第445回 消費者委員会本会議 議事録
日時
2024年9月27日(金)10:00~10:25
場所
消費者委員会会議室及びテレビ会議
出席者
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- 【委員】
- (会議室)鹿野委員長、黒木委員長代理、小野委員、中田委員
- (テレビ会議)今村委員、大澤委員、星野委員
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- 【事務局】
- 小林事務局長、後藤審議官、友行参事官
議事次第
- 消費者基本計画の検証・評価・監視(次期消費者基本計画策定に向けた意見(第2回)案について)
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- 議事次第(PDF形式:174KB)
- 【資料1-1】 次期消費者基本計画策定に向けた消費者委員会意見(第2回)案(PDF形式:406KB)
- 【資料1-2】 次期消費者基本計画策定に向けた消費者委員会意見(第2回)(概要)案(PDF形式:440KB)
- 【資料1-3】 原田委員御意見(PDF形式:229KB)
《1. 開会》
○鹿野委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。
ただいまから、第445回「消費者委員会本会議」を開催いたします。
本日は、黒木委員長代理、小野委員、中田委員、そして私、鹿野が会議室にて出席しております。
また、今村委員、大澤委員、星野委員がテレビ会議システムにて御出席です。
柿沼委員、原田委員、山本委員は、所用のため本日は御欠席と伺っております。
それでは、本日の会議の進め方等について、事務局より御説明をお願いします。
○友行参事官 本日もテレビ会議システムを活用して進行いたします。
配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
《2. 消費者基本計画の検証・評価・監視(次期消費者基本計画策定に向けた意見(第2回)案について)》
○鹿野委員長 本日は、消費者基本計画の検証・評価・監視の一環として、次期消費者基本計画策定に向けた第2回の意見案について御議論をいただきます。
現在、消費者庁をはじめとする関係府省庁において、令和7年度からの5年間を対象期間とする次期消費者基本計画策定に向けた検討が進められております。消費者基本法においては、消費者基本計画の案を作成しようとするときには、消費者委員会の意見を聴かなければならないとされております。当委員会においては、本年4月22日に第1回の意見を取りまとめましたが、その後も継続して調査審議や意見交換を行ってまいりました。そして、今月19日に開催した第444回消費者委員会本会議において、第2回となる意見の素案について議論を行ったところでございます。
本日は、前回に引き続き議論を行った上で、委員会としての意見を取りまとめたいと思っております。
それでは、事務局より、意見案について10分程度で御説明をお願いします。
○友行参事官 それでは、資料1-1になります。
「次期消費者基本計画策定に向けた消費者委員会意見」の第2回となっております。前回から変わったところを中心に御説明いたします。
「第1 次期消費者基本計画において特に重要な基本的視点」の「2 次期消費者基本計画期間中に確実に実現すべき重要な施策」のところです。(1)の1つ目の矢羽根ですが、「悪質事業者にはソフトローによる対応のみでは実効性を欠くことを踏まえ、関係行政機関は、ハードロー等あらゆる方策を用いて取り組む責務があり」としております。
また、その下の矢羽根の上から3行目、「違法収益のはく奪及び被害救済について、実効性のある仕組みを整備すべきである」としております。
次に「(3)決済制度の安全性・透明性の確保と消費者保護の一層の取組」のところです。
3ページに行きますが、2つ目の矢羽根のところです。「決済制度の安全性の確保に向けて、デジタル技術を活用することも考えられる。関係行政機関は、消費者の金融・決済関連データのアクセス権の明確化に関する法整備等こうした技術が普及促進されるよう検討することも重要である」としております。
また、ここのところに脚注9を付け加えました。
次に内容に関わるところになりますと、少し飛びまして8ページ目でございます。
「第3 各論(個別施策に関する事項)について」の「2 SNS型投資・ロマンス詐欺対策」の最初の矢羽根になります。上から3行目のところです。「関係行政機関は、着実に施策に取り組み、効果の検証も行うべきである」というところに脚注を加えております。
次に内容に関わるところといたしましては、10ページ目です。「4 食品安全の確保」についてです。前回、検証・評価の一環として、消費者庁から意見を聴取し、意見交換していただきました。その上で、10ページ目の「4 食品安全の確保」ということで加えております。
