第412回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2023年9月13日(水)14:00~14:38

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 井上内閣府審議官
  • 【委員】
    (会議室)今村委員、小野委員、鹿野委員、黒木委員、中田委員
    (テレビ会議)柿沼委員、原田委員、星野委員、山本委員
  • 【事務局】
    小林事務局長、後藤審議官、友行参事官

議事次第

  1. 井上内閣府審議官 御挨拶
  2. 消費者委員会委員紹介
  3. 委員長の互選
  4. その他

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1. 開会》

○小林事務局長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから、第412回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

なお、本日から9月1日に任命された第8次消費者委員会委員による新たな体制となります。

委員長が決まるまでの間、事務局長の、私、小林が会議を進行いたしますので、よろしくお願いいたします。

なお、本日の出欠状況ですが、会議室で御参加いただく委員の方が、今村委員、小野委員、鹿野委員、黒木委員、中田委員。オンラインで参加いただいております委員の方が、柿沼委員、原田委員、星野委員、山本委員です。

御欠席は、大澤委員です。


《2. 井上内閣府審議官御挨拶》

○小林事務局長 それでは、本日は第8次としての最初の会議となりますので、井上内閣府審議官にお越しいただいております。

では、まず、井上内閣府審議官より御挨拶を頂きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○井上内閣府審議官 委員の先生方、どうもお疲れ様でございます。消費者委員会を始め、内閣府事務全体を担当しております内閣府審議官の井上と申します。

今日は、本来でしたら大臣がこちらに参りまして、皆さんと御挨拶をさせていただく予定でしたが、ちょうど改造の日と重なりまして、つい今し方、新しい閣僚の方々は総理官邸に集まっているさなかでございます。私のみの挨拶で大変恐縮ではございますが、これから、ますます難しいいろいろな課題がございますけれども、事務局長以下、もちろん私も含めまして、事務方として消費者委員会の御議論をしっかりお支えしていきたいと考えておりますので、月並みな言葉でございますけれども、御指導、御鞭撻、どうぞよろしくお願いいたします。

簡単ではございますが、どうぞよろしくお願いします。

○小林事務局長 ありがとうございました。

井上内閣府審議官におかれては、正に内閣改造の事務が、今、行われているということですので、ここで御退席ということになります。

○井上内閣府審議官 ありがとうございました。

(井上内閣府審議官 退室)

○小林事務局長 ありがとうございました。

では、議事に入ります前に、会議の進め方等について御説明いたします。

本日は、テレビ会議システムを活用して会議を開催しております。

配付資料は、議事次第に記載のとおりです。もし、お手元の資料に不足等ございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。


《3. 消費者委員会委員紹介》

○小林事務局長 それでは、続きまして、委員の自己紹介ということで、9月1日に任命されました第8次消費者委員会委員の皆様から、自己紹介と消費者委員会委員としての抱負について、お一言ずつ御挨拶いただければと思います。

五十音順ということで、今村委員より、よろしくお願いいたします。

○今村委員 奈良医大の今村でございます。

自己紹介と抱負ということで、まず、私の自己紹介ですけれども、私は、最初に医学部を出まして、普通に5年間、大学病院などで臨床をやっておりまして、その後、厚生労働省で官僚として働いておりました。その間、食品保健や学校給食、そのほか、医療保険や様々な行政に関与させていただきました。

その後、東大病院に出まして、経営部長をさせていただきまして、15年ほど前から奈良医大で、現在、公衆衛生を教えさせていただいております。

食品に関しては、ずっと表示の問題にも関わっておりまして、保健所長や福祉事務所の関係の仕事をしておりましたので、そういったところで関わっております。

研究分野としては、食品よりも医療や介護の分野のほうがずっと大きくて、私は、ビッグデータを扱っておりまして、国のデータ全部を、今、厚労省関係を扱っております。例えば、新型コロナの5類に落とす際に、インフルエンザと死亡率が変わりませんねというデータをうちが作成しておりまして、介護保険などの調査も、かなりの部分、うちがさせていただいているという経緯があります。

