第376回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2022年8月4日(木)13:00~14:36

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長
    (テレビ会議)青木委員、飯島委員、生駒委員、受田委員長代理、大石委員、木村委員、黒木委員、星野委員
  • 【説明者】
    消費者庁山地消費者教育推進課長
  • 【事務局】
    加納事務局長、岡本審議官、友行参事官

議事次第

  1. 消費者教育について(「消費者教育の推進に関する基本的な方針」の見直し)
  2. その他

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから第376回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、私が会議室にて出席、受田委員長代理、飯島委員、生駒委員、大石委員、黒木委員、木村委員、星野委員がテレビ会議システムにて出席です。

青木委員は出席予定ですが、今のところ、まだ入室していないということです。遅れて御出席だと思います。

清水委員は御欠席です。

開催に当たり、会議の進め方等について、事務局より説明をお願いいたします。

○友行参事官 配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。

もしお手元の資料に不足がございましたら、お申し出くださいますようお願い申し上げます。

以上でございます。


《2.消費者教育について(「消費者教育の推進に関する基本的な方針」の見直し)》

○後藤委員長 本日の議題は「『消費者教育の推進に関する基本的な方針』の見直し」についてです。

消費者教育の推進に関する法律に基づく現行の「消費者教育の推進に関する基本的な方針」は、平成30年度から令和4年度までの5年間が対象となっております。そのため、令和5年度以降に向けた基本方針の見直しについて、消費者庁の消費者教育推進会議において検討が進められていると聞いております。

消費者教育推進法では、基本方針を変更しようとするときは、消費者教育推進会議と消費者委員会の意見を聴くこととされております。当委員会としましても、見直しに向け、高い関心を持って調査審議を行っていきたいと考えております。

そこで、本日は、消費者庁からその検討の内容を御説明いただき、その後、意見交換を行いたいと思います。

本日は、御説明者として、消費者庁消費者教育推進課の山地課長に御出席いただいております。

本日はありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 消費者庁消費者教育推進課長の山地でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、資料1に基づいて御説明申し上げたいと思います。

おめくりいただきまして、2ページ目でございますが、今、委員長から御説明いただきましたとおり、基本方針は、消費者教育の推進に関する法律第9条に基づき策定するものでございまして、消費者教育の担い手にとっての指針となってございます。

平成25年に策定いたしまして、同法においておおむね5年ごとに変更を検討することとされておりますことから、平成30年に1度目の変更をしてございまして、対象期間が終了するということで、今回、令和4年度中に2回目の変更を行うということで、本年2月から議論をスタートしているところでございます。

来年2月頃まで推進会議における議論、消費者委員会への御意見聴取をさせていただきまして、また、パブリックコメントの実施も行いまして、年度末に諮問、答申、閣議決定という流れを想定しているところでございます。

3ページ目でございますが、今回の基本方針でございますが、基本的な構成は維持しつつ、消費者教育の進捗、社会経済情勢の変化等を踏まえて、内容を充実することを考えているところでございます。

また、対象期間についてでございますが、地方から消費者基本計画と基本方針に基づく計画の対象期間を一致してほしいという御要望をいただいたことを踏まえまして、対象期間が通常5年であるところ、今期に限り、7年にしたいと考えているところでございます。

おめくりいただきまして、4ページ目でございます。

「消費者教育の進捗と課題」ということで、消費者教育につきましては「被害に遭わない(だまされない消費者)」が1本目の柱。

そして「より良い市場・社会の発展のために積極的に関与する(自分で考える消費者)の育成」が2本目の柱ということで、これまで実施してきているところでございます。

各分野の進捗状況について見たときに、まず「学校」や「地域社会」におきましては、成年年齢引下げの取組もございまして、消費者教育が提供される体制は整備され、一定の進捗があったものと認識しております。

課題としまして、外部講師の活用とか担い手の育成、関係者の連携、相互の学びの充実を図っていくことが重要であると考えております。

また「職域」についてでございますが、こちらについては、取組が緒に就いたところでございまして、今年度より、新採用職員等を対象とした消費者教育事業を開始したいと考えております。切れ目のない継続的な学びに向けまして、取組の一層の強化が必要であると考えてございます。

5ページ目でございますが、ここから基本方針の内容の変更案について御説明したいと思います。

1番の「消費者教育の推進の意義」についてでございますが、消費者を取り巻く現状と課題についてということで、まず、挙げさせていただいているのが「消費者の多様化」でございます。

高齢化の進展。

本年4月からの成年年齢の引下げ。

単身世帯の増加やコロナ禍での孤独・孤立の顕在化。

在留外国人の増加。

金融資産の状況や経済回復の差などによる家計の多様化といったことが挙げられると考えておりまして、こうした消費者の多様化を踏まえますと、今後の消費者教育の推進に当たっては「多様な消費者の特性を踏まえたきめ細やかな対応」が求められると考えております。

次に、おめくりいただきまして、6ページ目で挙げさせていただいているのは「社会情勢の変化」でございます。

「デジタル化の進展」は、高齢者も含め、デジタル取引が拡大し、情報の取得・発信方法にも大きな変化をもたらしていると認識してございます。

また、「持続可能な社会実現に向けた機運の高まり」は、食品ロス削減やカーボンニュートラル、エシカル消費なども挙げられるかと存じます。

「自然災害等の緊急時対応」は、コロナ禍における不確かな情報の拡散、消費者の行き過ぎた言動等が見られたところと承知しております。

こうしたことが挙げられまして、このような社会情勢の変化を踏まえますと、消費者教育においても「デジタル化への対応」。

「消費者自ら及び相互に『学び』『考える』ことを促進すること」。

「消費者市民社会の一員としての行動促進」をしていくことが求められると考えております。

こうしたことを踏まえまして、7~9ページ目にかけまして「消費者教育の推進の基本的な方向」の案を記載しております。

なお、赤字部分は、従前の基本方針の記載について、拡充する内容の案でございます。

まず、7ページ目に<基本的視点>の1点目ということで挙げさせていただいておりますのが「多様な消費者の特性を踏まえたきめ細やかな対応(特に若年者、高齢者等)」とさせていただいております。

これに対応した<取組の方向>といたしまして、若年者につきましては、消費者教育に関する学びを充実した学習指導要領の着実な実施。

大学、事業者の新人研修等における継続的な教育機会の提供。

若年者が相談しやすいメール等による消費生活相談の推進。

また、特に高齢者については、多様な高齢者の実態や社会のデジタル化を踏まえた消費者教育の一層の工夫。

生活の支援が必要な高齢者や障害者等の支援者、例えば家族、介護従事者、民生委員等への働き掛けを挙げさせていただいております。

8ページ目でございますが、<基本的視点>の2点目といたしまして「デジタル化への対応」を挙げさせていただいております。

具体的には、第4期消費者教育推進会議で御議論いただいたデジタル分科会の取りまとめも踏まえまして、1点目として、デジタル取引に伴う消費者トラブルから自らを守るための知識。

