第388回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2022年12月23日(金)11:00~12:12

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長、木村委員、黒木委員、清水委員
    (テレビ会議)青木委員、飯島委員、生駒委員、受田委員長代理、大石委員、星野委員
  • 【説明者】
    消費者庁法制検討室黒木室長代理(消費者制度課長)
    消費者庁法制検討室落合副室長
  • 【事務局】
    小林事務局長、岡本審議官、友行参事官

議事次第

  1. 消費者契約法等改正法及び法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律について

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから第388回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、木村委員、黒木委員、清水委員、私が会議室にて出席です。それから、受田委員長代理、青木委員、飯島委員、生駒委員、大石委員、星野委員がテレビ会議システムにて御出席です。

開催に当たり、会議の進め方等について事務局より御説明をお願いいたします。

○友行参事官 本日は、テレビ会議システムを活用して進行いたします。

配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もし、お手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますよう、お願いいたします。

以上です。


《2.消費者契約法等改正法及び法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律について》

○後藤委員長 本日の議論は、「消費者契約法等改正法及び法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律について」です。

この2つの法律は、先日の臨時国会において成立し、12月16日に公布されました。1月5日に施行を控えておりますので、両法律の概要について消費者庁から御説明を頂きます。本日は、消費者庁法制検討室の黒木室長代理、落合副室長に御出席いただいております。

消費者庁におかれましては、法成立までの御対応や施行に向けた準備などで御苦労、御尽力されている中で、委員会審議に御協力を頂き、誠にありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁法制検討室黒木室長代理 おはようございます。

本日はこのような機会を頂きまして、ありがとうございます。

お時間が限られているかと思いますので、早速、御説明に移らせていただきます。

資料を幾つかお配りいただいているかと思います。委員長からも御紹介いただきましたとおり、成立した法律が2つございます。

最初に、消費者契約法及び国民生活センター法の一部を改正する法律について御説明をさせていただき、その後、新法の御説明をさせていただければと思います。

最初の改正法の説明資料が、ポンチ絵が1枚と、法律、縦書きのもの、それから新旧対照表をお配りいただいているかと思います。適宜御覧いただければと思います。

まず、ポンチ絵を御覧いただきまして、新旧対照表の最初の消費者契約法に関するところ、お開きいただいて1ページ目を御覧いただければと思います。

消費者契約法につきましては、平成30年の消費者契約法の改正の際に入っておりました霊感等による告知を用いた勧誘に対する取消権を改正しております。平成30年の現行のものよりも取消しができる範囲を広くしたということでございます。

具体的にはどういう面で広めているかということでございますけれども、ポンチ絵にマル1マル2マル3とございますけれども、現行のものですと、当該消費者についての不安をあおるというようなことでしたが、当該消費者が不安に思うことであるけれども、自分自身のことではなくて、親族の生命、身体、財産その他の重要な事項について不安をあおることも含めるというのがマル1の点です。

マル2のところで、現行のものでは、このまま放っておくと将来大変なことになるぞというようなことを言っていたわけですけれども、改正によって、既に生じているものについても加えるということ。

マル3において、現行の法律では不安をあおるという行為だけになっておりますけれども、既に何らかの不安を抱いている消費者に対して、そのような不安を抱いていることに乗じてというものを入れる。

この3点で広めていて、特にマル3の辺りが今回幅広く対応できるようにしたということでございます。

この取消権、改正した霊感等による告知を用いた勧誘に関する取消権につきましては、先ほどの新旧の2ページ目の第7条を御覧いただけたらと思いますけれども、行使期間をこの取消権について追認することができる時から3年、それから契約締結時から10年ということで伸ばしております。

併せて、縦書きの4ページを御覧いただきますと、附則の第2条第2項で、現行の霊感等による告知を用いた勧誘に関する取消権についても、いまだ時効が完成していないものについては、時効の期間の伸長の規定は遡及的に適用することにしております。取消権の中身自体は現行の規定になりますけれども、まだ時効が完成していない場合は、追認することができる時から3年、あるいは契約締結から10年使えるようにするという経過措置を設けております。

続きまして、独立行政法人国民生活センター法でございますけれども、新旧の4ページの第23条の2、第32条の2がございますけれども、こちらでいわゆる国民生活センターが持っておりますADR、重要消費者紛争解決手続について、その迅速化を図るという措置を施しております。

おめくりいただきまして、5ページの第42条で、国民生活センターが一定の場合に事業者の名前等も公表できるという規定を設けるということで、公表の根拠をしっかり法律で定めたということでございます。

その下のところは、新旧の2ページを御覧いただきますと、こちらは消費者契約法で、適格消費者団体へのADRの情報についても可能な範囲で提供できるようにするという措置をしております。

以上の法律改正につきまして、縦書きの4ページにお戻りいただきますと、第1条で施行期日ということで、この法律は公布の日から起算して20日を経過した日から施行するということで、委員長からも冒頭に御紹介いただきましたとおり、1月5日が施行日ということで、準備を進めているところでございます。

