第486回 消費者委員会本会議 議事録
日時
2026年4月14日(火)10:00~11:25
場所
消費者委員会会議室及びテレビ会議
出席者
-
- 【委員】
- (会議室)鹿野委員長、黒木委員長代理、柿沼委員、善如委員
- (テレビ会議)今村委員、大澤委員
-
- 【説明者】
- 消費者庁新未来創造戦略本部 黒木次長
- 消費者庁新未来創造戦略本部 小田総括室長
-
- 【事務局】
- 小林事務局長、吉田審議官、友行参事官
議事次第
- 消費者基本計画の施策の取組状況等に関する調査審議(新未来創造戦略本部の取組)
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
《1. 開会》
○鹿野委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。
ただいまから、第486回「消費者委員会本会議」を開催いたします。
本日は、黒木委員長代理、小野委員、柿沼委員、善如委員、そして、私、鹿野が会議室にて出席しており、今村委員、大澤委員がテレビ会議システムにて御出席です。
なお、小野委員、中田委員、原田委員、山本委員は、本日、所用のため御欠席と伺っておりますが、中田委員はもしかしたら途中で可能な限り御出席されるかもしれません。
それでは、本日の会議の進め方等について事務局より御説明をお願いします。
○友行参事官 本日もテレビ会議システムを活用して進行いたします。
配付資料は議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
《2. 消費者基本計画の施策の取組状況等に関する調査審議(新未来創造戦略本部の取組)》
○鹿野委員長 本日は、消費者基本計画の施策の取組状況等に関する調査審議の一環として、新未来創造戦略本部の取組について御議論いただきます。
第5期消費者基本計画において、消費者庁新未来創造戦略本部は、徳島県等の実証フィールドを活用して、先駆的な取組の試行や施策効果の検証を通じて、全国への発信を目指したモデルプロジェクトを実施するとされており、その取組については、消費者行政の発展や新たな課題の解決、EBPM、つまり、証拠に基づく政策立案にも資するものとして、委員会としても期待をしながら、定期的にその進捗状況について確認をしてまいりました。
新未来創造戦略本部では数多くのプロジェクトが実施されていますが、本日は、新未来創造戦略本部の取組の概要のほか、本年3月17日に開催された令和7年度消費者庁新未来創造戦略本部成果報告会での報告の中から、特に見守りネットワークに関する取組及びMCI・軽度認知症への対応と連携のガイド、認知症と消費者トラブルに備えるガイドについて御説明いただき、その成果や政策への反映に向けた活用について意見交換を行いたいと思います。
改めて御紹介させていただきます。本日は、消費者庁新未来創造戦略本部の黒木次長、小田総括室長に会議室にて御出席いただいております。本日はお忙しいところ、どうもありがとうございます。
それでは、早速ですが、20分程度でまず御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○消費者庁新未来創造戦略本部黒木次長 ただいま御紹介いただきました、消費者庁新未来創造戦略本部次長の黒木でございます。
本日は、新未来創造戦略本部について、また、その取組について御説明、御紹介させていただきます機会をいただきまして、ありがとうございます。
時間もございますので、早速ですが、資料に基づいて御説明をさせていただきます。
まず、新未来創造戦略本部の概要でございますが、あまり長くなってもと思いますので、ごく簡単に御紹介をさせていただきます。新未来創造戦略本部につきましては、既に御承知のことかと存じますけれども、設置経緯といたしましては、2017年7月にまず試行的にということで消費者行政新未来創造オフィスというものを徳島に設置し、3年後をめどに検証・見直しをした結果、それを踏まえて、2020年7月に恒常的な拠点として現在の消費者庁新未来創造戦略本部という形で運用しているものでございます。
組織の概要につきましては、本部長は消費者庁長官でございます。次長は私、審議官が務めておりまして、徳島のほうには本部総括室長がおります。また、国際消費者政策研究センターを設けて、様々な有識者の方々に御研究に取り組んでいただいているという状況でございます。
次のページに行きまして、新未来創造戦略本部での取組ですけれども、大きく分けて3つの柱で現在取組を進めております。
一つはモデルプロジェクトということで、徳島県内の自治体等には特に実証フィールドとして御協力をいただきやすいという点を活用して、先駆的な取組の試行あるいは施策の効果の検証等を行う形で取り組んでいるプロジェクトがございます。
それから、真ん中になりますけれども、官民連携等としておりますが、様々な枠組みで柔軟に議論をしたり、意見交換をしたり、情報交換をしたり、あるいは少し将来のことを自由に研究してみたりというような取組をしているものがございます。
また、右端になりますが、先ほども御紹介いたしました国際消費者政策研究センターにおきまして、それぞれの研究テーマに沿った御研究をしていただき、レポート、論文として御発表いただいているという形のものがございます。
次のページをお願いします。
先ほど委員長からも御紹介いただきましたけれども、令和7年度の未来本部の成果報告会を3月に実施してございます。これは去年に引き続き今年も徳島県で開催いたしまして、もちろんオンライン等でどこからでも御覧いただける形にはしておりましたけれども、そこで令和7年度の取組を中心に担当者等が発表するという形で、様々な取組について成果を報告したということでございまして、本日は、その中で見守りネットワークに関する取組、これはモデルプロジェクトのほうのものでございます。それからもう一つ、右側に行きまして、これは研究センターの研究に関するものでございますが、高齢者の認知機能障害に応じた消費者トラブルと対応策の検討に関する研究ということで、こちらの2点について御紹介をさせていただきます。
おめくりいただきまして、まず見守りネットワークのさらなる活用に関する取組でございます。これにつきましては、高齢者や障害者等の配慮を要する消費者に対する地域における見守り活動というものでございますけれども、これは消費者安全法にある消費者安全確保地域協議会、通称「見守りネットワーク」と言っているものでございますけれども、この見守りネットワークのさらなる活用と活性化ということで、どこがポイントになっているかというようなことを検証していくというようなことで取り組んでいただいていたプロジェクトということでございます。
見守りネットワークにつきましては、3つの主な機能として、消費者に情報を届け、注意を呼びかける。それから、消費者の異変に気づく。それから、気づいたこと、異変を消費生活センター等につなぐという役割があるものということでございます。
見守りネットワークには、左側の丸い図にもありますけれども、様々な関係者、機関等が参画いただいていて、各地でそれぞれ地域の実情に応じた工夫がされているものと承知をしてございます。
今回につきましては、見守りネットワークのさらなる活性化ということで、全国的な課題でもありますが、徳島県内におきましても高齢者の消費者被害がやはり後を絶たない状況です。特に徳島県内におきましても、特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺による被害も深刻化しているということで、そのような被害の防止のためにも見守りネットワークの活動の活性化というものが役立つのではないかということでございます。
