第489回 消費者委員会本会議 議事録
日時
2026年5月18日(月)10:30~12:37
場所
消費者委員会会議室及びテレビ会議
出席者
-
- 【委員】
- (会議室)鹿野委員長、黒木委員長代理、小野委員、中田委員、山本委員
- (テレビ会議)大澤委員、柿沼委員、善如委員、原田委員
-
- 【説明者】
- 総務省情報流通行政局情報流通振興課 大澤課長
- 東京大学大学院法学政治学研究科 宍戸教授
-
- 【事務局】
- 小林事務局長、吉田審議官、友行参事官
議事次第
- 消費者基本計画の施策の取組状況等に関する調査審議(情報流通プラットフォーム対処法関連施策)
- その他
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- 議事次第(PDF形式:91KB)
- 【資料1-1】 インターネット上の違法・有害情報への対応について(総務省資料)(PDF形式:3154KB)
- 【資料1-2】 情報流通プラットフォーム対処法関連施策に関する意見(宍戸教授資料)(PDF形式:817KB)
- 【参考資料1-1】 消費者委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文等一覧(令和8年3月分)(PDF形式:110KB)
- 【参考資料1-2】 国民生活センター記者公表案件一覧(令和8年1月分~3月分)(PDF形式:159KB)
- 【参考資料2】 委員間打合せ概要メモ(PDF形式:133KB)
《1. 開会》
○鹿野委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。
ただいまから、第489回「消費者委員会本会議」を開催いたします。
本日は、黒木委員長代理、小野委員、中田委員、山本委員、そして、私、鹿野が会議室にて出席しており、大澤委員、柿沼委員、善如委員、原田委員がテレビ会議システムにて御出席です。
なお、今村委員は、本日、所用のため、御欠席と伺っております。
それでは、本日の会議の進め方等について事務局より御説明をお願いします。
○友行参事官 本日もテレビ会議システムを活用して進行いたします。
配付資料は議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
《2. 消費者基本計画の施策の取組状況等に関する調査審議(情報流通プラットフォーム対処法関連施策)》
○鹿野委員長 本日は、消費者基本計画の施策の取組状況等に関する調査審議の一環として、情報流通プラットフォーム対処法関連施策について御議論をいただきます。
インターネット上の権利侵害情報や違法・有害情報の流通が社会問題となっておりますが、このような状況を踏まえ、プラットフォーム事業者等がインターネット上の権利侵害情報等への対処を適切に行うことができるようにするため、令和6年に情報流通プラットフォーム対処法が成立し、令和7年4月から施行されました。
第5期消費者基本計画においては、違法・有害情報等からの消費者利益の擁護として同法を着実に施行していく旨が記載されており、また、これに加え、消費者がデジタル空間における違法・有害情報や偽情報・誤情報に惑わされ、これを拡散して他者に被害を与えないためにも、デジタルリテラシーを習得することが目標として掲げられております。
総務省では、情報流通プラットフォーム対処法を運用し、プラットフォーム事業者等が違法・有害情報等に円滑に対応することを促進しているほか、インターネットやSNSにおける利用者のICTリテラシー向上を目指し、官民連携での意識啓発プロジェクト、いわゆるデジタル ポジティブ アクションを推進しておられます。
そこで、本日は、総務省から情報流通プラットフォーム対処法の概要及び運用状況と、デジタル ポジティブ アクションの取組状況について御説明をいただき、また、情報流通プラットフォーム対処法の運用について検討を行っている有識者会議の座長である宍戸教授から、デジタル空間における情報流通の健全性確保、消費者利益の擁護等について御報告をいただき、意見交換を行いたいと思います。
改めて御紹介させていただきます。
本日は、関係省庁として総務省情報流通行政局情報流通振興課の大澤課長に、会議室にて御出席いただいております。
また、有識者として、東京大学大学院法学政治学研究科の宍戸教授に、後ほど会議室にて御出席いただく予定でございます。
本日は、大変お忙しいところ、ありがとうございます。
本日の進め方ですが、まず、総務省の御説明が終了したところで質疑応答、意見交換の時間を15分程度取らせていただき、その後、宍戸教授の御説明が終了したところで、全体の質疑応答、意見交換の時間を45分程度取らせていただく予定です。
それでは、早速ですが、最初に総務省の大澤課長、15分程度でよろしくお願いいたします。
○総務省情報流通行政局情報流通振興課大澤課長 御紹介いただきました、総務省の情報流通振興課長の大澤と申します。大変貴重な機会をいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
資料を御覧いただきますとおり、インターネット上の違法・有害情報への対応について、総務省の取組を御紹介させていただこうと思います。
今、委員長から御紹介がありましたとおり、事前に事務局からは、1点目に情報流通プラットフォーム対処法について、それから、2点目としてデジタル ポジティブ アクションについて、説明の項目を御提示いただいておりますので、それに即して御説明を差し上げたいと思います。
それでは、1ページ目に、本日御説明する内容を書かせていただいていますけれども、2、3が御要請のあった項目でありまして、これに加え、1として、これらの前提となる情報流通をめぐる課題をご紹介させていただきます。
それでは、3ページまで飛んでいただきまして、まず、左側になりますけれども、ネット上の誹謗中傷等の流通の事例ということになります。
こちらは、総務省のインターネット違法・有害情報相談センターで受け付けている相談件数をグラフでお示ししておりまして、非常に高止まりをしております。
令和7年度につきましても、このグラフにはございませんけれども、さらに増加をしているということで、高止まりの傾向にあるということでありまして、下のほうに例がございますように、スポーツ選手に対する人格を否定するような名誉権の侵害事案であったり、テレビ番組に出演した方々に対して個人情報を暴露するプライバシーの侵害であったり、こうした事例がネット上で見られるところであります。
それから、右側がネット上の偽情報・誤情報ということになります。こちらの事例につきましては、生成AIを使った偽動画でありますとか、災害の際に、過去の映像が多数拡散してしまう事象、それから、著名人のなりすまし偽広告ということで詐欺の被害が相次ぐ、これは一旦下火になりましたけれども、ここへ来て改めて件数が伸びてきている、こういった状況だと認識をしております。
4ページをご覧いただきますと、先ほど、違法・有害情報をご紹介しましたけれども、少しベン図で整理をさせていただいております。左側の違法・有害情報のところの緑の濃い部分2つ、権利侵害情報とその他の違法情報、法令違反の情報、これらが違法な情報です。
それから、青少年有害情報、人によっては有害だと感じるような情報、これを有害情報と言っております。後ほど御紹介します、情報流通プラットフォーム対処法につきましては、一番濃いところの誹謗中傷等の権利侵害情報が、迅速化規律の対象となっておりまして、それ以外の情報につきましても透明化規律、透明性を高めていただくという規律が適用されております。
それから、右側、重なる部分があるわけなのですけれども、偽・誤情報ということで、結果的に重なる部分につきましては、情報流通プラットフォーム対処法で対応できる場合があるという、こういった頭の整理になろうかと思います。
5ページでございますが、総務省における総合的な対策の枠組みをお示しさせていただいております。詳細は、この後、お話をさせていただきますけれども、①としまして制度的な対応、これは情プラ法と、それからデジタル広告につきましても、例えば広告主向けのガイダンスの策定に取り組んでおります。
2つ目としまして、リテラシーの向上として、官民の関係者による意識啓発プロジェクト「デジタル ポジティブ アクション」を進めております。
そのほか技術については、偽・誤情報を見分けていく、判別するための技術の開発・実証、社会実装にも取り組んでおります。
それでは、7ページまでお進みいただきまして、情報流通プラットフォーム対処法についてです。後ほど御説明するように、令和6年に改正をしてございます。旧プロバイダ責任制限法を改正したわけですが、その当時にどういう課題があったのかということを、まず、御紹介を7ページのほうでさせていただきたいと思います。
下にグラフがありますけれども、先ほど御覧いただいた相談件数が高止まりしている。
それから、さらにその下にありますように、この違法・有害情報相談センターに寄せられる相談のうち、被害者が最も求める内容は、インターネット上の投稿の削除、誹謗中傷等の削除をしてほしいと、こういったことでございました。
右側に幾つかグラフがございますけれども、事業者の対応につきまして利用者が課題を感じていたということであります。
例えばですが、①にありますように、削除の申出をしたいけれども、その窓口が分からない、窓口が分かりづらい。それから、長く待たされてしまう、例えばですけれども1週間より長く放置されるのは許容できないという声でありますとか、削除を申し込んだけれども、対応したのかどうか、通知が来ないので不明であるということですとか、そもそも事業者が用意している削除の基準が不明確、不明瞭であって分かりにくい。こういった御要請、あるいは課題を利用者の方々が感じていたということでございます。
そこで、8ページに移っていただきまして「情報流通プラットフォーム対処法」については、令和6年に改正したのが③の部分になりますが、それまでも平成13年、2001年にプロバイダ責任制限法という法律が成立しておりまして、一番左の①のところで「プラットフォーム事業者等の免責要件の明確化」とありますように発信者に対する免責、一定の場合に発信者が削除に同意するかどうかということを照会したが、7日間以内に反論がないときには削除しても免責であるといった免責要件を明確にすることによりまして、プロバイダ事業者による削除の促進をしてきたというのが、平成13年にできた法律の中身でありました。
それから②にありますように「発信者情報の開示」については、ネット上で行われます投稿は匿名のものが多いわけですけれども、損害賠償の請求をしたい、裁判を起こしたいというニーズもありますので、その場合には、事業者に対して、名前や住所を開示する請求ができる、こうした仕組みも、この旧プロ責法の中に入っていたということであります。
③のところが今回、昨年の4月から施行されている部分であります。大規模な事業者に対して義務を課すということになっていまして、総務大臣が指定をした事業者に対して、大きく2つの義務を課しております。
1つ目が「削除対応の迅速化」ということでありまして、先ほどの課題でご紹介したように、削除の申出の窓口をしっかりと整備をしていただきたい、削除のための体制を整備していただきたい、削除の申入れに対する判断、通知を申出者に対して7日間以内に通知をする、それまでの間に削除するか、しないかを判断した上で、7日間以内に通知をする、こういったことを義務付ける迅速化規律が1つであります。
もう一つは、削除の基準を策定し、公表したり、あるいは発信者に対しても、投稿を削除した旨を通知をしたり、加えて年に1回運用状況を公表する義務が新たに設けられたということでございます。
9ページでございますけれども、昨年4月に施行するに当たりまして、省令、それから2つのガイドラインを策定しております。
省令では、例えばですけれども、平均の月間発信者数が1,000万人以上のものを「大規模」という定義することですとか、一定期間内に通知をするという義務に関して、「7日間」と省令で定めたり、それから、年に1回公表する公表事項の詳細につきまして規定をしたりしてございます。
そのほか、法令の解釈、法律の解釈を示したガイドラインでありますとか、違法情報ガイドラインというものを策定しております。
その違法情報ガイドラインの内容につきましては、10ページを御覧いただければと思いますが、これは、どのような情報を流通させることが権利の侵害あるいは法令違反に該当するのかについて、関係省庁とも連携しながら明確化し、その内容をできる限り事業者の方々に盛り込んでいただくべく、周知をさせていただいています。
1のところにありますように、1は、まず、権利侵害の情報であります。名誉権、肖像権、著作権等々、どういう場合に各権利、利益の侵害が成立するのかということを、判例も交えながら御紹介をさせていただいています。
2は、法令違反情報ということで、刑法、わいせつ関係とか、薬物、それから銃刀法とか、違法オンラインギャンブル関係、どのような情報を流通させることが、各法令に違反するのかを具体的に例示させていただいたものでございます。
11ページが指定の状況ということでありまして、下に表がございますが、昨年の4月に、SNS事業者5社を指定し、その後、5月に掲示板系の事業者4社を指定しておりまして、これら9社に対して、今、情プラ法の義務が適用されているということでございます。
12ページが、その情プラ法の履行の状況ということになりますけれども、御覧いただきますように、例えば、窓口を整備する、対応体制を整備する、こうした義務につきましては、整備、公表、対応済みということになっております。
