第455回 消費者委員会本会議 議事録
日時
2025年3月10日(月)10:35~11:45
場所
消費者委員会会議室及びテレビ会議
出席者
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- 【委員】
- (テレビ会議)鹿野委員長、黒木委員長代理、今村委員、大澤委員、小野委員、柿沼委員、中田委員
-
- 【説明者】
- 消費者庁消費者政策課 鮎澤課長
- 消費者庁消費者政策課 杉田政策企画専門官
-
- 【事務局】
- 小林事務局長、後藤審議官、友行参事官
議事次第
- 第5期消費者基本計画案について
- その他
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- 議事次第(PDF形式:180KB)
- 【資料1-1】 「消費者基本計画」に係る消費者委員会の意見聴取について(PDF形式:128KB)
- 【資料1-2】 第5期消費者基本計画(案)概要(PDF形式:2102KB)
- 【資料1-3】 第5期消費者基本計画(案)(PDF形式:776KB)
- 【資料1-4】 パブリックコメント対応状況 ※出席者限り・後日公表予定
- 【参考資料1】 答申書(PDF形式:74KB)
- 【参考資料2】 消費者委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文等一覧(1月分)(PDF形式:159KB)
- 【参考資料3】 委員間打合せ概要メモ(PDF形式:80KB)
後日公表資料
《1. 開会》
○友行参事官 消費者委員会事務局でございます。
本日、開始が遅れまして大変申し訳ございませんでした。
本日、鹿野委員長の出席が遅れておりますことから、黒木委員長代理に司会、議長を代わりにやっていただくことにいたします。
途中で鹿野委員長が御参加された場合には、鹿野委員長に司会進行、議長を代わっていただくということもあり得ます。
それでは、黒木委員長代理、よろしくお願いいたします。
○黒木委員長代理 それでは、委員長代理として当面の間、議事を進行させていただきます。
本日は、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
ただいまから、第455回「消費者委員会本会議」を開催いたします。
本日は、私、今村委員、大澤委員、小野委員、中田委員がテレビ会議システムにて御出席されており、星野委員は、11時頃から出席予定とのことです。
それでは、本日の会議の進め方などについて、事務局より御説明をお願いいたします。
○友行参事官 本日もテレビ会議システムを活用して進行いたします。
配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。
なお、資料の1-4につきましては、出席者限りとなっており、後日公表を予定しております。
以上でございます。
○黒木委員長代理 ありがとうございます。
《2. 第5期消費者基本計画案について》
○黒木委員長代理 本日最初の議題は「第5期消費者基本計画案について」です。
消費者基本計画は消費者基本法に基づき、政府が消費者生活の計画的な推進を図るために定める消費者政策の推進に関する基本的な計画です。
同法において、基本計画の案を作成しようとする際は、消費者委員会で意見を聴かなければならないと規定されております。
消費者委員会においては、2023年末より調査審議を重ね、2024年4月と9月の2回にわたり、次期基本計画策定に向けた委員会としての意見を取りまとめてまいりました。
あわせて、消費者庁及び関係府省庁における次期消費者計画の検討状況について、累次のヒアリングを実施してまいりました。
このたび、消費者庁及び関係省庁において、去年12月から本年1月にかけて行われたパブリックコメントの結果も踏まえ、次期基本計画の原案を取りまとめられたと伺っております。
本案につきましては、3月6日付の文書で内閣総理大臣から当委員会に対して意見が求められております。
そこで本日は、原案の内容について素案からの変更点を中心に、消費者庁より御説明をいただき、答申を取りまとめたいと思います。
本日は、消費者庁消費者政策課の鮎澤課長、杉田政策企画専門官に会議室にて御出席いただいております。本日は、お忙しいところありがとうございます。
それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。
○消費者庁消費者政策課鮎澤課長 消費者庁消費者政策課の鮎澤でございます。
私から、次の第5期消費者基本計画について改めて御説明申し上げます。
先ほど委員長代理から御説明がございましたように、この計画は、消費者基本法の9条に基づいて作成しているものでございます。
今回、消費者委員会委員におかれましては、27条に基づきまして御審議いただきますので、よろしくお願いいたします。
消費者政策会議に、後日、提出する消費者基本計画は資料1-3になりますが、こちらは分量が多いこともございますので、基本的に資料1-2のパワーポイントで御説明させていただきます。
では、資料1-2を御覧ください。
1ページを開けまして、まず、消費者基本計画についてでございます。
「消費者基本計画とは」でございますが、先ほどの代理からの御紹介あるいは私が申し上げたとおり、消費者基本法の9条に基づいて作成する長期的な消費者政策の大綱でございます。
次は第5期になりますけれども、この計画期間は令和7年から11年の5か年計画でございます。
真ん中にまいりまして、こちらの第5期消費者基本計画のポイントでございますが、大きく3つございます。
デジタル化・高齢化により、社会情勢が大きく変化する中で、まず1つ目として、「消費者が信頼できる公平な取引環境の確保」を目指しております。
こちらについては、右側にありますように、デジタル市場における消費者被害の対策であるとか、SNSなどのトラブル被害による警察をはじめとする関係機関との連携あるいは違法・有害情報からの消費者利益の擁護などでございます。
2つ目が消費者力の実践でございます。
こちらは、消費者教育の推進あるいはカスタマーハラスメント対策、食ロス削減の推進などに取り組んでまいります。
3つ目としまして、「誰一人取り残されることのない社会の構築」でございまして、こちらは、地方消費者行政の充実や強化あるいは見守り活動、アウトリーチなどの推進を図るものでございます。
これらによりまして、安心・安全で豊かな消費生活の実現を目指していく計画でございます。
下は参考ですけれども、これまでの消費者基本計画の策定経緯あるいは計画期間などを示したものでございます。
次に、めくって2ページ目でございます。
こちらは、次期消費者基本計画の構成でございます。