次のページに行っていただきまして、今回のモデルプロジェクトでございますけれども、コンセプトとしまして、全国の市区町村でも導入しやすいモデルというものを想定いたしまして、ポイントとしては、特に見守りネットワークは、先ほど数ページ前の図でありましたが、様々な関係者が入っているわけですけれども、その中でも公的な活動目標があって連携を取りやすい構成団体というものを対象にし、また、既存の活動を生かして新たな機器とかシステムを導入せずに実施できるような仕組みというものを考える。それから、全国どこの市区町村でも取り組めるようなシンプルで再現性の高いモデルをつくっていけないかということで取り組んだものでございます。
そういう意味で、右下の図にありますけれども、今回、警察、消費生活センター、地域包括支援センターというようなところをターゲットにということで、具体的には次のページになりますが、徳島県の小松島市の皆様に御協力いただきまして、小松島市における見守りネットワークのうち、消費者行政部局としては小松島市市民環境課や消費生活センター、警察は徳島県警察の小松島警察署、福祉担当者として小松島市の介護福祉課や社会福祉協議会、地域のケアマネジャーの方々ということで御協力をいただいたということでございます。
ちなみに、小松島市というのは徳島県東部に位置する港湾都市で、人口は3万4,000名強、高齢化率が37.3パーセントというところになってございます。
次のページに行っていただきまして、先ほど申し上げました消費・福祉・警察の連携強化を考えたということでございまして、具体的には、概要としてはそこにお示ししておりますとおり、見守りネットワークにおける消費者部局・福祉関係者・警察の連携の強化を図って、最初に申し上げましたような消費者トラブル・特殊詐欺等に対する総合的な対応力の向上を目指すということでございます。
実施の内容としましては、最初に各部局に対して事前のアンケートを実施いたしました。それを踏まえて、そのアンケートで分かった課題や不安を解消するために研修会を開き、顔の見える関係を築くということをいたしております。その上で、3段階目といたしまして、この研修会の内容をまとめた成果物を作成して、関係者への周知を図る。これに際しては事後アンケート等も行い、その結果も踏まえて成果物を作成していっているというものでございます。
次のページに行っていただきまして、まず事前のアンケートの内容でございますけれども、各部局に対して、例えば消費者行政部局であれば、他機関との連携の状況でありますとか連携の際に感じる課題などに関する15問、それから、福祉関係者の方に消費者被害に直面した御経験があるかどうかといったこと。また、その対応の状況などに関する15問。それから、警察の方々にも消費者被害事案への対応の御経験があるか。また、他機関への業務内容に関する御認識をどの程度知っておられるかといったことに関する10問という形で事前のアンケートを行っております。
その結果、主なものだけでございますけれども、8ページにお示ししております。
例えば警察の方へのアンケートで、消費生活センターがどんな相談を受けているか知っておられますかという御質問に対しては、あまり知らないという方が大変多いということになっておりますし、福祉の関係の方につきましても、消費者ホットライン「188」を知っていますかという質問に対しては、知らないという回答が多くて、認知度は30パーセントぐらいということになっております。また、消費政策部門につきましても、警察・福祉部局と連携する際に感じる課題は何ですかとお聞きしたものに対しては、例えば緊急度の判断が難しい、どういうところでどのタイミングでつなぐのかといったことに課題を感じておられるというようなことであります。また、福祉の関係者の方も、消費者行政部局や警察と連携する際には緊急度の判断が難しいとか、あるいはどこに連絡すればよいか分からないといった御指摘があるところでございます。
これらの事前アンケートの結果、今指摘したような課題、問題意識等を踏まえまして、顔の見える関係を構築するということで研修会を開催いたしました。内容はパネルディスカッションとグループワークということで構成したということでございます。
研修会に御参加いただいた方の御感想などにつきましては、これまで消費者センターや警察などへの相談には抵抗感があったけれども研修で少し気が楽になりましたとか、顔の見える関係づくりが役立ったといった御意見をいただいたということでございます。
これらの研修の成果等も踏まえまして、成果として、質疑応答集でありますとか、相談をどういうふうにつなぐかといったフローチャートといったようなものを作成いたしまして、それぞれお配りし、御活用いただいているということでございます。
これらの成果についての事後アンケートの結果でございますけれども、福祉関係者に関する事後アンケートでは、消費者ホットライン「188」を知っていますかという質問で認知度が事前アンケートの30パーセントから約70パーセントに増加したというようなことでありますとか、あるいは下になりますけれども、どこに連絡をすればいいか分からないといったことも、事前アンケートでは56パーセントあったのが20パーセントに減っているといった成果が見られるところかと思います。
また、作成しました質疑応答集やフローチャート図につきましては、「参考になると思う」「やや参考になると思う」という御回答を80パーセント以上いただいているところでございます。
次のページは、同じ事後アンケートで消費者行政部局の方へのアンケートでございますけれども、「相談しやすくなった」「やや相談しやすくなった」といった御回答を多くいただいているということでございます。
続きまして、2点目の高齢者の認知機能障害に応じた消費者トラブルと対応策の検討に関する研究について御紹介をさせていただきます。
この研究は令和6年4月に開始いたしまして、内容としましては、医療福祉関係者に対するアンケート、それから、御協力いただける方への個別のインタビューを実施し、令和7年度末、昨年度末に最終報告書を作っていただきました。また、その研究の成果を踏まえてガイドブックを作成し、現在、鋭意配付に努めているところでございます。
実は本研究に先立ちまして、消費生活センター等に寄せられたPIO-NETの情報を分析する研究もしていただき、その結果からも大変有意義な知見を得られ、別途のガイドブックを作成し、企業の方等にも大変好評いただきました。一方で、PIO-NETの情報からですと、相談の内容とかどういう商品・サービスに関する問題があったのかといったことは分かるわけですけれども、当事者の方の認知機能の状態でありますとか、あるいは精神症状などについての情報は不十分であるというような問題意識から、今回は医療福祉関係者を対象にした調査ということでお取り組みいただいたものでございます。 500名に対するアンケート調査から分かった主な結果としましては、中等度の認知症でありますとか軽度認知症・MCIの段階での被害件数が多い。重度になるとむしろ被害件数は少ないということでございますし、あと、軽度認知障害・MCIの当事者では対人接触型の販売手法による被害が多いでありますとか、あるいは相談、連携の初動というものは家族や地域包括支援センターの方によるものが多いといったことが分かってございます。