それから、申出者に対する判断、通知とか、発信者に対する通知ということにつきましても適用済みでありまして、今後その状況が、5月末までに公表される予定だと承知をしてございます。
13ページ、14ページは、御参考ということになりますけれども、各事業者から出された窓口とか、あるいは削除の基準が、ここに記載のURLに掲載されておりまして、総務省としても利用者の方々に知っていただくべく周知をさせていただいているところでございます。
15ページ以降が、制度の話から離れまして、ICTリテラシーの向上に関する取組でございます。デジタル ポジティブ アクションという施策を御紹介させていただこうと思います。
16ページに、まず、実態調査の結果を掲載させていただいておりますけれども、昨年の5月に行いました実態調査で、過去に流通した偽・誤情報を国民の皆様方に御覧いただいて、その内容の真偽をどう考えるのかということを尋ねたところ、これは正しい情報だと思う、恐らく正しい情報だと思うと回答された方が半分程度いらっしゃって、偽・誤情報を信じてしまったということであります。
その偽・誤情報に接触した方々のうち、4分の1の方々は何らかの手段を用いて、これを受信するだけではなくて、受信をした上で、誰かに知らせなくてはということで拡散をするという行動にも移されているということであります。
それから、リテラシーの向上という文脈で申し上げますと、このICTリテラシーが重要だという方は大半でいらっしゃるわけですけれども、4分の3の方々は具体的な取組を行っていないということで、やはり、国民の皆様方に行動を起こしていただくことが必要なのではないかということで、我々は、今、この取組を進めております。
それが17ページでございまして、意識啓発プロジェクトということであります。
官民連携と申し上げましたように、右側の枠内にあります参加企業・団体、先ほどご紹介した指定事業者である、Google、LINEヤフー、Meta、TikTok、Xなどのプラットフォーム事業者もおりますし、通信事業者あるいは様々な団体の皆様方にも参画していただきながら、このアクションを起こすためのプロジェクトを、昨年の1月から開始させていただいております。
ちなみに山本委員に、この推進協議会の会長を務めていただいております。
取組の内容は、下のほうに3つ書いてございますけれども、一般的な普及啓発、特別なウェブサイトをつくって周知したり、あるいはセミナーを開催、シンポジウムを開催したりということに加えまして、少し特徴的なのが、真ん中と右側になります。SNSのサービスは、SNS上で解決しようということでありまして、利用者の皆様方に、様々な警告の表示、注意の表示というものをサービスの中で表示していただく取組です。例えば、闇バイトについて、あるプラットフォームサービス上で「バイト」と検索をすると、闇バイトに関する注意喚起が最初に出てくる、こういったサービス設計上の工夫をしていただいてございます。
それから、一番右のほうは、信頼性の高い情報の表示の工夫ということでありまして、例えば、先ほども災害の話がありましたけれども、災害のときに、信頼性の高い情報が埋もれないように、上のほうに表示をしていただくとか、こういった自主的な取組をしていただいておりまして、このデジタル ポジティブ アクションの中では、その取組を推奨させていただいているという状況でございます。
18ページまでお進みいただきまして、先ほど、一番左にありました普及啓発のところでありますが、教材をつくったり、その教材をマッピングして、様々な方々に御利用いただけるように、教材のマッピングというのは総務省でつくったものもありますし、それから、先ほど御紹介した23の会員企業、団体の皆様方がつくっている教材などもありますので、そういうものを広く使っていただくために、全体像が見えるような教材マップをつくって周知を図ったり、それから動画の広告あるいは討論会みたいなものを開催したりとか、多様な手段でこの普及啓発を進めております。
19ページが、デジタル ポジティブ アクションの最近の取組ということでありますけれども、今年の2月になりますが、デジタル ポジティブ アクションのアワードということで、会員が作成しました教材等を、特に優れたものを表彰するということで、大賞、School賞、Home賞、こういったものを表彰し、そして、また総務省でもこういったものを国民の皆様に周知啓発して、お使いいただくように努めているところであります。
20ページになりますが、総務省でもつくっている教材が幾つかありまして、代表的なものだけここに挙げさせていただきましたけれども、例えば、SNS上の仕組み、特徴、すなわち、フィルターバブル、エコーチェンバー、アテンション・エコノミー、こうした特徴に関する教材でありますとか、右側のほうですけれども、実際に体験しながら学んでいただく、SNS型投資詐欺、ロマンス詐欺に引っかからないように、体験をしながら、ご理解いただけるような素材も用意させていただいております。
21ページが、先ほどの3本柱の中で申し上げたように、技術の開発・実証についてです。これは、左側にありますように、コンテンツの真偽判別の支援をする技術でありますとか、右側にありますように、発信者の真正性の保証をして、偽・誤情報に正しい情報が紛れないようにするとか、こういった取組も実施しております。
23ページ、24ページに、事前質問の質問の部分だけ記載しておりますが今、口頭で簡単に御紹介をさせていただきましょうか、それとも、後ほどの質疑の中で御紹介する形にしましょうか。
○鹿野委員長 いかがいたしましょうか、せっかくですから、簡単にお願いします。
○総務省情報流通行政局情報流通振興課大澤課長 そうしましたら、(1)であります。先ほど情プラ法で、年に1回公表と申し上げましたが、その公表について、総務省としてどのように把握をするのかという御質問であります。これにつきましては、大規模事業者から5月末までに、情プラ法に基づく措置の実施状況が初めて公表されると承知しております。
誰もが知り得る状態になるということで、必要に応じて御質問の趣旨を確認したいと思いますけれども、公表されれば、総務省としても確認ができることになりますので、その内容を適切に把握、確認をしていきたいと考えております。
2点目が、法令違反の情報の違法性ということを判断する行政機関が、直接プラットフォーム事業者に対して法令違反の情報の削除の要請を行うことはあるのかという御質問であります。
2点申し上げますけれども、1点目、我々が承知しております限り、制度上は薬機法の中で、未承認の医薬品に係る広告あるいは承認された医薬品であっても、虚偽誇大広告というのは禁止されておりまして、その違反につきましては、厚労大臣あるいは都道府県知事が事業者に削除要請を行うことができる仕組みが整備されていると思います。
また、警察庁が委託をしておりますインターネット・ホットラインセンター、IHCといいますけれども、これにつきましては、刑法に抵触する情報、例えば、わいせつの動画、あるいは薬物、ドラッグ関係、銃刀関係につきまして、利用者からの通報を基に、事業者の削除に資するよう情報提供を行っていると承知をしております。
3つ目、先ほど御紹介しました違法情報ガイドラインにつきまして、削除の基準の内容が具体例に基づいて適切に規定をされているのか、そういう確認が行われているのか、あるいはガイドラインの適宜の見直しということはやったことがあるのかということでございます。
この情プラ法の仕組みは、削除の基準とか運用の状況の公表を事業者に義務づけるということによりまして、事業者の自主的な取組の透明化を図るということを通じて、事業者による基準、運用の見直しを促すという仕組みになっておりますので、政府が一律に削除基準を定めるものではなくて、事業者が自主的に削除基準を定めるということになってございます。
ガイドラインの見直しにつきましては、先ほど少し御紹介しましたオンラインカジノの対策としまして、昨年の9月、ギャンブル等依存対策基本法が改正されまして、オンラインカジノサイトに誘導する広告が、例えばSNS上に出て、それを踏んでしまって、オンカジサイトに導かれることが問題となったと聞いておりまして、そこが違法化されたということです。その広告の発信行為が違法化されましたので、警察庁とも連携しながら、当該行為の違法性に関する記述をガイドラインに追記する改正をいたしました。去年の4月に情プラ法が施行された際に策定した当初のガイドラインを9月に改正したということです。
4点目が、情プラ法で、先ほど「大規模な」と申し上げまして、その中でも法令上は、権利の侵害が発生するおそれの少ない特定電気通信役務というものがあるわけなのですけれども、この見直しの予定はあるかという御質問であります。
この権利侵害の発生するおそれの多寡ということについては、技術あるいはサービスの進展の状況に応じて常に変化するものだと認識しておりまして、例えば、現時点では権利侵害が発生するおそれが少ないというサービスでも、3年後、もっと言えば、来年には権利侵害の対処のために情プラ法の規律を適用しなければならなくなるかもしれません、その逆もまたあると思います。現時点では見直しの予定はございませんけれども、この状況は不断に注視していきたいと考えております。
24ページになります。DPAの関係で、簡単にこちらも御質問についてお答えしたいと思います。
DPAに20以上の企業・団体が参画しているということだが、参画の経緯はどのようなものかということであります。
発足時から参加していただいている企業・団体につきましては、この活動、取組の趣旨に照らして適当と考えられる企業・団体を総務省が検討して、お声がけをさせていただきました。
その後、この取組が広がるにつれ、逆に民間の方々から我々のほうに御連絡をいただくケースというのが増えてまいりましたので、そういった方々と調整をした上で、この取組に参加していただいているケースもありますし、総務省側からお声がけを随時させていただいているということもございます。両面でございます。
それから(6)のところになりますが、普及啓発教材の作成の取組について、どの程度民間企業に関与しているのかということであります。
DPAの取組は、先ほど申し上げたように、国民の皆様に必要な取組、アクションを起こしていただくということをコンセプトとして推進しておりまして、参加している企業や団体の自主性を最大限尊重する方針になっております。
御指摘の教材作成につきましても、こうした基本的な考え方のもとに推進をしておりまして、できるだけ創意工夫にお任せし、様々なアイデアを出していただいております。
他方で、国民の皆様に知っていただくということは非常に重要だと思いますので、先ほど御紹介した表彰のイベントなども通じて、総務省として、その普及に努めてございます。
(7)が、DPAにも参加している大規模プラットフォーム事業者がいるけれども、消費者利益の擁護を実践していると考えられるかということでございます。
先ほど御紹介したように、シンポジウムなど、あるいはインフルエンサーを活用していただいて、ショート動画によって社会的気運を醸成していただいたり、各企業で様々な創意工夫を凝らしていただいたりしていると思います。
先ほど申し上げたように、ほかの啓発活動と少し異なりますのは、やはりSNSのことを、SNSの仕様、設計を工夫することで対応しようということですとか、信頼性の高い情報の表示順位を上げるということ、こうしたサービスの特性に応じた自主的な取組を推奨してまいりたいと考えております。
(8)の最後になりますけれども、総務省として、法、それからデジタル ポジティブ アクションをどのように組み合わせて相乗効果を生み出していくことを期待しているかということであります。
冒頭に御説明しましたように、違法・有害情報を3本の柱で対応を進めさせていただいております。
対策に特効薬はないと考えておりまして、何か1つに取り組めば解決するということではなく、様々な角度から、様々な関係者とともに対応を進めていくこと、特に産学官連携して進めていくことが大変重要だと考えております。
その一環として、この情プラ法という制度的な仕組みももちろんございますし、それからDPAの取組を推進していくことも非常に重要なパーツだと考えております。制度で一律に対応すべきことと、それから、事業者の創意工夫、連携協力体制の中で対応すべきもの、これらを適切にミックスして、情報空間における情報流通の健全性の確保を図っていきたいと考えております。
以上、少し時間が超過してしまい恐縮ですけれども、総務省からの説明は以上でございます。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
最初の予定のスケジュールでは、ここで一旦質疑応答と申し上げておりましたが、11時になりましたので、ここから、宍戸教授に続いて15分程度でお話をいただき、その後、まとめて質疑応答、意見交換の時間とさせていただきたいと思います。
それでは、宍戸教授、よろしくお願いいたします。
○東京大学大学院法学政治学研究科宍戸教授 御紹介預かりました、東京大学の宍戸でございます。本日、公務の関係で遅参いたしまして大変失礼いたしました。
資料1の2に基づきまして、今、委員長から御指示いただきましたとおり、15分程度お話をさせていただければと思います。
私のほうで、この資料にほぼ即してお話をいたしますが、適宜、事務局の方、恐縮でございますけれども、投影のほうを繰り上げていっていただければと思います。
本日、この場で消費者基本計画の施策の取組状況等に関する調査審議のうち、情報流通プラットフォーム対処法関連施策に関する意見を申し上げる機会を与えていただき、誠にありがたく存じます。
事前に事務局の方からお尋ね事項といたしまして、デジタル空間の情報流通の健全性確保と消費者利益の擁護、また、その観点からの情プラ法の課題について御関心があると伺っております。
