第438回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2024年6月27日(木)14:00~16:26

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)鹿野委員長、黒木委員長代理、今村委員
    (テレビ会議)小野委員、柿沼委員、原田委員、星野委員
  • 【説明者】
    消費者庁調査研究・国際担当 柳沢参事官
    消費者庁 依田審議官
    消費者庁食品表示課保健表示室 今川室長
  • 【事務局】
    小林事務局長、後藤審議官、友行参事官

議事次第

  1. 消費者白書について
  2. 機能性表示食品について
  3. その他

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1. 開会》

○鹿野委員長 皆さま、こんにちは。本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから、第438回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、黒木委員長代理、今村委員、そして、私、鹿野が会議室にて出席しております。また、小野委員、柿沼委員、原田委員、星野委員がオンラインにて御出席です。一部、少し遅れての御出席になる方がいらっしゃいます。

大澤委員、中田委員、山本委員は、本日、所用のため御欠席と伺っております。

それでは、本日の会議の進め方等について、事務局より御説明をお願いします。

○友行参事官 本日もテレビ会議システムを活用して進行いたします。

配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。


《2. 消費者白書について》

○鹿野委員長 本日の最初の議題は「消費者白書について」です。

消費者基本法では、政府は、毎年国会に消費者政策の実施状況に関する報告書を提出しなければならないと規定されております。

また、消費者安全法では、内閣総理大臣は、消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果を、国会及び消費者委員会に報告することとされております。

これらの消費者政策の実施の状況と、消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告を合冊した令和6年版の消費者白書が、本年6月14日に閣議決定されたと伺っております。

そこで、消費者庁から、その概要について御報告をいただきたいと思います。

本日は、消費者庁調査研究・国際担当の柳沢参事官に会議室にて御出席いただいております。お忙しいところ、ありがとうございます。

それでは、恐縮ですが、20分程度で御説明をお願いします。

(カメラ撮り終了)

○消費者庁調査研究・国際担当柳沢参事官 それでは、御説明したいと思います。

ただいま御紹介いただきました、消費者庁参事官の柳沢でございます。よろしくお願いいたします。

まず、表紙をおめくりいただきまして、1ページ目でございます。

令和6年版消費者白書、これまでを踏襲しておりまして、2部構成となっております。

第1部で「消費者問題の動向と消費者の意識・行動」としておりまして、第1章第1節が、先ほど御紹介いただきました、消費者安全法に基づく国会報告である消費者事故の分析取りまとめといったところでございます。

そのほか、第2節以降で消費者相談等々についても記載をしているところです。

また、第1部では第2章で特集記事を記載してございます。こちらは、毎年異なるテーマを取り上げまして、その時々の消費者問題を取り上げているといったものでございます。

第2部でございますが、消費者政策の実施の状況ということで、第1章が消費者庁の主な消費者政策の取りまとめでございます。

第2章が政府全体の消費者政策の取りまとめを行っているところでございまして、こちらが消費者基本法に基づく国会報告になっているという形でございます。

2ページ目でございますが、こちらが消費者安全法に基づく国会報告に係る部分でございまして、2023年度に消費者庁に通知されました消費者事故等は、合計で1万6,298件という形になっております。

全体としては、昨年より1,000件弱伸びてしまっているという残念な状況ではございます。

こちらのほうを分解してみますと、生命身体等に係るものの中で、さらに死亡事故等々重大な事故だと規定されているものについて1,658件で、それ以外のものが1万4,640件。

また、事故の種類別で分けますと、生命身体に係るものが全体で5,600件ほどで、財産事案が1万600件ほどということになっております。

3ページ目でございますが、こちらは消費生活相談の概況でございます。

2023年の消費生活相談件数は約90万9,000件という形になっておりまして、前年より若干増えているという形でございます。ただ、ここ15、16年ぐらいを長期的に見ますと、大体90万件前後で、その年々によって増えたり減ったりといったところはございますが、おおむね大体同じようなレンジに収まっているような状況かなと考えているところでございます。

案件といたしましては、その他、大勢的なカテゴリーである商品一般というところが1位となっておりますが、それを除きますと、不動産貸借、工事・建築、基礎化粧品といったところが上位に上っております。こちらは、1位から4位までは昨年と順位が変わっていないところでございます。

消費生活相談、トピックスが次の4ページ目でございます。

トピックスでございますが、2022年4月に成人年齢の引下げが行われたことに伴いまして、18歳、19歳への消費生活相談件数に何か影響が生じていないかというところを、ここ2年ほど見ております。幸いにして、大きな傾向の変化というのは見られていないといったところでございます。

四半期別に見ますと、毎年そうなのですが、生活環境が大きく変化する4月から6月までの期間に相談件数が多くなる傾向があるといったところでございます。案件的には、脱毛エステに係るものが1位という形になっておりました。

また、消費生活相談件数、増えているところで言いますと、図表1-6、定期購入に係るものが、2022年が約7万6,000件であるのに対して、2023年が約9万8,000件という形になっておりまして伸びてきております。

ただ、月別に見ますと、1月、3月が特異的に伸びているところでして、ここは、なかなか要因が詳細に分析しきれていないところでございます。

ただ、2022年に定期購入に係る規制強化、こちらの法が施行されまして、それに伴って消費者庁として相当周知広報活動をやってきたと。また、メディアのほうにも多く取り上げていただいたということもあって、そういったところが件数の伸びにも一定程度影響しているのかなと思っているところでございます。

また、図表1-7を御覧いただきますと、SNS関連の消費生活相談件数、こちらが非常に伸びてきております。

相談件数自体は8万件ほどでございます。昨年の約6万1,000件から1万9,000件ほどの伸びという形になっております。特に50代、60代、70代の相談件数が前年と比較して大きく増加しているといった傾向がございます。

こちらは、やはりSNSの利用が全体として伸びてきているということで、もともと若年世代からSNSの利用が始まっているのが、高齢の方も御利用されるようになってきていると、そういったところが反映されているのかなと感じている次第でございます。

さらに、ページを1枚おめくりいただきまして、5ページ目でございます。

消費者被害・トラブル額の推計でございます。こちらは、大体10年ほど継続して行っているものでございますが、図表1-8の「既支払額」というところを見ていただきますと、2023年は約8.8兆円ということで、前年に比べて少し伸びてきてしまっていると。

トラブル額推計は、あくまで一定の仮定に基づきまして、やや簡便な方法で推計を行っているところでございますが、傾向として、これが伸びているということが、どこまで言えるのか、なかなか我々としても分析しきれていないところでございます。

引き続き、ここはアンテナを高くして、どういう状況なのかというところは見守っていきたいと考えております。

6ページ目以降、こちらが今年の特集記事に関するものでございます。

今年の特集は「変化する取引環境と消費者~デジタル社会と消費者の脆弱性~」ということで、分析を記載しているところでございます。

具体的には、デジタル社会において、消費者はどういった影響を受けるのか、どういった課題があるのかというのを分析したものでございます。

その前段といたしまして、そもそも消費者の脆弱性というものが、近年どのように捉えられているかということを概説させていただいた上で、具体的な課題について記載するという構成を取っております。

具体的には、7ページ目以降を御覧いただきたいのですが、まず、7ページでございます。

こちらが、消費者の脆弱性に係る近年の議論を概説したものになってございます。

左下の箱のところで簡単にまとめておりますが、消費者の脆弱性の種類、必ずしも固まった定義等があるわけではないのですけれども、最近の議論をざっくりと分類していくと、大体こちらに掲げている3つになるのかなと考えているところでございます。

1つが「共通の特徴に基づく脆弱性」というところで、これは類型的・属性的脆弱性という形で御紹介することもあろうかと思います。例えば、年齢であるとか、経済状況であるとか、そういった一定の属性等、人によって共通する特徴から脆弱性を捉えていくもの。例えば、若者であれば経験が不足しているですとか、あと御高齢の方は、認知に課題を抱える方が増えてきますねと、そういった形で属性に基づいて脆弱性を捉えようという考え方です。

他方で、近年、そういった一定の属性をお持ちでない方であっても、誰であっても何かしらの脆弱性を持っているのではないかという議論が出てきていると。こちらは、限定合理性による脆弱性などとも言われていると思いますが、人は必ずしも合理的に判断できるとは限らないものであるというものでございます。

例示を箱の中で記載しておりますが、例えば、消費者は、大量の選択肢を与えられると、なかなか適切な比較や選択が難しくなってくるであるとか、選択肢の提示方法によって、消費者の選択の結果も変わってきてしまうことがあるということが指摘されております。

また、そういった誰しもが持つ脆弱性というところは、(3)でございますが、状況によっては、また大分変わってき得るといったところで、例えば、今日までに契約すれば半額になりますよと言われれば、焦って契約をしてしまう。また、知り合いからの頼みごとだと言われれば、なかなか断れずに契約に至ってしまう、そういったところもあろうかと思います。

こういった脆弱性、例えば、図表2-1を見ていただきますと、年齢や経済状況、性別等々何らかの属性で、事業者との関係で弱い立場に置かれたと感じた方は、大体5割弱いらっしゃる。

また、図表2-2を御覧いただきますと、契約内容が複雑であったとか、十分に考える時間がなかった等々、何らかの状況によって合理的に考えることが難しかったとお感じになられた方は、大体8割超いらっしゃるというところで、こういった脆弱性は、個々の消費者のほうでも感じられることが多いということが、数字的にも見て取れるのかなと考えております。

こちらの脆弱性については、幾つか行動経済学者の方にインタビューを行いまして、御知見をいただいたところをコラムにまとめているところでございます。

1例だけ御紹介させていただきますと、真ん中のナッジの影響力といったところでございます。

ナッジは行動経済学において、人がより良い選択ができるように手助けをすることを目的としたものと言われているものだと理解しております。

ナッジは、非常に効きがよくて、良い目的で使われれば、良い方向に効くけれども、悪い方向、いわゆるスラッジと言われるものとして使われると、非常に悪影響を及ぼしかねないといった危険性もあるといったところで、こちらの影響力の事例についての海外の研究成果を、京都大学の依田先生から御紹介いただきました。

こちらが臓器提供に係る同意取得に関する研究でございまして、オプトイン方式、臓器提供に同意する人が表示をするという方法で、同意確認をすると、なかなか臓器提供に同意していただけない。

他方で、同意することを前提として、不同意の方だけ不同意だと言っていただくというオプトアウト方式で同意を取ろうとした場合、非常に高率で同意をいただけるといったところで、同じ問題でも聞き方によって大分変わってくるといったところが見て取れるのかなと思います。

また、こういった脆弱性を持った消費者というものを前提といたしまして、デジタル社会において、どういった課題が出てきているのかといったところが9ページ目以降でございます。

まず、9ページ目でございますが、消費者を意図しない行動に誘導する仕組みと記載しております。

メディア等では、ダーク・パターンなどと言われることが多いかなと思います。OECDなどでもダーク・コマーシャル・パターンと言っておりまして、消費者を誘導して、必ずしも最善の利益とならない選択をさせるものだと定義されております。

具体的な事例は図表の2-4に記載しておりますが、こういった諸々のダーク・コマーシャル・パターン、ダーク・パターンと言われるようなものについて、実際に消費者がどのように影響を受けておられるのかといったところが、図表2-3でございます。

簡単に登録はできるけれども、解約が難しいといったところで、影響を受けたということを当てはまると回答された方が7割弱いらっしゃり、ダーク・パターンによって影響を受けられている方が、相応の数いらっしゃるというところが、こちらの図表で見て取れるのかなと思います。

続きまして、こういったダーク・パターンにつきましては、10ページ目でコラムを記載しておりまして、民間のほうでも啓発活動をやっていただいているところを御紹介させていただいております。