その中からさらに深掘りをしたインタビュー調査からは、同じように重度は少数でというようなこともございますけれども、②のところにありますように、居住形態であるとか、家族や地域との関係といった心理社会的脆弱性が被害の発生・長期化に密接に関連していることが示唆されたことでありますとか、認知機能の低下に加えましてというか、それとの相関関係もあるのでしょうけれども、特に社交的に誰とでも話をされるというようなことがかえって被害に結びついていたり、あるいは逆に孤独感とか不安などがあるような方という様々な要因が重なって、対応の機会の増加、あるいは断りにくさ、周囲の気づきが遅れる等といったことでリスクが増加しているということが分かったと。また、消費生活センターとの連携につきましては、医療福祉関係者の方々もどこまでどういうふうにしたらいいのかといったこと等についてお悩みがあるというようなことで、なかなかスムーズに行っていない状況が分かったということでございます。
特にインタビューの回答者からの声ということで、次のページで御紹介しております。 医療福祉関係者の最初の連携先としては、家族や地域包括支援センターというのが多く、連携がないというものもございますけれども、消費生活センターというものの数は少なめであるというようなことが分かっているということでございます。
それから、気づきの重要性というところにありますように、被害というものは御本人が気づくことはほぼ少ない、考えられず、発覚するのは家族であるとか地域の方が偶発的に気づくパターンが多いということでございます。
それから、初動対応時の壁としては、お医者様などが消費者被害かなというようなことに気づかれても、御本人の尊厳への配慮、「あなた、だまされていますよ」みたいなことを言うのがなかなか難しいとか、あるいはお医者様ですので、本来の業務でないことに介入していくということへの戸惑いといったものなどがある。また、もちろんお忙しいので、時間的な制約があるというようなことの御指摘などがございます。
また、連携時の壁としては、やはり個人情報をどこまで他の機関に共有してよいのか分からないとか、それぞれの役割分担が不明瞭なので、対応をどこまでしていいのかということが分からないといったお声がございました。
また、要望といたしましては、診断後に御本人であるとか御家族に配付することができる公的なパンフレットなどがあると、こういうものを御参照くださいみたいな感じでお渡しができていいのだけれどもなといったお声があったということでございます。
これらを踏まえまして、5ページになります。研究の成果の詳細は公表しておりますレポートを御覧いただいたらと思いますけれども、研究成果を踏まえまして、ガイドブックを2種類作成しております。一つは医療福祉関係者向けのものでございます。それから、もう一つが患者や御家族向けのものでございまして、医療福祉関係者向けのものにつきましては、なるべく正確な情報をということで、お忙しい先生方あるいは介護の皆様にぱっと使って分かりやすく見ていただけるような一覧性といったものも考慮した作りにしております。また、最終ページ、裏面には一面で気づき・見守り・つなぐというようなことのポイントが分かるような構成ということで作成しております。
それから、御家族や御本人にお渡しいただいたり、病院等に置いておいていただいて手に取っていただくためのガイドブックにつきましては、いろいろなパンフレットが病院等には置いてある中で埋もれないようにということで、シンプルな構成にしつつ、中につきましても視覚的な情報といったものを多めにしまして、受け止めやすい、温かみのあるような内容、表現に配慮して作らせていただいております。
あと、後ろのほうには御研究に参画いただきました研究官の方々のコメントを紹介しておりますが、詳細はまた御覧いただければと思います。
私からの御説明は以上でございます。ありがとうございました。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
これより質疑応答、意見交換を行いたいと思います。時間は40分程度を予定しております。いかがでしょうか。
今村委員、お願いします。
○今村委員 今村です。
御説明ありがとうございました。
高齢者の認知症機能の研究成果についてコメントさせていただきたいと思うのですけれども、まずこの研究成果そのものはすばらしいものだと思いますし、世の中に必要なものだと思いますので、これそのものについておかしいと思っているわけではないのですが、この研究がこちらの組織を代表する成果だというところにちょっと引っかかりがあります。
その背景として、今、私は厚労省関係の研究班もたくさん受けているのですけれども、多分高齢者、認知症関係だけでも二、三百の研究班が走っていると思うのです。成果としては、今はそのうちの一つという内容の成果だと思うのです。これが必要な研究だということは分かるのですが、国全体の消費者対策として代表的な例とするには非常に分野として小さいと思います。
逆に二、三百も走っているので、毎年たくさんガイドブックやガイドラインというのは作られているのです。それがたくさん作られるのですけれども、実際には現場で使われるわけではないというのが現状だと思うのです。こちらのほうでこれだけのガイドブックを作っていただいて、たくさんのガイドブックの中で優先的にこれを医療機関なりで使っていただくための対策というのがちゃんと取られていないと、作ったものが活用されないというのが実際の問題としては今あると思うのです。それは現場での問題が何百もあるので、その中でこれが重要だということを言っていく必要があって、それは問題の数だけ研究班が走っているというような状態だと思っています。
なので、全体像として高齢者対策、認知症対策の中でこの研究班がどういうふうな位置づけで動いているのかということと、代表例とするには各論過ぎるかなと思いましたので、事務局からコメントをいただければと思います。
以上です。
○鹿野委員長 それでは、回答をお願いできますか。
○消費者庁新未来創造戦略本部黒木次長 御指摘ありがとうございます。
まず、この分野については様々お取組が別のところでもなされていて、その中で埋もれないためにも、あるいは活用されるためにも、どのような工夫がされているのかというようなことを御指摘いただいたかと思いますけれども、特にこれだけが目立つようにという意味で役立つということではないかもしれませんが、今回の研究につきましては、特に医療関係者あるいは福祉、介護関係者の方を対象とする調査であったということもありまして、その間には関係する医師会でありますとか、そういうところにも御協力をいただいて調査自体を進めたということでございますので、今回出来上がったガイドなどもそういうところを通じてお知らせする、お配りするというようなことを心がけておりますし、研究に携わっていただいた方も、医療関係の方、福祉関係の方に多く関わっていただいておりますので、そのような方を通じた広報も考えているということでございます。
また、消費者行政の関係でお取り組みいただいた強みというか特徴としましては、消費生活相談の現場をお知りの方にもこの調査研究に関与していただいているということでございますので、消費生活センター等へもこのようなガイドなどもお配りするというようなことをしていければと考えているところでございます。
それから、未来本部における取組として、代表的に高齢者、認知症高齢者の問題に取り組むというのはどうなのかという御指摘でございましたが、特にこれが未来本部の代表ですということで取り組んでいるということではございませんで、今回こちらの委員会でどの件を主に御紹介させていただきましょうかということを御相談させていただいたときに、この2件の御説明をということで、今回はこの認知症の研究と見守りネットワークに関する研究を御紹介させていただきましたが、当然それ以外の取組も様々進めておりますので、特に高齢者、認知症高齢者の分野に特化した研究を未来本部でやっているようなことではないかなと考えております。
○鹿野委員長 今村委員、追加で何かございますか。
○今村委員 ありがとうございます。