②として、接する大量の情報に対する批判的思考力。

③として、適切に情報を収集・発信する力、これらを身に付けるための取組が重要と考えております。

<取組の方向>といたしまして、デジタル関連の最新のトラブル事例や教材の提供による担い手支援。

消費者教育ポータルサイトでの様々な主体の取組事例や団体情報の発信・提供による各主体間の連携の促進。

メディアの特性や対象となる年齢層等を踏まえた効果的な情報提供手法の検討。

デジタルを活用した消費者自らの情報収集や相互に伝え合う活動の促進を挙げております。

9ページでございますが、<基本的視点>の3点目といたしまして「『教えられる』だけでなく、消費者による自ら及び相互に『学び』『考える』ことを促進」すること。

4点目として「消費者市民社会の一員としての行動を促進」することを挙げております。

<取組の方向>といたしまして、大学生が主体となって周囲の若年者等への啓発活動を行う等、相互の学びを促進すること。

消費生活が地球環境等に与える影響について考える素材となる情報の提供。

緊急時等における不確かな情報に基づく行動や、適切な意見の伝え方等、消費者としてよりふさわしい行動を考えるきっかけとなる情報の提供。

社会課題解決のため、消費者と事業者の共創・協働の促進。

例えば消費者によるエシカル消費と事業者の消費者志向経営の取組を両輪として推進することなどを挙げさせていただきました。

おめくりいただきまして、10ページ目からは、2までの方向性を踏まえまして「Ⅲ 消費者教育の推進の内容に関する事項」ということで、具体的な取組を記載してございます。

まず、「様々な場における消費者教育の推進」ということで「学校」においては、消費者教育を充実する形で、平成29年、平成30年に改訂されました学習指導要領の徹底を図るとともに、外部講師の活用を図ることを挙げさせていただいております。

特に高等学校においては、成年と未成年が混在することとなったことにも留意する必要を考えております。

大学・、専門学校においては、学生が主体となって周囲の若者等に啓発活動を実施するような取組も見られるところであり、これらの特色ある取組を促進すること。

また、コロナ禍による学生の孤独・孤立化に付け込んだ消費者被害・トラブル等への対応が必要であると考えております。

「地域社会」においては、消費生活センター等を拠点に、情報発信や様々な担い手と連携をコーディネートすること。

PTAや老人クラブ、また外国人への対応も念頭に、多文化共生支援団体等、消費者の特性に応じたコミュニティの活用。

また、高齢者、障害者には、デジタル化に誰一人取り残されないための対応を進めることを記載してございます。

「家庭」においては、子供は親を信頼できる情報源と認識しているとの調査結果もあることも踏まえまして、保護者が正しい知識を身に付け、家庭内で普段から話し合うことを促進すること。

また、家庭内において、高齢者と情報共有、連携することも重要である旨を記載しております。

「職域」においては、事業者のニーズも踏まえつつ、消費者教育の意義、メリットを整理し、事業者向けプログラムを開発する等、取組を強化する旨を記載しております。

11ページ目でございます。

「2 担い手の育成・活用」については、消費者団体・NPOが力を発揮できるよう、地域で活動する団体の情報を提供すること。

コーディネーターの配置促進、機能向上に向けた支援。

また、事業者においても、公正で健全な市場の参加者として、情報提供や出前講座の実施を期待し、働き掛けや情報提供を行っていくこと。

消費者においても、自ら考え、消費者市民社会の担い手となることを期待し、関係者の連携と相互の学びを促進すること等を記載しております。

「3 消費者教育の資源等の充実」については、デジタル化等、経済社会情勢の変化に対応し、担い手が活用しやすい教材の作成。

消費者教育ポータルサイトの継続的な改善。

最新のトラブルについて、デジタル技術も活用して提供することを記載しております。

12ページ目でございます。

「Ⅳ 関連する他の消費者施策との連携」については、大きな変更はしてございません。

「Ⅴ 今後の消費者教育の計画的な推進」につきましては、基本方針に基づき、消費生活に関する教育について、各省庁で施策を推進する等、引き続き「計画的な推進」に取り組むとともに「達成度の検証」については、今期の基本方針の対象期間を7年間としたことを踏まえ、必要に応じて基本方針の変更の必要性を検討すること。

都道府県では、第4期の全世代分科会取りまとめも踏まえまして、内容の充実、PDCAサイクルの確立等、実効性の確保を目指すとともに、広域的視点から、管内市町村の取組を支援すること。

市町村ではそれぞれの状況に応じた形での推進計画の策定を目指すことを記載しております。

さらに、消費者教育の目指すべき姿と照らして、進捗状況や効果を調査する旨を記載しております。

13ページ目は、御参考といたしまして、最近10年間の我が国の消費者教育をめぐる歴史について整理したものをお付けしてございます。

事務局からの御説明は以上となります。

どうぞよろしくお願いいたします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。

時間は40分程度を予定しています。

いかがでしょうか。

受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 受田です。

御説明ありがとうございました。

内容的には、今回、見直しをかけるにふさわしい、具体的な議論が進んでいくということで理解いたしました。

実際に、それぞれの観点から考えなければいけないことがたくさんあるのかなと思いつつ、私の関心のあるところで、先ほど資料1に基づいて御説明いただいた9ページに関して、質問を含めたコメントをさせていただきたいと思います。

ここの中では、特に大学生のことが書かれていることと、取組の方向性として、3つ目のマルに「消費生活が地球環境等に与える影響について考える素材となる情報の提供」という視点が示されています。

この点については、言うまでもなく、SDGsの中では「つくる責任つかう責任」といった12番が、例えば14番の海の豊かさを守る、15番の陸の豊かさも守るといったところと連動していくのだということをしっかりと教育的に啓発していくことの重要性が盛り込まれていくのであろうと期待しつつ、想像しております。

この点については、特に学校教育の中において、様々な事象を結び付けていきながら、環境教育と消費行動がいかに結び付いていくかということを説明する上で、教育のネタとしても極めて重要な観点ではないかと思います。

その点から見たときに、学校教育において、指導要領の改訂が学年進行でなされていっていることを踏まえつつ、この点が学校教育の中でどのように教育のコンテンツとして盛り込まれていくのかという点について、少し現状を教えていただければということと、その点が今後、教育の現場等でどんな展開がなされていくのか、今後の展望についても御意見をお聞かせいただければ、大変有り難く思います。

私からは以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございます。

学校教育において、具体的にどういった消費者教育の充実が図られているかといった御質問だったかと存じます。

参考資料1にお付けしてございます「基本方針見直しに関する参考資料集」の中の16ページに「改訂学習指導要領」の内容について、資料としてお付けしているところでございます。

この中で、例えば「小学校」でございますと「社会」の中で3年生、4年生、5年生。

家庭科の中で、5年生、6年生の「消費生活・環境」という部分で物や金銭の使い方、環境に配慮した生活が盛り込まれているところでございます。

同様に「中学校」につきましても、社会科とか技術・家庭科の中に、更に拡充した内容。

また、「高等学校」では「公共」「家庭基礎」の中に、それぞれ金融経済教育や持続可能な社会の構築の観点が追加されていると承知しているところでございます。

また、この教育がなされた後の展望についてもお尋ねがございまして、それぞれの教科の中にいろいろと盛り込まれているところでございましたが、受田委員からのお話にもありましたとおり、様々な分野を結び付けて、実際の生活の中に落とし込んでいくことが、最終的にやっていかなければならない。これは教育現場でも、我々でも、共通して持っている認識ではないかと考えているところでございます。

うまくいっているところ、うまくいっていないところはいろいろとあるかと思うのですが、我々としてもうまくいった例を横展開する等して、全国で良い取組が行われるように、しっかりと支援してまいりたいと考えているところでございます。

