第384回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2022年11月18日(金)10:00~11:19

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長、木村委員、黒木委員
    (テレビ会議)青木委員、飯島委員、生駒委員、受田委員長代理、大石委員、清水委員、星野委員
  • 【説明者】
    消費者庁山地消費者教育推進課長
    文部科学省総合教育政策局安里男女共同参画共生社会学習・安全課長
  • 【事務局】
    小林事務局長、岡本審議官、友行参事官

議事次第

  1. 消費者教育について(消費者教育の推進に関する基本的な方針の変更)

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから第384回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、木村委員、黒木委員、私が会議室にて出席、受田委員長代理、青木委員、飯島委員、生駒委員、大石委員、清水委員、星野委員がテレビ会議システムにて御出席です。

開催に当たり、会議の進め方等について事務局より説明をお願いいたします。

○友行参事官 本日は、テレビ会議システムを活用して進行いたします。

配付資料は、議事次第に記載のとおりです。もし、お手元に不足等がございましたら、事務局までお申し出ください。

以上でございます。


《2.消費者教育について(消費者教育の推進に関する基本的な方針の変更)》

○後藤委員長 本日最初の議題は、消費者教育についてです。

現在、消費者庁等において、「消費者教育の推進に関する基本的な方針」の変更の検討が進められております。

当委員会では、8月4日に消費者庁から見直しの方向性についてヒアリングを行った上で、9月2日に基本方針の変更に向けての意見を発出いたしました。

本日は、10月28日の消費者教育推進会議において審議された基本方針の変更案について、消費者庁より御説明を頂きます。

本日は、消費者庁消費者教育推進課、山地課長に御出席いただいております。

また、質疑への応答として、文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課、安里課長にもオンラインにて御出席いただいております。本日は、ありがとうございます。

それでは、山地課長より20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございます。

それでは、御説明させていただきます。

委員長御案内のとおり、9月2日に消費者委員会から、参考資料2でお付けしてございますけれども、我々で検討してございます、消費者教育の推進に関する基本的な方針の変更について、御意見を頂いたところでございます。

その中での御指摘で頂いてございますのは、SDGs達成に向けて消費者市民社会の一員として行動する消費者の育成ということで、実現に向けての観点ということで、小中高、特別支援学校から大学、専門学校、職域において、各段階に応じた消費者教育を実施することや、SDGs等の考え方に基づく消費行動には、持続可能な社会を目指すためのあらゆる取組が含まれることについて、理解増進を図ること等、また、自分事として捉え、消費行動について課題解決となる教育を推進すること、連携・協働することの重要性について普及啓発を行うこと、エシカル消費の基本的な考え方、具体例を積極的に紹介することについて、御意見を頂戴いたしました。

2番目といたしまして、デジタル社会における消費者被害の未然防止と回復に向けた対応ということで、実現に向けた観点といたしまして、消費者被害の未然防止の観点から、法分野の教育を充実させること。また、契約の成立時期等、契約に関する理解を深めるための教育に力を入れること。誰もがバイアスによるぜい弱性を持ち得ることから、行動経済学、心理学の知見も踏まえ、消費者被害の未然防止に向けた教育を実施すること。

それからデジタルリテラシーに係る消費者教育については、消費者にバイアスを生じさせる可能性があることを消費者が理解し、自らを守る視点とデジタルを積極的に利活用する視点の両方を踏まえ、継続的に最新情報を反映させていくこと。また、地方公共団体における取組について連携・協働を一層促進すること。

3点目といたしまして、消費者教育の効果測定につきまして、EBPMの考え方に立ち、必要なデータ収集やKPI設定を行い、効果測定を実施することが重要であるということで、実現に向けての観点といたしまして、PIO-NET情報を積極的に活用すること。また、行政機関が保有する情報の活用を検討すること。効果測定については、アウトプットにとどまらず、アウトカムを重視すること。前提として適時にデータを蓄積した上で、消費生活における考え方、行動についても併せて把握・分析し、施策へ活用すること。

新未来創造戦略本部で実施された取組について、横展開を検討すること。

適切なKPIの設定が容易でない施策について、新たな対応を検討すること。

基本方針と、消費者基本計画工程表に掲げる消費者教育施策との連携について留意すること、という御意見を頂きまして、推進会議で頂いた意見、そして、この意見書を踏まえまして、我々としては最大限盛り込ませていただいたのが、今回、御用意した案でございます。

まず、資料1の概要に基づきまして御説明させていただきたいと存じます。

資料1をおめくりいただきまして、1ページでございます。

基本方針の変更案についてでございまして、今回、新たに修正させていただいた点について、赤字で表記させていただいてございます。

消費者の多様化につきまして、高齢化と障害者についての記述について、混在しているという御指摘が推進会議でございましたので、少し整理させていただいてございます。

それから、2ページでございますけれども、社会情勢の変化ということで、ここは、赤字にしてはございませんけれども、具体的な本文では、2ポツの持続可能な社会実現に向けた機運の高まりにつきまして、表現を拡充させていただいてございます。

それから、右側の消費者自ら及び相互に学ぶ、考える、そして、行動するということも重要だという御指摘を頂きましたので、行動するということについて追記させていただいてございます。

消費者市民社会の一員としての行動促進の部分につきましても、拡充させていただいておるところでございます。

おめくりいただきまして、3ページでございますけれども、消費者教育の意義ということで、消費者が多様化し、一時的にぜい弱になる可能性もある中、様々な社会的課題に対応するために消費者教育の重要性が高まっているということで、ぜい弱性について触れさせていただいてございます。

消費者教育の意義といたしまして、消費者個人のWell-beingの向上も含まれ、個人のより良い状況が、社会全体のより良い状況につながっていくということも積極的に伝える必要があるということ、Well-beingの観点を新たに盛り込んでございます。

それから、消費者市民社会の意義ということで、一番下の部分でございますけれども、消費者と事業者が、共通の目的の実現に向けて共創・協働するパートナーとしての関係へと高めていくことが重要ということで、盛り込ませていただいてございます。

それから、4ページ目でございますけれども、消費者教育の推進の基本的な方向についてということで、まず、多様な消費者の特性を踏まえたきめ細やかな対応というところでございますけれども、取組の方向の部分で、チャットボットによる相談の推進について触れさせていただいてございます。

それから、社会のデジタル化を踏まえた消費者教育の一層の工夫でございますとか、一番下の部分でございますけれども、消費者被害の未然防止の観点から消費者法分野の教育を充実させるでございますとか、具体的な類型等について周知する必要があるということについて、御指摘いただきましたので、不安をあおって契約させる商法、霊感商法等と、消費者被害に遭いやすい類型・手法等について注意喚起するとともに、様々な救済制度・相談窓口の周知啓発ということについて明記させていただいてございます。