そこで、基本的に私が考えていることを、先ほどの総務省の大澤課長のお話と重複する部分もあるかもしれませんが、お話をさせていただきたいと存じますが、そもそもの前提といたしまして、一段落飛ばしまして、次の「デジタル空間の情報流通の健全性確保に関する検討について」というところを御覧いただきたいと思います。
これまで、官民のデジタル空間の情報に関する問題につきましては、一般にインターネット上の違法・有害情報対策という形で議論がなされてきたところであります。
ただ、例えば、そこで問題になりましたのが、20世紀末あるいは21世紀初頭と比べますと、ブログ掲示板から検索SNSへと、端末がパソコンから携帯電話、スマートフォン、タブレットへと、また、事業者が国内キャリア、プロバイダ等から海外プラットフォーム事業者へと、また、利用者について若年層あるいは高齢者層が増えているといった様々な変化がございます。
このような変化を受けまして、私自身、総務省のプラットフォームサービス研究会というところで、権利侵害情報、偽・誤情報対策に関する事業者モニタリングを含め、議論に関わってまいりました。
また、次のページにお移りをいただきたいと思いますけれども、既に御案内のとおりでございますけれども、プロバイダ責任制限法を改正し、情報流通プラットフォーム対処法として、大規模SNS事業者に権利侵害情報の削除対応の迅速化、違法情報対策透明性の確保について、行政規律を定めるということが行われてきたところであります。
ただ、このような議論は、しばしば電気通信事業者あるいはプラットフォーム事業者を念頭に置いて、そこにいかなる規律を課すかという議論に終始しがちでございまして、現状起きている問題を幅広く捉えた上で、問題の所在を探していく必要があるのではないかという関心から、デジタル空間情報流通健全性確保検討会においては、デジタル空間における情報の発信、伝送、受信の過程及び関係者の全体を鳥瞰し、調査検討を推進し、総合的な対策を提言したところでございます。
とりわけ、これまで、言わば手つかずでありました情報流通のエコシステムを支えるデジタル広告への対応に踏み込んで提言をしたところが1つの特徴だったのではないかと思っております。
これを受けまして、現在、総務省で開かれている諸課題検討会におきましては、4つのワーキンググループに分けて広範な課題を検討しているところでございます。
デジタル広告、それから、現在お見えの山本委員に主査をお務めいただいております制度のワーキンググループ、それから、青少年のワーキンググループ、発信者情報開示に関するワーキンググループを新たに立ち上げたところでございます。
簡単な概観は以上でございますが、消費者利益の擁護について、これらの検討において考えられてきたこと、また、その過程を通じて私が感じたことを、次の項目でお話ししたいと思います。
まず、このような消費者利益の問題につきましても、先ほどの健全性確保検討会取りまとめにおいて、若干の言及がなされております。
1つは、基本理念レベルにおいて、情報の発信、伝送、受信のうち、受信の局面でリテラシーの確保、多様な個人に対する情報へのアクセス保障とエンパワーメントについて掲げたところでございます。
そして、各プレーヤーの役割ということで、利用者、消費者を含む市民社会、それから利用者団体、消費者団体への期待も書かせていただいたところであります。
このような議論に関わる中で、また、2022年のいわゆるパラダイムシフト研において意見陳述をさせていただいた際に感じたことを改めて確認しますと、そこに書いているとおりでございます。
何よりもデジタル空間における消費者の脆弱性の問題、限定合理性でありますとか、データを多く取得され、それがアルゴリズムによって解析されている、それで先回りされたりするといった問題もございますし、他方で、消費者の消費行動あるいは拡散などのSNS上の行動が、他の消費者へ非常に大きく影響する、その意味では、ややきつい表現になるかもしれませんが、消費者の責任ということも改めて考える必要があるのではないか。これが1点目でございます。
2点目として、規律手法について、情プラ法にもあります、透明性・説明責任規律は、言わば効く部分と効かない部分がいろいろあろうかと思います。
過剰でも過少でもない法執行をするという意味では、かなり政府の側で情報収集分析を含んだ権限と体制が必要ではないかと感じているところでございます。
また、消費者利益を、このデジタル空間において擁護するという観点では、今申し上げたような規制者としての政府だけではなく、消費者あるいは消費者団体を支援するという支援者としての役割、あるいは様々なプレーヤーがどういう行動を取ればいいのだろう、その上の前提はどういうものだろうということを明らかにするトラストアンカーとしての政府の役割が大きいのではないか、デジタル空間において増しているのではないか、そのような観点から消費者団体の役割や支援も必要ではないかということを感じてきた次第でございます。
そこで、次の3ページ目にお移りいただきたいと思います。
ここからが本題という感じがいたしますが、情報流通健全性確保の取組の課題と、それから、この消費者委員会で御議論をいただいております消費者利益の保護の実効的な連携を図るという観点から、幾つか申し上げたいと思います。
第1は、昨年、レスキューサービスに関する消費者問題についても、お呼びをいただき、意見を申し上げさせていただく機会がございました。
そこで申し上げたことで、この場に関連することを抜き書きしております。何よりもデジタル空間の情報流通の健全性の確保は、問題となる情報の発信、流通と、言わば内容、性質ごとの違いと、流通基盤たるプラットフォーム、あるいは受信者のリテラシーのような共通性がございます。それぞれの規制や政策形成を担う機関の適切な連携が必要と考えております。
また、情報流通の健全性が確保されないということにより、ミクロの弊害にとどまらず、およそネット上の情報とか情報流通が信頼できない、あるいは事業者や報道機関、政府の発信も、何が何だか分からなくて、もう情報を見ている場合ではないという行動に人々が走るような、根本的な弊害が生ずることが懸念されておりますが、そのようなことは特に消費者保護の文脈では極めて重大な結果を招くと考えられるところでございます。
他方、DPF、デジタルプラットフォームに対する一定の規制が必要であることと、しかしその規制に対して慎重であるべき要素、他方で、自主規制に任せることのリスクとメリットも挙げさせていただいた上で、特に消費者保護のような文脈においては、このようなプラットフォーム事業者と政府、あるいは消費者、消費者団体の適切な協働が必要であろうということを申し上げた記憶がございます。
その上で、今回、御検討いただくような第5次消費者基本計画の記載を踏まえた検討ということで申しますと、現在、健全性確保の検討の中で特に強調されている視点でもございますが、このデジタル空間における情報流通のエコシステムの全体像を踏まえた総合的な課題を意識しながら議論を進める必要があろうかと思います。
先ほど健全性検討会以降、デジタル広告の問題を正面から取り上げて議論するようになったということを申し上げましたが、プレーヤーといたしまして、広告主、事業主がまずおり、それから、広告を配信するというプレーヤーがおり、広告配信をなされるSNSがあり、また、その広告収入の配分を受けて情報発信、それぞれの趣味、嗜好や意見などを発信するという、例えばYouTuberさんなどをはじめとする発信者の方がおられ、一般には、この発信者と、発信する情報を受け取る受領者、消費者がいるというわけでございますが、実はその間に、まさに受領して拡散する、消費者を含む拡散者がいる。先ほどの消費者の責任のところで申し上げたことに関わりますが、こういった同一の人間が複数の役割を果たしている場合があるわけでございますが、この相互作用を意識して議論する必要があるのではないかということでございます。
その上で、消費者利益の擁護という観点から、広告主・事業者へのアプローチと消費者へのアプローチという2面にわたって申し上げたいと思います。
まず、広告主・事業者へのアプローチの1番目でございますが、そもそもデジタル広告は、先ほど申し上げた健全性確保の取組の側から見ますと、デジタル空間のエコシステムそのものに関わっている一方、消費者利益という観点から見ますと、消費者の権利を充足すると、他方で広告受信による被害、あるいは広告による真意に基づかない消費者行動に走らされるといったリスクがあるところでございます。
いわゆる情報流通諸課題研において、曽我部主査のもとで取りまとめていただきました広告主等ガイダンスは、デジタル空間のエコシステムの観点から、このような問題に取り組んだものでございますが、そこで前提とされている事業者の広告ガバナンスについて改めて考えてみますと、まず、直接的には事業者として消費者の適切な消費行動と、よい商品やサービスの供給に奉仕するということがまずあり、広告それ自体が違法・有害ではないようにすると、そのようなものを配信しない。
さらに、エコシステムの観点からしますと、公共的な情報の発信、流通を支えていただき、権利侵害情報等の発信には加担されないようにしていただきたいということがございます。
そして、このようなことをエコシステムの側から、あるいは情報流通の規律という側から申し上げているだけでは、事業者の広告ガバナンスの実践に至るかどうかは定かでないわけでございますけれども、まさに消費者利益を考えることによって、このような事業者の広告ガバナンスへのインセンティブを与え、具体的な取組のための知見を消費者保護の観点から事業者に提供することによって、実現される。このような取組が消費者政策として推進されることにより、それを受けて広告配信者や発信者の行動が適切なものになるということが期待されるのではないかと、私としては考えております。
こういう取組を進めていただきますと、情報流通健全性確保の取組の側では、これらを前提として、プラットフォーム事業者及び公衆の知る権利の過剰な規制を避けつつ、透明性規律や義務づけなどにおいても的確な規制のポイントをつくり出すことができるように、私は考えております。
他方、消費者へのアプローチでございます。4枚目のほうを御覧いただきたいと思います。
まず、第一に、拡散者としての消費者の責任が、具体的に法執行の対象になる云々ではなく、まず、抽象的にはそれを考えた上で、そのような消費者が、倫理的、道徳的に責任を問われることがないように関係者が協力して普及啓発を行ったり、あるいはSNS事業者が、消費者が安易に偽・誤情報等を拡散したり、あるいはそういうことをやりたくなるような動機づけを制限するような取組が考えられるところでございます。
これは、一般的な注意喚起もあるでしょうし、いざ拡散あるいは発信をしようと思ったときに、個別の警告を、SNS事業者の側でこれは大丈夫ですかと表示するということは、現在でもいろいろな形で行われているところだろうと考えております。
このような拡散者としての消費者への手当と同時に、受信者としての消費者の保護については、既にフィルタリング的な対応や特定の広告表示の抑制、いわゆるダークパターンの規制等々いろいろな議論がなされてきているところだろうと承知をしております。
さらに申し上げますと、配信者あるいは配信内容と広告の性質との関連づけを表示あるいは評価といった、個別の広告あるいは個別の情報発信よりももう少し大きな取組、さらに言えば、公衆としての受信者総体、消費者総体から見た、総合的にデジタル広告が、必要かつ十分に提供されているのか、あるいは過剰でないのかとか、不愉快な思いをしないのかといった質量分析、そして評価が、やはり視聴者の観点からなされるべきではないかと考えております。
そして、これらのアプローチを実現して促進するための手段として、SNS事業者の透明性・説明責任の向上やデータ開示・公表等の施策といった情報流通健全性確保の文脈で議論されている取組を同期させるということは考えられるところでございます。
他方で、個別の広告等の削除義務づけなどをSNSに求めるとかいうことであれば、これは、やはり法治国家のもとでの本道としては、そもそもの違法情報の発信を法定した上で、つまり発信者の法的責任を明確にした上で、それに関与、協力するというSNS事業者の取組がよくないので、あなたたちは削除してくださいといった規律になるのではないかと考えているところでございます。
いただいた時間となっておりますので、最後に「むすびに」について簡単に申し上げたいと思います。
消費者政策の司令塔としての消費者委員会が、健全性確保の取組に関心、期待を寄せていただいているということに、そちらの検討に係る研究者として感謝いたしますと同時に、あくまでこれは情報流通の観点からの議論であるということで、その限界についても的確に理解していただくことを希望するところでございます。
だから、そちらでは何もやりませんとかという話ではなく、消費者利益の擁護の観点から、いまだ規律が及んでいない、あるいは弱いといった情報流通の過程の局面を見いだした上で、情報収集、分析を行うとともに、その課題を解決するために適切な役割を健全性確保の取組に割り当てていただく、あるいは連携を強化していただくことで、全体最適となるような課題解決を推進されることを期待しておるところでございます。
さらに言いますと、情報流通の課題ということで、もう既に見えておりますのは、生成AIあるいはAIエージェントの問題でございます。
この点も消費者政策の中で御検討をいただいていると思いますけれども、これらの取組についてもプロアクティブに御検討いただき、情報流通健全性確保の取組との連携調整を進められることを期待しております。
雑駁ではございますが、私からのプレゼンテーションは以上でございます。御清聴ありがとうございました。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
