第493回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2026年6月22日(月)10:00~12:05

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)鹿野委員長、黒木委員長代理、小野委員、中田委員
    (テレビ会議)今村委員、大澤委員、柿沼委員、善如委員
  • 【説明者】
    消費者庁消費者安全課 爲藤課長
    合同会社アイリスホールディングス経営企画本部品質監査室 大泉参与
  • 【事務局】
    小林事務局長、吉田審議官、友行参事官

議事次第

  1. 消費者基本計画の施策の取組状況等に関する調査審議(製品安全)

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1. 開会》

○鹿野委員長 皆様、おはようございます。本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから、第493回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、黒木委員長代理、小野委員、中田委員、そして私、鹿野が会議室にて出席しており、今村委員、大澤委員、柿沼委員、善如委員がテレビ会議システムにて御出席です。

なお、原田委員、山本委員は、本日、所用のため御欠席と伺っております。

それでは、本日の会議の進め方等について、事務局より御説明をお願いします。

○友行参事官 本日も、テレビ会議システムを活用して進行いたします。

配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。


《2. 消費者基本計画の施策の取組状況等に関する調査審議(製品安全)》

○鹿野委員長 本日は、消費者基本計画の施策の取組状況等に関する調査審議の一環として、製品安全について御議論をいただきます。

デジタル化の進展等により消費者の取引環境は大きく変化しており、このような社会状況の変化に対応し、消費者の安全の確保のため、危険性のある製品等について、機動的な情報収集や消費者への注意喚起、製造・流通過程を含めた事業者による安全の確保の取組を行うことは重要な課題の一つです。

第5期消費者基本計画には、製造物責任法の施行から30年を経た社会状況の変化等を踏まえ、海外の法制の動向やデジタル化の影響について調査・研究するとの記載もございます。

そこで、本日は、製品安全に関する取組状況について消費者庁から御報告をいただき、また、事業者からみた製造物責任法の意義と課題について、合同会社アイリスホールディングス様から御発表いただき、意見交換を行いたいと思います。

本日の進め方ですが、まず、消費者庁から御説明をいただき、それについての質疑応答、意見交換の時間を設けます。その後、合同会社アイリスホールディングス様から御説明をいただき、質疑応答、意見交換の時間を設けるという形で進めさせていただきます。

それでは、改めて、前半御発表の消費者庁様の御紹介をしたいと思います。

本日は、消費者庁消費者安全課の爲藤課長に会議室にて御出席いただいております。本日は、お忙しいところ、ありがとうございます。

それでは、爲藤課長、20分程度で御報告をよろしくお願いします。

○消費者庁消費者安全課爲藤課長 ありがとうございます。

ただいま御紹介いただきました消費者庁で消費者安全課長をしております爲藤でございます。本日はよろしくお願いいたします。

では、まず私のほうから、消費者庁における製品安全の取組について、資料に沿って御説明をさせていただきたいと思います。

お手元の資料1の1を御覧いただければと思います。

まず、表紙をおめくりいただいて1ページ目でございますけれども、事故情報の集約・活用についての流れの図となっております。御案内のとおり、消費者庁設置以前は事故情報が各行政機関内にばらばらに存在しており、共有がなかなかなされていないという状況がございましたので、消費者庁の設立時に、事故情報の集約というのを消費者庁が担う役割の一つとして位置づけられております。

本日は、事故情報のうち、生命・身体のものに限定してお話をさせていただきたいと思っておりますけれども、消費者の生命・身体に係る事故が発生した場合に、その事故情報が消費者庁に入ってくるルートが幾つかございます。それが今、御覧いただいているページの上半分のところになりますけれども、まず左側のオレンジの部分が消費者安全法に基づく通知ということで、これは関係省庁ですとか地方公共団体といった行政機関からの事故情報の通知ということになっておりまして、関係省庁としては、例えば消防庁、警察庁、厚生労働省といった中央官庁も入っておりますし、あと地方公共団体からという意味で一番数が多いのは、消費生活センター、消費者行政担当課からの通知ということになっております。

消費者事故等の通知については、重大と非重大がございまして、死亡した場合や治療が30日以上必要なけがなどをした場合ですとか、火災などが重大事故に当たるということになっておりまして、それ以外のものについて非重大事故と位置づけております。

消費者安全法で消費者事故として通知されるもの以外にも、消費生活相談窓口には、軽いけがですとか、何かサービスを受けて痛い思いをしたですとか、そういう生命・身体に関わる相談というのも入ってきておりますので、それも消費者庁のほうで、PIO-NETを通じて情報収集しております。

真ん中の薄いグレーの部分が、事業者からの事故情報の報告になりまして、消費生活用製品安全法に基づく重大製品事故の報告という制度がございます。消費生活用製品については、※2で簡単に御説明しておりますけれども、主として一般消費者の生活の用に供される製品のうちで、他の法令で個別に安全規制が設けられ、その規制の対象となっているものを除く製品ということで、消費者が使うという意味ではかなり幅広い製品が対象となっている法律でございます。

こちらの重大製品事故報告についても、消費者事故のほうの重大事故と同様の基準で、死亡ですとか治療が30日以上を要するけがや火災などが報告の対象となっておりまして、事業者は、事故があったことを知った日から10日以内に消費者庁に報告するということになっております。

そのほかにも、右側の黄色の部分ですけれども、法律によらない任意の情報提供として、一番右側で申しますと、医療機関ネットワークという仕組みがございまして、こちらは消費者庁と国民生活センターとが共同で運営をしております。この仕組みについては、参画に御賛同いただいた医療機関に限りはするのですけれども、医師のほうから、こういった消費者に関わる事故があったので診察に来たといった場合に、情報を御提供いただける仕組みとなっております。

このようにして、消費者庁に事故情報を一元的に集約し、分析をしておりまして、それをどのように使っているかということがこのページの下半分になります。

まず、左のほうですけれども、事故情報についてはウェブ掲載などをして公表しております。特に消費者安全法と消費生活用製品安全法については定期的に事故の情報を公表しておりますし、また、各省との事故情報の共有も行っております。

今まで申し上げてきたような形式で集めた事故については、事故情報データバンクというウェブサイトを持っており、そこに登録をされておりまして、このウェブサイト自身はどなたでも御覧いただけるという形になっており、事故情報についても、何らかの検索ワードを入れていただければ検索ができるという形になっております。

真ん中の部分が注意喚起情報の公表ということで、事故情報を集めた上で、消費者の方に特に御注意いただきたいという内容については、消費者庁のほうで注意喚起情報を発出しております。それを発出した際には、記者公表をしてマスメディアを通じて消費者の方に届くこともありますし、あと地方公共団体に周知依頼をすることもございます。内容によりますけれども、事業者団体に周知をお願いする場合もございますし、後ほど御紹介しますけれども、当然消費者庁のほうから直接消費者に届くようなルートもつくってございます。

また、右側の真ん中に、事故調と呼ばれることのほうが多いかもしれないですけれども、消費者庁には消費者安全調査委員会も設置されておりまして、こちらは独立して職権を行使する審議会ということになっております。事故のうち、特に調査・審議をして原因究明をして、関係行政機関の長に意見をすべきという事案については、委員の皆様方のほうでどれを審議するか選定いただきますけれども、選定されたものについては報告書という形で関係行政機関の長に意見具申をしておりまして、最近ですと先月、パーソナルトレーニングに関する事故の報告を公表しております。現在進行中の事案は幾つかございますけれども、例えば昨年末に亡くなったお子様がいらっしゃったスキー場のベルトコンベア式移動設備、呼び方はいろいろありますけれども、スノーエスカレーターと呼ばれているものについての調査などを進めております。

次に、2ページを御覧ください。

こちらは消費者事故の通知件数の推移をお示ししたページとなります。

左側が消費者安全法の規定に基づき消費者庁に通知された消費者事故等の件数の推移ということで、一番右側が2025年度となっており、これが白書でも公表されている数字ですけれども、消費者事故全体では1万4,000件強となっておりまして、そのうち生命・身体の事故は重大事故と非重大事故を合わせて5,990件ということになっており、ここ数年は生命・身体については5,000から6,000件ぐらいで推移しているという形になっております。

このうち、生命・身体事故の重大事故の推移を事故の内容別にお示ししたものが右側になります。御覧いただきますと近年増加傾向にありまして、またその中でも割合として大きいのは火災の事故ということになっております。ここの要因、なかなか一つこれだというものがあるということでもないとは考えておりますけれども、通知制度そのものを我々も丁寧に周知しておりますので、通知制度の浸透というのもあるかと思いますし、事故の内容で見ますと、リチウムイオン電池使用製品、例えばモバイルバッテリーなど、そういった製品の事故が以前よりも増えてきているということはございます。

続きまして、3ページを御覧ください。

先ほど、事故情報の利活用の方法として注意喚起ということを申し上げましたけれども、消費者庁では、消費者や事業者に幅広く周知するために、消費者庁ウェブサイトで情報を公開することももちろんですけれども、SNSやメールマガジンといったツールを活用して注意喚起を実施しております。

ツールについて少し書かせていただいたのがこのページの左側になりますけれども、Xを活用しておりまして、消費者庁のXについては、もちろん周知をしておりますし、その下に消費者庁みんなの消費安全ナビというのがございますけれども、こちらは、生命・身体の事故を専用に扱っているⅩで、こちらを通じても周知をしております。

右側は、ここ数年の中で行った注意喚起のテーマ例を、これで全てではないのですけれども、幾つか書かせていただいております。一番上は先ほど少しお話ししたリチウムイオン電池使用製品に係る注意喚起ですし、その下は磁石や吸水樹脂ボール、水で膨らむボールといった子供が使うようなおもちゃを対象にしたもの、あとその下、高齢者の事故も取り扱っておりますし、除雪機のような機械に関する事故も扱っております。あと、「棺内のドライアイスによる二酸化炭素中毒に注意」というものは、国民生活センターと共同で実施しておりまして、こちらは特定の製品というよりは、お葬式などの際に、ドライアイスが入った棺おけのところに顔をずっと入れていると重大な事故が起こり得るということを周知しているものになります。

