第490回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2026年5月29日(金)10:30~12:13

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)鹿野委員長、黒木委員長代理、中田委員
    (テレビ会議)今村委員、大澤委員、柿沼委員、善如委員
  • 【説明者】
    公益社団法人日本通信販売協会 万場専務理事
    株式会社ハルメク・エイジマーケティング生きかた上手研究所 梅津所長
  • 【事務局】
    小林事務局長、吉田審議官、友行参事官

議事次第

  1. 消費者と事業者の望ましいコミュニケーションの在り方について
  2. その他

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1. 開会》

○鹿野委員長 本日は、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。

定刻になりましたので、ただいまから第490回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、黒木委員長代理、中田委員、そして私、鹿野が会議室にて出席しており、今村委員、大澤委員、善如委員、原田委員がテレビ会議システムにて御出席です。

なお、小野委員、柿沼委員、山本委員は所用のため御欠席と伺っております。

それでは、本日の会議の進め方等について、事務局より御説明をお願いします。

○友行参事官 本日も、テレビ会議システムを活用して進行いたします。

配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。


《2. 消費者と事業者の望ましいコミュニケーションの在り方について》

○鹿野委員長 本日の議題は、「消費者と事業者の望ましいコミュニケーションの在り方について」です。

本議題に関しては、本年3月16日の第483回本会議、4月24日の第487回本会議において、有識者、関係団体、事業者をお招きし、望ましいコミュニケーションの在り方や消費者とのコミュニケーションの活性化に関する取組等について意見交換を行ってまいりました。本日も引き続き、関係団体等からヒアリング及び意見交換を行いたいと思います。

本日は、公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)の万場専務理事と、ハルメク生きかた上手研究所の梅津所長より、通信販売事業者と消費者とのコミュニケーションの活性化を通じた関係性強化に関する取組や、消費者と事業者の共創に関する取組等について御発表いただき、意見交換を行いたいと思います。

改めて、御紹介させていただきます。本日は、公益社団法人日本通信販売協会の万場専務理事、そして、ハルメク 生きかた上手研究所の梅津所長に会議室にて御出席いただいております。本日は、お二方とも大変お忙しい中お越しいただきまして、ありがとうございます。

本日の進め方ですが、万場専務理事、梅津所長の順に、それぞれ25分程度、15分程度で御発表いただき、その後、全体としての質疑応答、意見交換の時間を60分程度取らせていただく予定にしております。

それでは、早速ですが、最初に万場専務理事から25分程度で御発表をお願いします。

○公益社団法人日本通信販売協会万場専務理事 ありがとうございます。

ただいま御紹介いただきました日本通信販売協会の万場と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、このような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、テーマに従いまして御説明をしたいと思います。

本日のテーマは、「通信販売における消費者との望ましいコミュニケーション」ということで、まず全体像と課題、それから、業界として必要な取組は何だろうといった辺りからお話をしたいと思います。

まずはJADMAの紹介をさせていただいて、その後、顧客とのコミュニケーションの重要性、消費者相談から見る苦情の中身について、それから、業界としての取組が必要な課題といったところをお話しできればと考えております。

次のページをお願いいたします。

日本通信販売協会の会員のマークでございますが、白抜きがあったりして読みにくいのですけれども、通称「JADMA(ジャドマ)」と言っております。「A」が白抜きになっているのですけれども、英語では「Japan Direct Marketing Association」なので「JADMA」としております。

このマークは、協会の審査を受けて、きちっと法律を守っている事業者のマークということになっておりますが、最近では中学校の家庭科の教科書にJADMAマークを紹介いただいております。ほぼ全ての教科書にJADMAマークを御紹介いただいております。高校も一部載せていただいておりますので、高校の教科書にも全てマークを紹介していただけるようにしたいと思っているところでございます。

それから、会員社とのトラブルにつきましては、消費者相談室がございまして、仲介・サポートをしているところでございます。

次をお願いいたします。

協会の概要です。もう御存じの方も多いと思いますので、簡単に御紹介しますけれども、設立は1983年でございます。2012年に内閣府の認定を受けまして公益社団法人となっております。現在、月によって多少前後しますけれども、600社ぐらいの会員で構成をしております。

主な活動としましては、設立以来やっていることですけれども、まずは消費者の信頼を勝ち取るということで消費者向けの活動を行っております。最近では、各地の消費生活センターあるいは適格消費者団体の方々から御依頼がありまして、通信販売の上手な利用の仕方とか、そういうことをお話しする機会が非常に増えております。また、学校の先生、各地の消費生活センターで相談を担当されている相談員の方向けに、オンライン講座を開催しております。これは、学校教育の現場で通信販売の上手な利用法といったものを先生方にまずは知っていただいて、それを生徒さんに伝えていただくというような活動として行っているところでございます。

事業者向けの活動としましては、今も特商法の改正の検討会がありますけれども、そういう法律の改正があったときには法律の説明会を開きましたり、法令遵守のための勉強会を開いたり、あるいは通信販売の業務に関するセミナー、AIの活用とか、そういうところも含めた業務系のセミナー等も年間40数回開催しているところでございます。

次のページをお願いいたします。

設立以来、様々なガイドラインとか方針をつくっておりますけれども、今19本の自主規制といいますか、自主ガイドラインをつくっているところでございます。

特に最近では、下のほうにありますけれども、年代を入れておりますが、2025年の機能性表示食品の適正広告自主基準で、これは今度6月1日にまた改訂版を公表する予定でございます。それから、一番最近であると、機能性表示食品のいわゆる健康被害があった場合の事業者からの役所への届出といいますか情報提供の在り方、その辺の留意事項についても改訂をしておりまして、昨年の4月に公表したところでございます。こういった様々な自主的なガイドラインを周知しているところでございます。

次をお願いいたします。

通販業界の売上規模ですけれども、順調に成長しておりまして、ほぼ毎年のように伸びてきているという状況がございます。これは2024年の数字ですけれども、物販を中心とした推計値としましては14兆5,500億円でございます。コンビニの売上げが11兆円でありますので、コンビニの売上げを超える状況にまで伸びてきたところでございます。

次のページは利用率ですが、これは協会が一般消費者の調査をした結果でございます。全体の数字で2025年、一番下の棒グラフを見ていただきますと、個人の利用率でも7割近くございます。世帯の利用ということで、全体を見ますと8割。大体7割、8割の方が通信販売を利用しているというところでございます。

それだけ多くのお客さんに利用していただいておりますので、次のページから、「顧客とのコミュニケーションの重要性」というところのお話をさせていただければと思います。

次をお願いいたします。

通信販売においてのコミュニケーションの全体像です。まず通販のポイントですけれども、広告の各種媒体、特に最近はネットが多いですけれども、媒体を活用するということと、その媒体に反応していただいたお客様の比率、購入商品は何かということを計測することが可能であるところでございます。データベースに基づいていろいろ分析もできるということがございます。もう一つは、インターネットであろうと、電話であろうと、コミュニケーションが双方向で取ることもできる。もちろん対面とは違って、音声や文字ということではありますけれども、双方向である。この3つの特徴があるのではないかなと思います。

非対面だからこそ、計測する接点を増やす、消費者の声を商品・サービスに生かしていく、表示の改善につなげていくことが重要なポイントではないかなと思っております。

下の図ですけれども、まずは広告・表示というところで、これは最近ネットも多いですし、SNSを使う場合もあるでしょうと。従来型のテレビショッピングやカタログ、あるいはダイレクトメールでまずは広告を出します。ここが第1ポイントだと思います。次に注文をお受けします。あるいは、確認をしたりという作業があります。これももう今はスマホを利用される方も多いですけれども、注文の確認メールとか、そういうところを相互にやっていくというところでございます。

接触点としては、注文の場面と次の商品の配送のところです。特に配送のところは、最近は置き配であるとか宅配ボックスに入れるということがありますけれども、基本的には対面で商品を手渡しする。そこが接触面の重要なポイントだと思います。今は物流会社さんの会員になっていただくと、いらっしゃるときに届けたいので、納期をメールでお知らせするということもありますし、配達が完了した場合には完了のメールをお送りするとか、宅配ボックスに入っていますよとか、メールでコミュニケーションを取ることがございますけれども、いずれにしても注文のときと配送のときが接触ポイントとしては非常に重要であるということが言えるかと思います。

