例えば、お年寄りの方も気持ちよくお電話をしていただけるとなっているのかなと思っております。

以上です。

○鹿野委員長 小野委員、よろしいですか。

○小野委員 ありがとうございました。

お客様というよりは、会社の中で、言わば裏側でいろいろデジタルの高度化あるいは社員の教育が進んでおられるということが理解できました。どうもありがとうございました。

○鹿野委員長 それでは、善如委員と柿沼委員からお手が挙がっているようですので、順に、善如委員、まずお願いします。

○善如委員 では、質問をさせていただきます。神戸大学の善如です。

味の素における様々な取組に関しまして、実態を含めまして御丁寧に説明していただき、ありがとうございました。

私から質問をさせていただきたい点ですが、端的に言いますと、味の素社内におけるエビデンスに基づいた意思決定に関してお聞かせいただきたいです。

もう少し背景を説明いたしますと、もちろん大きな企業ですので、様々な取組を新たに始めたりだとか、既存のものを改善したりだとか、うまくいっていないから廃止したりだとか、様々な意思決定が日々行われていると思うのですが、そういった判断を下す際に、客観的なデータというものを社内でどのように収集して、どのように活用されているのかに関して、教えてほしいのです。例えば、今回のスライドで言いますと、スライドの20ページのところに、「Cook Do®」の事例が共有されておりまして、このグラフを見ると、何かパッケージ改訂をしたから、すごく効果が出たのだなと思いそうなのですが、私のような研究者がこれを見たら、たまたまというか、不満を言うような人というのは、もう買うのをやめてしまっただけで、そういう人は、もう買わなくなったから不満が減っただけで、パッケージ改訂がたまたまそのタイミングに合っただけではないかだとか、様々なほかの原因というのがあるのではないかと考えてしまって、この意思決定が本当に科学的というか、学術的なというか、客観的に正しい意思決定だったのかどうかというのは、まだ疑問が残るなと、研究者としては思ってしまうのですね。

もちろん、カスタマーサービスの実務において、こんな学術論文を書くようなレベルのエビデンスを集めていては何もできないというのは、もちろん承知はしているのですが、味の素さんほどの大企業におかれまして、どの程度をそういった客観的なエビデンスを自社内で蓄積して分析しているのかだとか、自社内では少し足りないから、そういったマーケティング分野の研究成果であったりだとか、専門家に意見を求めたりだということをどの程度行われているのかなというのが聞きたいところです。

製品開発とかの部分とかでは、もちろん、様々な学術的な実験などを多数されて、商品化されているとは思うのですが、カスタマーサービス部門において、どれぐらいそういったエビデンス・ベースド・デシジョン・メイキングが行われているのかに関して、可能な限りでよろしいので、共有していただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

○鹿野委員長 お願いします。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 実は、今回提示した資料は、随分はしょった資料なのです。20分でお話しするということでしたので、皆さんにご理解いただくために事例をたくさんお話ししたほうがいいだろうなと思って、1枚に収めてしまいました。この事例で申し上げますと、今、おっしゃっていただいたように、実際に研究所のメンバーが、このつくり方でやったら塩味はどう感じる、このつくり方でやったら塩味はどう感じるというのを全部データ化して、グラフ化して、もちろんデータをもって、自分たちも食味をして、違いがやはりあると。

研究所の方たちは、つくっている段階から、この質問が来るかもということは、ある程度想定はしているのですけれども、今回の場合で言うと、“本格的な突き抜けた最高の味”を目指して、尖った商品を出しましょうというコンセプトで開発・発売しているわけですね。それに対して、万人に受ける味にしようとすると、角が丸まっていってしまうわけですよ。それで、お客様は、どの部分の尖ったところにネガティブに感じているのかということをデータで確認・整理し、もともと持っているデータを活用しながら修正していく、お客様の声を照らし合わせて、確認して修正して、を繰り返す。その後、事業の人間と、研究所と私たち三者で話をして、どのように伝えたらお客様に伝わりやすいのか、マーケティング上だけではなくて、そういうことを改善していくという考え方なのです。

ですので、細かいデータや、詳しいことは、お教えできないのですけれども、この商品に関して言いますと、後ろに多くのデータがあったということは間違いがないとお話ができるかなと思います。

いかがでしょうか。

○善如委員 すみません、今、説明いただいた話だと、データがたくさん蓄積されていると言っても、それは開発段階といいますか、うまく言えないのですが、製品開発におけるデータの蓄積で、それは活用されているのだと思うのですが、カスタマーサービスにおいて、パッケージを変えたから消費者にうまく伝わって、つくり方を間違う人が減って、不満が減ったかどうかの、その因果関係に関するエビデンスの蓄積や分析に関して教えていただきたかったのですが。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 ごめんなさい、理解が悪くて申し訳ありませんでした。

それで申し上げると、電話口の応対の人間が、この商品に関するお問い合わせをいただいた方に、パッケージを変えてからも、しばらくの間、どんなつくり方をしていますかとか、それからパッケージ裏面を御覧いただいていますかみたいな質問をさせていただいているのです。その内容や結果で、パッケージの効果があったか否かを判断しています。

実は、パッケージを変更したからといって、必ずしもこの結果が出るケースばかりでは、ありません。修正を繰り返してもなかなか同じ効果が出ず、お問い合わせが減らないというケースもあるのです。あるのですけれども、今日は成功した事例を、たまたま御説明をしましたけれども、なかなか変えるのが難しいということも、もちろんあります。

それで、私どもは、応対のメンバーと共に、継続的にお客様に、「よろしかったら、つくり方を教えていただけますか」ということも聞きながら、データを蓄積し、正確に再現できているのか、お客様の思っているとおりにやれているのかというのは確認をしております。

その回答でよろしかったですか。

○善如委員 ありがとうございます。うまくいった事例を今回紹介していただいたということで、しかもフォローアップのアンケートだとか、エビデンスに基づいて意思決定をされているというのは、すごくよく分かりました。同時にうまくいっていないものもあるというお話があったので、そこから推察するには、やはり、社内でうまくいった事例や、うまくいかなかった事例なども総合的に見ながら、どういった判断をするといいのだろうかというのが、社内である程度分析されているのかなと推察はできました。

もう一つ、最初の質問で聞いてあれなのですけれども、最後にもう一つだけ教えてほしいのが、どうしても社内で分析するだけでは、どうしようもないので、社外の専門家に聞くだとか、学術的な知見を活用するだとかというところに関しては、いかがでしょうか。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 「必要に応じて」というお答えすればよろしいですかね。基本的には、社内でやることが多いですけれども、学びの場所が様々にありますので、他社様の事例や、そういったところで学んでいくことはあります。ただし、個人情報の関係もございますので、お客様の声そのものを外部へ出すことはできないのですけれども、分析の仕方だったり、声をどう読んでいくかみたいなことは、同業の方と意見交換をする場がございますので、そういった中で、日々研さんしていくというところではないかなと思っております。

○善如委員 なるほど、ありがとうございます。

言えること、言えないこと、たくさんあった中、丁寧に対応いただき、ありがとうございました。よく分かりました。

私からは以上です。ありがとうございます。

○鹿野委員長 それでは、柿沼委員、お願いします。

○柿沼委員 味の素様、様々な取組について御説明いただきまして、ありがとうございます。

私からは、3つ質問をさせてください。

まず、1点目ですけれども、製品事故とか、アレルギー症状を出された方の対応なども、当然おありかと思うのですが、そのような緊急対応や、体制についてどのようになされているのかというのを教えていただきたいと思います。

また、緊急時に最も対応が必要となる年齢層など、分類できるようなものがあれば、教えていただきたいと思います。

また、例えばリコールが出た場合には、通常、先ほど中田委員からも質問があったかと思いますけれども、土日祝日など、休日についても対応をなさるのかどうか、その辺りについても教えていただきたいと思います。これが1点目です。

それから、2点目です。電話窓口とか、チャット、それからメールなど、様々な消費者からのアクセス方法があるということですけれども、一番難しいと感じる点、電話だったらこういうメリットがあるけれども、ここにデメリットがあるとか、いろいろな点があると思いますので、教えていただければと思います。