また、その下のトランポリンパークのような、遊ぶような施設での事故も扱っておりますし、一番下はエステサロン等でのHIFUの施術で、美容医療関連ということで、非常に幅広いテーマを注意喚起のテーマとしては扱ってございます。

次のページ、4ページを御覧ください。

先ほど、最近の事故の中でリチウムイオン電池使用製品の事故が増えてきているということを申し上げましたけれども、その問題意識については、消費者庁だけではなく、関係省庁も問題意識を持っておりまして、昨年から、関係省庁で連絡会議を開催しております。関係省庁として我々消費者庁のほかに総務省消防庁、経済産業省、国土交通省、環境省がメンバーとして入っておりまして、昨年の12月にリチウムイオン電池総合対策パッケージという形で、行っていこうと考えている取組をパッケージ形式で公表しております。

その中で、リチウムイオン電池起因の重大火災事故ゼロを目指すとともに、国内に十分なリサイクル体制を構築するという目標をお示しした上で、まずは国民・事業者への周知啓発が重要であるということと、あとはリチウムイオン電池と一口に言っても、使用される場面もあれば製造される場面などいろいろあり、関係する場面に応じてそれぞれの省庁が対策を出しているという状況になっておりまして、製造と販売時、あと使用しているとき、廃棄するとき、その後の処理・再利用の対策に分けて対策をお示ししております。

消費者庁は、この中でも特に赤枠で囲わせていただいている部分が担当している部分となっておりまして、内容としては、消費者への周知啓発ですとか注意喚起を主に担っております。

次に、5ページを御覧ください。

リチウムイオン電池使用製品の対策の中では、ワンボイスで関係省庁が発信していくということも重要だと考えておりまして、政府全体のワンボイスの情報発信ということで、その会議において、リチウムイオン電池の「3つのC」ということを標語的に決めております。これは、賢く選ぶ、丁寧に使う、正しく捨てるの英語の頭文字を取って「3つのC」ということでお示しをしておりまして、そのCそれぞれの中で消費者の方にどういうことに気をつけていただきたいかということを複数お示ししているものになっております。こうしたワンボイスでの情報発信も関係省庁と共に進めていきたいと考えております。

次に、6ページを御覧ください。

消費者庁における対応でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、消費者庁で主に担っている役割は、消費者への周知啓発とか注意喚起になっております。

リチウムイオン電池使用製品による事故のリスクにつきましては、消費者に対して、商品を買うとき、使用するとき、廃棄時、それぞれの場面で注意すべきポイントを示した注意喚起をこれまでも公表しておりまして、令和7年度には関係省庁と共に公表しております。また、訪日外国人の方ですとか外国人で日本にお住まいの方もいらっしゃいますので、英語、中国語の注意喚起資料も作成をしております。

また、時機を捉えて、その時に合ったポイントで注意喚起をするということも重要だと考えておりまして、例えば移動が増える長期休暇前ですとか、引っ越しを機に廃棄が増える年度末などに、時機を捉えて繰り返し注意喚起を実施しております。このページの下のほうに今後の課題を書かせていただいておりますけれども、まだ事故は発生している状況ですので、引き続き注意喚起は必要だと思っております。また、モバイルバッテリーなどのリチウムイオン電池使用製品を持っている方は若い人が多いのかなと想像されるところですので、若者向けの広報が課題と考えておりまして、先ほどもSNSは活用していると申し上げましたけれども、例えば、ショート動画ですとか、そういった様々なツールを用いて、あらゆる世代に届く周知啓発に取り組んでいくということを行っていきたいと考えております。

次に、7ページを御覧ください。

事故情報のほかに、製品がリコールをされているという場合がございます。事業者等が情報発信しているリコールの情報は当然その事業者自身も発信をするのですけれども、一元的にその情報を集約できるサイトを消費者庁のほうで2012年から運営しております。それが消費者庁リコール情報サイトでございまして、そのトップページを7ページではお示ししております。

こちらはもちろんどなたでもウェブサイトでアクセスをすることができますし、また、キーワード検索で、御自身がどんなリコール情報が出ているのか知りたい製品の名前を入れて検索していただくことも可能ですし、メール配信するような機能も備えております。

あと、特に重要なお知らせについては、「重要なお知らせ」というところを設定しておりまして、最近ですとモバイルバッテリーのリコール情報について集中的に掲載した特集ページもこの中で設けております。

続きまして、8ページを御覧ください。

当課で所管している法律の一つとしまして、製造物責任法(PL法)がございます。こちらは御案内かと思いますけれども、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に損害が生じた場合における製造業者等の損害賠償責任について定めた法律ということで、民事ルールという形で定められておりまして、BtoC、BtoBいずれの訴訟でも適用されるものでございます。民事ですので、当然ながら最終的には個別の事案に応じて損害賠償請求が認められるかどうかは裁判にて判断されるということになっております。

こちらは行政処分などではないので、何か消費者庁、我々のほうから執行という形では行う事項はないのですけれども、所管している消費者庁として調査研究の取組を進めておりますし、冒頭、委員長からもお話がありましたとおり、今期の消費者基本計画の中でも、PL法については、海外の法制の動向やデジタル化の影響について調査・研究を進めるということとされておりまして、我々としても取組を進めており、その概要をこのページの下のほうに書かせていただいております。

まず、製造物責任に関する訴訟情報の収集・公表をしておりまして、消費者庁において訴訟情報を収集して、提訴内容、争点ですとか判決内容をウェブサイトで公表しております。

どのように集めているかということについては、インターネットの判例検索サービスですとか法律雑誌、判例雑誌から収集をしております。ただ、PL法で、裁判が起きたら消費者庁に報告しなければならないということになっておりませんので、全てを拾えているというわけではございません。

次のところの取組としては、「我が国と海外の製造物責任を巡る有識者・実務家ヒアリング」ということで、令和6年度から、現在、製造物責任をめぐってどういう状況にあるのかということについて、学者の先生ですとか弁護士の先生、PLセンター、保険会社の方などにヒアリングを実施しておりまして、その概要についても消費者庁のウェブサイトで公表をさせていただいております。

一番下の部分は、製造物責任関連制度に係る海外の法整備の動向に関する調査ということで、こちらは昨年度から行っているものです。この委員会でもヒアリングがあったと承知しておりますけれども、EUでPL指令が改正をされておりますので、令和7年度については、EU加盟国における法整備の動向などについて委託調査を実施しております。

また、今年度については、アメリカの動向についての委託調査を実施することを予定しております。海外の法制度の動向も含めてですけれども、今申し上げたような取組については、我々としても引き続き進めていきたいというように考えております。

続きまして、9ページを御覧ください。

日本版製品安全誓約についてでございます。デジタル化の進展ですとかインターネット取引というのが拡大する中では、消費者の方がインターネットを通じて物を買ったときに、危険な製品、安全でない製品を購入してしまうという事例は、インターネット取引を拡大する中では増えていくことにはなると思っております。

そのことに対する対応の一つとして、我々のほうで取り組んでいることが日本版製品安全誓約になります。この日本版製品安全誓約は、OECDのほうで製品安全誓約の声明というのが示されておりまして、そうしたOECDの声明も踏まえまして2023年6月にスタートした比較的新しい取組ということになっております。

この取組の関係者としては、右下のほうにイメージ図でお示ししておりますけれども、消費者庁が制度全体の運営をしつつ、OMというのはオンラインマーケットプレイスの略ですけれども、オンラインマーケットプレイスと規制当局の三者がおります。特に力を入れている取組としては、リコール製品や安全ではない製品の出品削除を、規制当局が署名オンラインマーケットプレイスに要請した際に、そのオンラインマーケットプレイスが出品を削除するという取組が中心的な取組になっております。ただ、これは官民協働の自主的な取組ということでやっておりまして、法律に基づくものではございません。

また、この取組の中では、KPIも算出をすることになっておりまして、各オンラインマーケットプレイスからKPIに沿った数字も御提出いただいており、それをまとめた数字を消費者庁のほうから公表するということも行っております。

続いて、10ページを御覧ください。

日本版製品安全誓約で何を約束してもらっているのかということですけれども、日本版製品安全誓約は全12項目で構成されておりまして、参画するオンラインマーケットプレイスはこの12項目全てについて遵守することを誓約して、署名をしていただいております。

12項目ありますけれども、先ほど申し上げた出品削除との関係で申し上げますと、左側のほうの枠にございます第1項目が、規制当局のウェブサイトからオンラインマーケットプレイス自身がそれを定期的に確認して、例えばリコール製品などが自分のところで売られていることを特定した場合には適切に対処するということで、「適切に対処する」の意味は、主には出品削除をするということになります。規制当局のウェブサイトからという部分は、ウェブサイトは幾つかございますけれども、先ほど御紹介させていただいた消費者庁のリコール情報サイトなどがその対象となるウェブサイトになっております。

第3項目の部分が、規制当局から出品削除の要請を受けた場合ということですけれども、規制当局から出品削除の要請を受けた場合には、2営業日以内に出品を削除して、削除をしたということを規制当局のほうに報告することが求められております。

このほかにも12項目までございますけれども、例えばで申し上げますと、第6項目では、リコール製品や安全でない製品が出品されていることを消費者自身が気づいた場合に、消費者の方がそれをオンラインマーケットプレイスに直接通知できる手段を提供するということや、それに対して5営業日以内に適切な対応を行うといったことも安全誓約の中には書かれております。

続きまして、11ページを御覧ください。

この製品安全誓約に参画している規制当局とオンラインマーケットプレイスの運営事業者、対象製品について御説明しているページになります。現在、この取組に参画している規制当局は5省庁ございまして、それぞれの規制当局が所管している計10本の法律が対象となっております。

その法律の中には、経済産業省所管のいわゆる製品安全4法も入っておりまして、幅広い危険性のある製品がこの取組の対象になっているものと認識をしております。例えばどういうものが対象製品なのかという例を幾つかお示ししているのが一番下の部分になりまして、電気用品安全法に基づく電気用品ということで、PSEマークの表示が必要なのに、それがないようなモバイルバッテリーなどのリチウムイオン蓄電池ですとかACアダプター、あと消費生活用製品安全法に基づいてPSCマークが求められている製品、石油ストーブですとか、あと最近制度としてできました子供PSCマークの表示が必要な製品も対象になります。