それから、商品が届いた後の話です。例えば、とどいた商品がイメージと違うとか、気に入らないとか、いろいろな理由があると思いますが、返品・交換の要求もある、その問合せを受け付ける場面です。それから、購入後のアフターケアです。商品の調子が悪い、修理をお願いしたいとか、そういうアフターケア。

それから、先ほどの顧客情報とかそういうものをデータベース化しているということですけれども、ここが重要で、万が一その商品に問題があるとか欠陥があったという場合にはリコールをしなければいけません。そのときには、通販の場合はいつ誰に何を購入していただいたかという記録が残っておりますので、リコールに対しても速やかに対応できるというところが非常に重要な部分かなと思います。

それから、買い物をされた後のアフターケアにもつながりますけれども、昔型の通販をやられているところは、お客さんになっていただいた方に毎月1回あるいは四半期に1回、カタログと併せて、商品の広告も入っているのですけれども、読み物とかそういうものも交えた会報誌を作っています。そういうところでお客さんとコミュニケーションを取る。例えば、会報誌の中に投稿欄があって、お客さんがふだんその会社に対していろいろ言いたいことがあるとか、ほっとするお話であるとか、そういうのを投稿していただくような投稿欄もあって、いろいろなコミュニティをつくるといいますか、そういうコミュニケーションの場として利用しているというところがございます。

また、ふだん顔を見せない通販なのですけれども、通販のお客さんにどこかに集まっていただいてバーゲンセールをやるとか、そういうリアルのイベントにもつなげるというような形のものもございます。

次をお願いいたします。

デジタルの役割と人の役割ということで、バランスも重要ではないかなと思っております。事業者にとっては効率化、ただ、消費者にとっては安心感が必要なので、デジタル活用についてはいろいろ気を使わなければいけない部分があろうかなと思います。受注や問合せの現場においては、AIやチャットを使うケースが大分増えてきております。やはり業務を合理化するためにそういう部分もありますけれども、例えばAI・チャット向きのものもありますし、AI・チャットに向いていないものもあるところでございます。

例えば、AI・チャット向きの内容としては、消費者が人に聞きにくいとか、そういうことについては機械的にチャットとかAIで聞くということはあるかなと。パスワードを忘れてしまったとか、そういうものもあるかもしれませんし、送料無料のことであるとか、その辺は消費者がなかなか聞きにくい部分もあるので、そういうのはAIとかチャットのほうがいいのかなということがあります。

逆に、有人で、オペレーターが対応したほうがよかろうというものもあるかと思います。お怒りになっているとか、返品・交換でも複雑な問合せであるとか、最近は高齢の方がお客さんの比率としては非常に多いものですから、デジタルに不慣れな方、私なんかもそうですけれども、どこかに苦情を言いたいとか問い合わせたいときに電話をかけると大体AIになっていて、自分が質問したい番号が出るまでずっと待っていなければいけないとか、どんどんイライラが募るとか、いろいろありますけれども、そういう場合にはオペレーターが人の声で対応するというのが重要なので、AIの使い方と人の使い方は相互にデジタル活用も含めて考えていかなければいけない部分であろうと思います。

ただ、最近は受注の場面ではAIを活用して、人的な合理化ということもありますけれども、自動対応で相談をするとか、オペレーターの負担を軽減する。通常の申込みであればAIが対応する、難しいものについては人が対応する、その使い分けが重要かなと思います。会員社によっては高齢の方が非常に多いので、最近はAIも活用するのですけれども、実はオペレーターの数を増やして人の対応を増やすというような対応をされている会員社もございます。

次をお願いします。

「消費者相談からみる苦情の現状」というところでございます。

これは、消費者相談室で受けている年間の数字でございますけれども、2024年度を見ていただきますと2,000件ぐらいでございまして、このグラフの中で言いますと2016年のピークを境に減っております。減ってはいますけれども、実は詐欺的なサイトの相談であるとか通販以外の相談はコンスタントに入っているということでございます。巷でよくSNSを使って投資詐欺であるとか、通販とは全然異なるものでありますけれども、そういう詐欺的なものの相談は一定数必ずあるという状況でございます。

事業者別の相談の内訳ですけれども、次のページを見ていただくと分かるのですが、うちは会員の会費で成り立つ団体ですので、会員の相談をしっかりと受けたいと思っているのですが、実は会員の相談よりも圧倒的に非会員の相談が多くて、7割ぐらいは非会員の相談である。詐欺的なサイトの相談であるとか、詐欺的な定期購入とか、そういう相談が非常に多くなっております。会員については3割程度でございます。むしろ会員の相談をしっかりと受け止めて分析してやっていきたいと思っていますが、主には非会員の相談が多いという現状でございます。

次に、中身です。グラフにありますように、返品・交換にまつわること、最近は定期購入の解約の問題等もございますので、解約とか契約に関する相談が増えている。次に多いのが、注文したのだけれども、結局商品が届かないとか、商品が届いたけれども偽物だったとか、いろいろな相談が入りますが、連絡がつかない、どこの誰だか分からない。通販会社で連絡がつかないというのは致命的なことですけれども、そういうのが多いという実態でございます。

次のページは、消費者の啓蒙活動用の参考資料ということで作っているものですけれども、返品特約をしっかりと見ましょうということを言っています。取引条件を明確に書かなければいけないのですが、返品特約については顧客にとって見やすいところにきちんと明瞭に書いておくことが重要なのですが、そういうことがないとか、こういうことをしっかりと見ていただくことが必要ですよということを言っているところでございます。

次のページですけれども、よくある表示例で、不良品だけは受けますよとか、セット販売の場合には一部の商品の返品・交換はできませんとか、条件付き、組立ての商品とかオーダーの商品というのは、組立て後に返品されるのも困るなとかいろいろあるのですが、そういう注意書きはきちんと書いてある、そこをしっかり消費者にも読んでいただかなければいけないというところでございます。

次のページです。

返品がオーケーでも送料・手数料を取るということもあります。これはECの事業者さんに非常に多いのですけれども、こういうところはしっかりと明確に表示をしなければいけませんが、消費者の側でもしっかりと見ていただくことが大事で、納得できない場合にはその会社を選ばない、もっと条件のいい会社を選んでいただくことが重要なのかなと思います。

次のページをお願いいたします。

苦情の背景にある「認識のずれ」というところです。対面だと割と慎重かもしれませんけれども、ネットだと、案外どうかなと思いながらも疑問のまま安いから買ってしまうことがあります。それから、デジタル対応で言いますと、自分の相談の選択肢がなくて、なかなか的確な相談ができない。広告の表示に関しては、重要事項が小さく書いてある。わざと書くというのもあるかもしれませんが、非常に見にくい。返品・解約のところも、注文は簡単だけれども、よく定期購入で問題になっていますけれども、解約しようとすると電話がつながらないとか、そういうところが非常に問題で、事業者と消費者とのずれがあるかなと思います。

少なくとも、これを例外的なクレームではなくて、事業者としては消費者により分かりやすく利用しやすいページをつくっていくことが重要なのかなと思います。

次をお願いします。

常日頃からのお客さんとのコミュニケーションということです。何か問題があったり、疑問があったりしたら、とにかくお客さんから気軽に連絡をいただくことが必要なので、日頃からのコミュニケーションが大事だということで、様々な取組をされております。

会員誌を発行するというのは先ほど申し上げました。あとは、お客様の心をくすぐるというか、誕生日には誕生日プレゼントとか、もちろんクーポンをつけるというのもありますけれども、ささやかなプレゼントをする。例えば、花の種をお送りするとか、そういうことで日頃からコミュニケーションを取っている会社もございます。あとは、高齢者向け、例えば65歳以上だけ特別ですよということで送料無料の待遇をするとか、いろいろな工夫をやっている事業者がおります。

20ページをお願いいたします。

JADMAとして会員に求めるところでございます。まずは入会の審査を非常に厳しくやっているというところを申し上げたいと思います。広告の表示とかそういうのが不適切な場合には入会を保留するとか、きちんとされないと入会させないということで、承認率は5割と資料では書いていますけれども、今は承認率が下がってきているかなと思います。3から4割程度承認をするというような状況がございます。