それから、3点目ですけれども、先ほど気になったのが、工場見学のときのキーホルダーの事例について、お話しいただいたかと思います。口に入れないようにということで注意書きがされているということなのですけれども、そもそも口に入れないようにするような、注意書きだけでは、お土産などでお渡しした場合に伝わるかというと、なかなか難しいところもおありかと思いますけれども、お子様とかにお渡しすると、もうすぐ注意書きのところを読まずに、びりっと開けて捨ててしまって、そのキーホルダーだけ持つと、そういう方もいらっしゃるかと思いますので、口に入れないような取組みたいなものについて、何か御検討されていないかなということが1つございますので、教えていただきたいと思います。

以上3つです。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 では、最初の1番目のところから、いわゆるリコール等々の緊急時の対応ですけれども、まず、今回ご紹介の資料に入っておりませんが、私どもの声で製品に関する危機管理のものについては、品質保証部門と、それから商品事業部の品質管理担当、それから私ども、その三者で必ず見ており、これは危ないかもしれないというアラートをお互いに出し合いながらやりますので、そういう意味では、まず、そういう状況になるか、ならないかという状況を、できるだけ早いタイミングで察知・共有ができる仕組みがあります。

実際に、リコールという事態になってしまった場合は、商品事業部が最終責任者になって、そこの事業部長、弊社でいうと、今は役員ですけれども、そこから、きちんとリコールのときには、この人がこの役割というのが、組織図も全部できていまして、それに伴って、それぞれの役割をしっかり担って進めていくという状況でございます。当然ですけれども、消費者庁にも御報告をしていくということも含めてやってまいります。

リコールのときには、当然ですけれども、新聞等々で告知もしますので、土日関係なく、窓口を開けるということになります。

その際は、特別の窓口を開けますので、通常のお問い合わせの窓口はそのまま私どものところでお預かりし、緊急の場合は、緊急の窓口を別に開けるということをしておりますので、通常のお問い合わせをしたい方に不備がないようにするということも、実は準備をしているという状況でございます。

2番目の窓口等々で難しいなと感じる部分でございますけれども、恐らくほかの会社様も同じことをおっしゃられたと思いますが、電話によるお問い合わせというのは年々減ってきております。

それは2つ理由があると思いまして、1つは先ほどお話し申し上げましたように、もともとお客様から過去にいただいた経験値から、アセスメント、商品開発をしている段階で、そういうものはよけていくということをしていますので、質問をすること自体が減ってきているという事態が、まず、1つあると思います。

それと、お電話をされる世代が上に上がってきていますので、若い方は、先ほど申し上げたようにチャットボットやホームページで、御自身で確認をして、電話しなくても解決ができるような状況をつくっておりますので、そういった意味では、時代の流れとともに、うまくデジタルを使いながら、お電話でお問い合わせをしたい方のための窓口を開けておくという仕組みをつくっているという状況でございます。

3つ目のキーホルダーの件でございますけれども、実は、お土産ではありません。これは商品でございますので、お買いになる方は、幼児は、まず考えられません。親御さんがお買いになられるということでございますので、その時点で、まず一旦注意喚起をするということを徹底しております。

それから、あとは、おもちゃと一緒でございますので、そういう意味では、今回の注意喚起も、実は、小さな子供向けのおもちゃなどを参考にさせていただいております。私どもは、食品だからといって、ほかの業界を見ていないかというと、そういうことではなくて、できるだけ、お客様にとって不安がないような仕組みを入れるということが、お客様相談センターの役割ではないかなと思っておりますので、そういうことを心がけております。

以上です。

○柿沼委員 御説明いただきまして、ありがとうございました。

リコールの際には、特別の窓口を開設するということで、一般のお客様相談窓口のほうは、別に切り分けてということですけれども、リコール開設窓口が増えてしまうと、基本的には一般電話のほうにかけてくるような方もいらっしゃるのではないかなというところが、少し気になったところです。

また、SNSの炎上ですね、これは、どちらの事業者様においても、大変気になっているということですけれども、その辺りの取組なども、もしもおありでしたら、ごめんなさい、追加となりますが、教えていただければと思います。

以上です。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 緊急時は、もちろんこちらでも受けられるような体制をつくっております。御心配いただいているとおりだと思いますので、窓口は、リコールのほうの窓口がいっぱいであれば、当然通常のところでいただくと思うので、その対応はきちんとできるように準備はもちろんします。

SNSは、こちらでは、実は見ておりません。別にSNSを監視している部門がございまして、そちらで見ております。一旦炎上が起きると、当然、こちらの窓口にも、「大丈夫ですかと、味の素さん、心配しています」というお問い合わせの電話が来ますので、そういった意味では、そこできちんと対応ができるような準備はしておりますけれども、私どものところで、SNSを監視しているわけではございませんので、すみません、これ以上のお答えは難しいかと思います。

○柿沼委員 分かりました。ありがとうございました。

○鹿野委員長 大分予定した時間が近づいているのですが、黒木委員長代理と大澤委員からお手が挙がっていますので、順番に、できれば手短にお願いします。

○黒木委員長代理 とても分かりやすい資料でありがとうございます。

まず、13ページについてお尋ねします。2024年度と2025年度の対比で、お問い合わせが約1割減少しているという資料をいただいておりますが、この減少の原因について、御社として社内で何か分析をされているのでしょうか。

次に、15ページで、御社は常に「お客様第一」を掲げていらっしゃいます。一方で、23ページの資料を拝見しますと、御社はいわゆるカスハラ、カスタマーハラスメントへの基本方針を公表されており、私もその内容を読ませていただきました。

労働施策総合推進法の改正により、雇用主にはカスタマーハラスメントに対応する義務があるものと理解しております。御社のカスハラの基本方針では、お客様第一を掲げる一方で、従業員やスタッフに対する一方的な言動などのカスタマーハラスメントは就業環境を害するものであるとして、カスタマーハラスメントに対しては毅然とした対応を行うと書かれています。そこでお尋ねします。御社は、お客様からの申し出が正当なクレームなのか、それともカスタマーハラスメントに当たるのかを、どのような形で判断されているのでしょうか。また、雇用主としてのカスタマーハラスメント対応義務と、「お客様第一」という御社のお考えを、どのように調和させていらっしゃるのでしょうか。

以上、2点です。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 では、まず、最初のお問い合わせの減少についてですけれども、先ほど少し御説明させていただきましたけれども、1割ですかね、それぐらいは減っていると思います。

お声は年々減少しておりますが、先ほどお話ししたように、もともと商品発売の際にアセスメントをしておりますので、過去のお問い合わせで、このようにしてほしいというお客様の要望については、事前に商品開発、次のものを開発するときには直していますので、そういう意味では、お問い合わせは減るべくして減っていると思っています。

一方で、お電話をかけてくる年齢層が上がっているということもありますので、そういった意味での減っているということもあるでしょうし、先ほど少しお話ししましたけれども、電話ではなくて、御自身で、まずは調べて解決してしまう方がほとんどなのです。そのようにされる方が、今、6割から7割いらっしゃるのです。世の中の皆さんは、お客様相談センターに電話するよりは、まずは自分で、ネットで調べてという方が多いと思うので、そういう意味で、世の中の流れで減っているのだろうなと思います。

2つ目のカスハラの対策というか判断ですけれども、私どもは会社としての対応方針は去年の6月にホームページに上げましたが、お客様相談窓口としては、それ以前に、この言動だったらカスハラと判断しましょうとか、様々なルールをきちんと決めております。また、一次応対者が、どういう状態になっているかというのを遠隔で見られるような状態に常になっておりますので、管理者が、もう10分以上同じ話をしているな、というような危ない傾向が見られたら、代わるように声をかけるというような仕組みもございます。そういった意味では、従業員を守るということと、カスタマーハラスメントであると判断する軸、それは社内できちんと持っておりまして、実はちゃんと訓練もしています。そうしないと、応対者は、自ら電話を切ってはいけないという教育をずっとされてきており、お客様が電話を切るまで切れないという習慣がついてしまっているので、そうすると、なかなか切れなくて厳しい目に遭うこともあります。よって、そういうことがないように、このワードが出て、警告し、何度か、やり取りしても変わらないようであれば認定、管理者だけでなく、気付いた者がアラートを出す仕組みと対策をしっかりしています。

