第453回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2025年2月18日(火)10:00~12:36

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)鹿野委員長、黒木委員長代理、今村委員、大澤委員、小野委員
    (テレビ会議)柿沼委員、中田委員、山本委員
  • 【説明者】
    独立行政法人国民生活センター 相談情報部 相談第2課 渡邊課長補佐
    消費者庁 消費者政策課 財産被害対策室 吉田室長
    一般社団法人日本損害保険協会 損害サービス企画部 保険金不正請求対策室 三村グループリーダー
    一般社団法人日本損害保険協会 損害サービス企画部 保険金不正請求対策室 斎藤係長
    旅行業公正取引協議会 杉浦常務理事
  • 【事務局】
    小林事務局長、後藤審議官、友行参事官

議事次第

  1. レスキューサービスに関する消費者問題について

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1. 開会》

○鹿野委員長 皆様、こんにちは。本日は、お忙しいところお集りいただきまして、ありがとうございます。

ただいまから、第453回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、黒木委員長代理、今村委員、大澤委員、小野委員、そして、私、鹿野が会議室にて出席しており、柿沼委員、中田委員、山本委員が、テレビ会議システムにて御出席です。

なお、原田委員、星野委員は、本日所用により御欠席と伺っております。

それでは、本日の会議の進め方等について、事務局より御説明をお願いします。

○友行参事官 本日もテレビ会議システムを活用して進行いたします。

配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上でございます。

○鹿野委員長 ありがとうございました。


《2. レスキューサービスに関する消費者問題について》

○鹿野委員長 本日の議題は「レスキューサービスに関する消費者問題について」です。

トイレの故障、水漏れ、鍵の紛失等、日々の生活の中で困った出来事が突然発生し、自分では対処できないというときに、これらを解決するサービス、いわゆるレスキューサービスに関する消費者トラブルが増加傾向にあります。

消費者委員会では、令和6年4月に取りまとめた「次期消費者基本計画策定に向けた消費者委員会意見」の中で、いわゆるレスキューサービスにおける消費者被害への対応が遅れ、放置されているという現状を指摘し、行政において事業者団体、消費者、消費者団体と協力し、抜本的な対応を行う必要があるということを指摘したところでございます。

本日は、当委員会として、この問題を改めて取り上げ、調査審議を行いたいと思います。

まず、国民生活センターよりレスキューサービスに係る消費者相談の概況について御説明をいただいた後、消費者庁より、消費者への注意喚起等の取組状況について御報告をいただきます。

続きまして、本日、更に業界団体からもヒアリングを行いたいと考えております。

業界団体ヒアリングとして、最初に日本損害保険協会より、この問題に対する業界の問題意識や取組について御紹介いただきます。

また、この問題への対応策を検討するに当たっては、他業界における取組を参考にすることも有意義と考えられますことから、旅行業界において、消費者が適正な商品を選択できるよう、自主ルールの策定に取り組んでいらっしゃる、旅行業公正取引協議会より、その取組内容を御紹介いただきたいと思います。

本日は、独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課の渡邊課長補佐にテレビ会議システムにて御出席いただいており、また、消費者庁消費者政策課財産被害対策室の吉田室長、一般社団法人日本損害保険協会損害サービス企画部保険金不正請求対策室の三村グループリーダー、そして、同じく斎藤係長、また、旅行業公正取引協議会の杉浦常務理事に会議室にて御出席いただいております。

本日は、お忙しいところ、誠にありがとうございます。

本日の進め方ですが、国民生活センター、消費者庁、日本損害保険協会、旅行業公正取引協議会の順で御発表をいただきたいと思います。

ただ、全て終わってから議論ということでは、少し議論が拡散してしまうおそれがありますので、途中で一度分けたいと考えております。

そこで、国民生活センター、消費者庁の御発表が終了したところで、まず一旦区切って質疑応答、意見交換の時間を40分程度設けたいと思います。

その後、日本損害保険協会、旅行業公正取引協議会の御発表が終了したところで、質疑応答、意見交換の時間を同じく40分程度を取らせていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

それでは、最初に、国民生活センターの渡邊課長補佐、よろしくお願いいたします。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課渡邊課長補佐 国民生活センターの渡邊でございます。よろしくお願いいたします。

私のほうから、暮らしのレスキューサービスに係る消費者相談の概況について、御説明をさせていただければと考えております。

それでは、資料に沿って御説明をさせていただきます。資料1-1を御覧いただければと思います。

まずは、PIO-NETの御説明からさせていただければと思いますけれども、こちらから御説明する数字、相談件数などにつきましては、全国にある消費生活センターから寄せられた相談を集約したデータベースでまとめたものになっております。

データは、全て2024年の12月末時点の登録数となっておりますので、御承知おきいただければと思います。

また、暮らしのレスキューというのは、トイレの修理ですとか、水漏れ、配管等の詰まりの修理ですとか、鍵の修理、交換などが含まれますが、事業者が消費者の自宅等に訪問して対処するサービスのことを呼んでおります。ですので、リフォーム工事といったものは含まれませんので、併せて御了承いただければと思います。

それでは、3ページ目を御覧ください。

具体的な個別の内容について、御説明させていただければと思います。

まず、3ページ目は、トイレ修理に関するものです。グラフの棒グラフが相談件数を表しておりまして、折れ線グラフが、相談件数のうち電子広告に係るものになっております。

電子広告というのは、インターネット上の広告を指しまして、ホームページですとか、ブログもそうですし、SNS上の広告も含まれます。

こういった広告をきっかけに契約をしたところ、トラブルに遭ったといったものが具体的な件数という形になっております。

年度ごとに件数の推移を表しておりますけれども、2020年度がピークとなりまして、その後、22年度、23年度、24年度は減少傾向を示しているといった状況になります。

属性としましては、ここに書いてありますとおり、51歳、それで女性が6割ぐらい、給与生活者が半数ぐらいで、平均契約金額が大体14万円といったような状況を示しているところです。

続きまして、4ページ目を御覧ください。

水漏れ、配管等の詰まりの修理です。

こちらも先ほどと同じく、2020年度、2021年度にピークが来ておりまして、ここ数年は、やや減っているかなといったところになります。

契約当事者の属性としては、62.3歳、女性が6割ぐらいで、無職や給与生活者が多いといった状況になっております。

続きまして、5ページ目です。

鍵の修理・交換です。こちらは、先ほどと少し傾向が異なっておりまして、21年度にピークが来ておりますけれども、その後、22、23年度、やや減っていますが、また、今年度に入ってから増えてきているといったところです。

先ほど申し上げたとおり、今年度12月末時点の数字となっておりますので、今年度に、また、ピークが来るのかなといった相談状況を示しているところです。

属性としましては、平均年齢は50歳。女性が6割ぐらいで、平均契約購入金額は7万4,000円と、やや安い金額となっております。

続きまして、6ページ目です。

害虫、害獣等の駆除になります。

こちらも、また傾向がやや異なりまして、件数としては、ずっと増え続けているといった状況になっております。

属性としましては、御覧のとおりですが、平均契約購入金額が約23万円となっておりまして、かなり高い金額を示しております。

続きまして、7ページ目です。

こちらは、ロードサービスになります。

ロードサービスは、22年度からぐっと件数が増えておりまして、23年度も多いといった状況です。今年度も、恐らく昨年度をやや上回るかどうかといったところになるかと見込んでおります。

属性がかなり異なっておりまして、平均年齢が35歳と若い方が多いというところ、あと、男性が7割弱おりまして、給与生活者が74パーセントなのですけれども、学生が9.4パーセントと、約1割近くを占めております。平均契約購入金額が約9万円となっております。少し傾向は異なっているかといったところになります。

続きまして、事例になります。

事例を一つ一つ御説明するのは、時間的に難しいので、かいつまんで御説明させていただきたいと思います。

まず、トイレ修理です。9ページになりますが、事例の1番です。

トイレ修理で「390円から」のネット広告を見て依頼したところ、55万円の請求を受けたといった事例です。

自宅マンションのトイレが詰まってしまったので、ネット広告を見て「390円から」と書かれていた事業者に修理をお願いしたいと電話をしたところ、作業員が2名来訪されまして、高圧ポンプで10分程度作業をしてくれたということです。ところが、解消されないので、便器を外して配水管を確認すると言われて、了承しました。

その結果、長年の汚れが蓄積してしまった、こんなにひどいのは初めてだということで、20万円前後かかると言われて、了承をしています。

その後も、更に特殊な清掃などと言われていて、これにも応じておりますが、最終的に詰まりは解消したものの55万円の契約書を渡されて、少しでも安くなればと思って、その場で50万を支払ったという事案ですが、よく考えてみると、余りに高額で納得できないといった相談になっております。

その下にあります、事例の2番目です。

見積もり無料の広告を見て、蛇口の水漏れを確認してもらっていたら、見積もりにかかった費用を請求されたといった事案です。

こちらはネット広告ではなくて、ポスティングチラシを見て事業者に電話をしております。

電話して来てもらったところ、水道管の内部を見ると言って蛇口を取り外して、蛇口がさびて給水配管の中の状態も良くないので、給水設備全体の交換が必要だと言われて、50万円の見積書を見せられた。高額な工事なので、すぐには返事できないと言ったところ、今日中に返事をしてくださいと言い残して、蛇口を取り外したまま、水漏れ処理もせずに帰ってしまったといった、そういった事案になっております。

続きまして、10ページ目です。

事例の3番ですけれども、鍵の解錠トラブルです。

深夜に自宅マンションの鍵をなくしたことに気がつき、慌ててインターネットで事業者を探した。検索結果で一番上に表示されたサイトにアクセスすると、最も高額な作業でも8,000円からと書いてあったため、高くても2、3万円程度と思って電話をしました。

男性の作業員が来訪されて、鍵穴を見て特殊な鍵だから解錠するだけで8万円、シリンダー交換をする場合は、更に2万円かかると言われて、そういったトラブルになっております。

その下の事例の4番です。害虫、害獣等の駆除ですが、ゴキブリが出て怖くなり、ネットで見つけた格安事業者に依頼したら高額だったといった事案です。

アパートにゴキブリが出て、怖くなりパニックになってネットで調べたところ、500円からゴキブリの駆除をするという広告を見つけたので業者に電話をした。料金は1万円ぐらいだということで、すぐに来てもらったが、作業員からは約10万円の見積書と契約書を渡されたといった事案になっております。

続きまして、11ページ目です。

こちらは、ロードサービスです。事前説明のない緊急対応費や祝日対応費を請求されたといった事案です。

車で出かけようとしたところ、エンジンがかからなかったということで、自動車保険にロードサービスは附帯していることは認識していたのですけれども、サービスの範囲外だと思い込んでおり、インターネットで見つけた基本料金3,480円と書いてあるロードサービス事業者に電話をして現場に来てもらいました。

その結果、バッテリーかなということで対応してもらったのですけれども、緊急対応費ですとか、祝日対応費、消費税などを足して7万円の請求がされたといった事案になっております。

こういったトラブルが立て続けに寄せられているということもありまして、13ページ目ですけれども、国民生活センターのほうで消費者に向けた注意喚起といったものを行っております。

2018年の12月に行ったものが、一番最初の最も古い注意喚起という形になっておりまして、その後、幾つか切り口を変えて断続的に情報提供しているといったところになります。

そして、13ページ目、14ページ目を御覧いただきますと「見守り新鮮情報」ですとか「子供・若者サポート情報」ですとか、ロードサービスは特に若い方が多いので、若者向けの情報提供ですとか注意喚起、あるいはユーチューブですとか関係機関との連携を行いつつ、注意喚起に努めているといったところになります。

続きまして、相談現場から見た課題です。

16ページ目を御覧ください。

この暮らしのレスキューサービスについて、相談現場から見た課題をまとめたものになります。

まず、相手方の事業者についてです。

この暮らしのレスキューサービスを提供する事業者は、個人事業主ですとか、零細企業が大半となっておりまして、消費者から相談を受けて事業者に事情を確認することが相談の現場ではよくあるのですけれども、こういった事業者に電話をしても、法令を知らないですとか、あるいはそもそも法律を守ろうとする意識が希薄な印象を受けております。

また、連絡が取れない事業者が少なくなくて、郵便を送ってもレンタルポストであったりだとか、住所もレンタルオフィスになっていたりだとかして、電話も通じないし、郵便を送っても見てくれない、届かないといった事業者が少なくありません。

2点目ですけれども、解決の困難さについてです。

消費者が困っている、突然のトラブルで困ってしまってパニックになっている方が多くて、その結果、スマホで検索サイトを使ってたまたま見つけた事業者に依頼するケースが多いことから、消費者に事情を聞いても、どういった広告だったのか、広告に何が書いてあったのかですとか、事業者からどういった説明を受けたのかといったことが覚えていない、あるいはうろ覚えということで、はっきりしないケースが少なくありません。

また、先ほど申し上げましたとおり、連絡が取れないケースが多いものですから、連絡が取れないと、そもそも交渉ができないということになりまして、相談をいただいても、なかなかその解決を図ることが難しいというのが特徴として挙げられるところです。

3点目としましては、インターネット上の広告です。

低価格、安い値段ですぐに現場に行きますといった広告内容が掲載されていることが多いのですけれども、現場に来てもらって、この作業が必要ですよと言われた、その作業の必要性ですとか、あるいはその金額の妥当性について、客観的に検証しにくいといった特徴があるのかなと考えております。

