第461回 消費者委員会本会議 議事録
日時
2025年6月3日(火)10:00~11:02
場所
消費者委員会会議室及びテレビ会議
出席者
-
- 【委員】
- (会議室)鹿野委員長、黒木委員長代理、小野委員、中田委員
- (テレビ会議)今村委員、大澤委員、山本委員
-
- 【説明者】
- 消費者庁新未来創造戦略本部 黒木次長
- 消費者庁新未来創造戦略本部 小田総括室長
-
- 【事務局】
- 小林事務局長、後藤審議官、友行参事官
議事次第
- 新未来創造戦略本部の取組について
- その他
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- 【参考資料1-1】 ダークパターンってこんなにあるの!?消費者を惑わすWeb表示(令和6年度消費者庁新未来創造戦略本部報告会資料)(消費者庁)(PDF形式:1.91MB)
- 【参考資料1-2】 PIO-NETデータを用いた消費生活相談の地域傾向分析 「データで描く、地域のストーリー」(令和6年度消費者庁新未来創造戦略本部報告会資料)(消費者庁)(PDF形式:2.20MB)
- 【参考資料1-3】 見守りネットワークdeつくらネット!~地域の安全つなげる安心~(令和6年度消費者庁新未来創造戦略本部報告会資料)(消費者庁)(PDF形式:3.97MB)
- 【参考資料1-4】 製品事故救済に係る民事法制に関する国際研究(令和6年度消費者庁新未来創造戦略本部報告会資料)(消費者庁)(PDF形式:777KB)
- 【参考資料2】 消費者委員会 支払手段の多様化と消費者問題に関する専門調査会 委員名簿(PDF形式:106KB)
- 【参考資料3】 委員間打合せ概要メモ(PDF形式:191KB)
《1. 開会》
○鹿野委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまから、第461回「消費者委員会本会議」を開催いたします。
本日は、黒木委員長代理、小野委員、中田委員、そして、私、鹿野が会議室にて出席、今村委員、大澤委員、星野委員、山本委員がテレビ会議システムにて御出席です。
なお、柿沼委員、原田委員は、所用のため本日は御欠席と伺っております。
それでは、本日の会議の進め方等について、事務局より御説明をお願いします。
○友行参事官 本日もテレビ会議システムを活用して進行いたします。
配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
《2. 新未来創造戦略本部の取組について》
○鹿野委員長 本日の議題は「新未来創造戦略本部の取組について」です。
消費者庁の新未来創造戦略本部における取組については、消費者行政の発展や新たな課題の解決にも資するものとして、委員会としても期待をしながら定期的に、その進捗状況について確認をしてまいりました。
新未来創造戦略本部では、数多くのプロジェクトが実施されていますが、本日は、本年3月18日に開催された令和6年度新未来創造戦略本部報告会「ミライの消費者行政参観日@徳島」での報告の中から、新未来創造戦略本部の取組の概要のほか、特に具体的なテーマとして、「ダークパターンに関する取引の実態調査」及び「PIO-NETデータを用いた消費生活相談の地域傾向分析」について御説明いただきたいと思います。
改めて御紹介をさせていただきます。
本日は、消費者庁新未来創造戦略本部の黒木次長、そして、小田総括室長に会議室にて御出席いただいております。本日は、大変お忙しいところ、ありがとうございます。
それでは、恐縮ですが、20分程度で御説明をお願いします。
○消費者庁新未来創造戦略本部黒木次長 御紹介いただきました、消費者庁の黒木でございます。本日は、新未来創造戦略本部の取組について御説明の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
早速ですが、資料に基づきまして、御説明をさせていただきます。
若干既に御承知のこともあろうかと思いますが、消費者庁新未来創造戦略本部の位置付けとか、どのような仕組みになっているかということから始めさせていただきまして、先ほど委員長からも、特に御指定いただきました2件の研究について、御説明をさせていただければと思っております。
資料は「新未来創造戦略本部の主な取組」と表紙に書いてある資料を御覧いただければと思います。
おめくりいただきまして、1ページ目は目次でございますので、その次のページに移っていただきまして、御承知のことかと思いますけれども、消費者庁新未来創造戦略本部の設置に係る経緯について簡単に指摘をしております。
2017年に、まず、消費者行政新未来創造オフィスとして設置をされて、3年後をめどに検証・見直しということで、この見直しを踏まえて、永続的なものとして名前を戦略本部と改めて、2020年以来、現在に至っているということでございます。
この新未来創造戦略本部の機能としましては、徳島県あるいは徳島県内の市町村あるいは事業者の方、消費者の方々の御協力をいただくことができるという利点を生かしまして、モデルプロジェクトという形で実証実験とかも含めた、徳島の場を活用させていただいて、そこでのモデルプロジェクトを消費者庁の本庁の各課の取組などと連携をした形で取り組むというパターンのものがございます。
これは、そこで得られた知見などを踏まえて、全国展開などを図っていくというパターンのものでございます。
もう1つ、消費者政策の研究拠点として、国際消費者政策研究センターを設けております。センター長には京都大学の依田先生に御就任をいただいておりますけれども、センター長の御指導のもと、様々な研究者の方々が、それぞれの研究をしていただいているということでございます。