それから、コミュニケーションが不足したり、場合によっては行政処分を受けたりするということも会員の中にあることはあります。その場合にはきちんと処分をする。処分のレベルはありますけれども、そういうこともやっているということでございます。

広告表示については、先ほど言いましたように、セミナー等でガイドラインや法律を遵守することをお願いしているところでございます。

返品・解約につきましては、協会のメンバーは原則受けるということを掲げております。もちろん例外的に受けないものもあるのですが、それはきちんと返品特約で明示をすることをやっているところでございます。

いずれにしましても、特商法で位置づけられた自主規制の団体としてしっかりと取り組んでいきたいと思っているところでございます。

22ページをお願いいたします。

業界として取組が必要だと思っているところにつきましては、まずは消費者啓蒙でございます。とにかく選択権は消費者にありますので、きちんとした会社を選んでいただく、そのためにはどうするかというところですけれども、学校の先生とか消費生活センターの相談員の方々に向けてセミナーを開催しております。

それから、悪質業者の対策ですけれども、なるべく仲間を増やしたいということはありますが、基本的に法令を守っていないところについてはなかなか仲間になっていただけないというところがあります。悪質な事業者につきましては、媒体関連団体とも連携をしまして、こういう会社はこういう苦情・相談が多いですよということの情報共有をしております。悪質な事業者の広告が世の中に出ていかないように、少なくともお客さんとのコミュニケーションをしっかり取っていない危ない会社には広告の機会を与えないようにしていただくために、悪質な事業者の情報交換を媒体関連の団体ともやっているところでございます。

それから、悪質な広告というのか、儲かればいいという広告を指南する人たちがどうもいるようで、悪のサプライチェーンといいますか、そういうのもありますので、広告関係団体とも連携をして悪質な事業者を減らす努力を進めているということでございます。

最後ですけれども、これは消費者トラブルの情報の活用の図でございますので、後ほど御覧いただければと思います。

以上で、雑駁ではございましたけれども、私のお話とさせていただきます。ありがとうございました。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

続きまして、梅津所長から15分程度でお願いします。

○ハルメク 生きかた上手研究所 梅津所長 よろしくお願いいたします。

今日は、有識者委員の方々や、オンラインで地方の方々に集まっていただいていると思うのですけれども、ハルメクがお客さまとどのように向き合っているかといったことをお伝えできればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

ハルメクは50代以上の女性に向けて事業を展開しているのですけれども、元気な女性を対象にしているということは事前に申し上げておきたいと思います。

では、自己紹介に移りたいと思います。50代以上のシニア層をターゲットとした出版、それから、今御紹介がありました通信販売を展開するハルメクの中のシンクタンク部門の生きかた上手研究所の所長を務めております。

私はふだん年間900名ぐらいの読者の方にお会いして、インタビュー、取材、ワークショップを行って、その方々の息遣いや変化をすごく近くで洞察しているという感じです。生々しい困りごと、本音が聞ける環境なので、変化の兆しにも気づきやすい、良い環境にいるなと認識しております。

次のページ、「日本の市場環境・社会構造」ということで説明していきたいと思います。

こちらは、もう皆さん御存じのよく見る図でしょうけれども、人口動態の変化です。総人口が減少する中で65歳以上の高齢者が増える、そして、人口の3割が65歳以上というようなピラミッドでございます。

次のページです。

総人口の半数を50歳以上が占めているということで、65歳以上は3割、50代以上は今や半分といった構造でございます。

次をお願いします。

こちらも、おなじみの人口構造ピラミッドでございます。人の寿命が延びて、少子化が進んだ結果、超高齢化社会は今後も加速することが予測されています。

次をお願いします。

時代環境の歴史や変化もたどってみたいと思います。ハルメクは事業を行う上で、「コホート」というのですが、どのような時代や環境で若いときを過ごしてきたかということを意識しながら見ています。私たちは、50から70・80代ぐらいの女性を対象にしているのですけれども、これを見るだけでも、例えば70代を切り取っただけでも、かなり消費のベテランであることがお分かりいただけるかなと思います。

次に、日本の金融資産です。金融資産の8割以上が50歳以上の世代が保有しており、60歳以上でも6割以上を占めているというような結果でございます。貯蓄に関しても増加傾向にあることが明らかかなと思っております。通販はシニアが支えていると言っても過言ではないかなと思っております。

国の調査だけではなくて弊社の調査でも、60代、70代は2,000万円以上を保有していることも分かっております。2,000万円以上ということだけではなくて、4人に1人は3,000万以上という数字も分かっております。かなり金融資産を持って、すごく購買力がある人たちかなと思っております。

次に、ハルメクの会社案内をさせていただきます。魅力的なシニア市場を相手に事業を展開している会社でございます。主にはBtoCのシニア女性に向けて、ハルメクの中には出版、ウェブ事業、そして、コミュニティ事業、通販、店舗事業というものがございます。

そして、私は今、BtoCだけではなくて、BtoB、企業様を相手に支援もしております。

次をお願いします。

続いて、ハルメク・エイジマーケティングの会社の概要になります。メディア事業、ソリューション事業とありまして、インサイト・リサーチ事業というのが私の所属しているところでございます。ハルメクグループのアセットを生かして、シニアをターゲットとする企業様のマーケティングの支援をしている会社でございます。

次のページが、生きかた上手研究所の紹介です。もともとは、顧客理解というものを要として私たちの研究所があります。2014年に立ち上がりました。こちらは、日野原重明先生の著書に『生きかた上手』という本があるのですけれども、そちらからお名前を頂戴しました。

主にやっていることは、社内は編集業務とか通販業務がありますけれども、そういったもののリサーチ、社外のBtoBの企業様のコンサルティングなどを行っております。

強みとしましては、今、足元で6,200名ぐらい登録しているモニター組織の「ハルトモ(=ハルメクの友だち)」という方々がいらっしゃいます。この方たちは、すごく心強い、私たちの源となっている方たちです。こちらは、インタビュー、取材、アンケート、モニターとか、いろいろなことをやっていただいています。シニアモデルをやっている方もいらっしゃいまして、誌面やイベントで活躍している方でございます。最近は、BtoBではインフルエンサーもするといったパワーモニターで、活躍の場をどんどん広げている方たちでございます。すごく頼りになる方たちでございます。

次をお願いします。

ここからは事例をもって、私たちがどのようにシニアマーケティングを展開しているかという現場をお伝えしたいと思います。

まず社内の取組の事例です。例えば、ケース1と書いてあるものは、シンデレラモニターたちと靴事業チームが一緒にやったプロダクト開発で、シューズのフィッティングをしたり、デザインモックに駄目出しをしてもらったり、かなり厳しいお声を言っていただける方なのですけれども、そういった方の御意見を伺いながら一緒に商品を開発した事例でございます。

次をお願いします。

ケース2のところで言いますと、私たちはPB商品で1月に開運財布というのをやっております。財布を替えるタイミングが年を明けてからということが分かっておりますので、そこでお財布を展開しております。

今キャッシュレスの時代ですので年々財布が小型化していくわけですけれども、この世代の人たちはどんなに小型化になったとしても変わらないニーズがあります。それは、がばっと開くということなのです。財布をがばっと開いて取り出しやすい、そして、見渡して探しやすいということなのです。一円玉なのか、百円玉なのか、同じ色だからよく分からない、五円玉なのか、五十円玉なのか分からないといったことがないように、見渡しやすいような、がばっと開くというところは変わらぬニーズとしてございます。そんなこと一緒に考えながら作っている開運財布でございます。

それから、おせちも年々早まっているわけなのですけれども、既に試食会は終えた段階なのですが、おせちはこの世代の年末年始の行事食としてはすごく大事にしているテーマです。今や、おせちを自分で作る人は少なくなってきています。この世代も、おせち料理を作ることに追われずに、自分も家族と一緒に年末年始をゆっくり過ごすというようなパターンが増えてきておりますので、おせちに関しては通販で買うというのがこの世代にとっては年中行事の中のテーマの一つになっているかなと思います。

続いて、社外の事例も最後にお伝えしたいと思います。

こちらは、青森県庁さんと一緒に行った「あおもりPG(プロテオグリカン)」という制度です。弘前大学の先生がサメの鼻にある軟骨に美容効果もありますし、健康にも効果があることを発見しまして、それを青森発で一緒になって発信していきたいということで、「あおもりPG(プロテオグリカン)」というプロジェクトを青森県の中にある中小企業と合同で一緒に行いました。