17ページ目を御覧いただきたいと思います。

どういった経緯でトラブルに遭うのかというのを少し図示したものになっております。

①ですけれども、トラブルが発生して、慌ててスマホで検索をする。

②番目です。検索結果で、上位に最短30分で行きますとか、料金が3,000円からと、こういった料金が書かれておりますので、この金額だったらいいかなと思って、最初にアクセスをします。

このサイトにアクセスしますと、③番ですけれども、電話番号が書いてあったりしますので、スマホからこの電話番号に電話をします。

そうすると、やってくる事業者のパターンが大体3パターンあるかなと考えておりまして、③-1、一番左側ですけれども、サイト事業者の委託先あるいは提携先が現場にやってくるケースがあります。

③-2としましては、サイト事業者と来訪者事業者の関係がよく分からない。消費者はあまり気にしないケースが多いので、よく分かりませんでしたといったケースがあります。

③番目は簡単ですけれども、サイト事業者と来訪事業者がイコール、同じ事業者が来るといったケースがあります。

この3パターンが多いのですけれども、相談の現場からしますと、③-2のよく分からない、関係が不明だといったケースが多いと考えております。

③-1と③-3は、区別がつかないことが多くて、仮に③-1だとして、委託先だとしても、なかなか事業者が説明しないというケースもありますので、消費者からすると、サイト事業者と来訪者・事業者が同じだと思っているケースも少なくないと考えております。

なお、サイト上で消費者が対応する事業者を選択できるといったケースは、相談としてはあまりないのかなと、把握していないというのが実情となっております。

国民生活センターからは、以上となります。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

続きまして、消費者庁消費者政策課財産被害対策室の吉田室長、よろしくお願いいたします。

○消費者庁消費者政策課財産被害対策室吉田室長 消費者庁消費者政策課財産被害対策室長の吉田でございます。よろしくお願いします。

本日は、暮らしのレスキューサービスに関わる消費者安全法に基づく注意喚起事例などについて説明をさせていただきます。

初めに、消費者安全法に基づく、財産被害事案に係る対応について説明をさせていただきます。

財産被害事案の「消費者事故等」ですけれども、虚偽の又は誇大な広告その他の消費者の利益を不当に害し、又は消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがある行為でありまして、政令で定めるものが事業者により行われた事態となります。

「消費者事故等に該当する場合」としましては、虚偽・誇大な広告・表示、契約締結、申込みの撤回・解除・解約に関して、消費者の判断を誤らせる行為、不実告知・事実不告知、断定的判断の提供など、また、消費者を欺き、又は威迫して困惑させる行為、不当な契約締結又はその勧誘、個別法によって取消事由とされている不当な勧誘行為、無効となるような不当な契約条項を含む契約など、また、債務不履行、違法景品類の提供などがあります。

次に「消費者被害の発生又は拡大の防止のための主な措置」でありますが、一つが、「消費者への注意喚起」となります。

消費者事故等の発生に関する情報を得た場合におきまして、消費者被害の発生・拡大の防止を図るために、消費者の注意を喚起する必要があると認めるときは、消費者事故等の態様、当該消費者事故等による被害の状況その他の消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表します。

もう一つが、「関係機関等への情報提供」です。

被害の発生・拡大の防止に資する情報を、内閣総理大臣が関係機関へ提供します。

例としましては、悪質事業者の預金口座凍結に資するよう、把握した情報を金融機関に提供するなどがあります。

次に、「最近の注意喚起事案」ですが、お示しさせていただいているとおり、令和6年度はこれまで6回公表をさせていただいております。

この中には、後ほど御説明させていただきます、「ウェブサイト上では適正かつ低額な料金で駆除作業を行うかのように表示しているが、実際には高額な料金を請求するゴキブリ駆除業者に関する注意喚起」も入っております。

次に、「主な財産被害事案の執行フロー」の御説明をさせていただきます。

端緒情報につきましては、着眼点を新規性、悪質性、拡大可能性といたしまして、PIO-NETでの探知、消費者安全法による情報通知、関係機関との情報共有会議などから把握をしております。

情報を把握しました後、調査を開始いたします。調査の主な内容としましては、消費者聴取、立入調査、報告徴収などがあります。

調査結果を踏まえまして、消費者向けに注意喚起、関係機関等向けに情報提供を行う流れとなっております。

次に、暮らしのレスキューサービスに関わるこれまで注意喚起をいたしました事例2件につきまして、御説明をさせていただきます。

まず、「ウェブサイト上では適正かつ低額な料金で駆除作業を行うかのように表示しているが、実際には高額な料金を請求するゴキブリ駆除業者に関する注意喚起」です。これは、令和6年9月30日に公表しております。

「事案の概要」になりますが、本件事業者は、自宅でゴキブリを発見するなどして困っている消費者がインターネットで検索し、検査結果の上位に表示された「害虫110番」と称する本件事業者が運営するウェブサイトにおきまして、「関東エリア 最安レベルに挑戦! 追加料金一切なし! 税込550円~」、「シンプル料金&明朗会計」、「駆除作業の面積に応じた料金」などといった適正かつ低額な料金でゴキブリを駆除する旨を広告・表示し、これを見た消費者は、本件事業者からゴキブリの駆除作業を適正かつ低額な料金で提供してもらえるものだと認識して、ゴキブリの駆除作業を依頼しておりましたが、実際に本件事業者が提供したゴキブリの駆除作業の実態は広告・表示の内容とは異なるものでありました。

続きまして、「具体的な事例の内容」を説明させていただきます。

自宅でゴキブリを発見するなどして困っている消費者がインターネットで検索をして、検査結果の上位に表示された本件ウェブサイトを見つけます。

本件ウェブサイトから、消費者は、適正かつ低額な料金でゴキブリを駆除してもらえるという印象を持ちます。

次に、消費者が連絡すると、コールセンター等につながります。

消費者が連絡しますと、コールセンター等につながり、消費者がゴキブリの駆除を依頼しますと、コールセンター等から訪問日時の指定又は作業員からの折り返しの連絡があるなどの受付が行われます。また、具体的な料金説明がないことから、駆除作業の料金を尋ねたところ、「基本料金は6,600円になる」、「料金はゴキブリ1匹6,600円になる」などと説明されたりした事例もありました。

次に、消費者宅を訪問した作業員はゴキブリの駆除作業を開始しますとともに、ゴキブリに対する気持ち悪さであったり、不安感をあおる説明をします。

消費者宅に訪問する作業員は1名又は2名であり、消費者からゴキブリの発見状況を聞き取った上で、点検と称して、ゴキブリの駆除や消費者宅の浴室などの点検を行いつつ、「ゴキブリの卵があった」、「ゴキブリ3匹がいた。駆除はできなかった」、「ゴキブリが出入りできるすき間ばかりある」などと、消費者に対しゴキブリに対する気持ち悪さや不安感をあおる説明をします。

次に、作業員は追加作業が必要と説明した上、高額な作業料金に躊躇する消費者には、更にゴキブリに対する気持ち悪さや不安をあおる説明をします。

作業員は、ゴキブリを駆除するための薬剤散布などを提案するとともに、料金につきましては、十数万円から二十数万円だと説明します。高額な作業料金に関して躊躇する消費者には、「卵があるので数日には赤ちゃんが生まれます。卵からフェロモンが出ています。」、「これをやればゴキブリにおびえることはありません」、「3匹ということは、実際にはこの何倍もいます。これからの季節は更に増えてきます。」、「この部屋はゴキブリが出入りできるすき間ばかりあります。しっかり経路を絶たないとまたゴキブリが出てきます。ゴキブリに悩まされたくないのであれば、今すぐここを引っ越すか進入経路を絶つしかない」などと、更にゴキブリに対する気持ち悪さや不安をあおる説明をしまして、追加作業の承諾を促します。消費者は、本件ウェブサイトを見て想定していた料金よりも大幅に増額していることは認識しますが、作業員の説明によるゴキブリに対する気持ち悪さや不安感を解消したいあまり、追加作業を承認します。ところが、追加作業の作業時間は10分から15分程度で、作業内容は、浴室の通気口、室内、屋外等に薬剤を散布する程度というものでして、作業料金に見合った内容といえるものではありませんでした。

最終的に、作業内容に照らして過大といえる高額の料金を請求してきます。

作業員は、作業終了後、作業内容と作業料金が記載された「作業請負契約書」を消費者に渡して料金を請求しますが、その金額は、作業内容に照らして過大といえる高額な料金でありました。また、当該契約書には、事前に消費者に説明がなかった駆除作業の料金が計上されていることもありました。作業料金につきましては、作業員からその場で現金払を求められますが、手元に現金がない場合は、深夜時間帯においてもコンビニエンスストアなどのATMでお金を下ろすように指示されることがありました。

事例を踏まえまして、消費者には3点アドバイスをさせていただいております。

1点目は、極端に安い料金を表示するウェブサイトには注意しましょう。

2点目は、ゴキブリを発見してもパニックにならず、まずは冷静になりましょう。

3点目は、ウェブサイトの表示額と請求額が大きく異なる場合は、クーリング・オフができる可能性があります。

また、「周知状況」といたしましては、消費者庁による公表、都道府県及び市町村、本件に関係する行政機関又は団体等に情報提供を行っております。

次に、「ウェブサイト上では低額な料金を表示しているが、実際には高額な料金を請求するトイレの詰まり修理業者に関する注意喚起」であります。これは、令和5年8月24日に公表しております。

「事案の概要」です。

本件事業者は、本件事業者が運営するウェブサイトである「水の関東24」におきまして「水漏れ・つまり修理 関東最安値 220円~」、「トイレのつまり・水漏れ解決 通常1,580円のところ220円~」といった、低額な料金でトイレの詰まり修理を行う旨を表示するなどし、消費者は一般的な料金よりも低額な料金で受けられるものと認識して修理を申し込んでいましたが、本件事業者が提供するトイレの詰まり修理の実態は、追加工事が必要などと説明し、最終的には一般的な修理料金よりも数倍高額な料金を請求しており、広告・表示の内容と異なるものでした。

続きまして、「具体的な事例の内容」を説明させていただきます。

トイレが詰まり困っている消費者はウェブサイトで修理業者を検索し、本件ウェブサイトを見つけます。

消費者は、本件ウェブサイトから、一般的な料金よりも低額な料金で行ってもらえるという印象を持ちます。

次に、消費者からの電話を受け、作業員を派遣します。

消費者が電話しますとコールセンターにつながり、消費者から故障内容などを聞き取って、「今から30分くらいで伺います」などと答えて作業員を派遣します。なお、このときに、コールセンターから、見積りや誰が訪問するかなど詳細な説明はしないこともありました。

次に、消費者宅を訪問した作業員は作業を開始しますが、追加工事が必要であるという説明をします。

作業員は、消費者宅を訪問し、当初は、「たぶんこれで直ります」などと説明して、数千円から数万円程度の比較的低額な料金を示しながら作業を進めていきます。しかし、作業を進めていきますと、「排水管の奥が詰まっているかもしれない」などと、当初の作業ではトイレの詰まりは解消できないとして、便器を外して配管に薬剤を投入したり、機械を使う作業が必要だとして、数万円から十数万円の追加工事が必要であると説明をします。消費者としては、本件ウェブサイトを見て想定していた料金よりも大幅に増額していることは認識しますが、既に修理作業が行われており、ここで作業をやめられても困るなどと考え、追加工事を承認します。

次に、作業員は追加工事を開始しますが、更に追加工事が必要と説明をすることがあります。

作業員は、追加工事を開始した後、大掛かりな工事が必要などとして、数十万円の更なる追加工事が必要であると説明することもありました。同様にここで作業をやめられても困るなどと考えた消費者が作業員から提案された追加工事を承認すると、作業員は、消費者に対し、会社に追加工事を依頼する電話をしてほしいとして、「工事請負契約書」に記載の電話番号に電話するよう依頼することがありました。消費者は、なぜわざわざ作業員の会社に電話しなければならないのかと疑問に思いながらも、作業員から指定された電話番号に電話し、改めて追加工事の依頼をしていました。

最終的には、一般的な修理料金よりも数倍高額な料金を請求してきます。

作業員は工事が終了しますと、修理作業の内容と請求金額が記載された「工事請負契約書」を消費者に渡して支払を請求しますが、その金額は、同内容の修理作業の一般的な料金よりも数倍高額なものとなっていました。また、「工事請負契約書」には、事前に消費者に説明のなかった修理作業の費用が計上されていることがありました。消費者は、トイレの詰まりは修理されたこと、作業員と減額等の交渉をする時間がなかったことなどから請求された料金を支払っていました。

事例を踏まえまして、消費者には4点、アドバイスをさせていただいております。

1点目は、ウェブサイトに表示された低額な料金をうのみにせず、依頼する前に、作業内容や料金を確認しましょう。

2点目は、自宅に来た作業員は信頼できる作業員でしょうか。作業内容や請求された料金に納得できないときは、その場で料金を支払うことに慎重になりましょう。

3点目は、トイレが詰まってしまっても慌てずに、まずは冷静になりましょう。

4点目は、ウェブサイトを見て修理依頼した場合であっても、クーリング・オフできる可能性もあります。

また、「周知状況」といたしましては、消費者庁による公表、都道府県及び市町村、本件に関係する行政機関、団体等に情報提供を行っております。

御説明は以上であります。

○鹿野委員長 御説明ありがとうございました。

これより、先ほども申しましたように、一旦区切って質疑応答と意見交換を行いたいと思います。時間は40分程度を予定しております。

いかがでしょうか。

大澤委員、お願いします。

○大澤委員 御説明いただきまして、どうもありがとうございました。

私からは、事実のグラフ等の読み方を確認させていただいた上で、感想というか、問題点として、ここがポイントになるのではないかというところをお話ししたいと思います。

この事実の確認については、国民生活センター様に伺いたいのですが、今回、非常に詳しいグラフで数字を出していただき、本当にありがとうございました。

いろいろレスキューと言っても、ロードサービスだったり、害虫・害獣駆除だったり、水道の詰まり等々あって、いろいろあるのだと思いましたし、あとは、そもそもその増え方なども、かなり内容によって違うような気がしました。