続きまして、11ページ目でございます。

こういったダーク・パターンのほかに、AI技術の進展といったところも1つの課題として挙げられるのかなと思っております。

今、AI技術を使いまして、ウェブサイト等の閲覧履歴から消費者を分析して、趣味嗜好等に合ったものをおすすめするといった機能がございます。

こういったおすすめが表示される機能は、便利だと感じる方は約4割いらっしゃる一方で、事業者の都合で提案されていると感じた方は約7割いらっしゃると、また、必要以上の情報収集をされていると感じる方も約8割いらっしゃるということが、我々のほうで行っております、消費者意識基本調査のほうでも出ております。

図表2-5が、おすすめを便利だと感じる方というところで、全体が先ほど申し上げたように4割、10代後半になると、7割超の方が便利だとお感じになられている。

他方で提供された情報が事業者の都合で提案されている云々のところが図表2-6で、個人情報の提供が必要以上に取られているのではないかといったところが図表2-7となっております。

こういったAI技術については、もともと確率統計的な統計学的手法で分析した結果をアウトプットしているにすぎないので、そもそも不完全なものだと認識するべきだといったところを、コラムで記載させているのが12ページでございます。

また、自分の興味のある情報ばかり見ていることによって、それ以外の情報から孤立してしまうフィルターバブルという問題についても指摘をさせていただいているところでございます。

こちらについては、興味のある情報ばかりを見ていて、自分の視野が狭まっていると感じる方も5割超いらっしゃるというところも、御紹介させていただいているところです。

続きまして、13ページ目でございますが、こういった取引環境の変化に対応して、消費者自身も大分その行動変化というのが見られているところでございます。

まず、消費者自体、どのようにマーケットで捉えられているのかですが、お金を出して財・サービスを購入するだけではなくて、御自身の情報や時間、関心を提供する存在だと考えられるようになってきているといったことが挙げられます。

また、消費者自身が売手になる、使い古したものを売るとか、そういった形で売手に回る取引というのも増えてきておりますし、クチコミであるとか、商品の評価といった形で情報を発信して、他の消費者の購買行動に影響を与えるといったところも大きく見て取れるところかなと思います。

図表の2-8を御覧いただきますと、フリマサイト等の利用経験、全体で59.3パーセントが利用されていて、その中でも36.7パーセントが出品の経験もあると、こちらについては、20代、30代については出品経験が5割前後いらっしゃるといったところで、相当利用が伸びているのかなと思います。

また、図表2-9や2-10を見ていただくと、クチコミなどを参考に買い物をされる方が非常に増えているところが見て取れるかと思います。

14ページでございますが、こうした御自身の、消費者が自分の情報、時間、関心を提供するということにつきまして、そうしたパーソナルデータの提供について、消費者自身もリテラシーを高める必要があるといったところを、西村あさひ法律事務所の福岡弁護士にインタビューをさせていただき、それをまとめて記載をしています。

また、クチコミの影響力といったところに着目して、いわゆるステルスマーケティングというものが行われることがございます。

こういったものの問題点と、あと、昨年10月からステルスマーケティングも不当表示として規制対象になっておりますが、そういったところも御紹介をさせていただいているといったところでございます。

15ページ目が、第2部に関わるところでございまして、まず、15ページ目が消費者庁の主な消費者政策で、次の16ページ目が消費者庁に限らない、政府全体の消費者政策といったところで、こちらは個々の消費者政策の羅列になっておりますので、こちらは目次の掲載だけで、省略をさせていただいているところでございます。

私からの説明は以上でございます。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いします。時間は40分程度を予定しております。いかがでしょうか。

今村委員、お願いします。

○今村委員 今村です。

少し教えていただきたいのですけれども、今回消費者関係でいうと、紅麹の事件が非常に大きな事件となって、あれは令和5年度に起こっている事件だと思うのですけれども、今回の中には、その手の記述はあまりなくて、これは、いつぐらいが締め切りで、5年度ということだったら、無理してでも入れたほうが良かったのではないかなと思うのですけれども、そこら辺の検討状況や経緯はいかがでしょうか。

○鹿野委員長 では、御回答をお願いします。

○消費者庁調査研究・国際担当柳沢参事官 基本的には、消費者施策については、前年度、今回で言いますと、令和5年度に行われた政策について記載をするという編集方針のもとで記載をしております。

ですので、令和6年3月末までの動きについては、記載をしているところでございますが、それ以降の動きについては、編集方針の関係で記載をしていない、来年度の白書のほうで記載がなされると考えております。

○鹿野委員長 今村委員、さらにありますか。

○今村委員 事件発生そのものは、令和6年の3月ですから、編集の期限の範囲内ですかね。

○消費者庁調査研究・国際担当柳沢参事官 おっしゃるように令和6年3月末までの動きについては、白書の第2部のほうで記載をしているところでございます。

○今村委員 では、それは記載があるということですか。

○消費者庁調査研究・国際担当柳沢参事官 ございます。

○今村委員 分かりました。

あと、もう一つ、食品の規格基準の部署が消費者庁に移ってきて、食品の規制の状態が、少し状況が変わったと思うのですけれども、そういうことも年度内に大きな動きとして、決定されたことだと思うのですが、そこら辺の記載というのは、ここの中であるのでしょうか、ちょっと見つけることができなかったので。

○消費者庁調査研究・国際担当柳沢参事官 立てつけ自体の変更については、いわゆる行政機能の消費者庁に移管という意味では、4月になっておりますので、こちらについても編集方針の都合上、今回の白書には移管されましたということは記載をしていないところでございます。

○今村委員 移管することが決まっていて、そのための準備や段取りとかというのが、本来、大きな事件なので記載されるべきなのではないかと思うのですけれども、そこら辺は、どうでしょうか。

○消費者庁調査研究・国際担当柳沢参事官 非常に簡単にではございますが、白書の135ページの注の部分でございまして、注52、食品等の規格基準の策定その他、食品衛生基準行政に関する事務については、2024年4月1日に消費者庁に移管ということは、記載をしているところでございます。

○今村委員 分かりました。

○鹿野委員長 よろしいでしょうか。

それでは、星野委員、お願いします。

○星野委員 ありがとうございます。非常に興味深いことのお話をありがとうございました。

5ページでございますが、見た感じ非常に、2019年以降に比べて、トラブルの集計結果は非常に大きく見えておりまして、たしか報道でもこれは出ていたところだと思います。これは、非常に重要なことでございまして、これは、一応、本文のほうも見させていただきまして、消費者意識基本調査というのを使われていると、あくまでも推計であるというところが、確かに、これは非常に増えていると言っても、どうなのかということはあると思いますが、これはかなりちゃんとやられている調査でございまして、住民基本台帳から、層別2段で無作為抽出するということで、ただ、その回答率が55.4パーセントということが問題でございまして、例えば、こういった調査を使った場合、この推計値に対して、上下に信頼区間と申しますか、大体95パーセントの範囲でどれぐらいの間に収まるか、例えば8.8兆円という推計でございますが、例えば、下限が6兆円で上が10兆円みたいな、そういった、上限下限の推計などもできます。

そして、もし、55.4パーセントとか44.6パーセントの方がお答えになっていなかったので、その方が全く消費者被害を訴えられなかったとしたとしても、少なくとも多分5兆とか4兆何千億というぐらいの被害はあるということというのは、かなり重要なことかと思いまして、これは、せっかくちゃんとやられている調査でございますので、きちんともう少しトレンドみたいに、あとは、信頼幅というか、そういったものを見たりして議論していくということは非常に重要かなと。

どれぐらい消費者被害が、経済的な経済損失が生じているのかというのを理解するという形で、何兆円失われる可能性があるわけだから、では、消費者庁に対してもう少し予算の請求をしてもいいという根拠にもなりますので、ぜひこういったものを活用していただき、もう少し詳しく分析をして、トレンドが変化したかどうかというのは見えますので、ぜひそういったことを、今後、やっていただくということはあり得るのかと思うのですけれども、ぜひ御検討いただければと思いました。

あとは、これは2部構成になっていて、実施の状況ということでございますが、やはり実施したというだけではなくて、可能でありましたら、昨年とか一昨年の施策を実施した結果、どのように政策に効果があったのかみたいなもののレビューみたいなものを、今後、これは、来年度の消費者白書等に向けての意見でございますが、そういったものに関してもEBPMは非常に重要ですので、書いていただくことは、本来的に望ましいのかなと思っております。

意見でございました。

○鹿野委員長 御意見ということですが、何か追加の御説明等はありますか。

○消費者庁調査研究・国際担当柳沢参事官 貴重な御意見ありがとうございます。

まず、最初の御意見、推計に関するところでございます。こちらは、長期的にどのように分析するのかというところをしっかりやるべきということで、受け止めさせていただきました。まさに、そこについての問題意識を我々は持っているところでございます。トレンドをどう把握して、どのように我々の施策に反映していくのかという点を、我々も今後とも考えていかなければいけないと思っているところでございます。

ただ、やや技術的な部分だけで申し上げますと、こちらの推計は、まず、発生確率について、消費者意識基本調査を使ってございます。

こちらは、消費者被害に遭われたことがあるとお答えになった方の割合で、発生確率というものを代用しています。

他方で、被害の平均額は、PIO-NETに登録されました、消費者からの御相談にあった、消費者がおっしゃる被害の金額を当てているというところで、なかなかデータソースがそもそも違っているといった点ですとか、発生確率に平均額を掛けるという非常にざっくりとした計算方法を取っているというところもあって、委員御指摘のような信頼区間であるとか、統計学的にどういった上限下限があるのか、そこまで分析できるものにはなっていないかなといったところがございます。

こちらは、推計の今後の洗練といいますか、そういったところも中長期的には課題なのかなとは思っているところでございます。

あと、2部構成の政策第2部についての政策効果のレビュー、なかなか広範にわたる施策を取り上げているところもありまして、どういった方法があるのかなというのは、なかなかすぐに思いつくところではないのですが、こちらも貴重な御意見として、今後の検討に入れさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

○鹿野委員長 よろしいですか、星野委員。

○星野委員 ありがとうございました。

やはり被害額の算定というのは、例えば、対財務省の予算請求をする際に、かなり重要な根拠になると思いますので、ぜひ、正確になるべく様々な情報を使っていただいて、何なら、例えば裁判関連の民事裁判での訴訟だとか、また、業者で実際に摘発されたものに関してのデータを使った集計なども可能かと思いますので、ぜひ、そういったものを精緻にしていただけると、消費者庁の予算獲得という観点に関しましては、非常に重要な根拠になりますので、ぜひ御検討いただければと思います。

あと、後半のところに関しましては、様々な施策があるということでございますが、分かりやすいところ、やりやすいところで結構ですので、少しずつそういった事例を出していただけるといいのかなと思っております。ありがとうございました。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

それでは、オンラインで、小野委員からお手が挙がっています。小野委員の次に、柿沼委員ということで、まずは、小野委員、お願いします。

○小野委員 小野でございます。ありがとうございます。

私は、特集のデジタル社会における課題と変化について、意見といいますか、コメントと、それから質問をさせていただきます。

今回は、消費者の脆弱性との関連で検討されていて、興味深く読んでおります。3つの脆弱性の中でも、私自身は、1つ目の共通の特徴に基づく脆弱性に着目をしていますけれども、それ以外にもあるということを分かりやすく説明をいただいていて、よかったと思っております。

例えば、こうした知見を消費者教育、とりわけ社会教育に生かせていけるのではないかなと個人的には思いました。

以上が意見でございます。

質問ですけれども、消費者教育だけでなくていいのですけれども、せっかく白書でまとめられた内容を、例えば、庁内で活用していくとか、あるいは実効性を確認していく、そんな道筋などがあるのか、白書の生かし方みたいなところで気になりましたので、1つ質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○鹿野委員長 それでは、御回答をお願いします。

