第395回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2023年3月28日(火)17:05~17:56

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長、受田委員長代理、飯島委員、生駒委員、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員
  • 【事務局】
    小林事務局長、岡本審議官、友行参事官

議事次第

  1. 消費者基本計画の検証・評価・監視(消費者基本計画工程表の改定素案に対する意見案について)
  2. その他

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから、第395回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、青木委員が御欠席です。他の委員の皆さんは会議室にて御出席です。開催に当たり、会議の進め方等について事務局より説明をお願いいたします。

○友行参事官 本日は、御出席の委員の皆様は全員会議室にて御参加いただいております。

配付資料は、お手元の議事次第に記載のとおりです。もし不足がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上です。


《2.消費者基本計画の検証・評価・監視(消費者基本計画工程表の改定素案に対する意見案について)》

○後藤委員長 本日は、消費者基本計画の検証・評価・監視の一環として、消費者基本計画工程表の改定素案に対する意見案について御審議いただきます。

当委員会では、昨年12月に「消費者基本計画工程表の改定に向けての意見」を発出するとともに、1月以降も関係省庁からヒアリングを行ってきました。

また、12月の意見等も踏まえて作成された工程表の改定素案については、第393回本会議において消費者庁からヒアリングを行いました。

これまでの審議を踏まえ、意見案を作成しましたので、その内容について事務局から説明をお願いいたします。

○友行参事官 それでは、資料1を御覧いただけますでしょうか。

消費者基本計画工程表の改定素案(令和5年3月)等に対する意見(案)としております。

まず、今回の基本計画の工程表につきましては、これまでとは大きく形が変わっております。工程表の中に14の重点項目が盛り込まれたり、また、評価書というもので令和4年の施策を評価しているところがございます。また、ロジックモデルの試行などが行われているということでございます。それを前提にこの意見案を取りまとめております。

最初の1ページ目は、柱書きのところでございます。

3段落目のところでございます。消費者委員会は、3月9日の消費者委員会において、改定素案についてヒアリングを消費者庁から実施いたしました。この結果や、これまでに行った建議・提言、その他の意見等の内容などを踏まえまして、工程表素案に対して以下のとおり意見を述べるとしております。関係省庁においては、可能な限り、工程表の改定案に反映するとともに、これらの施策について進められたいとしております。

では、具体的な中身でございます。

1番として、全体に関する事項でございます。

(1)は消費者政策におけるEBPMの推進、工程表の改定素案において重点項目を設定して、ロジックモデルの試行やKPIの充実、評価書を新たに作成し前年度の取組に対する評価に取り組んでいることなどを評価すると記載しております。

そして、具体的な意見でございます。

2ページ目の①では、施策の効果の検証が可能となるようにKPIの設定を行うことが重要であると指摘しております。

②として、消費者事故や法執行等、その件数のみで評価することが困難な指標についても、時系列的な変化を把握することなどにより、施策の効果を分析することを検討することとしております。

③地方公共団体による行政処分や普及啓発等に係るデータについても、参考指標として設定するなどとしております。

④、これらの①から③のほか、将来の効果検証に役立てることを目指して、各省庁等が保有する行政記録情報や民間が保有する様々な情報をKPIとして積極的に設定すること。

「加えて」のところでございます。ロジックモデルを作成して政策目的とロジックを明確化することによって、施策が想定どおりに進まない場合に、インプットから望むべきインパクトまでの間のどの段階に問題が存在し、どのようにアジャイルに政策変更を行うべきかを理解することが可能となる。そのため、ロジックモデルについても、工程表の改定までの適切なタイミングで公表することを求めるとしております。

(2)については、社会状況の変化に伴う新たな消費者問題への対応をお願いしております。

3ページ目にまいりますが、上から4行目のところ、新たな技術やサービスの登場、エネルギー価格や食料価格等の物価の高騰など、新しい消費者問題に対しては工程表などに位置付けて取り組むこととしております。

2ポツとして、各重点項目に関する事項でございます。以下では14の重点項目が記載されております。この14の項目については、消費者委員会が発出しました12月意見で指摘した施策について位置付けられております。それぞれの項目について、委員会として意見をまとめております。