それで、水道、水詰まりに関しては、特に2020年のコロナの辺りで非常に増えているような印象を持っています。

他方で、害虫・害獣に関しては、緩やかに増えてきているというか、右肩上がりできれいに増えている感じなのですが、水道のほうがコロナのところで、一気に増えている感じがあるのですが、それはどうしてなのかなと、要は内容によって増え方が違っているのは、もちろん、はやり廃りというのもあるのかもしれないのですけれども、例えば、コロナのときに増えているのは、いわゆるネットでの勧誘が増えているからなのか、単に在宅時間が増えて、自宅でお手洗いなどを使う時間が増えたからなのかと、もし御存じだったら確認をさせていただきたいです。

あわせて、これも、もしデータがおありだったら教えていただきたいのですが、当然ポスティングチラシによるトラブルというのもあるだろうと思います。水詰まりに関しては、ポスティングチラシというのは、これも何年も前からというか、はるか前からあると思いますし、そういう業者との間でトラブルがあるというのも聞いたことは、私もあるのですが、やはり昨今は、ネット広告を見て消費者が依頼をしているという件数が多いのだろうと思うのですが、そうではなくて、やはりポスティングのほうも、まだ、一定程度ありますということなのか、まあまあ、比率とまでは言いませんが、その辺りも、もし御存じだったら教えていただきたいと思います。これが事実の確認です。

意見に関して言うと、これは3点ほどありまして、簡単に申し上げますと、まず1点は、個人事業者が多いということが、国民生活センター様の最後のところに出ていましたが、当然小規模な事業者でも、きちんと作業をしているような良心的な、要は、何を適正価格と言うのか難しいところなのですけれども、きちんとした価格で、そういう詐欺的なことをせずに、きちんとやっている事業者はいるわけであって、やはり、そういう事業者のイメージまで悪くなってしまうというのは、やはりあまりよろしくないと思いますので、そこをどのように今後やっていくかというのは、1つ課題ではないかと思いました。

それは、もしかすると、例えば業界団体だったりとか、そういうのに入っているか、入っていないかとか、そういうことである程度区別できたりとかはあるのかもしれませんけれども、個人事業主で、確かに小規模な事業者でトラブルが多いというのは事実だとしても、あまりそれでイメージが悪くなってしまうのは、良心的な事業者にとっては不幸であると思います。

2点目なのですが、やはりこれは役務提供なので、何がその価格として妥当なのかというのは非常に判断しにくいというのが、特徴ではないかと思っています。

それは、今までいろいろなサービス契約についても1990年代頃から言われていることなのですが、かつ本件の場合は、まず密室で、要は消費者の自宅で行われますし、かつ、パニックに陥った状態の消費者に対する勧誘、その後のサービス履行なので、消費者も提示された金額だったりとか、そもそも広告にはこう書いていましたというのは証明できるにしても、家に来たら、これが10万円と提示されたのですということが、あまり覚えていないこともあるということはおっしゃっていたと思うのですけれども、それもむべなるかなというか、私自身がもし同じ立場になっても、それはそうなるかなと思いますので、その辺りが今までの役務提供の中でもやや特殊というか、そこをどのように考えていくかというのを、今後、法律とかで考えるときには、これは考えなくてはいけないと思っています。

3点目なのですが、これは、消費者庁さんの御報告の中にもあったと思うのですが、支払い方法として、別にこれ自体が駄目ということではないと思うのですけれども、その場で、現金払いで、今、もう作業したのだから5万払ってくださいと、手持ちが5万円しかないということだったら、では、その5万円を全部払ってくれと払わせたりとか、あとは、ATMにまで、今はコンビニでも24時間ATMがありますので、そこで払戻しをさせるということで、要はパニックに陥った、価格の適性なども全くよく分からない状態で、現金でその場で払わされてしまうという、この支払い手段について、何か考えるところはないかというか、何か今後できることはないだろうかというのが、私の思った印象です。振込みを義務づけるというわけにもいかないのかもしれませんが、やはりその場で現金を払わせるということ自体が、やはり消費者からすると、よく考える間もなく払ってしまうところがあるのかなと思いました。

以上になります。すみません、事実について確認をさせていただきたいです。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、国民生活センター様、お願いします。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課渡邊課長補佐 国民生活センターです。

御質問いただきました点につきまして、御回答をさせていただきます。

まず、1点目のコロナの影響があったかどうかという点ですけれども、御指摘のとおり、2020年度、21年度辺りは、どのサービスも軒並み件数が増えているところもあるのですが、特段相談内容を見てみても、コロナが直接的に影響したかというのは、分からない、あまり影響はなかったのではないのかといった状況を感じているところです。むしろ、広告出稿が多くなったことに伴って、こういったトラブルが増えているのかなという印象のほうを強く受けております。

また、2点目のポスティングの影響、ポスティングチラシがあったのかどうかということですけれども、グラフで示しております折れ線グラフが、電子広告に関わるものを示しておりまして、それ以外のものは、ポスティングチラシ、電子広告以外の項目になりますので、ポスティングであったりだとか、あるいは聞き取りができていないといったものを表します。

ですので、水漏れ配管等の詰まりの修理というのは、比較的電子広告の割合が低くて、逆に言うとポスティングだとか、あるいは不明なものが多かったのかなという印象を持っております。

逆に、ロードサービスですとか、鍵とか、そういったものですと、電子広告の割合が高くなっておりますので、逆に、ポスティングは少なかったのかなといった、そういった状況にあります。

○大澤委員 どうも大変勉強になりました。

これポスティングに関しては、確かに水漏れのポスティングは、うちにもよく入っていますので、古くから割とポスティングが多いのは、この業界なのかなと思います。

他方で、ロードサービス等々、害獣駆除に関しての広告は、私は、ポスティングでは、そういうのはあまり見たことがないので、その辺りの恐らく業種による違いもあるのかもしれません。

あとは、ポスティングの場合に、これは消費者によるのかもしれませんが、やはり単純にポストにたくさん物が入っているというのを煩わしく感じて、そもそも中身を見ないで捨ててしまっているという消費者も恐らくいるだろうと、私は、実はそうなのですが、思う一方で、他方で、ネット広告は、やはり自分が困ったときに調べて、自分からアクセスするという、そこで上位に出ているものが引っかかってしまうということがあるので、その広告にアプローチする形態というのが、消費者によって若干違うように思いました。

すみません、感想です。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

ほかに、今村委員、お願いします。

○今村委員 今村です。大変丁寧な説明、ありがとうございました。

消費者庁にお伺いしたいのですけれども、まず、PIO-NETなどから、きっかけになるようなものを拾い上げるという調査は、実際のところ、どういう作業をされているのかということを、もう少し詳しく教えていただきたいのと、今回、事例として害獣110番と、水の関東というのが実例として挙がっていますけれども、実際、このように指摘してもらって、会社がその後どうなったのかというのを、分かれば教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。

○鹿野委員長 それでは、消費者庁様、お願いします。

○消費者庁消費者政策課財産被害対策室吉田室長 拾い上げるというのは、事案をどのように選択しているのかということでよろしいですか。

○今村委員 はい。

○消費者庁消費者政策課財産被害対策室吉田室長 先ほど申し上げましたとおり、相談件数の多さでしたりとか、あるいは、今までにない新規性でしたり、これは悪質、拡大する可能性が高いというところにより合致するものを、PIO-NETでの探知ですとか、消費者安全法による情報通知など、いろいろなところから探して対象を定めまして、調査を開始するということに努めております。

こうした業者が、その後どうなったかというところなのですが、恐らく、もうネットには出てきていないと思っているのですけれども、似たような業者は、ほかにたくさんいますので、やはり同じように安い料金を表示して、アポをもらって追加工事してという類似業者は、実際のところいると思っています。

ただ、そういった手口があるので気をつけてほしいという注意喚起をすることで、ネットだったり、マスコミだったり、消費者庁でも、ほかにも公表しておりますけれども、そういったのをより多く消費者に見ていただきたい、と考えております。

○今村委員 ありがとうございます。

調査の段階で国民生活センターのほうからは何万件というオーダーで出ていて、今、事例として2つほど挙げていただいていますけれども、それをもっと増やしていただくということが今後可能なのかということと、実際、今こうやって事例を挙げていただいて、その後ろからどんどん出てくるものを、追加でまた、こういうところもありますねということを言っていくというのは可能なものなのでしょうか、なかなか1回出たら、もうそれが注意喚起になってしまって、消費者庁としては、次の二の矢が打ちにくいということはないか、それから、二の矢を打っていくということを基本方針としているのかという部分で、教えていただきたいと思います。

○消費者庁消費者政策課財産被害対策室吉田室長 今年度6回公表させていただいていますけれども、それぞれいろいろ業種もパターンも違うものです。それは、その時々の相談件数が多かったり、悪質だったりしますので、私ども財産被害対策室は、より迅速に消費者に注意喚起をするということに力を入れておりますので、対象がどんどん変わっていくところは正直あるかなと思っております。

○今村委員 分かりました。ぜひ、積極的な公表をお願いしたいと思います。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

それでは、中田委員、お願いします。

○中田委員 御説明ありがとうございます

コメントと質問をさせていただきたいと思います。

レスキューサービス提供者の中には、想定していなかった有事に時間を問わず、心ある緊急対応してくださる良心的な事業者がいる中で、一部の不誠実な事業者が存在することで、業界全体のイメージがすごく悪くなり、良心的な事業者に対しても警戒心を抱かなくてはいけないという状況は、正直非常に残念であると感じました。

また、同時に、消費者は、私もその消費者の1人なのですけれども、有事には冷静な思考が難しいので、消費者被害を未然に防ぐこと、この件はすごく難しいと改めて感じました。

有事にならないと、消費者は自分ごと化できないのではないかと思うのですが、周知で意識を変えることの難しさはあると思うのですが、それでもホームページ等に注意喚起をするだけではなくて、やはり平時に消費者へアウトリーチしての啓蒙、例えば、先ほどのACのテレビCMも活用されたり、あるいはマスコミにより、今日どのぐらいのマスコミの方が取材に来ていらっしゃるか分からないのですけれども、広く積極的に、この件について報道していただくことが、非常に重要ではないかと感じました。

問題意識としては、利用者の視点からは、レスキューサービスを要請するときは、非日常的な事案が発生しているときで、パニックに近い状況だと思われるので、まずは、その状況を解決してほしいという不安感が圧倒的に強いので、対症療法的にでも事態を解決してくれている事業者に対する安堵感が、実際の被害者意識を薄れさせたり、その時点で提供されたサービスに対する適正価格は分からないので、自身が被害に遭っているかどうかも分からない。気がついたときには、もう時既に遅し、諦めてしまうという被害意識が顕在化しにくいという課題が1点あると思うのですが、実際の被害件数は、今日、PIO-NETの件数の御紹介をいただきましたが、これ以上に、かなり多いとお考えでしょうか、これを、まず1点伺いたいと思います。

あと、事業者とかプラットフォーマーの視点からは、インターネット広告でも必ずしも100パーセントが悪徳事業者ではなくて、良心的あるいは許容範囲の事業者がリスティング広告、アフィリエイトを展開して、検索ページトップに掲載されていることもあって、その上、掲載内容とその後のサービス提供時の条件が異なっていることまで、プラットフォーマーがトラッキングしていくことはなかなか難しいのではないかなということも、プラットフォーマーに、そこを求めなくてはいけないのですけれども、現実レベルでは、なかなか簡単ではなくて、広告掲載画面も内容変更を瞬時にできてしまうので、明らかな悪徳事業者の見極めが微妙で簡単ではなくて、その結果、何かあったときはすぐに検索するということが身についている消費者が被害に遭うことを防ぎにくいという状況があると思います。

ですので、これは、なかなか第三者が防ぐことが難しいので、消費者本人が信頼できる事業性を判断する力をつけるということで防ぐしかないのではないかと感じます。

個人的には、1つはテレビCMをやっているような企業であれば、逃げ隠れできないという、その身元が明らかであるという基準もあると考えていましたが、今日この後、業界団体の事例もこれから御紹介いただけるようですが、もし、海外の事例等で、何か効果的な結果を発揮しているような対策事例などが御存じであれば、御教示いただきたいと思います。

以上です。

○鹿野委員長 今のは、消費者庁にお答えを。

○中田委員 そうです、2番目は消費者庁に、件数については、国民生活センターさんに伺えればと。

○鹿野委員長 それでは、まずは、消費者庁にお願いします。

○消費者庁消費者政策課財産被害対策室吉田室長 海外でどのようにしているかというのは、ちょっと承知しておりません。

○鹿野委員長 ということですが。

○中田委員 そうですね、やはり万国共通の悩みでもあると思うので、何か参考事例なども御確認いただいても、よいかなと感じました。ありがとうございます。

○鹿野委員長 それでは、国民生活センター様、お願いします。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課渡邊課長補佐 国民生活センターです。相談が、実際はもっと多いのではないかといった御指摘かと思いますが、御指摘のとおり、必ずしも相談される消費者ばかりではありませんし、あと、実際に来てもらって、修理ですとか、対応をしてもらう、駆除だとか、対応をしてもらえて、その金額が高かったといった苦情がほとんどですので、高かったけれども、やむを得ないかなと、しようがないかなと感じて、内心不満を感じつつも、相談しない、苦情として上げないといった方は、かなりいらっしゃるのではないかなと推測しているところです。

