第396回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2023年4月6日(木)13:00~15:24

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長、青木委員、飯島委員、生駒委員、大石委員
    (テレビ会議)受田委員長代理、木村委員、黒木委員、清水委員
  • 【説明者】
    一般社団法人全国消費者団体連絡会 浦郷事務局長
    一般社団法人全国消費者団体連絡会 三谷事務局次長
    一般社団法人全国消費者団体連絡会 大出政策担当
    特定非営利活動法人消費者機構日本 板谷専務理事
  • 【事務局】
    小林事務局長、岡本審議官、友行参事官

議事次第

  1. 消費者団体の現状について

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1. 開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから、第396回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、青木委員、飯島委員、生駒委員、大石委員、私が会議室にて出席、受田委員長代理、木村委員、黒木委員、清水委員が、テレビ会議システムにて御出席です。

星野委員は、御欠席です。

開催に当たり、会議の進め方等について事務局より説明をお願いいたします。

○友行参事官 本日は、テレビ会議システムを活用して進行いたします。

配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。お手元の資料に不備などがございましたら、お申し出くださいますようお願いいたします。

以上です。


《2. 消費者団体の現状について》

○後藤委員長 本日の議題は、消費者団体の現状についてです。

消費者団体は、会員同士での学習や啓発活動などの共益的な役割に加え、政策決定の過程で消費者の立場からの意見を述べることや、地域での見守り活動の担い手となることといった公益的役割を担ってきました。

社会の高齢化、デジタル化等の進展に伴い、対応すべき消費者問題の幅が広がってきている中、官民が連携した取組が重要であり、その担い手としての消費者団体の役割等について、当委員会でも調査審議したいと考えております。

本日は、オンラインにて、一般社団法人全国消費者団体連絡会事務局長の浦郷由季様、事務局次長の三谷和央様、政策担当の大出友記子様に御出席いただき、また、会議室には、特定非営利活動法人消費者機構日本専務理事の板谷伸彦様にお越しいただいております。大変お忙しいところ、誠にありがとうございます。

最初に、事務局から消費者団体調査の取組について説明した後に、全国消費者団体連絡会様、消費者機構日本様の順で御発表いただき、最後にまとめて質疑応答、意見交換の時間を取らせていただきます。

それでは、事務局より10分程度でお願いいたします。

○友行参事官 それでは、資料1-1と1-2について御説明いたします。最初に、資料1-1を御覧いただけますでしょうか。「消費者団体調査の実施について」ということでございます。

1番、「目的」でございます。社会の高齢化やデジタル化などが進展する中で、対応すべき消費者問題の幅は広がってきております。いわゆる消費者団体は、会員同士で学習会や共同購入など、共益的な役割に加えまして、政策形成過程で意見を述べるといったことや、地域での見守り活動の担い手となるなど、公益的な役割を担っていると考えられます。

他方、近年消費者団体においては、担い手の不足や財政基盤の脆弱化など、活動維持が困難となっているといった声も聞かれます。

消費者団体が社会から期待される役割のうち、特に政策提言の機能に着目して、その機能が将来も維持、発揮されるよう、消費者団体の実態を調査し、課題とその対応策を検討していくこととしてはどうかということでございます。

2の「調査の進め方」、「(1)調査対象」です。いわゆる消費者団体と申しましても、規模の小さなものから、全国規模のものまで様々ございます。今回の消費者団体調査においては、地方公共団体との関わりや協力関係のある団体と、適格消費者団体、また、政府の審議会に参加している団体、全国団体などを中心に調査対象としてはどうかということでございます。

具体的な調査の方法でございます。基本的には、団体にヒアリング調査などを行い、現状把握を行う。その上で、課題への対応策などを検討していってはどうかということでございます。

成果物のイメージでございますけれども、実態調査がまずということですので、団体のリストでありますとか、ヒアリングで明らかになった課題や、論点などを整理していくということではどうかということでございます。

3の「スケジュール」です。まず、都道府県との関わりや協力関係のある団体が、政府の審議会などに参加している団体のリストなどを整理し、関連の有識者や都道府県などからヒアリング調査を行うことからスタートいたします。

そして、5月から6月にかけて、課題や論点などを整理していき、7月頃までには、論点や課題などの整理などを含む取りまとめを行えればということでございます。

担当委員としては、大石委員、木村委員、清水委員になっていただくことを御了解いただいております。

資料1-2にまいります。

消費者団体の概要でございます。こちらは、事務局の責任において整理したペーパーでございます。

いわゆる消費者団体といっても、いろいろな団体がございます。1ポツのところで「消費者団体の類型」としております。これが絶対的なものということかどうかは、議論があるところかもしれませんが、事務局では現時点、一旦このように整理いたしました。

①として、広域的・総合的に活動する団体でございます。イメージとしては全国団体で、案件としてもいろいろなものを扱う団体というところでございます。

②として、主に県域で活動する団体であります。例えば名称として、何とか県消費者団体連絡会などの名称となっている団体をイメージしています。

③として、地域で活動する団体であります。何とか市くらしの会など、もう少し県域よりは規模の小さな団体をイメージしています。食品や環境問題、見守り、リサイクル、料理教室、フードバンクなど、いろいろな身近な問題に取り組んでいる団体をイメージして整理しています。

④として、職能団体でございます。相談員などの全国団体ですとか、そういったところをイメージした分類としています。

⑤として、適格消費者団体。

⑥として、ワンイシュー型団体としております。規模は小さいもの、それから全国的なもの、いろいろあるかと思いますけれども、多くの様々な問題を扱うというよりは、消費者教育だけだったりとか、食品安全を中心にとか、子供の安全問題など、特定のテーマに特化して活動する団体をイメージして、このように分類しています。

この類型が、何か絶対的なものかどうかということは別として、一つ、消費者団体というものを考えたときに、およそこういうような形でグルーピングできるのではないかということで、御参考のために提示いたします。

2番として、「消費者団体の役割」でございます。

消費者団体の役割をどう見るかということでございますが、一つ参考になるものとして、消費者基本法の第8条の記載を最初のポツに記載しております。

消費者団体は、消費生活に関する情報の収集及び提供並びに意見の表明、消費者に対する啓発及び教育、消費者の被害の防止及び救済のための活動、その他の消費者の消費生活の安定及び向上を図るための、健全かつ自主的な活動に努めるものとするというところでございます。

2つ目のポツでございます。このページの一番下のところにありますように、少し古いのですが、平成15年に国生審でまとめられた資料の中の記載を引用しています。

「消費者団体は、その多様な活動形態等に応じて」とありますが、例えば「情報の収集、発信」「消費者教育、啓発」「消費者政策への意見の反映」「消費者の視点に立った市場の監視」「消費者被害救済の支援」などに努める必要があるといったような整理がなされております。

こういった、消費者団体についての大まかな類型、それから、役割や機能などということを、一旦事務局では整理いたしました。

次の2ページ目、3ページ目を御覧いただけますでしょうか。

3ページ目にまいります。

3ポツで「消費者行政における官民連携の現状と可能性(連携のアイデア)」とございます。

こちらの出所でございますけれども、真ん中当たりに「参考」とございますが、消費者行政における新たな官民連携の在り方に関する調査報告というものを、かつて委員会でワーキンググループを設置してまとめていただきました。

その中に、3の項目で、「消費者行政における官民連携の現状と可能性(連携のアイデア)」という項目がございます。そこに連携の主体として、消費者団体や適格消費者団体というものを挙げております。

それらのそれぞれ期待される役割として、消費者団体は地域性の発揮や独自性の発揮、行政、事業者と消費者の仲介役と整理いたしました。

そして、連携強化に向けた行政の支援策としては、そこにございますように、積極的な情報提供とIT活用に係る技術的支援といったことのアイデアを検討していただき、こういった形で整理いたしております。

適格消費者団体について期待される役割としては、市場における公益的な団体となされております。

連携強化に向けた行政の支援策、アイデアというものは、そこにございますように、地方消費者行政推進交付金の拡充や基金の設立などといったことで、議論を整理させていただいております。

事務局からの御説明は、以上です。

○後藤委員長 ありがとうございます。

それでは、一般社団法人全国消費者団体連絡会、浦郷様、御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○全国消費者団体連絡会浦郷事務局長 全国消費者団体連絡会事務局長の浦郷と申します。本日は、よろしくお願いいたします。

それでは、早速、レジュメに沿ってお話をいたします。

まず、全国消費者団体連絡会ですが、1956年に設立された消費者団体の全国的な連絡組織となります。

緩やかにつながりながら、消費者問題、食品の安全・表示、環境・エネルギーなど、暮らしに関わる様々なテーマについて、学習活動・政策提言・立法運動などに取り組んでいます。

会員団体は、現在49、こちらの資料にあるとおりです。地域単位の消費者連絡組織が26、全国的消費者組織が14、消費者問題に関わる非営利組織が9となっております。

この地域単位の消費者連絡組織ですけれども、一番上にあります消費者支援ネット北海道は、特定適格消費者団体になります。

また、真ん中より少し下のほうにあります、特定非営利活動法人消費者支援ネットいしかわ、こちらは適格消費者団体となります。

あと、そのほかのところは、何とか県消費者団体連絡会というところが大半なのですけれども、そこの県の生協連の事務局の方が、こちらの消費者団体連絡会を兼務して担っていらっしゃるというところが、大半ではないかと思っております。

それぞれ県内の消費者団体、幾つか消費者団体がありますけれども、それの連絡会となっているところです。

全国的消費者組織のほうは、皆さん御存じの主婦連合会を始め、全国的に組織されているところで、特に全国消費生活相談員協会、日本消費者協会、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会のように、相談員が会員になってらっしゃる、相談業務を行っている団体もございます。

あとは、司法書士会ですとか、生活協同組合連合会なども入っておりますし、全労済ですとか、労福協のような労働者関係の組織も入っております。

また、消費者問題に関わる非営利組織は、最近少しずつ増えてきているところですけれども、それこそ先ほどもありましたように、ワンイシューということで、特定のテーマに関して活動されている団体で、私どもの会員団体も、食とか国際、あと通信、子供の事故防止などのテーマで活動されている団体が会員となっているところです。

