第402回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2023年5月18日(木)13:00~14:50

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長、大石委員
    (テレビ会議)青木委員、飯島委員、生駒委員、受田委員長代理、木村委員、黒木委員、清水委員
  • 【説明者】
    消費者庁 尾原消費者政策課長
    消費者庁消費者政策課 末吉財産被害対策室長
    消費者庁 奥山取引対策課長
    消費者庁 山地消費者教育推進課長
    消費者庁 阿部地方協力課課長補佐
  • 【事務局】
    小林事務局長、岡本審議官、友行参事官

議事次第

  1. 「SNSを利用して行われる取引における消費者問題に関する建議」に係るフォローアップ
  2. 「特定商取引法及び預託法における契約書面等の電磁的方法による提供についての建議」に係るフォローアップ
  3. その他

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1. 開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから、第402回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、大石委員と私が会議室にて出席、受田委員長代理、青木委員、飯島委員、生駒委員、木村委員、黒木委員、清水委員がテレビ会議システムにて御出席です。

星野委員は御欠席です。

開催に当たり、会議の進め方等について、事務局より説明をお願いいたします。

○友行参事官 本日は、テレビ会議システムを活用して進行いたします。

配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もし不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上です。


《2. 「SNSを利用して行われる取引における消費者問題に関する建議」に係るフォローアップ》

○後藤委員長 本日1つ目の議題は、SNSを利用して行われる取引における消費者問題に関する建議に係るフォローアップです。

当委員会では、令和4年9月に建議を取りまとめ、内閣府特命担当大臣に発出しました。この建議ではインターネットを利用した広告表示に対する法執行の強化等、電話勧誘販売に該当する場合の解釈の明確化及び周知、消費者への注意喚起及び関係事業者等への情報提供について、その対応を求めております。

まず、この建議への対応について、消費者庁から実施状況の御報告を頂きたいと思います。本日は、消費者庁消費者政策課尾原課長、消費者政策課財産被害対策室末吉室長、消費者教育推進課山地課長、地方協力課阿部課長補佐、取引対策課奥山課長に御出席いただいております。本日はありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

「SNSを利用して行われる取引における消費者問題に関する建議」を昨年9月に頂戴いたしまして、その消費者庁の実施状況について御報告を申し上げたいと思います。

建議事項が第1から第3までございまして、まず第1につきまして取引対策課より御説明を申し上げたいと思います。

建議事項第1が1ポツから4ポツまでございまして、最初の1ポツと2ポツにつきましては特定商取引法の通信販売の執行の強化に係ることでございますので、2点につきましては一緒に御説明を申し上げたいと思います。

インターネットにおいて行われる通信販売におきまして、事業者による特商法上の広告表示義務の遵守を図るために、たくさんあるネット通販サイトをパトロールするというか、バーチャルな形ですけれども、監視をするための事業を行ってございまして、令和4年度、昨年度におきましては延べ1万8,000件の調査を行いまして、そのうち特商法に違反する疑いのある表示を行っておる事業者に対しまして注意喚起文書の発出を行っております。この事業は従前より実施しているものでございます。

それから、特商法の改正が昨年6月より施行されまして、いわゆる定期購入契約に関しまして、解約に関して条件があるような場合には明示するような義務付けがスタートしてございます。

こうした点、建議を受けまして、SNSを利用する通信販売取引は主にスマートフォン上で行われる場合がございますので、スマホ上の通信販売サイトの監視に一層注力をするとともに、さらにSNSを通した取引といいますのは、事業者が個別に消費者と1対1で接触をするという形になってまいりますので、これの執行強化を図るためには、そのやり取りがしっかりと後から見ることができる形になっているということで、挙証できることが非常に重要な意味を持ってまいりますので、国センさんの協力も頂きながら、消費者の方がその最終確認のところの一番大事なやり取りのところの記録、スクリーンショットの保存をするように呼び掛けたところでございます。こうしたことを法執行につなげることによって、通信販売事業者の広告表示義務の遵守が図られるように努めてまいりたいと考えてございます。これが1ポツ及び2ポツです。

続きまして、建議事項第1の3ポツでございます。これは形式的な契約当事者以外の事業者、いろいろな複数の事業者が連携共同して事業を行っている場合における特商法執行の強化をするということの建議を頂戴しております。これは正に平成28年改正以降、連携共同して事業を行っておるような事業者に関しては全て取締り対象になるということで、その観点からの執行の強化を図っておるところでございます。

実際に最近の例で申しますと、令和5年3月29日、関連法人と連携共同して移動電気通信サービス、いわゆるスマホの通信契約を提供する事業を行う連鎖販売業者に対して行政処分、これは3者が連携共同しておった事案でございます。また、通信販売に関係する事案としましては、令和3年7月に行政処分を行った例がございます。いろいろな事業者を組み合わせて、表に出る事業者と本当の司令塔になっておる事業者と分けて、何か処分があっても表に出ているところだけを叩いてもトカゲの尻尾切りに終わるということがございますので、処分を行うときにはしっかりと本丸のところまで含めて処分をするという姿勢で厳正な執行に努めてまいりたいと考えてございます。

それから、連携共同の処分につきまして、消費者庁本体だけでなくて、地方の経済産業局や都道府県における特商法執行の場合においても同じようにしっかりと事業の一番の主体である法人までしっかりと処分に持ち込むということで、研修の実施や改正法の説明会、人材育成の支援を行って、全国的な執行力の強化に努めておるところでございます。

続きまして、建議事項第1の4ポツでございます。特定商取引法の執行の際に、消費者安全法の注意喚起も併せて行う場合がございますが、ほかにも消費者庁が所管する法律に関しまして連携させた運用を図るという建議を頂戴してございます。

これにつきましては、まず連携を図って対処するためには、庁内でしっかりと情報共有がされることが重要であるということで、消費者事故等に係るような情報を、担当課はここだからといってそこだけで閉じるのではなくて、庁内で広く共有するように運用してきているところでございます。これらのうち、特に厳正に対処すべきような事案もしくは1つの法では効果的な対処が難しい事案に関しては、今後も必要に応じて法制度の組み合わせも柔軟に連携をさせながら対処していきたいと考えております。

最近ですと景品表示法の改正のときにもやはり特商法と景表法の連携があるのではないかというような御指摘も頂戴しておりますので、いろいろな組み合わせにつきまして、予断を持つことなく対処をしていきたいと考えてございます。

それから、最近の法制度を連携して対処した直近の事案の例としまして、今年1月、特定商取引法に基づく訪問販売業者の処分の際に、消費者安全法に基づいて、別の会社が既に立ち上がっておった状況でございましたので、いわゆる後継会社が行う事業に関しても注意喚起を行った事例があるところでございます。

以上が建議事項第1についての対応でございます。

次に、建議事項第2として、電話勧誘販売に該当する場合の解釈の明確化と周知ということで御下問を頂いております。

これに関しましては、いわゆるいろいろな電話勧誘の手口、特に最近目立っておりました手口としまして、電話勧誘販売は、今までの従来のスタイルですと事業者から突然電話が掛かってきて、これはいかがですかというスタイルだったのですけれども、あの手この手で消費者から事業者に電話を掛けさせるようにして、消費者のほうから掛けたらこれは電話勧誘ではありませんよねというようなことを言う事業者が見られたのですけれども、消費者が電話を掛けた場合であっても、事業者のほうから消費者が予想していなかったものを勧誘したような場合については、これは電話勧誘と何ら変わりはないと、電話勧誘販売であるということを明確化するために、特商法の政令改正がちょうど令和5年2月にございましたので、電話を掛けさせる方法を相当網羅的に拡充したところでございます。新聞・雑誌への掲載、ラジオ放送、テレビ放送、ウェブページを利用する方法を追加して、あらゆる方法で電話を消費者から掛けるようにさせた場合であっても、事業者から新たな勧誘が行われる場合は電話勧誘販売になるということを明確化させて、更にいろいろなメディアを使って周知広報を図ったところでございます。