最初の矢羽根は、「食品衛生基準行政が厚生労働省から消費者庁に移管されたが」ということでございます。「食品安全基本法に定められたリスク分析の考え方の下、科学的知見に基づいた衛生規格基準を策定するという、食品安全行政の基本的な枠組みの機能強化に向けた取組を推進すべきである」としております。
また、一番最後の矢羽根になりますが、食品を安全・安心に利用できるようにするため、附帯決議でも指摘されたとおり、食品のリスク管理において支障・停滞が生ずることのないよう、移管元と移管先である関係行政機関との間で連携を図り、必要な予算の配分、人員の配置など万全の措置を講ずべきであるとしております。
本文のところで前回から変わったところは以上となります。
また、本日御欠席の原田委員から、修文に関わる御提案をいただいております。
資料1-3になります。修文案とその理由ということで、御提出がなされております。本日御欠席ですので、原田委員に代わりまして事務局から御説明いたします。
修文案のところでございますが、赤字箇所を追記とあります。具体的に追記されるところでございますが、意見案の第1の2の「次期消費者基本計画期間中に確実に実現すべき重要な施策」の「(1)悪質事業者の市場からの排除と被害救済の実効性確保」のところになります。
悪質事業者の市場からの排除について、悪質事業者にはソフトローによる対応のみでは実効性を欠くことを踏まえ、関係行政機関は、ハードロー等あらゆる方策を用いて取り組む責務があり、業態別規制の平準化や届出制の導入等による事業者情報の把握等様々な観点から規律や仕組みの整備及び執行強化を図るべきであるという修文提案が来ております。
理由については、そこに記載のとおりでございます。
事務局からの御説明は以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は15分程度で考えております。幾つかありまして、まず資料1-1に加えられているものが、先ほど御説明いただきましたように、前回の素案についての御議論を踏まえて、本文あるいは注の追加という形で修正を加えたものでございます。まず、こちらについて御議論をいただきたいと思います。
その後で、新たに資料1-3で原田委員の御意見をいただいていますので、そちらについて御議論いただきたいと思います。
それから、併せて資料1-2にポンチ絵というか概要図がございますので、これについても、もし何かお気づきのところがありましたら御意見等をお願いいたします。
それでは、まず資料1-1についていかがでしょうか。
お願いします。
○今村委員 今回、食品の部分を加筆してもらったこと、ありがとうございます。この間のヒアリングの際にも申し上げましたけれども、消費者庁で基準行政が来たことで、より一層良い方向に向くように働きかけたいと思いますので、今のままだと不安な部分が多いので、ぜひこの意見、積極的に行政としても進めてほしいということで、加筆いただいたことに感謝申し上げます。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
大澤委員、お願いします。
○大澤委員 私も、前回の意見、幾つか反映していただきまして、本当にありがとうございます。例えば消費者団体のところで、消費者からの寄附という一言も付け加えていただいて、思いつきというか、私がきちんと勉強できていない状況で申し上げたかもしれませんのに、きちんと付け加えていただき、ありがとうございました。
また、今回拝見して、書き直していただいて個人的に一番これはよろしいのではないかと思ったのが、要は悪質事業者に対する対応のところで、ページ数で言いますと1ページから2ページのところで、悪質事業者には要はソフトローのみによる対応では実効性を欠くということをきちんと消費者委員会として出していただくというのは、すごく大事なことだと思います。確かに今、消費者法のベストミックスということで、いわゆるハードローだけではなくてソフトローなども組み合わせてということは、消費者庁あるいは消費者委員会でもずっと検討していることではあるのですが、特に悪質な事業者にそれでは正直言いまして意味がないというところをきちんと消費者委員会として申し上げるということは、よろしいのではないかと思います。
1点、このままでも構わないといえば構わないのですが、少し気になりましたのが、2ページの1行目のところ、「ハードロー等あらゆる方策を用いて」と書いておりまして、等と書いておくのは、私もよく自分の文章で書くことがあるので無難といえば無難なのですが、ここはハードローを中心にとかでもいいですし、等でも構わないのですが、要はもうソフトローでは対応できる状況ではなく、後ほど原田委員からの御意見もここで審議すると思いますが、かなり積極的な対策を組まなければいけないことだと思いますので、もちろんこのままでも構わないのですが、一応ハードローでも対処するのだということが分かるように、消費者委員会として声を上げたいと個人的には思っております。