続いて次のスライド、消費者を取り巻く課題は、食の安全や環境、インターネットなど時代ごとに変化して、そうした課題解決に向けて政府への要請を進め、法整備などをされてきました。

具体的な消費者をめぐる主な出来事と制定された法律、年表については、スライド3と4のほうをお読み取りいただければと思います。

次に、スライドの5になります。

消費者運動の変遷です。大きくざっくりと2つに分けられていますが、政府への要請の進め方については、1990年頃までは、デモとか集会とか署名、それこそ反対運動といったキャンペーン型の運動でしたが、1994年に成立した製造物責任法、PL法の制定に向けた活動から、政策提言型運動へと転換していっているところです。

次、スライドの6、これは、冒頭事務局からも御説明があったかと思います、消費者団体の役割、消費者基本法の中にきちんと位置付けられているということです。

次に、スライド7です。消費者団体の例です。それぞれ、何を中心に取り組んでいるのかという違いを御理解いただければと思います。

一番上の主婦連とか、全国消団連などは、消費者の立場からの情報の収集や意見を述べる活動というのを中心にやっております。

また、全相協、NACS、日消協などは、消費生活相談員が中心に構成されておりまして、相談業務から教育や啓発、こちらのほうの事業、委託事業などもたくさん受けていらっしゃると思いますけれども、そういう活動をされているところです。

それから、差止請求や集団訴訟などということで、ここにCOJとKC’sのマークが出ていますけれども、これは、後ほどCOJからも御説明があるかと思いますが、現在、特定適格団体4団体、それから適格団体19団体あるかと思います。

それから、日本生協連や全労済のような事業を通じて、消費生活の向上に取り組む団体、消費者団体といいましても、それぞれ取り組んでいるものに少しずつ違いがありますけれども、様々な団体があるというところを御紹介いたしました。

続きまして、全国消団連の活動について御紹介します。

活動方針については、ここ最近は、この3つの方針です。「消費者問題・消費者運動への社会的な理解促進と主体的な基盤整備」、「消費者が安全で安心できるくらしの確保」、「国内各団体や国際的な消費者運動との連携強化」。この3つを方針として、取組を進めています。

まず、1番目の「消費者問題・消費者運動への社会的な理解促進と主体的な基盤整備」というところでは、具体的には何をやっているかというと、インターンシップの受入れとか、大学生対象の講義など、若い世代へのアプローチ、多くの方に知ってもらって参加していただきたいということで、特に若い世代に対しては、インターンシップの受入れなどをやっております。

また、情報提供としてホームページや機関誌の発行、あとSNSによる情報の発信、また、最近ではYouTubeでの若者向けの啓発動画なども作っておりまして、注意喚起をしているところです。

続いて、2番目の「消費者が安全で安心できるくらしの確保」、こちらは、下のほうにありますように、それぞれ「消費者政策分野」、「食の安全・表示分野」、「環境・エネルギー分野」という3つの分野において、国の審議会等への委員参加や意見書、パブリックコメント等の提出、また、学習会等の開催をしております。

具体的にどんなことに取り組んでいるか、次のスライドで御説明します。

このほかにも、例えば、総務省から通信関係の学習会をやってほしいとか、パブコメに対応してほしいという依頼があって、それに対応したり、国交省から鉄道運賃やタクシー運賃に関する検討会で意見を言ってほしいということで対応したり、クレジット決済に関する学習会を開催したりなどしております。都度、依頼のあった課題については、必要と判断した場合、対応しているところです。

3番目の「国内各団体や国際的な消費者運動との連携強化」というところでは、私たちは、全国消団連の事務局自体も会員団体について知りたいというところ、また、会員団体同士の連携を深めるということもありまして、会員団体同士の交流会を開催しております。

また、国際連携を強めるため、国際活動専門委員会による学習や、CI、国際消費者機構との懇談などをして連携していたりとか、あとPLオンブズ会議では、会員団体のみならず、製品安全に見識のある有識者の先生方にもたくさん御参加いただき、議論を重ねて年に1回、報告のシンポジウムを開催しております。

また、消費者関連法の改正につきましては、日本弁護士連合会などと連携をして取り組んでいます。

そして、ここにも書かせていただきましたが、審議会等への委員参加は約20会議、それから意見書、パブコメなどは年間約20本、学習会も年間約20回と、かなりのボリュームで取り組んでいます。

これだけのことをやっていますが、全国消団連の事務局は、全員で7人です。事務局長は私一人です。事務局次長が2名、あと政策スタッフが各分野1名ずつ、あと庶務と会計をやってくださる方が1名ということです。

少数精鋭で様々取り組んでいますが、消費者問題だからといって全国消団連に持ち込まれる課題について、全て対応するということは難しい状況となっています。

もう一言言わせてもらいますと、一応皆さん、勤務時間の管理をしてもらっているところですが、時間外勤務の限度を超過してしまうような状況となっています。

続いて、次のスライドです。

こちらは、各分野で取り組んでいることを具体的に記載しております。やはり消費者法関連は多くなっていますので、消費者政策分野のほうは少しボリュームが大きくなっています。

また、環境・エネルギーのところは、やはり基本計画が改定される年とか、今、電気料金の値上げとかも出ていますけれども、そういう料金関係のところの動きがあったときなどは、対応が忙しくなってきているところです。

続きまして、スライドの10番です。

こちらは、2011年に策定されました「新・消費者運動ビジョン」の中にあります、取組を強化すべき課題とその対応ということになりますが、このとき取組を強化するべき課題として、消費者被害の急増と多様化への対応、それから企業の不祥事多発への対応、政策決定過程における消費者の意見反映を進めるための対応と3つありますが、今回は政策提言機能に着目ということを聞いておりますので、この(3)の「政策決定過程における消費者の意見反映を進めるための対応」について、お話をしたいと思います。

これを進めるために、提言・意見を求められる領域の広がりに対応するとか、暮らしの実情に根差した政策提言の内容をより深化させていくとか、消費者代表を消費者団体から輩出する、また、消費者代表を支えていく、いろいろこういうことが必要ということが書いてあります。

全国消団連としましては、提言・意見を求められる領域の広がりへの対応、また、提言内容の深化については、一応対応できているのではないかとは思っております。

しかし、委員としての消費者代表を消費者団体から輩出し続けということに関しましては、全国消団連が対応することにも限界がありますし、会員団体のほうに委員をお願いするにしても、担っていただける方が限られておりまして、年々難しくなってきているところです。

また、消費者団体を支えていくというところにつきましては、消費者庁の法改正検討会に入っていらっしゃる委員とか、経産省のエネルギー関連の検討会に入っていらっしゃる委員などについては、全国消団連のほうでバックアップ会議というものを開催して、その委員の皆さんへのサポートを進めながら情報を共有しているところです。

この課題について、会員団体においてはどうかということですけれども、提言・意見に関しましては、消費者団体として意見出しが必要と思われる課題については、全国消団連の中で学習会を行い、全国消団連の意見書も参考にしてもらって、意見書を出してください、提出してくださいということを促していますが、傾向として意見を出せる団体というのは、一定限られてきているのかなと思えます。

また、委員の輩出などにつきましては、地域の消費者団体、その圏域内でも、いろいろ県の審議会とかがあると思いますが、そこの会議へ委員をどのくらい出しているのか、どのぐらい担うことができているのかというのは、私どものところでは、今のところ把握ができていないところです。

続きまして、都道府県調査からの現状と問題意識については、三谷から説明いたします。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 次長の三谷です。

都道府県行政調査について、簡単に御説明します。

全国消団連には、地方消費者行政プロジェクトといいまして、地域の各県の消団連や、消費生活相談員、それから、弁護士の方などに集まっていただいて、地方消費者行政をどう充実・強化していけばいいかということを検討させていただいております。

以前、消費者委員会でも報告させていただいたことがあるかと思います。

こちらでは、毎年調査を全都道府県に向けて実施しております。毎年テーマは、少しずつ重点テーマを変えてやっておりまして、数年前だとコロナの対応で行政はきちんと対応できているかみたいなところで、テーマを決めてやっています。

今回の調査では、3番に「消費者団体、特定適格消費者団体、適格消費者団体の活動の充実について」ということで、特出しして聞きました。

その結果なのですけれども、左側は、実際に消費者団体、都道府県の回答ですが、消費者団体の活動に対する支援がどう行われているかというのを聞いたところです。

一番多かったのが、審議会委員の委嘱とか見守りですね、消費者安全確保地域協議会の構成員を含んでおりますが、こうした委員委嘱というのが34県ありました。ただ逆に言うと、13県ではないのかなというところがあります。

これが最も多くて、次が消費者の啓発、教育事業の委託ということで、21県あるのが2番目に多いのですけれども、21県ということで、半数以上の県でやっていないと、委嘱していない、委託していないという状態が見て取れます。

その他、相談事業の委託ですとか、事務所等の貸与や提供等々いろいろな支援、連携があるのですけれども、わずかというところになっております。

各都道府県から、消費者団体との連携や活動支援での課題について御意見を伺いました。やはり多かったのが、消費者団体構成員の高齢化、減少を指摘するものでした。高齢化が進み、団体の構成員の減少によって担い手が不足し、専門人材が少なくなり、活動規模が縮小し、団体の衰退・弱体化の指摘が11県に上るということで、非常に多く意見を頂いているところです。

また、この活動の維持や団体自体が存続できない可能性があるとの危機的な指摘とか、あるいは補助金、委託金の交付や施設の無償提供などの支援の対象となる活動が減少して、委託自体が困難になっているということも複数ありました。

それから、行政側の財源とか人員不足も指摘があります。補助金等の独自財源確保が困難であるということですとか、国の交付金も先細りであって、これが終了すると、継続的な支援が困難になるという指摘が複数ありました。

また、マンパワーの問題です。県が主体となって団体と連携して活動を行うには、職員の人手が足りないというところで、多くの県でも兼業というところで、消費者行政に力が割けない、そういう中で団体との連携を行ったりすることもできないといった指摘もありました。