また、④のところで家庭用品に関する規制の法律も対象にしていると書いておりますけれども、例えばトリクロロエチレンの含有量が規定以上あるようなエアゾール製品も削除の対象になります。

現在署名をしていただいているオンラインマーケット運営事業者の一覧が右側にございますけれども、現在9社が参画をしておりまして、この中にはBtoCだけではなくてフリーマーケットのようなCtoCの業務形態も含まれております。

最後、12ページを御覧ください。

この製品安全誓約にはKPIを設定しているということを申し上げましたけれども、数量的KPIの状況についてお示ししたのが12ページになります。第1項目の関係、指定したウェブサイト等をオンラインマーケットプレイス自身が参照して、自主的に出品削除を行った件数については、2025年については1万4000件以上となっておりまして、これについて2024年は7,000件強でしたので2倍近い出品削除が行われておりまして、積極的に出品削除していただいていると思っております。

2番の規制当局からの要請に応じた出品削除のところでは、590件の要請のうち581件削除されておりまして、現時点では590件全て削除されているという状況になっております。

そのほかに消費者の方からのリコール該当性等に係る照会を受けて、出品削除を行ったものは125件もあるなど、数字として成果も出てきている取組かなというように考えております。

私からの説明は以上です。ありがとうございます。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

それでは、これより質疑応答と意見交換を行いたいと思います。時間は11時までをめどとさせていただきたいと思います。いかがでしょうか。

中田委員、お願いします。

○中田委員 御説明ありがとうございます。

消費者庁消費者安全課において推進されている製品事故情報の収集や注意喚起の状況、官民一体となった製品安全誓約の取組状況について、理解が進みました。

また、事故動向を集約して定性・定量的に把握されていることは、消費者被害を拡大させないための第一歩であると思いますので、ここに御注力いただいていることに感謝申し上げます。

その上で2点質問させてください。

1ページに掲載されている消費者庁で把握されている累積43万1320件の事故情報件数のうち、リチウムイオン電池による発火事故など、ここ数年急増している新たなタイプの事故と、いわゆる従来から発生していて、注意喚起を継続していただいても減少・解決に至っていない、あるいは再発防止が徹底されていないために度々発生している事故の割合はどのようになるのか、できれば事故内容の内訳の傾向をもう少し詳しく伺わせていただきたいと思います。

2点目は、その上で、事故報告件数と内容の分析はどのようにされていて、消費者庁としてはどのような課題感をお持ちでいらっしゃるか、できれば具体的に教えていただければと思います。

○鹿野委員長 それでは、爲藤課長、お願いします。

○消費者庁消費者安全課爲藤課長 ありがとうございます。

1点目の質問は、新しいタイプの事故としてどういうことがあるかということと、減少していない事故というのはどういうものか、どういう割合かということかなと思いますけれども、やはり我々として今注目しているものとしては、リチウムイオン電池使用製品で、その中ではモバイルバッテリーなどが増えているということがございまして、新しいを何年ぐらいにするかということによるかもしれませんけれども、例えば10年前にはそこまで浸透していなかったところなのかなと思っておりまして、そういったところが新しいタイプにはなってくるかなと思います。

一方で、減少していない事故という意味では、なかなかどの事故をゼロということにはなりにくいところはありますので、どこを減少していないと捉えるかというのは難しいところもございますけれども、重大事故ではなく非重大事故では、例えばアレルギー表示が欠落しているというような場合も非重大事故に当たるものとしてございまして、それは一定の件数ございますし、あと生命・身体の事故の火災で申し上げると、例えば自動車が発火するとか、そういった事故もございますし、あと例えば高齢者がどこかで転倒するとか、減少していなくて今でもある事故というのは、いろいろとあるかなとは思っております。

あと、消費者庁としてどのように分析をしているのかというところについては、事故情報データバンクは先ほど一般の人も見ることができると申し上げましたけれども、行政機関用により詳細な情報をまとめているものもありますので、そういったところで事故情報についてこれが増えてきているのではないかなと思ったものについて、我々のほうで実際にどういう事故が起きているのかというのを、事故も本当に一件一件対応が異なりますので、その一件一件を見ながら、どういった点が消費者が注意すべきポイントなのかなということをチェックするといった形で行っております。

○中田委員 御回答ありがとうございます。

集計していただくことはもちろん第一歩だと思いますが、事故情報収集と注意喚起の徹底の先にある目標は、多発する製品事故の原因が解決されて、被害が一件でも少なくなることであると思いますので、周知や注意喚起による効果や相関関係が確認されているのか、もしかしたら発火事故等、消費者への注意喚起だけでは改善しない事故が多いようであれば、必要に応じて海外動向なども参考にしていただき、PL法の見直しも含め、本質的な御対応の検討もぜひお願いしたいと思います。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

よろしいでしょうか。

それでは、続きまして、今村委員、お願いします。

○今村委員 今村です。 

製品安全の取組について、御丁寧な御説明ありがとうございました。全体像がよく分かりました。

1ページ目で、医療機関からの事故の提供という御説明があったので、そこについてもう少し詳しく教えていただきたいのですが、ここにありますように食品・医薬品を除く製品ということで、私はふだんから食品や医薬品、医療事故などに情報として接していまして、それ以外の特にPL法などの関係の事故情報が医療機関から上がっているという意味だと理解いたしました。

実際のところ、どういう事例について医療機関から上がってきていて、それはどんなふうに扱われているかということについて少し教えてほしいのです。例えばチャイルド・デス・レビューならば、本来こども家庭庁のほうに行っていますので、消費者安全法に基づく通知のほうに入ると思うので、これに入らないような医療機関からの事故の情報提供というのがどれぐらいあって、実際どんな事例があって、どのような対応を取られているのか、もう少し踏み込んで教えていただければと思います。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、お願いします。

○消費者庁消費者安全課爲藤課長 ありがとうございます。

1ページにある医療機関ネットワークについての御質問ということですけれども、医師の方というのは、消費者安全法などにおいては何か事故を発見したときに消費者庁へ報告をしなければならないという義務を負っていない状況になりますので、こちらのほうが我々としては医師の方から直接事故の情報をいただけるルートということになっております。

内容についてなのですけれども、例えば2025年度で申し上げますと2,600件強の事故の情報をお寄せいただいておりまして、事故の内容としては転落が一番多くなっております。あとは誤飲とか、そういったことも多くなっております。

医療機関ネットワークの取組については、食品ももちろん含まれるのですけれども、製品の事故ですとか、消費者の方が食品の摂取や製品・施設・サービスの利用によって受けた傷病であれば広く対象となるということになっております。

こちらについては、どうしても患者さんの情報ということになるので、なかなか一般に公開することが難しいので、実は事故情報データバンクの中には情報として入れていないという事情はあるのですが、いただいた情報については、我々としては注意喚起情報に活用をさせていただいているというところが一番大きなところです。

例えば去年、チャイルドシートの適正な使用方法に関する注意喚起を行っていて、その中に幾つか事例を記載したりしているのですけれども、そうした事例については、医療機関ネットワークの医師の先生の方からいただいた情報を基に記載をしたりしております。

我々として注意喚起をするときに、ただ漠然とこれに注意してくださいというだけではなくて、具体的な事例をもって注意喚起をするというのは、いかに消費者の方の印象に残るのかという意味でも重要なポイントだと考えておりまして、そうした意味では医療機関ネットワークから寄せられた情報というのは、状況を比較的具体的に書いていただいているというところも多くございますので、消費者に訴えていくための注意喚起の一つの重要な情報として活用させていただいているというのが主な利用方法になっております。

また、事案によっては、医療機関ネットワークでいただいた情報を基に、まず注意喚起をして、さらにそれでも問題がなかなかそれだけではというところがあったので、規制の強化につながったような場合もございまして、注意喚起のテーマ例のところで一例としてお書きした磁石や吸水樹脂ボールについては、医療機関ネットワークからの情報というのが特にきっかけとなって注意喚起、それから最後は規制強化というところにつながっていったということもございます。

○今村委員 ありがとうございます。かなり機能しているということはよく分かりました。

医療の現場にいる者として、このルートで報告を上げるということがあまり周知されていないように思います。保健所に食品衛生法や医療法などに基づいて報告するというのは、大概のお医者さんは知っていると思うのですけれども、特に医薬品や食品にかかわらない事故とかについて、直接消費者庁なりに連絡するということをもう少し周知してもらったほうが、より詳細な情報を集められるのではないかと思いましたので、その辺のところをまた今後御検討していただければと思います。

今村からは以上です。

○消費者庁消費者安全課爲藤課長 1点補足でございますけれども、医療機関ネットワーク事業は、これに参画いただくことに御承諾いただいた病院が参画するということになっておりまして、現在ですと全国で28の病院に参画をいただいております。なので、広く全国の病院にこれをお願いしているというよりは、特定のまさにこの事業をよく理解していただいて、そういうことであれば患者さんへの同意も含めて御協力しますとおっしゃっていただいた病院に限ってということで今、運用させていただいているところでございます。

以上、補足です。

○今村委員 そうなのですね。病院は8,000ありますので、もう少し数を広げてもらったほうがいいと思います。診療所は10万ありますので、ちょっと間口を広げてもらったほうがいいように思いました。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

それでは、柿沼委員と大澤委員からお手が挙がっていますので、順に、まず柿沼委員、お願いします。

○柿沼委員 柿沼です。

御説明いただきましてありがとうございました。

2点確認をさせてください。

まず、リチウムイオン電池についてです。スライド資料ですと6ページですが、丁寧に扱う、衝撃を与えないなどの消費者向けの注意喚起を行われているということで、こちらについては当然のことと思われますが、消費者の注意だけでは事故を防ぎ切れないと思います。リチウムイオン電池の発火は、基本的に電池内部のセパレーターが破損し、プラス極とマイナス極が直接接触することで急激に発熱するという構造上の特性で起こるとされています。セパレーターが破損した場合とか破損のおそれがありそうな場合に、消費者がなかなかそれを認知するということが難しいと思いますので、そのような機能、異常検知とか警告表示、それから使用回数とか充放電回数、こういったものについては、今の現行のPSEの基準とかJIS規格では義務化されていません。今後、事故防止の観点から、製造段階での安全設計の強化などについて事業者に求めるというような検討は行われているのかどうか、そちらについてまずお伺いしたいと思います。