どうしても小さな中小企業さんは、ハルメクに1つの企業だけで発注するような予算はないわけですけれども、青森県庁がまとめて、小さな美容院の方、細々と健康食品をふだんはやっているような方とか、化粧品メーカーを個人でやられているような方、そういった方がみんな集まって、青森県発の商品を一緒になって作ろうというようなプロジェクトを行いました。

まずは、簡単に、マーケティングとは何かとか、お客さんを理解するとはどういうことかということの商品開発のセミナーをさせていただいて、その後、東京にみんなお越しいただいて座談会で生声を聞くということの体験をしていただきました。

そして、テストマーケティングとして、私たちは店舗も持っておりますので、テスト販売を行ったり、あとはメディアを持っていますので、『ハルメク』本誌にあおもりPGの誌面を展開したり、「HALMEK up」というデジタルの媒体もございますので、そこであおもりPGに関することを紹介したりというようなことをワンストップで支援した事例でございます。一緒になって丸2年、ロングランでやっているようなプロジェクトでございます。

すごく面白かったのが、この世代は、私たちのもともとの予測は、「青森」に対して素朴とか自然というイメージは抱いていただけるのだけれども、なんと「青森」というだけで健康・美容によいというイメージまで想起されることが分かりましたので、「青森」という言葉を大きく打ち出すことが有効であるということで、誌面でもデジタルの媒体でもその辺を意識して展開しているという事例でございました。

以上でございます。御清聴ありがとうございました。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

これから質疑応答と意見交換を行いたいと思います。時間は約60分ということで、12時10分までとさせていただきたいと思います。いかがでしょうか。

中田委員、お願いします。

○中田委員 御説明ありがとうございました。

日本通信販売協会さんのJADMAマークは私もよく拝見していたのですが、正直勉強が足りておらず、JADMAマークの意味を理解していなかったため、本日お話を伺うことができ、大変ありがたく思いました。

JADMAさんの御説明の中で、特にデジタルと人の役割を再定義して、効率性向上と安心感の双方を担保するバランスの取れた最適なデジタルの活用方法が重要であるという論点には共感をいたしました。

その上で、2点JADMAさんに、1点ハルメクさんに御質問させていただければと思います。

1点目は、多くの企業がお客様との接点の在り方、特にデジタルやAIをどのように顧客対応に取り入れていくかを模索されていると思うのですが、資料の10ページに御提示いただいたような、デジタルやAI活用と従来からの人による対応の最適なバランスのコミュニケーションの探求と推進、あるいは高齢のお客様に対する最適な施策を会員事業者が顧客接点の現場を推進していく上で、JADMAさんが実施されている具体的な指導や施策、またその効果について伺わせていただきたいと思います。

2点目は、14ページに苦情の分析をしていただいているのですが、上位苦情にある返品・交換、契約・解約、あと連絡が取れないという苦情は消費者にとっては深刻なインシデントであると思いますが、こちらがJADMAの非会員事業者だけでなく、厳しい入会審査条件を満たされているJADMA会員事業者さんに対しても一定数の苦情が寄せられているという状況がなぜ起こり得るのか、もしよろしければ背景を御説明いただければと思います。

また、初期の苦情は、その後、会員事業者にJADMAさんより何らかのフォロー対応を促すことで解決されているのか、その辺りのモニタリングをされているのか、対応改善の傾向についても教えていただければと思います。

ハルメク様にはこの後、お願いします。

○鹿野委員長 それでは、後でまたハルメク様には御質問があるということですが、まずはJADMAさん、お願いします。

○公益社団法人日本通信販売協会万場専務理事 お答えします。ありがとうございます。

デジタルの活用、AIの活用について、まだうちも実は勉強中ですから、事業者さんにこうすべきだとか、ああすべきだと、そこまで指導するという立場にはまだなっていないというところで、お互い勉強し合っているという状況です。

例えば、顧客対応部門の方が集まっている「消費者委員会」という委員会がありまして、まさにここの委員会と同じ名前を使っていますけれども、そこで各社の事例、こういうときにはこういうのを使ったらどうだとか、そういうことの事例の意見交換や情報交換をしているというのが実態でございます。まだまだいろいろな活用方法があるでしょうし、いろいろなサービスもこれからどんどん出てきますので、あくまで勉強中という状況でございます。

2番目の御質問ですけれども、返品・交換や解約のことが多いというのは、確かに苦情として捉えているのですが、実は協会の会員社に関してはほとんど解決をしております。うちのメンバーの相談であれば、うちが間に入って事実を確認して、お客様にお伝えをして納得いただくというところで、ほとんど解決をしているところでございます。

問題とされた連絡が取れないというところにつきましても、協会の会員については全部登録されていますし、担当者の名前も全て把握していますので、連絡が取れないということはないのですけれども、非会員については私どもは権限がないので、連絡が取れない、どうしましょうというところで終わってしまうのです。

そこについては、通販の場合は特商法でもきちんと社名や住所や名前を書くとか、ネット取引に関しては代表者の氏名も書くようになっていますけれども、そこがきちんとできていないところをなぜ選ばれるのでしょうということなので、消費者の方には広告の中身をしっかりと見ていただいて、確認した上で選んでいただきたい。選択権はあくまで消費者の側にありますから、よりよい選択をしていただきたいということをお願いするというところでございます。

そんなところでよろしいでしょうか。

○中田委員 御返答ありがとうございます。

1点目に関しましては、まだ事業者を指導するお立場にはないという謙虚な御返答をいただいたのですけれども、顧客対応部門の方が集まる消費者委員会、当委員会と同じ名前の会議体のようですが、そこで勉強会や情報交換をされているということで、引き続きリードを取っていただければと思います。

2点目の会員事業者に対する苦情の解決に際しては、細やかな対応を取っていただけることを伺いましたので、ぜひ再発防止も含めて御指導を推進していただければと感じた次第であります。

では、ハルメクさんにも1つ御質問させていただいてよろしいでしょうか。御説明ありがとうございます。

50代以上の元気な女性をターゲットにされた事業を展開されているハルメク・エイジマーケティングさんからの御説明から改めて感じたのは、50歳以上が全体の8割以上の金融資産を所有していて消費のリードを担っているという状況を伺いまして、やはり高齢の消費者が不安なく安心して消費活動を行える環境を整えていくことが日本経済の活性化にもつながっていくのではないかということです。

その上で、今回、ハルメクさんには、高齢のお客様との対話やマーケティング施策の成功事例を御紹介いただいたのですが、事業者と高齢の消費者のコミュニケーションを構築していく上で、あえて難しい点や課題、あるいはほかの事業者にとってヒントになるような気づきがあれば、その点も御紹介いただければと思います。

○ハルメク 生きかた上手研究所 梅津所長 あえて失敗事例をお伝えしますと、私たちはたくさん品数がありますよという言い方ではなくて、1つの商品を丁寧に説明して、これはハルメクがお勧めする一品だからぜひ使ってみてはいかがですかというような提案が多いのです。その中で、炊飯器を扱ったことがあるのです。そのときに、キーワードとして「ほったらかし炊飯器」というふうに表現したのですが、その月は売れなかったのです。ほかの月はそこそこ出たのに、その月だけは、「ほったらかし炊飯器」というのは社内では結構盛り上がったワードで、「ほったらかし」みたいなのは結構響くのではないかと言っていたのですけれども、そこは失敗でした。私たちは失敗したことは必ず反省したいので、その後、座談会をやって、お客さまにどう思うかを聞いてみました。

そうしたら、「そもそも炊飯器ってほったらかすものでしょう」と。そりゃそうだなと。作り手としてはその言葉に酔いしれてしまって、その言葉がよかれと思って独り歩きしてしまったのだけれども、ほったらかしの家事だったらいいのだけれども、炊飯器に「ほったらかし」という言葉を使っても、そもそもそれは当然のことで。「ほったらかさない炊飯器は今あるのですか」と言われて、本当にそのとおりだなと反省した事例がございます。

