第381回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2022年10月14日(金)10:00~11:13

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 大串内閣府副大臣
  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長、生駒委員、大石委員、黒木委員
    (テレビ会議)飯島委員、受田委員長代理、木村委員、清水委員、星野委員
  • 【説明者】
    消費者庁奥山取引対策課長
  • 【事務局】
    小林事務局長、岡本審議官、友行参事官

議事次第

  1. 特定商取引法及び預託法について(特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会報告書)

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから第381回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、生駒委員、大石委員、黒木委員、私が会議室にて出席、受田委員長代理、飯島委員、木村委員、清水委員、星野委員がテレビ会議システムにて御出席です。

青木委員は、御欠席です。

また、本日は、お忙しい中、大串内閣府副大臣にお越しいただいております。

大串副大臣より御挨拶を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

○大串内閣府副大臣 内閣府副大臣といたしまして、消費者行政を担当しております、大串正樹でございます。

河野大臣のもとで、消費者行政が直面する諸課題にしっかり取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

本日は、特定商取引法等の契約書面等の電子化について、消費者庁が取りまとめた報告書について御議論いただくと伺っております。

契約書面等の電子化については、消費者委員会には、これまでも様々な御意見を頂いているところでございますけれども、今回も改めて御意見を頂戴できればと思っております。

このほか、社会状況の変化に伴いまして、消費者行政は様々な問題に直面しております。委員の皆様におかれましては、消費者問題に関する豊富な御見識を基に御議論いただき、課題解決に向けた忌憚のない御意見を賜りますよう、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

消費者委員会といたしましては、大串副大臣のお力添えを頂きながら、今後もより充実した調査審議を進めてまいりたいと思います。

大串副大臣は、御公務がございますので、ここで御退席されます。本日は、お忙しいところ誠にありがとうございました。

○大串内閣府副大臣 よろしくお願いいたします。

(大串内閣府副大臣 退室)

○後藤委員長 開催に当たり、会議の進め方等について、事務局より説明をお願いいたします。

○友行参事官 本日は、テレビ会議システムを活用して進行いたします。

配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。

もし不足等ございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上です。


《2.特定商取引法及び預託法について(特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会報告書)》

○後藤委員長 本日の議題は、特定商取引法等の契約書面等の電子化についてです。

この件に関しましては、消費者委員会では、昨年2月に建議を発出するとともに、その後の消費者庁における検討状況を確認するため、これまでに2回、消費者庁に対しヒアリングを行ってきたところです。

今般、消費者庁の「特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会」において報告書が取りまとめられたと伺っておりますので、その内容について御説明いただきたいと思います。

本日は、消費者庁取引対策課、奥山課長に御出席いただいております。本日はありがとうございます。

それでは、15分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 おはようございます。消費者庁取引対策課の奥山でございます。今日は、お招きいただきまして、ありがとうございます。

委員長から、ただいま御紹介がございました、特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討でございますが、既に御報告申し上げましたように、昨年、令和3年に法改正がございまして、そのときに頂戴いたしました附帯決議を踏まえまして、昨年7月に有識者の検討会を設置いたしまして、延べ13回、ほぼ毎月のペースで精力的な御議論を頂いたところでございます。

また、関係します19団体からヒアリングも頂戴をいたしまして、その上で、今月の6日に報告書の取りまとめを頂戴したところでございます。

今日は、その報告書の内容につきまして御説明を申し上げたいと思いますが、まず、お手元の資料の最初、頭紙に検討の視点というところで、検討内容は非常に詳細にもわたったのですけれども、雑ぱくにまとめたものが、この頭紙でございます。

御覧いただきますと、お分かりのように、昨今のデジタル社会の進展も踏まえまして、希望される消費者には、デジタル技術の恩恵が最大限に受けられるようにという立場と、それから、その上で消費者保護の水準については、しっかり今までの水準以上のものを確保するというお立場と、その2つの立場を両立させると、その中でどこにバランスを見出していくかという、実際、これはできるのだろうかと、私は、検討会が始まる前は、少し不安に思うところも正直あったのですけれども、有識者の皆様に、大変有り難いお知恵をたくさん頂きまして、この2ページ目以降の報告書の形で取りまとめができたと。

それで、消費者庁としましては、これを頂戴しまして、これから政省令、それからガイドラインに至るまで制度設計の作業に入っていく礎となるものを頂戴したところでございます。

もう何度か御報告も申し上げておりますので、この一番表だけではなくて、報告書の内容に沿って、本文に沿って御説明を申し上げたいと思います。

まず、Ⅰは「はじめに」でございまして、いろいろな経緯、それから、この検討会でのマンデートと申しましょうか、何について議論をするのかというのを記してございます。

2ページ目からが本文でございます。

まず、国会においての附帯決議でも明示されておりましたが、電磁的記録の交付に当たっては、いかにして真意に基づく明示的な意思表明を消費者から頂くかというところについて、しっかり検討するという課題が、まず、1つ目としてございます。

真意に基づく明示的なという条件でございますので、まず、その真意というのをどういうふうに、いかにして得るかというところについて御検討いただきまして、まずは、承諾を得る前にしっかりと事業者から消費者に対して、以下の①から④について、しっかりと理解が得られるように説明するということが必要であるということで、結論を頂いております。