○黒木委員長代理 ありがとうございました。勉強になりました。

○鹿野委員長 それでは、大澤委員、お願いします。

○大澤委員 松村様、どうもありがとうございました。お時間ないと思いますので、簡潔に伺いたいと思います。

2点伺おうと思っているのですが、1点なのですけれども、先ほど黒木委員長代理がお示しされていた13ページのスライドなのですが、こちらは、結構、声の内訳が多岐にわたっているように思いまして、取扱店、賞味期限が多いということですが、しかし、これも10パーセントぐらいですので、見ると、結構1パーセント、零コンマ何パーセントまで含めると、結構な様々な声があるのではないかと思います。

それで、クレームとか、あるいはリコールに関する話は、もうほかの委員が聞いていますので、ここに関して私は触れませんが、他方で、このお客様価値共創推進部でしたか、そちらは52名と書いていらっしゃったと思うのですけれども、結構多岐にわたるものを52名で対応されているということで、やや驚いたところはあるのですが、これに関しては、味の素さんは、物すごく大きな会社だと思いますので、52名というと、若干少ないのかなと思いつつ、しかし多岐にわたるものに対応していることは、すごくすばらしいのではないかと思ったのですが、先ほど伺っていると、特に、例えばアドバイザーとか専門性、そこよりは、むしろコミュニケーションを取れるかというのを重視していると理解をしたのですが、いろいろ多岐にわたることが来ることで、何か御苦労とか、そういうのはないのだろうかというのが少し気になった1点目です。

2点目なのですが、これは物すごくシンプルな質問なのですけれども、今年の4月、2026年から、お客様価値共創推進部という名称に変更されたということで、これは私の聞き漏らしかもしれないのですが、何かきっかけがあったのでしょうかというのを伺いたいと思っています。お客様価値共創推進というコンセプトでお名前を変えられているのですけれども、これは何かきっかけはあったのでしょうか、あるいは何か考え方の変化とは言わないですけれども、まさにお客様の声を聞きながら、この商品の価値も上げていく、それでお客様とコミュニケーションを取りながらということだと、お名前にはこもっているように思ったのですが、何か例えば、社会の流れとか、苦情に関しては、先ほども黒木委員長代理がおっしゃっていたように、10パーセントぐらい減っているようですから、何かきっかけがあるのだろうか、お客様の声を聞くということはとても大事だということを改めて認識するような何か、例えば社会的な影響とか、法改正とか、そういうのがもしあれば教えてください。

以上になります。

○味の素株式会社食品事業本部お客様価値共創推進部松村部長 では、簡潔にお答えしていきたいと思いますけれども、まず、多岐にわたる質問に対してなのですけれども、実は関係部署と、全てTeamsを持っておりまして、この問い合わせには、こう答えますかという、過去の履歴も全部残っておりますし、簡潔にチャットでやり取りをし、できるだけ迅速に答えを出していくことをしています。それぞれ担当がやり取りをするわけですが、私は最後の責任者なので、会話の流れを把握し、間違った方向に行かないことだけを確認している状況です。メンバー一人ひとりが責任をもってやり取りしているので、大変ではありますけれども、社内の協力があってこそと、思っております。

それから、4月に価値共創推進部と名前を変えた由来ですが、社外はお客様相談の窓口でいいのですけれども、社内はお客様の相談窓口というだけでは、なかなか組織の価値を理解していただくのが難しいなと思っておりました。私たちは相談に応える部門であるだけではなくて、お客様とともに、会社とともに価値をつくり上げる部門になりたい、なっていきたいという思いを込めて、この4月から、お客様価値共創推進部という名前に変えております。私が就任してから、ずっと感じていた、みんなそれぞれに非常に誇りを持って会社や社会に貢献する仕事をしているからこそ、この価値共創を、お客様とともに、そして会社とともにやっていくということを体現していきたい、みんなでそういう部門にしましょうという思いを込めています。社内で使う言葉でございますので、先ほどお話ししたように、外に向けては、お客様相談室と、お客様相談センターという言葉をそのまま、わざわざ残しているということでございます。

御理解いただけましたでしょうか。

○大澤委員 どうも分かりました。ありがとうございました。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

それでは、予定の時間も参りましたので、以上で質疑応答、意見交換を終わらせていただきたいと思います。

御説明、御回答いただき、ありがとうございました。

本日は、味の素株式会社の松村部長に御出席いただき、貴重な御発表をいただきました。味の素様では、創業当時からの志に基づき、アミノサイエンス®で人、社会、地球のWell-beingに貢献するということを目指して事業活動を行っていらっしゃるということ、お客様価値共創推進部が、本年4月に名前を変えるという形で発足し、それは顧客との関係、満足に向けた取組が、企業価値向上の戦略策定として重要な意義をもつのだという考え方をより明確にするという、そういう思想によるものであるということを伺ったところでございます。

質疑応答の中では、より具体的に、リスクコミュニケーションあるいはアクセス方法に関する工夫、対応者のスキルアップ、顧客の声を商品改善につなげるための分析、フォローアップ、あるいは他社も含めて情報交換等がなされているということなども含め、様々な取組について御紹介をいただきました。

お客様の声を受けて社内で共有し、それを反映して改善を行うという取組、そして、リスクの察知、未然防止に役立てているという取組は、食品関連事業はもとより、他の種類の事業展開にも広く妥当し得るものであると思いました。

当委員会としましては、本日の議論を踏まえ、引き続き調査審議を行ってまいりたいと思います。

本日は、松村様におかれましては、お忙しいところ御対応いただきまして、また、適切に御回答いただきましてありがとうございました。

どうぞ御退席ください。

(松村部長 退室)


《3. 消費者白書について》

○鹿野委員長 それでは、続いての議題は「消費者白書について」です。

消費者基本法では、政府は毎年国会に消費者政策の実施の状況に関する報告書を提出しなければならないと規定されております。

また、消費者安全法では、内閣総理大臣は、消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果を国会及び消費者委員会に報告することとされております。

これらの「消費者政策の実施の状況」と、「消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告」を合冊した令和8年版の消費者白書が、本年6月12日に閣議決定されたとのことですので、消費者庁からその概要について御報告をいただき、意見交換等を行いたいと思います。

改めて紹介させていただきます。

本日は、消費者庁調査研究・国際担当の森島参事官に会議室にて御出席いただいております。

また、質疑対応として、消費者庁消費者政策課の鮎澤課長に、同じく会議室にて御出席いただいております。皆様、本日は、お忙しいところありがとうございます。

それでは、まずは20分程度で消費者庁の森島参事官から御説明をお願いいたします。

○消費者庁参事官(調査研究・国際担当)森島参事官 ありがとうございます。着座のままでよろしいでしょうか。

では、始めさせていただきます。消費者庁で調査研究・国際担当参事官をしております森島と申します。よろしくお願いいたします。

本日は、先月になりますけれども、6月12日に閣議決定いただきまして公表いたしました令和8年版の消費者白書につきまして、この消費者委員会本会議の場で、御説明の機会をいただきましたこと、ありがたく思っております。御礼申し上げます。

それでは、早速ですけれども、内容のほうに入らせていただきます。

先ほど委員長のほうからも御説明がございました消費者白書でございますけれども、消費者基本法及び消費者安全法の2つの法律に基づきまして、毎年国会に報告することが定められている法定白書でございます。

1ページ目を見ていただきますと、今回の消費者白書の構成を示させていただきました。これは、毎年変わっていないところでございますけれども、こちらを見ていただきますと、右側の第2部のほうは、消費者基本法に基づき、消費者庁及び他の各省庁が行った消費者政策を記載しておりますパートになります。

それから、左側の第1部のほうでございますけれども、こちらは第1章のほうが消費者安全法に基づく報告、分析、それと併せまして、最近の消費生活相談の状況、こちらを御報告させていただいているところでございます。

第1部の下のほうに第2章とございますけれども、こちらは特集というところでございまして、毎年その時々の重点課題を特集で取り上げておりまして、今年のテーマは、ここにございますが「デジタル化とAI技術の進展で変化する、私たちの消費取引」ということをテーマとして掲げさせていただいております。