その他の指摘のところでは、やはり連携がない県とかもありますので、どういった支援をすべきか、ということ自体が分からないというところもありました。

特になしというところが26県もありまして、消費者団体に対して特段のイメージあるいは何も考えているところがないというのが26県というのも深刻かと思っております。

今のは、一般消費者団体に向けての質問で、適格団体、特定適格は、支援の内容や連携の内容も変わってきますので分けています。

こちらのほうは、後ほどCOJのほうからもお話があると思いますので、お読み取りいただければと思っておりますが、全体的に言えば、やはり財政の課題、あと、担い手の課題というところは、共通して挙げられていたかと思います。

もう一つ、2017年に全国消団連自身で調査を行っております。消費者団体アンケート調査ということで、これは会員団体に向けて現状の課題、それから会員の増加状況、担い手の育成状況、財政の強化状況、ネットワークの強化等について調査をしまして、30団体ほど回答を頂いたのですが、多くの団体が会員数も、団体収入も減少傾向にあるということで、活動の活性化ということは、長年の課題であるということが浮き彫りになっているところです。

調査としては、以上です。

○全国消費者団体連絡会浦郷事務局長 最後に、こちらのスライドですが、今回、消費者委員会から、消費者団体調査というのがあったのですけれども、それに回答するに当たり、現時点での状況と課題について、改めて事務局の中で論議したものになります。

会員団体と議論したものではなくて、あくまでも事務局の主観としてお聞きいただければと思います。

先ほども申し上げましたが、社会の国際化、デジタル化の進展の中、そうした課題も多岐にわたり、各課題の内容も複雑になっており、併せて、行政等では、消費者の声を求める審議会というのも増えてきています。

こういう状況に対し、現状の主な課題について3点挙げさせていただいています。

まず、「対応力の課題」というところですが、地域の消費者団体を始め、私たちは専門家集団でもなく、構成員の高齢化や減少ということもありまして、複雑かつ広範になってきている課題への理解や、意見出しなどへの対応が困難になってきています。

また、「消費者の声の機能としての課題」については、政策提言をするに当たり、一般消費者全体の声として適切にまとめられているのかという課題もあります。

また、財政的な課題ですが、政策提言を行うには、各課題の内容をよく理解した上で、改善を求めるだけの力量と時間というのが必要なのですけれども、その労力に見合った報酬を得られる仕組みにはなっていないところです。

消費者団体の現状は、社会的期待は大きくなってきていますが、それに対応するのが少し困難な状況になってきています。

ですので、そのためにも団体への新たな加入や活動への参加、また、ほかの分野の団体や専門家との連携強化などにより、新しい視点や意見を取り入れながら、知識や経過などを継承しつつ、世代交代というのを進めていく必要があると思っています。

以上、全国消団連からの報告となります。

URLを付けていますので、情報発信のほうは見ていただければと思います。

御清聴ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

続きまして、特定非営利活動法人消費者機構日本の板谷様、よろしくお願いいたします。

○消費者機構日本板谷専務理事 ありがとうございます。消費者機構日本の板谷と申します。

今回頂いたテーマについて、普段、団体内で話し合う機会がそれほどあるわけではないのですが、せっかく頂いた機会ですので、現状を紹介しつつ、私自身の意見も含めて御報告させていただければと思っております。

資料の表紙のところに「主な内容」ということで、3点書きました。

1つ目は「関係主体との連携の仕組みづくり」、2つ目は「組織の特徴と社員数要件」、3つ目は、これが今回のメインなのだと思うのですけれども「政策提言での適格団体の立ち位置」についてです。

これらは、特にセクションを分けておりませんが、流れの中で、この3つのことをお話ししたいと思っています。

次のページは適格消費者団体の概要ということです。適格消費者団体は、消費者団体訴訟制度を活用するために準備された団体ということです。

消費者機構日本が認定の第1号になったのですが、現在では、全国23団体が差止請求を担う適格消費者団体で、そのうちオレンジの網掛けをした4団体が被害回復を担う特定適格消費者団体ということになっています。

次のページは活動内容ですが、その中心は差止請求と被害回復になります。

それぞれ図にあるような流れで、消費者から寄せられた情報を基に、まずは事業者のほうに改善を申し入れて、改善に至らなければ、差止なり回復なりを求めて裁判に訴えるという流れです。

差止は、最終的に裁判で決着をつけて終了ということになるのですけれども、被害回復のほうは少しユニークで、2段階に分かれています。

まず、第1段階目の裁判で、事業者に支払い義務があるかどうかという確認判決を出していただいて、その後、個々の消費者に金額確定の手続に参加していただくという流れになっています。

次のページは定款に定める事業です。これはCOJの定款なのですけれども、9つの事業を掲げています。この(1)から(3)までが、差止請求関係業務、被害回復関係業務になります。(1)は、(2)(3)の前段階の情報収集だとかになりますけれども、(1)から(3)までが、いわゆる適格消費者団体、特定適格消費者団体としての活動ということになります。そこに2021年度の事業費を添えておきましたが、ボリュームを見ると、団体の活動の中では差止請求関係業務と被害回復関係業務が大部分を占めています。

次のページを御覧ください。ところが、この活動で得られる収入への道がとても乏しいというところが大問題ということになります。

差止請求のほうは、消費者契約法の第28条で相手方から財産上の利益を受けてはならないということになっていますので、全て団体の持ち出しで行うということになっています。

つまり、23団体のうち特定認定を受けていない19団体は、そもそもメインの事業である差止請求関係業務から収入が得られないということになります。

特定適格の4団体は、被害回復が訴訟になって、勝訴して、第2段階に至れば、その第2段階に参加した消費者との授権契約によって費用、報酬を回収することができることになっていますが、そもそも訴訟になるのは極めてまれなケースです。支払い能力を有するような事業者、事業をしっかり継続反復していて、世間からのレピュテーションを多少でも気にするような事業者は、そもそも特定適格消費者団体から申入れを受ければ、訴訟に至る前に対応するのが普通なので、訴訟には至らずに終了するということになります。

一方で、我々が申入れをしても無視ないし応じない事業者というのは、それを相手に費用を掛けて裁判で勝ったとしても、そもそも支払い能力がなく、最終的にお金を回収するというところに至らないので、掛けた費用は団体側の負担になってしまいます。それでは団体側が持たないということで、こちら側が提訴を断念せざるを得ない状況になるということであります。

その次のページに2021年度の収入の状況を入れておきました。比較のために他団体の分も幾つかホームページから拾って並べておきました。

これを見ていただくと、会費収入が中心になるわけですけれども、COJのところに1,719万円の事業収益というのが、燦然と輝いています。

これは、2021年度に終了した、東京医大を相手にした被害回復訴訟による収入ということになります。

1,719万円も収入があるのだったらいいではないかと、一見大きく見えるわけですが、次のページがその内訳です。

2017年に提訴して以来、費用を前払いしながら、毎年度毎年度赤字を出しながら続けてきて、ようやく2021年度に1,700万円余りが収入になったということです。

それまで東京医大の訴訟のために掛けてきた費用を差し引くと、260万円程度しか残らないということです。

被害回復制度導入の際の議論で、事業者団体のほうからは、濫訴懸念ということが散々言われたわけですけれども、今の状況を見ると、なかなか裁判を起こすこともできない、裁判を起こしたとしても、なかなか収益として最終に残るものは少ないということで、濫訴という状況にならなかったということは言えるかなと思っています。

次のページは、このメイン事業での収入の道が乏しいという問題をどうするかということなのですけれども、ここは私の思い付きのような話なので、当たっていないかもしれないのですが、この問題の解を行政や事業者団体との連携の中に求められないかなということで考えています。

スライドに引用したのは、消費者委員会のルール形成ワーキングから2019年に出された報告書の一部分なのですけれども、担い手のベストミックスということが書かれています。この組み方を何らか工夫することで、適格消費者団体の機能を発揮できるようにできないでしょうかと思うところであります。

次のページは、行政と事業者からの支援という観点で考えてみたものなのですけれども、行政からの支援というところでは、現状、委託事業を用意していただいたり、補助金を準備していただいたりとか、そういうことになっているということです。

私たちは、民間団体ではありますが、公的機能を担っているということで、行政にはより直接的な財政支援というのを求め続けてきたわけですけれども、この辺は、消費者団体訴訟制度というのが、民間団体が民事ルールを活用して行う活動ということで、行政処分を代行しているわけではないということですので、行政からの直接的な支援というのは、ハードルが高いのかなということを、ずっと思い知らされてきているという状況にあります。

一方で、事業者団体からの支援ということでいきますと、現状、我々の団体もそうですし、他の適格消費者団体、あと、消費者スマイル基金というのがありますけれども、そこを含めて、賛助会費とか寄附金といった形で頂戴してきているというわけですけれども、それ以上の仕組み的な部分は、これまでそんなに追求されてこなかったかなと思っています。

消費者契約法で、相手方から財産上の利益を得ることは禁じられているということですけれども、例えば、業界団体などが、これは仮称ですけれども、市場健全化基金のような仕組みを設けて、それと適格団体が連携・協力して取り組むということは、もしかしたらあり得るのではないかなという気がしております。

今日お話しすることの1点目とした、関係主体との連携の仕組みづくりのまとめとしては、このページの端に書きました。適格団体を市場健全化マシンとしてフル回転させていかなければならないということです。そのために、その本来の機能を果たすことで収入が得られる仕組みが必要ということです。

被害回復だけではなくて、差止請求についても何らかの方法で、活動の成果に対して支払われるような仕組みをうまく設計することができれば、マシンとしてどんどんフル回転していくので、市場も健全化されて、健全な事業者が健全に伸びていく、そういう状態を作れるのではないかなと思います。

ここからは、2点目の話になりますけれども、次のページです。

適格団体であることによる運営上の制約、組織の特徴と社員数要件の話です。

NPO法人ですので、本来は市民が行う自由な社会貢献活動ということなのですが、適格団体であるためには、認定要件を満たさなければなりません。その要件が幾つかあります。

1つは、理事会中心の運営です。理事その他の者に委任されていないことが求められますので、差止とか被害回復とかを進める中で、節目節目のところでは、理事会を開いて理事会で議決しなければなりません。そのため、かなり頻繁に理事会を開催していくことになります。

それから、専門家による事案の検討ということで、消費生活相談員とか弁護士とか、そういう資格を持った人が事案を検討することとされており、しかも秘密保持ということでそのプロセスはオープンにできません。限られたメンバーの中で活動を回していかなければならないということになります。