以上が建議事項第2でございます。

建議事項第3はお願いします。

○消費者庁消費者政策課末吉財産被害対策室長 建議事項第3につきましては、消費者への注意喚起及び関係事業者等への情報提供でございます。これはSNSのメッセージを利用した消費者事故等の発生に関する情報について、消費者へ注意喚起を積極的に推進すること、そして発生拡大を防止するため、関係事業者へ情報提供する旨の建議を頂いております。

これに関しては、令和4年度におきまして、消費者安全法に基づいて注意喚起を26件実施したところでございます。このうち、この建議以降では、令和4年9月15日、令和4年11月17日、それぞれSNSのメッセージを利用した副業の情報商材に関する消費者事故等について注意喚起、公表を行ったところでございます。

この公表文におきましては、紹介サイトを見た消費者が、SNSのメッセージを利用して情報商材の勧誘をされて、さらに高額なサポート契約まで結び付けられるという手口を具体的に明らかにいたしました。

また、消費者安全法に基づく注意喚起を行う際には、この情報がより広く伝わるように、文字を少なくしたりイラストを大きくするなどデザインを一新したチラシを使いまして、また、若者向けのアカウントを利用したSNS等での周知も行ったところでございます。

注意喚起、公表を行うに際しましては、事案の内容に応じて、SNSの運営事業者あるいは金融機関などの関係事業者等に対し、消費者事故等の発生拡大の防止に資する情報を提供いたしまして、業務に活用するよう要請したところでございます。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は40分程度でよろしくお願いします。

大石委員、よろしくお願いします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

建議に対して、具体的にいろいろと御説明いただきまして、よく分かりました。

その上で少し質問をさせていただきます。

まず、一番最初に御説明いただきました第1のところなのですけれども、今回、通信販売などの適正化事業、1万8,000件の調査を行われたという御報告がありましたが、そのうち実際に注意喚起文書を発出されたのがどのくらいの件数あったのか。また、SNSに特に関連するような事例があったのかということを是非教えていただければと思うのが1点目です。

2点目として、表示の徹底に当たって、事業者サイドにはどのように具体的に要望したのかということも教えていただければと思います。

以上、まずは御質問をさせていただきます。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

文書の発出ですけれども、調査したサイトのうち、ざくっと申し上げますと数パーセントは、法律に触れる疑いのある表示だということを割と明らかに認めたものに関して発出をしてございます。

SNSに関係するものがあるかということでございますけれども、いわゆるSNS広告、SNSを通じて発せられる広告に関する表示も確認をできた場合には注意喚起の発出の対象としているところでございます。具体的にどれぐらいの割合だったかというところは承知しておりません。ただ、対象には入っております。

さらに注意喚起の内容ですけれども、具体的に私どもが確認しました表示を添付して、特商法のどの条項に触れるおそれがあるのかを具体的にお示しした上で、改善を要請するという内容で発出をしているところでございます。

○大石委員 ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。御説明ありがとうございます。

最初に行政処分のところなのですが、私たちは行政処分が出ると職場でやったと嬉しく思います。この行政処分の内容が相談のあっせんに利用できる、また先日、弁護士との情報交換の場でも、こういった消費者庁の見解だとか、行政処分の内容は法廷でも利用されていると聞きました。本当に重要なことだと思っています。しかしながら、消費者庁も人的な問題がありますので、スピーディーにお願いしたいといってもなかなか難しいところは承知しておりますが、よろしくお願いいたします。

特にゼロモバイルやライフラインプランナーといった関連3社を行政処分していただき、本当にありがとうございます。3年ほど前から通信事業者の代理店が連鎖販売取引をやっていて、総務省には事例を挙げて検討をするようにと言ったのですが、総務省は連鎖販売は消費者庁になるということだったのでどうなることかと思っていましたら、処分していただきました。これは画期的なこと。今もう相談の現場では縦割り行政は通用しないので、各省庁が連携していろいろな法律を駆使して処分しなければいけないと思っています。

悪い人たち、極悪層はごくごく僅かです。しかしながら、消費生活センターをハイジャックしている人たちはこの一部なのです。いつも法律を強化してほしいとか行政処分を強化してほしいと言うのですが、実態としてPIO-NETの情報をそういう一部の悪い業者が占めているというのは悩ましい限りでございます。

質問なのですが、建議のほうでもいろいろ述べましたが、電話勧誘の考え方等をクレジット会社、いわゆる決済代行会社等々にもPRしていただきたいというのが私たち相談員の願いなのですけれども、今なおクレジットカードを使った副業詐欺や情報商材のトラブルにつきましてはカード会社の協力を得られないケースがあります。この情報提供はどんなふうにやっているのでしょうか。

もう一つは、私も地方におりますので質問します。経済産業省の地方局だとか、県の行政処分はいつもなかなか難しいようです。本庁よりももっと人的な問題があります。各県の差もあります。この指導や連携をやられているのであれば教えていただけたらと思います。

以上です。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

まず、決済業者への周知でございますけれども、基本的に特定商取引法は経済産業省と共管の法律でございまして、当然ながらこういった政省令の改正の中身は経産省とはもとより共有されてはおるのですけれども、明示的に決済業者にも知らせてほしいなというのは御要望としてお伝えをしたいと思います。もし、もう既に言ってあるということでしたらいいのですけれども、念のためにやりたいと思います。

それから、地方の執行でございますが、私どもは地方ごと、いわゆる経産局のある単位ごとでブロック会議を開催しておりまして、そこで地方経産局の執行担当者、それから都道府県庁の御担当の方、消センの方もいらっしゃったり、更に都道府県警の警察の特商法の御担当の方も一堂に会して、最近の手口はこうだよねとか、それこそ清水委員から頂いたような情報みたいなものを私も受け売りしたりとか、それから法執行のノウハウの共有をしたり、更には顔合わせ、隣の県庁さんでよく知っていらっしゃる方がいるんだとか、あとは特に執行力のあまり潤沢でない県は、警察との連携をうまく工夫して使っていらっしゃると、そういうところはしっかりと悪質事業者への対処ができているというような良い例もございますので、そういう良い形をいろいろなところで使えるようにという意味で、横の連携強化をしたり、知見を共有したりという機会を、やっとコロナが解禁になって会議が自由にできるようになりましたので、これは外向けに公開している会議ではないので日程を具体的には申し上げられないのですけれども、かなり予定がたくさん入ってきておりまして、私も今まで全部行っているのですけれども、できる限り全部行って皆さんとお話をしたいと思っておりますし、そういったチャンスをできるだけたくさんできるようにということを心掛けております。

あとは年1回、国センに相模原の研修所がありまして、そこに全国の御担当者にお集まりいただいて、実際に法執行というのはどういうふうにやっていくのかと。法律に基づいて人権を制限するような処分をするという行為ですので、これはしっかりと証拠の取り方1つ取っても厳正にやっていかなければいけないというのがございますので、そういう意味での人材育成というのも機会を増やすように心掛けて、一生懸命やっております。

なかなか執行の実績が最近御無沙汰な県庁さんも確かにいらっしゃるのですけれども、清水委員が普段からおっしゃるように、執行の弱いところを悪い会社はよく知っていて、そこを突いてきたりということもございますので、そういった心構え、実態も含めて、できるだけ共有して、問題意識をしっかり持って、各県での執行をしていただけるようにというのを図っていきたいと考えております。

ありがとうございます。

○清水委員 ありがとうございます。

地方でも県単位で警察や経済産業省の局だとかと意見交換していますが、消費者庁から言うということも重要だと思います。御指導、御鞭撻、よろしくお願いいたします。

ありがとうございました。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

○後藤委員長 それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

いろいろな対応をしていただいて、特に建議事項第2の電話勧誘販売に関する解釈というところで対応していただいたことは大変有り難いと思っております。ただ、こちらについて、まだ消費者になかなか伝わっていないというところがありまして、自分がそれに当てはまっているのに泣き寝入りしてしまうことがないように、是非、周知広報をお願いしたいと思います。