①から④でございますが、①書面での交付が原則であること。

それから、②電磁的方法により提供される記録が、契約内容を示した重要なものであること。

それから、③電磁的方法により提供される記録が、申込書面または契約書面であります場合は、非常に大事なクーリング・オフという消費者保護のための権利の期間の起算点となること。

さらには、④デジタルで交付を受けるためには必要な機器を有していて、操作を自力で完結できる消費者に限って提供が受けられるということを、あらかじめ説明するということとしております。

それから、事業者に対しては、消費者の真意性に影響するような以下の行為を禁止すべきという御意見を頂戴いたしました。

これも①から⑦にございます。

一般的に、特商法の規定で、そもそも契約の締結に当たって、消費者の判断をゆがめるような行為を禁止しておりまして、ここを御覧いただきますと、希望しないと言ったのに、また手続を継続する、いわゆる再勧誘のようなこと。

それから、不実告知ですとか、威迫・困惑のようなこと。そういったものは、同じように禁止行為として入れております。

それに加えまして、③でございますけれども、電磁的方法による交付、デジタルで交付を受けるとお得ですよと言って誘引することも禁止すべきではないかと。

これは、価格差なり、それから、おまけのようなものが、非常に消費者に対して強く作用するということから、こういった御指摘を盛り込んでございます。

次のページにまいりまして、④でございますが、これは裏返しなのですけれども、デジタルを安くする代わりに、書面に追加的な手数料を課すというようなことも禁止すべきという御意見を頂いております。

さらには、デジタルの機器の操作、これを御本人ができるかどうかという要素が大事なのですけれども、それを勝手に進めてしまうような行為についても禁止と入れてございます。

それから、次に、明示的な承諾取得の方法、3ポツでございます。

これは、まず、基本ラインでございますけれども、事業者にきちんと証拠として残る方法、かつ、消費者の手元には承諾したという事実の控えが残る方法により承諾を取得すべきということで、結論を頂いております。

ただし、一定の条件を満たす取引業態、これは、もともと書面電子化の御要望、規制改革の御要望を頂いたのが、オンライン英会話という、もともと契約から役務の提供に至るまで全部オンラインで完結してしまうようなものであれば、途中で郵送して書面交付というのは、本当に義務でないといけないのだろうかというような御要望を頂きましたので、そこについては、どういう考え方でもって実現ができるのかというようなことについても検討して、結論を整理してございます。

オンライン英会話なら良いのではないかと、オンライン完結で良いではないかと、なぜ良いのかというところにつきまして、まず、①で取引類型によって、不意打ち性ですとか、利益誘引性ですとか、対面勧誘性ですとか、消費者の意思形成に影響するような要素、これの有無で、まず取引類型で整理ができるのではないかという御意見を頂戴しまして、次の4ページ目の表に整理をしたところでございます。

これを見ていただくとお分かりのように、特定継続的役務提供のうち、対面でないものに関しては、この不意打ち性、利益誘引性、対面勧誘性が付かないというのが、お分かりいただけるかと思います。

その結果、②のところなのですけれども、承諾の取得が電磁的方法で完結できるものとして、オンライン完結型の特定継続的役務提供取引というものに関しては、承諾の控え、1枚だけ書面を最低限残すというものの例外としても良いのではないかという結論を頂戴いたしました。

それ以外のほかの訪問販売から預託等取引に至る全ての業態に関しましては、電磁的方法による提供に至る一連の流れの中で、すみません、③でございます。機器の操作をしなくても目視で確認できるものを最低限消費者の手元に残すと。これは、電子的なデジタル機器の特性といたしまして、非常にパーソナルな存在であって、普通、ログインをするための、その使用者しか分からないパスワードや何かで、大体ロックをされていて、他人、第三者の気付きの機会というのが非常に制限されるというような性質に鑑みまして、お年寄りの場合ですけれども、お盆やお正月の帰省のときに周りが気付くとか、それから、ほかの御家族の方が、何か契約をしたなといって気が付くための手段の最低ラインとして、控えというものを書面で交付すべきという結論を頂戴しております。

この書面の交付、特商法において、1つの取引に関しまして、契約締結まで行きますと、2回そのタイミングがやってまいります。概要書面と契約書面と。

概要書面に関しましては、契約内容についての説明に用いられることを想定しておりますし、また、そのクーリング・オフの起算点にもならないということで、本来的には、概要書面に関しては、その控えを待って電磁的交付をするよりは、しっかりと求められるタイミングに間に合うように、迅速に交付可能な仕組みにしたほうが良いという御指摘も頂戴しましたので、概要書面につきましては、控えは電磁的な方法でも良いのではないかという御指摘を頂戴しました。

次に5ページ目でございます。

承諾取得の方法でございます。

真意に基づく承諾であると、かつ事業者が立証できる方法としまして、口頭やチェックボックス等の簡便な方法ではなくて、自筆の署名ですとか、重要事項について理解した上で必要事項を入力するなどの、消費者の自覚が促されて記録が残る方法とすべきということ。

それから、適合性の確認、デジタル機器がしっかりと自分で操作できるという確認につきましては、承諾前に、自ら自分の電子機器を操作していただくべきという結論を頂戴しております。