○鹿野委員長 よろしいですか、中田委員、やはり、実際にここで上がってくる件数より多いだろうということですが。

○中田委員 ありがとうございました。

被害の大きさを改めて感じました。ありがとうございます。

○鹿野委員長 それでは、柿沼委員、お願いします。

○柿沼委員 柿沼です。

レスキューサービスですが、まず、取り上げていただいたことに大変感謝申し上げます。

レスキューサービスですが、消費生活相談の現場にいる者にとっては、大変悩ましい問題です。

国民生活センターさんからの御発表のとおり、事業者とのあっせんが通常の事業者とのあっせんとは異なる点が多々あります。事業者に対して丁寧に説明しても、法の遵守をすることの希薄や、連絡が取れない、合意が取れても合意書を送ってこない、返金されないなどもあります。

また、高圧洗浄をしなくても、詰まりが解消されたようだ、エアコンの電気系統のエラーが出ているのに、ガスを入れて直ったと言って帰ったけれども、結局直っていなかったとか、修理されないどころか壊されたとか、修理に来た業者が怖くて払うしかなかったなどの相談も入っているところです。

国民生活センター様と消費者庁さん、両方にお尋ねしたいのですけれども、3点あります。

1つ目が、レスキューサービスについて、こういう事例が多くなった後から、業界団体、例えば、トイレの事業者様などとの取組や連携、それから、多くがデジタル広告を見て、トラブルに遭う方が多いので、デジタル広告のプラットフォーム事業者様との取組や連携などについて、なさっているのかというのを、まず教えてください。

それから、2つ目です。

周知はされているということですけれども、なかなか消費者に届きにくいというところもあるかと思うのですけれども、周知以外にほかになさっていることがあれば、教えていただきたいと思います。

それから、3点目です。

やはり、そういう悪質な事業者に連絡が行かないようにするのが一番の方法かと思うのですけれども、適切な事業者や、事業者団体などを案内するような、そういうツールみたいなものというのをお考えいただいたり、実際になさっているということであれば、教えていただきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

○鹿野委員長 今のは、国セン様と消費者庁様の両方に対して、3つの質問をということでしたので、まずは、国民生活センター様、お答えいただけますでしょうか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課渡邊課長補佐 国民生活センターです。

まず、1点目の業界団体との連携というか取組ですけれども、この後、御説明いただくようですけれども、損害保険協会さんですとか、あと害虫の業界団体さんですとか、あるいは広告に関してもネット広告の団体様のほうと、適宜情報共有なり、連携といったものをさせていただいておりますけれども、逆に水漏れの配管の詰まりとか、トイレとか、個別に全ての団体と連携しているかというと、そうでもないというのが実情になっております。

また、2点目、3点目のほかの対策とか、ツールに関しては情報提供機関ということもありますので、動画ですとか、SNSなどを使いつつ、必要な情報が届くように周知しているといったところになります。

国センからは以上になります。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

それでは、消費者庁様、お願いします。

○消費者庁消費者政策課財産被害対策室吉田室長 取組といたしましては、関係機関へ情報提供ということで周知させていただいておりますし、また、各県を通じて市町村等々にも注意喚起の情報提供はさせていただいているところであります。

もちろん関係団体にも周知しておりますので、取り組んでいただけているのかなとは考えております。

SNSに関しましては、消費者庁もXですとか、通常のホームページ以外も使って、より多くの人に知っていただけるようにという努力はさせていただいているところであります。

以上です。

○鹿野委員長 柿沼委員、よろしいですか。

○柿沼委員 取組内容について教えていただきまして、ありがとうございました。

やはりデジタル広告が検索画面の上のほうに表示された事業者が、何々市指定の工事業者、公式の業者、何々市対応をしていますなどと記載があると、どうしてもそちらのほうに目がいってしまって、その事業者を選んでしまうところがありますので、やはりデジタル広告を行っているプラットフォーム事業者と連携を取ることについては、私は大変意義があると思いますので、引き続き、そのような対応をしていただければと思います。ありがとうございます。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

それでは、小野委員、その次に黒木委員長代理、お願いします。

○小野委員 小野でございます。

もう既に、ほかの委員から出ているところもあるのですけれども、私からはコメントを1つと、質問を1つさせていただきます。

私は専門が消費者教育ということもありまして、どのようにして、該当する消費者に情報を届けていくかというのにすごく関心があるのですけれども、そういった意味では、国民生活センターから御説明がありました、水漏れ、配管等の詰まりは、相談者の平均年齢が高く、一方で、ロードサービスについては平均年齢が低いとか、害虫・害獣のサービスについては、金額が高いということで、その対処方法のヒントになるものを、今日整理してお伝えいただきましたので、大変意味のあることだと思います。

また、私自身も大学の授業で活用しているところなのですけれども、かなりいろいろな動画を工夫されていて、パンダマンというマスコットキャラクターの、本当に短いものから、少し長いものまで、例えばトイレ修理のトラブルについてもあるので、こういったものを活用していくように、学校教育であるとか、あるいは市民を対象にした講座で活用しつつ、専門家が解説をするような、そんな形に持っていくと、より伝わるのかと思いながらお話を聞いていました。以上がコメントでございます。

1つ質問といいますか、何か考えているところがあったら教えていただきたいと思いまして、国民生活センターと、それから消費者庁の方にお尋ねをいたします。

結局、消費者がトラブルに遭ったときにネット検索をし、その画面の上位に正しい情報があがれば、これに勝るものはないと思っています。

一方で、言うのは簡単なのですが、1つの組織ではそれが難しいということ、マンパワーもありますでしょうし、それから予算の関係もあるかと思うのですが、ここは消費者委員会ですので、消費者行政全般で何かできることはないですかと申し上げる、そんな機関だと理解しております。

したがいまして、こういった情報を正しく消費者に掴んでもらう、そういったことで1つの組織では少し難しいけれども、アイデアがありましたら、逆に教えていただきたいなと思いまして、質問をさせていただきます。

以上でございます。

○鹿野委員長 それでは、消費者庁様に、まず、お願いします。

○消費者庁消費者政策課財産被害対策室吉田室長 お答えになるかどうかは分かりませんが、御説明しました害虫とトイレについては、一番引っかかっているというか、割合が多いのは20代の方、ゴキブリなどに関しますと、特に20代女性、30代女性を足すと、もう半分を超えるぐらい。

どういうことかなと考えますと、一人暮らしを始めて、そこにゴキブリが出ました、見たことない、何これということで、相当パニックになるという状況も見受けられるところがありまして、すぐネットで探す前にひと呼吸置いて、離れていても御両親だったり、お身内にどうすればいいと聞くような、ひと呼吸置くようなことができれば、多少なりとも親御さんなり、知り合いからアドバイスをもらえて、何かもっとより良い方法を探せるのではないのかなという感覚は持っております。

○小野委員 ありがとうございます。

○鹿野委員長 国セン様にも、何かございましたら、お願いします。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課渡邊課長補佐 国民生活センターです。

お答えになるかどうか分からず、感想めいたことで大変恐縮なのですけれども、私ども情報提供機関ではありますし、また、苦情処理機関でもありますので、消費者の方から、こういったトラブルがあって納得できないのだという相談を、この分野もそうですし、数多くいただくことがあります。

そういった際に、事業者と話し合いをして、事業者側の主張なり、見解なりといったものを確認して、関係する法令ですとか、過去の裁判例などと照らし合わせて解決を図っていくということを行うのが、オーソドックスな相談処理なのですけれども、先ほども少し申し上げましたとおり、この暮らしのレスキューサービスに関しましては、事業者と話し合いができない。そもそも所在が不明だったりだとか、連絡がつかなかったりだとかというケースが非常に多くありますので、こういった部分について、何かしらの手当がされると、仮にトラブルに遭ったとしても、話し合いによる解決が図れるのではないかということになりますので、こういった事業者側の所在確認あるいは連絡対応、そういったものについて、何らかの手当がされるといいなと感じているところです。

以上になります。

○鹿野委員長 小野委員。

○小野委員 ありがとうございました。

それぞれのできることというか、得意なことを、今、お話しいただきましてよく分かりました。

それで、どちらかというと、国民生活センターや消費生活センターは、事業者との間に立てるといったところは、消費者個人では、やりづらいところですので、そこにいろいろ対応ができるような体制を整えていくというのは、1つ確かにあります。

こういったレスキューサービスだけではなくて、ほかのものにも言えることだと思いますけれども、それぞれのお立場でできることというのを出し合うというところでヒントをいただきました。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

先ほど、次に黒木委員長代理と申しておりましたが、山本委員から手が挙がっていて、そちらを先にという黒木委員長代理から申し出がありましたので、山本委員、お願いします。

○山本委員 すみません、お先に失礼いたします。私からは、質問をさせていただければと思います。

どうなのでしょうか、国民生活センター様か、あるいは消費者庁様か、いずれもかとも思うのですけれども、悪質な事業者の広告、デジタル広告の話がありましたが、特に法律に違反するような形の広告がなされていたような場合について、プラットフォーム事業者に対して、その広告の非掲載であるとか、あるいは削除ということを、これまで要請したことがあるかどうか、あるいは要請をした場合に、プラットフォーム事業者様の対応というのがどういうものだったのかということについて伺えればと思いました。

すみません、以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

それでは、消費者庁様、まず、お願いします。

○消費者庁消費者政策課財産被害対策室吉田室長 消費者庁もいろいろ担当課がございまして、私ども財産被害対策室は、とにかく消費者への注意喚起を最優先に行っておりまして、今の御質問には、私どもではお答えは難しいのかなというところなので、御了承をお願いしたいと思います。

○鹿野委員長 それでは、国民生活センター様、プラットフォーム事業者との間で、何かやり取りをされたということがございましたら、お願いします。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課渡邊課長補佐 国民生活センターです。

そういった事業者と連絡がつけば、広告の在り方としておかしいのではないかですとか、消費者から、こういった苦情が寄せられていますといったことをお伝えし、改善を促すことは行うのですが、そもそもこの分野で、そこまで連絡のつくケースというのはほとんどありませんので、実務上は、ほぼないかなといったところになります。

○鹿野委員長 山本委員。

○山本委員 ありがとうございました。

そういう意味では、プラットフォーム事業者側に窓口みたいなものを設けていただくとか、いろいろと今後、連携の在り方というものがあるかなと思いました。

ありがとうございます。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

それでは、黒木委員長代理、お願いします。

○黒木委員長代理 まず国民生活センターの方に質問させていただきます。資料3ページを拝見すると、2020年頃からネットを使った広告とそれ以外の広告媒体がちょうど半々になっているようです。平均購入金額が14万円となっていますが、ネットを利用した場合とそれ以外の場合で、この平均購入金額に差があるのかどうか、もし分かれば教えていただきたいと思います。

質問の背景としては、先ほど山本委員からも指摘がありましたが、ポスティングなどの従来型広告も事業者にとってはコストがかかりますし、コールセンター設置などの費用もあるでしょう。一方で、ネット広告の場合はSEO対策などを通じて、GoogleなどのSERP(検索結果表示)で上位表示を獲得するためにかなりの投資をしているケースもあると思います。こうした消費者獲得コストの違いが、消費者被害の内容や程度に影響を与えているのかどうかを考察したいと思い、この質問をさせていただいています。

次に、16ページに関連してですが、先ほどから議論されているように、事業者の特定が難しいケースが多いと理解しています。解決の困難さについて記載がありますが、例えば深夜に作業に来るというのは、作業員自身にとってもコスト負担があるはずです。この作業員たちが自ら広告を出しているのか、それとも別の組織の下で動いているのかという点について、17ページでは「不明」とされていますが、この点をもう少し詳しく調査する方法はないのでしょうか。これが16、17ページに関する質問です。

消費者庁への質問としては、消費者安全法は確かに38条で注意喚起の規定がありますが、それに加えて39条では関係機関への要請規定もあります。このレスキューサービスの問題は大きく2つあると考えています。まず消費者への訴求という点では、景品表示法違反の可能性が極めて高いです。また、実際に現場に来て行われる作業などの実務面では、特定商取引法の訪問販売に該当するケースが多いと取引対策課が見解を示しています。

このような状況で注意喚起を行う際に、同じ庁内の表示対策課と取引対策課が連携して、問題のある事業者に対する再発防止策をどこまで講じているのか、その取組について教えていただければ幸いです。以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

それでは、まず、国民生活センター様からお願いします。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課渡邊課長補佐 まず、グラフの数字の件ですけれども、電子広告での契約時の平均契約金額は幾らかというデータにつきましては、ちょっと手元にありませんので、お答えができません。申し訳ございません。