○消費者庁調査研究・国際担当柳沢参事官 ありがとうございます。

御意見につきましては、まさに白書等も含めて消費者教育を、どういうことにやっていくのか、この内容を教育の場にどうブレイクダウンしてくのか、そこは粒度の問題もいろいろあるとは思いますが、当然にして、我々として消費者に向けて発信していくものでございますので、消費者教育といったところとも連携しながらやっていきたいと思います。

また、コメントをいただきました白書について、庁内で今後どう活用していくのかといったところでございます。

我々の部署だけで、なかなか答え切れるところではないのですけれども、例えば、今回、取り上げさせていただいた消費者の脆弱性、また、デジタル化による影響、そういったところは、これまで消費者庁としても取り組んでおります。専門調査会でも御議論いただいておりますパラダイムシフトの問題等々、連携をしながらやっていくようなテーマだと考えております。

そういった形で、庁全体として問題意識を共有しながら、それぞれの施策に結びつけていけたらと考えております。

以上でございます。

○鹿野委員長 小野委員、よろしいですか。

○小野委員 はい、ありがとうございました。

○鹿野委員長 それでは、続きまして、柿沼委員、お願いします。

○柿沼委員 柿沼です。御説明いただき、ありがとうございました。

星野委員からもコメントがございましたが、昨年に比べて、消費者相談数が3万件、それから消費者被害トラブル集計額が約3.3兆円と、かなり増加しており、引き続き消費者に対しての未然防止に向けた周知、それから消費者教育の必要性を、とても感じました。

また、80歳以上を除いた全ての年代で、こちらは、概要には載っていないのですけれども白書の本文を見ますと、販売購入形態がインターネット通販のトラブルが一番多いということになっています。

国民生活センターや消費者庁様でも、SNSなどを介しての広報活動をされているようですが、どのくらいの方が御覧になっているのか、また、それについて効果検証はされているのか、今、分かることがあれば教えていただければと思います。

また、3ページになります。商品役務別の上位件数を見ると、1位は、商品一般ということで、詐欺的なものが多いかと思うのですが、2位が不動産貸借ということで、賃貸アパート、それから、3位が工事・建築ということで、いわゆる点検商法とか、屋根工事とか塗装工事だと思うのですけれども、これはインターネット通販の取引ではなく、何年も前からずっと上位に位置しているものです。

こちらについて、今までずっと上位になっていることに対して、減少しない理由について何か分析をされているのか、それと、何か対応などが御検討されているのか。今、デジタルばかりが広くトピックされておりますけれども、このようなものについても、やはり私は、トラブルが減少していくように、何か対応していただければなというところが、強く思っているところですので、お考えがありましたら教えていただきたいと思います。

それから、小野委員からのコメントもございましたが、今回の特集は大変興味深いものです。消費者白書だけにとどめず、消費者にも広く知っていただければと思いました。こちらはコメントになります。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、御質問もありましたので、よろしくお願いします。

○消費者庁調査研究・国際担当柳沢参事官 御質問いただきまして、ありがとうございます。

SNSを介した広報、どのぐらい見られているのかにつきましてですが、大変申し訳ございません、今、どのぐらい拝見いただいているのかといったデータは持っていないところでございます。

また、商品別のところ、不動産貸借や工事が多いといったところでございます。なかなかこちらは、おそらく1件1件の金額が大きくなりやすいというところで、相談にも結びつきやすいのかなと思っておりますが、例えば、工事であると、御高齢の方になると、工事等の御相談が増えてくるといった傾向もございます。

こちらは、今年の白書ではなく、前年の白書などで高齢者の問題を取り上げさせていただいたところでございます。そういったところで周りの方が見守っていく、見守りネットワークの推進といったところも掲げさせていただいておりまして、もろもろ考えつく施策は打っていかなくてはいけないと考えるところでございますが、ただ、相談としてそういったところは減っていないといった点は、我々としても受け止めさせていただいて、引き続き、どういった施策が可能であるか、関係各課とも御相談させていただきたいと思います。

以上でございます。

○鹿野委員長 柿沼委員、よろしいですか。

○柿沼委員 すみません、途中少し音声が途切れてしまったので、私のほうで理解が十分ではないかもしれないのですけれども、やはり、ただ周知するだけではなく、いかに届いているのか、理解しているのかというところがとても大事だと思いますので、できれば、その辺りについて、学生さんとか、そういう若い方にも届いているのか、高齢者のほうに届いているのかなどについても、やはり分析をしていただければありがたいと思います。

また、不動産対策と、それから工事・建築、不動産対策はどちらかというと、若者や、高齢者だけではなく多くの年代で、トラブルが多いのではないかなと感じております、これは任意なのですね、やはり、こちらについても、何か対応ができないか。

あとは、消費者だけではなく、貸主側に関しても、対応の御検討いただければと思います。ありがとうございます。

○鹿野委員長 最後の御発言はコメントということでした。黒木委員長代理、お願いします。

○黒木委員長代理 ありがとうございます。

質問と感想みたいなことをお尋ねしたいと思っています。

今、柳沢参事官がおっしゃいましたけれども、去年は高齢者、今年は変化する取引環境と消費者という特集が組まれておりまして、その特集は非常に、去年も今年も大変有意義なものだと思っているのですけれども、どういった観点で、この特集というのを白書の中では選んできているのか、何か選択基準というか、編集会議みたいなもので、どういう議論があってこれになったのかということについて、もしも、いただけるのだったらお話しいただければと思います。

それから、第2部の実施の状況の詳細というものは、ずっと続いてきておりますけれども、これと消費者基本計画の工程表のパブコメを取っている関係をお知らせください。基本計画の工程表では、ざっと読んでいるだけで、まだ詳細を全部分析しきれていませんけれども、こういうことをしましたというのは書いてあります。ただ、工程表ではKPIを設定して、こういう目標を設定していますという形と、そして、それに対して、こういう結果でしたというのが工程表では出てくると思っておるのですけれども、白書では、ただ単に結果だけであって、何を考えていたのか、どういう目標を立てていたのかということについて書かれていないのですけれども、今後その辺りのところは、工程表とリンクさせて、こういう考え方で検討しますと、それに対して、こういうことができました、あるいは、これは、こういうことでできませんでしたといったところまで、白書で深掘りしていくという白書の編集方針があるのであれば教えてください。

以上、2点です。

○鹿野委員長 それでは、御回答をお願いします。

○消費者庁調査研究・国際担当柳沢参事官 白書の特集を選ぶ基準というのは、必ずしも定めているところではございません。その時々の担当者のほうで、どういった課題というのが今あるのかといったところを、ブレストをしながら、そういう中で、例えば、消費者意識基本調査とも連動しながら、こういった特集を記載していくところですが、そういった基本調査でどこまでのデータが把握できそうであるかとか、そういったことも考えつつ、庁内でいろいろと相談をして、どんどん決めていくといった形になっております。

ですので、必ずこういうルートをたどって、こういう基準で決めていくというのは、なかなか申し上げにくいなといったところではございます。

2つ目の点でございます。

おっしゃるように、基本計画工程表といったところのKPIを定めて、実際に消費者施策の進行管理といいますか、そういったところをやっていると。

では、同じようなことを白書で本当に記載するのが、どこまでいいのかというところもあって、今、白書のほうは、どちらかというと、政策のカタログ的な形になっているといったところはございます。

もちろん、カタログ的なというところで、基本計画に必ずしもちゃんと記載されていないようなものも含めて、消費者施策として打たれたものというのは、網羅的に記載をするといった形になっているという意味で、それはそれで意義のある形かなとは、担当者としては考えておりますが、ただ、今後また、基本計画も新しいものに変わってまいります。次期計画のほうで、どういった立てつけで計画を記載していくのか、消費者施策の進行管理をどうやっていくのかと、そういったところとも連携しながら、では白書の記載をどうしていくのがいいのか、そこは確かに御指摘のように課題だと考えておりますので、そこは計画の担当のほうと、どういった形で発信するのか、計画の範疇で発信するのがどういったもので、白書の中で発信するのがどういったものかといったところを検討させていただきたいと思います。

○黒木委員長代理 ありがとうございます。

第2部第2章は、国会報告事項ということになっておりますので、やはり、それと工程表のパブコメを取って、国民にいろいろ意見を求めるということは、ある意味では民主的な行政過程の透明性を高めるという点で、非常に重要なことだと思っておりますので、その役割分担というのは、やはり我々としても考えていきたい、委員会としても考えていかなくてはいけない課題ではないかと思っているところです。

最後のは感想です。どうもありがとうございました。

○鹿野委員長 ほかにいかがでしょうか。

それでは、各委員から御意見をいただきましたので、本日、委員から出された意見に私個人の意見も若干加えて、まとめたいと思います。

まず、総論的な話で、消費者白書の役割に関するところでございます。

消費者白書は、消費者問題の現状と課題、そして、消費者政策の実施状況等について、国民に分かりやすく説明するという重要な役割を持っているものと認識しております。消費者を取り巻く環境が急速に変化し、様々な課題が生じている中で、それらへの対応策を国民に分かりやすく説明するということが一層求められると思います。消費者庁におかれましては、白書の丁寧な説明に、ぜひ努めていただきたいと思います。

また、柿沼委員からは、これが消費者に届くようにということ、出すだけではなく、届くようにすることが重要だという御指摘もありました。

私たちも、どうやって消費者に届けていくのかということは、大きな課題と認識していますけれども、消費者庁におかれましても、ぜひその点についても改めて御検討いただきたいと思います。

それから、消費者白書は、消費者基本計画の進捗状況のフォローアップも兼ねていると認識しております。消費者庁をはじめとする各省庁においては、今回白書で確認された各政策の実施の状況を踏まえて、今後の消費者行政に取り組んでいただきたいと思います。

その点とも関連して、黒木委員長代理からは、工程表との関係あるいは目標との関係について、もう少し記載をする方向が考えられるのではないかという御意見あるいは御質問がありました。

その点についても、今後、また基本計画が新たになるという段階で御検討くださるということでしたが、消費者庁として何に取り組んで、どういう考えで施策を推進していかれているのか、それについてどういう効果が実現されているのかということを伝えるという意味で、重要な事項だと思いますので、この点も踏まえて、ぜひ御検討をいただきたいと思います。

それから、星野委員からは、総論と各論の両方にまたがる問題かもしれませんけれども、例えば被害額の推計等のデータ等が示されているけれども、そのデータの収集及びより詳しい統計的な分析ということに、さらに取り組んでいただきたいという御意見がありました。予算との関係にも言及されましたけれども、そのことがより良い政策の推進ということに役立つものと思いますので、ぜひその点についてもお願いしたいと思います。

それから、SNSが関係する消費生活相談や定期購入に関する消費生活相談の件数が、過去最多となっているということが記載されておりますし、先ほども御説明があったところです。これに関し特に中高年による相談が増加傾向にあるということでございました。

そこで、消費者庁をはじめとする各関係省庁におかれましては、消費生活相談のこのような動向を注視しつつ、注意喚起も今後とも進めていただきたいのですが、注意喚起にとどまらず、必要に応じて、状況を踏まえたより強力な対策を検討していただきたいと思います。

それから、消費者被害、トラブルの額の推定額が、2022年から大幅に増えて過去最高額となったということでございました。

先ほどの星野委員の御指摘とも一部重なるかもしれませんけれども、当該推計額というのは、消費者行政の成果を測定する上での、1つの重要な指標になるものと考えられます。

そういうことも踏まえて、消費者庁をはじめとする関係各省庁においては、今般の推計結果を真摯に受け止めて、今後の政策に反映していただきたいと思います。

それから、デジタルの問題がかなり大きくなってきてはいるのですが、一方で、柿沼委員から御指摘があったように、デジタル以外でも従来から多かったようなトラブル類型というのが、ずっと減らないというか、上位を占めているということの問題性についても御指摘いただきました。

そういうことも含めて、原因究明と改善策について、改めて御検討をいただきたいと思います。

それから、今村委員からの御指摘で、紅麹問題をはじめとして、食品の安全に関わる点に幾つかの御指摘がありました。消費者庁への移管の問題もございましたし、それから新たな消費者被害が生じた重要な案件についての質疑応答がなされました。