主にこの部分、特集のパートが中心になるかと思いますけれども、御説明のほうを始めさせていただきます。

ページめくっていただきまして、3ページ目になります。

こちらは、消費者庁に通知されました消費者事故に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果ということになります。

2025年度に消費者庁に通知されました消費者事故は、1万4598件ということになってございます。前年比で見ますと、若干増えている形になるかと思います。

こちらを見ていただきまして、下のほうのグラフに色分けしてございますけれども、下の赤、青が、生命身体に関する事故ということで5,990件、それから上の緑のところが財産事案と分類しておりますけれども8,608件となってございます。

これを見ていただきますと、グラフの赤と青、生命身体事故に関する部分が、前年より500件ほど増えているという状況になってございます。

これは、主に、最近いろいろと話題になってございますけれどもリチウムイオン電池を使用する製品、こちらの発火事故等も増えている、そういったことも、この数字に表れているのかなと思うところでございます。

次の4ページ目でございます。

こちらは、まさにリチウムイオン電池関係で、昨年の10月に消費者庁が注意喚起した内容を抜粋して紹介をさせていただいておるところでございます。

そのほか、資料には入れておりませんが、白書本体のほうでは、消費者庁で注意喚起を行いましたチャイルドシートでの事故ですとか、傘の骨などに使われておりますガラス繊維強化プラスチック、こちらによるけがの事例について掲載をさせていただいているところでございます。

続いて、5ページ目に行っていただきまして、ここからは、消費生活相談、PIO-NETの情報の分析となります。

上の箱のところにございますが、2025年度に全国の消費生活センターに寄せられました消費生活相談件数でございますが、97万件となりまして、前年より7万件ほど増えてございます。近年は90万件前後で推移しておりますので、少し伸びが大きくなっているところでございます。

相談内容ですけれども、右のほうで2年分比較を入れておりますけれども、昨年から引き続き、いわゆる迷惑メールですとか、不審な電話、こういったものを商品一般と、そういったキーワードで分類されるところのものが最も多くなってございます。その次に賃貸アパートの退去や原状回復のトラブルといった不動産貸借に関する相談、これが多くなっているところでございます。

そのほか、主だったところを見ていただきますと、2025年の3番目、役務その他サービスが増加しているところでございます。前年6位でしたので、そこは大きく増えているところかなというところでございます。パソコンサポートですとか、有料質問サイトのトラブル、こういった相談がこの中に入ってくるものと思われます。

次のページに行っていただきますと、高齢者の消費生活相談ということで、少し切り口を変えてみたところでございます。

高齢者の消費生活相談件数ですけれども、2025年は32万件ということになりまして前年より増えております。下のグラフを見ていただきますと、2021年以降、年々増加しているところでございます。

右側は、認知症等の高齢者の消費生活相談ですけれども、こちらも年々増えている状況が見てうかがえるかと思います。

左側のグラフに関連してでございますけれども、年代別での分解がグラフの中にございますけれども、本体のほうでは品目別の特徴も掲げさせていただいております。65歳から69歳、70歳から74歳という青と赤というのですかね、下2つのところの年代におきましては、化粧クリームとかが品目別で多くなっているところでございます。

あと、その中の年代でも、女性ではファンデーションですとか、乳液ですとか、やはりそういう化粧品関係のものが多くなっているところでございます。

さらに、その上の年代、75歳から84歳のところを見ますと、固定電話サービスですとか、修理サービス、そういったものも多くなっているところでございます。

さらに85歳以上ですと、新聞の勧誘とか、そういったトラブルも見られるところでございます。

次の7ページ目に行っていただきまして、通信販売における定期購入に関する相談について見たところでございます。

2025年は8万7284件ということでございます。2023年、2024年に比べますと、減少してはいるのですけれども、4年前、2021年が5万1000件だったことと比べますと、依然として高止まりの傾向が見られるというところでございます。

商品・サービス別では、健康食品や化粧品に関する相談、こちらが上位になっているところでございます。

続いて、8ページ目でございます。

今度はSNSが関係する消費生活相談ということで、切り口を取ってみてございます。

こちらは、公表後のメディア等で大きく取り上げられておりましたけれども、2025年は10万件を超えたと、そういった数字になってございます。2021年が5万件余りでしたので、それと比べますと、2倍以上になっているところでございます。

こちらですけれども、特徴としましては、40歳代以上から60歳代の占める割合が多くなっているところが特徴かなと思います。単にSNSといいますと、若者がよく利用すると、そういったイメージを持たれるかと思いますけれども、確かに20歳代の方のトラブルの相談も多いのですけれども、40歳代以上の年代の相談も上位に来ていると。

さらに、商品・サービス別で見ますと、先ほど高齢者のところで言いましたような化粧品とか健康食品とか、そういったものも多くなってございます。そのほか、内職、副業に関する相談も上位に来ているところでございます。

さらに、SNS関係では昨年の白書の本文にも書かせていただいておりますけれども、金融商品等への投資話、これに係る相談が多くなっているところでございます。

9ページに行っていただきまして、こちらは、消費者被害・トラブルの経験と被害・トラブル額の推計ということになってございます。

消費者被害・トラブル額の推計ですけれども、これは毎年、本当に大まかに取っている数字でございますけれども、単純に申し上げますと、消費者被害、トラブルの経験率と、1件当たりの平均被害トラブル額、これを掛け算して求めるという非常にざくっとした推計になってございますが、2025年は、右下のところですけれども7.6兆円ということで、前年よりも下回ったことになってございます。

以上が第1部第1章でございます。

次のページからですけれども、今年の特集の内容についての御説明に入らせていただきます。

冒頭申し上げましたが、今年の特集テーマは「デジタル化とAI技術の進展により変化する、私たちの消費取引」ということにしてございます。

この数年間でインターネット取引やSNSが多く普及、日常化しております。さらに生成AIの登場などによって消費者の利便性が向上しているところかと思います。

その一方で、デジタル技術を悪用した新たなトラブルも生じていると、そういったことの実態を把握しようというところでございます。

その切り口としてございますけれども、右側のほうに書いてございますけれども、3つテーマを置いてございます。「事業者の販売手法の多様化」と「情報の個別化と消費者のAI活用」と「消費者の取引市場への関わり方の変化」と、この3つの点につきまして、消費者へのアンケート調査の結果を基に、消費者の意識や行動、トラブルの実態など、現状を調査、把握、分析したところでございます。

では、具体的な結論の中身でございます。

12ページ以降、我々の今回の分析の結果を書かせていただいておりますけれども、内容的には、例えば12ページを見ていただきますと、インターネットとかSNSの利用率でございますが、こちらは、総務省の白書などから引用しているものでございます。

いろいろと他省庁とか、民間企業の調査結果も借用させていただいて、デジタル化の進展状況というものを分析しているところでございますけれども、その辺りは、今回資料に載せておりますけれども、説明のほうは割愛させていただきまして、当庁で行いましたアンケート調査、これらの結果などを中心に御説明のほうをさせていただければと思います。

それでは13ページに行っていただいて、こちらは、消費者が暮らしの中で注意すべき情報、これをどこから入手しているかというところでございます。

実際2019年度にも、同様の調査をしておりまして、そことの経年比較も行ったところでございます。

こちらを見ていただきますと、2019年度と比較しまして、赤枠で囲みましたところ、インターネットサイトとか、SNSとか動画配信サイト、こちらから情報を入手する人の割合というものが増加しているところでございます。

その一方で、テレビ、ラジオとか、家族、友人、新聞、雑誌、書籍といった従来型の情報源から情報を入手する人の割合というものが減少しているところでございます。

こちらの文章の中に書いてございますけれども、10歳代後半とか20歳代と言いますと、先ほど申し上げました赤枠で囲ったところ、こちらの割合が、テレビ、ラジオから入手するという割合を上回っているというところが見て取れるかと思います。

それから、下のマルのところの後段のほうですけれども、新聞、雑誌、書籍から注意すべき情報を入手する割合、こちらも、特に40歳代、50歳代で大きく減少している、そういったところが分かったところでございます。