それについては、あくまでも研究者の御知見と責任においてということですので、比較的自由にいろいろなことの御研究に取り組んでいただいて、様々御発表をいただいているというものでございまして、いろいろなパターンがあるのですけれども、大体研究テーマの策定に当たっては、センター長をはじめ、こういう取組でいいかとか、研究の設計コンセプトなどについて、御審議をいただいた上で研究を始めていただくわけですけれども、大体中間ぐらいでプログレッシブ・レポートというものを出していただくパターンが多くて、最終の報告書としては、リサーチ・ディスカッション・ペーパーという形で、いわゆる論文の形で研究成果を御発表いただくという形で進めております。
その他、様々国際関係のシンポジウムなどいろいろなことをやっています。
あと、災害とかがあったときの非常時の消費者庁としてのバックアップ機能も果たすということで進めていると。
あと、特にコロナ以前に目立った取組だったかもしれませんけれども、働き方改革の拠点ということで、コロナ以降は、あまり、どこでも珍しくもなくなったかもしれませんけれども、積極的にテレワークを推進したりとか、あるいはフリーアドレス制を導入することでペーパーレスにもつながるとか、いろいろとそういうものをもともとやっていて、今も、もちろん続けているということでございます。
おめくりいただきまして、3ページですが、今言ったこととかぶる部分、モデルプロジェクト、それから、国際消費者政策研究のところは、先ほどお話ししたとおりですけれども、組織体制としまして、本部長は消費者庁長官でございますが、本部次長として審議官の私が務めさせていただいております。
昨年以降は、こちらと行ったり来たりみたいな形で進めておりますが、さらに徳島のほうでは室長を置いて、隣の小田が務めておりますけれども、そのような形で進めております。
戦略本部全体での規模というか、人員ということになりますと、いろいろ動きがあるので、特に研究センターのほうは、プロジェクトが始まったら関わっていただく方を非常勤の職員としてお願いをし、終わったらまた別のものをおやりになるのではない限り一旦引いていただくということになったりしているので、結構出入りはあるのですけれども、現在は大体60名ぐらいということになっております。それは非常勤の研究員の方も含めて、そのような規模感で進めているということでございます。
おめくりいただきまして4ページ、こちらがモデルプロジェクトということで、先ほども少し述べましたけれども、東京にあります担当課室と新未来創造戦略本部の担当者が連携して、プロジェクトを進めるという形のものでございます。
実証実験等も活用しながら、徳島という実証フィールドを活用して、様々な取組をしていくというパターンのものということでございます。
それから、5ページにいっていただきまして、これは国際消費者政策研究センターの取組ということでございます。既に最初のところでお話をしたようなことでございますけれども、様々な研究テーマの柱に沿って、いろいろな研究者の方々に研究テーマを持って、お取組をいただいているということになっております。
6ページは、働き方改革という話ですので、先ほど述べたとおりでございますので省略をさせていただきます。
7ページ、8ページで未来本部の様子を写真などで御紹介をしております。
比較的、この4号館にある消費者庁のオフィスとは随分雰囲気が違うということで、明るい環境と、結構広々としていて、気持ちよく業務ができるような環境です。別にここが気持ちよく業務ができないと言っているわけではないのですけれども、大分環境が違うような形になっているということでございます。
それから、9ページ以降が、特に御指定いただきました2件のプロジェクトについて、簡単な2枚ぐらいの紙でまとめておりますけれども、1件目が、ダークパターンに関する取引の実態調査の件でございます。
これは、先ほど御紹介いただきましたように、先日といいますか、4月に公表いただいたものでございまして、この研究リーダーは、昭和女子大学の加納教授にお務めをいただいて、あと、ほかのメンバーも一緒に研究チームということで取り組んだものでございます。
問題意識としては、一般の消費者被害はなかなか少額なのだけれども、いわゆるダークパターンというもので、消費者が不利な意思決定に誘導されているようなもの、かつ誘導されていても、本人もなかなかそのことに気付きづらいということが多いのではないかということで、この分野については、国内外での先行研究も様々あるということで、それらも参考にしながら、国内の日本における状況について、まず、実態把握に取り組むべきではないかという問題意識でお取組をいただいたものということでございます。
具体的にどのような形で進めたかというのを真ん中になりますけれども、ウェブサイトを対象に、AIとかを使ってというのではなくて、チームの者が1件1件見ながらやっていたということでございますけれども、そのサイトを選定するに当たりましては、いわゆるPIO-NETの消費生活相談情報の中から、比較的そのようなウェブサイト系のトラブルがありそうなというか、そういうものを上からピックアップしていったというものが全部で42サイトと。
それから、それだけではなくて、いわゆる売上高が大きい、よく使われているということになるかもしれませんけども、そこから60サイトほどピックアップをして、それぞれ、パソコンあるいはスマホを用いて商品を購入するところの直前まで、それぞれチームの担当者が分担をして閲覧し、記録を取って、どういうダークパターン的なものがあるのかどうなのかといったことを調査したということでございます。
基本的には、ダークパターンは何をもってダークパターンというかというのは、なかなか決まった定義もないということだと思いますけれども、OECDによる分類などを基本にしながら、特に我が国特有のパターンのものがあるのではないかという点については、柔軟にそれも見ながらということでやっていただいたということでございます。
調査結果ですけれども、詳細は、リサーチ・ディスカッション・ペーパーのほうを御覧いただいたらと思いますけれども、事前選択とか、偽りの階層表示あるいはお客様の声とか、強制登録の順で多かったということでございます。