以上でございます。

○受田委員長代理 ありがとうございました。

今の改訂学習指導要領の件は、非常に重要な観点だと思いますので、私自身は、こういった点については、今後の消費者教育の推進において重点化されていくことを期待申し上げたいと思います。

その上で、もう一点だけ。

こういった「消費者教育の推進に関する基本的な方針」が、消費者基本計画の推進と相まっていくことが更に求められていくことではないかと拝察いたします。

今の学習指導要領等に盛り込まれている内容を、消費者基本計画の側で見ると、例えば「海のエコラベル」とか、生産の現場と消費をつないでいく、消費者の信頼を得るための認証制度のようなものがKPIとして盛り込まれているところです。

したがって、こういった学習指導要領の中身を消費者として具体的に行動に移していく際に、そういった認証制度を利用していく、具体的な行動へと更に落とし込んでいくことと、そのKPIの推進に、消費者として事業者への要望、あるいは業界への要望といったところへ更にフィードバックしていくように、これらが両輪となって、7年というスパンを合わせるために、今回、期間を延長することも含めて、その連動性の意義の部分で、是非そういった点にも重きを置いていただければ、大変有り難く思います。

以上でございます。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございます。

私どもも消費者市民社会の構築ということで、実際に消費者として行動していく、そして社会に関わっていくことが非常に大事だと考えておりまして、今回、被害に遭わない消費者ということと、自分で考える消費者という2点目について拡充していきたいと考えてございますので、今いただきました御意見も踏まえまして、改定について検討してまいりたいと存じます。

ありがとうございました。

○受田委員長代理 ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 まず、資料1の8ページの「社会のデジタル化を踏まえた消費者教育の一層の工夫」が挙げられています。

消費者教育推進会議の分科会で、昨年5月に「社会のデジタル化に対応した消費者教育に関する分科会取りまとめ」が公表されています。この「取りまとめ」が前提になっているのだろうと思っているわけなのですが、「取りまとめ」によると、「情報と技術の活用能力・仕組みやリスクの理解」とか「情報を鵜呑みにしない批判的思考力」「情報モラル」「個人情報管理」「知的財産保護」等について、ちゃんと理解することとなっています。

かつ「消費者教育として重点化すべき内容」として「デジタルサービスの仕組みやリスクの理解」ということで「インターネット上の取引における契約」「デジタルサービス利用による個人情報の提供と広告表示」「キャッシュレス決済の活用に伴う支出管理」とか「批判的思考力に基づく的確な判断」「デジタル技術を活用した情報の収集・発信」といったことが消費者教育の目的になっているという分科会報告書になっています。この内容は素晴らしいと思ったのですが、今回は7年間の基本計画になるわけです。例えば5年ほど前だと、QRコード利用によるキャッシュレス決済サービスはほとんど利用されていなかったのですが、今はかなりの部分で利用されていることになってきています。

7年間は非常に長いわけですが、その間、例えばさっき言ったQRコード利用によるキャッシュレスサービスのような技術革新がどんどん進んでいくのだと思うのです。

その中で、今のような技術革新の進展として、デジタル技術が進んでいくときに、分科会報告書を読ませていただきますと、いろいろなサポーターとかがあるとか言われているのです。消費者教育の担い手について、そもそも今言ったような非常に幅広いデジタルリテラシーを持っている人がどこまでいるのかということも含めて、デジタル化における消費者教育の一層の工夫というところを深掘りすると、報告書の実現も含めてなかなか難しいのではないかと思うのですが、その辺りのところについての御説明をもう少しいただければ有り難いと思います。

以上です。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 先生、分科会の報告書を丁寧に読んでいただきまして、ありがとうございます。

私たちとしても、この分科会の報告を踏まえて、非常に多岐にわたる内容ですし、深掘りしていくと本当に大変な内容でございますが、当然、優先順位を付けて、教材の開発、横展開等をやっていかなくてはいけないと思うのです。

逆に言うと、それしかできないのではないかと思うのですが、実際、どういったものが被害に遭っているかというのは、国民生活センターの情報等で我々も把握できますので、そういったものを踏まえて、緊急に対応しなくてはいけないものを優先順位高く、担い手への情報を届けること、また、消費者御自身へもお届けすることをしっかりとやっていかなければいけないと思っております。

7年間は非常に長くて、デジタル化がこんなに進展しているのに、7年後の姿をどうやって予見するのかという議論は推進会議でもあってございまして、それは本当に難しいと私どもも思っております。

ですので、現在の私たちの到達点としては、この分科会の取りまとめの報告ということになると思いますので、こういったことにしっかりと対応しつつ、7年間の中で、途中途中で見直しをしながら対応していくことになるのではないかと考えているところでございます。またいろいろと御指導いただければと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

○黒木委員 ありがとうございます。

もう一点ですが、資料1の12ページで、今のところと関係するのですが、「今後の消費者教育の計画的な推進」「達成度の検証」が重要な観点としてあると思っています。

消費者基本計画の項目と、今回の基本方針はかなり重なっていると思っています。

消費者基本計画の中でも、重点的な計画として、取引及び表示の適正化とか、消費者の自主的かつ合理的な機会確保、ぜい弱性、生きづらさを抱える消費者を支援する施策、「新しい生活様式」の実践、消費者教育の推進及び消費者への情報提供の実施といった基本計画の項目があり、それに伴う工程表ができていて、これは毎年パブコメを取られています。

その中で、特に工程表のⅣでは消費者教育の推進及び消費者への情報提供等とかも出て、また小項目に分かれて、KPIとかいろいろなものが取られていることになっているのですが、このような消費者基本計画工程表と、今回の基本的な方針との関係は、今後、どのように考えていったら良いのかということについてもお知らせいただければ有り難いと思います。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございます。

「達成度の検証」ということで、KPI等を定めて推進していくことが重要ではないかという御意見について、消費者教育推進会議でもいただいているところでございました。

私どもも、先生がおっしゃってくださったとおり、国としては、消費者基本計画の工程表に基づいてKPIを設定して、施策推進していると考えております。

一方、消費者教育の基本方針につきましては、理念を示すものでございまして、計画は、各自治体で策定するものについては、基本方針を踏まえて策定いただくことになっておりまして、基本計画の工程表にある国のKPIも踏まえながら、自治体においてもKPIを定める。

今でも計画的に推進していただいておりますが、そういった取組を自治体に対してもより促していく形になるのではないかと考えているところでございます。

○黒木委員 分かりました。

基本計画に合わせて7年間となったわけですから、ここは意識的にやっていかないといけないと思っています。

ありがとうございました。

以上です。

○後藤委員長 それでは、生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 私からは、大枠の話になるかもしれないのですが、先ほど受田委員からも御指摘があったと思うのですが、7年後といいますと、ちょうど2030年は、SDGsの目標達成年になるわけです。

SDGs自体は、今やこの国で80~90パーセントぐらいの方が聞いたことがある、知っていると認知度が非常に高まっている状況です。

この消費者教育の目的は、自分で考える、自立した消費者を作ることと同時に、地球や社会の状況をより良くしていく消費を推進しようというための教育だと思うのです。

だとしますと、今、この報告書の中にあまりSDGsという文言は拝見できない。

エシカル消費は1か所出てきているのですが、基本的な理念として、何のために消費者教育があるとすると、今申し上げたのは、SDGsの目標と寄り添っていくための消費者教育でもあるかと私としては解釈しておりますが、そういう言葉がほとんど出てこないのはなぜなのかということを一つお聞きしたい。