第1章から第4章までの4章立てになっており、まず、第1章は社会情勢、背景などを示したものでございます。「消費生活を取り巻く現状の課題」ということで、5つ挙げております。
まず、1つ目が「デジタル技術の飛躍」でございます。
デジタル技術によって利便性が向上する一方、これを悪用した様々な消費者被害あるいはこれらに対する環境整備の必要性を掲げております。
2つ目が「消費生活のグローバル化の進展」でございまして、海外事業者との取引の増加あるいは訪日外国人の消費の拡大などがあります。
3つ目として「社会構造の変化」でございます。こちらは、従来からもありますけれども、人口の高齢化あるいは減少、特に地方でこれらの傾向があるということで、消費生活に配慮を要する消費者が広がってきたということで、これに対応していくものでございます。
4つ目が「より良い社会の実現と国際協調への貢献」ということで、こちらは、以下、各種施策に取り組んでいきまして、最後5つ目になりますけれども「緊急時における消費行動の変化」ということで、災害便乗商法とかは災害時にありますけれども、我が国は昨年の能登半島地震とか、災害が多い国でございますから、これらについて対応していく必要があるだろうということで掲げております。
次に、第2章になりまして、消費者政策の基本的な方向性と目指すべき姿でございまして、特に、この計画において目指すべき姿ということで、真ん中の赤字で、先ほど申し上げた1つ目が、「消費者が信頼できる公正な取引環境の確保」、「全ての世代における『消費者力』の実践」、「持続可能で包摂的な社会の実現」というもので挙げております。
第3章が、各主体が連携して推進する消費者政策でございまして、ここは、主に地方消費者行政の推進を掲げております。
先ほど申し上げましたように、人口減少、高齢化などに対応した地方消費者行政の方向性を示しながら、相談体制の充実であるとか、見守り活動あるいは消費者教育の拠点の整備などを目指して、国の支援を充実していくようなことを掲げております。
最後、第4章になりますけれども、「消費者政策における基本的な施策」でございまして、こちらは、第1章で掲げた5つの課題に対応した個別の施策あるいは従来から行っている大事な施策で、各章の個別施策などを掲げているところでございます。
次、3枚目に行きまして、各章の個別のものを記述したものになります。
まず、第1章の現状の課題でございますけれども、5つの課題におきまして、それぞれ具体例あるいは数字やデータなどを挙げております。
1番目の「デジタル技術の飛躍」につきましては、赤で下線を引いてありますが、65歳以上の約6割がSNSを利用されています。
下へ行きまして黄色いところになりますが、これに対応すべき主な課題ということで、世代を問わず、SNSの利用率が増加しているので、これを利用した消費者トラブルが急増しているということが挙げられます。
右側へ行きまして、3ポツの「社会構造の変化」でございますが、2040年くらいには、65歳以上世代の4割以上が単独世帯ということで、下の黄色になりますけれども、独居の高齢者の増加などがありまして、これによって1人で抱え込んで相談までたどり着かずに被害が埋もれてしまうおそれのある消費者が増えるという課題が挙げられます。
次、4ページ目にまいりまして、目指すべき社会の姿、第2章でございます。
こちらは、第1章で示した課題に対応して、この計画が目指すべき社会の姿を提示していくものでございます。
まず、左側「1.基本的な方向性」になりますけれども、消費者政策の価値規範に関する考え方の転換ということで、従来は、平均的、一般的で合理的な消費者像というものを一定のモデルとして消費者政策を考えていたのですが、これだけではなく、真ん中、紫っぽいところになりますが、全ての消費者が有する多様な「消費者の脆弱性」に注目していくということです。例えば、従来は金銭取引がメインだったのですが、個人情報あるいは時間、広告、個人の関心そのものを提供して、無料なのだけれども事業者としては得るべき情報を得るというものも消費者取引として捉えていくということを挙げております。
これらも踏まえながら、消費者法制度の再編・拡充に向けた検討を行っていることを挙げております。
右が目指すべき社会の姿でございまして、こちらは、先ほど申し上げた3つ、「消費者が信頼できる公正な取引環境の確保」ということで、包括的な規制、予防救済の観点も含めた在り方の検討であるとか、「消費者力の実践」として消費者教育の推進あるいは消費者と事業者のコミュニケーションの深化、さらに「持続可能で包摂的な社会の実現」ということで、どこに住んでいても質の高い相談・救済を受けられる体制の維持強化、それによって誰一人取り残されることなく、安心して安全な消費生活を営むことができる社会の構築を目指していくということを掲げております。
次に5ページ目にまいりまして、第3章の多様な主体の連携でございます。
ここは、真ん中の青色にありますとおり、特に地方消費者行政の推進を図っていくもので、地方消費者行政の体制整備は、最重要課題になります。
一方、人口減少の中で、効率的な体制を整備して、ユニバーサルサービスとして相談業務を全国的に維持・拡充する必要もございます。
右側にまいりまして「このため」ですが、地域の実情に応じて広域連携などの活用をはじめとして、都道府県による市町村の援助や調整、デジタル化、技術の活用による相談体制の強化、消費者などの見守り活動の充実を図っていくということを記述しておりまして、国や国民生活センターによる支援を更に充実していくということを掲げております。
次、6ページ目へまいりまして、「消費者政策における基本的な施策」、第4章でございます。
こちらは、現状の課題、第1章への対応と、それぞれ対応したもので、まず真ん中、こちらも青色になりますけれども、デジタル技術の飛躍という課題がありますが、例えば、諸外国の取組も参考にしながら必要な対応を行ったりであるとか、違法・有害情報からの消費者利益の擁護などを図っていくものです。
2番目の消費生活のグローバル化の課題ですが、こちらは、越境消費者トラブル対応のため、海外機関との連携を強化していくことなどを挙げております。
右側へ行きまして、社会構造の変化でございますけれども、こちらは、見守りネットワークの設置、活動の充実を図ってまいります。
4番目として、より良い社会の実現でございますが、こちらも繰り返しですけれども、消費者教育の推進あるいは食育、食ロス削減の推進などを図ります。
最後、緊急時における消費行動の変化でございますけれども、こちらは、災害便乗商法への対応を行ってまいります。
下に行きまして、「消費者の安全及び自主的かつ合理的な選択の機会の確保」でございますけれども、例えば、高齢者や子供の生命・身体の安全あるいは従来から行われているマルチなどの悪質商法の対策を行っていくものです。