相談情報に基づいてピックアップしたほうのサイトに着目しますと、やはりキャンセルが困難であるとか、隠されている、あるいは執拗な繰り返しというものも、全般の傾向に加えて多かったということ。
あと、ダークパターンだというのが、明らかに分かりやすいものが多いという感じだったということでございます。
また、1つのウェブサイト当たりに、いろいろなパターンのダークパターンが複数見られるというものが多かったということでございます。
売上高に基づいてピックアップしたほうのサイトにおきましては、集計全般のものに加えまして、お客様の声とか、みなし同意といったものが多い傾向にあるかなということでございます。
いろいろ調査をされて把握された特徴としては、複数のダークパターンが組み合わされることで、消費者への影響が強くなっているということが伺われるということが1点。
それから、サイトで特に目立たせているという情報が、例えば、値段が安いですよみたいなこととか、商品が、こんなにこれは良いのですよみたいな、直接的な商品の内容や取引条件に関するもの以外であっても、消費者への意思決定に重大な影響を与える可能性があるということです。お客様の声のようにその商品自体の情報ではないけれども、ほかの人が良いと言っているみたいなこととか、あるいは今だけと焦らせるみたいなことなのかもしれませんけれども、そういったものも、別に商品の内容ではないからといって影響力が小さいというわけではなく影響を与えているということです。
それから、我が国特有のというのは、我が国の法制度との関係でということかもしれませんけれども、未成年者の法定代理人の同意確認に関するダークパターンのようなものが散見されたということで、御報告をいただいています。
本件につきましては、ダークパターンをそれぞれ、事前選択とか、偽りの階層表示とかと言っていても、分かる人は分かるのだけども、ぱっと目に浮かぶ人と、そうでない人がいらっしゃるということで、分かりやすい図というか、それぞれのダークパターンはこんなものですよというものを、絵というか、図というか、それを工夫していただいて発表させていただいたりしているということですので、併せて御覧いただければと思っております。
それから、2点目に御指摘いただきました、PIO-NETデータを用いた消費生活相談の地域傾向分析というものでございます。
これも研究のプロジェクトとして、お取組をいただいてきたということでございます。研究リーダーは、徳島大学の大学院講師でいらっしゃる谷岡先生にお務めをいただいております。
PIO-NETの情報を、いわゆるテキストマイニングを用いて、視覚的にどのようなキーワードが、どの地域で、あるいはどんな年齢層で、これは多いなとか少ないなという特徴としてどんなものがあるかといったことを、視覚的・直感的に分かるような見せ方をすることで、いろいろな情報の分析ができるのではないかということで、お進めをいただいているものでございます。
具体的には、全国を9地域に分けて、その代表的なキーワードを抽出することで、それを日本地図みたいな形にして示すという形でやっているということでございます。
具体的に、12ページ以降に、これまでに発表したものを幾つかお示ししております。年齢で区切ったりということもしていますけれども、イメージとしては、こういう日本地図の形で出しているということで、12ページのものが、13ページもですかね、2024年から年齢別のものを御紹介しておりますという形で、14ページもそうです。これは、その中でも特にSNSに関する相談というものに絞ってやった場合に、どうなるかというものをやったということでございます。
これもいろいろと何回かやっていますので、正直言って、何回も同じテーマでやると、そんなに数か月でころころ傾向が変わるものではないということはあろうかと思いますので、その辺、せっかくの技術ですので、いろいろな活用の仕方があるのではないのかなということを今後考えていければと思っています。
あと、最近少し見直したのは、この日本地図のつくり方なのですけれども、これはこれでリアルに近い日本地図なのですけれども、それぞれ9か所に分けているのだけれども、それぞれの面積が違うので、そうすると、それに応じて文字の大きさが変わってしまうので、それだと誤ったというか、誤解を生む印象を与える可能性もあるではないかということで、日本地図という何かイメージしやすいというか、ぱっと見て分かりやすいものは維持しつつ、この9か所を同じ面積のブロックで工夫してやれないかといったことなどを、最近少し工夫をしたりして、取組を少しずつバージョンアップしてやっていっているという状況でございます。
私からは、御説明は以上でございます。参考資料として、先ほど御紹介をいただきましたけれども、3月でしたかね、未来本部の成果報告会とこれまで言っていたものですが、未来の消費者行政参観日という形で、今回は徳島で開催しました。これまでは東京で開催することが多くて、3年ほど前に徳島で開催したこともあるのですが、今回も徳島で開催し、もう少しいろいろやっている人も楽しめるような感じでというか、発表の仕方なども工夫して取り組んだものでございますけれども、それに関する資料を幾つか参考資料としてお付けをしておりますので、併せて御覧いただければと思います。
○鹿野委員長 御説明ありがとうございました。
これより、質疑応答、意見交換の時間としたいと思います。時間は、恐縮ですが、30分程度でお願いします。いかがでしょうか。
小野委員、お願いします。
○小野委員 御説明をいただきまして、どうもありがとうございました。
消費者行政に関わってということで、実際にどのような取組をされているのかよく分かりました。
それからプロジェクトとして、国際消費者政策の研究について、2つ御説明いただいたかと思います。また、説明をされた以外にも、認知機能の障害のある人に対して御研究を、具体的なガイドという形で分かりやすく、相談担当の人が使えるような、あるいは、消費者志向経営もうたっているところですので、お客様相談などの現場の企業の方にも使えるような有益な取組につながっていると思います。