重点項目1、消費者事故等の情報収集及び発生・拡大防止でございます。2段落目のところでございますが、消費者事故の情報収集の充実に向け、事故情報データバンクの入力情報の質向上などについて検討し、「また」のところでございます。製品の改善状況や制度の改正状況等の事業者、関係者等の対応変化についても、可能なものはKPIを設定すること。

重点項目2でございます。特商法の執行強化等です。特商法については、契約書面等の電子化について、施行2年後の見直しに向け、論点やスケジュール等可能なものから工程表に反映させること。また、委員会から発出した建議や、その後の答申の附帯意見を踏まえた上で、取組方針やKPIを設定することとしております。

4ページ目にまいります。

デジタル化の急速な進展に伴っての関係でございますが、令和4年9月に発出した「SNSを利用して行われる取引における消費者問題に関する建議」を踏まえた取組を進めていただき、その上で、特定商取引法については、これまでの国会の附帯決議等を踏まえ、不断の見直しを行う必要があることから、その検討の方向性を消費者に分かりやすく示すことに努めることでございます。

重点項目3でございます。消費者契約法を含めた消費者法制の整備でございます。消費者庁の「消費者法の現状を検証し将来の在り方を考える有識者懇談会」における議論を踏まえて、検討の方向性などについて記載すること。また、不当寄附勧誘防止法については、今後の見直しを見据えた取組方針について、工程表に記載することをお願いしております。

重点項目4、景表法の厳正な運用と執行体制の拡充です。「景品表示法検討会報告書」において課題とされた適格消費者団体への情報提供、デジタル表示の保存義務などについて引き続き検討を求めています。また、その下の「加えて」のところでございますが、アフィリエイト広告やステマについては、新たな取組でございます。消費者や事業者の認知度、理解度、法執行件数等のKPIを設定することとしております。

5ページ目にまいります。

重点項目5です。食品表示制度の適切な運用と時代に即した見直しでございます。時代に即した食品表示制度への改善について、取組方針を工程表に記載するとともに、食品の生産及び流通の円滑化、食品の生産の振興について記載する場合には、消費者の利益の擁護、増進との関係を踏まえたKPI等を設定することをお願いいたします。

重点項目6でございます。高齢者、障害者等の権利擁護の推進等です。「その上で」というところですが、地方公共団体の消費者行政部局、消費生活センターと福祉部局等の関係部局や法テラス等の関係相談窓口との連携、見守りネットワークと重層的支援体制整備事業との連携等の重要性について指摘しているところですが、これらの連携状況を把握するKPIを設定することをお願いしております。

重点項目7でございます。成年年齢引下げに伴う総合的な対応の推進です。この段落の下から3行目ぐらいですが、教育実施後に継続的に理解度を測定することなどによる定着度の把握や、被害類型ごとの消費者被害の状況等の把握に関するKPIの設定の検討をお願いいたします。

6ページ目にまいります。

消費者団体訴訟制度の推進です。令和4年度の改正特例法の施行後を見据えて、対象消費者及び和解対象消費者に対する情報提供の充実など、改正事項に関するKPIを検討していただきたいと記載しております。

重点項目9です。食品ロスの削減の推進に関する法律に基づく施策の推進です。食品ロスの削減に当たっては、消費者と事業者双方の取組が重要であり、消費者側の取組や事業者側の取組の具体的なその状況を測定するKPIについて検討していただきたいとしております。

重点項目10です。エシカル消費の普及啓発です。水産エコラベルのみならず、複数の認証ラベルについて、認証数、認知度や活用度について把握するKPIを設定することとしております。

重点項目11でございます。公益通報者保護制度を活用したコンプライアンス確保の推進です。中小事業者を含んだ事業者における内部公益通報対応体制の整備状況の向上が必要であることから、事業者の規模別に理解度や体制整備状況を把握するKPIを設定することを求めています。