それから、建議事項第3につきまして、消費者への注意喚起に関連したことになるのですけれども、そこで質問をさせていただきたいのですけれども、SNSのメッセージを利用した消費者事故というところで注意喚起、公表を行ったと先ほどおっしゃいました。より広く伝わるためにどのような工夫を行ったのかということを教えていただけますでしょうか。

もう一点、SNSのメッセージを利用した消費者事故などに関して、先ほど清水委員の御意見にも関係するのかもしれませんが、SNSの運営事業者や金融機関などの関係事業者に対する情報提供などはどのようなされたのか、それとも今後どのようになさるのかということを教えていただけますでしょうか。

○消費者庁消費者政策課末吉財産被害対策室長 ありがとうございます。

まず、SNSのメッセージに関するこちらからの注意喚起に関する工夫でございますが、先ほど申しましたけれども、公表する際に文字数を減らしたチラシを作成したり、また、消費者庁の公式ツイッターがありますし、それから、「18歳から大人」というツイッターもございます。あと、LINEでいえば「若者ナビ!」といったものがございまして、こちらでも周知を図りました。

また、先ほど申しましたけれども、ツイッター上ですと1行か2行しか掲載できないので、チラシを使ってなるべく目を引くように表示したほかに、テレビとかで取り上げていただけるように報道発表の際に物撮りをしていただいて、なるべく多く取り上げていただくような工夫をさせていただきました。

そして、関係事業者への情報提供でございますけれども、SNS等運営事業者やインターネット広告事業者等に対して注意喚起、公表した資料を送付いたしまして、こういった内容で注意喚起をいたしましたということで、業務の参考にしていただくといったことをしております。

以上です。

○消費者庁奥山取引対策課長 最初に御質問いただきました、電話勧誘販売の解釈についてより周知広報をということでございます。

重要な御指摘だと思っておりまして、いろいろな注意喚起を時々刻々やっておる中で、具体的なケースに当てはめて、これは電話勧誘に当たるのだよ、クーリング・オフの対象にもなるのだよと呼び掛けるというのも重要だと思っておりまして、たしか昨日、国センさんから、就職活動につけ込んで就活セミナーをうたったようなものをオンライン会議システムを使ったりして勧誘するという事例についての注意喚起がございましたけれども、そういった場合も電話勧誘販売に当たり得ると。その場合には当然、書面交付義務が発生したりクーリング・オフの期間があるというようなお話も、そういう事例に引っ掛けて、できるだけ注意喚起の際に一緒にお話しすることで、周知広報の効果を高めていきたいと考えておりまして、そういった取組も更に続けていきたいなと考えてございます。

ありがとうございます。

○木村委員 ありがとうございます。

SNSは若い方が主にお使いになるのかもしれないのですけれども、そうとも限らないので、様々な世代の方にどうやって情報を届けるかというところで御検討いただければと思います。

例えば私が住んでいる自治体ですと、新聞広告の中にチラシとして入っていまして、それはオレオレ詐欺だったのですけれども、そういうものはぱっと目を引くと感じている次第です。

それから、ツイッターやLINEについて、そもそもどうやって様々な世代の方にそのアカウントを知ってもらうかというところから御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。

ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 黒木です。御説明ありがとうございました。

この去年9月の建議は、今やっているデジタル化に伴う消費者問題ワーキング・グループの中間報告を受けての建議ということで、最終的なデジタル化の報告書を検討する上で、本日の会議というのは非常に重要な位置付けがあると思っております。その意味で、丁寧に御説明いただきまして、ありがとうございました。

まず、建議事項第1と第2ですけれども、工程表の中でも、国による特定商取引法に基づく行政処分の件数がKPIに書かれているということですが、我々の建議発出から令和4年度、今年3月31日までにSNSのメッセージに関しての特商法第11条、第12条に基づく執行事例はあったのでしょうか。件数がどうだったのかということをまずお尋ねしたい。

あと、建議事項第2は、この前、政令のほうを議論させていただいて、非常に前向きだと思っていて、大変有り難いと思っている事項であります。要するに電話勧誘販売と通信販売が融合しているような問題なのですが、このような問題についてQ&Aを発出していただいていることも分かっておりますし、そのホームページも確認させていただいております。

ただ、このQ&Aについて、ちょっと法律が違うかもしれませんけれども、割賦販売法では加盟店管理義務という問題がありまして、そのようなところがもしもマンスリークリアではない形で割賦販売をしていると、クレジット会社を通じて支払いを停止することができることになりますので、クレジット会社等についてもこのようなQ&Aを発出したというようなことは周知されているのかという2点をお尋ねしたいと思います。

よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

まず、通信販売に関して、特商法の処分が去年9月から去年度内にあったかという御質問ですけれども、この期間にはございません。

それから、次の建議事項第2の決済業者、クレジット会社への周知ですけれども、先ほど清水委員からも御指摘いただいておりますので、経産省にもう一度周知をしてほしいとお願いしたいと考えております。

いずれにしましても、改正した政令が施行されますのはこの6月からでございますので、タイミングとしても今、周知するのは悪くないなと考えておりますので、これは持ち帰らせていただければと思います。

すみません、クレジット協会さんには既に情報提供はさせていただいているというのを聞いております。私が忘れていても、ちゃんと事務方のよくできる職員がおりまして、私は何とかやっております。ありがとうございます。

○黒木委員 ありがとうございます。安心いたしました。

○後藤委員長 それでは、青木委員、よろしくお願いいたします。

○青木委員 御説明ありがとうございました。

建議に対して、非常にしっかりと執行を進めていただいているということを確認させていただきました。

建議自体は昨年9月なのですが、SNS利用のこういう問題については、これからますます手口も含めて非常に拡大することが懸念されます。これからどう推移していくか。実際のトラブル事例あるいは公表される事例、違反事例、こういうものがどう推移していくかをしっかり見ていきたいなと感じているのですが、先ほどモニタリング、インターネット調査はもっと前からされているというお話がありました。このモニタリング調査での違反事例、先ほど数パーセントぐらいというお話だったのですが、この辺は年次でどういうふうに推移しているのでしょうか。実際にある程度定点調査なのかもしれませんが、数パーセントという数字が増えてきているのか、減ってきているのか、変わらないのか、この辺のところをざっくりとで結構なのですが教えていただけたらと思いますが、いかがでしょうか。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

年次での違いですけれども、あまり大きな変動はしていないと聞いているところでございます。ただ、違反の中身は少し推移がある、変化があるのだろうなと思いますので、今の御指摘も踏まえまして、そういった経時変化のところも少し意識をしていくようにしたいと思います。

御指摘ありがとうございます。

○青木委員 ありがとうございます。

本当に牽制という意味でも大きな力になっていると思いますので、増えている、減っている、これをどう評価するかは非常に難しいですが、放っておいたら非常に拡大するものが、ある種皆さんのいろいろ執行していただいているところである程度牽制が効いて、ある数のところで止まってくるのか、どういうふうに見ていくかも含めて御努力いただいていることの成果をこれからしっかり見ていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

○後藤委員長 それでは、生駒委員、よろしくお願いします。

○生駒委員 御説明ありがとうございます。

今までの委員の皆さんの御意見と重なるところですけれども、建議に対しての消費者庁の取組を大変心強く思っております。

2つ御質問といいますか確認があります。建議事項第1の2、先ほど大石委員からも御質問があったかと思うのですが、重なるかもしれませんが、表示しなければならない事項を消費者がSNSのメッセージ上で容易に認識できる場所に表示させると書かれていますが、この点について確認です。下に解説されておりますが、顧客にとって見やすい箇所において明瞭に判読できるように表示する方法、その他顧客にとって容易に認識することができるよう表示すること、とありますが、これはデザイン上の問題であったり、取りようによってはいろいろな解釈が成り立つことになると感じます。