ですので、このページの図の点線の枠内、ここが事案の検討部門ということになるわけですけれども、その事案の検討部門については、相当忙しく回転をしている状態なのですが、そのほかの会員については、そこにタッチすることができず参加感を得ることができないという、そんな状態なのです。

次のページが会員数の状況ですけれども、先ほどと同じように、COJを含めて、ほかの団体の分も拾っておきました。見ると正会員数(社員)は、大体どこの団体も100名と少しぐらいのところで揃っているという格好になっています。

これはなぜかというと、適格団体の認定要件として、少なくとも会費を納入する等により活動に参加している者が100人存在していることという要件があるわけです。それとの関係で、このようになっていると。

COJの場合は、東京にある団体なので、この分野にもともと関心を持っている専門家が大勢いらっしゃいますから、安くないと思いますけれども、1万円の会費を払っても参加しよう、参加できなくても支援しようという、そういう人も見つけやすいわけですが、これが地方団体になると、この要件をクリアしていくというのは容易ではないと思います。

ここも私の考えになるので、適切かどうかは分かりませんけれども、このガイドラインの100人以上目安の趣旨というのは、実はあまりよく分からなくて、13条3項3号の規定なので、差止請求関係業務を適切に遂行するためということなのだろうと思うのですが、なぜ社員数が100人必要なのかということですね。地方団体が、結構この要件で忙殺されているというのを聞くにつけて、むしろ適切な遂行を妨げているのではないかなとも思えたりします。

また、もし、この趣旨というのが、差止請求を進めるための資金を集めるためということであるとしたら、それも少し筋が違うような気が、実はしています。仕組みを回転させる資金というのは、個人の善意の財布に頼るというよりは、やはり団体の活動の成果に対して何からペイされるようなことによって生み出されるべきではないかと思います。

1つ前の問題に戻るわけですけれども、資金の手当さえ別ルートで賄えるようであれば、100人要件というものは、緩和が検討されてもいいのかなと、私は思っています。

最後に、政策提言での適格団体の立ち位置について、次のページです。

消費者機構日本は、2004年に設立されて以降、現在までに62本の意見書を出しています。ホームページに全部貼っています。

それをざっと見ると、大体、次の(A)(B)(C)に分類できるかなと思っています。

1つは、制度創設運動とか、他団体と連携した取組ということで、これは、2000年代の半ば頃に、差止請求関係の消費者団体訴訟制度づくりというようなことを、他の団体と連携をして取り組んだ、意見書なども出してきた。

2010年代の初期の辺りのところで、被害回復制度づくりということで、やはり創設運動をしたと、それが主な取組です。

「(B)活動条件整備に向けたパブコメ対応」ということで、これは日常的にあるもので、適格消費者団体が根拠としている法律、消費者契約法とか景表法について、法律の改正など、より活動を推進できるように意見を出していくということをしています。

それから(C)として、社会への発信ということで、差止請求や被害回復の取組から、その気付きについて、社会に広く発信していくというような、問題提起をしていくという、そんなことをやってきたのかなということです。

次のページは、社会全体から見たときに、こうした適格消費者団体の政策提言活動の立ち位置というのを見てみたものですけれども、最も重要なのは、このスライドで出した(B)のところ。消費者団体訴訟制度の改善というところだと思います。

消費者団体訴訟制度は、世界の国でも実験的な段階にある実験立法ということで、これからどんどん改善していかなければならない制度かなと思っています。

そのためにも、実際に制度の運用に関わる適格消費者団体でなければ、理解が容易でないテーマでもあるので、この部分は、ほぼ適格消費者団体の固有のテーマとして、しっかり取り組んでいかなければならないと思います。

現状、適格消費者団体というのも、事務局僅少な中でようやく運営しているようなところもあるので、なかなか容易ではないのですが、適格消費者団体間の連携の仕組みについては、将来的には改善の余地があるかなと思っています。こういう消費者団体訴訟制度の改善を進めていくに当たって、しっかり意見・提言を出していけるような体制を作っていかなければならないのではないかと思います。そこには仮にということで適格消費者団体連絡会と書きましたけれども、そういうことをしっかり作っていくというのが、これからかなと思っています。

そこを中心としながら、(A)としましたけれども「消費者関連の法制度改善」。全国消団連等、より総合的なネットワークとの連携だったり、生協連等、より大衆的なネットワークとの連携をしながら、法制度全体の、消費者団体訴訟制度だけでなくて、消費者関連の法制度全体の改善を進めていくということも必要と思います。また、もう一方では、社会への発信ということで、先ほどの社会への発信の機能も進めていかなければならないと思っています。

この(B)を立ち位置にして、(A)(C)を考えるというのが、適格団体の立ち位置かなと考えております。

私からは、以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は70分程度を予定しております。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。御説明ありがとうございました。

全国消団連にお聞きしたいのですが、私も恥ずかしながら全相協の一員ではあるのですが、地方におりまして、最近、消団連の全国の活動を知ったという現状です。コロナ禍で消団連が研修等をネットで配信していただいて、地方の私たち中部支部、愛知、三重、岐阜なのですけれども、学習会に参加できました。年間20回ぐらいやられている中で、私どもの会員も多く参加させていただきました。

そういう中で、私も支部会員に対してメルマガを年間100少し出しているのですが、情報を探している中で、ここ2、3年、消団連の情報をたくさん頂いて、研修等にネットで参加させていただいております。また、ロビー活動、これも地方では弱いところなのですけれども、すごく勉強になり、感謝しております。

しかしながら、やはり活動については、事務所7人ということで、どこもかしこも同じ状況だなと思っていて、本当に頑張っていかなくてはいけないと思うのですが、私もこれからだと思っているのですが、情けないのですが、地方ではいっぱいいっぱいで、相談員の仲間もなかなか増えなくて、そして、仲間も仕事に振り回されていて、消費生活センターの相談で疲弊してしまっている状態で、プラスアルファー、土日とか平日の夜、こういった公益社団等の活動をしてくれる仲間も減っているという状態です。何とかしたいと日々思っております。

そんな中で、今日興味深かったのは、団体の中でワンイシュー型の団体が増えているというのは、これはすごいなと、私たち相談に特化しているので、もっともっと広く考えを持っている方たちと交流していくべきだと思っているのですが、こういう人たちというのは、もともと消団連のメンバーなのか、個々の優秀な方たちも多くいらっしゃるので、そういう方たちが個別に活動をしていっているのか、もしくはほかのところでまた新しい動きで、ワンイシュー型、単一の何か行動をされている方が、新しく消団連に入ってきているのか、そこのところをお聞きしたいのと、逆にどうしたら新しい人たちを入れていくことができるのかというのを、まず1つお聞きしたいです。よろしくお願いします。

○後藤委員長 お願いいたします。

○全国消費者団体連絡会浦郷事務局長 御質問ありがとうございます。

ワンイシュー型の消費者問題に関わる非営利組織というのは、やはり、最近増えてきている。もともといらっしゃる団体もありますけれども、一番新しいところでは、日本消費生活問題研究所というところが、昨年の夏に加入されていますし、その前の年には、Consumer Rights Japanが加入されております。

それぞれ特定のテーマで、目的を持って活動されている方で、例えば、Safe Kids Japanなどは、PLオンブズのところで情報提供を頂きたいということで、お呼びして報告いただいたところで、全国消団連のことを知っていただいて、私どもの団体が全国的に政策提言などもやっている、国へのロビー活動もしているということを知っていただいて、そういうことなら、是非加入したいというところで加入されたりしています。

すみません、補足はありますか。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 ほとんどそのとおりだと思うのですけれども、基本的には、もともと会員団体の中で活動されていた方々とのコネクションから、こちらにつないでいただいて、会員になっていただいたという方、例えば、さっき申し上げたJACARIN、日本消費生活問題研究所の方などは、NACSの会員の方でもあるのですけれども、自分で団体を立ち上げて、事業者のカスタマーセンターの方々とコネクションが強い、少し事業者色のある団体なのですけれども、逆に言えば、そういう方々にも消費者団体の活動を理解してもらうということでは、意義があるのではないかということで入ってもらいました。Consumer Rights Japanは国際問題をやっています。

そういう形で、もともと活動をされている方々の中から紹介でつながったり、あるいは、その活動の中から団体を立ち上げた方などなど、つながりとしては様々あるのですけれども、全く新規で飛び込みでというのは、あまりないかなというところであります。

以上です。

○清水委員 ありがとうございました。引き続き、よろしくお願いします。

続けて、COJにも御質問してよろしいでしょうか。

○後藤委員長 お願いいたします。

○清水委員 私も愛知、名古屋周辺で活動しているだけなのですけれども、地元の適格消費者団体、私ども全相協も適格消費者団体ですけれども、意見交換をする中で、本当に財政面、人の問題、いろいろお聞きしています。COJが一番充実しているというのも、その中でお聞きしているのですが、Cネット東海と名古屋市との懇談会の中で、行政がもっと適格消費者団体とか消費者団体を大事にしないといけないのではないかと発言をしました。

というのも、行政も人が少なくて事業ができなくなる中で、消費者団体とか、特に適格消費者団体が、受託を、いろいろな相談員のスキルアップだとか、見守りの受託もやっているところもあります。

こういうことからすると、もっともっと行政が消費者団体を大事にすべき。逆に言うと、行政と密につながっている地方の消費者団体は成功しているように思うのですが、なかなか地方では、行政の職員もころころ変わって、消費者行政を御理解いただいた頃に、一緒にやろうと言った頃に、またトップや担当が代わってしまう。私たちは、繰り返し繰り返し伝えていくしかないかなと思うのですが、何とか行政を巻き込んで、末永く持続可能にやっていく方法で何か良い方法というのはあるのでしょうか。教えていただけたらと思います。