抱負でございますけれども、食品に深く関わってきている関係から、2つほどございまして、まずは、健康食品の問題に強い関心を持っております。

健康食品は、過剰摂取による被害というのは、確かにそうなのですけれども、もともとの効能があるということは、有害性もあるということです。ですから、もともとの有害性について非常に軽んじられているところがあって、本当にこれでいいのでしょうかということを疑問に思っております。

その中で2つ目ですけれども、表示制度の中には、機能性表示食品というものがありまして、これは国が認めるということではなくて、各企業が証拠を揃えれば表示ができる制度なのですけれども、これは自由にデータがつくれるという問題があって、本当に効果があるかどうか、もしくは、それ自身の害がないかということの検証が、本当になされているかどうかということに疑義が残っております。そういったところを、もう少しちゃんと制度化していく、もしくは検証していくことが必要だと思っています。

今後ともよろしくお願いします。

○小林事務局長 ありがとうございます。

続きまして、小野委員、お願いします。

○小野委員 東京家政学院大学の小野でございます。

私の専門は消費者教育です。消費生活を主体的に生き抜くための教育ということで、知識だけではなくて技術や態度にまで及ぶ学問だと考えています。

ですので、消費者にはどのような人がいて社会が成り立っているのか、そして消費生活がどのように営まれているか、そういった生活背景までも見据えた検討が大切だと思っております。

一方で、学位を社会福祉学で取得したということもありまして、知的障害などを伴う支援の必要な消費者、脆弱な消費者という言い方もありますけれども、そうしたサポートの必要な消費者についての配慮が求められる社会であると考えています。

もちろん、勤務先が大学ということもございますので、日々、若い世代の消費者教育についても注力をしているところでございます。

以上、私のお役目として何ができるのかを考えながら務めてまいりたいと思いますので、2年間、どうぞよろしくお願いいたします。

○小林事務局長 ありがとうございます。

続きまして、柿沼委員、お願いいたします。

○柿沼委員 全国消費生活相談員協会の柿沼と申します。本日は、オンラインで失礼いたします。

まず、私が所属します全国消費生活相談員協会について、簡単に御紹介させていただきます。

当協会は、全国の自治体、省庁などに消費生活相談員として従事している者などを会員とする全国的な組織です。私も地方自治体にて消費生活相談員をしております。直接、消費者からの相談を受けている、言わば消費者問題の最前線におります。

全国消費生活相談員協会は、消費者からの生の声を基に、消費者被害の救済を図り、広く消費者被害の未然防止と、拡大防止のために活動をしております。

また、2007年に内閣総理大臣より適格消費者団体として認定を受け、事業者の不当な行為に対する差止請求をしております。相談事例などを基に、地域、学校、企業に消費者教育や講座を実施しています。

私は、協会組織の中の消費者教育研究所にいて、消費者教育の体系整備、学校向け消費者教育教材の作成や立案、それから調査研究などを行っております。

関心事ですが、ネットに起因した消費者問題です。生活の中で、デジタルは不可欠であります。現時点では、消費行動に対して脆弱さを感じていない消費者も、何かのタイミングで問題を抱えることも予測できます。

そこで私は、一生を通じて消費者がデジタルを利活用することを、デジタル・ジェロントロジーと定義をいたしまして、デジタル化のメリットを最大限享受し、安全・安心な消費生活を送るための問題を明らかにする必要性を感じております。

消費者委員会での議論を誰もが理解できるように、なるべく分かりやすい言葉で話し、消費者に伝わるようにしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○小林事務局長 ありがとうございました。

続きまして、鹿野委員にお願いしたいのですが、その後、本日、原田委員がお時間の関係があるということですので、一旦、鹿野委員の後、原田委員に行きます。よろしくお願いいたします。