この点に関して、何か特定の条件のようなものをこれから提示していかれる、例えば冒頭に必ず掲げなければならないとか、商品の名前の横に置かなければならないとか。優良事例を見せるとか、あるいは優良ではない事例も見せるとか。優良事例を見せるのはすごく有効であると思っていますが、具体的な例を示していく予定があるのかどうか、という点について知りたいと思っております。

2つ目は、今、青木委員もおっしゃったのですけれども、SNS上の取引に関しては日々刻々変動、進化していくと感じております。ですので、この建議に関しても、建議を出して終わりではなくて、今後、積極的にキャッチアップしていかなければいけないと思っておりますので、その辺りの、今後の取り組み方についても、どのように対応されていくかをお聞かせ願えればと思いました。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

まず、デザインの例ですけれども、ガイドラインを私どもは法改正の後、改正をしまして、その中で表示が適正に行われている例と良くない例はお示しをしているところでございます。ただ、なかなか難しい問題でございまして、御指摘のとおりデザインはいろいろございまして、受け止め方も人によって違うところはどうしても生じるものでございます。

他方で、普通の人から見て、世の中広く一般的にこれはわざと分かりにくくしているねというのは明らかにございますので、例えばよほどスクロールしないと出てこないとか、都合の悪いところだけあえて字が小さいとか、一度出てきたかと思いますけれども、グレーの背景にオレンジの文字とか、全くコントラストがなくてあえて見えないとか、スマホの画面はただでさえ広くないのですけれども、その中の2行分ぐらいしか契約条件みたいな大事なところは表示させなくて、ほぼ読ませないための工夫をしているものもございまして、そういうところをまずは重点的に指摘していくのかなと考えております。

もう一つ頂戴しました御指摘、ネット上のいろいろな広告の表示の手口は、SNSも含めまして変化はどんどん続いていますので、監視はずっと続けて、いろいろな事例に対応できるようにというのは大事な御指摘だと思いますので、しっかりやってまいりたいと考えております。

先ほど処分例はないのかと黒木委員からも御指摘がありましたけれども、もちろん処分しないというつもりは毛頭ございませんので、処分も含めてしっかりと対処してまいりたいと考えております。

ありがとうございます。

○生駒委員 どうぞよろしくお願いいたします。

本当に日々刻々進化するという状況になっていますので、キャッチアップは大変エネルギーの要る作業になるかと思われますが、どうぞよろしくお願いします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

本日は、令和4年9月に本委員会で発出しました「SNSを利用して行われる取引における消費者問題に関する建議」に対して、その実施状況を御報告いただきました。

委員の方々から多様な御質問・御意見が出ておりまして、事業者への注意喚起文書の発出件数や注意喚起の内容等についての御質問がありました。それから建議発出以来の特定商取引法第11条及び第12条に基づく執行件数が何件あったのかの御質問があり、今のところそれについては件数がないということでありました。それから、電話勧誘販売に該当する場合の解釈の明確化と周知について、クレジット会社、決済事業者等の関係事業者に対する情報提供、周知に努めてほしいという御意見がありました。

電話勧誘販売の解釈に関しましては、電話勧誘販売の解釈に係るQ&Aが出されたことの意義は大きいと思います。そういう意味で、更に周知広報が進むことが必要ですし、内容的にも引き続き事例に基づく解釈の提示を進めていただけたらと希望いたします。

消費者庁におかれましては、引き続き特定商取引法の通信販売に関する規定に基づく執行の強化等に取り組んでいただきたいと思います。消費者委員会としても、消費者庁の取組を注視し、必要に応じて調査審議を行ってまいりたいと思います。どうもありがとうございました。


《3. 「特定商取引法及び預託法における契約書面等の電磁的方法による提供についての建議」に係るフォローアップ》

○後藤委員長 それでは、次の項目に入ることにいたします。特定商取引法及び預託法における契約書面等の電磁的方法による提供についての建議に係るフォローアップであります。

当委員会は、令和3年2月に建議を取りまとめ、内閣府特命担当大臣に発出いたしました。この建議では、契約書面等の電磁的方法による提供の在り方やデジタル技術を活用した消費者保護、消費者教育の充実と強化、消費者行政のデジタル化の進展について対応を求めております。

この建議への対応について、消費者庁から実施状況の御報告を頂き、意見交換を行いたいと思います。消費者庁の皆様には、引き続き御出席いただいております。どうもありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。引き続きまして、取引対策課でございます。

特商法と預託法が令和3年に改正をされまして、その際に導入されました契約書面等の電磁的方法による提供につきまして建議を頂戴したところでございます。

まず、建議事項第1につきましては、契約書面の機能をしっかりと維持する観点から、十分な検討を行った上で必要な措置を講ずるということで頂戴をしております。(1)から(3)まではいずれも電磁的方法による提供に際しての手続ということで御下問を頂戴したものでございます。

(1)は、消費者の承諾の取得を実質的なものにせよと。まず、真意に基づく明示的なものと。安易に承諾が取得されないようにせよと。それから、イでございますけれども、承諾前に承諾の効果といったことに十分な情報提供がされて、それを消費者が理解した上で承諾するようにせよと。

(2)でございますけれども、電磁的方法による提供の具体的な方法が、書面と同様に一覧性を保った形で閲覧可能であって、かつ、消費者にとって容易に保存可能である方法で提供をすることということでございます。

(3)でございますが、クーリング・オフ期間の起算点が明確であること、かつ、消費者の承諾の取得に関しての立証責任が事業者側にあることを明確にせよという点でございます。

消費者庁におきましては、四角の下の回答のところにございますけれども、令和3年7月に「特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会」という有識者の会議体を設置いたしまして、1年以上にわたって非常に丁寧に検討、議論を進めました。先ほど申し上げました建議として頂いた点を全て満たすような方法での政省令の制定を実施いたしまして、本年2月1日にその政省令が公布されたところでございます。

(4)は、法施行後の実態把握と検討ということで、しっかりと実態として電磁的方法による提供がどのように行われるのかというのはしっかり見てまいりたいと思いますし、以前、御指摘を頂戴しましたPIO-NETの中で電磁的記録の提供が行われたかどうかをしっかりとチェックできるような、そういう情報を格納する箱を国センさんと相談して作っていただいているところでございます。こうした情報も活用しながら、法執行がしっかり行われているかを見てまいりたいと考えているところでございます。

こちらが建議事項の第1でございます。

次に、建議事項第2でございます。デジタル技術を活用した消費者の保護及び消費者教育等ということでございます。

(1)から(3)までございますが、まず、(1)のアでございます。消費者からのクーリング・オフの通知について、電磁的方法によることが可能となるよう措置を講ずるということでございまして、特商法の令和3年改正で、電磁的記録、電子メールやファクスであってもクーリング・オフの通知ができるということで法改正を行いまして、昨年6月から施行されているところでございます。事業者、消費者にも周知広報を図ったところでございます。

次はお願いします。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 (2)につきまして、消費者教育推進課から御説明申し上げます。

書いてございますとおり、まず第4期消費者教育推進会議におきまして、「社会のデジタル化に対応した消費者教育に関する分科会」を設置いたしまして、議論を行いました。そして令和3年5月10日に、デジタル化に対応した消費者教育として重点化すべき内容等に関する検討結果を取りまとめたところでございます。

具体的な内容といたしましては、デジタル化に対応した消費者教育として重点化すべき内容として、デジタルサービスの仕組みやリスクの理解が必要なこと、批判的思考力に基づく的確な判断を育成すべきこと、そしてデジタル技術を活用した情報の収集・発信に当たって留意すべきことについて教育していくべきではないかということで整理を行ったりだとか、また、ライフステージに応じて重点化すべき内容といたしまして、幼児期から中学生期におきましてはオンラインゲームの課金トラブルでございますとか、成人期に当たりましては保護者が子供のインターネット利用状況を把握してルール作りをすることが必要ではないか。また、成人期、特に高齢者につきましては、デジタル活用のメリット、安全・安心に利用するための注意点や基本的な使い方の習得等が必要なのではないかといったようなことについて整理を行いました。