あるいは、これは理念ですので、具体的な行動に起こされる段階では、先ほど受田委員も認証制度などのことをおっしゃいましたが、消費者の目安になるようなことの基準も掲げて、併せて伝えていかなくてはいけないと思っています。

一般の消費者からすると、SDGsは既に知っている、分かりやすい目標です。自分たちの毎日の消費、お買物が、地球や社会の未来をより良くしていくのだということに気付いていただくきっかけとして消費者教育があるとしたら、SDGsの視点をこの教育方針の中でどのようにお持ちで、今後、推進書の中にどのように盛り込まれていく御予定なのか、お伺いしたいと思いました。

よろしくお願いします。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございます。

SDGsについては、おっしゃるとおり、平成30年の改定のときには、今の認識に比べると記述が少ないかとは感じます。

おっしゃるとおり、エシカル消費について、参考資料3に3か所ございますが、まず、今の基本方針の中で、5ページ目の下から2つ目のパラグラフの最後の部分なのですが、社会情勢の分析で「環境に配慮した消費行動であるエシカル消費についての関心も高まっている」。

あと、13ページになるのですが、「(4)消費者市民社会構築に向けた国からの多角的な視点の情報提供」ということで、1パラ目の最後のほうに「エシカル消費の考え方のような、持続可能な社会の形成に寄与する具体的な情報の提供を行う」という文言があってございます。

また、23ページの「(4)職域」という部分の2つ目のパラグラフの3行目に、SDGsやエシカル消費の概念の普及といったことを企業から従業員に対して教育いただくことも重要だと盛り込んでいるところなのでございますが、御指摘のとおり、SDGs、エシカル消費に対する認識、意識も高まっているところでございますので、記述については拡充したいと考えてございまして、例えば現在の資料1の案でございますが、6ページにございます「社会情勢の変化」の「持続可能な社会実現に向けた機運の高まり」ということで、ここの部分の記述を大幅に拡充したいと考えております。

また、9ページの「消費者教育の推進の基本的な方向」で、黒字でございますが「消費生活が地球環境等に与える影響について考える素材となる情報の提供」については、引き続き記載していく。

また、最後のマルでございますが「社会課題解決のため消費者と事業者の共創・協働の促進」ということで、消費者によるエシカル消費と事業者の取組を両輪として推進することとか、食品ロス削減のような好事例といった部分で、持続可能な社会の実現とかエシカル消費についてしっかりと書き込んでまいりたいと考えているところでございます。

それから、認証等、消費者からの目安も活用して、実際の行動につなげていくことについては、私たちも大事だと考えているところでございます。先ほど受田委員からもお話がございましたが、基本計画の工程表の中にも入ってございまして、こういったものも踏まえながら、記載については検討してまいりたいと存じます。

ありがとうございました。

○生駒委員 ありがとうございます。

いろいろな観点で取り上げて、エシカル消費とかSDGsも盛り込んでくださっていると思うのですが、もはや大枠の中に、大前提として、SDGsの我々の目標達成のために、消費も頑張ろうみたいな形で、私自身は、消費者教育自体がエシカル教育とイコールになっていって良い時代だと思っているのです。

社会課題を解決するための消費も大きな力なのだということは、ここで大きくアピールしていっても良い時代に入っていると思います。何らか工程表の大枠の部分でもSDGsとかエシカル消費といったことを盛り込んでいただけるような御検討といいますか、方向性もまたお考えいただければと思います。

以上です。

ありがとうございます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、青木委員、よろしくお願いいたします。

○青木委員 青木です。

御説明どうもありがとうございました。

今回、7年間というかなり長期間にわたるところを踏まえた基本方針ということなので、非常に多面的な御検討をされたのだと理解しております。

私も3点ほどあるのですが、1点目は、生駒委員と全く同じで、SDGsの捉え方が弱いのではないかと感じております。

基本的な方針の取組の方向等については、かなりいろいろな検討をされているのですが、そもそも消費者教育が消費者に育むべき力、どんな消費者を教育していくべきかという像のところは、現行の基本的方針でも、10ページに書かれているかと思うのですが、どういう消費者という中の1つ目にある「消費者市民社会の構築に関する領域」として、自ら考えるとか、こういうことが書かれていたり、安全の面がある1番目のところは、SDGsをしっかりと立てて、ここを強化する。

どんな消費者と言うときに、単に消費だけではなく、もっと生活者として、地球環境に関しても、SDGsで求められている「つかう責任」をしっかりと教育していくべき力、育むべき力のところできちんと強調していただけたらと非常に感じております。

そういう中に、あちらこちらに自ら考える消費者という言葉が出てくるのですが、考えるだけではなくて「考え、行動する」「考え、活動する」という捉え方が重要ではないかと。

教えられるだけではなくて、今回の方向性の中にもいろいろと消費者同士で学び合う、あるいは協力し合うという言葉も入っているのですが、考え、行動することを、例えばいただいた資料の4ページ目の冒頭は「被害に遭わない」と「より良い市場・社会の発展のために積極的に関与する(自分で考える消費者)」になっています。ここも「自分で考え、行動する消費者」です。

あと、9ページにもあったと思います。「『学び』『考える』」だけではなくて「学び、考え、行動する」という行動するところまでの像をしっかりと持っていただいたほうが良いのではないかと思いました。

現行の参考資料でいただいた学習指導要領にも、全ての課題に対して考え、追求し、探求し、活動するということが教育の中にも書かれていると。これは非常に良い視点だと思いました。

そういう意味で、いろいろな体験学習、あるいは自分たちで参加する、自分たちで検討していく、考えるところが教育面でも出ているのが、消費者の意識、いただいた参考資料1にもありましたが、SDGsやエシカル消費に対して、10代とか20代の若年世代の意識がすごく高くなっている。次世代になる人たちがこういう感覚を持ってくれているのも、消費者教育、学校教育でのこういうものの浸透が一つ大きな形で出ているかと思いますので、今回の中にも「行動する」という視点を入れていただけたらというのが2点目です。

3点目は、7年なので、これを決められたときに、現行も別添として重点課題のようなことが書かれているのですが、7年間の変化を予測し切るのは非常に難しいですし、また、いろいろな変化がもっと加速度的に出てくると思いますので、その都度、重点的に取り組むべき課題を策定して、取組にメリハリを付けるようなところを、どこか大きな基本的な方向の中の最後のほうにでも入れていただけたらどうかと思います。

非常に多方面ありますし、すぐに効果が出ることではないので、計画的な取組ももちろん必要なのですが、今回のコロナもそうですし、様々な想定し切れない動きは出てまいりますので、それらをこの7年の中でも毎年、あるいは都度、あるいは適宜でも良いと思うのですが、的確に重点課題を定めて、それに対して重点的にウエイトをかけて取り組んでいく視点を入れていただけたらという私の3点の意見です。

以上です。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございました。

1点目については、消費者の育むべき力という部分について、もうちょっとSDGsに重点を置いた記述にすべきではないかという御指摘と存じます。

消費者教育が育むべき力の部分の拡充内容については、まだ資料としては具体的に整えてございませんで、中身について検討する際に、御指摘を踏まえて検討させていただきたいと存じます。