7ページにまいります。

重点項目12です。デジタル・プラットフォームを介した取引等における消費者利益の確保でございます。DPF消費者保護法の附帯決議において今後の課題とされたCtoC取引への対応や、オンラインによる手続が可能となるODRの提供、それらの検討の時期や取組について、可能なものから工程表への記載を検討することとしています。

重点項目13は消費者教育の総合的、体系的かつ効果的な推進、地域における消費者教育推進のための体制整備でございます。2つ目の段落でございますが、理解度や被害件数等についてのKPIに加えて、被害防止にとどまらない消費者市民社会の一員としての行動を促進する観点から、消費者の行動変容を把握するKPIの設定が必要であるとしております。

重点項目14です。地方消費者行政の充実・強化、消費生活相談のデジタル化に向けた支援等でございます。消費生活相談員の担い手確保は引き続き重要な課題となっております。消費生活相談員の人材育成、処遇改善に関する地方公共団体の取組を支援するために設定したKPIについて地域比較などを行い、課題を把握することを検討していただきたいとしております。また、消費生活相談のデジタル化の推進についてでございますが、地方公共団体にとっても実効的なものとなる必要がございます。地方公共団体への情報提供や意見聴取を十分に行っていただきたい、準備期間を確保していただきたいということをお願いしております。

3ポツの「その他」でございます。次回の工程表改定において、下記について検討することとしております。

1つ目はデジタル化に伴う消費者問題でございます。消費者委員会においても、デジタル化に伴う消費者問題ワーキング・グループで検討を行っております。それらが取りまとめられた場合には、関連する目標、取組などを記載することについて検討していただきたい。

また、(2)として、悪質商法の被害拡大防止、被害回復については、同じく消費者委員会で設置しておりますルール形成ワーキング・グループでの検討の結果が取りまとめられた場合には、関連する目標、取組、KPIを記載することについて検討していただきたいとお願いしております。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は25分程度でお願いいたします。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。

個別のところになりますが、2の各重点項目に関する事項で、重点2と重点14のところで、書いてあるとおりなのですけれども、思いを語りたいと思います。

重点2の特商法の執行強化等というところなのですが、6月に改正特定商取引法が施行されました。当然ながら、相談が減っているかというところが問題なのですけれども、悪質な業者がばっこしているということで、法律改正の効果が現場では出ていません。そこで、改正になったのであれば、法律を守らない一部の極悪層を処分していくしかないと思います。これからは実名公表と処分の徹底をお願いしたいと思います。

また、特商法の契約書面等の電子化がいよいよ始まります。最近ではモノなしマルチで命を亡くされた方もいらっしゃいます。マルチ商法というのは非常に奥が深くて、これを特商法に基づいて完璧にやれるなんていうことは現場では思っていません。そうすることを考えると、マルチ商法についての法強化も必要ですし、改正も必要です。また、悪質なエステなども、特定継続的役務提供逃れというのもひどいことになっています。今後、この改正特定商取引法については、類型ごとに頻繁に見直していただいて、法改正も視野に入れて、是非、消費者庁には頑張ってもらいたいと思っております。

また、PIO-NET等のデータも参考にして執行していただいていると思いますが、まだまだPIO-NETの数字を有効活用していないように思いますので、是非、相談件数が多い事業者を速やかに処分するようにお願いしたいと思います。

それと、デジタル化の重点項目14のところです。既に2026年にはPIO-NETが大刷新されるということが決まっております。AIが実効的に現場で活用されるということなのですが、残念ながら私の周りの地方の消費者行政の方々、相談員には十分な理解がされていません。国がやろうとしていることをもう少し丁寧に、現場の現状を把握した上で、情報提供、また、実施に向けて準備期間を確保することを望みたいと思います。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ただいまの御意見は注意していただきたいことということで、特に文言修正などはないということでよろしいでしょうか。

○清水委員 もう思いは文章になっておりますので、あえて思いを伝えたということです。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。

受田委員長代理、よろしくお願いします。

○受田委員長代理 受田です。

まず、今回の意見案に関しては、この内容で異論はございません。基本的にここまで考えて、消費者委員会としても意見をいろいろと申し述べ、それを反映していただいているものと判断しております。