また、消費者教育のデジタル教材の作成、普及啓発も行ってございまして、例えば「デジタル社会の消費生活」という教材を令和4年3月に作成・公表いたしまして、高等学校の家庭科の授業や地方公共団体の消費者行政主管課において活用されるように、普及啓発に取り組んでございます。こちらの具体的な内容といたしましては、テキストや動画、ワークシートやアプリ、eラーニング等を作成いたしまして、活用の促進を行っておるところでございます。

また、高齢者向けといたしまして、デジタル関連の消費者トラブル防止を目的とした教材につきまして、活用事例集の作成・公表を本年3月に行ってございます。こちらの具体的な内容といたしましては、最新のトラブル事例の提供でございますとか、デジタルメディアを活用した提供ということで、例えば「スマホデビュー時に気を付けたいこと」でございますとか、ネットの利用におきまして「ショートメッセージによる架空請求に気を付けよう」でありますとか、「SNSで、うまい話にだまされないために」等、トラブル事例を基にした教材の作成・提供、活用事例集の提供等を行っておるところでございます。

加えまして、「社会への扉」等の教材作成・周知におきましても、ネットショップにおける画面表示や契約書の内容の確認が重要であることなどを盛り込みまして、普及啓発を行っておるところでございます。

最後でございますが、第5期消費者教育推進会議におきまして、「消費者教育の推進に関する基本的な方針」につきましてはこの委員会でも議論をたくさん頂きましたけれども、この見直しにおきまして、デジタル化に対応した消費者教育に関する内容を拡充するといった内容の変更を行いまして、この際、最初に御説明申し上げました分科会の結果等も踏まえまして、デジタル化についても拡充する内容の変更の見直しを行ったところでございます。

以上でございます。

○消費者庁尾原消費者政策課長 続きまして、建議事項2の(3)、消費生活相談体制を含め、消費者行政のデジタル化を推進することでございます。

まず、消費生活相談のデジタル化に関しましては、昨年6月に策定いたしました「消費生活相談デジタル・トランスフォーメーションアクションプラン2022」に基づきまして、デジタル技術を活用したPIO-NETのシステム面の刷新など、中長期的なデジタル化の検討を進めておるところでございます。今後、必要に応じて、このアクションプランにつきましては見直しを行うこととしております。

また、「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」に基づきまして、消費者行政における書面掲示及び公示送達等についてインターネットを用いて行うことができるように改める法改正を予定しておりまして、具体的には今通常国会に政府提出法案として「デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案」及び景品表示法の改正法案が出されまして、景品表示法改正法案のほうは既に審議が終わり国会で成立しておりますが、現在、デジタル社会形成の一括法案については、国会で御審議中でございます。

以上、消費者庁からの説明でございます。よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は40分程度を予定しております。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 御説明ありがとうございます。

最後の消費生活相談のデジタル化のところです。「消費生活相談デジタル・トランスフォーメーションアクションプラン2022」を説明いただいているのですが、現場では夢のようだと。これが3年後に本当に実現するのかと。今度、消費者委員会委員の先生方には、私ども名古屋市とかを見に来ていただく機会もあろうかと思うのですが、例えば私たちは1人1台オンラインがなかったり、スマホやタブレットがない中で、自分のものを使って検証しているという現状にあります。それは今後、消費者庁も予算を付けていますので、準備していけばいいのですが、1つ懸念することがあります。それは、今、予算を使って行政が例えばZoom相談をやるだとかメール相談をやるということで、例えば遠隔地との書類のやり取りで書類をファクスではなくて早急に読み取る機械を買うだとか、そういう相談の表の部分のデジタル化に注視しているように思われます。

本来、DXというのは、総括的に全ての業務が対象になる、例えば相談員のシフト制だとかです。

先日、試行的にやっている消費生活センターの話を聞いたら、相談員が少ないから遠隔地はZoom相談をやると。でも、遠隔地の出張所みたいなところの職員が、結局相談者が来たときに、ちょっと待ってください、今からパソコンを立ち上げますと。そうすると地元の相談者は何だと。対面でできると案内しているのにいきなりZoomですかというような苦情が入る。また、相談者を1人にすることができないので、相談の間中、職員がタブレットもしくはパソコンの横に付いて時間を費やすということで、これは果たして職員の仕事がどうなったか、逆に増えてしまっているという話も聞きます。

これからあと2から3年、本当のDX化ということを理解するために、地方の消費生活センターにきちんとした説明をしていただきたい。夢のような話ではなく、現実に人が足りないところにDXをどのように反映し、市民のためにどのような役に立つのかというのをもっとPRしたほうが良いと思いました。

これは意見です。よろしくお願いします。

○後藤委員長 意見ということですが、よろしくお願いします。

○消費者庁地方協力課阿部課長補佐 地方協力課です。御意見どうもありがとうございます。

正に私どもは昨年6月にアクションプランを公表させていただきましたけれども、御指摘のとおり非常に考え方の大枠の提示にとどまっている部分が多分にございますので、実際に現場の実務に堪え得るようなプランというか考え方というものを正に今、整理しようとして、もうすぐ何らかの形でお示しできると思いますけれども、そうしたものを今、鋭意作成しているところでございますので、是非現場の皆さんにも受け入れていただけるような丁寧な御説明とともに、しっかり対応させていただきたいと考えております。

御意見どうもありがとうございます。

○清水委員 どうぞよろしくお願いします。

私たちは市民のために、消費者のために、相談者のために向上するシステム作りが必要だと考えています。どうぞよろしくお願いします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。

大石委員、よろしくお願いします。

○大石委員 大石です。御説明ありがとうございました。

この件につきましては、大変長い時間を掛けて、消費者庁におかれましては丁寧に検討いただきまして、このようなまとめとなりました。

事業者側、消費者側ともに納得いく内容というのはなかなか難しいであろうなと思いつつも、逆に、消費者委員会が出した建議よりも更に上の御提案も頂いたことは大変有り難かったと思っております。

その上で、最後まで消費者としてといいますか、心配なのが、これだけデジタル化が進んでいる中で、書面の電子化を行ったことによって被害を受けた人たちがどれだけ増えたかということが検証できるのかということです。これが大変難しいなと思っております。デジタル化はプラスの面ももちろんありますけれども、どんどん進むことによって取り残される人たちも増えていくということを思うと、本当にこの法改正、法執行が消費者にとってプラスになっているかということをきちんと確認しつつ進めていく必要があるのではないかなと思っております。

そういう意味で、第1のところにつきまして、2ページの最後のところに、迅速かつ厳正な法執行を行うとともに、それを踏まえて電磁的方法による提供の在り方について、実効性を検証した上で必要に応じて見直しを含め検討を行っていきますと書いていただいているのですけれども、実際に実効性を検証するということは、具体的にどのような方法でそれを行うのか、その辺りについてもし何か教えていただけますと有り難いかなと思います。それが1点目です。

それから、建議の2点目で、クーリング・オフの通知については早々に消費者庁に対応いただきまして大変有り難かったのですが、1点、クーリング・オフの場合には消費者に目立つように表示すべきことというのがありまして、書面の場合には赤字・赤枠でというのがあるわけですけれども、電子書面の場合に、目立つように表示するということについてはガイドラインなどについてどのように記載をされているのか、また消費者にどのように周知がされているのかということが1つ気になりましたので、これについて教えていただけますと有り難いです。