○黒木委員長代理 あと、問題となっている事業者を特定するという点については、相談の現場でもう少し何かできることはないのでしょうか。16ページ、17ページあたりの内容についてお聞きしたいです。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課渡邊課長補佐 御指摘の16ページ目、17ページ目の点ですけれども、こちらも私どもは、あくまでも相談を処理する一環として事業者に事情を聞いているというところになっておりまして、事業者に、この金額はどうなのですかと、例えば、3,000円からと書いてありましたけれども、金額が随分違いますねといった指摘はしますけれども、そこの回答がなされなかったりとか、回答が判然としなかったとしても、それ以上はなかなか突っ込んでいくことができない、事業者から協力をしてお答えいただければいいのですけれども、なかなかそうならない事業者だったりすると、話が先に進んできませんので、実情としては、なかなかよく分かっていないのが、率直なところかなといったところになります。

○黒木委員長代理 ありがとうございました。

○鹿野委員長 それでは、消費者庁様、お願いします。

○消費者庁消費者政策課財産被害対策室吉田室長 同じ庁内でありますので、連携はさせていただいておりますが、詳細につきましては、控えさせていただきたいというところです。

ただ、思うのは、業者について、例えば注意喚起をしますけれども、結局その業者が、また名前を変えてというケースが結構多いものですから、ではやろうとしたときには、もう名前が変わってしまっているというのがあるというのも実情です。

○黒木委員長代理 特定商取引法では、営業停止命令を出す際に関係者全員の名前も公表することができますよね。ぜひその権限を活用していただいて、こういった悪質な事業者を市場から根こそぎ排除していただきたいと思います。これは意見として申し上げておきます。

○消費者庁消費者政策課財産被害対策室吉田室長 ちょっと私の所管からは、すみません。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

最後に黒木委員長代理がおっしゃったことについては、私も同じように質問しようかなと思っていたところでございました。本日は、消費者安全法に基づいて、どのように情報を捉えて注意喚起等をされているかということを中心にお話しいただいたのですけれども、それ以外の、特に広告の問題というのがありますし、それから今日の説明資料にも、訪問販売に該当して特商法に基づいてクーリング・オフができる可能性があるということも消費者に対するアドバイスという形で公表していらっしゃるということもありましたので、その関係で表示対策課とか、あるいは取引対策課とどのように連携されているのかということとか、そちらでどのように処理がされているのかというところについて、伺いたいなと思っていたところです。

本日は、御担当ではないので、そこまで詳しくはお答えができないということでありましたので、また、後日改めて、それらを担当していらっしゃる方にお話を伺えればありがたいと思っているところです。

もう一つ、これは確認ということになりますけれども、被害回復ということについては、国民生活センター様にお聞きしたらいいのか、あるいは消費者庁様にということになるのか、被害回復ということについては、なかなか難しいというのが現状と理解してよろしいでしょうか。

ツールとしては、その特商法に基づくクーリング・オフというのがあることはあるのでしょうし、あるいは御紹介頂いた事案を見ていると、場合によっては、消費者契約法の4条に基づく取消しができるかもしれないような、詳しく見ないと、それぞれの事情によって違うとは思うのですけれども、そういうものもありそうなのですが、しかし、国センさんから先ほど御説明いただいたように、相手と連絡がつかない場合がほとんどであるということでありましたので、そうなってくると、被害回復ということには、なかなか結びつかないという認識でよろしいでしょうか。あるいは逆に、そういう回復につながったというケースがもしあれば、教えていただければと思いました。よろしくお願いします。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課渡邊課長補佐 国民生活センターです。

相談のその後ということですけれども、事業者と話がついて、連絡がつけば、御指摘いただいたような特商法上の書面の在り方だとか、消費者契約法上の取消事由に該当するかどうかですとか、そういった点も含めつつ話し合いを行っていき、解決を図るといった形になります。

多くの場合は、法律上は無条件でクーリング・オフができたりだとか、取消しができたとするケースだとしても、そこまで求めていくと、事業者側が今度は折れなくなって解決が図れないといったことになりますので、相談者のほうも、それほど紛争を長期化させたくない、早期に解決したいといった希望がありますので、一定金額を返金するといった形でお互いが譲歩し合って解決するといったケースが一般的になっております。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

黒木委員長代理、お願いします。

○黒木委員長代理 最後に一言、国民生活センターにお願いがあるのですが、先ほど申し上げたように、事業者と消費者の接点は様々な形の広告媒体があります。できましたら、今後、被害の平均額を集計する際に、どういう広告媒体からどういう被害が生じているのかという分析ができるような統計資料の作成を検討していただけないでしょうか。そうした資料があれば、我々がこの問題をどう考えていくべきかを検討する上で、非常に意味のあるデータになると思います。これは意見として申し上げておきます。ご検討いただければ大変ありがたいです。以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

それでは、予定した時間を少し超過してしまいましたが、これで前半についての質疑応答を、ひとまず終えたいと思います。

国民生活センター及び消費者庁におかれましては、貴重な御発表をいただきましてありがとうございます。

今、申し上げましたように、後半に進みますが、関連する議論も出てこようかと思いますので、もし差支えがなければ、引き続き御参加いただけると幸いでございます。

それでは、次の御発表に移りたいと思います。

まず、日本損害保険協会、三村グループリーダー、斎藤係長に御発表をよろしくお願いいたします。

○一般社団法人日本損害保険協会損害サービス企画部保険金不正請求対策室三村グループリーダー 損害保険協会の三村と申します。よろしくお願いします。

資料に沿ってお話しさせていただきます。

表題が「ネットで検索したロードサービスに関する消費者トラブルについて」ということです。

これを見ていただくと、恐らく皆さん、注目されるのが、ワードとしてはロードサービスとかに行くと思うのですが、実際はロードサービスがポイントではなくて、ネットで検索したというところと、消費者トラブル、これがポイントです。

更にフォーカスすると、ネットというと、私が今持っている、パソコン、あとスマホがありますね、どちらかというと、うちで今日お話しするのは、こっちです、スマホです。もっと言うと、ネットで検索したというと、自分で探したと思うのですけれども、探してはいるのですけれども、フォーカスすると、これは、プラットフォーマーの広告なのです。ですので、これを今日ロードサービスをテーマに、具体的な話を使いつつ、今、言ったポイントでお話を進めていきたいと考えております。よろしくお願いします。

めくっていただいて、冒頭、損保協会は何者かというお話だけ私からしまして、詳細は斎藤からお話しします。

まず、損保協会なのですけれども、いろいろ書いてあるのですが、一言で言うと、損害保険の業界団体で、皆様が知っている日本に営業している保険会社のほとんどは、私どもの会員でございます。

それで、下のほうに移りますが、ポツの3つ目、本件ですが、2022年頃から、これは国民生活センターさんの発表にもありましたが、この頃からインターネットのリスティング広告で格安だとか、迅速だとうたったロードサービス業者、これは、全部ではないのですけれども、悪質な業者がいまして、消費者からいろいろなお話を、私ども損害保険業界にいただいていると。

私ども何で接点があるかというと、自動車保険というものがあって、多くの方は自動車保険に加入されていると、そういうところから保険会社に相談の電話が来て、保険会社から私ども業界団体なので、お話が来ていると、こういう構図になっております。

具体的に私どもはどういう取組をしているかという話とか、あと、アンケートもかなり細かくしておりますので、その辺りのお話を斎藤からさせていただきます。

では、話す者が代わります。

○一般社団法人日本損害保険協会損害サービス企画部保険金不正請求対策室斎藤係長 損害保険協会の斎藤でございます。

資料の2ページ目の「自動車保険付帯ロードサービスの概要」というところから御紹介させていただきます。

皆さん、御存じの方が多いかと思いますが、自動車保険は、一般的にはロードサービスがセット、付帯されておりまして、自動車の事故に遭われたり、自動車が故障されたりした場合に、損害保険会社に連絡をすれば、あらかじめ契約に定められたサービスを受けることができます。

どのようなサービスの内容かといいますと、下のポツに移りまして、走行不能になった自動車を修理工場まで運ぶ、レッカー、それから、事故、故障、バッテリー上がりなどで、その場に緊急で駆けつけて、応急処置をするという場合の費用の補償、また、道路で燃料切れとなった場合の燃料の配達サービス、あとは自動車がレッカーで搬送された後に、移動手段がなくなってしまいますので、宿泊、それから移動交通費の補償、こういったサービスを自動車保険附帯ロードサービスで提供しております。

契約によって受けられるサービスの範囲、補償される費用は異なるのですが、一般的には、これらのサービスを提供しております。

こちらのロードサービスに関して、先ほど三村からありましたとおり、実際に費用を補償するのですけれども、お客様が実際にネットで検索して、駆けつけたロードサービス業者から、保険で払われるので全部保険会社に請求してくださいということで、建て替えるつもりでお支払いをしているのですが、その後、保険会社に、こういった費用を請求いただいた場合に、契約に定められていない費用が含まれていたり、契約の上限を超える金額であったりして、全てをお支払いすることができず、お客様の自己負担が発生してしまっているということで、トラブルが発生してしまっているという状況にあります。

そもそも、なぜこういったトラブルが発生してしまっているのかというのを調査したのが3ページ目以降になります。

大きく分けて被害者へのインタビューと、それからアンケート調査を実施しています。

3ページ目が、被害者へのデプスインタビューなのですけれども、なぜこういったトラブルに巻き込まれてしまうのかというのを把握するために、複数の方を対象にインタビューをしました。

その結果、4点の被害者の共通項が明らかになりました。AからDのところです。

自動車の運転の御経験が少ない。自動車が故障した際にどこに連絡すればいいのか分からない。自動車をお持ちの方は御家族、両親や配偶者などで、自動車保険のことは家族任せなので分からない。自動車保険は分かりませんので、ロードサービスがついているということであったり、故障のときにどう行動したらいいのか分からないといった共通項が出てきました。

この結果から我々では、運転経験が少ない比較的若い世代の方が、自動車が故障した際にどこに連絡すればよいのか分からず、取りあえず手元にあるスマートフォンでネットを検索して、上位に表示された、リスティング広告で表示された事業者に助けを求めている、こういう状況にあるのではないかという仮説を立てました。

この仮説を検証するために、次の4ページ目でございまして、消費者へのアンケート調査を2023年に実施いたしました。

対象は、全国の運転免許証を取得している18歳以上の男女、3,000名以上の方に御協力のほうをいただきました。

このアンケート調査の結果の詳細は、私どものホームページに掲載しておるのですけれども、分かったこととしては、大きく3点ございます。AからCのところで、若い年代の方ほど、そもそもネットで検索をして、ロードサービスを呼んだら消費者トラブルになるということを聞いたことはありません。逆に、年代が高い方は聞いたことがあるという割合が増えていました。

2点目が、年代が若くなるにつれて、自動車が故障した場合でも、自動車保険のロードサービスを使えるということを知らない。

3点目が、年齢が若くなるにつれて、自動車が故障した場合には、ネット検索やSNSで表示されたロードサービス業者に連絡しますと答えた方が多かったというところです。

詳細は、私どものアンケート調査を公表しているものに書いてあるのですが、実際にトラブルに見舞われたことがあると、アンケートで御回答された方のうち、10代ですと8.33パーセント、20代ですと7パーセントの方がウェブ検索で表示された業者に連絡しましたと回答しました。

30代以上になると割合が減りまして、30代で2パーセント、40代以上ですと1パーセント程度になっていくということで、10代、20代の方が非常にウェブ検索で表示された業者に連絡する傾向にあるというのが見えております。

この結果をまとめまたのが5ページ目でございます。

自動車の運転経験の少ない若い方が、自動車でドライブ中にパンクやバッテリー上がりなどの自動車の故障に見舞われます。ただ、運転している車は御家族のものですので、故障した際にどこに連絡すればいいのか分からないので、取りあえず、手元にあるスマートフォンで検索をしたら、検索結果に、安くすぐに駆けつけますと書いてあるので、その業者さんに連絡をします。

駆けつけたロードサービス業者に見てもらった結果、故障は直ったのですが、広告の表示と異なる高額な費用を請求される。ロードサービス業者は、保険会社と提携しているので、全額保険金から支払われますよとおっしゃられるのですが、保険会社と提携していない業者さんであったりしまして、消費者は費用を建て替えるつもりでお支払いされるのですが、実際は保険金として受け取れないというケースが発生しているという状況でございます。

6ページ目は、先ほどの国民生活センターさんの御説明にもありましたが、国民生活センターさんで、年代別のロードサービスに関する消費者相談の傾向を2023年に公表してくださっていまして、我々の調査と同様に、やはり20代の方の相談が多いという傾向が見えております。

7ページ目から、私どもで、ネットで検索したロードサービスに関する消費者トラブル、これを防ぐために何をしているかというところを御紹介させていただきます。

私どもでは、戦略として、ネット検索で上位に表示されたロードサービスに関する消費者トラブルが急増していますということを、消費者の方に知っていただく。

あとは、調査の結果、自動車の故障のときには、自動車保険を契約している損害保険会社、保険代理店に連絡しようと思いますという若い方が少ないということが分かりましたので、ぜひ損害保険会社、保険代理店に連絡をしてくださいという2点を周知するという方針を掲げまして、4つの対策を実施しています。

1つ目が、リスティング広告を我々も出稿する。

2つ目が、ポスターを作成して、若い方が被害に遭いやすいので、指定教習所に御協力をいただいて掲出をしております。

3つ目が動画を作成してSNSで広告出稿。

4つ目に私どものホームページで注意喚起をするという取組を実施しています。

リスティング広告は、7ページ目の下段にありますようなイメージで、スマートフォンで検索をした場合に、私どものリスティング広告も、極力最上部に出るように出稿しているところです。