では、鹿野委員、よろしくお願いします。

○鹿野委員 鹿野と申します。よろしくお願いします。

私は、慶應義塾大学で民法と消費者法を担当しております。もともと民法の中でも財産関係、とりわけ契約法を中心に研究してまいりました。

その後、契約法というのは、消費者取引にも密接に関連があるということもございますし、様々な恩師などの影響もありまして、消費者法に関心を深めて研究をしてまいりました。

実は、第4次と第5次の消費者委員会でも委員を務めさせていただきました。その後、4年の間をおいて、今回再び委員を仰せつかったという次第でございます。

関心事ということですが、先ほど申しましたように、もともと取引法関係を専門としておりますので、公正な市場を確保するためのルールということに、とても関心を持っております。

さらに、近年はデジタル化と高齢化が急速に進展してきておりますので、そういう観点からも、公正な市場のルールづくりということを考えてまいりたいと思います。よろしくお願いします。

○小林事務局長 ありがとうございます。

続いて、原田委員、よろしくお願いいたします。

○原田委員 京都大学で行政法を担当いたしております、原田と申します。よろしくお願いいたします。

私は、今、大学の用事でウィーンに滞在しておりまして、その関係で、今、挨拶の順番が変わってしまいまして、大変申し訳ございません。

行政法というのは、いろいろな分野を抱えているのですが、私はもともと社会保障に関心がございまして、最初は社会保障をやっていたのですが、そのときに福祉、介護の分野での契約が導入されてきたということで、その関係で消費者法についても少し調べたことがございました。

その後、自主規制について調べたときも、やはり消費者法というのは1つの素材として勉強したことがございました。

しかし、消費者法に本格的に取り組むようになりましたのは、今、大阪大学にいらっしゃいます千葉先生ですとか、先ほど御挨拶されました鹿野先生に誘われまして、幾つかの消費者法、学会等の報告をさせていただいたときからかと思っております。

それで、消費者法は行政法にとっても重要な領域なのですけれども、残念ながら消費者法に関心がある行政法の研究者はあまり多くありません。ただ、消費者法は、今後大きな転換が予想される分野だと考えております。

そこで、私の抱負ですけれども、一つは、転換していく消費者法の中で、行政機関と国民、個人との在り方というものを根本的に見直していく必要があるだろうと考えております。

具体的に申しますと、従来、消費者は、ただとしての消費者といいますか、個人ではなく、消費者全体という中で政策が展開されてきたと思いますけれども、今後は、消費者の個人の権利や利益ということに注力した形で行政活動が展開されていく必要があるであろう、もう少し具体的に申しますと、例えば被害者の救済といった従来踏み込まなかった領域にも、踏み込んでいく必要があるのではないかと考えております。

もう一点は、行政法との関係でも地方公共団体の活動が非常に重要でありまして、消費者行政においても地方公共団体の活動というのは大変重要なものです。

他方で、地方公共団体は、現在、人口減少あるいは職員の数が減るといったことで、非常に苦境が続いておりまして、その中で、山本龍彦先生が大変お詳しいと思いますけれども、AIの活用でどの程度のリソース不足を解消できるのか、あるいはAIを活用した場合に、行政活動に対する法的規律はどうなるのかということについても、関心を持っております。

2年間、どうぞよろしくお願いいたします。

○小林事務局長 ありがとうございます。

続きまして、黒木委員、お願いします。

○黒木委員 黒木と申します。

福岡県弁護士会に所属している弁護士です。消費者問題につきましては、多重債務問題に深く関与することになったこと、貸金業法の問題や割賦販売法の問題について対応しているうちに、様々な消費者問題が生じており、それを解決する必要があると痛感するに至りました。その中では、この消費者庁とか消費者委員会ができるというときの15年前の立法活動とかも積極的に参加させていただきました。