流れを一応フロー図にまとめておるのが、5ページの下半分でございます。

それから、6ページ目以降でございますが、電磁的方法による具体的な提供の手順についての検討結果でございます。

6ページ目でございますが、消費者の適合性は、いかに確認すべきか、いかなる適合性が要るかということでございます。

まず、保有する電子機器がセキュリティを適切に保持できること。これは、細かくなりますけれども、オペレーティングシステムは、Windowsですとか、iOSですとか、AndroidのOSですとか、これをしっかりアップデートしていて、脆弱性がない状態にするという、割と基本的な手順がしっかりできていることという意味でございます。

また、デジタル機器を自分で操作できるということで、通信環境や電子メールのアカウントがあって、メールの送受信ができて、ファイルを開封することができて、もしくはウェブサイトからダウンロードすることができて、自分のデバイスに保存することができると、これを自分がほしいなと思ったときにできるということが必要と。

そのためにですけれども、消費者自らが通常使用できる電子機器がしっかりあって、そこに書面並みの一覧性を有する形で表示が、交付書面と同じ内容が表示できるということを挙げてございます。

また、事業者の適合性につきましては、電磁的方法での提供をしようとする場合であれば、電磁的方法による、この提供手順を全て踏むことができるということはもちろん必要ですし、また、必要なときには、書面での交付も両方しっかりできるようにしておくことが必要ということが挙がってございます。

また、具体的な提供方法につきましても、6ページの下からまとめてございます。メールですと、たくさんのいろいろなメールに埋もれないように、何を送ってきたのか分かるようにしっかりしなさいよというような御指摘を結論としてまとめてございます。

また、7ページ目にまいりますと、再交付ということについての御指摘を頂いたのですけれども、いつでも再交付を受けられるとなりますと、消費者の側での管理が、場合によっては緩くなってしまったり、そうしますと、再交付されたものが元と同じかどうかというものが分からなくなってしまったりとか、そういうこともありますので、あまり推奨をすべきことではないのではないかという結論を頂戴しております。

それから、これは大事なのですけれども、何らかの理由によって電磁的方法による提供が完了しない場合には、もともと法律で定める期限内にしっかり書面交付がなされるべきという結論を頂戴しております。

また、提供の手段でございますが、利用されるアプリケーションですね、何か特別なものがないと見られないというような状態ですと、非常に不安定な状態になりますので、誰でも電子機器があれば普通に使えるようなアプリケーションによるべきという御指摘がございました。

そのほかにも、もともと紙の契約書と同じような、署名捺印をするような、同じような効果を、もしデジタルで得るのならどうするのですかということに対する、これは一つの回答なのですけれども、事業者と消費者の側で何らかの改ざん防止対策を講じることによって、一番簡単なのは、パスワードを付けるということなのですけれども、それで、署名捺印と同様の効果の契約書ができるということを示してございます。

さらには、もう一つネット越しにデジタルの交付をすることを、皆さん、大体想定されていたのですけれども、もう一つのやり方として記録媒体で渡すと、これは手渡しになるか、郵送になるかなのですけれども、この場合についても、どうするのかというのを少し検討して、ここにまとめてございます。

それから、③提供の内容でございますが、書面と同等の消費者保護機能を得るためには、やはり書面と同じイメージ、印刷すれば書面と同じものが再現されるような内容とすべきという御意見を頂戴しております。

それから、クーリング・オフ期間の起算点でございますが、これは、いろいろ書いてございますが、書面のときの、いわゆる到達主義というものをデジタルでどう考えるかということについて、かなり御議論いただきましたので、これをまとめたものでございます。

書面のときもポストに着けば到達主義なので、そこからクーリング・オフの起算なのですけれども、ポストに着いて放ったらかしにするのと同じように、デジタルの場合も、メールが届いて放ったらかしにしてしまうと、クーリング・オフ期間が過ぎてしまって、それは危険ではないかという御懸念も頂いたのですが、もし、その御懸念も含めて事業者の側でしっかり解消したいと、しっかり消費者に読めるものが届いたという保証がない限り、事業者にとっては書面交付義務を果たしたかどうかの立場が不安定ですので、事業者にとっても、ちゃんと届きました、読めましたというのを消費者から確認していただくと、より円満に契約行為がしっかりと完結するということを書いてございます。

ただ、消費者からの確認を義務付けてしまうと、いつまで経っても確認してくれない消費者が出てきたときに、これは、やはり書面交付に切り替えたりとか、なかなかそういう難しい問題も発生しますねというような議論もございました。

9ページ目にまいりまして、第三者の関与について、お年寄りの場合は、第三者にしっかりと確認してもらうことが必要ではないかというような御指摘も、当初はあったのですけれども、お年寄りの契約締結に際して、自己決定権を侵害してしまうと、これは、人によって人権のレベルに差が出るということでは問題という御意見もございましたので、希望する消費者の場合には、第三者に対しても、契約書と同じ内容の電磁的記録が同送されるようにするという手当を、結論として頂戴をしたところでございます。

10ページ目に、その他でございますけれども、この電磁的記録の交付に関する法律の規定なのですが、施行後2年で見直すということになっておりまして、また、改正法自体5年後見直しというのもございますので、これは、かなり初めての取組でございますので、しっかりと施行状況も見ながら、消費者保護の観点から見直すべきところ、もしくは、デジタル技術は、2年でもいろいろ変わってくるところも出てくるかもしれませんので、そういったところに関しましても、時代に即していかにあるべきかというのを柔軟に見て対応をしていくということをまとめてございます。