以上が、改正法の御説明でございます。

続きまして、新法、法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律の御説明に移らせていただきます。

こちらは新法ですので、新旧という形はございません。ポンチ絵と縦書きの条文のものを御覧いただきながら、御説明させていただければと思います。

この法律は、法人等による不当な寄附の勧誘を禁止するということで、禁止規定を設けております。その禁止に対して、行政上の措置等を定めるということをしております。また、消費者契約法と相まって、その寄附の勧誘を受ける者の保護を図る、そのような目的規定を置いております。

定義でございますけれども、寄附とはということで、第2条第1号ですけれども、個人と法人等との間で締結される契約、それから第2号のところで、単独行為ということで、契約に限らず単独行為であっても全ての寄附に対応できるようにということにしております。

ちなみに、第2条第1号のイは個人が当該法人に寄附をする場合の契約ということですが、ロは第三者に寄附を渡す、特定の名前を出すことが良いかどうか分かりませんけれども、24時間テレビとかですとそこに寄附をするというよりは、そこを通じてほかの目的の第三者に寄附をすると。権利の移転を委託するようなものも入るとしております。

ポンチ絵のその下、新法の主な内容というところですけれども、左側の青で囲っているところで、まず配慮義務の規定を置いております。第3条を御覧いただきながらですけれども、そこにマル1マル2マル3とあります。第1号、第2号、第3号ということでございますけれども、寄附の勧誘を行うに当たっては、法人等は次に掲げる事項に十分配慮しなければならないということで、この配慮義務の規定は、何々をしてはいけないとかこの行為をしてはいけないというよりは、勧誘を受ける個人の側がそういう状態に陥っているとか、個人の側が寄附の勧誘によってある一定の状態に陥ることがないように配慮しなければならないというような規定の仕方をしております。

具体的には、第1号で、自由な意思を抑圧して、寄附をするか否かについて、適切な判断をすることが困難な状態に陥ることがないように配慮することとしております。

第2号が、当該個人あるいはその配偶者や親族の生活の維持を困難にすることがないように配慮する。

第3号は、法人等が何者であるかを特定するに足りる事項を明らかにして、かつ、寄附される財産の使途について誤認させるおそれがないように配慮することとしております。

第4条が、こういうことをしてはならないという禁止行為ということで規定をしております。

第4条と第5条が禁止行為の規定でございますけれども、第4条につきましては、消費者契約法で取消原因になるような不当勧誘行為のうち、無償行為あるいは片務契約というものについても適用が考え得るものを6つ挙げております。

まず、禁止行為として規定をしておりますので、不退去や退去妨害などを列挙しているわけですけれども、そういう行為をして、個人を困惑させる行為を禁止行為としているということでございます。

このうち第4条第6号は、先ほど改正法で御説明をさせていただきました消費者契約法の改正に係る霊感等による知見を用いた告知の関係の取消権と同じような規定ぶりにしているということでございます。

第5条は、寄附の勧誘をするに際して、借入れをして寄附をするように要求するとか、自分なり家族なりが現に居住している不動産を売って寄附の資金を調達するように要求をするようなことと、もう一つ、その本人あるいは家族の生活の維持に欠くことができない事業を継続していくために必要不可欠な事業用資産について、これを売って寄附の原資をつくるようにというような要求をする行為を禁止しております。

これら配慮義務あるいは禁止行為についての行政措置に関する規定を、第6条以降に規定しております。

第6条は配慮義務に関係するものでして、配慮義務ということですので、勧告までということになっております。かつ、先ほど申し上げましたように、配慮義務というのはそういう状態にしないようにということですので、勧告の仕方も、遵守すべき事項を示して、これに従うべき旨を勧告するというような形になっております。

また、勧告をした場合に、法人等がこれに従わなかったときは公表することができるという規定、それから、必要な限度において報告徴収ができるという規定を置いております。

第7条は禁止行為についての行政措置でございます。こちらは勧告を守らない場合の命令規定もあるということでございます。報告徴収について、第1項にも書いておりますけれども、第2項で、こちらは禁止行為ですので、してはいけない行為がはっきりしているわけですから、その行為の停止その他の必要な措置を取るべき旨の勧告をすることができる。それから、そこの勧告に係る措置を取らない場合に、それを取るべきことを命ずることができる。第4項で、命令をしたときには、今度は公表しなければならないという規定としております。

以上が行政措置に関するところです。

第8条に、取消権の規定を置いております。先ほどの第4条の禁止行為の規定がございましたけれども、その各号に掲げる行為を法人等がしたことによって、個人が困惑をして寄附の意思表示をした場合に、その寄附の意思表示を取り消すことができるということで、形としては消費者契約法と同じような枠組みになっておりますけれども、規定の範囲は先ほど申し上げましたように、取消しに関係するような行為を契約法と同じレベルにしておりますので、消費者契約法で取消しの対象になるものは、第8条の取消しの対象から除いております。特に限定するということではなくて、かぶらないようにしているだけで、どちらかで取り消せることになろうかと思います。

この取消権の行使期間につきましても、先ほどの霊感に関するものについては3年と10年ですけれども、それ以外のものについては契約法のほかのものと同じく、追認することができる時から1年、それから意思表示があった時から5年としております。それを第9条に規定しております。

第10条で、家族、特に扶養されるべきお子さん、あるいは婚姻費用の負担をしてもらうべき配偶者という方々の保護に資するという意味で、民法に定められております債権者代位権の行使をしやすくするという規定を置いております。