私は、第7次で委員をさせていただいて、再任という形で第8次も、あと2年間委員を務めるということでございます。

第7次におきましては、2つのワーキング・グループ、ルール形成ワーキング・グループと、それから、デジタル化に伴う消費者問題のワーキング・グループに参加させていただきまして、非常に貴重な経験をさせていただきました。今までの裁判所を通じた消費者問題への取組ではなく行政的な考え方で消費者問題を見ていくということは、初めての経験ではありましたけれども、大変貴重な経験をさせていただいたと思っております。

と同時に、まだ第7次ではやり残したことがいっぱいあるなという気があります。特に第8次におきましては、第5期消費者基本計画を策定しなければならないという時期でありますので、そのためにどういう形で多くの先生方、あるいは事務局の皆さん方のお力を借りながら、第5期の消費者基本計画をどうつくっていくのかという非常に大きな課題をやらなくてはいけないというところで、しんどいなと思いながらも、やりがいがあるなと思っているところです。

以上です。これからもよろしくお願いいたします。

○小林事務局長 ありがとうございます。

続きまして、中田委員、お願いいたします。

○中田委員 中田華寿子でございます。

私は、民間事業会社の経営に長年携わってまいりました。現在は、スタートアップ企業や金融機関のコンサルティング業務をメインにしておりまして、テーマといたしましては、経営全般、マーケティング、あとコミュニケーション、お客様に対してどのようなコミュニケーションをしていくことがいいのかと、どういう方法があるのかと、どういうリスクがあるのかと、そういったことを議論しております。

並行して、上場企業の社外取締役をさせていただいており、その他の活動としては政策シンクタンクの構想日本という団体があるのですが、そちらで地方自治体において、市民の方がどのように地方行政を自分ごと化したらいいのかということを、行政の方、市民の方と一緒に議論をすることをやっております。

過去の経歴といたしましては、広告代理店やスターバックスコーヒーの日本上場から約350店舗オープンする時点でのマーケティング広報を担っておりました。

直近では、ライフネット生命というインターネットで生命保険を販売するモデルをつくってきた会社の役員をしておりました。

業種は様々なのですが、マーケティングやコミュニケーションを経営陣の1人として担当してまいりました。

特に消費者問題を意識したのが、ライフネット生命の営業担当役員をしていたときでありまして、住宅の次に人生で大きな買い物とされる生命保険のマーケティングを行っていく上で、何より重要な顧客保護、金融庁から御指導いただきました顧客保護と、ベンチャー企業でありましたので、投資家から期待される企業の成長責任を、どのように両立していったらいいのかといったところは、実は、理論上はもちろん正しいのですけれども、執行していく上ではすごく難しさを感じ簡単ではありませんでした。

法令遵守を第一に、それを鵜呑みにするのではなくて、一人の生活者としての感覚であったり、自身の良心の間を行ったり来たりして、どのようにしたら複雑な金融商品、もちろん不利益情報を含めて、きちんと消費者に伝えながら企業を成長させていったらいいのかということを、非常に悩みながらフロントで業務をする日々でありました。

そのときの経験から、やはり問題を解決していくためには、もちろん法制度を整えていくことも大事ですけれども、そこに関わっているお客様であり、消費者であり、事業会社がどのような思考を持っているのかといったところにまで、思いを馳せることが非常に重要ではないかと感じました。

この委員会で取り扱う消費者問題は多岐にわたると思いますので、皆様との議論で気付きもたくさんあると思いますので、学ばせていただきながら、私としては一生活者、一民間企業経営者としての視点を持って、皆様と御議論させていただきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

○小林事務局長 ありがとうございます。

続きまして、星野委員、お願いいたします。

○星野委員 慶應義塾大学経済学部の星野と申します。

7次に引き続きまして、消費者行政において、これまでも重要な法改正や政府施策に影響を与えてきた消費者委員会の末席に加わらせていただいたことにつきまして、大変光栄に存じております。