最後13ページに、検討の経過も書いてございます。

すみません、ちょっと時間がかなり掛かってしまいましたので、この辺りで終わりたいと思います。ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は30分程度でお願いいたします。

どうぞ。

○消費者庁奥山取引対策課長 委員長から事前の御指摘というのを頂戴しておったのですけれども、それについて、まず、お返事申し上げたほうがよろしいでしょうか。

○後藤委員長 そうですね、それでは、お願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 では、まず、委員長から頂戴しました御指摘、4つありまして、そのうちの、まず、1点目でございます。報告書の2ページ目の脚注4に、禁止行為違反の効果として電磁的方法による提供の承諾が無効なので、書面不交付というような効果もあり得るのかという御指摘を頂戴しております。

これにつきましては、この脚注は、禁止行為違反の効果として、行政処分の対象となり得るということを書いてございますが、もちろん、違反した禁止行為の内容にもよりますけれども、場合によりましては、有効な承諾を得ていない、すなわち承諾がなかったものとして、書面不交付となることもあり得るということでございます。

それから、2点目でございますが、報告書6ページ目の一番下の行にございます「事業者は、電磁的方法による提供後、消費者が提供を受けたこと及びその記録を閲覧したことを確認するよう努めるべき」との部分は、努力義務として政省令に規定するのかという御質問を頂戴しました。

これにつきましては、政省令も含めまして、まずは政省令でしっかり規定できるのかということを含めて、今、検討をしているところでございます。

3番目の御質問でございます。戻りますが、報告書5ページ目の図でございまして、このブルーの四角で意思確認というのが承諾の直後に入っていますけれども、承諾する前に意思確認、この第三者への写しを希望するかどうかの意思確認ですね、これは承諾より前にすることもあり得ると理解して良いでしょうかという御質問でございます。

これは、あり得るとお考えいただければと思います。

さらに、4点目でございます。全体を通じましてですが、報告書の記載内容で政省令ではなくて、ガイドラインに記載するものもあるかという御質問でございます。

これは、義務とすべきものではない、一案として書いておるようなところを中心に、ガイドラインにおいて、その具体的な事例を挙げて、それで対応する中身もあると考えてございます。

以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

丁寧に御説明いただき、理解しました。ありがとうございました。

それでは、清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 説明ありがとうございます。

感想です。もともと電子化は慎重にと思っていましたが、今日の御説明、報告書の取りまとめではありますが、契約書面を出したほうが良いのだと読み取れました。通常の事業者であれば、今までどおり契約書面を出すだろうと思われます。是非、この報告書の内容を明文化していただくように、今後、御努力をお願いします。

御存じのように、消費生活センターの消費生活相談員は、何よりの武器が特商法でございます。特商法が私たちのよりどころです。それは、一人でも多くの市民を助けるための武器だからです。どうぞよろしくお願いします。

付け加えて、法律があっても助けられない人たちは山ほどいます。ですから、今日のテーマではないですが、是非執行も頑張ってください。よろしくお願いします。

以上です。

○後藤委員長 何かございますか。

○消費者庁奥山取引対策課長 大変心強い御意見、御支援を頂戴いたしまして、ありがとうございます。引き続き、厳正な執行も含めまして頑張っていきたいと思います。ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございます。

それでは、ほかにございませんでしょうか。

黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 奥山課長、どうも丁寧な御説明をありがとうございました。

今回の書面の電子化の問題につきましては、御案内のとおり、各単位会、弁護士会、それから日弁連も含めて、多数の意見書を昨年から今年の上旬ぐらいまでにかけて、ちょっと数は覚えておりませんが、恐らくかなりの数を、特商法の政省令に関して異例というほどの意見書を発出させていただいて、大変弁護士会としても関心の高かった分野でございます。

非常に熱心な議論をずっと続けていただいていたということについては、ホームページ等々でも確認をさせていただいておりまして、大変すばらしい、私としては、報告書としてはすばらしいものができたと考えております。

特に弁護士会の中で、まだ、そこまで考えていなかったのですけれども、デジタル機器で、スマホで良いのか、スマホでは駄目なのかというところまで深掘りをしていただいて、一覧性、真意性、それから、書面であればポイントが書いてあるわけですけれども、そことの対比というところまで深掘りをしていただいた報告書を作っていただいたということについては、本当に心の底からありがとうございました。

ただ、検討会のホームページ等では、これは、デジタル化の恩恵を消費者に逆に与えないのではないかという趣旨の御発言と意見書も掲載されているということも確認させていただいております。

私は、特商法をどこまで電子化するかというのは、今後のeコマースを支える上でのインフラをどう考えるかという問題であると考えております。

その点で、この報告書をベースとして、政省令、それからガイドライン、これは、この報告書が目立ったものをできるだけ的確に反映させたものを作っていただき、また、パブコメ等々でも、そういうようなことになるようにという今後の消費者庁取引対策課の御尽力に期待しているということを申し上げたいと思っております。

まずは、本当にこの報告書が、お忙しい中、1年ぐらいの間に、ここまでのものを作られたことについては、心より感謝いたしたいと思います。

以上です。

○消費者庁奥山取引対策課長 御指摘ありがとうございます。

確かに、たくさんの数の、もう三桁に上るのですけれども、意見書を頂戴しまして、去年、政省令を作るときのパブリックコメントでも、特商法に関する関心の高さというのは、非常に認識したところでございます。