三村から冒頭ありましたとおり、消費者トラブルの多くがスマホで検索をした結果、発生しているということで、私どももスマホで検索した場合に出てくるようにしております。

ただ、必ず最上部に出るわけではないというところが、なかなか難しいところでございます。

2点目が、8ページ目のポスターでございます。

こちらは、国民生活センター様にも御協力をいただきまして、注意喚起のポスターを作成しまして、保険会社であったり、消費者行政機関様あるいは指定教習所に掲出をすることで注意喚起を行っている状況です。

次の9ページ目が、私どもで作成した動画の内容でございます。

若い方が被害に遭いやすい傾向にあるというのが分かりましたので、若い方を対象とした注意喚起の動画を作成しまして、自動車運転免許を持つ若い方にSNS広告、ユーチューブなどを通じて配信をして注意喚起を行っているという状況です。

4つ目が、10ページ目でございまして、当協会のホームページで注意喚起を載せるとともに、どこに連絡したらいいのか分からないというお客様のために、保険会社の連絡先を載せて、ここに連絡してくださいというのを周知する取組のほうを行っております。

11ページ目に、私どもの調査の結果と、それから当協会の対策の取組の位置づけをエクスペリエンスマップとしてまとめております。

それぞれのステージを平時と有事で分けておりまして、消費者の方の行動、心理など踏まえて施策を行っております。

平時の場合、消費者の方の心理としては、トラブルに巻き込まれる方は、自分が普段運転している車が故障するとは思っていません。

ペインポイントとしては、運転中に車が故障したらどうすればいいのか考えていない。このペインポイントを解消するために、当協会としては、緑のところですね、自動車が故障した場合には、まず保険会社に連絡をしていただくということを周知することで、このペインポイント解消を図ろうとしております。

有事の際は、自動車が故障して、業者を検索して、業者が到着して、保険会社に連絡をするというフローになります。

この中で、消費者の行動としては、どこに連絡すればいいのか分からないので、「自動車 故障」などのキーワードでスマホでウェブ検索をされます。

この際の消費者のペインポイントとしては、ロードサービスに関して、ネットで表示された業者さんと消費者のトラブルが発生しているということをお客様は御存じないので、我々のリスティング広告を見ていただいて、いざ検索してしまったとしても、我々のリスティング広告を見ることで、適切な連絡先に連絡していただくことで消費者被害を減らせればと考えております。

その後、業者を呼んでしまったら、実際に業者が到着して、高額な費用を払うのですけれども、後で保険金としてもらえるらしいのでお支払いをする。保険会社へ連絡をしても、補償範囲でない費用であったり、契約に定められたお支払いの金額の上限を超えている費用というのが発生しているので、最終的には、お客様の持ち出しが発生してしまうという状況になっています。

最後は、12ページ目、私どもの今後に向けた要望ということで、このトラブル防止に向けた活動をする中で、所感として書かせていただいております。

国民生活センターさんや、都道府県、市町村の消費生活センター様には、消費者への注意喚起において、多大な御協力のほうを賜っておりますので、引き続き御協力を賜れればと思っております。

一方で、消費者トラブルを起こしているロードサービス事業者のリスティング広告、これが、やはり検索サイトの上位にいまだに掲載される状況が続いておりますので、ぜひリスティング広告を提供されている事業者様においても、広告審査を一層強化いただければと、私どもでは考えている状況でございます。

私どもからの御説明は以上でございます。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

続きまして、旅行業公正取引協議会の杉浦常務理事、御説明をお願いします。

○旅行業公正取引協議会杉浦常務理事 旅行業公正取引協議会の杉浦と申します。よろしくお願いいたします。

本日のテーマのロードサービスとか、レスキュー商法とは異なるのですけれども、旅行業界において業界団体としてどのような取組を行っているのか、特に広告表示についての自主ルールについて御説明させていただきたいと思っております。

資料の1ページ目を御覧ください。私どもの運用しております、公正競争規約に入る前に、もともとの根拠となる景品表示法、これは消費者庁所管でございますけれども、そこから御説明をさせていただければと思います。

皆さん先生方は、御存じだろうと思いますけれども、景品表示法というものがもともとございまして、これは、あらゆる業種に適用される法律で、あらゆる法律に適用されるがゆえに、法律的には、抽象的な表現にならざるを得ないという側面がございます。

ここにありますように、第1条の目的、これは後ほど説明します、公正競争規約も同様の目的はございますけれども、一般消費者による自主的かつ合理的な商品選択を阻害する行為の制限と禁止を定めている法律で、第5条で不当な表示の禁止ということで、商品または役務の品質等についての優良誤認、もう一つは、価格等のその他の取引条件の有利誤認、そして、3つ目として、指定告示と呼ばれていますけれども、原産国表示や、おとり広告というのが法律で定まっております。

その法律の中で第36条、一番下の段にございますけれども、事業者または事業者団体は、内閣府令で定めるところによりまして、内閣総理大臣及び公正取引委員会の認定を受けて、先ほどの目的にありますような消費者による自主的、かつ合理的な選択及び事業者間の公正な競争を確保するための協定または規約を締結することができるという根拠がございまして、それに基づいて、各業界で公正競争規約というのが定められております。

2ページ目に行っていただきますと、公正競争規約の説明をしております。これは、先ほど申しましたように、第36条の規定に基づいて、自主的に設定する業界のルール、自主ルールということでございます。

公正競争規約を設定するメリットとしては、業界の商品特性や取引の実態に応じて、事細かく規定ができるということが特徴にございます。

この表にございますとおり、今年の1月末現在で、景品と表示の規約がございますけれども、両方合わせて103、実態的な協議会という組織そのものは80前後かと思います。

規約に定められた商品について、消費者に対するPRという意味もございますけれども、右にありますとおり、それぞれの商品あるいは広告等に、会員であるという公正マークを付したりしております。

私ども旅行業界においては、商品そのものを手に取るものではございませんので、募集するときの広告に、この下段の真ん中、少し見づらいですけれども、この黄色の旅行業公正取引協議会というマークを付して、業界が適正な広告に取り組んでいるということの消費者への1つの目安とさせていただいております。

3ページ目に行っていただきますと、我々旅行業公正取引協議会の概要でございますけれども、規約の設定経緯を若干説明させていただいております。

昭和58年、1983年に、まず、初めに表示ではなくて、景品のほうで、大手旅行会社を含めて数社が、ハワイ旅行の景品として過大な、数万円の景品を提供したということで、当時の公正取引委員会から排除命令が出ております。

それを受けて、まず、景品の規約を1984年に設定、そして翌年に、我々の協議会を設立しております。

その後、1990年に、今度は表示のほうですけれども、これも旅行会社数社が、海外旅行商品について、観光日程中に白夜が見えますと書いているけれども、白夜が見えないような行程であったりとか、プラド美術館を見学すると書いておりながら、日程によっては休館日であって見られなかったという不当表示がございました。

それを受けて1992年に、本日説明させていただきます、募集型企画旅行の表示に関する公正競争規約というのを、当時の公正取引委員会から認定いただいております。

設立年月日は1985年、ちょうど今年で40周年を迎えました。

会員数ですけれども、右にありますけれども、旅行業登録業者数というのは約1万2,000社あると言われています。

しかし、会員数274社、下に推定シェア97パーセントと書いておりますけれども、この規約自体は、募集型企画旅行ということで、旅行会社が自ら旅館あるいは交通機関等の素材を仕入れて、値づけを行って販売するという商品が、規約の対象となります。いわゆるパック旅行とか言われるものですけれども、これらを扱っている業者は、この274社で、ほぼ97パーセントを占めるという状況でありますので、消費者の方が見られる広告についての会員のシェアというのは高かろうと思っています。

その他、一万数千社については、地元のバス会社であるとか、要は慰安旅行に連れて行くとかいう、あまり広告しないところばかりが多いものですから、規約の対象そのものにはなってこない、あるいは、最近多いOTAと言われるOnline・Travel・Agent、要は宿あるいは交通手段を、インターネットを通じて予約するというものについては、場貸しサイトを利用した取引であって、いわゆる旅行業法に基づく業者の登録が必要ないものが大部分ですので、規約の対象とはなっていないという関係にございます。主な事業については、後ほど詳しく説明させていただきます。

次、4ページ目をおめくりいただいて、これも規約の前提条件となるのですけれども、もともと旅行業法、これは観光庁所管ではございますけれども、旅行業法において、旅行の契約する際の手続というのが規定されております。

ここの図で示しているとおり、旅行の契約に至るには、まず、募集広告を行って、お客さんがこういう商品がほしいということであれば、取引条件説明書面というのを交付します。これには、日程であるとかホテル名であるとか、交通手段の時間であるとかというのが事細かく書かれております。

それを見て了承された場合に初めて、旅行の契約の締結を行って、最終的には契約書面を交付するという関係が旅行業法に規定されています。

その中で、私ども協議会に関係することとして、上の2つ、要は消費者が目にする募集広告、あるいは募集広告を見て、実際に契約する際の詳細事項を定めているのが表示規約となります。

実際にどのような形での規約を定めておるかというのが5ページでございます。

左の欄で表示規約の主な内容ということを書いていますけれども、旅行業を含め各業種で定められている公正競争規約における条文の構成自体は、ここにあります四角の緑で囲んでいるところ、必要表示事項に関する表示基準、2番目の特定事項の表示基準、3番目の特定用語の使用基準、4番目は、旅行特有ですけれども、特殊旅行の表示基準、それから最後に禁止事項という、大体このような構成になっておりまして、規約の条文が立てられているということでございます。

それで、最初に消費者が目につくというか、きっかけとなる募集広告と、その後の旅行条件の説明書面ですけれども、右の欄、細かい字で少し見づらい点がございますが、規約に、ここに1から24番まで番号を振っていますけれども、これだけの必要表示事項を必ず書きなさいということが規定されております。

黄色で少し網かけをしておりますのが、募集広告ということで、若干少なめではありますけれども、あまり広告に細かいことを書き切れないということで、その他のあまり選択に影響がないものについては、説明書面に譲っているという関係にございます。

6ページ目に移りますけれども、実際に不当表示の禁止として、どのような規定があるのかというのが、ずらずらと書いております。

ここでは、14項目になっておりますけれども、先ほども申しましたように、景品表示法では、優良誤認あるいは有利誤認をしてはならないということだけになっていて、抽象的なものですから、旅行の取引においてはどのような不当表示が行われるのかということで規定をしているのが、この条文でございます。

見ていただきまして分かりますとおり、赤字で書いている、観光等のサービス内容、というのは観光施設であるとか、見学方法、要は見学方法でも、下車して入館するのかとか、バスの窓から見るのかとか、いろいろ方法はあるのですけれども、そういうのもちゃんと書きなさいということです。

それから、運送サービスの内容、これも航空機あるいは新幹線でも、普通の席と上級の席とがあると思いますけれども、そういう表示も必ず書きなさいと。

それから、宿泊サービス、これも重要な選択の要素ですけれども、客室の種類であるとか、客室からの眺め、これは昔問題になったのですけれども、オーシャンビューとかをうたっておきながら、実際には窓から海が見えなかったとか、そういうものがあります。

それから、食事サービスの内容、これも重要で、これも過去にありましたけれども、和牛とか但馬牛とかと書きながら、実際には、輸入牛を使用していたとか、そういうものがあります。

それから、温泉についても源泉をかけ流すとかと書いておきながら、実際には、加温とか循環ろ過等をしているというものがあります。

これらの内容について不当表示があれば、それは不当表示だということで、協議会のほうで調査、是正をするということです。

旅行商品というのは、そもそも一般的な商品というのか、化粧品であるとか車も含めて、手に取って見えるものではないものですから、あくまで行ってみて初めて表示と違っていたということが分かる商品です。ですから、できる限り消費者が選択する際に、分かりやすいより正確な情報をより多く表示するようにというのが、基本でございます。

7ページ目に移りまして、不当表示防止のための取組として、いろいろと協議会の活動としてやっておりますけれども、左枠にありますとおり、まず、公正競争規約の説明会、これは会員あるいは会員外も含めますけれども、規約そのものを理解しないといけないものですから、そのための研修会を毎年開催させていただきます。

コロナ以降は、オンラインというのが主流でございますので、昨年も秋にやっておりますけれども、大体1回につき3,000名の視聴があります。3,000名というのは、大体、会員の旅行会社、大手、固有名詞は避けますけれども、そのパンフレット作成であるとか、商品造成と言っておりますけれども、そういう担当者が受けていらっしゃいます。

それから、2番目の景品・表示等管理責任者向けの研修会。要は、若手が広告をつくったとしても、最終的な責任は上司であるわけですので、上司が事細かくということにはなりませんけれども、管理者については、こういう点から最終的なチェックをしなさいという研修会もやっております。

それから、募集広告、今までは、駅前の旅行代理店の棚から、紙のパンフレットを取るというのが主流だったわけですが、コロナの影響もありまして、営業所自体が少なくなっているというのもありますけれども、やはりSNSというのか、インターネットを利用した取引が、我々の調査でも旅行広告を見るきっかけというのは、もう6割以上がウェブ、インターネットという結果が出ております。そこで、最近始めたものとして、会員のウェブ広告というのを定期的に審査というのか、調査をしておって、1回大体10社前後ですけれども、委員が集まりまして、画面に映しながら、ここは不備だとか、ここは不当表示ではないかということで、審査をしております。