私の専門でございますが、2つございまして、まず一つは、データ関連と申しますか、計量経済学、統計科学、機械学習、AIといったものがございまして、その応用として政策効果研究だとか、ビッグデータを使いました政府統計の改善とか、またはデジタルマーケティングといったものも行っております。

関連しまして、エビデンスに基づく政府の施策決定に、どのようなデータが必要なのかといったこととか、足元の経済状況をどのように理解するべきなのかみたいなことの議論を、内閣官房とか内閣府、総務省、経産省などで委員として行ってまいりました。

こちらの観点では、この間、政府全体のEBPMの確実な推進がございまして、消費者行政におきましても、投入できる政府のヒト・モノ・カネ、情報といったものが限られる中で、効率的な資源投入から最大限の成果を上げるといったEBPMは、非常に重要になっていると思います。

7次でもいろいろ議論をさせていただきましたが、PIO-NETの、例えば次期システムの運用とか、法務省、警察庁、経産省を含めて、他省庁とのデータの連携を含めて、消費者保護行政のEBPM推進ということは非常に重要ですので、そこに関しまして微力ながら関われればと思っております。

また、もう一つの専門分野も行動経済学でございまして、現在、行動経済学会の会長もしておりますが、こちらも経産省、厚労省、様々な自治体などと行動経済学の発想に基づく、ナッジなどの施策の推進を行っているところでございます。

諸外国では、一定の認知バイアスを人々は誰もが持っているという観点から推進された様々な研究知見を踏まえて消費者保護施策が行われていると理解しておりますが、これを我が国でも推進することは非常に重要だと思っております。

また、パーソナルAIなどを用いた脆弱な消費者に対する搾取的な行為を事前に排除するといったことなどについても、研究はかなり行われておりますので、そういった分野の知見を消費者保護行政に還元できればと思っております。

よろしくお願いいたします。

○小林事務局長 ありがとうございます。

続きまして、山本委員、お願いいたします。

○山本委員 山本でございます。

慶應義塾大学で憲法学を担当しております。専門は、今、お話をしましたけれども、憲法学なのですけれども、主にプライバシーですとか、AIなどのテクノロジーが個人の自律的で主体的な意思決定にどのような影響を与えるのか、あるいは、もう少し広い視野に立って、デモクラシー、民主主義にどのような影響を与えるのかということを研究してまいりました。

消費者法あるいは消費者保護との関係では、第5次の消費者委員会で設置されたオンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会の委員をさせていただいたりとか、あるいは先日一区切りということになりましたけれども、消費者庁の「消費者法の現状を検証し将来の在り方を考える有識者懇談会」のメンバーでもございました。

関心事と申しますか、抱負とまで言えるかどうか分かりませんけれども、今、関心を持っておりますのは、この有識者懇談会でも議論があったのですが、やはりAIを含むテクノロジー、とりわけ認知科学が消費者の意思決定、自己決定に与える影響ということに関心を持っております。具体的には、例えば、ダークパターンのような消費者を不利な方向に誘導するようなユーザー・インターフェースあるいはデザイン、アーキテクチャといったようなこととか、プロファイリングに基づく脆弱性を突いたマイクロ・ターゲティングとか、あるいはこれと関連しますけれども、脳神経科学とか心理学の知見を駆使して、消費者の心理、感情、無意識の反応などを分析していくニューロ・マーケティングと呼ばれるようなもの。

さらには、最近ですと、やはり生成AIを用いた消費者とのコミュニケーションツールに関わる課題などにも関心がございます。

それから、少し長くなって恐縮ですけれども、アテンション・エコノミーと呼ばれるようなビジネスモデルが引き起こす、アテンションですとか、消費者の時間の搾取のようなこと、それから、このような先端のテクノロジーが提起するような問題にがっちり対応するために、消費者団体など、市民社会をどのようにエンパワーメントしていけばよいかということにも関心がございます。

このような課題というのは、まだ、実態も十分に明らかになっていないところもございますので、私としては、こういった実態をしっかり調査して、課題があれば、しっかりと検討することも必要かと思っているところでございます。