そうしたプロジェクトについて、どのように立ち上がって、そして進められているかといったところに興味があって質問をさせていただきます。
このことは、消費者行政に関わる研究者を増やしていくということにもつながっていきます。
また、関心を持つ担い手を育てていくということにもなります。つまり、なかなか研究環境が厳しい中で、消費者をテーマに興味を持っていただくということは、その場を提供し、それから人、そして、予算を振り分けていくという具体的なやり方が必要だと思っております。
先ほどの研究プロジェクトの進め方ということ、中間発表もあって、そして、最終的な発表につながるというお話もいただいたわけですけれども、例えば、プロジェクトリーダーは、消費者庁のほうから声をかけるのか、あるいは公募制なのか、どのように進められているかということをお聞きしたいです。
そして、もう1つ、その成果をどのようにつなげていくのかということで、せっかく良いものができていると思いますので、それをどうローカライズしていくのか、展望や実例などがありましたら教えてください。
○鹿野委員長 それでは、お願いします。
○消費者庁新未来創造戦略本部黒木次長 御質問ありがとうございます。
研究センターのほうの研究プロジェクトについてということかと思います。プロジェクトは、何に取り組んでいただくのかとかいうことについては、特段何か消費者庁のほうで、何々先生はこれをやってくださいみたいな形でお願いをしているということではございません。今までの運用では、そういうことではないということです。
あと、どういう方に入っていただくのかというのは、恐らく新未来創造戦略本部が立ち上がった頃あるいはこの研究センターが立ち上がった頃には、何かお取組をお願いできませんかということで、お声がけをしたということも当然あろうかと思いますけれども、常時こちらからお声がけをした方だけがやっていただいているということではなくて、むしろ、こういう研究テーマをしたいということでお持ちいただいて、それを、研究センター長をはじめ、何人かの先生で、その研究テーマが、その消費者政策あるいは消費者分野の研究にとって、どういう意味を持っているのかとか、あるいはその研究の設計として、もう少しこのように工夫していただいたら、よりよくなるのではないかみたいなこととかを御審査いただいたり、あるいは法的に問題がないかとか、権利関係などいろいろなチェックをしていただいた上で、研究テーマとして認定されて、研究を始めていただく形になっています。
最近は、新しい方々よりは、以前にこういうことをやっていただいていてそれは一段落して終わったのだけれども、次は、こういうテーマでやりたいのだけれどもみたいな形で、同じ方がやってくださるというのもあります。そんなに、こちらから指定しているわけではないのですけれども、かといって何でも通るというよりは、センターとして管理を、センター長をはじめ、研究者の目線で見て、研究プロジェクトとして、しっかりしたものになっているかということは見ていただいた上で、進めていただいているという感じでございます。
それが、具体的にどのように役立っていっているのかということでございますけれども、全てがというわけではないですが、先ほども御指摘をいただきましたけれども、高齢者の認知機能に関するものについては、御研究の成果も踏まえて、分かりやすい冊子にして、企業などでも御活用いただけるようなものにしたりとか、そういうことをやっていったり、PIO-NETのデータなどは見やすくして出すことで、視覚的に見ていただくようなものにしていると、そのようなこともあろうかと思いますけれども、さらに、今後それがどういう意味を持っているのかどのように活用していくのかということを、今後より自覚的にして取組を進めていく、あるいはテーマを検討していく必要があるねということは、センター長からも御指摘をいただいているので、更に工夫をしていきたいと思っているところでございます。
○鹿野委員長 小野委員、お願いします。
○小野委員 ありがとうございました。
消費者庁のシンクタンクとしての大きなお役目ということで期待をしております。引き続き、よろしくお願いいたします。
○鹿野委員長 ほかは、今村委員、お願いします。
○今村委員 今村です。御発表ありがとうございます。取組の内容については、よく分かりました。
PIO-NETのデータ分析について、もう少し取組状況を教えてほしいのですけれども、今回テキストマイニングという方法を使われて、この分析をしているのですけれども、私もテキストマイニングを普段から使っていて思うのですけれども、概略としてテキストマイニングを使って把握するという部分と、現実問題として何が問題なのですかということの問題の特定というのは大分距離があって、実際自分でやっていてもテキストマイニングのところまでは面白い作業なのですね。ですので、研究者としては楽しい部分なのですけれども、実際、厚労省とかとのやり取りをしていて、何が問題なのですかというと、その元の文書を、1万とかを読んで特定していくという、恐ろしく地道な作業があるのですけれども、これは、そういう実際の問題を指摘するということにつながるところまで行っているのでしょうかね。実際に研究者の方々は、テキストマイニングで終わってしまう方が多くって、その踏み込んだ地道な部分ということに、なかなか達していないことが多いのですけれども、今の取組状況としてはどうなのでしょうか。
○消費者庁新未来創造戦略本部黒木次長 御質問ありがとうございます。
実は私も、さらに使えないかという観点では、同じような関心を持っておりまして、おっしゃるように、テキストマイニングをして見える形にして、分かりやすい感じがするので、何か面白いことをやっているなと、そこには行くのだけれども、その先どう活用するのかというのは、いろいろ工夫が要るところだと思います。