○後藤委員長 いかがでしょうか。

○消費者機構日本板谷専務理事 今、消費者庁のところで、消費者法の在り方検討会が開催されていて、ヒアリングの要旨を取りまとめたような段階になっていますが、その中身などを見ていますと、適格消費者団体が行政の下請みたいな格好になってしまうと良くないとも思えます。今回のレジュメを作るときも、9ページ目ですかね、これを作るとき、行政からの支援をもう少し何かと思ったりはしたのですけれども、やはり、民間団体が民事ルールを使って行う活動であるから割と伸びやかにできるという面もあるのだろうと思うので、もし行政処分の下請みたいな格好になるとしたら、何か少し活動の性質が変わってくるのかなという気もしますので、行政には、現状のような格好で、委託事業や補助金みたいなことを充実してやっていただくことしかないのかなと思います。むしろ、それよりも業界団体のところとの連携を密にして、民-民の関係で市場を健全化していくというほうが良いのではないかなというのが、私個人の思い方です。

あまり長くなるといけないのですけれども、例えばですけれども、業界団体のほうでも、公正競争規約とか、何か業界の中で自主的ルールを作ってやっていたとしても、やはりアウトサイダー問題というものに、いつも悩んでいるのではないですか。

そういう問題解決に、何か適格団体の機能を活用するような、そんなやり方みたいなことが考えられてもいいのではないかと思ったりしています。

○清水委員 ありがとうございます。

まさしく業界団体というと、今、消費生活センターで通信販売のアウトサイダーに振り回されているのですけれども、私も思うところは、私たちが使っているPIO-NETのデータとJADMAが持っている苦情の数字を合体させて、何とか適格消費者団体と協力し合って、アウトサイダーを市場から排出させるみたいなことができないかと思っていたところでございます。

もう一つは、行政の下請になって、結局、行政の人がいなくてお金がないものを、私たち適格消費者団体とか消費者団体に下ろしてくるというのもいかがなものか、また、私たちがブラック団体になり、結局、深夜遅くまで自宅で作業することがある現状もあるので、悩ましくて、総合的に全てがうまくいく方法を、全ての団体と、もっともっと対話を深くしていかなくてはいけないなと思いました。ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ほかにございませんでしょうか。

飯島委員、よろしくお願いします。

○飯島委員 飯島でございます。貴重な御発表を頂きまして、どうもありがとうございました。

今のやり取りの中で感じたことを1点と、もう1点、合わせて2点、可能な範囲で結構ですので教えていただきたく存じます。

板谷専務理事のお答えの中で、業界団体との連携を密にして民-民の関係で市場を健全化していくという点に感銘を受けたのですけれども、ただ、特に適格消費者団体は、「適格」認定のために法律によって組織のガバナンス等組織の在り方についていわば強制されているという面もありますし、また、消費者法は民事の仕組みで民事ルールを核としていると思いますので、行政との関係において例えば行政からの支援を受けることが単に行政の下請となるのではないという見方もあり得ないだろうかというのが、1点目の御質問です。

もう一つは、政策決定過程への参加の方法としまして、一般論としては、利益代表制審議会、つまり様々な団体の代表が一堂に会して議論を通して利益を調整していくという在り方が、特に1990年代頃から、パブリックコメントへ、つまり全員参加、全員参加は無参加だと言われることもありますけれども、全員が参加して、行政との間で1往復半のコミュニケーションを行うといった参加の方法が非常に重要性を帯びてきたとも言われます。

そういう中で、全消連の御報告の中で、1990年代、PL法制定運動を境に、キャンペーン型から政策提言型に変わったというお話がございました。ちょうどこの時期は、パブリックコメント等の参加の方法が大きく変わった時期でもあったかと思いまして、そういうことの関連でも興味深くお伺いいたしました。

また、COJのほうは、12ページ、13ページで、パブリックコメントを通した活動を軸にして、政策決定過程に関わっていくというお考えをお示しいただきました。パブリックコメントのような、誰もが参加できるというツールを使って参加することが、政策決定過程への参加の方法として、消費者行政の分野ではやはり適切であるのか、お考えを教えていただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、板谷様から。

○消費者機構日本板谷専務理事 私、もしかすると、1つ目の御質問の趣旨を捉え損ねているかもしれないのですけれども、民の側の可能性ということで、民の側の市場健全化マシンみたいな格好で機能していけばいいなと思っています。先ほど公正取引協議会とか業界団体との連携みたいなことがあり得るのではないかという話をしたのですけれども、ああいうアウトサイダー問題で悩んでいるところと連携して協力していくことはあるのではないかと思います。

実際に、情報提供を受けて、適格団体の中で検討して、差止なり何なりというアクションをするわけですけれども、その情報提供を受けるのは、消費者から直接というのは当然あるのですが、そこだけのルートではなくて、過去には、まさしく業界団体から、我が業界のところで、こういう契約書で、こういうことをやっているところがあるので検討してみてほしいということもありました。滅多にはないのですけれども、そういう形の連携というのがあっても良いのではないかと思ったりはします。

それから、2つ目、政策提言のところは、パブリックコメントを通じて改善していくということに特化しているわけではないのですけれども、特にこの消費者団体訴訟制度について言うと、少し専門的な法律関係の話になったりしますので、一般の消費者団体で、なかなか理解が容易でないかと思っています。

きちんと行政の法律の形成プロセスに絡もうとすると、適格消費者団体に協力してくださっているような法律の専門家だとか、消費生活の専門家に絡んでいただいて的確な意見を出していくことが必要で、そんな意味では、一般消費者団体にはない適格消費者団体の固有の役割とも言えると思います。そこにはしっかり対応していかなければいけないなと思っています。

○後藤委員長 ありがとうございました。

消団連は、いかがでしょうか。

○全国消費者団体連絡会浦郷事務局長 御質問ありがとうございます。

政策決定の過程において、国民の意見を広く聴くということで、パブリックコメントがあるわけですけれども、様々なパブリックコメントはありますが、いつ、どこで、どの政策に対してのパブコメが募集されているかというのは、なかなか私たちのほうでも情報を収集してキャッチはしているのですけれども、普段からe-Govのパブコメのページにアクセスする人もそんなにいないと思うので、まず、そういうパブコメが行われていることの情報を得る国民がどのぐらいいるのかというのは、少し疑問に思うところです。

ただ、パブコメということで、私たちの団体でも必要なものには対応しておりますが、それぞれ考えて消費者の立場での意見というのは出しておりますが、果たして、それがきちんと反映されているのかというのは、どうなのかなというところで、最近では形だけ国民に一応意見を聴きましたという形骸化している面もあるのではないかなという懸念は感じているところです。

補足があれば、お願いします。

○全国消費者団体連絡会大出政策担当 大出です。

先ほど全員参加のパブコメというお話があったのですけれども、それが本当に、当然というか国民の権利、消費者の権利としてパブリックコメントを皆さんが出してほしいなという気持ちはすごくあります。

でも、先ほど板谷さんもおっしゃっていたのですけれども、法律関係のものというのは大変理解が難しくて、ある程度の知識がないと、何でも意見が出せるかというところは大変難しいなと思っております。

でも、その前に学習をしながら知見を広げて、的確な意見が出せるようにということで、私たちも意識を持ってパブコメを出しているつもりです。

ですので、先ほど浦郷も言っていましたけれども、私たちの意見も参考に、各消費者団体の方も意見を出してくださいねという声掛けをしたりして、より多くの団体に意見を出していただきたいなという思いはあります。

以上です。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 あと1点、事業者団体との連携についても全国消団連から。

事業者団体との連携というところでいうと、ここ数年、本当に進んできたというところがあるのですけれども、例えば、ACAPとかと意見交換会をしたり、あと、先ほど申し上げたJACARINとか、事業者のカスタマーセンターとかの窓口をやっていらっしゃるような方々が組んでいる団体とも連携を始めて、ここ最近、学習会に事業者が参加されることが多くなってきました。例えば、景品表示法とか、そういったところ、あと、つい先日行った消費者基本計画、こちらにも多くの事業者団体の方も参加されていました。

基本的には、消費者団体を理解していただくとともに、自らこうやって法律の勉強をして、きちんと対応していこうという真っ当な事業者、健全な事業者、市場の健全化を目指すような事業者とは、しっかり連携していくことが、良い循環を生むのではないかということも考えておるところです。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ほかにございますでしょうか。

大石委員、よろしくお願いします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

私自身も消費者団体の一員であり、消団連にも、それからCOJにも、いつもお世話になっており、質問をするのが難しいのですが、まずは、消団連の皆様にお聞きしたいと思います。

今回御紹介いただいた2ページのところの会員団体です。地域単位の消費者連絡組織ということで26団体あって、全国で言えば、県としてはもっといろいろあるわけなのですけれども、今、会員になっていらっしゃる団体以外の他県の団体ですとか、そういうところの消費者の意見を聴こうとする場合に、何かそういう別の場を持っておられるのかということを教えていただければと思います。

私自身、会員を増やすのが大変難しいのは十分承知しており、全国的な組織、消費者団体、私の所属するNACSもそうですけれども、その地方会員から個々の声を聴くということはできるのですが、一方、地域に向けて何か届けるとなると、やはり、できればそれぞれの県にそのような消費者団体があるということは大変望ましいと思うのですけれども、実際には進んでいないというところだと思います。そのあたり、いろいろな御苦労とか、御意見があればお聞きしたいなというのが1点です。

それから、人材と財政の話です。たしかスマイル基金というのを設立されて、これを活用するというお話で、今もやっていて、そのときに休眠預金の活用というような働きもあったと思うのですけれども、その辺りが今どうなっているのかというのをお聞かせいただければ有り難いなと思います。

それから、板谷さんのCOJへは、訴訟ということで専門的なことを扱うので、多分、弁護士ですとか、大学の先生ですとか、かなり、専門家の方たちに関わっていただかないといけないと思うのですけれども、そういう方たちの謝金など、実際、今どのように運営されているのか、是非教えていただければと思いました。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、消団連から、お願いいたします。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 ありがとうございます。

地方の団体との連携、何とかこちらも会員も増やしたいし、連携も増やしたいしということで四苦八苦しておるところですが、昨年は消費者市民ネットワークみえ、それから、一昨年は消費者ネットしまね、こちらは、昨年NPO法人も取得されました。というようなところで、活動を頑張ってやっていらっしゃるところもあるので、しっかりそういうところとつながっていくということが、一つは大事だなと思っています。

ただ、一方で、やはり活動がなかなか進んでいない、あるいは、もう活動自体が実質できていないという県などもありまして、そういったところでは、逆に全国消団連の学習会、あるいは意見案を少し参考にしてもらったりなど、サポートさせていただきながらも、できる範囲で活動をしていただいているかなというところです。