いずれにしましても、先生方と消費者委員会委員という重要な仕事を御一緒させていただくということで楽しみにしております。

どうぞよろしくお願いいたします。

○小林事務局長 ありがとうございます。

本日所用により御欠席の大澤委員につきましては、事務局から御経歴を紹介させていただきます。

大澤先生は、法政大学法学部の教授であられます。民法、消費者法の専門家で、フランスの消費者政策を研究し、消費者とは何か、消費者法の今後の展望、行政機関の役割等について考察をされていらっしゃいます。

数多くの論文も執筆され、消費者委員会との関わりでは、第3次、第4次委員会で、消費者契約法専門調査会の委員もお務めになっておられます。

近年では、約款や不当条項規制、消費者保護ルールの在り方等に関する有識者として、政府の検討会にも多数参画をされておられ、地方公共団体の現場の消費者問題にも高い知見を有しておられるということであります。

以上、第8次の委員の皆様から自己紹介を頂きました。以後よろしくお願いいたします。


《4. 委員長の互選》

○小林事務局長 続きまして、委員長の互選を行いたいと思います。

消費者庁及び消費者委員会設置法第12条第1項には、消費者委員会に委員長を置き、委員の互選により選任する旨が規定されています。

委員長の候補者について、自薦でも他薦でも結構ですので、どなたか御推挙いただけますでしょうか。

黒木委員。

○黒木委員 黒木です。

私といたしましては、鹿野委員を委員長に推薦したいと考えております。理由を申し上げます。

まず1つ目は、先ほど委員の方々からも出ておりましたけれども、デジタル化の急速な展開と高齢化、この問題について消費者取引とか消費者行政に様々な課題が現れてくると考えております。第8次の委員会としては、こうした新しい消費者問題に対応していただく方が委員長にふさわしいと考えております。

鹿野先生は、民法と消費者法の専門家でいらっしゃいますし、また、日本消費者法学会の理事長をお務めになっていらっしゃいます。

したがって、消費者法分野の権威であることについては、どなたも否定される方はいらっしゃいませんし、消費者政策に特に深い見識をお持ちでいらっしゃいます。よって、鹿野委員が、まず適任だと考えております。

2つ目ですけれども、鹿野委員のこれまでの実績です。第4次、第5次におきまして、消費者委員会の本委員を務めていただいております。第3次では、景品表示法における不当表示に係る課徴金制度等に関する専門調査会の委員をされておりまして、また、第5次では、消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループの座長を務めていらっしゃいます。

このように、委員会の中で数多くの調査審議、意見表明に御尽力されてこられました実績をお持ちであると承知しております。

以上の理由によりまして、私は鹿野委員を第8次委員会の委員長に御推薦申し上げたいと思っております。

以上でございます。

○小林事務局長 ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

鹿野委員を委員長として選任することについて、御異議のある方はいらっしゃいますでしょうか。

いらっしゃいませんでしょうか。なお、本日御欠席の大澤委員と、先ほど途中で所用ということで退席されました原田委員の御意向を事務局で確認したところ、一任したいと御連絡を頂いているところです。

それでは、委員の互選により、鹿野委員を委員長として選任することにつき、決定していただきました。ありがとうございます。

そうしましたら、ここからは、鹿野委員長に議事進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○鹿野委員長 改めて鹿野でございます。

ただいま委員長に選任されました。消費者委員会の委員長という大変な重責を担うことに、身の引き締まる思いでございます。

消費者委員会が取り組むべき課題は、本当に多岐にわたりますが、幸いなことに、先ほども自己紹介がございましたように、本委員会には、多岐にわたる分野で専門的な知見をお持ちの委員が揃っていらっしゃいます。

そこで委員の皆様とともに、多岐にわたる課題に真摯に取り組んでまいりたいと思っております。消費者委員会の公正かつ円滑な運営に努めてまいりたいと思いますので、皆様の御協力を、どうぞよろしくお願いいたします。