この計画そのものがおかしいと思っているわけではなく、非常にいい研究だと思うのです。ただ、自分もずっと認知症対策で様々なガイドブックを作ってきて、これを実際に現場でどう使ってもらうかというのが最大の問題で、今までもたくさんガイドブックが作られて埋もれていっているのです。ですから、作ったものをどう活用するかというところの調整まで含めて初めて世の中に反映されるという状況があって、片や厚労省では何百も研究班が走っていると思うので、そことちゃんと調和を取りながらやっていく。全体像がなかったら、各論としての研究成果というのは多分生かされないだろうと思えるところがあります。その各論を今回代表例として出していただいているので、すごく違和感があったというのが今村の感想です。こういう研究を進めてもらうことは大変いいことだと思うのですけれども、全体像の中でこれをどう生かしていくのかというのはぜひ今後とも考えていただきたいと思います。
今村からは以上です。
○鹿野委員長 ほかにいかがでしょうか。
善如委員、お願いします。
○善如委員 本日は2つのテーマに関しまして、その取組を分かりやすく御説明いただき、どうもありがとうございました。
私からの質問は、いずれか特定のテーマにというよりかは、両方といいますか、全体的な質問でございます。それは、こういった取組を全国に広げていく際に、具体的にどういった方法を取るのかなというところでして、今回徳島県の小松島市で行ったこと、例えば研修会を開催したり、ガイドブックやパンフレットを作成して配付したりだとかというこの取組を各自治体でといいますか全国でやっていくことになるのか、そうではなくて、より根本的な問題としましては、多分スムーズに連絡とか情報共有する体制ができていないというところにあるはずですので、そういった仕組みづくりまでを今後また小松島市で実験といいますか実践して、そういう仕組みづくりまでパッケージみたいなものをつくって、それを全国に出荷していこうとされているのか。そういった辺り、もちろんそれ以外のことを考えられているかもしれませんが、今後のそういった取組の計画に関して教えていただければ幸いです。
○鹿野委員長 それでは、お願いします。
小田総括室長からですか。まず、黒木次長からお願いします。
○消費者庁新未来創造戦略本部黒木次長 御質問ありがとうございます。
適宜室長からもフォローをと思っておりますけれども、まず、御指摘いただきました見守りネットワークの取組はモデルプロジェクトという形で取り組んでいるものでございまして、これは未来本部だけが単独で企画してやっているというよりは、見守りネットワークとか地方消費者行政を所管しております地方協力課のプロジェクトの一つとしてやっているものでございますので、そういう意味では、こういうモデルプロジェクトを通じて得られた成果、あるいは地方協力課もいろいろな地方公共団体と取組をやっていますので、そういうものと併せて、いい取組あるいは全国にも広げていけそうな取組というものを今後どのように活用していくか、あるいは広めていくかというようなことは地方協力課のほうでもお考えいただき、未来本部とも相談をしながら進めていくということになろうかと思います。その際に、モデルプロジェクトという実証フィールドを活用した取組をさらに深めていくものがあったほうがいいのではないかというようなお話がありました際には、未来本部でさらに実証フィールドを活用したということもあり得べしかと思いますけれども、今時点で何かそういうことが決まっているわけではないということでございます。
○鹿野委員長 それでは、小田総括室長、お願いします。
○消費者庁新未来創造戦略本部小田総括室長 少しだけ補足させていただきます。
今、本部次長のほうから説明がありましたとおり、モデルプロジェクトは基本的には4号館の各課室とひもづいていますので、この見守りネットワークのものだったら、東京の地方協力課と連携してやっているところになっています。前年度の取組としては、一旦フローチャートを作ったり、質疑応答集を作るので終わったというところですが、先ほど御指摘にあったとおり、これを全国に広めるということは重要だと考えておりまして、その方法としてどういうことをやっていくのかというのは、今、新しい年度が始まったところなので、地方協力課とも打合せがちょうどスタートしたところなので、見守りのフローチャート図みたいなものを広げていく方法というのは何らか考えていきたいなと思っているところです。
また、フローチャート図を作ること自体は一旦やったことなので、それを全国に広めるにしても、ほかに何かあるのかという辺りは別途追及していきたいと考えています。決して我々はフローチャートを作っていればいいというわけではないので、ほかに何かやれることがないかというのは、常に先を見て取り組んでいきたいなとは考えております。
以上になります。
○鹿野委員長 善如委員。
○善如委員 ありがとうございました。よく分かりました。また今後検討されていくということだとは思います。
ちょっとだけ質問に至った経緯を言いますと、研修会とかを各自治体でやると大変ではないかなと思ったり、さらに人が替わりますとまた毎年しないといけないのかという費用対効果がどこまで見られるのかなというところもあって、それよりかはもっと仕組みづくりのほうが長期目線でよりよい効果、高い効果を発揮するのではないかなと。
ガイドブックとかパンフレットに関しましては、もう少し長い効果を発揮しそうといいますか、もちろん数年おきには改訂したほうがいいのかもしれませんが、一回作ってしまったものはせっかくですので全国に配って、いろいろな情報共有をするというのはいいと思うのですが、問題ごとにいろいろな対応があるのかなと思いまして、エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキングではありませんが、今回どういう感じの費用がかかったのかとか、現場の研修会に参加された方々がどういうコストといいますか、時間的なコストも含めて、いろいろな負担があったのかどうかというフォローアップまでしながら今後に生かしていけるといいかなと思いましたので、これが質問の背景だったので補足させていただきます。これはコメントです。
○鹿野委員長 ありがとうございました。善如委員からはEBPMにも関わる観点からの御指摘もいただきました。
ほかに。
柿沼委員、お願いします。
○柿沼委員 御説明いただきましてありがとうございました。
私からお尋ねしたいことは何点かございますが、まず1つ目、通し番号8ページのモデルのコンセプトということですけれども、ここには全国の市区町村で導入しやすいモデルであることという記載がありますけれども、規模がいろいろな自治体がある中、この研究の成果として何か違いみたいなものがあるのか、どのように考えていけばいいのかについてまず教えていただければと思います。
また、この見守りネットワークの中で、今回は警察と消費生活センター、消費者行政と地域包括センターということで、福祉の担当の方の研究ということですけれども、ほかの連携者、ステークホルダーについて何か研究などを行っていて、その成果について分かったことがあれば教えていただきたいなと思います。
それから、3点目ですけれども、顔の見える関係の構築ということで、こちらはスライドですと通し番号13ページになりますでしょうか。小松島市の見守り関係機関連携強化研修会というのを行っていますが、こちらの参加者が基本的にはケアマネジャーさんのみということになっています。当然ケアマネジャーさんに連携していただくということは分かったのですが、ほかの福祉関係者や警察などについてはこの研修会の中には入っていないということで、こちらについてはこの研修会だけで実際に成果がどのように、ほかのケアマネジャー以外に対して連携を見いだしたのかが分からなかったものですから、教えていただければと思います。