それから、2点目です。スライド資料3になるかと思いますけれども、エステサロンのHIFUについてです。こちらについても消費者向けに注意喚起を行われているということで、消費者庁のホームページの該当箇所にも、エステ業界の自主基準でHIFUの施術が禁止されているという記載が載っているのを承知しております。しかしながら、令和6年6月7日に、厚生労働省医政局医事課長宛ての通知として記載がある内容を見ますと、HIFUの施術については医師法第17条に違反するというような記載がありますので、できれば注意喚起、施術を自主基準で禁止されているということではなく、医師法違反であるということをしっかりと書いていただいたほうが、消費者としては理解が進むと思います。こちらにつきまして教えていただければと思います。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、御回答をお願いします。

○消費者庁消費者安全課爲藤課長 御質問ありがとうございます。

最初のリチウムイオン電池使用製品に関してでございますけれども、委員御指摘のとおり、セパレーターが破損することによって火災が発生しやすい状況になっておりまして、消費者庁の注意喚起の中でも、例えば膨らんでいるとか、異常に熱くなるとか、中のセパレーターそのものの状況はなかなか見ることができませんけれども、異常とみなすべき具体的な例としては幾つかお示しをしております。

御指摘の製造業者に対してどのような規制をかけるのかを強化していく考えがあるのかという点についてですけれども、リチウムイオン電池の対策については、先ほど御紹介した総合対策パッケージの中でも、製造・輸入・販売時というのは一つ対策の柱となっておりまして、製品の基準という部分が、PSEマークそのものもそうですけれども、経済産業省の所管ということになっておりますので、今の状況を見て強化すべきかどうか、今の基準のまま消費者の注意喚起を引き続き続けていくのかどうかといった点については、経済産業省のほうで担当していくということにはなってきております。

2点目のHIFUに関する御指摘ですけれども、HIFUについては、消費者安全調査委員会、事故調のほうで報告書が出されて、委員に御指摘いただいた医師法の話も、事故調の報告書での意見具申を基に進められていたものと承知をしておりまして、我々の注意喚起も、事故調の意見の中で消費者庁長官宛てに消費者への注意喚起を進めるべきという意見をいただいたということも踏まえて行っているものでございます。

医師法に違反する場合があるということについても、我々の注意喚起の中でも言及はしております。こちらについては、事故の状況も踏まえつつ、必要に応じてまた注意喚起をしていくということかと考えております。

以上です。

○鹿野委員長 柿沼委員、よろしいですか。

○柿沼委員 まず、リチウムイオン電池につきましては、実際に消費者に事故が起きているということですので、経済産業省と連携して取り組んでいただければと思います。

それから、HIFUについてですけれども、医師法違反であるということの明確性についての記載をホームページに載せて掲載していただきたいということとともに、HIFUはセルフHIFUといって、自分で照射をするというものがございます。その機械自体を例えばスポーツジムなどに置いていて、自己責任でHIFU照射をしてくださいというような明記があったとしても、そこに設置しているということ自体に問題性があるかなとも思いますので、その辺りにつきましても今後何か注意喚起していただければありがたいと思います。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

それでは、大澤委員、お願いします。

○大澤委員 爲藤課長、御説明いただきまして誠にありがとうございました。

2点あります。半分、意見も入っていると思いますので、御容赦いただきたいのですが、1点目ですけれども、スライドの8ページの製造物責任法についてなのですが、こちらの海外調査というのを私も拝見したことがあって、徳島で調査されたものとか、令和5年度から行われていたと記憶しています。これも拝見したことがあって、非常に大変な調査だったと思うのですが、大変優れた調査だと思っています。

海外の状況を見ていますと、PL法は日本ではもう30年以上たってしまいましたが、このままではなかなか難しいところもあるのではないかというのが個人的な実感なのですけれども、問題は、この調査を踏まえて今後どういうふうにこの法律を改正も含め考えていくのかというのを、恐らく何か決まっているわけではないのですが、一応もし何かありましたら教えていただきたいというのが1点です。

といいますのも、PL法は確かに民事ルールですから、何か欠陥製品で損害が起きた、発生したときの解決基準ではあるのですけれども、他方で、例えば特に製品を製造するような企業にとって、ある種基準というのですか、予防としての役割というのですか、というふうな役割を私は果たしていると思っています。裁判例自体は決して多くないと思うのですが、この法律があることで、しかも誰が法的な責任を負い得るかとか、そういったことがはっきりされるというのは、特に今、これだけ製造主体も含め、あるいは次の2点目にも関係しますが、オンラインプラットフォームのようなものも出てきていて、大変な状況になっている中で、ある程度はっきりさせるというのはとても大事なことだと思っていますので、せっかくこれだけ立派なすばらしい調査がある状況で、何か今後お考えがあるかというのが1点です。

2点目は、隣のページのスライドですけれども、日本版製品安全誓約というもので、非常にすばらしいというか、いい取組なのではないかと個人的には思っております。実際に、件数だけで私は何とも判断はできないのですが、削除がされたとかそういったこともあるということで、まずは好意的に評価できるのではないかと個人的には思っています。

ただ、スライドの11ページなのですけれども、誓約に署名したOM運営事業者を拝見していると、とある結構世界的にも有名なオンラインマーケットプレイスが入っていなくて、そのオンラインマーケットプレイスは恐らく日本法人もあるはずですし、私は日頃フランス法とかをよく調査していますが、フランスでは、消費者問題に直接関わっているような、あるいは安全に関わっているような役所が、直接危険な製品をOMの上で売っているということで注意喚起したりとか、かなり強力な法執行をしている状況です。

ここが入っていないというのが若干気になりまして、何が言いたいかというと、これに署名してくれる業者は別にいいのですが、今進めているのかもしれないのですけれども、署名されていない業者で問題が起きたときに、このような自主的な取組だとなかなか限界があるというのが個人的な印象です。ですので、署名している事業者が今、資料は5月31日時点と書いていますが、まだ増えているところなのか、あるいはそれを一生懸命進めているのか、あるいはそこに署名してくれない、あるいはなかなか関心を持ってくれない業者に対して、OMに対して、今後強力な法執行だったり、何かそのための根拠とか、2024年の消費生活用製品安全法の改正もありましたので、何かお考えがあるかというのが2点目になります。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、爲藤課長、お願いします。

○消費者庁消費者安全課爲藤課長 ありがとうございます。

1点目は、PL法に関連して、今の海外調査が終わった後にどうしていくのかという御質問だったと考えております。その点につきましては、我々としてはまず消費者基本計画のほうで、昨年度から始まった5年間の基本計画において、まず海外の法制の動向やデジタル化の影響について調査・研究するとされているので、先ほど、今年度アメリカについて調査を進めたいということを申し上げましたけれども、判例収集なども含めて、まずは調査・研究を進めていきたいと考えております。

EUのPL指令は成立しておりますけれども、国内法化の期限というのは今年の12月と承知をしておりまして、実際に裁判などで運用されていくということになりますと、国内法化されて、その先ということになっておりますので、EUでPL指令が改正されて、実際にどうなっていくのかという点も、十分に我々としては見ていきたいなというように考えているところでございます。

2点目の製品安全誓約についてですけれども、御評価いただいてありがとうございます。署名をしているオンラインマーケットプレイス運営事業者は今、9社ということで、これについては自主的な取組ということになっておりますので、どこかのオンラインマーケットプレイスに強制的に入ってくださいと言うことはできないのですけれども、我々としても、参画するオンラインマーケットプレイスを増やしていきたいと考えております。

一方で、署名していないオンラインマーケットプレイスで問題が起きた場合はということについてですけれども、当然署名していなければこの製品安全誓約の枠組みからは外れてしまいますけれども、例えばおっしゃっていただいたような消費生活用製品安全法の中で、オンラインマーケットプレイスに関する各種の努力義務が今回の改正でかかっているということもありますし、私自身の課の所管ではないのですけれども、取引DPF消費者保護法においても、消費者自身が商品の安全性などに問題があるなど利益が害されるおそれがある場合に、消費者庁に対して申出をすることができるという制度もございまして、そちらは法律ですので、特に署名したオンラインマーケットプレイス以外のところでも当然対象になってくるものですので、製品安全誓約だけではなくて、ほかの法律も含めた制度の活用も含めて、安全性を確保していくことが重要なのではないかと考えております。

○鹿野委員長 大澤委員。

○大澤委員 ありがとうございました。

1点目については、見通しについては承知いたしました。ただ、EUのほうの指令、確かにもう国内法化は今年が期限ですし、指令が出たのはもう結構前のことですから、日本のPLと海外の国内法化が徐々にされていくPLに大きな差が出てきてしまうのではないかというのはちょっと心配していますので、もちろん慎重にということなのでしょうが、なるべく早いほうがいいかなというのが個人的な印象です。

2点目なのですけれども、これも調査はもうされていると思うのですが、結構ヨーロッパでは、とあるマーケットプレイス、日本でも使っている人がいっぱいいると思うのですけれども、製品安全、安全性にちょっと問題がありそうな、特に子供向けのおもちゃとかそういうものについて当局がもう執行していますので、そういった点も調査をしていただければと思います。

以上です。ありがとうございました。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

私も今日の会議の初めに申しましたように、基本計画には確かに調査・研究するということが書いてあるにとどまるのですが、ただ、消費者を取り巻く社会状況の変化の動きが速いですので、5年間、調査・研究をします、それだけですということでいいのかということは心配です。状況を見ながら、もう一歩、せっかくすばらしい調査等は行ってこられたわけですから、必要に応じてできるだけ速やかな対応をお願いしたいと思いますし、大澤委員がおっしゃった2点目についても、日本版製品安全誓約それ自体は一定よい成果を上げているということもお聞きしましたが、これは任意の取組なので、そこには限界があります。そして、先ほどの返答にも、こういう法律で努力義務もありますよという御説明もあったのですけれども、努力義務である以上は、直ちに強制力があるというわけではなくて、それでうまく機能するのかということも心配です。それらの状況を見極めて、また対応を検討していただければと思います。