「3.消費者政策推進のための関係部局間の連携」でございますが、これは、国・地方公共団体あるいは関係省庁とも連携しまして、情報共有、役割の分担を行って、本計画に基づいて施策を推進していくものです。
以上が消費者基本計画の概要でございますが、次は、事例を2つほど載せております。
まず、7ページの「SNS等を利用したトラブル」でございます。
従来は、消費者被害ですと、若者あるいは高齢者が、その被害に遭うという傾向が多いものですが、こちらの左上の棒グラフを見ていただくと、SNSで、まず、5年間で4倍以上の相談件数が増えております。
それで、直近の2023年の1.9というものがありまして、こちらはオレンジ色のものですけれども、50歳代の相談が、約1万9,000件で一番多いものとなっております。
続いて、その下の紫色の1.4ですが、こちらは40歳代の相談件数が1万4,000件来ており、従来とは異なり、実際の社会人がトラブルに巻き込まれているという実態が見られます。
事例としては、詐欺的なトラブルあるいは副業トラブルでございますが、これらの対応のため、「国民を詐欺から守るための総合対策」などに基づきまして、消費者を守っていくものです。
具体的には、これらの被害に遭わないような環境の構築であるとか、犯罪に加担させない教育、啓発、あるいはデジタルで諸外国が関係しているということも見られるので、これらに遅れないよう規律の動きに注目しながら、必要な対応を行っていくということを挙げております。
次、最後8ページ目になりますけれども、事例の2つ目として、「地方消費者行政の充実・強化」でございます。
御存じの方も多いと思いますが、年間相談件数は約90万件で、契約購入額につきましては約4,000億円という状況でございます。
これらの中で課題としましては、相談を待っているだけでは被害が埋もれてしまうとか、電話以外の相談手段の対応あるいは小規模な町村で相談機能をどう維持・確保するかというものがあります。
これらにつきましては、下の「対応」になりますけれども、見守り活動、アウトリーチの促進ということで、消費生活センターだけではなくて、消費者安全確保地域協議会などの枠組みで学校、民生委員あるいは金融機関などにも御協力いただきながら、ユニバーサルサービスとして、どこに住んでいても質の高い相談・救済を受けられる体制を維持・強化していくということを目指しております。
私からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○黒木委員長代理 ありがとうございました。
それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は約60分程度でお願いいたします。よろしくお願いいたします。
御意見のある方は、挙手あるいはチャットでお知らせいただければありがたいと思います。
では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員 今村です。御説明ありがとうございました。
計画の今回の改定内容については、今村としては賛成ですけれども、もともとの計画に、食品に関する部分が、まだ少ないと感じております。元の原案にはほとんど書いていなかったので、前回の改定の際にかなり加えてもらったことは大変ありがたいと思っていますけれども、食品の安全行政が事実上消費者庁にやってきて、消費者計画の中にそれをしっかりと書き込まなければいけないという状況になっている中で、まだ記載内容としては、非常に少ないように思っております。
表示のほうは、紅麹事件もありましたので、それなりに充実した記載になっていると思うのですけれども、一般の食品安全については、食品ロスについては、多少深い記述がありますけれども、一般的な食品安全についての記述が非常に薄いし、その計画内容ついて、まだまだ記載するべき内容があると思っています。
それについて、ぜひ今後、実務ではもっと力を入れてやっていただければと思っております。
今村からは以上です。
○黒木委員長代理 ありがとうございました。
次に、小野委員から御発言を、お願いいたします。
○小野委員 御説明いただきまして、ありがとうございました。
私からは、資料1-2の2枚目のスライドに基づいて、まず、基本計画のポイントということで、3つにまとめておられて整理されていくということは、これまでにも御説明をいただき、また、その説明を重ねて丁寧にしていただいている印象を強く持っています。
特に、2つ目の「消費者力の実践」、それから、3つ目の「誰一人取り残されることのない社会の構築」、これは本当に大切だと思います。
消費者教育について、例えば、4章の辺りで、デジタル技術の関係でも、例えば金融リテラシーとの関わりで丁寧に書いていただいていますし、また、その方向性は大切です。
それから、先ほどの基本計画の3つ目のポイントとして、誰一人取り残されることのない社会の構築で言いますと、資料1-2だと、最後のスライドに具体的な施策の事例の②ということで、地方消費者行政の充実・強化、この説明がとても分かりやすく、理解も進みました。
少し気になりますのは、消費生活相談、地域によって、いろいろな課題が出されているわけですけれども、相談をする人も、例えば高齢の方が増えていると、あるいはそれに伴って、情報技術の知識が必要だということでありますが、一方で、相談を受ける体制、例えば相談員の方について、担い手が不足している、あるいは、全体として高齢化しているということでございます。
この先5年間の基本計画ですので、具体的に私からお尋ねしたいのは、地方消費者行政との関わりで書かれている箇所です。いろいろなパブリックコメントを受けて、今回どのように説明を追加されたのか、経緯についてお尋ねができればと思います。よろしくお願いいたします。
○黒木委員長代理 今、小野委員から御質問もありましたので、御回答をお願いできればありがたいです。よろしくお願いします。
○消費者庁消費者政策課鮎澤課長 小野委員の最後の点の御質問で、地方消費者行政の記述がどのような経緯でということかと思います。
こちらは、主に消費者庁内、端的に申し上げれば、地方協力課と連携しながら記述をしてきたところでございます。
ここにつきましては、かなり濃密なコミュニケーションをしておりまして、例えば、都度都度懇談会なども開催しておりますけれども、その際に綿密に連絡を取り、協議をしながら、このような作文になったところでございます。
○黒木委員長代理 ありがとうございます。
小野委員、今のような御説明をいただきましたが、何かコメントはございますか。
○小野委員 具体的にどのように相談員さんの充実を図ることが、まずは国としてできるのか、その辺りの議論が、やはり、例えば自治法で何とかしなくてはいけないという立場の地方行政の方は気になるところだと思いますが、いかがでしょうか、少し踏み込んだ議論はあったのでしょうか