14ページ以降は広告費ですとか、そういったところがございますけれども、少しはしょらせていただきまして、18ページを見ていただければと思います。

こちらも、先ほどの情報入手先のデータとは、また年次が違うのですが、2018年度に同様の調査をしたものでございまして、消費者政策上の重要課題、対応が特に重要になると思う課題について、消費者の皆様にアンケート調査を実施したところでございます。

こちらを見ていただきますと、やはり上位には、高齢化や単身世帯化に伴う消費者問題への対応ですとか、インターネット上の利用履歴など個人情報、個人データの取扱いとか、そういったところに対する不安というもの、問題があるというところが上位を占めておるところでございますけれども、上位3つを見ていただきますと、いずれも前回調査よりは減少しているところでございます。

その下の赤枠で囲いましたが、AIやさらなる情報化など、デジタル技術の革新による消費者問題への対応が重要だと回答いただいた割合、こちらが16.4パーセントと大きく増えているところでございます。

こういったところからも、デジタル化やAI技術の進展等に伴う消費者問題を特に重要な課題と捉える消費者が大幅に増加していると、そういったところがうかがえるかと思います。

では、次に19ページからになりますけれども、こちらは、先ほど申しましたところですけれども、3つの観点、柱に沿って、消費者の意識や行動を分析した結果を示させていただいたところでございます。

まず、1つ目でございます。事業者の視点から見た、事業者の販売手法の多様化というところでございます。

デジタル取引におきましては、いわゆるダークパターンと呼ばれるような消費者を意図しない行動に誘導する仕組みが広がっていると、そういった実態を把握したところでございます。

グラフのほうを見ていただきまして、左側のほうになりますけれども、インターネット広告や表示に対する考えや印象について聞いたところでございます。

これは、青と赤で色分けをしてございますけれども、青色は、どちらかといえば、肯定的な意識で、赤色が否定的な意識というところでございます。

青い項目にございますように利便性を感じる人がいると、ほしい商品・サービスを見つけやすくなったと、そういった割合が一番多くなってございますが、その下に続きますのは、なぜ、この広告が表示されるのか分からず、不安に感じたですとか、カウントダウンタイマーとか、そういったものでプレッシャーを感じたとか、そういう不安や不公正さ、そういったところを感じる人も同じ程度いるところが分かったところでございます。

右側は、今度はサブスクリプション契約の解約の関係の話でございます。こちらに書いてございますが、2文章でしか書いてございませんが、インターネットでのサブスクリプション契約をしたことがある人のうち、解約トラブルに遭った人というのは2割ほどいるところでございます。

そのトラブルの内容としましては、ここに書いてございますけれども、やはり、解約の手続ページが見つからなかったとか、非常に複雑だったとか、そういったところ、そういう解約条件や解約手続が煩雑、複雑であり、解約を妨げられたと、そういった経験をしたというところでございます。こういった人も、上位のほうを見ますと、半数近くいると、そういった結果になってございます。

続いて、20ページに行っていただきまして、いわゆるダークパターンの中には、返品条件の情報を意図的に分かりにくくするものもございます。

こちらのグラフのほうで見ていただきますと、インターネットで購入した商品のうち、返品をしようと思ったことがある人の割合というのが45パーセントほどになってございます。

その45パーセントの人のうち、右側を見ていただきますと、およそ2人に1人、52パーセントの人が希望どおりに返品できたという結果にはなってございます。

ただ、その下にございますけれども、思っていた条件ではできなかったとか、手続が難しくて断念したとか、そういった手続面や条件面での困難を感じた人もいるというところでございました。

続いて、21ページへ行っていただきまして、今度はSNSの普及を背景に、近年、事業者がSNSを通じて商品等に関する情報を発信する機会、これが増えているという、そういった実態をテーマとして取り上げた調査でございます。

左側のグラフでございますけれども、この過去1年間で、SNSのチャットで勧誘を受けたことがある人というのは、大体2割ほどでございます。年代別に分けてございますけれども、20歳代の人がやはり多くて、3割近くに上っているところでございます。

右側を見ていただきまして、これらのチャットによる勧誘の内容と意識、どう感じたかというところでございますけれども、グラフのほうを見ていただきますと、思いがけずメッセージが来たとか、そういう不意打ち的なもの、それから返答しなかったり、断ったにもかかわらず、同じようなものが繰り返し来るという執拗な勧誘を受けたと感じる人も4割ほどいるというところでございました。

次の22ページに行っていただきまして、こちらは、切り口が変わりまして、情報の個別化と、消費者のAI活用の観点から見たところの内容になります。

まず、1つ目が情報の個別化の関係でございます。AI技術の進展によりまして、プロファイリング技術も向上してございまして、ターゲティング広告をはじめ、消費者一人一人に応じた情報提供が進んでいるところでございます。

この点につきまして、インターネット上であなた向けの情報が表示されること等への意識をアンケート調査したところでございます。

これも青と赤で肯定的なもの、否定的なものと区分けしてございます。青色の利便性を感じるという方もいらっしゃいますけれども、それを今度は上回る形で、虚偽の情報が混ざっているのではないか、自分の情報が必要以上に収集されているのではないか、事業者側の都合で情報が表示されているのではないかと、そういった不安要素を多くの方が持っていらっしゃるということが分かったところでございます。

次の23ページに行っていただきまして、今度は、AIの活用実態、利用用途について調査した結果でございます。

消費者によるAIの活用ですけれども、4人に1人、25パーセントほどの利用率と経験率というのですかね、そうなってございます。

AIの利用場面を左側のグラフで聞いております。学習、勉強のサポート、仕事業務の効率化、日常生活での相談というものが、やはり多くなってございます。少し色を変えてございますけれども、こういう商品・サービスの購入とか、申込みのサポート、こういったところですけれども、これに使っていると回答をいただいたのは12パーセントにとどまっているところでございます。

この中でも右側のほうにいろいろ項目を分けてございますけれども、サービスの検索ですとか、そういうのはありますけれども、真ん中辺り、ちょうど矢印が指し示している辺りですけれども、広告やウェブサイトの信頼性判定ですとか、そういった真贋判定みたいな、そういったところにも、多分、使えるのだと思うのですけれども、その辺りの利用は限定的であったというところでございます。

この辺りうまくAIを利用していただければ、もう少し消費者トラブルの未然防止にもつながるのではないかと考えられるところでございます。

24ページです。

続きまして、消費者の取引市場への関わり方の変化というところで、これも多様な質問等を投げかけておりますけれども、24ページの資料は、いわゆるアテンション・エコノミー、消費者の時間、関心が経済的な価値を持ち取引されていると、そういったことについての認知度的なものを聞いたところでございます。

左側を見ていただきますと、まだまだ7割の人は、言葉も内容も知らないというところでございました。

ただ、右側を見ていただきますと、自分の関心・注意や時間の市場価値、その活用のされ方を理解できていないと感じている人は4割というところでございます。

消費者は、自分の関心や時間の価値、そういったものを十分理解できていないまま、いろいろなサービスを無料で使えている、理由もあまりよく理解せずに使っていると、そういった可能性があるのかなと思っているところでございます。

25ページに行っていただきまして、この項目の中では、少しまた切り口が変わりますけれども、SNSの普及によりまして、事業者だけではなくて個人が、商品のレビューとか、口コミを発信できるようになっているところがございます。

こういったところを情報の発信源別に、その信頼度を調査したところでございます。

いわゆる事業者自身が発信する情報への信頼度、左側のグラフですけれども、それと一般人によるレビューや口コミと、あと有名人やインフルエンサーによる投稿やレビュー記事、それぞれの信頼度を調べたところでございます。

そうしますと、一般人によるレビュー、口コミというのが、販売事業者の発信する情報よりは信頼されやすい傾向があるというところが判明したところでございます。

一方で、有名人やインフルエンサーによる投稿等に対する信頼度、こちらは、全体で2割というところで、あまり信頼されていないところではございますが、右側、その項目を年齢別で分析してみますと、若者ほど、そういった有名人やインフルエンサーからの口コミ等を信用してしまう傾向が高いというところが判明したところでございます。

以上、特集のほうの概要につきまして御説明をさせていただきました。

最後、ここから第2部ということで、消費者基本法に基づきます、消費者政策の実施の状況について御説明したところでございますけれども、27ページでございますが、項目だけ列挙させていただいております。詳細は本体のほうで、一応30ページほど分量を割きまして、それぞれの各省庁が行いました施策を列挙しているところでございます。