11時になりましたけれども、善如委員は先ほどからお手が挙がっていましたので、善如委員、お願いします。

○善如委員 時間の押しているところすみません。できるだけ簡潔にまとめさせていただきます。

質問させていただきたいのが、先ほども議論に上がっていました日本版製品安全誓約に関してです。資料の10枚目に12項目が記載されておりますが、拝見したところ、基本的には安全ではない製品を事前に取り除くための努力といいますか、そういった製品が消費者の手元に渡らないように努力しましょうというような観点かと思われます。

まず1つ目、なぜそういうふうなことになっているのかということです。例えば基になっているOECDの誓約がそうだからそうなのかなと個人的には想像していたのですが、その実態について把握していることを教えていただきたいというのが1点目です。

2点目は、事前に非安全製品を取り除くではなくて、何かしらの理由で消費者の手元に渡ってしまい、消費者が被害を受けた後にどう救済していくかという論点に関してです。日本版製品安全誓約の中には、そういった項目は全くないように思われますが、そういった事後的な対応に関して、OM運営事業者がどういうふうな対応を取るのかにつきましては、また別の誓約などがあるのか、それとも事業者ごとに個別に対応しているのか、また、その場合、消費者庁様はどのぐらいその実態を把握しているのかに関して教えていただきたいです。これが2点目の質問です。

以上、私から2点です。

○鹿野委員長 それでは、お願いします。

○消費者庁消費者安全課爲藤課長 ありがとうございます。

1点目の危険な製品だけなのかという点については、委員にもおっしゃっていただきましたけれども、OECDで誓約というのは基本的にはこういう型でやってはどうかということでお示しいただいているものがあって、それに沿ってやっているというところがありますので、基本的にOECDの声明の内容に沿った結果として、リコール製品や安全でない製品というのが対象になった取組ということになっているということはございます。

あと、2点目の消費者を事後的に救済するような部分が製品安全誓約にあるのかどうかといいますと、なかなか直接的な補償とか救済というところまでは書かれていないのですけれども、例えばオンラインマーケットプレイスを通じて消費者の方がリコール製品などを買ってしまったということが、オンラインマーケットプレイス側にはその情報があるということがありますので、オンラインマーケットプレイス側で、例えばリコール製品を買った消費者に対して、あなたの製品はリコールされていますよというような周知を積極的に行っていただくということは、第8項目の中にも入っておりまして、金銭的な補償ではないのですけれども、場合によっては売った後のケアも含めても一部分この誓約には含まれているということになっております。

○鹿野委員長 善如委員、よろしいですか。

○善如委員 ありがとうございます。

OECDの誓約に沿ってつくられたというのは十分分かりましたが、誓約の中に言及がなかったとはいえ、それを超えてよりリッチな自主的取組をするというのは拒まれているわけではないと思いますので、また、拒まれていないはずなのに、実態としては自主的な取組はなかなか進んでいないという現状を受けると、政府とが主導して何かしら調査なり動かないといけないかなと個人的にはちょっと感じましたので、消費者庁の中で実際にオンラインマーケットプレイスにおける被害がどれぐらい起きているのかとか、そういったものを調査しながら共有していただけると幸いだとは思っております。これは私の意見です。質問ではありません。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

先ほど、善如委員までと申し上げたのですが、会場で小野委員から手が挙がっていたのを見落としておりましたので、それでは、小野委員、お願いします。

○小野委員 どうもすみません。

私は消費者教育を専門にしておりまして、自身でもコンテンツを開発したあと、その落とし込みをする場合、学校教育であったり社会教育とのネットワーク作りはとても大切だと思っています。

お尋ねしたいのは、庁内、例えば消費者教育推進課との連携とか、あるいは省庁間、経産省、厚労省、国交省、文科省との連携の状況、それから事業者、そして消費者団体といった各種の主体との連携について、今回はリチウムイオン電池の話でしたが、それだけでは足りないと思っており、啓発に関連して教育をしていくスキームといったものがおありなのかどうかを確認させていただきたく質問いたしました。

以上です。

○消費者庁消費者安全課爲藤課長 ありがとうございます。

注意喚起については、もちろんどういうところで連携するかの内容にもよるところがあるかと思いますけれども、例えば消費者教育推進課と連携をするというようなことはございますし、事業者との連携という意味では、内容によっては事業者団体の方の御意見も伺ったりしながらやっていくものもありますので、そういったものの場合には、事業者団体を通じて周知をしていただく。作成団体からいろいろ教えていただきながらやっていくような場合もあります。申し上げたリチウムイオン電池のような場合ですと、より幅広く関係省庁と連携しながら、先ほど周知啓発は消費者庁と申しましたけれども、それは消費者庁だけでやるという意味ではなくて、今、関係省庁で連携をして周知も含めてやっているところですので、そこは連携というのは御指摘のとおり重要な点だと思いますので、事案の性質に応じて進めていきたいと考えております。

○小野委員 ありがとうございました。

消費者教育の中でも、安全というのは4領域の一つであり、私自身としては、高校の家庭科の教科書などにも事故情報データベースの紹介をしたりとか、個人的には取り組んでいるつもりですが、その先の教材みたいなものを聞かれたときに、なかなか苦慮する場面があります。つまり、教育というところでも、少しまとまった枠組みをつくっていただければと思いました。

どうもありがとうございました。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

それでは、予定の時間を少し経過しましたので、以上で質疑応答、意見交換は終わりとさせていただきたいと思います。

消費者庁におかれましては、ここで御退席なさるということでございます。

お忙しいところ、御対応いただきまして、誠にありがとうございました。

○消費者庁消費者安全課爲藤課長 ありがとうございました。

(爲藤課長 退室)

○鹿野委員長 続きまして、合同会社アイリスホールディングス様から御説明をお願いします。

改めて御紹介しますが、本日は御説明者として、合同会社アイリスホールディングス経営企画本部品質監査室の大泉参与にお越しいただいております。お忙しいところ、誠にありがとうございます。

それでは、まずは20分程度で御説明をお願いします。

○合同会社アイリスホールディングス経営企画本部品質監査室大泉参与 資料を共有させていただきます。

改めまして、アイリスホールディングスの大泉と申します。私はアイリスグループのグループ全体の品質の監査を主な業務としております。今日はよろしくお願いします。

今日のテーマですけれども、「事業者からみた製造物責任法の意義と課題」ということでお話しさせていただこうと思います。

まず最初に、弊社のことを御存じない方もいらっしゃるかと思いますので、簡単に企業の紹介をさせていただきまして、その後、消費者安全の取組を通じた「製造物責任法の意義」についてお話をします。最後に、弊社からみた「製造物責任法の課題」について提案させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

まず、弊社の事業領域なのですけれども、非常に広うございます。BtoC事業で言いますと、もともとホームセンターの生活用品を主たる事業としておりましたが、そこからマスク等も含めたヘルスケア、そして家電製品、食品というふうに領域が広がっております。私ごとですけれども、三十数年前にアイリスグループに中途で入社致しましたが、そのときは生活用品を主な社業としていまして、まさか家電製品や食品をやるとは思ってもおりませんでした。これからもどういうことをやっていくかさえ想像ができないという状況でございます。

BtoBにつきましては、LED照明をはじめとして、右側の写真にありますスタジアムから物流センターあるいはオフィスに使うような、人工芝から観客席まで含めまして、ワンストップで商談ができる様々な商材をそろえております。ただ、これは何でもかんでも事業を拡大しているというわけではなくて、そこにはストーリー性がございます。

一つは、消費者志向の経営をしているということでございます。2017年に弊社は消費者志向経営自主宣言をやっておりまして、ホームページにも掲載しております。御興味ある方はホームページをのぞいていただきたいと思います。

それに先駆けて、2015年に消費者庁主催の検討会がございまして、ここに弊社の当時の社長であります大山健太郎が委員として参加しております。こうしたスキームの立上げに弊社が少しでも貢献できたものと思っています。

この消費者志向経営自主宣言の前から、弊社の企業理念や経営方針というのはもともと消費者を志向したものでございます。企業理念の第2条に「健全な成長を続けることにより社会貢献し」とあり、利益を社会へ還元するということで、常に社会を見た社業をやっているということと、第4条の「顧客の創造なくして企業の発展はない」ということで、市場をつくり出さなければ会社は継続できないという発想で経営をしているということでございます。

もう一つのポイントが、ジャパンソリューションという大きなテーマを掲げて事業活動をしているということです。ジャパンソリューションとは何かといいますと、日本の社会課題を解決するという大きなテーマで活動しております。ジャパンソリューションの3つの代表的な事例がございまして、1つは東日本大震災でございます。そのときに、この写真の上の右側になりますけれども、これが毎週月曜日に朝礼を全員参加でやっているフロアでございますが、震災で天井が落ちました。こうした状況だったのですけれども、社員の中には、ボランティア活動をしたいという申出がありました。ですが、会社としては、本業を通じて復興支援をしようという方針を打ち出しました。弊社は生活に必要な商品をたくさん提供しております。これを滞りなく供給することによって被災者の生活を支えようということで、実は傘下にホームセンターも持ってございまして、ここで近隣の方たちに無償で生活必需品を配るということをやっておりました。

震災後に課題になったのが電力不足でございます。省エネニーズに何とか応えようということで、2010年からやっていたLED照明事業がありましたが、たまたま翌年にこういった大きな災害がございまして、節電需要に対してLED化を進めていこうということになりました。私は、このときに中国の工場に赴任しておりました。2011年3月11日に被災しましたが、翌月の4月には当時の社長の大山健太郎が中国の工場に来まして、「LEDを増産する」という大号令でLEDの大増産をしました。