作り手側の思い込みだけで展開することは、商品もそうですし、コンテンツもそうなのですけれども、本当に危険なことで、日々反省しながら、成功だけではなくて失敗も多くあるのですけれども、失敗したら、なぜ失敗したのかという振り返りをするためにお客さんに直接聞くという仕組みがハルメクにはあり、顧客理解がものすごく浸透していますので、そういったことを日々やっているという感じです。

○中田委員 具体的に炊飯器の事例をありがとうございました。

私たちは、高齢者はこうであろうという前提、仮説を持ってコミュニケーションを構築しがちなところを、実際に座談会で一緒に課題の掘り下げ、高齢者の方に話を聞いて仮説を検証していくということをされていると。その重要性について改めて学ぶところがありました。ありがとうございます。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

今村委員がオンラインでお手を挙げていらっしゃるようですので、お願いします。

○今村委員 今村です。御説明ありがとうございました。それぞれどのような取組をされているかがよく分かりました。

質問はJADMAのほうにさせてもらいたいと思います。JADMAの活動を今回詳しく聞かせてもらって、今まで知らないことがあったので大変助かりました。

私は食品の表示やサプリメント食品、機能性食品に深く携わっておりまして、5ページ目に代表されますガイドラインの一覧を見ても、全体の4分の1から3分の1ぐらいはサプリメントと機能性食品表示関係ということもあって、その後に出てくる相談とか苦情の内容との関連でお聞きしたいのです。

実際のところ、機能性表示食品やサプリメントのことについての相談の率はどれぐらいを占めるものなのか、多くを占める、半分以上を占める、そういった温度感を教えてもらえればと思います。その中でも特に、最後に「悪のサプライチェーン」という言葉もありましたけれども、そういったところに関与するサプリメントや機能性食品の通販に関係するような事件はどういったものがあるかということも教えてもらえればと思います。

もう一つ、ここにある14番、「通信販売広告における食品の表示に関する指針」ということで出していただいているのですけれども、通信販売で食品の内容を知るというのはなかなか難しくて、御案内のとおり、本来食品は販売の際にJAS法と食品衛生法で表示が義務づけられているわけですけれども、通信販売の際にそれを見られる、見られないという問題があります。

今回、広告の指針をJADMAでも出していただいているのですけれども、広告内容と実際に買うときの情報提供との間にはギャップがあって、買う時点で食品表示に義務づけられているようなものを必ず示してくださいという指針を出しておられるのかどうかということをぜひ教えてほしいと思います。

以上2点、分かる範囲で教えていただければと考えています。

○鹿野委員長 それでは、お願いします。

○公益社団法人日本通信販売協会万場専務理事 ありがとうございます。

健康食品に関する商品そのものの相談は非常に少ないです。例えば、おなかを壊したとか、そういうのは各社にそれぞれ行っているかもしれませんけれども、基本的には協会に入ってくる相談の中では商品そのものの相談はほとんど入ってきません。例えば、ダイエット食品を食べたけれども痩せないとか、そういう相談は不思議と入ってこないのです。14ページに挙げている苦情の中身は、どちらかというと契約関係です。取引条件とかそういうところに関しての相談、健康食品を買われて返品・交換という相談は入ってきますけれども、商品の品質とか中身についての相談はほとんど入ってきません。それが1点でございます。

○今村委員 この中に占める割合が分かるものなのかなと思って聞いたのですけれども、今のは契約関係の中で。

○公益社団法人日本通信販売協会万場専務理事 商品別の苦情割合は取っていないのです。商品そのものの相談というのは意外と入ってこないのです。

○今村委員 分野として契約トラブルは食品が多いかどうかというのが分かればと思ったのです。

○公益社団法人日本通信販売協会万場専務理事 食品が多いということではないと思います。

○今村委員 分かりました。

○公益社団法人日本通信販売協会万場専務理事 それから、2番目の御質問ですけれども、食品の表示に関する方針のところは、もちろん通販に関しては食品表示法とかそういうのは容器包装への表示が義務づけられていて、広告への義務づけではないのですけれども、商品を選択していただく上では必要な情報は多分あると思います。内容量、原材料、原産地、あるいは賞味期限、消費期限、この辺は消費者の選択に資する内容であればできるだけ表示をしましょうということにしております。強制的にということではないのですけれども、法律上求められているところプラス、いわゆる親切表示という意味で、商品選択に資する内容であれば必ず表示をしましょうというふうなガイドラインの内容になっていたかと思っております。

よろしいでしょうか。

○今村委員 ありがとうございます。

2点目についてなのですけれども、本来、食品表示というのは手に取って確認するときに必要なものが法律で義務づけられていると理解しています。それに対して、通販の場合は実際に手元に届かないと食品表示が見られないということが結構ありまして、その中でウェブの情報として、例えば食品の表示部分を写真を撮って載せてくれているような商品もありますけれども、全部が全部そういうことをしているわけではない。また、賞味期限とかも当然商品単位で違ってくるという状況の中で、ウェブで買うときにどこまで食品表示の内容を提示するかというのは非常に難しい問題があって、そういうものをできる限り出してもらうことが必要だと思うのです。

賞味期限の長いものであれば写真を出してもらうということがあると思いますけれども、そういったところに踏み込んでJADMAさんとして今後対策を考えていくことはあり得るのでしょうか。その辺のところの感触を教えていただければと思います。

○公益社団法人日本通信販売協会万場専務理事 基本的には、先ほど言いましたように、お客さんはカタログとかネット上の表示だけで商品を選択していただくので、選択に必要な要素は必ず載せなければいけないと思っています。

あとは、原産地なんかにしてもそうですけれども、実際の容器包装に書いてある表示と広告の表示に齟齬があってはいけませんので、そこは製造メーカーともコミュニケーションを取って、しっかりと表示をしていくことが重要だと思います。

賞味期限、消費期限については、消費期限があるものは通販では扱いにくいところで、冷凍食品とかそういう例外はありますけれども、基本的にはあまり生ものは取り扱わない、レトルトとか真空パックのものの取扱いのほうが多いと思いますけれども、賞味期限、消費期限についても、できるだけ手元に届いた時点からどのくらいもつのかということを計算した上で発送の手配をするというような形を取っていると思います。そこは現場でのいろいろな要素がありますので、具体的に事例を集めながら今後も我々は検討していきたいと思っております。

以上です。

○今村委員 ありがとうございます。ちょっと難しい問題なのですけれども、ぜひ取り組んでいただきたいと思っています。

今村からは以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

それでは、善如委員、お願いします。

○善如委員 善如です。よろしくお願いいたします。

まず、お二人におかれましては分かりやすく説明していただき、どうもありがとうございました。

私から、万場専務理事と梅津所長の両方にお聞きしたいことが1点あります。

まず、お聞きしたいことの内容を簡単に申しますと、消費者との望ましいコミュニケーションに対する投資とか積極的な取組というのは、もちろん様々な企業にもっと導入していただきたいというものがあると思うのですが、そういった普及活動を促進するに当たって、お二人から何か知恵をお借りしたいというのが質問の趣旨でございます。

もう少し質問の詳細を補足させていただきますと、様々な企業が存在しておりまして、既にJADMAさんに参加されている企業などは、消費者と望ましいコミュニケーションの体制を形成することの価値に気づいておられる企業だと思います。しかし、そうではない企業も実在しているのだろうなというのは推察するところです。中には、いやいやそんなのはうちは絶対にしないですよというところもあれば、ちょっとよく分からないのですけれどもやっていないのですよねというようなボーダーラインといいますか、背中を押せばやってくれそうなところもあるのかなと推察します。そういったボーダーラインの企業により情報を提供することによって、背中を後押ししていくような取組ができれば、消費者保護の観点から望ましいものと考えております。

例えば、お二人のこれまでの経験、取組の中で、企業の方はこういう真の価値に気づいていないところがあったなとか、費用をやみくもに高く見積もっていて導入してなかった企業もあったなとか、どんなことでもいいのですが、追加の情報を与えることによって企業の姿勢を変えることができたみたいな知恵があれば共有していただきたいと思います。

もちろん欲を言えば客観的なエビデンスといいますか、データに基づいたものがあったほうがいいと思うのですが、さすがにそこまでは難しいと思いますので、個別の事例でも構いませんので、これまでの経験から裏づけされる知恵があれば教えていただきたいというのが私からの質問です。お二人のどちらからでも構いませんが、もし教えていただけそうな事例があれば教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○公益社団法人日本通信販売協会万場専務理事 まず私から。