○黒木委員長代理 鮎澤課長お願いいたします。
○消費者庁消費者政策課鮎澤課長 政策課で、例えば直接地方の方とヒアリングもしくは意見交換を行うというのはそこまではなくて、ただ、実際に地方協力課はPIO-NET接続の関係もありまして、地方の消費生活相談員のいろいろな方々と意見交換されたりして、それを踏まえながら記述しております。私は、例えば、説明会で御説明をさせて質疑応答とかはやっておりますけれども、実際の生の声を聞くというところは、地方協力課でやるので、それを踏まえて記述しているものでございます。
○小野委員 御説明ありがとうございました。
そうしますと、ここに書かれてあるものに基づいて、それぞれが具体化し、育てていかなければいけない、そういったことが改めて分かりました。
私からは以上です。どうもありがとうございました。
○黒木委員長代理 ありがとうございました。
次、それでは中田委員、御発言をお願い申し上げます。
○中田委員 中田です。鮎澤課長、御説明ありがとうございます。
私も今回、消費者基本計画で改めて3つの目指す姿を御提示いただいたことで、今後5年の消費者行政の達成イメージがより見えてきたと感じております。
その上で、2点コメントをさせてください。
まず、消費者の生活に最も近い地方の消費者行政の充実・強化、見守り活動を含めて、推進を計画に盛り込んでいただき、この計画における地方消費者行政充実の重要性が感じられました。
その上で、改めて御確認いただきたい点は、それを推進いただく上での予算及び人的リソースの確保と配分の在り方についてです。
25ページ、27ページと計画に効果的・効率的な地方消費者行政の体制構築の重要性について触れられていて、まず、業務効率改善、情報処理の効率化という点では、2026年に予定されているPIO-NETの新システムへの刷新で、各自治体が新システムにつながるような環境整備の推進を計画に入れていただいており、まずはその移行が計画どおり推進して、消費生活相談員の方々の業務効率が改善し、PIO-NETに蓄積された被害情報が国及び地方の消費者行政に有効に活用される仕組みを計画どおり構築いただきたいと思います。
一方で、消費生活相談員の方々の高齢化、採用難は進んでいるという御説明がありましたが、やはり特に中小の地方自治体単体において、満遍なく各自治体に消費生活センターや窓口を設けて、消費生活相談員を配置して、質の高い相談体制を整えてユニバーサルな対応を強化していただいたり、コミュニティの協力のもと、見守り活動をアウトリーチで強化していくことは、望ましいことではあると思いますが、それを実現していくための人的リソースの確保は、処遇の一部改善で十分なのか疑問も感じます。今後、広域連携がどのぐらい効果的に進むのか、国や国民生活センターによる支援の手法が気になるところではあります。令和10年度に交付金の期限が切れてしまうという相談員予算の確保も急務ではないかと感じております。
お伝えしたいこととしては、もちろん全方位的に消費者を支援できることは理想的ではありますが、持続可能な地方消費者行政を実現するためには、自治体や地方、コミュニティの現状を踏まえて、限られたリソースで各自治体では何にフォーカスしていただき、何を他の方法で補うのか、もしかしたら、消費者行政の業務が重複していることはないのかなどの御確認を含めて、骨太の方針と具体的な施策の議論を継続いただきたいと思います。
もう一点よろしいでしょうか。もう一点は、これまでの委員会でもたびたび複数の委員からお伝えさせていただいていますが、第4次の消費者基本計画には工程表がありましたが、今回の基本計画には工程表がつくられていません。いつまでにそれぞれの計画をどこまで達成させる予定かのマイルストーンが示されていないので、3年後の点検方法のイメージや基準が見えずに、国民が納得いくような進捗管理と達成度の評価ができないのではないかという点が懸念されます。
もちろん計画項目の中には定量的評価が難しくて、定性的評価しかできない項目もあると思いますが、私は民間企業での経験しかありませんが、やはり計画とタイムラインと検証手段がセットで立案されることで進捗管理や評価が可能で、万が一、予定どおりに進行ができない場合の期中の調整が可能になると思います。
この計画を運用されながら、3年後に向けて検証方法、評価方法を御検討いただくとの御説明も以前にいただきましたが、計画の工程管理と評価方法については早期に御検討いただき、3年を待たず、できれば1年ごとの進捗状況の確認を改めてお願いできればと思います。
この工程表については、黒木委員長代理からも以前に御指摘がありましたので、もし、黒木委員長代理からも御意見があれば、お願いしたいと思います。
以上、この2点について消費者庁から御意見があれば、伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○黒木委員長代理 それでは、消費者庁のほうから御回答をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○消費者庁消費者政策課鮎澤課長 基本的におっしゃるとおりかとは思っております。
それで、まず、PIO-NETの有効活用あるいはそのデータの利用・活用ですが、まさに御指摘のとおりかと思いまして、これらをより活用できるように、我々も徳島の新未来創造戦略本部などとも連携しながらやってまいりたいと思います。
あとは、特に地方におきまして、高齢化もあったり、人の確保ができない一方で、令和9年度からなくなるかもしれない交付金につきましては、これは、消費者庁を挙げて非常に重要な課題と思っております。既に様々な各方面へのお願い、あるいは検討などを考えておりまして、地協課にも改めて伝えますけれども、ここは我々としてしっかりやっていかないといけないものと、庁としても考えております。
あとは、追加というか、御指摘いただいた第4次まではやっている工程表のところの3年目の進捗管理でございますけれども、やはり個別の施策で御指摘のとおり、KPIというか、数字化になじまないものもありますし、あとは、各省で独自にEBPMをやっているところもありまして、それらと重複しないようにやっていきたいと思っております。
それで、都度都度の年度のものは、消費者白書でもピックアップしてやっているところでございますので、これも利用しながら3年目には、ちゃんとした進捗管理をやらせていただきたいと考えております。
○黒木委員長代理 ありがとうございました。
中田委員、今の御発言に対して何かございますか。
○中田委員 御回答ありがとうございます。
計画は計画で推進していただき、この計画を実現するためのもう一段下の施策の計画と進行管理は、ぜひ進めていただきたいと思います。