最後ですけれども、警察の消費者窓口の理解について、消費生活相談員としては大変気になるところではあります。集計中ということですけれども、分かる範囲で消費者行政との連携について何が不足しているのかという意見があったのかということについて教えていただきたいと思います。
以上です。
○鹿野委員長 それでは、黒木次長からお答えをお願いできますか。
○消費者庁新未来創造戦略本部黒木次長 1点目が、全国様々な規模の市町村等がある中で、今回のモデルプロジェクトがどのような規模のところになら使えるかとか合うのかどうかというような検証についてということでございますかね。
特に今回は小松島市に実証フィールドとして御協力をいただけたということで、そこでやったということでございますので、これが例えばもっと10倍の規模のところだったらどう活用できるのか、あるいはもっと小さなところだったらどうなのかといったことまでは今回のプロジェクトではまだ検証していないということでございます。そういう意味では、今後、例えばこの成果であります成果物などを全国でも御活用いただいたときに、なかなか実情に合わないというようなお声があるのか、あるいはないのかといったこともフォローしていければ、御指摘のような情報も分かってくる可能性はあるのかなと思いますが、今後のテーマかなと思います。
また、さっきもちょっと申し上げましたけれども、この見守りネットワークにつきましては、小松島市の件だけを消費者庁全体で何か取り上げてやっているということではございませんで、ほかの例えば北九州市でありますとかいろいろなところの例、あるいは徳島でも神山町というところでの取組なども地方協力課のほうで直接やっておられますので、そのようなものについてもたしかちょっと前に成果等が公表されているかと思います。そのようなものとも併せて、様々なタイプの市町村等でどのような取組が有効になっているのかといったことは御参考にいただける情報としてはあるのかなと思っております。
それから、すみません。2点目を聞き逃してしまったので、3点目から先にお話をさせていただきますと、研修会の御参加がケアマネジャーの方だけになっているではないかという御指摘でございましたけれども、まず、今回このプロジェクトを進めるに当たりましては、なるべく新たな御負担が生じないように、既存の研修会の枠組みを利用させていただいたということでございます。その際、今回利用させていただいた既存の研修会というのがケアマネジャーさんの連絡会の研修会の場であったということでございますので、ケアマネジャーの方々が多く参加をいただいたと。また、もちろん警察の方等にも御参加いただきたいということで、準備は進めておったのですが、たまたまそのときに事案が発生してしまったということで、なかなか実際に御出席には至らなかったというようなことであったかと思いますけれども、パネルディスカッションなど、パネリスト等としては御参加いただいたりしておりますので、あるいはその結果等は共有しておりますので、ある程度の連携強化の一助にはなったのではないかなと考えております。
それから、警察の方々に消費生活センターの役割や機能について必ずしも十分な御理解が得られていない可能性というものは、特に事前アンケートなどでは把握できたということでございますけれども、事後のところではまだ取りまとめ中で、また分かりましたら追って御報告をさせていただければと思っております。
それから、すみません。2点目は何でしたか。
○柿沼委員 今回のモデルコンセプトでは、まず1つ目として、全国の市町村で導入しやすいモデルであることということでしたけれども、今回お示しいただいた内容は1市町村でして、小規模の自治体なのかなと思っていましたので、そちらについて何か大規模な自治体にこのモデルが生かせるのかなというところが気になったところと、2つ目といたしまして、今回の連携としては警察とセンターと地域包括センターだけでしたが、ほかの見守りネットワークの中にはいろいろな方がいらっしゃいますので、その方についての連携の仕方などについては、今回のこのモデルプロジェクトの中では何か実際に実施なさっていることがあるのかということをお聞きしたかったです。
○消費者庁新未来創造戦略本部黒木次長 そういう意味では、1点目と若干重なる点があろうかと思いますけれども、今回小松島市での取組につきましては、先ほどもちょっと御説明をしましたが、公的な活動目標があって連携が取りやすいところということで、今回は3機関を中心にプロジェクトを進めさせていただいたということでございますけれども、ほかの取組、未来本部のモデルプロジェクトに限定せずにということで言いますと、地方協力課の見守りネットワークの先進事例のようなものでは、様々な特徴を捉えた、全国の規模も、たしか徳島市と神山町の取組であるとか、あるいは広島市の取組、あるいは北九州市エリアの取組といったものを御紹介しているようなものもございますので、必ずしも中身もそれぞれの特徴に応じてどんなところが参加しているかといったものもそれぞれいろいろな工夫が地域によってあるところに合わせて、先進事例としてこんなふうなこともできているよといったことは御紹介させていただいているということかと思っております。
詳細につきましては、地方協力課のほうで御紹介している報告書がございますので、そちらも御参考にしていただければと思います。
○鹿野委員長 柿沼委員。
○柿沼委員 御説明いただきましてありがとうございます。
公的機関の見守りネットワークの一部の方について、当然連携を強化していただくことによって、消費者トラブルの防止になるということは理解しておりますし、つないでいただいたことによって被害回復できるということの理解も得られたのですが、例えば老人クラブや民生・児童委員さんなどとの連携ということもとても重要と感じております。私の勤務している消費生活センターにも、公的機関の方ではなく見守りネットワークの連携の中に入っている方からの情報提供などもいただいておりますから、その重要性などについても今後ますます御検討いただき、研究なども実施していただければと思います。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
大澤委員、お願いします。
○大澤委員 詳しく御説明いただき、ありがとうございました。
1点は質問で、1点は今回のところよりはもうちょっと全体的なものに対する感想というか要望ということになります。
1点なのですが、小松島市で行われていた件に関しては、今、複数の委員からも出ておりましたので、簡潔にと思っているのですけれども、やはり小松島市でずっとやってきていて、確かにこの種のものというのは自治体側にも協力できるマンパワー等、体制がないと難しいところがあるので、今度は別の自治体で、今度は別の自治体でというのがなかなか簡単ではないというのは非常に理解しています。
ただ、今の柿沼委員の御発言だったり、あるいは善如委員の御発言にも関係しますが、私は実は徳島に拠点が移ったときに、徳島ということは西日本というのですかね。東京よりは全然西のほうにあるので、もう少し西日本の徳島に限らず、例えば九州とか四国でも徳島以外のところだったり、広島、中国地方とか、その辺りの拠点にもなるのかなと勝手に想像していたのですが、実際は徳島の中でまずやっていくというのはもちろんそうなのですけれども、今お話もあったように、北九州市とかほかの地方協力課ではあるということなのですが、今後、今回小松島市で行ったことをほかにどうやって発展させていくかというときに、別のところでもこういうプロジェクトをやってみる。しかも、そのときにせっかくなので西日本でどこかの自治体にお願いして、そのときには、小松島市はたしか人口3万人ぐらいと書いてあったと思うのですが、逆にもう少し大きめの自治体だったり、小さめのほうだとそれはそれで参考になりますが、マンパワーが難しいということであれば、何かほかの自治体を選んで同じようなことをやってみるということはあり得るのではないかと思っています。既に御検討しているのかもしれませんが、そういう御予定があるかどうか。特に西のほうであるかどうかというのをお聞かせいただきたいというのが1点目です。