一点、御指摘にございました、スマホの扱いなのですけれども、デジタル庁ですとか、それから、政府の規制改革会議とのやり取りが、この報告書と別には発生しておりまして、できるだけ、やはり使いたい人が使えるという観点からは、広いいろいろなデバイスに対応できるということも大事であるという御指摘を頂戴しております。

あとは、報告書では書面並みの一覧性ということを書いてございまして、私、ちょっと実例の契約書面を見ましたら、いろいろな大きさが実はあって、としますと、どんな大きさがあり得てというのは、また、これは難しい問題だなとは理解しております。実際重要なのは、通販は、実は、この書面交付とは関係ないのですけれども、いろいろな通販サイトで、いろいろ消費者に大事なことを読ませない手口というのは、非常に目にしておりますので、仮にそれをできるだけ広いデバイスでスマホのような大きさのものでも交付するということであれば、これは、しっかりと全画面をはっきり使って、消費者にクーリング・オフできるのだよと、何日までだよというような、そういう大事なものがしっかり目に飛び込むような形でしていただかないと、その大きさだけを考えていては、なかなか悪用する人には太刀打ちしていくのは難しいなと思いますので、引き続き、いろいろな実態も踏まえまして、検討していきたいと思いますので、その辺り、引き続き御指導いただければ有り難いと思います。ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 受田です。

きめ細かい議論をしていただいて、これまで消費者委員会から発出した建議に対して、対応していただいているという様子を理解いたしました。ここまでの御対応に心から感謝を申し上げたいと思います。

その上で、消費者委員会から発出した建議事項として2つございます。

1つ目の建議事項に対しては、対応がしっかり取られているということを確認したのですけれども、一方で、建議事項の2については、現時点では、ほぼ触れられていないように感じました。

特に消費者の権利行使の選択肢を増やすという意味で、今、起点等が問題になっておりますけれども、一方で、電磁的方法によるクーリング・オフを消費者の側が通知をするという、流れとしては逆方向に関する議論が、現時点ではどうなっているのか。

また、これは将来的に、更に議論が継続をしていくと思いますけれども、消費者教育等の一層の充実・強化、これも同時進行であるべきだと思われますけれども、その点に関する現状についてお聞かせいただければと思います。

以上です。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

まず、御指摘いただきましたクーリング・オフの電磁的な手段での通知でございますが、これは、実は、平成4年6月1日付け施行の部分の条文でございまして、既に、電磁的にクーリング・オフの通知をしたいという消費者の方は、それができるという仕組みが、法的にも有効にスタートしてございます。

そのスタートに際しましては、法改正の各種説明会でも、そういった電磁的なクーリング・オフの申入れというのが有効になりますよというのを、消費者向けにも事業者向けにも、各種の機会を捉えて説明をさせていただいたり、それから広報資料も作成して消費者庁のサイトにアップしたり、説明会の模様に関しましては動画で配信をしたり、それから、今までなかなか消費者庁から業界団体にアプローチするという機会は、実は少なかったのですけれども、それも積極的に行いまして、そういった機会に触れていただいた事業者には、電子的に来たものに関しましてもクーリング・オフというのは有効に効力が発生するので、対応が必要だという認識を広く頂いているのかなと、すみません、自負しているところでございます。

それから、消費者教育の充実に関しましては、これも、いろいろな機会を捉えまして、消費者向けへの広報材料を作成して、各自治体経由で配付をお願いしたり、それからデジタル的なコンテンツも使いまして発信をしております。

さらには、教育を専門に担当している部署もございますので、その教育の中の材料として若い方向けが、特にデジタルに関しては有効かとも思いますので、そういった教育材料の一つとして、この特商法、クーリング・オフの制度、更に書面の電子化というようなところも扱っていただけるように働き掛けをしていきたいと思います。

また、お年寄りも最近、スマホをお持ちになる方、かなり増えていらっしゃいますので、そちらに対しても、いろいろと教育になるようなコンテンツが届くようにというのは、心掛けていきたいと思っております。

今のところ、現状、そういうところでございます。ありがとうございます。

○受田委員長代理 ありがとうございました。

1点目に関しては、そういった普及啓発まで行っているということを踏まえつつ、この報告書の中に、5ページにポンチ絵がスキームとして描かれていて、これが消費者から、最終的に事業者という流れで、クーリング・オフの起算まで含まれているところ、逆方向の消費者からのクーリング・オフの流れ、権利の行使という意味で、双方向にこのポンチ絵というのが最終的に表現されていくことが、事業者、消費者ともに仕組みとして行き届いているということを表現するのではないかと思うところです。

是非、こういったスキームを含めて、見える化の部分で、双方向というところは何らかの形で、また、表現をしていただければと思うところです。

以上です。ありがとうございました。

○消費者庁奥山取引対策課長 御指摘ありがとうございます。

正に契約書面を電子化することで、事業者と消費者との間に、デジタルのチャネルが生まれますので、双方向に、もちろんクーリング・オフも含めて、それが活用できるということは、今後のそういった消費者向けのいろいろな材料にしっかり反映させていきたいと思います。ありがとうございます。

○後藤委員長 それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

私ども主婦連合会も、この件に関しては意見書を出しましたし、また、この検討会には委員として、私どもの会長が参加しているというところで、今回このような報告書がまとまったことを大変喜ばしく思っております。