おめくりいただきまして、5ページでございますけれども、デジタル化への対応ということで、取組の方向の部分につきまして、誰一人取り残されないデジタル化のため、トラブルを回避し、賢く利用するための講座提供等を行っていく必要があるということ。

また、社会のデジタル化を踏まえた消費者教育の一層の工夫。

最新のトラブル事例や教材の提供による担い手支援。

それから、情報教育との連携等について盛り込ませていただいております。

それから、6ページでございますけれども、基本的視点といたしまして、教えられるだけでなく、消費者による自ら及び相互に学ぶ、考える、そして行動することを促進するということについて、盛り込ませていただいております。

それから、取組の方向でございますけれども、エシカル消費の基本的な考え方、具体的な行動例等の情報の提供ということで、赤字部分について盛り込ませていただいております。

それから、一番下の部分、消費者と事業者の共創・協働の促進ということについて、本方針で新たに盛り込んだところでございます。

おめくりいただきまして、7ページでございますけれども、地域社会の部分に、デジタル化に誰一人取り残されないための対応も重要ということ。

また、家庭の部分で、家庭でのルールづくりが重要、特に未成年者について保護者が責任を持って監督する意識を持つと、こちらについては、推進会議で御意見を頂いたところでございました。

それから、最後に9ページの部分でございますけれども、達成度の検証について、効果測定について御意見を頂戴いたしました。

今回、(1)を新たに立てまして、KPIの検討・設定という項目を盛り込ませていただいてございます。

アウトプット指標とアウトカム指標を整理し、KPIの設定に向けて検討する。

そして、設定が容易でない施策については、調査研究の実施と、それを踏まえた対応を検討すること。

また、KPIを設定している事例等を収集・情報提供すること等により、各地方公共団体の推進計画において、KPIが設定されることを促すということ。

それから(3)の基本方針の見直しにつきまして、今期の基本方針の対象期間が7年間ということとさせていただくことを踏まえまして、社会経済情勢の変化や新たな課題に対応するため、必要に応じて基本方針の変更の必要性を検討することについて明記させていただいてございます。

駆け足で恐縮ですけれども、基本的な方針については、以上でございます。

それから、資料3について御覧いただきたいと思うのですけれども、これから、KPIの測定に向けまして、我々、今、検討を始めているところでございますけれども、専門家の方々にいろいろヒアリングをさせていただきまして、お知恵を頂きながら、まとめたものについて、御参考程度に御報告させていただきたいと思います。

我々の最終的な目標といたしましては、一番右端にございます、インパクトという部分にございますとおり、消費者被害の防止・減少と社会の持続可能な発展と改善の実現、消費者市民社会の実現という部分が大目的であると考えているところでございます。

これに向かうための、一歩手前の部分というのがアウトカムの長期というところで、消費者被害の防止・減少というところ、そして、社会的課題の改善というところが大きな2つの目標になるのかなと考えてございます。

こちらの長期の目標につきましては、我々の目標だけで到達できるものではございませんが、我々としてできるものとして、その手前として考えられるものということについて考えたときに、中期にありますとおり、被害の未然防止のための行動ができる消費者の割合を上げていくということ。そして、被害に遭った際に、相談等の行動をして回避する、予防することができるような消費者の割合を上げていくということ。

一方、下の部分につきましては、エシカル消費につながる行動ができる消費者の割合を上げていくということが考えられるのかなと考えております。

また、その手前ということになりますと、その上にありますとおり、契約等消費生活に関する知識の正答率、知識を上げていくということ。

それから、下の部分でございますけれども、消費者市民社会、エシカル消費の認知度という部分を上げていくというところに、まず目標として取り組んでいくのかなと考えているところでございます。

そして、その手前の部分で、アウトプットということで、これまで目標として立てておりましたような消費者教育推進計画の策定状況、また、地域の協議会の設置状況でありますとか、コーディネーターの配置、講座の実施、ポータルサイトのアクセス件数や教材件数等との部分があるかと考えております。

そして、その手前として、そういった部分が促進されるような働き掛け等を行っていくというようなことになるのかなと、整理して進めているところでございます。

おめくりいただきまして、2ページの部分は参考でございますけれども、現在、消費者基本計画工程表にKPIとして我々が置いているのが、こちらになるところでございまして、一番上にありますとおり、市民社会の認知度でございますとか、エシカル消費の認知度という部分については、今後も行っていくのかなと思っております。

それから、地域での消費者教育推進につきまして、計画の策定状況、協議会の設置状況、地域における教育推進の実態把握、コーディネーターの設置、ポータルサイトのアクセス数、教材等掲載数と、こちらの部分については、先ほどのアウトプットというところに整理されるのかなと考えておるところでございまして、アウトカムに当たるような部分を、これから考えていく必要があると考えてございます。

その際、参考にできるようなものがどんなものがあるのだろうかということで、手持ちで持っているものをまとめたものが3ページになります。

SDGs関連、消費者市民社会関連ということで考えられますのが、エシカル消費につながる商品・サービス購入の意向がある人の割合、また、購入経験がある人の割合、また、日常的な実践者の割合、こういったところが参考になるのではないかなということで、また今年調査をする予定なのですけれども、こういったところを盛り込んでいきたいと考えておるところでございます。

また、成年年齢の関係で、1月に御報告した実態調査になるのですけれども、こちらも成年年齢ということで、18、19歳にフォーカスした調査になっておるのですが、社会への扉で取り扱った内容の正答率、それから、ネット通販での商品購入時に気を付けていることがある人の割合、通販利用時に発生した問題解消に向けて積極的な行動をとる人の割合。商品やサービス選択時に、エシカル消費につながる行動をとっている人の割合。これを見ると、案外若者は意識が高いのだなというところなのですけれども、こういった部分について、全年齢について把握していくということをやっていくのかなと考えておるところでございます。

また、おめくりいただきまして、4ページ、5ページでございますけれども、地方公共団体で、KPIを立てて取り組んでいただいているところが6割程度あるということで、参考にさせていただくということで、挙げさせていただいているのが、この4ページ、5ページになるところでございます。

総合的な評価指標ということで、例えば、千葉県での消費者教育学習の機会が提供されていると思う県民の割合、石川県の消費者教育を受けたことがある県民の割合。

また、鹿児島県では、消費者行政に対する県民の満足度といったものを挙げていらっしゃいました。

SDGs、消費者市民社会関連で申し上げますと、北海道の消費生活モニターのうち、エシカル消費の言葉、内容を知っていると回答した方の割合。

福井県の商品・サービス選択時に環境や社会のことを意識する消費者の割合。

静岡県も意識して選択する県民の割合。

兵庫県は、いろいろなエシカル消費行動項目をお挙げになって、それらを実施しているとお答えになっている県民の割合が60パーセント以上となる行動が6項目というような方々を想定しました。