今、御説明いただいたとおり、既にEBPMを活用されて先進的なやり方で管理をされている自治体もあれば、なかなかそこまで進んでいない、できていない自治体もおありで、なかなか足並みをそろえることは難しいと思いますが、そこの音頭をぜひ消費者庁のほうでとっていただき、効果のある計画、もし、効果が見られないようであれば、3年後以降に見直しといったところも柔軟に御対応いただければと思います。
○黒木委員長代理 ありがとうございます。
あと、大澤委員、御発言がございますでしょうか。お願いいたします。
○大澤委員 すみません、少し遅れまして申し訳ありません。御説明いただき、ありがとうございました。
すみません、私、ヨーロッパで風邪をもらってきてしまったので、変な声になっていて申し訳ありません、よろしくお願いします。
御説明いただきまして、ありがとうございました。
内容としては、非常に論点のバランスもよく、私は、基本的には、この方向性で問題ないのではないかと思います。
これまでも、何度も委員会の中でも、様々な委員から様々な意見があったと思いますが、それらを非常にバランスよく取り入れていただいていて、よろしいのではないかと思っています。
2点だけ、今から修正してほしいということの話でもないのですが、少し気になった点を申し上げたいと思っています。
1点目が、これは消費者力というところなので、27ページ辺りでしょうか、今回の基本計画の柱の1つとして、その消費者力というのが言葉として出てまいります。
話としては、もちろん理解はできるところはあります。書かれていることも、基本的に、ここからこれを抜本的に直したほうがいいとかということを申し上げるつもりではないのですが、例えば、27ページ、消費者においても自ら率先して消費者教育の機会等を通じてという一番下の行のところに「消費者力」とかぎ括弧をつけて強調していらっしゃいます。
消費者力という言葉を使うときに、これは、もちろん大事なことではあるのですが、消費者が自己責任でやってくださいねというところが、もちろん大事なのですけれども、あまり強調され過ぎても良くないのではないかという印象を持っております。
要は、27ページ、28ページのところを見ましても、消費者でこういう意識を持った上で、トラブル回避のためにということで書かれていますが、まずは、やはり消費者のそういう力を促すための環境整備というのを、これは国の大事な施策でありますので、例えば、消費者に対する情報提供であったりとか、根拠を伴う情報の発信と28ページに書いていますが、これは消費者から、例えば最近SNSで、いわゆる偽物の情報が流れたりとか、消費者側から発生するということもあるという趣旨だと理解をしているのですが、その前提として、やはり政府、国のほうから、例えば災害時に、きちんと正しい情報をなるべく適切な形で発信するとか、やはり消費者力を高めるための環境整備ということも大事だと思います。
これは、言うまでもないことではあるのですが、消費者力ということを今回かなり強調されていますので、あまり消費者の自己責任というところばかりを強調しているように誤解されてはいけないのではないかという印象を持ちました。
2点目なのですが、17ページのところになります。
私は今、本文を、資料1-3を見て発言をしております。持続可能な社会という話が出てきていまして、この委員会の今まで何回か意見聴取があった中でも、何度か申し上げたと思うのですが、17ページから持続可能な消費と生産の実現というところが出てきまして、ここに書いてあることは全くもってそのとおりというか、こういう方向性を目指していただくべきだし、私たちも目指すべきだと思っていますが、違和感があるのは、気になっていますのが、例えば18ページの一番下のところでも、消費者のエシカル消費への関心が高まるという形が書かれていまして、エシカル消費という言葉は、日本では本当によく使われているのですが、私も昨日までヨーロッパにいましたけれども、あまり向こうでエシカル消費という言葉は使っていない印象があって、どちらかというと持続可能な消費だったり、あるいは責任ある消費という言葉を使っていると思います。
ヨーロッパで、そのように使っているから日本でもそうしてほしいということではなくて、エシカル消費という言葉を浸透させ、それを更に関心を持ってもらうというときに、恐らくエシカル消費という言葉の意味自体が、消費者にやや伝わりにくいのではないかなと思います。
消費者にも、こういう形で、例えば環境保護とか、あるいはそれこそ開発途上国の労働者の生活改善を目指すとか、社会への責任を持ってもらいたいということのほうが、むしろ言葉としては、ストレートに使われやすいように思いまして、ここでエシカル消費という言葉を消してほしいということではないのですが、目標のところで、最後に消費者のエシカル消費の関心が高まると書いてあるので、今回は仕方ないのかと思いつつ、今後、持続可能な消費ですとか、消費者の責任をもってもらう、責任ある消費と考えるときに、エシカル消費という言葉が、本当にメッセージとして伝わりやすいかどうかは検討の余地があるのではないかと思っています。
あわせて申し上げますと、これは、すみません、私はまだ全部ついていけていない可能性がかなり高いのですが、今回、18ページに書かれていることというのは、消費者だけではなくて、当然事業者にもやってもらうべきことだと思っていますので、これは、消費者だけの問題ではありませんので、すみません、ほかのページを、私は、完全には確認できていないのですが、こういった資源の投入量を抑えてとか、こういったことは消費者だけではなくて、むしろ事業者側にもきちんとそこを意識してもらうか、行動を取ってもらう必要があると思いますので、この点、消費者だけがここに関心を持ってもらいたいということに、あまり印象としては、持たれては、方向性としては、個人的にはあまり良くないかなと思いました。
すみません、恐れ入りますが、以上です。
○黒木委員長代理 消費者庁からコメントがありましたら、お願いいたします。
○消費者庁消費者政策課鮎澤課長 ありがとうございます。
これも御質問というよりは、むしろ御指摘かと思いますが、1つ目の消費者力が、消費者の自己責任を強調し過ぎではないかということですけれども、もう御存じかと思って御発言されているかと思いますが、決して、そんなことはございません。コミュニケーション力を高めるとか、当然、事業者は事業者としてなすべき責務がございますので、そこは注意喚起などで引き続き意識しながらやっていくとともに、我々も引き続き環境整備というのが一番大事だということで、どのようなソフトローとかハードローとか、そういうことで枠組みが大事だということは重々承知しながら、今後、行政を進めてまいりたいと思います。