私も普段相談員として仕事をしている中で、特商法というのは、やはり、かなり重要な法律でございまして、消費者の方に、こういうことなのですよと説明するのは、本当に機会が多い法律と思っております。

今回、報告書を読みまして、デジタル技術の恩恵を受けるということと、消費者保護ということの両立というところで、そこは大変評価できると思っております。

やはり若い人たちを中心に、デンタル技術は大変有意義なものですし、便利に使うということはとても重要なことです。でも一方で、やはりデジタル化における不利益を被らないことも重要であるということで、今回このような形は大変良かったと思います。

1点なのですけれども、6ページのところで、電磁的方法によって消費者が提供を受けたことを、事業者が確認できるかどうかというところがあったと思うのですけれども、メールの場合は、郵送で頂いたり、手渡しで頂くよりも、見落としがちであるということは、もう避け切れないと思うのです。メールというのは、郵送もそうだと言われれば、それまでなのですけれども、届かなかったり、遅れたりすることもあると思います。

やはり、事業者などから、こういった場合に、期間内に、例えばリマインドメールをするとか、そういった配慮が望ましいと、私は思っているので御検討いただければと思います。

是非、この報告書の内容を法律に反映して、消費者保護を万全にしていただきたいと思っております。

デジタルの進展などで、状況が今後変わっていくと思いますし、幾らこのような特商法でいろいろ作っても、やはり新たな事例が発生すること、想定外のことが起こってくると思いますので、デジタル化の特商法というお話もありましたけれども、引き続き検討していくことが必要であると、私も考えております。

以上です。ありがとうございました。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

御指摘の中にございました、消費者が電磁的記録を確実に受け取ったことの確認でございますが、制度に反映させられることができるかどうか、追求してまいりたいと思っております。

また、新たな事例に対応するというのは、悪質な事業者の手口、本当に手を替え品を替えだなというのは、私も日々思っておりますので、そうしたものに遅れずに対応していくと心掛けてまいりたいと思います。ありがとうございます。

○木村委員 よろしくお願いします。

○後藤委員長 それでは、星野委員、よろしくお願いいたします。

○星野委員 詳細な御説明を頂き、ありがとうございます。

これはこれで非常にすばらしいと思いますけれども、今後やはり御検討いただきたいこととして、特に、こちらの消費者委員会が申し上げたことですけれども、まず1点目、デジタルの恩恵ということで考えますと、やはり、ほかの契約との比較というのが容易だと、比較をしやすくなるというのは、非常に良い点だと思います。

ですので、例えば、今回の契約が、一般的な契約とどれだけ違って、どれだけ業者にとって有意義に改変されているのかというのが明確に分かるとかとなると非常に良いわけですね。

特商法は、あえて7類型をちゃんと用意しているわけですから、各類型ごとに、標準的な契約のデフォルトみたいなものを作っていただいて、そこに対して、今、あなたが契約しようとしているものが、どれだけ業者に有意義になるように改変されているのかが明確に分かって、例えば、そこの部分が赤字になるぐらいの形で見えていたりすると、非常に注意できて、やはり止めておこうとかと思うことができるようになるわけですね。

そういったデジタルの利便性という観点で考えますと、先ほど課長がおっしゃったように、文字の大きさとかではなくて、実際には、どれだけ一般的なものから逸脱しているか、改変されてしまっているか、業者にとって有意義になっているかということが、明示的に分かるというのが非常に、本当にそれこそデジタルの利便性だと思いますので、是非今後、例えば、特商法だけで結構だと思いますので、その特定各7分類ごとに標準的な契約のデフォルトみたいなものを、もし作っていただけるのであれば、デジタルであれば、そことの比較が容易になるわけですね。そういったものを、例えば作っていただくと、これは、例えば日本でもNDAがあまり広まっていなかったときに、経産省がプレインなものを作られて、それが普及したという経緯もありますね。

そんな形で、やることは多分結構できると思いますので、是非、今回の契約がどれだけずれているか、一般的ではないかということが、契約をされる消費者にとって分かりやすくなるような形で注意できると非常に良いのかなと。かなりいろいろな問題が未然に防止できるのではないかなと思いますので、是非、そういったデジタルならではの恩恵ですね、特に一般的な契約との比較というのが容易になるような、そういったものを御議論いただくということを御検討いただければと思います。

もう一つ、これもデジタルだからこそできるということでございます。例えば、ブロックチェーンの活用など、というのは、つまり全ての人が同じものを持っているので、これは改変しようがないということになりますから、そういったものを容易にするような、何か制度だとか仕組みだとか、また、普及活動みたいなものにも、より一層力を入れていただければと思います。ありがとうございます。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

非常に先進的な御意見を頂戴いたしまして、私だけの力では、なかなかどうしたら良いのだろうと思うところもございますが、趣旨は非常に理解をいたしました。私もデジタルの恩恵とは、実はほかにも、消費者保護の方向で、いろいろできるのではないかということは思っておりまして、契約書面の交付の大きな目的の一つが、クーリング・オフの権利がありますよと消費者に伝えて、よく考え直して、8日間なら8日間、本当に必要なのか決めてくださいねということをメッセージとして、これは、恐らく国からのメッセージとして消費者に権利を伝えているのですけれども、文字で伝えるのが本当に今の若い人に一番伝わる手段なのか、実は何か良いコンテンツを送ってあげたほうが、よほど響くのではないかと、そういうことは、こういった御議論を頂きながら思ったところもございまして、そういった、私が思い付くことですから、割と初歩的なところから、いろいろ、今、星野先生から御指摘いただいたような、恐らく契約書を分析するということですから、AIの技術をしっかり使って、相当先進的な何かが必要になってくるようなところまで、いろいろデジタルだからこそできるというのは、本当にあると思いますので、幸いといいますか、見直しのタイミングが割と短期間で複数やってまいりますので、そこはしっかり意識しながら、考えてまいりたいと思います。ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、飯島委員、よろしくお願いいたします。