以上です。

○後藤委員長 よろしくお願いします。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

まず、実効性の検証のやり方でございますが、先ほど申し上げましたようにPIO-NETの中で電子交付であるというのが容易に検索できるようにデータベースを整備しているところでございますので、電子交付が絡んでおる消費生活相談をまずは網羅的に見ていくのかなと。その上で、電子交付に起因する何らかの被害が出るのか、それとも電子交付の手続そのものに何らか問題があるというようなことであれば、制度がどうあるべきかというのは、この書面の電子化につきましては2年後見直しが規定されておりますので、かなり早いタイミングで参りますので、それに対応していきたいと考えておるところでございます。

あとは関係業界の方にどれぐらい、これはどちらかというと悪質ではない事業者さんだと思いますけれども、活用状況がどうかとか、恐らく非常に重厚に規制ができておるということもありますので、消費者がむしろデジタル化を望んでいるのになかなか活用されない、それに対応できないということであれば、そこの部分につきましても、消費者の安全性を担保しながら、デジタル技術の進歩も踏まえて何ができるかというのは将来的な課題と認識をしております。

書面の電子化に伴って、クーリング・オフに関する条項の消費者への通知がどうなっておるかですけれども、まず書面電子化のスタートに際しましては、紙に打ち出すと書面で交付されるものと同じものが作成できるデータの送付を義務付けたところでございます。したがいまして、画面で御覧いただきますと大事なところについてはちゃんと赤字・赤枠で囲まれているということですので、書面と同等の注意喚起効果が得られる仕組みとしているところでございます。

ありがとうございます。

○大石委員 御説明ありがとうございます。

書面に印刷すればそうだと思うのですけれども、今、スマホなどの機械も大きさですとかいろいろな種類があり、どんどん変わって出てきますので、その画面でどのように見えるかというのも本当に様々であろうと思いますので、せっかくクーリング・オフが電磁的にもできるということですので、しっかり消費者にも周知していただければと思います。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

検討会を開いていただいて、とても丁寧な議論をしていただいたと認識しております。それには大変感謝しております。

ただ、今回、私としては大変残念だと思ったのは、検討会で検討されなかったことが結局入ってしまっている。例えばスマホの利用やSNSの利用については、検討会では実際に議論されていなかったと認識しております。

そこで意見と質問になるのですけれども、やはりSNSというのは大変手軽ですので、詳しい方ばかりではなくて、使い方をよく分かっていない人も手軽に利用できてしまうことがあるのです。SNSの種類によっては、保存期間が短いものもありますし、ずっと保存できるものもありますけれども、消費者が利用方法を理解しているかどうかは分からないところで、言われるままに承諾して、その場で送信して、保存ということも分からないままという場合が出てくるのではないかなということを大変懸念しております。

それで質問なのですけれども、SNSは送信した事業者がメッセージを取り消せるということなど消費者保護に資さないものもあると思うのですけれども、ガイドラインではその辺はどのようなこととして要求しているのかお聞かせいただけますでしょうか。

お願いいたします。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

今頂いた御指摘の点ですけれども、正に送信方法については、メールの添付ファイルとして送る、もしくはウェブサイトからダウンロードするということを省令で定めてございまして、これは正に検討会で御議論された結果をそのまま制度に落とし込んだと理解してございます。

その上で、そうしたメールを使うような技術、それからウェブサイトからダウンロードするような技術を使ったSNSが仮にあれば、技術的に同じものについての利用は恐らく否定はされないのだろうと。これは検討会の結論をそのまま制度に引き落としたとしても否定し難いところでございまして、その上で、書面電子化についての制度の大きな大事な建付けでございますけれども、消費者の使用に係る電子計算機にファイルが記録されることを電子交付の大変大事な条件として定めておりまして、これがしっかりと実現されれば交付はされたのですけれども、消費者の意思にかかわらずある時点から読めなくなるようなことがもし起きるとすれば、それは消費者の使用に係る電子計算機にファイルが記録されたとは言えないのではないかと私どもは認識しておりまして、その理解をガイドラインに書いておるところでございます。

したがいまして、途中にSNSが挟まっているかどうかよりも、むしろ消費者が自分の見たいときにしっかりファイルが見られるという状態を実現するということをもって、電磁的記録が正しく交付されたかどうかというのを私どもとしてはしっかり見ていきたいと考えておるところでございます。

ありがとうございます。

○木村委員 ありがとうございます。

その点について、事業者の方もきちんと理解していただいて、消費者が困らないようにしていただけるように、是非広報、執行などをよろしくお願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

恐らく普通の事業者さん、良心的な事業者さんであれば、仮に消費者のほうに何か手落ちがあって、間違えて消してしまいましたと。これは事業者さんには何の責任もないのですけれども、そういうときであっても普通であれば、すみません、ではもう一回送ってあげますよということになるのではないのかなと。

逆に、消えてしまうようなよく分からない仕掛けを使って、消費者が肝心なときに分からないようにするというのは、今回作った制度の中でどこかに触れてくるようなことをしていると考えられると思っておりますので、私どもとしてはそこをしっかりと見ていくということで臨んでまいりたいと考えております。

○木村委員 その辺りが明確になるようにお願いします。そして、もしそこで不具合がありましたら、是非見直しの方向でお願いしたいと思います。

ありがとうございます。

○後藤委員長 それでは、受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 受田です。

まず、建議に対してしっかり寄り添っていただいているということ、御礼を申し上げたいと思います。

私からは、2つ目の建議の項目になりますけれども、デジタル技術の活用に関して、今、御報告いただいた内容からは少し外れる部分もあるかもしれませんけれども、お考えを伺いたいという観点で発言をさせていただきます。

この建議事項の2つ目は、デジタル技術を活用ということで、消費者の保護や消費者のデジタルリテラシーの向上、また、消費者行政のデジタル化の推進という考え方で述べられていたものです。それに対しての回答についてはもちろん理解をしております。

この分野は本当に進化が早いところで、今、生成AIやチャットGPTという言葉がいろいろなところで聞かれるわけですけれども、生成AIの活用、あるいはビジネス的にそれが利用されていく現状がもう見えていることを踏まえていきますと、この建議の2つ目に生成AIのことが出てきてもおかしくないのではないかなとちょっと想像しております。

今回の中には一切出てきておりませんけれども、担当の消費者庁のお考え、また大臣がデジタルも兼務しているというところで、何かそういう将来的な見通しという点についてコメントいただければと思います。

以上です。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁尾原消費者政策課長 受田委員、御質問ありがとうございます。

大変大きな話でございまして、生成AIの話、また社会全体の著しい進化に対してどう消費者行政が向き合っていくかという御質問であると承りました。

消費者保護、消費者政策の観点から、新しいいろいろな社会情勢に応じて日々我々も対応していく必要がありますし、また、長期的な流れでいきますと、例えば今、我々が作業しております消費者基本計画では、毎年度重点施策を置いて、工程表という形でフォローアップをしておるのですけれども、その大本となる例えば消費者基本計画も次の改定は2年後を想定されるわけですが、そういうところで設けていく必要がありますし、タイムスパンで考えれば中長期のところはそういうところできちんと議論していく必要があると思っておりますし、足元であれば、AIに限らずあらゆる新しい社会情勢の変化において、日々我々として消費者行政に向き合っていきたいと思っております。

直接の答えになっていなくて申し訳ございません。

○受田委員長代理 ありがとうございます。

大きな話になるのだろうと思っておりますけれども、技術の社会への実装がとてつもないスピードで押し寄せてきているということは、ある意味、先手を打っておかなければいけないということを示唆していることになりますので、迅速な対応あるいは省庁の連携といったところに、更にこういった建議を発展、展開していただくようお願いを申し上げたいと思います。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございます。