2つ目の、資料1-3でいうと、17ページ、18ページのエシカル消費の用語で、例えば、責任ある消費などのほうが伝わりやすいのではないかということですが、ここは、庁内の担当課で推進課になりますので、こちらに伝えるとともに、そこはどうやるのが一番消費者に伝わるのか。
もう一つは、事業者もということは当然でございまして、例えば、資料1-3の本文で18ページなどでも、真ん中で、事業者においても環境、社会、地域に配慮した生産を通じて、消費者から信頼を獲得できるということもありますので、当然消費者だけではなく、事業者にやっていただくということも意識しております。
○大澤委員 どうも御説明いただき、ありがとうございました。
中身のことを言ってもあれなのかもしれませんが、私が先ほど発言したのは、まさに先日ヨーロッパへ行って特急に乗ったときに、これはフランスですけれども、食堂車があるのですが、日本では最近見かけない食堂車というのは、まだ残っているのですが、そこに、ここのメニューは、例えば、卵は10km以内の地域で取った卵を使っていますとか、いわゆるエコに配慮していますということが、食堂の入り口にポスターで貼ってあって、これは過去になかったと思うのです。少なくとも2年前は、私は見た記憶がないので、ですので、結構向こうでは、事業者側からエコに関する情報を発信するようにということを促していて、やはり消費者からすると、私もその食堂車の一消費者だとすると、事業者がこういうことに気を配っているのだなということが分かることで、消費者も私たちもそういう近くのものを食べましょうという意識が高まると思うので、消費者に関心を持ってもらうことはとても大事なのですが、関心を持ってもらうための、やはり事業者の行動というのがあるのではないかと、そういう印象を持ったからです。すみません、全くの意見ですので、無視してください。
以上です。
○黒木委員長代理 ありがとうございました。
○事務局 事務局でございます。
杉田専門官が挙手しておりますが、よろしいですか。
○黒木委員長代理 では、杉田専門官、お願いします。
○消費者庁消費者政策課杉田政策企画専門官 すみません、政策課の杉田でございます。御意見ありがとうございます。
補足を2点ほどさせていただきたいと思うのですけれども、1点目で御指摘をいただきました消費者力、これで消費者の方の自己責任というものが強調され過ぎないようにというので、実はパブリックコメントでも複数御意見がございました。
まだ記載のところが十分ではないかもしれませんが、計画本体の27ページのところなのですけれども、消費者への期待というところに、消費者力の件とともに28行目から29行目なのですけれども、全てを消費者の方の責任ということではなくて、前提として、まず、法律であったりですとか、枠組み、制度、規律というものを前提としている。その上でという形で、少し文章のほうを補足させていただいた経緯がございます。
それから、エシカル消費の部分なのですけれども、少し文章の箇所が飛んでしまっていて分かりにくいかもしれないのですが、その次の28ページのところに、4番で、行政、消費者、事業者の連携によるというところで、今回計画の中で1つ考え方の柱として、消費者の方と事業者さんが、いわゆる対峙するような関係ということではなくて、協働をしていく関係であるべきだというところを随所で強調させていただいているのですが、ここの31行目からのところで、双方のコミュニケーション、それからエシカル消費の部分の考え方などを、こちらのほうで書かせていただいておりました。
少し記載箇所が飛んでいるので分かりにくいかもしれませんが、強調してやっていきましょうというスタンスを取らせていただいているところでございます。
補足をさせていただきました。
○黒木委員長代理 ありがとうございます。
○大澤委員 ありがとうございました。
○黒木委員長代理 では、大澤委員は、もうよろしいでしょうか。
○大澤委員 大丈夫です。
○黒木委員長代理 では、柿沼委員、御発言をお願いできますでしょうか。
○事務局 黒木委員長代理、柿沼委員は、今、発言できない状況にありまして、会議は聞こえている状況なのですけれども、発言は難しいということです。
○黒木委員長代理 分かりました。
では、今まで、大変熱心にお話しいただいたことを考えて、まとめさせていただきたいと思います。
まだ、鹿野委員長は入られていないようですが、鹿野委員長の御出席をもう待たなくてもよろしいでしょうか。
○友行参事官 事務局でございますけれども、議事を進めていただければと思います。
○黒木委員長代理 分かりました。
それでは、中田委員からも工程表のことについて意見があると言われていたので聞いておいてもらえればと思います。これは意見です。
私は日弁連の消費者問題対策委員会の委員長をしていた時には、この工程表に対するパブリックコメントへの対応は大変でした。特に百何十の項目についてパブリックコメントがなされている頃は。しかし、消費者基本計画第4期の中頃ぐらいから非常に絞った形で重点施策について工程表が出されるようになりました。これについて意見をまとめることは民間団体にとっても意味がありました。日弁連はNGO、非政府組織ですが、このような組織や民間団体にとって、工程表とそのパブリックコメントは消費者庁の動きがよく分かるという点で重要だったと思います。
白書がこれからそれに代わることができるかについては、基本的に少し違うんじゃないかと思います。おっしゃったとおり、各省庁にまたがる部分について、消費者政策が全く関係ないところはないというのはその通りです。そして、第5期基本計画案でも消費者庁の司令塔機能という言葉が前半に出てきましたので、省庁横断的な課題についての消費者庁の役割は重要だと思います。やはり消費者政策において、この基本計画をどう消費者庁と他の団体が意見交換するかについて、工程表の機能は非常に重要だと思っています。
消費者委員会は当然、消費者基本法に基づいて監視・監督をしていきます。これは消費者基本法に定められた機能ですから。ただ、民間や社会の各種団体との間でコミュニケーションの場を持つことは重要ではないかと考えています。
これは意見ですので、もしコメントがあれば返してもらってもいいです。なければそれで構いません。どうでしょうか。
○消費者庁消費者政策課鮎澤課長 御指摘ありがとうございます。
我々も決して評価、検証を軽視しているわけではございません。むしろEBPMなども政府的に動き始めましたので、これらも取り組みながら、むしろ消費者委員会の場で、また御審議いただくなど、そのための材料を提供したいと思っております。今まだ検討中のところはございますけれども、しっかりとした検証ができるようなものをやっていきたいと考えております。
○黒木委員長代理 分かりました。ほかに御意見は、ありませんか?