それでは、これより、質疑応答、意見交換としたいと思います。
時間は12時までということで、45分弱ということになりますが、よろしくお願いします。
いかがでしょうか。
中田委員、お願いします。
○中田委員 情報流通健全性確保の丁寧な御説明ありがとうございます。
総務省の大澤課長に質問を1点と、宍戸先生の御説明に対して、コメントを1点お伝えさせていただきたいと思います。
まず、総務省による資料の12ページに、情プラ法対象9事業者のうち、SNS事業者5社の今年4月時点の対応迅速化と運用状況の透明化義務の対応状況を御共有いただいていますが、対象全5事業者が全ての項目において履行されているということを御確認いただき、最新の令和7年度分に関しては、もうすぐ5月末までに公表されるということですが、各社の対応の有無以上に対応の内容が適正であるかどうか、例えば、削除申出窓口がサイト上、ITリテラシーがそれほど高くない消費者にとっても分かりやすい位置に配置されているか、あるいは申出者に対する対応通知が遅滞なく行われているか等、対応の質の検証は、各法所管の行政機関に対して総務省主導でされているかということを伺わせていただければと思います。今までされているか、あるいは今後される予定があるかということを教えていただければと思います。
2点目のコメントとして、私は宍戸先生の御説明にありました、広告主、事業主へのより一層のアプローチの必要性に関してとても共感いたします。違法・有害な広告を作成し、掲載しようとした主体の発信事業者の法的責任と、その情報を掲載している情報インフラであるDPFが違法・有害情報であると認識しながら、もし広告掲載料収益を得て掲載継続をしている場合、負うべき責任は両者にそれぞれあると思うのですが、現状において社会的、実務的にゲートキーパー的なかなりの役割をDPFに求めているように感じております。DPFに求められる対応の負担も決して少なくはなく、私は消費者擁護の観点から情プラ法の厳格な運用と同時に、政府による大元の違法な情報作成、広告主、事業主の特定、なかなかそれは容易ではないということだと思うのですが、発信者の特定と規制も諦めることなく一層強化し、広告ガバナンスの重要性の意識を浸透させることで、被害件数の減少に徐々につなげていけるのではないかと改めて感じた次第です。
以上、2点です。
○鹿野委員長 それでは、総務省様に御質問がありましたので、お願いします。
○総務省情報流通行政局情報流通振興課大澤課長 12ページについて御質問いただきまして、ありがとうございます。
まず、2点御質問いただいたかと思います。1つは、例えば窓口の整備の状況について、整備・公表はされているけれども、その中身が適切に消費者にとって分かりやすい形になっているのかという御質問だったと思います。
こちらに、今、5社しか挙げさせていただいておりませんけれども、先ほども申し上げたように、9社指定されておりまして、9社全て整備公表済みだということも確認しておりますが、具体的にどういう窓口の設置の仕方をしているのかということ、投稿を削除するわけですから、投稿から一番近いところといいますか、作業しやすい、通知がしやすいところというところに窓口を置くというと、何か物理的なものがあるわけではないのですけれども、アクセスがしやすい形にしていただくのがいいのかなと思います。
他方で、サービスに加入されていない方からも、誹謗中傷等の削除の申出をしていただくパターンもあるので、ログインしないと、あるいは加入していないと削除の申出ができないという形にならないように、分かりやすく、かつ、なるべく多くの方々に削除の申出をしていただけるような形が理想なのではないかと考えています。そこは常に、事業者と総務省でコミュニケーションを取らせていただいております。
それから、また、通知についても、7日間以内ということがありましたけれども、こちらにつきましては、左側に※印で書かせていただいておりまして、下のほうに注記を置かせていただいておりますけれども、今年の5月末までに公表されるレポートの中で、その実態というのが公表されていくということになりますので、公表されましたら、総務省でも把握、分析をしていきたいと考えております。
○鹿野委員長 中田委員、どうぞ。
○中田委員 具体的な御説明をありがとうございます。
そうしますと、そういった内容が総務省のほうでも御確認いただいて、内容及び履行もされているということであるとすると、今後、被害が減少していくことも期待できるという御認識でいらっしゃいますでしょうか。
○総務省情報流通行政局情報流通振興課大澤課長 被害とおっしゃるのは、誹謗中傷等の被害ということですと、全体の数からいってどうなのかというのは、これだけSNSの利用者あるいは利用自体が増えていく中で対応を進めていることなので、その絶対的な数自体が減っていくかどうかというのは、見極めなければいけないと思いますけれども、そうなるように、総務省としても実効性の確保に努めていく必要があると考えております。
○中田委員 ありがとうございます。
○鹿野委員長 宍戸教授には、コメントということでしたけれども、もし、何かございましたらお願いします。
○東京大学大学院法学政治学研究科宍戸教授 中田委員、ありがとうございます。
委員がおっしゃっていただいたこと、私も共感しておりますし、むしろ委員に私の報告について、適切な御助言というか補足をいただいたかと思います。
1点申しますと、本日、正面から取り上げているわけではございませんが、やはり広告主、事業者の方からいたしますと、委員のほうがお詳しいと思いますが、広告配信者が間に挟まっている、あるいはプラットフォーム事業者もそれに近い機能を提供している場合もあるという結果として、自らが出稿した広告がどこにどうたどり着いているのか分からない。その結果として、自分たちとしては、広告効果が分からないということもあり、その中の一部の問題として、違法・有害な情報あるいは誹謗中傷等をするアクターを結果的に支えているといった事態もあるのだろうと思うのです。
ただ、他方で、それを配信者とか、プラットフォームの責任だけにしない、広告主も気をつける、あるいは広告主がそのように気をつけておられるということが、配信者やプラットフォーマー、あるいはYouTuberの方々のような人たちの行動を規制する。大元が、エコシステムとしてそうなっているのであり、そのようにして、まず、広告主の方に気をつけていただく中で、配信者とかプラットフォームの規制は、もちろん当然手当をしていかなくてはいけない。こういったことを全体として、いろいろな場面で議論してく必要があるのではないかと思っております。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
それでは、ほかにいかがでしょうか。
小野委員、お願いします。
○小野委員 御説明いただきまして、ありがとうございます。
私自身は、消費者教育を専門にしているということで、そういった観点からの質問をさせていただくことになります。
まず、総務省の大澤課長からは、現在のお取組を、それから宍戸教授には、現況の御解説とか、御見解をお聞かせいただきました。
総務省の大澤課長から御説明いただいた件につきましては、担い手についてお尋ねをしたいと思っています。
消費者教育は、直接、例えば学校教育で生徒に教える、学生に教えるというのと、社会教育といいましょうか、高齢者、つまり学校という機関に属していない人に届けていく、大きく分けると、2通りあるかと思います。
学校教育、つまりSNSを活発に使っている層にアプローチをするときに、学校教育は欠かせないわけですけれども、やはりその担い手である教員、あるいは消費者団体かもしれませんが、その担い手について、どうアプローチをしているのかが気になっております。今後のお取組かと思いますけれども、企業様が自主性を重んじてやっておられる事業も含めて確実に消費者に届けていくためには、こういった担い手の方にどう関わってもらうか、多くは教員になるかと思いますけれども、その状況あるいは実際にやっておられるのであれば、手応えとかをお聞かせいただきたいのが1つでございます。
それから、宍戸教授には、幾つかのキーワードがありましたが、やはり拡散者への対応ということが重要だと思っています。その拡散者は、例えば、これは総務省の調査で説明がありましたように、偽情報・誤情報に接触して4分の1以上が拡散しているということでいうと、ここの拡散者を加害者にしないためにというところがみそかなと思います。
消費者教育は、被害者にならないためというのが、どうしても前面に出てくるのですが、もう一つ加害者にしないためということがありまして、ここを消費者教育も、加害者にならないために正面切ってやらないといけない領域なのかと思っておりまして、学校教育あるいは消費者団体が担い手として進めていくために、何かヒントといいますか、押さえどころみたいなのがありましたら、ありがたいと思って質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○鹿野委員長 それでは、まず、大澤課長、お願いします。
○総務省情報流通行政局情報流通振興課大澤課長 御質問いただきまして、ありがとうございます。
学校教育、特に教える担い手である先生方にどのようにアプローチをしていくのかという御質問かと思います。
まず、文科省とは連携をさせていただいておりまして、今日御紹介したのは、このデジタル ポジティブ アクションの取組でしてどちらかというと、偽情報・誤情報の文脈なのですけれども、それ以外にも、誹謗中傷の文脈なども含めかねてよりリテラシーの向上に取り組んできたわけでありまして、その中でも文科省と連携させていただいております。例えば、教育委員会に対する通知を連携して発出したり、文科省を含む関連省庁とも連携して春の一斉行動を実施したりしております。
直接総務省から、教員の皆様方に接触する機会は、あまり多くはないのですけれども、e-ネットキャラバンという取組がありまして、特に携帯電話事業者の専門家の方々から、携帯電話、スマートフォンを利用する際の注意点などについて、お子様に、例えば放課後教えてさしあげる取組なのですけれども、その一環として、教員の皆様方あるいは保護者の皆様方にも聞いていただくような機会を設けており、子供に教える際のポイントを周知しております。
また、先ほど御紹介させていただいたような教材も、教師の方々が、お子さんに教える際に、メモを見ながら教えることができるように、公表している教材に説明を加えた教材を公表するという工夫も行っておりまして、実際に担い手になる方々にとって、有用なものになるよう努力をさせていただいているところでございます。
○鹿野委員長 宍戸先生からは、何かございますか。
○東京大学大学院法学政治学研究科宍戸教授 ありがとうございます。
小野委員から非常に重要な御指摘を幾つかいただいたかと思いますけれども、1つには、被害者にならないだけでなく、加害者にならないようにするということは、2020年の誹謗中傷の事態を踏まえまして、例えば、総務省、法務省等で、No heart No SNSというキャンペーンを行ったことがございます。民間事業者の方と連携していたことがあると思いますけれども、やはりその延長線上でうまくデジタル ポジティブ アクション等においても、教育の現場と適切な連携を行うということが、まず非常に大事ではないか、加害者にならないようにということがまず出発点になろうかと思います。
その上で、少し具体的に申しますと、もちろん小中の段階でもございますが、やはり、非常に利用が高度化し、かつ、非常に被害を与える可能性がある、また、それが非常に人生、一生に大きな影響を及ぼすということで、差し当たり高校段階をまず念頭に置いて考えてみますと、ここについては、1つ情報という科目ができ、こういった問題も取り扱われるはずであるということと、また同時に、公共の科目がございます。公共という科目は、本来的には知識を詰め込むものではなくて、幸福・正義・公正といった観点から、法的な主体としての私たち、経済的主体あるいは政治的主体としての私たちが総合的にいろいろ判断して、例えば経済的主体としては消費者であると同時に、政治的には市民であるといった行動ができるような市民形成を促すという科目だと承知しております。
現状、教育現場では、まだ、知識詰め込み型の側面はあろうかと思いますが、まさにこういった自分がSNS等を利用したときに、どういう問題があって、それでどういう法的な責任が生じ得るのだろうか、それは経済的にどのような意味を持つのだろうか、消費者としてどのような意味を持つのだろうか、それが、例えば政治についてどのように考えるべきだろうかというように、3つの視点を総合的に考えて議論して、高校生に考えさせる、教師と一緒に考えてもらうという意味で格好の素材だろうと思います。
とりわけ今後、というか、もう既に恐らく高校生は、AIを非常に活用し、それによって思わぬ事態が起きるといった中で、この問題は、AIの適正利用を求めていく、人々に期待していくという現在の政府の方針との関係で、消費の場面における、あるいは消費者としての立場における生成AIの適正な利用と、そのために考えるということを、今、ちょうど学習指導要領の改訂の時期でもございますので、消費者委員会様からも強く文科省に求めていただくといったことが、私は適切ではないかと思っております。
以上です。
○小野委員 どうもありがとうございました。