○飯島委員 飯島でございます。丁寧な御説明を頂きましてありがとうございました。

後藤委員長の御指摘に対し、6ページの2①を事業者の努力義務として政省令で定めるかどうか御検討中だという話もございましたので、あえて申し上げることでもないと思いますが、ただ、特定商取引法の定め方については、確かに附帯決議もございますものの、政令への委任の範囲や趣旨などが必ずしも明確ではないとも言われているかと思いますので、法律で定めるべき事柄、政令事項、あと、ガイドラインで何を書くべきかといったところの切り分けを意識し、また、今後の見直し状況に応じて、法律、政令で改正すべきところは改正していくということも必要になるのではないかと思っております。

以上でございます。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

御趣旨、御期待に沿える政省令にしていけるように、頑張ってまいりたいと思います。ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。

大石委員、よろしくお願いします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

一昨年の11月でしたか、最初はオンライン英会話のようにネットで契約を完結できるものについて、書面ではなく電磁的な方法で契約を行えるかどうかについての検討から始まったと聞いています。この事例であれば、ネットに慣れた消費者がオンラインで申込みをし、電磁的方法で承諾するということで、それはあり得るのではないかなと思っておりました。ですが、特商法で定められた商法の全てが対象になるということで、大変大きな議論となりました。先ほど黒木委員もおっしゃいましたように、多くの消費者団体や弁護士会などから意見が寄せられ、附帯決議により、このような丁寧な検討を頂いたということについては、本当に感謝申し上げます。

私からは、取りまとめの内容について、少し分からないところがあるので教えていただきたいと思います。まず最初に、頂きました資料1の、左側が「デジタル技術の恩恵を受けられるように」で、右側が「消費者保護を万全に」となっています。右の一番下のところ、先ほども指摘がありました「電磁的記録も書面と同じ表示内容で提供。制度の開始に当たっては、書面並みの表示面積を有する電子機器を有することを条件に」とまとめていただいております。これは、報告書のどのページのどの部分に記載されているのか読み切れないので、教えていただければというのが1点です。

それから、報告書の5ページの一連の流れの図についてです。図の下に赤い矢印があり、その先に「直ちに/遅滞なく提供完了しない場合、書面を交付」とまとめていただいているのですが、これは、この全ての流れがということになるのか、それとも、それぞれの場面において、何か遅滞が起きた場合には、その場面で直ちに書面に変えなければいけないのかというところを教えていただきたいと思います。また、この「直ちに/遅延なく」というのが、どのぐらいの状況や時間を示すのか、教えていただければ有り難いと思います。

以上です。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

まず、一番表紙の右下のポツでございます「電磁的記録も書面と同じ表示内容で提供」というのは、報告書の7ページの③でございます。

それから、その後の「書面並みの表示面積」というのは、6ページ目の1の適合性の①の一番下のチェックの内容を書いてございます。

それから、5ページ目のフロー図ですかね、これが完結しないと、書面交付ということでございまして、一番下のフロー図の下に赤い矢印があるのがお分かりいただけると思いますけれども、どの段階でも、そこで滞ってしまったら、もう諦めて従来どおりの書面に行ってくださいという思いで書いておりますので、最後まで行かないというのは、どこかの段階でつまずいているわけですので、どこであっても駄目であれば、書面交付に行ってくださいということでございます。

それから「直ちに」と「遅滞なく」ですけれども、直ちに交付というのは、対面で勧誘しているときの、大体要件として書いてあります。例えば、訪問販売の場合ですね。直ちにというのは、その場でと御理解いただければと思います。遅滞なくというのは、例えば郵送で必要な時間が掛かる場合は、遅れがないというのが遅滞なくという意味ですので、必要な時間が掛かる場合は、必要な時間は当然掛かるということでございます。

ですから、郵送を想定しますと、普通数日あれば送ることはできますので、その範囲であれば、遅滞なくと解釈されると理解しております。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

最終的には、取りまとめの11ページのところの「おわりに」の内容が、本当に全てだなと思って読ませていただきました。

本来、デジタル化を活用できる消費者には、積極的に活用することを認めるべきだけれども、そうではないデジタル弱者である消費者を想定すると、やはり、いろいろな場面を想定しておく必要があるというのは、全くそのとおりだと思います。また、デジタル化の進展というのは急速に進んでいますので、2年後見直しにおいてしっかり検証していただけることを希望しますし、その前に、まずは今回の報告書の内容を政省令の中にきちんと入れていただけると有り難いと思いました。

以上です。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 御説明ありがとうございました。

今、大石委員が最後にも触れられたところなのですが、私、1点だけお尋ねしたいのですけれども、正に委員会の建議を良い形で吸収してくださって、本当に精密に取りまとめてくださっている報告書だと思うのですが、建議事項2の、先ほど御指摘もありましたが、消費者教育の充実・強化という項目がすごく重要ではないかと思っております。