○全国消費者団体連絡会浦郷事務局長 多分、うちの会員団体に入っていない県でも、消費者団体連絡会みたいなのは、各県にはあると思うのですけれども、本来であれば、うちに入っていただきたいところなのですけれども、なかなか全部が全部入るというのは難しいところで、例えば、消費者団体として意見を出しましょうというときは、うちからはうちの会員団体には呼び掛けができるのですけれども、そのほかのところは、多分、うちの会員団体に日本生協連がいますので、そして日本生協連のほうは、各県に生協連がありますので、そちらを通じて情報が行くと、そこの県の消団連にも情報が行くのかな、そうあってほしいなと思っています。

以上です。

○後藤委員長 よろしいですか。

それでは、よろしくお願いします。

○消費者機構日本板谷専務理事 なかなかずばりと、一番問題のところの御指摘なのですけれども、先ほども最初のところで申し上げたようなことで、何か活動の成果を出して、それに対して報酬を得るような状態でないものですから、なかなか専門家の皆さんに、そのプロの能力に見合う報酬をお支払いすることはできず、ほぼボランティアでやっていただいている現状です。

弁護士とか相談員とか、夜6時ぐらいに仕事が終わって、そのあと大体6時半から9時ぐらいまで当機構の検討会議に参加するイメージなのですけれども、そういうのを月1回程度のサイクルで回して、本当に交通費に少し毛が生えたぐらいの謝礼をお支払いしているのが現状です。

それにもかかわらず、なぜか、これは、事務局をやっていても不思議なのですけれども、そういう検討委員会の開催案内をして、来てくださいねという督促を全くしなくても、ほぼいつも100パーセント出席なのです。そこは、すごく不思議で、その情熱につくづく頭が下がるところです。

現在のところは、ようやくもう少し改善していける可能性があるのではないかと考え始めた段階です。

というのは、たまたまCOJの場合は、東京医大と順天堂大学を相手にした被害回復訴訟で、財政的に潤ってきたということで、そこを若干改善していける余地ができてきたかなということであります。

何とかプロとしての活動の半値ぐらいのところを目標に、ある程度の謝礼を準備できるようなことになればいいかなと思っています。

そういうことですけれども、もう一つの問題として、先ほどのプレゼンの中でも申し上げましたが、被害回復訴訟についてはそういう形で報酬の仕組みがあるのでまだ良いのですが、差止請求については、全く手弁当なのです。それで、私たちに協力してくださっている弁護士たちも、たまたま被害回復訴訟の弁護団に入った先生方はそこで今回報酬を得たわけですけれども、差止請求しかやっていない先生方は、今でもずっとボランティア状態ということですので、そことの差を埋めるような内部的な仕掛けも必要かと、今、少し考えているところであります。

もう一点は、それを何とかする手段として、これはすごく有り難い話なのですけれども、行政から委託事業を頂いている部分があります。消費者被害の実態調査の委託事業を消費者庁から頂いていて、それは、競争入札なので、頂けない場合もあるわけですけれども、それが受託できた場合には、そのお金を使って数か月間だけは、もう少しましな謝金を払うことができるという、そんなことになっています。

委託事業というのも、何か適格団体が普段やっている活動と全く別個のテーマの委託事業を受ける、そういう例も結構多いのですけれども、そういう場合だと、やはり労力もそっちに投入しなくてはいけないということで、本来やるべき仕事に手が回らなくなってしまうという問題が出てしまいます。本来事業となるべく重ねる形で進めることができる委託事業が有り難いわけですが、そういう形の委託事業を行政にもっと作っていただけたら有り難いなと思っています。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、黒木委員、よろしくお願いします。

○黒木委員 ありがとうございます。

本当に充実した資料をありがとうございます。その関係で、まず、消団連のほうの報告ですけれども、資料11ページのところで、調査行動として、いわゆる消費者安全確保地域協議会とか重層的支援のことも調査されています。その調査の結果、地方の消費者団体というのはどういう形で、行政のプロジェクトに関与しているのでしょうか。実態として、消費者安全確保地域協議会と重層支援は、実際に実務を担う基礎自治体の現場では重なっているわけですけれども、やる人が1人になってしまったりして、同じ人がやっているという話もあります。そういうところとの関係で、消費者団体というのは、どういう活動をしているのか、この資料の中で抜けていたので、もしもお分かりになったら、その点を教えていただければ有り難いなというのが1点。

次は、板谷さんにお尋ねです。資料の11ページのところの正会員のところなどが全部、特定適格について書かれております。

それで、私は残念ながら差止請求しかできない適格団体の副理事長をしています。初めて適格認定をもらった頃は専門職である弁護士も司法書士も含めて新しいことに対する取り組みたいという意識があって、そういう創設時のコアな人たちは残っているのですけれども、新しい人たちが入ってこないという問題があり、会員数が伸び悩んでいます。

COJの場合は、特に専門職とか、あるいは団体個人の正会員とかが、新しい人たちが入ってきているのかということについて、もしもお分かりになったら教えていただきたいなと思っています。もしも、新しい人たちが入ってくるのだとすると、そのリクルーティングの仕方というのは、どういうところにあるのかというところについても教えていただければと思います。

以上、2点です。よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、消団連からお願いしたいと思います。

○全国消費者団体連絡会大出政策担当 重層の御質問とかがありましたけれども、重層に関しては、やはり県では把握していない、私たちは県に調査をしているので、市町村で把握しているところは3県だけありました。シンポジウムで、実は鎌倉市はすごく重層もやっているし、見守りもやっているという、すごくすばらしい取組をしているのですけれども、県が把握しているかというと、それは難しかったりして、県と市の把握の状況が違うので、調査の仕方は難しかったかなと思っております。

それから、見守りについては、見守りの消費者団体の取組というところは、やはりそこも把握していない、協力員とか協力団体というのを調査したのですけれども、なかなかそれが実態として見守り活動に直結していないかなと思っています。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 補足です。

ちょうど昨日、地方消費者行政プロジェクトをやったときに聞いた事例なのですけれども、長野県消団連ですね、こちらは県と懇談会を行いまして、今後、福祉部門とも連携しようということで、そういう懇談会の場に福祉部局も入ってきて、今後、重層的な見守りですとか、そういったところの連携を深めようということを、県の消費者部局と県消団連との話の中で出て、連携が進み始めたという事例を、昨日ちょうど聞いたところでした。

ですので、やはり県や、基礎自治体のところと消費者団体がまずつながっていて、結構各自治体で行われている見守りサポーターとか、ルールがそれぞれ自治体で違うのですけれども、やはりそういう見守りをされる方、養成講座とかをされているところもあるのですね。きちんとそういう養成講座をされた方々と、あるいはそういう団体と実を取った取組を始めていく、福祉部門と連携していくという動きを見せることが大事なのだろうと感じていますが、実際は、昨日の長野県の話を聞いて、おおっと驚いたくらい少ないです。

以上です。

○黒木委員 ありがとうございました。

○消費者機構日本板谷専務理事 新規会員の獲得についてなのですけれども、この辺は、黒木先生を始めとして、地方の団体と比べて私たちは苦労が足りないと思います。

やはり東京ですと、いろいろな団体の本部もあり、弁護士も多くいて、何も働き掛けをしなくても加入の申込みがあったりします。驚くべきことなのですけれども、活動に賛同するから会員になりますというのが、1年のうちに1件、2件ぐらいはあるのです。

逆に、私たちは活動の適正性を確保するために、加入については理事会で議決をするということにしています。ですので、加入の希望を受けると、まずその人の名前で検索して、その人の背景は何なのかというのを少しこちらで調べてみたりとかをしながら、入っていただいて構わないのかどうかを理事会で議決を取って加入していただくということです。

ただ、恐らく地方の団体はそういうことではなくて、一生懸命働き掛けてもなかなか入ってもらえない状態だと思うのです。そこが大きな違いかなと思います。

リクルートは、黒木先生がおっしゃったように、私たちCOJのところでも、創設期に支えてきてくださった専門家のメンバーの方々を始めとして、そろそろ交代期に入ってきているということで、新しい方に交代していかなければいけないというタイミングになっています。ですが、そこも、やはりもともといるメンバーが分厚いですので、そのルートでリクルート、人づてでリクルートしていくということで、検討委員会のメンバーを増やすという話になったら、弁護士会のところのつながりから入ってきていただいたり、そういうことができているので、恐らく、私たちは地方の適格団体の苦労を知らないというように思います。

以上です。

○黒木委員 分かりました。うらやましい話だと思って聞いていました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

まず、私は消団連に質問なのですけれども、資料にはなかったのですが、御説明の中でインターンシップということをやっているということで、消費者団体は、どこも高齢化というのが問題になっていまして、若い人とどうやってつながっていくかということが課題だと思うのですけれども、消団連にとってインターンシップの位置付けと、あと若い人へのアプローチということで、インターンシップの結果ですとか、効果がどのような形で生かされているのかということですとか、若い人たちとどうやってつながっていくのかということについて、教えていただければと思います。

その中で、ワンイシューの組織の中で若い団体というのはあるのかというのをお伺いしたいと思います。

もう一つは、COJになのですけれども、適格消費者団体ということで、消費者へのアプローチというのは、何かされているのかというのをお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 それでは、消団連からお願いいたします。

○全国消費者団体連絡会浦郷事務局長 インターンシップにつきましては、大分前から、明治学院大学と、お茶の水女子大学とつながりがありまして、毎年受け入れているというところです。

消費者関連の法律を学んでいる学生さんたちなので、少しは分かっていらっしゃる学生さんたちなのですけれども、消費者団体というのが実際どのような活動をしているのかというのを、やはり実際に見ていただいたり、ほかのいろいろな関連団体の取組を紹介してもらったり、企業に行って、消費者向けにはどういう活動をされているのかということをお話しいただいたりとかしています。

やはり若い人たちにもいろいろ消費者団体の取組を知ってもらうということでは、このインターンシップというのはすごく重要なものだと思います。

その中で、ここ2年ぐらいは、やはり若者向けに情報発信するには動画だというところで、私たち事務局だけでは、どうしてもそこまでできないということで、たたき台というのか、若者目線で、こういうこと発信したらいいよということを、学生さんたちに考えてもらったりして、動画の作成などをしているところです。