まさに消費者教育は、学校教育でいうと家庭科とか公民科、それから先生がおっしゃったように、成年年齢を迎える高校3年生のためには、高校2年生までに家庭科教育などを受けるといったところで言うと、やはり連携といいますか、学校教育の中でも、教科間の連携も必要です。それから省庁間でも文科省だけではなくて、消費者庁というよりも消費者行政、それから文科省をはじめとする教育に関わる機関の連携というものの在り方というのが具体的に見えてまいりました。いろいろな観点で、今、私自身も、この問題は改めて大切だということを感じた次第です。どうもありがとうございました。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
それでは、ほかにいかがでしょうか。
善如委員、お願いします。
○善如委員 よろしくお願いします。神戸大学の善如です。
私はプラットフォームに関しまして、どちらかというと、経済学の観点から研究をしてきまして、その観点から、この情プラ法に関して御質問をさせていただけたらなと思います。どちらにお答えをいただくのがよいのか、僕にも分かりませんので、どちらかお答えいただけるほうに、お答えいただけたらなと思っております。
情プラ法は、まだできて間もなくということだと思いますが、A、B、Cというラベリングの分け方をしていただきましたが、例えば、Aなどの権利侵害情報などに関して削除要請が来たら、迅速に対応しなければならないというルールが大きな柱としてあるというのは十分理解しておりますが、これを事業者の視点から捉えた場合に、削除要請が来たら事後的に対応すればいいだけであって、捉え方を変えますと、事前にそういうものを取り締まったりしなくてもいいのかと思うような気がするのですが、少なくとも私が、SNSを運営していたら、そうしてしまうかもしれません。
すなわち、この情プラ法の存在が、事前の悪質コンテンツの排除、すなわちコンテンツモデレーションと呼ばれるものをしなくてもいいというお墨つきになっていないのかなというのが、少し心配に感じました。
これに関しまして、現行のルールにおいて、こういった、あまり社会的にはよくないと思われるインセンティブといいますか、誘引を事業者側が持たないように、うまく何か仕組みが設計されているのかどうかに関しまして、教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
○鹿野委員長 それでは、大澤課長、お願いします。
○総務省情報流通行政局情報流通振興課大澤課長 ありがとうございます。
御質問の最後の部分の意味が正確に理解できているかどうか、もし、理解不足のようでしたら、再度御指摘いただければと思いますけれども、まず、この情報流通プラットフォーム対処法は、法律によって、削除の「対応」を義務づけるという内容になっていまして、被害者から個別の投稿について削除の要請があった場合に、必ず削除しなければならないという法律になっているわけではなくて、これは事業者が自らの利用規約に照らして判断をするということになります。こうした仕組みは誹謗中傷かどうかを事業者自身が判断をし、ただ、その7日間以内に削除するのか、しないのかを原則として判断する必要がある、そういう法律の内容になってございます。
これは事後的な対処にすぎないではないかと、事前に取り締まらなくてよいのかという観点で、事業者から見えてしまうのではないかと、こういった御質問であったかなと思います。事前の対応を、この法律の中で求めようとしますと、どうしても政府が事業者を通じて、国民あるいは利用者の方々が発信する個別の投稿を、ある意味、規律をしていく意味で、検閲のような性格を帯びてくる可能性があるわけでございまして、その部分は、事業者にこの対応を委ねています。どういう投稿を削除するのかという基準も含めて、あるいはその基準に当てはめをした場合に、削除するのか、しないのかの判断も含めて、事業者に判断をしていただく、こういった法律の立てつけになっています。それは、先ほど申し上げたような観点があろうかと思います。
ただ、その一方で、やはり先ほどもデジタル ポジティブ アクションの中で御説明をさせていただきましたけれども、事業者において自主的な取組として利用者に対して、例えばリテラシーの向上のために、誹謗中傷を発信しない、拡散しないために、あるいは偽情報・誤情報を拡散しないために、一般的な意味合いでリテラシーの向上を図っていくということも、もちろんそうですし、個別の投稿で誹謗中傷を投稿しようとする際に、何らかの手段を使って、これを検知して、そして、その投稿に対して注意喚起を事前にしていく、こういった取組をやられているところもあると承知をしておりますし、また、そういった取組というのは、このデジタル ポジティブ アクションの中では、推奨をさせていただいております。
ただ、法的な意味で申し上げると、先ほど申し上げたように、検閲的な要素が出てきてしまうという可能性もありますことから、こういった立てつけになっていると理解してございます。
宍戸先生、もし、何か補足がありましたら、よろしくお願いいたします。
○鹿野委員長 お願いします。
○東京大学大学院法学政治学研究科宍戸教授 東京大学の宍戸でございます。善如先生、ありがとうございます。
基本的に大澤課長がおっしゃったとおりだと思いますが、私からは2点補足をさせていただきたいと思います。
第1は、この情報流通プラットフォーム対処法で申しますと、26条の1項の2号なのでございますけれども、いわゆる送信防止措置の実施に関する基準等の公表ということで、これを促進する観点から、違法情報ガイドラインが定められているというお話があったと思いますが、この2号におきましては、他人の権利を不当に侵害する情報の送信を防止する義務がある場合、その他防止の措置を講ずる法令上の義務がある場合において、当該義務に基づき送信防止措置を講ずるときと書いてございます。
このことで示唆的なのでありますけれども、結局、違法情報の送信を媒介するかどうかと、それが許されるかどうかという事業者の義務は、第一義的には、この情報流通プラットフォーム対処法ではなく、その外側で、これは違法情報の発信ですよ、あるいは違法情報の媒介ですよということを、刑法であったり、事業法であったり、景表法であったり、様々なところで、まず第一義的にお決めいただくところだろうと思います。
情プラ法が全体として、そのことをやらなくていい、やっていいというインセンティブを与えたり、与えなかったりということではないのかなというのが、まず本体の部分です。
2点目は、他方で、こういった取組について透明性規律を課すことによって、弱い形であるかもしれませんけれども、削除要請があった場合を超えて、その送信防止措置を事業者として、どういう類型のものにどれほど講じているのかということについても、言わば公表が求められていく中で、あそこはやっているね、あそこはやっていないねということが分かることによって、言わば社会規範とか、ユーザーの心理とかも含めてですけれども、ある程度のインセンティブが働くといいなとは思っております。
これ以上の強いインセンティブを与えるとなりますと、では、どうやってやろうかという話になったり、あるいは法令上の措置をするのかといったことを検討していく際には、先ほども大澤課長がおっしゃったような、言わば検閲あるいは全投稿監視のようなことまで事業者に求めるのかどうかといった、手段の相当性と比較衡量という点も含めて、全体として議論していくということになるのだろうと思っております。
私からは以上でございます。
○鹿野委員長 善如委員、何かございますか。
○善如委員 ありがとうございます。
事前にコンテンツモデレーションなど、強制といいますか、やれと言ってしまうと検閲の可能性が出てきてという話は、確かにそうなのかなと思いましたが、やはり何かそういったことをすると、事後的に金銭的な被害が事業者にもくる、罰金が科せられるだとか、そういったものとか、いろいろほかの方法もあるのかもしれませんが、やはり努力を要請するだけではなくて、やはり経済的なインセンティブ設計をうまくして、事業者が後々罰金を払うのが嫌だから、事前にちゃんとしておこうみたいなところというのを併用していかないと、幾ら団体をつくって進めていっても効果が見えてくるのかどうか、少し怪しいなというところが個人的にもありました。
実際、アメリカとかでも、どの企業かはあまり言いませんが、この情プラ法の指定にもなっている企業の一部が、有害なアルゴリズムというものを設計していて、有害というか、ユーザーが中毒に陥るようなアルゴリズムを設計したというところで裁判になっていたということも聞いていますし、そういったことを考えると、やはり、表向きはきれいごとを言っていても、裏では、そういった社会的には、あまり歓迎されないアルゴリズムを設計するということも十分に考えられると思いますので、こういった点に関しまして、情プラ法が既存の削除状況の公開とか、削除ポリシーの公開とか、それだけでどこまで十分なのかどうかという議論は、今後必ず必要になってくるのではないかなということもありまして、先ほどのような質問をさせていただきました。もちろん、今後検討すべき課題なのかとは思いますが、総務省の中の検討会などでどういった議論があるのかなというのでお聞きしました。
質問の背景であって、別に追加の質問ではございませんが、私はそういった背景で質問をさせていただきました。
お二方とも丁寧にお答えいただき、ありがとうございました。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
特に追加を求めるものではないということでよろしいですか。
それでは、柿沼委員、お願いします。
○柿沼委員 柿沼です。御説明いただきまして、ありがとうございました。
総務省様に、まず、御質問をさせていただきたいと思います。
インターネット上の違法情報への対応は、現行制度では、基本的にサイト管理者、プラットフォーム事業者への削除要請という個別単位での対処が中心となっています。
しかし、違法情報の流通は社会的影響が大きく、個人の対応能力に依存させることには限界があると考えます。
この点に対し、国レベルでの体系的な支援や相談窓口の整備について伺いたいと思います。
例えば、総務省様が支援する違法・有害情報相談センターでは、削除依頼方法の助言を行っていたり、警察庁が運用するインターネット・ホットラインセンターでは、違法・有害情報の通報を受け付けて、警察への情報提供や、サイト管理者への削除依頼を行っていたりしていると、こちらについては承知しているのですけれども、これらの取組は個別対応を補完する重要な制度と考えられますけれども、国として、さらに包括的な支援体制や、ワンストップ窓口の整備を検討しているか、また、利用者が適切に通報や相談ができるよう、周知の方法や教育の強化について、どのように考えているのか伺いたいと思います。
私自身としては、個別にプラットフォームごとではなく、一括削除要請などがあればいいかなというところもありまして、お伺いいたしました。
それから、2点目です。デジタル ポジティブ アクションについてです。
総務省様がつくられているフィルターバブルや生成AIのはじめの一歩などについては、消費者教育などを行う際に利用させていただいております。また、総務省のトップページから、デジタル ポジティブ アクションに入ることもできることも活用しやすいなと思っています。
これを踏まえて1つ目として、ICTリテラシーを効果的に推進するためには、総務省様だけではなく、教育とか雇用とか産業などに関連する省庁との連携を強化する必要があるのではないか、横断的な体制を構築することが重要だと考えています。この連携の取組について教えていただきたいと思います。
そして、2つ目なのですけれども、デジタル ポジティブ アクションについて、様々な企業の取組情報が非常に充実している一方で、量が多く分散しているため、マッピングも用意されていますが、利用者にとっては少し活用しづらい面があるかなと考えています。企業が協力して1つのものをつくることによって、情報の利便性が大きく向上すると考えますので、その辺りについて、何か検討していることがあったら教えていただきたいと思います。
また、国民に届いているのかの周知の方法や、統計を取っているか、その場合は、数値がどのように向上しているかなどについて、分かるものがあれば教えていただきたいと思います。
それから、宍戸先生についてです。よろしくお願いいたします。
ICTリテラシーの向上において、消費者団体の取組について不可欠であると考えを述べられておられました。
特に、デジタル空間における消費者責任をどのように育成し、社会に根づかせていくかについては、行政、それから学校教育だけでは十分に対応し切れない領域もあると思われます。
そこでお伺いしたいのは、こうした消費者団体の特性を生かしながら、ICTリテラシーの向上や消費者責任の育成にどのように取り組むことが効果的なのかなという点について、何かヒントがあれば教えていただきたいと思います。
以上です。
○鹿野委員長 それでは、総務省様、お願いします。
○総務省情報流通行政局情報流通振興課大澤課長 柿沼先生、ありがとうございます。
まず、窓口に関する御指摘については、御指摘のように、違法・有害情報相談センターを総務省で運営させていただいております。また、警察庁ではIHC、それから法務省の人権擁護の観点からも、利用者の皆様方から御相談に乗り、そして、それを事業者に情報提供する、削除要請をする、このようなこともなされていると承知しております。
それぞれ、例えば、総務省でありますと情報流通という観点から全般的な御相談に乗っており、IHCですと、刑法等専門的な立場から知見を持っていらっしゃる立場から判断して警察に情報提供したり、事業者に情報提供したりしています。
法務省も、また人権擁護という観点からの専門性を持って対応しているということでありまして、ワンストップという御指摘がございましたけれども、我々としては、現時点では、こうした専門性を生かしながら、されど、やはり連携をしながら、連携する仕組みといいますか、相互に情報の共有をするという取組はさせていただいておりまして、そうした中で、なるべく利用者の皆様方、消費者の皆様方に分かりやすい窓口であるとか、周知の方法であるとかを考えていければと考えております。