徳島県は、エシカル消費の実践意欲度。

それから、鯖江市は、地域の取組が進んでいるのかなと思うのですけれども、地域・社会・環境のことを意識する消費者の割合という特徴的な取組でいらっしゃいました。

消費者被害防止関連でございますと、青森県の消費生活センター、ホットラインの認知度。

富山県のトラブルの経験がある県民の割合。

福井県の高齢者の特殊詐欺被害ゼロを目指す。

静岡県の消費生活相談における被害額。

兵庫県の過去3年間に消費者トラブルに遭ったことのある人の割合、それから消費者トラブルで既に支払いをしている人の割合。

鹿児島県の若年者のセンターの認知度、消費者ホットラインの認知度。

相模原市のクーリング・オフ制度の認知度といった目標を掲げていらっしゃいました。

そして、参考資料の3として、また、これもお付けしておるのですけれども、何回か頂いた議論の中で、消費者被害防止について減少させていくということも目標にするのではないかという御指摘を頂いたところでございました。

そういった指標例といって、どういったものがあるのだろうということを、我々も探しまして、見つけたものについて、参考でまとめた限りのものでございますけれども、御報告申し上げますと、消費生活相談の概況ということで、相談件数があってございます。

そして、消費生活相談の商品・サービス別上位件数といったデータが挙がっているところでございます。

それから、おめくりいただきまして2ページでございますけれども、こちらは、購入商品や利用サービスでの消費者被害・トラブルの経験ということで、被害・トラブルということで、対象となるものは濃淡あるのですけれども、例えば、商品の機能・品質やサービスの質が期待よりかなり劣っていたでありますとか、あとは、けが・病気をするなどの問題があった。実際に契約・解約時のトラブルにより被害に遭った。問題のある手口で契約・購入した。詐欺によってお金を払ったといったようなものについて、白書で消費者意識基本調査に基づき掲載されておるところでございます。

それから、消費者被害・トラブルの経験と、被害・トラブル額の推計ということについても、白書で毎年公表しているところでございまして、こちらにつきましては、下の備考の2ポツにありますとおり、消費者意識基本調査の結果から求めた消費者被害・トラブルの発生確率、それから消費生活相談情報から計算される被害1件当たりの平均金額、それから高齢者の潜在被害として想定される金額を加えて補正した推計額ということで、推計された数字というものが公表されておるところでございました。

おめくりいただきまして、最後のページ、4ページでございますけれども、詐欺及び特殊詐欺の認知状況ということで、こちらの資料については、警察庁の数値になりますけれども、詐欺の認知件数の推移でございますとか、特殊詐欺の認知件数、被害額の推移といったもの、こういったことについて減少に尽くしていくというのが、我々の取組なのかなと考えておるところでございます。

駆け足で恐縮でございますけれども、御報告については以上になります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は40分程度でお願いいたします。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 ありがとうございます。御説明ありがとうございます。

日々相談業務にいますと、本当に最近、インターネットを疑いなく信じてしまう、情報を選ぶということができない消費者が多くなっているというのと、また、逆にインターネットの広告が、そういう消費者をだまそうとしているものが数多くあるということから、喫緊の課題としては、消費者教育で、インターネットリテラシー、情報リテラシーの向上、まさしく消費者力の向上、中身を見抜くということが必要と思っています。

日頃、消費生活センターでは、契約の成立だとか、契約の重み、または契約書をしっかり読む、情報の裏をちゃんと確認するということを啓発しております。今回の報告の中には、そういったことが網羅されていて良かったと思っています。

学校教育については、学習指導要領に取り込まれるなどの体制が整ってきていると思います。これは、文科省との連携が、やっと表に出てきたと思います。私たちも小中高に出向く機会が非常に多くなってきています。

そんな中で、やはり消費生活センターが核となってやるべきということだと思いますが、地域格差が非常にあるというのも感じております。

ここのところは、市町村中心にやるべきなのですが、やはりできないところは県がフォローする、県の消費生活センターがフォローするというところを、強化していっていただけたらと思っております。

中身を読みますと、県や国がフォローするとも書かれておりますので、考えていらっしゃるとは思っていますが、特に県の力というのも大事なのかなと思っております。

最後に、コーディネーターということもきちんと書かれておりますが、これも地域差がありますし、県とか政令指定都市のレベルだと、中学校や高校の先生が来ていただいて、連携が取れているのですけれども、そのコーディネーターも多様な方がいないと、地域社会の教育ができないと思っていますので、そこも強化していただきたいと思います。

特に、子供の金銭教育だとか、家庭で教育すると書かれているのですが、相談の現場では、その親の世代、20代、30代の方たちも、消費者力が足りないように思っております。そこも強化していくべきかと思いました。

以上です。

○後藤委員長 お願いします。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございました。

まず、情報リテラシーについて網羅されているということで、ありがとうございます。御指摘のように、文科省との連携をしっかりさせていただいておるところでございます。

地域格差について、市町村について県がフォローを強化するということについて、そういった視点を持つべきではないかと、もっと持つべきではないかという御指摘を頂いたところでございました。

これにつきましては、資料2の、例えば13ページのところですけれども、この中ほどに「また」というパラグラフがあるのですけれども、ここは何を書いているかというと、各主体の役割と連携・協働、国と地方の役割と連携・協働という部分なのですけれども、この中ほどの「また」というところの大きなパラグラフの「しかし」から始まる2行目ですけれども、「都道府県においては、広域的な観点から、管内の市町村の取組を支援し、あるいは、市町村間での格差を埋めることにより、消費者に提供される消費者教育の水準を確保することが求められる」ということについて、盛り込ませていただいておるところでございます。

それから、それも受けて、最後の32ページの部分でございますけれども、「管内市町村の取組を支援する広域的視点を取り入れることも検討すべきである」と、3行目から盛り込ませていただいておるところでございまして、我々も、今後、政策を進める上で、そういった部分について、しっかりしていきたいと存じます。

それから、特に親世代の消費者力について強化を図っていく必要があるのではないかということについて御指摘を頂いたと存じます。

我々もライフステージに応じたという部分で、おっしゃってくださったとおり、学校については文科省とも連携させていただきまして、取組は随分に進んでおりますし、地域といった部分でいきますと、高齢者、障害者というところにつきまして、例えば、見守りネットワークというような取組を行っておるところでございますけれども、なかなか働いていらっしゃる世代の方々へのアプローチは、我々もこれからだと思っておるところでございまして、まずは、職場でのアプローチということで、まず、新人教育の中で取り入れていただくということが一番取り入れていただきやすいのかなということで、そちらについてのプログラム開発等、取り組んでおるところでございまして、そういったところから、更に対象の拡大といったことを図って、事業者もなかなか研修がたくさんで難しいというようなお声を頂いておるところなのですけれども、しっかり取り入れていただけるように取り組んでいきたいと考えておるところでございます。

ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 おはようございます。御説明ありがとうございました。

私からは、2点でございます。

御説明いただいた資料1の6ページに、消費者教育の推進の基本的な方向マル3というのがございました。

その中で、取組の方向について、大学生が主体となって、周囲の若年者等への啓発活動を行うという記述がございます。

この点は、資料2における25ページ、自ら学び行動する消費者、ここの真ん中やや下の文言と対応しているのではないかと推察をしております。

その点で、先ほど清水委員からも御発言がございましたけれども、地域におけるデジタルデバイドの解消というようなところで、こういった大学生や若者の果たす役割というのは、これから、どんどんと価値を顕在化し、発展させていかなければいけないのではないかと思っております。

そういう意味で、大学生等の若年者が主体となって周囲の若年者を始めとする、要は「等」という言葉の中に、地域のデジタルデバイドの解消に貢献する、もっと言うと、高齢の方々の中で、デジタルにあまりこれまで関わっておられない方々の教育を自ら担う、我々、地域協働教育という言葉をよく使っているのですけれども、協働というのは、協力の協に働くという、同じ目的を持って共に行動していくという意味です。

これは、消費者基本計画等においても、協働という言葉が使われておりますので、是非そういったところで、若年者のみならず、デジタルデバイドの解消に向けてというところで、ここの「等」の中身を具体化していただくというのが、求められる点の1つでございます。

それから、もう1点、ちょっと細かくて恐縮なのですけれども、資料2の中に、16ページに(5)というのがあって、食育のことが触れられております。

今日の説明の中では、食に関する部分というのは、ほとんどなかったかと思うのですけれども、ここの中で、文言で危険という言葉が、下から3行目のところに見られます。若干この危険という言葉に違和感がありまして、食の場合、例えばHACCPを言うときは、ハザードアナリシスという言葉から始まっていって、危険というよりも危害という言葉を使うことが一般的ではないかと思います。

ですから、ちょっとここを、もし、危険で良いのかどうか、更に精査をしていただきたいと思うのですけれども、食における危害を回避する能力を育むというのが、よりしっくりくるのではないかなと感じました。

以上、2点でございます。

○後藤委員長 お願いします。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございました。

1点目の若者によるデジタルデバイド解消のための取組というのも地域においてより行われていくという観点について盛り込むべきではないかという御指摘だったと存じます。

先生御指摘のとおり、25ページの部分で、若年者の取組について新たに書き起こさせていただいておるところでございますけれども、消費者市民社会の取組ということで、主に念頭にございましたのは、エシカル消費とか、SDGsの取組、そういった部分について、最近、特に大学生の取組、非常に活発になっているということで、我々も是非応援していきたいなと思っているところなのでございますけれども、デジタルデバイドの解消という部分についても、必要だということについて工夫ができないか検討させていただきたいと思います。

それから、2点目の16ページのところの食育の食における危険という言葉が、危害という言葉のほうがよろしいのではないかという御指摘で、ここにつきましては、従前より使っている言葉ではあるのですけれども、ちょっと所管のところとも確認をさせていただきまして、検討をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○受田委員長代理 よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 それでは、星野委員、よろしくお願いいたします。

○星野委員 御説明ありがとうございます。

まず、EBPM関連で2点ございまして、資料1で言うと、10ページのところです。それと、資料3のところで、3ページ、4ページのところにございますけれども、この指標の継続性というのは非常に大事であって、それについて、きちんと考えていただきたいということでございます。

例えば、資料3の3ページのような、例えば、内容の正答率みたいなところとかに関しましては、これは、問題の難易度が変わると比較できなくなってしまいますので、こういったものは、基本的にずっと同じものを継続的に取っていくということが非常に大事だと思います。

同様に、4ページ、地方公共団体の評価指標ということで、これは各地域で、地域の特性を生かしてお考えになっているということで、非常に重要だと思いますが、これもうちがすごいだろうと宣伝させるというものではないので、やはり重要だと思うものに関して、継続的に改善していくというための指標でなくてはいけませんので、途中で変化するというのは、あまり望ましくないわけですね。

ですから、基本的には、非常に達成できている指標というより、これから達成していきたいという指標に関して、継続的にずっと取っていくということが、非常に重要かと思います。

このどちらも、指標の継続性と同じものを取っていくからこそ、変化、比較ができるのだと、何によってどれだけ改善したのかが分かっていくのだということになりますので、是非、そこに関して、なかなか、確かにそれはそうなのですけれども、それをきちんと理解いただかないと、途中で指標を変えてしまって、何かうまくいったみたいな形になってしまいますので、そこに関して、是非注意していただくようなことが必要かと思います。

あと、ロジックモデルに関して、これは、1ページ目のところに関してですが、こういった指標を作るということ自体が目的というわけではなくて、EBPMというのは、限られた資源と、ヒト・カネ・モノですね、時間に対して、どういう入力をした、投入をしたならば、どういった効果が得られるのかという、この関係ですね、この資料3で打ったインプットとアクティビティの関係、アクティビティとアウトプットの関係、アウトプットとアウトカムの関係と、アウトカムとインパクトの関係みたいな、その関係こそが大事と、もちろん各指標自体も重要、先ほど申し上げたみたいに、継続的な指標を取っていくとか、そういうことは大事だと思いますけれども、どういうアクティビティをしたら、どういう形でアウトカムが変化していくのかという、その関係性についてきちんと検証していくという、投入すべきものを変えていく、施策を変えていくということは重要だと思いますので、そこについて、是非、再度御確認いただくということが必要かと思います。

あとは、もう一点だけ、すみません、これは、ずっと申し上げて、行動経済学と行動科学を活用しろと、しつこく申し上げておりますけれども、やはり資料1の4ページの消費者教育の維持ということでございますが、やはり合理的意思決定とは何なのかということ、本当に合理的とはどういうことなのかということ自体が、かなり難しいということが分かってきているという、ほとんどの人は、そもそも合理的とは何なのかということもございますけれども、合理的と言われている行動ができないというのは、というのが分かっているのが近年でございまして、だからこそイギリスを中心にOECDとかEUを中心に、消費者教育に行動経済学とか心理学とか行動科学の知見が取り入れられているということでございまして、やはり様々な制約の中で人は意思決定するので、バイアスを持った意思決定をするのが、ある意味、せざるを得ないということをもっと真摯に取り入れた上で、消費者教育に、そういったものを生かしていただくということが、消費者教育の防止や、また、エシカル消費、より省エネだとか、フードロスを削減するみたいなことというのも、バイアスを持った消費者というのは、なかなかそれがしづらいので、そういった特性を踏まえた上で、教育のコンテンツを考えていただくということが必要かと思います。ありがとうございます。