一部は記載が既にあるところでもありますけれども、さらに令和6年度の白書に、その点についてはより詳しく書き込まれるものと受け止めました。

こちらについても、今後ということにはなろうかと思いますけれども、ぜひよろしくお願いいたします。

それから、特集として取り上げられた、デジタル社会と消費者の脆弱性という点については、委員会としても大きな関心を持って、本日も複数の委員から指摘をいただいたところでございますし、御存じのように消費者委員会の専門調査会でも審議等を行っていただいているところでございます。

デジタル化の進展に伴って、消費者を取り巻く取引環境が大きく変化しているということの実態を適切に把握、分析して、今後の対応を検討することが重要であると考えております。

今回の取りまとめ、とりわけ脆弱性をめぐる状況や議論については、まだまだ消費者にあまり知られていないところもございますので、白書において分かりやすくまとめられたところは高く評価したいと思います。ただし、小野委員からも御指摘がありましたように、せっかくこのように分かりやすく取りまとめられたものを、例えば消費者教育など、いろいろな形で活用していただければと思います。

最後に、消費者庁におかれましては、消費者白書の国民への周知、広報、丁寧な説明と、消費者行政への活用を、ぜひお願いしたいと思います。いくつか個別の点でそれをお願いしたところですが、ぜひ今、具体的に言及しなかったところも含めて、お願いしたいと思います。

加えて、来年以降の消費者白書についても、消費者問題の現状と課題、そして消費者政策の実施状況の分析結果等を消費者、事業者をはじめ、読み手に分かりやすいような形で取りまとめていただきたいと思いますし、先ほども言及しましたように、やはり目標との関係ということを、もう少し分かりやすく書いたほうが伝わりやすい面もあるのではないかと思いますので、その点も含めて御検討をよろしくお願いいたします。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。どうぞ御退席ください。

○消費者庁調査研究・国際担当柳沢参事官 ありがとうございました。

○鹿野委員長 入れ替えがございますのでお待ちください。

(柳沢参事官 退室)

(依田審議官、今川室長 入室)


《3. 機能性表示食品について》

○鹿野委員長 続いての議題は「機能性表示食品について」でございます。

紅麹を含む機能性表示食品での健康被害発生を受けまして、機能性表示食品制度の課題を整理し、改善を図るために、消費者庁において、機能性表示食品を巡る検討会が開催され、5月27日に報告書が取りまとめられました。

また、5月31日には、紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合が開催され、政府の対応方針が取りまとめられたところでございます。

このことについては、既に消費者委員会の6月3日の本会議におきましても触れたところでございます。

今般、それらの内容を踏まえて、本日6月27日付で、資料2-1のとおり、内閣総理大臣から消費者委員会に対して、食品表示基準の一部改正についての諮問がございました。

本日は、この諮問事項について、消費者庁より御説明をいただき、意見交換を行いたいと思います。

本日は、消費者庁の依田審議官、そして、食品表示課保健表示室の今川室長に、会議室にて御出席いただいております。大変お忙しいところ、ありがとうございます。

それでは、恐縮ですが、30分程度で御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○消費者庁食品表示課保健表示室今川室長 消費者庁保健表示室長の今川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

そうしましたら、資料2-1、2-2、2-3に基づきまして御説明申し上げたいと思います。

2-1が、今、委員長から御指摘いただきました諮問書でございます。

この諮問書の内容につきまして、資料2-2がございますので、この資料2-2に沿って、まずは御説明申し上げたいと思います。資料2-2をお願いします。

題名は「食品表示基準の一部を改正する内閣府令(案)について」ということで、今般の諮問書の食品表示基準、これが内閣府令そのものになりますけれども、こちらの改正案の主な内容になります。

まず「1.改正の背景」ですけれども、これは既に御承知のように、3月29日に第1回の紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合、それから機能性表示食品を巡る検討会を経て、5月31日に第2回の同関係閣僚会合、こういったところを踏まえて、今後の対応というのが取りまとめられて、今般は、それらの検討会の報告書あるいは今後の対応に基づき、措置すべき事項について、食品表示基準の改正により対応すべきものを措置するものというものでございます。

続きまして「2.改正の基本的な考え方」でございます。

まず(1)として「ヘルスクレームが認められる食品群としての機能性表示食品の要件明確化」というところでございます。このヘルスクレームという言葉が、法令上規定されているわけでありませんけれども、このペーパー上、便宜上ヘルスクレームとさせていただいております。

まず、食品表示基準の第9条におきまして、表示禁止事項が規定されております。

具体的には、保健機能食品、これは3つございますけれども、保健機能食品以外の食品にあっては、保健機能食品と紛らわしい名称、栄養成分の機能及び特定の保健の目的が期待できる旨を示す用語を表示してはならない、これを規定しているわけでございます。

今般「この特定の」というところをヘルスクレームと申しておりますけれども、これが認められるのは、つまり保健機能食品でございますけれども、そのうち、機能性表示食品については、食品表示基準第2条第1項第10号において、次のとおり要件を示しているものでございます。

その下に10行ぐらいありますけれども、これが機能性表示食品の要件になってございます。

まず、疾病に罹患していない者でございます。それに対し、機能性関与成分によって、健康の維持及び増進に資する特定の保健の目的が期待できる旨を科学的根拠に基づき、容器包装に表示する食品、これを機能性表示食品と言っています。

機能性表示食品になることができないものも、その後、4、5行書いてございます。例えば特別用途食品ですとか、栄養機能食品、アルコールを含有する食品、それから、栄養素の過剰な摂取につながる食品、こういったものは除かれますというのが書いてあります。

その次に、届出に必要な資料が書いています。それが主に6個ほど書いてありますけれども、まず1つ目として、当該食品に関する表示の内容、2つ目として、食品関連事業者名及び連絡先等の食品関連事業者に関する基本情報、3つ目として、安全性及び機能性の根拠に関する情報、4つ目として、生産・製造及び品質の管理に関する情報、5つ目として、健康被害の情報収集体制、6つ目として、その他必要な事項、この6つの必要な資料を整えて販売日の60日前まで消費者庁長官に届け出たもの、これを機能性表示食品と言っております。

続きまして、次の2ページ目でございますけれども、こういった機能性表示食品なのですけれども、届出をした後に遵守すべき事項は、今、要件として明記されていないということになります。

それらは、機能性表示食品の届出等に関するガイドラインにおきましては、規定されているのですけれども、ガイドラインに規定されるにとどまっているということからすると、法に基づく指示、命令、立入検査などの必要な行政措置を講ずることが、できるかは必ずしも明確ではないということで、このガイドラインの内容を必要に応じ見直した上で、食品表示基準、内閣府令ですね、またはその委任を受けた告示に明確に規定し、これが遵守されない場合に、食品表示法に基づく指示、命令等の必要な行政措置を講ずることができることを明確にすることが必要という御指摘をいただいているところでございます。

こうした観点で、今般、その次の○ですけれども、届出時点のみならず、届出後にあっても、届出者が遵守事項を遵守するものと、この機能性表示食品の要件として明確化するというものでございます。

そうすることによりまして、これらを遵守しない場合は、機能性表示食品の要件を満たさない食品となることから、ヘルスクレームが表示できないということを明確化するというものでございます。

主な要件でございます①から④、それから、その下にポツが2つありますけれども、これらが主な要件になりますけれども、まず、この①から④は、後ほどまた御説明を申し上げますけれども、新たな科学的知見が得られた場合の消費者庁長官への報告。

それから、錠剤、カプセル剤等食品の製造工程のGMP基準の適合。

それから、医師の診断による健康被害情報の消費者庁長官及び都道府県知事等への早期提出。

それから、遵守事項の自己チェック報告等ということでございます。

この4つに加えて、あわせて、次の○ですけれども、新規の機能性関与成分につきましては、届出資料の確認段階において、医学、薬学等の専門家の意見を聞くなど、慎重な確認が必要と消費者庁長官が認める場合には、現状60日ですけれども、120営業日の特例ということを盛り込むというものでございます。

それから、次の○ですけれども、さらに届出日以降の科学的知見の充実により表示をすることが適切でないと、消費者庁長官が認めた食品は、機能性表示食品の要件が満たさない食品としてヘルスクレームの禁止対象となることを明確化するといった方針に従って、今回の内閣府令の改正案をつくっているところでございます。

それから、その下ですけれども、(2)として「表示事項の方法と方式の見直し」というところでございます。

今般の検討会などの指摘も踏まえまして、主に安全性に関する事項、それから、特定保健用食品の誤認防止、こういった観点から、表示の方法、表示の方式、方式というのは、記載の場所とか、そういったことの見直しも併せて行っております。

続きまして、3ページ目でございますけれども「3.具体的な改正内容」でございます。

具体的な改正内容でございますけれども、先ほどの①から④を主に、少し詳しく書いております。

まず、iとして、届出後に新たな科学的知見が得られた際の消費者庁長官への報告ということでございますけれども、2行目辺りですけれども、届出者は内外の科学的知見に関する情報を常に収集の上、万が一、新たな科学的知見により当該食品の機能性表示を行うことが適当でないという場合には、届出をした機能性表示の内容等の変更を適宜適切に行うことが本制度に対する消費者の信頼を確保する上では不可欠であることから、消費者庁長官への報告を届出者の届出後の遵守事項として位置づけるというものでございます。

それから、その下のii番、錠剤、カプセル剤等食品の製造管理及び品質管理における適正製造規範(GMP)と省略させていただきますけれども、その基準の適合というものでございます。

現行は、サプリメントの形状の加工食品に関するGMPは、ガイドラインに基づきまして推奨されております。

これを次の○ですけれども、錠剤、カプセル剤等の食品につきまして、このGMPに基づく製造管理を届出時にも資料として提出いただきますけれども、その届出時はもとより、届出後の遵守事項とするというものでございます。

次の○ですけれども、適正製造基準、GMPですね、検討会におきましても、御議論をいただいたところですけれども、主にその要件としては、本年3月11日に、厚生労働省、今は消費者庁に移っていますけれども、そこから発出しているGMP指針、これは通知ですが、それを基本とすることが現実的であると御指摘いただいていることを踏まえて、このGMP指針を踏まえた基準を食品表示基準の委任を受けた内閣府告示に規定することを考えてございます。

iii番ですけれども「健康被害情報の収集と医師の診断による情報の行政機関への提供」というものでございます。

現行はガイドラインの中で、健康被害情報を入手した際には、情報の収集・評価を行い、評価の結果、届出食品による健康被害の発生及び拡大のおそれがある場合は、消費者庁に報告することが記載されております。この評価というのがガイドラインに記載されておりましたので、一定の結論を得てから、今回評価を行ったので、今般の事案は約2か月を要したというところでございます。

4ページでございますけれども、これを踏まえまして、3行目辺りですけれども、健康被害と疑われる情報を届出者が収集し、健康被害と疑われる情報、医師が診断したものに限りますけれども、それを把握した場合は、当該食品との因果関係は不明であっても、速やかに消費者庁長官及び都道府県知事等に情報提供することを、これを届出後の遵守事項として、食品表示基準に明記し、要件とするというものでございます。

それからiv番、届出事項に関する届出者の自己チェック等に係る事項でございます。

先ほども御説明を申しましたとおり、届出後に遵守事項が遵守されていなければ、要件に該当しなくなり、ヘルスクレームが禁止される。これを踏まえますと、それを遵守していることを届出後1年ごとに自己評価を届出者にいただいて、それを消費者庁長官に報告をいただくと、それを消費者庁のウェブサイトで公表し、販売できることを公にするということと考えてございます。

それから(2)番の「表示方法の見直し」でございますけれども、これも検討会や関係閣僚会合等で御指摘いただいたとおり、トクホと異なりというところ、医薬品とは異なりというところ、また、摂取する上での注意事項として、具体的に記載すると、こういった表示の方法や方式を見直すというものでございます。