②の自分で考える消費者について、更に行動した先の姿も像を結んでしっかりと考えるということで「行動する」という記述も必要であるという御指摘だったかと存じます。

自分たちの思いとしては、例えば9ページ目で「『学び』『考える』ことを促進」と<基本的視点>に置いて、その次の「市民社会の一員としての行動を促進」という部分にそういった思いを込めさせていただいたつもりでおりましたが、もうちょっと「考える」と「行動する」をつなげた形で拡充することについて検討させていただきたいと思います。

3点目の7年という中で、メリハリを付けて取組を進められるような記述をと御指摘いただいたと存じます。

参考資料2として、前期の第4期の教育推進会議におけるまとめの中でも、4ページの下の部分から、次の第5期の推進会議における課題ということで、例えばデジタル化に対応した消費者教育、体系的な消費者教育推進のための体制整備、市民社会の実現に向けた消費者教育といった観点を引き継いでいるところでございまして、こういったことも踏まえながら、計画的に、またメリハリを付けた形で取組を進められるように検討してまいりたいと存じます。

御指摘ありがとうございました。

○青木委員 よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、木村委員、よろしくお願いします。

○木村委員 木村です。

御説明ありがとうございます。

私からは、8ページになるのですが「デジタル化への対応」というところです。7年間ということで、先ほど委員の方もおっしゃっていたのですが、5年前のことを考えると、7年後にどういった世の中になっているのか、本当に分かりませんし、デジタル化がどのぐらい進んでいるのか、私たちの生活がどういうことになっているのか、想像できない部分もあるのですが、新しいものに対しては、誰もぜい弱性があると思います。

デジタル化だけとは限りませんが、どのように利用していくべきかとか、何に気を付ければ良いのかと重点的に保護することももちろん必要ですが、消費者全体に対して、新しいものに対しては誰もが弱者であるという視点を是非入れていただければと思います。

例えば子供は、消費者といいましても、これまでせいぜい自分の文房具を買うとか、そのぐらいしか購買行動をしなかったと思うのですが、デジタル化が進むと、ネット通販、ゲームなどいろいろなことを行うようになって、子供といえども消費者であるということが随分クローズアップされて、消費者問題にも大きく関わってきていると思うのです。

そういうことを考えますと、子供に対しても、どのように消費者教育をしていけば良いのかということは必要なことですし、消費者教育は、大学生だけではなくて、小学校、中学校と様々なステージで必要であると思います。例えば大学生が垣根を越えて、小学生、中学生と一緒に取り組んでいく等、そういった形も今後、もっと進んでいけば良いなと考えております。

あと10ページなのですが、「様々な場における消費者教育の推進」で、今「学校」というところで、私は学校の垣根を越えてと申しました。

同様に、「家庭」なのですが、確かに書いてあるとおり、子供は、親を信頼できる情報源として認識していると私も思うのですが、親が必ずしも正しい知識を持っているとは限らないというところで「学校」「地域社会」「家庭」「職域」が連携して情報共有していくとか、そういった考え方を是非進めていただければと思います。「家庭」ももちろん大事なのですが、一つの「家庭」だけではなくて「家庭」が幾つか協働する形でやっていく。それは「地域社会」ということになるのかもしれませんが、消費者、子供たちが正しい知識を得ることができるように、そして、高齢者も、自分の家庭に閉じ籠もることではなくて、地域社会全体で消費者教育が進んでいくように、そういった取組を進めていただければと思います。

以上です。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございます。

デジタル化の進展については、新しいものには誰にでもぜい弱性があるということで、国民の皆様全体に留意すべき点等をしっかりとお伝えできるようにということで、私たちも、デジタル化については、おっしゃるとおり、平均的な消費者についても、一時的にぜい弱な消費者となってしまう状況が発生することについて、従前の基本方針にも盛り込ませていただいているところでございまして、誰でも被害者になり得ることに留意した文言ということで検討させていただきたいと思います。

それから、垣根を越えた教育で、特に大学生からといった観点、また「家庭」につきましても「家庭」だけではなくて、いろいろな場が連携して共有していく取組につきましても、今でもいろいろな担い手が連携してということについては、書かせていただいているところではございますが、大学生の取組、また、家庭、子供へのアプローチについて、御意見を踏まえまして、文言を検討させていただきたいと思います。

ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、星野委員、よろしくお願いいたします。

○星野委員 分かりやすい御説明をありがとうございました。

2点ございまして、1点は、資料1の12ページの「達成度の検証」でございますが、諸外国とか、最近の政府が他部門で行われているEBPMの在り方を是非踏襲していただきたい。私も、内閣官房のEBPM系のいろいろなワーキングとかに出ておりますが、行政記録データの活用は既に行われつつありますので、是非目指していただきたい。

今回の期間は 7年ですから、この間に他部門のEBPMは、かなり大きく変化しているであろうことは容易に想像できます。

具体的には、警察とか法務省データ等、そういった行政記録データを活用していただきたい。

例えば地域間での教育の取組の差が、その地域での消費者被害にどのように影響を与えるか、高校での消費者教育の実施度の違いみたいなものは、過去、既にあると思いますが、そういったものが、その後の被害にどう反映されているのかといったことを精緻に見るようなEBPMの手法等も、ほかの部門ではかなり活用されておりますので、是非そういった方法を 利用していただきたいです。

方法論自体も既にございますし、あとはデータを連携していただければできることでございますので、単にKPIと申しましても、入力ベースとか、どれだけ実施したかとかではなくて、実際にどれだけ被害を防止できたかという観点で是非議論していただきたいと思います。

2点目でございますが、この資料の7~9ページにございます<基本的視点>自体は4点で、非常に良いとは思いますが、もう一点、先ほどの木村委員の議論を更に広げて、デジタルとか新しい消費以外でも、一般的な消費者が持っているバイアスとかだまされやすさがあることを踏まえた、ほかの先進国も、OECD諸国などでも打ち出されていますような行動経済学とか心理学の知見を盛り込んだ教育を是非していただきたい。

既にどのように人をだますかという方法に関しては、かなり膨大な知見があり、研究としては既に何百という研究があり、類型化されており、企業も それを学んで、それを使ってだますというか、自社にとって利益になるような形で、様々なことを行っておりますので、そういったもの自体を教育していただくことによって、様々な被害を未然に防止していただくことが重要かと思います。

主体的で賢いとか、自分で情報を収集すると言いますが、結構抽象的というか、賢さとは何なのだ、賢くなりなさいと言うのは、成績を上げなさいと言うのと同じようなもので、何が賢くない状態なのか、何が自分が陥りがちな問題なのかというのが分かると、そこに対して、どうやってなるべくそういう形にならないようにするかということが分かります。

霞が関の優秀な皆様でさえも、 常に賢くあり続けるのは難しいと思います。例えば予算編成やレク、答弁作成とかで忙しいときに、生活場面では消費とかでミスをすることもあると思うわけです。

だから、常に賢いというのは、実際に難しいわけですので、どのような状況で人々はだまされるかということに関して、かなり知見がありますので、そういった知見を踏まえた教育は、諸外国で既にされ始めておりますので、7年間ということでやるのだったら、そういったものを是非盛り込んでいただければと思います。

ありがとうございます。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございました。

1点目の「達成度の検証」に当たっては、しっかりとアウトカムの部分も見ていくべきだという御指摘だったかと存じます。

私たちも、KPIについて、アウトカムの部分の把握はなかなか難しいという議論を始めているところなのですが、今の先生の御指摘で、ほかに知見もあるというお話もございましたので、どこまで分析できるか、私たちに力があるかという部分はありますが、できるだけ御指摘を踏まえながらやっていけるように、また御指導いただきながらやっていけたらと思います。