これまでのところでは、例えば、先ほども少し述べましたけれども14ページのところで、さらにSNSに関する相談に絞ってという形でやったのと、今も、もちろん多いですけれどもSNSが絡むような消費者トラブルというものが増加している中で、そのSNSというものに着目して絞って分析したら、何か見えてくるものがあるかどうかという問題意識で取り組んだということでございますけれども、はっきり言って、あまり全国的にそんなに違いがないので、全国地図で分析する意味があるのかと思うみたいな結果にはなっています。さらに今後、ジャストアイデアなのですけれども、必ずしも全国区で常にやらなくてはいけないわけではないと思いますので、特定の地方で何か目立った被害が出ているのではないかといったときに、この技術を使って分析をしてみて、特徴を素早くつかむということもあるかなと思っています。
もともとは、もちろん研究プロジェクトとして、技術の開発、どうやって分析をするのかということからやっていただいているのですけれども、おおむね、そのテクニックというか、そういうものは研究の先生方でなくても、今、未来本部の職員もできるようになってきているということですので、そういう意味では、今後更に分析というか、いろいろな活用の道がないのかということを考えていければいいなと思っています。
まだ、そこまで今のところ、この分析をもって、この法改正につながりましたみたいなものが何かあるかと言われると、そこまでは行っていないということかと思います。
○鹿野委員長 今村委員、何かございますか。
○今村委員 やはりテキストマイニングというのは、スクリーニングなのですね。何回もやっても結果は変わらないわけで、そのスクリーニングをしたものの中から、本物の問題点なりをどうやって見つけるかというのが、研究のテーマというか、そこがコアの部分だと思うのです。
恐らくテキストマイニングだけでしたら、普通の市販のソフトで誰でもできるという範囲にもなってきているので、それから、どうやってコアの問題点を見つけるのか、今ですと、LLMなどの人工知能を使ってということもやっていますけれども、それでも、そんなに精度よくは問題点を見つけられないので、実際には、人間が全部の問題点を読んで整理をするという作業が、まだまだ必要だという状況があると思うのです。
あくまでテキストマイニングでは、文字と文字との距離をはかっているだけなので、その関係が良いか悪いかさえも、テキストマイニングでは分からないので、そこら辺のところをどうやって踏み込んで、これを活用するのかというのは、ぜひ、今後も踏み込んでいってもらいたいと思います。
今村からは以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
大澤委員、お願いします。
○大澤委員 大澤です。御説明いただき、ありがとうございました。
私は感想のようなことになってしまうのですが、今後の見通し等も教えていただければと思い、手を挙げさせていただきました。2点あります。
1点なのですが、やはりこれだけの研究成果というか、調査結果というのが出ていまして、これを、例えば徳島で、先ほど最後のほうで、こういう形で公表していますというシンポジウムであったりとか、いろいろ成果を披露しているという機会があるということは、十分存じ上げております。
私自身もダークパターンに関しては、いろいろな書籍とかが出てはいるのですが、やはりこう言ってはあれなのですが、いわゆる公的な消費者庁がきちんと調査をして、こういう手口があったり、こういうことがあるということをきちんと実態を調査してくれるというのは、とてもありがたいことで、この研究成果も前から存じ上げておりましたので、非常に自分の研究にもとても参考になっております。
ですので、やはり消費者庁が、こういったことをきちんと、こう言ってはあれですが、お金を出してやるというのはとても大事だと思っています。
この成果を、せっかくですので、本当にいろいろな方に知っていただいたほうがいいのではないかと思っていまして、今、ホームページで、もちろん報告書等も出ておりまして、私もそれを拝見させていただいているのですが、例えば、今後、もちろん徳島でのシンポジウム開催というのもそうなのですが、何かもう少し、例えば、それこそ研究会とか、学会との連携であったりとか、もっとこの研究成果を皆さんに知っていただくためのプランというのが、もしおありだったら教えていただきたいということです。
2点目なのですが、本当は3点あったのですが、1点は、先ほど小野委員がおっしゃっていた人選ですね、どういう方にお願いしているのかという質問でしたが、それは私も全く同じ質問を持っていました。
もう1点は、今までの委員の中で、恐らく出ていない話として、これは半分感想でもあるのですが、国際研究というのを取り組んでいるというのも、1つこのセンターの特徴ではないかと思っております。
個人的なことであれなのですが、私も3年前に、たしか消費者概念についての国際シンポジウムで、この未来創造本部には大変お世話になりました。
そのとき感じましたのは、はっきり言いますと、今、私たちのような研究者が、例えば国際研究、国際シンポジウム等々を開くというのは大変難しい状況にありまして、例えばフランス人であったり、私の場合だとフランスになりますけれども、その研究者を日本に招聘して、そこで講演会を開いてもらったり、あるいは共同でシンポジウムをするというのは、とても厳しい状況です。
極端な話、私の場合は特に予算がないからなのでしょうが、通訳をつけるというのも非常に難しい状況なのですが、3年前にお世話になったときには、通訳の方もきちんと、プロの方もつけていただいて、ですので、私も本当にとても助かったという記憶があって、そして、すごく成果としても充実していたという記憶があります。