ポンチ絵で若干書いておりますけれども、被保全債権という言い方をしますが、債権者代位権における被保全債権が扶養義務等、いわゆる婚姻費用や養育費等の定期金債権である場合について、取消権や取消権を行使した後の金銭の返還請求権について、通常の民法の債権者代位権であれば、履行期が到来しているものしか債権者代位権を行使できないわけですけれども、履行期が到来していないものについても債権者代位権の行使を可能にするという形で、民法よりも使いやすくしているところでございます。

今申し上げましたとおり、代位する権利というのは、この法律の範囲、先ほど申し上げました第8条の取消権と、消費者契約法の該当する取消権、それから、それらの取消権を行使したことによって生ずる返還請求権を代位行使することができるとしております。

将来、まだ確定期限が到来していないものについては、それを全て子供とか配偶者のもとにお金を全部渡すというのはちょっと問題があろうということもありますので、供託をさせることができるという形にしております。

それから、扶養義務等に係る定期金債権の具体的には第4項のところで、先ほど申し上げましたけれども、夫婦間の協力及び扶助の義務や婚姻から生ずる費用の分担の義務、子の監護に関する義務、扶養の義務といったものを明記しております。

第11条で、この債権者代位権の行使もそうですし、あるいは取消権の行使もそうですけれども、それらについて十分に活用していただけるようにということもありますので、法テラス及び関係団体等が連携を強化して、利用しやすい相談体制を整備する等、必要な支援に関する施策を講ずるよう努めなければならないという国の支援に関する規定を置いております。

それから、運用上の配慮ということで、第12条になりますけれども、まず寄附自体は社会活動における有益な面もある。それが萎縮するようなことはあってはならないということもございますので、法人等の活動において寄附が果たす役割の重要性に留意するという点、それから、学問の自由、信教の自由、政治活動の自由といったものについて十分に配慮して、この法律を運用するべしという規定を置いております。

罰則の規定は、いわゆる間接罰になりますけれども、禁止行為についての命令に違反した場合、それから、禁止行為関係の報告徴収に違反した場合についての罰則規定を置いております。配慮義務については、罰則規定は置いておりません。

最後、附則のところでございますけれども、新法につきましても、原則として公布の日から起算して20日を経過した日に施行するということで、1月5日ということでございますけれども、一部例外がございまして、第4条の第3号、第4号、それに基づく取消権であるところの第8条の第3号、第4号に係る部分は、さきの通常国会で消費者契約法が改正されたときに入った取消権の規定ですけれども、これについては通常国会のときの改正の施行が公布から1年となっておりますので、それとずれることはまた混乱を来すということですので、これはそちらの施行日に合わせている。具体的には来年の6月1日になろうかと思います。

それから、附則の第1条第2号で、特に行政措置に関する部分と、禁止行為とし第5条の規定、これは別に消費者契約法とかにある規定ではなくて、また新たに寄附というものに着目して禁止行為を定めている点もございますので、これらについては周知期間を一定置くべきであるという観点から、1年を超えない範囲内で政令で定める日としているということでございます。

すみません。お時間を超過いたしましたが、御説明は以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございます。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は40分程度でよろしくお願いいたします。

清水委員、よろしくお願いします。

○清水委員 説明ありがとうございます。

消費生活センターの現場にいますと、国民生活センターとの連携強化は日頃すごく重要でして、私たちがPIO-NETに入れる情報がいかに国民に届くかというのが、私たちは毎日思うところでございます。

そこで、今回の法律で役割強化していただいたこと、本当にうれしく思います。特にADR、紛争解決手段の迅速化というのは、これをやっていただいて公表することにより、消費生活センターのあっせんがすごくやりやすくなるという現状があります。いつも国民生活センターがADRの情報を出してくるのを私たち現場では細かく見て参考にしているところです。

また、事業者名の公表につきましては、消費生活センターの一番の被害未然防止というところからすると、これも本当に実現化することを望んでおります。

もう一つは新法です。30年来、私は20年来ということで、こういった宗教の問題、被害者というより被害者の家族から直接いろいろ聞いてきました。いつかきっと国が何とかすると言い続けて、私は相談員になって20年、先輩たちは30年、待ちに待ったという形で一定の方向ができたことは本当にうれしく思います。

特に関係機関、連携ということで相談場所が法テラスときちんと決まったこと、今まで試行錯誤して弁護士会とやってきましたけれども、本当にきちんと相談体制が整うことを望んでいます。

そこで、私たち消費生活相談員もこの新法をきちんと理解すべきだと思っていますので、是非消費者庁から地方自治体にはきちんとした情報提供をお願いしたいと思います。

また、国民に対しては、新しい法律ができたということの周知をしていただきたいです。私たち消費生活センターも啓発の必要性を感じています。特に大学の新入生のガイダンスだとか、若い女性、主婦層という方にも、不安で育児ノイローゼになった人が、もしかしたらカルト的なものにはまってしまうというのもあります。そういう相談も聞きます。ですから、私たちセンターもより一層、消費者トラブルだけではなく、マインドコントロールによる選択で宗教に入ってしまうということも今後一層啓発や相談をやっていきたいなと思いました。