修文ということではありませんが、一応等という文言がありましたので申し上げた次第です。別にこのままでも構いません。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
今、1ページの一番下から2ページにかけてのところについて、御発言がありました。修文をしなければならないということではないけれども、このようにお考えだということで、「等」という言葉について御発言がありました。いかがでしょうか。ハードロー等というニュアンスをどういう風に取るかということなのですが、ハードローをつくるということは必ず必要で、この悪質事業者対策においても必要だということがありますけれども、この前、私も発言しましたように、ハードローの中身ということもありますが、それをどうやってエンフォースしていくかというような、エンフォースメントのより実際的な仕組みや取組等も含めてというようなことなのかなと個人的には受け取っていたのですが、委員の皆様から御意見等ございますか。この等という字を残すかどうかということについて、何かあればお願いします。
黒木委員長代理、お願いします。
○黒木委員長代理 前回も申しましたが、悪質業者というのは中川丈久教授の事業者3分類の「極悪層」に当たると考えています。この極悪層を業界から排除するためには、「従順層」と呼ばれる協力的な事業者の助けが不可欠です。
従順層の事業者はソフトロー、つまり法的拘束力のない自主規制などに従う傾向があります。そのため、規制の文言に「等」という言葉を残すことで、将来的に柔軟な対応ができるようにしていくべきでしょう。こうすることで、今後さまざまな状況が発生した際に、「そういった事態も想定していた」と説明できる余地が生まれます。
これらの点を考慮すると、規制の文言にある程度の含みを持たせておくことが賢明だと私は考えます。
○鹿野委員長 ほかにいかがでしょうか。
大澤委員、よろしいですか。ハードローは絶対必要だと。ただ、ハードローをつくったらいいというだけではないこと、また黒木委員長代理からは、いろいろなソフトローを別に併せて設けるということによって、より効果的な機能を果たすという側面もあるという御指摘もありました。
○大澤委員 私ももちろんこのままで構わないと思います。個人的な思いとして、等というところに少し引っかかったのは、ベストミックスの話が消費者委員会、消費者庁で出てきてから、もちろんハードローとソフトローの組合せも大事なのですけれども、やはりハードローの中身、あるいは執行する体制というのも、もうちょっとそちらもきちんと中心に充実させる必要があるのではないかと思っていまして、もちろん事業者にいろいろな方がいるというのは全くそのとおりだと思うのですが、ソフトローだけでは不十分であるということは前に書いておりますので、このままで大丈夫です。御趣旨はよく分かりました。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
まさにつくればいいというものではなくて、それをどういう風に実効的に運用するかということが重要ですし、そのための体制や取組みが必要であるということ。けれども、悪質事業者に対しては、ハードローがなければ対応できないということについても、今の御議論でも強調していただきました。
ほかにいかがでしょうか。
星野委員、お願いします。
○星野委員 意見でございますが、3ページ、決済制度の安全性の確保に向けてというとこでございまして、デジタル技術を活用することも考えられるというだけではなくて、消費者の金融・決済関連データのアクセス権の明確化という文章をいただきまして、かつ、高齢社会対策大綱等の文言も注釈に入れていただきまして、ありがとうございました。
以前から申し上げているとおり、決済は消費者保護の最後のゲートキーパーということでございまして、悪徳業者も結構お金が入らなければうまみがないからできません、何もしませんので、自分の財産のデータを第三者、今だとAIとかアプリとかに預けて、決済のゲートキーパー機能を担わせるというのは、今後、流れとして非常に重要かと思いますので、その際になぜか日本だけ取り残されているアクセス権の明確化ということがきちんとされるということは、非常にそういったものに対して重要かと思いますし、これをお取り入れいただくというのは本当にありがたかったかと思いますが、関係行政機関となっておりますが、ぜひ金融庁、経済産業省、消費者庁のほうに御努力いただければと、この場で申し上げておきます。