それから(3)番でございますけれども「届出資料その他届出ガイドライン記載事項の原則とすべき内容の明確化」。

現在は、先ほど申しました6つの事項、これは、今申しました題名は、表示基準に記載がございますけれども、その具体的な中身はガイドラインに書いてございます。

こういった6つの記載について、ガイドラインに委ねられているこれらを、食品表示基準において届け出られるべき情報として具体的に記載していくと。

様式等、細かいこともございますので、そういったものは内閣府告示で定めることと考えてございます。

それから、一番下でございます。「4.施行期日及び経過措置」でございますけれども、施行期日は令和6年9月1日とすると。「ただし」というところで、届出資料の提出の施行期日は令和7年4月1日とするというものでございます。

(2)番として、基本的に9月1日施行ではございますけれども、GMPの基準遵守に関する事項及び表示方法の見直しは、施行日から2年の経過措置をそれぞれ設けるというものでございます。

以上が大きな方針でございます。

これらを踏まえまして、まず、資料2-3を御覧いただきたいと思います。1枚紙です。

資料2-3は、今、申しました主な見直しと、その施行期日の一覧表でございます。

大きく4つございます。まず、①番でございますけれども、健康被害情報の収集体制、収集していただいて、それで仮に健康被害の発生があった場合ということで、医師の診断による健康被害情報の保健所等への提供、これが①番です。

②番としては、錠剤、カプセル剤等食品の届出に関する製造加工等におけるGMP基準の適用というもの。

③番としては、届出情報の表示方法の見直し、この3つが、施行期日が、いずれも令和6年9月1日施行というものでございます。

そのうち、健康被害情報の関係につきましては、即日実施と考えてございます。

それから、ほかの2つ、GMPと表示方法の見直しですけれども、これは2年間の経過措置をおきまして、令和8年9月1日から実施を予定しております。

一番下ですけれども、そのほかの事項ですね、今、ガイドラインに書いてあるようなことを盛り込むものになりますけれども、120営業日ということも含めて、令和7年4月1日施行ということで、ちょうどPRISMA2020というシステマティックレビューの論文のレビューの適正化について、導入が進められていますけれども、これが令和7年4月1日施行でございますので、これの導入に合わせていくというものでございます。

備考欄でございますけれども、①番の健康被害の情報に関しては、厚生労働省令でも同様の規定を検討していると承知しておりますので、それと施行期日を合わせると考えてございます。

それから、②番のGMPでございますけれども、令和7年度組織定員要求、予算要求、消費者庁における立入検査に備えて、必要な体制を整備していくというもの、そういったことと並行して、今年度中に事業者が実施できる自主点検指針なども作成していくことを考えてございます。

それから、③番の表示方法の見直しは、包材の切替えを考慮する必要があるというものでございます。

こういったことも踏まえて、この2つについては、2年の経過措置を設けたいというものでございます。

それから④番は、現在のガイドラインの内容を可能な限り食品表示基準または告示に規定していくというものでございます。

こういったことが大枠でございます。これらを踏まえたものが、資料2-1の諮問書、食品表示基準の一部改正案になります。

大枠としては、今、申し上げたとおりでございますけれども、若干補足説明として見ていきますと、2ページ目です。

下に改正前、上に改正後と書いてございます。

まず、最初の第2条第10号というところ、前段はほぼ変わりません。

新たに設けたところは、別表第26というものをつくりました。これは、イというところの4行目ぐらいに書いてありますね。

それから、別表第27というのを新設しています。これは、ロのところに書いてございます。

この別表第26が、届出時に届出をいただくことが書いてあります。

それから、別表第27のほうは、届出後に遵守していただく事項が書いてございます。

あとは、120営業日というところが追加されているというものです。

次をおめくりいただいて、3ページでございますけれども、最初の3ページの上を見ていただきますと、まず、機能性表示食品になれないものが、先ほど申しましたように、栄養機能食品とか、アルコールを含有する食品とかが書いてございます。

それで、新設したところが(5)のところです。当該届出の日以降における科学的知見の充実により機能性関与成分について健康の維持及び増進に資する特定の保健の目的が期待できる旨の表示をすることが適切でないと消費者庁長官が認める食品、これが次に掲げる食品でないことという、機能性表示食品ではないという要件の中に1つ入れてございます。

次に、横断的義務表示事項として、第3条で表示事項を規定しています。

順次見ていきますと、まず、最初に「機能性表示食品」と書いてございます。

その下の中段です。科学的根拠を有する機能性関与成分、まず、成分名を書いていただくのですけれども、成分及び当該成分または当該成分を含有する食品が有する機能性を書いていただくということになります。

この項目は、今は、消費者庁長官に届け出た内容を表示するとなってございます。ここを具体的に記載したというものが、今回新たな上の段になりますけれども、まず、機能性表示の文字を冠して、今は届出表示となっておりますけれども、届出表示ということだと、それは、機能を表しているか、少し分かりづらいということで、届出表示というのを機能性表示と変えてございます。それを冠して、次に定めるところにより表示するということで、今、2つ明確に分けてございます。

まず、1つ目、機能性関与成分が有する機能性を表示する場合にあっては、1番も2番も成分が主体なのですけれども、まず、1番のほうは、機能性関与成分が有する機能性を表示する場合にあっては、機能性関与成分の名称、何々成分という名前ですね、及び当該機能性関与成分が有する機能性を科学的根拠に基づき表示する。何々に機能がありますというものです。その際、当該機能性について報告されている旨を的確に示す文言を表示するということで、その食品に対する機能というよりは、含有されているその成分に機能があるということが報告されていますということを明確にしていただくというものでございます。

次に2番でございますけれども、「機能性関与成分を含有する食品が有する機能性を表示する場合にあっては、機能性関与成分の名称及び当該機能性関与成分を含有する食品が有する機能性を科学的根拠に基づき表示する」とございます。

これの違いは、1番は成分が報告されていますと。2番は臨床試験などを行っていただいて、その食品そのものが効くというものですけれども、成分が含有されていて、その成分の効果が科学的根拠に基づいてあるということを表示していただくということでございます。この2つの違いを明確にここで記載しているというものでございます。

次に、5ページ目でございますけれども、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではない旨についてですけれども、現在の規定は、これを直接記載しているものではなくて、一番下ですけれども、「本品は、事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨を表示するものとして、消費者庁長官に届出されたものです。ただし、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものでありません」という表示でございます。

これにつきましては、国により評価を受けたものでありませんというところを、主に打ち出してございます。上の段ですけれども、「本品は、特定保健用食品と異なり、」ここは一緒なのですけれども、「機能性及び安全性について、国による評価を受けたものではありません」としており、ただし書き以降は新たなところです。「ただし、届けられた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます」と表示するというものでございます。こういった、より具体的な表示に直していきたいということでございます。

その次、摂取をする上での注意事項でございますけれども、現在は消費者庁長官に届け出た内容を表示するとなってございます。

これをより具体的に、上の段ですけれども、「医薬品や他の機能性関与成分との相互作用、過剰摂取等に係る注意喚起等について、当該機能性関与成分の安全性に関する科学的根拠を踏まえて具体的に表示する」というものでございます。具体的に、相互作用などを表示いただくというものでございます。

次に、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではない旨でございますけれども、ここは、大枠は変わらないのですけれども、より具体的に医薬品とは異なりということを端的に表示いただく必要があるという御意見がございましたので、医薬品と異なりというのを前段に入れていただく、あるいは、端的に医薬品ではない旨を表示いただくというものでございます。

次に、疾病に罹患している者は医師、医薬品を服用している者は医師、薬剤師に相談した上で摂取すべき旨でございます。ここは、そこまで変わっていないのですけれども、上段で、後ろのほうです。医師、薬剤師に摂取について相談すべき旨を表示するということで、具体的に摂取について相談すべき旨というのを入れさせていただいております。ここが、容器包装の表示上の主な変更点でございます。

以降は、先ほども御説明申し上げましたところを、食品表示基準上に落とし込んでいるというものでございますけれども、表示事項は、もう2つほどありました。6ページの上段を見ていただきますと、まず、表示禁止事項というのを書いてございます。ここは基本的に変えていない部分でございます。

それから、表示の方式等ということで、第22条、第23条が書いてございます。これは、先に生鮮食品のほうが条文上出てきてしまうということであって、加工食品についても、後ほど表のほうで同じ文言が出てまいりますけれども、まず、生鮮食品のほうの第22条第4号というところで、今、線が引っ張ってあるところです。「容器包装の主要面の上部に」のこの「上部に」というのが新たなところです。上部に「機能性表示食品の文字を枠で囲んで表示する」というように場所を規定しているというものでございます。これは新たなものです。

その次、7ページの上ですけれども、ハという項目を追加しています。「届出番号は、機能性表示食品である旨と近接した箇所に表示する」。つまり、主要面の上部に、届出番号と機能性表示食品という用語を記載するということになります。

続きまして、同じ7ページ目の後ろのほう「別表第二十(第八条関係)」と書いてございます。

こちらは、少し順番が前後してしまいましたけれども、加工食品のほうの規定でございます。今、申し上げました機能性表示食品の「上部に」というのと「届出番号は近接したところに」というのが同じ規定をかけているというものでございます。

それから、8ページ目の別表第26でございます。この別表第26が、先ほど申しました6つの事項を具体的に資料として出していただくときの項目になります。

まず、1番として表示の内容ですけれども、表示の見本を添えてということで見本を出していただくことを考えてございます。

見本は、今も出していただいているのですけれども、ガイドラインでは任意にというところ、この見本は義務として出していただくということを考えています。

2番は、基本情報でございますけれども、今、これから申し上げるところは、基本的にはガイドラインに全て書いてあることを、食品表示基準に落とし込んでいくというものでございます。

基本情報として、届出者の氏名、住所、それから製造所、加工所の所在地、それから、氏名、名称、そういったものを出していただくと。それから届出者の電話番号、こういった基本情報を出していただく必要があるというものです。

それから、3番、安全性及び機能性の根拠に関する情報です。これも、1番、2番として、1番は安全性の情報、2番目は機能性の情報、これらを少し細かい情報もありますので告示で定めるところにより、提出するというものでございます。

4つ目、生産・製造及び品質管理に関する情報でございますけれども、ここで定義を幾つか置いています。これはカプセル錠剤等を規定する上での定義でございますけれども、基本的には、先ほど申しました3月11日のGMPの通知に沿って記載しているものでございます。

天然物もしくは天然由来の抽出物を用いて、分画、精製、濃縮、乾燥、化学的反応等により、本来天然に存在するものと成分割合が異なっているものまたは化学的合成品、これを、まず、「天然抽出物等」としております。

この天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤、粉末剤、液剤等の加工食品、これを「錠剤、カプセル剤等食品」と規定してございます。

これを届出する場合にあっては、内閣総理大臣が告示で定める基準を遵守していることを示す資料を含む、この告示で定める基準が、令和6年3月11日のいわゆる311通知のGMPの部分ということを考えてございます。

それから、5番目、健康被害の情報収集体制でございますけれども、これも今、ガイドラインに書いてあることを基本的に、重要なものを落とし込んでいます。イ、ロ、ハ、ニとありまして、健康被害情報について、消費者、医療従事者等からの連絡に対応する窓口となる部署の連絡先、対応可能な日時、組織の体制を示した図、健康被害情報の収集及び評価並びに行政機関への情報提供等に関するフローチャート、こういったものです。

それから、6、その他必要な事項でございますけれども、ここでイ、ロ、ハ、ニ、ホとあって、イは商品名です。それから、ロのところでございますけれども、現状もいわゆるサプリメントと、そうでないものと、生鮮食品と分けて届出はしていただいておりますけれども、そういった規定になります。