それから、消費者問題に関わる非営利組織のところですけれども、若いというのは、それを構成している会員が若いということなのかと思うのですけれども、残念ながら、そこまで若い方で構成されている組織ではないですね。多分、今、環境問題とか、そこら辺に関しては、すごく若い大学生中心の団体とかがあると思うのですけれども、そういう方たちも、是非うちの会員団体になってくれるか、または、何かの形でつながれればと思うのですけれども、非営利組織のところは、それぞれワンイシューでやっていますけれども、それほど若いというわけではないかと思います。

以上です。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者機構日本板谷専務理事 先ほどの木村さんの話が、少しよく聞き取れなかったのですけれども、何へのアプローチということでしたでしょうか。

○木村委員 一般の消費者の方に、例えば、COJのことを知っていただく機会とか、そういうアプローチは何かあるのですか。

○消費者機構日本板谷専務理事 一般への情報発信としては、私たちが差止請求などの事案を扱って、それが一定解決を見たら、ホームページで発信をしています。

公表して、発信していることによって、同様の被害を受けた方からは、それなりの反響があって知っていただけます。

それ以外の一般的なところへの広報活動というのは、なかなか取り組めていません。そこまで手が回っていないという状況です。

○木村委員 ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 受田です。御説明ありがとうございました。

それぞれの団体の方に御質問をさせていただきたいと思います。

まず、消団連様についてですけれども、御発表の中に、国際消費者機構、CI等の連携というお話がございました。

この具体的連携の現状というのを少し伺いたく、また、海外の消費者団体の活動でベンチマークしていけるような国内の活動とは違う特徴的なものというのを、もし挙げていただければというのが、1つでございます。

それから、COJ様に対してですけれども、こちらも国際的な視点で質問でございます。御発表の中で、消費者団体訴訟制度が世界の国々でも、いまだ実験的段階にあるという、そういう御説明がありました。

改正すべき点があるということで、そういう課題意識を持っておられるということなのですけれども、実験的段階ということは、その実験に基づいてPDCAといいますか、より理想的なものを描いていかなければいけないということかと思います。

COJ様が考えておられる現段階での理想の部分、これは、もしかするとキャッシュフローの部分もあるかと思うのですけれども、お考えをお聞かせいただければ幸いでございます。

以上です。

○後藤委員長 それでは、消団連からよろしくお願いいたします。

○全国消費者団体連絡会浦郷事務局長 御質問ありがとうございます。

国際活動ということでは、以前はCIからは情報提供を受けたり、あと、4年に一度世界サミットが開かれますが、それに参加していた、また、3月15日の消費者権利デーのときに、CIが発表するテーマについて広く周知していく、これぐらいだったのですけれども、やはりコロナ禍になり、全世界オンラインでつながれるようになったというところで、オンラインを通じて、CIの事務局と年に1、2回懇談などをするようになりました。

そういう状況の中、うちの事務局は、そんなに英語力がないので、会員団体の有志の方に手を挙げていただいて、国際活動専門委員会を再活動させたというところで、やっと1年ぐらい回り始めたというところなので、これからのところで、どんどん広げていければいいと思います。

うちが出している機関誌のほうでは、国際情報として、頻繁にCIからの情報ですとか、それぞれ国際活動委員が書き起こした記事などがありますので、そちらを見ていただければと思います。

また、徳島県でもG20消費者政策国際会合の開催を機に、国際連携のネットワークを作っており、そちらのほうにも参加させていただいています。やはり、消費者問題も課題が、どんどんグローバル化していますので、そちらのほうも取り組んでいきたいと思っています。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 補足ですけれども、こちらがCIのホームページなのですが、今年の権利デー、再生可能エネルギー、クリーンエネルギーへの移行を、というテーマなのですが、こうやって加盟している世界中で取組が行われたところの報告がCIのホームページに掲載されていて、全国消団連もこのテーマに合わせた学習会をやりまして、日本でやったということで報告を、一応地図にプロットいただいているというような形で、実績としては載っていたりします。補足です。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者機構日本板谷専務理事 御質問ありがとうございました。

ですが、少し質問のレベルとして、私の手に余る中身になりますので、正しいかどうかは分かりませんが、私の今の思い方だけお答えをしてということにいたします。

国際的に見ても、実験立法の段階であるというのは、この消費者団体訴訟制度、特に被害回復の訴訟制度を取り扱った書籍に書かれているところです。

それで、被害回復を図る各国の制度としては、アメリカのクラスアクションというのが有名で、日本で被害回復制度を作ろうという話が出たときに、経済界の側から反対論がすごくあったのが、アメリカのクラスアクションのような濫訴が起こるのではないかというのをすごく懸念されました。

それで、日本のところで、少し工夫をされたのが、先ほど御紹介したような2段階の仕組みということです。アメリカのクラスアクションは、判決効が被害者全員に及び、オプトアウト方式で抜けない限りは全部債権をまとめてという話になるわけですけれども、フランス、ブラジルでは2段階の仕組みを設けて、基本的には被害者がオプトインすることによってその手続に加わるという仕組みです。

ですので、今挙げたアメリカ、フランス、ブラジルの制度は異なっていて、例えばフランスとブラジルは、何の原因で違うのかよく分からないというぐらい、法律の世界の、その国の土壌みたいなものの中で各国のいろいろな事情に応じて、いろいろな国がいろいろな工夫をしながらやっていっているという、そういう状態なのかなと思います。

そういう大きな話は、私のところでお答えできるようなことは多くありませんので、直近の問題意識でお話をしますと、やはり、特に被害回復のところで、特定適格消費者団体がなかなか機能できないのは、消費者裁判手続特例法のいろいろな訴訟要件の問題もありつつ、回収可能性の問題というのが大きいと思います。先ほどのプレゼンの中でも言いましたが、費用を掛けて訴訟をしても回収できない、だから団体が維持できなくなってしまうという問題があって、やはりこの後も、恐らく民間団体でやっていくからには、手が出ていかないところだと思います。

ですので、民間で手が出ない悪質事業者については、団体が担うというよりは、公的な行政手法みたいなところで手を打っていかないと、どうにもならない部分があるということです。

そういうことでいうと、今、消費者委員会のルール形成ワーキングで検討されていますけれども、悪質事業者に対する被害回復制度について、きちんと具体化していくというところが私の問題意識です。

○受田委員長代理 どうもありがとうございました。

○後藤委員長 生駒委員、よろしくお願いします。

○生駒委員 それでは、全国消団連の方に御質問なのですけれども、消費者団体の重要な活動の一つとして啓発及び教育というのがあります。今、我々は消費者基本計画のいろいろビジョンを考えている中で、被害を未然に防ぐために、より自立した意識を持った消費者を育てることが重要ではないかと考えております。自分で考えて、自分で判断して、時に迷わず自分でノーと言えるような、そういう消費者を育てたい。受け身ではない、前向きに、ポジティブに判断をしていける消費者を育てようということが重要ではないかと考えておりまして、先ほど来、高校や大学と連携して若い方々にも消費者問題の意識を植え付けるなど非常に良い活動をされていると思うのですが、今、申し上げましたような被害の防止、救済だけではなくて、未然に防ぐ消費者教育について、どうお考えかということを一つお聞きしたいです。

もう一つ、COJには、先ほど適格団体を活性化させる可能性として、フル回転をさせると書かれていたのですけれども、実際、今、年間に寄せられる相談件数が増えているのか、横ばいなのか、また、消費者からの相談と業界からあるということですが、先ほど木村委員からもお話がありましたが、一般の消費者はCOJの存在をあまり知らないかなと、この適格団体のこと自体を知っている消費者は少ないかなと思うのです。ですので、消費者からの相談の割合がどれぐらいなのか、もし御存じでしたら教えてください。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、消団連からよろしくお願いします。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 全国消団連です。御質問ありがとうございます。

消費者教育というところが大事だというのは、先ほどの調査でも取っているところなのですが、全国消団連としては、政策提言の活動がメインで、なかなか啓発というところを直接担ってはいないです。ですので、先ほどのインターンを通じて、学生に学習会に来てもらったりとか、あるいはツイッター等で発信したりとかを見てもらうぐらい、あと、先ほどの動画で未然防止ということを呼び掛けたりというのが関の山でして、どちらかというと、これは、会員団体のNACSとか、消費者協会とかの会員団体のほうがメインでやられているかなと思います。

以上です。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者機構日本板谷専務理事 相談件数なのですけれども、一般消費者から私たちのところに寄せられるのは、年によってかなり波があるのですが、今年などでいきますと400件程度、多いときには600件とかです。去年とかは少なくて300件弱ぐらいになりました。

相談といっても、個別の案件の相談だったり、あっせんだったり、そういうことは都道府県、市町村の消費生活センター、清水さんのところが受けていらっしゃるということなのですけれども、そこのところに来た情報のうち、相談員とかが、これは共通多数に発生しているような被害だと思うから適格団体にも情報提供してみたら、ということで消費者に助言していただいて、その方から我々のところに相談が入ってくると、そういう形になっています。

逆に言うと、個別の解決を目指した活動というのは行っておりませんで、たまに電話の中で個別の解決を求めて来られる方がいらっしゃるのですけれども、まずは消費生活センターであなた様の被害について御相談なさって、それで、もしよろしければ、私どもにも情報提供をお願いしますと、そのように申し上げています。

情報提供いただくのは消費者からが圧倒的です。業界からの情報提供もあると先ほど申し上げましたが、本当に少ないです。これまで私、2年ほどこのポジションに座っていますけれども、その間で1件、2件あったかどうかぐらいで、業界団体との連携という意味では少ないです。ですので、そこのところのパイプがもう少し太くなっても良いのではないかというのが、考えているところではあります。

○生駒委員 一般の消費者がすぐに御相談する先ではないということは、今のお話でよく分かりましたが、相談窓口の先に、適格消費者団体があって、差止請求や被害回復にまで至られるのだということの情報は非常に重要だと思いますので、一般の消費者にも広く知らせていただけると良いかなと思っております。