2点目は、これも簡単に感想というか、全体的なことに対する要望でもあるのですが、今日の資料の2ページ目で全体の組織概要、取組というところ、Wordでいうと1番、2番のスライドになりますけれども、国際消費者政策研究というのを行っているというのが徳島のもう一つの特徴ではないかと思っています。高齢者の認知機能に応じたものに関しては先ほど今村委員が御質問されていたので、私はむしろ例えばデジタル社会における消費者法制の国際比較法研究とか、こちらの研究は私も一研究者としては拝見させていただいていますし、非常に参考になります。
思っていますのは、例えばここに出ていますけれども、今画面共有されている3ページでも、例えばPLですね。製品事故救済に関する民事法制に関する国際研究だったり、あるいはデジタル社会に関するもので、前はダークパターンもあったと思うのですけれども、これだけのエネルギーを使って物すごく大部な研究をなさっていますので、これをもう少しきちんと、例えば立法とかあるいは問題解決をするときに、それは東京にある消費者庁の中で検討会等を立ち上げてやっているのだと思うのですが、もちろん参考資料として配られたりはしているのかもしれませんし、議事資料を見る限り、そういうこともうかがえるはうかがえるのですが、海外のことはたくさん調べてみました、報告しましたというので終わってしまっているようにもやや見えてしまって、なかなか比較法の成果を立法とかあるいは実際の政策に生かすというのはとても難しいというのは、私も比較法研究をしているのでよく分かるのですが、どうしても立法とか政策の在り方を議論するときに、あくまで日本は日本、うちはうちで外は外だからというのが何となく資料とか議事の内容を見ていると感じられるところが正直個人的にはあって、例えばここに今出ている製品事故についてもデジタルについても、もちろん日本は日本でいろいろ考えなくてはいけないのですが、やはりこの分野は発展が早いものですから、せっかくこれだけ海外のことをきちんと調査をされていますので、立法のときにもきちんと参考にして、まさに徳島と東京でちゃんと連携しつつというのをきちんとやらないともったいないなというのが個人的な感想です。
後半は全体のこの政策に関する私の個人的な要望ですけれども、本当にもったいないなと思っていますので、あくまで感想ですのでお答えは結構ですが、1点目については伺いたいと思います。
以上です。
○鹿野委員長 1点御質問と1点御指摘がありましたが、いかがでしょうか。
○消費者庁新未来創造戦略本部黒木次長 1点目の見守りネットワークにつきまして、徳島以外でもと。今回は小松島市でしたけれども、徳島県内で未来本部との関係でというか、未来本部も関わって見守りネットワーク関係で御協力いただいたというのは小松島市に限りませんで、過去、様々なところでも御協力をいただいたことはございますけれども、委員も御指摘のとおり、ここでやりたいですと言えば、こちらが言えば何でもできるというわけではなくて、やはりそのときに、御協力いただける御理解の深い担当者の方がいらっしゃるかどうかとか、そういうことも含めてタイミングなども重要な点かなとは思っていますので、そういうことも見ながら、さらにいろいろなところと取り組んでいくということはあろうかと思っております。
あと、徳島県に限らず、特に西日本のほうで何か取組を広げていけないかということにつきましては、先ほど来御紹介しております広島とか北九州市の例なども既に地方協力課の報告書にありますけれども、さらにどのようなことがあり、あるいは可能性としてあるのかといったことは、地方協力課などとも相談をしながら引き続き考えていきたいと思っております。
それから、2点目につきましては御要望というか御感想ということでございましたけれども、国際消費者政策研究センターの取組について高く御評価をいただいてありがとうございます。そこでの研究は、たしか昨年も同じような御指摘を大澤委員からいただいたかと思っておりますけれども、研究センターでの研究のテーマというのは、例えば来年立法作業をするために何か役立つ研究をというようなことですごく直結した形でやりますと、テーマがそもそも縛られてしまうという面も一方ではある。また、そういうスピード感で研究を深めていただくというのもなかなか難しい面もあり、そういう意味では、もう少し中期的な視点に立った、先取りをしたような御研究、今すぐ何々に役立つ、このための資料を作るということではなくても、数年先には必要になるのではないかといったことに関係するテーマにお取り組みいただくというようなこともいいのかなと思っております。
他方、政策等とのつながりとか、中期的な目線であったとしても、どのようなものに関わって、今、どういうテーマについて研究センター等でお取り組みいただくのがいいのかとかそういうことについては、こんなテーマでやります、やりたいですと言ってきていただくのに全くもってお任せというだけではなくて、消費者庁のほうとしてもどのようなテーマをお取り組みいただきたいかというようなことも考えていくというような方向もないだろうかというようなことは現在内部でも考えているところでございますので、よりこのセンターの自由度というか、そういうものも生かしつつ、かつ政策等にも役立つような御研究をしていただくというようなバランスを取りながら、どんなことができるかというのは工夫をしてまいりたいと考えているところでございます。
○大澤委員 ありがとうございました。
2点目なのですが、私の伝え方がよくなかったと思うのですけれども、私、テーマ設定として、直近の立法に役立つようなのをやってくれということを言っているわけではないです。私が言っていますのは、今のデジタル社会の研究についても、あるいは高齢者の認知機能に関するものでも、今までの海外のPLも全部そうですが、研究自体は非常に高く評価しています。まさに先を見据えた、直近のまさに目先の課題を解決するためのということではないということで私はむしろ評価しています。
なので、徳島の黒木さんとかに言うことではなく、むしろこれは東京の本庁に言ったほうがいいことなのかもしれません。要は、これだけ先を見据えた研究の中にも、今まさに例えば消費者契約法、特商法の議論を本庁でしているところだと思うので、そこでもうちょっと、せっかくこれだけ先を見据えたすばらしい壮大な研究をされているのに、むしろそれに東京のほうがきちんとメンションしているのだろうかと。それが気になって、むしろ徳島のほうからそこをプッシュするというのですか。ちゃんとこういう成果を上げましたのでということをやっていただけるのか、あるいは東京がもっと積極的に徳島の成果を参考にすべきだと。そちらの趣旨に近いのかもしれません。
なので、そういう意味では、今日申し上げるのはあまり適切ではなかったかもしれませんが、私はむしろ逆にそういう長期的な視野に立った研究なので評価をしています。なので、もったいないなと前から思っていたという次第です。
以上になります。失礼しました。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
黒木次長。