それから、2点目の教材については、フィルターバブルであるとか、生成AIのコンテンツ、先生も使っていただいているということで大変ありがとうございます。これも省庁との連携ということの御指摘でありましたけれども、先ほど申し上げたように、文科省などとは連携をさせていただいており、なるべく教育の現場に届くように対応させていただいております。
1つのものをつくっていく、これも1つのやり方とは思いますけれども、プラットフォームサービスにそれぞれのサービスに特性がある中で、それぞれのサービスにおける注意点でありますとか、様々な工夫をしていただいているというのが今の実態でございますので、総務省としては、様々ある教材・取組を可視化して、マッピングをして見やすくするということによって、利用者にしっかりとお届けをできればと考えております。
どれだけ届いているのかということにつきましては、ちょうど昨年の1月から始めたこの取組の状況を、今まさに、どれだけ効果があったのか集計をし始めているところでありますので、しっかりと見極めながら今後の活動につなげていきたいと考えております。
以上です。
○鹿野委員長 宍戸教授、お願いします。
○東京大学大学院法学政治学研究科宍戸教授 柿沼委員、ありがとうございました。私からは3点申し上げたいと思います。
第1でございますけれども、昨年のレスキューサービスの御検討に呼んでいただいたということを申し上げましたけれども、私もあのような場で気づかされたわけでございますが、SNS上の消費者被害、あるいはSNSに起因する消費者被害、やはりこれを把握されているのは、そして声を上げていただくのは、消費者あるいは消費者団体の方が起点だろうと思います。それは非常に重たいものだと、私は思っております。
また、それに合わせて、消費者の方が持っておられるSNSの、あるいはSNS上の様々な問題あるいはSNSの個別サービスに対するポジティブなイメージ、あるいはこういうことがあったほうがいいというイメージとか希望が的確にまとめられるということは、恐らく事業者あるいはSNS、例えば広告を出すということを含めて利用される様々なプレーヤーにとって、非常に重要なことだろうと思います。それが消費者教育等も含めて、まず、出発点になるだろうと思っております。
2点目でございますが、そのような消費者の方々の、言わばかなり生に近いような様々な課題意識や問題が、実効的に教育という形で利用者に届くという上では、やはり、私は事業者を利用する、あるいは事業者と連携するということが不可欠だろうと思います。
しばしば、海外プラットフォーム事業者に限らず、SNS等のインターネットのサービスの事業者の方が、消費者の方々と対話して実効的な取組をしていこうと思ったときに、その消費者のおっしゃっていることが分かるというか、抽象的には分かるのだけれども、自社との関係で具体的にそれが何を意味するのかということがよく分からないといったところというのも、しばしばあるわけでございます。
逆に、消費者の方々からしますと、SNSのサービスの展開とか、機能とかが非常に早かったり多かったりして、やはりこれは、よく分からないところがあるのだろうと思うのです。
その意味では、SNS等の事業者と、それから消費者の方々の間の、言わばそれぞれの課題意識として持っていることの突き合わせとか、逆にSNSの側からの情報提供を受けて、消費者の方々の中で腑分けして見ると、この問題はこうであるという、そういう実効的な対話ができることが、最終的に、例えば、事業者を通じて利用者の方々に消費者教育の情報を届けるといったことにもつながるのではないかと思います。 そういった、言わば、両者をつなぐようなお仕事が、政府、例えば消費者行政等に広く期待されているのではないか。例えば、消費者教育という目的で、そういった連携をすることのコーディネートをしていただくといったことが、重要なのではないかと感じているところでございます。
第3に、例えば事業者のサービス上を通じて、言わば幅広い利用者に消費者としての責任であるとか、自覚でありますとか、こういうことをしないように、あるいはこういった機能を使ったほうがいいということをアピールしていく上で、特に現代においては、例えば、若い世代のYouTuber、VTuberのような方であったり、あるいは生成AIをどうやって活用したりしていくかということが、どうしても課題になってくるだろうと思います。
そういった点についての消費者あるいは消費者団体の方々の連携でありますとか、あるいは生成AIを活用した適切な発信についても、消費者、消費者団体の方々の取組はもちろんですけれども、それをサポートするような行政あるいは事業者の方々の取組を求められることが必要ではないかと、私は考えております。
以上でございます。
○鹿野委員長 柿沼委員、何かございますか。よろしいですか。
○柿沼委員 ありがとうございました。
まず、総務省さんのデジタル ポジティブ アクションについてなのですけれども、そこに、本当に有益な教材がたくさんあるのですけれども、実は消費者庁の消費者教育ポータルサイトを見ると、教材が載っていないところもありましたので、少し御質問をさせていただきました。
また、宍戸先生におかれましては、大変いろいろな有益な情報を教えていただきましてありがとうございます。
今まで消費者の保護ということに着眼というか、目が置かれがちではあるのですけれども、やはり今後は、消費者の責任とか、自立した消費者というところをもう少し大切に、このネット上についても伝えていくべきなのではないかなというところを感じました。ありがとうございます。
○鹿野委員長 それでは、大澤委員、お願いします。
○大澤委員 総務省の大澤課長及び宍戸先生におかれましては、どうも御丁寧に非常に分かりやすく御説明いただき、ありがとうございました。
宍戸先生におかれましては、大変御無沙汰しております。どうぞよろしくお願いします。
質問がありますが、まず、大澤課長に伺いたいです。すみません、これは事実の確認なのですが、恐らく私の聞き漏らしである可能性が高いかなと思っているのですけれども、スライドの3ページで、総務省の運営する違法・有害情報相談センターの相談件数は高止まり傾向にありますというのは、やはり今インターネット上の、それこそ誹謗中傷とか、いろいろ考えたら、そうだろうなと思いつつ、これは数字の問題なので、私の率直な印象なのですが、6,400件は、意外と少ないのだなという印象を私は個人的には持ちました。
例として挙がっているのが、いわゆるスポーツ選手に対する人格否定であったり、あとプライバシー侵害であったりということなのですが、次の4ページのスライドを見ると、そもそも情プラ法の迅速化規律の対象、あと、透明化規律の対象というところで、恐らくここに、例えば、いわゆる偽情報・誤情報がどこまで関わってくるかというと、あまり入ってこないのだろうと理解をしたのですが、あるいは違法情報というのも、何か法令に違反する情報ということですし、あと、権利侵害情報というのは、名誉毀損と著作権侵害のものなので、例えば自分が描いた絵が、SNSで勝手に使われているとか、そういう話かなと思っているのですが、私が伺いたいことというのは、相談件数の多くというのは、やはりその権利侵害、名誉毀損であったり、いわゆる誹謗中傷であったり、そういうものが中心であるという理解でいいのかということ。
あとは、誰が相談をしているのかということで、この相談センターのサイトも拝見したのですが、基本は、被害者本人が相談をしていると理解しているのですが、そのような理解でよろしいのでしょうかということです。
というのは、ここに挙がっている例でいうと、ミスをしたスポーツ選手の人格を否定するような投稿というのは、確かにSNSとか、あるいはSNSではなくても、いわゆるあまり個別の媒体を出すのはよくないかもしれませんが、記事にコメントをつける機能が大体どこもあると思うのですが、そのコメントとか、結構ひどいものというのがあるというのは、私はスポーツを見ますので、そういうのがあるのは把握しています。
ただ、なかなか実際、人格を否定されたスポーツ選手本人が、相談をしているというのは、どうなのでしょうか、そんな時間もないというか、なかなか本人は、あえて見ないようにしているとか、いろいろあるかもしれないので、結局は、例えば球団が相談したりとか、あるいは、例えばこれを見たほかのファンとか、一般の人たちが、ちょっとこれはひど過ぎるのではないかということで、それこそSNSで報告したりとか、そういうのもしていると思うのですが、この相談センターというのは、あくまで被害者が相談をしているという理解でよろしいのでしょうかと、そういう事実になります。そうだとすれば、6,400件というのは、確かにそのぐらいなのかなと思いました。これが、大澤課長に対する質問です。
宍戸先生に対する質問は、すみません、すごく雑駁な質問で申し訳ないのですが、私、今回伺っていて非常に気になったというか、なるほどと勉強になるなと思ったのが、先生のレジュメの2ページの下のほうの「報告者の考えるデジタル空間における消費者利益の保護の課題」というところの「政府の役割」というところです。
政府の役割ということで、本当に確かに政府は、いろいろな役割が、今日お話を伺っていても、あるいは大澤課長のお話を伺っていても本当にいろいろあるのだなと思ったのですが、それとともに併せて気になったのが、3ページの真ん中より少し上のところですが、一般論として、国家がユーザー間の情報流通の規制をDPFに義務づけることは、媒介者を通じた検閲たり得ると、DPFによる自主規制に委ねることは、DPFによる私的検閲や競争法上の課題を生じさせるということで、かつ、そのすぐ下ですが、DPF自身が、確かに消費者保護について知見とかを持ち合わせているわけではないので、政府との協働が必要であるということで、私、全くそのとおりであると思いますし、非常に共感をするところが大きいわけですが、ここでの政府の役割ということで、2ページのスライドに戻っていただくと、規制者としての政府の役割というのが、どこまであり得るのかという、とても雑駁なことを伺いたいと思っています。
例えばですけれども、例として挙げると、私、日頃フランス法と比較して勉強していますが、フランスだと2024年にできた法律の中で、一方で、DPFに対して、例えば一定の違法情報などに対して、ディープフェイクとか、そういうものに対する対策を取るようにと、一方でDPFに対して、やはりそういうことを課している一方で、他方で政府のほうでは、いわゆる詐欺情報のフィルタリングシステムというのをつくるということが法律の中で書いていました。
主には、いわゆるショートメール、携帯電話のSMS機能や、あるいは電子メールでの詐欺的なメールを、恐らくAIを使ってフィルタリングするというそういうシステムを、もう政府としてつくるのですという、これは、今、やはり情報が消費者にとってもいろいろ飛び交っているので、いわゆる正しくない情報というのを排除できるような、そういうシステムを政府としてつくりますということが、その法律で目指されていることであろうと私は思っています。
そのときに、宍戸先生のレジュメの中でも、例えば広告主に一定の責任を持たせるということですとか、あるいは発信者の責任というのを持たせるということで、私は、これはあり得る話だと思っているのですが、そういったことを政府が、例えば、法律をつくって、そして、それを規制するという形で行うということがどこまでできるのかと。
私は90年代に憲法の授業を受けていましたが、どうしても表現の自由との関係というのが、この種の話で出てくると思うのですが、明らかにブラックな情報を、もう法律に違反しています、景品表示法に違反するような、うその広告ですというのであれば、今でも消費者庁が、これに入っていっていますけれども、なかなかそこまでは難しいなと。例えばですけれども、特に未成年者あるいは青年だけれども若者向けに、非常に刺激的な広告を出している。別に、いわゆるわいせつなものとかではないのだけれども、そういう必要のないような消費活動をさせるような、そういうものもさせているというときに、そういったものに政府が内容に踏み込んでいくということが、特に表現の自由とか、そういったことから今後どこまで許されるのだろうかという、そういう質問をしたいという、非常に雑駁で申し訳ありません。
とりわけ、今、言いましたように、若者に対するとか、あるいは未成年者は未成年者で、また別の問題があると思うのですが、いわゆる特に弱いと言われる消費者、そういうのに惑わされやすい、実際、若者の消費者相談は、やはりSNSがきっかけというのがありますので、そういうある特定の、どこの情報に引っかかりやすいとか、そういう人を目指したものであっても、政府がやはり入ってくというのはなかなか厳しいのか、表現の自由等々から、すみません、そういった雑駁なことを伺いたいと思います。申し訳ありません、長々と失礼いたしました。
○鹿野委員長 それでは、まず、大澤課長、お願いします。
○総務省情報流通行政局情報流通振興課大澤課長 時間も来ておりますので、簡潔にお答えしたいと思います。
まず、事実関係としまして、この誹謗中傷が、このグラフの中で中心かということであります。手元に数字がなくて大変恐縮ではありますけれども、御理解のとおり誹謗中傷が中心だと理解しております。
この数字は、総務省の違法・有害情報相談センターに寄せられた数字でありますけれども、そういう意味でいうと、少ないとお感じになったのは、そのとおりかなと思っていまして、事業者に削除してほしい、あるいは様々な相談がきっと桁が違う形でいっていると理解しております。