よろしくお願いします。

○消費者庁尾原消費者政策課長 先生、ありがとうございます。関係省庁と連携しながら、我々、諸施策を進めていきたいと思っております。

引き続き、御指導のほど、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 ありがとうございます。

○後藤委員長 それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 御説明ありがとうございました。

特にこの建議事項の書面電子化の問題というのは、第6次の消費者委員会では非常に重要な建議として取り扱っているということでした。また、私どもが委員になった第7次でも、この書面電子化の検討会等の御議論をずっとフォローさせていただいておりました。それに対応するガイドラインも含めた法体系ができてきているということについては、先ほど木村委員から少し御質問のあったところとかもありますけれども、かなり充実した議論がされた結果だと思っております。

そこの点はいいのですけれども、この前、この資料を頂いたときからよく分からなかったので教えていただきたいのですが、建議事項2の(3)に①としてデジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案で、適格団体や特定適格団体は、民間法人なのですけれども、事務所での掲示義務と同時に、デジタル化をしなければならないとなっているということを先ほど御説明いただきまして、これが消費者行政のデジタル化とどういう関係があるのかというのが、私も適格団体の理事をしているものですから、よく知らなかったものですので、ここで御質問させていただきます。

よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 よろしくお願いいたします。

○消費者庁尾原消費者政策課長 御質問ありがとうございます。

今回、建議事項の消費者行政のデジタル化というところで、例えば今、御質問いただいた適格消費者団体あるいは特定適格消費者団体であること、更には昨年成立いたしました消費者裁判手続特例法に基づく消費者団体の訴訟等の支援法人についてインターネットによる公示義務を追加した趣旨としては、消費者行政を行う全体の中で、今までであれば従来、法人であることを事務所で掲示すればよいとなっておったところが、加えてインターネットによる閲覧を可能にすることによって、その団体のところに消費者の方あるいは消費者行政の関係者が、この法人が適格消費者団体であることや特定適格消費者団体であることをわざわざ事務所に行って確認することなくインターネットで確認することができるという形で、利便性が生じているという意味で書かせていただいておるところでございます。

○黒木委員 分かりました。

ただ、ほとんどの適格団体はホームページを持っていて、そこに書いているのだと思うのですけれども、それでいいということでいいのですか。

○消費者庁尾原消費者政策課長 全ての団体について私も確認しておらなくて申し訳ないです。適格消費者団体さん、特定適格消費者団体さんは、一般論で申し上げればホームページを持たれているのかなと認識をしております。

○黒木委員 ありがとうございました。

分かりました。どうもありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、生駒委員、よろしくお願いします。

○生駒委員 この建議に関しての消費者庁の様々なフォローアップと今後のビジョンをいろいろお伺いできて心強く思っておりますが、先ほど受田委員からのお話にもありましたように、正に日進月歩、デジタルの世界は今まで私たちの生活の一部だと思っていたのが、今は全体に覆いかぶさるような状況になってきています。SNSから金融まで、そして世代的にも、今までは遠のいていたシニア層からZ世代まで、社会全体を覆う状況がいきなり襲ってきているというのが現状だと思います。

チャットGPTや生成AIというお話がありましたが、ほかにもNFTやメタバース、デジタルコインのようなものがどんどん押し寄せてきています。消費者教育を考えたときに、今までのように消費者が被害者になるだけではなくて、加害者にもなり得るというような時代にも入ってきているかなと感じております。諸刃の剣というか、どちらにも転びかねない、被害者にも加害者にもなり得るような状況が今、押し寄せてきているかなと思います。

そこで1つ、こういった建議を立てて前向きに法整備をしていくことはすごく重要だと思いつつ、状況の展開に応じてキャッチアップしていくことが本当に重要なことではないかと思っていまして、建議事項第2の(3)なのですけれども、消費生活相談体制を含め、消費者行政のデジタル化を推進するという点がとても大切であると思います。先ほど清水委員からは、デジタル・トランスフォーメーションアクションプランは夢物語のように思えるというお話もありましたけれども、目の前に押し寄せてきているこのような状況の中で、私は若い世代といいますか、デジタル世代をどんどん巻き込んでいくことが重要ではないかと考えております。

まだ企画の段階ですが、消費者委員会もZ世代消費者委員会を開いたらどうかという意見も出ています。デジタル世代、デジタルネイティブの世代はデジタルの言語を持っていますので、解決方法も見出そうとしますし、そういう意味で、例えば相談員を増やすにはどうすればいいか、デジタルの力を使って相談する可能性、相談するチャネルやプラットフォームを拡張していくことはできないかなど、いろいろな解決法が必要となる中で、デジタル世代、Z世代の層を巻き込むアクションプランは、検討されているでしょうか、ということをお伺いしたいと思います。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁尾原消費者政策課長 先生、御意見いただきましてありがとうございます。

若者を巻き込んで、自らが被害者になるだけではなくて、加害者になることも含めて、リテラシーを高めていくというのもあれば、被害に遭わないように、正に若者が主体的になって動くように対応する仕組みが必要なのではないか、そういう取組が必要なのではないかという御質問と理解させていただきました。

もともと消費者教育のほうでは、合理的に行動する、被害に遭わないというところの中で、特にライフステージに応じてあらゆる世代が取り組むという形で、学校教育の場や様々な場でつながっていくというのがあるかと思います。その中で、どういう形で若者向けにつながっていくかというところもありますし、また、若者を中心にして様々な活動をされている、特に大学とかは、全ての大学というわけではないですけれども、学生さんが中心になってサークル活動みたいな形で、旧来型の消費者被害に遭わないというだけではなくて、それこそSDGsの関係のところから、消費者市民社会という形で取り組んでいらっしゃる、サークル活動をされていらっしゃる学生さんもいらっしゃるかと思います。そういう事例を我々も勉強させていただきながら、どのように若い人たちを巻き込んで消費者政策を進めていけるか、我々もしっかりと考えていきたいと思っていまして、今直ちにこういうプランがありますという形でお示しはできませんけれども、大変貴重な御意見を頂戴したと思っております。引き続き、御指導のほどよろしくお願いいたします。

○生駒委員 Z世代やデジタル世代の人たちにとって、課題解決というのはメインテーマなのです。自分たちの社会なり地球環境が抱えている課題をいかに解決して未来につなげていくかというのがそういう世代のメインテーマです。起業するに当たっても、論文を書くに当たっても、そこが中心のテーマになっていますので、是非そういう力を生かさない手はないかなって思っています。ワークショップ形式やセミナーなどで意見を交換し、対話する機会を設けて、アクションプランにつなげていくと、大きな輪が広がるかなと思いましたので、御提案といいますか、希望です。よろしくお願いいたします。

○消費者庁尾原消費者政策課長 先生、ありがとうございます。引き続き、そういう事例もにらみながら、若い人たちと一緒にやれる仕組みも我々もいろいろ勉強させていただければと思います。御指導のほど、よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。

それでは、議論は以上にしたいと思います。

多様な御質問、御意見を出していただき、それから御回答いただきまして、どうもありがとうございました。

まず、消費生活相談のデジタル化について御意見がありまして、地方の消費生活センターなど現場に向き合った真のDX化を進めていく必要があるという御意見ですけれども、御回答として、現場の実務に堪え得るようなプランを作成して、それについての丁寧な説明をしていくという御回答がありました。

それから、この改正法の運用に関して、今後の実態把握という面では、この法律の実効性がどのようなものとして評価することができるかということがありますけれども、契約書面等の電子化に関しては、デジタル機器の使用が苦手な人等、消費者に対して不利益が生じたり、あるいは被害が生じたりすることも危惧されているわけでありまして、そういう被害の実態を把握していく必要があるということで、この点について重要な課題として取り組んでいただきたいという御意見がありました。

それから、SNSの利用についても御意見がありまして、もともとSNSのようなものは電磁的方法による提供として想定されていたのかどうかということについての御質問がありましたけれども、これについては基本的にはメールに添付したり、ウェブサイトからダウンロードをするような場合が想定されているけれども、SNSを介することについても特に対象外としていることではないという御回答があり、SNSの中には一定期間でデータが消えるようなツールもあるけれども、このような場合は消費者の使用に係る電子計算機にファイルが記録されたとは言えないという御回答がありました。