その中で、あえて重点項目5の食品表示制度の関係に関してコメントをしておきたいと思います。

基本的には、ここに書いてあるとおり、消費者の利益の擁護及び増進、ここが消費者を真ん中に置いた形で食品表示制度を考えていくという論点が書かれている文言かと思っております。

一方で、この食品表示制度の部分については、食品の生産及び流通の円滑化、食品の生産の振興というように、食品関連事業者サイドからの論点というか目的が書かれております。ある場合、ここがトレードオフの関係になり得る懸念があるというところが、いろいろなケースで指摘できるのではないかと思いますので、今回の消費者基本計画工程表の改定においては、申し上げた消費者の利益の擁護及び増進との関係を踏まえてKPIや取組を設定するよう、強く要望したいという観点でございます。

この中には明記されておりませんけれども、例えば保健機能食品制度について考えていますと、消費者の利益の擁護及び増進という意味では、健康という視点での増進という考え方が出てまいります。この観点と食品関連事業者の振興というところをいかに両立させていくかというところが、食品表示制度あるいは保健機能食品制度そのものの今後の在り方、時代に即した見直しという観点で重要になるところではないかなと思っていることを強調させていただきたいと思います。

以上です。

○後藤委員長 コメントどうもありがとうございました。

それでは、ほかにございませんでしょうか。

木村委員、よろしくお願いします。

○木村委員 木村です。

私からは、まず重点項目2の特商法等の執行強化等についてコメントさせていただきます。こちらは、執行強化はもちろん大切ですし、今、清水委員がおっしゃったみたいに、それは大変重要なのですけれども、それと両輪で、消費者被害が減っているわけではないということを考えますと、電話勧誘やマルチ商法、訪問販売、それから、デジタル化への対応など、なかなか消費者問題も複雑になっていますし、特商法の取組は大変重要だと思っていますので、やはり特商法の不断の見直しが必要であると考えておりますので、是非検討の方向性を示していただきたいと思っております。安全・安心に消費者が暮らしていくためには何が重要かという視点が本当に大事だと思います。是非よろしくお願いいたします。

それから、これは重点項目4と12になると思うのですけれども、デジタル化というところで、やはり急速なデジタル化の進展に伴って消費者問題が大変複雑になっております。

アフィリエイトですとかステルスマーケティングに対する対応は大変素早くしていただいたのですけれども、それに対する取組は技術の進歩に伴ってどんどん複雑になってくると思いますので、状況に応じて進めていっていただきたいと思いますし、インフルエンサーへの周知ですとかネットリテラシーといったことも含めて、今後デジタル化に対してどうやって対応していくのかというのは大変重要な課題だと思いますので、是非そちらのほうも検討していただければと思います。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

黒木委員、よろしくお願いします。

○黒木委員 黒木です。

この意見書に関しては修文を求めるものではありませんけれども、この意見書をどのように読んだら良いかについて一言だけ確認をお願いしたいと思っております。

8ページのその他(1)で、デジタル化に伴う消費者問題について指摘をされています。これは非常に重要な指摘であって、このデジタル化に伴うワーキング・グループの結論が出てくると、恐らく特商法の中で新たな取引類型を検討していって、何らかの法的措置を取らない限り、この問題は解決しないだろうと私は考えているところです。

その関係で、先ほど木村委員もおっしゃられましたけれども、重点項目2の特商法の不断の法改正の検討というのは、こういったものも含めて不断の検討であると私は理解してこの文章を読んでいます。一応確認ですが、そういうふうに読ませていただいてよろしいよねということだけ、事務局に確認させていただければと思います。よろしいでしょうか。

○友行参事官 そういうことでよろしいと思います。

○黒木委員 ありがとうございます。

意見ですけれども、後で、委員会に寄せられた意見で紹介されると思いますが、特商法の平成28年の改正に伴う5年後見直しの意見書が当委員会にも複数寄せられております。いずれにしろ、28年改正かどうかは別として、特商法は常時見直していくということを消費者委員会としては意見として述べていくと考えておりますので、そういうものだという形でこの意見書を読ませていただきたいと思っております。よろしくお願いします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。