続きまして、委員長代理の指名の手続に移らせていただきたいと思います。

消費者庁及び消費者委員会設置法第12条第3項において、委員長はあらかじめ委員長代理の指名を行うと規定されております。

私といたしましては、第7次に消費者委員会委員を務められ、また、弁護士の立場から長年消費者問題に取り組んで来られた黒木委員に委員長代理をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○黒木委員 ただいま御指名を頂きました。第7次のときにも様々な観点で消費者委員会の幅広い知見を集めて、かつ、多くの活動をされている事務局の方、それから委員の先生方と一緒に仕事をさせていただきましたが、今、第8次で、鹿野委員を委員長に御推挙申し上げた建前上、私が代理にならないということはできないかなと思いますけれども、いずれにしましても、委員長をお支えしてやっていきたいと思います。

私も鹿野委員も、どちらかというと法律畑ですので、ほかの委員の先生方の御知見を頂きながら、第8次で、きちんとした形の委員会活動ができるように、微力ながら尽力させていただくつもりでございます。

これからも、御指導、御鞭撻のほうをよろしくお願いいたします。

以上です。謹んでお受けいたします。

○鹿野委員長 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。


《5. その他》

○鹿野委員長 続きまして、その他の事項として、消費者委員会の下部組織について、事務局から御説明をお願いします。

○友行参事官 それでは、事務局より、新開発食品調査部会、食品表示部会、公共料金等専門調査会についてお諮りいたします。

これらの部会、専門調査会は、第7次消費者委員会においても審議を行ってまいりましたが、これらに所属する臨時委員、専門委員の任期は、第7次委員会の本委員と同様に、本年8月末で満了しております。

他方、法令等により与えられた任務を遂行するためには、引き続き継続して、調査審議を行う必要があると考えられます。第8次消費者委員会においても、これらの部会、専門調査会を設置し、その活動を継続することとしてよろしいか、御確認いただければと思います。

以上です。

○鹿野委員長 ただいま、事務局より御説明のあった点について、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。

よろしいでしょうか。それでは、特に御異議はないようですので、各部会、専門調査会については、調査審議を開始できるよう、所要の手続を進めていただきたいと思います。

なお、消費者委員会令第1条第2項において、部会に属すべき委員、臨時委員及び専門委員は、委員長が指名すると規定されております。また、同第3項においては、部会に部会長を置き、当該部会に属する委員のうちから、委員長が指名すると規定されております。

そこで、新開発食品調査部会、食品表示部会につき、私といたしましては、今村委員に両部会のメンバーとなっていただき、かつ、部会長をお務めいただきたいと考えております。

理由ですが、今村委員は、先ほど自己紹介もございましたが、公衆衛生、食品保健の専門家として、食品の品質向上や安全確保等について御研究を進められ、また、第5次及び第6次の新開発食品調査部会、更に第4次から第7次までの食品表示部会の委員として、調査審議に貢献してこられた方であります。

したがって、今村委員が最適任であると考えておりますが、いかがでしょうか。

○今村委員 御指名いただき、ありがとうございます。謹んでお受けしたいと思います。

今、御紹介に預かりましたように、今まで部会のほうでも活動させていただいておりますし、私は、もう20年以上前ですけれども、この制度を厚生省で食品衛生の分野では担当していたことがございます。そういったことの経緯も踏まえて、より良い審議ができるようにしていきたいと思います。

ただ、食品表示の分野は、問題が山積みでございますので、先生方の御知見を頂きながら進められればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○鹿野委員長 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。


《6. 閉会》

○鹿野委員長 本日の議題は以上になります。

最後に、事務局より今後の予定について御説明をお願いします。

○友行参事官 この後、16時30分頃を目途に、報道関係者の皆様を対象とする委員長記者会見を行いますので、お知らせいたします。

また、次回の本会議の日程などにつきましては、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。

(以上)