まず、ロの(1)、天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品、サプリメントという言葉は使っていませんけれども、いわゆるサプリメントのイメージが、ここの(1)になります。

(2)(1)以外の、今申し上げました以外の加工食品、それから(3)が生鮮食品でございます。

この分け方でございますけれども、それがハのところでございますけれども、この(1)に該当しないという合理的な理由を述べていただくと、(2)の加工食品になるというものでございます。

ここは、この合理的な理由を事業者に自ら説明いただいて、(1)なのか(2)なのかというところを分けていくというものでございます。

それから、ニ、ホも過剰摂取につながらないとする理由、あるいは販売開始予定日、こういったものも引き続き書いて届け出ていただくというものを、食品表示基準に明確化していくというものでございます。

それから、別表第27でございますけれども、これが先ほど申しましたように、届出後の遵守事項でございます。

4つございます。まず、1つ目としては、安全性及び機能性の根拠に関する事項でございます。

これは、新たな知見が得られたときは、その旨及び当該知見の内容を遅滞なく消費者庁長官に報告することというもの。

それから、2番として、生産・製造及び品質の管理に関する事項でございますけれども、ここが基本的にはGMPに係る部分でございますけれども、先ほど申しました、錠剤、カプセル剤等食品として届出をした届出者にあっては、内閣総理大臣が告示で定める基準に即して、まず、加工されていることとか、つらつら書いてございますけれども、基本的には、こういった生産・製造・品質の管理、今のガイドライン上に記載されている重要な事項をこの1、2、3、4、5、6、7、8というところで落とし込んでいるものでございます。

それから、3番でございますけれども、健康被害の情報収集及び提供に関する事項。これは、現在のガイドラインにも記載がございますけれども、現在は評価した上で、おそれがある場合にはというところでございますけれども、そこを最初の1行、2行目辺り、「医師の診断を受け、当該症状が当該食品に起因するまたはその疑いがあると診断されたものに関する情報を得た場合には、」「情報を得た日から速やかに都道府県知事、保健所を設置する市の市長、または特別区の区長に提供すること」と規定してございます。

こうした都道府県知事等に提供した情報を、次の2番のところですけれども、消費者庁長官にも提供するというものでございます。

それから3として、3もガイドラインにありますけれども、「消費者、医療従事者等から健康被害情報を入手した際、情報提供者が医師以外であり、医師による診察が行われていない場合にあっては、届出者の責任において、情報提供者へ医師への診察を勧める等適切な対応を行うこと」というのを記載してございます。

それから、4番のその他必要事項、遵守状況等の自己点検及び評価並びにその結果の報告ということで、これは新規の部分でございます。現状のガイドラインに書いていない部分でございますけれども、1年に一度自己点検を行い、評価を行い、その結果を内閣総理大臣が告示で定めるところにより、消費者庁長官に報告することとしております。

1回目の報告は、届出番号が付与された日から起算して1年を経過する日。

2回目以降の報告は、前回の報告の日から起算して1年を経過する日としてございます。

14ページ以降が施行期日でございますけれども、これは先ほどの表のとおりでございます。

長くなりまして、恐縮でございます。以上でございます。

○鹿野委員長 御説明ありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換を行いたいと思います。時間は30分程度を予定しております。いかがでしょうか。

今村委員、お願いします。

○今村委員 今村です。御丁寧な説明ありがとうございます。

私、消費者委員会の食品表示部会も部会長をさせていただいていまして、今まで検討会の報告も受けさせてもらいましたし、閣議決定の内容も食品表示部会のほうで御説明いただきまして、今、並行して食品表示部会のほうでも議論が進められているということで、今回、正式に諮問をしていただきましたので、これに対して食品表示部会でも積極的に議論を進めていきたいと思います。

既に、今まで議論の出てきた内容で、指摘をさせていただく内容が、ちょっとたくさんあるので列記させていただきますけれども、まず、今回の改定は大変複雑な改定で、1回でなかなか理解しづらい改定であると思いました。

ただ、今の規定の中でやれることを精一杯まで盛り込んでいただいているという印象を受けているところで、その御努力は心から評価したいと思います。

とはいえ、この改定で網羅できていない部分があるのではないのというお話と、それと、この改定は複雑な改定ですけれども、実際に、それの実効性を持たせることができるのですかという、この2点については、まだ懸案として残っていると考えております。

まず、諮問をいただいた内容の中で、幾つか既に食品表示部会などでも議論になっていることで、懸案となっていることを少し指摘させていただきますと、今回、届出制度によるものの書類確認ということが大きく事業として立ち上がりそうなのですけれども、この7,000件も出されている中での確認作業、特に証拠書類の信憑性などの確認作業が本当にできるのですかということとか、GMPも今回義務化していただけるということですけれども、実際、原材料までGMPをかけることができるのですかということ。

そして、GMPをかけたものの製造工程などの監視などは、実際のところ、どのようにされるのでしょうか、それはたくさんの届出に対応できるのでしょうかということが、今までも指摘されているところであります。

また、健康被害のできるだけ早い時期での情報提供ということを、今回決めていただいていますけれども、企業から保健所へということで、保健所の対応が重要になってくるわけですけれども、食品衛生法での実際のところの改正は、どのように進んでいただいていて、特に今回、お医者さんの診断を基に届出をしようということですけれども、保健所に、企業が、お医者さんの診断のもとに届け出たとして、では、保健所が次に何をするかというと、やはりお医者さんに確認をすることになると思うのですけれども、では、ちゃんと企業から、どんなお医者さんが診断したかという情報がちゃんといくのかということとか、保健所が、お医者さんのほうに調査をしようとしたときに、お医者さんのほうが初耳だということになると、また、それ自身うまくいかないということになると思います。

そもそもお医者さんから、保健所への報告などもできないかというようなことも、懸案としては残っていると理解しております。

また、国民生活センターなどにも多くの情報が集まっているわけですけれども、国民生活センターに医師の診断もあるのだけどという連絡があった際に、保健所などに連絡をするというルートは考えられていないのかということも、御指摘をさせていただいてきていることではあると思います。

こういったことが、今いただいた諮問事項に対しての懸案としては、食品表示部会などでも議論として挙がっているところであります。

また、今回の諮問の範囲外になるかもしれませんが、いわゆる健康食品と言われるものへの対応や、実際に安全かどうかの確認、そして、効能の確認をしたときに、一体その後どうなるのかというところで、少し弱いという実績があります。

表示できなくなるというところで止まっているので、販売を止めるということが、今のままではできないのではないでしょうかということとか、実際、安全性の確認も被害が起こったときに報告などはありますけれども、安全性の評価の部分というのは、どのようにするのですかということがまだ残っておりますし、今、多くの健康食品は、広告で派手にされているのですけれども、そこの部分に対しての規制なども、今のところの諮問事項には含まれていないということも懸案としてあると思っています。

そういったところを短期間でありますけれども、この答申までの間にできる限り、食品表示部会のほうでも議論したいと思いますし、今の中でお答えできる範囲のことがあれば、ぜひお答えいただきたいと考えております。

少し長くなりましたけれども、以上です。

○鹿野委員長 それでは、御回答をお願いします。

○消費者庁食品表示課保健表示室今川室長 消費者庁保健表示室長の今川でございます。ありがとうございます。

今村委員、ありがとうございました。先般の食品表示部会でも、まさに今村委員がおっしゃられたこと、今村委員御自身あるいは他の委員の方々からの御意見を、今、集約していただいたと認識してございます。

まさに、今、御議論をいただいている部分で、その場でも、なかなか我々は回答が難しい部分が、今おっしゃっていただいたところだと思いますので、なかなかこの場で、ここがこうですという御回答をするのは非常に難しいと思っておりますので、これは、引き続き食品表示部会の委員の皆様方の御意見をいただきながら、それが食品表示基準上に落とすことができるものなのかどうか、あるいは今後の課題として、引き続き検討をさせていただくものなのかどうかというところも整理させていただきながら、検討を進めてまいりたいと考えてございます。

以上でございます。

○鹿野委員長 今村委員、何かございますか。

○今村委員 今回、諮問をいただいたことに対して意見を出すということと、諮問をされていない範囲でも、かなり御議論が出ているということもあれば、その部分に対して、我々も積極的に意見を申し上げていきたいと考えております。

それが、今の食品表示法の範囲に収まるのか、食品衛生法や薬機法の範囲に収まるのかということも、今後の議論としてはあると思うのですけれども、ただ、今回の御努力の跡はよく分かるのですけれども、全てを網羅はできていないなという御意見の中で、ぜひ積極的な意見出しをしていきたいと考えています。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

黒木委員長代理、お願いします。

○黒木委員長代理 今川室長、大変丁寧な御説明をありがとうございました。

私は、食品のプロではありませんので、むしろ法律家として、お話をお伺いしたいと思っているところが多々ありまして、1つは、この諮問の中の定義の10のイで、60日と120日と分けていらっしゃいますけれども、これは、消費者庁の応答義務があることが前提となって、60日あるいは120日と切り分けられたのでしょうかということです。

この発問の趣旨ですけれども、この前も少しお尋ねしましたが、行政手続法37条の届出なのか、それとも機能性表示食品の届出と言われているものは、なんちゃって届出といいますか、届出ではなくて申請なのだと、実質的には、今回の改正によって申請に変わるのだということなのか、その辺りのところが応答義務の有無、それから届出後の様々な義務を課していることとの関係で、法的に整理しにくいものですから、その点を教えていただきたいと思います。

○鹿野委員長 それでは、御回答をお願いします。

○消費者庁食品表示課保健表示室今川室長 消費者庁保健表示室長の今川でございます。ありがとうございます。

まず、応答義務なのかということでございますけれども、基本的には、やはり黒木委員がおっしゃいましたように、届出制度でございますので、あくまでも届出としての我々の確認、応答義務というよりは確認と考えてございます。

その確認の中で、先ほども少し御説明しました6つの事項を資料として提出していただくことになっております。

その6つの事項は、なぜ提出していただくかというと、基本的には、全て届出表示、今この改正案の中では、届出表示というのを機能性表示に変えるという予定ですけれども、その機能性表示の中で、届出者が、この食品には何々成分が含まれていますと、この何々成分には何々の機能があることが報告されていますと表示をしてくるのですけれども、その表示の内容がきちんと資料として提出されているかどうかということが、我々の確認の主な内容になります。

その内容の中で表示している事項が、届出資料を上回っていれば、やはり表示できないので、それは届出の表示を変えてください、あるいは表示を維持するのであれば、新たに資料を提出してくださいということを申し上げる必要があると。その確認は、確認ではあるのですけれども、比較的時間がかかるというものが現状でございます。

例えば、表示事項の中で、摂取をする上での注意事項がございます。これは、摂取をする上での注意事項を表示していただくことになるのですけれども、事業者さんの表示事項が不十分であれば、そこは、やはり資料が出てきているものと、表示事項が合いませんねという指摘をさせていただくことが必要と考えています。

具体的には、資料の中で摂取上の注意として、何々の医薬品との相互作用がある可能性がありますとか、この機能とこの機能の相互作用のある可能性がありますとか、相互作用がありますとか、もし資料で書かれていれば、それが適切に摂取上の注意事項として食品の表示に反映されていないのであれば、我々としては、その反映をすべきではないですかということをお伝えすることも当然ございます。

それは、届出資料がついているかどうかという観点で、表示との適正性という観点で我々が見ていくということで、現状でも、その確認が必要ですので、60日前までに出していただいてございます。