それから、被害者本人からの相談なのかということにつきましては、基本的にそのような形でございます。例で挙げていただいたようなスポーツ選手でありますとか、芸能人につきましては、最近ですと、やはり所属の企業や、芸能事務所が相談をする、これは、行政に対してもそうですし、事業者に対して直接相談するということもあると伺っております。
以上でございます。
○大澤委員 ありがとうございました。よく分かりました。
○鹿野委員長 それでは、宍戸教授、お願いします。
○東京大学大学院法学政治学研究科宍戸教授 東京大学の宍戸でございます。大澤委員、こちらこそ大変お世話になっております。
できるだけ手短に申し上げたいと思いますけれども、問題となる表現が違法なものであると法律上定めて、それに対して規制を行うということが、それが公共の福祉に適合するものであるということが、憲法学のジャーゴンで言いますと厳格審査とか何とかいろいろ申しますけれども、それに適合するものであるという限りにおいて、規制を行うことは、法治国家として当然あるべきものと、私はまず考えております。
問題は、違法と判断する、ある類型の情報発信が、あるいは媒介が違法であるということを判断する、そういう枠組みを定める法的な規範を定めるということと、現にある広告であったり情報発信を、法に当てはめて違法であるという判断を行うということとの間にはやはり若干の問題があるわけであり、とりわけ、それを事前に行うということになると、かねて問題になっております検閲の問題があり、あるいはそれを強制することについては、私人を通じた検閲になり得るという問題があるということになろうかと思います。
もちろん、例えば、ここで問題になる広告、情報が、言わば表現に化体されている思想等との関係とは関係なく、客観的に、特に消費者法上の広告規制は多くの場合そうだと思いますけれども、外形的に行政の濫用なく、あるいは公平に適用できるような違法類型の定め方をしている場合には、行政限りでも、判断ができる、一定の手続でもできるということになるわけですが、そのような仕組みに配慮する必要が、個別情報の認定についてはあるだろう。そうでない限りは、事後の司法に委ねざるを得ないというのが、表現の自由についての基本的な考え方だろうと思います。
そのことを前提に、デジタルプラットフォームあるいはSNS上の問題について申し上げれば、ここで非常に膨大な量の情報が発信され、それをいちいち司法の場で判断するということが、最終的に刑事責任を追及するとかの場合はそうですが、あまり現実的でないというところでどうするかということになるわけです。
しかし、それを行政の側で逐一個別に判断をするとして、責任を課すというのは、先ほど申し上げたような問題が、かなりの場合はある。できるとすれば、かなり外形的、類型的に判断できるような特定の文言が使われているときにこれは駄目だということが、しかもその場合に、適用違憲の問題が生じないということが一般的に言えるような定め方ができる場合に限られるだろうと考えているところです。
そうやって考えますと、基本的には、1つには、事業者の側で、これを違法と定めて、その流通を止めるような体制整備を求める、それが、いわゆる共同規制的な手法ということになるわけであろうと思いますけれども、基本的には、その辺りで、表現の自由への悪影響とか、間接的な附随的な影響を慎重に考えてつくるということになるだろうと思います。
また、そこでの個別の表現内容の規制につきましては、これは、かつて携帯電話のフィルタリングのときに、まさにそういう手法を、青少年ネット環境整備法のもとで取ったわけでございますけれども、違法情報あるいは有害情報の類型は、抽象的には法律で定めるけれども、その言わば具体化をして、このコミュニティサイトは、それに該当する、しないとかといった判断は、民間の第三者的なところ、当時でいうとEMAでございますけれども、そこにおいて、ある種の基準を具体化し、そこではじく、はじかないの判断をするための基準をそちらに策定させるとか多層的な仕組みをして、しかもそれが表現の自由との関係で問題がなく目的達成できるようにと、かなり慎重な考慮をする必要があるのではないかと思っております。
逆に申しますと、そういった慎重な考慮と、全体としてのガバナンスが適切に組まれているということを前提にした上で、目的達成との関係で、大澤先生が御指摘のような一定の取組は、表現の自由との関係で慎重に考えてですが、できる場合があると私は思っております。
以上でございます。
○大澤委員 大変よく分かりました。どうもありがとうございます。なかなか難しい問題であるなと思いつつ伺っていました。よく分かりました。ありがとうございました。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
山本委員、お願いします。
○山本委員 山本です。本日は、ありがとうございました。
何かどちらの立場でコメントないし質問すべきなのか、非常に悩ましいのですが、大澤課長がお話しされたように、DPAは、私、推進会長を務めておりまして、DPAに関していろいろ御意見いただきまして、私も受け止めて、いろいろと検討していきたいと思います。特に他の省庁、あるいは関係省との連携については、やはり重要だと思っていますので検討していきたいと思います。またホームページがちょっと見にくいというご指摘もありましたが、いろいろ工夫はしているところなのですが、さらに工夫できるかどうか考えてみたいと思います。
それから、消費者教育との連携についても小野委員から、あるいは柿沼委員からもお話しいただきました。この消費者教育との連携も、これはDPAから外れるかもしれませんが、個人的な意見としてですが、とても重要だと思っております。消費者基本計画の中で、アテンションですとか時間というものを払ってサービスを得るということも、消費者取引であって消費者問題だと整理されたかと思います。その意味では、情報空間の問題というのは、消費者問題でもあるということについては、消費者保護政策に関わるような皆様に知っていただきたいと思います。例えば、子供に何かお菓子を買うときにお金を払う必要があると、つまり、お金を払わなければ万引きになってしまったりするわけですけれども、こうした取引というのは、多分小学校ぐらいから教えるわけですね。現状、恐らく面白い動画を見るためには、私たちの注意とか時間を払って、そうした動画を見れている。そういう取引を、やはり小学校から教えるということがとても重要だと思います。要するに何も払っていないわけではなくて、実は、お金ではない何かを払っているのだと、逆に言うと、その時間が勝手に奪われるというのは、逆にお金と同じぐらい重要な何かを奪われているということになりますので、こういうものに対する感受性というか、感覚を身につけるということはとても重要で、これは消費者教育としてやっていく必要があるのではないかと思っています。これが1つ目です。
それから、善如委員から、事後の対応については迅速化規律で義務づけているけれども、事前にいろいろ事業者にやってもらうということも必要なのではないかと、現状は少しバランスが悪いのではないかということの御指摘がありました。これはとても重要だと思います。確かに特定の投稿について事前に止めろということについては、例えば、これは政府が関与した場合には検閲に非常に近くなってきますし、慎重でなければいけないわけですけれども、例えば拡散を事前に抑止するというところで言えば、いろいろな事業者が、例えばコメント添削機能とか、あるいはコミュニティーノートをつけたりしている。また本人確認を行っている事業者もいるというところで、投稿がなされたとしても、その拡散を抑止するような措置というのは、いろいろな事業者が取り組んでいるところかと思います。こういったサービス設計上の工夫というのを求めていくということで、事前と事後のバランスを取っていくということは、今後検討に値するのではないかなと思った次第です。
それから、これは、質問を込みで、大澤課長あるいは宍戸先生にも少し御意見を伺いたいのですけれども、今後、例えば行政機関が、既に法律上違法だと定めているものについて、これは違法なものが出ていますよという形で、プラットフォーム事業者に情報提供をしていくということですね。プラットフォーム事業者が削除するとポリシーで言っていて、かつ、法律上も違法だとされているものについて、行政機関が情報提供するということです。こうした情報提供にどれぐらい応えて、例えば対応したのかということについて、今の情プラ法上、公表をするということについて、どのように考えることができるのかということが1点。
そうすると、行政機関から貴重な情報提供があったにもかかわらず、対応していないところと、そうでないところ、あるいはどれぐらい対応しているかということが、言わば可視化されることになると思うのですけれども、こういうことがあり得るのかどうか。
もう一つは、これは、ほかの権利侵害情報も含めてですけれども、これは5月末に公表されると。これは、やはり公表したものをどのように我々が使っていくか、受け止めていくかというのは非常に重要かなと思います。例えば、消費者団体等の消費者保護に関わるような団体が、公表結果をレビューしていくといったことがあり得るのかどうか。
情報的健康の重要性を、いろいろなところで言っているのですけれども、食べ物については、ミシュランの格付があって、食べログがあって、そうしたレビューを見て消費者が選ぶということをしているわけで、レビューが低ければ、我々は選択しないということもある。例えば、公表した結果を消費者団体等がレビューして、これを公表され、どんどん伝わっていくことによって、情報提供への対応や取組に関するインセンティブが生まれていく、あるいは対応しないことに逆にディスインセンティブが生まれていく。先ほど宍戸先生は、社会規範の形成とおっしゃいましたけれども、公表結果は、民間のそういった団体がレビューしていくほうが、ある意味、検閲的にならずによいかと思っているのですけれども、こういうやり方、つまりマーケットにおける事実上のプレッシャーあるいはインセンティブということを、この公表結果に基づいてつくっていくということが、どうなのかということについて、御意見があれば伺いたいなと思いました。
すみません、以上です。
○鹿野委員長 それでは、大澤課長からお願いします。
○総務省情報流通行政局情報流通振興課大澤課長 簡潔に申し上げたいと思います。御質問いただきまして、ありがとうございます。
公的機関からの違法な情報の削除の要請が、あるいは情報提供があった場合の対応につきましてでありますけれども、実は情プラ法の透明化規律の中では、省令におきまして公的機関からの送信防止措置、要するに削除措置を講ずるよう要請があった件数とそれに応じて、送信防止措置を講じた件数、講じなかった件数というのを明らかにすることになっております。5月末までに公表されるレポートの中で、こういったところが、ある程度可視化されてくるのではではないかと考えております。
それから、2点目のレビューの点でございますけれども、これも少なくとも我々情プラ法を施行する立場からは、先ほども御質問にありましたけれども、7日間以内に対応がどれだけ取られているのかという観点からの点検はやっていく必要があると考えておりまして、その方法等につきまして省内で検討を進めているところでございます。
以上です。
○鹿野委員長 宍戸教授、お願いします。
○東京大学大学院法学政治学研究科宍戸教授 ありがとうございます。手短にお答えしたいと思います。
1点目でございますけれども、情プラ法上のスキームについては、今、大澤課長から御説明いただいたとおりかと思いますが、あえて申し上げますと、行政機関等からの削除、あるいは情報提供についても、いろいろな行政機関があると思うのです。例えば、最近だと地方公共団体のほうから削除要請をするとか、あるいは法務省の人権擁護局からするといったことも、いろいろ考えられるだろうと思います。公的機関といっても、それぞれの得意分野でありますとか、求めるスキームの根拠があるのか、形式な手続があるのか、恐らくこれまでその種の議論を海外プラットフォーム事業者の方などとする場合には、要するに、信頼できる行政機関の信頼できる判断であることが保障されているのか、されていないのかといった反問が常に返ってきたところでございます。
逆に言いますと、今後、この種の問題の実効性を上げていくためには、むしろ行政機関等における法的な根拠とか手続とかの整備、こちらが削除を求める側の質の問題です。その検証とか、あるいは透明性が確保されていくのではないかと思っております。これが1点目でございます。
2点目は、情報流通プラットフォーム対処法による、事業者からの情報の提供と、これを消費者の方々の側で、言わば分析していただいて、それをまた評価に使っていただく、これは非常にいいことではないかと私自身は思っております。
情報流通健全性確保検討会におきまして、例えば、いわゆる官民協議会構想のようなものがございましたけれども、まさにそれがうまくワークしないのであれば、協議会のような場をつくって、そこでプラットフォーム事業者の方が、そういう情報を開示して、そして、それを例えば消費者代表の方が見ていただいて、いろいろ御助言や御意見をいただくということを、みんなの場、マルチステークホルダーで行うということはあり得るのではないか。そういう議論もなされていたと思いますし、私自身もそう考えるところでございますので、それは非常によいことであるだろうと思っております。
以上でございます。
○鹿野委員長 山本委員、どうぞ。
○山本委員 お二人ともありがとうございます。
確認的な意味も込めてでしたが、宍戸先生がおっしゃっていたことは、私も本当にそのとおりだと思っています。実はレビューする組織が複数あってもいいような気もします。むしろ複数あることが健全なような気がするのですね。そういうレビューをする団体などに対して、政府がどのように支援できるかとか、そのようなことも、やはり具体的に検討していかないといけない。結局公表しても、それが使われなくて、単に公表しただけということになるのが一番もったいないことでもあるので。