一定の方向ができたので、現場でも使えるように、また、弁護士会や法テラスと連携も強化していけたらと思っています。ありがとうございます。

○後藤委員長 コメントはございますでしょうか。

○消費者庁法制検討室黒木室長代理 ありがとうございます。

周知広報につきまして、あるいは法律の解説などにつきましても、なるべく早い時期にということで考えています。施行が1月5日ということなので、そこに少なくとも何らかのものを間に合わせるということと、追って更に詳しいものということも準備して、公表等をしていければと思っておりますし、また御説明の機会等も頂ければ、積極的にやっていきたいと思っております。ありがとうございます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、星野委員、よろしくお願いいたします。

○星野委員 御説明ありがとうございます。

また、この間、様々な作業をされたことにつきましては、大変御苦労様でございます。

EBPM関連で御意見させていただきたいと思います。まず、新法の附則第5条、政府はこの法律の施行後という形で、検討するという条項、それから改正独立行政法人国民生活センターの第42条第2項、当事者である事業者の公表、この2点に関しまして御意見させていただければと思います。

事業者の公表というところに関しては、先ほど御意見がありましたように未然防止ということもございますが、法律の効果測定、これで被害が防止、救済されたのかということに関してはきちんとチェックしなければいけないと思いまして、そもそも訴訟件数や被害相談の推移みたいなものをきちんと把握する必要があるかと思います。先ほどのセンター法の第42条第2項の公表された事業者について、公表後に相談件数の推移がどうなったのかとか、訴訟がどれだけ件数があったのかというところをきちんとモニタリングする必要があると思います。

センター法第42条第1項に関しましては、消費生活に関する情報を有する地方公共団体その他の者に対して情報提供を依頼すると、できると書いておりますが、もう少し拡大解釈というか、法務省、警察庁との密な情報連携や情報共有、または情報提供の依頼ということで、せっかく国民に関して非常に関心事の話題についての法執行、法改正があるわけでございますので、是非そういったものを特に法務省、警察等から情報提供を単に1回だけではなくて定期的にしていただけるような枠組みを是非作っていただきたい。

行政記録情報の活用に関しましては政府全体で、私もいろいろな委員会に出させていただきましたけれども、内閣官房や内閣府、経産省、総務省など、非常に様々な進展がこの間ございますので、是非行政記録情報をきちんと活用して、法制度の効果があったかどうかということ、または必要な未然防止の体制に関してというものを考えるためにも、そういった情報の取得を、消費者庁側としましては、国民生活センターなどの関連団体だけからではなく、特に法務省、警察庁からの情報提供を定期的に受けるという形で、是非していただければと思います。

法人といっても、宗教法人とそれ以外の法人もございまして、別の消費者契約問題との推移の差みたいなものを利用して、この法律がどれだけ効果があったかということはかなり分析できると思いますので、また、消費者紛争の当事者というところだと、様々な相談を受けているセンターだけではなくて、直接訴訟が起こることもございますから、そういった当事者の情報に関しましても、単にセンターからの相談だけではなくて、積極的に外部の情報、特に法務省、警察庁から情報取得をするということもあっても良いわけですし、それが非常に有効な防止措置にもつながることになりますので、そういった仕組みを今回の案件、もちろんこれ自体も重要ですし、ほかの消費者問題の解決に関しても重要でございますので、是非今回のことをきっかけに、定期的な情報共有、情報取得の仕組みを作っていただければと思います。

ありがとうございます。

○後藤委員長 いかがでしょうか。

○消費者庁法制検討室黒木室長代理 御意見ありがとうございます。

まず、行政関係の情報につきましては、新法の第13条がございまして、定期的にと書いているわけではございませんけれども、内閣総理大臣はということで、この場合は消費者庁はと読んでいただいてもよろしいかと思いますが、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対して資料の提供、説明、その他必要な協力を求めることができるという規定を置いておりますので、行政措置等を講じていくに当たって必要な場合等については、御指摘の様々な省庁等にも適宜、御協力をお願いするということは法律上も一応根拠を置いております。

それから、裁判とかになりますと、行政の情報だけではなくて、民事の訴訟が多いかと思いますので、裁判あるいは相談情報を、全件をしっかり把握するというのは難しい面があろうかと思いますけれども、例えば第11条で関係機関及び関係団体等との連携を強化してとありますように、様々な取組をされているような、被害者支援をされているような方々も含めて、御協力いただけるところとしっかり連携をしながら、状況などを注視して、新法あるいは改正法の活用状況などもいろいろ情報を頂きながら、2年後見直し等に向けても考えていければと思っております。ありがとうございます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 受田です。

黒木課長、御説明ありがとうございました。

短期間での立法化に向けて御尽力いただきましたこと、心から敬意を表したいと存じます。

私自身、理解がまだ不十分なところがありますので、考え方を是非お聞かせいただきたいという質問でございます。消契法並びに新法の配慮義務、あるいは債権者代位権に関わる質問と御理解いただければと思います。

まず、消契法における困惑という概念を拡大して考えていくという考え方は理解できるところでございます。一方で、こういった法律の考え方において、困惑というものを、いつ、あるいは誰がという観点から見てきたときに、私自身、まだ理解ができていないところがございます。