星野委員、よろしくお願いします。

○星野委員 今回の改定素案につきまして、EBPMに関連するところです。我々の意見をかなり大きく取り入れていただいて、本当にありがとうございます。特に、単にKPIを設定すればいいというだけではなくて、もちろん設定は非常に大事でございまして、アウトカム、インパクトはどんなものがあるかということを設定されるのは非常に重要ですけれども、政府の資源で行うようなインプット又はアクティビティに対して、設定したアウトカムやインパクトがなかなかうまく向上しなかった場合に、ではどこが詰まっているのかということを理解すること自体がEBPMということになりますので、やはり(1)、2ページの最後のところです。「加えて、ロジックモデルを作成して」ということを書いていただいているここの部分に関して、是非それぞれ重点項目ごとにしっかりこれを行っていただきたいと要望いたしますというのが1点でございます。

もう一点、細かいところでございますが、可能ならば文章を少し追加していただければと思うところとしましては、重点項目11です。公益通報者保護制度は法改正がされたということでございまして、国側のアクティビティとしては制度の周知のための説明会をするみたいなことが多分あると思います。それによって認知度が上がるというのが多分KPIだと思いますが、多分それだけではなくて、やはり実際の通報件数がどれぐらい増えたのかというのをちゃんと見ていただくということは結構必要なのかなと思います。

というのは、どのような企業規模とかどのような業種でそういった通報があるのかというのは、企業規模、従業員数とかによって当然違うとは思うのですけれども、その件数などというのは、同種のサイズの同種の企業においても、多分制度が違うと、結構違うと思うのです。この公益通報者保護法というのは、私が見たところ、通報対応業務従事者は定めると。それ以外には努力をしろというか、窓口を作れと言っているだけで、窓口はどんな窓口を作ったらいいのかというのはなかなか分からないと思うのです。ちょっと調べたところで、報奨制度を設けたり、社内リニエンシー制度ですけれども、自分でやったことを素直に言ったら罰が回避されるみたいな制度を設けるとか、どんな制度を設けたら通報がよりされやすくなって風通しが良くなるのかとかというのは調べていただいて、そのためにどういった制度に向けて説明会をしていただくかとかというのは参考にもなりますので、是非そういったもの、つまり、件数と制度みたいなものだとかというものの関係を見ながら、どのような説明会をされて周知されていくのかということを考えていただくというのは非常に重要かなと思います。

私が言いたいのは、通報件数に関連するようなものもKPI等に考慮していただければと思いますし、企業側がどんな制度を持つのかみたいなものに関しても検討いただくということがあれば良いかなと思います。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ただいまの重点項目11に関しては、具体的な修文を求めるという御意見でしょうか。

○星野委員 もし可能でしたら、そこに関しては入れていただくというのは可能ですか。今からはあれだと思うので、もう少し前から言ったほうが良かったかもしれませんが、せっかくですので、あまり難しかったらあれですけれども。

○後藤委員長 この場で今、具体的な御提案はありますか。

○星野委員 例えば企業規模や企業の業種によって、件数がどのようになるのかといったことを踏まえて、説明会等を多分こちらはされると思うのですけれども、説明会等の説明にどう生かされるかとか、公益通報者制度はどのような制度を充実させるかについて検討いただくという形で、そこはもう少しかっちりとしたほうが良いと思います。また御検討いただければと思います。

○後藤委員長 分かりました。

6ページの下から3行目の「また」の前に、今おっしゃった趣旨のことを書き加えるということでよろしいですか。

○星野委員 そうですね。

○後藤委員長 それを書き加えていただいて、そこを「また」という形にして、「また」が2つつながってしまうので、その後の「また」は「さらに」ぐらいな感じでしょうか。

○星野委員 一応体制整備状況というところが多分公益通報者制度の企業におけるいろいろな制度ですよね。ですから、報奨制度だとかそういったものも含むのであれば、一番簡単な形であれば、規模別に理解度や通報件数報告というのをここに入れていただくのかな。そこら辺が。