また、次の4ページ、PIO-NET情報の活用とEBPMの推進ということで、非常に素晴らしいと思いますので、なかなか消費者庁の内部で何かしらEBPMをするというのは結構人的にも難しいということであれば、大学等の研究機関にそれを後でさせるということを可能にするシステムということであれば非常にありがたいかと思いますので、このような方向は非常に素晴らしいと思います。
意見でございました。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
決済制度のところについては、前回、割と活発な御議論をいただいたところでございまして、今回、その修文をさせていただいたところについて、これは賛成だということと、それから関係行政機関というところについて、改めて実際にはこういうところが関わってくるはずだということで御意見をいただきました。それから、PIO-NETのところについても御意見をいただきました。いずれもこの修文に賛成という御趣旨だと思いますけれども、補足も含めて御意見をいただきました。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、次に、資料1-3の原田委員からの修正の御意見について、いかがでしょうか。
黒木委員長代理、お願いします。
○黒木委員長代理 本文で提案されている業態別規制の標準化、届出制の導入、事業者情報の把握など、様々な観点は非常に重要だと考えます。特に悪質業者の問題については、技術の発展に伴い、従来型のものから新しいタイプのものが次々と出現しています。これは監督官庁の管轄外で何が起きているかという問題も含めて、我々も様々な角度から議論してきたところです。
そういった背景を踏まえると、原田委員が赤字で修正提案された部分に一文を加えることは適切だと思います。これは、今後5年間で何をすべきかについて、委員会での議論をより反映した修正案だと言えるでしょう。
残念ながら原田委員本人がここにいらっしゃらないので、詳細な説明を直接聞くことはできませんが、提案された内容自体には異論はありません。この修正は委員会の議論の方向性と合致していると考えます。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
御賛成いただきました。
ほかの委員はいかがでしょうか。
会場にいらっしゃる方も、これに賛成という御意向を示していただきましたが、オンラインの方々。大澤委員、お願いします。
○大澤委員 先ほどの御議論の一貫とも言えますので、具体的なこういう観点から、規律や仕組みの整備などを図るべきということを具体的に示していただいているので、私も賛成します。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
今村委員からも、御賛成ということで、オンラインで意思表示がございました。
星野委員も、この点については賛成ということでよろしいですか。星野委員、もし御発言がありましたらお願いします。もしかしたら今、音声がつながっていないのかもしれません。ただ、今までの議論の流れからすると、恐らく反対はないのではないかと思いますが。
いま、チャットにおいて、星野委員からも賛成の御意向を示していただきました。
それでは、資料1-2についてはこれでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
本日は、資料1-1について、今までの経緯を踏まえて賛成という御意見をいただき、さらに特に強調しておきたいこと等についての御発言もいただきました。
それから、資料1-3の原田委員からの修正提案についても、このまま取り入れるということで、御賛同いただいたところでございます。
この形で今回、第2回の意見を確定させるということにしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
○黒木委員長代理 はい。
○大澤委員 賛成します。大澤です。
○今村委員 賛成します。今村です。
○星野委員 賛成いたします。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
それでは、ただいま会場もオンラインも含めて全員から御了解いただいたということですので、これをもって当委員会の意見といたします。
ただいま取りまとめました意見については、消費者庁長官及び関係府省庁宛てに送付いたしたいと思います。
消費者庁をはじめとする関係府省庁におかれては、本意見の内容について十分に御検討いただいた上で、次期消費者基本計画の策定において織り込んでいただきたいと思います。
《3. 閉会》
○鹿野委員長 本日の本会議の議題は以上になります。
最後に、事務局より今後の予定について御説明をお願いします。
○友行参事官 次回の本会議の日程、議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
それでは、本日の本会議はこれにて閉会とさせていただきます。
(以上)