つまり、今回の問題において、当該の組織とそこに関わる信者の方々がいらっしゃって、結果的にマインドコントロールであったり、感情、意思を支配されていくようなケース、あるいは不安をあおったり、人間関係を利用し誘導していくということで、それを信じ込ませるというところで、時制でいうと、現状に関してはその寄附される方は全く意思に背いていないといいますか、意思に反した行為をされている自覚がないのではないかと思います。

ところが、時間が経過したときに振り返ってみると、結果的に支配されたり誘導されたことを後悔する。その後悔自体が、振り返ってみると当時困惑していたと、感情から見れば理解をすることができるのではないかと思うのですけれども、そのような困惑、それから後悔という考え方が、法律をつくっていく際に議論をされていたのかどうか。後悔をするということは、誰がという点で見ると、寄附者ということになると思いますけれども、当然今回の場合、宗教二世や新法における子供や配偶者といった方々も関わってまいりますので、どこまでが後悔をする対象として認識されているのか、そこの主語の部分をどのように考えておられるのかという点について質問させていただければと思います。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁法制検討室黒木室長代理 全て理解できているかどうか自信がございませんが、取りあえず今御指摘いただきました点について、分かる範囲でお答えさせていただきます。

まず1点、困惑の概念を拡大というのは、少なくとも今回の改正法において、既存の消費者契約法の困惑という規定の解釈でありますとか、あるいは新法でも消費者契約法と同じ困惑というものを使っておりますけれども、これを特に拡大してということではございません。

他方で、恐らく最も注目されているのは、今回の一連の問題を踏まえてのものですので、霊感に関係する取消権のところかと思いますけれども、こちらでこれまでと違って、もう少し時間的な幅があるようなものが入っているという点かと思いますが、こちらは不安に「乗じて」というところがより幅広く見ていけるような根拠になり得るものかなと思っております。

当該個人が、法人が過去にあおった不安を今も抱き続けているということもありましょうし、あるいは、別に法人と関係なく、もともと御自分が御病気だとか、いろいろなことを不安に思っておられる状態もあろうかと思いますけれども、そういう不安を持っていらっしゃる人がおられて、そういう不安を持っていることを知って、それに乗じて、あなたこういう寄附をしないと大変ですよみたいなことを言うというものを捉えていくということですので、そこで比較的問題とされているものをカバーできるのではないかと思っているということでございます。

それから、御指摘いただきましたように、本人が現に寄附をされたときとかには、御自分が困惑をしている、不安に乗じられて困惑をしていたとか、不安をあおられていたということにもあまり気付いていなくて、自分が困惑していることに自覚がないという状態は当然あろうかと思いますけれども、その後で後悔をして、あるいは後から、あの時、実はやはり困惑をしていたのであるということに気付く。そこから、やはり寄附を取り戻したいということは当然あり得ると思いますので、そういう場面で取消しができるというのはおっしゃるとおりかと思っております。

ただ、時効の制限はございますけれども、そういう意味で、特に霊感等によるような被害関係につきましては、気付くことにも時間が掛かったりということがあろうかと思いますので、取消権の時効の期間を伸長して対応しているということでございます。

そこで、あくまでも困惑していることに気付いて取消権を行使する主体は、当該本人、当該消費者なり当該個人となろうかと思います。

他方で、債権者代位権の行使の関係で、家族など、自分の親なりが持っているであろう取消権を代位行使する場合がございます。代位行使しなければならないということは、本人がまだ取消権を行使しようとなさらないから、家族が代位行使をしなければいけないということでありますので、本人が私は実は困惑していましたということを主張するよりは、いろいろ工夫が必要かと思いますけれども、こういう事情の中で、うちの親はこうやって寄附をしたのだとかいろいろ主張していただいて、これは客観的に言えば困惑をさせられたことであるという主張をしていただくことになろうかと思いますが、あくまでそこで困惑しているのは、家族が困惑したということではなくて、当該本人が困惑をしてした寄附に違いないから、これは取消しができるのであるというふうに、代位権を行使していただくことになろうかと思います。

○受田委員長代理 ありがとうございました。

すみません、分かりにくい質問で、お答えいただきましてありがとうございます。

最後のところに関しては、誰がというところで具体的にお答えを頂きましたけれども、今後、関わっておられる方々の範囲が、これによってどの程度の制約を受けるのか、また、今の家族形態やコミュニティから考えていくと、かなりこういった関わりを持つ方々は広がっていく可能性もあるのではないかというところは非常に不安といいますか、考慮すべき課題ではないかと個人的に思っております。

ありがとうございました。

○後藤委員長 よろしいですか。

どうもありがとうございました。

それでは、飯島委員、よろしくお願いいたします。

○飯島委員 飯島でございます。御説明いただきまして、ありがとうございました。

立法の経緯や過程を十分に把握しておりませんで、また、十分な検討もできないままで恐縮ですけれども、3点質問等をさせていただきたく存じます。

1点目は、第3条の法人等の配慮義務と、これを担保するための第6条の勧告についてです。「配慮しなければならない」とか「配慮をしなければならない」という言葉を現行法規でざっと検索しますと、200以上の法律がこの言葉を用いているようです。その中には「十分に」「十分」「特に」といった言葉を付しているものもあります。そこで立法技術上の統一が図られているのかは確かではないのですけれども、ただ、全く別の分野ではありますが、自覚的に使い分けている立法例もあるようです。