もう一つは、東北の復興支援として農業支援をしていこうということで、下の右側の写真にあります精米工場を宮城県の亘理というところに建てまして、農業の復興支援に当たりました。現在の食品事業のスタートになるのがこの精米事業でございます。

2つ目のジャパンソリューションの代表的なものは、コロナ禍でございます。2020年、中国でコロナが蔓延しまして、当時、私の後任の中国の工場の責任者が、中国の様子がおかしいということで、マスクの増産が必要だということで動きました。当時、1月ぐらいですか、中国の春節という大きな休みがありますけれども、この期間を稼働しましてマスクを増産しました。加えまして日本の国内に設備を投資しまして、マスクの増産を行い、1日当たり1億枚というような生産体制にしまして、何とかコロナ禍に対して世の中に貢献できたと思っています。

それと、コロナが明けてもアフターコロナということで、非接触の体温計とか、ウイルスを除去するような空気清浄機、あるいは非接触型の店舗の配膳ロボットといった商品を開発して供給したということでございます。

3つ目が米不足です。記憶に新しいと思いますけれども、昨年、米不足がありまして、当社は政府の備蓄米にいち早く手を挙げまして、昨年の5月29日に備蓄米を送っていただきまして、6月2日、4日後には店頭に並べて販売するという状況をつくり出しました。いわゆる流通の目詰まりを解消するということで、当社の場合は精米工場を持っていますし、また、パックごはんを自社で製造できるということでございます。それと、それを販売するインターネットモールがございますのと、傘下にホームセンターを抱えておりますので、ホームセンターで直接販売ができるということで、この短い期間で備蓄米を販売できたということは、こうした物流の効率化があったからだと考えております。

そういった弊社でございますけれども、これまで消費者安全に対してどんな取組をしてきたかということのお話を次にしたいと思います。

まず、事前対策ということでございますけれども、弊社の消費者安全の原点は、シュレッダーによる幼児の指切断事故でございます。これが発生したのが2006年3月10日でございまして、2歳の女の子が指を切断するという痛ましい事故がございました。

そのときに使われたシュレッダーというのはオフィス用でございまして、使われた場所が御自宅の事務所でございまして、目撃者がございませんでした。ということは、オフィス仕様のシュレッダーを御自宅でお子さんを管理せずに痛ましい事故が発生したということで、当社はこのとき実は誤使用だというような見解を持っておりました。製品の取説や本体シールにもこういった注意書きをしておりまして、こうしたことから、製品に瑕疵はないという見解を持っておりました。しかし、メディアからの評価は非常に厳しいものでございまして、事故後も改良せずに販売したということで、これがきっかけの一つになりまして、消費生活用製品安全法の改正につながったということもございます。これが当社の製品安全の原点になってございます。

それで何をしたかといいますと、まず業界を挙げて安全ガイドラインを策定しました。本体の注意シールの貼付を義務づけることと、紙の投入口から指が入らない、入っても危険なエネルギー源に届かないといったことを設計のガイドラインとしています。加えまして、弊社独自の緊急停止スイッチというものを作りまして、万が一、指が入ったときも、投入口のオレンジ色のボタンに触れると稼働が停止するといったことの設計もやってございます。こうしたことが事故の教訓になりまして、誤使用を設計で担保するといった考え方のきっかけになった事故でございます。

その後も当社の設計の思想というのは、こういった合理的に予見できるような誤使用については設計で担保するといった考え方が根強く会社の基準として今でも実行されているところでございます。

それに加えまして、誤使用を想定した実使用評価をするスタッフというのもございます。取説を見ずに使った結果として、どんな不具合が起こるのかということを事前に新商品の発売前に実証するということと、あと、いじわる試験と申しまして、想定外のことを実際にやることによって、どんなリスクが発生するかということを事前に検証するということもやってございます。

次に、事後対策でございます。もし万が一、事故なりいろいろな問題が起きたときにどういう対応をするかということでございますけれども、まず一つは、弊社は、ICジャーナル、これはアイリス・コミュニケーション・ジャーナルというものですけれども、日報でございますけれども、全社員が毎日入力することによって、それをキーワードを使って検索するということで、いろいろな情報もございますけれども、その中のリスク情報についてもピックアップできて、タイムリーに発生したことを知ることができるということでございます。

問題が発生したときには、まずお客様相談室と品質部門の連携をすることによって、どういうふうに対応するかということを協議します。当然、PL法に基づいて対応するわけでございます。

その次に、製品リスク管理委員会というものがございまして、毎週水曜日に開催しますけれども、これは発生したことに対する再発防止対策、二度と発生しないような対策を講じる会議でございます。

その次に、毎週月曜日にやっていますトップマネジメントへの報告会議がございますけれども、ここで発生した事故やリスク案件についての報告をするということ。

最後に、全社のリスク委員会、社長主宰のリスク対策会議でもって、こうした問題に対する対処方法を検討するということでございます。

こうしたエスカレーションする仕組みがございます。

また、万が一リコールが発生した場合にどういった対応をするかということについては、2022年3月に経済産業省に弊社の事例として取り上げていただいているものがございますので、詳しくは見ていただければと思います。

その結果として、2019年にPSアワードで受賞させていただきました。

こうした取組を通じて、当社にとっての製造物責任法の意義でございますけれども、まず1つ目は、適切な消費者対応をするための指針ということでございます。

2つ目に、安全なものづくりをするための抑止力になっているということでございます。

3つ目が、企業内に安全文化を醸成するためのよりどころになっております。

こうした意味で非常に大きな意義を持っているというのが弊社の認識でございます。

ただ、一方で、課題もあるのではないかと見ております。5つございます。

1つは、消費者対応の難しさ。損害と製品との因果関係を証明するというのは非常に難しい。特に、お客様の誤使用であったり、長期使用、あるいは中古品、修理品を使った事故、あるいは個人ではなくて共同使用の場合、業務用として使った場合どうなのかといったところの因果関係が非常に証明しにくいという点でございます。

もう一つは、SNSによって損害が過大に拡散されるという問題でございまして、そうなってくると冷静な対応ができなくなるという点で非常に苦慮しております。

2つ目が、先ほども話が出たと思いますけれども、越境商品の対応でございます。電気用品安全法の違反事例というのがありまして、弊社の場合は、もともときっかけというのは売れ筋商品の分析をしようということで、インターネットモールから試買をしています。そのときに、安くて販売量が多い商品というのが、えてしてこういった法令を遵守していない商品であることが分かりました。安全を担保せずに安い価格で売る、つまり、消費者にとって非常に不安全な商品が市場に流れているということが分かりまして、経産省さんのほうに報告しまして、協力して動いております。弊社としては、インターネットモール事業者に対して出品停止を申し出るということで、僅かではありますけれどもそういった取組をしているということございます。

もう一つは、各国によって法規制が違うということです。これは先ほどもお話があった玩具の安全規制の事例がございまして、日本では法令が非常に緩いということもありまして、ヨーロッパでは禁止されているものが日本の市場に入ってくることで、痛ましい事故が日本の市場で起こっております。これに対して、今回は消費生活用製品安全法の一部を改正することによって回避されているということですが、こうした事例も製造物責任法の各国の規制の違いによって、もしかしたら同様のことがあるのではないかということを感じております。

4番目が、消費者救済における法令と現場のギャップでございます。因果関係を説明するのは、基本的にどちらかというと今、消費者が証明しないといけないようなことになっていると思いますけれども、消費者保護の観点から言うと、消費者にそういった負担を負わせるというのはあまりフェアではないのではないかなということをまず思っております。

2つ目が、十年時効と言われていますけれども、10年たつと損害賠償の責任が回避されるということなのですが、実際は、弊社の場合ですけれども、消費者と向き合ったときに、10年以上経過して発生した事故であっても、あるいはリコール商品であっても補償するという考え方はございます。ですので、これは他社さんも同じではないかと思うのです。そういう意味で、実際こういった法令の規制というのが本当に適正なのだろうかということを感じております。実際の場面では、恐らくこういった年限を定めるというのはあまり消費者保護の観点ではよろしくないのではないかと思っています。

3番目、これは同じことだと思いますけれども、法的義務の有無にかかわらず弊社としては補償を検討するという考え方でやっております。これはなぜかといいますと、顧客満足度の向上もありますし、ブランド価値の維持・向上という観点からすると、法律を盾に消費者保護を回避するというのは企業にとって得策ではないという判断から、そうしています。こうしたことからして、現場でやっていることと法令で定められることというのは大きなギャップがあるのではないかなということを感じています。

5番目になりますけれども、物とサービスとソフトウエアの境目がだんだんなくなってきているということで、今、PL法については、物に対する賠償責任がうたわれていますけれども、これからサービスやソフトウエア、あるいは今出てきています生成AI、もっと言うとフィジカルAI、こういったものが商品としても提供されてくると思いますので、弊社についてもこういったロボット商品が非常にたくさん増えています。そういうことからすると、将来のこうした変化に対して法令も適用できるような変化対応していかないといけないのではないかなということを感じています。

こうした課題意識の観点というのは、一番はやはり消費者保護、2つ目に消費者の適正な商品選択です。製造物責任コストを負担しないような業者、特に一部の海外事業者が販売して、不安全な商品を消費者が買わされているという状況はやはり回避しないといけないだろうということで、そうした観点に沿った法制の改正を望むところでございます。

以上でございます。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

それでは、アイリス様の今の御発表に関して、30分程度、質疑応答、意見交換の時間を取りたいと思います。いかがでしょうか。

中田委員、お願いします。

○中田委員 大泉様、御説明ありがとうございます。

消費者志向経営の下、高い安全意識や品質保証に対する考え方を持たれて事業を展開されているアイリス様の御様子が伝わってまいりました。

また、シュレッダー事故対応実績についても、事前・事後対策のプロセスを透明性高く御共有いただきましたことを感謝申し上げます。

その上で、事業会社視点での現在の製造物責任法の課題の御指摘もいただいたのですが、1番目の消費者対応の難しさという点では、私も民間企業におりましたこともありまして、SNS上での圧倒的な消費者優位の投稿拡散を目にすることがありまして、企業責任が確定する以前から消費者感情が炎上することが、事業会社さんにとって課題解決をより複雑にさせていることが気になることがあります。