この消費者教育の充実・強化といったような内容が、この報告書の中に、全体に散らばっているようには思うのですが、明記されておりますでしょうか。私が見落としておりましたら御指摘いただきたいのですが、そのことに関連して「おわりに」という最後の文章の、まさしく最後の1行、「消費者の側においても消費者としての基礎力を一層向上していくことが望まれる」という一文だけが入っているように思ったのですね。

実は、消費者教育の充実・強化というのが、本当に、このことにおいて非常に重要なのではないかと思っていまして、成年年齢が引き下げられた若年層ですとか、高齢者のデジタル弱者と言われる方々のデジタルリテラシーを向上させるということが並行して行われないと、先ほど来のメールの確認ですとか、クーリング・オフの方法をちゃんと検索して、日にちを確認しておくことなど、それを習慣化するようなことが、消費者において、自ら自発的にできるようにならないと、やはり永遠に被害は少なくならないのではないかと思いまして、この報告書の中に、どのような形で含まれているのか、あるいは今後含むような方向をお考えなのか、そこをお伺いしたいと思いました。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

まず、この検討会と報告書でございますけれども、改正法におきまして、政省令で定めることとされていることについて検討するというのが、この検討会のタスクでございました。

したがいまして、法律から委任されたことをいかに実現すべきかということが、検討の中心となってございます。

ただし、皆様は、もう有識者の方々は、この消費者行政の世界も非常にお詳しい方々ですので、教育の重要性ですとか、全体に散りばめておると御覧いただきましたけれども、いささかも、その教育の重要性について疑念を呈する方はいらっしゃらないと思いますし、今後の施策の実施に当たりましては、今、頂きました御指摘は、十分配慮しながら進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。

○生駒委員 よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。

よろしいでしょうか。

特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する問題は、委員の方々からも御指摘が出ておりましたけれども、多数の意見書が出て非常に注目されている問題であります。

その中で、この報告書が、今、委員の方々の御意見で非常に高く評価されていますが、私も同意見であります。

今回の報告書は、検討会において消費者団体、事業者団体等、関係者の意見を十分に聴取し、1年以上の時間を掛けて慎重に議論されたもので、その内容は尊重されるべきものだと考えます。

報告書で提案されている内容は、全体的に見て、電磁的交付によって書面の持つ消費者保護機能が失われないように配慮がなされたもので、その点、高く評価できると思います。

消費者委員会としましては、昨年の2月に建議を発出していますが、今回、先ほど課長が御指摘なさいましたように、改正法につき、政省令で扱う部分についての検討をしたということでして、そういう部分について見てみますと、消費者委員会の建議では扱っていなかったことにも配慮されているという点、この点について高く評価できると思います。

大部分の取引で消費者が承諾した事実を証する紙の書面が必要ということ、そういう扱いを報告書でしておりますけれども、紙の書面というのは、高齢者等の見守り活動において消費者被害を発見する端緒となるというものでありまして、その意味でも重要であります。建議では、この点について直接触れていなかったわけですが、重要な取りまとめがなされたと思います。

それから、第三者への書面提供ですね、これも建議では触れていなかったわけでありますが、消費者被害の抑止効果が期待できます。年齢による制限を設けていない、そういう取りまとめになっている点も評価したいと思います。

報告書の中で8ページなのですけれども、注14のところに、立証責任の問題が書いてあるのですが、これは注の形で「クーリング・オフの起算日として有効要件を備えた電磁的方法による提供及び(消費者からの)有効な承諾を得たことの立証責任は事業者側にあるため」と、こういう形で理由付けの文言として注の14に出ているわけでありますけれども、電磁的交付を受けることについて、消費者が有効な承諾をしたことの立証責任の所在ということについて、立証責任は事業者側にある、こういう取りまとめがなされたということは非常に評価できると思いますので、この部分をより前面に出すような形で明確化し、国民に周知するということを考えていただけたらと感じました。

委員の方々の御指摘の中で、デジタルの恩恵ということをもっと考えても良いのではないかということで、今回の直近の課題とは離れる部分もあるのですけれども、これも重要な御指摘であると受け止めました。こういう方向についても、課題としてお持ちいただければと思います。

他方で、書面の電子化により、紙の書面以上に内容をよく読まない消費者が増えるという懸念もあると思いますので、それによって消費者被害が発生しないか、そういうことも見ていく必要があるのではないかと思います。

消費者庁におかれましては、電磁的交付を認めた後の消費者被害の動向を注視していただき、2年後見直しの際にしっかりと検証していただきたいと思います。

繰り返しになりますけれども、この報告書は大変評価できるということでありますので、この報告書を踏まえた制度設計が適切に行われるということを期待しております。

本日、委員の皆様から頂いた意見も踏まえて、消費者委員会としても適切なタイミングで建議のフォローアップをするということも考えている次第であります。

消費者庁におかれましては、本日はお忙しいところ審議に御協力いただきまして、どうもありがとうございました。どうぞ御退席ください。

○消費者庁奥山取引対策課長 どうもありがとうございました。

(消費者庁 退室)


《3.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は、以上になります。

最後に、事務局から今後の予定について、説明をお願いいたします。

○友行参事官 次回の本会議の日程につきましては、決まり次第、ホームページでお知らせいたします。

以上です。

○後藤委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)