特にデジタルの世界は日々進歩するということでありまして、それをキャッチしていくことが非常に重要な課題になってきますけれども、生成AIやチャットGPTなどの日進月歩な技術が日々現れている状況において、具体的に消費者がそれに対応するということですので、消費者教育として自立した消費者をつくっていくことが大事であり、状況によっては消費者が被害者ではなくて加害者にもなる側面にも注意する必要があるという御指摘がありました。

それから、特にデジタル環境の日々の進歩に接する最前線にいる若者、Z世代と一緒に課題解決に取り組むことが必要ではないかという御意見もありまして、これも今後を見据えるという点では非常に重要な御指摘だと思いました。

その他、貴重な御意見も出ておりますけれども、以上にさせていただきたいと思います。消費者委員会としましては、今後も改正法施行後の状況を注視した上で、必要に応じて調査審議を行ってまいります。

消費者庁におかれましては、本日はお忙しいところ審議に御協力いただき、ありがとうございました。

どうぞ御退席ください。どうもありがとうございました。

(消費者庁 退室)


《4. その他》

○後藤委員長 それでは、最後の議題になります。消費者委員会運営規程第2条第2項の規定に基づいて、本会議を持ち回り開催し、5月12日付けで「特定小売供給約款の変更認可申請に関する消費者委員会意見」を決定いたしましたので、同条第3項の規定に基づき報告をいたします。

意見の内容を含め、その詳細については、事務局より御報告をお願いいたします。

○友行参事官 それでは、まず資料3-1を御覧いただけますでしょうか。特定小売供給約款の変更認可申請に関する消費者委員会意見の決定について、御報告でございます。

先ほど委員長からもお話がありましたように、1ポツでございますけれども、令和5年5月12日に第401回消費者委員会本会議を持ち回り開催し、ただいま申し上げました特定小売供給約款の変更認可申請に関する消費者委員会意見について決定していただきました。

その結果につきましては、3ポツにございますが、書面により委員の賛否を問い、10名の委員全ての方に御賛成いただいたところでございます。

意見本体につきましては、資料3-2でございます。持ち回り開催を行った同日付け、5月12日の日付で、消費者委員会意見ということで、消費者庁宛て発出したところでございます。

現在の状況でございますけれども、承知しておりますのは、5月16日に物価問題に関する関係閣僚会議が開催され、査定方針案については承認されたと承知しております。

委員会意見の内容でございますけれども、既に御確認いただいているところでございます。資料3-3に概要を付けてございます。念のため、もう一度ざっと御報告の意味で御説明いたします。

資料3-3でございますが、まず第1で、事業者の信頼性に関する事項という形で整理しております。各電力会社は消費者に対して、不正事案の一連のてん末や再発防止策を説明すべきでありとか、再発防止の徹底に向けた電取委の監視機能の強化、電気事業法・ガイドラインへの行為規制や罰則強化を含む更なる対応を検討すべきといったことなどをまとめていただいたところでございます。

本委員の委員の方から、特にこの部分については、事業者のガバナンスについてきちんと指摘すべきだというような御意見を頂きました。その部分については、意見の中でしっかりと盛り込んでいただいているところでございます。

第2としては、電気料金制度全般に関してでございます。今回の値上げに際して、前回の値上げは約10年前だったわけでございますが、その間、電力システム改革が進んでまいりました。最初のマルのところでありますけれども、電気は生活必需財でありますが、複雑な制度、料金体系がとても複雑になっているというところを改めて認識したということでございます。

そうしたことを受けて、第2のところにありますように、5つの項目について意見をまとめていただきました。電力システム改革がもたらす影響の消費者への説明、経過措置料金などの検討に際しての消費者保護の視点、自由料金の値上げの影響に対する対応、再エネ賦課金などの情報提供、最後の5つ目としては、福祉政策の観点からの消費者保護策の重要性もまとめていただいたところでございます。

2ページ目にまいりまして、第3の電気規制料金値上げの査定方針案についてでございます。既に認可されているところでございますが、委員会からも、全般的なことについては適切に取りまとめられたという形で評価していただいて、意見を発出しました。「ただし」ということで、幾つかの項目については改善点を求めたところでございます。

最後の第4の消費者に対する周知等に関する事項でございます。4つに分けまして意見をまとめていただいております。特に2つ目の消費生活相談を踏まえた対応でございます。経産省・消費者庁・事業者に対して、消費者に対する丁寧な情報提供や消費者啓発、消費者教育についても努めるべきというような内容を記載していただいております。

この点について、専門調査会の委員からは、消費者もこういった啓発や情報についてアンテナを張って関心を持つことが大事ではないかというような御意見も頂きましたので、御紹介いたします。

御説明としては以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、この件につきまして強調しておきたいことなど、何かコメントがありましたらお願いいたします。15分程度を予定しております。

大石委員、よろしくお願いします。

○大石委員 大石です。御説明ありがとうございました。

今回のワーキングに私も参加いたしまして、いろいろな消費者団体、消費者の声を聴いた上でこの取りまとめに至ったわけですけれども、不祥事が続いたこともあり、そもそも事業者に対する信頼性が損なわれたことも今回の取りまとめの中では大きく指摘をしてあり、まずはこの信頼回復に事業者は頑張ってもらいたいという思いがあります。

それと同時に、私自身も今まで電力の自由化に関わってきた中で、消費者への丁寧な分かりやすい説明があまりにも不足していたということも今回改めて明らかになったということで、これは電力ということで、主に経済産業省が中心にこれまで検討されてきたのですけれども、消費者庁においても、生活のインフラの一部であるということで、例えば消費者基本計画の中にこのような生活インフラの1つとして、消費者が知っておくべきことという消費者教育やエシカル消費の中にも是非取り入れていただけると有り難いかなと思いました。

以上です。感想になります。

○後藤委員長 どうもありがとうございます。

ほかにございませんでしょうか。

木村委員、よろしくお願いします。

○木村委員 木村です。

今回、電力のことをいろいろと検討してきたのですけれども、先ほど大石委員の発言にもありましたが、消費者への丁寧な説明がやはり必要であるということ。自由化ということがどういうことなのかというのがなかなか分からないまま、日々の料金が安くなるよとか、いろいろな事業者の言葉に従って契約変更してしまって、今しまったと思っている消費者も多いのではないかと懸念しているところでございます。

生活のインフラとして電気は本当に必要で、デジタル化を進めるという観点からは、本当に電気がないとデジタル化はできないと思っております。そういう意味でも、今回盛り込んでいただいた内容の中で、消費者保護の観点と福祉政策の観点で、消費者が電気がなくて困ることがないようにしていただきたいと思っております。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかに御意見はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

御意見を頂きましたけれども、事務局としては何かコメントはございますか。

○友行参事官 事務局としては、公共料金等専門調査会の委員からも、しっかりと引き続いてフォローアップをしていくことが大事だというようなお話もございましたので、そのような方向で対応していければと思っております。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。それでは、そのような方向でよろしくお願いいたします。

青木委員、よろしくお願いします。

○青木委員 ありがとうございます。

意見の中身については、申し上げたように各社のガバナンスのところの強化を私は是非お願いしたいと思い、御検討いただいたということで、全体としては非常に詳細に検討いただいているのですが、今、ニュースで電力料金値上げというのが取り上げられている。このタイミングでしっかりと料金体系や情報提供、お願いしていた内容をこのタイミングで是非急いで情報提供をしっかりと進めてほしいなと感じております。

意見です。ありがとうございます。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

よろしいでしょうか。ほかにございませんでしょうか。


《5. 閉会》

○後藤委員長 それでは、本日の議題は以上になります。

最後に、事務局より、今後の予定について御説明をお願いいたします。

○友行参事官 次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)