日本の現在のPL法では、海外に比べてかなり広範な責任範囲や曖昧な結果の解釈となっていたり、また、取扱説明書や警告表示があっても消費者の誤使用や不注意による事故が起きた際には、やはり事業会社側の警告が不十分だったとして欠陥を問われるケースが多々あると思いますが、もちろん消費者保護は重要でありますが、それが過剰な対策や警告の表示の肥大化につながっていないかということを考えることがあります。

この点に対して、御社では、法定義務以上の補償を御提供されることもあるとのことですが、御苦労されている点や、あるいは具体的に規制を将来的に見直すことで、消費者対応の難しさは改善されるとお考えでしょうか。その場合、どのような論点の見直しが必要であるとお考えであるかということを教えていただければと思います。

○鹿野委員長 大泉様、お願いします。

○合同会社アイリスホールディングス経営企画本部品質監査室大泉参与 御質問ありがとうございます。

非常に難しい課題だと思うのですけれども、確かにバランスはどこでうまく取るかということだと思うのです。企業としては、企業の経済的負担という側面と、それと消費者保護という理念もありますし、そこの折り合いをどうつけるかというところは非常に難しいところだと思います。

SNSの拡散というのは、止めてもどうしようもない。一応できるだけ当事者の方にコンタクトを取るという努力はするのです。なかなか特定はできないのですけれども、そこで理解を求める。ただ、理解は多分難しいと思います。ただ、そうした姿勢を取り続けることが、長期的には消費者の理解を得ることにつながっていくのかなとも思うところがありまして、そういった努力は続けるべきだろうと思います。

ただ、一部のSNSで拡散する方々の中には、こちらからアプローチしてもどうしようもない部分もある方もいらっしゃいますし、ただ、そうでない方もいらっしゃいます。なので、コミュニケーションを取り続けるということは、企業にとって努力は続けないといけない部分ではあるのではないかなと思っています。

過剰に賠償を提供するということに対しては、そこは限度がありまして、そのために先ほど御紹介したいろいろな角度から意見を求めて、それで結論を出すというようなプロセスを踏む場が幾つかございまして、そうしたところでバランスを取る。お客様相談室の担当者というのは、とかくお客様からいろいろ言われているものですから、そちらに対して軸足がぐっと行く。でも、会社としてはどこまでやるかという限度もあるというところで、議論をするということ、これもやはり社内のコミュニケーションなのですけれども、そこで適正な落としどころを見つけるということの作業を常に繰り返しているということになります。社内としてはそうです。ただ、法律でそれをどうかと言われると、答えを持ち合わせていないので、申し上げることはできないのですけれども。

○中田委員 丁寧な御回答ありがとうございます。

利用者一人一人に丁寧なコミュニケーションをされているということですが、法律や規制上ではもちろん消費者保護も重要だと思いますが、私はやはり企業が適正かつ正当な主張ができるような環境をつくっていくことも重要ではないかなと感じているところもございまして、御意見を伺った次第です。

御回答ありがとうございます。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

柿沼委員、お願いします。

○柿沼委員 柿沼です。御説明いただきましてありがとうございました。

質問をさせていただきたいと思います。

こちらはPL法のリコール商品についての周知の方法についてです。消費者庁の事故情報データバンクを見ると、平成28年にリコールされた製品が、本年になって事故として報告されているというのを見て気になりました。リコール情報が消費者に十分に届いていないとも思われると思いますが、その周知の方法についてまず一つ教えていただきたいと思います。

また、ネットを見ることができない高齢者などの場合には、どのような周知の方法をなさっているのか。

また、中古市場で買われた場合、実際に購入された例えば御社のほうで記録が残っていた方とは違ったというようなこともおありかと思いますが、そういった方についての対応や周知の方法について、どのような取組をなさっているのか教えていただきたいと思います。

それから、2点目です。中古市場、特にフリマアプリなどでリコール品が流通している場合の対応方法について、どのようになさっているのかについてお聞かせいただければと思います。

以上です。

○合同会社アイリスホールディングス経営企画本部品質監査室大泉参与 御質問ありがとうございました。

まず1番目の話は、リコール商品がリコールしていることを周知徹底する方法ということでしたか。違いますか。

○柿沼委員 具体的な。

○合同会社アイリスホールディングス経営企画本部品質監査室大泉参与 中古品の話と、捕捉できないようなお客様の場合、どう周知徹底するかということでよろしいですか。

○柿沼委員 周知については3点ございまして、事故情報データバンクに載っている商品について、10年たっても事故情報として上がってきているということですけれども、そのような対応について、消費者が十分にそのリコール情報というのを認識していない可能性があるかと思いますので、その辺りについての周知の方法と、それから、ネットを見ることができない消費者、高齢者などについての周知方法、それから、中古市場などで買われた方、それから、もらい受けたという方についての周知の方法などについて、何か取組をされていることがあれば教えていただければと思います。

○合同会社アイリスホールディングス経営企画本部品質監査室大泉参与 分かりました。ありがとうございます。

10年を経過して、リコール商品が発見されるということは、弊社の場合もございます。これは多分最初の連絡が十分に届いていないのだろうと思うのです。弊社の場合は、ダイレクトメールであったりとか、あるいはホームページへの掲載だとか、できるだけダイレクトメールで購入履歴を基にして直接お客様のほうに連絡をする、もしくははがきを送るということをしています。働いている方などは、なかなか見られる機会がない場合に、こちらから電話をしたりメールを入れることによって、電話の場合は何時なら都合がいいですかと、そういったことを問いかけることによって、できるだけ在宅時に連絡が取れるような工夫をしています。というのが大分功を奏してきているのがあるのと、年数がたって回収するということに対しては、やはり根気よくやるしかなくて、1回御連絡さしあげたお客様から反応がなくても、また何回か連絡することによって、例えばシーズン商品の場合、夏だけ使う商品とか、あるいはヒーター物の冬だけ使うという商品は、そのシーズンに突入する前に、タイミングを見計らって送るのです。そうすると、いわゆる気づきやすいというのがあったりとか、そういった工夫をすることで、10年経過しても、そういったお客様とコンタクトが取れるケースというのはあるのです。なので、根気よく続けていくしかないかなと思っています。

2つ目のネットを見ることができない高齢者の方なのですけれども、別の業界団体で、私も参加する業界団体のアンケートで、意外と高齢者のネット閲覧率は高いことが分かりまして、60歳、70歳、80歳以上でも、一定の割合、60パーセント、70パーセント以上の人がスマホやネットを使っているというアンケート結果がございまして、そこはあまり心配する必要はないのかなと。今後ますますそういう世代がどんどん増えていくので、ごく一部の方に対しては、新聞も見ないという方もたくさんいらっしゃいますので、新聞告知もあまり効果が上がらないので、これはやはり直接お伝えするしかないのかなと、根気よく続けるしかないと考えています。

あと、中古品については、なかなか難しいのですけれども、先ほどあったフリマの話も含めて、できるだけコンタクトが取れるといった業者の方々には、直接コンタクトを取って申入れをしているということをやっております。ただ、それがどれだけ効果が上がるかというのは、まだ検証はできていませんけれども、とにかくやり続けるしかないのかなと思っています。

以上でございます。

○鹿野委員長 柿沼委員、よろしいですか。

○柿沼委員 ありがとうございます。高齢者も、インターネットを見たりすること、閲覧することは多くの高齢者もできるというところについては認識しておりますが、実際にその後コンタクトを取ったり、メールを送ったりということはなかなか不得手のようですので、今後も何か対応をしていただければありがたいかなと思います。

以上です。

○合同会社アイリスホールディングス経営企画本部品質監査室大泉参与 承知しました。

○鹿野委員長 それでは、小野委員、お願いします。

○小野委員 御説明をいただきまして、ありがとうございました。

消費者に対して直接コンタクトを取るなど、そういったコミュニケーションを図られていること、また、社内でもそれぞれの部署で事情をすり合わせているということがよく分かりました。

私がお尋ねしたいのは、同じような消費生活用製品などを扱っている業界団体といいますか、先ほど少しそのお話もありましたが、例えば対消費者に関しての何か共有をされているようなものがあるのか気になりました。

と申しますのは、企業としてはそれぞれが商売敵といいますかライバルなわけですが、一方で、対消費者で、殊、安全については、やはり共通をして何か質を担保するというような仕組みはすごく有効だと思っています。これは企業にとってもメリットがあると思うのですけれども、そういった業界団体でのお話を伺えたらと思いまして質問いたしました。

○合同会社アイリスホールディングス経営企画本部品質監査室大泉参与 ありがとうございます。

業界団体、主に家電関係と照明について申し上げると、それぞれの業界の団体の中に製品安全委員会というのがあります。照明工業会にもございますし、電機工業会にもございます。それと、それをまとめるような家電製品協会の中にも製品安全委員会がございまして、それぞれの製品安全委員会で私、委員をやっておりまして、その中で、製品安全の議論を活発にやっているつもりでございます。しかし、PL法についての議論はあまり実はなくて、電気用品安全法であったりとか、あと消費生活用製品安全法についての議論というのはありまして、国のほうから議論してくださいねといったお願いも来たりしますので、そういった議論は活発なのですけれども、PL法についてはあまりないというのが現状です。ただ、私の場合は複数の業界団体の委員をやっていますので、こっちでこういった議論をしていますよという話を展開したりとか、そういったことをやると実は刺激になっていまして、そういったことからいろいろな議論、今度PL法についてもお話しするようにします。ただ、おっしゃるように競合の関係にありますから、本音の議論ができない部分もあるにはあるのですけれども、実は製品安全に関わる部署の人たちというのは、会社を超えて同じ悩みを持っているのです。なので、そういった企業に共通した、あるいは業界に共通した課題というのは十分に議論できる余地はありますし、これまでもやっています。

こんなところでよろしいですか。

○小野委員 ありがとうございました。

カスタマーハラスメントなんかも多分話題にはなっていると思うのですが、そこにぜひ今回テーマになっています製造物責任法(PL法)を入れていただけるといいのかなと思いまして発言いたしました。