第3条の「十分に」という言葉については、立法過程で大きな論点になったということ、立法者意思を踏まえて、どのような法的意味付けをするのかを検討していくことになるかと思います。それは、法人等の行為規範としての意味付けというだけでなく、第6条の行政による勧告権限の行使に当たっても関わってくるのかもしれません。

第6条では、著しい支障が生じているとか、明らかに認められる場合、更に同様の支障が生ずるおそれが著しいと認めるときといったように、非常に広範な裁量が認められているかにも見えるのですが、この裁量権限の行使に当たって、一定の枠付けも考えられるかと思います。例えば考慮事項や考慮事項間の重み付けの仕方において、第3条の「十分」な配慮義務も関わってくるという解釈の余地があるのか、これが1点目の質問でございます。

2点目は、第4条、第5条の禁止行為を担保するための第7条の報告、勧告、命令に関してです。第7条も、特にとか、著しいという言葉を用いて、広範な裁量を認めているようにも読めます。この点に関して、第7条第2項で「不特定又は多数の個人」という言葉が出てきますが、これは、こういった場合には行政上の措置、特定の個人の場合には第8条の民事上のルールという振り分けの機能を果たすのか。しかし、不特定又は多数の個人とは言っても、いわゆる単なる一般的公益ではなくて、個々人の個別的利益として保護するために行政が介入するのだと読んでよろしいのか。行政手続法第36条の3に基づいて、処分又は行政指導の求めを「何人も」できることになるのだろうとは思いますが、更に進んで、行政の介入を請求する権利、あるいは一定の場合には規制権限の不行使が問題となる、違法となる余地もあり得るのかというのが2点目の質問でございます。

3点目は、第12条の「個人及び法人等の……自由に十分配慮しなければならない」に関してです。個人の自由と法人等の自由が並べられていますけれども、申し上げるまでもなく憲法学における法人の人権論などにありますように、個人の自由と法人等の自由は決して同じではない。正に、法人等からの個人の自由が問題となる局面があり得ますが、そのことを念頭に置いて運用が進められていくのか、お伺いしたく存じます。

以上3点、非常に不十分で恐縮ですけれども、現段階での基本的な考え方等について御教示いただけましたら幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁法制検討室黒木室長代理 不足があれば落合からも補充をしてもらおうと思います。

まず1点目、新法の第3条に、「十分に」という用語が入ったという点について、先生も御承知のとおりかと思いますけれども、国会での御審議の中で、修正によって入った部分でございます。これが行政措置の要件として入ったというような感じではなかったかと思います。どちらかというと、「十分に」というものを加えることによって、当該法人等が個々の寄附対象者の状況や実態に応じて配慮義務があるわけですけれども、その注意を更に促して、配慮義務の規定の実効性がより高まる効果が見込まれるのではないかというようなことから、「十分に」というものを入れられたという御説明が国会でもされていたのではないかと思っております。

それから、第6条、あるいは第7条にも通じるかと思いますけれども、特にとか著しいとか、行政措置が発動するに当たっての要件が種々書いてあるということですが、どちらかというと広い裁量権を認めるというよりは、何でも行政処分、行政措置が講じられるというよりは、一定、抑止的に行使すべきであるという観点から、条件を比較的慎重に書いているということかと思っております。

特に配慮義務につきましては、禁止行為よりも更に配慮義務というレベルのものであるので、禁止行為より更に抑制的であるべきだという御指摘も国会でもあったかと思います。

特に第7条に即して御説明させていただきますと、例えば第7条第1項の報告徴収の要件について、「特に必要と認めるとき」というのがございますけれども、例えば禁止行為が特定又は多数の者に対して組織的に行われていて、社会的な影響が大きいと考えられるような場合であって、被害者の保護を図る必要性が特に強い場合というようなものがそういうものに当たるであろうということでございます。

さらに、勧告、命令等に当たっては、組織性、悪質性に加えて、不特定多数の者に対して継続して禁止行為が行われる蓋然性が高いというような場合に、広範囲にわたる被害の拡大防止を図る必要性が特に強いと認められる場合に、勧告あるいは命令という場面に至るべきであろうというようなことかと思っております。

それから、不特定多数というものにつきましては、特定少数を除外するという意味でございまして、不特定もしくは多数ということですので、そういう方に対してと。行政措置ですので、1件起こったから何か行政措置をするということはあまり考えにくいであろうということでございます。

他方で、先生も御指摘になりましたように、民事ルールの取消権につきましては、当該寄附をした方が正に不当な勧誘を受けて、困惑をして、寄附をしたということであれば、その1件しか起こっていなかろうが、それは取消しの対象に当然なるということかと思っております。