○消費者庁新未来創造戦略本部黒木次長 失礼いたしました。そういう意味では、御指摘も踏まえて、どういうやり方がというのは考えていきたいと思いますが、現在も例えば研究成果、論文等を発表いただく機会などは、庁内の職員が誰でも聞けるという形で紹介をして発表していただいて、こういう成果が上がっているということがしっかり伝わるようにという取組はしておりますし、それだけではなくて問題意識から共有して、それでこういう研究が進んでいて、そのうち成果が出るのだということを把握してもらうことも大事かと思っておりますので、そのような方面からも工夫をしていきたいと考えております。
○大澤委員 まさに問題意識の共有だと思いました。どうもありがとうございます。
○鹿野委員長 黒木委員長代理、お願いします。
○黒木委員長代理 私から質問させていただきます。いつも大変丁寧なご説明ありがとうございます。
私は内閣府消費者委員として3期目になりますので、小松島市のことについては第371回本会議、第397回本会議、第421回本会議、第433回本会議でご説明をいただいて、ある意味では定点観測的に小松島市の取組を勉強させていただいています。その点で本当に感謝しています。
以上の本会議で、必ずお尋ねしているのですが、消費者庁と厚生労働省が令和3年10月1日付で「重層的支援体制整備事業と消費者安全確保地域協議会制度との連携について」という文書を発出されています。そして、小松島市は令和6年4月から重層的支援体制整備事業を始めていらっしゃいまして、まさに実験フィールドとして令和3年10月1日の両省庁からの文書が現場でどう機能しているのかについても、徳島県実証するうえで非常に貴重な市町村だと私は理解しています。
今回の報告書を見させていただきましたが、28ページで小松島市の見守りネットワークの構成団体一覧(2025年8月1日現在)をいただいています。この点については、金融機関なども見守りネットワークに入っているという点で非常に先進的な取組をされていると理解していますが、小松島市の重層的支援整備事業の構成メンバーとしては、成年後見センターひだまりというところが記載されています。ここは成年後見制度の支援をするということになっているようです。ご案内のとおり、今年の4月2日に閣議決定された民法の改正によって、成年後見制度が大きく変わろうとしています。その中で、この重層的支援体制整備事業と消費者安全確保地域協議会との連携は、小松島市ではどういうふうに具体的に進んでいるのか、まずその点について教えていただきたいと思います。それが第1点です。
それから第2点ですが、本会議で3月24日にまさに地方協力課の赤井課長にお越しいただいて、地方消費者行政強化交付金というメニューをご説明いただきました。これについては、推進事業と強化事業に分けて、大きく7つのメニューを用意したということです。
小松島市において、この地方消費者行政強化交付金を利用して、令和8年度の地方消費者行政予算あるいはその事業を進めるご予定があるのかどうかについて、この見守りネットワークの先進的なモデル事業だということであればお尋ねしたいです。そして、場合によってはそれが徳島県内でどうなっているのか、徳島県内は見守りネットワークが全市町村に設置されていると私は理解していますので、地方消費者行政強化交付金について徳島県でどういう取組ができているのかについてもお知らせいただければありがたいと思います。
以上2点です。
○鹿野委員長 それでは、お願いします。
○消費者庁新未来創造戦略本部黒木次長 小松島市での今回御紹介をさせていただきました、あるいは徳島県にあります未来本部も関わって進めましたモデル事業としましては、御指摘の成年後見制度が新しく変わるに当たって、それにどのような取組ができるかといった観点から取り組んだものではございませんので、そういう意味では、このモデルプロジェクトで得た知見というか、私が把握しているものの中で、新しく成年後見制度が変わっていくに当たってどういう対応を小松島市としてお考えになっているかどうかみたいなことについては、現時点で把握はしていないということでございます。
また、そもそも新しい制度はまだこれから国会で法改正について御審議があられるところかと思っておりますので、その中身、それにどのように対応するのかといったことについては、私どもでは現時点で何かお話ができることはないかなということで、様子は見ていきたいとは思っておりますけれども、今時点で御回答させていただけるものがないということでございます。
それから、地方消費者行政強化交付金の活用状況につきましても、地方協力課のほうにお聞きいただければと思っております。必要であればお伝えをして、また事務局のほうに御回答させていただきたいと思っております。
○黒木委員長代理 私の1番目の質問の趣旨がうまく伝わらなかったと思いますので、もう一度申し上げます。
私が申し上げたかったのは、重層的支援体制整備事業と見守りネットワークは連携するということが令和3年10月1日付の文書によって両省庁から発出されていて、令和6年4月からは小松島市が両方の事業をやっている、おそらく徳島県唯一の自治体だということです。そこで、先進的な取組として、重層的支援整備事業と見守りネットワークがどう連携しているのかについてお尋ねしたかったのです。
その中の一つとして、今後を踏まえたときに成年後見制度も変わりますので、そういうことも含めて非常に重要なことになるのではないかと考えています。令和6年4月から重層的支援体制整備事業をやっている小松島市が見守りネットワークとの間でどういう連携をしているのかについて、一定程度モデル事業として何か知見があれば教えていただきたかったということです。
○消費者庁新未来創造戦略本部小田総括室長 詳細な御説明ありがとうございます。
我々、小松島市とはいろいろ連携して事業をやらせていただいているところではあるのですけれども、あくまでも我々のモデルプロジェクトの範囲のなかで御協力いただいているだけなので、小松島市の中でどうなっていくのかというところまでは把握ができていないというところが正直なところなので、そういうことをもしお知りになりたいのでしたら、小松島市を直接呼んでいただくとか、そういう形のほうがいいのではないかなと。我々、協力はいただいてはいるのですけれども、監督する立場でも報告を求めることができる立場でもないので、我々がやる中で御協力いただくという範囲でしか物事は把握できていないという形になります。
○黒木委員長代理 分かりました。
令和3年10月1日の発出文書というのは非常に意味があると思ってはいます。そういう意味で、たしか小松島市は徳島県で両方の事業をやっている唯一の地方自治体ですので、そういった観点でも小松島市の実験フィールドとしての活用を今後も利活用していただければ大変ありがたいと思います。
以上です。
○鹿野委員長 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、時間も経過しましたので、最後に私のほうで若干私自身の感想なりコメントを交えながらまとめさせていただきたいと思います。
本日は、新未来創造戦略本部の様々な取組について御説明をいただき、大変ありがとうございました。新未来創造戦略本部は、徳島等の実証フィールドを活用した多様なプロジェクトや調査研究を実施することのできる非常に重要な場であると改めて認識しました。
また、本日は、令和7年度の調査研究の中から、特に見守りネットワークのさらなる活用に向けたモデルプロジェクト及び高齢者の認知機能障害に応じたトラブルと対応策の検討に関する研究、同ガイドブック等の作成を取り上げて御説明をいただきました。高齢化が進展する中で、また、成年後見制度の見直しも進められている中で、高齢消費者の保護の重要性というのはさらに高まっているものと思われます。最後のほうの議論の中で、これらのプロジェクトは、成年後見制度の見直しを見据えたというわけでは必ずしもないというお答えもあったのですが、少なくとも既に国会に法案も提出されておりますし、恐らくは今年中に改正が通るということになると、そのような変化の中で高齢者の保護の在り方をさらに検討していかなければいけない。そういう局面になってくるだろうと思っているところでございます。いずれにしても、高齢者をめぐる問題というのは深刻さを増していますので、そのような状況の中で効果的な取組を研究していらっしゃるということが確認できました。