今、7,000件の届出がございますけれども、今後、8,000件、9,000件、1万件あるいは2万件となっていく中で、おそらく新規のものというのは、難しいものが出てくると思われます。事業者さん的には、かなり綿密に資料をお出しいただいても、我々の中でそれが届出事項として、本当に確認がこれでいいのかという疑問点が出てくるものがあると思います。例えば、それが医薬品かどうかの判断ですとか、そういうものは基本的には、事前に都道府県の薬事部局に御確認をいただくことにはなろうかと思っておりますけれども、例えば、そういった御確認をしていただけないときに、確認してくださいねと言って、届出者がご対応いただければ、その資料がまた出てくると思いますけれども、それが仮に御確認いただけない場合には、我々のほうで届け出たものに対して、単に届け出ましたと言って公表することはできませんので、我々のほうで場合によっては確認をさせていただく場合があるということ、それから、先ほど申しました摂取上の注意事項に適切に反映されているのかどうかというのが、より難しい事例が出てくる可能性もあるということで、消費者庁長官が認めたものについては、120営業日前までという規定を置かせていただいているというもので、応答義務ということではなく、確認の期間と考えてございます。

以上でございます。

○黒木委員長代理 届出後の事情について、変更できるという点が、行政手続法37条の本文に書いてある当該届出が法令において提示された当該届出をするべき手続上の義務が履行されたということになっているので、届出後の事情が、どうして届出義務者に影響するのかという点が、行政手続法37条の規定との関係で、どう整理されているのかという点も教えてください。

○消費者庁依田審議官 食品担当審議官の依田でございます。

まさにそこの点が、1つ論点になるかと思っておりました。行政手続法上の届出なのかどうかということに尽きる御指摘だと思いますけれども、先生がおっしゃる、いわゆるなんちゃって届出なのかということかどうかということも含めてなのですけれども、これは、今川室長から説明申し上げた前提条件が、この食品表示基準の第9条にございます。第9条の中に、保健機能食品以外の食品にあっては、3行目に飛びますけれども、特定の保健の目的が期待できる旨を示す表示、つまりヘルスクレームについては、ある意味日本ではポジティブ制度を導入しており、保健機能食品の要件に該当しない食品は、この保健機能、特定の保健の目的が期待できる旨を示す用語を表示してはならないことになっております。

そういう意味において、この届出制度ができる前は、これは、9年前の諮問時にまさにそう書いてありますが、特定保健用食品と栄養機能食品しか、これに該当しなかったということでございます。

今回、その当時の規制改革の届出制を前提とした制度を導入するということを、当時の担当もいろいろ検討した上で、これをどうするかということだったのだと思うのですが、私どもの解釈としましては、届出制という形態を取っておりますが、言わばこの第9条第1項第10号の禁止事項を解除するための要件として、機能性表示食品制度をまず定義すると。よく分からない機能性表示食品が、ヘルスクレームができるような食品群として定義する際に、本来、禁止の解除ですから、本来だと許可制にすべきところを、この制度ができる際に、この許可制で国の評価を得るために、相当な時間が必要で、もっと簡単に気軽に、もう少し簡易な手続でヘルスクレームができる制度が必要なのではないかというような当時の御要請があって、この制度ができたという意味において、禁止の解除の限りなく、その許可に準じた形で、その禁止を解除するための手続として、たまたま届出という制度を用いさせていただいているということであって、その行政手続法の婚姻届とか、そういう一種の権利を発生させるような届出というよりは、この9条10号の禁止事項を解除するための要件として届出制度というものを規定させていただいた。

他方で、届出後、何か事情変更が起きても一旦届出をしてしまったら、常に9条10号が解除されているという趣旨で、もし解される余地があるとすれば、それは9条10号において、保健機能食品しかヘルスクレームを行ってはならないとの趣旨を没却することになりますので、今回、届出後の話についても、機能性表示食品自体の、この9条10号の元の案の、ヘルスクレームができる要件として具体的に書き下ろしたいということでありまして、そう意味では、届出後の話について、届出の行為を否定することができるのか、できないかという講学上の議論は置いておきまして、事実上、届出をした後の状態としての要件を具体的に書き込ませていただきまして、その要件に合わない場合には、9条10号の機能性表示食品の要件に合わないとして、9条1項10号の違反を問うということを明確にさせていただきたいということでございます。

正面からお答えになっていないのは、重々承知しておりますけれども、その辺りは、そういう制度として仕組ませていただきたいということでございます。

○黒木委員長代理 だから、本当は禁止なのだと、それについて一定の要件で解除するというのは許可だと思うのですね、行政手続的に言うと。トクホは、そういうものだということで初めから許可ということなので、すごく理解しやすい制度ですと。

前の機能性表示食品は、届出だったので、そこの点が少し曖昧な形で運営されていたけれども、今回、4条2項2号ですかね、その府令によって、そこが一種の許可的運営をする届出になるということですか。

○消費者庁依田審議官 おっしゃるとおりでございます。

前提つきの、ある意味、禁止事項の中で、一定の手続を踏めば解除されるという意味において、本当に正面からの行政手続の届けだけになりますと、一旦届出してしまったら、未来永劫、この禁止事項の解禁が、そのまま事業者が届出後何をしようが、届出時点において満たしていた条件がそのまま維持されているか否かにかかわらず、この第9条第10号の解禁になってしまうということが、これは問題だということであります。今まで法令上の根拠が曖昧なガイドラインにより、届出後における遵守事項を規定し事業者指導をしてまいりましたけれども、それでは法的担保が曖昧という指摘を有識者会議でも指摘されたところでございます。このため、要件として、届出という要件に加え、届出後の遵守事項も要件ということで規定する、届出時の届出を否定するものはございませんが、届出後における要件も明記して、第9条第1項第10号との関係における解除の要件と、このように整理させていただけないかということでございます。

○黒木委員長代理 ありがとうございます。

ここから先は意見でございますけれども、そういう行政手続法、僕は、食品基準法は、今回のことで初めて勉強したというか、それまでほとんど読んでいなかったのですが、行政手続法ができるときには、いわゆる裁量行政をできるだけ国民に分かりやすくするために、届出、それから申請、許可といったような概念、そして、不利益処分とか、そういうことについても全部条項に書き込んで明確にするということが、行政手続法の立法目的だったと思っております。

その観点からすれば、今、審議官がおっしゃったとおりであれば、これは許可が本来の筋ではないかと。そうなると、機能性表示食品はトクホの緩和型の許可制度として、むしろ制度としてはつくり直したほうが、国民あるいは事業者にとっても、ある程度トクホみたいなところではないとしても、しかし、緩和された形ででも許可という法形式を取ったほうが、事業者にとっても、消費者にとっても分かりやすいのではないかなと思いました。

これは、もう私の感想でございます。

○消費者庁依田審議官 1点、それは事業者の皆さんも、これはトクホの制度を使えば、許可、営業権の付与みたいな形になりますので、営業上の安定性があるのではないかということは、事業者の皆さんとも意見交換をさせていただきました。

ただ、一方で、先生御案内のとおり、許可制は、我々行政庁に広範な裁量権がございます。許可の基準も一応全て次長通知に落としておりますが、ある意味、我々の匙加減で、許可するか否かを決められると、ここの部分が事業者にとって見れば、非常に透明性を欠く部分でありまして、そういう意味では、今回限りなく許可的な運営とも指摘される部分はあるものの、届出制を維持する前提として、届出の要件をできる限り法令に定める、今までは曖昧なガイドライン通知で規定していたものを府令又はその委任を受けた告示、すなわち法令において明記したいと思います。

その意味では、先生のおっしゃるとおり、形式上の要件に適合すればいいという届出制に求められる透明性については、こうすればヘルスクレームはできるのだということを、法令上明確にするという意味において、これには反しない形で、届出制を維持させていただきたいということ、加えて、届出後の要件等も加え、9条1項10号との関係で整理をさせていただきたいと、こういうことでございます。

○黒木委員長代理 ありがとうございました。

○鹿野委員長 今村委員、お願いします。

○今村委員 難しい今までの説明、大分すんなりいきました。

すると、1つ確認したいのですけれども、トクホで認められなかったものが、実際、機能生表示食品として売られているという現状があると思うのです。

それは、今後、今のお話からすると、当然認めないという話になるように、今、感じたのですけれども、そこはどう整理されていく予定なのでしょうか。

○消費者庁依田審議官 トクホは、食品自体の保健機能が期待できる旨、つまり食品自体の機能性、ヘルスクレームができるという許可制であります。その後、機能性表示食品制度が届出制で導入されたわけであります。

食品自体のヘルスクレームは、基本的に健康増進法に基づく許可を受けなければならないわけですが、この機能性表示食品制度は、特定の成分の効果に着目した制度として、ある意味トクホ制度とはすみ分けられていると考えております。こうしたことから、以前も、トクホとしては許可がなかなか難しいと言われたものが、当該成分に着目して機能性表示食品としての届出を認めた事例が1件ございました。

そういうことで、制度としてすみ分けができているという整理でございますので、成分に着目すれば、機能性表示食品としての届出はあり得るということになろうかと思います。

○今村委員 制度として切り分けられているというのは、理解しているのですけれども、私、自分が担当した時代ではないので、食品安全委員会の回答も非常に曖昧な段階のものが、今、認められているように私は思えているのですけれども、そのような段階のものが、今の話、制度は別にしても、本来は、許可体制というのは認められないようなものだったように私は思うのですけれども、それは、機能を制度として分けたとしても、やはり危ないのではないかと思いますが、いかがでしょう。

○消費者庁依田審議官 その成分に着目すれば機能性表示食品としての届出はあり得るという制度になっております。

一方で、今回の事案を受けて、特定の成分に着目する制度であるのですが、その成分自体の安全性といいますか、そもそも食薬区分との関係みたいな話が、それは単に受理するだけでいいのかということもございまして、先ほどの販売前の60日の手続は、事前相談制なども運用上はさせていただきますけれども、新しい成分で届出をしてきました、書類手続は全て備わっていますということで届出・販売されますと、安全性の部分について懸念がございますので、今後は、新規の成分についての届出については、届出の要件に適合しているかどうかの確認に時間を要するとして120営業日にするとした上で、新規成分であっても食薬区分をきちんと確認しているといった挙証を事業者がしている場合は、通常の60日営業日前までに届出をすればいいということにする、逆に言えば、事業者が食薬区分上食品として扱って支障がないものであるという挙証をいただかないものについては我々としても書類が届出の要件に適合しているかどうか十分な時間をかけて確認させていただくということになろうかということです。

○今村委員 これから先、120日は分かると、今の話は過去の話なので、過去のほうの確認も、ぜひしていただきたいと思います。

以上です。

○鹿野委員長 ほかにいかがでしょうか。

ございませんか。

柿沼委員、お願いします。

○柿沼委員 すみません、1点だけお伝えしておきたいのですけれども、今回、事業者に対してというお話が多かったのですが、消費者庁に届出が事業者から来たときに、実際に消費者に対して、公表のタイミングについては、おそらく慎重に判断され、また被害拡大度合いによってもいろいろ変わってくるとは思うのですけれども、できれば迅速に公表していただくことを消費者側としては望みますということを、コメントとして付け加えさせていただきます。

以上です。

○鹿野委員長 依田審議官。

○消費者庁依田審議官 貴重な御意見、御指摘をいただきましたので、改めて表明しておきます。この健康被害の情報については、ヘルスクレームを行いたいという事業者の方たちに届出後の遵守事項として要件化いたします。ただ、この健康被害の情報は、基本的には保健所に行きます。保健所から厚生労働省において医学、薬学的な評価を受けた上で、それを消費者の皆様に情報提供するという意味で、公衆衛生上の維持を所管している厚生労働省で行うということです。私ども消費者庁が仮に一次情報をこの表示制度を運営するに当たって接した場合であっても、これあくまでも厚生労働省を通じた評価結果の公表を待つということを考えております。

公衆衛生の向上増進を図る役所ではないところが、一次情報をいたずらに公開すること自体、医学、疫学的な観点からの評価を行っていない中での公表は、消費者の方たちにいたずらに不安を煽ってしまうことになりかねませんし、事業者にとっても風評を呼ぶ可能性もあります。したがって、公表については厚生労働省の方で統一的に対応するということです。いずれにしても、制度運営に当たっては厚生労働省とよく連携して対応していきたいと考えております。