○黒木委員 規模別に理解度、体制整備状況、通報件数報告を把握する。

○星野委員 把握し、それを活用して。

○黒木委員 理解度、体制整備状況というふうに、通報件数を挿入ですね。

○星野委員 そうです。それだったら一番。

○後藤委員長 今おっしゃったのは、段落を変えて、改行してということですか。それとも、KPIを設定することに続けてしまう。

○星野委員 体制整備、通報件数ぐらいだと一番簡単な修正だと思います。

○後藤委員長 分かりました。

○友行参事官 趣旨は承知いたしました。前後の文章のつながりとかがおかしくならないかということを確認した上で、今、星野委員のおっしゃった趣旨のものを入れたいと思いますので、座長一任にしていただけると大変有り難いです。

○後藤委員長 それでよろしいですか。

○星野委員 結構です。

○黒木委員 通報件数が分からないとですね。

○星野委員 どのようなことをしたら通報件数がある程度増えて風通しが良くなるのかというのが本当の意味だと思うのです。

○黒木委員 制度を知っていても、誰も使わなかったら意味がないですから。

○後藤委員長 分かりました。貴重な御指摘だと思います。一任していただきましたので、私のほうで責任を持って、事務局と相談した上でそこのところについては対応したいと思います。

他にございませんでしょうか。

生駒委員、よろしくお願いします。

○生駒委員 先ほど来、デジタル化に伴う新たな消費者問題、被害が決して減っていないということをお聞きする中で、私、重点項目10のエシカル消費の普及啓発と重点項目13、消費者教育の項目のところが非常に重要な点ではないかと捉えております。私たち、いろいろ話し合っている中で、より自立した消費者を育てていく、自分で判断できる、そういう能動的に判断できる消費者を育てるという点を、この中にはあまりそういう点が入っていないように思うのですけれども、引き続き検討していただくという項目の中で、諸問題との関係についても引き続き検討と書かれているのですけれども、是非そういう立ち位置で消費者を育てていくという点は強調していただければと思います。

また、重点項目13で、「具体的には理解度や被害件数等についての」という項目があるのですが、「被害防止にとどまらない消費者市民社会の一員としての行動」と書かれているのですが、こういったところにより自立した消費者の行動を促進する観点からというような、そういうお気持ちは入っていると思うのですが、そういった表記ももし入ればと思って提案させていただきました。KPIも非常に重要なのですけれども、同時に推進していくこと、そういうふうに消費者に対して促していくような項目でもあると思いますので、御検討いただければと思いました。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、重点項目13については、より自立したというところをどの部分に加えたらよろしいですか。

○生駒委員 「消費者市民社会の一員としての行動」と書かれているのですが、ここの部分に、以前の会議の中でもより自立した消費者という言葉は既に出てきていると思いますので、何らか良い形でここに、自分で判断できる、受け身ではなくて、ただ被害を免れるだけではなくて、自分で積極的に行動できる消費者を育てるというのもこの基本法の目的だと思いますので、ここに何らか入れていただき、被害防止にとどまらない、より自立した消費者の行動を促進するというような表現でも良いのかなと思ったのですが、提案です。

○後藤委員長 どうもありがとうございます。

委員の方々、そういう方向での修文をするということでよろしいですか。

(首肯する委員あり)

○後藤委員長 分かりました。

それでは、これも一任していただいてよろしいでしょうか。

○生駒委員 結構です。

○後藤委員長 それでは、責任を持って、今の趣旨が伝わるように修文したいと思います。

生駒委員、それでよろしいですか。

○生駒委員 大丈夫です。よろしくお願いします。

○後藤委員長 どうもありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

大石委員、よろしくお願いします。

○大石委員 ありがとうございました。

今のこの内容で修文を求めるものではないのですけれども、先ほどから出されておりました重点項目2の特商法に関連することとして、やはりいろいろな団体から消費者委員会に寄せられているものとして一つ、マルチ商法に対する対策というのがあります。今回、重点項目7の成年年齢引下げに伴う総合的な対応の推進というところで、具体的にマルチがどうのということは書いていないのですけれども、やはり現状として、成年年齢引下げにおいていろいろな問題の状況が増えているというようなことがあるのであれば、是非この重点項目2のところでこれも引き続き大事な重点項目として検討していってほしいということ、これはここには直接書いてほしいということではないですけれども、是非、私たちとしては要求していければなと思っているというのが一点です。