○後藤委員長 いかがでしょうか。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございました。

まず、EBPMにおいて、指標について継続性が重要であること、そして、継続性がある指標を改善していく、立てて改善していくことが重要という御指摘を頂きました。また、これからKPI、来年度に向けて、策定していくのですけれども、良く見えやすいような指標ではなくて、実態をちゃんと把握して、継続的に把握できるような指標を立てられるように検討してまいりたいと存じます。

それから、ロジックモデルの各項目の関係性が大事なのだという御指摘を頂きまして、我々としても関係性があるということでもって政策を進めていきたいと思っているのですけれども、なるだけその分析をしっかりして、関連性について考えていきたいと思うのですけれども、ちょっと、なかなか国ということで、かなり対象となる分野も広いですし、対象となる方々も多いということで関連性がリジッドに我々としても把握・分析できるかというと、なかなかちょっと自信もないところでして、引き続き、先生のお知恵を頂きながら分析していきたいなと、努めていきたいと考えてございます。

それから、人は、なかなか合理的意思決定が難しいということで、従前より、先生や、また、木村委員からもいろいろ御指摘を頂いているところでございまして、そういった部分について、今回、ぜい弱性について、いろいろ文言を盛り込ませていただいておるところでございます。

また、教材作成に当たりましても、それぞれのバイアス、特性に合った教育をしていくということについて、しっかり取り組んでまいりたいと考えます。どうもありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

今回、消費者委員会からの意見を取り入れてまとめていただきまして、ありがとうございます。持続可能な社会を形成することができる消費者教育として、考えるだけではなくて、自ら学び、行動することが重要であるという文言を入れていただいたこと、大変有り難く思っております。

そのときに、やはり学校教育ですとか、社会教育も重要なのですけれども、基本になるのは、まずは家庭かなと思うところもありまして、その意味では、資料2の本文を拝見いたしますと、例えば、15ページ、16ページのところに、環境教育ですとか、食育ということで、重要なことを書いていただいております。ここに書いてあります、資源やエネルギーの有限性を認識し、自ら考え、自ら行動する人づくりを推進する、この部分については、まずは、家庭が最初かなと思っております。

自分たちの身の回りのものですとか、そういうものがどこで育ち、どこから来て、どういうふうに自分たちが、今、使っているのかなど、そういう社会的な背景などを、家庭の中で知り丁寧に見ていくところから、そういう持続可能性の考え方も育つのではないかという思いがあります。

そう考えますと、今回取りまとめていただいた「様々な場における消費者教育の推進」のところ、資料2の20ページになりますか、(3)の家庭のところで、最初に、まず、子供に対して保護者が小遣いの与え方を考え、買い物を手伝わせることにより、と入っているところについて違和感があります。その先を読んでいきますと、食品を始めとする商品の表示の意味を正しく理解するとか、そのような基本的なことが書いてあるのですけれども、金融教育ももちろん、今、大変重要ではあるのですけれども、まずは、子供を親が監督するという前に、当たり前のようですが、子は親に対して信頼感を持ち、そして社会とのつながりを家庭の中で考え知る、それによって、更にその先の教育というのが広がっていくのではないかなという思いがあります。ということで、20ページの最初のところに、小遣いの与え方というのが出てくるところが、ちょっと違和感がありました。もし、ここの部分、少し変更できるのであれば、親が監督するより前に、その親と子供が家庭の中で、社会とのつながりを共有するというところから入っていただけると良いのでは、と思いました。

以上です。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございました。

20ページの家庭の部分について、ちょっとすみません、信頼感の醸成とかという部分が、消費者教育の観点なのかということも含めて、ただ、SDGsとか消費者市民社会の形成という部分の記載がちょっと弱いという御指摘として受け止めさせていただきました。そこについて工夫できるかどうかについて検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

木村委員、よろしくお願いします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

消費者の目線というのを考えたときに、やはり消費者の行動がしやすい環境を作っていただくというのは、すごく大事だと思います。

それで、それに関しては、本当に消費者と行政だけではなくて、事業者がどういうふうに取り組んでいただくか、例を出しますと、エシカル消費を行政と消費者だけでは、やはり無理なので、事業者にどうやって取り組んでいただくかという、事業者への働き掛けというのがすごく重要ということを感じました。

それから、今の参考資料の3を見ていまして、詐欺ですが、やはり全然減らないと。もちろん消費者庁ですとか、いろいろなところが、例えば特殊詐欺に関して、いろいろ注意喚起をしていて、それが効果を上げていることは認めますし、大変有り難いと思っているのですが、やはり何かもう一歩足りないのかなと思うところがあります。よく考えてみますと、幾ら広報されて分かっていても、それが表面的なものなのかなと。身内がいると焦ってしまって、例えば子供がこうですよと言われると、もう気が動転してしまってというのは、やはり相変わらずありますし、あと、お得ですよと言われると、やはり欲のほうに気持ちが先に立ってしまうという、そういう消費者の心理にもう一歩踏み込んだような教育ですとか、対策が必要なのかなと。これは、多分、KPIのアウトカムに向けても必要なことではないかなと感じます。

それと、もう一つは、そういうことに対して、消費者が相談するときの窓口の充実というのが大事だと思いますので、そこも消費者教育の中で、きちんと例えば被害を受ける前にも相談できることとか、そういったことも含めて情報提供していただけると良いと思います。

それから、もう一つ、家庭について、今、大石委員から意見がありましたけれども、私も同意でございます。家庭に関しては、もちろん金銭教育も大事だと思いますけれども、やはり家庭内の信用関係ですとか、生活をどうしていくかということは、重要だと思うので、御検討いただければと思います。

もう一点なのですけれども、今の親世代というのは、多分20代後半から30代ぐらいだと思うのですけれども、ちょうどデジタル世代なのですけれども、まだまだデジタルリテラシー教育が行き届かなった世代で、例えば携帯電話が、学生が持つようになって初期の頃の世代だと思うのですけれども、あまりデジタルリテラシー教育がされていなかった世代です。