なかなか難しい御質問かなと思うのですけれども、通販は割と簡単に、昔ふうに言えば机と電話が1本あればもうかるみたいなイメージがあったのですけれども、今もひょっとしたらあるかもしれませんが、実は一回こっきりのお客さんでは全くもうけは出てこないのです。利益が生まれていないのです。お客さんを獲得するためのコストはかなりかかるのです。かつては、1人、2人のお客さんを獲得するのも、広告を出したり、いろいろかかっていたのです。例えば、新聞や雑誌あるいはテレビに広告を出す。新聞の折り込みチラシをまく。これは印刷費もかかりますし、広告費もかかります。それを回収しなければいけないので、一回こっきりで例えば3,000円の商品を買われたぐらいでは全然利益が出てこないのですよ。繰り返し買っていただく、要は顧客になっていただいて、何回もリピートしていただかないと、なかなかコストが回収できない。ましてや利益は上がらないという構造があるのです。100人、200人のお客さんであれば、手仕事で配送伝票を書いて送るとか、社長自らが包んで送ることもできるのですけれども、それでは全然利益が上がらない。どんどん拡大して、1,000人、1万人、10万人、100万人となると、設備投資がすごくかかるわけですよね。コールセンターをつくるとか、今はさすがにオフコンを使うことはなくて、パソコンレベルでも顧客管理はできますけれども、そういう先行投資がかなりかかるのです。ということは、ファンになっていただいて繰り返し買っていただかなければ全然利益が上がらない商売なのです。

ところが、最近ネットが普及してきて、商品さえあれば、例えば、いろいろなデジタルプラットフォームがありますので、プラットフォームにちょいと商品を上げれば、すぐ物が売れてもうかるみたいなイメージができているのですが、そういうところは一部のEC事業者に関して言うと、全然顧客とのコミュニケーションとかそういうのはどうということはなくて、一時的にもうかればいいみたいな事業者が多いので、そういう事業者は二次的な顧客とのコミュニケーションなんて何も考えていないというところがあるのかなと思っております。

だから、本当に通販という事業でずっと商売をやっていくということであれば、顧客とのコミュニケーションをしっかり取って、ファンになっていただいて繰り返し買っていただくことが重要なので、そこを強調していきたいと思っています。

そのために、例えば当協会には消費者委員会とか、いろいろな部会とか委員会があるのですけれども、そういうところで集まったときにいろいろと情報交換をして、どうしたら顧客を食い止められるかというか、とどまっていただいてずっとファンになっていただくかみたいなことは常日頃から切磋琢磨している、情報交換しているというのが実態でございます。答えにはなっていないかもしれませんけれども、そのような印象を持ちました。

以上でございます。具体的にはハルメクさんのほうがノウハウをお持ちかもしれません。

○鹿野委員長 それでは、梅津様からお願いします。

○ハルメク 生きかた上手研究所 梅津所長 JADMAさんの9ページのコミュニケーションの全体像というのが、自分としてもすごく納得感がありました。まさに、継続関係を築くには会報誌やコミュニティ、リアルイベントをやるというのが通販の強みでもあるかなと思って、ファンマーケティングの一つでもあるかなとすごく思います。

それは、直接お客さまとダイレクトに接することができるからなのですよね。問屋さんを通しているとお客さまの顔が見えないですけれども、直接お客さまとやり取りができるので、継続的な関係が築きやすい環境にある。

それをどういう形でやるのかというと、まさにここに書いてある会報誌、イベントを私たちはすごくやっています。特にイベントはすごく大事にしておりまして、お客さまが熱狂するようなイベントを常にやっているわけです。

特にシニアは元気なうちにお金を使いたいというニーズが強まっていることも分かっています。60歳ぐらいになってくると、健康寿命を考えたときにあと15年ぐらい自分は動ける、その間に何をしようかなと。そのときに、新しいイベントを始めてみたいと思うのです。ハルメクでは、最近、「初めての競馬」、「初めての大相撲観戦」といったイベントが大人気で、そのイベントが出たらすぐ席が完売してしまうような状況が続いているのです。そういったニーズを汲み取りながら、しかもエンゲージメントも関係性も保てるようなイベントはすごく大事にやっていることの一つです。

○鹿野委員長 善如委員、よろしいですか。

○善如委員 御回答いただきありがとうございます。

やはり重要な問題であると同時に難しい問題でもあるということを認識させられたところでございます。特に、万場専務理事の回答の中にありました、JADMAさんの中でもいろいろな対策を相談し合ったり、様々な試みをされたりしているというような回答がありまして、そういったものはもちろんJADMAの会員企業の中での情報共有として大変有益だというのは間違いないと思うのですが、そういった議論はまだ積極的に消費者とのコミュニケーションを取れていない企業、潜在的に背中を押せばよい企業になってくれる企業にとっても重要な情報源になり得る可能性は非常に高いと個人的には思っておりますので、そういった議論の成果といいますか、分かったことなどを広くオープンにしていただけると、よく分からないからどうしたらいいか分からないのですとまごついているようなぎりぎりのボーダーラインにいる企業たちも、なるほどそういう効果があるのかというのがはっきりと分かって、今後、消費者との望ましいコミュニケーションをうちも頑張ってみようというふうに、よい姿勢になってくれる可能性もあると思いますので、そういった議論の成果なども共有していただけると大変ありがたく思いました。

これは私のただの感想でして、質問ではございません。本日は様々な御知見を共有いただき、どうもありがとうございました。

○鹿野委員長 万場専務理事。

○公益社団法人日本通信販売協会万場専務理事 大変ありがたい御指摘をありがとうございます。

セミナーでそういう場を設けるというのは一つかなと思いますけれども、できれば協会のメンバーになっていただいたらなおいいかなと思いますので、ぜひ先生のほうからも、JADMAの会員になってくださいということで御推奨していただければありがたいなと思います。ありがとうございました。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

ほかはいかがでしょうか。

黒木委員長代理、お願いします。

○黒木委員長代理 ありがとうございます。

本日は、とても勉強になりました。ありがとうございます。

私は、消費者委員会の委員になってからずっと、「悪貨が良貨を駆逐しない」ということを大切に考えております。つまり、悪徳事業者がはびこることで、真面目に社会に便益を提供しようとしている事業者の方々が不利益を被らないようにする、これが消費者保護や消費者政策の肝心な部分ではないか、と思っております。その観点から、本日の御報告は大変示唆に富むものとして拝聴しておりました。

そこで、その観点から御質問させていただきます。まずJADMA様への質問です。資料の13ページを拝見しますと、非会員に関する苦情・相談が55.8パーセントを占めるとのことでした。私どもは事業者を「善良層」「中間層」「極悪層」と呼んでおりますが、この数字は、中間層・極悪層に起因する苦情がそれだけ多いということを示しているのだと理解しております。

関連して、5月18日の前回の委員会で、総務省から、情プラ法の関係で各種の広告に「デジタルポジティブアクション」という形で対応していくという動きを御報告いただきました。JADMA様の資料23ページは、これに関連するポンチ絵ではないかと思っております。JADMA様は、インターネット広告に関わる媒体者等とも2021年3月から連携を開始されているとのことですが、総務省が広告事業者に対して進めようとしているデジタルポジティブアクションについて、JADMA様としてもこれと連携していきたいというお考えはおありでしょうか。これが1点目です。

次に、20ページに今後の取組として、「ダークパターンに関するガイドラインも作成予定である」とございます。ダークパターンについては、一般社団法人ダークパターン対策協議会が既にNon-Deceptive Design認定(NDD認定)を始めております。

通販、特にECサイトの比重が大きいなかで、JADMA様のロゴは消費者に対する強い訴求力をお持ちですが、JADMA様の会員企業に対して、「NDD認定も受けているので、このサイトは二重・三重の意味で安心です」という形で訴求していくお考えはおありでしょうか。これが2点目です。

最後に、ハルメク様への御質問です。御社は高齢者向けに様々な訴求をされていて、先ほど、施設に入っているような方は対象外との御説明がありました。ただ、人は突然施設に入るわけではなく、意思能力や行動能力が徐々に衰えていく過程を経るのだと思います。読者層の方がその過程で弱ってきている兆候が見られたときに、ハルメク様ではそうした情報を収集しておられるのでしょうか。また、「この方はもしかすると」と思われる読者に対して、通販等を通じて何らかのケアをなさっているのでしょうか。この点について御知見があれば、お教えいただければと思います。