これは、違反事件の調査ということではなしに、我々としては、未然防止のための指導ということで、不備であるとか、問題点があれば、その後、指摘をして改善していただく。 そして、指摘したことが実際改善されているのかというのも、次回の審査会でフォローアップをするということもやっておって、できるだけ厳格な意味での指導というのをしております。

右側は、その他の事業ということで、広報誌の発行によって、Q&A等を載せる等の事例の紹介であるとか、今日御出席の国民生活センターさんとの意見交換会であるとか、あるいは地方も含めて、消費者の方に集まっていただいて、皆さん、消費者の方から見た旅行広告の問題点であるとか、要望というのをお聞きして、それを運用あるいは規約改正に役立てるというところでございます。

それから、公正マークということで、先ほど景品表示法のところで説明しましたけれども、やはりこのマークを見る、あるいはこのマークがついている会員であれば、商品がいいとは申しませんけれども、少なくとも表示の適正化に努めているということで、積極的にロゴマークを付けてくださいということを会員に要請しています。公正マークは規約にも規定されておって、先ほどの説明書面の最後のところに、ウェブには、まだ規定はされていないですけれども、できるだけスクロールした最後のところにでもマークをつけてくださいというお願いをしております。

実は、今週末、金、土、これも毎年やっているのですけれども、羽田空港のロビーというのか、お土産物屋さんの近くの特設会場で、公正マークをPRしておりまして、世界旅行をしたような雰囲気の写真を撮っていただくとか、今年40周年なので、それなりのノベルティを用意してPRをしたいと思っています。

そのときには、アンケートをさせていただいて、旅行広告は、どんな機会に見ますか、あるいは契約はどんな手段でしますかとか、あるいはロゴマークを知っていますか、ロゴマークを知っているというのは、残念ながら2、3割ぐらいしかないのですけれども、それをより多くということでさせていただいております。

8ページに行きますと、こういうポスター、これは時々、地方も含めて電車広告とかにも掲載しておりますし、8ページの右側のリーフレットについては、旅行を選ぶときには、この点に注意してくださいというリーフレットを各地の消費者センター等にも配付させていただいて、棚に置いていただくようなお願いもしております。

最後に、9ページ「規約の設定の効果等」でございます。先ほどからも説明しておりますように、景品表示法は抽象的にならざるを得ませんけれども、それぞれの商品、役務に適合したというのか、それぞれの商品特性がございますので、その商品特性に応じた具体的にきめ細かく設定できるというのが、公正競争規約のメリットかと思っております。

2番目の業界における表示基準の標準化ということで、これは、会員に対する規定ではございますけれども、アウトサイダーというのか、非会員に対しても、これが業界の標準、ルールだということでのお話もできますし、それに基づいて、消費者庁さんのほうでも事件処理をされるのではないかと思っています。

3番目の不当表示の未然防止とコンプライアンス意識の醸成ということで、先ほど説明しましたように、会社においては、不当表示の未然防止のための知識であるとか、あるいは会員でも違反がありますので、そのときの違反事例を示すことによって、我が身に起きた場合にどうするのかというようなこともありますので、コンプライアンス意識の醸成というのも考えられると思っています。

それから、社会的信頼の向上ということで、先ほどロゴマークのPRをしましたけれども、やはりそのマークを見て安心できるということを常に発信して、やはり、旅行会社もそのマークをつけるというのは、やはり変なことをしてしまうと、ということがございますので、マークをつけることによって、より一層表示意識も高まると考えております。

最後に、課題として書かせていただいておりますけれども、旅行業法でもそうですけれども、旅行代金というのは確定額を書かないといけないとなっています。

しかし、最近、特に飛行機であれば、需給に応じて価格が変動するということもございまして、それの旅行代金表示をどうするかと、今のところ目安額と申しまして、幾らから幾らということで提示をしておるのですけれども、これがさらにJRとか、ホテルでも、今、進んでいますけれども、そういう契約というか、予約した段階で初めて確定するというときの料金表示をどうするのかという問題があります。

それと、2番目にありますとおり、先ほどのように、ウェブ広告が増えていることから発生する課題があります。消費者との懇談会でよく出ているのですが、紙パンフレットでも細かい字で見えないと、もっとポイントを大きくしろということを言われるのですけれども、ウェブ広告も同様で、ワンスクロール分で表示できるというのは限界があって、先ほど申しましたように、募集広告では14項目ですけれども、1つの画面で14項目書き切れないのですね。更に先に進むことになると、書いてはいるものの消費者は見ていないとか、見損ねたということも発生するので、その辺をどういう形で消費者に周知していくのかというのが、個人的に課題だと思っております。

以上、少し長くなりましたけれども、御説明させていただきました。ありがとうございました。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

これより、質疑応答と意見交換をしたいと思います。少々時間が押していますが、せっかくの機会ですので、質疑応答、意見交換の時間は予定どおり40分程度設けたいと思います。いかがでしょうか。

それでは、委員から質問が出るまで、私から伺ってよろしいでしょうか。

まず、日本損害保険協会様にお尋ねします。若者が、ロードサービスについて、トラブルに遭うことが多いというお話をいただきました。そのときに、スマホを使って出てきたものに電話をかけてトラブルに遭うという御紹介がありました。やはり、特に若者の行動として、スマホを使い、しかも上位に上がってくるところに、すぐに連絡するという傾向があるように、私も若者と接していて感じるところがあるのですが、先ほどリスティングにおいて、必ずしも保険協会様が出していらっしゃるものが上に来るとは限らないというか、上に来るわけではないというお話がございました。

こちらについては、何か対策とかが考えられるのかということについて、教えていただきたいと思います。

それから、もう一つ、旅行業公正取引協議会の杉浦様にも御質問させていただきたいと思います。

まず、自主規制について大変勉強になりました。ありがとうございます。自主規制においては、一般に、加入率を増やすことがとても重要だと思われるのですけれども、3ページによりますと、シェアの推定は97パーセントということでございました。そこで、この加入率を上げることに対して、どういう取組とか工夫をなさっているのかということを教えていただきたいと思います。

それと、その前提といいましょうか、このシェア推定の97パーセントという数字について確認させてください。シェアのはかり方というのはどういう形で行われ、このシェアの数字が出されているのかということについても教えてください。

と申しますのは、ここに書かれておりましたように、旅行業者と言われるものの数値と、ここに加入していらっしゃる事業者さんの数字というのが出されていまして、それだけを見ると、加入者の割合は比較的少ないように見えるわけなのですが、しかし、実際にはシェア推定97パーセントだということでした。特に、いわゆるパック旅行などについての御説明をいただいたところでございますけれども、そこら辺について、もう一言御説明をお願いできればと思います。

それから、より小規模なというと語弊があるかもしれませんが、様々な旅行業者が、広告等を出す可能性も増えているのではないかとも思います。昔は一般消費者に対して目につくような広告を出すには、手段が限られていて、いわゆる従来型のマスメディアで広告をするときには、そのメディア自身の自主規制等もあって、変な広告というのはなかなか載せられなかったのではないか、そういうスクリーニングもあったのではないかと思うのですけれども、今やネットを使っての広告というのが、かなり自由にできるようになっていて、そういう時代になってきたことによってトラブルが生じているという傾向などはないのか、その点についても、もし情報があれば教えていただきたいと思います。

すみません、よろしくお願いします。

○一般社団法人日本損害保険協会損害サービス企画部保険金不正請求対策室斎藤係長 日本損害保険協会でございます。

御質問いただいたリスティング広告の対策についてなのですけれども、リスティング広告は、私どもの資料の7ページ目に書かせていただいているようなイメージで表示をされておりまして、この場合、左上にスポンサーとついていまして、このスポンサーとついているのがリスティング広告で、逆にスポンサーとついていないのが、いわゆるSEO対策などで、しっかりと通常の検索エンジンで上に表示された検索結果になります。

このリスティング広告が上に表示されるための変数、パラメーターとして大きく2つあると言われていまして、1つが広告提供者さんで設定されている広告ランクというものがあります。これが、その広告の品質が高いかどうかというのをプラットフォーマーさんで、アルゴリズムは非公開なのですけれども、一定ランク付けをして、そのランクが高いものが極力上に来るようになっていると伺っています。

今のところ私どものリスティング広告は、このランクの中では一番良いという評価をつけていただいているというところです。

もう一つのパラメーターが、リスティング広告を上位に表示するためには、オークションが行われておりますので、価格、金額になってきます。そこの金額をやはり上げていくと、上に表示されやすいとは伺っております。

私どもは、一応2点とも対策はしているのですけれども、それでも、なお、より上に来る業者さんがいらっしゃるという状況でございます。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

それでは、お願いします。

○旅行業公正取引協議会杉浦常務理事 旅行業公正取引協議会です。

加入率を増やす工夫ということでございますけれども、現状、私ども業界団体というのがございまして、1つには、これは旅行業法に基づく認定法人で、大手が加入している日本旅行業協会というのと、中小が主に入っている全国旅行業協会という2つの団体があります。前者は約1,000社、後者は5,000程度だったと思いますが、これらの会員に対しては、その協会等を通じて加入のお願いをしているところでございまして、ほぼ募集型企画旅行を扱っている業者の方は入られているのではないかと思っております。

それ以外に、最近、観光客の誘致ということで、自治体等、第三セクターを含めて、結構観光に力を入れていらっしゃいまして、旅行業の登録を受けられて旅行業務を開始されるというケースが散見されます。情報があれば、そういうところにも積極的に加入のお願いをするということがあります。また、規約の事前相談というのがありまして、会員外からも結構問合せがあります。その際に、協議会のメリット等を御説明させていただいて、できるだけ加入をするようにということでの加入の増加の工夫をやっております。

2番目のシェアの問題ですけれども、これは正確な数字までは分からないのですけれども、数字自体は観光庁が毎年、募集型なのか、手配なのか、あるいは国内なのか海外なのかを含めて、毎月数字を発表しております。それから拾った数字で、ほぼ会員のシェアというのも速報値で出てきますので、274社を全て足し上げたわけではありませんが、ほぼこれぐらいの数字だということで間違いなかろうかと思っております。

それから、3番目のメディアの自主規制でございますけれども、先ほど委員長からもお話しがあったように、新聞広告等であれば、新聞媒体の広告審査というのがあります。旅行広告を載せられるような新聞媒体については、私どもの賛助会員になっていただいて、規約の説明会も聞かれますし、相談もされるということで、その部分の規制というのか、審査というのはできるのではないかと思いますけれども、インターネット広告については、さすがに審査のしようがないというのか、そういう団体等も含めて、少し分かりかねる部分があるので、インターネット広告については、自主規制というのは、今のところできないとは思っています。

ですから、先ほどご説明させていただいたように、自らが会員の広告をチェックして改善していくしか方法がないのかなと思っています。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

新聞等であれば、一応の広告審査等はあるけれども、ただ、細かなところまで審査ができるわけではないので、そこでも自主規制が有効であるということと、メディアというか、近年のインターネット等では、なかなか新聞の広告審査のようなものは効かないので、そこの難しさもあり、なおさら、その業界の自主規制等をうまく効かせる必要性が高いのだというようなお話と伺いました。ありがとうございます。

ほかに御質問は、いかがですか。

柿沼委員、お願いします。

○柿沼委員 柿沼です。

御説明いただきまして、ありがとうございました。日本損害保険協会さん、それから旅行業公正取引協議会様、いずれにも質問をさせていただきたいと思います。

まず1点目、日本損害保険協会様ですけれども、損害保険を使った屋根工事のリフォームのトラブルのチラシは、消費生活センターでも拝見させていただき、大いに活用させていただいているのですけれども、今回のロードサービスのトラブルについてのチラシ等については、センターのほうでは見たことがなかったので、どういうところに配付しているのかなというのを、お尋ねしたいと思いました。

それから、2点目といたしまして、今、付きロードサービスについてのいろいろなトラブルについて、被害に遭わないようにということで、リスティング広告を掲載しているということなのですけれども、私が聞き漏らしていたら申し訳ないのですけれども、いつ頃から周知していて、どれぐらいの方が閲覧をしているのか、そして、どれぐらい成果が出ているかということが分かれば教えていただきたいと思います。また、課題があれば、その課題についても教えていただきたいと思います。

そして、3点目です。

デジタル広告のプラットフォーム事業者に対して、周知や連携などを行っているのか、例えば、この事業者から、多数保険の請求が来ているのだけれども、ちょっと怪しいという場合に、デジタル広告のプラットフォーム事業者にも、情報提供がされているのかも含めて教えていただきたいと思います。

それから、旅行業公正取引協議会様なのですけれども、今、鹿野委員長からも御質問があったものと少し重複するかもしれないのですけれども、海外事業者も、この公正取引協議会様の会員に御検討いただいていたりとか、ほかにも海外OTAとか、メタサーチ会社などもあるかと思うのですけれども、そういう事業者様のトラブルみたいなものをお聞きしているので、会員になったり、促進活動を行っているのかというところについて教えていただければと思います。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、まず、日本損保協会様、お願いします。

○一般社団法人日本損害保険協会損害サービス企画部保険金不正請求対策室斎藤係長 日本損害保険協会でございます。

屋根の修理工事のチラシを活用いただいているということで、ありがとうございます。

ロードサービスに関しては、ポスターを、先ほど御説明させていただいたとおり、作成しておりまして、都道府県の消費生活センター様に各一部御送付をさせていただいて、掲出の御協力をお願いしているところでございます。

一方で、今回、被害に遭いやすいターゲット層が若者ということですので、極力限られた資源を有効に使うという観点で、教習所のような若い方が集まる場所に手厚くポスターを配布しているという状況にございます。