あと、もう一つは、消費者教育も今と比べたら全然不十分な時代ですので、親世代の消費者教育の知識というのが、あまり多くはないのではないかいう印象がすごくあります。

もちろん、この本文に書いてあるとおり、子供からの情報というのは重要なのですけれども、やはり親世代に対してどうやって情報を渡していくか、先ほど職域と、職場からというお話がありましたけれども、やはり情報弱者ということになると思うのですね、意外と親世代が情報を知らないということがあるのです。情報を発信するのがネットなのか、テレビなどのメディアなのか、それともポスターみたいなものなのか。意外とポスターは効果があるのですね。例えば、販売している場所にリコールのポスターがあるような感じをイメージしていただければ良いと思うのですけれども、メーカーのサイトにリコールの情報があっても皆さんメーカーのサイトまでなかなか行かないではないですか。しかし買うところにリコールのポスターがあれば見ると。やはりそういうひと工夫が必要だと思うのです。

というふうに、親世代の教育については、私もいろいろ考えるところがありますので、是非そこのところも充実させていただきたいと思います。

以上です。

○後藤委員長 いかがでしょうか。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございます。

まず、事業者への働き掛けは、一層重要ではないかということで、今回、消費者委員会の御意見でも頂きましたので、かなり消費者と事業者の協働ということについては、いろいろなところに盛り込ませていただいていると考えておるところでございまして、自分自身も、やはり消費者市民社会、エシカル消費にしろ、その消費者と事業者のコミュニケーションの深化というのは大事だと感じておるところでございまして、基本方針を踏まえまして、今後、施策としてしっかり取り組ませていただきたいと存じます。

それから、2点目の詐欺について、なかなかなくなっていかないということにつきましては、もう一段の踏み込んだような教育が必要ではないかという御指摘がございました。

こちらにつきまして、我々も知識についての教材等の提供というのは、これまでやってきたと思うのですけれども、なかなか実践力という部分について、どうやってやったら良いのだろうというところからなのですけれども、消費者庁の霊感商法の検討会の中でも、いろいろ教材、しっかり教育していくべきだということを御意見いただきましたので、今回、参考資料の5としてお付けしてございますけれども、我々として、検討会の中で、いろいろこれから消費者教育に取り組んでいきますという御説明を、3ページでさせていただいているのですけれども、この中で、真ん中のほうにありますとおり、具体的に多いトラブル事例について、こういった手口、正体を隠して近付いてくるとか、そういうような手口や対処法について、具体的な注意喚起ということもしていくべきだというお話で、そういった教材も取り掛かって作り始めているところなのですけれども、上にございますとおり、消費者力強化のための教材についても検討していきたいと思っておるところでございまして、基本的な知識、そして批判的思考力を身に付けられるよう、初級、中級、上級の3段階で消費者力を測定強化するための教材ということで、これから、10月28日に消費者教育推進会議のもとにワーキングチームを立ち上げるということについて、参考資料の4でお付けしてございますけれども、お諮りして決定させていただきましたので、今後、そのワーキングチームの中で、具体的な内容については検討していきたいと考えているのですけれども、やはりその実践力という部分に着目したような教材を開発できるようにしていきたいなと検討しておるところでございまして、また、お知恵を頂きながら取り組んでまいりたいと考えてございます。

それから、家庭についての記述については検討させていただきます。

それから、親世代については、情報弱者ということで、我々も何が、どういうルートが、自分も親世代なので、なかなか情報弱者というところについては何も言えないという感じなのですけれども、今、KPIづくりで、いろいろ地方の調査について勉強しているところなのですけれども、職場から教育されているというところが3割を超えているようなところもありまして、そういうアプローチが1つあるのかなと思っているところと、あと推進会議の中で、たしか頂いた意見だと思うのですけれども、ちょっと違うと言われるかもしれないけれども、子供からやはり来る資料については、親は最低見るというところがあるので、子を通じて、更に子に配られる資料を通じてというアプローチもあるのかなみたいな話もあってございまして、先生から頂いたポスターとかというようなことも、どういう媒体から知識を入れるのかというような実態も把握しながら、アプローチを更にさせていただければなと存じます。

ちょっと答え切れているかどうか分からないですけれども、以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、青木委員、よろしくお願いいたします。

○青木委員 青木です。御説明ありがとうございました。

かなりいろいろな意見交換をさせていただいた形として、練っていただいているなとは感じるのですが、私はやはり、SDGs、それから消費者市民社会の一員としてのやはり育む力、やはり消費者委員会から意見を出させていただいて、1点目の取扱いについてなのですけれども、やはり消費者市民社会について、もう一段議論が要るのかなと感じております。それは、消費者教育の中で、今回頂いた案の中で、ちょっと幾つか、あちらこちらに考え方が出ているかなと思うところが、資料1で頂いた中の、例えば、3ページ目の下のほうに消費者市民社会の意義ということが書かれております。

おまとめいただいた資料に取り上げられている消費者市民社会のところ、具体的に、まず何か被害防止、被害に遭わない消費者ということが出てくるのですね。やはり消費者市民社会の目指すところというのは、やはり消費行動が社会経済や、それからこういうところに非常に大きな影響を与えるということを意識して、積極的に参画していくという、そちらの視点だと思っておりまして、ちょっと至るところに消費者市民社会という中に、まずは被害に遭わないという記載が出てくるところが非常に気になっております。

消費者教育、この基本計画も、非常にこれまでいろいろな形で取り組まれて進んでいて、これからの時期、特に今、やはりSDGs、それから消費者市民社会という、やはりここに教育としての軸足を大きく置いていただく、次のステージに行くステージではないかなと私は感じておりまして、ですので、この消費者市民社会を、本文でもかなり取り上げられてはいるのですが、消費者市民社会という中に、まず被害に遭わないという記載は、これはちょっと違うかなと。やはり、まず目指すところがあって、そういう合理的な判断あるいは自分たちの消費行動がいかに社会や経済、環境に影響を与えるというようなことを考えながら、積極的に参画する、そういう力を育むことによって、被害防止というような形にも行くという、ちょっとここの捉え方のスタンスが、消費者庁から頂いた文というのは、やはり、まず被害防止という、ここだけがちょっと非常に、私、あちらこちらで気になっております。

記載のところの基本的スタンスが、結局、資料1として頂いた中に表れているのだろうなというのを感じておりまして、先ほど資料1の3ページをあれしましたけれども、例えば資料1の6ページもそうなのですけれどもね。やはり何かそのトラブルに遭わないということが前面に出るというのは、教育の場では、まずはやはり自分たちの行動の社会性、経済への影響というところを、是非しっかり教育の柱にかけていただけたらなというのを感じる次第です。