フランスだけではなくて、たしかアメリカ、イギリスの先生もいらっしゃったと思います。こういったことを、やはり予算は、もちろんいろいろ限界もあるのでしょうが、やはり、今、研究業界でなかなかここまでのことができにくくなっているのも事実ですので、ぜひ消費者庁の未来創造本部には、とても頼りにしているというか、当てにしているというか、頑張っていただきたいという気持ちがありますので、今後の国際研究であったり、国際シンポジウムであったり、なかなか予算等々、円安もあって招聘するだけでもとても大変なのだろうと思いますが、オンライン等々も活用できますので、今後、何かもっと展開していくというお考えがあれば、とてもありがたいですし、個人的にも非常に興味があります。ぜひやっていただきたいと思います。
先ほど出ていましたダークパターンに関しては、やはりEUでは、もう御案内のとおり、研究等々も非常に発展していますので、EU全体もありますけれども、各国、ドイツ、フランスであったり、その研究者あるいは研究者だけではなく実務家の方の意見とかを聞けるというのは、今、研究者だけでは、また、国内の日本の研究者だけでは難しくなっていますので、ぜひそういったところも頑張っていただきたいと、すみません、それは感想になります。
以上です。
○鹿野委員長 感想ということでしたが、何かございますか。
○消費者庁新未来創造戦略本部黒木次長 ありがとうございます。
1点目、研究会あるいは学会との連携とかということで、何か取組があるかという御質問をいただいたかと思います。
多分、御指摘の趣旨とは違うのかもしれませんけれども、例えば、今日御紹介をさせていただいたダークパターンの調査のことですと、消費者庁のホームページに載せているというだけではなくて、公正取引委員会にCPRCがあって、そちらでのシンポジウムというのか、お取組などでも若干触れられたりとか、あるいはそちらの雑誌などにも紹介してほしいというお話をいただいたりということもあったりいたします。
また、徳島の研究センター内のそれぞれの研究テーマが、これまでは、どちらかというと、一本一本それぞれ完結してやっていただいているわけなのですけれども、それはそれでもちろん良いのですが、お取組をいただいている方々の横のつながりというか、そういうことをやっているのだったら面白いねとか、それぞれのお話とか、どんなことをやっているのかというのを、更にその先の研究に生かしていただくことにもつながるだろうということで、横の連携を図る、あるいは意見交換をするような場というのがつくれないかなということも、実は考え始めておりまして、そういうことも新しい取組として、今後やっていければいいかなと思っています。
すみません、御指摘とは離れているかもしれませんが、そのようなことをやっております。
それから、国際シンポジウムにつきまして、なかなかコンスタントにというのが難しいというのはあるのですが、また良いテーマとか、アイデアとかがあれば、ぜひ進めていきたいと思います。
直近で言いますと、新未来創造戦略本部が主催しているわけではないのですけれども、徳島県の御主催の国際消費者シンポジウムin徳島というものが、今週金曜日に開催されまして、それには消費者庁のほうでも協力をして、食を題材にしたサステーナブルな各国の取組などについて、いろいろシンポジウムという形で意見交換をしようという取組をしたりもしております。
それは、今回は、たしかオンラインではなくて、皆さん、お越しいただく方が多いのではないかと思いますけれども、おっしゃるように、オンラインを活用することでより、スムーズにというか、簡単にというか、開けるということもあろうかと思いますので、そんな取組もぜひ工夫していければと思います。
ありがとうございます。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
中田委員、お願いします。
○中田委員 新未来創造戦略本部の最新の活動報告をありがとうございます。コメントと質問をさせていただきます。
私は、特に喫緊の課題であるダークパターン取引の研究や具体的事例は大変興味深く拝聴し、御説明を伺い、改めてダークパターンか否かの見極めは、消費者にとっては非常に難しいという印象を持ちました。
その上で、消費者自身が気をつけるべき点として、参考資料の最終ページにネットショッピングを行う際の注意点ということで簡潔にまとめていただいたと思うのですが、この4月に行われた実態調査の発表以外に、この注意事項の啓蒙をはじめ、ダークパターンに関する様々な調査の成果は、先ほどの委員の先生方の御質問とも少しかぶる点もありますが、いつ頃、どこで、どのようなプロセスで、消費者行政に反映していくという計画を立てられていますでしょうかということを伺いたいと思います。
背景としては、やはり、この戦略本部で検証された先駆的施策のトライアルや創出されたモデル、あるいは国際消費者政策研究の結果には、多くの新たな気付きや、将来に生かすべき学びがあると思うのですが、調査研究を進めていただくと同時に、その成果や実績を行政に生かすことが、何より大事だと思いましたので、この点を伺わせていただきたいと思います。
2点目としては、ダークパターン取引については、消費者委員会の下部組織の消費者をエンパワーするデジタル技術に関する専門調査会等においても、継続的に調査、議論もされていると思うのですが、そちらでの議論の内容と、未来創造戦略本部の調査内容の違いについても教えていただければと思います。
以上、2点です。
大変失礼いたしました、「消費者法制度のパラダイムシフトに関する専門委員会」でございます。訂正させていただきます。
○鹿野委員長 それでは、お願いします。
○消費者庁新未来創造戦略本部黒木次長 ありがとうございます。
本日御紹介させていただきました、いわゆるダークパターンに関する取引の実態調査というのは、最初の御説明のときにも申し上げましたけれども、研究センターの研究プロジェクトということで、あくまでも研究者個人の責任において、お取組をいただいていると。
そういう枠組みにすることで、自由に御研究をいただけるし、いろいろなものを出していただけるという点が重要かなと思っております。