2点目の<基本的視点>で、一般的な消費者についてもバイアスがあって、そこにどういったバイアスがあるかということについても、賢くなるに当たって、提供していくべきではないかという御指摘だったかと思います。

そういった知見について、我々も勉強させていただいて、基本方針にどういった形で具体的に盛り込めるかということについては、また検討させていただきたいと思いますが、取組として進めていきたいと存じます。

御指摘ありがとうございました。

○星野委員 ありがとうございます。

○後藤委員長 それでは、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

今まで皆様がおっしゃったことと重なるところは簡単にと思っておりますが、7年はかなり長いと私も思っておりまして、途中で見直しは入れていかれると思うのですが、特にデジタル化などの進展を考えますと、できるだけ短期に見直すといいますか、そういう機会を設けていただきたいというのが1点目です。

2点目としましては、御説明いただいた資料1の9ページの「消費者教育の推進の基本的な方向」の③ですが、私も受田委員、生駒委員、青木委員がおっしゃったことと全く同意見です。多分「『教えられる』だけでなく、消費者による自ら及び相互に『学び』『考える』」の後に、下の「消費者市民社会の一員としての行動を促進」がつながるのかなと思って拝見しました。行動もいろいろとありまして、活動する、ということもありますし、意見を言う、ということもあります。

例えばマルの3番目にある「消費生活が地球環境等に与える影響について考える素材となる情報の提供」にしても、消費者だけがその情報を一方的に受け取る、ということではなく、消費者と事業者の意見交換やコミュニケーションがあって、初めて社会が進むので、ただ情報を受け取るだけではないことを強調したいと思います。選んで買うということも行動の一つですし、消費者が意見を言うことも、行動の一つとして大変重要であると思っていますので、ここは、消費者が受け身で学ぶだけではなく、その先の行動に移せるような教育を目指していただきたいというのが2点目です。

3点目として、2点目の話に通じるのですが、本文の参考資料3には、17ページに「その他の消費生活に関連する教育」として、主権者教育とかキャリア教育を入れていただいているのですが、まず、意見を言う、行動に移すということでは、一番基本になるのが、例えば選挙に行くことであったりすると思うのですが、残念ながら、18歳から選挙権が与えられた後も、大人もそうですが、投票率がなかなか上がらないという現実があり、これはどうしてなのだろう、と大変問題だと思っております。

一方、いろいろなSDGsに関する活動において、若者が頑張っている場面に出会うのですが、帰国子女とか、海外での活動経験がある人が多いように思います。割と臆せず意見を言うし、ディベートというのですか、討論もできる人に育っているように思います。

日本の教育が駄目ということではないのだと思いますが、意見をちゃんと発信できる、自分の意見を持てるような教育が、SDGsの最終的な目標と重なるのではないかと思っております。

そういう意味で、今後は憲法の改正の話もありますし、ウクライナの話をどう考えるか、となりますと、平和に関する教育もみんなそこにつながるのかなと思います。選挙に行くことも、まずは消費者が自らの意思を発信する、ということの一つだと思いますので、主権者教育や平和教育なども、大きなところで目指していただきたいというのが3点目です。

そのためには、一番教育を担う現場である学校の先生の存在が重要になりますので、参考資料3の最後のところに、担い手の育成ということで、消費生活センターの人もそうですし、学校の先生のことも書いてありますが、この点、大変重要だということで、是非加えていただけると有り難いと思いました。

以上です。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございました。

1点目の7年が長いということにつきましては、大石先生を含め、委員の皆様方の御意見も踏まえまして、見直しをしっかりと行っていけるようにしたいと存じます。

それから「『学び』『考える』」に加えて行動していくことについて、本日、たくさん御意見をいただきましたので、そういったことが伝わるような基本方針にしていきたいと存じます。

3点目が、主権者教育もそうですが、しっかりと意見が発信できるということと、協働していくことについて、関係する省庁とも共有させていただきながら検討させていただきたいと思います。

学校現場の先生についても、我々としても支援していきたいと存じます。

また御指摘を踏まえて検討させていただきたいと思います。

ありがとうございました。

○大石委員 よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 それでは、黒木委員、よろしくお願いします。

○黒木委員 いろいろと委員の方々に御意見いただいているのですが、資料1の4ページ目の「消費者教育」とは「被害に遭わない(だまされない消費者)+より良い市場・社会の発展のために積極的に関与する(自分で考える消費者)の育成」であるのは、全く異論ありません。

その観点で「だまされない消費者」という点について、ちょっと弱いのではないかという気がしています。その点について、半分意見を述べたいと思います。消費者教育推進会議の資料を全部読んだわけではないので、抜けているところもあるのかもしれませんが、令和4年7月22日の32回の推進会議の中で、資料2-2として「若年者の消費生活に関する知識と行動についての実態調査報告書の概要について」という資料がアップされていて、読ませていただきました。

それを見ると、契約の成立とか未成年取消、クーリングオフ、クレジットカードの利用といった、成年年齢の引下げが非常に意識されたことは分かります。しかし、議論が特商法に行ってしまっている、設定されている質問もそうなっているものが多かったと思います。

その点で言わせてもらうと、消費者契約法についてです。消費者契約法4条3項の取消権は、困惑類型による取消権を定めています。これは普通の契約では取り消せない類型について、消費者と事業者の情報量と交渉力の格差があるということで、取消権を認めていることです。事後的な被害回復なのですが、どうして取消を認めているのかについて考えていくと、困惑類型というのは消費者被害に遭いやすい類型だから、わざわざ取消を認める条文を作っていると考えられます。

そうすると、前回、清水委員が、消費者契約法になってしまったら、消費生活センターではお手上げだとおっしゃっていた。実際には、事後救済だけでは、消費者契約法の取消ではなかなか被害回復は難しいのです。未成年取消権みたいに年齢ですぱっと切れるものがなくなってしまっている以上は、このような消費者契約法の困惑類型については、消費者被害に遭いやすい類型なのだということを、もう少しまとまった教育の機会を特に若年者や大学生とかに与えることは必要ではないかと思っています。

特に現在問題となっている霊感商法とかも、困惑類型の中にわざわざ条文として入っているわけですから、このようなところについて考えていくべきだろうと。

SDGsも非常に重要なことに、一切異論はありません。

しかし「だまされない消費者」という点について、もう少しこの方針の中でフォーカスしていくべきではないかと思っています。これは半分意見になりますが、そういう観点をもう少し強く出してもらいたいということであります。

以上です。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございます。

我々も、契約法の内容も含めて「だまされない消費者」を育成するという観点からの支援も重要だと考えてございます。

具体に契約法もそうだと思います。

特商法に寄っているというお話もありましたが、しっかりと時宜を得た情報提供なり、支援なりをしていくことは大事だと思っておりますので、基本方針うんぬんにかかわらず、消費者教育としてそういう取組を推進していくことについて、しっかりとやっていきたいと思います。

また、記述についても検討させていただきたいと思います。

ありがとうございました。

○黒木委員 よろしくお願いします。

「だまされない消費者」プラス未来を作る消費者ということで、それが消費者教育だということは異論ありませんので、よろしくお願いします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