それから、第12条の運用上の配慮義務につきまして、主に法律の運用に当たってということですので、行政がこの運用、特に行政措置等を講じていく場合に、学問の自由、信教の自由、政治活動の自由について十分配慮して、それを不当に侵さないようにということを配慮義務の規定として置いているということでございまして、今後またいろいろ考えていくべき場面はあろうかと思いますけれども、個人が何かするときに、特に何か義務を課すとか、そこまでのことというよりは、主には行政向けの規定とは考えております。

○後藤委員長 よろしくお願いします。

○消費者庁法制検討室落合副室長 どうもありがとうございました。

今、黒木室長代理が申し上げたとおりなのですが、1点、第7条第2項のところで、先生の御質問で、行政の介入は認められるのかというのがあったかと思います。これも行政措置の規定でございますので、基本的には国というか消費者庁が勧告等を行うということで、個別の事案を対象にするのではなくて、あくまでも全体的なもの、法の運用の中で捉えたものであります。そういう意味では、個々の事案を対象にして何らかの影響をさせるというものではないのですが、他方で、所定のものが満たされれば、行政手続法上の請求については妨げられないだろうと理解しております。

あと、個人と法人の信教の自由も、正に措置を運用するに当たっての配慮なので、どういう場面が問題になるか。個人の信教の自由も妨げてはいけないし、法人の活動も妨げてはいけないということで、個別の事案に即して判断されるということだと思います。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。飯島委員、よろしいでしょうか。

○飯島委員 また勉強させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 ありがとうございます。非常に分かりやすい御説明を頂けたと思っております。

日弁連は、実は9月からフリーダイヤルで霊感商法等に関する相談案件の一次集計がホームページに挙がっていまして、既に11月の末の段階で、僅か2か月で624件の相談があったということになっています。

新しい法律の第11条で、このことについて支援を法テラス等でしましょうということにもなっていて、現在、全国にこの弁護団を作って、法テラスとの関係でどういう形で事件分配をするかというようなことについても内部で検討しているということです。新規法と消契法の改正という形で、弁護士としても新しい案件に対する対応を迫られているという客観的な状況の中で、新しい法律についてちょっとだけ質問したいと思っています。

まず1つは、消費者法の現状を検証し将来の在り方を考える有識者懇談会というのでずっと検討されておりまして、それとはあまり関係なく、今回、消契法の改正、取消権のところが、親族とその辺りが増えたという改正がなされた。困惑類型の一部のところだけが変わったことについて、有識者懇談会との関係とかはどのようになるのかという点がまず1点目、これは今後の消契法全体についての検討という観点でお尋ねしたいです。

先ほど飯島委員もおっしゃっていて、私も非常に興味があるところなのですけれども、法人等の勧誘に関する禁止行為と配慮義務と寄附の不当な勧誘の防止という第2章で1節と2節が設けられたということで、これは団体と個人との間の寄附に関するもので、単独行為なのか契約なのかとか、いろいろ寄附行為について争いがあったところを包括的に、こういうことはやってはいけませんという形で明示していただいたということは今後の解釈、運用のところで非常に重要だと思っております。

この禁止行為は、過去にこれに違反していた場合、第709条の違法性の解釈にこの禁止行為というものが明確になったことによって解釈に影響を与える。すなわち、ある意味、第709条はずっとある法律なので、民法第709条の不法行為の違法性のところに、明確になった禁止行為が実際上解釈として充実したものになったというだけであって、前から違法だったものが明らかになっただけだということになると考えたいと思っているのですけれども、そのような解釈が取れるのかという点が2点目の質問です。

3点目は、非常に重要な新しい他人の寄附行為というものについて、現実の被害を受けている親族等々が債権者代位権を使って、そういう団体に対する取消権を行使するというのは画期的な法律だと思います。

ただ、ここで、被保全権利、要するに親族間の給付請求権みたいなものになっています。そうすると、これどうやって具体的な金額を確定していったら良いのかということについて、手続的なところでどのようなお考えで立法されたのか。

以上3点だけ教えていただければと思っております。

以上です。

○消費者庁法制検討室黒木室長代理 ありがとうございます。

まず、1点目、今、消費者庁で別途開催しております有識者懇談会の御指摘を頂きましたけれども、先生も御指摘のように、有識者懇談会での議論を経て何か今回の改正がとか、そういう関係があるわけではもちろんないということでございますが、他方で、今回の改正法に附帯決議を付けられております。衆参でそれぞれ幾つか御指摘を頂いておりますけれども、今、御指摘いただいたものと一番関係が深いものとしては、まず、その有識者懇談会自体が、さきの通常国会の消費者契約法、消費者裁判手続特例法の改正の際の附帯決議を踏まえて開催しているというものでございますけれども、そことの関係で、例えば衆議院の附帯決議の第10項などでは、消費者契約法についてはということで、行政措置を導入して、民事ルールと相まって被害の防止、救済を実現しようとする新法の意義とか、配慮義務その他の規定に係る成立過程における国会での議論も踏まえて、通常国会における附帯決議で求められた契約法の消費者法令における役割を多角的見地から整理し直した上で、既存の枠組みにとらわれない抜本的かつ網羅的なルール設定の在り方についての検討を進めることというような御指摘も頂いておりますので、そういう意味では、今後の抜本的な検討に、今回の新法、あるいは新法の成立過程での御議論などもしっかり参考にしていくようにというような御指摘であろうかと思っております。