それに伴って、もう一点あるのですが、KPIで頂いた資料、資料3を頂いております、特にSDGs、消費者市民社会への、こういうKPIをどういうふうにしているかということなのですが、私が頂いた中では、結構、地方公共団体の評価指標、4ページ目、5ページ目と頂いておりますが、ここに非常に具体的に落とし込まれていて良いかなと感じていまして、単にエシカル消費につながる行動、意欲があるか、それから経験があるかというだけではなくて、やはり地域だとか社会とか環境のことを意識して選択する、それらを意識して購入するという、この言葉が入っているというKPIというのは、非常に私は良いなと思っていまして、やはり消費者市民社会の、まず自分たちの地域、あるいは社会、もちろん、これは地球環境も含めて、まず知るということが必要ですし、それを意識する、このエシカル消費という言葉に集約されてしまいますと、かなりちょっとまだいろいろな解釈にギャップがあるかなと思うのですが、地域や、社会あるいは環境、地球環境、こういうようなことに意識するという、このフレーズを是非入れていただけたらなと感じた次第です。

ちょっと意見なのですけれども、以上です。御検討のほどよろしくお願いいたします。

○後藤委員長 お願いします。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございました。

まず1点目、SDGs、消費者市民社会の一員としての力の育成という部分が、これからの時代、次のステージとして、被害に遭わないということの先に来るのではないかというような御指摘でございました。

特に資料2の具体的な基本方針の本文の、例えば6ページの下から2番目のパラに多分あると思うのですけれども、中ほど、すなわち自立した消費者であるためには、まず被害に遭わない消費者であること、そして合理的な意思決定ができる消費者であることが必要であると、順番が逆ではないかというような御指摘だったかと存じます。

○青木委員 そうですね。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 はい。

これまでの、私もちょっと、歴史的な経緯、消費者教育のこれまでの積み重ねもございますし、また、特に今、霊感商法とか悪質商法への対策とかを求められているという部分でございますとか、また、先ほど委員からも御指摘ありましたとおり、よりデジタル化の進展等もありますし、最近の知見では誰でも被害に遭いやすいという部分がございますので、全体をSDGs、消費者市民社会を上に持ってくるというのは、なかなか難しいところでございますけれども、ここの自立した消費者であるためには、まず被害に遭わない消費者であること、合理的意思決定ができる消費者であることの部分への記載については、検討させていただくのかなと受け止めさせていただきたいと存じます。

○青木委員 やはり今回7年間ということですので、直近のところのいろいろな課題が、もう本当に霊感商法、統一教会問題も含めてあることは分かるのですが、やはり消費者教育という視点の場合には、やはりその先のところに、むしろ重点を置いていただいて、当然、喫緊のところというのも、もちろん取り入れていく必要があるのですが、軸足を是非そちらに置いていただきたいということなので、御検討いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 御指摘ありがとうございます。

それから、KPIの部分につきまして、本当におっしゃってくだったとおりで、地方公共団体の資料のほうが先行して、非常に参考になります。

特に御指摘いただきました、地域社会、環境のことを意識した行動を取る方というような、そういう意向を持ってしっかり行動することということについて、我々もそういう指標を挙げていく必要があると考えてございますので、また、KPIのところでしっかり検討させていただきたいと存じます。ありがとうございます。

○青木委員 よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 では、黒木委員、よろしくお願いします。

○黒木委員 どうも御説明ありがとうございました。

消費者基本計画と、この基本方針と、7年間で融合させていくという取組でして、それ自体は非常に合理的だと思います。今後、消費者基本計画の工程表の改定作業の中でも、そこに、この基本方針の考え方が、重点施策として出てくることは間違いないと思っております。そして、そこの中で指針として指針とうまく連動した形でKPIも設定していって、社会とのコミュニケーションがより消費者庁全体としてできるという方向性については賛成しているところです。

その関係で、先ほど星野委員からも資料3につきまして、御質問いただいていたところですが、私も、最初の消費者教育施策のロジックモデルとKPIと、これの評価指針の例ということについて、これを深掘りしていただきたいなと思っているところです。

その関係で、参考資料の3の3ページのところですけれども、ここでは、消費者被害の額が2021年は5.9兆になっているという数字が挙げられています。もちろん、これは、一つには消費者庁の、例えば特商法とか、その辺りの執行強化というような、また向こうの消費者基本計画の指標との関係も出てくるでしょうし、これを消費者教育という観点で、自立することも大切だろうと思います。ただ、被害に遭わないというのも重要なので、そういう点で、この5.9兆円に、2021年が2020年から跳ね上がっているというところの分析も基本計画と、基本指標による消費者教育との関係を、もう少しこういうところも踏まえて作っていっていただければ有り難いなということで、その辺りをどういうふうに、今、庁内で御検討なのかということを教えていただければと思っているところです。よろしくお願いします。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございます。

資料3の関係性の分析等、私もやりたいと思っているのですけれども、なかなか難しくて、でも頑張りたいと思います。ありがとうございます。

それから、この5.9兆の部分について、この数値の出し方についても、我々は関与していないところでございまして、ちょっとこの3ポツを見ると、留保事項として、本推計に使用している意識調査はあくまで消費者の意識に基づくものであり、被害・トラブルの捉え方が回答者により異なる、誤差を含むものであることに注意が必要というような留保付き数字ではあるのですけれども、我々もちょっとなかなかこの分析、考えが至っていない部分があるのですけれども、ちなみに、この跳ね上がり部分について、ちょっと今、少し確認してもらったところ、2020年はこの被害の部分が、マスクの被害等、単価が安いものが多かったというようなところもあって、2020年は下がったのではないかと。それが回復してほしくないですけれども、2021年に、今、元の水準に、とはいえ、ちょっと上がっている感じではあるのですけれども、戻ったというような分析がされているようでございます。

今後、工程表のKPIの検討に当たっては、幹部からも実効性のあるKPIをしっかり設けるようにという指示があってございますので、政策課を中心に、私ども一緒になって、実効性のあるものを立てていきたいと考えておるところで、正に議論はこれからという部分でございまして、しっかり取り組ませていただきたいと思います。

○黒木委員 ありがとうございます。

そのような形で、消費者教育と、それから具体的な消費者庁の基本計画に示された施策と、それが工程表という1つのフォーマットの中で、社会に分かりやすい形で提示されるということは、今後その成果を検討していく上で、最終的に、KPIやロジックモデルとしていろいろな人たちが検討する上で、大変意味のある取組だと思っております。是非より良いものを3月に出していただくことを楽しみにしております。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

生駒委員から代読をしてくださいというお願いがありますので、私が代読させていただきます。生駒委員は、新幹線の車内で御参加されていて、通信環境が良くないため、チャットで御連絡いただきました。

以下、代読します。自立した消費者を育てるために、SDGsへの意識の強化やエシカル消費の推進が重要と思われますが、そうした記載が教育の方針の骨子に入ったほうが良いのではないかと思われます。その点について、御説明いただけますと幸いです。