ないようですので、熱心な議論をありがとうございました。私なりのまとめをさせていただきます。
今回の消費者基本計画の原案に対しては、出席されている今村委員、小野委員、中田委員、大澤委員から様々な意見がありました。柿沼委員は発言が難しいということでしたが。ただ、いずれの委員も原案そのものに関して特に異論はなく、強調したい点や今後の施策を進めてほしい点についての意見だったと思います。
その中では、今村委員からは食品の安全について今後もより検討してほしいというお話がありました。そのとおりだと思います。小野委員からも消費者力の実践という観点で地方消費者行政の充実といった指摘がありました。
この点は中田委員からも地方消費者行政の実践、特にPIO-NETとか消費生活相談員の人材の問題を具体的に指摘いただきました。また大澤委員からは、この消費者力というのが逆に消費者の自己責任に結びつかないようにという指摘もいただきました。
以上の各委員の御発言を取りまとめさせていただきましたが、私としては個人的な感想も含めて以下のように考えます。
第1に、本基本計画の第3章では多様な主体が連携して推進する消費者政策を取り上げています。主体としては地方自治体、事業者、消費者となっていますが、消費者庁を含む国の行政機関の責務の段落がありません。これは第4章の消費者政策における基本的な政策のところで表現されているものと理解しています。
したがって、当委員会としては第2章で示された目指すべき姿とともに、第4章に込められた施策の実施状況について関心を持っていきたいと考えています。
第2に、第2章1には「本基本計画における消費者政策の基本的な方向性、求められるパラダイムシフト」とあります。これは本基本計画の土台、全ての施策を貫く一本の潮流と捉えています。消費者庁をはじめとする関係行政機関が実施する施策が、ここで示されている基本的な方向性に合致しているかどうか、その点を踏まえたものにしてほしいと思います。当委員会としてはそういった観点に立ち、各施策について見守っていきたいと考えます。
第4に、基本計画の実施状況に関する検証、評価及び監視についてです。本基本計画では3年目を目途に中間点検を行い、取組については不断の見直しを行っていくということですが、第4基本計画のもとで作成したロジックモデルの考え方を生かすなど、消費者行政におけるEBPMを更に促進していただくことが重要だと考えます。当委員会としても本計画に基づく施策の検証・評価・監視をしっかり行っていきたいと思います。
本基本計画については、消費者委員会が令和6年4月と9月の2回にわたり出した意見の内容もおおむね反映されており、また消費者庁において消費者行政の司令塔としての役割を果たすことを冒頭に明確にされていたことも含め、評価しています。
消費者庁の皆さんには本基本計画の取りまとめに尽力されたことに敬意を表します。当委員会としては今後も消費者庁と適切に連携し、消費者の安全・安心のため、その責任を果たしていきたいと考えています。
○友行参事官 事務局でございますけれども、黒木委員長代理、委員の先生方、失礼いたします。
少し前から鹿野委員長が御参加されておりますので、もしよろしければ、この後、鹿野委員長にも御発言をいただくということでは、いかがでございますか。委員長の御準備や、黒木委員長代理としては、どうでございましょうか。
○黒木委員長代理 ぜひ、お願いいたします。ピンチヒッターは、なかなかつらいですから。
○友行参事官 鹿野委員長、御準備は、いかがでございますか。鹿野委員長、ひょっとすると、御発言が難しい状況かもしれませんので、それでは、引き続き、黒木委員長代理にお願いいたします。
○黒木委員長代理 分かりました。
それでは、議論は、ここまでとさせていただきまして。
○鹿野委員長 すみません、鹿野です。通信環境が悪く、その関係で画像もこちらで流すことができず、音声もうまく届いているか心もとないのですけれども、本日は遅れまして失礼しました。
今、黒木委員長代理が発言なさっていたまとめを聞いておりました。本当に私が申し上げたかったことをそのままおっしゃっていただいたので、そのとおりで進めていただければと思います。大変失礼しました。
○黒木委員長代理 了解致しました。基本計画に対する委員会の昨年4月の意見発出の際も私がまとめたのですけれども、今回の第5期消費者基本計画に対する意見につきましても、では私がまとめさせていただきます。
それでは、議論はここまでといたします。
次期基本計画の原案につきまして、消費者委員会としての答申案を配付、表示いたしますので御覧いただきますようお願いいたします。
(答申案の配付、表示)
○黒木委員長代理 では、ただいま、追加資料として配付、表示いたしました委員会の答申は、消費者基本計画の案については、消費者基本法の趣旨に鑑み妥当であり、その旨回答するとしております。
これを委員会の答申としてよろしいでしょうか。よろしいということでありましたら挙手ボタン等々、あるいは発言等々で、御発言いただければと思います。
(異議なしの意思表示あり)
○黒木委員長代理 それでは、皆様の御了解をいただいたということで、これを委員会の答申とし、内閣総理大臣宛てに回答したいと思っております。
次期基本計画の閣議決定後、消費者庁をはじめとした関係各省庁において、同計画に基づく積極的な取組がなされることを期待しております。
消費者庁におかれましては、お忙しいところ御審議に御協力いただき、誠にありがとうございました。どうぞ退室ください。本当にありがとうございました。大変な基本計画をまとめていただきまして感謝しております。どうもありがとうございました。
(消費者庁 退室)
《3. その他》
○黒木委員長代理 続いて、食品表示部会からの報告事項に移りたいと思いますが、よろしいですか。