各プロジェクトについては、次のような御意見や御提言、御指摘などがありました。
まずは見守りネットワークのさらなる活用についてということですが、消費者行政部局、福祉関係者、警察の連携強化が見守りネットワークを推進する上でいかに重要な取組であるかということを改めて実感いたしました。実は、消費者委員会でも地方の消費者行政の視察ということで、3月に、宮城県の大崎市に参りました。小規模な自治体ではあるけれども、非常に連携が取れているところで、その取組状況を伺ってとても参考になったところでございます。今回のこの調査においても、幅広い関係機関の連携ということが非常に重要な要であると感じた次第でございます。そして、関係機関が互いに顔の見える関係を築くということで、消費者被害の未然防止・早期発見に係る初期段階の気づきを専門機関につなぎ、それぞれの強みを生かして有効な消費者被害対応ができると思われます。
今回のモデルプロジェクトの成果が、まだ導入されていない自治体、あるいは少なくとも効果的に導入されていない自治体にどのように周知され、導入の推進が図られていくのかということが重要でありますので、これについてさらに注視していきたいと考えております。
次に、高齢者の認知機能障害に応じたトラブルと対応策の検討についてでございます。認知機能障害等の内容と消費者トラブルの関係について、医療福祉関係者などを対象にして調査するという着眼点も消費者被害の未然防止・早期発見に係る初期段階の気づきを各専門機関の間でつなぐという点で非常に重要であり、先ほどのモデルプロジェクトにも通じるものであると感じました。
成果物としての医療福祉関係者向けのガイドブックと消費者向けのガイドブックについても、それぞれ分かりやすいものになっていると感じました。ただし、今村委員をはじめ、複数の委員からも御指摘があったように、これを今後活用するということが重要であります。こちらもぜひ幅広く様々な関係機関と協力して、成果が活用されるよう働きかけていただきたいと思います。
また、今村委員からは、厚労省などでも多く類似するようなガイドブックやパンフレットなども出していらっしゃるという指摘がありまして、そのような中でこのプロジェクトないし成果物ならではの位置づけということについても御質問、御指摘があったところであります。このプロジェクト自体は非常に意味があるものだという評価もあったところですが、今後、プロジェクトをまた始められ、取り組まれる中で、そのような視点についても意識を持っていただきたいと思います。
それから、その他のテーマについて、大澤委員からは、国際消費者政策研究について非常に意義のある研究をしていらっしゃるけれども、これをもっと積極的に活用することが必要なのではないかという趣旨の御指摘があったところです。もちろん研究というところで、すぐに直近の法改正につなげるということよりもう少し遠い将来を見据えた研究などがなされているということは承知しています。そのこと自体とても意義があるということだろうと思うのですが、やはり中央との連携というところについて、認識の共有を図るなど、成果を活用できるよう工夫していただきたいと思う次第です。
それから、今回、新未来創造戦略本部の活動の位置づけや今後の展開、つまりは全体の在り方について様々な御指摘をいただきました。実は昨年、本会議で御報告をいただいた際に、委員からは本庁との連携や成果の本庁での活用、消費者行政の現場での具体的な活用の方策等が見えにくいなどの御指摘があったところでございます。先ほどの大澤委員の国際研究のところも若干それとも重なるところがあったかもしれません。
本日御説明いただいた2つのプロジェクトについては、消費者行政の充実・強化につながり得る取組であると思われますが、この2つに限らず、ぜひ新未来創造戦略本部のプロジェクトや研究等を、国際研究もそうですけれどもその他のプロジェクトについても、今後の施策等に生かしていただきたいと思います。
また、2つのプロジェクトについても、先ほども言いましたけれども、これらの研究の成果や先駆的な取組をいかにして全国的に幅広く展開していくのかということが重要であります。柿沼委員、大澤委員、善如委員をはじめ、複数の委員から御指摘もあったところですけれども、全国展開をする前提としては、徳島でまずやってみるということの意義はあるのだろうと思いますけれども、徳島だけでいいのかということは問題意識を持っていただければと思います。
限られた地域での実証研究だけでは、いわばデータが不足するということも危惧されるところでございます。消費者庁からは徳島だけというわけでは必ずしもないという御説明もあったところですが、それでも御説明を聞いていると現時点では限られているような印象を受けたところであります。既に委員から御指摘があったように、地域によって人口規模や人口密度、人口構成も異なりますし、あるいは産業構造や交通手段などのインフラの状況も異なります。これらの異なる要因においても展開できるような実効的な施策につなげていくためには、研究の幅を広げる、あるいは対象を広げるという必要があるのではないかと思いました。本日、消費者庁からもお答えいただいたように、地方協力課などとも連携しながら、幅を広げるということについても御検討いただければと思います。
また、善如委員からは、このようなプロジェクトを進めるに当たって、EBPMそれ自体でないとしても効果検証の必要性という観点からの御質問、御指摘もありました。今後、プロジェクトを進めるにおいて、ぜひこのような観点も御留意いただければと思います。
最後に、長くなっておりますが、新未来創造戦略本部への期待について申し上げたいと思います。先ほども申しましたけれども、新未来創造戦略本部は、地方ないし現場における声やデータを拾って、これを分析・検討し、本庁の施策の判断材料を提供するというような可能性を持っているところだろうと思います。また、本庁に先んじて実験的・試行的な取組を行い、その成果を本庁や各地方と共有することによって、今後の施策に生かせる材料を提供するというところも期待されるものと考えます。
先駆的で注目されるような取組を継続するということにより、そこでの成果を日本の本庁や各地方につなぎ、これを広げていってくださいねという話をしたわけなのですが、さらに、日本のみならず海外からも注目されるような存在となるということが、直ちに難しいとしても将来的には期待されるのではないかと思います。先駆的な取組においては、御苦労も大変多いこととは推測しますけれども、引き続き御尽力をいただきますようお願い申し上げます。
消費者委員会としては、新未来創造戦略本部の取組に期待しているところでございまして、今後もその活動に注目し、必要に応じて調査審議を行ってまいりたいと思います。
消費者庁の黒木次長、小田総括室長におかれましては、お忙しいところ、御対応いただき、誠にありがとうございました。
《3. 閉会》
○鹿野委員長 本日の議題は以上になります。
最後に、事務局から今後の予定について御説明をお願いします。
○友行参事官 次回の本会議の日程と議題については、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。
以上です。
○鹿野委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。
お忙しいところ、お集まりいただき、ありがとうございました。
御対応いただき、大変ありがとうございました。
(以上)