情報や商品に対して受け身ではなく、自ら考えて正しい選択ができる力を、是非、消費者教育において充実させていただきたいです。以上です。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございます。

今回、そのSDGsについて、我々としても記載させていただいたつもりではあったのですけれども、更なる工夫といたしまして、例えば、改めて私も見ていて、8ページの消費者教育の推進の基本的な方向の2の(1)の消費者教育が育むべき力という部分が根幹になると思うのですが、これは本当に歴史的に検討されてきた文章でございますけれども、(1)マル1の消費者市民社会の、まず、消費者市民社会の構築が1番目に挙がっているということ、そして、アといたしまして、「自らの消費が環境、経済、社会及び文化等の幅広い分野において、他者に影響を及ぼし得るものであることを理解し、適切な商品やサービスを選択できる力」、「持続可能な社会の必要性に気付き、その実現に向けて多くの人々と協力して取り組むことができる力」、「消費者が、個々の消費者の特性や消費生活の多様性を相互に尊重しつつ、主体的に社会参画することの重要性を理解し、他者と協働して消費生活に関連する諸課題の解決のために行動できる力」というのはマル1で入っているということを、今回、我々も改めて認識いたしまして、しっかり書かれているなと考えているところなのですけれども、例えばといたしまして、今回、特に少しの記述でございますけれども、8ページの1番目に、今期の基本方針における基本的な視点という部分で、例えば、相互に学ぶ、考える、行動するという部分について打ち出していくという部分で位置付けを上位にするというようなことはできないかということを検討しております。

それから、先ほど申し上げましたとおり、消費者教育を育むべき力の第一にあるということで、特にまたSDGsの意識の高まりということも踏まえまして、6ページ、先ほど青木委員からも御指摘があった部分でございますけれども、消費者教育の推進の必要性の消費者教育の意義の部分について、もう少しSDGsの部分についての記述を、重要性が高まっているという部分につきまして、更に記述を強化するということについて検討させていただこうかなと考えてございます。

以上でございます。ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。

よろしいでしょうか。

実りある議論を展開していただきまして、ありがとうございます。

資料1、それから、資料2でありますけれども、基本的な方針の見直しについて、委員の皆さんから、全体として、充実した内容であるという評価を頂いておりますけれども、幾つか課題も出されています。課題の中には、今すぐ結論が出るとか、そういうことではないものもあるように思いますので、私として問題意識として持った点についてお話をさせていただきます。

まず、デジタルリテラシーに係る消費者教育についての地域格差というお話がありました。これについては、委員の方々、複数の方々がやはりそこについて考えて取り組む必要があるということが意見として表明されておりまして、この点については、確かにそのとおりだと思います。

その一環ということにもなるかと思いますけれども、資料1の6ページで、大学生が主体となって、周囲の若年者等へ向け、啓発活動を行う等、相互の学びの促進という項目について特に御意見がありまして、地域社会の協働ということを、特に大学生等、若者が担って行っていく、そういうことの重要性を、この指針で、基本的な方向として示しているということで、それについて評価できるということ、そして、その際の課題についても御指摘がありました。

それから、合理的な意思決定ということは、なかなか難しいという御指摘がありまして、消費者教育に行動経済学を生かしていくということ、バイアスという観点から消費者の意思決定を捉えるという点も重要であるということ、こういう御指摘もありまして、重要な御指摘だと思いました。

それから、EBPM関連でありますけれども、指標の継続性、継続的に指標を取っていくということも重要であるという御指摘が併せてなされております。

さらにSDGsとか、自立した消費者の育成ということの位置付けでありますけれども、消費者の自立ということは、非常に重要なことでありまして、基本方針の記述として、そこをより強化する必要がある、そういう御指摘がなされておりまして、確かにこの部分というのは非常に重要だと思います。自立した消費者を育てるという観点から、SDGsへの意識の強化とかエシカル消費についての教育というのが重要であるということが指摘されていまして、基本方針で、まずは被害に遭わない消費者という記述が散見されることへの疑問も提示されております。

たしかに、自立した消費者ということを中心に考えていくということは、非常に大事なことであるのですけれども、一方で、国とか地方公共団体の責務、それから事業者の責務ということも、消費者問題を考えるについて重要な視点と考えられますので、消費者の自立、あるいはSDGsへの取組ということを、どのように位置付けるかということに関しては、難しい課題であり、今後考えるべき重要な問題だと思っております。

そうした意味で、ここであまり結論を急ぐことなく、委員の方々から自立した消費者とかSDGsの重要性ということが、意見として出ておりますので、それをしっかり受け止めた上で、従来の消費者政策とか、消費者法の体系の中で、こういう、今後へのステップとして非常に重要な問題をどう位置付けるかを考えていく必要があると思いますし、消費者庁におかれましても、そういう点について取り組んで考えていただけたらと思います。

ほかの論点として、家庭の教育ということ、家庭の教育の位置付けということも、親との信頼関係の醸成とか、社会とのつながりを親との間で共有するということが、親の子に対する監督ということよりも大事なことであって、それを出発点と考えるべきだという御指摘が出されておりまして、消費者教育における家庭の位置付けというのは、非常に大事な問題と思います。

委員の方々の御指摘の中でも、学校教育については文科省との連携はうまくいって、良い方向に行っているという御意見がありましたが、家庭での教育ということをどう位置付けるかという問題、これも難問で、家庭といってもいろいろな家庭がありまして、あまり理想的な家庭を前提とするというのも、できるのかなということもありますので、1つの考え方にあまり拘泥することなく、柔軟に将来への展望、どういう方向性が良いのかということを考えていく、そういった課題だと考えております。

そういうことでありまして、委員の方々から大変示唆的な御意見が出ておりますので、私も取りまとめは、もっと客観的にこういう意見が出たという形でまとめたほうがよろしいのだろうと思うのですが、個人的に感じたことも含めてコメントをさせていただきました。本日は、そういう意味で、今後考えなくてはならないことを含んだ重要な議論ができたと思います。どうもありがとうございました。

この問題についての扱いということは、以上にさせていただきたいと思います。

消費者委員会としては、本日の議論を踏まえまして、引き続き検討を続けていきたいと思います。基本方針の変更は、令和4年度内の決定を目指していると伺っております。消費者庁におかれましては、本日、各委員から出されました意見を踏まえて、変更案の検討を継続していただきたいと思います。

消費者庁におかれましては、本日は、お忙しいところ審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。御退席ください。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございました。

(消費者庁退室)


《3.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は、以上になります。

最後に、事務局より今後の予定について説明をお願いいたします。

○友行参事官 今後の日程等につきましては、決まり次第、ホームページ等でお知らせいたします。

以上です。

○後藤委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)