以上が、今回の白書の概要でございます。

御説明は以上になりますが、引き続き御指導を賜りますよう、お願い申し上げたいと思います。

以上でございます。

○鹿野委員長 御説明ありがとうございました。

これより、質疑応答と意見交換を行いたいと思います。少し時間が押していますが、12時15分ぐらいまでをめどにしたいと思います。いかがでしょうか。

小野委員、お願いします。

○小野委員 小野でございます。

御説明をいただきまして、ありがとうございます。私からは、特にデジタル化とAI技術の進展に伴ってのトラブル実態などの御説明、こちらについて質問をさせていただきます。

このテーマは、時宜にかなったものだと評価をしております。一方で、私は消費者教育が専門ということで、これをどのようにして消費者教育の施策に落とし込んでいくかといったところが気になるところでございます。

したがって、御報告いただいた内容というよりは、今回の結果を踏まえて、どのように消費者教育を実施していくのかというところが気になって質問をさせていただきます。

デジタルに関連しましては若年層には、例えばインフルエンサーによる消費について、それを批判的に、そして主体的に動くことをサポートする必要がありますし、一方で、デジタルについて脆弱な層、高齢者が全員というわけではないのですけれども、ライフステージごとに取り組み方の違いが出てくると思います。

今回の内容をどのように省庁内あるいは省庁間で生かしていくか、そういった道筋が何かありましたら、御教示をいただきたく質問いたしました。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、お願いします。

○消費者庁参事官(調査研究・国際担当)森島参事官 小野先生、御質問ありがとうございます。

今回テーマとして取り上げましたのは、説明の中でも申し上げましたとおり、消費者の不安意識の高まりもあるところでございまして、利便性もありますけれども、それに伴って消費者の不安も高まっているところかと思います。

さらに、デジタル化やAI技術の進展によりまして、新たな不安というものも出てきているのかなというところでございます。

具体的に申し上げますと、説明の中でありましたけれども、消費者に不利な表示やデザイン、サブスクリプション契約の解約トラブル、返品手続の煩雑さや困難さ、そういった経験をした人がいると。それから、SNS、チャットによる勧誘も広がっており、不意打ち的な、執拗的な勧誘を受けた人もいるというところでございました。

まず、庁内の体制としましては、新たに今回の白書のアンケート調査で判明した事実もありますけれども、そのほか、デジタル取引特有の課題に対応するために、今年1月からデジタル取引、特定商取引法等検討会というものを立ち上げまして検討を進めているところでございます。これが制度的なところかと思います。

あとは、こういうデジタル取引に関わるトラブルの未然防止、こういったものにつなげる対応としましては、今回の白書の結果等の周知、広報に努めていければと思っているところでございます。

以上です。

○鹿野委員長 小野委員、よろしいですか。

○小野委員 御説明ありがとうございました。

その後、せっかく得られているものを、では、あとはよろしくと、そういうのがもったいないと思っての先ほどの意見だったのです。ですので、せっかく調べていただいたものに基づいて、具体的にどう展開していくのかというのをお尋ねしたかったのですが、状況について分かりました。どうもありがとうございました。

○鹿野委員長 それでは、今村委員、その次に柿沼委員、中田委員の順番でお願いします。

まず、今村委員、お願いします。

○今村委員 今村です。御説明ありがとうございました。

今、消費生活センターのほうに来ている苦情や相談ごとについてよく分かりました。

その中で、今回全体的に健康食品に関しての問い合わせや商品の相談などが随分減っているように思いました。その背景に、ここ1年ほどの間に、機能性表示食品の規制がかなり強化されたということがあるのではないかと思うのですが、その影響を受けているとお考えかどうかということを教えていただきたいのと、今、サプリメントについて全体の規制が強化されようとしていて、それが実施されると、ここはもう少し減っていく見込みがあるかどうか、今のお考えがあれば教えていただきたいと思います。

以上です。

○消費者庁参事官(調査研究・国際担当)森島参事官 御質問ありがとうございます。

確かに、消費生活相談件数全体で言いますと、健康食品の関係ですけれども、昨年が3万3000件、今年が3万件ということで減少しておるかと思いますけれども、その要因等につきましては、私どものほうで詳細を分析しておるところはございませんので、確たるお答えを申し上げられなくて恐縮でございます。

機能性食品をめぐる動きですとか、サプリメントをめぐる動き、いろいろとございまして、その辺りは、白書の2部のほうにも記載があるところでございますけれども、それを踏まえて、今後相談件数がどうなっていくかという見通しについても、私どものほうでは申し上げるところはございませんので、御了承いただければと思います。

○今村委員 分かりました。実際に規制を強化しているわけで、その規制による成果が上がっているようにも見えるので、この辺のところの分析ができるのだったら、その規制の評価として、ぜひ消費者白書などにも反映するべきではないかと思いました。

今村からは以上です。

○消費者庁参事官(調査研究・国際担当)森島参事官 ありがとうございます。

そのようなことができましたら、また、次回以降の白書などで御紹介できればいいかなと思っております。

○鹿野委員長 それでは、柿沼委員、お願いします。

○柿沼委員 御説明いただきまして、ありがとうございました。私から何点か、御質問と、それから、コメントをお伝えしたいと思います。

まず、1つ目ですが、白書のグラフについてです。色弱の方への配慮として、模様をつけているという点は、とてもよい取組と思います。

一方で、数値が小さい部分は、模様が細かく判別しづらいことがありますので、例えば文字の太さや大きさ、コントラストなどを少し調節していただけると、より見やすくなりますので、御検討いただければと思います。

白書のデータをそのままパワーポイントなどに取り込み消費者教育などに活用する場合があるのですけれども、数値が見づらい、少し小さいので、その辺りについて御検討いただければと思います。

それから、2点目です。不動産の貸借についてです。昨年度も少し御質問をさせていただいたかと思うのですけれども、相談が全体で2位、それから20代から50代も3位以内に入っているということで、不動産貸借に関する相談は長年ずっと上位を占めており、トラブルが減っていないという状況にあります。

消費者委員会でも議論していますが、消費者庁として、この問題に対してどのような対応を進めておられるのでしょうか、課題に対して十分な対策を取っているのかということについて、2点目として、お伺いしたいと思います。

それから、3点目です。消費者白書の周知についてなのですけれども、やはり消費者行政などが見るだけではなく、やはり消費者白書を消費者にも直接見ていただきたいなという希望がありますし、いろいろなコメント、研究者などのコメントなどについても、福祉関係者の方やデジタルを推進している方などについても、見て読んでいただきたいと思っているところではございます。

そのような形の周知や、あとはリスクの高い層に対して、どのように、今後、この白書を生かすことができるのかということについて、消費者庁様のほうで何か取り組まれていることがあれば、教えていただきたいと思います。

それから最後です。こちらはコメントになりますけれども、今回、昨年度に比べて1割弱相談件数が増加しています。私は、消費生活センターに勤務しておりますが、相談内容もデジタル化やSNSを介した勧誘など複雑化しているということで、消費生活センターの相談を受け付ける電話自体がパンク状態というところがあります。

こうした状況を踏まえると、消費者が安心して相談できる体制を整えるために、消費生活センターの機能強化や、全員の充実がますます重要と考えております。今後も消費生活センターの支援体制や充実をお願いいたします。

以上でございます。

○鹿野委員長 お願いします。

○消費者庁参事官(調査研究・国際担当)森島参事官 御質問と、コメントのほう、ありがとうございました。

まず、白書のグラフの中の数字でございます。今日説明に使いました資料のほうでは、なるべく字は大きくしたつもりでありますが、確かに、まだ、少し小さくなったり、背景と重なってしまうと、若干潰れてしまうところもあるかと思います。

さらに、白書本体のほうに行きますと、より文字、数字等が小さくなっているところもあるかと思います。こちらのほう、スペースとか、グラフそのものを大きくするとか、そういった工夫を今後できたらいいかなと思っておるところでございます。