○鹿野委員長 柿沼委員、よろしいですか。

○柿沼委員 はい、御説明いただきまして、ありがとうございます。

流れとしては分かりますが、その間も健康被害ということを知らずに、健康食品を摂取されている方もいますので、そちらにつきましては、迅速に対応していただきたいということを消費者としては望みます。よろしくお願いいたします。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

ほぼ予定した時間も経過したのですが、今村委員、お願いします。

○今村委員 健康被害の報告が保健所、厚生省だというのはよく理解できるのですけれども、やはり、今日のような審議の場に、その改正がどのように行われて、どう乗るのかというのは、ぜひ、これと並行して説明してほしいと思います。

食品表示部会などでも議論をしていく際に、諮問事項ではないのは理解していますけれども、ぜひそういったことも並行して資料提供していただいて、議論に付していただければと思います。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

ほかにはよろしいでしょうか。

本日は、消費者庁の依田審議官、それから今川室長に御説明、御回答をいただきまして、誠にありがとうございます。

本日、委員から出された御意見等を簡単にまとめさせていただきたいと思います。

まず、今村委員からは、今回の予定されている改定で、まだカバーできていない点あるいは実効性を確保できるのかというような観点からの具体的な御質問もありました。

特に、GMPが義務化されるということではあるけれども、その監視はどうするのかという点、それから、保健所の対応というか、保健所への情報提供ということに関しても、保健所に企業から連絡があったときも、やはり保健所としては医師に確認をする必要があるということで、その保健所への連絡の在り方ということについても考えなければならないのではないかということ。

それから、医師や国センなどから直接保健所に連絡するというルートについても、考えるべきではないかといった御趣旨だと理解したのですが、そういう御指摘もございました。

それから、今回、ガイドラインにあったものも含めて、法的義務に強化するといった改正がかなり多く予定されているようでございます。

ただ、義務違反のときの効果について、これは食品表示法の限界というところもあるのかもしれませんけれども、その遵守義務違反のときの効果ということを考えると、やはり弱いのではないかという御指摘がありました。

この表示ができなくなるというだけであるとすると、販売について停止できるわけではないということ、裏から言うと、そういうことになりそうですけれども、それで果たしてよいのかというような観点からの御疑問も提起されたところでございます。

それから、広告の問題も関わってくるのかもしれません。

それから、黒木委員長代理からは、法的な枠組みに関する疑問や御指摘等がありました。

今回は、機能性表示食品の定義規定が食品表示基準にあると、食品表示法にぶら下がっている食品表示基準で定められた制度であるということを前提に、安全性に関するルールを、もちろん厚労省で対応する部分は別にあるとしても、こちらでは安全性に関するルールを内閣府令である食品表示基準に組み入れることとされたものと思います。

このこと自体は、消費者庁が所管しているツール、道具を最大限活用して、工夫を凝らしていただいたということではあると思うのですが、このようなアプローチには、法的な限界があるのではないかという観点からの御指摘だったのではないかと思います。

先ほど御説明いただきましたように、ヘルスクレームについては、9条のところで、原則これをしてはいけないことになっている、その禁止を解除するというものとして立てられているということです。その解除のための要件ということで定められ、しかも今回の改正では、その届出をするときの要件だけではなくて、事後的なところについても、要件化するということでの対応ということでございました。

そうなってくると、黒木委員長代理から先ほど指摘され、またその後のやり取りにありましたように、かなり許可制に近いものになって、いわゆる許可的な運用の届出制になっているように思います。

黒木委員長代理からは、これは行政手続法の立法目的との関係で、果たして届出という位置づけがよいのかという御疑問も提起されたところでございます。

一方、消費者庁からの御説明では、許可制というのはかなり裁量が広いということで、むしろ許可的な届出制の運用によって、かなり要件を細かく規定することによって、明確化を図るということのメリットもあるのだという御説明もいただいたのですが、この点、果たしてそれが必然的なのかも気になりますし、明確化ということと、先ほどの効果面も含めて、果たしてこのような形で、食品表示基準の中での義務化ということで、対応しきれるのかというところについては、消費者委員会でもさらに検討を今後進めていきたいと思います。

現在のツールを使ってということであれば、もちろん、それで対応するということを頑張って検討されたことは高く評価したいと思うのですが、今回の諮問以外の点まで含めて考えた場合に、果たしてそれが最善の方策なのかと、もう少しやるべき点、あるべき姿というのがあるのではないかということも考慮に入れながら、今後も検討をしていきたいと思います。

それから、柿沼委員からの御指摘との関連で、厚労省に消費者への情報提供については統一化するというお話もありました。この問題は、それだけではなくて、やはり厚労省にも大きく関わる問題でございますので、まさに厚労省との連携ということがとても重要となってくると思います。その連携についても、ぜひ今後ともよろしくお願いしたいと思います。

今後についてですが、本日、当委員会に諮問のありました、食品表示基準の一部改正については、まずは、食品表示部会において審議していただくことといたします。

その後、食品表示部会長の今村委員から、同部会における審議結果を本会議に御報告いただいた上で、答申に関する審議を本会議において行いたいと思います。

今村委員におかれましては、本日の本会議で出された様々な意見、今村委員御自身がおっしゃった御意見もありますが、ほかの委員の意見も含めて、食品表示部会において御検討をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

消費者庁におかれましては、大変お忙しいところ、審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。どうぞ御退席ください。

○消費者庁依田審議官 ありがとうございました。

(依田審議官、今川室長 退室)


《4. その他》

○鹿野委員長 続きまして、その他の事項としまして、住宅品質確保の促進等に関する法律について、事務局から御説明をお願いします。

○友行参事官 それでは、資料は参考資料の1-1、1-2、1-3になります。

まず、住宅の品質確保の促進に関する法律でございますが、これは、住宅の品質確保の促進や住宅購入者等の利益の保護、住宅に係る紛争の迅速かつ適正な解決を図ることを目的とした法律となっております。

この法律の第3条の中に、日本住宅性能表示基準の規定がございます。この日本住宅性能表示基準というのは、住宅の性能に関し表示すべき事項や、その表示の方法を定めるものとなっております。

この規定の中で、住宅品質確保の促進に関する法律の第3条の中で、この基準を定め、または変更しようとするときは、国土交通大臣にあっては、社会資本整備審議会の議決、内閣総理大臣にあっては、消費者委員会の議決をそれぞれ経なければならないとされております。ただし、軽微な事項と認めるものについてはこの限りではないということでございます。

今般、この日本住宅性能表示基準の改正が予定されているということでございますので、その内容について御説明いたします。

参考資料の1-1でございます。

改正の背景のところにございますように、まず、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律が、今度の令和7年の4月1日に施行される予定となっております。

その関連の建築物エネルギー消費性能基準を定める省令、これを基準省令と呼んでおりますが、この中に、附則第4条2項という経過措置が設けられております。

この経過措置につきましては、施行されるということに伴って廃止される予定とされております。

この附則第4条2項というものを、先ほど御説明いたしました、日本住宅性能表示基準の中の別表2-1の5-2というところで引用しております、補足説明として引用として用いております。

ただ、附則第4条2項自体が廃止されてしまうので、その引用されている部分を削る改正を行うというのが、今回の改正内容となっております。

ちなみにですが、参考資料の1-2を見ていただきますと、具体的に削る部分の記載がございます。

参考資料の1-2は、日本住宅性能表示基準の抜粋部分、該当部分となっております。先ほど申しました別表2-1の5-2のところの等級3というところがございます。改正前のところを見ていただきますと、等級3のところの説明に用いる文字という欄のところに、真ん中辺り、基準省令附則第4条第2項の規定により読み替えて云々とございます。これをこの部分が削除されますので、改正後のように、その部分は廃止されますので削除するというところでございます。もともと補足説明として引用していたものがなくなるわけでございますが、表示基準自体に変更はございません。ということで、改正の内容は以上となっております。

したがいまして、こちらについては、省令改正に伴う改正でございまして、軽微な改正の事項に当たると考えられますところ、委員会における議決を省略することとしてよろしいか、お諮りいたします。

○鹿野委員長 御説明ありがとうございました。

ただいま御説明がありましたように、消費者委員会が軽微な事項と認めるものを除き、委員会の議決を経なければならないというつくりになっておりまして、今回の内容については、軽微な事項等と認めて議決を省略するということとしてよろしいかということのお諮りでございます。

いかがでしょうか、何か御意見がありましたらよろしくお願いします。

黒木委員長代理、お願いします。

○黒木委員長代理 今の事務局の御説明で理解できました。軽微な事項と考えますので、私は議決の省略に賛成いたします。

○鹿野委員長 ありがとうございました。御賛同をいただきました。

今村委員も賛成ということですね。

○今村委員 賛成です。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

ほかの参加の委員におかれましても、御異論ないでしょうか。

よろしいでしょうか。

(異議なしの意思表示あり)

○鹿野委員長 ありがとうございます。

それでは、議決を省略することについて、異論がないということで確認させていただきました。

そのため、今回の日本住宅性能表示基準の改正については、軽微な事項であるため、議決を省略することといたします。

続きまして、消費者委員会に寄せられた意見書等の概要につきまして、事務局から御説明をお願いします。

○友行参事官 参考資料の2を御覧いただけますでしょうか。

5月に消費者委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文等の一覧となっております。

一番上のところが、オンラインギャンブルのギャンブル被害の防止に関する意見書ということでございます。

右側のポイントのところを御覧いただきますと、違法オンラインギャンブルについて、取締まりを強化し、必要な法改正を行うことなどとなっております。

それから、その次のところでございますが、その他のところで、上2つが2件、商業登記規則の一部を改正する省令に関する御意見となっております。

こちらは、商業登記規則の一部の改正省令が、本年の10月1日から施行される予定となっております。代表取締役等の住所の非表示措置が一定の要件のもと、実施できることになる措置となっております。

それに対しまして、弁護士会でございますとか、そういったところから意見書が来ております。

5月7日で受けつけましたところのポイントを見てみますと、弁護士が受任事件または事務に関する業務を遂行するために必要な場合には、迅速に代表取締役等の住所情報にアクセスすることを可能とするための措置を設けるべきであるといった御意見となっております。

次に、その他の3件目のところでございますが、薬害をオンブズパースン会議からゾコーバの承認取消を求める要請書、また、同団体の会議から、5月20日に厚労省の見解に関する矛盾動画についての意見書が来ております。

それから、次のページに参りまして、5月27日に受けつけましたものとしては、日本アロマセラピー学会からのものでございます。要望書として、アロマ精油、エッセンシャルオイルに関する法規制の導入を求めるということになっております。

ポイントのところでございますけれども、下のほうのところにございますところに、要望のポイントがございます。

下から6行目ぐらいのところからでございますが、欧米では、アロマ精油を医療の現場で補完代替医療として使用しているなど、医学的有用性等を科学的に検証した論文報告が蓄積されている一方で、日本ではアロマ精油は芳香品として雑貨扱いとなっていると。アロマ精油は使用方法を間違えると健康被害のリスクがあることなどを認識されていないというような御意見でございます。したがって、健康被害は懸念されるところであるという御意見になっております。

また、その下の行でございますが、薬機法対象品目と誤認するような効能・効果をうたった広告が常態化しているというところを問題視している意見書となっております。

また、このほかに団体から寄せられた意見書のほかに、個人から8件の意見書が寄せられております。内訳としては、その他8件となっております。

以上でございます。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

これらの意見書等について、何か御意見等ございますか。

よろしいでしょうか。ありがとうございます。

これらの意見書等につきましては、必要に応じて消費者委員会の調査審議において取り上げることといたします。


《5. 閉会》

○鹿野委員長 本日の議題は以上になります。

最後に、事務局より今後の予定について御説明をお願いします。

○友行参事官 今後の日程につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)