リスティング広告についてなのですけれども、開始をした時期が2023年のゴールデンウイークからでございます。

2022年頃から、こういったトラブルが多く発生しているという話を会員の保険会社から受けておりまして、国民生活センターさんの先ほどの御報告でも、やはり2022年から増えているという状況にあります。

まずは、私どものほうで調査を行った上で、リスティング広告を打っているという状況でございます。

特にロードサービスの出動が多いのが、ゴールデンウイークと、それから夏休みの期間、それから年末年始と、行楽シーズンが多いですので、ゴールデンウイークを一定のターゲットとして、リスティング広告を開始したという経緯にあります。

これまでの累計の閲覧数というものが明確に把握できていないのですけれども、一応、月々の閲覧数としては、おおむね3万回から5万回ほど見ていただいているという状況です。

これによってどういった成果が得られたというところまでは、まだ実際に分析が及んでいないところでございまして、一方で見ていただいたことで一定行動が変化した消費者の方もいらっしゃったのではないかなと考えております。そこは、今後検証していきたいと思っている課題です。

3点目のプラットフォーマーさんへの情報提供なのですけれども、私ども業界団体ですので、なかなか個別の事業者さんに、何かお願いをするというのが、なかなか言いづらい立場でございます。実際、どのようなことをやっているかといいますと、広告関係の業界団体さん、具体的に申し上げますと、日本広告審査機構さんに情報提供、意見交換をさせていただくなどして、こういった問題が起こっているという意見を、広告業界にも、お伝えするという活動をさせていただいております。

○柿沼委員 ありがとうございます。

チラシについては、適切なところということで、教習所に配布しているということについては、理解いたしまた。ありがとうございます。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

それでは、旅行業公正取引協議会様、お願いします。

○旅行業公正取引協議会杉浦常務理事 旅行業公正取引協議会です。

まず、第1点の海外の事業者でございますけれども、旅行業法において、要は、日本国内において行う事業者ということで、海外事業者は、ほとんど旅行業登録を行っていないと思います。

あと、海外法人で日本に事業所を設けて、日本人を対象に、海外旅行とかをしておるならば対象ではありますけれども、基本的には海外の事業者は対象外と、一部国内において活動しているものについては対象ということで、私どもの会員もそのような方もいらっしゃいます。

それから、2番目の海外OTAについては、これは対象外であるのは事実ではあるのですけれども、私どものほうにも海外OTAのトラブルというか苦情があります。

1つには、航空券等を取ってすぐキャンセルしても、100パーセントの解約料を取られるとか、あるいは予約した現地のホテルに行ったけれども、ホテルそのものが存在していなかったとか、極端な例があるのですけれども、実は去年か一昨年に、このような事例が多いということで、国民生活センターあるいは観光庁のほうから、そのようなトラブルの対処方法ということで、注意喚起の告知がされていたのではないかと思います。我々も相談があれば、その旨の御案内を差し上げているところでございます。

以上です。

○鹿野委員長 柿沼委員、よろしいですか。

○柿沼委員 ありがとうございます。

旅行業法に基づいた事業者のみの協議会ということでは、理解があるのですけれども、やはり、そういう登録がないところ、そういう事業者の広告についても、やはりトラブルが多いということや、今、お話がありましたように、行ってみたら宿泊場所がなかったという、そういうトラブルも一定量入っておりますので、業法に登録している事業者様以外についても、協議会の会員となる等の何か幅を広げていくというか、そういう取組があってもいいのではないかと思います。、同じ旅行でも契約した旅行業者によって対応が違うということを、消費者はなかなか分かりにくいところがあるかと思いますので、広げてもいいのではないかなと、意見として持ちました。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

今の海外OTAの問題については、今、おっしゃったようにトラブルが発生して、当委員会においても、これを取り上げたということがございまして、次期消費者基本計画の策定に向けた消費者委員会意見の中でも、例えばということで、海外OTAの問題等を指摘しているところでございます。旅行業法とかの業法の対象をどのようにするのかというところもありますし、また、実効性という観点からも、日本の消費者に対して何らかの取引等を持ちかけているという事業者があった場合に、それに対する有効な手だてはどうあるべきかという両方から、これは、今回の問題だけではないかもしれませんけれども、考える必要があると思っているところです。

ほかに御質問等ございませんでしょうか。

それでは、小野委員、お願いします。

○小野委員 御説明ありがとうございました。

それでは、私は日本損害保険協会の皆さんに、コメントを1つと質問を1つお願いします。

まず、今回のロードサービスにテーマを絞っていただいて、しかも調査もされてということで、例えば、運転経験が少ない比較的若い年代の人のペルソナというのでしょうか、対象を決めて、更に調査を重ねておられ、消費者のニーズに合った情報の届け方ということで、すごく頼もしくお話を聞くことができました。より詳細な情報や対応策について、御提案ありがとうございました。

私からお尋ねしたいのは、損害保険といいますと、ロードサービスだけではなくて、やはり住まいに関わるようなサービス、啓発資料もお出しになっているのを拝見しましたが、水回りとか、鍵開けとか、エアコンとか、そういったものも取り扱っている業者がおありだと思います。

今日御準備がないかもしれませんので、お分かりになる範囲で教えていただきたいのですけれども、そうした住まいに関わる別の情報を取りまとめておられるとすれば、どういったものがあるかとか、あと、分かればロードサービスとの、例えば相談を寄せてくる人との違いであるとか、なければ、今後何か御予定があるのか、その辺りも併せてお聞かせいただけるとありがたいです。お願いします。

○一般社団法人日本損害保険協会損害サービス企画部保険金不正請求対策室三村グループリーダー 御質問ありがとうございます。

住宅修理関係で言いますと、私ども去年から用語をつくりまして、災害便乗商法という言い方をしています。

例えば今だと、ちょうど北陸だとか東北は大雪が降っていて、雪が降っている間は、まだなのですけれども、雪が解けた間に、そういう悪質な住宅修理業者の方が訪問して、屋根が壊れていますよと、保険でただで直せますよというところ、これはロードサービスよりもずっと昔から業界の中で問題としてありまして、私どももチラシをつくったり、広告を打ったりはしています。

ロードサービスとの大きな違いで言うと、ロードサービスは若年層、若者中心なのです。住宅修理は、必ずしもというわけではないのですけれども、やはり家を持っている方で、一般的には、やはり高齢者の方がターゲットとしてはなりやすいので、こちらは、チラシをつくって国民生活センターさんにお配りしたりとか、あと、各地の行政機関に配ったりだとか、私、去年まで名古屋の事務局長をしていたので、名古屋だと、県警だとかと組んで、そういうイベントをやったりだとか、どちらかというとデジタル系というよりもアナログ、実際に配るということをやっております。

以上でございます。

○小野委員 なるほど、ありがとうございます。

今、お話しいただいたのは、災害に便乗するということで、これは、日本は災害大国なので大切だと思うのですが、今回レスキューサービスについてお尋ねをしているので、保険の中に、そういったエアコンとか給湯器とか、そういったものについて、さらにお聞かせいただけるとありがたいなと思っているのですが、いかがでしょうか。

○一般社団法人日本損害保険協会損害サービス企画部保険金不正請求対策室三村グループリーダー それは、エアコンとかの故障の話ですか。

○小野委員 そうですね、それについて、駆けつけますよというものが、多分住宅に関係した保険に附帯をしているということだと思うのですが、それについては、あまりないですかね。

○一般社団法人日本損害保険協会損害サービス企画部保険金不正請求対策室三村グループリーダー そうですね、駆けつけの部分についてのサービスは、そもそも商品の話になってきて、商品の部分は、今、各社によって異なります。業界団体として少なくともそこの部分について、あまり広告を出すとか、アピールしているというのは、やっておりません。

○小野委員 そういうことですね、分かりました。ちょっと確認をさせていただきたくて、以上です。ありがとうございました。

○一般社団法人日本損害保険協会損害サービス企画部保険金不正請求対策室三村グループリーダー ありがとうございます。

○鹿野委員長 ほかに、いかがでしょうか。

黒木委員長代理、お願いします。

○黒木委員長代理 大変参考になる御発表をいただいたと思います。競争政策と消費者保護政策は、きちんとした事業者の方々が市場の中で適切なサービスを提供するという点では、まったく矛盾しないと思っています。そういう観点で、今日2つの事業者団体からお話を聞けたことは、今後の審議に大変意味があると考えています。

その観点から少しお聞きしたいのですが、特にリスティング広告について。現在我々が注目しているのは、GoogleなどのプラットフォーマーやDPF(デジタル・プラットフォーム)の広告審査の在り方です。こういった問題のある事業者の広告が非常に目につきます。先ほど私自身も「自動車故障」で検索してみたのですが、すみません、リスティング広告が出てこなかったので確認してしまいました。出てこないんだなと思ったんですけれども、それはさておき。

基本的に、コンテンツとしては非常にハイクオリティだという評価をいただいているというお話でした。プラットフォーム事業者も、無料でサービスを提供している反面、広告収入によってビジネスを成り立たせているわけですから、様々な広告主が入札価格を上げて出稿してくれることは歓迎するはずです。

そういった状況の中で、特に損保協会さんにお聞きしたいのですが、現在実施されているリスティング広告を上位表示させるために、DPFに対してどのような働きかけをされているのでしょうか。広告代理店を通じてなのか、直接なのかは分かりませんが、その中で課題になっている部分や、ブレイクスルーするためには「こういうことをすればリスティング広告が上位に表示される」といった点について、何かお考えがあれば教えていただきたいです。

同じことは旅行業界についてもお聞きしたいです。公正競争規約を遵守している事業者は非常に安心できると理解していますし、優良誤認や有利誤認といった抽象的な条文を業界向けに具体化して適用されているということですよね。そういった信頼できる事業者の広告をより上位に表示させていくために、業界団体として、DPF側と何か連携して公正競争規約をより実効性あるものにするための取組を考えていらっしゃることがあれば、旅行の公正競争規約に関連してもぜひ教えていただければありがたいです。よろしくお願いいたします。

○一般社団法人日本損害保険協会損害サービス企画部保険金不正請求対策室三村グループリーダー 御質問ありがとうございます。

私どものプレゼンの資料の12ページ目に「5.今後に向けた要望」というところの2つ目にまさに書かせていただいたところで、本当にここの文書を今回のプレゼンの中に入れるかと、私どもの中でも結構論議をしました。ただ踏み込んで書かせていただきました。

ですので、まさにここの部分が私どもとしては大きな課題だと思っています。それは、私ども損害保険業界だけではなくて、消費者対応という観点で大きな課題だと思っています。

理想を言えばなのですけれども、プラットフォーマーさんは、私たちから見れば、もう社会のインフラだと思っているのですよ。インフラなので、やはりそこは、私どもと、例えばですけれども、悪質ロードサービスのところは、やはり評価していただいて、そこをお金の過多で判断するのではなくて、やはり社会的責任だとか、社会のインパクトを考えていただいて、できればそこは審査していただければと、あまり言いにくいところもあるのですけれども、配慮をいただければなというのが正直な気持ちでございます。

以上です。

○黒木委員長代理 ありがとうございます。

杉浦さんもどうでしょうか。

○旅行業公正取引協議会杉浦常務理事 旅行に関しては、あまりリスティング広告とかはないのですけれども、まず、自前というのか、自社のホームページへ誘導するという方法で、検索画面で仮にドイツに行きたいなら、ドイツ旅行とすれば、ずらずらと挙がるという状況だと思うのですけれども、それ自体、上位に上がるからという工夫をしているというような事業者もあまり聞いたこともございませんし、その部分での旅行に関しては、上位だから商品が良いとかという比較のされ方はされていないのではないかと思っています。当然、問題が起これば対処はしていきたいと思っています。

○黒木委員長代理 ありがとうございました。

○鹿野委員長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、当初予定していた時間も参りましたので、これにて今回の議論については、終わりということにしたいと思います。

本日は、国民生活センター、消費者庁財産被害対策室、それから、日本損害保険協会、旅行業公正取引協議会の皆様に御出席いただき、それぞれ貴重な御発表をいただきまして、誠にありがとうございました。

本日、前半の御発表及び質疑応答において、レスキューサービスをめぐる現在の状況と、どういう対応がなされているのかということについて確認させていただきました。

後半において業界の自主的な取組と、そこにおける課題についても確認させていただいたところでございます。

その中において、今後更にヒアリング等をして確認していくべき点なども浮かび上がってきたと思います。

特に、最後のほうで出てきたプラットフォーム提供事業者の役割等について、どのように考えていけばいいのかということも問題になりますし、あるいは、最初のほうで私も発言させていただきましたけれども、消費者庁におかれましても、本日お越しいただいた消費者庁の財産被害対策室による周知等の取組については分かりましたけれども、どのように景表法とか特商法をはじめとする法律を使った執行等に結びついているのかなどについても、やはり確認を別途する必要があると思いました。

その他にもいろいろと課題等が浮かび上がってきたところもございます。引き続き、本日の議論を踏まえて、調査審議を行っていきたいと思います。

御出席いただいた皆様におかれましては、お忙しいところ御対応いただきまして、誠にありがとうございました。


《3. 閉会》

○鹿野委員長 本日の本会議の議題は以上になります。

最後に、事務局より、今後の予定等について御説明をお願いします。

○友行参事官 次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

○黒木委員長代理 ありがとうございました。

(以上)