それから、重点項目10、今、エシカル消費のことを生駒委員はおっしゃいましたけれども、この重点項目10の中でいろいろな新しい水産エコラベル以外のもののラベルをということもあるのですが、私が一番この中で気になっているのが、その後の食品ロス削減ですとかプラスチック削減もそうですけれども、温室効果ガスの削減というのは、これも今、新しい研究論文も発表されていますが、本当にのっぴきならない状態に今あるわけで、その状況を把握するだけではなくて、実際に実践していかなければいけないということで、これは環境省だから、経産省だから、消費者庁だからということではなくて、やはり国民運動として是非進めていっていただきたいということを気持ちとして述べさせていただきます。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

各委員の方々から、今回の意見案につきまして、強調しておきたいこと、あるいは補足しておきたいことを中心に御発言いただきました。

2か所修文についての御提案がありましたが、私のほうで、それについては一任していただくという扱いにさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

それでは、その修正を加えた上で消費者庁長官及び関係府省宛てに送付いたしたいと思います。どうもありがとうございました。


《3.その他》

○後藤委員長 続きまして、その他事項といたしまして、消費者委員会に寄せられた意見書等の概要について事務局から説明をお願いいたします。

○友行参事官 お手元の資料の参考資料1を御覧いただけますでしょうか。

こちらは、消費者委員会で2月に受け付けました要望書・意見書等の一覧でございます。

便宜上、月ごとに整理しておりまして、この時期になりましたが、2月分について御紹介いたします。

まず、取引・契約関係で、2月3日から3件ほど特商法関連の意見書が来ております。いずれも内容につきましては、右側の要望書・意見書等のポイントのところを見てみますと、共通する部分もございます。1つ目が不招請勧誘規制の強化ということ、2つ目がSNS等のインターネット取引による通信販売の規制強化、3つ目が連鎖販売の規制強化ということで、これについては開業規制を導入することなどが提案、要望されているところでございます。

次のページにまいりまして、地方消費者行政の充実・強化のための意見書でございます。右側のポイントのところを見てみますと、まず3つ目のところでございますが、地域の消費者団体に対しての把握のための実態調査と支援を講じていただきたいといった内容になっております。また、5つ目として、消費生活相談のDX化については、消費生活相談現場の状況を把握し、自治体との丁寧な情報共有、意見交換を求めるといったことが記載されております。

こちらについては、消費者委員会でも対応している部分もございますし、また、対応していきたいと思っている部分もございますし、DX化については、今、御審議いただきました意見書の中でも少し意見として述べているところでございます。

その次の料金・物価関係についても、参考送付として御意見を頂いております。いずれも電力に関するものでございます。規制料金の値上げの申請が行われており、電取委で検討、審査が行われているとともに、消費者委員会の公共料金等専門調査会でも審議を行っているところでございます。

3件意見が来ておりますけれども、1つ目は、電力会社の情報漏えいについて、きちんと厳正な対処を求めるといった内容になっております。

2つ目の意見については、適正な競争関係が確保されるまで続けられる規制料金については、透明性を保って消費者が納得できる形の審査を求める。値上げ幅をできるだけ圧縮するよう求めるといった内容などが述べられております。

3つ目の意見は北海道消費者協会から来ているものでございます。2ポツのところでは、中でも低所得者、生活困窮者への十分な配慮を求めるといった内容が記載されております。