また、今年度版は既にできてしまったところではございますけれども、私どものウェブサイトのほうで、データそのものがPDFになっているかと思います。その辺りを御活用いただくときには、適宜拡大して御活用いただくとか、そういった工夫をいただきまして、より多くの皆様にグラフとともに周知していただくと、大変ありがたく思う次第でございます。

○消費者庁消費者政策課鮎澤課長 消費者政策課の鮎澤でございます。

不動産のトラブルというのは、若い方がアパートを借りるとか、契約を初めてするというものもありますので、例年あるというのは承知しております。

それで政策課のほうも、例えば国交省さんと協力しながら、春などに注意喚起などをしておりますけれども、とはいえ、引き続き発生しているのは事実でございますので、そこは引き続き関係省庁とも協力して注意喚起をしていきたいと思っております。

以上です。

○消費者庁参事官(調査研究・国際担当)森島参事官 それから、2点目と3点目の御質問につきまして、当室の総括補佐の亀田のほうから補足というか、説明、回答をさせていただきます。

○消費者庁参事官(調査研究・国際担当)付亀田参事官補佐 失礼いたします。何点か補足させていただきます。

不動産貸借の件について、私から補足させていただきますと、制度面は国交省のガイドラインにて進められているところですが、消費者庁としましては、まず、188の認知度が33.4パーセントにとどまっていることが課題と思っております。188に相談していただければ、適切な相談先を御紹介するといった対応をさせていただいているところですので、こちらが1つ課題になっているのではないかと考えています。こちらの呼びかけが重要かと思っております。

御質問の3点目の白書の周知、リスクの高い方々にどのようにアプローチをかけていくかといったところですが、非常に重要な課題でございまして、やはりリスクの高い方々、例えば高齢者層や認知症の方々、このような方々が自ら消費者白書を手に取って、自ら消費者被害の未然防止に役立てていただくことは、なかなか難しいのではないかと考えております。

したがいまして、そういった方々には、御案内かと思いますが、周囲によるサポート、見守りが非常に重要であると考えております。

その点、この白書の関係では、例えば都道府県の消費者政策の担当者や消センの方々に、積極的にこの白書を周知し、売り込んでいければと考えております。

こうしたことを通じて、間接的ではありますが、こうした脆弱性が高い方々、リスクの高い方々にも積極的なアプローチをかけていきたいと考えている次第です。

最後の3つ目に関連するかと思いますが、今、消費生活相談において、非常に相談件数が増えており、負担が大きくなっているという御指摘をいただきました。

当室は担当ではございませんけれども、担当からも、こうした意見を伺っているところでございます。

この点につきましては、こちらも御案内かと思いますけれども、今年度から新たな交付金制度が始められまして、また、PIO-NETの刷新も控えているところです。こうした施策を打つなど、当庁としてもそういった課題を十分認識しているところです。

私からの補足は以上でございます。

○鹿野委員長 柿沼委員、よろしいですか。

○柿沼委員 ありがとうございます。

周知についてですけれども、当然、福祉関係者などにも周知していただけるとありがたいかなと思っております。

また、見やすさについてなのですけれども、総務省の情報通信白書のサイト上には、インフォグラフィックというとても見やすいものがあるので、そういうものを何か参考になればなと思いました。

以上でございます。

○鹿野委員長 それでは、中田委員、お願いします。

○中田委員 消費者白書の内容の骨子と概要についての御説明、ありがとうございます。

私からは、この白書から見える消費者行政の評価について質問をさせてください。

第5期の消費者基本計画は、2025年度から2029年度までの目標達成に向けての計画となっていますが、年度ごとの進捗、具体的にどの施策が想定どおり進んで、どの施策はビハインドであるのか、検証、評価の在り方をどうするのか、今回、工程表が廃止されて、進捗評価は実際できるのかという問題提起を消費者委員会では従来からさせていただいており、消費者庁の御担当者より、白書の第2部の消費者政策の実施状況をベースに進捗評価をしていく予定であると伺っておりました。

今回、実際に白書の第2部ができ上がったわけですが、消費者庁としての消費者基本計画の検証、評価のやり方が定まった際には、消費者委員会にも報告いただけると伺っておりましたが、ここから各省庁の単年度の施策ごとの取組状況の記載の網羅性や、KPIでの達成状況の確認を踏まえて、基本計画の進捗、検証、評価の方法、また、これまでの施策の実際の評価や、今後の改善点等について、消費者庁の考え方について、改めて伺わせていただければと思います。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、お願いします。

○消費者庁消費者政策課鮎澤課長 消費者政策課の鮎澤でございます。私のほうから御質問にお答えいたします。

基本的には、消費者基本計画は大綱ですので、その大綱に消費者庁あるいは各省庁の施策が沿っているかというもので考えております。

その上で中間点検を行う予定でございますけれども、その際、EBPMの考え方であるとか、あとはKPIとおっしゃいましたけれども、測定指標をいかにするかなど、今、検討しているところでございます。

この中間点検ですけれども、論点が多岐にわたるため、こちらのほうで引き続き検討しまして、しかるべきときに改めて委員会に御報告させていただきたいと思っております。

以上です。

○鹿野委員長 中田委員、いかがですか。

○中田委員 御回答ありがとうございます。

中間点検も結構直近に迫ってくることと思いますが、EBPMとKPI等の検証を行う上では数値を拾っていくことが重要であると思いますので、数値を拾っていく上では、その検証方法の確定というのは、急ぐ必要があるのではないかと思われるのですが、大体どのような時期に、その手法について消費者委員会に御共有いただけると期待すればよろしいでしょうか。

○消費者庁消費者政策課鮎澤課長 消費者政策課でございます。

今、具体的にいつというのは決めておりませんが、数値を拾って、来年度早々には何らかの具体的なもので御報告できればと、今、考えているところでございます。

○中田委員 御回答ありがとうございます。

それでは、方向性が見えてきた時点で、ぜひ御共有をいただければと思います。来年度早々ということで、お待ち申し上げております。ありがとうございます。

○鹿野委員長 それでは、黒木委員長代理、お願いします。

○黒木委員長代理 大変丁寧な御説明をありがとうございました。

とりわけ、スライド21番のSNSのチャット勧誘のお話は重要だと思いました。第7次消費者委員会は、チャット勧誘について法規制がより必要ではないかという意見書を出しております。白書はEBPMのベースとなる非常に重要な政策上の指針になると思っておりますので、チャット勧誘の問題をここで取り上げていただけることは非常に重要だと思っています。

ここまでは感想ですので、お答えは結構です。ここから先が質問です。先ほどの中田委員の御発言にも関係すると思いますが、私は、白書は消費者基本法第10条の2の年次報告を根拠とするものだと理解しております。

先ほど中田委員がおっしゃったとおり、消費者基本計画は、基本法の9条2項の長期的に講ずべき消費者政策の大綱を定めたものです。同項2号では、前項に掲げるもののほか、消費者政策の基本的な推進を図るための必要な事項を定めることとされています。私の理解では、この年次報告がその基本的な事項を示すものであるという形で、基本計画と白書を連携させるというお話を、かねて伺っていたと思っております。

その観点から白書を読ませていただくと、第5期消費者基本計画の章立てと今回の白書とを突き合わせながら、どこまで進捗が合っているのか、何がどのようになっているのかを読み込むのは大変難しい形になっている、というのが私の率直な意見です。

御案内のとおり、第5期消費者基本計画の章立ては、消費生活を取り巻く現状の課題から始まり、第2章で本計画における消費者政策の基本的な方向性と目指すべき社会の姿を取り上げる、という構成になっています。

今回の白書について申し上げますと、特集などは非常に読み応えがあるのですが、基本計画との連携という点では、最後の第2部は基本計画とは全く無関係な形になっているとしか読めません。しかも、進捗についても、議論しています、深化を図りました、といった記述はあるのですが、その内容が第5期消費者基本計画の遂行上どのような意味を持つのかは、第2部を読んでもよく分かりません。そこで、御庁がどのようなお考えでこの白書を編集されたのか、また、白書を先ほどの消費者基本法第10条の2と第9条2項2号との関係で今後どのようにリンクさせていくのか、この2点について、お話をいただければありがたいと思います。