2つ目が不法行為の関係です。あくまでも法律でございますので、法律の規定自体が過去に遡及して適用されるということではないということは先生も御承知のとおりかと思いますけれども、他方で、今回、配慮義務の規定あるいは禁止行為の規定も、そういうことに配慮しなければならないという規範を、法律をもって定めたもの、あるいは、こういうことは禁止されるべき行為であるということが法律をもって定められたということが、裁判の場で一定配慮されるというか、そういう場面も当然あろうかと思います。最終的にはもちろん個々の裁判での御判断かと思っておりますけれども、直接遡及するわけでは当然ないけれどもということで考えております。

3点目、被保全債権の確定につきまして、特にこの法律で新しく何かということではないので、一般に少なくとも何らか合意がもともとある、あるいは裁判等で確定されているとか、金額等についてはそういうことで確定していくという手続が必要になろうかと思っております。

○黒木委員 ありがとうございました。

○後藤委員長 よろしいですか。

ほかにございませんでしょうか。

木村委員、よろしくお願いします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

短くやります。このような法律が決められて、少しでも皆さんが救済されるということは本当に喜ばしいと思いますし、これまで諦めていた方が救われるのではないかということは、私もこれから期待するところなのですけれども、未然防止のためにも、ガイドラインをどのようにしていくかということを私も注視していきたいと思いますし、救済となる勧告とかを消費者庁がどのように出していくかということがすごく大事だと思いますので、そこも含めて、是非機能的にしていただければと思います。

以上です。

○後藤委員長 どうぞ。

○消費者庁法制検討室黒木室長代理 御指摘を踏まえて、しっかりやっていきたいと思います。

執行等ございますので、しっかり体制も整備してということで、現在、人の確保とかも含めて、あるいは予算の確保もしておりますし、そういうことをしっかりやっていけるように、行政措置は施行までに若干時間があるということでもございますので、その間にしっかり準備をして、備えていきたいと思っております。ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。

委員の方々からいろいろな意見が出ておりまして、基本的な方向として、消費者契約法等に関する改正法、それから新法、この2つの法律について歓迎すべきだ、基本的に法律ができて良かったという方向の御意見がまずありまして、それが委員の中で基本的な認識になっていると思います。

そういう中で、御質問、御指摘もありましたけれども、今後の法律施行後の運用状況についての検討に関しては、EBPMの観点から、定期的に検討していく仕組み、しかも情報を得る範囲について、法務省や警察庁が具体的に出ておりますけれども、それらを含む広い範囲からの情報の取得が大事なのではないか。そういった法律施行後の運用状況の検討についての御指摘がありました。

それから、今回、新法が行政措置と結び付いているということでありまして、それぞれの条文、例えば配慮義務の第3条で十分にという言葉が入っているとか、第6条や第7条で著しいとか、特にという言葉が入っていて、広範な裁量を認めるような記述であると思いますけれども、そういった記述と行政措置の発動との関係についても、広い視野からの御指摘で、非常に重要な御指摘だと私は思いましたので、これらについても、今後、念頭に置いていただけたらと思います。

それから、消費者契約法の困惑による取消しの規定が第4条第3項にありますが、今回、困惑について新たな文言が入りまして、親族という文言や、不安を抱いている状況に乗ずるという文言でありますけれども、これらにより適用を広めたという点についても歓迎すべき改正が行われたと理解いたしました。

また、禁止行為で規定されている内容や配慮義務で規定されている内容について、直接には禁止行為の場合で御質問があったと思いますけれども、違反があった場合に、不法行為に基づく損害賠償請求権に影響を与えるかという点についても御質問がありまして、これについては裁判所が判断することであるけれども、それが否定されるようなことではないという方向の御説明があったと思います。禁止行為についての質問だったのですけれども、配慮義務についても不法行為との関係は出てくると思いますので、そういう点についても重要な御指摘だと受け止めました。実際には、損害賠償が柔軟に被害者救済に使えるという面がありますので、もちろん今後の裁判の展開の問題になりますけれども、方向性として、そういうことも現在の時点で念頭に置いておく必要があるのではないかと思います。

御質問も出ておりますけれども、2つの法律に期待して、そして、その内容を十分に周知していく。解釈の明確化や周知広報についても御指摘がありまして、これも委員全体の総意でお願いしたいと考えているところであります。

本日は、分かりやすく御説明いただきました。消費者庁法制検討室の皆様におかれましては、短期間での法改正、新法成立に御尽力いただきまして、敬意を表したいと思います。本日の委員の方々の御発言を含めて、法律の解釈の明確化や法律施行後の適切な運用等に努めていただけたらと思います。

消費者委員会としましては、本日の議論を踏まえて、まずは法律施行後の状況を注視してまいりたいと考えております。

本日は、お忙しいところ審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。どうぞ御退席ください。

○消費者庁法制検討室黒木室長代理 ありがとうございました。

(消費者庁 退室)


《3.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は以上になります。

最後に、事務局より今後の予定について説明をお願いいたします。

○友行参事官 次回の本会議の日程などにつきましては、決まり次第、委員会ホームページなどを通じてお知らせいたします。

以上です。

○後藤委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございました。

(以上)