それから、行政機関からの削除要請とか、あるいは情報提供があった場合も、公表されるというお話でしたが、今後宍戸先生がおっしゃったように、ちゃんと的確なところから提供があったのか、恐らくもう少し粒度を細かく、どの機関から、どういうカテゴリーについて情報提供があってということが情報として出てくると、例えば、行政機関による濫用と申しますか、行政機関が恣意的に削除を要請するといったことを防ぐことができる。つまりプラットフォーム事業者をモニタリングすると同時に、実は削除要請する省庁もモニタリングすることになるわけですね。だから、もう少し公表の粒度とか、いろいろ評価についても考えていかなければいけないのではないかなと思いました。
すみません、以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
黒木委員長代理、お願いします。
○黒木委員長代理 お時間のないところすみません。私から2点質問させていただきます。
まず大澤課長にお尋ねします。今まさにレビューの話と連携すると思いますが、私たちは消費者基本計画の実施の評価の観点で今回のヒアリングを行っています。この情プラ法が施行からまだ1年しか経っていないということだと思いますが、今後、例えば情プラ法28条に基づく運用状況の公表が義務づけられていて結果が公表されてきたときに、それに対する評価指標としてKPIを設定していくということを、今、総務省の中で検討されているのかどうかについてお尋ねしたいと思います。
それから宍戸先生にお尋ねします。レスキューサービスに関する議論のときにお話しいただいてからずっと考えていたことなのですが、例えばダークパターンなど、いろいろな広告の問題は、表示内容だけではなく設計プロセスも全部絡んでいて、だから広告のエコシステムということを今日お話しいただいたのだと思っています。
ところが、消費者側で訴の問題を検討するのに必要な法律、例えば景表法は正式名称が不当景品類及び不正表示防止法で、本来は年末の歳末大売り出しのときにハワイの旅行を景品にしていいかとかを規制する法律であり、特商法は制定時には訪問販売法訪販法となっており、実際に家にやってくる人をどうするという20世紀の立法事実を前提として立法された法律です。
現在は広告主からすると、広告設計は、アドテック業者、それからプラットフォーム、広告主といった形で様々な関係者がレイヤーとして分散していて、その中で消費者にダークパターンも含めて様々な広告が表示されるという問題があると私は考えています。
これは、例えばパラダイムシフト専門調査会の報告書では、「アーキテクチャの権力」という言葉でこの辺りのことを表現しているのだと思いますが、そうすると、脆弱性がある消費者に対して、そのような様々なレイヤーがかみ合って大量に広告が来ているという状況では、この広告主、アドテック事業者、プラットフォーマー間の連帯や役割分担に基づく責任を考えなければならなくなります。その場合、景表法や特商法に代わる新法や、これらの法律について新しい発想での法改正の必要性があるか、ないかということについて、宍戸先生のご意見をお伺いしたいと思います。
以上です。
○鹿野委員長 それでは、まずは、大澤課長、お願いします。
○総務省情報流通行政局情報流通振興課大澤課長 ありがとうございます。
KPIの設定ということでありますけれども、28条で公表されましたら、総務省でも先ほど申し上げたとおり、その中身を把握して、分析をしていきたいと考えています。総務省としての主たる観点は、情プラ法の中に規律がございますので、その迅速化規律の法令遵守がなされているかという観点からの点検をするということでございまして、現時点で特にKPIを何か定めるということは検討してございません。
○鹿野委員長 宍戸教授、お願いします。
○東京大学大学院法学政治学研究科宍戸教授 黒木先生、ありがとうございます。
全くおっしゃるとおりではないかと、私自身思っております。的確に消費者に対してリスクを分析して、それが一体いかなるプレーヤーの、いかなる相互作用によって、あるいは誰かが何もしないといったことによって起きるのかということ全体を考えて、的確なコントロールポイントを見いだすという作業が必要だと思います。
それを全体としてお考えいただいた中で、ここはプラットフォーマーが悪いねということがあれば、あるいはプラットフォーマーに対して規制をかける。
そして、そのときに、現行の法体制の中で言うと、例えば情プラ法がいいとか、例えば景表法を改正して、こういう項目を設けたらいいとか、いろいろなことが考えられるのだと思うのですけれども、まず全体像をしっかり把握していただき、そして、的確な取組をする。そして、最終的にそれを、消費者行政の司令塔としての消費者委員会のほうでお考えいただく部分は非常に大きいのではないかと思います。もちろん、総務省と関連省庁と連携の上だと思いますけれども、全体像を、まず消費者行政の側から書いていただくことが、私は非常に期待されていると思います。
以上です。
○黒木委員長代理 ありがとうございました。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
お二方におかれましては、次の御予定があると事前に伺っていたにもかかわらず、かなり時間が押してしまいました。この後、今までの議論を簡単にまとめたいとは思いますが、お時間の都合で退室の御予定があるということであれば、今、退室していただきたいと思います。
本日は、本当にありがとうございました。
(大澤課長、宍戸教授 退室)
○鹿野委員長 それでは、本日、貴重な御発表と御議論をいただきましたので、簡単にまとめたいと思います。
本日は、消費者基本計画の施策の取組状況等に関する調査審議の一環として、情報流通プラットフォーム対処法関連施策を取り上げ、総務省の大澤課長から同法の概要及び運用状況とデジタル ポジティブ アクションの取組状況について御報告をいただき、また、東京大学の宍戸教授からデジタル空間における情報流通の健全性確保、違法・有害情報等からの消費者利益の擁護などについて御報告をいただき、意見交換をさせていただきました。
情報流通プラットフォーム対処法が、なりすまし広告をはじめとする権利侵害情報や、違法・有害情報の被害拡大など、デジタル空間における情報流通の諸課題に対応すべく制定、施行されたこと、その後も有識者検討会で今後の運用等に関する議論が続けられ、また、デジタル ポジティブ アクションの取組を着実に進められるなど、総務省におかれては、制度的取組と利用者のリテラシー向上に向けて、様々な対応を取って来られたということを理解することができました。
また、宍戸教授からは、デジタル空間の情報流通の健全性確保と、消費者利益の擁護という観点から、情報流通プラットフォーム対処法のポテンシャルと課題について、大変重要な御指摘をいただきました。
本日の総務省の御説明にもありましたとおり、なりすまし広告をはじめとする権利侵害情報、違法・有害情報等の発信、拡散は高止まりしており、また、悪質性も高まっております。情報流通プラットフォーム対処法やデジタル ポジティブ アクションを通じてのデジタル空間の諸課題への対応の喫緊性は、情報流通プラットフォーム対処法施行後1年を経て、現在一層増しているように思われます。
他方、宍戸教授の御報告にもありましたとおり、一般論として、国家がユーザー間の情報流通の規制をプラットフォーム事業者に、直接義務づけるということは、媒介者を通した検閲にも当たり得ますし、プラットフォーム事業者による自主規制に委ねるということは、私的検閲や競争上の課題を生じさせ得るという問題もありそうです。
そのような点での限界や課題を踏まえながらも、消費者の利益擁護という観点からどのような対応が可能であり、また、求められるのかという点について、特に宍戸教授からは、エコシステムの全体像を踏まえた総合的な取組について貴重な御指摘をいただきましたし、質疑応答の中でも、さらに具体的な、こういう方向でというような示唆も得られました。
質疑応答、意見交換の中では、総務省からは、情プラ法による対応について、より詳しく御説明をいただきましたし、消費者が加害者とならないためという観点からも、リテラシー向上のための実効的な取組について、御意見をお二方からいただきました。
また、善如委員からは、事業者の取組を促すためには、経済的なインセンティブ設計も組み合わせる必要があるのではないかという御指摘をいただきました。さらに、先ほどの繰り返しになりますが、いろいろな方法を使って、検閲との関係での課題がありながらも、それを消費者という観点からどのように乗り越えるか、問題が大きくなってからではなくて、言わば事前にそれを抑止する方法と課題等についても議論があったところでございます。
当委員会としては、本日の御報告や意見交換を踏まえて、さらに考えていきたいと思いますが、いずれにしても情報流通プラットフォーム対処法の実効性を高めるためには、あるいはより広くデジタル空間における情報流通の健全性を高めるためには、総務省が関係行政機関と連携し、また、関係各組織とも連携しつつ対応していくことが求められるということを改めて再認識した次第でございます。
総務省におかれましては、今後も関係行政機関、事業者あるいは消費者団体等とも連携しながら、あるいは協議を重ねながら、消費者を違法・有害情報等から守る、そういう取組を進めていただきたいですし、そのような取組を、当委員会として強く望んでおります。
本日は、総務省の大澤課長、そして、宍戸教授におかれましては、お忙しいところ御対応いただき、大変ありがとうございました。
《3. その他》
○鹿野委員長 それでは、以上の議題については、これまでとし、その他として、委員会に寄せられた要望書・意見書等について、事務局から御説明をお願いします。
○友行参事官 それでは、資料といたしましては、参考資料の1の1と、それから参考資料の1の2になります。
まず、参考資料の1の1でございます。
こちらについては、消費者委員会に寄せられました要望書・意見書の3月分となっております。
まず、1つ目でございます。
電気通信事業者による、いわゆるキャリア決済等の倒産手続の場面における適正化を求める意見書ということになっております。
右側のポイントの1つ目のところでございます。携帯電話等の通信役務を提供する電気通信事業者は、利用者から破産手続または民事再生手続の事務処理の委任を受けた弁護士が、受任の事実を明らかにした上で、携帯電話等の利用を継続するため、通信役務提供契約による債務のみを弁済しつつ、同契約以外の端末代金の分割払いやキャリア決済債務の弁済をしないとの扱いを求めた場合には、これに応じることなどという内容になっております。
それから、参考送付といたしまして、HPVワクチンに関するリーフレットの改訂に当たっての要望書というものをいただいております。
3月につきましては、これ以外に個人の方から8件の意見書等を寄せられており、内訳といたしましては、取引・契約関係が1件、その他7件となっております。
また、今月は、国民生活センターから公表されました記者公表案件の一覧、1月分から3月分についても御報告いたします。資料につきましては、参考資料のほうになっております。
こちらは、1月から3月までのものをまとめて、このように整理しております。
1つだけ御紹介いたします。上から3つ目の1月に公表されたものでございます。「ネットで手軽に買えるけど『やめられない』?!医薬品のネット通販による定期購入にご注意!」ということでございます。
こちらは、定期購入についての注意喚起でありますけれども、商品が医薬品となっております。医薬品というように、薬機法で薬の安全性ですとか、それから効能に関する表示といったものの厳しい規制が、本来はあるものとなっていると思われます。それが、定期購入という形で消費者トラブルを起こしているということになっております。
件数といたしましては、2024年度に2,066件、直近2025年のデータが、最近のものですが、2024年度に比べても増えるような形になっているということでございましたので、御紹介いたしました。
事務局からは以上でございます。
○鹿野委員長 説明ありがとうございました。
委員から、この点について何かありますか。黒木委員長代理、お願いします。
○黒木委員長代理 本日、午後にも支払制度に関する専門調査会がありますけれども、日弁連のキャリア決済に関する意見書も含めて、様々な関係団体から大変注目されていると思いますので、そういうことの1つだと思っております。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
ほかは、よろしいですか。
ありがとうございます。これらの意見書等については、必要に応じて消費者委員会の今後の調査審議において、改めて取り上げることといたしたいと思います。
決済制度については、今、黒木委員長代理から御指摘がありましたように、既に当委員会における専門調査会で深く取り上げているところでございます。
《4. 閉会》
○鹿野委員長 本日の本会議の議題は以上になります。
最後に事務局より、今後の予定について御説明をお願いします。
○友行参事官 次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。
以上です。
○鹿野委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。
お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。
(以上)