受田委員長代理、よろしくお願いします。

○受田委員長代理 2回目で恐縮です。

もう一点、これまで委員から挙げられていない内容の中で、資料1の12ページにある「達成度の検証」の部分で一言だけコメントさせていただきたいと思います。

「都道府県では全てにおいて推進計画が策定されていることを踏まえ」うんぬんとあります。

これに基づいて、広域的視点から、管内市町村の取組を支援していくことが求められていることに関してです。

多分、今、1,718市町村あると思うのですが、2030年近くになってくると、人口減少によって、限界集落が消滅集落へとつながっていって、フルセット機能が全く担保できない市町村がどんどん出現してしまいます。どうしてもフルセットの中からこぼれ落ちていく行政的役割が出てきて、その一つが消費者行政にならないことを祈るばかりです。

そういう意味で、広域的連携の枠組みを駆使していかなければ、消費者行政、あるいは今回議論されている消費者教育の計画的な推進は、計画ばかりが絵に描いた餅になっていく可能性すらあるだろうと思います。

その点で、府省庁連携をより充実させていくことを「消費者教育の推進に関する基本的な方針」の中に是非盛り込んでいただきたいと思います。

具体的には、例えば総務省において、連携中枢都市圏等が施策として講じられていて、中核都市と周辺自治体の関係は、定義として昼間・夜間人口の比率等いろいろとあるのですが、その枠組みの中で両者が連携していくことを促進しています。

そのメニューでどういうものが効果的であるのかという議論の場に、私も時々参加するのですが、こういった消費者行政や消費者教育の推進に関する話題は、残念ながらほぼ出てきません。

ですから、今回のこういった消費者教育の推進に関して、府省庁連携の枠組みを駆使していただくことを最終的な達成度、あるいは先ほどもありました計画の実行段階における方法論として明示していただくと、大変有り難いと思います。

以上です。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 御指摘ありがとうございます。

私たちだけでできることも限られておりますし、他の消費者施策との連携とか、各省庁での施策を推進ということについては盛り込んではいるところでございますが、こういった取組について、更に記述を拡充するとか、実際の取組につなげていくことについて、私たちも取り組んでいきたいと存じます。

御指摘ありがとうございました。

○受田委員長代理 ありがとうございます。

○後藤委員長 ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。

消費者庁を始めとする関係省庁におかれましては、成年年齢引下げやSDGsのほか、様々な分野における消費者教育を精力的に推進していただいているところです。関係者の御尽力に心より敬意を表したいと思います。

本日の審議では、次期基本方針で拡充が検討されている項目を中心に御説明いただきました。

委員の方々から様々な御意見が出ております。

まず、消費者教育は、SDGsとの結び付きが深いという御指摘がありまして、基本方針の記述の中でその部分をより充実させることが必要ではないかという御指摘がありました。

それから、今回の基本方針は、対象期間を今期に限り、7年とするということでありますが、7年後を予想するのは、特にデジタルの問題などを考えると、なかなか難しいことであって、途中で見直しをしていく必要があるのではないかという御意見が出ております。

デジタルの関係につきましては、委員の方々の関心が非常に高いところでありまして、例えば子供の消費者問題が増えてきている。ネット通販とかゲームもデジタルの問題になってくると思いますが、そのような問題を考える際にも、消費者問題という視点を、子供についてより強く持つ必要があるのではないかという御意見が出ております。

また、デジタルについては、最初の段階では誰もがぜい弱な消費者であるということでありまして、そういう消費者が持っている特性に対して、心理学や行動経済学の方面での知見をもって対応する必要がある。そういう意味で、消費者教育の中でも、行動経済学や心理学の知見を教育していくことも必要ではないかという御意見も出ております。

行動経済学の分野からは、だますことについても手法があるとの分析ができるということでありまして、そういう意味では、基本方針の中で「だまされない消費者」とうたっていますが、これをもう少し強く打ち出しても良いのではないかという御意見も出ております。

また、消費者教育の「達成度の検証」が非常に大事であるということでありまして、これに関しても、EBPM(証拠に基づく政策立案)の手法等を活用して取り組んでいく必要があるという御指摘を受けております。

さらに、消費者教育の推進に関して、府省庁連携が重要であり、府省庁連携の枠組みを駆使して取り組んでいく必要があるという御意見も出ております。

多様な御意見が出ておりますので、まとめ切れてはおりませんが、以上のような御意見が出ておりますので、それらを踏まえて、更に取り組んでいただきたいと思います。

消費者庁におかれましては、社会の変化や消費者のニーズに即した消費者教育がより一層推進されるような基本方針の策定に向け、検討を継続していただきたいと思います。

令和4年度の決定を目指しているということですので、消費者委員会では、本日の議論を踏まえまして、今後も必要に応じて意見表明を行うことを含め、引き続き検討していきたいと考えております。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ審議に御協力いただき、ありがとうございました。

どうぞ御退席ください。

ありがとうございました。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございました。

(山地消費者教育推進課長 退室)


《3.その他》

○後藤委員長 続きまして「その他」事項といたしまして、消費者委員会に寄せられた意見等の概要につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○友行参事官 それでは、お手元に参考資料4と参考資料5をお願いいたします。

最初に、参考資料4の消費者委員会に寄せられた要望書、意見書等の一覧でございます。

4~6月までに寄せられたものとなっております。

順に確認していきますが、最初は、消費者契約法改正案に対する修正を求める意見書となっており、契約法に関する意見となっております。

契約法自体は、令和4年6月に公布されておりまして、一定改正が行われております。

1年を経過したところで施行されるということで、これから施行に向けてというところだと思いますが、意見が来ているところでございます。

次の意見につきましては「電子移転可能型前払式支払手段の規律に関する意見書」で、早期の法制化を求める形の意見でありますが、既に今年6月に法律が成立しているところでございます。

その下の4つについては「民法の成年年齢引下げにあたり」と成年年齢引下げに関連した意見となっております。

これらの意見につきましては、内容はおおよそ同じような視点で書かれておりまして、成年年齢の引下げの法律に当たっては、例えば上から3つ目の「4月4日」の意見を見ていただきますと、右側のポイントでございますが、上から2行目で、附帯決議がついていますということでございます。

本法律成立後2年以内に、つけ込み型不当取消権の創設とか、高等学校・大学等での実践的な教育の実施といったことで、この附帯決議について検討していただきたいという意見が最後のところまで述べられているといったところでございます。

こちらについては、今年4月に実際に引き下げられたところでございますので、実態については、引き続き様子を注視していくところだと思っております。

次のページにまいりまして、2ページ目でございますが、一番上は、契約法に関すること。

それから「4月18日」のところで「契約書面等の電子化に関する政省令策定についての意見」が来ております。

今回来た意見の中では、契約書面の電子化に関する政省令の在り方についての意見が最も数多く来ておりました。

契約書面の電子化につきましては、元となる特商法や預託法が改正されておりまして、法の成立自体は令和3年6月でございます。

2年以内に施行するということで、今、書面電子化について、政省令をどうするかというところについて、消費者庁で検討会が行われているところでございます。

直近では、7月28日に検討会が行われており、消費者の書面でもらっても良いよという承諾をどういう形で取るかとか、電子で行う場合は、どういう方法で提供するかということについて、割と突っ込んだ議論がなされているところでおります。

恐らく、この検討会の報告書が8月や9月頃にまとまると見ております。それがまとまった頃に、もしかすると、また委員会で意見を聴くといったこともやっていただくこともあり得るのかなと考えているところでございます。