以上です。

○消費者庁参事官(調査研究・国際担当)森島参事官 それでは、まず、調査研究・国際担当参事官のほうから御回答させていただきます。

この白書の性格的なものとしましては、基本的には、年度のそれぞれやったことを書く、それから、安全法に基づく事故件数とか、あるいは消費生活相談件数の分析とか、そういったものを行う、それで特集を取りまとめると、そういったことでやっておりまして、それで、今、黒木委員長代理からお話がありました点につきましては、第2部のほうで消費者基本法に基づいての御報告ということになってございまして、一応、今回2部のほうの章立ても地方消費者行政から始まってというところで、計画のほうの第3章、第4章の並びには一応沿った形で2025年度に消費者庁のみならず、関係府省庁、政府全体で講じた消費政策の実施状況を取りまとめたものになってございます。

このような基本計画の実施状況、1年分のフォローアップの機能も果たしているのではないかと認識しておるところでございます。

○消費者庁消費者政策課鮎澤課長 消費者政策課から補足いたします。

確かに基本計画の目次、項目の順番どおりかというと、入替えはあるのですけれども、例えば、消費者基本計画のほうの第1章の5つの課題につきましては5個挙げておりますし、地方消費者行政であれば、第3章のところを拾っておりますし、第4章の個別施策については、3節、4節でそれぞれ、一対一の対応というわけではないのですけれども、主要な個別の重要政策は拾っていると考えております。

以上です。

○黒木委員長代理 そのように、物すごく読み込めばそうなっているのかもしれません。まだ、私もいただいてから、そこまで読み込んでいませんので、もしもこの基本計画のほうと、これの進捗に関して白書がちゃんとそういう形で意味を持つのですと、今まで工程表がありまして、パブリックコメントというのが取られていて、その際には基本計画を再びひもといて、工程表を読み込むということをパブリックコメントに対応する人たちがやっていたわけですね。

そう考えると、少なくとも白書において、そことの対比表とか、ここを読んでくださいというインデックス機能は最低持ってもらわないと、なかなか読み込めない。それで政府として、第5期消費者基本計画はどこまで進捗していると、今、お考えなのかを白書で読み込もうとしてみても、アテンション・エコノミーとか、非常にその辺り、第5期消費者基本計画の白眉の1つだと思うのですけれども、それについて特集していただいていることについては評価しておりますが、その辺りのところも、5年間の基本計画をうたった定め、大綱について、その必要な措置を取ると。そして、毎年毎年政府に報告するという仕組みを利用するのだとすると、その辺りも、ぜひ今後御検討いただければありがたいと思います。

それから、中間検証については、先ほど中田委員から質問がありましたので、もう加えませんけれども、よろしくお願いいたします。

○鹿野委員長 ほかは、いかがでしょうか。

よろしいでしょうか。それでは、質疑応答、意見交換は以上とさせていただきたいと思います。

消費者庁におかれましては、御説明、御回答をいただき、ありがとうございました。以上の質疑応答等を簡単にまとめさせていただきたいと思います。

消費者白書は、消費者問題の現状と課題、消費者政策の実施状況等について、国民にも分かりやすく説明するという重要な役割を担っており、当委員会としても高い関心を持っているところでございます。

本日御説明いただいた中で、まず、第1部の第1章のところでございますが、消費者事故等の件数や、消費生活相談件数等が紹介されておりますが、これらの分析結果を踏まえて、最近の傾向を捉えたきめ細やかで、効果的な周知や注意喚起をぜひ実施していただきたいと思います。

また、第1部の第2章についてでございます。この特集では、デジタル化による消費者を取り巻く環境変化に関する調査結果を掲げるとともに、消費者の意識や行動を調査分析し、消費者行政の課題が整理されているところでございます。

これは、大変よいことだと思うのですけれども、その結果を踏まえて、今後どのように対応していくのかということが、まさに問われている重要な点だと思います。

まず、複数の委員からも指摘されましたとおり、消費者をはじめ、関係者に対して周知啓発を進めていただきたいと思います。

それから、小野委員からもありましたように特に若年者は、インフルエンサーあるいは有名な方々等の発信について、批判的にそのまま信じてしまうという傾向が浮き彫りになっているのではないかと思います。

このような傾向を踏まえて、消費者教育にどうやって反映していくのかということの検討が望まれるところであります。

それから、周知啓発とも関連して柿沼委員からは、消費者白書の記載について、より広く活用しやすいものにしていただきたいという旨のコメントもいただいたところでございます。この点もよろしくお願いいたします。

また、今後の消費者政策への活用ということも重要です。もちろん先ほどの御回答の中に、地方にいろいろとお願いする点なども含まれておりましたけれども、国の政策にどのように活用するのかということが、より一層重要と考えております。明らかになった課題の解決に向けて、さらに深い分析を進めるとともに、その分析結果を、ぜひ今後の消費者政策に活用していただきたいと思います。

消費者庁におかれましては、現在、先ほど一部紹介していただきましたけれども、消費者契約法の検討会や、あるいはデジタル取引、特商法に関する検討会を立ち上げて、検討を行っておられるということで、当委員会としても、これらの検討会の検討に注目しているところでございます。こちらも、その報告書が出たら、改めて御報告をいただきたいと思っておりますが、ここでの分析結果を、ぜひ、そちらの検討にいかしていただきたいと思っております。

それから、主に第2部に関してでございます。主要施策についてKPIを設定して進捗状況を見える化し、進捗管理を行い、分析等をするという必要性は、消費者政策だけに限らず、広く指摘されているところでございまして、当委員会も大変重要なことと考えているところです。

本日、中田委員、そして黒木委員長代理からも指摘されましたように、従来の基本計画の実施について作成されていた工程表と、それに関する毎年のチェックの作業というのが、今回の基本計画においては予定されなかったということについて、当委員会から様々な質問等を事前に出させていただいていたところでございますし、それに対する回答の中でも、消費者政策課からは、基本計画の施策の進捗状況は毎年の白書において明らかにされるとの御説明もいただいていたところでございます。

消費者庁におかれましては、そのような経緯も踏まえて、白書において、主要施策に関するKPIや進捗等を明確に分かりやすい形で記載することを検討していただきたいと思います。

先ほどの回答の中では、実は、順番にということではないけれども書かれているのだというような趣旨の御回答もあったところなのですが、今の書き方では、この計画のそれぞれの項目との対比ないし対応で、どういう項目について、どの程度の進捗があるのかというところを読み解くということが、我々も含めてですけれども、一般にこれを目にする読者にとって分かりやすくなっているとは言えないと思います。そういうことで、ぜひ、進捗が明確になるような形で白書においても記載を工夫していただきたいと思っております。

いずれにしても、計画の進捗管理とその客観化というのは大変重要なことでありまして、消費者庁でも中間点検は予定されているということで、その中間点検の在り方等については、また御報告いただけるということでしたので、これについては、ぜひ、できるだけ早い時期によろしくお願いいたします。

それから、今村委員からは、特にサプリないし機能性表示食品との関連において、規制の強化がどのような成果を上げているのかという点なども、この白書に分かりやすく記すことがよいのではないかという御指摘もあったところでございまして、そういう具体的なところも含めて今後の白書の在り方について御検討をいただければと思います。

それから、この第2部のところについても、国民への周知、広報、丁寧な説明と消費者行政への活用というのは重要でございまして、多くの消費者や消費者行政部門、関係団体等に伝わるように、ぜひ、積極的な周知広報に取り組んでいただきたいと思います。

来年以降の消費者白書についても、消費者問題の現状と課題、そして、消費者政策の実施状況等を読み手に分かりやすくまとめていただくということを期待しています。

注文が多くなりましたが、今回の白書では、非常に新しい問題等について丁寧に記載されており、そういう点は大いに評価しているところでございます。ただ、先ほど言いましたように、今後、このようにしていただきたいということも、本日、意見として出されましたので、それを改めて私のコメントも含めて、まとめさせていただきました。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ、本日、御対応いただきまして、ありがとうございました。

○黒木委員長代理 ありがとうございました。

(森島参事官、鮎澤課長、亀田補佐 退室)


《4. 開会》

○鹿野委員長 本日の本会議の議題は以上になります。

最後に、事務局より、今後の予定について御説明をお願いします。

○友行参事官 次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)