最後がその他といたしまして、いずれも参考送付の3件でございます。

御紹介は以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

委員の方々から何か御意見等がございましたらお願いいたします。15分程度を予定しております。

清水委員、よろしくお願いします。

○清水委員 清水です。

2月15日の岡山弁護士会の特商法に関する意見書についてなのですが、現場では、特に1の訪問販売と電話勧誘販売について、拒否した者が重んじられるという法律は必要不可欠、毎日相談を受けていますと、何で嫌がっているのに来るのかとか、電話をどうしたら拒否できるかということで、私たちはよく電話は留守番電話にしておくと良いと言うのですけれども、最近空き巣がアポ電を取ってくるので、留守番電話もしておくと危ないみたいな話で、結局機能性を高めて電話機を買い換えてくださいとかと言っていますし、勇気を出して事業者に今後こういう勧誘はきっぱりお断りしますと言ってくださいと言うのですが、やはり高齢者の方は、そういうことを言うことで逆恨みされたり、事業者から嫌がらせされるのではないかと真剣に悩まれています。特にコロナ禍でも訪問販売とか電話勧誘をやってくる悪質な業者もいましたので、是非ともこれは特商法の改正という部分で必要かと思っています。

もう一つは、インターネット通販です。定期購入事業者の極悪層が残ってしまっているということで、契約は簡単にできるのですけれども、ここの(3)の解約・返品に関するインターネット通信販売業者の受付体制整備の義務化は、こんなことは当たり前なのですけれども、解約妨害をする、電話がつながらないというのが今なお続いています。だからこそ、先ほども行政処分とか名指しをするべきと申し上げたのですが、この意見そのままでございます。全てが必要なことばかり書いていただいているというのが現場から思うところでございます。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにはいかがでしょうか。

黒木委員、よろしくお願いします。

○黒木委員 3月になって委員会に送付された意見書ですが、ここで発言させていただきたいと思っております。

これは委員の皆様方にも既に回ってきていると思いますけれども、3月16日に日弁連がSNSを利用した詐欺行為などに関する調査対策を求める意見書というものを発出していて、この名宛人は総務省と消費者庁と当委員会になっています。ほぼ同じものが1月にもここで発表されていまして、1月にほかの団体から送られてきております。

これは非常に重要な問題だと思っています。この意見書の中ではかなり実証的に、固有名詞を出すとLINE社のことを書いてあります。LINE社に対する照会とその回答件数、なぜ回答しないのか、しかし、それがどういう問題点をはらんでいるのかということについて、かなり精緻に分析をした結果を踏まえて当委員会も名宛人として出てきております。

実務的には、いろいろな形でLINEが利用されていて、社会的なインフラになっているのです。ただ、これはデジタル化に伴う消費者問題ワーキング・グループでも出ているのですけれども、具体的な発信者をどうやって特定するのかという問題があって、これがなかなか特定できないことによっていろいろな問題が起こっているという社会事象があります。デジタル化に伴う消費者問題ワーキング・グループは、特商法の改正という課題をもっと深掘りしなくてはいけないと思います。そのため、総務省も含めた問題点についてあそこで徹底的にやるというのは、もしかしたら審議時間の関係で困難かもしれません。ただ、私は日弁連を代表しているわけではないのですけれども、やはりこれだけ多くの団体からもLINEの問題が出てきているということは、当委員会としても何らかの形で受け止めて対応していかないといけないのではないかなと。これは様々な省庁に関係する問題になりそうですので、当委員会の真価が試される問題が今、社会問題としてあるのだということについては一言発言させていただきたいと思います。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

清水委員、よろしくお願いします。

○清水委員 ありがとうございます。

黒木委員の発言の件ですけれども、本当に世の中には表に出ていないことがあって、信じられないのですが、LINE社を使って数多くの被害が起こっていて、被害回復が単純にできない。それは、誰か分からないという今の世の中ならではのとんでもない被害回復の難しさが現場にあることをお伝えしておきます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、ただいまの御意見も踏まえて、これらの意見書については今後の動向に注視するとともに、必要に応じて消費者委員会の調査審議において取り上げることにしたいと思います。


《4.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は以上になります。

最後に、事務局より今後の予定について説明をお願いいたします。

○友行参事官 次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。

以上です。

○後藤委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)