そういう意味では、例えば、研究プロジェクトがあるから、次は、この法改正をして何とかをしてということを決めた上で、取り組んでいただいているものではないということなので、いまいま、例えば、この先どうなるのかというスケジュールが立っているというものではないという点については、御理解をいただければと思います。
ただ、こういう実態調査という形で研究の成果を出していただいたので、その先、例えば、次にどんなことをしたら、更に役立つのだろうかということは、未来本部のほうでもいろいろ考えておりまして、例えば、まだ、検討中ではあるのですけれども、この研究は職員なり、チームの人が、研究者の方が、その研究者の目でウェブサイトを見て判断をしていったと、どんな状況かというのを判断したということですけれども、それも踏まえつつ、次は、消費者がどのように受け止めているのかという意識調査ということもやってみたらいいのではないかとか、そういうことは考えておりまして、それは、必ずしも研究テーマというよりは、消費者庁、徳島の新未来創造戦略本部の取組として調査できないかといったことを考え始めたりということはしております。
研究の成果自体は、当然消費者庁内で、この実態調査もそうですけれども、消費者庁内の職員向けへの勉強会などでも紹介していただいているので、そういう意味では、そういうものを、更に政策を実現していくほうで活用していくということは続けていきたいと思いますが、具体的にどうかというものがあるわけでは、今のところないということだと思います。
先ほど御紹介したように、ダークパターンにつきましては、必ずしも消費者分野の目だけで見ているかというと、例えば、公正取引委員会なども、公正な取引市場という観点から御覧になっている面もあるかと思いますし、いろいろなところが関わってくるということもあろうかと思いますので、あまり限定をせずにということかと思いますけれども、すみません、あまりお答えになっていないですね。
それから、パラダイムシフトの専門調査会は、研究センターの研究者の責任での研究テーマということではなくて、消費者庁から消費者委員会に諮問をさせていただいて、消費者委員会のほうで専門調査会という形で御検討を進めていただいているものかと思いますので、将来、答申という形で消費者庁に返していただいて、その答申を踏まえて、消費者庁としては、更に政策を進めていくべきものと理解しております。
○中田委員 御回答ありがとうございます。
今の御回答を伺うと、新未来創造戦略本部の研究は、あくまでも研究者自身の責任における研究ということであれば、私の感じたところといたしましては、この内容を消費者庁の予算で消費者庁の一機関として行う必要があるのかといったところが、若干疑問に感じました。
研究者自身の研究ということであれば、それは第三者の研究者に任せて、消費者庁の機関としては、ぜひその内容を行政に反映していく段取りについて、御検討を、もしかしたらいただいているのかもしれないのですが、計画の御検討をぜひいただきたいと感じましたので、お伝えさせていただきます。
○鹿野委員長 黒木委員長代理、お願いします。
○黒木委員長代理 もう中田委員が、私がお尋ねしたいことを全部質問してくださったので、ほとんど重複しますが、このリサーチペーパーの中では、ダークパターンの1つとして隠れた定期購入が挙げられています。
これについては、特商法でも定期購入販売の問題というのは、改正特商法上もずっと続いている問題ですよね。そういう問題について、ここでこういうダークパターンですということをリサーチペーパーの中で書いていただいていることについては、全く異論はないんですが、これを単なるリサーチペーパーです、学者の方々の研究ですというだけでは、宝の持ち腐れではないかと思うんです。
例えば、定期購入やサブスクリプションについては、もうダークパターンだということがリサーチペーパーの中に書いてあるわけですから、このように学者の先生たちも一致していて、しかもPIO-NETでも定期購入販売に関してはずっと苦情が高止まりしているという問題について、このリサーチペーパーなどを使いながら、何か今後考えていくのでしょうか。
消費者庁では現在「デジタル社会における消費取引研究会」があることは知っていますが、そういう庁内の研究会と、徳島のこういう研究との関係も含めて、もう少し俯瞰的に教えていただければ大変ありがたいと思います。
○鹿野委員長 御質問ということで、お願いします。
○消費者庁新未来創造戦略本部黒木次長 庁内の、徳島新未来創造戦略本部の今のいろいろな取組のパターンとして、例えば、東京の各課の政策とかと、より密接に連携して取り組むパターンというのは、本日のヒアリング対象としては御指定が特になかったほうですけれども、モデルプロジェクトのほうが、まさにそういう形で進めているものでございます。
そういう意味では、例えば、ダークパターンに関しても、現在はないのですけれども、今後、庁内のどこかの課の取組と連携をして何かやるということも、そういう取組の枠組みとしてはあり得るものだとは思います。もっともそれはそれで、どこの課の予算で、どういう取組をやっていくのかということと、しっかり調整して取り組んでいくということになるかと思います。
それだけしかないと、逆に自由なというのは変ですけれども、先進的な研究ということがなかなかできない面もあろうかと思います。やはり研究センターという形で、研究者の方々の責任においてやっていただくものがあることによって、こういう実態調査などもできているという面もあるかと思いますので、両方の良いところを生かしていくというのが大事なのではないかと思っております。
○鹿野委員長 ほかは、よろしいでしょうか。
予定していた時間もまいりましたので、それでは、委員から出た意見に私の意見も多少加えて、簡単にまとめたいと思います。
本日は、新未来創造戦略本部の様々な取組について御説明をいただき、ありがとうございました。
新未来創造戦略本部は、徳島等の実証フィールドを活用した多様なプロジェクトや調査研究を実施できる非常に重要な場であると改めて認識しました。