○友行参事官 はい、お願いいたします。
○黒木委員長代理 今村部会長から御報告をお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。
○今村委員 それでは、食品表示基準の一部改正に係る答申について、私から御報告を申し上げたいと思います。
第76回及び第77回食品表示部会において、令和6年12月25日に内閣総理大臣から諮問を受けた栄養強化目的の添加物の表示義務化、栄養素等表示基準等の改正、個別品目ごとの表示ルールの見直しに関する食品表示基準の一部改正について審議を行い、部会の決議について食品表示部会設置・運営規程第7条に基づき、委員長の同意を得て、委員会の決議とし、令和7年2月18日付で内閣総理大臣に答申を行いました。
参考資料1の答申書を御覧いただきたいと思います。
1ページにありますとおり、諮問された改正案のとおりとするということが適当であるとされます。
議論の中では、膨大な資料が示されて、特に個別品目については、前JAS法に係る品目についての議論でしたので、資料として大量の資料を委員に読んでいただき議論をしていただくという経緯がございます。
また、添加物や栄養素の表示では、もともと内在している問題についても議論が行われましたけれども、今回の改正、3つの項目については、原案どおり改正していただくのがよいのではないかという結論に至った次第でございます。
私からの報告は以上になります。
○黒木委員長代理 ありがとうございました。
これは、御報告ということですが、どなたか御質問等ございますか。
ないですね、分かりました。
それでは、続きまして、消費者委員会に寄せられた意見書などの概要につきまして、事務局からの御説明をお願いいたします。
○友行参事官 それでは、参考資料の2を御覧いただけますでしょうか。
消費者委員会に寄せられました意見書・要望書・声明文等の1月分でございます。
1月は、2件でございます。
まず、公益通報者保護制度について2件となっております。
この法律案の概要でございますが、1つは、事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実効性の向上となっており、従業者指定義務に違反する事業者に対しては勧告などができ、それに従わない場合の命令違反時の刑事罰などが法律案の中には含まれております。
2つ目が、公益通報者の範囲拡大ということでございます。フリーランスなどについても追加するという内容になっております。
3つ目が、公益通報を阻害する要因への対処ということでございます。公益通報を妨げる行為をすることを禁止するなどという中身となっております。
4つ目が、公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済の強化ということでございます。
通報後1年以内の解雇または懲戒は、公益通報を理由とされたものと推定すると、立証責任の転換といった主な内容となっております。
これが、現在の法律案として公表されているものでございます。
それを踏まえまして、意見書のほうは2つでございます。
最初のほうの意見書の中身につきましては、まず、体制整備義務の対象となる事業者の範囲拡大、最初の黒い四角のところでございます。
現在は300人を超える事業者に対して、こういった体制整備義務が課されるということでございますけれども、その対象となる事業者について、300人以下の事業者、具体的には、労働者の数が100超の事業者までを、少なくとも義務の対象とすべきと考えるのが1つ目の意見となっております。
それから、2つ目の黒四角につきましては、ポツの3つ目にありますが、公益通報のために必要な資料収集・持ち出し行為の免責ということでございます。これについても明文化して規定すべきであるという内容となっております。
その次の四角の3つ目でございますけれども、不利益な取扱いの抑止につきまして、ポツの1つ目の2行目でございますが、解雇及び懲戒のみならず、配置転換、人格権侵害と評価し得る程度のハラスメントなどについても含めるべきであるということでございます。
東京弁護士会様からの御意見は以上のような形になっておりまして、その次の市民のための公益通報者保護法の抜本的改正を求める全国連絡会様からの御提案、御意見についても、ほぼ同様なものでございます。不利益取扱いについて、通報者を探索する行為についてもということを入れて、刑事罰の対象とするということでありますとか、配置転換についても立証責任を転換すること、資料収集、持ち出し行為を一定の要件のもとで免責することといった中身となっております。
以上の団体から寄せられた意見書のほかに、個人から3件の意見書が寄せられております。内容としては、取引契約関係、それから表示関係、その他となっております。
事務局からの御説明は以上でございます。
○黒木委員長代理 ありがとうございます。
委員から何か御意見などがありましたら、よろしくお願い申し上げます。
○友行参事官 はい、特に委員からの挙手などはないようでございます。
○黒木委員長代理 はい、分かりました。ありがとうございます。
これらの意見書などにつきましては、必要に応じて消費者委員会の調査審議に取り上げることといたしたいと思います。
《4. 閉会》
○黒木委員長代理 以上をもちまして、本日の会議の議題は終わりになります。
最後に、事務局より今後の予定についての御説明をお願いいたします。
○友行参事官 次回の本会議の日程と議題につきましては、委員会ホームページを通してお知らせいたします。
以上です。
○黒木委員長代理 ありがとうございます。
それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。
(以上)