以上、3点です。

○鹿野委員長 それでは、お願いします。

○公益社団法人日本通信販売協会万場専務理事 情プラ法関係は私も非常に関心を持ってお聞きしておりまして、詳しくはまだ見ておりませんけれども、共有できることは共有して、とにかく世の中から悪質な広告をなくすのにどうしたらいいのか、要はチャンスを与えなければいいので、そこは媒体関係者とも連携をしておりますので、総務省さんともそういうお話があるのであれば、ぜひともお願いしたいと思っております。それが1つ。

あと、ダークパターンのほうですけれども、我々も何をもってダークパターンとするのかなかなか難しくて、今、特商法の検討会でもダークパターンの議論が出ておりますけれども、執拗な繰り返しもダークパターンだということもあるのですが、「執拗」の「し」ではなくて、「必要」の「ひ」の繰り返しもあるので、その辺をどういうふうに考えるかとか、いろいろ細かいところがあるので、そこを整理した上で協議会さんともお話ができればと思います。一応視野には入っております。

○黒木委員長代理 ありがとうございます。

私としては、総務省から声をかけるというのではなくて、総務省のほうにノックをしていただければありがたいと思っています。

それから、NDD認定のほうも一定の基準がもうできていますので、それに基づいてNDD認定の申請をされると、適格消費者団体で審査をした上でNDD認定を出すという仕組みまで社会実装されていますので、二重、三重にリソースをかけるのは本当にもったいないと思うので、今そういうことやっているところと、JADMAさんのようなある意味では善良層が集まっている団体が積極的にそういうことをしていただけるとありがたいなと思っています。

以上です。

○公益社団法人日本通信販売協会万場専務理事 ありがとうございます。

○ハルメク 生きかた上手研究所 梅津所長 御質問ありがとうございます。

「徐々にたそがれていく人たちに対してのケア」という質問ですけれども、答えから言うと、気持ちはたそがれません。でも、体には変化が現れ、たそがれます。体に関しては、徐々に膝が痛くなる、年を重ねれば脊柱管狭窄症、ヘバーデン結節、若い人にはないような新しい症状が出てきたりするのです。でも、気持ちは若いままなのです。絶対にたそがれないのです。そこのギャップをどう埋めるかというのを私たちは日々考えています。

例えば、過去に70代向け「高齢者向け」のカタログを検討したことがありますけれども、失敗しました。70代の人も、自分たちをおばあちゃん扱いされることに対して強い嫌悪感があったのです。むしろ、「ハルメク世代」といって50代から70代も買うような雑誌の中に、「これからの毎日をもっと快適に、自分らしく楽しむためのもの」という視点を大切にしています。例えば、集音器は音を集めて聞くといったものですけれども、「私の耳が衰えたから使う」ものではなくて、「世の中の音が小さくなっている」という勢いで、音を集めてそれを自分の身につけるという視点で考えないと、この世代は気持ちは若いままなので、そのような工夫は常にやっているという感じです。

○黒木委員長代理 ありがとうございました。

ただ、身体的な能力が下がるというだけではなくて、MCIと言われる認知能力が下がっている人たちも一定程度どうしても出てくると思うのです。体は元気だけれども、99から7を引いてごらんというのをずっとやっていくと訳が分からなくなる人たちがいっぱいいると思うのですけれども、その辺りはどうなのでしょうか。

○ハルメク 生きかた上手研究所 梅津所長 雑誌で取り上げるのは、「認知症対策」ではなくて「認知症予防」です。「ぼけたくない」という意識が強いので、ぼけないためにどうするかというような毎号連載でやっている脳トレパズルゲームはすごく人気です。あと、ハルメクではアプリで脳トレゲームを始めました。そういった予防意識、今のうちに備えておこうというようなことを一生懸命やっているというような感じです。

○黒木委員長代理 ありがとうございました。

○鹿野委員長 それでは、大澤委員、お願いします。

○大澤委員 お二人とも御報告をいただきましてありがとうございました。

JADMAさんにお伺いします。

スライドの先ほど黒木委員長代理がおっしゃっていたところの次辺り、14ページですか、苦情の内訳ですが、返品・交換と契約・解約を合わせると3分の1ぐらいを占めているという認識を持っています。かつ、JADMAさんということですので通信販売ですから、今だとオンラインが多いのかな、あとはテレビ、電話かなと思うのですけれども、要は対面で事業者に直接接して何か聞いたりというのは基本ない業種だと思っています。あるとすれば、例えば解約は電話だけに限定されている場合もあるようですし、もちろん会員事業者の中にはそういう窓口はあるでしょうから電話の対応はあり得るのかなと。しかし、面と向かってというのは基本ないのだろうなという認識を持っているのですが、次のページの「返品特約について」というところで、返品特約はまずお客さんにとって見やすい場所にというのは特商法を踏まえた対応だと思っているのですが、伺いたいのは、返品特約についての消費者からの苦情の中にはいろいろなものがあるのではないかと推測しているのです。あるいは、例えば、返品不可だということに気づいていませんでしたというのもあるのかもしれません。

返品特約というのは特商法では確かにこう書いているのですが、実際に見てみると、返品を受け付ける場合とそうでない場合がある。場合によっては返品は一切不可となっていると、御案内のとおり消費者契約法の不当条項規制に違反するといった問題があるものですから、確かに特商法だとこういうふうに表示していればということで、それはそのとおりなのですけれども、消費者がそこまで理解しているかどうかはともかく、そもそもなぜ返品できないのかとか、これについては返品が限られているとか、送料についても、たしかこの次のスライドに返品に関する送料はかかることがあるというところで、なぜこの場合に返品が駄目なのかとか、なぜ送料をこちらが払わなければいけないのかとか、どういう苦情があるのかなと。私の聞き漏らしである可能性が高いのですが、どういうものがあるのかなと。単に特約があるのが分かりませんでしたというだけではなくて、恐らく内容にも不満があるのではないかなと思っていますので、伺う次第でございます。

場合によっては、返品特約は本当にそれで正当かどうかというのは精査する必要があると、私は契約条項とかが専門ですので思っています。内容に不満があるということもあり得るだろうと思いますので、そこを確認させていただきたいということになります。

あとは、これにも関することなのですが、解約に関しての苦情も多いというのも非常に気になっています。これもいろいろなタイプのものがあるのだろうと思うのですが、例えば電話でしか解約はできませんとか、解約しようとしたらその仕組みが分かりづらいとかがあると思うのですけれども、消費者契約法で御案内のとおり解約、解除の方法についての情報提供の努力義務という規定ができましたので、あれでどれぐらい解決しているのか分からないのですが、会員事業者の取組について、例えば解約に関しては電話だけだったのを改めたとか、フォームによるものを受け付けたとか、何か御存じでしたら伺いたいというのが2点目になります。

以上です。的外れかもしれませんが、よろしくお願いします。

○鹿野委員長 それでは、万場様、お願いします。

○公益社団法人日本通信販売協会万場専務理事 御質問ありがとうございます。

返品・交換については、JADMAのメンバーに関しては原則返品を受けましょうということをやっております。もちろん例外はあります。例えば、オーダー商品とか、開封してしまって商品価値が下がるものとか、名入れをした特別オーダー商品とか、そういうものは基本的に受けられません。ほかのお客さんに売ることが不可能ですから、そういうものは遠慮していただく。だから、返品特約でそこは明記しましょうということを原則としています。

相談に入ってくる返品・交換というのは、いろいろな事業者が交ざっております。うちの会員だけではなくて、むしろ非会員のほうが圧倒的に多いのですけれども、返品・交換について表示が曖昧で、返品しようと思ったら返品を断られたとか、そういうことです。それから、先ほどの解約のところもそうですけれども、解約しようと思って連絡したけれども、連絡がつかない。注文はインターネットでできたけれども、解約はインターネットでできなくて、この電話を使えと。電話をしたら話し中で全然つながらない、あるいはそもそも全然違う会社の電話だったとか、そういう苦情が非常に多いというところでございます。