また、本日は、研究の中から特にダークパターンに関する取引の実態調査及びPIO-NETデータを用いた消費生活相談の地域傾向分析を取り上げて説明していただいたところでありますが、デジタル化や高齢化等、消費者を取り巻く社会状況の変化に対応して、これらの取組が行われているということをよく理解することができました。
大澤委員からの御指摘にもあったように、プロジェクトや研究の成果は、国際シンポジウム等によって、世界にも発信され、あるいは世界との間で、海外の研究者との間での情報交換や、意見交換なども行われているということでございました。
消費者問題の国際化ということが言われて久しいわけですが、消費者問題は、いまや一国だけの問題ではなく、多くの国においても共通の問題を抱えておりますし、他国で対策が進んでいるという点も多く見られるところです。そういう意味でも、世界との連携協力が重要であり、ぜひこの点も進めていただきたいと思います。
また、徳島での先駆的な取組や検証が、海外からも注目されるほどになるということも、更に期待しているところでございます。御苦労も多いことと拝察しますけれども、引き続き、御尽力をいただければと思います。
さらに、何点か御発言があったところも含めて述べさせていただきたいと思います。
まず、連携や成果の活用に関してでございます。昨年本会議で御報告いただいた際にも、本庁との連携や、成果の本庁での活用、あるいは消費者行政の現場における具体的な活用等にどうつなげていくのかという点について、委員から質問、御指摘等もあったところでございます。
本日もそれに関連する御質問、御指摘が複数ありました。まず、小野委員からも、どのようにプロジェクトを立ち上げるのか、その成果をどのように活用するのかということについての御質問があり、また、今村委員からも、より具体的に資料の12ページ以下のPIO-NETデータを用いた分析に関する御指摘と活用について、さらに、中田委員からはダークパターンに関する調査の活用に関する御指摘があり、それぞれ御回答をいただいたところであります。
全国展開を見据えたモデルプロジェクトや研究は、国・地方公共団体を通じた消費者行政全体の充実・強化につながり得る取組であり、御説明いただいたように、モデルプロジェクトと研究というものなど、幾つかの異なる枠組みがあるということも承知しているところではございますけれども、大きく見ると、これらは、消費者行政全体の充実・強化につながり得る取組だと理解しているところであり、消費者委員会としても、とても期待しているところであります。
これも中田委員や黒木委員長代理からも御指摘のあったところですけれども、消費者庁の1機関として設置されているということの意味も踏まえて、引き続き、本庁と緊密に連携し、将来を見据えて充実した有益な取組を実施していただくことを期待したいと思います。
自由な研究というところを確保しなければいけないという御回答もありました、研究者としてはその意味が理解できるところもあるのですけれども、その点と消費者庁に設置されているということの意義等のバランスをうまく図っていただきたいと思っているところです。
それから、大澤委員からは、研究成果の周知あるいは学会等との連携についても御指摘がありました。
せっかく、いろいろと良い取組がなされたというところが、あまり知られないままということではもったいないですし、この取組内容の周知をうまく図っていただくということは重要と思いますし、それに興味があって、ほかの研究者、その他の関係者が、それを踏まえて、より良いものにブラッシュアップしていくということが、更にあっていいのかなと、私としても思っているところでございます。
そのような意味でも、ぜひ、閉じこもるのではなくて、もっとオープンな形でほかとの連携を図っていただきたいと思っているところでございます。
ほかにいろいろと御指摘もありましたし、それから、個人的には、本日、御報告はなかった見守りネットワークの問題とか、あるいは製品事故救済に係る民事法制に関する国際研究についても、大変興味を持っているところでございますけれども、予定した時間もまいりましたので、私のコメントは、これぐらいにさせていただきたいと思います。
いろいろ述べさせていただきましたが、新未来創造戦略本部の取組には、消費者委員会としても大いに期待しているところでございます。今後も消費者委員会として、新未来創造戦略本部の取組に注目し、必要に応じて、また、意見交換等をさせていただきたいと思っております。
本日はお忙しいところ、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。どうぞ御退席ください。
(黒木次長、小田総括室長 退室)
○鹿野委員長 ありがとうございました。
《3. その他》
○鹿野委員長 続きまして、支払手段の多様化と消費者問題に関する専門調査会の専門委員についての御報告であります。
事務局から説明をお願いします。
○友行参事官 支払手段の多様化と消費者問題に関する専門調査会につきましては、このたび御事情により、岩澤信子専門委員が辞任される運びとなりました。
新たに細谷佳世美専門委員が指名されましたので、御報告いたします。
現在の構成につきましては、参考資料の2の委員名簿にて御確認いただければと思います。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
専門調査会の構成員について、1名交代があったということでの御報告をいただきました。
《4. 閉会》
○鹿野委員長 本日の本会議の議題は以上になります。
最後に事務局より、今後の予定について御説明をお願いします。
○友行参事官 次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。
○鹿野委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。
(以上)