○後藤委員長 どうもありがとうございます。

青木委員、よろしくお願いします。

○青木委員 どうも御説明ありがとうございました。

私もお話を伺っていまして、1つは担い手の問題、それから財源の問題と、大きな課題は共通されていた部分かなと思っているのですが、消費者団体の役割というのは、ますます大きくなると思うのです。それとともに消団連がおっしゃっていましたけれども、本当に一般消費者全体の声としてまとめられているかどうか、非常に多様化する中で、問題もいろいろ広範に、いろいろな問題が出てくる中で、消費者の声をまとめるというのは非常に難しい側面が出てくると思うのです。

今ある団体の各会員団体の皆さんも、やはり幅広く取りまとめておられるところと、先ほど出ていましたワンイシューとか、地域とか、あるいは高齢者とか、あるいはマイノリティーの人たちとか、若年者とか、非常にターゲットを明確にした取組をされている団体の動きというのは、これから非常に重要なのではないかと、私などは思っていまして、その辺を促進させるような、今やっておられて、非常に悩みみたいなところも伺うのですが、そういう活動をこれからもっと活性化するために、何か行政として、あるいは何か連携の方法論とか、この辺について御意見があったら、是非聞かせていただきたいなというのが1点目です。

2点目は、事業者団体も本当に多様な活動をしています。もちろん全般的な経団連とか、同友会とか、ああいうところもありますが、各業界ごとに業界の団体があり、自主規制であったり、健全な市場の発展というのは、これは業界としても非常に重要なテーマで、アウトサイダーとか、あるいは適正な、きちんとした自主規制で、自分たちでもモニタリングをすると。

だから、この辺と、先ほどCOJがおっしゃっていましたけれども、もう少し目線が、結局未然防止だとか、そういう悪質な部分というのを、いかに法的に押さえるのか、自分たちの自主規制とか、こういう市場の原理で押さえるのかと、そういう取組がもっとあっていいのではないかと私は思うのですが、その辺の働き掛けみたいなのは、もっとこういうやり方をすれば促進できるのではないかみたいな、何かそういう御意見があれば、それも伺いたいなと思っております。

以上2点、よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、消団連からお願いいたします。

○全国消費者団体連絡会浦郷事務局長 青木さん、どうもありがとうございます。

やはり消費者団体の担い手とか財源の問題は、うちの団体も含めて、多分日本全国どこの消費者団体も同じだと思います。ここについては何年も高齢化とか担い手の減少とか、そういうことはずっと言われてきているのですけれども、何も解決策がないというところかと思います。うちの事務局でさえ、うまく次の人に世代交代できるのかさえ、よく分からないというような状況で、どうしたらいいのかは、私たちも分からない状況なので、是非そこは皆さんのお知恵を頂きたいなと思います。

それから、一般消費者全体の声として適切にまとめられているかというのは、やはり消費者運動がすごく盛んな頃というのは、一般消費者の声は、1つの方向に向かって行きやすかったかと思うのですけれども、今の世の中、多様な人がいて、多様な意見もあるので、この資料では適切にまとめられているかと、課題として書いてありますけれども、私は多様な声があっていいとは思っています。

ただ、うちが出す意見を、全消費者を代表した意見というように捉えられてしまうことも、どうなのかなと思うこともありますし、ここはすごく悩むところかと思います。

補足があれば、お願いします。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 本当に鋭い御指摘といいますか、消費者団体への期待というのは、一定頂いているものの、特に地域のところでは、コロナも経てきて、かなり活動が衰退しているのではないかというところで、おっしゃるとおり、自ら考え、選び、悪質な商法に引っ掛からない消費者というのを醸成していくということは大事なのですが、そのためには勉強、インプットが必要ですが、そういうことを知らせていく人たち、地域の消費者団体と連携して、本当は津々浦々にいろいろな啓発が届けばいいのですけれども、なかなかそうはなっていない。自治体との連携もできているところ、できていないところ、まばらであるというところで、どうしていけば良いか、是非、委員会のほうでも御検討いただき、一筋の光を差していただければと思います。

以上です。

○全国消費者団体連絡会大出政策担当 一緒に考えていきたいと思っております。

○青木委員 ありがとうございます。

ただ、是非良い取組、ここではこんなに良い取組があるというのは、是非教えてほしいなと、先ほど来、幾つか事例が出ていたように、やはり非常に良い取組が、こういう取組がありますという話が、もしかして見えるようになってくると、そういう取組の伝播みたいなものも広がってくるのではないかと思うので、これはと思うような取組がありましたら、また、教えていただければと思います。本当に悩んでおられるところは、ひしひしと伝わってきました。ありがとうございます。

○後藤委員長 いかがでしょうか。

○消費者機構日本板谷専務理事 1つ目の掘り起こしの問題なのですけれども、例えば、私どもが被害回復訴訟をやった東京医大とか順天堂、大学の不正入試の問題ですが、あれなどは、消費者からの情報が端緒になって訴訟につながったというよりも、私たちの中で、これを消費者被害と見立てて、被害を回復することができるのではないかということで掘り起こしをしたという流れでした。

ですので、こちらから探しに行くような取組というのも重要なのかなと思っています。

それから、業界のところへの働き掛けの問題なのですけれども、事業者を何段階かに分けて、優良なところと、中間層と、それから極悪事業者という層に分けて取組方を考えたほうが良いのではないかという議論を最近よく聞きます。極悪のところには、消費者団体、業界も含めて、力を合わせて駆逐したほうが健全な市場が育つというわけですので、そこの取組の中に一緒に入って協力して取り組んでいけたら良いのかなと思っています。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 ありがとうございます。

先ほどの青木委員の御発言に触発されての質問ですが、全国消団連に対しての質問です。15ページのところに、政策提言をする消費者団体の課題というページがあります。そこで、結局、どういう形でインターネットとか、そういうような形で消費者の声を吸い上げたり、多様化しているというようなことなのですが、消費者の声を吸い上げたり、また発言に関してもネットを使ったりとか、そういう多様な活動とかをしながら、消費者課題の多様性に対応するといったようなことというのは、お考えがあるのかどうかということについて、少しお話を聞かせていただければと思っております。

以上です。

○後藤委員長 いかがでしょうか。

○全国消費者団体連絡会浦郷事務局長 今の世の中、国民の声というか消費者の声というのは、多様な声になっていると思うのですけれども、政策提言をするに当たっては、うちは会員団体の声というのか、理事会にかけて確認したものしかできないところもあります。ただ、それを考えるに当たっては、やはりいろいろな声を聴く必要があると思いますし、やはり、今、ネットというのが大変進展していますので、私たちも本当は、そういうのを上手に利用して取り入れなければいけないところなのですけれども、何せ事務局は少数ですし、なかなかそこまで手が回らないのですが、本当に重要なところだと思います。今、御指摘を頂いたので、今後のところで考えていきたいと思います。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 ネットでいろいろな課題についてリサーチして、ああだこうだと、ヤフコメのようなところも見ながら、いろいろな意見を、とにかく多様な意見を吸収しようと、そういう範囲でかき集めてはおりますが、苦しいところだと思います。

○全国消費者団体連絡会大出政策担当 最初に清水委員が、学習会がオンライン化したので、参加しやすくなったということがあったと思うのですけれども、学習会の参加がかなり増えてきて、先ほど三谷も言ったと思うのですけれども、そこでアンケートの声を生かしたりということが、少しずつ考えていかなければいけないかなとか、そういうことはできるかなと思います。

提言に関して、皆さんどう思いますかというネットの声を直接聴くというところまでは難しいかもしれないけれども、学習会で、どうでしたかみたいなところから、次の学習会や、みんなが望んでいるものが何なのかというのを聴きながら、次に私たちが取り組むことを考えていくということも重要かなと思っております。

以上です。

○黒木委員 ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

よろしいでしょうか。それでは、議論は以上にいたしたいと思います。

本日は、それぞれの団体について、主な役割、機能、組織の現状や課題について御説明を頂きました。

これまで消費者団体は、主として消費者の権利を実現するために活動し、当委員会を含めて、行政の審議会にも消費者の意見を代表する形で、消費者団体に所属する方々に参加を頂いております。

一方で、消費者団体の中には、人材面、資金面から組織の運用が難しくなりつつある場合もあるという現状、それから、特に消費者問題の広がりや多様化ということから、消費者の声をまとめるということについての困難さ、それぞれの多様な声を受け止める必要があるわけですけれども、それをどのようにして受け止めていくかということについての困難さ、そういうこともあるということを、本日改めて認識することができました。

消費者団体について考える場合に、先ほどの資金面ということですと、行政との関係というのが1つ大きく出てくるわけでありますけれども、行政からの交付金等の資金援助、あるいは行政からの委託事業など、そういう意味での行政による支援ということも非常に重要でありますけれども、本日の議論の中で私が関心を持ちましたのは、特に事業者との連携ということでありまして、先ほどの消団連の御報告の中でも、学習会に事業者が参加することが多くなってきているというお話がありました。

他方で、事業者からの相談ということがそう多くないということも、COJのほうから指摘していただいております。事業者との連携ということに関しますと、先ほどの消費者問題が広く多様化してくる、それから複雑になってくると、事業者側も、例えば、最近消費者委員会でも扱った問題として、ステルスマーケティングですが、事業者側としてはどんな運営をしていくことが必要なのか、そうしたことに関心を持って、学習会等に参加したいといった動機付けも強くなるのではないかと思います。

そういうことからも消費者団体と事業者団体が連携をして、新たな道を開拓していくということは、重要な課題になっていくのではないかと思います。

それ以外にも、本日、多様なたくさんの意見を出していただいて、非常に充実した議論ができたと思います。

消費者の権利・利益の擁護・増進のためには、消費者の声を聴くということが必要です。消費者の意見を反映する機能を社会的に維持・強化していくために、消費者団体に求められる役割や、消費者の意見の反映方法の在り方について、引き続き検討していく必要があると思います。

本日は、お忙しいところ審議に御協力いただきまして、どうも、ありがとうございました。


《3. 閉会》

○後藤委員長 本日の議題は、以上になります。最後に事務局より、今後の予定について説明をお願いいたします。

○友行参事官 次回の本会議は、4月13日、13時から開催いたします。

以上です。

○後藤委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)