内容については細かく分析しておりませんので、この場で細かいことはお話しできませんけれども、そういう状況でございます。

以上でよろしいでしょうか。

○大澤委員 大丈夫です。ありがとうございました。

実は会員企業については基本返品を受け付けるようにというのは、別のスライドでも書いてあって、私も先ほど伺っていて、そこまで取組をされているのだなというので驚いた次第です。もちろん今おっしゃったように例外はあるのでしょうけれども、基本は返品を受け付けましょうという対応をされているということに若干驚いておりました。

トラブル自体は確かに減るのかなという気もしつつ、そこは正直に言うと個人的には物すごくよく対応しているのだなと思った次第です。

以上です。

○公益社団法人日本通信販売協会万場専務理事 ありがとうございます。

○鹿野委員長 ほかはよろしいでしょうか。

それでは、予定より時間が少し早いですけれども、質疑応答、意見交換は以上とさせていただきたいと思います。

本日は、公益社団法人日本通信販売協会の万場専務理事、そして、ハルメク生きかた上手研究所の梅津所長に御出席いただき、貴重な御発表をいただきまして、誠にありがとうございます。

JADMA様には、消費者向けに苦情相談対応などもなされ、また、消費者及び学校教員向けにも消費者教育を行うほか、事業者向けに法令遵守のためにセミナーその他様々な活動を行っておられるということを改めて確認させていただきました。

また、直近の大澤委員からの確認的な質問にもありましたように、必ずしも法令で決まっていることだけではなくて、その一つ上を目指すような対応を会員向けに勧めていらっしゃるということも非常にすばらしい活動であろうと思います。

その上で、本日は、通販におけるコミュニケーションについて各段階に応じた対応や、デジタル化の進展の中での人とデジタルの役割分担・バランスを図って、効率化と消費者の安心感の両立を図ることが重要であるというようなお考えも伺ったところであります。

特に、デジタル関連では適切なバランスをどのように図るのかということは難しい問題ではありますが、それを見極めるためにも消費者とのコミュニケーションが重要であると、お話を伺っていて思いました。

JADMAさんの中では、顧客対応をしていらっしゃる方々で消費者委員会をつくって、そこで主に検討していらっしゃるということでしたが、ぜひそこに消費者の声をできるだけ受け止めるようなルートを設けて御検討いただければと思いました。

ハルメク様からは、ミドル・シニアマーケティングに特化した上で、顧客理解ということを中心に据えて、消費者、事業者と連携して様々な取組を行ってこられたということを確認させていただきました。

特に、コミュニケーションという観点から言うと、アンケートやインタビューのほか、ハルトモと呼ばれるモニター組織とのいろいろな対話を通して消費者の声を収集し、それを活動に生かしていらっしゃることを伺ったところでございます。それを通して、顧客理解が事業展開にもつながっていくのだということの好事例を明らかにしていただいたと思います。

JADMA様からも、善如委員からの御質問に対するお答えの中で、1回の販売ということでは採算が合わないということで、むしろ継続的に購入してくれる顧客を獲得することが事業という観点からも重要であって、そのために顧客理解を深めることが事業展開の上でもプラスになるというような御指摘をいただいたところでございます。

そのような意識をできるだけ事業者の間で浸透させることが当委員会としてもとても大切だと思っておりますし、そういう意識を既に持たれている本日の2つの組織におかれましても、さらにそれに御協力いただければと思った次第でございます。

ついでに申しますと、今日、ダークパターンについてガイドラインの策定を予定しているというお話も伺いましたし、議論の中でもダークパターンに触れる部分がありました。これについては、何を基準としてどのようなルールを設けるかということにつき、現在消費者庁でも検討中という状況で、難しい面もあると思いますけれども、コミュニケーションという意味では、法的な最低限のルールだけではありません。ダークパターンというのはもともと消費者がこれが出てきたために意思決定がゆがめられたと感じるような問題でございますので、そういう点について顧客満足と顧客の信頼を得るための表示の在り方、それから、消費者が不満を感じるポイント等に照らして事業者のあるべき対応を、消費者の声を聞きながらガイドライン等に反映して普及していただきたいと思います。そういう取組をしていただければ、もちろんJADMA様の会員を中心にということにまずはなるかもしれませんけれども、大分事態がよくなっていくのではないかというような期待を抱いた次第でございます。

今の点も含めて、今後コミュニケーション活動の普及のために当委員会としても発信をしていきたいと思いますけれども、JADMA様、ハルメク様にもさらに今後も御協力をいただければと思っております。

本日の議論を踏まえて、当委員会としては引き続きコミュニケーションの課題について調査審議を行っていきたいと思います。

本日は、皆様におかれましてはお忙しいところ御対応いただき、ありがとうございました。どうぞ御退席ください。

(万場専務理事、梅津所長退室)


《3. その他》

○鹿野委員長 続きまして、消費者委員会に寄せられた意見書等の概要につきまして、事務局から御説明をお願いします。

○友行参事官 それでは、参考資料1を御覧いただけますでしょうか。消費者委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文等の4月分でございます。

まず1つ目は、個人情報保護制度に関するものとなっております。個人情報保護法改正案への意見ということで、一般社団法人全国消費者団体連絡会などからいただいております。

右側のポイントのところでございます。令和8年1月9日に「個人情報保護法制度改正方針」というものが公表されております。この方針と、今、法改正の審議がされておりますが、それの実効性についての御意見でございます。

ポイントのところに1から9まで挙げられております。1つ目が課徴金制度に関すること、2つ目が差止請求制度の削除といった内容、3つ目が被害回復制度、4つ目がデータの利活用に関する本人同意の原則について、5つ目が漏えい通知義務の緩和、6つ目がAI・プロファイリング・アルゴリズムによる差別的取扱いや不利益誘導等に関するもの、7つ目が子供の個人情報保護の扱い、8つ目が要配慮個人情報の取扱い、最後は「顔特徴データ等」の取扱いについてということで、これらの御意見をいただいているところとなっております。

次が、頼れる身寄りがない高齢者等の問題に関する提言となっております。右側のポイントのところでございます。この提言の中で課題として5つ挙げていただいております。

頼れる身寄りがいることを前提とした社会システムになっていることが課題なのだと。それから、頼れる身寄りがいない人の対応は地域課題となっているが、そこでのコンセンサスが形成されていないことが課題だと。また、資力の有無にかかわりなく誰もが安心して支援を受けられる仕組み等が必要だということ。そして、市民が消費者として安心して事業者を選択できるような法整備。最後が、一人一人の意識改革が必要であるというようなことが課題として示されているところでございます。

国に対して、それから自治体、医療機関など、対応者別に記載した提言書をいただいているところでございます。

次の御意見でございますが、参考送付としていただいております。iPS細胞製品に関することについての意見書となっております。

その次が、石油価格の急騰及び国際情勢緊迫化に伴う消費生活への影響に関する緊急要請となっております。こちらにつきましても、一般社団法人全国消費者団体連絡会をはじめとして複数の団体から連名でいただいております。

右側のポイントのところでございます。要請事項といたしまして、外交的手段による情勢沈静化に向けた働きかけをお願いしたいということ、政府は正確で迅速な情報公開を行うこと、冷静な購買行動を呼びかけること、そして、価格監視と便乗値上げの抑止を強化すること、最後がエネルギー自給率向上のための再生可能エネルギーへの転換を加速することというような内容となっております。

次が要望書ということでございます。エレベーター事故被害者遺族の会からいただいているところでございます。

こうした団体から寄せられた意見等のほかに、個人の方から17件の意見書が寄せられております。内訳としては、取引・契約関係1件、地方消費者行政関係1件、公益通報1件、表示関係1件、デジタル・AI関係4件、料金・物価関係1件、その他8件となっております。

以上です。

○鹿野委員長 御説明ありがとうございました。

委員からこの点について何か御意見、御質問等があればよろしくお願いします。ございませんか。

それでは、御意見等ありがとうございます。これらの意見書等については、必要に応じて消費者委員会の調査審議において改めて取り上げることとしたいと思います。


《4. 閉会》

○鹿野委員長 本日の本会議の議題は以上になります。

最後に、事務局より今後の予定について御説明をお願いします。

○友行参事官 次回の本会議の日程、議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。

(以上)