こういった契約書面の電子化の意見がずっと続いておりまして、3ページ、4ページ目を見ていただきますと、契約法に関すること、書面交付の電子化に関することとなっております。

5ページ目にあります意見の4つは、全て書面交付の電子化に関することとなっております。

6ページ目を御覧いただけますでしょうか。

上から2つ目のところでございます。

「SNS事業者の本人確認義務等に関する意見書」が来ております。

こちらは、今期では1つだけなのですが、右側のポイントを見ていただきますと、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)における詐欺行為や消費者被害があることから始まっておりまして、要は、SNS上でトラブルがあっても、相手を特定できないということでございます。

相手を特定できないと、被害の回復につながらないですし、再発防止にもつながらないということで、この辺りを検討してほしいという意見書の内容となっております。

次の下の「5月27日」の意見でございますが、こちらは契約法の話と、同時に法改正しました消費者裁判手続特例法に関することについての意見でございます。

右側を見ていただきますと、今回の改正について、まず、上から4行目に、契約法については、附帯決議に示されたとおりという書きぶりがございます。既存の枠組みにとらわれない抜本的かつ網羅的なルール設定の在り方についての検討をしてほしいということでございます。

今回の契約法の改正で、例えば契約の取消権についての条件が追加されたということで、拡充はされております。

ただ、ここに書かれておりますのは、取消権の追加は措置されていますが、これまで場面場面に応じて措置してきているので、隙間をすり抜けているという指摘がありまして、そのため、抜本的、網羅的なルールの設定についてという御意見と見ております。

それから、同じ四角の下から4行目でございますが、消費者裁判手続特例法については、前進したことを評価するという記載がございます。

その2つ下の行ですが、消費者団体訴訟制度を始めとする民事訴訟手続では、被害回復に限界があり、悪質な事業者による多数消費者被害を回復するには、早期かつ広範に消費者被害を探知できる行政的手法についての検討を進めることを要望するといった記載もございました。

このページの一番下の「6月2日」の部分については、契約書面の電子化に関することとなっております。

7ページに行っていただきまして、上から3つ目の「6月21日」のアフィリエイト広告に関する景表法、特商法における対策という意見でございます。

アフィリエイターがブログなどに商品広告のバナーなどを貼り付けまして、そこをクリックして商品購入に至ると、アフィリエイターに成功報酬が入る。これをアフィリエイト広告というわけでございますが、恐らく健康食品や美容関係に多く見られるものだと思われます。

現状、こうした広告については、広告主がアフィリエイト広告を管理することになっており、景表法の不当表示となるような広告を防止するという建付けになっております。

ただ、それについて、こちらの意見で述べていることについては、右側のポイントの上から4行目あたりからですが、アフィリエイト広告の広告主が講ずべき表示の適正な管理上の措置に具体例を追加する改正を早急に行い、これを広告主などに周知徹底することで、景表法についての更なる取組などについての要望となっております。

8ページ目でございますが、上から2つ目の四角で、食品表示関係のものが2つ来ております。

上の意見につきましては、トレーサビリティ制度の導入をということでございます。

その下の「5月19日」については、表示についての意見でございまして、右側のポイントを見ていただきますと、トクホとか機能性表示食品などの保健機能食品における表示について、現状、景表法、健増法、薬機法以外の規制手段がないので、これについて更に検討するべきではないかという意見でございます。

8ページ目の下2つからは<その他>ということで「4月8日」の2つの意見は、いずれもコロナウイルスの薬についての要望書となっております。

最後の9ページ目にまいりまして「4月11日」の基本計画についての意見書も来ております。

こちらについては、委員会でも、基本計画工程表の改定が毎年なされているに当たり、これまでヒアリングをしたり、意見を述べるといったことも行ってきておりますので、そういった形で対応していければと思っております。

一番下の「6月22日」の意見は、コロナウイルス感染症の治療薬についての意見で【参考送付】でございます。

6月までに来た意見についての概要の御説明は、以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、委員の皆様から何か御意見等がございましたら、お出しください。

意見交換は、約10分を予定しております。

特にございませんか。

受田委員長代理、お願いいたします。

○受田委員長代理 ありがとうございます。

私が中心で担当しております食品表示関係も、今、友行参事官から両方御紹介いただきましたので、少しだけコメントしておきたいと思います。

上のほうの食品全体のトレーサビリティ制度の導入については、これまでも何度もこういった要望をいただいていると記憶しております。

昨今のアサリの産地偽装であったり、ここに書いてありますように、ゲノム編集技術応用食品等にもそういった要望が関連し合っていることがあることは、十分に存じ上げております。

今後も、トレーサビリティに関しては、米や肉以外に広げていけるかどうか、一つ一つ丁寧に考えてまいりたいと思います。

2つ目の食品表示法の規制対象に広告を含む旨の法改正は、早急に実施すると提案いただいておりますが、私自身、内容的には、これを実施するために検討しなければいけないことはかなりたくさんあるのではないかと考えております。

前段にあります保健機能食品制度に関しては、このことも含め、いろいろな課題が消費者の皆様から出ておりますし、一方で、事業者サイドのニーズもたくさんあると受け止めておりますので、この点についても、消費者委員会として具体的な対応を考えていかなければいけないことを念頭に置いて、また今後、活動してまいりたいと思います。

私からは以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 ありがとうございます。

あまり時間がないので、簡単に申し上げますが、こういう形で電子化と、成年年齢引下げとの関連での消契法の改正も含めてですが、こういう意見が出ている。

私は半分出している側にもいるわけですが、いずれにしろ、そういう形で見ている。

消費者委員会の活動も、こういう形で意見書が出て、これに対してどこかで応答しないといけないことが出てくることもあるのだということについては、私も委員として、これを非常に重く受け付けて、今後も活動していきたいと思っています。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

事務局から追加の御説明があるそうですので、よろしくお願いいたします。

○友行参事官 大変申し訳ございません。

先ほど参考資料4と参考資料5を御覧くださいと申し上げまして、参考資料5の御説明を忘れてしまいましたので、簡単にお伝えいたします。

参考資料5については、国民生活センターが記者公表した案件の一覧でございます。

4~6月について、全部で16件ございます。

テーマを読んでいただければ、どんな消費者被害に基づいて出された意見かということは、おおよそ想像が付くのかなと思っております。

ウクライナの関係の事案も2つございまして、ウクライナ支援のために書籍を買ってくださいとか、そのような事案も起きているという注意喚起がなされているところでございます。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 時間がないところ、すみません。

簡単に、先ほど御説明いただいた要望書、意見書のところで、契約書面の電子化については、当初から消費者委員会にも意見が届けられており、今後、取りまとめが行われているということでした。先ほど友行参事官からもお話がありましたが、消費者委員会としても建議を提出しておりまして、意見といいますか、何か発するものがあるかとか、まず、その取りまとめの後、説明をいただいてということが必要かと思っております。

それから、成年年齢引下げに伴う意見書もずっと届いているところで、法令実施後、4月以降、実態はどのようになっているのかというのを見ることがまず大事かと思っております。

その上で、要望書についての検討も行うのかどうかということで、まずはその経過を見る機会をいただければと思います。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

これらの意見書等につきましては、今後の動向に注視するとともに、必要に応じて消費者委員会の調査審議において取り上げることといたします。


《4.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は以上になります。

最後に、事務局より、今後の予定について説明をお願いいたします。

○友行参事官 次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせいたします。

以上です。

○後藤委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)