どうも御説明ありがとうございました。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

それでは、善如委員、お願いします。

○善如委員 大泉様、分かりやすく発表していただきありがとうございます。

私からは質問といいますか、もし分かればという感じで教えていただきたいのですが、本日、丁寧に御発表いただいて、また、恐らく時間がなかったからかなとは思うのですが、スライドの本当に最後、22枚目の辺りですか、サービスとかソフトウエアに関して、将来的にどういうふうに見ていけばいいのかというような話題に触れていただいていたと思います。

若干今日の報告の中では唐突な印象を受けました。もちろん時間がなかったから背景を端折られたのだと思うのですが、実際に他社の製品も買い上げて独自パトロールをされているというような積極的に取り組まれているアイリスホールディングスが、意味もなくこういう話題をぱっと上げるわけはないだろうなと勝手に推測したのですが、こういったものを話題として取り上げられた中で、何かしら現場の中では危機感だとか、問題意識だとか、何か感じていることがあるのではないかなと思いましたので、もしそういったものでお話しできそうなものがありましたら、情報共有いただけると、こちらとしても大変勉強になりまして幸いでございます。よろしくお願いいたします。

○合同会社アイリスホールディングス経営企画本部品質監査室大泉参与 ありがとうございます。

説明が足りなくて申し訳ございません。

弊社の今、力を入れている事業にロボティクス事業がございまして、ここでは最初、配膳ロボットから始まりまして、その後、清掃ロボット、これから警備ロボットをやろうとしています。単体としてそこにソフトウエアが組み込まれて動くという分にはまだいいのですけれども、それは物として扱うことはできると思いますけれども、今後、生成AIが入ってきたときに、その生成AIを動かすのは誰なのだという話になってくると思うのです。外部からのコントロールでもしそういったロボットが動くということがサービスとして提供された場合に、責任の所在がどこにあるのか、まして生成AIの会社が別な会社であると。弊社は例えばロボットを造って、その制御は生成AIの会社がやるといったときに、そこでロボットによる事故が仮に発生したときに、その責任の所在がどこにあるのかということは、法律でどういうふうに規制していくのだろうかといった危惧でございます。

○鹿野委員長 善如委員。

○善如委員 どうもありがとうございます。

つまり、まだ現時点ではアイリスホールディングス内での問題意識ということにとどまっているというような理解でよろしいでしょうか。

○合同会社アイリスホールディングス経営企画本部品質監査室大泉参与 そうですね。ただ、非常に世の中進歩が速いので、いずれそういった問題に直面するのではないかという予感がしているということでございます。

○善如委員 ありがとうございました。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

黒木委員長代理、お願いします。

○黒木委員長代理 大泉様、大変分かりやすく、また事業者のお立場から問題点を極めて明確に御指摘いただき、ありがとうございました。

その観点から、3点お尋ねします。

質問の前提として、私個人の考えを申し上げます。善良な事業者が適正な競争環境で事業を行うことが非常に重要で、私たちはこうした事業者を善良層と呼んでいます。中間的な事業者も、善良な事業者の影響を受けて善良化していくと考えています。一方で、極めて悪質な事業者が一定程度存在することは間違いなく、こうした事業者は市場から徹底的に排除すべきです。その意味で、消費者政策と競争政策は矛盾しないと私は考えています。以上を前提に、3点お尋ねします。

1点目は、最初にお話しいただいたシュレッダー事故についてです。製造物責任法の考え方では、警告表示を行っていれば誤使用は欠陥に当たらないというのが当初の理解だったと思います。したがって、御社の2006年の対応は、仮に訴訟になった場合でも、その考え方で裁判所を説得できたのではないかと思います。

ところが御社は、予見可能な誤使用という考え方に基づいて、表示や広告を次々と変えてこられたと思います。御社は、消費者の予見可能な誤使用をどのように捉えていらっしゃるのでしょうか。これは単なるレピュテーションの問題なのか、それとも製品の欠陥に結びつく概念だとお考えで対応してこられたのか。この点をまずお尋ねします。

2点目は、越境商品や海外事業者という非常に重要な問題についてです。御社の御指摘のとおりだと思います。御社は、御自身でさまざまなマーケットプレイスから商品を購入し、その問題点まで指摘されています。こうした取組をされている御社の立場から見て、現在PL法上の責任を全く負わないオンラインマーケットプレイスの事業者に対し、適正な競争環境を形成するうえで、本来どのように責任を負わせていくべきだとお考えでしょうか。御意見で構いませんので、お聞かせください。

3点目は、先ほどの善如委員のお話にもつながる点です。例えば御社のHACCP対応冷ケース温度測定サービスは、ホームページを拝見すると、ほとんどソフトウエアに依存しており、物との融合がほとんどないように見えます。しかし、BtoBの取引にもPL法は適用されます。仮に御社がこのソフトウエアの設定を誤り、その結果、小売の現場で温度設定に不具合が生じて食中毒が発生すれば、大きな問題になると思います。このようなソフトウエアについて、売買契約とか、そのような契約の中で契約不適合という形で議論されるかもしれませんけれども、そのような問題も含めて、ソフトウエア単体についてもPL法で対応していくべきではないでしょうか。先ほどAIのお話もありましたが、物と全く関係のないものについて、御社はどのようにお考えでしょうか。

以上の3点について、お聞かせいただければ幸いです。

以上です。

○合同会社アイリスホールディングス経営企画本部品質監査室大泉参与 ありがとうございます。

まず、1点目のシュレッダー事故に関することなのですけれども、正直、確かにこの時点では、弊社の見解も、もちろん誤使用で製品に関してはないということでした。ですけれども、やはり起きた事故に対して何か製品で事故を防ぐための担保ができなかったのかなということを省みたときに、その余地はあるだろうという見解に至った、最終的な見解はそこに至ったということです。もちろんそれには、そういうきれいごとだけではなくて、世の中からの評価の問題もあります。そういったことを総合的に考えると、やはりここは企業としての責任は負わないといけないだろうというのが最終的な結論です。

その後も、同様のというか、設計的に担保できるような誤使用については、できるだけ設計の段階で担保していこうという考え方に社内の基準が変わっていったということは、非常によかったことだったのではないかなと思っているのです。そういう意味で、100パーセント誤使用を回避することはできないにしても、できるだけ企業としては努力していかないといけないということだと思います。それが1点目でございます。

2点目の越境商品の話なのですけれども、これは弊社としても、先ほど申し上げたように、あまり高尚な考え方で始めたわけではなくて、そもそも何でこの商品が売れているのだろうという競争の意識から始まっている話なのです。ただ、それを買ってみて、弊社の商品とどこがどう違うのかということを見たときに、これが実は法令さえ遵守していない商品だということが分かって、それは安いに決まっているだろうと。だけれども、これは世の中に流通させていいものだろうかという意識から、いろいろ経産省さんに申し入れさせていただいたりとかしていました。

この話は、消費生活用製品安全法の改正の段階で越境商品が国内に責任者を置かないといけないということに変わったように、同じようなことをPL法でもやっていかないと、賠償責任を負っていない、つまり賠償コストを負担していない事業者が安く販売することで、国内の市場で優位に立つというのはやはりおかしいと思うのです。そうさせないような法的な枠組みというのは必要であろうと思います。それが2つ目でございます。

3つ目のソフトウエアの話です。弊社の考えは、ソフトウエアも物という形で捉えています。ですので、ソフトウエアに不具合があって、何か食中毒が発生したりとか、温度管理ができなくなるということが発生したときには、やはり弊社の責任というふうに捉えています。

そうならないように実はモニタリングをしていまして、ソフトウエアで監視というのをセンターでやっています。なので、何か異常が発生したときに、例えばスーパーマーケットの冷ケースの中でそういったことが発生したとかを常にモニタリングして、どこで何が起きたか、異常が起きたときにそこに担当が飛んでいって対処するということをやっていますので、その不具合の期間をできるだけ短くして、よしんばソフトウエアの不具合があったときにも被害が最小限に収まるような手当てをしていることで、ソフトウエアについて、もしそれができなかったときの賠償は負わないといけないという意味で、そういうことをやっています。なので、負わないといけないのだろうと思います。

○黒木委員長代理 ありがとうございます。

まさに23ページの課題意識の観点という2つの大きなところをきちんと御説明いただいたと思っておりまして、大変感謝いたしたいと思います。

ありがとうございました。

○鹿野委員長 あと少しだけ予定した時間がありますが、よろしいでしょうか。

それでは、ほぼ予定した時間が参りましたので、これで意見交換は終わりにさせていただきたいと思います。

御説明、御回答いただき、ありがとうございました。

本日は、消費者庁及び合同会社アイリスホールディングスの大泉様に御出席いただき、貴重な御発表をいただき、それぞれ意見交換をさせていただきました。

特に、直前に御発表いただいたアイリス様からは、製品を製造・販売するという事業者からの立場から、事業者といっても特に消費者志向経営を進めておられる、いわゆる善良な事業者様の立場からということになりましょうが、現行の製造物責任法に関する種々の検討点も御指摘いただきました。特に因果関係の立証に係る問題や、オンラインマーケットプレイスなどを通した越境商品、越境商品が全てというわけではないのですが、越境欠陥商品への対応の問題、国によって法規制が違うことによってもたらされる問題、今後に向けてはさらに現行の製造物という定義には入っていないようなソフトウエアなど、デジタル・AI技術の発展によってAI搭載製品なども増えてくる中、それに起因する事故について、責任の所在について明確にしていく必要があるのではないかというような御趣旨の御発言もいただいて、大変参考になりました。

本日の議論を踏まえて、引き続き当委員会としては調査審議を行っていきたいと考えております。

大泉参与におかれましては、大変お忙しい中、御対応いただき、ありがとうございました。


《3. 閉会》

○鹿野委員長 本日の本会議の議題は以上になります。

最後に、事務局より今後の予定について御説明をお願いします。

○友行参事官 次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、本日はこれにて閉会させていただきます。

お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)